説明

半導体装置

【課題】大規模な演算回路を有する半導体装置において、クロック信号に遅延があると、回路は誤動作する。特に、無線チップのように、電源電圧が変動する環境下では、クロック信号の遅延を設計時に精密に見積もることは非常に困難である。また、電源電圧を一定に保つには、大規模な電源回路が必要で、チップ面積大、高価格化などを招いてしまう。
【解決手段】電源検管理回路と、クロック生成回路と、を搭載した半導体装置により、電源電圧の変動を電源管理回路で検出し、クロック生成回路でクロック信号の周波数と、デューティー比とを変更することで、演算回路を安定して動作させる。このような大規模な演算回路を搭載した高性能の半導体装置を安価に提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模な演算回路を有する半導体装置に関する。特に、電源電圧が変動する場合でも、演算回路が安定して動作する半導体装置に関する。とりわけ、無線通信信号から電源電圧を供給し、高度な演算機能を有する大規模回路を、半導体薄膜トランジスタを用いて形成した半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超小型ICチップと、無線通信用のアンテナを組み合わせた小型の半導体装置(以下、無線チップという)が脚光を浴びている。無線チップは、無線通信装置(以下、リーダ/ライタという)を使った通信信号(動作磁界)の授受により、データを書き込んだり、データを読み出したりすることができる。
【0003】
無線チップの応用分野として、例えば、流通業界における商品管理が挙げられる。現在では、バーコードなどを利用した商品管理が主流であるが、バーコードは光学的に読み取るため、遮蔽物があるとデータを読み取れない。一方、無線チップでは、無線でデータを読み取るため、遮蔽物があっても読み取れる。従って、商品管理の効率化、低コスト化などが期待されている。その他、乗車券、航空旅客券、料金の自動精算など、広範な応用が期待されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−149194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線チップの応用分野が広がりつつある中で、より高機能な無線チップに対する要求も高まっている。例えば、送受信データを暗号化することで、第三者へのデータ漏洩の防止が期待される。これには、復号化/暗号化の処理をハードウェア的に処理する方式と、ソフトウェア的に処理する方式と、ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式と、が考えられる。ハードウェア的に処理する方式では、復号化/暗号化を行う専用回路で演算回路を構成する。ソフトウェア的に処理する方式では、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)と大規模メモリとで演算回路を構成し、復号化/暗号化プログラムをCPUで実行する。ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式では、専用回路と、CPUと、メモリと、で演算回路を構成し、専用回路で復号化/暗号化の演算処理の一部分を行い、残りの演算処理のプログラムをCPUで実行する。しかし、いずれも無線チップに大規模回路を搭載することになる。
【0005】
無線チップにおける通信の規格としては、例えば、ISO/IEC 15693などが規定されている。ISO/IEC 15693によると、通信信号における搬送波の周波数として13.56MHz±7kHzを用い、リーダ/ライタから無線チップへのデータの伝送は、ASK(Amplitude Shift Keying 振幅変位キーイング)方式を用いる。図2に、ASK方式における無線チップへのデータ伝送時の通信信号を示す。図2において、通信信号201は、搬送波の周波数で振動する電磁波である。通信信号201により伝送されるデータは、通信信号201の振幅の包絡線202によって表される。通信信号201の振幅が最大の場合を”1”、最小の場合を”0”とする。無線チップは、このような通信信号201より、”0”及び”1”を受信する。
【0006】
また、無線チップの動作に必要な電源電圧やクロック信号は、通信信号201より生成される。したがって、無線チップにおいて演算回路を動作させるためには、通信信号より大電流を供給し得る大規模なアンテナや大規模な電源回路、安定的なクロック信号を供給し得るクロック生成回路などが必要となり、チップ面積の増大、チップ価格の上昇などを招く恐れがある。さらに、データ伝送にASK方式を用いるため、”0”を受信している際は、電源電圧やクロック信号の供給が不安定になりやすい。
【0007】
電源電圧やクロック信号の供給が不安定になると、同期回路では、誤動作が生じる。これを図3及び図4を用いて説明する。図3に、同期回路の例として、第1のフリップフロップ(以下、FFと記す)301、第2のFF302が直列に接続されたシフトレジスタ示す。第1のFF301、第2のFF302は、各々第1のクロック配線303、第2のクロック配線304により供給される第1のクロック信号、第2のクロック信号の立ち上がりエッジで各々第1のデータ配線305、第2のデータ配線306の電圧値を取り込み、取り込んだ電圧値を第2のデータ配線306、第3のデータ配線307の電圧値として出力する。
【0008】
図4は、図3におけるシフトレジスタのタイミングチャート例である。図4(A)は、図3におけるシフトレジスタが理想的な動作をする場合のタイミングチャートである。ここで、図3における第1のクロック配線303、第2のクロック配線304に供給される第1のクロック信号、第2のクロック信号のタイミングチャートを、各々図4(A)における第1のクロック信号401、第2のクロック信号402とする。なお、第1のクロック信号401と第2のクロック信号402との間に時間差は無いものとする。また、図3における第1のデータ配線305の電圧値のタイミングチャートを、図4(A)における第1のデータ信号403とする。この場合、図3における第2のデータ配線306、第3のデータ配線307の電圧値のタイミングチャートは、各々図4(A)における第2のデータ信号404、第3のデータ信号405となる。
【0009】
しかしながら、図3において、第1のクロック配線303と第2のクロック配線304と、に供給される第1のクロック信号と第2のクロック信号と、の間に時間差がある場合は、図4(A)におけるタイミングチャートと異なり、誤動作する。図4(B)は、誤動作する場合のタイミングチャートである。図3における第1のクロック配線303、第2のクロック配線304に供給される第1のクロック信号、第2のクロック信号のタイミングチャートを、図4(B)における第1のクロック信号411、第2のクロック信号412として示す。なお、第1のクロック信号411と第2のクロック信号412との間には時間差416がある。すなわち、第2のクロック信号412は、第1のクロック信号411に対し遅延している。また、図3における第1のデータ配線305の電圧値のタイミングチャートを、図4(B)における第1のデータ信号413とする。この場合、図3における第2のデータ配線306、第3のデータ配線307の電圧値のタイミングチャートは、各々図4(B)における第2のデータ信号414、第3のデータ信号415となる。
【0010】
ここで、図3における第2のデータ配線306の電圧値のタイミングチャートは、図4(A)のタイミングチャートと図4(B)のタイミングチャートとで同様のタイミングチャートとなる。しかし、第3のデータ配線307の電圧値のタイミングチャートは異なる。これは、図4(B)における第2のクロック信号412の遅延により、本来ならば第2のクロック信号412の次の立ち上がりで取り込むはずの電圧値を1周期分早く取り込むためである。このようなFFの振る舞いをデータの筒抜けもしくはレーシングなどという。すなわち、同期回路において、クロック信号の伝搬に時間差があると、回路は誤動作する。
【0011】
クロック信号の伝搬について、設計時に時間差を調節することも、部分的には可能である。しかし、無線チップのように電源電圧が変動する場合には、制御が非常に困難である。特に、搭載する回路が大規模になるにつれ、設計が困難となる。なお、電源電圧の変動や、クロック信号の伝搬における時間差は、無線チップのみならず、大規模な演算回路を有する半導体装置において一般的に問題となる。とりわけ、高度な演算機能を有する大規模回路を、半導体を有する薄膜トランジスタを用いて形成した半導体装置において深刻な問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の問題を鑑みなされたもので、大規模回路を搭載する半導体装置において、好適な構成の半導体装置を提供する。電源電圧の変動が懸念される場合にも安定した動作が可能な半導体装置を提供する。特に、半導体薄膜トランジスタを用いて形成した大規模回路を搭載する半導体装置に好適である。また、電源電圧やクロック信号を通信信号より生成し、データの送受信にASK方式を用いた無線チップに好適である。
【0013】
本発明における半導体装置では、正クロック信号及び負クロック信号を生成し、これによりFFを動作させる。ここで、正クロック信号と負クロック信号とは、周期が同一で、各々1周期中に”1”の期間と”0”の期間とを1回ずつ含み、同時に”1”となる期間が無いものとする。以下、このような正クロック信号と負クロック信号との関係をノンオーバーラップといい、正クロック信号と負クロック信号との一方もしくは両方をノンオーバーラップクロックという。また、ノンオーバーラップクロックの周期と、デューティー比と、を動作環境により変更する機能を有することで、大規模演算回路を安定して動作させることができる。なお、”1”の期間、”0”の期間はそれぞれクロック信号のHIGH状態、LOW状態に相当する。
【0014】
以上のような構成とすることで、電源電圧が不安定で、クロック信号の伝搬に時間差が生じる場合でも、安定して動作させることができる半導体装置を提供する。また、無線チップにおいて、大規模な演算回路を搭載することが可能であり、高性能の無線チップを提供する。
【0015】
特に、本発明における半導体装置を、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板などの絶縁表面を有する基板上に形成した半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタにより作製すると、製造工程において大面積の基板を用いることができる。したがって、本発明における半導体装置の製造コストを大幅に下げられる。さらに、特にプラスチック基板の場合には、製造コストの削減に加えて、機械的柔軟性を有するため、本発明における半導体装置の完成後の取り扱いに多様性を持たせることができる。
【0016】
本発明の一形態は、演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチ(以下、レベルセンシティブラッチを用いて例示する)と、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチ(以下、レベルセンシティブラッチを用いて例示する)ッチと、を有し、電源管理回路は、演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、第1のゲート信号と、第2のゲート信号とは、クロック生成回路において生成される第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を基に生成されることを特徴とする半導体装置である。第1のレベルセンシティブラッチ又は第2のレベルセンシティブラッチが、共にデータを保持している期間とは、該第1のレベルセンシティブラッチ又は第2のレベルセンシティブラッチへそれぞれLOW状態のクロック信号が共に入力されたときである。なお共にHIGH状態のクロック信号が該第1のレベルセンシティブラッチ又は第2のレベルセンシティブラッチへそれぞれ入力されることにより、第1のレベルセンシティブラッチ又は第2のレベルセンシティブラッチでデータを保持するよう設定してもよい。
【0017】
本発明の一形態は、演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、演算回路は、第1のクロック信号をゲート信号とする第1のレベルセンシティブラッチと、第2のクロック信号をゲート信号とする第2のレベルセンシティブラッチと、を有し、電源管理回路は、演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、クロック生成回路は、制御信号により、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、が共に0となる期間を変更することを特徴とする半導体装置である。
【0018】
本発明の別形態は、演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、演算回路は、第1のクロック信号をゲート信号とする第1のレベルセンシティブラッチと、第2のクロック信号をゲート信号とする第2のレベルセンシティブラッチと、を有し、電源管理回路は、演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する機能を有し、クロック生成回路は、制御信号により、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、が共に0となる期間を変更することを特徴とする半導体装置である。
【0019】
本発明の別形態は、演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、演算回路、電源管理回路、クロック生成回路、のうち少なくとも一は絶縁表面を有する基板上に形成した半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、演算回路は、第1のクロック信号をゲート信号とする第1のレベルセンシティブラッチと、第2のクロック信号をゲート信号とする第2のレベルセンシティブラッチと、を有し、電源管理回路は、演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、クロック生成回路は、制御信号により、第1のクロック信号と、第2のクロック信号とが、共に0となる期間を変更することを特徴とする半導体装置である。
【0020】
本発明の別形態は、演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、演算回路、電源管理回路、クロック生成回路、のうち少なくとも一は絶縁表面を有する基板上に形成した半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、演算回路は、第1のクロック信号をゲート信号とする第1のレベルセンシティブラッチと、第2のクロック信号をゲート信号とする第2のレベルセンシティブラッチと、を有し、電源管理回路は、演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する機能を有し、クロック生成回路は、制御信号により、第1のクロック信号と、第2のクロック信号とが、共に0となる期間を変更することを特徴とする半導体装置である。
