説明

基板処理チャンバのためのプロセスキット及びターゲット

【課題】チャンバ要素上や基板の張り出しエッジ上のプロセス堆積物の堆積を減少させるプロセスキットの提供。
【解決手段】基板処理チャンバ内で基板支持体の周りに配置するための堆積リングにおいて、プロセスガスのプラズマが該基板を処理するために形成され、該基板が該基板の張り出しているエッジの前で終わる周囲壁を備え、該堆積リングが該支持体の周囲壁を囲む環状バンド216であって、該環状バンドから横に伸長し、該支持体の周囲壁にほぼ並行であり、該基板の張り出しているエッジの下で終わる内部リップ218と、隆起リッジ224と、内部リップと隆起リッジとの間に、基板の張り出しているエッジの下に少なくとも部分的に伸長する内部開放チャネル230と、該隆起リッジの放射状に外向きのレッジ236と、を備えている前記環状バンドを備えている防着リングを配置する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2005年10月31日出願の米国仮特許出願第60/732,324号に対する優先権を主張し、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【背景】
【0002】
本発明の実施形態は、基板処理チャンバのためのプロセスキット及びターゲットに関する。
【0003】
半導体やディスプレイのような基板の処理においては、基板がプロセスチャンバ内に配置され、チャンバ内の処理条件が設定されて基板上に物質が堆積又はエッチングされる。典型的なプロセスチャンバは、プロセスゾーンを囲む包囲壁、チャンバにガスを供給するガス供給源、プロセスガスを励起させて基板を処理するエナジャイザー、基板を固定する基板支持体、使用済みガスを除去するとともにチャンバ内のガス圧を維持するガス排気口を含むチャンバ要素を備えている。このようなチャンバには、例えば、CVDチャンバ、PVDチャンバ、エッチングチャンバが含まれる。PVDチャンバにおいては、ターゲットをスパッタしてターゲットに直面した基板上にスパッタされたターゲット材料を堆積させる。スパッタリングプロセスにおいては、不活性ガス又は活性ガスがチャンバに供給され、ターゲットに典型的には電気的にバイアスが掛けられ、基板が浮遊電位に維持され、ターゲットのスパッタリングを引き起こすチャンバ内にプラズマを生成させる。
【0004】
PVDチャンバは、内部チャンバ壁又は他の領域上のPVD堆積物の形成を減少させるように基板支持体を配置させるチャンバ要素を備えるプロセスキットを含むことができる。典型的なPVDチャンバプロセスキットは、例えば、堆積物、カバー及び/又はシャドーリングを含むことができ、その全ては基板の周辺に位置する。リングの種々の構成はスパッタする堆積物を受容するように配置され、さもなければ支持体の側面上又は露出された基板の裏面上に蓄積する。プロセスキットは、また、PVDスパッタする堆積物を受容する受容面として役立つことによってチャンバの側壁を保護するチャンバシールドとライナを含むことができ、さもなければチャンバの側壁上に堆積する。プロセスキット要素はこれらの表面上にスパッタされる堆積物の蓄積を減少させ、さもなければ、ついには剥離して、基板上に堆積する汚染粒子を形成する。キット要素は、また、励起されたプラズマによる内部チャンバ構造への侵食を減少させる。また、蓄積された堆積物を洗浄するために容易に取り外すことができるように設計できる。例えば、1000枚の基板のバッチ処理後、プロセスキットは典型的には取り外され、例えば、HF及びHNOのような酸性の溶液で洗浄されて、基板プロセスサイクル中にキット要素上に蓄積されるスパッタされた堆積物を除去する。
【0005】
チャンバの内壁上に形成されるスパッタリング堆積物の量を減少させるように相互の関係に成形され配置された要素を備えたプロセスキットを有することが望ましい。蓄積される堆積物を減少させることにより、シャットダウンを必要とせずに又は洗浄のためにチャンバを解体せずに、チャンバ内でより多くの基板を連続処理することができる。チャンバが洗浄を必要とする毎に、結果として生じるチャンバの停止時間が基板を処理するコストを増加させる。従って、内部表面を洗浄するためにシャットダウンさせずに、チャンバが基板上で物質をスパッタするように作動させ得る時間を最大にすることが望ましい。
【0006】
更に、例えば、アルミニウムPVDプロセスのような特定のPVDプロセスにおいて、スパッタされたアルミニウムは種々の堆積物、カバー、基板の周辺に位置の他のリング間の隙間に蓄積し、また、基板の裏面上にも形成する。蓄積したスパッタされた堆積物は、基板を堆積リングに付着させ、基板が支持体から取り出すように試みた場合に、基板損傷の原因となる。基板をリングに付着させるリングの部分上に堆積物を蓄積させずに、基板の裏面と支持の側面上への堆積物を減少させることができるリングを有することが望ましい。基板及び/又は堆積リングに対する損傷を減少させるために、基板が支持体から持ち上げられる場合に、部分的に付着した堆積リングが基板と共に上昇することを防止することが望ましい。
【0007】
基板を囲むライナとシールドがチャンバ内のスパッタリングプラズマに晒されることにより加熱する場合に、他の問題が生じる。典型的には、シールド及びライナは、これらの要素の温度を許容レベルに下げるためにチャンバ内の低圧環境内で取り囲んているチャンバ要素と十分な量の熱を交換しない。プロセスサイクルが完了した後に要素の熱膨張がシールドとライナ上に形成されるスパッタされた堆積物のピーリング又はスポーリングを生じる熱応力を引き起こすことから、これら要素の過度の加熱は有害である。従って、シールドとライナを基板のプロセスの間、低下させた温度又は低温で維持することが望ましい。
【0008】
本発明のこれらの特徴、態様、利点は、本発明の例を示す、以下の説明、添付の特許請求の範囲、次の図面に関してより理解される。しかしながら、特徴の各々が一般に、単に具体的な図面に関連してではなく本発明に使用し得ることが理解される、本発明はこれら特徴のあらゆる組み合わせを含んでいる。
【説明】
【0009】
