地図表示システム、地図配信サーバおよび地図表示端末
【課題】同じ施設内に複数存在する個別オブジェクトの各々を地図画像上に表示された集合オブジェクト画像上で選択することができるようにする。
【解決手段】地図データ381とオブジェクトデータ382とを蓄積した地図データベース38を備え、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトに対しては、集合オブジェクト画像上の位置に対応付けて個別オブジェクトのオブジェクト情報を記憶し、カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段24により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、操作・入力制御手段28は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段25に表示する。
【解決手段】地図データ381とオブジェクトデータ382とを蓄積した地図データベース38を備え、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトに対しては、集合オブジェクト画像上の位置に対応付けて個別オブジェクトのオブジェクト情報を記憶し、カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段24により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、操作・入力制御手段28は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段25に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部に地図画像を表示する地図表示システム、地図配信サーバおよび地図表示端末に関するものである。この種の地図表示システムにおいては、地図画像上に店舗や施設などのオブジェクトを示すオブジェクト画像を表示し、表示されたオブジェクト画像上にカーソルを移動してクリック操作することにより当該オブジェクトに関する詳細情報を表示するウィンドウを開くようにされる。
本発明は、上記のような地図表示システムにおいて、位置情報(緯度・経度)の同じオブジェクト内に複数のオブジェクトが存在する場合に複数のオブジェクトを集合オブジェクト画像として表示し、マウスホイールにより集合オブジェクト画像(アイコン画像)における縦方向の位置を指定し、該縦方向の位置に該当するオブジェクトの案内情報を表示するようにした地図表示システム、地図配信サーバおよび地図表示端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗り換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0008】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0009】
また近年では、携帯電話など携帯端末がブラウザを搭載し、インターネットにアクセスして所望の情報の提供を受けることができるようになっている。このようなシステムにおいては、ユーザは携帯端末を操作して、サーバに備えられた検索エンジン等を利用して所望のサイトを見出し、当該サイトのコンテンツをダウンロードして、ブラウザにより当該コンテンツを閲覧している。上記コンテンツには種々のカテゴリに属する情報があり、店舗やイベントの情報提供、鉄道路線の時刻表の提供や、鉄道の乗り換え案内なども含まれる。
【0010】
店舗やイベントの情報提供にあっては、ユーザが携帯端末を操作して店舗やイベントのカテゴリ、検索したい地域を入力して検索要求する。サーバは指定されたカテゴリに該当し、かつ当該地域に存在する店舗やイベントを検索し、その情報が携帯端末装置に配信される。時刻表の提供においては、ユーザが携帯端末を操作して、路線を指定すると、当該路線の時刻表が携帯端末の表示装置の画面上に提示される。また、乗り換え案内においては、ユーザが、出発地や目的地を指定することにより、推奨する経路が提示される。
【0011】
更に、パーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置からインターネット上の地図サーバに接続し、所望の地点や、施設、店舗の住所、名称、電話番号などを入力して当該地点や施設、店舗の位置を含む所定範囲の地図データをダウンロードして表示装置に地図画像を表示することもできる。
【0012】
上記のような各システムに用いられる端末装置における地図表示は、次のように行われる。すなわち、この種の地図表示装置においては、表示画面に表示される地図画像上に店舗や施設などのオブジェクトを示すオブジェクト画像も表示される。利用者は、表示画面に表示されたオブジェクト画像上にカーソルを移動してクリック操作することにより当該オブジェクトに関する詳細情報を表示するウィンドウを開くことができる。これにより利用者は地図上に表示されたオブジェクト画像のうち、興味を持ったオブジェクト画像を選択して、当該オブジェクトの詳細情報を知ることができる。
【0013】
例えば、下記の特許文献2(特開2003−254761号公報)には、施設情報(オブジェクト情報)を入手し、表示器に表示された地図上の該施設の位置に対応する位置に施設アイコン(アイコン画像)を表示するナビゲーション装置において、施設アイコンを指定するための施設指定手段と、前記施設指定手段により施設の指定操作が行われた場合に、施設までの経路案内を行う指定施設経路案内手段とを備えたナビゲーション装置が開示されている。
【0014】
また、下記の特許文献3(特開2003−337041号公報)に開示された地図表示システムは、情報格納部に格納されている地図データおよび施設データをI/O回路を介して読み込み、読み込まれた施設データの中から複数の施設データを集約する集約処理を施し、読み込まれた地図データをVRAMにて描画すると共に、集約処理により集約された施設データを、集約の結果を表現する図像である集約施設アイコンを用いて描画して、モニタに表示出力するように構成されている。利用者は集約施設アイコンを選択することにより、その集約アイコンに含まれる施設一覧を表示して所望の施設を選択することができる。
【0015】
下記の特許文献4(特開2001−317955号公報)には、地図上にランドマーク等の施設を示すアイコンを表示する場合に、アイコンを重ねて表示しなくてはならないとき、複数のアイコンが同じ位置、もしくは一部が重なる位置に表示される複数のアイコンについて、全体が表示される最前面のアイコンを所定時間毎に順次切り替えて表示するように構成した地図表示装置が開示されている。利用者は所望のアイコンが表示の最前面に表示された時にそのアイコンを選択することによって当該アイコンに関する詳細説明等を参照することができる。
【0016】
更に、下記の特許文献5(特開2006−47147号公報)には、各施設のURL等の施設情報と、各ジャンルに対応したアイコンを備え、各施設について、その施設情報を電子透かし技術により対応するアイコンに埋め込んだ電子透かしアイコンを作成し、地図上に表示する。ユーザが、地図に表示された電子透かしアイコンを携帯電話で撮像すると、携帯電話は撮像画像に埋め込まれた施設情報を抽出して画面表示するように構成したナビゲーション装置が開示されている。
【0017】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2003−254761号公報(図1、図2)
【特許文献3】特開2003−337041号公報(図2、図3、図7)
【特許文献4】特開2001−317955号公報(図5)
【特許文献5】特開2006−47147号公報(図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
先に説明したように、施設やPOIの所在を示すアイコン画像のようなオブジェクト画像は、その施設が所在する位置情報(緯度、経度)に基づいて地図画像上に描画される。ところで、大きなビルなどの施設には複数のテナントが店舗を有している場合が多い。しかしながら、その場合、同じ施設内に存在する複数のPOIなどの個別オブジェクトが同じ位置情報を持ち、個別のオブジェクト画像を表示した場合には、地図画像上の同一地点に複数のオブジェクト画像が重なりあって表示され、カーソルなどによるオブジェクト画像の選択が困難になるという問題点があった。
【0019】
すなわち、上記特許文献2〜特許文献5に開示されたような地図表示方法では、施設を単一のアイコン画像で示すものであるから、当該施設内に存在する複数のオブジェクトを個別に選択してその詳細情報を表示させるのが困難であるという問題点があった。
【0020】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、マウスホイールの回転操作を表示画面上の上下方向の位置として検出できることに着目し、位置情報(緯度・経度)の同じオブジェクト内に複数のオブジェクトが存在する場合にそのオブジェクト画像を集合オブジェクト画像として表示し、マウスホイールの操作をオブジェクト画像(アイコン)の上下方向位置として検出し、上下方向位置に該当する個別のオブジェクトを特定するようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0021】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、同じ位置情報を有する施設内に複数存在する個別オブジェクトの各々を地図画像上に表示された集合オブジェクト画像上で選択することができるようにした地図表示システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースと、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示システムにおいて、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示システムは更に、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする。
【0024】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる地図表示システムにおいて、
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項4にかかる地図表示システムにおいて、
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項4にかかる地図表示システムにおいて、
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項8にかかる発明は、
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを配信する地図配信サーバに接続される地図表示端末において、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示端末は、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示し、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる地図表示端末において、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項8にかかる地図表示端末において、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項8にかかる地図表示端末において、
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる地図表示端末において、
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項11にかかる地図表示端末において、
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0035】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項11にかかる地図表示端末において、
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0036】
また、本願の請求項15にかかる発明は、
地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示端末に地図データとオブジェクトデータを配信する地図配信サーバにおいて、
前記地図配信サーバは、地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを前記地図表示端末に配信することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる地図配信サーバにおいて、
前記地図表示端末は、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段を備え、前記カーソルにより集合オブジェクトを選択し、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作が可能な地図表示端末であって、
前記地図配信サーバは、前記地図表示端末における操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作に基づく操作量を検出し、前記操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出してブラウザを介して前記地図表示端末の表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
請求項1にかかる発明においては、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトにおいては、集合オブジェクト画像上の位置に対応付けて個別オブジェクトのオブジェクト情報が記憶され、カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示する。
