説明

半導体装置の製造方法

【課題】 ダマシン配線のトレンチあるいはビアホールの側壁部でのダメージ層の生成および多孔質のLow−k膜中でのボイドの発生を抑制する。
【解決手段】 下層配線1上に第1エッチングストッパー層2a、多孔質の第1低誘電率膜2bおよび第1キャップ層2cの積層した第1層間絶縁膜2を形成し、Cのような炭素含有量が多いフルオロカーボンガスを用いレジストマスク3を使用したドライエッチングによりビアホール4を形成する。次に、第1キャップ層2cをハードマスクにし、エッチングガスとしてCF/Ar/N混合ガスあるいはCHF/Ar/N混合ガスを用い、上記エッチングガスの圧力を0.1Pa〜6.0Pa範囲にして第1エッチングストッパー層2aをエッチング除去し、ビアホール4を下層配線1表面に達するように貫通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、詳しくは、多孔質の絶縁膜を層間絶縁膜に用いたダマシン配線の形成に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高速化は著しく、多層配線部における配線抵抗と配線間の寄生容量に起因する信号伝搬速度の低下による伝送遅延が問題となってきている。こうした問題は、半導体デバイスの高集積化に伴う配線幅および配線間隔の微細化につれて配線抵抗が上昇し且つ寄生容量が増大するので、益々顕著となる傾向にある。そこで、配線抵抗および寄生容量の増大に基づく信号遅延を防止するために、従来のアルミニウム配線に代わる銅配線の導入が行われると共に、層間絶縁膜に低誘電率の絶縁膜(以下、Low−k膜という)を用いることが試みられてきた。ここで、低誘電率膜とは二酸化シリコン(SiO)膜の比誘電率3.9以下の絶縁膜のことである。
【0003】
上記銅配線の形成方法として(デュアル)ダマシン法によるものがある。これは、銅がアルミニウムに比較してエッチングレートの制御が困難であることに鑑み、銅はエッチングせずに配線を形成する技術、すなわち層間絶縁膜に配線用溝(トレンチ)あるいは接続孔(ビアホール)をドライエッチングにより形成し、このトレンチあるいはビアホールに銅あるいは銅合金を埋め込むダマシン配線(溝配線)技術である。そして、多層の銅配線では、たとえば、下層の銅配線の上に絶縁性バリア層(あるいはエッチングストッパー層という)として比誘電率の小さいSiC(炭化シリコン)膜、Low−k膜として有機系絶縁膜、そしてキャップ膜としてSiO膜をこの順に成膜した積層膜を形成した後、上記積層膜をドライエッチングして下層配線の上部にビアホールあるいはデュアルダマシン構造のトレンチを形成し、ビアホールあるいはトレンチ内にバリアメタル、銅あるいは銅合金材で成る配線材料膜を埋め込むことによってビアプラグあるいは上層の銅配線を形成する。配線材料膜の埋め込みは、スパッタ法、原子層気相成長(ALD;Atomic Layer Deposition)法、Cuメッキ法等によりトレンチ等に埋設するようにして配線材料膜を形成した後、トレンチ等の内部にのみ配線材料膜を残すように化学的機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)法を用いて表面を平坦化することによって行われる。
【0004】
しかし、Low−k膜を層間絶縁膜としたダマシン法によるビアプラグあるいは銅配線を実用化しようとすると、以下のような2つの大きな問題が生じ、それに対する解決手法が必須となる。その第1の問題は、上記積層膜のドライエッチングにおいて、エッチングで露出する下層の銅配線の表面が酸化され易いためにその表面に絶縁性の反応物が付着すると共に、上記積層膜に形成するビアホールあるいはトレンチの側壁がサイドエッチングされ易く、上記銅配線を有する半導体装置の製造歩留まりが向上しにくいことである。ここで、上記絶縁性の反応物の付着は下層および上層の銅配線間の電気接続不良を引き起こす。また、上記側壁のサイドエッチングはビアホールあるいはトレンチへの配線材料膜の埋め込み不良を引き起こす。そこで、上記積層膜、特に絶縁性バリア層のSiC膜のドライエッチングにおいて使用するエッチングガスに対して種々の検討がなされ、エッチングガスに酸素含有ガスを添加しないで、窒素含有ガスを用いることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。しかし、この解決手法はLow−k膜が緻密な絶縁膜の場合には有効であるが、Low−k膜が多孔質の絶縁膜である場合には適用できない。
【0005】
そして、その第2の問題は、特にLow−k膜として多孔質の低誘電率膜を使用する場合に生じる問題であり、上記ビアホールあるいはトレンチの側壁に多数の空孔(ポア)が製造プロセス中に露出し、このポアを通ってLow−k膜内に水分、配線材料膜のCuあるいはそのバリアメタルであるたとえばタンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)等が侵入し、層間絶縁膜の信頼性の低下および比誘電率の上昇、配線間のリーク電流の増加等が引き起こされることである。そこで、上記トレンチあるいはビアホールの側壁に側壁保護膜として緻密な膜質の無機絶縁膜(ポアシール)を設けることが提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。しかし、上述した従来の側壁保護膜は、比誘電率が約4近くのSiO膜のような絶縁膜あるいはそれ以上の金属酸化物層で構成されており、比誘電率が2.5程度あるいはそれ以下となる低誘電率膜に比べて極めて高くなる。このために、上述した従来の側壁保護膜は、それをダマシン法による銅配線の形成にそのまま適用しても、層間絶縁膜全体の誘電率が上昇し銅配線間の寄生容量の低減が難しくなる。
【0006】
以下、上記問題点の詳細を明らかにするために、多孔質絶縁膜から成るLow−k膜を層間絶縁膜としたダマシン法によるビアプラグ形成について、図12〜14を参照して少し詳細に説明する。ここで、図12〜14は下層配線上の絶縁性バリア層をSiC膜で形成し、Low−k膜を多孔質の低誘電率膜で形成してダマシン法で配線層間のビアホールおよびビアプラグを形成する場合の工程別素子断面図である。
【0007】
先ず、図12(a)に示すように、銅配線である下層配線201の上にSiC膜で成る第1エッチングストッパー層202を成膜する。そして、この上にLow−k膜203を成膜する。ここで、Low−k膜203は、たとえば比誘電率が2.5以下になる多孔質のメチルシルセスキオキサン(p−MSQ:Porous Methyl Silsesquioxane)膜である。
【0008】
次に、上記Low−k膜203上にキャップ層204を成膜する。キャップ層204は、レジストマスク形成のリワーク時にレジスト膜のOプラズマアッシング耐性を高め、また、Low−k膜203の吸湿による誘電率上昇を防止し、さらにCuメッキ後のCMPの研磨ストッパー等の目的で形成される。このキャップ層204は、たとえばシリコン酸化膜で形成される。そして、キャップ層204上に公知のフォトリソグラフィ技術により反射防止膜であるARC膜(不図示)とレジストマスク205を形成する。ここで、レジストマスク205にはビアホールパターン206を形成する。