基板104を処理することができる適切なプロセスチャンバ100の一例を、図1に示す。チャンバ100は、プロセスゾーン106を囲む包囲壁108、側壁116を含む壁108、底面壁120及びシーリング124を備えている。チャンバ100は、チャンバ106間に基板104を搬送するロボットアーム機構により接続された相互接続チャンバのクラスタを有するマルチチャンバプラットフォーム(図示せず)の一部でもよい。図示される変形例においては、プロセスチャンバ100は物理気相堆積又はPVDチャンバとも呼ばれるスパッタ堆積チャンバを含み、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、銅、タングステン、窒化タングステン、アルミニウムの1つ以上のような物質を基板104上にスパッタ堆積させることができる。
【0010】
チャンバ100は、ペデスタル134を備える基板104を支持するための基板支持体130を備えている。ペデスタル134は処理中に基板104を受容し支持する基板受容面138を有し、静電チャック又はヒータ、例えば、電気抵抗ヒータ又は熱交換器(図示せず)のようなヒータを含むことができる。動作中、基板104はチャンバ100の側壁116における基板装填口(図示せず)を通ってチャンバ100に導入され、基板支持体130上に配置される。支持体130は支持リフトベローズにより昇降させることができ及び/又は支持体130上に基板104が配置されている間、支持体130に基板を昇降させるためにリフトフィンガーアセンブリ(図示せず)を用いることができる。ペデスタル134は、プラズマ動作中に浮遊電位で維持又は接地させることができる。
【0011】
チャンバ100は、更に、基板104に直面したスパッタリング表面142を備えたスパッタリングターゲット140を備え、基板104にスパッタすべき物質を含んでいる。ターゲット140は、典型的には、誘電物質又は絶縁物質から作られた絶縁体144によりチャンバ100から電気的に絶縁される。ターゲット140は、チャンバ要素の壁の前面にあるシールド150、及び/又は電気的に浮遊している支持体130に相対するターゲット140にバイアス電圧を印加するターゲット電源148に接続される。ターゲット140、シールド150、支持体130、ターゲット電源148に接続される他のチャンバ要素は、スパッタリングガスのプラズマを形成するためのエナジャイザー152として作動させる。エナジャイザー152は、コイルを通って電流を印加することによってチャンバ100にプラズマを生成させるために用いられるソースコイル153も含むことができる。生成されたプラズマは、基板104の表面142に物質をスパッタするためにターゲット140のスパッタする表面142に活発に衝撃させ衝突させる。
【0012】
ガス分配システム160によってチャンバ100に導入されるスパッタリングガスは、マスフローコントローラのようなガスフロー制御バルブ166を有するコンジット164を経てガス源162からガスを供給して、ガスの設定流量を通過させる。ガスは、所望のプロセスガス組成を形成するように混合され、チャンバ100内にガス出口を有するガス分配器168に送られる。プロセスガスは、アルゴン又はキセノンのような非反応性ガスを含むことができ、ターゲットに活発に衝撃させるとともにターゲットから物質をスパッタさせることができる。プロセスガスは、また、基板104上に層を形成するためにスパッタされた物質と反応することができる酸素含有ガス及び窒素含有ガスの1つ以上のような反応性ガスを含むことができる。使用済みプロセスガスと副生成物は、使用済みプロセスガスを受容する排気ポート172を含む排気口170を通ってチャンバ100から排気され、チャンバ100内のガスの圧力を制御するためにスロットルバルブ176を有する排気コンジット174に使用済みガスを送る。排気コンジット174は、1つ以上の排気ポンプ178に接続される。典型的には、チャンバ100内のスパッタリングガスの圧力は、例えば、1ミリトール〜400ミリトールのガス圧の真空環境のような大気圧未満のレベルに設定される。
【0013】
チャンバ100は、チャンバ100の要素を作動させてチャンバ100内で基板104を処理する命令セットを有するプログラムコードを含むコントローラ180によって制御される。例えば、コントローラ180は、基板支持体180を作動させ且つ基板を搬送する基板配置命令セットと、ガスフロー制御バルブを作動させてチャンバ100へのスパッタリングガスフローを設定するガスフロー制御命令セットと、排気スロットルバルブを作動させてチャンバ内の圧力を維持するガス圧制御命令セットと、ガスエナジャイザーを作動させてガス励起電力レベルを設定するエナジャイザー制御命令セットと、温度制御システムを制御してチャンバ100内の種々の要素の温度を設定する温度制御命令セットと、チャンバ100内のプロセスをモニターするプロセスモニタリング命令セットと、を含むプログラムコードを含むことができる。
【0014】
チャンバは、例えば、要素表面からスパッタリング堆積物を洗浄し、侵食された要素を交換するために、又は他のプロセスにチャンバを適応させるためにチャンバ100から容易に取り外すことができる種々の要素を備えたプロセスキット200を備えている。一変形例においては、プロセスキット200は、基板の張り出しているエッジ206の前で終わる基板支持体130を周辺壁204付近に配置するためのリングアセンブリ202を備えている。リングアセンブリ202は、支持体130の周辺壁204上又は基板104の張り出しているエッジ206上のスパッタリング堆積物の形成を減少させるために相互に共同する堆積リング208とカバーリング212を備えている。
【0015】
堆積リング208は、図2及び図3に示されるように支持体130の周囲壁204の周りに伸長し包囲する環状バンド216を備える。環状バンド216はバンドから横に伸長した内部リップ218を備え、支持体130の周囲壁204にほぼ平行である。内部リップ218は基板104の張り出しているエッジ206の直下で終わる。内部リップ218は、処理中に基板104によって覆われない支持体130の領域を保護するために基板104と支持体130の周囲を囲む堆積リング208の内周を画成する。例えば、内部リップ218は支持体130の周囲壁204を囲み、少なくとも部分的に覆い、さもなければ周囲壁204上へスパッタリング堆積物の堆積を減少させ又は完全に除外する処理環境に晒される。有利なことに、堆積リング208は、晒されたリング表面からスパッタリング堆積物を洗浄するために容易に取り除くことができるので、支持体130は洗浄されるように解体されない。堆積リング208は、励起されたプラズマ化学種による侵食を減少させるために支持体130の露出した側面を保護するように役立つことができる。堆積リング208は、典型的にはステンレス鋼又はアルミニウムのような金属から製造され、又は酸化アルミニウムのようなセラミック材料から製造することもできる。