【0039】
このような構成によれば、簡単な操作によって、地図画像上に表示された集合オブジェクト画像上の位置を指定することができ、当該集合オブジェクトに含まれる個別オブジェクトの詳細なオブジェクト情報を表示することができるようになる。
【0040】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示する。
【0041】
このような構成によれば、地図画像上に表示される情報ウィンドウの画像はオブジェクトの詳細な情報を表示する時のみ表示されるから、情報ウィンドウの画像が地図画像の観察を妨げることがなく、利用者は地図画像を容易に観察することができるようになる。
【0042】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示する。
【0043】
このような構成によれば、操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて集合オブジェクト画像上の該当位置が他の部分と異なる表示態様で強調して表示されるから、利用者は容易に集合オブジェクト画像上の所望の位置を指定しているか否かを判別できるようになる。
【0044】
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定する。
【0045】
このような構成によれば、利用者は操作・入力手段に設けられ、集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段を用い、容易に集合オブジェクト画像上の所望の位置を指定できるようになり、集合オブジェクトに含まれる個別オブジェクトの詳細情報を知ることができるようになる。
【0046】
請求項5〜請求項7にかかる発明においては、請求項4にかかる発明において、操作手段は、マウスホイールまたはジョグダイヤルまたはボリュームダイヤルであるから、携帯電話や携帯情報端末やパーソナルコンピュータを地図表示端末として使用することができるようになる。
【0047】
また、請求項8〜請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項7にかかる地図表示システムを構成する地図表示端末を提供することができ、請求項15にかかる発明においては、請求項1にかかる地図表示システムを構成する地図配信サーバを提供することができるようになる。
【0048】
また、請求項16にかかる発明においては、請求項15にかかる地図配信サーバにおいて、前記地図配信サーバは、前記地図表示端末における操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作に基づく操作量を検出し、前記操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出してブラウザを介して前記地図表示端末の表示手段に表示させる。
【0049】
このような構成によれば地図表示端末は地図配信サーバのブラウザを使用して地図画像を表示し、集合オブジェクト上の位置を指定してその位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための地図表示システムを例示するものであって、本発明をこの実施例の地図表示システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の地図表しシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0051】
図1は、本発明にかかる地図表示端末20を含む地図表示システム10の構成を示すシステム構成図である。図1に示すように地図表示システム10は、ネットワーク12を介して接続される地図表示端末20とナビゲーション機能を有する地図配信サーバ30を備えて構成されている。従ってこの地図表示システム10はナビゲーションシステムとしても機能する。
【0052】
また、この地図表示システム10は、各種カテゴリに属するPOIの所在地やサービス内容などのPOI情報を提供するPOI情報配信サーバ50、音楽や各種画像などのコンテンツを提供する情報配信サーバ51などを備えて構成されている。地図配信サーバ30はPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0053】
本発明にかかる地図表示システム10は、上記の構成に限られるものではなく、地図配信サーバ30はナビゲーションサービス機能を持たない地図配信サーバであってもよく、また、地図表示端末20も携帯電話を用いることができ、またPDAや音楽プレイヤーなどの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。また、地図表示端末20と地図配信サーバ30とが一体になった車載用のナビゲーションシステムのようなスタンドアロンタイプのシステムであってもよい。
【0054】
地図表示端末20は現在位置や所望の地点を指定して地図配信サーバ30に当該現在位置や所望の地点を中心とした所定の範囲の地図情報を要求し、地図配信サーバ30から配信された地図情報に基づいて地図画像を表示手段に表示することができる。また、地図表示端末20は所望の興味対象場所(POI:Point of Interest)の検索を地図配信サーバ30に要求し、地図配信サーバ30から回答されたPOI検索結果から任意のPOIを指定して当該任意のPOIが存在する地点を含む地図情報を要求してその地図画像を表示手段に表示することもできる。
【0055】
更に、地図表示端末20は所望の出発地、目的地を指定して地図配信サーバ30に出発地から目的地までの最適経路やいくつかの候補経路の探索を要求し、地図配信サーバ30から、案内経路を含む地図情報を経路探索の結果として受信し、地図画像を表示手段に表示することもできる。
【0056】
地図配信サーバ30が地図表示端末20に配信する地図データには道路や交通機関の路線の他に、当該地図上の各地点に存在する施設や建物、例えば、銀行や郵便局、行政機関、ランドマーク、各種のPOIなどを示すオブジェクトの情報が含まれ、地図画像を表示手段に表示する場合にはこれらのオブジェクトを示すアイコンなどのオブジェクト画像が地図画像上に表示される。利用者は表示手段に表示された地図画像においてオブジェクト画像を参照してそのオブジェクトが地図上のどの位置に存在するかを知ることができる。
【0057】
また、地図表示端末20において表示手段にはカーソルを表示でき、表示された地図画像上のオブジェクト画像にカーソルを移動してクリック操作により任意のオブジェクト画像を選択することができる。オブジェクト画像が選択されると、該当するオブジェクトに関する情報ウィンドウが開き、オブジェクトに関する詳細な情報、例えば、オブジェクトがレストランである場合には、営業時間やサービス内容、料金などの詳細情報が表示できる。
【0058】
地図表示端末20からの種々の要求に応ずるため、地図配信サーバ30は、地図データベース38、経路探索のための探索用ネットワークデータベース35を備えている。地図データベース38に蓄積される地図データは、電子地図上にアイコンなどのオブジェクト画像を描画(表示)するので、地図データのタイプとしてはベクタ形式の地図データとするのが最適である。また、この地図データは、所定の緯度、経度単位でメッシュ状に区分された単位地図データからなり、携帯電話などの地図表示端末20から地図を要求された場合、現在位置や指定された地点を含むメッシュ状の単位地図データを中心として、その上下左右、斜め方向に隣接する9つのメッシュ状単位の地図データを携帯電話(地図表示端末)に配信する。
【0059】
また、経路探索のための探索用ネットワークデータベース35は、道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、ノードデータ、リンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)であるリンクコストデータから構成され、データベース化されたものである。交通機関のネットワークデータも駅をノードとし、駅と駅を結ぶリンクと、リンクとなる電車等の各車両の時刻表データ(発車時刻、到着時刻、所要時間)をリンクコストデータとして蓄積したものである。
【0060】
地図表示端末20から現在位置を指定し、あるいは所望の地点を指定してその地点を含む地図の配信要求を受信すると、地図配信サーバ30は地図データベース38から該当する地図データを読み出して地図表示端末20に配信する。この地図データとともに、該地図上に位置する各種の施設や建物、ランドマーク等のPOIを示すデータが配信され、地図表示端末20は表示手段に地図画像を表示するとともに地図画像上に各種のオブジェクト画像を描画する。
【0061】
地図配信サーバ30は、地図表示端末20からPOI検索要求を受信した場合はPOIデータベース(図示せず)を参照して該当するPOIを検索する。そして該当するPOIの位置や名称等のPOI案内情報を地図表示端末20に配信する。また、POI案内情報に基づいて、該POI位置を含む地図要求を受信した場合には、地図データベース38を参照して該当する地図データを地図表示端末20に配信する。
【0062】
また、地図表示端末20から現在位置を指定し、あるいは所望の地点を指定して前記POIまでの経路探索が要求された場合、地図配信サーバ30は探索用ネットワークデータベース35を参照して2地点間の候補経路を探索し、候補経路を案内経路として含む地図データを地図表示端末20に配信する。
【0063】
図2は、図1に示した地図配信サーバ30の構成を示すブロック図である。地図配信サーバ30は、制御手段31、配信データ編集手段32、通信手段34、経路探索手段33、探索用ネットワークデータベース35、POI検索手段36、地図データベース38などを備えている。探索用ネットワークデータベース35には、徒歩および自動車用の経路探索のための道路ネットワークデータ351と、交通機関を用いた経路探索のための交通ネットワークデータ352とを蓄積している。
【0064】
制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段34は、ネットワーク12を介して地図表示端末20や、各種のPOI情報を提供するPOI情報配信サーバ50等と通信するためのインターフェースである。配信データ編集手段32は、経路探索やPOI検索の結果を地図表示端末20に配信するためのデータに編集するためのものである。地図配信サーバ30は、ネットワーク12を介して各種のPOI情報配信サーバ50からPOIの情報を収集して地図データベース38に蓄積されたオブジェクトデータ382、集合オブジェクトデータ383を更新したり、拡充したりすることができる。
【0065】
先に説明したように、POIなどのオブジェクト(施設)はその地理上の位置を緯度・経度で表した位置情報を持っており、所定エリアの地図範囲に位置するオブジェクトデータはそのエリアの地図データとともに地図表示端末20に配信される。地図画像を表示する際、各オブジェクトは、その位置情報をもとに、地図画像上の該当位置にアイコン画像などのオブジェクト画像として表示される。そして所望のオブジェクト画像を選択することにより、そのオブジェクトの名称、電話番号を営業情報などの詳細なオブジェクト情報を表示させることができる。
【0066】
一般的な地図表示システムにおいては、ビルなどの施設ごとにオブジェクトを規定しており、ビル内にある個々の店舗などを個別のオブジェクトとして扱うようにはされていない。ビル内の多くの店舗を個別のオブジェクトとして扱うとオブジェクトの数が膨大になり、地図画像上に表示するオブジェクト画像の数も膨大になるからである。また、個別オブジェクトの緯度・経度はそれらの個別オブジェクトが存在するビルの緯度・経度と同じ位置情報を持つことになるから、地図画像上にオブジェクト画像が重なりあって密集して表示されることになり、本来の地図画像の観察がしづらくなるからである。
【0067】
本発明においては同じ位置情報を有する複数のオブジェクトが存在する大きなビルなどの施設を集合オブジェクトとして扱い、集合オブジェクト内の複数の個別オブジェクトの個々のオブジェクトデータを、集合オブジェクト画像上の上下方向の位置と対応つけてデータベースに蓄積する。図2において地図データベース38の集合オブジェクトデータ383はこのようにして蓄積したデータである。
【0068】
そして本発明においては、地図画像上に表示された集合オブジェクト画像を選択する場合、カーソルやマウス等の操作手段によりそのオブジェクト画像の表示画面の上下方向の位置を指定できるように構成する。このように構成すれば操作手段により指定されたオブジェクト画像上の位置に基づいてその位置に該当するオブジェクトを特定し、そのオブジェクトの詳細情報を集合オブジェクトデータから抽出して表示することができるようになる。この詳細については後述する。操作手段としては、マウスホイール、ジョグダイヤル、音量などを操作するボリュームダイヤルなどを用いることができる。
【0069】
POI検索手段36はPOIデータベースを備えて構成される。地図表示端末20によりPOIカテゴリ、地域などの検索条件が指定されると、POI検索手段36はPOIデータベースを参照して該当するPOI情報が検索され、地図表示端末20に配信される。POI検索手段36により検索されたPOIの場所を含む地図データが地図表示端末20から要求されると、該当する地図データに基づいてその地図上に存在する各種施設や建物、ランドマーク等のオブジェクトデータ、集合オブジェクトデータを抽出して地図表示端末20に地図データとともに配信する。
【0070】
地図表示端末20に送られる各種の情報、データ、例えば、地図データ、オブジェクトデータ、POI案内情報、案内経路の情報等は、必要に応じて配信データ編集手段32によって編集され、地図表示端末20に配信される。
【0071】
地図表示端末20は、図3に示すように、制御手段21、GPS処理手段22、処理要求手段23、操作・入力手段24、表示手段25、カーソル制御手段26、オブジェクト表示制御手段27、操作・入力制御手段28などを備えて構成されている。GPS処理手段22はGPS受信機を含んで構成され、GPS衛星の信号を受信、処理して地図表示端末20の現在位置を緯度・経度で測位する。また、制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0072】
