説明

基板を処理するためのシステムおよび方法

少なくとも1つの基板(5)を真空プロセスにて処理するための少なくとも1つの処理チャンバ(1)を備えた、基板を処理するためのシステムであって、前記処理チャンバ(1)は、閉鎖ボディ(15)にて閉鎖することができる基板アクセス(13)を備え、このシステムは、少なくとも前記閉鎖ボディ(15)を移動させるように構成された運搬デバイス(8)を備え、この運搬デバイス(8)は、前記基板(5)を前記真空プロセスの際に少なくとも部分的にカバーするためのマスク(4)を、少なくとも前記処理チャンバ(1)の外側のある位置と前記処理チャンバ(1)の内側のある位置との間で運搬するように構成される。少なくとも前記基板ホルダ(2)に、基板ホルダ(2)とマスク(4)とを互いに位置決めするための手段が提供された場合は、有利である。本発明は、更に、このようなシステムの使用に係る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理するためのシステムに関する。このシステムは、少なくとも1つの基板を真空プロセスにて処理するための少なくとも1つの処理チャンバを備え、この処理チャンバは、閉鎖ボディにて閉鎖することができる基板アクセスを備え、このシステムは、少なくともこの閉鎖ボディを移動させるように設計された運搬デバイスを備えている。
【背景技術】
【0002】
このようなシステムが慣行から知られている。この真空プロセスは、様々なタイプのプロセス、例えば、堆積プロセスであっても、エッチングプロセスであっても、蒸発プロセスであっても、分子バンドルエピタキシ(molecular bundle epitaxy)であっても、PVDであっても、CVDであっても、PE−CVDであっても、プリンティングであっても、硬化その他であっても良い。このように知られているシステムにおいては、基板は、この処理チャンバ内に、基板アクセス(substrate access)を介して運び込まれる。この基板アクセスが、次に、基板処理の際に処理チャンバから幾つかの処理物質が漏れ出るのを防止するために、及び/又は処理チャンバをある所望の圧力に維持するために、密封的に閉鎖される。この後に、処理が開始される。基板処理の際の基板アクセスの閉鎖は、例えば、本出願人の名前にて出願された未公開の欧州特許出願第03076554.9号明細書から知られている、基板ホルダ(substrate holder)によって遂行しても良いが、この出願もここに参照のために挿入されるべきものと理解されたい。
【0003】
加えて、この処理チャンバの密封的な閉鎖は、処理チャンバ内に基板が運び込まれていないときにも、例えば、処理チャンバの保守の際にも、及び/又は処理チャンバの外側においてこの基板アクセスに結合されている真空基板運搬空間(vacuum conveying space)の汚染を防止するためにも、要求される。この場合は、基板アクセスを、運搬デバイスにて移動可能な閉鎖ボディにて閉鎖することもできる。
【0004】
幾つかのケースにおいては、更に、基板の一部を、とりわけ基板を、例えば、局所的に材料層を塗布する目的で、局所的に処理するために、カバーすることが要求される。これは、通常は、マスクを、処理チャンバ内の、基板の前面の、基板カバー位置(substrate covering position)に置くことで達成される。このようなマスクは、好ましくは、例えば、マスクをこれが汚染されたとき洗浄するために及び/又は、異なるように設計されたマスクの使用が必要とされるときに、交換できるようなものとされる。マスクの基板に対する正確な位置決めはしばしば困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、冒頭の段落において説明されたシステムの改善を意図する。とりわけ、本発明は、それによってマスクを比較的簡単かつ素早く交換することができるシステムを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、冒頭に説明されたタイプのシステムは、本発明によると、運搬デバイス(conveying device)は、前記基板を前記真空プロセスの際に少なくとも部分的にカバーすることを意図されたマスクを、少なくとも前記処理チャンバの外側のある位置と前記処理チャンバの内側のある位置との間で運搬するように構成されたことを特徴とする。
【0007】
この運搬デバイスは、この基板を真空プロセスの際に少なくとも部分的にカバーすることを意図されたマスクを、少なくとも、この処理チャンバの外側のある位置とこの処理チャンバの内側のある位置との間で運搬するように構成される。こうして、この運搬デバイスは、少なくとも2つの機能、すなわち、閉鎖ボディを運搬する機能と、マスク運搬機能とを有する。運搬デバイス(conveying device)なる用語は、示される典型的な実施形態を含むのみならず、例えば、第一は閉鎖ボディを運搬し、他方はマスクを運搬する、互いに独立的に駆動可能な、2つのマニピュレータを提供された運搬デバイスも含む。この運搬デバイスにより、マスクを、簡単に、この処理チャンバ内に運び込んだり、取り出したりすることができる。更に、こうして、このシステムは、比較的簡単かつコンパクトな設計を有することができる。
【0008】
このシステムは、好ましくは、この処理チャンバの外側に配置された、マスクを交換するためのマスク真空ロック(mask vacuum lock)を提供され、一方、運搬デバイスは、マスクを、処理チャンバからこの真空ロック内へと及びこの逆方向に運搬するように構成される。この真空ロックを用いることで、この処理チャンバ内の圧力を、マスクの交換の際に、ある所望の比較的低いレベルに維持することができ、こうして、この処理チャンバの汚染を、マスク交換の際に十分に防止することができる。
