説明

半導体集積回路

【課題】入力回路または出力回路を介して電源配線にサージ電圧が印加された場合においても、素子面積の増大を抑制しつつ、内部回路を静電破壊から安定的に保護する。
【解決手段】入出力セル3c〜3fの間の隙間に電源保護素子6a〜6dをそれぞれ配置し、電源保護素子6a〜6dとして、電源配線7、8間に接続されたダイオードストリングS2〜S5をそれぞれ用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体集積回路に関し、特に、半導体集積回路の静電気放電耐性を向上させる方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路では、半導体チップに形成された内部回路を静電破壊から保護するために、同一の半導体チップ上に静電保護回路を設けることがある。
例えば、非特許文献1には、電源配線間に接続されたSCRを入力セルおよび出力セルに設け、電源配線間に静電気放電が検出された場合、SCRをオンすることにより、内部回路を静電破壊から保護する方法が開示されている。
また、非特許文献2には、電源配線間に接続された電界効果トランジスタをI/Oセルに設け、電源配線間に静電気放電が検出された場合、電界効果トランジスタをオンすることにより、内部回路を静電破壊から保護する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Mong−Dou Ker and Kun−Hsien Lin‘ESD Protection Design for I/O Cells With Embedded SCR Structure as Power−Rail ESD Clamp Device in Nanoscale CMOS Technology’IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS,VOL,40,NO.11,NOVEMBER 2005
【0004】
【非特許文献2】James W.Miller,Melanie Etherton,Michael G.Khazhinsky,Michael Stockinger,and James C.Weldon‘Comprehensive ESD Protection for Flip−Chip Products in a Dual Gate Oxide 65nm CMOS Technology’EOS/ESD SYMPOSIUM 06−186 4A.4−1〜4A.4−10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1、2に開示された方法では、内部回路を静電破壊から保護するためにSCRまたは電界効果トランジスタが用いられ、トリガー回路が必要となる上に、放電能力を高くするには素子面積が大きくなるという問題があった。
また、非特許文献1に開示された方法では、SCRが用いられているため、高速サージに対する応答性が良くないという問題があった。また、非特許文献2に開示された方法では、電界効果トランジスタが用いられているため、均一動作性能が悪いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、入力回路または出力回路を介して電源配線にサージ電圧が印加された場合においても、素子面積の増大を抑制しつつ、内部回路を静電破壊から安定的に保護することが可能な半導体集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、半導体チップの周辺部に配置された第1の電源パッドと、前記半導体チップの周辺部に配置された第2の電源パッドと、前記第1の電源パッドに接続された第1の電源配線と、前記第2の電源パッドに接続された第2の電源配線と、前記半導体チップに形成され、前記第1の電源配線および前記第2の電源配線を介して電源が供給される内部回路と、前記内部回路との間で入力信号または出力信号の受け渡しを行う入出力パッドと、前記入出力パッドと前記第1または第2の電源配線との間の静電気放電から前記内部回路を保護する静電保護素子が設けられた入出力セルと、前記入出力セルの間に設けられ、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線との間に接続されたダイオードストリングからなる電源保護素子とを備えることを特徴とする半導体集積回路を提供する。