処理要求手段23は、操作・入力手段24や表示手段25に表示されるメニュー画面などを介して入力されるPOI検索条件や経路探索条件を編集して地図配信サーバ30に処理を要求するためのものである。地図配信サーバ30が要求に従って配信する地図データや、POI検索要求に従ってPOI検索した結果や経路探索した結果であるPOI情報、案内経路情報などは図示しない記憶手段に一時記憶される。この記憶手段に記憶された地図データ、POI情報や案内経路情報などの配信データは、必要に応じて読み出され、表示手段25に表示される。
【0073】
操作・入力手段24は、数字キーやアルファベットキー、カーソル操作キー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力のためのものであり、出力手段である表示手段25に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段25は操作・入力手段24の一部としても機能する。また、操作・入力手段24にはマウスなどの操作手段を備えている。
【0074】
この操作手段は、地図画像上に表示されたオブジェクト画像を選択するためにカーソルを移動して所望のオブジェクト画像を選択するためのものであり、特に選択するオブジェクト画像が集合オブジェクト画像である場合、カーソルをそのオブジェクト画像上に置き、マウスホイールを操作することにより集合オブジェクト画像上の縦方向(表示画面の上下方向)の位置を指定することができる。このような操作手段は、マウスホイールを有するマウスの他に、ジョグダイヤル、音量などを操作するボリュームダイヤルを用いて集合オブジェクト画像上の縦方向(表示画面の上下方向)の位置を指定するように構成することもできる。
【0075】
地図データベース38に記憶される地図データは、図4に示すように、所定の緯度、経度単位で地図エリアが分けられ、メッシュ状の単位地図データM11〜M33で構成される。この地図データが地図表示端末20に配信される場合には、地図表示端末20の現在位置PPを含む単位地図データM22を中心にして、その上下方向、左右方向、斜め方向に隣接する単位地図データM21、M23、M12、M32、M11、M13、M31、M33の合計9つの単位地図が配信される。地図表示端末20が移動して地図データが不足する場合は地図表示端末20の移動方向に基づいて地図配信サーバ30は不足分の単位地図データを配信する。地図表示端末20が特定の地点やPOIの位置を指定して地図データの配信要求された場合も同様である。
【0076】
図5は、一般的に用いられるベクトル地図データのデータフォーマットを示す図である。ベクトル地図データは図5に示すようにデータヘッダDH、ベクトル地図データ本体MPD、付加データADの各領域からなる。データヘッダDHには単位地図のメッシュ番号が設定され、ベクトル地図データ本体MPDには、道路を描画するための道路データやポリゴンデータが記録される。道路データは各道路リンクをベクトルで表したデータであり、道路種別(高速道路や国道などの種別)など道路の属性を示すデータを有する。
【0077】
付加データADには、地図描画において使用する文字情報や各種オブジェクトを表すオブジェクト、集合オブジェクトの情報を付加する。このオブジェクトや集合オブジェクトの情報には、それらの位置情報(緯度、経度)、対応するオブジェクト画像のIDや、オブジェクトの詳細情報を示すオブジェクト情報(テキストデータ)などが含まれる。地図表示端末20は、このような地図データを受信して表示手段25に地図画像、オブジェクト画像を表示する。
【0078】
図6は、地図データベース38に蓄積されるオブジェクトデータ382のデータ構成の一例を示す図である。各オブジェクトのデータはオブジェクトを識別するID番号(No.)とオブジェクトの所在位置を示す中心座標(緯度・経度)とオブジェクト画像を示すパレット画像番号からなる。そしてオブジェクトが集合オブジェクトである場合、フラグ「1」が、通常の(単一の)オブジェクトの場合、フラグ「0」がF欄に記録され、集合オブジェクトの場合には更に、個別オブジェクトの情報を蓄積した集合オブジェクトデータ383の詳細情報テーブルの位置情報が詳細TB欄に記憶される。
【0079】
図7は、集合オブジェクトデータ333のデータ構成の一例を示す図である。各集合オブジェクトは詳細TBごとに、その集合オブジェクト内に所在する個別オブジェクトのID、所在フロア、集合オブジェクト画像上の位置(表示される集合オブジェクト画像の縦方向すなわち表示画面における上下方向の位置)、その個別オブジェクト名称、電話番号、営業情報などの詳細情報が蓄積されている。
【0080】
例えば、図7において、集合オブジェクト「****01」内の個別オブジェクト「M1」は地下1階「B1F」に所在しており、その集合オブジェクト画像上の位置は「000」であることを示している。従って、カーソルでこの集合オブジェクト画像を指定し、マウスホイールを操作して集合オブジェクト画像上の上下方向の位置「000」指定すれば、個別オブジェクト「M1」の詳細情報を特定することができ、この詳細情報を情報ウィンドウにテキスト表示することができる。
【0081】
地図画像やオブジェクト画像は地図表示端末20の表示手段25の地図表示画面に表示される。図8は、地図表示のためのブラウザ画面の構成を示す図である。図8に示すように、ブラウザ画面には地図を表示する地図表示領域210が設けられており、地図表示領域210の右上部にはスクロールバー212が表示される。また、メニューを表示するためのボタンである「メニュー」220、ルート検索を指定するためのボタンである「ルート検索」221、地図表示領域210に表示した地図上の周辺のPOIを検索するためのボタンである「周辺検索」222が表示される。「ルート検索」221、「周辺検索」222は、地図配信サーバ30が経路探索機能、POI検索機能を備えている場合に表示される。
【0082】
勿論、地図配信サーバ30は、経路探索機能やPOI検索機能を備えず、地図情報のみの検索サービスを提供するサーバであってもよい。また、ルート検索やPOI検索は地図配信サーバ30がPOI情報配信サーバ50や図示されていない経路探索サーバに要求をして結果を取得するようにしてもよい。また、地図表示画面は地図配信サーバ30から提供される図8に示すブラウザ画面を使用する構成でなく、地図表示端末20に用意された独自の地図表示画面を用いて地図画像等を表示する構成とすることもできる。
【0083】
また、このブラウザ画面には、地図検索のための入力ボックス230と、入力ボックス230に入力した条件で地図配信サーバ30に地図検索を指示するための「検索」ボタン231が表示され、また、バナー広告を表示するためのバナー広告の表示領域250が設定されている。地図表示端末20が所望のPOIを指定して地図を特定した場合には、該当するPOIの位置にそのPOIを示すオブジェクト画像(アイコン画像)が表示され、利用者がこのオブジェクト画像をクリックして選択すると情報ウィンドウが開き、POIの名称、住所、電話番号、営業時間や営業内容などのオブジェクト情報が表示される。
【0084】
図9は、集合オブジェクトを示す集合オブジェクト画像MI(アイコン画像)の一例を示す図である。図10は、操作・入力手段24に含まれる操作手段として用いられるマウス241の外観を示す図である。マウス241はよく知られているように下面にトラックボールを有しており、マウスを移動させることによって回転するトラックボールの移動量、移動方向に応じて表示画面上に表示されたカーソルを移動させ画面上の任意の位置を選択することができる。
【0085】
また、トラックボールを回転させて移動したカーソル位置において、マウス241に設けられたマウスホイール242を回転させるとその回転量に従って縦方向の移動量を決定することができる。従って、マウス241を操作して地図画像上に表示された図9に示す集合オブジェクト画像MIにカーソルを移動し、その集合オブジェクト画像上でマウスホイール242を回転させ、集合オブジェクト画像上の所望の位置を指定することができる。なお、マウス241は光学マウスであってもよく、その場合、トラックボールの回転によりマウス241の移動量を判別する構成でなく、光学的にマウス241の移動量を検出する。
【0086】
図11は地図表示画面に表示された地図画像の一例を示す図である。図11には道路RD1と道路RD2が表示され、集合オブジェクト画像MI1〜MI3の3つの集合オブジェクトがそれぞれ地図画像上の所在位置に表示されている。地図画像上にはカーソル244が表示され、マウス241を操作することによりカーソル244を所望の位置に移動させ、画面上に表示された各種のオブジェクトを選択することができる。通常の地図表示システムにおいは、カーソル244が表示される初期位置は表示画面の中央であり、一般的には表示画面の中央を地図表示端末20の現在位置として地図画像が表示される。特定のPOIの位置に基づいて地図データを要求した場合には、当該特定のPOIの所在位置を中心として地図画像が表示される。
【0087】
図12は、図11の地図画像表示画面において、マウス241を操作して集合オブジェクトMI2を選択した場合の表示画像の一例を示す図である。カーソル244はマウス241の操作により集合オブジェクト画像MI2上に位置している。この状態でマウスホイール242を回転することにより、集合オブジェクト画像MI2上の縦方向(表示画面の上下方向)の位置を指定する。この時、マウスホイールの回転に応じて変化する集合オブジェクト画像MI2上の該当位置の部分の画像を他の部分と異なる色で強調表示すると利用者が画像上のどの部分を指定しているかを判別し易くなる。
【0088】
カーソル244を集合オブジェクト画像MI2上に移動してマウスホイール242を回転させると、操作・入力制御手段28(図3参照)はマウスホイール242の回転量を検出し、集合オブジェクト画像MI2上の上下方向の移動量に換算して集合オブジェクト画像MI2上の位置を特定する。オブジェクト表示制御手段27はその部分の表示色を変える。図12においては、マウスホイール242の回転量が集合オブジェクト画像MI2のビル画像の1階部分を指定した例を示しており、この位置情報に従って集合オブジェクトデータの1階相当部分に所在している個別オブジェクトの詳細情報(図7参照)が特定され情報ウィンドウWIN内にテキスト表示される。
【0089】
図13は、図11の地図画像表示画面において、マウス241を操作して集合オブジェクトMI2を選択した場合の表示画像の他の一例を示す図である。カーソル244はマウス241の操作により集合オブジェクト画像MI2上に位置している。この状態でマウスホイール242を回転することにより、集合オブジェクト画像MI2上の25階相当位置が特定された場合、情報ウィンドウWIN0に示すように集合オブジェクトであるこのビルの25階相当部分に所在している個別オブジェクトの個別オブジェクト詳細情報が表示される。また、マウスホイール242を回転して集合オブジェクト画像MI2の地下1階(B1F)相当位置が特定された場合、情報ウィンドウWINに示すように集合オブジェクトであるこのビルの地下1階(B1F)相当部分に所在している個別オブジェクトの個別オブジェクト詳細情報が表示される。
【0090】
この時、個別オブジェクト詳細情報を表示する位置は、集合オブジェクト画像MI2の一定の画像位置から吹き出し表示するようにしてもよく、図13に示す情報ウィンドウWIN0、WINのように集合オブジェクト画像MI2上の25階相当部分や地下1階相当部分の画像位置から吹き出し表示するようにすることもできる。このように表示すれば、利用者はマウスホイールを操作して特定した集合オブジェクト画像MI2上の位置を確認することもできる。
【0091】
図14は、以上説明した本発明にかかる地図表示システム10における地図画像の表示処理の動作手順を示すフローチャートである。地図表示端末20から所望の地点を指定して地図画像の表示が要求されると、地図配信サーバ30は地図表示端末20から要求された地図情報、オブジェクトデータ、集合オブジェクトデータを地図データベース38から読み出し、地図表示端末20に配信する。地図表示端末20はステップS101の処理において図8に示すブラウザ画面を用いて地図画像を表示する。
【0092】
次いでステップS102の処理において、オブジェクト表示制御手段27はブラウザ画面に表示された地図画像上のそれぞれの位置にオブジェクト画像および集合オブジェクト画像を描画して表示する。ステップS103の処理では、カーソル制御手段26はマウス241を操作して地図画像上に表示された特定のオブジェクト画像(集合オブジェクト画像を含む)が選択されたか否かを判別する。オブジェクト画像が選択されていなければステップS109の処理に進む。
【0093】
ステップS103の処理においてカーソル移動により地図画像上に表示された何れかのオブジェクト画像が選択されたことを判別すると、ステップS104の処理においてカーソル制御手段26はカーソル244で選択されたオブジェクト画像が集合オブジェクト画像であるか否かを判別する。カーソル244で選択されたオブジェクト画像が集合オブジェクトでなければ、ステップS107の処理に進み、選択したオブジェクト画像に該当するオブジェクトデータに基づいて、オブジェクト詳細データをメモリから読み出す。ここでいうメモリは地図表示端末20が地図配信サーバ30から受信した地図データ(オブジェクトのデータを含む)を一時記憶したメモリである。
【0094】
ステップS104の判別処理において、カーソル244で選択したオブジェクト画像が集合オブジェクト画像であることが判別されると、ステップS105の処理において、操作・入力制御手段28は、マウスホイール242が操作されたか否かを判別する。マウスホイール242が操作されなければステップS109の処理に進む。この場合ステップS109の処理に進む前に選択したオブジェクト画像が集合オブジェクト画像であり、マウスホイール242の操作によってビル内の個別オブジェクトの詳細情報が表示される旨のコメントを表示してもよい。
【0095】
一方、ステップS105の判別処理において、マウスホイール242の操作がなされたと判別されると、ステップS106の処理に進み、操作・入力制御手段28はマウスホイール242の回転量を判別し、集合オブジェクト画像上の上下方向の位置を特定する。この場合、カーソル244で集合オブジェクト画像が選択された初期状態ではマウスホイールの初期値をその集合オブジェクト画像の最下部を基準位置にして、マウスホイール242の操作方向と回転量に従って画像上の位置を算出するように構成する。