【0009】
本発明の1つの更なる工夫によると、この運搬デバイスが、これらマスクと閉鎖ボディとを実質的に同時に保持するように構成された場合は、とりわけ有利である。こうすることで、マスクと閉鎖ボディを実質的に同時に移動することが可能となり、このために、マスクの交換を比較的素早く遂行することが可能となる。このマスクを、例えば、運搬デバイスにて処理チャンバから運び出し、同時に、この閉鎖ボディを処理チャンバ内へと移動させること、又はこの逆方向に移動させることが可能となる。ここで、このマスクの移動をこの閉鎖ボディの移動によって妨害されることは、ほとんどないか、比較的わずかしかない。この運搬デバイスが、マスクの搬送と開閉ボディの移動の目的のために必要とされる空間が比較的少なくて済むように、マスクと閉鎖ボディとをある共通の運搬方向に移動するように構成された場合は、更に有利である。
【0010】
この運搬デバイスは、マスク及び閉鎖ボディとの移動の目的のために、様々な対応で設計しても良い。本発明によると、この運搬デバイスに、これらマスクと閉鎖ボディを保持するように構成された移動可能な運搬フレームが提供された場合は、有利である。この場合は、この処理チャンバは、例えば、この運搬フレームの少なくとも一部を、そこを通じて移動させるための、少なくとも1つのフレーム通路を提供しても良い。
【0011】
加えて、本発明は、本発明によるシステムの目的に対する運搬デバイスを提供する。この運搬デバイスは、例えば、基板処理システム内に、これに対して上述の利点を提供するために、提供しても良い。
【0012】
本発明は、更に、本発明によるシステムを利用して基板を処理するための方法を提供する。ここでは、前記少なくとも1つの基板が前記処理チャンバ内に置かれ、この基板の処理されるべき表面の一部が前記マスクによってカバーされ、次に、真空プロセスがこの処理チャンバ内において、少なくともこの基板表面の、このマスクによってカバーされていない部分を処理するために、遂行される。この方法は、本発明によって提供されるシステムを、有利なやり方にて使用する。この方法によると、この少なくとも1つの基板は、この処理チャンバ内に置かれる。この基板の処理されるべき表面の一部がこのマスクによってカバーされる。次に、真空プロセスが、この処理チャンバ内において、少なくとも、この基板表面のこのマスクによってカバーされていない部分を処理するために、遂行される。このマスクは、この運搬デバイスを介して、比較的素早くかつ簡単に交換することができる。
【0013】
このシステムは、更に、それによると基板をマスクに対して比較的単純に、正確に、かつ、素早く位置決めすることができるようなシステムを意図する。
【0014】
この目的に対して、本発明による1つの処理システムは、それが少なくとも1つの処理チャンバと、少なくとも1つの基板をこの処理チャンバ内に維持するように構成された少なくとも1つの移動可能な基板ホルダとを備えることを特徴とし、このシステムは、マスクを、この処理チャンバ内の、この基板の少なくとも一部をカバーするための基板カバー位置に維持するように構成されたマスク保持手段を備え、少なくともこの基板ホルダは、この基板ホルダとこのマスクとを互いに位置決めするための、位置決め手段を備えている。少なくともこの基板ホルダに、基板ホルダとマスクとを互いに位置決めするための位置決め手段を備えるために、基板とマスクとを、比較的単純に、かつ、正確に互いに位置決めすることができる。
【0015】
本発明は、更に、このようなシステムの使用に係る。ここでは、前記基板は、前記基板ホルダ上のある所望の位置に置かれ、これら基板ホルダとマスクとが、次に、前記位置決め手段を利用して互いに位置決めされる。基板が、最初に、基板ホルダに対して位置決めされる。次に、この基板ホルダを、この基板とともに、前記処理チャンバ内に運び込み、前記マスク保持手段上に位置決めすることができる。ここでは、基板は、マスクに対して、前記位置決め手段にて、比較的簡単に、好ましくは、自動的に、位置決めされる。
【0016】
本発明の更なる詳細がサブクレーム内に説明されている。以下では、本発明が、1つの典型的な実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1乃至図3は基板を処理するための真空システムを示す。このシステムは、とりわけ、比較的平坦な及び/又は薄い基板、例えば、ディスク状の基板、半導体基板、光データ搬送基板、ディスプレイ、三次元基板等を処理するように構成される。このシステムは、好ましくは、欧州特許出願第03076554.9号明細書からの知られている基板運搬システムに従って設計される基板運搬手段19,20,21を含む。このような基板搬送システム1つの利点は、これが比較的多数の基板を1つ又は複数の要求される真空処理に比較的短時間に服させるために用いることができることである。
【0018】
この典型的な実施形態においては、この運搬システムは、真空運搬空間12を取り巻く、2つの平行に配列された細長い運搬チャンバ14a、14bを含む。これら2つの運搬経路14a、14bの運搬空間12はこれらの両端の所で基板運搬ステーション(substrate transfer stations)25を介して互いに結合される。基板5は、これら運搬空間12と運搬ステーション25を通じて移動可能な、垂直に置かれた基板ホルダ2を介して、実質的に垂直位置に維持される。この垂直基板位置は、これら基板5の汚染を防止するために有利である。
【0019】