【0016】
図2及び図3に示される変形例においては、堆積リング208の環状バンド216はバンド216の中央部分に沿って伸長する隆起リッジ224を有する。隆起リッジ224は、渦巻き形の隙間にプラズマ化学種の透過を減少させるラブリンスとして働く渦巻き形の隙間229を形成するためにカバーリング212から隔置される平坦な上面228を有する。内部開放チャネル230は、内部リップ218と隆起リッジ224間にある。内部開放チャネル230は、基板104の張り出しているエッジ206の下で少なくとも部分的に終わり、内部に向かって放射状に伸長する。内部チャネル230は、内部リップ218に結合する第1の丸いかど部232と隆起リッジ224に結合する緩やかに傾斜した面234を有する。平滑なかど部232と傾斜した面234は、堆積リング208の洗浄中にこれらの部分からスパッタリング堆積物の除去を容易にする。堆積リング208は、また、隆起リッジ224の放射状に外向きのレッジ236を有し、カバーリング212を支持するために働く。更に、U型チャネル237が隆起リッジ224とレッジ236との間に設けられて、それらの間に渦巻き形の通路を形成し、通路を通るプラズマ化学種又はガス状化学種の流れを更に防止し、それにより通路の放射状に外向きの領域にプロセス堆積物の堆積を減少させる。従って、堆積リングの輪郭とプロファイルがこれらの領域を通ってプロセス堆積物の通過を減少させる形状となる。従来技術の設計と違い、チャンバへの搬送中にチャンバに基板を正確に配置することにより、基板104がすべるか又はチャンバ100内に置き間違えられる場合に、基板104を保持するために堆積リング208にピンが必要とされない。
【0017】
リングアセンブリ202のカバーリング212は、堆積リング208を取り囲み、受容するために少なくとも一部を覆っている。つまり大部分のスパッタリング堆積物から堆積リング208を保護している。カバーリング212はスパッタリングプラズマによる侵食に耐え得る材料、例えば、ステンレス鋼、チタン又はアルミニウムのような金属性材料、又は酸化アルミニウムのようなセラミック材料から製造される。一変形例においては、カバーリング212はチタンから製造される。カバーリング212は、カバーリング212を支持するために堆積リング208のレッジ236上に置かれるフーチング246を有する管状ウェッジ244を備える。フーチング246は、実質的にリング208を亀裂させずに又は破壊せずに堆積リング208を押圧するようにウェッジ244から下向きに伸長する。
【0018】
カバーリング212の管状ウェッジ244は、スパッタリングプラズマをターゲットと支持体130との間のプロセスゾーン内に有するための境界として役立つ傾斜面248を有する。傾斜面248は、スパッタリング堆積物が堆積し容易に除去することができる平滑で連続的な表面を与える。一変形例においては、傾斜面248は、基板104の処理面によって形成された平坦な面に垂直である軸に相対する角度で傾斜する。一変形例においては、角度は少なくとも約60°であり、約65°〜約85°、又は約80°さえもあり得る。カバーリング212の傾斜面の角度は、基板104の張り出しているエッジ206に最も近い位置でのスパッタ堆積物の蓄積を最小限にするよう設計され、さもなければ基板104全体に得られる堆積均一性に負に影響する。
【0019】
ウェッジ244は、堆積リング208の内部チャネル230の上に横たわる突出ブリム252に向かってテーパが付けられている。突出ブリム252は円形のエッジ256で終わり、平坦な底面260を有する。突出ブリム252は、堆積リング208の内部開放チャンネルへのスパッタリング堆積物の堆積を減少させる。有利なことに、突出ブリム252は、堆積リング208の内部開放チャネルの幅の少なくとも約半分に相当する距離が突出している。例えば、内部チャネル230の幅が少なくとも約12mmである場合には、突出ブリム252の幅は少なくとも約6mmである。突出ブリム252は、堆積リング208の内部開放チャネル230の上に突出して、堆積リング208の内部開放チャネル230の一部を覆う基板の周囲エッジ206近くに達する。更に、突出ブリム252は、堆積リング208の下にある表面234の輪郭に適合しなぞったプロファイルを有する外部形状をもつ隆起リッジ253を有する。このように形成され且つ密接に適合する輪郭の特徴部は、基板の張り出し周囲エッジ206上のスパッタリング堆積物の堆積を阻止し、支持体130の包囲壁204上の堆積を減少させる。また、ガス状プラズマ化学種の流れと周辺エッジ204の上のスパッタした堆積物を阻止することにより、堆積物をチャネル230の表面に生じさせる。従って、突出ブリム252の輪郭は、堆積リング208の内部開放チャネル230と共同し相補するサイズ、形状、位置にあり、周辺エッジ204にプロセス堆積物の流れを阻止するためにカバーリング212と堆積リング208の間に渦巻き形の狭窄した流路を形成する。狭窄した流路も、堆積リング208とカバーリング212のかみ合っている表面上に低エネルギーのスパッタ堆積物の蓄積を制限し、さもなければ相互に又は基板104の張り出し周囲エッジ206に付着させる。基板張り出しエッジ206の下に伸長する堆積リング208の内部開放チャネル230は、二つのリング208、212の番になる面上のスパッタ堆積を減少又はほぼ除外しつつ、例えば、アルミニウムスパッタチャンバ100に最小3900μmのアルミニウムスパッタ堆積物を集めるようにカバーリング208の突出ブリム252から保護するとともに設計される。
【0020】