【0096】
ステップS106の処理において集合オブジェクト画像上の上下方向の位置が特定されると、その位置に該当する個別オブジェクトのオブジェクト詳細データをメモリから読み出す。ステップS108の処理において、オブジェクト表示制御手段27は情報ウィンドウWINを開き、オブジェクト(集合オブジェクトの場合は個別オブジェクト)の詳細情報をテキスト表示する(図12、図13参照)。
【0097】
そしてステップS109の処理において地図表示が終了されたか否かを判別し、地図表示の終了処理があれば処理を終了し、終了でなければステップS101の処理に戻る。この間に、表示された地図画像のスクロール処理があれば、ステップS101の処理に戻り、地図画像をスクロール表示する。
【0098】
上記の実施例においては、地図画像を表示するための構成として、地図配信サーバ30から提供される図8に示すブラウザ画面を使用する構成、あるいは、地図表示端末20に用意された独自の地図表示画面を用いて地図画像等を表示する構成である場合を説明したが、この場合、地図表示端末20にマウスホイール242の移動量を検出する手段を備えていればよい。
【0099】
上記の構成の他、地図配信サーバ30から提供されるブラウザ画面を使用する構成の場合、エイジャックス(登録商標)(Ajax:Asynchronous Java(登録商標)Script+XML)と呼ばれるウェブブラウザに実装されているJava(登録商標)scriptのHTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信機能を使って、マウスホイール242の操作量を地図表示端末20から地図配信サーバ30に非同期で送信し、地図画像を地図配信サーバ30において表示処理し、地図表示端末20のブラウザ画面にこれを表示するように構成することもできる。
【0100】
従来、ウェブブラウザを使ったウェブアプリケーションでは、データをサーバに通知して処理結果を得るためにはページ全体を再読込しなおさなければならず、ネイティブアプリケーションのような操作性を得ることは難しかった。Ajax(エイジャックス)では、指定したURL(Uniform Resource Locator)からXMLドキュメントを読み込む機能を使い、ユーザの操作や画面描画などと並行してサーバと非同期に通信を行なうことで、サーバの存在を感じさせず、シームレスなウェブアプリケーションを実現することができる。
【0101】
図15は、XML非同期通信手段として前述のエイジャックスエンジンを実装したクライアント・サーバシステムの構成を本発明にかかる地図表示システムに適用した構成を示す概念図であり、図16は、図15のクライアント・サーバシステムにおけるクライアントとサーバ間の通信手順の概念を示すシーケンス図である。
【0102】
図15に示すように地図表示端末20にはウェブブラウザ(WEBブラウザ)141がインストールされており、ユーザインタフェース142はウェブブラウザ141によりウェブページを表示する表示手段と、キーボードやマウスなどの入力手段により構成され、ユーザはユーザインタフェース142により所望のサーバを指定して地図配信サーバ30上に設けられたウェブページをダウンロードする。そして表示手段25(図3参照)に表示されたウェブページの表示画像を操作・入力手段24により操作して、所望の要求をサーバに送り、サーバからその処理結果を受信する。また、地図表示端末20はXML非同期通信手段としてエイジャックスエンジン143を実装している。
【0103】
地図表示端末20はダウンロードしたウェブページを表示手段25に表示し、表示されたオブジェクト画像を指定したり、検索条件を入力したりして地図配信サーバ30に対してHTTPリクエストを送信する。地図配信サーバ30は、地図表示端末20から送信されたHTTPリクエストに基づく処理を行い、HTTPレスポンスを地図表示端末20に返す。HTTPレスポンスではHTTPリクエストに応じて地図配信サーバ30が処理した結果が地図表示端末20に送られる。地図配信サーバ30はプロセッサを中心に構成されるコントローラ151を備え、地図配信サーバ30から要求された処理を実行する。
【0104】
図16は、このような地図表示端末20と地図配信サーバ30との間の通信手順の概念を示している。図16において横軸は時間tを示し、Aは地図表示端末20の処理、Bは地図配信サーバ30の処理を示している。地図表示端末20でウェブブラウザ141を用いてユーザアクション(ユーザ操作)が行われ、地図配信サーバ30にHTTPリクエストが送信される。地図配信サーバ30は、HTTPリクエストに従ってサーバ処理(サーバプロセス)を行い、要求された処理を完了すると、HTTPレスポンスを地図表示端末20に返す。
【0105】
地図表示端末20は地図配信サーバ30からHTTPレスポンスを受信するまでの間、図16のXtに示す時間に、エイジャックスエンジン143を用いてウェブページのリロードを伴わずに地図配信サーバ30とXML(eXtensible Markup Language)形式のデータのやり取りを行なって処理を進めていくことができる。すなわち、地図表示端末20は非同期で地図配信サーバ30と通信することができる。
【0106】
このようにエイジャックスエンジンを搭載したアプリケーションでは、地図表示端末20側でユーザのアクションを受けつつ、バックグラウンドで地図配信サーバ30側との通信を行うことができる。これが非同期通信と呼ばれる技術であり、これにより従来のウェブブラウザと異なり地図表示端末20の待ち時間を必要としない処理が可能となる。本発明においては、このような非同期通信を用いて地図表示端末20におけるマウスホイールの検出位置を地図配信サーバ30に送信することができる。
【0107】
また、Java(登録商標)ScriptのHTTP通信機能自体は同期通信にも非同期通信にも対応しており、受信するデータ形式もXMLとプレーンテキストの両方を選べるため、プレーンテキストを同期通信する従来型のウェブアプリケーションを、ページ遷移を伴わずに実現するといったことも可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上、説明したように本発明にかかる地図表示システムによれば、同じ施設内に複数存在する個別オブジェクトの各々を地図画像上に表示された集合オブジェクト画像上の位置に対応つけておき、マウスホイールなどの操作手段で集合オブジェクト画像上の位置を指定しその位置が該当する個別オブジェクトの詳細情報を表示することができるので、新たなインターネット上の地図サイトが提供するサービスの発展に貢献することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明にかかる地図表示装置を含むナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の地図表示装置に接続される地図配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の地図表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】一般的な地図データにおける単位地図(エリア)の構成を示す説明図である。
【図5】一般的なベクトル地図データのデータフォーマットを示す説明図である。
【図6】オブジェクトデータの構成の一例を示すデータ構成図である。
【図7】集合オブジェクトデータの構成の一例を示すデータ構成図である。
【図8】地図表示端末の表示手段に表示される地図表示画面の構成を示す図である。
【図9】集合オブジェクトを示す集合オブジェクト画像の一例を示す図である。
【図10】操作・入力手段に含まれる操作手段として用いられるマウスの外観図である。
【図11】地図表示画面に表示された地図画像の一例を示す図である。
【図12】集合オブジェクト画像が選択された場合の表示画像の一例を示す図である。
【図13】集合オブジェクト画像が選択された場合の表示画像の他の一例を示す図である。
【図14】本発明にかかる地図表示システムにおける地図画像の表示処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】XML非同期通信手段としてエイジャックスエンジンを実装したクライアント・サーバシステムの構成を示す概念図である。
【図16】図15のクライアント・サーバシステムにおけるクライアントとサーバ間の通信手順の概念を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0110】
10・・・・地図表示システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・地図表示端末
21・・・・制御手段
22・・・・GPS処理手段
23・・・・処理要求手段
24・・・・操作・入力手段
25・・・・表示手段
26・・・・カーソル制御手段
27・・・・オブジェクト表示制御手段
28・・・・操作・入力制御手段
30・・・・地図配信サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・配信データ編集手段
33・・・・経路探索手段
34・・・・通信手段
35・・・・探索用ネットワークデータベース
351・・・道路ネットワークデータ
352・・・交通ネットワークデータ
36・・・・POI検索手段
38・・・・地図データベース
381・・・ベクトル地図データ
382・・・オブジェクトデータ
383・・・集合オブジェクトデータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部に地図画像を表示する地図表示システム、地図配信サーバおよび地図表示端末に関するものである。この種の地図表示システムにおいては、地図画像上に店舗や施設などのオブジェクトを示すオブジェクト画像を表示し、表示されたオブジェクト画像上にカーソルを移動してクリック操作することにより当該オブジェクトに関する詳細情報を表示するウィンドウを開くようにされる。
本発明は、上記のような地図表示システムにおいて、位置情報(緯度・経度)の同じオブジェクト内に複数のオブジェクトが存在する場合に複数のオブジェクトを集合オブジェクト画像として表示し、マウスホイールにより集合オブジェクト画像(アイコン画像)における縦方向の位置を指定し、該縦方向の位置に該当するオブジェクトの案内情報を表示するようにした地図表示システム、地図配信サーバおよび地図表示端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗り換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0008】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0009】
また近年では、携帯電話など携帯端末がブラウザを搭載し、インターネットにアクセスして所望の情報の提供を受けることができるようになっている。このようなシステムにおいては、ユーザは携帯端末を操作して、サーバに備えられた検索エンジン等を利用して所望のサイトを見出し、当該サイトのコンテンツをダウンロードして、ブラウザにより当該コンテンツを閲覧している。上記コンテンツには種々のカテゴリに属する情報があり、店舗やイベントの情報提供、鉄道路線の時刻表の提供や、鉄道の乗り換え案内なども含まれる。
【0010】
店舗やイベントの情報提供にあっては、ユーザが携帯端末を操作して店舗やイベントのカテゴリ、検索したい地域を入力して検索要求する。サーバは指定されたカテゴリに該当し、かつ当該地域に存在する店舗やイベントを検索し、その情報が携帯端末装置に配信される。時刻表の提供においては、ユーザが携帯端末を操作して、路線を指定すると、当該路線の時刻表が携帯端末の表示装置の画面上に提示される。また、乗り換え案内においては、ユーザが、出発地や目的地を指定することにより、推奨する経路が提示される。
【0011】
更に、パーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置からインターネット上の地図サーバに接続し、所望の地点や、施設、店舗の住所、名称、電話番号などを入力して当該地点や施設、店舗の位置を含む所定範囲の地図データをダウンロードして表示装置に地図画像を表示することもできる。
【0012】
上記のような各システムに用いられる端末装置における地図表示は、次のように行われる。すなわち、この種の地図表示装置においては、表示画面に表示される地図画像上に店舗や施設などのオブジェクトを示すオブジェクト画像も表示される。利用者は、表示画面に表示されたオブジェクト画像上にカーソルを移動してクリック操作することにより当該オブジェクトに関する詳細情報を表示するウィンドウを開くことができる。これにより利用者は地図上に表示されたオブジェクト画像のうち、興味を持ったオブジェクト画像を選択して、当該オブジェクトの詳細情報を知ることができる。
【0013】
例えば、下記の特許文献2(特開2003−254761号公報)には、施設情報(オブジェクト情報)を入手し、表示器に表示された地図上の該施設の位置に対応する位置に施設アイコン(アイコン画像)を表示するナビゲーション装置において、施設アイコンを指定するための施設指定手段と、前記施設指定手段により施設の指定操作が行われた場合に、施設までの経路案内を行う指定施設経路案内手段とを備えたナビゲーション装置が開示されている。
【0014】
また、下記の特許文献3(特開2003−337041号公報)に開示された地図表示システムは、情報格納部に格納されている地図データおよび施設データをI/O回路を介して読み込み、読み込まれた施設データの中から複数の施設データを集約する集約処理を施し、読み込まれた地図データをVRAMにて描画すると共に、集約処理により集約された施設データを、集約の結果を表現する図像である集約施設アイコンを用いて描画して、モニタに表示出力するように構成されている。利用者は集約施設アイコンを選択することにより、その集約アイコンに含まれる施設一覧を表示して所望の施設を選択することができる。
【0015】