【0021】
本発明の別形態は、演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、演算回路、電源管理回路、及びクロック生成回路は絶縁表面を有する基板上に形成した半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、演算回路は、第1のクロック信号をゲート信号とする第1のレベルセンシティブラッチと、第2のクロック信号をゲート信号とする第2のレベルセンシティブラッチと、を有し、電源管理回路は、演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、クロック生成回路は、制御信号により、第1のクロック信号と、第2のクロック信号とが、共に0となる期間を変更することを特徴とする半導体装置である。
【0022】
本発明の別形態は、演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、演算回路、電源管理回路、及びクロック生成回路は絶縁表面を有する基板上に形成した半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、演算回路は、第1のクロック信号をゲート信号とする第1のレベルセンシティブラッチと、第2のクロック信号をゲート信号とする第2のレベルセンシティブラッチと、を有し、電源管理回路は、演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する機能を有し、クロック生成回路は、制御信号により、第1のクロック信号と、第2のクロック信号とが、共に0となる期間を変更することを特徴とする半導体装置である。
【0023】
本発明において、第1のレベルセンシティブラッチは、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更することができ、第2のレベルセンシティブラッチは、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更することができる。また第1のゲート信号と、第2のゲート信号とは、クロック生成回路において生成される第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を基にそれぞれ生成される。またクロック信号が0となる期間はLOW状態を指し、1となる期間はHIGH状態を指す。
【0024】
このように、演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する電源管理回路を設けることで、演算回路に供給されるクロック信号のデューティー比を最適な値に決定することができる。例えば、演算回路に供給される電流値が高い場合、すなわち、消費電流が高い場合には、電源電圧が不安定となり、結果として回路動作が不安定になるので、クロック信号のデューティー比を下げる制御信号を生成する。
【0025】
また、制御信号によって第1のクロック信号と、第2のクロック信号とが、共に0となる期間を変更する機能を有するクロック生成回路を設けることで、演算回路に供給されるクロック信号のデューティー比を最適な値に変更することができる。例えば、電源管理回路でクロック信号のデューティー比を下げる制御信号を生成した場合、第1のクロック信号と、第2のクロック信号とが、共に0となる期間を長くすることで、クロック信号のデューティー比を下げることができる。したがって、回路動作を安定させることが可能となる。
【0026】
本発明において、絶縁表面を有する基板は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、SOI基板のいずれかを用いることができる。
【0027】
本発明において電源管理回路は、レギュレータと、演算増幅回路と、を有しても良い。
【0028】
本発明において、電源管理回路は、レギュレータと、演算増幅回路と、アナログ−ディジタル変換回路と、を有しても良い。
【0029】
本発明において、クロック生成回路は、制御信号により、第1のクロック信号と、第2のクロック信号との周波数を変更する手段を有しても良い。
【0030】
本発明において、演算回路は、CPUと、メモリと、を有していても良い。
【発明の効果】
【0031】
本発明により、半導体装置において電源電圧が変動し、クロック信号の伝搬に時間差が生じる場合でも、安定して大規模な演算回路を動作させることができる。従って、高性能な演算回路を有する、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。特に、薄膜トランジスタにより形成することで、高性能な演算回路を有する半導体装置を安価に提供できる。また、電源電圧を通信信号より電磁誘導で供給し、データの送受信にASK方式を用いる無線チップにおいて、高性能な演算回路を有する無線チップを安価に提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
【0033】
本発明における半導体装置の実施の形態として、まず、図5及び図6を用いて、ノンオーバーラップクロックにより、同期回路におけるデータの筒抜けを防止できることを示す。図5は、本発明における半導体装置を構成する同期回路の例として、シフトレジスタを示す。図6は、図5に示したシフトレジスタの動作を表すタイミングチャートである。図5において、第1〜第4のラッチ501〜504が直列に接続されている。第1〜第4のラッチ501〜504は、第1〜第4のクロック配線505〜508に各々ゲート信号として第1〜第4のクロック信号を供給するラッチ、例えばレベルセンシティブラッチである。すなわち、第1〜第4のラッチ501〜504は、第1〜第4のクロック配線505〜508に供給される第1〜第4のクロック信号が”1”の場合、各々第1〜第4のデータ配線509〜512の電圧値を取り込み、取り込んだ電圧値を第2〜第5のデータ配線510〜513に出力する。
【0034】
ここで、図5に示したシフトレジスタは、次のように考えると、FF2個を直列に接続した回路と等価である。すなわち、第1のラッチ501と第2のラッチ502とで第1のFFとし、第3のラッチ503と第4のラッチ504とで第2のFFとする。ここで、第2のクロック配線506と第4のクロック配線508にクロック信号を供給し、このクロック信号の反転信号を第1のクロック配線505と第3のクロック配線507に供給する。このようにして、任意の同期回路をラッチで構成できる。
【0035】
次に、図6に示すタイミングチャートを用いて説明する。図6(A)は、図5における同期回路が理想的な動作をする場合のタイミングチャートである。ここで、図5における第1〜第4のクロック配線505〜508に供給される第1〜第4のクロック信号のタイミングチャートを、各々図6(A)における第1〜第4のクロック信号601〜604とする。ここで、第1のクロック信号601と第3のクロック信号603との間に遅延は無いものとする。また、第2のクロック信号602と第4のクロック信号604との間にも遅延は無いものとする。さらに、図5における第1のデータ配線509の電圧値のタイミングチャートを、図6(A)における第1のデータ信号605とする。この場合、図5における第2〜第5のデータ配線510〜513の電圧値のタイミングチャートは、図6(A)における第2〜第5のデータ信号606〜609となる。
【0036】
図5において、第1のクロック配線505と第3のクロック配線507とに供給される第1のクロック信号と第3のクロック信号との間に遅延があり、さらに、第2のクロック配線506と第4のクロック配線508とに供給される第2のクロック信号と第4のクロック信号との間にも遅延がある場合を考える。ここで、図5における第1〜第4のクロック配線505〜508に供給される第1〜第4のクロック信号のタイミングチャートを、各々図6(B)における第1〜第4のクロック信号611〜614とする。ここで、第1のクロック信号611と第3のクロック信号613との間の遅延が時間差620であり、第2のクロック信号612と第4のクロック信号614との間の遅延が時間差621である。さらに、図5における第1のデータ配線509の電圧値のタイミングチャートを、図6(B)における第1のデータ信号615とする。この場合、図5における第2〜第5のデータ配線510〜513の電圧値のタイミングチャートは、図6(B)における第2〜第5のデータ信号616〜619となる。図6(B)における第2のデータ信号616及び第3のデータ信号617は、各々図6(A)における第2のデータ信号606及び第3のデータ信号607に一致する。また、図6(B)における第4のデータ信号618及び第5のデータ信号619は、各々図6(A)における第2のデータ信号605及び第3のデータ信号606に対して、時間差620及び時間差621だけ遅れて値が出力されるものの、データの筒抜けは生じないことがわかる。
【0037】
以上のように、ノンオーバーラップクロックによるFFを用いた同期回路では、データの筒抜けが生じにくい構成となる。正クロック信号と負クロックが共に”LOW”、つまり”0”の期間を変更する、ここでは長くすることで、クロック信号の遅延に対するマージンを増やす事ができる。つまり、同期回路の動作周波数を下げ、クロック信号のデューティー比を小さくすれば、クロック信号の遅延による誤動作を防止できる。なお正クロック信号と負クロックが共に”HIGH”、つまり”1”とする期間を長くし、同期回路の動作周波数を下げることができる。すなわち、クロック信号のLOW又はHIGHの条件は、適宜設定することができる。
【0038】
図1に、本発明における半導体装置の実施の形態として、無線チップの構成を示す。図1において、無線チップ101は、演算回路102、クロック生成回路103、電源管理回路104、変調復調回路105、アンテナ106、共振回路107、電源回路108を有する。なお、図1では、説明の簡単化のため、通信信号を受信信号109と、送信信号110とに分けて示したが、実際には、両者は一体化された(重ね合わされた)信号であり、無線チップ101及びリーダ/ライタの間で同時に送受信される。以後、通信信号とは、受信信号と送信信号との両方を含む。受信信号109は、アンテナ106と共振回路107とで受信された後、変調復調回路105により復調される。また、送信信号110は、変調復調回路105により変調された後、アンテナ106により送信される。
【0039】
図1において、通信信号により形成される磁界中に無線チップ101を置くと、アンテナ106と共振回路107により、誘導起電力を生じる。誘導起電力は、電源回路108における電気容量により保持され、また電気容量によって電位が安定化され、無線チップ101の各回路に電源電圧として供給される。変調復調回路105は、ASK方式の受信信号109の振幅の変動を”0”/”1”の受信データとして検出する。変調復調回路105は、例えばローパスフィルターとする。さらに、変調復調回路105は、送信データをASK方式の送信信号110の振幅を変動させて送信する。例えば、送信データ112が”0”の場合、共振回路107の共振点を変化させ、通信信号の振幅を変化させる。
【0040】
演算回路102は、目的に応じて最適な演算方式を選び、当該方式に基づいて構成すれば良い。演算方式としては、演算をハードウェア的に処理する方式と、ソフトウェア的に処理する方式と、ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式と、が考えられる。ハードウェア的に処理する方式では、専用回路で演算回路を構成する。ソフトウェア的に処理する方式では、CPUと大規模メモリとで演算回路を構成し、プログラムをCPUで実行する。ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式では、専用回路と、CPUと、メモリと、で演算回路を構成し、専用回路で演算処理の一部分を行い、残りの演算処理のプログラムをCPUで実行する。
【0041】
本発明における半導体装置の主幹である、動作環境に応じてノンオーバーラップクロックの周期と、デューティー比と、を変更する機能は、クロック生成回路103と、電源管理回路104と、で実現される。
【0042】
クロック生成回路103は、演算回路102に供給するノンオーバーラップクロック信号111を生成する。電源管理回路104は、電源回路108から供給される電源電圧より、クロック生成回路103への制御信号114を生成する。クロック生成回路103では、ノンオーバーラップクロック信号113の周期及びデューティー比が、電源管理回路104からの制御信号114により制御される。
【0043】
ノンオーバーラップクロック信号113は、基準クロック信号から生成される。例えば、受信信号と同周波数の基準クロックを用いる場合には、受信信号をダイオードにより半波整流した後、インバータ回路を通すことでノンオーバーラップクロック信号113を生成することができる。また、より高周波数の基準クロックを生成し、これを用いてノンオーバーラップクロック信号113を生成する場合は、例えばPLL(Phase Lock Loop)回路を搭載する。
【0044】
この基準クロックを用いて、n(n≧2)進カウンタを動作させ、カウンタ値がmpr〜mpf(0≦mpr≦mpf≦n−1)の場合は正クロック信号を”1”、mnr〜mnf(0≦mnr≦mnf≦n−1)の場合は負クロック信号を”1”とする回路を搭載し、n、mpr、mpf、mnr、mnfを、制御信号114の値に応じて適宜変更することで、周期及びクロック信号のデューティー比を変更できる。以上が、電源管理回路104で生成された制御信号114から、ノンオーバーラップクロック信号を生成する手段である。このようなノンオーバーラップクロック信号は、レベルセンシティブラッチ等のラッチ回路へ入力される。
【0045】
電源管理回路104では、電源回路108における電源電圧を監視し、クロック生成回路103の制御信号114を生成する。例えば、レギュレータ回路を電源管理回路104に搭載し、電源回路108より供給される電源電圧から参照電圧が生成される。この参照電圧を、電源回路108より供給される電源電圧と比較し、結果に応じて、制御信号1142を生成する。以上が、演算回路102に供給される電源電圧値から、制御信号114を生成する手段である。
【0046】
電源管理回路104で生成される制御信号114として、例えば、電源電圧値が所望の値の場合を”11”とし、以下電源電圧値が低い順、すなわちクロック信号の遅延が増大する順に”10”、”01”、”00”とする。この時、クロック生成回路103では、例えば、制御信号114が”11”の場合は、周波数100MHz、デューティー比30%のクロック信号を生成し、以下”10”の場合は、周波数80MHz、デューティー比30%のクロック信号、”01”の場合は、周波数50MHz、デューティー比40%のクロック信号、”00”の場合は、周波数30MHz、デューティー比40%のクロック信号、を生成すれば良い。
【0047】
なお、電源管理回路104で、どのような制御信号114を生成するかは、クロック生成回路103や電源管理回路104の構成に依存する。また、クロック信号の周波数や、デューティー比を、具体的にどのような値に設定するかは、演算回路の回路規模や要求仕様に依存する。したがって、クロック生成回路、電源管理回路、制御信号の具体的な構成は、実施者が決定することができる。