カバーリング212は、また、管状ウェッジ244から下向きに伸長する一対の円筒状壁260を有する。円筒状壁260は、ウェッジ244のフーチング246の放射状に外向きに位置する。円筒状壁260は、内壁260aと外壁260bを備え、内壁260aは外壁260bよりわずかに高い。内壁260aの放射状の内面262は、堆積リング208の放射状の外面264の傾斜角度に適合してプラズマ化学種の移動と囲まれた領域へのグロー放電を妨害する他の渦巻き形の通路266を形成するように勾配がつけられる。典型的には、外壁260aの高さは内壁260bの高さの少なくとも約1.2倍である。例えば、内径が約154mmのカバーリング212の場合、外壁160aの高さは約25mmからであり、内壁260bの高さは約19mmからである。
【0021】
他の変形例においては、プロセスキット200は、また、図3-図6に示されるように、チャンバ100内の基板支持体130周囲で堆積リング208を保持するために用いられるアンチリフトブラケット270も含む。アンチリフトブラケット270は、堆積リング208と支持体130の追加の構造上の特徴部と共同する。例えば、堆積リング208は、2つの凹部の周囲ポケット274を備え、固定しているポスト278は、片側が図5に示されている両側上の一対のアンチリフトブラケット270を受容するポケット274から外に伸びている。対のポケットは、支持体130全体に相互に全く反対に位置している。この変形例においては、抑制梁280は、図4Aと4Bに示されるようにアンチリフトブラケット270に固定するために支持体130の背面276上にも取り付けられる。抑制梁280は、支持体130の背面276において管状リング284の放射状に外向きに伸長する2つの対向する平坦なプロング282a、bを備えている。2つの対向するフラットプロング282a、bは、管状リング284と結合される垂直アーム286a、b上に取り付けられる。管状リング284は、支持体130の裏側の凹部287に適合する形と大きさをしている。
【0022】
アンチリフトブラケット270は、図5と図6に示されるように抑制梁280のプロング端282aを受容するスルーチャネル294を備えるブロック290を備えている。スルーチャネル294は、抑制梁280のプロング282aより大きい長円形に成形されたスロット296を備えている。ブロック290に取り付けられた保持フープ298は、堆積リング208の凹部のポケット274における固定ポスト278に上にすべる大きさをしている。組立ての間、アンチリフトブラケット270は堆積リング208の外周と並行になり、スルーチャネル294のスロット296は矢印283によって示される抑制梁280のプロング282上にすべるので、保持フープ298のアクセスホール299は図5に示されるように固定ポスト278の真上にある。その後、アンチリフトブラケット274が矢印285で示されるように下げられるので、保持フープ298が下がり、固定ポスト278を取り囲み、図6に示されるようにブラケット270のブロック290の質量を堆積リング208を安定に維持させることができる。アンチリフトブラケット270は、堆積リング208が上向きに引かれる場合、例えば、堆積リングが基板104に付着される場合にのみ抑制梁380に契合する。この設計は、通常の使用においてセラミック堆積リング208とカバーリング212についての熱的及び機械的なひずみを最小限にする。
【0023】
チャンバ100内の基板支持体130の周囲に堆積リング208を保持するために用いられるアンチリフトブラケット270を備えるアセンブリの他の変形例を図7及び図8に示す。この変形例においては、アンチリフトブラケット270は、セラミック絶縁体400に取り付けられ、その後、抑制梁280の平坦なプロング282a、bに結合する。アンチリフトブラケット270はセラミック絶縁体400のブロック404の外側に伸長するレッジ402に滑る。セラミック絶縁体400は、支持体130と堆積リング280との間の電気的な通路に絶縁材を設けることによって他の要素から抑制梁280を電気的に絶縁させるように働く。堆積リング208が金属から製造される場合、電気的な通路を中断することにより、これら二つの構造間の電気的な干渉を減少させるように働く。セラミック絶縁体400のブロック404は抑制梁280を置くための凹部面408を有する。ブロック404におけるスルーホール410は、抑制梁280のプロング282aの直面し平行な伸長部420a、bにおいてセラミック絶縁体400をマッチングホール418a、bに接続するピン414を設ける。ピン414は、プロング282aの平行な伸長部420a、bの表面に対して置かれるスルーホールと平坦なエッジを通過する2つの直径の小さいポスト418a、bを有する。ピン414は、ステンレス鋼のような金属から製造可能である。セラミック絶縁体のレッジ402はブロック404から放射状に外向きに伸長し、アンチリフトブラケット270の受容する表面430に対する止め具として働く突出部424を有する。セラミック絶縁体400は、典型的には、酸化アルミニウムのようなセラミックから機械加工される。1つのセラミック構造が記載されが、他のセラミック構造ブロックも抑制梁280とアンチリフトブラケット270間の通路にも配置されて、それら境界面において梁280と基板支持体130間に配置されるセラミックブロック(図示せず)のような構造と更に分離させることができることも留意すべきである。
【0024】
プロセスキット200は、また、基板支持体130、基板支持体130の外周、チャンバ100の側壁116のシャドーと直面するスパッタリングターゲットのスパッタリング表面を取り囲む円柱状のユニタリ(unitary)シールド150を含む。シールド150は、支持体130、チャンバ100の側壁116と、底面壁120の表面上にスパッタリングターゲット140のスパッタリング表面に由来するスパッタリング堆積物の堆積を減少させるように働く。シールド150は、スパッタリングターゲット140と基板支持体130のスパッタリング表面142を取り囲む大きさの直径を有する円筒状の外部バンドを備える。外部バンド314は上端316と下端318を有する。上端316はスパッタリングターゲット140の傾斜した周辺面322に隣接した放射状に外向きにテーパがつけられた表面320を有する。シールド150は、更に、基板支持体130の周囲エッジ204を少なくとも部分的に囲む円柱状の内部バンド328を結合するために外部バンド314の下端318から放射状に内向きに伸長したベース面324を備えている。内部バンド328は、外部バンド314より小さい高さを有する。例えば、内部バンド328の高さは外部バンド314の高さより0.8倍だけ小さい。内部バンドと外部バンド328、314のそれぞれと、カバーリング212の外壁260bと内壁260aとの間の隙間は、この領域へのプラズマ化学種の進入を阻止及び妨害するように働く。