本発明の一態様によれば、半導体チップの周辺部に配置された第1の電源パッドと、前記半導体チップの周辺部に配置された第2の電源パッドと、前記第1の電源パッドに接続された第1の電源配線と、前記第2の電源パッドに接続された第2の電源配線と、前記半導体チップに形成され、前記第1の電源配線および前記第2の電源配線を介して電源が供給される内部回路と、前記内部回路との間で入力信号または出力信号の受け渡しを行う入出力パッドと、前記入出力パッドと前記第1または第2の電源配線との間の静電気放電から前記内部回路を保護する静電保護素子が設けられた入出力セルと、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線との間に配置されるようにして前記入出力セルに設けられ、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線との間に接続されたダイオードストリングからなる電源保護素子とを備えることを特徴とする半導体集積回路を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入力回路または出力回路を介して電源配線にサージ電圧が印加された場合においても、素子面積の増大を抑制しつつ、内部回路を静電破壊から安定的に保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路の概略構成を示す平面図。
【図2】図2は、図1のA部分を拡大して示す平面図。
【図3】図3は、図2のA部分の等価回路を示す図。
【図4】図4は、図3の入出力セルの間に設けられたダイオードストリングS2〜S6からなる電源保護素子の等価回路を示す図。
【図5】図5は、図4のダイオードストリングからなる電源保護素子のレイアウト構成を示す平面図。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路の周辺部分の概略構成を示す平面図。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路の周辺部分の概略構成を示す平面図。
【図8】図8は、図7の電源保護素子のレイアウト構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る半導体集積回路について図面を参照しながら説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路の概略構成を示す平面図である。
図1において、半導体チップ1には内部回路2が形成されている。なお、内部回路2としては、例えば、ロジック回路、プロセッサ、メモリ、イメージセンサ、ASICなどの信号処理回路を形成することができる。
【0012】
また、半導体チップ1の周辺部にはパッド電極4が配置されるとともに、パッド電極4と内部回路2との間には周辺回路3が配置されている。なお、パッド電極4としては、電源パッド4a、4bおよび入出力パッド4c〜4fを設けることができる。ここで、電源パッド4aは、低電位電源VSSを受け渡し、電源パッド4bは、高電位電源VDDを受け渡すことができる。また、入出力パッド4c〜4fは、内部回路2との間で入力または出力される信号を受け渡すことができる。
【0013】
図2は、図1のA部分を拡大して示す平面図である。
図2において、周辺回路3には、電源セル3a、3bおよび入出力セル3c〜3fが電源パッド4a、4bおよび入出力パッド4c〜4fに対応してそれぞれ配置されている。なお、電源セル3a、3bには、電源配線7、8間の静電気放電から内部回路2を保護する電源保護素子を設けることができる。また、入出力セル3c〜3fには、入出力パッド4c〜4fと電源配線7、8との間の静電気放電から内部回路2を保護する静電保護素子を設けることができる。また、入出力セル3c〜3fには、入出力パッド4c〜4fに印加された信号を内部回路2に入力する入力バッファ、内部回路2から出力された信号を入出力パッド4c〜4fを介して外部に出力する出力バッファ、内部回路2に入出力される信号を所定のレベルにシフトさせるレベルシフタなどを設けるようにしてもよい。
【0014】
また、入出力セル3e、3fの間の隙間には、スペーサセル5が配置されるとともに、入出力セル3c〜3fの間の隙間には、電源保護素子6a〜6dがそれぞれ配置されている。また、スペーサセル5には電源保護素子6eが配置されている。そして、電源配線7、8が電源セル3a、3b、入出力セル3c〜3fおよび電源保護素子6a〜6dと交差するように半導体チップ1の周辺部に引き回されている。
【0015】
ここで、電源パッド4aは電源配線7に接続され、電源パッド4bは電源配線8に接続されている。また、電源セル3a、3bおよび電源保護素子6a〜6eは、電源配線7、8間に接続されている。入出力パッド4c〜4fは、入出力セル3c〜3fをそれぞれ介して内部回路2に接続されている。なお、電源保護素子6a〜6eは、電源配線7、8間に接続されたダイオードストリングから構成することができる。また、入出力パッド4c〜4eの配列ピッチH2は、入出力セル3c〜3e間に、電源保護素子6a〜6cを出力セル3c〜3f間に挿入できるようにするために、入出力セル3c〜3eのセル幅H1より大きくすることが好ましい。
【0016】
図3は、図2のA部分の等価回路を示す図、図4は、図3のダイオードストリングの等価回路を示す図である。