【0009】
次に、図12(b)に示すように、キャップ層204及びLow−k膜203をRIE(反応性イオンエッチング)のエッチング装置内で順次にドライエッチングしビアホール207を形成する。このドライエッチングの時、エッチングガスとして、フルオロカーボン/Ar/Nの混合ガス系を用いる。このガス系を用いることで、Low−k膜3に対する膜ダメージが少なくなる。ここで、エッチング装置は、チャンバ内に対向して設けられた上部電極/下部電極の平行平板電極を有しており、高周波電源がこの上部電極あるいは被処理基板(半導体ウエハ)の載置される下部電極に接続されている。そして、チャンバ内に上記エッチングガスが導入され上記高周波によりプラズマ励起される。上記フルオロカーボンガスは、CF、C、Cのようなガスであり、ドライエッチング中のガス圧力は通常のエッチング圧力である10Pa〜40Paに設定される。
【0010】
以上のようにして、Low−k膜203を含む層間絶縁膜にビアホール207を形成した後、図12(c)に示すように、レジストマスク205を高温H/Heプラズマ、低温N/Hプラズマなどを用いて膜ダメージなく除去し、キャップ層204を露出させる。
【0011】
次に、図13(a)に示すように、キャップ層204をハードマスクにしたドライエッチングにおいて、エッチングガスとしてCHF3/Ar/N混合ガス、CF4/Ar/N混合ガスなどを用いて第1エッチングストッパー層202をドライエッチングし、ビアホール207を下層配線201表面に達するように貫通させる。ここで、エッチング装置は上述したRIEのエッチング装置であり、エッチングガスの圧力は通常の圧力である10Pa〜40Paに設定される。
【0012】
次に、図13(b)に示すように、スパッタ法によるTa、TaN等のバリアメタルの成膜およびCuシード形成、そしてCuメッキ成膜を行って配線材料膜209を下層配線201に接続してビアホール207に埋め込むように形成する。次に、配線材料膜209に対して、図13(c)に示すようにCuアニールを150℃〜350℃で行う。さらに、図14(a)に示すように、キャップ層204を研磨ストッパーとしその上の配線材料膜209の不要部分をCMPにより研磨除去し、下層配線201に接続するビアプラグ211を形成する。そして、図14(b)に示すように、ビアプラグ211の表面部およびキャップ層204を被覆するように第2エッチングストッパー層212をSiC膜等で形成する。
【特許文献1】特開2003−124200号公報
【特許文献2】特開2002−110644号公報
【特許文献3】特開2003−197742号公報
【特許文献4】特開2000−294634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
半導体装置の開発では、その設計基準が65nmから45nmへと構成素子の微細化が進んでいる。そして、ダマシン配線に用いる低誘電率膜の比誘電率は2.0程度あるいはそれ以下の値が強く求められてきている。このためにLow−k膜としては多孔質化した低誘電率膜が必須になっている。
【0014】
しかしながら、上記図12〜14を参照して説明した従来例の場合では、Low−k膜として多孔質の低誘電率膜を用いるために、特に第1エッチングストッパー層202であるSiC膜のドライエッチングにおいて、図13(a)に示したようにビアホール208のLow−k膜203の側壁近傍にダメージ層208が形成されるようになる。このダメージ層208は、上記p−MSQ膜の場合では、メチル基が解離し除去され改質した状態になっている。そして、このダメージ層208を通ってLow−k膜203内に水分、配線材料膜のCuあるいはそのバリアメタルであるたとえばTaN等が侵入し、層間絶縁膜の絶縁性の低下および比誘電率の上昇、配線間のリーク電流の増加等が引き起こされるという問題の生じることが判明した。これは、ドライエッチング時のプラズマ励起により生成されるフッ素のラジカル成分により上記側壁が改質されるためである。また、第1エッチングストッパー層202のドライエッチングにおいて、Low−k膜203とキャップ層204の界面領域にもダメージ層208が形成されることも判ってきた。この領域でのダメージ層は、CMP法による配線材料膜209の研磨工程においてLow−k膜203あるいは配線材料膜209の膜剥がれを生じる。
【0015】
更に、図13(c)に示すようにCuアニールの工程後に、Low−k膜203中にボイド(空洞)210が無制御に発生するという問題の生じることが明らかになった。このボイド210が生じると、Low−k膜203の機械的強度が低下し、この場合もCMP法による配線材料膜209の研磨工程において上記膜剥がれが発生し易くなる。このボイド210の発生は以下のようである。すなわち、図13(a)でダメージ層208を生成させた上記フッ素ラジカルがLow−k膜203中に取り込まれ、図13(b)のCuメッキ工程でLow−k膜203中に取り込まれた水分と、図13(c)のCuアニール工程において反応し、Low−k膜203中にフッ化水素酸(HF)が生成する。そして、このHFがLow−k膜203を局部的にエッチングし、Low−k膜203中にボイド210を生成する。
【0016】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、トレンチあるいはビアホールの側壁部でのダメージ層の生成および多孔質のLow−k膜中でのボイドの発生を抑制することのできる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者は、多孔質化した絶縁膜を層間絶縁膜に用いてダマシン配線構造体を形成する場合に、下層配線上の絶縁性バリア層であるエッチングストッパー層をエッチング除去する工程において生じる、上記ビアホールあるいはトレンチの側壁部のダメージ層および多孔質絶縁膜内へのフッ素侵入は、上述したドライエッチングでのエッチングガスのプラズマ励起において、フッ素のラジカル成分を低減させると共に直進性の高い窒素イオンあるいはフッ素イオンを多く生成することにより、大幅に低減あるいは抑制できることを見出した。本発明は、この新知見に基づいてなされている。
【0018】
すなわち、上記課題を解決するために、半導体装置の製造方法にかかる第1の発明は、半導体基板上に形成した多孔質の絶縁膜を少なくとも一部に有する層間絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を設け前記ビアホールあるいは配線用溝に導電体膜を埋め込んで配線を形成する半導体装置の製造方法において、(a)素子が形成された半導体基板上に絶縁膜を介して銅を主成分とする導電層を形成する工程、(b)前記導電層の上部に炭化シリコンを主成分として含む第1の絶縁膜を形成する工程、(c)前記第1の絶縁膜上に多孔質の第2の絶縁膜を形成する工程、(d)前記第2の絶縁膜上に該第2の絶縁膜とは別種の第3の絶縁膜を形成する工程、(e)前記第3の絶縁膜と前記第2の絶縁膜を順にドライエッチングして、前記第2の絶縁膜と前記第3の絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を形成する工程、(f)前記第3の絶縁膜をエッチングマスクにし、フッ素化合物ガスと窒素含有ガスとを含む混合ガスをエッチングガスに用い、エッチング処理室における前記混合ガスの圧力を0.1Pa〜6.0Paの範囲に制御したドライエッチングにより、前記第1の絶縁膜の一部を除去し前記ビアホールあるいは配線用溝を前記導電層の表面まで貫通させる工程、(g)前記ビアホールあるいは配線用溝内に導電体膜を充填する工程、を有する構成となっている。