下記の特許文献4(特開2001−317955号公報)には、地図上にランドマーク等の施設を示すアイコンを表示する場合に、アイコンを重ねて表示しなくてはならないとき、複数のアイコンが同じ位置、もしくは一部が重なる位置に表示される複数のアイコンについて、全体が表示される最前面のアイコンを所定時間毎に順次切り替えて表示するように構成した地図表示装置が開示されている。利用者は所望のアイコンが表示の最前面に表示された時にそのアイコンを選択することによって当該アイコンに関する詳細説明等を参照することができる。
【0016】
更に、下記の特許文献5(特開2006−47147号公報)には、各施設のURL等の施設情報と、各ジャンルに対応したアイコンを備え、各施設について、その施設情報を電子透かし技術により対応するアイコンに埋め込んだ電子透かしアイコンを作成し、地図上に表示する。ユーザが、地図に表示された電子透かしアイコンを携帯電話で撮像すると、携帯電話は撮像画像に埋め込まれた施設情報を抽出して画面表示するように構成したナビゲーション装置が開示されている。
【0017】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2003−254761号公報(図1、図2)
【特許文献3】特開2003−337041号公報(図2、図3、図7)
【特許文献4】特開2001−317955号公報(図5)
【特許文献5】特開2006−47147号公報(図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
先に説明したように、施設やPOIの所在を示すアイコン画像のようなオブジェクト画像は、その施設が所在する位置情報(緯度、経度)に基づいて地図画像上に描画される。ところで、大きなビルなどの施設には複数のテナントが店舗を有している場合が多い。しかしながら、その場合、同じ施設内に存在する複数のPOIなどの個別オブジェクトが同じ位置情報を持ち、個別のオブジェクト画像を表示した場合には、地図画像上の同一地点に複数のオブジェクト画像が重なりあって表示され、カーソルなどによるオブジェクト画像の選択が困難になるという問題点があった。
【0019】
すなわち、上記特許文献2〜特許文献5に開示されたような地図表示方法では、施設を単一のアイコン画像で示すものであるから、当該施設内に存在する複数のオブジェクトを個別に選択してその詳細情報を表示させるのが困難であるという問題点があった。
【0020】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、マウスホイールの回転操作を表示画面上の上下方向の位置として検出できることに着目し、位置情報(緯度・経度)の同じオブジェクト内に複数のオブジェクトが存在する場合にそのオブジェクト画像を集合オブジェクト画像として表示し、マウスホイールの操作をオブジェクト画像(アイコン)の上下方向位置として検出し、上下方向位置に該当する個別のオブジェクトを特定するようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0021】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、同じ位置情報を有する施設内に複数存在する個別オブジェクトの各々を地図画像上に表示された集合オブジェクト画像上で選択することができるようにした地図表示システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースと、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示システムにおいて、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示システムは更に、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする。
【0024】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる地図表示システムにおいて、
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項4にかかる地図表示システムにおいて、
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項4にかかる地図表示システムにおいて、
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項8にかかる発明は、
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを配信する地図配信サーバに接続される地図表示端末において、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示端末は、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示し、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる地図表示端末において、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項8にかかる地図表示端末において、
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項8にかかる地図表示端末において、
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる地図表示端末において、
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項11にかかる地図表示端末において、
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0035】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項11にかかる地図表示端末において、
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする。
【0036】
また、本願の請求項15にかかる発明は、
地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示端末に地図データとオブジェクトデータを配信する地図配信サーバにおいて、
前記地図配信サーバは、地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを前記地図表示端末に配信することを特徴とする。
【0037】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる地図配信サーバにおいて、
前記地図表示端末は、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段を備え、前記カーソルにより集合オブジェクトを選択し、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作が可能な地図表示端末であって、
前記地図配信サーバは、前記地図表示端末における操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作に基づく操作量を検出し、前記操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出してブラウザを介して前記地図表示端末の表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
請求項1にかかる発明においては、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトにおいては、集合オブジェクト画像上の位置に対応付けて個別オブジェクトのオブジェクト情報が記憶され、カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示する。
【0039】
このような構成によれば、簡単な操作によって、地図画像上に表示された集合オブジェクト画像上の位置を指定することができ、当該集合オブジェクトに含まれる個別オブジェクトの詳細なオブジェクト情報を表示することができるようになる。
【0040】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示する。
【0041】
このような構成によれば、地図画像上に表示される情報ウィンドウの画像はオブジェクトの詳細な情報を表示する時のみ表示されるから、情報ウィンドウの画像が地図画像の観察を妨げることがなく、利用者は地図画像を容易に観察することができるようになる。
【0042】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示する。
【0043】
このような構成によれば、操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて集合オブジェクト画像上の該当位置が他の部分と異なる表示態様で強調して表示されるから、利用者は容易に集合オブジェクト画像上の所望の位置を指定しているか否かを判別できるようになる。
【0044】
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定する。
【0045】
このような構成によれば、利用者は操作・入力手段に設けられ、集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段を用い、容易に集合オブジェクト画像上の所望の位置を指定できるようになり、集合オブジェクトに含まれる個別オブジェクトの詳細情報を知ることができるようになる。
【0046】
請求項5〜請求項7にかかる発明においては、請求項4にかかる発明において、操作手段は、マウスホイールまたはジョグダイヤルまたはボリュームダイヤルであるから、携帯電話や携帯情報端末やパーソナルコンピュータを地図表示端末として使用することができるようになる。
【0047】
また、請求項8〜請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項7にかかる地図表示システムを構成する地図表示端末を提供することができ、請求項15にかかる発明においては、請求項1にかかる地図表示システムを構成する地図配信サーバを提供することができるようになる。
【0048】
また、請求項16にかかる発明においては、請求項15にかかる地図配信サーバにおいて、前記地図配信サーバは、前記地図表示端末における操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作に基づく操作量を検出し、前記操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出してブラウザを介して前記地図表示端末の表示手段に表示させる。
【0049】
このような構成によれば地図表示端末は地図配信サーバのブラウザを使用して地図画像を表示し、集合オブジェクト上の位置を指定してその位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための地図表示システムを例示するものであって、本発明をこの実施例の地図表示システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の地図表しシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0051】
図1は、本発明にかかる地図表示端末20を含む地図表示システム10の構成を示すシステム構成図である。図1に示すように地図表示システム10は、ネットワーク12を介して接続される地図表示端末20とナビゲーション機能を有する地図配信サーバ30を備えて構成されている。従ってこの地図表示システム10はナビゲーションシステムとしても機能する。
【0052】
また、この地図表示システム10は、各種カテゴリに属するPOIの所在地やサービス内容などのPOI情報を提供するPOI情報配信サーバ50、音楽や各種画像などのコンテンツを提供する情報配信サーバ51などを備えて構成されている。地図配信サーバ30はPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0053】
本発明にかかる地図表示システム10は、上記の構成に限られるものではなく、地図配信サーバ30はナビゲーションサービス機能を持たない地図配信サーバであってもよく、また、地図表示端末20も携帯電話を用いることができ、またPDAや音楽プレイヤーなどの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。また、地図表示端末20と地図配信サーバ30とが一体になった車載用のナビゲーションシステムのようなスタンドアロンタイプのシステムであってもよい。
【0054】
地図表示端末20は現在位置や所望の地点を指定して地図配信サーバ30に当該現在位置や所望の地点を中心とした所定の範囲の地図情報を要求し、地図配信サーバ30から配信された地図情報に基づいて地図画像を表示手段に表示することができる。また、地図表示端末20は所望の興味対象場所(POI:Point of Interest)の検索を地図配信サーバ30に要求し、地図配信サーバ30から回答されたPOI検索結果から任意のPOIを指定して当該任意のPOIが存在する地点を含む地図情報を要求してその地図画像を表示手段に表示することもできる。
【0055】
更に、地図表示端末20は所望の出発地、目的地を指定して地図配信サーバ30に出発地から目的地までの最適経路やいくつかの候補経路の探索を要求し、地図配信サーバ30から、案内経路を含む地図情報を経路探索の結果として受信し、地図画像を表示手段に表示することもできる。
【0056】
地図配信サーバ30が地図表示端末20に配信する地図データには道路や交通機関の路線の他に、当該地図上の各地点に存在する施設や建物、例えば、銀行や郵便局、行政機関、ランドマーク、各種のPOIなどを示すオブジェクトの情報が含まれ、地図画像を表示手段に表示する場合にはこれらのオブジェクトを示すアイコンなどのオブジェクト画像が地図画像上に表示される。利用者は表示手段に表示された地図画像においてオブジェクト画像を参照してそのオブジェクトが地図上のどの位置に存在するかを知ることができる。