【0048】
また、本発明における半導体装置において、消費電流が高い場合、半導体装置に搭載されている回路が発熱するため、クロック信号の遅延は増大する。したがって、電源電圧が変動する場合と同様の問題が生じる。すなわち、消費電流を監視して、ノンオーバーラップクロックの周期と、デューティー比と、を変更することも有効である。
【0049】
電源管理回路104で、演算回路102における消費電流を監視し、クロック生成回路103の制御信号114を生成することも可能である。例えば、レギュレータ回路を搭載し、電源回路108より供給される電源電圧から参照電圧を生成する。この参照電圧を、電源回路108と演算回路102との間に挿入された参照抵抗に生じる電圧、すなわち演算回路102における消費電流に比例した電圧と比較し、結果に応じて、制御信号114を生成する。以上が、演算回路102に供給される電流値から、制御信号114を生成する手段である。
【0050】
電源管理回路104で生成する制御信号114として、例えば、電流値が所望の値の場合を”00”とし、以下電流値が低い順、すなわちクロック信号の遅延が増大する順に”01”、”10”、”11”とする。この時、クロック生成回路103では、例えば、制御信号114が”00”の場合は、周波数100MHz、デューティー比30%のクロック信号を生成し、以下”01”の場合は、周波数80MHz、デューティー比30%のクロック信号を生成し、”10”の場合は、周波数50MHz、デューティー比40%のクロック信号、”11”の場合は、周波数30MHz、デューティー比40%のクロック信号、を生成する。
【0051】
なお、電源管理回路104で、どのような制御信号114を生成するかは、クロック生成回路103や電源管理回路104の構成に依存する。また、クロック信号の周波数や、デューティー比を、具体的にどのような値に設定するかは、演算回路の回路規模や要求仕様に依存する。したがって、クロック生成回路、電源管理回路の具体的な構成や制御信号の具体的な値等は、実施者が決定することができる。
【0052】
以上のような構成とすることで、半導体装置において電源電圧が変動し、クロック信号の伝搬に時間差が生じる場合でも、安定して演算回路を動作させることができる。したがって、高性能な演算回路を有する、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。また、通信信号からの誘導起電力により電源電圧を供給し、ASK方式により通信データを送受信する無線チップにおいて、通信信号が不安定な場合や電源電圧が不安定となる場合にも、同期回路を安定して動作させることができる。したがって、大規模な演算回路を搭載した無線チップに好適な構成で、高性能且つ信頼性の高い無線チップを提供することができる。
【0053】
特に、本発明における半導体装置を、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板などの絶縁表面を有する基板上に形成した半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタにより作製すると、製造工程において大面積の基板を用いることができる。したがって、本発明における半導体装置の製造コストを大幅に下げられる。さらに、特にプラスチック基板の場合には、製造コストの削減に加えて、機械的柔軟性を有するため、本発明における半導体装置の完成後の取り扱いに多様性を持たせることができる。
【0054】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0055】
本実施例では、実施の形態で示した構成における電源管理回路の例として、電源電圧の変動を監視して、クロック信号を制御する方法について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、本実施例における電源管理回路の回路図である。また、図8は、本実施例における電源管理回路の動作を示すフローチャートである。
【0056】
まず、本実施例における電源管理回路の回路図を、図7を用いて説明する。図7において、第1のレギュレータ701の出力端子は、抵抗707に接続され、第2のレギュレータ702の出力端子は、抵抗709に接続され、第nのレギュレータ703の出力端子は、抵抗711に接続されている。第1の演算増幅器719の入力端子は、抵抗707、708、713、714に接続され、出力端子は、抵抗713、第1のディジタルバッファ722に接続されている。第2の演算増幅器720の入力端子は、抵抗709、710、715、716に接続され、出力端子は、抵抗715、第2のディジタルバッファ723に接続されている。第nの演算増幅器721の入力端子は、抵抗711、712、717、718に接続され、出力端子は、抵抗717、第nのディジタルバッファ724に接続されている。
【0057】
図7において、図1における電源回路108から供給される電源電圧は、配線725より、第1〜第nのレギュレータ701〜703に供給され、第1〜第nの参照電位配線704〜706に、第1〜第nの参照電位が出力される。電源電圧と第1〜第nの参照電位は、抵抗707〜718を介して図7に示すように第1〜第nの演算増幅器719〜721に入力される。なお、抵抗707〜718は、第1〜第nの演算増幅器719〜721を作動増幅回路として動作させるために、必要な抵抗である。第1〜第nの演算増幅器719〜721の出力は、第1〜第nのディジタルバッファ722〜724により、ディジタル信号を生成し、配線726に出力される。これが、図1における電源管理回路104からクロック生成回路103へ入力される制御信号114となる。
【0058】
次に、本実施例における電源管理回路の動作について、図8を用いて説明する。なお、ここでは、図7における電源管理回路で、n=4とした場合について説明する。図8において、図1における電源回路108から供給される電源電圧のタイミングチャートを801とする。第1〜第4のレギュレータにより生成される第1〜第4の参照電位のタイミングチャートを802〜805とする。この時、第1〜第4のディジタルバッファの出力のタイミングチャートは、806〜809となる。ここで、各々第1〜第4の参照電位より電源電圧が低い場合は第1〜第4のディジタルバッファの出力は各々”0”となる。
【0059】
以上に示した電源管理回路の構成で、電源回路108が供給する電源電圧の状態を検出することができる。すなわち、第1〜第4のディジタルバッファの出力、すなわち制御信号114が”1”、”1”、”1”、”1”の場合、”0”、”1”、”1”、”1”の場合、”0”、”0”、”1”、”1”の場合、”0”、”0”、”0”、”1”の場合、”0”、”0”、”0”、”0”の場合、の順に電源電圧が低いことが検出できる。従って、制御信号114を用いて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数を変更することができる。あるいは制御信号114を用いて、クロック生成回路103において、デューティー比を変更すれば良い。具体的には、検出した電源電圧が低いほど、ノンオーバーラップクロックの周波数を下げれば良い。あるいは検出した電源電圧が低いほど、デューティー比を下げれば良い。
【0060】
なお、電源管理回路104において検出した電源電圧の状態に応じて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数、あるいはデューティー比を具体的にどのような値に設定するかは、半導体装置に搭載する演算回路の回路規模や、消費電力、演算性能などを踏まえ、実施者が決定することができる。
【0061】
以上のような構成とすることで、半導体装置において電源電圧が変動し、クロック信号の伝搬に時間差が生じる場合でも、安定して演算回路を動作させることができる。したがって、高性能な演算回路を有する、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。特に、半導体装置を薄膜トランジスタにより形成する場合に有効である。また、通信信号からの誘導起電力により電源電圧を供給し、ASK方式により通信データを送受信する無線チップにおいて、通信信号が不安定な場合や電源電圧が不安定となる場合にも、同期回路を安定して動作させることができる。したがって、大規模な演算回路を搭載した無線チップに好適な構成で、高性能且つ信頼性の高い無線チップを提供することができる。
【実施例2】
【0062】
本実施例では、実施の形態で示した構成における電源管理回路の例として、電源電圧の変動を監視して、クロック信号を制御する方法について、実施例1とは異なる例を、図9及び図10を用いて説明する。図9は、本実施例における電源管理回路の回路図である。また、図10は、本実施例における電源管理回路の動作を示すフローチャートである。
【0063】
まず、本実施例における電源管理回路の回路図を、図9を用いて説明する。図9において、第1のレギュレータ901の出力端子は、抵抗903に接続されている。第1の演算増幅器907の入力端子は、抵抗903、904、905、906に接続され、出力端子は、抵抗905、ADC(アナログ−ディジタルコンバータ)908に接続されている。
【0064】
図9において、図1における電源回路108から供給される電源電圧は、配線909より、レギュレータ901に供給され、参照電位配線902に参照電位が出力される。電源電圧と参照電位は、配線909と参照電位配線902より、抵抗903〜906を介して図9に示すように演算増幅器907に入力される。なお、抵抗903〜906は、演算増幅器907を作動増幅回路として動作させるために、必要な抵抗である。演算増幅器907の出力電圧は、ADC908により、ディジタル信号を生成し、配線910に出力される。これが、図1における電源管理回路104からクロック生成回路103への制御信号114となる。
【0065】
次に、本実施例における電源管理回路の動作について、図10を用いて説明する。なお、ここでは、図9における電源管理回路で、電源電圧を4レベルで検出する場合について説明する。図10において、図1における電源回路108から供給される電源電圧のタイミングチャートを1001とする。図9におけるレギュレータ901により生成される参照電位のタイミングチャートを1002とする。この時、制御信号114のタイミングチャートは、1003となる。電源電圧が低い、すなわち参照電位と電源電圧との差が小さい順に制御信号114は”00”、”01”、”10”、”11”となる。
【0066】
以上に示した電源管理回路の構成で、電源回路108が供給する電源電圧の状態を検出することができる。すなわち、制御信号114が”11”の場合、”10”の場合、”01”の場合、”00”の場合、の順に電源電圧が低いことが検出できる。従って、制御信号114を用いて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数を変更すれば良い。あるいは制御信号114を用いて、クロック生成回路103において、デューティー比を変更すれば良い。具体的には、検出した電源電圧が低いほど、ノンオーバーラップクロックの周波数を下げれば良い。あるいは検出した電源電圧が低いほど、デューティー比を下げれば良い。
【0067】
なお、電源管理回路104において検出した電源電圧の状態に応じて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数、あるいはデューティー比を具体的にどのような値に設定するかは、半導体装置に搭載する演算回路の回路規模や、消費電力、演算性能などを踏まえ、実施者が決定することができる。
【0068】
以上のような構成とすることで、半導体装置において電源電圧が変動し、クロック信号の伝搬に時間差が生じる場合でも、安定して演算回路を動作させることができる。したがって、高性能な演算回路を有する、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。特に、半導体装置を薄膜トランジスタにより形成する場合に有効である。また、通信信号からの誘導起電力により電源電圧を供給し、ASK方式により通信データを送受信する無線チップにおいて、通信信号が不安定な場合や電源電圧が不安定となる場合にも、同期回路を安定して動作させることができる。したがって、大規模な演算回路を搭載した無線チップに好適な構成で、高性能且つ信頼性の高い無線チップを提供することができる。
【実施例3】
【0069】
本実施例では、実施の形態で示した構成における電源管理回路の例として、演算回路における消費電流を監視し、クロック信号を制御する方法について、図22及び図23を用いて説明する。図22は、電源管理回路の回路図である。また、図23は、電源管理回路の動作を示すフローチャートである。
【0070】
まず、本実施例における電源管理回路の回路図を、図22を用いて説明する。図22において、第1の演算増幅器2202の入力端子は、抵抗2203、2204、2205、2206に接続され、出力端子は、抵抗2205、2213、2215に接続されている。第1のレギュレータ2208の出力端子は抵抗2212に接続され、第2のレギュレータ2209の出力端子は抵抗2214に接続されている。第2の演算増幅器2220の入力端子は、抵抗2212、2213、2216、2217に接続され、出力端子は、抵抗2216、第1のディジタルバッファ2222に接続されている。第(n+1)の演算増幅器2221の入力端子は、抵抗2214、2215、2218、2219に接続され、出力端子は、抵抗2218、第2のディジタルバッファ2223に接続されている。
【0071】
図22において、図1における電源回路108から供給される電源電圧は、配線2224より、モニタ抵抗2201を介して、図1における演算回路102に供給される。モニタ抵抗2201の両端間には、演算回路102における消費電流に比例した電圧が生じる。この電圧を、第1の演算増幅器2202と、第1〜第4の抵抗2203〜2206とを有する増幅回路の入力電圧とすると、モニタ電圧配線2207にモニタ電圧が出力される。
【0072】
電源電圧は、第1〜第nのレギュレータ2208〜2209に供給され、第1〜第nの参照電位配線2210〜2211に第1〜第nの参照電位が出力される。モニタ電圧と第1〜第nの参照電位は、抵抗2212〜2219を介して図22に示すように第2〜第(n+1)の演算増幅器2220〜2221に入力される。なお、抵抗2212〜2219は、第2〜第(n+1)の演算増幅器2220〜2221を作動増幅回路として動作させるために、必要な抵抗である。第2〜第(n+1)の演算増幅器2220〜2221の出力は、第1〜第nのディジタルバッファ2222〜2223により、ディジタル信号を生成し、配線2225に出力される。これが、図1における電源管理回路104からクロック生成回路103への制御信号114となる。
【0073】
次に、本実施例における電源管理回路の動作について、図23を用いて説明する。なお、ここでは、図22における電源管理回路で、n=4とした場合について説明する。図23において、図22におけるモニタ抵抗2201に流れる電流、すなわち演算回路102における消費電流のタイミングチャートを2301とする。モニタ電圧のタイミングチャートを2302とする。第1〜第4のレギュレータにより生成される第1〜第4の参照電位のタイミングチャートを2303〜2306とする。この時、第1〜第4のディジタルバッファの出力のタイミングチャートは、2307〜2310となる。ここで、各々第1〜第4の参照電位よりモニタ電圧配線2207が低い場合は第1〜第4のディジタルバッファの出力は各々”0”となる。