図1から3に示されているこれら運搬経路14aの前面側には、おのおのが対応する処理チャンバ1へのアクセスを形成する5つの開口13が設けられている。明快さの目的で、これら処理チャンバ1は、図1乃至図3には示されていない。ある処理チャンバ1の、これら運搬経路14aに対する配置は、図4および図5に簡略的に示されている。これら処理チャンバ1は、おのおのこれら基板5をある特定の処理に服させる働きをする。基板ホルダ2は、基板5を、処理チャンバ1内において実質的に垂直位置に保つとと同時に基板アクセス13を同時的に遮断するように構成されるが、この状態が図5に示されている。この遮断の目的のために、各基板ホルダ2は、図6および図7に示されている閉鎖セクション48を提供される。この前面運搬経路14aは、基板5を大気圧環境から真空システムに運び込むため及びそこからこれらを取り出すための真空ロック(vacuum lock)28を備えている。
【0020】
図6に示すように、基板ホルダ2は、その上に存在する基板5を位置決めするための基板位置決め手段(substrate positioning means)40,41を備えている。この典型的な実施形態においては、これら基板位置決め手段は、この上に基板5の下側42を置くことができる2つの偏心的に回転可能な支持ローラ40aを含む。第三の偏心的に回転可能なローラ40bが基板を縦側43で支持するために設けられる。加えて、これら基板位置決め手段は、この基板5を、これら支持ローラ40に対して、ばねの力によって、基板の反対側44,45を利用して、固定するように構成されたバネ41を有する。勿論、この基板ホルダ2に、この基板の位置決めを遂行するための様々な異なる手段を設けても良い。
【0021】
これら支持ローラ40a、40bを回転させることで、基板5を、基板ホルダ2に対して、比較的正確に、例えば、基板5のマーカ46が基板ホルダ2のマーカ47に対してXとY方向において要求される距離の所まで移動されるように、位置決めすることができる。この位置決めの目的に対して、これら基板5と基板ホルダ2には、様々なタイプの整合手段、例えば、光学整合手段、マーカ、光源、光検出器、機械的整合手段等を設けても良い。
【0022】
図4と図5に示すように、基板運搬路14aは、これら基板ホルダ2の下部構造(undercarriages)19を、真空空間12内を通じて案内するためのレール20を備えている。このシステムは、各基板ホルダ2を、これらレール20に沿って移動させるための磁気手段26を、とりわけ、この運搬経路14の外側に配置されたコイル21と、この下部構造19上に提供された磁石26とを含む。各基板ホルダ2は、対応する下部構造19に、水平方向Hに、とりわけトグルレバーシステム(toggle lever system)22を介して、移動可能なように結合される。勿論、これは、多くの異なる対応で設計しても良い。処理チャンバ1との関連では、これらレバーシステム22は、第一のアクチュエータ3にて、基板ホルダ2を、処理チャンバ1の基板アクセス13に対して押しつけ、このアクセス13を外部から遮断するように動作可能である。これらアクチュエータ3は、例えば、これらチャンバ14aと下部構造19との両方に固定しても良い。
【0023】
各処理チャンバ1は、更に、少なくとも図4に示される閉位置においては、基板アクセス13をその内側から密封的に閉鎖し、開位置においては、基板アクセス13を開放するための閉鎖ボディ15を備えている。加えて、これら基板ホルダ2と閉鎖ボディ15は、基板アクセス13を両側において同時に閉鎖し、一方、基板5は基板ホルダ2にて基板アクセス13内に保たれるように構成される。
この閉鎖ボディの開位置が図5に示されている。この開位置においては、この閉鎖ボディ15は、基板アクセス13と対面するように延びる上側位置(図示されてない)と、図5に示されている下側位置との間で移動可能である。この下側位置においては、この閉鎖ボディ15は基板アクセス13と対面するようには延びず、処理チャンバ1の下に配置された受けチャンバ(receiving chamber)16内に置かれる。処理チャンバ1には、この閉鎖ボディ15を、閉位置と開位置の上側位置との間で水平方向Hに移動させるための第二の線形アクチュエータ23を提供される。
【0024】
このシステムには、この閉鎖ボディ15のこの垂直移動を遂行するための複数の運搬デバイス(conveying device)が設けられている。各運搬デバイスは、垂直方向に延びる運搬フレーム8を含むが、これは、上側フレーム位置と下側フレーム位置との間で、縦フレーム方向Vに移動可能である。上側フレーム位置が図4に示されており、一方、図5は、下側フレーム位置を示す。このフレーム8の下側フレーム部8bは、開位置においては、閉鎖ボディ内に受けられるように構成される。運搬フレーム8が上側位置にあるときは、下側フレーム部8bは、基板アクセス13と対面するように延びる。下側フレーム位置においては、第二のフレーム部8bは、受けチャンバ16内へと延びる。下側フレーム部8bは、遮蔽ボディ15とともに、対応する処理チャンバ1の壁の下側フレーム通路29を通じて移動することができる。運搬フレーム8の下側端には、運搬フレーム8の上側フレーム位置への移動が完了した時点で、この下側フレーム通路29を遮断するための閉鎖要素(closing element)30が設けられている。この運搬フレーム8の移動は、ドライブ(図示されていない)によって遂行される。このドライブはさまざまな対応で設計しても良く、これは当業者においては明らかであろう。
【0025】