【0057】
また、地図表示端末20において表示手段にはカーソルを表示でき、表示された地図画像上のオブジェクト画像にカーソルを移動してクリック操作により任意のオブジェクト画像を選択することができる。オブジェクト画像が選択されると、該当するオブジェクトに関する情報ウィンドウが開き、オブジェクトに関する詳細な情報、例えば、オブジェクトがレストランである場合には、営業時間やサービス内容、料金などの詳細情報が表示できる。
【0058】
地図表示端末20からの種々の要求に応ずるため、地図配信サーバ30は、地図データベース38、経路探索のための探索用ネットワークデータベース35を備えている。地図データベース38に蓄積される地図データは、電子地図上にアイコンなどのオブジェクト画像を描画(表示)するので、地図データのタイプとしてはベクタ形式の地図データとするのが最適である。また、この地図データは、所定の緯度、経度単位でメッシュ状に区分された単位地図データからなり、携帯電話などの地図表示端末20から地図を要求された場合、現在位置や指定された地点を含むメッシュ状の単位地図データを中心として、その上下左右、斜め方向に隣接する9つのメッシュ状単位の地図データを携帯電話(地図表示端末)に配信する。
【0059】
また、経路探索のための探索用ネットワークデータベース35は、道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、ノードデータ、リンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)であるリンクコストデータから構成され、データベース化されたものである。交通機関のネットワークデータも駅をノードとし、駅と駅を結ぶリンクと、リンクとなる電車等の各車両の時刻表データ(発車時刻、到着時刻、所要時間)をリンクコストデータとして蓄積したものである。
【0060】
地図表示端末20から現在位置を指定し、あるいは所望の地点を指定してその地点を含む地図の配信要求を受信すると、地図配信サーバ30は地図データベース38から該当する地図データを読み出して地図表示端末20に配信する。この地図データとともに、該地図上に位置する各種の施設や建物、ランドマーク等のPOIを示すデータが配信され、地図表示端末20は表示手段に地図画像を表示するとともに地図画像上に各種のオブジェクト画像を描画する。
【0061】
地図配信サーバ30は、地図表示端末20からPOI検索要求を受信した場合はPOIデータベース(図示せず)を参照して該当するPOIを検索する。そして該当するPOIの位置や名称等のPOI案内情報を地図表示端末20に配信する。また、POI案内情報に基づいて、該POI位置を含む地図要求を受信した場合には、地図データベース38を参照して該当する地図データを地図表示端末20に配信する。
【0062】
また、地図表示端末20から現在位置を指定し、あるいは所望の地点を指定して前記POIまでの経路探索が要求された場合、地図配信サーバ30は探索用ネットワークデータベース35を参照して2地点間の候補経路を探索し、候補経路を案内経路として含む地図データを地図表示端末20に配信する。
【0063】
図2は、図1に示した地図配信サーバ30の構成を示すブロック図である。地図配信サーバ30は、制御手段31、配信データ編集手段32、通信手段34、経路探索手段33、探索用ネットワークデータベース35、POI検索手段36、地図データベース38などを備えている。探索用ネットワークデータベース35には、徒歩および自動車用の経路探索のための道路ネットワークデータ351と、交通機関を用いた経路探索のための交通ネットワークデータ352とを蓄積している。
【0064】
制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段34は、ネットワーク12を介して地図表示端末20や、各種のPOI情報を提供するPOI情報配信サーバ50等と通信するためのインターフェースである。配信データ編集手段32は、経路探索やPOI検索の結果を地図表示端末20に配信するためのデータに編集するためのものである。地図配信サーバ30は、ネットワーク12を介して各種のPOI情報配信サーバ50からPOIの情報を収集して地図データベース38に蓄積されたオブジェクトデータ382、集合オブジェクトデータ383を更新したり、拡充したりすることができる。
【0065】
先に説明したように、POIなどのオブジェクト(施設)はその地理上の位置を緯度・経度で表した位置情報を持っており、所定エリアの地図範囲に位置するオブジェクトデータはそのエリアの地図データとともに地図表示端末20に配信される。地図画像を表示する際、各オブジェクトは、その位置情報をもとに、地図画像上の該当位置にアイコン画像などのオブジェクト画像として表示される。そして所望のオブジェクト画像を選択することにより、そのオブジェクトの名称、電話番号を営業情報などの詳細なオブジェクト情報を表示させることができる。
【0066】
一般的な地図表示システムにおいては、ビルなどの施設ごとにオブジェクトを規定しており、ビル内にある個々の店舗などを個別のオブジェクトとして扱うようにはされていない。ビル内の多くの店舗を個別のオブジェクトとして扱うとオブジェクトの数が膨大になり、地図画像上に表示するオブジェクト画像の数も膨大になるからである。また、個別オブジェクトの緯度・経度はそれらの個別オブジェクトが存在するビルの緯度・経度と同じ位置情報を持つことになるから、地図画像上にオブジェクト画像が重なりあって密集して表示されることになり、本来の地図画像の観察がしづらくなるからである。
【0067】
本発明においては同じ位置情報を有する複数のオブジェクトが存在する大きなビルなどの施設を集合オブジェクトとして扱い、集合オブジェクト内の複数の個別オブジェクトの個々のオブジェクトデータを、集合オブジェクト画像上の上下方向の位置と対応つけてデータベースに蓄積する。図2において地図データベース38の集合オブジェクトデータ383はこのようにして蓄積したデータである。
【0068】
そして本発明においては、地図画像上に表示された集合オブジェクト画像を選択する場合、カーソルやマウス等の操作手段によりそのオブジェクト画像の表示画面の上下方向の位置を指定できるように構成する。このように構成すれば操作手段により指定されたオブジェクト画像上の位置に基づいてその位置に該当するオブジェクトを特定し、そのオブジェクトの詳細情報を集合オブジェクトデータから抽出して表示することができるようになる。この詳細については後述する。操作手段としては、マウスホイール、ジョグダイヤル、音量などを操作するボリュームダイヤルなどを用いることができる。
【0069】
POI検索手段36はPOIデータベースを備えて構成される。地図表示端末20によりPOIカテゴリ、地域などの検索条件が指定されると、POI検索手段36はPOIデータベースを参照して該当するPOI情報が検索され、地図表示端末20に配信される。POI検索手段36により検索されたPOIの場所を含む地図データが地図表示端末20から要求されると、該当する地図データに基づいてその地図上に存在する各種施設や建物、ランドマーク等のオブジェクトデータ、集合オブジェクトデータを抽出して地図表示端末20に地図データとともに配信する。
【0070】
地図表示端末20に送られる各種の情報、データ、例えば、地図データ、オブジェクトデータ、POI案内情報、案内経路の情報等は、必要に応じて配信データ編集手段32によって編集され、地図表示端末20に配信される。
【0071】
地図表示端末20は、図3に示すように、制御手段21、GPS処理手段22、処理要求手段23、操作・入力手段24、表示手段25、カーソル制御手段26、オブジェクト表示制御手段27、操作・入力制御手段28などを備えて構成されている。GPS処理手段22はGPS受信機を含んで構成され、GPS衛星の信号を受信、処理して地図表示端末20の現在位置を緯度・経度で測位する。また、制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。
【0072】
処理要求手段23は、操作・入力手段24や表示手段25に表示されるメニュー画面などを介して入力されるPOI検索条件や経路探索条件を編集して地図配信サーバ30に処理を要求するためのものである。地図配信サーバ30が要求に従って配信する地図データや、POI検索要求に従ってPOI検索した結果や経路探索した結果であるPOI情報、案内経路情報などは図示しない記憶手段に一時記憶される。この記憶手段に記憶された地図データ、POI情報や案内経路情報などの配信データは、必要に応じて読み出され、表示手段25に表示される。
【0073】
操作・入力手段24は、数字キーやアルファベットキー、カーソル操作キー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力のためのものであり、出力手段である表示手段25に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段25は操作・入力手段24の一部としても機能する。また、操作・入力手段24にはマウスなどの操作手段を備えている。
【0074】
この操作手段は、地図画像上に表示されたオブジェクト画像を選択するためにカーソルを移動して所望のオブジェクト画像を選択するためのものであり、特に選択するオブジェクト画像が集合オブジェクト画像である場合、カーソルをそのオブジェクト画像上に置き、マウスホイールを操作することにより集合オブジェクト画像上の縦方向(表示画面の上下方向)の位置を指定することができる。このような操作手段は、マウスホイールを有するマウスの他に、ジョグダイヤル、音量などを操作するボリュームダイヤルを用いて集合オブジェクト画像上の縦方向(表示画面の上下方向)の位置を指定するように構成することもできる。
【0075】
地図データベース38に記憶される地図データは、図4に示すように、所定の緯度、経度単位で地図エリアが分けられ、メッシュ状の単位地図データM11〜M33で構成される。この地図データが地図表示端末20に配信される場合には、地図表示端末20の現在位置PPを含む単位地図データM22を中心にして、その上下方向、左右方向、斜め方向に隣接する単位地図データM21、M23、M12、M32、M11、M13、M31、M33の合計9つの単位地図が配信される。地図表示端末20が移動して地図データが不足する場合は地図表示端末20の移動方向に基づいて地図配信サーバ30は不足分の単位地図データを配信する。地図表示端末20が特定の地点やPOIの位置を指定して地図データの配信要求された場合も同様である。
【0076】
図5は、一般的に用いられるベクトル地図データのデータフォーマットを示す図である。ベクトル地図データは図5に示すようにデータヘッダDH、ベクトル地図データ本体MPD、付加データADの各領域からなる。データヘッダDHには単位地図のメッシュ番号が設定され、ベクトル地図データ本体MPDには、道路を描画するための道路データやポリゴンデータが記録される。道路データは各道路リンクをベクトルで表したデータであり、道路種別(高速道路や国道などの種別)など道路の属性を示すデータを有する。
【0077】
付加データADには、地図描画において使用する文字情報や各種オブジェクトを表すオブジェクト、集合オブジェクトの情報を付加する。このオブジェクトや集合オブジェクトの情報には、それらの位置情報(緯度、経度)、対応するオブジェクト画像のIDや、オブジェクトの詳細情報を示すオブジェクト情報(テキストデータ)などが含まれる。地図表示端末20は、このような地図データを受信して表示手段25に地図画像、オブジェクト画像を表示する。
【0078】
図6は、地図データベース38に蓄積されるオブジェクトデータ382のデータ構成の一例を示す図である。各オブジェクトのデータはオブジェクトを識別するID番号(No.)とオブジェクトの所在位置を示す中心座標(緯度・経度)とオブジェクト画像を示すパレット画像番号からなる。そしてオブジェクトが集合オブジェクトである場合、フラグ「1」が、通常の(単一の)オブジェクトの場合、フラグ「0」がF欄に記録され、集合オブジェクトの場合には更に、個別オブジェクトの情報を蓄積した集合オブジェクトデータ383の詳細情報テーブルの位置情報が詳細TB欄に記憶される。
【0079】
図7は、集合オブジェクトデータ333のデータ構成の一例を示す図である。各集合オブジェクトは詳細TBごとに、その集合オブジェクト内に所在する個別オブジェクトのID、所在フロア、集合オブジェクト画像上の位置(表示される集合オブジェクト画像の縦方向すなわち表示画面における上下方向の位置)、その個別オブジェクト名称、電話番号、営業情報などの詳細情報が蓄積されている。
【0080】
例えば、図7において、集合オブジェクト「****01」内の個別オブジェクト「M1」は地下1階「B1F」に所在しており、その集合オブジェクト画像上の位置は「000」であることを示している。従って、カーソルでこの集合オブジェクト画像を指定し、マウスホイールを操作して集合オブジェクト画像上の上下方向の位置「000」指定すれば、個別オブジェクト「M1」の詳細情報を特定することができ、この詳細情報を情報ウィンドウにテキスト表示することができる。
【0081】
地図画像やオブジェクト画像は地図表示端末20の表示手段25の地図表示画面に表示される。図8は、地図表示のためのブラウザ画面の構成を示す図である。図8に示すように、ブラウザ画面には地図を表示する地図表示領域210が設けられており、地図表示領域210の右上部にはスクロールバー212が表示される。また、メニューを表示するためのボタンである「メニュー」220、ルート検索を指定するためのボタンである「ルート検索」221、地図表示領域210に表示した地図上の周辺のPOIを検索するためのボタンである「周辺検索」222が表示される。「ルート検索」221、「周辺検索」222は、地図配信サーバ30が経路探索機能、POI検索機能を備えている場合に表示される。
【0082】
勿論、地図配信サーバ30は、経路探索機能やPOI検索機能を備えず、地図情報のみの検索サービスを提供するサーバであってもよい。また、ルート検索やPOI検索は地図配信サーバ30がPOI情報配信サーバ50や図示されていない経路探索サーバに要求をして結果を取得するようにしてもよい。また、地図表示画面は地図配信サーバ30から提供される図8に示すブラウザ画面を使用する構成でなく、地図表示端末20に用意された独自の地図表示画面を用いて地図画像等を表示する構成とすることもできる。