【0074】
以上に示した電源管理回路の構成で、演算回路102における消費電流の状態を検出することができる。すなわち、第1〜第4のディジタルバッファの出力、すなわち制御信号114が”0”、”0”、”0”、”0”の場合、”0”、”0”、”0”、”1”の場合、”0”、”0”、”1”、”1”の場合、”0”、”1”、”1”、”1”の場合、”1”、”1”、”1”、”1”の場合、の順に消費電流が低いことが検出できる。従って、制御信号114を用いて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数を変更すれば良い。あるいはデューティー比を変更すれば良い。具体的には、検出した消費電流が高いほど、ノンオーバーラップクロックの周波数を下げれば良い。
【0075】
なお、電源管理回路104において検出した消費電流の状態に応じて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数、あるいはデューティー比を具体的にどのような値に設定するかは、半導体装置に搭載する演算回路の回路規模や、消費電力、演算性能などを踏まえ、実施者が決定することができる。
【0076】
以上のような構成とすることで、半導体装置において電源電圧が変動し、クロック信号の伝搬に時間差が生じる場合でも、安定して演算回路を動作させることができる。したがって、高性能な演算回路を有する、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。特に、半導体装置を薄膜トランジスタにより形成する場合に有効である。また、通信信号からの誘導起電力により電源電圧を供給し、ASK方式により通信データを送受信する無線チップにおいて、通信信号が不安定な場合や電源電圧が不安定となる場合にも、同期回路を安定して動作させることができる。したがって、大規模な演算回路を搭載した無線チップに好適な構成で、高性能且つ信頼性の高い無線チップを提供することができる。
【実施例4】
【0077】
本実施例では、実施の形態で示した構成における電源管理回路の例として、消費電流の変動を監視して、クロック信号を制御する方法について、実施例3とは異なる例を、図24及び図25を用いて説明する。図24は、本実施例における電源管理回路の回路図である。また、図25は、本実施例における電源管理回路の動作を示すフローチャートである。
【0078】
まず、本実施例における電源管理回路の回路図を、図24を用いて説明する。図24において、第1の演算増幅器2402の入力端子は、抵抗2403、2404、2405、2406に接続され、出力端子は、抵抗2405、レギュレータ2408に接続されている。レギュレータ2408の出力端子は抵抗2410に接続されている。第2の演算増幅器2414の入力端子は、抵抗2410、2411、2412、2413に接続され、出力端子は、ADC(アナログ−ディジタルコンバータ)2415に接続されている。
【0079】
図24において、図1における電源回路108から供給される電源電圧は、配線2416より、モニタ抵抗2401を介して、図1における演算回路102に供給される。モニタ抵抗2401の両端間には、演算回路102における消費電流に比例した電圧が生じる。この電圧を、第1の演算増幅器2402と、第1〜第4の抵抗2403〜2406とから構成される増幅回路の入力電圧とすると、モニタ電圧配線2407にモニタ電圧が出力される。
【0080】
電源電圧は、配線2416より、レギュレータ2408に供給され、参照電位配線2409に参照電位が出力される。電源電圧と参照電位は、抵抗2410〜2413を介して図24に示すように第2の演算増幅器2414に入力される。なお、抵抗2410〜2413は、第2の演算増幅器2414を作動増幅回路として動作させるために、必要な抵抗である。第2の演算増幅器2414の出力は、ADC2415により、ディジタル信号を生成し、配線2417に出力される。これが、図1における電源管理回路104からクロック生成回路103への制御信号114となる。
【0081】
次に、本実施例における電源管理回路の動作について、図25を用いて説明する。なお、ここでは、図24における電源管理回路で、電源電圧を4レベルで検出する場合について説明する。図25において、図24におけるモニタ抵抗2401に流れる電流、すなわち演算回路102における消費電流のタイミングチャートを2501とする。モニタ電圧のタイミングチャートを2502とする。図24におけるレギュレータ2408により生成される参照電位のタイミングチャートを2503とする。この時、制御信号114のタイミングチャートは、2504となる。モニタ電圧が低い、すなわち消費電流が低い順に制御信号114は”00”、”01”、”10”、”11”となる。
【0082】
以上に示した電源管理回路の構成で、演算回路102における消費電力の状態を検出することができる。すなわち、制御信号114が”11”の場合、”10”の場合、”01”の場合、”00”の場合、の順に消費電流が高いことが検出できる。従って、制御信号114を用いて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数を変更すれば良い。あるいはデューティー比を変更すれば良い。具体的には、検出した消費電流が高いほど、ノンオーバーラップクロックの周波数、あるいはデューティー比を下げれば良い。
【0083】
なお、電源管理回路104において検出した消費電流の状態に応じて、クロック生成回路103において、ノンオーバーラップクロックの周波数、あるいはデューティー比を具体的にどのような値に設定するかは、半導体装置に搭載する演算回路の回路規模や、消費電力、演算性能などを踏まえ、実施者が決定することができる。
【0084】
以上のような構成とすることで、半導体装置において電源電圧が変動し、クロック信号の伝搬に時間差が生じる場合でも、安定して演算回路を動作させることができる。したがって、高性能な演算回路を有する、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。特に、半導体装置を薄膜トランジスタにより形成する場合に有効である。また、通信信号からの誘導起電力により電源電圧を供給し、ASK方式により通信データを送受信する無線チップにおいて、通信信号が不安定な場合や電源電圧が不安定となる場合にも、同期回路を安定して動作させることができる。したがって、大規模な演算回路を搭載した無線チップに好適な構成で、高性能且つ信頼性の高い無線チップを提供することができる。
【実施例5】
【0085】
本実施例では、本発明における半導体装置を、薄膜トランジスタ(TFT)により構成する場合について、図11を用いて説明する。
【0086】
図11(A)は、絶縁基板1110上に形成されたTFT部1101とメモリ部1102の断面図を示す。TFT部1101は、例えば、演算回路のトランジスタに用いると良い。メモリ部1102は、例えば、不揮発性メモリのメモリ素子に用いると良い。絶縁基板1110には、ガラス基板、石英基板、珪素からなる基板、金属基板、プラスチック基板等を用いることができる。
【0087】
またガラス基板を用いる場合、TFT等が形成される側と反対面を研磨し、薄くしたものを用いることができる。このように薄くしたガラス基板は、装置の軽量化、薄型化を達成することができる。
【0088】
絶縁基板1110上には下地膜1111が設けられている。TFT部1101では下地膜1111を介して薄膜トランジスタ1120、1121が設けられ、メモリ部1102には下地膜1111を介して薄膜トランジスタ1122が設けられている。各薄膜トランジスタは、島状にパターニングされた(所定の形状に加工された)半導体膜1112、ゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極1114、ゲート電極側面に設けられた絶縁物(所謂サイドウォール)1113を有している。半導体膜1112は、膜厚が0.2μm以下、代表的には40nmから170nm、好ましくは50nmから150nmとなるように形成する。さらに、サイドウォール1113、及び半導体膜1112を覆う絶縁膜1116、半導体膜1112に形成された不純物領域に接続する電極1115を有する。なお電極1115は不純物領域と接続するため、ゲート絶縁膜及び絶縁膜1116にコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールに導電膜を形成し、当該導電膜をパターニングして形成することができる。
【0089】
本発明における無線チップを構成する薄膜トランジスタにおいて、ゲート絶縁膜等を代表とする絶縁膜は、高密度プラズマ処理を用いて作製することができる。高密度プラズマ処理とは、プラズマ密度が1×1011cm−3以上、好ましくは1×1011cm−3から9×1015cm−3以下であり、マイクロ波(例えば周波数2.45GHz)といった高周波を用いたプラズマ処理である。このような条件でプラズマを発生させると、低電子温度が0.2eVから2eVとなる。このように低電子温度が特徴である高密度プラズマは、活性種の運動エネルギーが低いため、プラズマダメージが少なく欠陥が少ない膜を形成することができる。このようなプラズマ処理を可能とする成膜室に、被形成体、ゲート絶縁膜を形成する場合であればパターニングされた半導体膜が形成された基板を配置する。そして、プラズマ発生用の電極、所謂アンテナと被形成体との距離を20mmから80mm、好ましくは20mmから60mmとして成膜処理を行う。このような高密度プラズマ処理は、低温プロセス(基板温度400℃以下)の実現が可能となる。そのため、耐熱性の低いプラスチックを基板上に成膜することができる。
【0090】
このような絶縁膜の成膜雰囲気は窒素雰囲気、又は酸素雰囲気とすることができる。窒素雰囲気とは、代表的には、窒素と希ガスとの混合雰囲気、又は窒素と水素と希ガスとの混合雰囲気である。希ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンの少なくとも1つを用いることができる。また酸素雰囲気とは、代表的には、酸素と希ガスとの混合雰囲気、酸素と水素と希ガスとの混合雰囲気、又は一酸化二窒素と希ガスとの混合雰囲気である。希ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンの少なくとも1つを用いることができる。
【0091】
このように形成された絶縁膜は、他の被膜に与えるダメージが少なく、緻密なものとなる。また高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜は、当該絶縁膜と接触する界面状態を改善することができる。例えば高密度プラズマ処理を用いてゲート絶縁膜を形成すると、半導体膜との界面状態を改善することができる。その結果、薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
【0092】
絶縁膜の作製に高密度プラズマ処理を用いる場合を説明したが、半導体膜に高密度プラズマ処理を施してもよい。高密度プラズマ処理によって、半導体膜表面の改質を行うことができる。その結果、界面状態を改善でき、ひいては薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
【0093】
また平坦性を高めるため、絶縁膜1117、1118が設けられているとよい。このとき絶縁膜1117は有機材料から形成し、絶縁膜1118は無機材料から形成するとよい。絶縁膜1117、1118が設けられている場合、電極1115は、これら絶縁膜1117、1118にコンタクトホールを介して不純物領域と接続するように形成することができる。
【0094】
さらに絶縁膜1125が設けられ、電極1115と接続するように下部電極1127を形成する。下部電極1127の端部を覆い、下部電極1127が露出するように開口部が設けられた絶縁膜1128を形成する。開口部内に、メモリ材料層1129を形成し、上部電極1130を形成する。このようにして、下部電極1127、メモリ材料層1129、上部電極1130を有するメモリ素子1123が形成される。メモリ材料層1129は、有機材料又は無機材料から形成することができる。下部電極1127又は上部電極1130は、導電性材料から形成することができる。例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜等から形成することができる。またインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2から20%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム等の透光性材料を用いることができる。
【0095】
さらに平坦性を高め、不純物元素の侵入を防止するため、絶縁膜1131を形成するとよい。
【0096】
本実施例で説明した絶縁膜は、無機材料又は有機材料を用いることができる。無機材料は、酸化珪素、窒化珪素を用いることができる。有機材料はポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。なお、シロキサンとは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。ポリシラザンは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される。
【0097】
図11(B)は、図11(A)と異なり、電極1115のコンタクトホール1151内にメモリ材料層を形成したメモリの断面図を示す。図11(A)と同様に、下部電極として電極1115を用い、電極1115上にメモリ材料層1129、上部電極1130を形成し、メモリ素子1123を形成することができる。その後絶縁膜1131を形成する。その他の構成は図11(A)と同様であるため、説明を省略する。
【0098】
このようにコンタクトホール1151にメモリ素子を形成すると、メモリ素子の小型化を図ることができる。またメモリ用の電極が不要となるため製造工程を削減し、低コストでメモリを搭載した無線チップを提供することができる。
【0099】
以上のように、半導体装置を、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板などの絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を活性層として用いた薄膜トランジスタから構成することで、高性能且つ低消費電力の半導体装置を、より軽量で安価に提供することができる。
【0100】
本実施例は、実施の形態、上記実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例6】
【0101】
本実施例では、上記実施例と異なる半導体装置の作製方法について説明する。
【0102】