このシステムの処理チャンバ1には、更に、対応する処理チャンバ1内において、マスク4を、処理チャンバ1内に基板ホルダ2によって保たれている基板5の少なくとも一部をカバーするために、図5に示されている実質的に垂直な基板カバー位置(substrate covering position)に維持するように構成されたマスク保持手段(mask holding means)35を備えている。加えて、これらマスク保持手段35は、マスク4と噛み合い、マスク4を水平方向Hに移動させるように構成される。この移動の目的のために、これらマスク保持手段35は、第三のアクチュエータ33を備えている。このシステムには、更に、例えば、このマスク4を、この基板カバリング位置に対して、ある異なる方向、例えば、垂直方向に、移動させるための手段を備えていても良い。各マスク4は、このシステム内において、実質的に垂直位置に維持されるために、このマスク4上への汚染の蓄積を十分に防止することができる。こうして、マスク4は、比較的多くの基板処理に、そのマスクの洗浄処理が必要となる前に、用いることができ、このため、システムの生産性が向上する。更に、このやり方では、基板5がマスク4を介して汚染される危険が低減される。
【0026】
本発明によると、基板ホルダ2に、基板ホルダ2とマスク4とを互いに位置決めするための位置決め手段(positioning means)50を設けると有利である。この典型的な実施形態においては、これら位置決め手段は、マスク4を基板ホルダ2に対して位置決めするように構成される。こうして、明快さの目的で、これら位置決め手段は、以下においては、マスク位置決め手段と呼ばれる。好ましくは、マスク及び/又はマスク保持手段35には、マスク4を位置決めする目的で、この基板ホルダ2のマスク位置決め手段50と協働するように構成されたマスク位置決め手段51が設けられる。こうして、このマスクは、基板ホルダ2及びこの上に置かれた基板5に対して、簡単に位置決めすることができる。更に、好ましくは、これらマスク位置決め手段50,51は、基板ホルダ2を、マスク保持手段35及び/又はマスク4に、基板ホルダ2とマスク4が、ある互いに向かい合うように移動された位置に、移動されたとき、位置決めに対して要求される位置に結合するように構成される。
【0027】
図6および図7に示すように、この典型的な実施形態においては、各マスク4には、基板ホルダ2のマスク位置決め手段50と協働するように構成されたマスク位置決め手段51が設けられている。これらマスク位置決め手段50,51は、異なるやり方で、例えば、機械的に、電磁石的に、又は、光学的、その他に、設計しても良い。この典型的な実施形態では、比較的単純な機械的マスク位置決め手段50,51が設けられ、これらは、とりわけ、基板ホルダ2に対して垂直となるように設けられたほぞ(tenons)50を含み、これらは、マスク4を基板ホルダ2に向かって移動させたとき、対応するほぞ穴(mortises)51内へと、もって行くことができる。
【0028】
この典型的な実施形態の各処理チャンバ1には、マスク4を交換するためのマスク交換ユニット(mask replacing unit)6が設けられる。図1乃至図5に示すように、各マスク交換ユニット6は、対応する処理チャンバ1の上に配置された、アクセスハッチ(access hatch)25を有するマスク真空ロック7を含む。このマスク真空ロック7と閉鎖ボディ受けチャンバ16とは、処理チャンバ1との関係で、実質的に互いに向き合うように構成される。
【0029】
このシステムは、マスク4を処理チャンバ1からこのマスク真空ロック7内へ、又はこの逆方向に、運搬するためのマスク運搬手段8を含む。この典型的な実施形態においては、これらマスク運搬手段は、この運搬フレーム8の上側フレーム部8aを、有利なやり方で含む。この上側フレーム部8aは、下側フレーム部8bと、一直線をなすように延びる。この運搬フレーム8の上側位置においては、この上側フレーム部8aは、マスク真空ロック7内に延び、これが図4に示されている。下側フレーム位置においては、上側フレーム部8aは、逆に、基板アクセス13に対面するように延びる。図5を参照せよ。
【0030】
図4および図5に示すように、運搬フレーム8は、マスク4を、マスク運搬の最中に実質的に垂直位置に保つように構成される。加えて、運搬フレーム8は、マスク4を、処理チャンバ1の壁を通じて延びる上側フレーム通路9を介して、実質的に垂直方向に処理チャンバ1内に又はここから外へと移動させるように構成される。上側フレーム通路9は、処理チャンバ1の壁内を、下側フレーム通路29と、反対方向に延びる。この上側フレーム通路9は、好ましくは、比較的狭い設計を有する。加えて、フレームがマスクとともに縦フレーム方向に移動できるために、マスクロック7の内側空間は、比較的小さな容積しか占めない。こうして、マスクロック7と処理チャンバ1の汚染を十分に防止できるとともに、マスクロックを比較的高速に所望の真空圧にすることができる。運搬フレーム8には、上側フレーム部8aと下側フレーム部8bとの間に、フレーム8が上側に移動された位置への移動が完了した時点で、上側フレーム通路9を遮断するための閉鎖要素10が設けられる。
【0031】
基板運搬空間12とマスク真空ロック7との間には、閉鎖デバイス18にて閉じることができる流体接続(fluid connection)17が設けられる。使用の際には、真空を真空ロック7内に、この流体接続17とこの真空運搬空間12とを介して形成することができる。加えて、このマスクロック7は、例えば、閉鎖デバイスが設けられたこのような流体接続を介して、この真空ロックを、処理チャンバ1を介して汲み出すために、処理チャンバ1に接続しても良い。加えて、このマスクロック7に、例えば、このロック内に所望の真空を形成するために、別個の真空ポンプを設けても良い。
【0032】
好ましくは、このシステム、例えば、マスクロック7には、マスク4の品質を検査するため、及び/又はマスク4上に存在する汚染を観察するために、マスク検査手段(mask inspecting means)が設けられる。マスクロック7は、例えば、ロック7内に存在するマスク4を洗浄するための洗浄手段、例えば、ブロウ洗浄手段(blow-cleaning means)を含んでも良い。
【0033】