図3において、図2の電源セル3aにはダイオードD11が設けられ、電源セル3bには電源保護素子としてダイオードストリングS1が設けられている。また、入出力セル3cにはダイオードD12、D13が設けられ、入出力セル3dにはダイオードD14、D15が設けられ、入出力セル3eにはダイオードD16、D17が設けられ、入出力セル3fにはダイオードD18、D19が設けられている。また、電源保護素子6a〜6eとしてダイオードストリングS2〜S6がそれぞれ用いられている。ここで、ダイオードストリングS2〜S6は、図4に示すように、n(nは2以上の整数)個のダイオードD1〜Dnを直列接続して構成することができる。また、電源配線7、8には寄生抵抗R1、R2が存在する。
なお、電源セル3bの電源保護素子は、必ずしもダイオードストリングS1である必要はなく、ダイオードストリングS1以外の素子、例えば、MOSトランジスタ、BJTまたはSCRなどを用いるようにしてもよい。
【0017】
ここで、ダイオードD11は、低電位側から高電位側に向かって順方向になるように電源配線7、8間に接続されている。ダイオードD12、D14、D16、D18は、低電位側から高電位側に向かって順方向になるように各入出力パッド4c〜4fと電源配線8との間に接続されている。ダイオードD13、D15、D17、D19は、低電位側から高電位側に向かって順方向になるように各入出力パッド4c〜4fと電源配線7との間に接続されている。ダイオードストリングS1〜S6は、高電位側から低電位側に向かって順方向になるように電源配線7、8間に接続されている。なお、各ダイオードストリングS1〜S6のダイオードD1〜Dnの個数nは、電源配線7、8間のスタンバイリークのスペックに収まるように設定することが好ましい。
【0018】
そして、電源パッド4a、4bにサージ電圧が印加された場合、サージの極性に応じて電源セル3aのダイオードD11または電源セル3bのダイオードストリングS1と入出力セル3c〜3f間に設けられたダイオードストリングS2〜S6が寄生抵R1、R2を介してではあるが機能し、ESD保護を行う。この場合、電源セル3bのダイオードストリングS1単体で電源間サージを吸収する場合と比べて高い保護能力が期待できる。
【0019】
入出力パッド4c〜4fにサージ電圧が印加され、それが電源パッド4a、4bに流れる場合は以下のように場合分けされる。入出力パッド4c〜4fのうち最も電源パッド4a、4bから遠い位置にある入出力パッド4fを例として示す。
【0020】
電源パッド4aを基準パッドとして入出力パッド4fに負極性のサージが入った場合は、ダイオードD19がクランプ動作を行い、内部回路2を保護する。ダイオードD19の放電能力が高いため、寄生抵抗R1、R2による影響はほぼ無視できる。
【0021】
電源パッド4bを基準パッドとして入出力パッド4fに正極性のサージが入った場合は、ダイオードD18がクランプ動作を行い、内部回路2を保護する。ダイオードダイオードD18の放電能力が高いため、寄生抵抗R1、R2による影響はほぼ無視できる。
【0022】
電源パッド4aを基準パッドとして入出力パッド4fに正極性のサージが入った場合は、ダイオードD18を介し電源配線7、8に接続されたダイオードストリングS1〜S6がクランプ動作を行い、内部回路2を保護する。この時、ダイオードストリングS1のみしか実装されていない場合と比べて、入出力セル3c〜3f間にダイオードストリングS2〜S6を実装した場合には、ダイオードストリングS1〜S6が放電時に協調動作しやすく、寄生抵抗R1、R2の影響を軽減でき、電源パッド4aからもっとも遠方にある入出力パッド4fであっても十分なESD保護を行うことが可能となる。
【0023】
電源パッド4bを基準パッドとして入出力パッド4fに負極性のサージが入った場合は、ダイオードD19を介し電源配線7、8に接続されたダイオードストリングS1〜S6がクランプ動作を行い、内部回路2を保護する。この時、ダイオードストリングS1のみしか実装されていない場合と比べて、入出力セル3c〜3f間にダイオードストリングS2〜S6を実装した場合には、ダイオードストリングS1〜S6が放電時に協調動作しやすく、寄生抵抗R1、R2の影響を軽減でき、電源パッド4bからもっとも遠方にある入出力パッド4fであっても十分なESD保護を行うことが可能となる。
【0024】
ここで、電源保護素子6a〜6eとしてダイオードストリングS2〜S6をそれぞれ用いることにより、トリガー回路が不要となる上に、放電能力を高くすることができ、素子面積の増大を抑えることができる。また、電源保護素子6a〜6eにSCRを用いた場合に比べて、高速サージに対する応答性を向上させることが可能となるとともに、均一動作性能を向上させることができ、電源保護素子6a〜6eを安定して並列動作させることができる。
【0025】