上記実施の形態と同様に、絶縁基板を用意し、剥離層を形成する。剥離層は、絶縁基板全面、又は選択的に形成することができる。剥離層には、W、Ti、Ta、Mo、Nb、Nd、Ni、Co、Zr、Zn、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Siから選ばれた元素または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料から形成することができる。剥離層は、上記元素等の単層構造、又は上記元素等の積層構造を用いることができる。このような剥離層はCVD法、スパッタリング法または電子ビーム等によって形成することができる。本実施例では、WをCVD法により形成する。このとき、O、N又はNOを用いてプラズマで処理を行うとよい。すると、後の工程である剥離工程を簡便に行うことができる。
【0103】
その後、上記実施の形態と同様に、剥離層上に下地膜、半導体膜を形成する。半導体膜に対する加熱処理を行うと、剥離層も加熱されうる。加熱処理には、CVD法を用いて非晶質半導体膜を形成すると、該半導体膜には水素が多く含まれるため、当該水素を取り除くための加熱処理、又は非晶質半導体膜を結晶化するための加熱処理がある。水素を取り除くための加熱処理により、半導体膜の膜剥がれを防止することができる。
【0104】
その後、上記実施の形態と同様に、半導体膜を用いて薄膜トランジスタを形成する。
そして、複数の薄膜トランジスタを電気的に接続することにより、半導体装置が有する回路を形成する。当該回路には、電源回路、システムリセット回路、復調回路、変調回路等の無線通信回路やCPU、ROM、RAM、コントローラ等のロジック回路がある。
【0105】
その後、物理的、化学的に絶縁基板を剥離し、プラスチック基板等のフレキシブル基板に薄膜トランジスタ等を転置する。このとき、剥離層の状態に変化を与えることにより、絶縁基板を剥離することができる。例えば、剥離層の一部が露出するよう開口部を設け、露出した剥離層にレーザを照射する。剥離層にレーザを照射することによって、剥離のきっかけを与えることができる。その後、物理的に絶縁基板と、薄膜トランジスタ等を剥離させることもできるし、膜の応力により特段力を加えることなく、絶縁基板から薄膜トランジスタ等が自然に剥がれることもある。
【0106】
そして、フレキシブル基板に薄膜トランジスタ等が転置された半導体装置を形成することができる。このような半導体装置は、軽量化、薄型化を図り、柔軟性に富む、といった付加価値を有する。
【0107】
本実施例は、実施の形態、上記実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例7】
【0108】
本実施例では、本発明における半導体装置において、回路の一部を構成する薄膜トランジスタのレイアウトについて、図12〜図14を用いて説明する。
【0109】
実施例3で示した半導体膜1112に相当する半導体層は、絶縁表面を有する基板の全面若しくは一部(トランジスタの半導体領域として確定されるよりも広い面積を有する領域)に、下地膜等を介して形成される。そして、フォトリソグラフィー技術によって、半導体層上にマスクパターンを形成する。そのマスクパターンを利用して半導体層をエッチング処理することにより、図12に示す薄膜トランジスタのソース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を含む特定形状を有する島状の半導体パターン1201を形成することができる。
【0110】
そのパターン形成された半導体層の形状は、薄膜トランジスタの特性に基づき、要求される回路特性やレイアウトの適切さを考慮して決められる。
【0111】
本発明における無線チップの回路を構成する薄膜トランジスタにおいて、半導体層を形成するためのフォトマスクは、パターンを備えている。このフォトマスクのパターンは角部を有し、(直角三角形の)一辺が10μm以下の大きさに角部を削除し、丸みを帯びている。このマスクパターンの形状は、図12に示すように半導体層のパターン形状として転写することができる。また半導体層への転写のとき、半導体パターン1201の角部は、フォトマスクパターンの角部よりさらに丸みを帯びるように転写されることがある。すなわち、半導体膜のパターンの角部には、フォトマスクのパターンよりもさらにパターン形状をなめらかにした丸みが設けられてもよい。なお図12において、後に形成されるゲート電極1114やゲート配線1301、電極1115等を点線で示す。
【0112】
次に、角部に丸みが設けられるようにパターニングされた半導体層上には、ゲート絶縁膜が形成される。そして、実施例3で示したように、半導体層と一部が重なるようにゲート電極1114、及び同時にゲート配線1301が形成される。ゲート電極又はゲート配線は、金属層や半導体層を成膜し、フォトリソグラフィー技術によって形成することができる。
【0113】
このゲート電極又はゲート配線を形成するためのフォトマスクは、パターンを備えている。このフォトマスクのパターンは、角部を有し、この角部に形成される直角三角形の一辺が10μm以下、または配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の大きさに角部を削除している。このマスクパターンの形状は、図13に示すように、ゲート電極又はゲート配線のパターン形状として転写することができる。またゲート電極又はゲート配線への転写のときに、ゲート電極又はゲート配線の角部がさらに丸みを帯びるように転写されることがある。すなわちゲート電極又はゲート配線の角部には、フォトマスクのパターンよりもさらにパターン形状をなめらかにした丸みが設けられていてもよい。
【0114】
このようなフォトマスクを用いて形成されたゲート電極又はゲート配線の角部には、上面からみたコーナー部において、ゲート電極又はゲート配線の外周は曲線を形成するようにする。またコーナー部の内周についても、コーナー部の外周に沿って内周が丸みを帯びるよう形成する。なお図13において、後に形成される電極1115を点線で示す。
【0115】
このようなゲート電極又はゲート配線は、レイアウトの制約上、矩形に折れ曲がる。そのため、ゲート電極又はゲート配線の丸みを帯びた角部には凸部(外側の辺)と凹部(内側の辺)が設けられる。この丸みを帯びた凸部ではプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑えることができる。また丸みを帯びた凹部では、洗浄のときに、たとえできた微粉があっても、それが角に集まりやすいのを洗い流すことができる。その結果、歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。
【0116】
次に、ゲート電極又はゲート配線上には、上記実施例3で示したように絶縁膜1116、1117、1118に相当する絶縁層等を形成する。勿論、本発明において絶縁膜は単層であっても構わない。
【0117】
そして絶縁層上に、絶縁膜には所定の位置に開口を形成し、当該開口に電極1115に相当する配線を形成する。この開口は、下層に位置する半導体層又はゲート配線層と、配線層との間の電気的な接続をとるために設けられる。配線は、フォトリソグラフィー技術によってマスクパターンが形成され、エッチング加工により所定のパターンに形成される。
【0118】
配線によって、ある特定の素子間を連結することができる。この配線は、特定の素子と素子の間を直線で結ぶのではなく、レイアウトの制約上、矩形に折れ曲がる(以下、屈曲部という)。また配線は、開口部やその他の領域において配線幅が変化することがある。例えば開口部では、開口が配線幅と同等若しくは大きい場合には、その部分で配線幅が広がるように変化する。また、配線は回路のレイアウト上、容量部の一方の電極を兼ねるため、配線幅を大きくとることがある。
【0119】
この場合において、フォトマスクのパターンの屈曲部において、形成される直角三角形の一辺が10μm以下、または、配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の大きさに角部を削除する。そして、図14に示すように、配線のパターンにも同様な丸みを帯びさせる。配線の角部は、線幅の1/2以下で、1/5以上に屈曲部に丸みをおびさせることができる。すなわち、上面からみたコーナー部における配線層の外周は曲線を形成するようにする。またコーナー部の内周についても、コーナー部の外周に沿って内周が丸みを帯びるよう形成する。このような丸みを帯びた配線は、その屈曲部における凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。配線の角部が丸みを帯びることにより、電気的にも伝導させることが期待できる。
【0120】
図14に示したレイアウトを有する回路において、屈曲部や配線幅が変化する部位の角部をなめらかにして、丸みを付けることにより、プラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。すなわち、製造工程における塵や微粉の問題を解消することができる。また、配線の角部が丸みを帯びた構成をとることにより、電気的にも伝導させることが期待できる。特に多数の平行配線が設けられる駆動回路部等の配線において、ゴミを洗い流すことを可能とすることは、きわめて好都合である。
【0121】
なお、本実施例では、半導体層、ゲート配線、配線の3つのレイアウトにおいて、角部又は屈曲部に丸みを帯びる形態を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、いずれか一の層において、角部又は屈曲部に丸みを帯びさせ、製造工程における塵や微粉等の問題を解消することができればよい。
【0122】
以上のようなレイアウトを用いて、半導体装置を構成することで、高性能且つ低消費電力の半導体装置を、より軽量で安価に提供することができる。
【0123】
なお、本実施例は、実施の形態、上記実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例8】
【0124】
本実施例では、本発明における半導体装置を構成する要素の一つとして、スタティックRAM(SRAM)を構成する一例について、図15〜図17を参照して説明する。
【0125】
図15(A)で示す半導体層1510、1511はシリコン若しくはシリコンを成分とする結晶性の半導体で形成することが好ましい。例えば、シリコン膜をレーザアニールなどによって結晶化された多結晶シリコン、単結晶シリコンなどが適用される。その他にも半導体特性を示す、金属酸化物半導体、アモルファスシリコン、有機半導体を適用することも可能である。
【0126】
いずれにしても、最初に形成する半導体層は絶縁表面を有する基板の全面若しくは一部(トランジスタの半導体領域として確定されるよりも広い面積を有する領域)に形成する。そして、フォトリソグラフィー技術によって、半導体層上にマスクパターンを形成する。そのマスクパターンを利用して半導体層をエッチング処理することにより、TFTのソース及びドレイン領域及びチャネル形成領域を含む特定形状の島状の半導体層1510、1511を形成する。その半導体層1510、1511はレイアウトの適切さを考慮して決められる。
【0127】
図15(A)で示す半導体層1510、1511を形成するためのフォトマスクは、図15(B)に示すマスクパターン1520を備えている。このマスクパターン1520は、フォトリソグラフィー工程で用いるレジストがポジ型かネガ型かで異なる。ポジ型レジストを用いる場合には、図15(B)で示すマスクパターン1520は、遮光部として作製される。マスクパターン1520は、多角形の頂部Aを削除した形状となっている。また、屈曲部Bにおいては、その角部が直角とならないように複数段に渡って屈曲する形状となっている。このフォトマスクのパターンは、例えば、パターンの角部であって(直角三角形の)一辺が10μm以下の大きさに角部を削除している。
【0128】
図15(B)で示すマスクパターン1520は、その形状が、図15(A)で示す半導体層1510、1511に反映される。その場合、マスクパターン1520と相似の形状が転写されても良いが、マスクパターン1520の角部がさらに丸みを帯びるように転写されていても良い。すなわち、マスクパターン1520よりもさらにパターン形状をなめらかにした、丸め部を設けても良い。
【0129】
半導体層1510、1511の上には、酸化シリコン若しくは窒化シリコンを少なくとも一部に含む絶縁層が形成される。この絶縁層を形成する目的の一つはゲート絶縁層である。そして、図16(A)で示すように、半導体層と一部が重なるようにゲート配線1612、1613、1614を形成する。ゲート配線1612は半導体層1510に対応して形成される。ゲート配線1613は半導体層1510、1511に対応して形成される。また、ゲート配線1614は半導体層1510、1511に対応して形成される。ゲート配線は、金属層又は導電性の高い半導体層を成膜し、フォトリソグラフィー技術によってその形状を絶縁層上に作り込む。
【0130】
このゲート配線を形成するためのフォトマスクは、図16(B)に示すマスクパターン1621を備えている。このマスクパターン1621は、角部であって、(直角三角形の)一辺が10μm以下、または、配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の大きさに角部を削除している。図16(B)で示すマスクパターン1621は、その形状が、図16(A)で示すゲート配線1612、1613、1614に反映される。その場合、マスクパターン1621と相似の形状が転写されても良いが、マスクパターン1621の角部がさらに丸みを帯びるように転写されていても良い。すなわち、マスクパターン1621よりもさらにパターン形状をなめらかにした、丸め部を設けても良い。すなわち、ゲート配線1612、1613、1614の角部は、線幅の1/2以下であって1/5以上にコーナー部に丸みをおびさせる。凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。
【0131】
層間絶縁層はゲート配線1612、1613、1614の次に形成される層である。層間絶縁層は酸化シリコンなどの無機絶縁材料若しくはポリイミドやアクリル樹脂などを使った有機絶縁材料を使って形成する。この層間絶縁層とゲート配線1612、1613、1614の間には窒化シリコン若しくは窒化酸化シリコンなどの絶縁層を介在させても良い。また、層間絶縁層上にも窒化シリコン若しくは窒化酸化シリコンなどの絶縁層を設けても良い。この絶縁層は、外因性の金属イオンや水分などTFTにとっては良くない不純物により半導体層やゲート絶縁層を汚染するのを防ぐことができる。
【0132】
層間絶縁層には所定の位置に開孔が形成されている。例えば、下層にあるゲート配線や半導体層に対応して設けられる。金属若しくは金属化合物の一層若しくは複数層で形成される配線層は、フォトリソグラフィー技術によってマスクパターンが形成され、エッチング加工により所定のパターンに形成される。そして、図17(A)で示すように、半導体層と一部が重なるように配線1715〜1720を形成する。配線はある特定の素子間を連結する。配線は特定の素子と素子の間を直線で結ぶのではなく、レイアウトの制約上屈曲部が含まれる。また、コンタクト部やその他の領域において配線幅が変化する。コンタクト部では、コンタクトホールが配線幅と同等若しくは大きい場合には、その部分で配線幅が広がるように変化する。
【0133】