【0083】
また、このブラウザ画面には、地図検索のための入力ボックス230と、入力ボックス230に入力した条件で地図配信サーバ30に地図検索を指示するための「検索」ボタン231が表示され、また、バナー広告を表示するためのバナー広告の表示領域250が設定されている。地図表示端末20が所望のPOIを指定して地図を特定した場合には、該当するPOIの位置にそのPOIを示すオブジェクト画像(アイコン画像)が表示され、利用者がこのオブジェクト画像をクリックして選択すると情報ウィンドウが開き、POIの名称、住所、電話番号、営業時間や営業内容などのオブジェクト情報が表示される。
【0084】
図9は、集合オブジェクトを示す集合オブジェクト画像MI(アイコン画像)の一例を示す図である。図10は、操作・入力手段24に含まれる操作手段として用いられるマウス241の外観を示す図である。マウス241はよく知られているように下面にトラックボールを有しており、マウスを移動させることによって回転するトラックボールの移動量、移動方向に応じて表示画面上に表示されたカーソルを移動させ画面上の任意の位置を選択することができる。
【0085】
また、トラックボールを回転させて移動したカーソル位置において、マウス241に設けられたマウスホイール242を回転させるとその回転量に従って縦方向の移動量を決定することができる。従って、マウス241を操作して地図画像上に表示された図9に示す集合オブジェクト画像MIにカーソルを移動し、その集合オブジェクト画像上でマウスホイール242を回転させ、集合オブジェクト画像上の所望の位置を指定することができる。なお、マウス241は光学マウスであってもよく、その場合、トラックボールの回転によりマウス241の移動量を判別する構成でなく、光学的にマウス241の移動量を検出する。
【0086】
図11は地図表示画面に表示された地図画像の一例を示す図である。図11には道路RD1と道路RD2が表示され、集合オブジェクト画像MI1〜MI3の3つの集合オブジェクトがそれぞれ地図画像上の所在位置に表示されている。地図画像上にはカーソル244が表示され、マウス241を操作することによりカーソル244を所望の位置に移動させ、画面上に表示された各種のオブジェクトを選択することができる。通常の地図表示システムにおいは、カーソル244が表示される初期位置は表示画面の中央であり、一般的には表示画面の中央を地図表示端末20の現在位置として地図画像が表示される。特定のPOIの位置に基づいて地図データを要求した場合には、当該特定のPOIの所在位置を中心として地図画像が表示される。
【0087】
図12は、図11の地図画像表示画面において、マウス241を操作して集合オブジェクトMI2を選択した場合の表示画像の一例を示す図である。カーソル244はマウス241の操作により集合オブジェクト画像MI2上に位置している。この状態でマウスホイール242を回転することにより、集合オブジェクト画像MI2上の縦方向(表示画面の上下方向)の位置を指定する。この時、マウスホイールの回転に応じて変化する集合オブジェクト画像MI2上の該当位置の部分の画像を他の部分と異なる色で強調表示すると利用者が画像上のどの部分を指定しているかを判別し易くなる。
【0088】
カーソル244を集合オブジェクト画像MI2上に移動してマウスホイール242を回転させると、操作・入力制御手段28(図3参照)はマウスホイール242の回転量を検出し、集合オブジェクト画像MI2上の上下方向の移動量に換算して集合オブジェクト画像MI2上の位置を特定する。オブジェクト表示制御手段27はその部分の表示色を変える。図12においては、マウスホイール242の回転量が集合オブジェクト画像MI2のビル画像の1階部分を指定した例を示しており、この位置情報に従って集合オブジェクトデータの1階相当部分に所在している個別オブジェクトの詳細情報(図7参照)が特定され情報ウィンドウWIN内にテキスト表示される。
【0089】
図13は、図11の地図画像表示画面において、マウス241を操作して集合オブジェクトMI2を選択した場合の表示画像の他の一例を示す図である。カーソル244はマウス241の操作により集合オブジェクト画像MI2上に位置している。この状態でマウスホイール242を回転することにより、集合オブジェクト画像MI2上の25階相当位置が特定された場合、情報ウィンドウWIN0に示すように集合オブジェクトであるこのビルの25階相当部分に所在している個別オブジェクトの個別オブジェクト詳細情報が表示される。また、マウスホイール242を回転して集合オブジェクト画像MI2の地下1階(B1F)相当位置が特定された場合、情報ウィンドウWINに示すように集合オブジェクトであるこのビルの地下1階(B1F)相当部分に所在している個別オブジェクトの個別オブジェクト詳細情報が表示される。
【0090】
この時、個別オブジェクト詳細情報を表示する位置は、集合オブジェクト画像MI2の一定の画像位置から吹き出し表示するようにしてもよく、図13に示す情報ウィンドウWIN0、WINのように集合オブジェクト画像MI2上の25階相当部分や地下1階相当部分の画像位置から吹き出し表示するようにすることもできる。このように表示すれば、利用者はマウスホイールを操作して特定した集合オブジェクト画像MI2上の位置を確認することもできる。
【0091】
図14は、以上説明した本発明にかかる地図表示システム10における地図画像の表示処理の動作手順を示すフローチャートである。地図表示端末20から所望の地点を指定して地図画像の表示が要求されると、地図配信サーバ30は地図表示端末20から要求された地図情報、オブジェクトデータ、集合オブジェクトデータを地図データベース38から読み出し、地図表示端末20に配信する。地図表示端末20はステップS101の処理において図8に示すブラウザ画面を用いて地図画像を表示する。
【0092】
次いでステップS102の処理において、オブジェクト表示制御手段27はブラウザ画面に表示された地図画像上のそれぞれの位置にオブジェクト画像および集合オブジェクト画像を描画して表示する。ステップS103の処理では、カーソル制御手段26はマウス241を操作して地図画像上に表示された特定のオブジェクト画像(集合オブジェクト画像を含む)が選択されたか否かを判別する。オブジェクト画像が選択されていなければステップS109の処理に進む。
【0093】
ステップS103の処理においてカーソル移動により地図画像上に表示された何れかのオブジェクト画像が選択されたことを判別すると、ステップS104の処理においてカーソル制御手段26はカーソル244で選択されたオブジェクト画像が集合オブジェクト画像であるか否かを判別する。カーソル244で選択されたオブジェクト画像が集合オブジェクトでなければ、ステップS107の処理に進み、選択したオブジェクト画像に該当するオブジェクトデータに基づいて、オブジェクト詳細データをメモリから読み出す。ここでいうメモリは地図表示端末20が地図配信サーバ30から受信した地図データ(オブジェクトのデータを含む)を一時記憶したメモリである。
【0094】
ステップS104の判別処理において、カーソル244で選択したオブジェクト画像が集合オブジェクト画像であることが判別されると、ステップS105の処理において、操作・入力制御手段28は、マウスホイール242が操作されたか否かを判別する。マウスホイール242が操作されなければステップS109の処理に進む。この場合ステップS109の処理に進む前に選択したオブジェクト画像が集合オブジェクト画像であり、マウスホイール242の操作によってビル内の個別オブジェクトの詳細情報が表示される旨のコメントを表示してもよい。
【0095】
一方、ステップS105の判別処理において、マウスホイール242の操作がなされたと判別されると、ステップS106の処理に進み、操作・入力制御手段28はマウスホイール242の回転量を判別し、集合オブジェクト画像上の上下方向の位置を特定する。この場合、カーソル244で集合オブジェクト画像が選択された初期状態ではマウスホイールの初期値をその集合オブジェクト画像の最下部を基準位置にして、マウスホイール242の操作方向と回転量に従って画像上の位置を算出するように構成する。
【0096】
ステップS106の処理において集合オブジェクト画像上の上下方向の位置が特定されると、その位置に該当する個別オブジェクトのオブジェクト詳細データをメモリから読み出す。ステップS108の処理において、オブジェクト表示制御手段27は情報ウィンドウWINを開き、オブジェクト(集合オブジェクトの場合は個別オブジェクト)の詳細情報をテキスト表示する(図12、図13参照)。
【0097】
そしてステップS109の処理において地図表示が終了されたか否かを判別し、地図表示の終了処理があれば処理を終了し、終了でなければステップS101の処理に戻る。この間に、表示された地図画像のスクロール処理があれば、ステップS101の処理に戻り、地図画像をスクロール表示する。
【0098】
上記の実施例においては、地図画像を表示するための構成として、地図配信サーバ30から提供される図8に示すブラウザ画面を使用する構成、あるいは、地図表示端末20に用意された独自の地図表示画面を用いて地図画像等を表示する構成である場合を説明したが、この場合、地図表示端末20にマウスホイール242の移動量を検出する手段を備えていればよい。
【0099】
上記の構成の他、地図配信サーバ30から提供されるブラウザ画面を使用する構成の場合、エイジャックス(登録商標)(Ajax:Asynchronous Java(登録商標)Script+XML)と呼ばれるウェブブラウザに実装されているJava(登録商標)scriptのHTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信機能を使って、マウスホイール242の操作量を地図表示端末20から地図配信サーバ30に非同期で送信し、地図画像を地図配信サーバ30において表示処理し、地図表示端末20のブラウザ画面にこれを表示するように構成することもできる。
【0100】
従来、ウェブブラウザを使ったウェブアプリケーションでは、データをサーバに通知して処理結果を得るためにはページ全体を再読込しなおさなければならず、ネイティブアプリケーションのような操作性を得ることは難しかった。Ajax(エイジャックス)では、指定したURL(Uniform Resource Locator)からXMLドキュメントを読み込む機能を使い、ユーザの操作や画面描画などと並行してサーバと非同期に通信を行なうことで、サーバの存在を感じさせず、シームレスなウェブアプリケーションを実現することができる。
【0101】
図15は、XML非同期通信手段として前述のエイジャックスエンジンを実装したクライアント・サーバシステムの構成を本発明にかかる地図表示システムに適用した構成を示す概念図であり、図16は、図15のクライアント・サーバシステムにおけるクライアントとサーバ間の通信手順の概念を示すシーケンス図である。
【0102】
図15に示すように地図表示端末20にはウェブブラウザ(WEBブラウザ)141がインストールされており、ユーザインタフェース142はウェブブラウザ141によりウェブページを表示する表示手段と、キーボードやマウスなどの入力手段により構成され、ユーザはユーザインタフェース142により所望のサーバを指定して地図配信サーバ30上に設けられたウェブページをダウンロードする。そして表示手段25(図3参照)に表示されたウェブページの表示画像を操作・入力手段24により操作して、所望の要求をサーバに送り、サーバからその処理結果を受信する。また、地図表示端末20はXML非同期通信手段としてエイジャックスエンジン143を実装している。
【0103】
地図表示端末20はダウンロードしたウェブページを表示手段25に表示し、表示されたオブジェクト画像を指定したり、検索条件を入力したりして地図配信サーバ30に対してHTTPリクエストを送信する。地図配信サーバ30は、地図表示端末20から送信されたHTTPリクエストに基づく処理を行い、HTTPレスポンスを地図表示端末20に返す。HTTPレスポンスではHTTPリクエストに応じて地図配信サーバ30が処理した結果が地図表示端末20に送られる。地図配信サーバ30はプロセッサを中心に構成されるコントローラ151を備え、地図配信サーバ30から要求された処理を実行する。
【0104】
図16は、このような地図表示端末20と地図配信サーバ30との間の通信手順の概念を示している。図16において横軸は時間tを示し、Aは地図表示端末20の処理、Bは地図配信サーバ30の処理を示している。地図表示端末20でウェブブラウザ141を用いてユーザアクション(ユーザ操作)が行われ、地図配信サーバ30にHTTPリクエストが送信される。地図配信サーバ30は、HTTPリクエストに従ってサーバ処理(サーバプロセス)を行い、要求された処理を完了すると、HTTPレスポンスを地図表示端末20に返す。
【0105】
地図表示端末20は地図配信サーバ30からHTTPレスポンスを受信するまでの間、図16のXtに示す時間に、エイジャックスエンジン143を用いてウェブページのリロードを伴わずに地図配信サーバ30とXML(eXtensible Markup Language)形式のデータのやり取りを行なって処理を進めていくことができる。すなわち、地図表示端末20は非同期で地図配信サーバ30と通信することができる。
【0106】
このようにエイジャックスエンジンを搭載したアプリケーションでは、地図表示端末20側でユーザのアクションを受けつつ、バックグラウンドで地図配信サーバ30側との通信を行うことができる。これが非同期通信と呼ばれる技術であり、これにより従来のウェブブラウザと異なり地図表示端末20の待ち時間を必要としない処理が可能となる。本発明においては、このような非同期通信を用いて地図表示端末20におけるマウスホイールの検出位置を地図配信サーバ30に送信することができる。
【0107】