【0019】
そして、半導体装置の製造方法にかかる第2の発明は、半導体基板上に形成した多孔質の絶縁膜を少なくとも一部に有する層間絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を設け前記ビアホールあるいは配線用溝に導電体膜を埋め込んで配線を形成する半導体装置の製造方法において、(a)素子が形成された半導体基板上に絶縁膜を介して銅を主成分とする導電層を形成する工程、(b)前記導電層の上部に炭化シリコンを主成分として含む第1の絶縁膜を形成する工程、(c)前記第1の絶縁膜上に多孔質の第2の絶縁膜を形成する工程、(d)前記第2の絶縁膜上に該第2の絶縁膜とは別種の第3の絶縁膜を形成する工程、(e)前記第3の絶縁膜と前記第2の絶縁膜を順にドライエッチングして、前記第2の絶縁膜と前記第3の絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を形成する工程、(f)フッ素化合物ガスと窒素含有ガスとを含む混合ガスをプラズマ励起し前記第3の絶縁膜をエッチングマスクにしたドライエッチングにより、前記第1の絶縁膜の一部をエッチング除去すると共に、前記プラズマ励起で生成するイオンにより前記第1の絶縁膜をスパッタリングし該スパッタリングで生じる飛散物あるいは反応生成物を前記ビアホールあるいは配線用溝の側壁に付着させて、前記ビアホールあるいは配線用溝を前記導電層の表面まで貫通させると共に、前記ビアホールあるいは配線用溝の側壁に側壁保護層を形成する工程、(g)前記ビアホールあるいは配線用溝内に導電体膜を充填する工程、を有する構成になっている。
【0020】
上記第2の発明において、前記(d)工程で、前記第3の絶縁膜上に炭化シリコンを主成分として含む第4の絶縁膜を形成し、前記(e)工程において、前記第4の絶縁膜と第3の絶縁膜と第2の絶縁膜とを順にドライエッチングして、前記第2の絶縁膜と第3の絶縁膜と第4の絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を形成し、前記(f)工程において、前記混合グガスのプラズマ励起で生成するイオンにより前記第1の絶縁膜と共に前記第4の絶縁膜表面をスパッタリングすることが好適となる。
【0021】
上記発明において、前記フッ素化合物ガスは、CF、CHF、CH、CHF、SF、NFからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスであることが好適である。また、前記窒素含有ガスは、N、NH、Nからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスであることが好適である。
【0022】
上記発明において、前記第2の絶縁膜のドライエッチングは、CxHyFzの化学式(x、y、zは、x≧4、y≧0、z≧1を満たす整数)で表されるフルオロカーボンガスからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスを用いて行われることが好適である。ここで、前記フルオロカーボンガスは、C、CあるいはCガスであることが好ましい。そして、前記(e)工程あるいは(f)工程のドライエッチングにおいて、エッチングガスに不活性ガスが添加される。
【0023】
上記発明において、前記炭化シリコンを主成分として含む第1の絶縁膜あるいは第4の絶縁膜は、SiC膜、SiCN膜、SiOC膜、SiCH膜からなる群より選択された少なくとも一種の絶縁膜であることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の構成により、多孔質の低誘電率膜が配線間の層間絶縁膜として実用レベルで適用できるようになり、高い信頼性を有し高速動作が可能な半導体装置が具現化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態の幾つかについて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1〜4は、本発明の実施の形態1にかかる銅埋め込みのダマシン配線構造体の製造工程別素子断面図である。
【0026】
シリコン基板上に化学気相成長(CVD)法でシリコン酸化膜を堆積させ、下地絶縁膜(不図示)を形成する。そして、周知のダマシン配線の形成方法により導電層であるCu膜で成る下層配線1を形成する。続いて、第1の絶縁膜である第1エッチングストッパー層2aとして膜厚が25nm程度であり、比誘電率が3.5程度のSiC膜を成膜する。次に、たとえば、図5に示すようなメチル基を含有する膜組成のMSQ膜に空孔が形成され多孔質化したp−MSQ膜を、スピン塗布法を用いて成膜することにより、第2の絶縁膜として、比誘電率が2.5程度、膜厚が200nm〜300nm程度になる第1低誘電率膜2bを形成する。ここで、第1低誘電率膜2bの空孔の含有比率は30〜40%程度である。この空孔の含有比率とは、(多孔質でない緻密なMSQ膜バルクの密度)−(多孔質のMSQ膜の密度)の(多孔質でない緻密なMSQ膜バルクの密度)に対する比率である。
【0027】
次に、上記第1低誘電率膜2b表面に、第3の絶縁膜として、CVD法で成膜した膜厚、比誘電率がそれぞれ100nm程度、2.5〜3程度の炭素含有シリコン酸化膜(SiOC膜)から成る第1キャップ層2cを形成する。このようにして、第1エッチングストッパー層2a、第1低誘電率膜2bおよび第1キャップ層2cからなる層間絶縁膜2が形成される。ここで、第1低誘電率膜2bと第1キャップ層2c間の密着性を高めるために、第1低誘電率膜2bの表面をプラズマに暴露することが好ましい。このようにしてから、ビアホールの開口パターンを有するレジストマスク3をエッチングマスクにして、上記第1キャップ層2c、第1低誘電率膜2bを順次にRIEでドライエッチングし口径が80nm程度のビアホール4を形成する。ここで、第1エッチングストッパー層2aはエッチングしないままにする(図1(a))。
【0028】
この第1キャップ層2c、第1低誘電率膜2bのドライエッチングでは、エッチングガスとして例えばC/Arの混合ガス、C/Arの混合ガスあるいはO添加あるいはN添加の混合ガスを用い、エッチング装置としては図6で後述するRIE装置を使用する。ここで、上記エッチングガスの処理室でのガス圧力は後述する通常の20Pa程度に設定される。上記のような炭素原子の結合量が多いフルオロカーボンガスを含むエッチングガスでは、第1エッチングストッパー層2aのエッチングはほとんど進まない。そして、このドライエッチングでは、反応生成物として有機ポリマーが多く生成され、その反応生成物がビアホール4の側壁に保護膜として付着して側壁をフッ素のラジカルによるエッチングから保護するために、上記側壁部の近傍において従来の技術で説明したダメージ層208が生成されることは無い。このようなフルオロカーボンとして、一般式がCxHyFzの化学式(x、y、zは、x≧4、y≧0、z≧1を満たす整数)で表されるフルオロカーボンガスからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスを用いればよい。