これらマスク交換ユニット6と運搬フレーム8を用いて、マスク4は、洗浄のため及び/又は処理チャンバ1内においてプロセスが異なるように構成されたマスクで遂行するために、比較的高速に自動的に交換することができる。このマスク交換ユニット6は、マスク真空ロック7を含むために、マスクの交換は、処理チャンバ1を大気圧に戻すことを必要とされることなく、遂行することができる。こうして、マスクの交換の際に、処理チャンバ1の汚染を十分に防止することができる。このシステムには、好ましくは、このマスクの交換が自動的に行われるようにするために、制御機が設けられるか、又はこれに接続される。
【0034】
このシステムの使用の際に、基板5は、運搬空間12内に基板ロック28を介して運び込む、及び/又はここから取り出すことができる。基板5は、運搬空間12内においては垂直位置に保たれ、そして、基板ホルダ2によって、処理チャンバ1内に、そこでの処理に服するために、運び込まれる。使用の際に、これら基板5は、おのおの、いったん基板ホルダ2上で、処理に対して要求される位置に、基板位置決め手段40a、40bを介して、正確に位置決めされる。この基板の位置決めは、例えば、基板ロック28内で遂行しても、又はこのシステム内の別の所で遂行しても良い。加えて、この処理の際に、基板5は、マスク4によって少なくとも部分的にカバーしても良い。
【0035】
使用の際に、簡単なやり方で、マスク4は、基板処理の目的で、大気環境からこの処理チャンバ1の内側のある位置に、運び込む、又は逆にここから取り出すことができる。このことが以下にさらに説明される。図1および図4は、開始時の状況を示すが、この時点では、おのおのの処理チャンバ1の基板アクセス13は、基板運搬空間12から対応する閉鎖ボディ15によって密封的に閉鎖されている。こうして、処理チャンバ1と基板運搬空間12とを、ある所望の低圧に維持することができ、同時に、基板運搬空間12の汚染、例えば、処理チャンバ1から来る処理ガス及び/又は塗布されるべきコーティングによる汚染を、防止することができる。この運搬空間12内では、各基板アクセス13と対面するように、基板ホルダ2が、基板5ともに、配置される。
【0036】
図4に示すように、この開始時の状況においては、運搬フレーム8は上側位置にあり、このため、上側フレーム通路9は、フレーム8の閉鎖要素10によって閉鎖されている。更に、マスクロック7と基板運搬空間12との間の流体接続17は、閉位置にある閉鎖デバイス18によって閉じられている。結果として、マスクロック7は、処理チャンバ1及び基板運搬空間12から閉鎖され、こうして、マスクロック7を実質的に大気圧に戻し、これを開いて、マスク4を上側フレームセグメント8aから取り出し、これを別のマスク4と交換することができる。更に、マスクロック7内に存在するマスクを、例えば、検査及び/又は洗浄処理に服させることもできる。
【0037】
運搬フレーム8は、この上に存在するマスク4をマスクロック7から処理チャンバ1の内側のある位置に運搬することができるとともに、このフレーム8は、同時に、閉鎖ボディ15を処理チャンバ1の外に取り出すこともできる。これが、図2、図3及び図5に示されている。この目的に対して、マスクロック7が、最初に、真空ポンプを介して、及び/又は流体接続17の閉鎖デバイス18を開くことで、ある所望の低圧にされる。このマスクロックをこの所望の圧力にする動作は、このマスクロック7は比較的小さな内側容積(internal volume)を有するために、比較的高速に遂行することができる。加えて、処理チャンバ1とは反対を向く側では、基板アクセス13が、基板ホルダ2を基板アクセス13に対して閉鎖セクション48で押しつけることで閉鎖されるが、これは、トグルレバーシステム22と第一のアクチュエータ3にて遂行される。ここで、基板ホルダ2にて保持された基板5が、処理チャンバ1の基板アクセス13内に運搬される。このシステムのこの位置(図示されていない)においては、一方の側においては、基板アクセス13は基板ホルダ2によって閉鎖され、他方の側においては、閉鎖ボディ15によって閉鎖される。基板ホルダ2に保持された基板5は、このとき、基板アクセス13内の、基板ホルダ2と閉鎖ボディ15との間にある。
【0038】
基板アクセス13が基板ホルダ2によって閉鎖された後に、閉鎖ボディ15は、第二のアクチュエータ23によって、水平方向Hに、基板アクセス13から離れる方向に移動され、その後、下側フレーム部8b内に入れられる。
【0039】
マスク4と閉鎖ボディ15の両方が運搬フレーム8にて保持された時点で、マスク真空ロックが減圧され、基板アクセス13が基板ホルダ2にて閉鎖され、その後、運搬フレーム8が、図2に示されている中間位置を経て、図3および図5に示されている下側位置に向けて移動される。結果として、これらマスク4と閉鎖ボディ15は、両方とも、垂直方向Vに移動する。マスク4は、このとき、処理チャンバ1の内側の、開かれた基板アクセス13の、反対側の位置にある。
【0040】
この後、マスク4が、運搬フレーム8からマスク保持手段35にて取り出され、図5に示されている、基板アクセス13近傍の又はこの中の、基板カバー位置に運搬される。ここで、マスク4が、例えば、基板5に対して押しつけられるか、又は基板5から比較的短い距離の所に保持される。基板5に向かって移動させると、基板ホルダ2の位置決めほぞ50と、マスクの対応する位置決めほぞ穴51とが互いに噛み合い、こうして、基板ホルダ2のマスク4に対する簡単な機械的位置決めが達成される。この基板5の基板ホルダ2に対するこの位置決めと、基板ホルダ2とマスク4の位置決めは、好ましくは、基板5がマスク4に対して、処理に対して、望ましい、適当な位置に来るようなやり方にて行われる。
【0041】