また、Java(登録商標)ScriptのHTTP通信機能自体は同期通信にも非同期通信にも対応しており、受信するデータ形式もXMLとプレーンテキストの両方を選べるため、プレーンテキストを同期通信する従来型のウェブアプリケーションを、ページ遷移を伴わずに実現するといったことも可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上、説明したように本発明にかかる地図表示システムによれば、同じ施設内に複数存在する個別オブジェクトの各々を地図画像上に表示された集合オブジェクト画像上の位置に対応つけておき、マウスホイールなどの操作手段で集合オブジェクト画像上の位置を指定しその位置が該当する個別オブジェクトの詳細情報を表示することができるので、新たなインターネット上の地図サイトが提供するサービスの発展に貢献することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明にかかる地図表示装置を含むナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の地図表示装置に接続される地図配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の地図表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】一般的な地図データにおける単位地図(エリア)の構成を示す説明図である。
【図5】一般的なベクトル地図データのデータフォーマットを示す説明図である。
【図6】オブジェクトデータの構成の一例を示すデータ構成図である。
【図7】集合オブジェクトデータの構成の一例を示すデータ構成図である。
【図8】地図表示端末の表示手段に表示される地図表示画面の構成を示す図である。
【図9】集合オブジェクトを示す集合オブジェクト画像の一例を示す図である。
【図10】操作・入力手段に含まれる操作手段として用いられるマウスの外観図である。
【図11】地図表示画面に表示された地図画像の一例を示す図である。
【図12】集合オブジェクト画像が選択された場合の表示画像の一例を示す図である。
【図13】集合オブジェクト画像が選択された場合の表示画像の他の一例を示す図である。
【図14】本発明にかかる地図表示システムにおける地図画像の表示処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】XML非同期通信手段としてエイジャックスエンジンを実装したクライアント・サーバシステムの構成を示す概念図である。
【図16】図15のクライアント・サーバシステムにおけるクライアントとサーバ間の通信手順の概念を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0110】
10・・・・地図表示システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・地図表示端末
21・・・・制御手段
22・・・・GPS処理手段
23・・・・処理要求手段
24・・・・操作・入力手段
25・・・・表示手段
26・・・・カーソル制御手段
27・・・・オブジェクト表示制御手段
28・・・・操作・入力制御手段
30・・・・地図配信サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・配信データ編集手段
33・・・・経路探索手段
34・・・・通信手段
35・・・・探索用ネットワークデータベース
351・・・道路ネットワークデータ
352・・・交通ネットワークデータ
36・・・・POI検索手段
38・・・・地図データベース
381・・・ベクトル地図データ
382・・・オブジェクトデータ
383・・・集合オブジェクトデータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースと、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示システムにおいて、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示システムは更に、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする地図表示システム。
【請求項2】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項5】
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の地図表示システム。
【請求項6】
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の地図表示システム。
【請求項7】
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の地図表示システム。
【請求項8】
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを配信する地図配信サーバに接続される地図表示端末において、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示端末は、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示し、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする地図表示端末。
【請求項9】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする請求項8に記載の地図表示端末。
【請求項10】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項8に記載の地図表示端末。
【請求項11】
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項8に記載の地図表示端末。
【請求項12】
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項11に記載の地図表示端末。
【請求項13】
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項11に記載の地図表示端末。
【請求項14】
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項11に記載の地図表示端末。
【請求項15】
地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示端末に地図データとオブジェクトデータを配信する地図配信サーバにおいて、
前記地図配信サーバは、地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを前記地図表示端末に配信することを特徴とする地図配信サーバ。
【請求項16】
前記地図表示端末は、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段を備え、前記カーソルにより集合オブジェクトを選択し、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作が可能な地図表示端末であって、
前記地図配信サーバは、前記地図表示端末における操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作に基づく操作量を検出し、前記操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出してブラウザを介して前記地図表示端末の表示手段に表示させることを特徴とする請求項15に記載の地図配信サーバ。
【請求項1】
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースと、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示システムにおいて、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示システムは更に、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする地図表示システム。
【請求項2】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項5】
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の地図表示システム。
【請求項6】
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の地図表示システム。
【請求項7】
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の地図表示システム。
【請求項8】
地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを配信する地図配信サーバに接続される地図表示端末において、
前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、
前記地図表示端末は、地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段と、操作・入力制御手段と、を備え、
所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示し、
前記カーソルにより集合オブジェクトが選択され、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作がなされた際に、前記操作・入力制御手段は操作・入力手段の操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記オブジェクト表示制御手段は、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出して表示手段に表示することを特徴とする地図表示端末。
【請求項9】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に合わせて情報ウィンドウを吹き出し表示し、該情報ウィンドウ内に該当する個別オブジェクトのオブジェクト情報を表示することを特徴とする請求項8に記載の地図表示端末。
【請求項10】
前記オブジェクト表示制御手段は、前記集合オブジェクト画像を所定の表示態様で表示し、前記操作・入力制御手段が特定した前記集合オブジェクト画像の位置に基づいて該集合オブジェクト画像の該当部分の表示態様を前記所定の表示態様と異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項8に記載の地図表示端末。
【請求項11】
前記集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段は、前記集合オブジェクト画像上の表示画面にける上下方向の位置を指定する操作手段であり、前記操作・入力制御手段は前記操作手段の操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項8に記載の地図表示端末。
【請求項12】
前記操作手段はマウスホイールであり、前記操作・入力制御手段は前記マウスホイールの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項11に記載の地図表示端末。
【請求項13】
前記操作手段はジョグダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ジョグダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項11に記載の地図表示端末。
【請求項14】
前記操作手段はボリュームダイヤルであり、前記操作・入力制御手段は前記ボリュームダイヤルの操作量を検出し、該操作量に基づいて前記集合オブジェクト画像上の表示画面における上下方向の位置を特定することを特徴とする請求項11に記載の地図表示端末。
【請求項15】
地図画像を表示する表示手段と、オブジェクトの所在位置に従って地図画像上にオブジェクト画像を表示するオブジェクト表示制御手段と、を備え、所望のオブジェクト画像上にカーソルを移動して該オブジェクト画像を選択する操作が行われると当該オブジェクトに関するオブジェクト情報を表示する地図表示端末に地図データとオブジェクトデータを配信する地図配信サーバにおいて、
前記地図配信サーバは、地図データと、各オブジェクトごとにその位置情報とオブジェクト画像データとオブジェクト情報とを記録したオブジェクトデータと、を蓄積した地図データベースを備え、前記オブジェクトは、同一の位置情報を有する複数の個別オブジェクトからなる集合オブジェクトを含み、該集合オブジェクトに含まれる各個別オブジェクトのオブジェクト情報は、集合オブジェクト画像の位置に対応付けて前記オブジェクトデータとして記憶され、地図表示端末から要求された所定範囲の地図データとともに当該地図データに該当するエリアに所在するオブジェクトのオブジェクトデータを前記地図表示端末に配信することを特徴とする地図配信サーバ。
【請求項16】
前記地図表示端末は、集合オブジェクト画像上の位置を指定するための操作・入力手段を備え、前記カーソルにより集合オブジェクトを選択し、操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作が可能な地図表示端末であって、
前記地図配信サーバは、前記地図表示端末における操作・入力手段により該集合オブジェクト上の位置を指定する操作に基づく操作量を検出し、前記操作量に基づいて該集合オブジェクト上の位置を特定し、前記特定された集合オブジェクト上の位置に対応する個別オブジェクトのオブジェクト情報を抽出してブラウザを介して前記地図表示端末の表示手段に表示させることを特徴とする請求項15に記載の地図配信サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−71206(P2008−71206A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−250101(P2006−250101)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
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