【0029】
次に、上記レジストマスクをHガス、Heガス等のプラズマで除去する。このレジスト除去で、第1キャップ層2c上の有機材料であるレジストマスクと共に同じ有機材料である上記側壁部の有機ポリマーも除去される。(図1(b))。
【0030】
次に、上記第1キャップ層2cをいわゆるハードマスクにして上記エッチングしないで残っていた第1エッチングストッパー層2aをエッチング除去する。このドライエッチングの方法について具体例で説明する。
【0031】
図6は、層間絶縁膜2にビアホールあるいはトレンチの形成に用いるRIE装置100の模式的な略断面図である。
【0032】
チャンバ101内には互いに対向する平行平板電極構造の上部電極102と下部電極103が取付けられ、その間がエッチング処理室であるプラズマ生成空間104になっている。そして、上部電極102は、シャワーヘッド構造になっており、ガス導入口105が設けられガス供給配管106に連通し、エッチングガスがプラズマ生成空間104に吐出するようになっている。また、上部電極102には第1高周波電源107が第1整合器108を介して接続されており50MHz程度の高周波が印加される。同様に、下部電極103は第2高周波電源109に第2整合器110を介して接続され、1MHz程度の周波数の高周波電力が供給される。そして、下部電極103上面には、被処理基板である半導体ウエハ111が、図示しない静電チャック機構により吸着され固定して載置される。ここで、第1高周波電源107は主にエッチングガスをプラズマ励起し、第2高周波電源109は上記プラズマから半導体ウエハ111へのイオン入射エネルギーを制御する。
【0033】
上記RIE装置では、下部電極103に半導体ウエハ111を載置した後、後述する所望のエッチングガスが、ガス導入配管106を通してガス導入口105よりプラズマ生成空間104に吐出され、上部電極102と下部電極103間に第1高周波電源107と第2高周波電源109によりそれぞれ1kW(ワット)程度の高周波電力が供給される。そして、プラズマ生成空間104に上記エッチングガスのプラズマが生成され、このときプラズマ生成空間104は、ガス排気口112に連通する真空ポンプ等の排気機構(不図示)により適度の圧力に制御される。
【0034】
上記RIE装置100を用い、第1キャップ層2cをハードマスクにして第1エッチングストッパー層2aをエッチング除去するには、エッチングガスとしてCF/Ar/N混合ガス、あるいはCHF/Ar/N混合ガスを用いる。そして、上記エッチングガスをプラズマ励起しプラズマ生成空間104のガス圧力を好適な範囲である0.1Pa〜6.0Paになるように圧力制御する。このようなエッチング条件で第1エッチングストッパー層2aをエッチング除去し、ビアホール4を下層配線1表面に達するように貫通させる。(図1(c))。
【0035】
図13(a)で説明したように、従来の技術ではCHF3/Ar/N混合ガス、CF4/Ar/N混合ガスのエッチングガスの圧力は、通常の10Pa〜40Paであるのに対して、本発明ではガス圧力が上記のように1桁ほど低圧領域に設定される。このようなガス圧力により、フッ素のイオン量が増加しフッ素のラジカル量が低下するようになる。そして、特にエッチングガス中の窒素が第1エッチングストッパー層2aを構成するSiC膜の分解を促進させる。同時に窒素あるいはフッ素等の直進性のあるイオンが、上記SiC膜をスパッタリングする。そして、このスパッタリングされた飛散物あるいは炭素が窒素と化学結合した反応生成物がビアホール4の側壁に再付着し露出する第1低誘電率膜2b表面に薄い側壁保護層が形成される。ここで、この側壁保護層が形成される詳細および反応生成物の構造については未だ明らかではないが、上記イオンのボンバードメント(イオン衝撃)による第1キャップ層2c表面のスパッタリングおよび第1エッチングストッパー層2aのスパッタリングに大きく関係しており、その膜厚は薄く比誘電率の小さい(3程度)ものであることは判っている。そして、この側壁に生成された側壁保護層が、上記フッ素ラジカルが第1低誘電率膜2b内に侵入するのを阻止するようになる。このような効果については、図6、図7を参照して後述する。
【0036】
次に、導電性バリア膜として、膜厚が1nm〜5nmになるTa膜、TaN膜をスパッタ(PVD)法あるいはALD法で成膜し、下層配線1に接続する第1バリアメタル膜5を第1キャップ層2c上を被覆しビアホール4に埋め込むように堆積させる。更に、配線材料として、スパッタによるCuシード層形成とCuメッキ法とを用いて膜厚が200nm〜500nmの第1Cu膜6をビアホール4に埋め込むように形成する(図2(a))。そして、窒素雰囲気において150〜350℃程度の熱処理を施す。このCuアニールにより、第1Cu膜6の結晶化を行うと共に、第1バリアメタル膜5と第1Cu膜6との接着性を高める。
【0037】
そして、CMP法を用いて、第1キャップ層2cを研磨ストッパーとしてその上の不要な部分のCu膜および第1バリアメタル膜5を順次に研磨除去し、ビアホール4内の第1バリア層7を介し、導電層であるビアプラグ8を充填して形成する(図2(b))。
【0038】
このようにした後、第1キャップ層2c、第1バリア層7の上部およびビアプラグ8を被覆するように、全面に膜厚が25nm程度のSiC膜から成る第2エッチングストッパー層9a(第1の絶縁膜)、p−MSQ膜から成る比誘電率が2.0程度、膜厚が200nm〜300nm程度になる第2低誘電率膜9b(第2の絶縁膜)を形成する。そして、上記第2低誘電率膜9b表面に、たとえば膜厚が100nmのSiOC膜から成る第2キャップ層9c(第3の絶縁膜)を形成して、これらの積層した第2層間絶縁膜9を形成する(図2(c))。
【0039】
そして、トレンチ10の開口パターンを有するレジストマスク11をエッチングマスクにして、上記第2キャップ層9c、第2低誘電率膜9bを順次にRIEでドライエッチングし幅寸法が100nm程度のトレンチ10を形成する。ここで、第2エッチングストッパー層9aはエッチングしない(図3(a))。この第2キャップ層9c、第2低誘電率膜9bのドライエッチングでは、RIE装置100において、図1(a)で説明したのと同様にC/Ar/Oの混合ガス、C/Ar/Nの混合ガス、C/Ar/O等の混合ガス、C/Ar/N等の混合ガスをエッチングガスに用いて行う。この場合でも、上記エッチングガスでは、第2エッチングストッパー層9aのエッチングはほとんど進まない。そして、反応生成物として有機ポリマーが多く生成され、その反応生成物がトレンチ10の側壁に保護膜として付着して側壁をフッ素のラジカルによるエッチングから保護する。
【0040】
次に、図1(b)で説明したのと同様にして上記レジストマスク11をプラズマで除去した後、残渣物を除去する洗浄処理を施して、第2キャップ層9c、第2低誘電率膜9bにトレンチ10を形成する(図3(b))。
【0041】