この配線1715〜1720を形成するためのフォトマスクは、図17(B)に示すマスクパターン1722を備えている。この場合においても、配線は、そのコーナー部であって(直角三角形の)一辺が10μm以下、または、配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の大きさに角部を削除し、コーナー部が丸みをおびるパターンを有せしめる。角部は、線幅の1/2以下で、1/5以上にコーナー部に丸みをおびさせる。このような配線は、凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。配線の角部がラウンドをとることにより、電気的にも伝導させることが期待できる。また、多数の平行配線では、ゴミを洗い流すのにはきわめて好都合である。
【0134】
図17(A)には、nチャネル型薄膜トランジスタ1721〜1724、pチャネル型薄膜トランジスタ1725、1726が形成されている。nチャネル型薄膜トランジスタ1723とpチャネル型薄膜トランジスタ1725及びnチャネル型薄膜トランジスタ1724とpチャネル型薄膜トランジスタ1726はインバータを構成している。この6つの薄膜トランジスタを含む回路はSRAMを形成している。これらの薄膜トランジスタの上層には、窒化シリコンや酸化シリコンなどの絶縁層が形成されていても良い。
【0135】
以上のような構成とすることで、高性能且つ低消費電力の半導体素子を、より軽量で安価に提供することができる。
【0136】
なお、本実施例は、実施の形態、上記実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例9】
【0137】
本実施例では、本発明における半導体装置を構成するトランジスタについて、図18及び図19を参照して説明する。
【0138】
本発明における半導体装置を構成するトランジスタは、単結晶基板に形成されるMOSトランジスタの他、薄膜トランジスタ(TFT)で構成することもできる。図18はこれらの回路を構成する薄膜トランジスタの断面構造を示す図である。図18には、nチャネル型薄膜トランジスタ1821、nチャネル型薄膜トランジスタ1822、容量素子1824、抵抗素子1825、pチャネル型薄膜トランジスタ1823が示されている。各薄膜トランジスタは半導体層1805、絶縁層1808、ゲート電極1809を備えている。ゲート電極1809は、第1導電層1803と第2導電層1802の積層構造で形成されている。また、図19(A)〜(E)は、図18で示すnチャネル型薄膜トランジスタ1821、nチャネル型薄膜トランジスタ1822、容量素子1824、抵抗素子1825、pチャネル型薄膜トランジスタ1823に対応する上面図であり、併せて参照することができる。
【0139】
図18において、nチャネル型薄膜トランジスタ1821は、チャネル長方向(キャリアの流れる方向)において、ゲート電極の両側に低濃度ドレイン(LDD)とも呼ばれ、配線1804とコンタクトを形成するソース及びドレイン領域を形成する不純物領域1806の不純物濃度よりも低濃度にドープされた不純物領域1807が半導体層1805に形成されている。不純物領域1806と不純物領域1807には、nチャネル型薄膜トランジスタ1821を構成する場合、n型を付与する不純物としてリンなどが添加されている。LDDはホットエレクトロン劣化や短チャネル効果を抑制する手段として形成される。
【0140】
図19(A)で示すように、nチャネル型薄膜トランジスタ1821のゲート電極1809において、第1導電層1803は、第2導電層1802の両側に広がって形成されている。この場合において、第1導電層1803の膜厚は、第2導電層の膜厚よりも薄く形成されている。第1導電層1803の厚さは、10〜100kVの電界で加速されたイオン種を通過させることが可能な厚さに形成されている。不純物領域1807はゲート電極1809の第1導電層1803と重なるように形成されている。すなわち、ゲート電極1809とオーバーラップするLDD領域を形成している。この構造は、ゲート電極1809において、第2導電層1802をマスクとして、第1導電層1803を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的に不純物領域1807を形成している。すなわち、ゲート電極とオーバーラップするLDDを自己整合的に形成している。
【0141】
両側にLDDを有する薄膜トランジスタは、実施の形態における電源回路108の整流用のTFTや、論理回路に用いられるトランスミッションゲート(アナログスイッチとも呼ぶ)を構成する薄膜トランジスタに適用される。これらのTFTは、ソース電極やドレイン電極に正負両方の電圧が印加されるため、ゲート電極の両側にLDDを設けることが好ましい。
【0142】
また第1導電層1803は、第2導電層1802を用いてゲート配線を形成する場合、それらの両端を揃えるようにパターニングしてもよい。その結果、微細なゲート配線を形成することができる。またゲート電極とオーバーラップするLDDを自己整合的に形成する必要もないからである。
【0143】
図18において、nチャネル型薄膜トランジスタ1822は、ゲート電極の片側に不純物領域1806の不純物濃度よりも低濃度にドープされた不純物領域1807が半導体層1805に形成されている。図19(B)で示すように、nチャネル型薄膜トランジスタ1822のゲート電極1809において、第1導電層1803は、第2導電層1802の片側に広がって形成されている。この場合も同様に、第2導電層1802をマスクとして、第1導電層1803を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的にLDDを形成することができる。
【0144】
片側にLDDを有する薄膜トランジスタは、ソース及びドレイン電極間に正電圧のみ、もしくは負電圧のみが印加される薄膜トランジスタに適用すればよい。具体的には、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、ラッチ回路といった論理ゲートを構成する薄膜トランジスタや、センスアンプ、定電圧発生回路、VCOといったアナログ回路を構成する薄膜トランジスタに適用すればよい。
【0145】
図18において、容量素子1824は、第1導電層1803と半導体層1805とで絶縁層1808を挟んで形成されている。容量素子1824を形成する半導体層1805には、不純物領域1810と不純物領域1811を備えている。不純物領域1811は、半導体層1805において第1導電層1803と重なる位置に形成される。また、不純物領域1810は配線1804とコンタクトを形成する。不純物領域1811は、第1導電層1803を通して一導電型の不純物を添加することができるので、不純物領域1810と不純物領域1811に含まれる不純物濃度は同じにすることもできるし、異ならせることも可能である。いずれにしても、容量素子1824において、半導体層1805は電極として機能させるので、一導電型の不純物を添加して低抵抗化しておくことが好ましい。また、第1導電層1803は、図19(C)に示すように、第2導電層1802を補助的な電極として利用することにより、電極として十分に機能させることができる。このように、第1導電層1803と第2導電層1802を組み合わせた複合的な電極構造とすることにより、容量素子1824を自己整合的に形成することができる。
【0146】
容量素子は、実施の形態における電源回路108が有する保持容量、あるいは共振回路107が有する共振容量として用いられる。特に、共振容量は、容量素子の2端子間に正負両方の電圧が印加されるため、2端子間の電圧の正負によらず容量として機能することが必要である。
【0147】
図19(D)において、抵抗素子1825は、第1導電層1803によって形成されている。第1導電層1803は30〜150nm程度の厚さに形成されるので、その幅や長さを適宜設定して抵抗素子を構成することができる。
【0148】
抵抗素子は、実施の形態における変調復調回路105が有する抵抗負荷として用いられる。また、VCOなどで電流を制御する場合の負荷としても用いられる場合がある。抵抗素子は、高濃度に不純物元素を含む半導体層や、膜厚の薄い金属層によって構成すればよい。抵抗値が膜厚、膜質、不純物濃度、活性化率などに依存する半導体層に対して、金属層は、膜厚、膜質という少ないパラメータにより抵抗値が決定するため、抵抗素子のばらつきを小さくすることができ好ましい。
【0149】
図19(E)において、pチャネル型薄膜トランジスタ1823は、半導体層1805に不純物領域1812を備えている。この不純物領域1812は、配線1804とコンタクトを形成するソース及びドレイン領域を形成する。ゲート電極1809の構成は第1導電層1803と第2導電層1802が重畳した構成となっている。pチャネル型薄膜トランジスタ1823はLDDを設けないシングルドレイン構造である。pチャネル型薄膜トランジスタ1823を形成する場合、不純物領域1812にはp型を付与する不純物として硼素などが添加される。一方、不純物領域1812にリンを添加すればシングルドレイン構造のnチャネル型薄膜トランジスタとすることもできる。
【0150】
半導体層1805及びゲート絶縁層として機能する絶縁層1808の一方若しくは双方に対してマイクロ波で励起され、電子温度が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下、電子密度が1011〜1013/cm程度である高密度プラズマ処理によって酸化又は窒化処理しても良い。このとき、基板温度を300〜450℃とし、酸化雰囲気(O、NOなど)又は窒化雰囲気(N、NHなど)で処理することにより、半導体層1805とゲート絶縁層として機能する絶縁層1808の界面の欠陥準位を低減することができる。ゲート絶縁層として機能する絶縁層1808対してこの処理を行うことにより、この絶縁層の緻密化を図ることができる。すなわち、荷電欠陥の生成を抑え、トランジスタのしきい値電圧の変動を抑えることができる。また、トランジスタを3V以下の電圧で駆動させる場合には、このプラズマ処理により酸化若しくは窒化された絶縁層をゲート絶縁層として機能する絶縁層1808として適用することができる。また、トランジスタの駆動電圧が3V以上の場合には、このプラズマ処理で半導体層1805の表面に形成した絶縁層とCVD法(プラズマCVD法若しくは熱CVD法)で堆積した絶縁層とを組み合わせてゲート絶縁層として機能する絶縁層1808を形成することができる。また、同様にこの絶縁層は、容量素子1824の誘電体層としても利用することができる。この場合、このプラズマ処理で形成された絶縁層は、1〜10nmの厚さで形成され、緻密な膜であるので、大きな電荷容量を持つ容量素子を形成することができる。
【0151】
図18及び図19を参照して説明したように、膜厚の異なる導電層を組み合わせることにより、さまざまな構成の素子を形成することができる。第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域は、回折格子パターン或いは半透明膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて形成することができる。すなわち、フォトリソグラフィー工程において、フォトレジストを露光する際に、フォトマスクの透過光量を調節して、現像されるレジストマスクの厚さを異ならせる。この場合、フォトマスクまたはレチクルに解像度限界以下のスリットを設けて上記複雑な形状を有するレジストを形成してもよい。また、現像後に約200℃のベークを行ってフォトレジスト材料で形成されるマスクパターンを変形させてもよい。
【0152】
また、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いることにより、第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域を連続して形成することができる。図19(A)に示すように、第1導電層のみが形成される領域を半導体層上に選択的に形成することができる。このような領域は、半導体層上において有効であるが、それ以外の領域(ゲート電極と連続する配線領域)では必要がない。このフォトマスク若しくはレチクルを用いることにより、配線部分は、第1導電層のみの領域を作らないで済むので、配線密度を実質的に高めることができる。
【0153】
図18及び図19の場合には、第1導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物を30〜50nmの厚さで形成する。また、第2導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物で300〜600nmの厚さに形成する。例えば、第1導電層と第2導電層をそれぞれ異なる導電材料を用い、後に行うエッチング工程でエッチングレートの差が生じるようにする。一例として、第1導電層にTaNを用い、第2導電層としてタングステン膜を用いることができる。
【0154】
本実施例では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、電極構造の異なるトランジスタ、容量素子、抵抗素子を、同じパターニング工程によって作り分けることができることを示している。これにより、回路の特性に応じて、形態の異なる素子を、工程を増やすことなく作り込み、集積化することができる。
【0155】
以上のようなトランジスタにより、半導体装置を構成することで、高性能且つ低消費電力の無線チップを、より軽量で安価に提供することができる。
【0156】
本実施例は、実施の形態、上記実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例10】
【0157】
本実施例では、本発明における半導体装置を用いたシステム例について、図20及び図21を用いて説明する。本実施例では、本発明における半導体装置として無線チップを用いた、セキュリティー性に優れたパーソナルコンピュータの利用者認証システムについて説明する。
【0158】
図20は、本実施例における利用者認証システムの概要図で、パーソナルコンピュータ2001、無線チップ2002である。パーソナルコンピュータ2001には、入力装置2003及びリーダ/ライタ2004が接続されている。
【0159】
パーソナルコンピュータ2001及び無線チップ2002は、暗号用の共通鍵2005を有する。具体的には、パーソナルコンピュータ2001及び無線チップ2002のメモリに共通鍵2005のデータを各々格納する。共通鍵2005は、例えば64ビット〜128ビットのデータで、平文(暗号化する前のデータ)の暗号化及び暗号文の復号に用いられる。共通鍵は、正規に登録された利用者毎に異なる共通鍵が作成され、パーソナルコンピュータ2001は、全てを有している。すなわち、正規に登録された利用者数分の共通鍵をパーソナルコンピュータ2001は有している。一方、無線チップ2002は、正規に登録された利用者が所有し、当該の利用者に固有な共通鍵のみを有している。共通鍵は、他者に知られぬよう、保存しなければならない。
【0160】