【0025】
ユニタリシールド150の外部バンド314、ベース面324、内部バンド328は、単一部分であるユニタリモノリス構造を含む。例えば、シールド150全体は300シリーズのステンレス鋼から製造することができる。このことは、完全なシールドをつくるために複数の要素、しばしば2つ又は3つの分かれた部分品を含み、洗浄のためにシールドを取り除くより困難で骨の折れるものにする従来技術のシールドより有利である。また、単一部分シールド150は、洗浄するのがより困難である境界面又はかど部のない、スパッタリング堆積物に晒された連続した表面330を有する。また、単一部分シールド150は、定期的なメンテナンスの間の加熱とプラズマが1つ又は複数のシールドを加熱している場合のプロセス中の冷却の双方に対して、複数のシールドより熱的に均一である。単一部分シールド150は、熱交換器330に対して唯一の境界面を有する。単一部分シールド150は、また、プロセスサイクルの間、スパッタ堆積からチャンバ壁108を保護する。シールド150は、また、ターゲット140とチャンバ100間のアーク放電を防止しつつ、プラズマ形成を援助する“ダークスペース”と呼ばれるターゲット140の領域の輪郭をした隙間を生じる。
【0026】
シールド150を冷却して熱膨張応力を減少させるために熱交換器330を用いた。シールド150の部分は、基板プロセスチャンバ内に形成されるプラズマに晒すことによって過度に加熱することができる。シールド150の過度の加熱によって、シールドから剥がれて落ちるとともに基板104を汚染するシールド上に形成されるスパッタリング堆積物を引き起こす熱膨張が生じる。熱交換器330は、ステンレス鋼のような金属から作られたプレート332を備えている。プレート332は、図9に示されるように、円筒状シールド150の周りと適合する大きさの円形アパーチャ336を備えた内周334と、六角形の側面340を備えた外周338を有する。
【0027】
熱交換器330は、それを通って流体源(図示せず)から熱交換流体を流してプレート330を冷却する多角形コンジット334を有する。多角形コンジット334は、円形アパーチャ336の周りに多角形のパターンで相互接続される複数の脚344を備えている。脚344a-hは、プレート332の外周の六角形の側面340から開始する鋭角で各々ドリルで穴があけられ、鋭角は約20°〜約45°である。コンジット334は、また、境界面をシールするためにプレート345a-cにおける溝349a-cの楕円形O-リング347a-cを有するカバープレート345a-cにより各々覆われるチャネル342a-cを備えている。多角形コンジット334は、熱交換流体を受容し且つ送り出す入口346と出口348を有する。入口と出口346、348は、マニホールド350に送り込むチャネル352a、bを備えている。
【0028】
熱交換流体はシールド150との熱を交換し且つ温度を制御するために多角形コンジット330を通って流れる。適切な熱交換流体は、例えば、水であってもよい。シールド150の温度を制御することにより、プラズマ環境におけるシールドの膨張が減少し、シールドからスパッタリング堆積物の剥離が制限される。シールド150を熱交換器330に留めることにより、シールドと熱交換プレートとの間の熱伝導が良好になる。シールド150はファスナ358によって熱交換器に留められ、この変形例においては、シールドは実質的にそこを通って伸長するほぼ垂直な開口部362を有するレッジ360を備えている。ファスナ358は、シールド150を熱交換器330に留めるためにレッジ360の開口部362を通過する形と大きさである。有利なことに、シールド150も保持しつつ、熱交換器330はソースコイル153とターゲット140をチャンバ100に組込ませる。水冷却もプロセス中の単一部分シールド150の熱的安定性を大きくする。
【0029】
スパッタリングターゲット140は、高強度アルミニウム合金から製造され、スパッタリング表面142を備えるスパッタリングプレート274を支持する、バッキングプレート370を備える。ターゲット140のバッキングプレート370は、典型的には、酸化アルミニウムのようなセラミック材料から製造されたリングである絶縁体144によりチャンバ100から分離され、電気的に絶縁される。スパッタリングプレート374は、基板104上にスパッタされる高純度のスパッタリング材料、例えば、アルミニウム、タンタル、チタン、典型的には99.99%又はそれ以上の純度の他のそのような金属から構成される。スパッタリングプレート374は、シールド150の傾斜面320に隣接した傾斜エッジ322を有する周囲を備え、他のプラズマを遅らせる渦巻き形の迷路として役立つその間の隙間380を画成する。
【0030】
一変形例においては、ターゲット140のバックプレートは、スパッタリングプレート374の半径を超えて伸長する周囲レッジ390を備えている。周囲レッジ390は絶縁体144上に置くことによりターゲット40を支持し、絶縁体144又はチャンバ側壁116に留めることができる。周囲レッジ390はスパッタリングプレート374の傾斜したエッジ322を超えて伸長し、チャンバ100内の絶縁体344上に置く外部フーチング部分392を備えている。周囲レッジ390は、絶縁体144とシールド150上のスパッタリング堆積物の堆積を減少させる形と大きさである内部バンプ394を備えている。前の溝396と組み合わせたバンプ394は、プラズマ形成とチャンバ壁108、絶縁体144、熱交換器330の望ましくない領域上へのスパッタリングプロセス堆積物の堆積を減少させる。バンプ394は、ターゲット140と絶縁体144間の隙間を通るプラズマとスパッタ化学種のフロー又はマイグレーションを阻止する形であり、大きさがあり、配置されている。特に、バンプ394はターゲットと絶縁体間の隙間に低い角度でスパッタされた堆積物の透過を妨害する。バンプ394は、約1.5〜約2mmの高さをもつ湾曲した断面を含む。