マスク4が基板5の正面の基板カバー位置に運搬された時点で、真空プロセスを、処理チャンバ1内で、少なくとも、処理チャンバ1に対面する基板表面の部分の、マスク4によってカバーされていない部分を処理するために、遂行することが可能となる。図5が示すように、閉鎖ボディ15は、運搬フレーム8が下側位置に移動されると、運搬フレームによって、処理チャンバ1の外側の、対応する受けチャンバ16内に、維持される。このため、基板処理が閉鎖ボディ15によって邪魔されることはない。基板処理の際には、基板ホルダ2は、好ましくは、処理チャンバ1内で遂行される処理プロセスから、基板5及びマスク5によって、例えば、基板ホルダ2の汚染を防止するために、実質的に遮蔽される。
【0042】
基板処理の後、マスク4は、マスク保持手段35と運搬フレーム8を介して、マスクロック7内に運び戻され、一方、閉鎖ボディ15は、運搬フレーム8及び第二のアクチュエータ23を介して、基板アクセス13を閉鎖するために、基板アクセス13上に置かれる。マスク4は、次に、例えば、再び、このマスクロック7内で検査及び/又は交換しても良い。次に、基板ホルダ2を基板アクセス13から離れる方向に移動させ、処理されるべき次の基板を保持する次の基板ホルダと交換しても良い。この後に、マスク4を、再びマスクロック7から、処理チャンバ1内のマスクカバー位置に運搬し、この次の基板を、処理の目的で、部分的にカバーしても良い。
【0043】
上のことから、基板アクセス13は、マスクの運搬の際には、基板ホルダ2によって閉鎖され、他方、基板アクセス13は、基板の交換の際には、閉鎖ボディ15によって閉鎖されることがわかる。こうして、基板アクセス13は、実質的に絶えず閉鎖されているが、このことは、例えば、処理チャンバ1と基板運搬空間12との間の可能な圧力差を吸収するために有利である。
【0044】
本発明は、言うまでもなく、説明されたこの典型的な実施例に制限されるものではない。様々な修正が以下のクレーム内に説明されている本発明の範囲内で可能である。
【0045】
例えば、運搬フレーム8は、様々なやり方及び様々な形態にて設計しても良い。
【0046】
更に、このシステムは、これら基板及び/又はマスクを、様々な位置に、例えば、水平に、傾斜させて、転倒させて及び/又は垂直に、保持及び/又は移動させるように構成しても良い。
【0047】
マスク4のための保持手段及び/又は閉鎖ボディは、様々なやり方にて設計しても良く、例えば、アクチュエータ、線形アクチュエータ、レバー機構、電動機、磁石及び/又は電磁噛み合い手段(electromagnetic engaging means)等を提供しても良い。
【0048】
更に、使用の際に、このシステム内において、さまざまな異なる圧力が優勢となっても良い。例えば、基板処理の際の処理チャンバ1内の圧力は、処理チャンバ1が動作していないときの圧力よりも高くしても良い。
【0049】
“真空(vacuum)”なる用語は、比較的広い意味に取られるべきである。こうして、“真空”は、ガスの圧力と組成について外部空気に対して調節された任意の環境を意味するものとも理解されるべきである。
【0050】
加えて、基板ホルダとマスクとを互いに位置決めするための位置決め手段も、様々なやり方にて設計しても良い。これら位置決め手段は、例えば、能動及び/又は受動手段、噛み合い手段、ガイド手段、位置決めセンサ等を含んでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の1つの典型的な実施例の部分切取斜視図であるが、ここでは、運搬フレームは、上側位置にある。
【図2】図1に類似する図であるが、ここでは、運搬フレームは、中間位置にある。
【図3】図1に類似する図であるが、ここでは、運搬フレームは、下側位置にある。
【図4】図1に示される典型的な実施例の一部の切取側面図であるが、ここでは、運搬フレームは、上側位置にある。
【図5】図4に類似する側面図であるが、ここでは、運搬フレームは、下側位置にある。
【図6】図5に示される側面図の線VI-VI上の断面図を示すが、ここでは、マスクは示されていない。
【図7】図6と類似する図であるが、ここでは、マスクが示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基板(5)を真空プロセスにて処理するための少なくとも1つの処理チャンバ(1)が設けられ、基板を処理するためのシステムであって、前記処理チャンバ(1)は、閉鎖ボディ(15)にて閉鎖することができる基板アクセス(13)を備え、前記システムは、前記閉鎖ボディ(15)を少なくとも移動させるように構成された運搬デバイス(8)を備え、この運搬デバイス(8)は、前記基板(5)を前記真空プロセスの際に少なくとも部分的にカバーするためのマスク(4)を、少なくとも前記処理チャンバ(1)の外側のある位置と前記処理チャンバ(1)の内側のある位置との間で運搬するように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記システムは、前記処理チャンバ(1)の外側に配置されたマスク真空ロック(7)を備え、前記運搬デバイス(8)は、前記マスク(4)を前記処理チャンバ(1)から前記真空ロックへと、及びこの逆方向に、運搬するように構成されたことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記処理チャンバ(1)の外側に配置された閉鎖ボディ受けチャンバ(16)を備え、前記運搬デバイス(8)は、前記閉鎖ボディ(15)を前記処理チャンバ(1)から前記受けチャンバ(16)へと、及びこの逆方向に運搬するように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記マスク真空ロック(7)と前記閉鎖ボディ受けチャンバ(16)とは、実質的に互いに対向するように配置されたことを特徴とする請求項2及び3記載のシステム。