なお、本実施例では、暗号方式として共通鍵暗号方式(ISO/IEC 9798−2 Information technology−Security techniques−Entity authentication− Part 2 : Mechanisms using symmetric encipherment algorithms参照)を用いる場合の例について示すが、公開鍵暗号方式(ISO/IEC 9798−3 Information technology−Security techniques−Entity authentication− Part 3 : Mechanisms using digital signature techniques参照)など、他の暗号方式でも容易に適用できる。
【0161】
パーソナルコンピュータ2001は、共通鍵2005を用いて、平文を暗号化する手段を有する。具体的には、暗号化アルゴリズムを実行するソフトウェアを搭載しているものとする。また、無線チップ2002は、共通鍵2005を用いて、暗号文を復号する手段を有する。具体的には、上記実施の形態で示した演算回路において、復号アルゴリズムを実行する。
【0162】
以下、図21のフローチャートを用いて、本実施例における利用者認証システムの利用方法を説明する。
【0163】
まず、利用希望者が入力装置2003を用いて、パーソナルコンピュータ2001における利用者名及びパスワードを入力する(利用者名入力2101)。パスワードは、正規の利用者が事前に登録しておく。パーソナルコンピュータ2001は、入力された利用者名から、該当する共通鍵を用いて、ある平文を暗号化する(暗号データ作成2102)。ここで、平文は、特定の意味を持ったデータでも、無意味なデータでも良い。次に、暗号データをリーダ/ライタ2004から送信する(暗号データ送信2103)。無線チップ2002は、暗号データを受信し、共通鍵2005を用いて暗号データを復号し(復号化処理2104)、復号データをリーダ/ライタに送信する(復号データ送信2105)。パーソナルコンピュータ2001は、復号データを、最初の平文と比較し(認証2106)、一致した場合のみ、利用希望者が正規に登録されている利用者であると認め、利用可能とする(平常利用2107)。
【0164】
以上のような、本実施例における利用者認証システムでは、パスワードを知り、且つ無線チップを所有していないとコンピュータを利用できない。従って、パスワードのみの認証よりセキュリティー性が非常に高い。また、利用者は、無線チップを携帯していれば、従来のパスワードのみによる認証と、何ら変わりなくパーソナルコンピュータを利用でき、新たな負担は少ない。
【0165】
なお、本実施例では、パーソナルコンピュータの利用者認証について説明したが、正規に登録された利用者のみが利用できる他のシステムに対しても容易に適用できる。例えば、ATM(Automated Teller Machine:現金自動支払機)、CD(Cash Dispenser:現金自動払出機)などに、容易に適用できる。
【0166】
以上のような構成とすることで、本発明における半導体装置を用いた、非常にセキュリティー性が高い利用者認証システムを安価に構築することができる。
【0167】
なお、本実施例は、実施の形態、上記実施例と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例11】
【0168】
本実施例では、本発明における半導体装置の例として、暗号処理機能を有する無線チップについて図26〜図28を用いて説明する。図26は、無線チップのブロック図、図27は無線チップのレイアウト図、図28は無線チップの断面図である。
【0169】
まず、図26を用いて無線チップのブロック構成を説明する。図26において、無線チップ2601は、CPU2602と、ROM2603と、RAM2604と、コントローラ2605と、からなる演算回路2606と、アンテナ2607と、共振回路2608と、電源回路2609と、リセット回路2610と、クロック生成回路2611と、復調回路2612と、変調回路2613と、電源管理回路2614と、からなるアナログ部2615と、から構成される。コントローラ2605は、CPUインターフェース(CPUIF)2616と、制御レジスタ2617と、コード抽出回路2618と、符号化回路2619と、から構成される。なお、図26では、説明の簡単化のため、通信信号を受信信号2620と、送信信号2621とに分けて示したが、実際には、両者は一体化された(重ね合わされた)信号であり、無線チップ2601及びリーダ/ライタの間で同時に送受信される。受信信号2620は、アンテナ2607と共振回路2608とで受信された後、復調回路2612により復調される。また、送信信号2621は、変調回路2613により変調された後、アンテナ2607より送信される。
【0170】
図26において、通信信号により形成される磁界中に無線チップ2601を置くと、アンテナ2607と共振回路2608により、誘導起電力を生じる。誘導起電力は、電源回路2609における電気容量により保持され、また電気容量によって電位が安定化され、無線チップ2601の各回路に電源電圧として供給される。リセット回路2610は、無線チップ2601全体の初期リセット信号を生成する。例えば、電源電圧の上昇に遅延して立ち上がる信号をリセット信号として生成する。クロック生成回路2611は、電源管理回路2614より生成される制御信号に応じて、クロック信号の周波数とデューティー比を変更する。復調回路2612は、ASK方式の受信信号2620の振幅の変動を”0”/”1”の受信データ2622として検出する。復調回路2612は、例えばローパスフィルターとする。さらに、変調回路2613は、送信データをASK方式の送信信号2621の振幅を変動させて送信する。例えば、送信データ2623が”0”の場合、共振回路2608の共振点を変化させ、通信信号の振幅を変化させる。電源管理回路2614は、電源回路2609より演算回路2606に供給される電源電圧または演算回路2606における消費電流を監視し、クロック生成回路2611において、クロック信号の周波数とデューティー比を変更するための制御信号を生成する。
【0171】
本実施例における無線チップの動作を説明する。まず、無線チップ2601がリーダ/ライタより送信された受信信号2620が含む暗号文データを受信する。受信信号2620は、復調回路2612で復調された後、コード抽出回路2618で制御コマンドや暗号文のデータなどに分解され、制御レジスタ2617に格納される。ここで、制御コマンドは、無線チップ2601の応答を指定するデータである。例えば、固有ID番号の送信、動作停止、暗号解読などを指定する。ここでは、暗号解読の制御コマンドを受信したとする。
【0172】
続いて、演算回路2606において、CPU2602が、ROM2603に格納された暗号解読プログラムにしたがって、ROM2603にあらかじめ格納された秘密鍵2624を用いて暗号文を解読(復号)する。復号された暗号文(復号文)は、制御レジスタ2617に格納される。この際、RAM2604をデータ格納領域として用いる。なお、CPU2602は、CPUIF2616を介してROM2603、RAM2604、制御レジスタ2617にアクセスする。CPUIF2616は、CPU2602が要求するアドレスより、ROM2603、RAM2604、制御レジスタ2617のいずれかに対するアクセス信号を生成する機能を有している。
【0173】
最後に、符号化回路2619において、復号文から送信データ2623を生成し、変調回路2613で変調し、アンテナ2607より送信信号2621をリーダ/ライタに送信する。
【0174】
なお、本実施例では、演算方式として、ソフトウェア的に処理する方式、すなわち、CPUと大規模メモリとで演算回路を構成し、プログラムをCPUで実行する方式について説明したが、目的に応じて最適な演算方式を選び、当該方式に基づいて構成することも可能である。例えば、演算方式として、他にも、演算をハードウェア的に処理する方式と、ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式と、が考えられる。ハードウェア的に処理する方式では、専用回路で演算回路を構成すれば良い。ハードウェア及びソフトウェアを併用する方式では、専用回路と、CPUと、メモリと、で演算回路を構成し、専用回路で演算処理の一部分を行い、残りの演算処理のプログラムをCPUで実行すれば良い。
【0175】
次に、図27を用いて、無線チップのレイアウト構成について説明する。なお、図27において、図26に相当する部分には、同一の番号を付し、説明を省略する。
【0176】
図27において、FPCパッド2707は、FPC(Flexible Print Circuit)を無線チップ2601に貼る時に用いる電極パッド群であり、アンテナバンプ2708は、アンテナ(図示せず)を貼り付ける電極パッドである。なお、アンテナを貼り付ける際には、アンテナバンプ2708に過度の圧力が印加される可能性がある。したがって、アンテナバンプ2708の下には、トランジスタなど、回路を構成する部品を配置しないことが望ましい。
【0177】
FPCパッド2707は、主に不良解析時に用いると有効である。無線チップでは、電源電圧を通信信号から得るため、例えば、アンテナや電源回路で不良が発生している場合、演算回路が全く動作しない。このため、不良解析が著しく困難となる。しかし、FPCより、FPCパッド2707を介して無線チップ2601に電源電圧を供給し、また、アンテナより供給される電気信号の代わりに、任意の電気信号を入力することで、演算回路を動作させることが可能になる。したがって、不良解析が効率的に行える。
【0178】
さらに、FPCパッド2707を、プローバーを使った測定が可能な配置にすると更に有効である。すなわち、FPCパッド2707において、電極パッドを、プローバーの針のピッチに合わせて配置することで、プローバーによる測定が可能となる。プローバーを用いることで、不良解析時に、FPCを貼り付ける工数を減らすことができる。また、基板上に複数の無線チップを形成した状態でも測定できるので、個々の無線チップに分断する工数も減らすことができる。また、量産時に、アンテナを貼り付ける工程の直前に、無線チップの良品検査を行うことが可能である。したがって、工程の早い段階で不良品を選別できるので、生産コストを削減することができる。
【0179】
このような無線チップの断面図を図28に示す。まず図18に示したように、配線1804まで形成する。配線1804を覆うように、絶縁層1853を形成する。絶縁層1853は、無機材料又は有機材料を用いることができる。無機材料は、酸化珪素、窒化珪素を用いることができる。有機材料はポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。なお、シロキサンとは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。ポリシラザンは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される。
【0180】
接続領域1850において、配線1804と同時に形成される配線1851が露出するように、絶縁層1853に開口部を形成する。開口部において、上端の角部は丸みを帯び、側面にはテーパをつけるとよい。その後に形成するパターンの段切れを防止することができるからである。
【0181】
開口部には、接続配線1852を形成する。接続配線1852はアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜等から形成することができる。またインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2から20%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム等の透光性材料を用いることができる。このとき、接続配線1852はnチャネル型薄膜トランジスタ1821、nチャネル型薄膜トランジスタ1822、容量素子1824、抵抗素子1825、pチャネル型薄膜トランジスタ1823といった領域には重ならないようにする。不要な寄生容量の発生を防止するためである。
【0182】
絶縁層1853、及び接続配線1852を覆うように絶縁層1854を形成する。絶縁層1854は、絶縁層1853と同様に作製することができる。
【0183】
絶縁層1853上に設けられた接続配線1852が露出するように、絶縁層1854に開口部を形成する。開口部内に、導電性微粒子1855を有する異方性導電体1856を設け、導電層1857を有するFPC(フレキシブルプリントサーキット)1858を接続する。
【0184】
このようにして、本発明の無線チップを作製することができる。
【実施例12】
【0185】
アンテナは、電波法に定められた範囲内で目的に見合った大きさ、形状であればよい。送受信される信号は、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどがあり、それぞれISO規格などが設定される。具体的なアンテナとしては、ダイポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナなどが用いればよい。本実施例では、無線チップに接続されるアンテナ形状について説明する。
【0186】
図29(A)には、外付けアンテナ1602が接続された無線チップ1601を示す。図29(A)において、無線チップ1601が中心部に設けられ、アンテナ1602は無線チップ1601の接続端子に接続されている。アンテナの長さを確保するため、アンテナ1602は矩形状に折れ曲がっている。
【0187】
図29(B)には、外付けアンテナ1603が無線チップ1601の一端側の接続端子に設けられた形態を示す。アンテナの長さを確保するため、アンテナ1603は矩形状に折れ曲がっている。
【0188】
図29(C)には、矩形状に折れ曲がった外付けアンテナ1604が無線チップ1601の両端に設けられた形態を示す。
【0189】
図29(D)には、無線チップ1601の両端に直線状の外付けアンテナ1605が設けられている形態を示す。
【0190】
このようにアンテナの形状は無線チップの構造若しくは偏波、又は用途に見合ったものを選択すればよい。そのため、ダイポールアンテナであれば折り返しダイポールアンテナであってもよい。ループアンテナであれば、円形ループアンテナ、方形ループアンテナであってもよい。パッチアンテナであれば円形パッチアンテナ、方形アンテナであってもよい。
【0191】
なお、パッチアンテナの場合、セラミック等の誘電材料を用いたアンテナを用いればよい。パッチアンテナの基板として用いる誘電材料の誘電率を高くすることによってアンテナを小型化することができる。また、パッチアンテナの場合、機械強度が高いため、繰り返し使用することが可能である。
【0192】
なお、パッチアンテナの誘電材料は、セラミック、有機樹脂、又はセラミックと有機樹脂の混合物等で形成することができる。セラミックの代表例としては、アルミナ、ガラス、フォルステライト等が挙げられる。さらには、複数のセラミックを混合して用いてもよい。また、高い誘電率を得るためには、誘電体層を、強誘電体材料で形成することが好ましい。強誘電体材料の代表例としては、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、ジルコン酸鉛(PbZrO)、二オブ酸リチウム(LiNbO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が挙げられる。さらには、複数の強誘電体材料を混合して用いてもよい。
【0193】