次に、上記RIE装置100を用い、第2キャップ層9cをハードマスクにして第2エッチングストッパー層9aをエッチング除去する。このドライエッチングにおいて、エッチングガスとしてCF/Ar/N混合ガス、あるいはCHF/Ar/N混合ガスを用い、処理室であるプラズマ生成空間104のガス圧力を好適な範囲である0.1Pa〜6.0Paになるように圧力制御してプラズマ励起する。このようなエッチング条件で第2エッチングストッパー層9aをエッチング除去し、トレンチ10をビアプラグ8に達するように貫通させる(図3(c))。この場合も、図1(c)で説明したのと同様の効果が生じる。この効果については、まとめて図6、図7を参照して後で説明する。
【0042】
次に、トレンチ10の側壁および底面、第2キャップ層9c表面を被覆するように、膜厚がそれぞれ5nm〜10nmになるTa膜/TaN膜をPVD法でこの順に堆積させて第2バリアメタル膜12を全面に成膜する。そして、更に、Cuメッキ法等を用いて膜厚が500nm〜1μmのCu膜を成膜し、第2Cu膜13を第2バリアメタル膜12に積層しトレンチ10に埋め込むように堆積させる(図4(a))。ここで、第2バリアメタル膜12は第1バリア層7およびビアプラグ8に接続している。そして、CMP法を用いて、第2キャップ層9cを研磨ストッパーとしてその上の不要な部分の第2Cu膜13および第2バリアメタル膜12を研磨除去する。このようにして、実効的な比誘電率が2.0〜2.5程度になる第2層間絶縁膜9に設けられたトレンチ10内に第2バリア層14を介して銅配線から成る上層配線15が形成される。ここで、上層配線15は、実効的な比誘電率が2.5〜3.0程度になる第1層間絶縁膜2に形成されたビアプラグ8を通して下層配線1に電気接続され、ダマシン配線構造体の2層配線が完成する(図4(a))。
【0043】
上記実施の形態1で生じる効果について図7、図8に基づいて説明する。ここで、図7(a)は、図1(c)あるいは図3(c)で説明した第1キャップ層2cあるいは第2キャップ層9cをハードマスクにして、第1エッチングストッパー層2aあるいは第2エッチングストッパー層9aのSiC膜をドライエッチングした工程後の断面SEM写真である。図7(b)は、図13(a)で説明した従来の技術の場合での同じ工程後の断面SEM写真である。上記写真では写真映像が明確になるように、表面のコーティング被膜処理がなされ、HF溶液への浸漬によるレリーフ処理が施されている。そして、図8(a)は、図2(a)あるいは図4(a)で説明した350℃のCuアニール工程後の断面SEM写真である。図8(b)は、図13(c)で説明した従来の技術の場合での同じ工程後の断面SEM写真である。
【0044】
図7(a)から明らかなように、絶縁性バリア層であるSiC膜のドライエッチング工程において、ビアホールあるいはトレンチの側壁で露出する多孔質の低誘電率膜表面にダメージ層は全く生じていない。また、キャップ層と低誘電率膜の界面領域にもダメージ層は全く生成されない。これに対して、従来の技術では、図7(b)から明らかなように、ビアホールあるいはトレンチの側壁で露出する多孔質の低誘電率膜表面にダメージ層が生成され、さらにキャップ層と低誘電率膜の界面領域にもダメージ層が生成される。
【0045】
また、図8(a)から明らかなように、SiC膜で成るエッチングストッパー層をドライエッチングし、下層配線あるいはビアプラグまで貫通したビアホールあるいはトレンチにバリアメタル膜およびCu膜を埋め込み、そして350℃のCuアニールを施しても、低誘電率膜には損傷は全く生じていない。これに対して、従来の技術では、図8(b)から明らかなように、低誘電率膜中に多数の上述したところのボイドが発生する。
【0046】
上述したように、従来の技術では、CHF3/Ar/N混合ガス、CF4/Ar/N混合ガスのプラズマ生成空間104におけるガス圧力は、通常の10Pa〜40Paであるのに対して、本発明におけるガス圧力は0.1Pa〜6.0Paである。従来の技術の場合には、上記エッチングガスのプラズマ励起で生成される活性種の中でイオンに較べてラジカル成分が増加し、この増加した窒素あるいはフッ素のラジカル成分は、等方的な熱運動をすることでビアホールあるいはトレンチの側壁で露出する低誘電率膜に多くの損傷を与え、上記ダメージ層を生成するようになる。同時に、上記フッ素ラジカルは、上記ダメージ層から低誘電率膜中の空孔を通って内部に深く侵入し、エッチングストッパー層のドライエッチング工程後であってバリアメタル膜の成膜工程前に行われる洗浄工程あるいはCuメッキ工程で侵入した水分と反応しHFとなって、シロキサン骨格の低誘電率膜を局部的にエッチングする。そして、上述したような多数のボイドを発生させる。
【0047】
これに対して、上記エッチングガスの圧力が10Pa未満に、特に、本発明の場合のように上記エッチングガスの圧力が6.0Pa以下になると、上記エッチングガスのプラズマ励起により窒素およびフッ素のイオン量が大幅に増加し、それらのラジカル量が減少するようになる。また、同時に、特にエッチングガス中の窒素イオンが第1エッチングストッパー層2aを構成するSiC膜の分解を促進させ、窒素、フッ素あるいはアルゴン等の直進性のあるイオンが、上記SiC膜をスパッタリングするようになる。そして、このスパッタリングされた炭素が窒素と化学結合した反応生成物がビアホール4およびトレンチ10の側壁に再付着し、露出する第1低誘電率膜2bおよび第2低誘電率膜9b表面に薄い側壁保護層が形成される。この側壁保護層の生成は、上記イオン衝撃による第1エッチングストッパー層2aあるいは第2エッチングストッパー層9aおよび第1キャップ層2c表面あるいは第2キャップ層9c表面のスパッタリングに関係する。この側壁に生成された側壁保護層が、上記フッ素ラジカルが低誘電率膜の内部に侵入するのを阻止することにより、従来の技術の場合に生成したダメージ層およびボイド発生が抑止されるようになる。
【0048】
上記スパッタリングは、上記エッチングガスの圧力が下がると共に増大する。しかし、上記ガス圧力が0.1Paよりも低くなると、今度は上記イオンが、上記エッチングストッパー層を除去して露出した下層配線1表面あるいはビアプラグ8および第1バリア層7の表面もスパッタリングするようになる。そして、このスパッタリングで銅あるいはバリアメタルは、ビアホール4あるいはトレンチ10の側壁に再付着し、多孔質の低誘電率膜の内部に侵入し、層間絶縁膜の絶縁性の低下あるいは配線層間のリーク電流の増加を引き起こす。このような理由から、上記エッチングガスの圧力は、0.1Pa〜6.0Paの範囲に設定するのが好適になる。
【0049】
上記エッチングガスに用いるフッ素化合物ガスは、CF、CHFのようなフルオロカーボンガスの他に、CH、CHFのようなハイドロフルオロカーボンガスを用いてもよい。更には、フッ素化合物ガスとしてSF、NFのガスも同様に使用することができる。また、窒素含有ガスとしては、窒素ガス以外にもNH、Nのようなガスを同様にして使用することができる。
【0050】
また、上記層間絶縁膜あるいは絶縁性バリア層であるエッチングストッパー層のドライエッチングにおいて、エッチングガスにアルゴン(Ar)のような不活性ガスを添加しているが、その他に添加ガスとして、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)等の不活性ガスも同様に使用できる。