【0031】
プロセスキット200とターゲット140の種々の要素は、洗浄のためにプロセスキットを取り除かずにチャンバ内でプロセスキットを用いることができるプロセスサイクルの数とプロセスオンタイムをかなり増加させる。このことは、洗浄が困難である基板の周りの要素上に形成されるスパッタリング堆積物の量を減少させることにより達成される。プロセスキット200とターゲット140の要素は、シールド150の上端316付近とターゲット140付近にあるダークスペース領域における温度を低下させることによって、スパッタリング領域106の電力と圧力の増大がより高い堆積スループットを生じることを可能にするように設計される。また、熱交換器330を用いてシールド150の熱均一性を改善する。更に、プロセスキット200が交換されなければならない前、それ故、メンテナンスサイクルが行われる前に少なくとも85%以上のアルミニウムをチャンバ100に堆積させることが可能であるように設計される。このことは、チャンバの稼動の著しい改善であり、プロセススループットも高める。
【0032】
図10は、基板104と支持体130からの距離の関数として、堆積リング208とカバーリング212上に形成される堆積物の厚さを示したアルミニウムスパッタ堆積におけるプロセスキットの一定の比率で縮尺した形について得られたモデリング結果のグラフである。モデリングプログラムはPVDProTMプログラムであり、堆積される金属の種類と、ターゲットや他のチャンバ要素の形のパラメータを用いた。モデルによって、カバーリング212と堆積リング208の特徴部と位置の幾つかの異なる構成の比較が可能になった。これにより、堆積リング208における、また、カバーリング212のエッジ252が見えるラインにおける溝230の表面上のアルミニウム堆積物の蓄積が最小限に最適化させることができる。モデリングの精度は、本明細書に示された設計を得るために、プロトタイプハードウェアの試運転、また、既知の性能の形をモデリングすることにより求めた。チャンバ要素と、その間の空間と隙間の形状と設計構成を変えることにより、要素の表面上の堆積物質の厚さがかなり変化したことが分かる。更に、堆積リング上の堆積量の増加率は、x軸の0.5〜1.5のグラフの直線部分の同じ角度によって示されるように、基板中心からの距離の増加に対してほぼ同じに維持される。異なる構成の賞味の堆積量の縦の変化があるが、曲線の形は実質的に同じままである。
【0033】
本発明はその特定の好適変形例によって記載してきたが、他の変形例も可能である。例えば、プロセスキット200及びリングアセンブリ202は、例えば、エッチング、CVD、エッチングチャンバの、当業者に明らかであるように、例えば、他の種類の適用に使用し得る。堆積リング208、カバーリング212、シールド150、アンチリフトブラケット270の他の形状と構成も使用できる。それ故、添えられた特許請求の範囲は、本明細書に含まれる好適変形例の記載に限定すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、プロセスキットの実施形態を有する基板処理チャンバの概略側断面図である。
【図2】図2は、図1に示されるプロセスキットの側断面図である。
【図3】図3は、図2のプロセスキットの斜視図である;
【図4A】図4Aは、アンチリフトブラケットの保持ブラケットの斜視図である。
【図4B】図4Bは、アンチリフトブラケットの配置された保持ブラケットを示した支持体の裏面の斜視図である。
【図5】図5は、基板支持体を囲む堆積リング上の凹部のポケットの固定ポストにすべらせるアンチリフトブラケットの斜視図である。
【図6】図6は、基板支持体の周りにある堆積リングの固定ポストに取り付けた後のアンチリフトブラケットの斜視図である。
【図7】図7は、アセンブリを固定するピンとともに抑制梁のプロングに結合するセラミック絶縁体にすべらせるアンチリフトブラケットの組立斜視図である。
【図8】図8は、基板支持体130に組み立てられたアンチブラケット、セラミック絶縁体、ピン、抑制梁の斜視図である;
【図9】図9は、その中の多角形コンジットを示した熱交換器の平面図である;
【図10】図10は、基板及び支持体からの距離の関数として要素上に形成される堆積物の厚さを示したプロセスキットの一定の比率で縮尺した形に対して得られたモデルリング結果のグラフである。
【符号の説明】
【0035】
100…チャンバ、104…基板、106…プロセスゾーン、108…包囲壁、116…側壁、124…シーリング、130…基板支持体、134…支持体、138…基板受容面、140…スパッタリングターゲット、142…スパッタリング表面、144…絶縁体、148…ターゲット電源、150…シールド、152…ガスエナジャイザー、153…ソースコイル、160…ガス分配システム、162…ガス源、164…コンジット、166…ガスフローバルブ、168…ガス分配器、170…排気口、172…排気ポート、174…排気コンジット、176…スロットルバルブ、178…排気ポンプ、180…コントローラ、200…プロセスキット、202…リングアセンブリ、204…周囲壁、206…張り出しているエッジ、208…堆積リング、212…カバーリング、216…環状バンド、218…内部リップ、224…隆起リッジ、228…平坦な上面、229…渦巻き形隙間、230…内部チャネル、234…傾斜面、236…レッジ、244…環状ウェッジ、246…フーチング、248…傾斜面、252…突出ブリム、253…隆起リッジ、260…円筒状壁、262…内面、264…外面、266…渦巻き形経路、270…アンチリフトブラケット、274…凹部周囲ポケット、276…背面、280…抑制梁、282…プロング、284…環状リング、285…矢印、287…凹部、290…ブロック、298…保持フープ、299…アクセスホール、314…外部バンド、316…上端、318…下端、322…傾斜周囲壁、324…ベースプレート、328…内部バンド、330…熱交換器、332…プレート、334…コンジット、336…環状アパーチャ、338…外周、340…六角形の側面、345…プレート、346…入口、347…Oリング、348…出口、349…溝、350…マニホールド、352…チャネル、358…ファスナ、360…レッジ、370…バッキングプレート、374…スパッタリングプレート、390…周囲レッジ、394…内部バンプ、396…溝、400…セラミック絶縁体、404…ブロック、410…スルーホール、414…ピン、430…受容面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバ内で基板支持体の周りに配置するための堆積リングにおいて、プロセスガスのプラズマが該基板を処理するために形成され、該基板が該基板の張り出しているエッジの前で終わる周囲壁を備え、該堆積リングが、