また、入出力セル3c〜3fの間の隙間に電源保護素子6a〜6dをそれぞれ配置することにより、電源配線7、8に大きなサージ電流が流れた場合においても、サージ電流の放電経路を短くすることができ、電源配線7、8の寄生抵抗R1、R2による電圧上昇を抑制することが可能となることから、内部回路2を静電破壊から安定的に保護することができる。
【0026】
図5は、図2の電源保護素子のレイアウト構成を示す平面図である。
図5において、図3のダイオードストリングS2〜S5には、直列接続されたダイオード11〜13が設けられている。ここで、ダイオード11〜13には、P型高濃度拡散層F10にて囲まれたNウェルW1〜W3がそれぞれ設けられている。なお、P型高濃度拡散層F10はガードリングを構成することができる。
【0027】
そして、NウェルW1には、N型高濃度拡散層F1、P型高濃度拡散層F2およびN型高濃度拡散層F3が電源配線7、8の配線方向に並べて配置され、NウェルW2には、P型高濃度拡散層F4、N型高濃度拡散層F5およびP型高濃度拡散層F6が電源配線7、8の配線方向に並べて配置され、NウェルW3には、N型高濃度拡散層F7、P型高濃度拡散層F8およびN型高濃度拡散層F9が電源配線7、8の配線方向に並べて配置されている。なお、N型高濃度拡散層F1、P型高濃度拡散層F4およびN型高濃度拡散層F7は一直線上に配置し、P型高濃度拡散層F2、N型高濃度拡散層F5およびP型高濃度拡散層F8は一直線上に配置し、N型高濃度拡散層F3、P型高濃度拡散層F6およびN型高濃度拡散層F9は一直線上に配置することが好ましい。
【0028】
そして、NウェルW1〜W3上には配線層M1〜M6が形成されている。ここで、配線層M1は、コンタクトC1を介してN型高濃度拡散層F1に接続されるとともに、コンタクトC4を介してP型高濃度拡散層F4に接続されている。また、配線層M2は、コンタクトC2を介してP型高濃度拡散層F2に接続されている。また、配線層M3は、コンタクトC3を介してN型高濃度拡散層F3に接続されるとともに、コンタクトC6を介してP型高濃度拡散層F6に接続されている。また、配線層M4は、コンタクトC7を介してN型高濃度拡散層F7に接続されるとともに、コンタクトC10を介してP型高濃度拡散層F10に接続されている。また、配線層M5は、コンタクトC5を介してN型高濃度拡散層F5に接続されるとともに、コンタクトC8を介してP型高濃度拡散層F8に接続されている。また、配線層M6は、コンタクトC9を介してN型高濃度拡散層F9に接続されるとともに、コンタクトC0を介してP型高濃度拡散層F10に接続されている。
【0029】
また、配線層M1〜M6上には配線層M7〜M9が形成されている。ここで、配線層M7は、ビアB2を介して配線層M4に接続されるとともに、電源配線7に接続されている。また、配線層M8は、ビアB1を介して配線層M2に接続されるとともに、電源配線8に接続されている。また、配線層M9は、ビアB3を介して配線層M6に接続されるとともに、電源配線7に接続されている。
【0030】
なお、図5の実施形態では、ダイオード11〜13を3段に直列接続する構成を例にとったが、直列接続するダイオードの段数を増やすには、図5のダイオード11〜13を電源配線7、8と直交する方向に繰り返して配置すればよい。このため、図2の電源保護素子6a〜6dの幅を増大させることなく、直列接続されるダイオードの段数を増やすことができ、入出力セル3c〜3fの間の間隔が狭い場合においても、入出力セル3c〜3fの間の隙間に電源保護素子6a〜6dをそれぞれ配置することができる。
【0031】
なお、配線層M7〜M9は、図2の電源配線7、8が形成された配線層と異なる配線層に形成するようにしてもよいが、図2の電源配線7、8が形成された配線層と同一の配線層に形成するようにしてもよい。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路の周辺部分の概略構成を示す平面図である。
図6において、半導体チップの周辺部にはパッド電極が千鳥配置され、このパッド電極として、電源パッド14a、14bおよび入出力パッド14c〜14fが設けられている。そして、電源セル13a、13bおよび入出力セル13c〜13fが電源パッド14a、14bおよび入出力パッド14c〜14fに対応してそれぞれ配置されている。また、入出力セル13c〜13fの間の隙間には、電源保護素子16a〜16dがそれぞれ配置されている。そして、電源配線17、18が電源セル13a、13b、入出力セル13c〜13fおよび電源保護素子16a〜16dと交差するように半導体チップの周辺部に引き回されている。
【0032】