【0051】
上記実施の形態においては、第1の絶縁膜である第1エッチングストッパー層2aおよび第2エッチングストッパー層9aは、絶縁性バリア層として、SiC膜の他に炭化窒化シリコン(SiCN)膜で形成しても、同様なドライエッチングを施すことで全く同様な効果を奏することができる。また、炭化シリコンに水素(H)、酸素(O)窒素(N)の1原子あるいは複数原子を含有する膜を用いても同様に適用できる。更に、上記エッチングストッパー層に極薄の窒化シリコン(SiN)膜を適用することもできる。ここで、SiN膜の比誘電率は7程度と高いためにできるだけ薄くすることが好ましい。そして、上記絶縁性バリア層の複数膜を堆積させた積層膜にしてもよい。
【0052】
上記の実施の形態において、層間絶縁膜を構成する多孔質構造の第1低誘電率膜2bあるいは第2低誘電率膜9bの空孔の含有比率は30〜50%が好適である。空孔の含有比率が50%を超えると、層間絶縁膜の機械的強度が低下し上記CMPにおいてバリアメタル膜、Cu膜あるいは層間絶縁膜の膜剥がれの生じる頻度が高くなる。また、空孔の含有比率が30%より小さくなると、その比誘電率を2.5以下にすることが難しくなる。
【0053】
実施の形態1では、第1層間絶縁膜2に設けられるビアホール4の側壁で露出する多孔質の第1低誘電率膜2bに上述したように側壁保護層を形成しながら、第1エッチングストッパー層2aをエッチング除去する。あるいは、第2層間絶縁膜9に設けられるトレンチ8の側壁において露出する多孔質の第2低誘電率膜9bに側壁保護層を形成しながら、第2エッチングストッパー層9aをエッチング除去する。このため、従来の技術で生じていた、ダマシン構造のビアホールおよびトレンチ側壁のサイドエッチングにより生じるボーイング形状は皆無になる。また、第1エッチングストッパー層2aおよび第2エッチングストッパー層9aのドライエッチングでは、エッチングガスに酸素含有ガスを添加しないで窒素含有ガスを添加しているために、下層配線1表面の酸化は抑制される。このようにして、微細なダマシン配線構造体においても、配線材料の埋め込み性は高くなると共に配線層間の電気接続不良も大幅に低減して、半導体装置の製造歩留まりは向上する。
【0054】
そして、上述したような多孔質の低誘電率膜である第1低誘電率膜2bおよび第2低誘電率膜9bに形成した、ダマシン構造のビアホールおよびトレンチの側壁が、上述したように薄い低誘電率の側壁保護層でコーティングされ、その結果上記側壁近傍にダメージ層が全く形成されなくなるために、層間絶縁膜内への水分あるいは配線材料膜のCuあるいはそのバリアメタルであるたとえばTaあるいはTaN等の侵入が完全に防止されるようになる。このようにして、従来の技術におけるポアシールの形成で生じていたような層間絶縁膜の実効的な誘電率の上昇はなくなり、ダマシン配線構造体の層間絶縁膜は高い信頼性を有し、しかも配線層間のリーク電流の増加およびビアホール部での導通不良等の問題は皆無になる。
【0055】
また、上記側壁保護層は、フッ素ラジカルが多孔質の低誘電率膜に侵入するのを阻止するために、上述したように、Cuアニールの工程後に、層間絶縁膜を構成する低誘電率膜中にボイドが発生しなくなり、従来の技術において生じていたCMP工程での層間絶縁膜あるいは配線材料膜の膜剥がれが皆無になる。
【0056】
そして、半導体装置においてダマシン配線の多層化も容易になり、実用レベルにおいて、高い信頼性を有し微細なダマシン配線構造体が半導体装置に形成できるようになる。このようにして、信頼性が高く高速動作が可能な半導体装置が具現化される。
【0057】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図9〜11を参照して以下に説明する。この場合の特徴は、本発明が銅(合金)埋め込みのデュアルダマシン配線に適用されているところである。ここで、図9〜11は、上層配線をビアプラグとダマシン配線とを一体に形成したデュアルダマシン配線構造体の製造工程別素子断面図である。
【0058】
シリコン基板上にCVD法でシリコン酸化膜を堆積させ、下地絶縁膜(不図示)を形成する。そして、周知のアルミニウム銅合金膜の成膜とその加工とにより下層配線21を形成する。続いて、エッチングストッパー層22a(第1の絶縁膜)として膜厚が25nm程度であり、比誘電率が3.5程度のSiC膜を成膜し、スピン塗布法を用いたp−MSQ膜の成膜により比誘電率が2.0以下、膜厚が200nm〜300nm程度になる第1低誘電率膜22b(第2の絶縁膜)を形成する。ここで、第1低誘電率膜22bの空孔の含有比率は50%程度である。そして、上記第1低誘電率膜22b上に積層して、CVD法で成膜した膜厚、比誘電率がそれぞれ100nm程度、2〜3程度のSiOC膜から成るミッドストッパー層22cを形成する。更に、ミッドストッパー層22c上に第2低誘電率膜22d(第2の絶縁膜)を形成する。この第2低誘電率膜22dは第1低誘電率膜22bと同様にして形成する。但し、その膜厚は第1低誘電率膜22bより厚くなるようにする。そして、第2低誘電率膜22d上にキャップ層22e(第3の絶縁膜)をミッドストッパー層22cと同じになるように形成する。これらの多層に積層した絶縁膜で層間絶縁膜22が構成される。ここで、キャップ層22eは後述するように第1ハードマスク層になる。そして、このキャップ層22e上に膜厚がたとえば25nm程度のSiC膜から成る第2ハードマスク層23(第4の絶縁膜)を形成する(図9(a))。
【0059】
次に、公知のフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術により、それぞれレジストマスクを用いて上記第2ハードマスク層23およびキャップ層22eをエッチング加工しそれぞれにパターン転写する。たとえば口径が80nmの開口を有する第1ハードマスク層22e、そして、たとえば幅寸法が100nmの開口を有する第2ハードマスク23を形成する。そして、実施の形態1で説明方法により上記レジストマスクを除去する(図9(b))。
【0060】
次に、第1ハードマスク層22eをエッチングマスクに用いたRIEにより、第2低誘電率膜22dをドライエッチングし、ミッドストッパー層22c表面に達するビアパターンを転写する。ここで、使用するエッチングガスは、たとえばC/Arのフルオロカーボン系ガスである(図9(c))。
【0061】
次に、第2ハードマスク層23をエッチングマスクに用いたRIEにより、第1ハードマスク層22eをドライエッチングし、第2ハードマスク層23のトレンチパターンを第1ハードマスク層22eに転写する。同時に、ミッドストッパー層22cをエッチングしビアパターン転写を行う。ここで、使用するエッチングガスは、たとえばC/Ar/OあるいはC/Ar/Nのフルオロカーボン系ガスである(図10(a))。
【0062】