(a)該支持体の該周囲壁を囲む環状バンドであって、
(i)該環状バンドから横に伸長し、該支持体の該周囲壁にほぼ並行であり、該基板の該張り出しているエッジの下で終わる内部リップと、
(ii)隆起リッジと、
(iii)該内部リップと該隆起リッジとの間に、該基板の該張り出しているエッジの下に少なくとも部分的に伸長する内部開放チャネルと、
(iv)該隆起リッジの放射状に外向きのレッジと、
を備えている前記環状バンドを備えている、前記堆積リング。
【請求項2】
該隆起リッジが該バンドの中央部分に沿って伸長し、使用中、カバーリングから隔置されてその間に渦巻き形の隙間を形成する平坦な上面を有する、請求項1記載の堆積リング。
【請求項3】
該内部チャネルが、該内部リップに結合している第1の丸いかど部と該隆起リッジに結合している傾斜面を有する、請求項1記載の堆積リング。
【請求項4】
該隆起リッジと該レッジの間にU型チャネルを更に備えている、請求項1記載の堆積リング。
【請求項5】
該環状バンドがステンレス鋼を備えている、請求項1記載の堆積リング。
【請求項6】
隆起リッジと開放内部チャネルを有する堆積リングを少なくとも部分的に覆うためのカバーリングにおいて、該カバーと堆積リングが、プロセスガスのプラズマが該基板を処理するために形成される基板処理チャンバ内の基板支持体の周りに配置され、該支持体が該基板の張り出しているエッジの前で終わる周囲壁を備え、該カバーリングが、
(a)該堆積リングの隆起リッジ上に置かれているフーチングと、該堆積リングの該開放内部チャネルの上に横たわる突出ブリムにテーパがつけられている傾斜面を備えた環状ウェッジと、
(b)該環状ウェッジから下向きに伸長している1つ以上の円筒状壁と、
を備えている、前記カバーリング。
【請求項7】
該堆積リングの該隆起リッジと該カバーリングの該突出ブリムが、該隙間を通ってプラズマ化学種の進行を妨害する渦巻き形の隙間を画成する、請求項6記載のカバーリング。
【請求項8】
該カバーリングの該環状ウェッジの該傾斜面が、該基板の面に垂直である軸に相対する角度で傾斜し、該角度が少なくとも約60°である、請求項6記載のカバーリング。
【請求項9】
該カバーリングが、該フーチングの放射状に外向きに位置する一対の円筒状壁を備えている、請求項6記載のカバーリング。
【請求項10】
該円筒状壁が内壁と外壁を備え、該内壁が該外壁よりわずかに高い、請求項6記載のカバーリング。
【請求項11】
該カバーリングの該突出ブリムの該傾斜上面が丸いエッジで終わる、請求項6記載のカバーリング。
【請求項12】
該カバーリングの該突出ブリムが、平坦な底面壁を備えている、請求項11記載のカバーリング。
【請求項13】
該突出ブリムが、該丸いエッジの前に隆起リッジを備えている、請求項11記載のカバーリング。
【請求項14】
該隆起リッジが、下にある堆積リングの表面の輪郭に適合しなぞったプロファイルを有する外部形状をもつ、請求項11記載のカバーリング。
【請求項15】
該カバーリングがチタンを含む、請求項6記載のアセンブリ。
【請求項16】
基板処理チャンバ内で基板支持体の周りに配置するためのリングアセンブリにおいて、プロセスガスのプラズマが該基板を処理するために形成され、該支持体が該基板の張り出しているエッジの前で終わる周囲壁を備え、該リングアセンブリが、
(a)該支持体の該周囲壁を囲む環状バンドを備えた堆積リングであって、該環状バンドが、
(i)該環状バンドから横に伸長し、該支持体の該周囲壁にほぼ並行であり、該基板の該張り出しているエッジの下で終わる、内部リップと、
(ii)隆起リッジと、
(iii)該内部リップと該隆起リッジとの間に、該基板の該張り出しているエッジの下に少なくとも部分的に伸長する内部開放チャネルと、
(iv)該隆起リッジの放射状に外向きのレッジと、
を備えている、前記堆積リングと、
(b)該堆積リングを少なくとも部分的に覆うカバーリングであって、
(i)該堆積リングの該隆起リッジ上に置かれているフーチングと、該堆積リングの該開放内部チャネルの上に横たわる突出ブリムにテーパがつけられている傾斜面を含む、環状ウェジと、
(ii)該環状ウェッジから下向きに伸長する1つ以上の円筒状壁と、
を備えているカバーリングと、
を備え、それにより、該隆起リッジと該カバーリングが該隙間を通ってプラズマ化学種の進行を妨害する渦巻き形の隙間を画成する、前記リングアセンブリ。
【請求項17】
基板処理チャンバ内で基板支持体の周囲に堆積リングを保持するための固定アセンブリにおいて、該堆積リングが固定ポストを有する凹部の周囲ポケットを備え、該固定アセンブリが、
(a)2つの端を含む抑制梁であって、該基板支持体に取り付けることができる前記抑制梁と、
(b)(i)抑制梁の端を受容するスルーチャネルを備えたブロックと、
(ii)該ブロックに取り付けられた保持フープであって、該堆積リングの該凹部の周囲ポケットにおける該保持ポストの上をすべる大きさである前記保持フープと、
を備えているアンチリフトブラケットと、
を備え、それにより、使用中、該スルーホールが該抑制梁にすべるので、該保持フープが該固定ポストを取り囲み、該ブロックの質量が該堆積リングを該支持体に安定に固定させることを可能にする、前記固定アセンブリ。
【請求項18】
該アンチリフトブラケットと該抑制梁間に配置されるセラミック絶縁体を更に備えている、請求項17記載の固定アセンブリ。
【請求項19】
該セラミック絶縁体が酸化アルミニウムを含む、請求項18記載のアセンブリ。
【請求項20】