ここで、電源パッド14aは電源配線17に接続され、電源パッド14bは電源配線18に接続されている。また、電源セル13a、13bおよび電源保護素子16a〜16dは、電源配線17、18間に接続されている。入出力パッド14c〜14fは、入出力セル13c〜13fをそれぞれ介して内部回路に接続されている。なお、電源保護素子16a〜16dは、電源配線17、18間に接続されたダイオードストリングから構成することができる。また、入出力パッド14c〜14fの配列ピッチH12は、電源保護素子16a〜16cを入出力セル13c〜13f間に挿入できるようにするために、入出力セル13c〜13fのセル幅H11より大きくすることが好ましい。なお、電源セル13aには、図3のダイオードD11を設けることができる。電源セル13bには、図3のダイオードストリングS1を設けるようにしてもよいし、ダイオードストリングS1以外の素子、例えば、MOSトランジスタ、BJTまたはSCRなどを設けるようにしてもよい。
【0033】
ここで、入出力セル13c〜13fの間の隙間に電源保護素子16a〜16dをそれぞれ配置することにより、パッド電極が千鳥配置されている場合においても、素子面積の増大を抑制しつつ、内部回路を静電破壊から安定的に保護することが可能となる。
【0034】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路の周辺部分の概略構成を示す平面図である。
図7において、半導体チップの周辺部にはパッド電極が配置され、このパッド電極として、電源パッド24a、24bおよび入出力パッド24c〜24fが設けられている。そして、電源セル23a、23bおよび入出力セル23c〜23fが電源パッド24a、24bおよび入出力パッド24c〜24fに対応してそれぞれ配置されている。また、入出力セル23e、23fの間の隙間には、スペーサセル25が配置されるとともに、入出力セル23c〜23fには、電源保護素子26c〜26fがそれぞれ設けられている。そして、電源配線27、28が電源セル23a、23bおよび入出力セル23c〜23fと交差するように半導体チップの周辺部に引き回されている。ここで、電源保護素子26c〜26fは、電源配線27、28間に配置されるようにして入出力セル23c〜23fにそれぞれ設けることができる。なお、電源保護素子26c〜26fは、電源配線27、28と重なるように配置されていてもよい。
【0035】
ここで、電源パッド24aは電源配線27に接続され、電源パッド24bは電源配線28に接続されている。また、電源セル23a、23bおよび電源保護素子26a〜26dは、電源配線27、28間に接続されている。入出力パッド24c〜24fは、入出力セル23c〜23fをそれぞれ介して内部回路に接続されている。なお、電源保護素子26c〜26fは、電源配線27、28間に接続されたダイオードストリングから構成することができる。また、入出力パッド24c〜24eの配列ピッチH21は、入出力セル23c〜23eのセル幅H22に対応するように設定することが好ましい。なお、電源セル23aには、図3のダイオードD11を設けることができる。電源セル23bには、図3のダイオードストリングS1を設けるようにしてもよいし、ダイオードストリングS1以外の素子、例えば、MOSトランジスタ、BJTまたはSCRなどを設けるようにしてもよい。
【0036】
ここで、電源保護素子26c〜26fを電源配線27、28間に配置することにより、入出力セル23e、23fの間に隙間を設ける必要がなくなり、素子面積の増大を抑制しつつ、内部回路を静電破壊から安定的に保護することが可能となる。
【0037】
図8は、図7の電源保護素子のレイアウト構成を示す平面図である。
図8において、図7の電源保護素子26c〜26fを構成するダイオードストリングには、直列接続されたダイオード21〜23が設けられている。ここで、ダイオード21〜23には、P型高濃度拡散層F17にて囲まれたNウェルW11〜W13がそれぞれ設けられている。なお、P型高濃度拡散層F17はガードリングを構成することができる。
【0038】
そして、NウェルW11には、P型高濃度拡散層F11およびN型高濃度拡散層F12が電源配線27、28と直交する方向に並べて配置され、NウェルW12には、P型高濃度拡散層F13およびN型高濃度拡散層F14が電源配線27、28と直交する方向に並べて配置され、NウェルW13には、P型高濃度拡散層F14およびN型高濃度拡散層F16が電源配線27、28と直交する方向に並べて配置されている。
【0039】
そして、NウェルW11〜W13上には配線層M11〜M14が形成されている。ここで、配線層M11は、コンタクトC11を介してP型高濃度拡散層F11に接続されている。また、配線層M12は、コンタクトC12を介してN型高濃度拡散層F12に接続されるとともに、コンタクトC13を介してP型高濃度拡散層F13に接続されている。また、配線層M13は、コンタクトC14を介してN型高濃度拡散層F14に接続されるとともに、コンタクトC15を介してP型高濃度拡散層F15に接続されている。また、配線層M14は、コンタクトC16を介してN型高濃度拡散層F16に接続されるとともに、コンタクトC17を介してP型高濃度拡散層F17に接続されている。
【0040】