なお無線チップ1601には、上記実施の形態及び実施例で示した構造を適用することができる。
【実施例13】
【0194】
本実施例では、本発明の半導体装置をプラスチック基板上に形成した形態を示す。なお本実施の形態の半導体装置は、無線通信を行うためRF回路を有し、演算回路にCPUを有する。
【0195】
本発明の半導体装置の通信仕様を表1に示す。
【0196】
【表1】

【0197】
通信には13.56MHz帯域の無線信号を用い、通信規格、プロトコルは、ISO/IEC 15693に部分準拠である。本発明の半導体装置は、電源電圧をアンテナを介して該無線信号より供給する。本発明の半導体装置は外付けアンテナを有するが、回路と一体形成された内蔵アンテナであってもよい。データ転送速度は、26.48kビット/sとし、リーダ/ライタから半導体装置へのデータ符号化はパルス位置変調であり、半導体装置からリーダ/ライタへのデータ符号化はマンチェスター方式とする。
【0198】
本発明の半導体装置の概要を表2に示す。
【0199】
【表2】

【0200】
本発明の半導体装置は、上述したようにフレキシブル基板に薄膜トランジスタを用いて形成することができるため、103mgという非常に軽量な半導体装置を提供することができる。
【0201】
次に、本発明の半導体装置のブロック構成を図30に示す。本発明の半導体装置550は、無線用回路551と、ロジック回路570とを有する。無線用回路551は、共振容量552、電源回路553、システムリセット回路554、クロックジェネレータ555、復調回路556、変調回路557等を有する。共振容量552は、外付けアンテナ574とともに共振回路を構成することができる。電源回路553は、整流回路と保持容量とを有し、電源電圧を生成することができる。システムリセット回路554はシステムリセット信号を生成し、クロックジェネレータ555はシステムクロック信号を生成することができる。復調回路556は、LPF(Low Pass Filter)を有し、無線信号からデータを抽出することができる。変調回路557は、マンチェスター方式により、無線信号にデータを重畳することができる。これら回路は薄膜トランジスタから形成することができる。
【0202】
ロジック回路570は、コントローラ560、CPU571、ROM572、RAM573等を有し、コントローラ560は、クロック制御回路561、制御レジスタ562、受信データレジスタ563、送信データレジスタ564、無線用インターフェース567、CPU用インターフェース568を有する。これら回路等は、薄膜トランジスタから形成することができる。復調回路556及び変調回路557は、無線用インターフェース567を介して制御レジスタ562、受信データレジスタ563、送信データレジスタ564と信号のやりとりを行うことができる。クロックジェネレータ555は、クロック制御回路561によって制御され、クロック制御回路561は制御レジスタ562に基づき動作する。制御レジスタ562、受信データレジスタ563及び送信データレジスタ564は、CPU用インターフェース568を介してCPU571、ROM572及びRAM573と信号のやりとりを行うことができる。
【0203】
半導体装置が有するCPUは、8bit CISCとし、上記実施の形態で示した2相ノンオーバーラップクロック動作のフリップフロップで構成することができる。2相ノンオーバーラップクロック動作のフリップフロップで構成することにより、クロックスキューのばらつきや、TFT特性のばらつきに起因する誤動作を防止し、信頼性向上を図ることができる。ROM572には、2KBのマスクROMを適用することができ、プログラムや秘密鍵などを格納することができる。RAM573には、64B SRAMを適用することができ、SRAMはCPUの作業領域として使用することができる。このようにメモリセルの回路構成を工夫し、書き込み/読み出しの信頼性向上を図る。またコントローラ560は、本半導体装置のステートマシンとしての機能を有する。
【0204】
本半導体装置における状態遷移図を、図31に示す。制御レジスタ562における状態フラグの変更により、演算状態580、受信状態581、送信状態582を順に遷移する。受信状態581では、無線信号より抽出したシリアルデータを、受信データレジスタ563に格納する。演算状態580では、CPU571がROM572に格納されたプログラムや受信データレジスタ563のデータを用いて処理を行い、送信データを送信データレジスタ564に格納する。送信状態582では、送信データレジスタ564に格納された送信データをシリアルデータに変換して、順次送信する。ロジック回路570は、演算状態580、受信状態581、送信状態582で動作する回路毎に、各々受信ブロック、演算ブロック、送信ブロックに分割されており、各ブロックへのクロック信号の供給をクロック制御回路561にて制御する。このような緻密なクロック信号の制御により、本半導体装置における消費電流を低減し、信頼性向上を図ることができる。
【0205】
このような本半導体装置の設計は次のように決定することができる。無線用回路551は、サブ回路毎にSPICEを用いて設計した後、カスタムレイアウトを行い、RF回路全体でNanosim(R)を用いた動作検証を行い、その設計を決定することができる。
CPU571は、VerilogHDL(R)を用いてRTL設計の後、レジスタはカスタムレイアウト、他はスタンダードセルによる論理合成、自動レイアウトを行い、その設計を決定することができる。ROM572及びRAM573は、SPICEにてメモリセル設計後、カスタムレイアウトを行い、その設計を決定することができる。CPU571、ROM572、RAM573は、レイアウト後にNanosim(R)を用いて詳細タイミング検証を行うとよい。コントローラ560の設計は、VerilogHDL(R)を用いてRTL設計の後、スタンダードセルによる論理合成、自動レイアウトを行い、その設計を決定することができる。
【0206】
本半導体装置では、暗号処理のアルゴリズムとして、SAFER(Secure And Fast Encryption Routine)を採用することができる。SAFERは、主に8bit演算で構成され、8bitのCPUに適したアルゴリズムである。本半導体装置を有する無線チップでは、暗号文用のデータを受信した後、秘密鍵を用いて解読し、平文用のデータをリーダ/ライタに送信する機能を搭載することができる。勿論、本半導体装置には、DES、AESなど他の暗号処理のアルゴリズムを採用することもできる。
【0207】
ガラス上に形成された本半導体装置を有する無線チップと、フレキシブル基板上に形成された本半導体装置を有する無線チップの写真を図32に示し、無線チップの拡大写真且つブロック図を図33に示す。本発明は、このような非常に薄型な無線チップを提供することができる。
【0208】
また、本発明の無線チップの通信信号波形をスペクトルアナライザで測定した結果を図34に示す。図34(A)では、縦軸を信号強度、横軸を時間とし、図34(B)では縦軸を信号強度、横軸を周波数とし、図34(C)では縦軸を信号強度、横軸を時間としたときの信号の波形を示す。測定例として、暗号文用のデータを受信した後、秘密鍵を用いて解読し、平文用のデータを送信した場合の結果である。なお、測定はフレキシブル基板上に形成された無線チップで、13.56MHz帯域の信号を用いて、測定を行った結果である。本無線チップの消費電流は、内部生成電圧が1.8Vの場合で、2.3mAであった。このように低消費電力化された無線チップを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】本発明における半導体装置の概要図
【図2】ASK方式におけるデータ送受信時の通信信号を示す図
【図3】同期回路を示す図
【図4】同期回路のタイミングチャート例
【図5】本発明における半導体装置の同期回路を示す図
【図6】本発明における半導体装置の同期回路のタイミングチャート例
【図7】本発明における半導体装置の電源管理回路を示す図(1)
【図8】本発明における半導体装置の電源管理回路のタイミングチャート例(1)
【図9】本発明における半導体装置の電源管理回路を示す図(2)
【図10】本発明における半導体装置の電源管理回路のタイミングチャート例(2)
【図11】本発明における半導体装置の断面図(1)
【図12】本発明における半導体装置のレイアウト(1)(半導体層)
【図13】本発明における半導体装置のレイアウト(1)(ゲート配線)
【図14】本発明における半導体装置のレイアウト(1)(配線)
【図15】本発明における半導体装置のレイアウト(2)(半導体層)
【図16】本発明における半導体装置のレイアウト(2)(ゲート配線)
【図17】本発明における半導体装置のレイアウト(2)(配線)
【図18】本発明における半導体装置の断面図(2)
【図19】本発明における半導体装置を構成する電気素子
【図20】本発明における半導体装置を用いた利用者認証システムの概要図
【図21】本発明における半導体装置を用いた利用者認証システムのフローチャート
【図22】本発明における半導体装置の電源管理回路を示す図(3)
【図23】本発明における半導体装置の電源管理回路のタイミングチャート例(3)
【図24】本発明における半導体装置の電源管理回路を示す図(4)
【図25】本発明における半導体装置の電源管理回路のタイミングチャート例(4)
【図26】本発明における半導体装置のブロック図
【図27】本発明における半導体装置のブロック図
【図28】本発明における半導体装置の断面を示す図
【図29】本発明における半導体装置のアンテナ形状を示す図
【図30】本発明における半導体装置のブロック図
【図31】本発明における半導体装置の動作の状態遷移図
【図32】本発明における半導体装置の写真
【図33】本発明の半導体装置のブロック図
【図34】本発明の半導体装置の動作測定図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、及び第2のクロック信号にそれぞれ基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記制御信号により、前記第1のクロック信号と、前記第2のクロック信号と、がLOWとなる期間を変更する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、及び第2のクロック信号に基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、及び第2のクロック信号にそれぞれ基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記制御信号により、前記第1のクロック信号と、前記第2のクロック信号と、がLOWとなる期間を変更する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、及び第2のクロック信号に基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路、前記電源管理回路、前記クロック生成回路、のうち少なくとも一は絶縁表面を有する基板上に設けられた半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、及び第2のクロック信号にそれぞれ基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路、前記電源管理回路、前記クロック生成回路、のうち少なくとも一は絶縁表面を有する基板上に設けられた半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電源電圧値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記制御信号により、前記第1のクロック信号と、前記第2のクロック信号と、がLOWとなる期間を変更する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、第2のクロック信号に基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路、前記電源管理回路、前記クロック生成回路、のうち少なくとも一は絶縁表面を有する基板上に設けられた半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、及び第2のクロック信号に基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
演算回路と、電源管理回路と、クロック生成回路と、を有し、
前記演算回路、前記電源管理回路、前記クロック生成回路、のうち少なくとも一は絶縁表面を有する基板上に設けられた半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジスタを有し、
前記演算回路は、第1のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第1のラッチと、第2のゲート信号によりデータを保持している期間を変更する機能を有する第2のラッチと、を有し、
前記電源管理回路は、前記演算回路に供給される電流値から制御信号を生成する機能を有し、
前記クロック生成回路は、第1のクロック信号と、第2のクロック信号と、を生成する機能を有し、
前記制御信号により、前記第1のクロック信号と、前記第2のクロック信号と、がLOWとなる期間を変更する機能を有し、
前記第1のゲート信号、及び前記第2のゲート信号は、前記クロック生成回路において生成される第1のクロック信号、及び第2のクロック信号に基づいて生成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8のいずれか一において、前記絶縁表面を有する基板とは、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、SOI基板のいずれかであることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
前記電源管理回路は、レギュレータと、演算増幅回路と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
前記電源管理回路は、レギュレータと、演算増幅回路と、アナログ−ディジタル変換回路と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一において、
前記クロック生成回路は、前記制御信号により、前記第1のクロック信号と、前記第2のクロック信号との周波数を変更する手段を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一において、
前記演算回路は、CPU及びメモリを有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図34】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2007−149059(P2007−149059A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198898(P2006−198898)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】