【請求項5】
前記運搬デバイス(8)は、前記マスク(4)と前記閉鎖ボディ(15)とを同時的に保持するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記運搬デバイス(8)は、前記マスク(4)と前記閉鎖ボディ(15)とを1つの共通の運搬方向(V)に移動するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記共通の運搬方向は、垂直運搬方向(V)であることを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記運搬デバイスは、前記マスク(4)と前記閉鎖ボディ(15)とを保持するように構成された移動可能な運搬フレーム(8)を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記運搬フレーム(8)は、実質的に垂直方向に延びていることを特徴とする請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記運搬フレーム(8)は、実質的に縦フレーム方向に移動できるように配置されていることを特徴とする請求項8または9記載のシステム。
【請求項11】
前記運搬フレーム(8)は、前記マスク(4)を保持するための第一のフレーム部(8a)と、前記閉鎖ボディ(15)を保持するための第二のフレーム部(8b)と、を備えていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記運搬フレーム(8)は、第一および第二のフレーム位置の間で移動可能であり、前記第一のフレーム位置においては、前記第一のフレーム部(8a)は前記マスク真空ロック(7)内へと延び、一方、前記第二のフレーム部(8b)は前記基板アクセス(13)と反対側に延び、前記第二のフレーム位置においては、前記第一のフレーム部(8a)は前記基板アクセス(13)と反対側に延び、前記第二のセグメント(8b)は前記受けチャンバ(16)内へと延びることを特徴とする請求項2、3及び11に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理チャンバ(1)の壁は、前記運搬フレーム(8)の少なくとも一部を移動させるための少なくとも1つのフレーム通路(9,29)を備えていることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記処理チャンバ(1)は、第一の側においては、前記第一のフレーム部(8a)を通過させるための第一のフレーム通路(9)を備え、第二の側においては、前記第二のフレーム部(8b)を通過させるための第二のフレーム通路(29)を備えていることを特徴とする少なくとの請求項11と13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システム、とりわけ、前記運搬フレーム(8)は、前記フレーム通路(9,29)を閉鎖するための閉鎖手段(10,30)を備えていることを特徴とする請求項13または14記載のシステム。
【請求項16】
前記運搬フレーム(8)は、前記基板アクセス(13)が前記閉鎖ボディ(15)にて遮断されるような閉位置に前記閉鎖ボディ(15)を少なくとも保つように構成された閉鎖ボディ保持手段(23)を備えていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
閉鎖ボディ保持手段(23)は、前記開閉ボディ(15)を前記閉位置と、前記運搬フレーム(8)上のある位置との間で移動するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記運搬フレーム(8)は、処理されるべき前記基板(5)の少なくとも一部をカバーするために前記処理チャンバ(1)内の基板カバー位置に前記マスク(4)を少なくとも保つように構成されたマスク保持手段(35)を備えていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記マスク保持手段(35)は、前記マスク(4)を、前記基板カバー位置と前記運搬フレーム(8)上のある位置との間で移動させるように構成されたことを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記マスク保持手段(35)は、前記マスク(4)を実質的に垂直位置に保つように構成されたことを特徴とする請求項18または19記載のシステム。
【請求項21】
前記マスク保持手段(35)は、アクチュエータ(33)を備えていることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは、前記マスク(4)の品質を検査するため及び/又は前記マスク(4)上に存在する汚染を観察するためのマスク検査手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
前記システムは、前記処理チャンバ(1)の前記基板アクセス(13)に結合された真空基板運搬空間(12)を備え、この運搬空間(12)は、前記基板(5)を前記基板アクセス(13)から前記処理チャンバ(1)内に運び込むため及びこれをここから取り出すための基板運搬手段(19,20、21)を備えていることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載のシステム。
【請求項24】
前記システムは、一方の側が前記マスク真空ロック(7)へと延び、他方の側が前記基板運搬空間(12)及び/又は処理チャンバ(1)へと延びる少なくとも1つの閉鎖可能な流体接続(17)を備えていることを特徴とする請求項2および23記載のシステム。