また、配線層M11〜M14上には電源配線27、28が形成されている。ここで、電源配線27は、ビアB12を介して配線層M14に接続されている。また、電源配線28は、ビアB11を介して配線層M11に接続されている。
【0041】
なお、図8の実施形態では、ダイオード21〜23を3段に直列接続する構成を例にとったが、直列接続するダイオードの段数を増やすには、電源配線27、28と直交する方向に繰り返して配置すればよい。
【0042】
また、上述した実施形態では、入出力パッドと重ならないように入出力セルを配置する方法について説明したが、入出力パッド下に入出力セルが配置された構造に適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 半導体チップ、2 内部回路、3 周辺回路、3a、3b、13a、13b、23a、23b 電源セル、3c〜3f、13c〜13f、23c〜23f 入出力セル、4 パッド電極、4a、4b、14a、14b、24a、24b 電源パッド、4c〜4f、14c〜14f、24c〜24f 入出力パッド、5、25 スペーサセル、6a〜6e、16a〜16d、26c〜26f 電源保護素子、7、8、17、18、27、28 電源配線、R1、R2 寄生抵抗、S1〜S6 ダイオードストリング、D1〜Dn、D11〜D19、11〜13、21〜23 ダイオード、W1〜W3、W11〜W13 Nウェル、F1、F3、F5、F7、F9、F12、F14、F16 N型高濃度拡散層、F2、F4、F6、F8、F10、F11、F13、F15、F17 P型高濃度拡散層、M1〜M9 配線層、C0〜C17 コンタクト、B1〜B3、B11、B12 ビア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップの周辺部に配置された第1の電源パッドと、
前記半導体チップの周辺部に配置された第2の電源パッドと、
前記第1の電源パッドに接続された第1の電源配線と、
前記第2の電源パッドに接続された第2の電源配線と、
前記半導体チップに形成され、前記第1の電源配線および前記第2の電源配線を介して電源が供給される内部回路と、
前記内部回路との間で入力信号または出力信号の受け渡しを行う入出力パッドと、
前記入出力パッドと前記第1または第2の電源配線との間の静電気放電から前記内部回路を保護する静電保護素子が設けられた入出力セルと、
前記入出力セルに隣接して設けられ、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線との間に接続されたダイオードストリングからなる電源保護素子とを備えることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
前記入出力パッドの配列ピッチは、前記入出力セルおよび前記電源保護素子の配列ピッチに対応するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
半導体チップの周辺部に配置された第1の電源パッドと、
前記半導体チップの周辺部に配置された第2の電源パッドと、
前記第1の電源パッドに接続された第1の電源配線と、
前記第2の電源パッドに接続された第2の電源配線と、
前記半導体チップに形成され、前記第1の電源配線および前記第2の電源配線を介して電源が供給される内部回路と、
前記内部回路との間で入力信号または出力信号の受け渡しを行う入出力パッドと、
前記入出力パッドと前記第1または第2の電源配線との間の静電気放電から前記内部回路を保護する静電保護素子が設けられた入出力セルと、
前記第1の電源配線と前記第2の電源配線との間に配置されるようにして前記入出力セルに設けられ、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線との間に接続されたダイオードストリングからなる電源保護素子とを備えることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項4】
前記ダイオードストリングは、前記第1および第2の電源配線のうちの高電位側から低電位側に向かって順方向になるように接続されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記ダイオードストリングのダイオードの個数は、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線との間のスタンバイリークのスペックに収まるように設定されることを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−54699(P2011−54699A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201257(P2009−201257)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】