このようにした後、図6で示したRIE装置100を用いて、第1ハードマスク層23をエッチングマスクにして第2低誘電率膜22dをエッチング加工し、トレンチパターンを第2低誘電率膜22dに加工転写する。同時に、ミッドストッパー層22cをエッチングマスクにして、第1低誘電率膜22bをエッチング加工し、ビアパターンを第1低誘電率膜22bに加工転写する。ここで使用するエッチングガスは、C/ArあるいはC/Arのフルオロカーボン系ガスである。このようなエッチングガスとしては、その他に、一般式がCxHyFzの化学式(x、y、zは、x≧4、y≧0、z≧1を満たす整数)で表されるフルオロカーボンガスからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスを用いることができる。そして、上記エッチングガスをプラズマ励起しプラズマ生成空間104のガス圧力を20Pa程度になるように圧力制御する。このようにして、デュアルダマシン構造のビアホール24が第1低誘電率膜22bとミッドストッパー層22cに形成され、同じくデュアルダマシン構造のトレンチ25が第2低誘電率膜22dとキャップ層22eに形成される。ここで、エッチングストッパー層22aはエッチングしないままである。そして、洗浄処理を施して、デュアルダマシン構造になるビアホール24とトレンチ25の側壁等の残渣物を除去する(図10(b))。
【0063】
次に、RIE装置100を用い、キャップ層22eおよびミッドストッパー層22cをハードマスクにしてエッチングストッパー層22aの露出部をエッチング除去する。ここで、エッチングガスとしてCF/Ar/N混合ガス、あるいはCHF/Ar/N混合ガスを用い、上記エッチングガスをプラズマ励起しプラズマ生成空間104のガス圧力を好適な範囲である0.1Pa〜6.0Paになるように圧力制御する。このようなエッチング条件でエッチングストッパー層22aをエッチング除去し、デュアルダマシン構造になるビアホール24を下層配線21表面に達するように貫通させる。(図10(c))。
【0064】
この場合も、上述したように従来の技術におけるエッチングガスの圧力は10Pa〜40Paであるのに対して、本発明ではガス圧力が上記のように1桁ほど低圧領域に設定される。このようなガス圧力により、フッ素のイオン量が増加しフッ素のラジカル量が低下するようになる。そして、特にエッチングガス中の窒素がエッチングストッパー層22aおよび第2ハードマスク層23を構成するSiCの分解を促進させ、窒素、フッ素等の直進性のあるイオンが、ビアホール24の側壁およびトレンチ25の側壁においてそれぞれ露出する第1低誘電率膜22bおよび第2低誘電率膜22d表面に薄い側壁保護層を形成する。そして、これらの側壁に生成された側壁保護層が、上記フッ素ラジカルが第1低誘電率膜22b内および第2低誘電率膜22d内に侵入するのを阻止するようになる。
【0065】
次に、膜厚が5nm〜10nmになるTa膜/TaN膜の積層構造のバリアメタル膜26をPVD法あるいはALD法により堆積させ、更に、Cuメッキ法等を用いて膜厚が500nm〜1μmのCu膜27を積層してデュアルダマシン構造のビアホール24およびトレンチ25に埋め込むように成膜する(図11(a))。ここで、バリアメタル膜26は下層配線21に接続している。そして、CMP法を用いて、キャップ層22eを研磨ストッパーとしその上の不要な部分のCu膜および積層のバリアメタル膜を研磨除去する。このようにして、下層配線21に接続して、実効的な比誘電率が2.0程度あるいはそれ以下になる層間絶縁膜22に設けられたデュアルダマシン構造のビアプラグ24およびトレンチ25内にバリア層28とデュアルダマシン配線構造の上層配線29が形成され、デュアルダマシン配線構造体を有する2層配線が完成する(図11(b))。
【0066】
上記実施の形態において、第4の絶縁膜である第2ハードマスク層23は、SiC膜の他に、絶縁性バリア層になるSiCN膜で形成しても、同様なドライエッチングを施すことで全く同様な効果を奏することができる。また、炭化シリコンに水素(H)、酸素(O)窒素(N)の1原子あるいは複数原子を含有する膜を用いても同様に適用できる。そして、上記絶縁性バリア層の複数膜を堆積させた積層膜にしてもよい。
【0067】
上記実施の形態2においては、実施の形態1で説明したのと全く同様の効果が生じる。そして、この実施の形態では、第1の絶縁膜であるエッチングストッパー層22aのドライエッチングにおいて、プラズマ中のイオンによる第1の絶縁膜のスパッタリングの他に第4の絶縁膜表面のスパッタリングが加わるために、ビアホール24の側壁およびトレンチ25の側壁に容易に側壁保護層が形成できるようになる。また、この場合には、実施の形態1よりもダマシン配線構造体の製法が簡便になる。そして、層間絶縁膜に挿入する多孔質の低誘電率膜以外の絶縁層(エッチングストッパー層あるいはキャップ層)の一部を省くことができるようになり、層間絶縁膜の実効的な誘電率がさらに低減することが可能になる。そして、半導体装置の動作の高速化がさらに進む。
【0068】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
【0069】
例えば、本発明にかかる第2の絶縁膜である多孔質の絶縁膜としては、p−MSQ膜と同様に、シロキサン骨格を有する他の絶縁膜あるいは有機高分子を主骨格とした絶縁膜を多孔質化した低誘電率膜を用いることができる。なお、上記シロキサン骨格を有する絶縁膜には、シルセスキオキサン類の絶縁膜であるSi−CH3結合、Si−H結合、Si−F結合のうち少なくとも1つの結合を含むシリカ膜があり、有機高分子を主骨格とした絶縁膜には、有機ポリマーで成るSiLK(登録商標)がある。そして、シルセスキオキサン類の絶縁膜としてよく知られた絶縁材料には、上記MSQの他、ハイドロゲンシルセスキオキサン(HSQ:Hydrogen Silsesquioxane)、メチレーテッドハイドロゲンシルセスキオキサン(MHSQ:Methylated Hydrogen Silsesquioxane)等がある。さらに、多孔質構造の低誘電率膜としては、CVD法により成膜する多孔質のSiOCH膜、多孔質のSiOC膜も同様に使用することができる。
【0070】
また、上述した第3の絶縁膜としては、上記第2の絶縁膜と別種になるシリコン酸化膜、シリコン窒化膜を用いてもよい。
【0071】
また、上述した銅埋め込みのダマシン配線においてバリア層となる導電性バリア膜としては、W膜、WN膜、WSiN膜、Ti膜、TiN膜、TiSiN膜を用いてもよい。
【0072】
更には、上記ビアホールあるいはトレンチに銅あるいは銅合金を埋め込む代わりに他の導電体膜を埋め込んだダマシン配線を形成してもよい。ここで、導電体膜としてW膜等の高融点金属膜あるいは金(Au)膜を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるダマシン配線構造体の製造方法を示す工程別素子断面図である。
【図2】図1に示す工程の続きの工程別素子断面図である。
【図3】図2に示す工程の続きの工程別素子断面図である。
【図4】図3に示す工程の続きの工程別素子断面図である。
【図5】低誘電率膜であるMSQ膜の組成を示す構造図である。
【図6】本発明の実施の形態で使用するドライエッチング装置の略断面図である。
【図7】本発明の実施の形態で奏する効果を説明するための断面SEM写真である。
【図8】本発明の実施の形態で奏する効果を説明するための断面SEM写真である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかるデュアルダマシン配線構造体の製造方法を示す工程別素子断面図である。