基板処理チャンバ内の基板支持体に直面するスパッタリングターゲットのスパッタリング表面を取り囲んで該チャンバの該支持体と側壁上のスパッタリング堆積物の堆積を減少させることができるユニタリシールドにおいて、
(a)直径が該スパッタリングターゲットと該基板支持体の該スパッタリング表面を取り囲む大きさである円筒状外部バンドであって、該外部バンドが上端と下端を有し、該上端が該スパッタリングターゲットに隣接して放射状に外向きにテーパがつけられた表面を有する前記外部バンドと、
(b)該外部バンドの該下端から放射状に内向きに伸長するベース面と、
(c)該基板支持体のベースプレートに結合し且つ該周囲エッジを少なくとも部分的に囲んでいる円筒状内部バンドと、
を備えている前記シールド。
【請求項21】
該外部バンド、ベースプレート、内部バンドが、ユニタリ構造を含む、請求項21記載のシールド。
【請求項22】
該内部バンドが、該外部バンドより小さい高さを有する、請求項21記載のシールド。
【請求項23】
基板処理チャンバ内で円筒状シールドを冷却するための熱交換器において、
該熱交換器が、
(a)円筒状シールドの周りに適合する大きさである円形アパーチャを備えた内周を含むプレートと、
(b)それを通って熱交換流体を流すための該プレートにおける多角形コンジットであって、該円形アパーチャの周りの多角形パターンにおいて相互接続される複数の脚を備え、入口と出口を備えている、前記多角形コンジットと、
を備えている前記熱交換器。
【請求項24】
該プレートが六角形の側面を含む外周を含み、該脚が該六角形の側面を通って鋭角にドリルで穴があけられている、請求項23記載の熱交換器。
【請求項25】
該鋭角が約20〜約45°である、請求項24記載の熱交換器。
【請求項26】
シールド内に適合し且つ基板処理チャンバ内の絶縁体上に置かれることができるスパッタリングターゲットにおいて、
(a)該基板にスパッタすべきスパッタリング材料から構成されるスパッタリングプレートであって、傾斜エッジを備えている前記スパッタリングプレートと、
(b)該スパッタリングプレートを支持するためのバッキングプレートであって、該バッキングプレートが該スパッタリングプレートの該傾斜エッジを超えて伸長する周囲レッジを備え、該周囲レッジが該チャンバ内の該絶縁体上に置かれているフーチングと、該絶縁体とシールド上のスパッタリング堆積物の堆積を減少させる形と大きさである内部バンプを備えている、前記バッキングプレートと、
を備えている前記スパッタリングターゲット。
【請求項27】
該バンプが、約1.5mm〜約2mmの高さをもつ湾曲した断面を含む、請求項26記載のターゲット。
【請求項28】
該バッキングプレートが、高強度アルミニウム合金を含む、請求項26記載のターゲット。
【請求項29】
該スパッタリングプレートが、アルミニウムを含むスパッタリング表面を含む、請求項26記載のターゲット。
【請求項30】
基板処理チャンバ内の基板支持体に直面するスパッタリングターゲットのスパッタリング表面の周りに配置して、該チャンバの該支持体と側壁上のスパッタリング堆積物の堆積を減少させるプロセスキットにおいて、該支持体が該基板の張り出しているエッジと抑制梁の下で終わる周囲壁を備え、該プロセスキットが、
(a)該支持体を囲む環状バンドを備えている堆積リングであって、該堆積リングが該環状バンドから横に伸長する内部リップであって、該支持体の該周囲壁にほぼ並行であり、該基板の張り出しているエッジの下で終わる前記内部リップと、隆起リッジと、該内部リップと該隆起リッジ間の内部開放チャネルであって、該基板の該張り出しているエッジの下に少なくとも部分的に伸長する前記内部開放チャネルと、該隆起リッジの放射状に外向きのレッジと、固定ポストを有する凹部の周囲ポケットとを有する、前記堆積リングと、
(b)該堆積リングを少なくとも部分的に覆うカバーリングであって、該堆積リングの該リッジに置かれているフーチングを備え且つ該堆積リングの該開放内部チャネルの上に横たわる突出ブリムにテーパがついている傾斜面を有する環状ウェッジと、該環状ウェッジから下向きに伸長する1つ以上の円筒状壁とを備えている、前記カバーリングと、
(c)該支持体の抑制梁の端を受容するスルーチャネルを備えたブロックと、該堆積リングの該凹部ポケットにおいて該固定ポストの上にすべる大きさである保持フープとを備えるアンチリフトブラケットと、
を備えている、前記プロセスキット。
【請求項31】
該堆積リングが、該隆起リッジの放射状に外向きにあり且つ該環状バンドから横に伸長している外部リップを更に備えている、請求項30記載のプロセスキット。
【請求項32】
該カバーリングの該環状ウェッジの該傾斜面が、垂直から少なくとも約60°の該基板までの角度で傾斜している、請求項30記載のプロセスキット。
【請求項33】
該カバーリングが円筒状の内壁と外壁を備え、該内部壁が該外壁よりわずかに高い、請求項30記載のプロセスキット。
【請求項34】
該カバーリングの該突出ブリムの該傾斜上面が丸いエッジで終わり、平坦な底面を有する、請求項30記載のプロセスキット。
【請求項35】
該アンチリフトブラケットの該ブロックが、ファスナを受容して該ブロックを該支持体に留める垂直スルーホールを備えている、請求項30記載のプロセスキット。
【請求項36】
(a)直径が該スパッタリングターゲットの該スパッタリング表面と該基板支持体を取り囲む大きさである円筒状の外部バンドであって、該外部バンドが上端と下端を有し、該上端が該スパッタリングターゲットに隣接した放射状に外向きにテーパがつけられた表面を有する、前記円筒状外部バンドと、
(b)該外部バンドの該下端から放射状に内向きに伸長しているベース面と、
(c)該ベース面に結合し且つ該基板支持体の該周囲エッジを少なくとも部分的に囲んでいる円筒状の内部バンドと、
を備えたユニタリシールドを更に備えている、請求項30記載のプロセスキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−146290(P2007−146290A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−296371(P2006−296371)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】