【請求項25】
前記基板運搬手段(19,20,21)は、前記基板(5)を実質的に垂直位置にて運搬するように構成されたことを特徴とする請求項23または24記載のシステム。
【請求項26】
前記基板運搬手段は、複数の移動可能な基板ホルダ(2)を備え、各基板ホルダ(2)は、少なくとも1つの基板(5)を前記処理チャンバ(1)内に保ち、同時に前記基板アクセス(13)を閉鎖するように構成されたことを特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載のシステム。
【請求項27】
前記基板ホルダ(2)は、おのおの、前記基板ホルダ(2)と前記マスク(4)とを互いに位置決めするための位置決め手段(50)を備えていることを特徴とする請求項26記載のシステム。
【請求項28】
請求項1乃至27のいずれかによるシステムの運搬デバイス(8)。
【請求項29】
請求項1乃至27のいずれかによるシステムを利用して基板を処理するための方法であって、前記少なくとも1つの基板(5)が、前記処理チャンバ(1)内に置かれ、前記基板(5)の処理されるべき表面の一部が前記マスク(4)によってカバーされ、次に、前記処理チャンバ(1)内において、少なくとも前記基板表面の前記マスク(4)によってカバーされていない部分を処理するために真空プロセスが実行されることを特徴とする方法。
【請求項30】
前記マスクが前記運搬デバイス(8)によって前記基板処理の前及び/又は後に交換されることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記マスク(4)が前記処理チャンバ(1)から取り出され、マスク真空ロック(7)内へと移動され、同時に、前記閉鎖ボディ(15)が、前記処理チャンバ(1)内へと、前記基板アクセス(13)を閉鎖するために移動され、前記真空ロック(7)が、少なくとも、前記処理チャンバ(1)の閉鎖が完了した後に、前記マスクを交換するために開放されることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記交換の際に、前記マスク(4)は、前記処理チャンバ(1)から外へと、又はこの中へと、実質的に垂直方向に移動されることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
基板を処理するためのシステムであって、このシステムは少なくとも1つの処理チャンバ(1)を備え、このシステムは、少なくとも1つの基板(5)を前記処理チャンバ(1)内に保つように構成された少なくとも1つの移動可能な基板ホルダ(2)を備え、このシステムは、前記基板(5)の少なくとも一部をカバーするために前記処理チャンバ(1)内の基板カバー位置にマスク(4)を保つように構成されたマスク保持手段(35)を備え、少なくとも前記基板ホルダ(2)は、前記基板ホルダ(2)と前記マスク(4)と、を互いに位置決めするための位置決め手段(50)を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項34】
前記位置決め手段(50)は、前記基板ホルダ(2)と前記マスク(4)が互いに向かうように移動されたある位置に運ばれたときに、位置決めに対して要求されたある位置に来るように前記基板ホルダ(2)を、前記マスク保持手段(35)及び/又は前記マスクに結合するように構成されたことを特徴とする請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記マスク(4)は、前記基板ホルダ(2)の前記位置決め手段(50)と前記位置決めの目的で協働するように構成された位置決め手段(51)を備えていることを特徴とする請求項33または34記載のシステム。
【請求項36】
前記マスク保持手段(35)は、前記基板ホルダ(2)の前記位置決め手段(50)と前記位置決めの目的で協働するように構成された位置決め手段を備えていることを特徴とする請求項33乃至35のいずれかに記載のシステム。
【請求項37】
前記位置決め手段(50,51)は、機械的位置決め手段を備えていることを特徴とする請求項33乃至36のいずれかに記載のシステム。
【請求項38】
前記位置決め手段は、ほぞ穴・ほぞ位置決め手段(50,51)を備えていることを特徴とする請求項37記載のシステム。
【請求項39】
前記基板ホルダ(2)は、前記基板(5)を前記基板ホルダ(2)に対して位置決めするための基板位置決め手段(40)を備えていることを特徴とする請求項33乃至38のいずれかに記載のシステム。
【請求項40】
請求項1乃至26のいずれか1つと、請求項33乃至39のいずれか1つとの組み合わせによるシステム。
【請求項41】
請求項33乃至40のいずれかに記載のシステムの使用であって、前記基板が前記基板ホルダ(2)上のある所望の位置に置かれ、次に、前記基板ホルダ(2)と前記マスク(4)とが前記位置決め手段(50)を利用して互いに位置決めされることを特徴とする利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−504675(P2007−504675A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526034(P2006−526034)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000598
【国際公開番号】WO2005/026405
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(503007933)オーテーベー、グループ、ベスローテン、フェンノートシャップ (14)
【氏名又は名称原語表記】OTB GROUP B.V.
【Fターム(参考)】