【図10】図9に示す工程の続きの工程別素子断面図である。
【図11】図10に示す工程の続きの工程別素子断面図である。
【図12】従来の技術のダマシン配線構造体の製造方法を示す工程別素子断面図である。
【図13】図12に示す工程の続きの工程別素子断面図である。
【図14】図13に示す工程の続きの工程別素子断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1,21 下層配線
2 第1層間絶縁膜
2a 第1エッチングストッパー層
2b、22b 第1低誘電率膜
2c 第1キャップ層
3,11 レジストマスク
4,24 ビアホール
5 第1バリアメタル膜
6 第1Cu膜
7 第1バリア層
8 ビアプラグ
9 第2層間絶縁膜
9a 第2エッチングストッパー層
9b、22d 第2低誘電率膜
9c 第2キャップ層
10,25 トレンチ
12 第2バリアメタル膜
13 第2Cu膜
14 第2バリア層
15,29 上層配線
22 層間絶縁膜
22a エッチングストッパー層
22c ミッドストッパー層
22e キャップ層(第1ハードマスク層)
23 第2ハードマスク層
26 バリアメタル膜
27 Cu膜
28 バリア層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成した多孔質の絶縁膜を少なくとも一部に有する層間絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を設け前記ビアホールあるいは配線用溝に導電体膜を埋め込んで配線を形成する半導体装置の製造方法において、
(a)素子が形成された半導体基板上に絶縁膜を介して銅を主成分とする導電層を形成する工程、
(b)前記導電層の上部に炭化シリコンを主成分として含む第1の絶縁膜を形成する工程、
(c)前記第1の絶縁膜上に多孔質の第2の絶縁膜を形成する工程、
(d)前記第2の絶縁膜上に該第2の絶縁膜とは別種の第3の絶縁膜を形成する工程、
(e)前記第3の絶縁膜と前記第2の絶縁膜を順にドライエッチングして、前記第2の絶縁膜と前記第3の絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を形成する工程、
(f)前記第3の絶縁膜をエッチングマスクにし、フッ素化合物ガスと窒素含有ガスとを含む混合ガスをエッチングガスに用い、エッチング処理室における前記混合ガスの圧力を0.1Pa〜6.0Paの範囲に制御したドライエッチングにより、前記第1の絶縁膜の一部を除去し前記ビアホールあるいは配線用溝を前記導電層の表面まで貫通させる工程、
(g)前記ビアホールあるいは配線用溝内に導電体膜を充填する工程、
を含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体基板上に形成した多孔質の絶縁膜を少なくとも一部に有する層間絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を設け前記ビアホールあるいは配線用溝に導電体膜を埋め込んで配線を形成する半導体装置の製造方法において、
(a)素子が形成された半導体基板上に絶縁膜を介して銅を主成分とする導電層を形成する工程、
(b)前記導電層の上部に炭化シリコンを主成分として含む第1の絶縁膜を形成する工程、
(c)前記第1の絶縁膜上に多孔質の第2の絶縁膜を形成する工程、
(d)前記第2の絶縁膜上に該第2の絶縁膜とは別種の第3の絶縁膜を形成する工程、
(e)前記第3の絶縁膜と前記第2の絶縁膜を順にドライエッチングして、前記第2の絶縁膜と前記第3の絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を形成する工程、
(f)フッ素化合物ガスと窒素含有ガスとを含む混合ガスをプラズマ励起し前記第3の絶縁膜をエッチングマスクにしたドライエッチングにより、前記第1の絶縁膜の一部をエッチング除去すると共に、前記プラズマ励起で生成するイオンにより前記第1の絶縁膜をスパッタリングし該スパッタリングで生じる飛散物あるいは反応生成物を前記ビアホールあるいは配線用溝の側壁に付着させて、前記ビアホールあるいは配線用溝を前記導電層の表面まで貫通させると共に、前記ビアホールあるいは配線用溝の側壁に側壁保護層を形成する工程、
(g)前記ビアホールあるいは配線用溝内に導電体膜を充填する工程、
を含んでなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の前記(d)工程において、前記第3の絶縁膜上に炭化シリコンを主成分として含む第4の絶縁膜を形成し、前記(e)工程においては、前記第4の絶縁膜と第3の絶縁膜と第2の絶縁膜とを順にドライエッチングして、前記第2の絶縁膜と第3の絶縁膜と第4の絶縁膜にビアホールあるいは配線用溝を形成し、前記(f)工程において、前記混合ガスのプラズマ励起で生成するイオンにより前記第1の絶縁膜と共に前記第4の絶縁膜表面をスパッタリングすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の前記(f)工程において、前記フッ素化合物ガスは、CF、CHF、CH、CHF、SF、NFからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4記載の前記(f)工程において、前記窒素含有ガスは、N、NH、Nからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし4記載の前記(e)工程において、前記第2の絶縁膜のドライエッチングは、CxHyFzの化学式(x、y、zは、x≧4、y≧0、z≧1を満たす整数)で表されるフルオロカーボンガスからなる群より選択された少なくとも一種のエッチングガスを用いて行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の前記フルオロカーボンガスは、C、CあるいはCガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし6記載の前記(e)工程あるいは(f)工程のドライエッチングにおいて、エッチングガスに不活性ガスが添加されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1又は請求項2記載の前記(b)工程において、炭化シリコンを主成分として含む第1の絶縁膜は、SiC膜、SiCN膜、SiOC膜、SiCH膜からなる群より選択された少なくとも一種の絶縁膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項3記載の炭化シリコンを主成分として含む第4の絶縁膜は、SiC膜、SiCN膜、SiOC膜、SiCH膜からなる群より選択された少なくとも一種の絶縁膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−41039(P2006−41039A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−216152(P2004−216152)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】