説明

基板処理装置および基板受渡方法

【課題】スループットの向上を図ることができる、基板処理装置および基板受渡方法を提供する。
【解決手段】ハンド9の上下面に、それぞれウエハWを保持するための4つの支持突起23および4つの挟持部材24が備えられている。そのため、次の4つの動作ステップ1〜4で、ハンド9によるスピンチャックに対するウエハWの受け取りおよび受け渡しが達成される。
1.4つの支持突起23にウエハWが保持されている状態で、ハンド9がスピンチャックと対向する位置に進出される。
2.スピンチャックに支持されているウエハWが4つの挟持部材24により保持されて、スピンチャックから4つの挟持部材24にウエハWが受け取られる。
3.4つの挟持部材24によるウエハWの受け取りに前後して、4つの支持突起23からスピンチャックにウエハWが受け渡される。
4.ハンドがスピンチャックと対向する位置から退避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対する処理のために使用される基板処理装置および基板処理装置における基板受渡方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造などに用いられる基板処理装置には、処理の方式として基板を1枚ずつ処理する枚葉式を採用したものと、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式を採用したものとがある。
枚葉式を採用した基板処理装置は、インデクサユニットを装置本体に結合した構成を有している。インデクサユニットには、複数枚の基板を収容可能なキャリアが載置される載置部と、そのキャリアに対して基板を搬送するインデクサロボットとが設けられている。装置本体には、基板に対して処理を行うための処理チャンバと、この処理チャンバに対して基板を搬送するためのセンタロボットとが設けられている。
【0003】
載置部に載置されるキャリアには、複数枚の未処理の基板が収容されている。インデクサロボットは、キャリアから1枚ずつ未処理の基板を取り出し、その取り出した基板をセンタロボットに受け渡す。センタロボットは、インデクサロボットから基板を受け取ると、その基板を処理チャンバ内に設けられているスピンチャックに受け渡す。処理チャンバ内での基板に対する処理が完了すると、センタロボットは、スピンチャックから処理済みの基板を受け取り、その基板をインデクサロボットに受け渡す。インデクサロボットに受け渡された処理済みの基板は、インデクサロボットによりキャリアに戻される。
【0004】
センタロボットは、処理済みの基板を搬送するための第1ハンドと、未処理の基板を搬送するための第2ハンドとを備える、いわゆるダブルハンドの構成を採用している。そして、センタロボットによるスピンチャックに対する基板の受け取りおよび受け渡し(処理チャンバに対する基板の搬出および搬入)は連続して行われる。すなわち、処理チャンバ内での基板に対する処理が完了すると、次のような動作ステップ1〜5に従って、センタロボットによるスピンチャックに対する基板の受け取りおよび受け渡しが行われる。
【0005】
1.基板を保持していない空の第1ハンドが基板とスピンチャックとの間に差し入れられる。
2.第1ハンドが上昇されて、第1ハンドによりスピンチャックから基板が受け取られる。
3.第1ハンドが引き戻されつつ、未処理の基板を保持した第2ハンドがスピンチャックの上方に差し出される。
【0006】
4.第2ハンドが下降されて、第2ハンドからスピンチャックに基板が受け渡される。
5.第2ハンドが引き戻される。
一方、センタロボットが1つのハンドを備える構成では、ハンドによりスピンチャックから処理済みの基板を搬出し、その処理済みの基板をインデクサロボットに受け渡した後、空になったハンドによりインデクサロボットから未処理の基板を受け取り、その未処理の基板をスピンチャックに受け渡さなければならない。そのため、処理チャンバでの基板に対する処理の終了から次の基板に対する処理の開始までの時間が長くかかる。したがって、センタロボットがダブルハンドの構成を有し、スピンチャックに対する基板の受け取りおよび受け渡しが連続して行われることにより、先の基板に対する処理の終了から次の基板に対する処理の開始までの時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−53203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、スピンチャックに対する基板の受け取りおよび受け渡しに5つの動作ステップ1〜5が必要であるため、先の基板に対する処理の終了から次の基板に対する処理の開始までの時間が依然として長くかかり、その時間のためにスループットを向上することができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、スループットの向上を図ることができる、基板処理装置および基板受渡方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための請求項1に記載の基板処理装置は、基板を支持するための支持機構と、前記支持機構に対して進退可能に設けられ、上面および下面を有し、前記上面および前記下面の一方に基板を保持するための第1保持機構を備え、それらの他方に基板を保持するための第2保持機構を備えるハンドと、前記第1保持機構に基板が保持されている状態で、前記ハンドが前記支持機構と対向する位置に進出し、前記支持機構に支持されている基板を前記第2保持機構で保持して、前記支持機構から基板を受け取り、前記第1保持機構による基板の保持を解放して、前記支持機構に基板を受け渡した後、前記ハンドが前記支持機構と対向する位置から退避するように、前記ハンドの動作を制御するハンド制御部とを備えている。
【0010】
この基板処理装置では、1つのハンドに、基板を保持するための第1保持機構および第2保持機構が備えられている。そのため、ダブルハンドの構成を採用した基板処理装置と比較して、ステップ数が1つ少ない4つの動作ステップ1〜4に従って、ハンドによる支持機構に対する基板の受け取りおよび受け渡しを達成することができる。
1.第1保持機構に基板が保持されている状態で、ハンドが支持機構と対向する位置に進出される。
【0011】
2.支持機構に支持されている基板が第2保持機構により保持されて、支持機構から第2保持機構に基板が受け取られる。
3.第2保持機構による基板の受け取りに前後して、第1保持機構から支持機構に基板が受け渡される。
4.ハンドが支持機構と対向する位置から退避される。
【0012】
よって、ハンドによる支持機構に対する基板の受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置のスループットの向上を図ることができる。
請求項2に記載のように、第1保持機構は、ハンドの上面に設けられ、第2保持機構は、ハンドの下面に設けられていてもよい。
【0013】
この場合において、請求項3に記載のように、基板処理装置は、基板を保持して回転させるための基板保持回転機構をさらに備え、基板保持回転機構は、上下方向に延びる回転軸線を中心に回転可能なベース、ベースの上面に立設され、基板を協働して保持/解放する複数のチャックピン、およびベースの上面に上下動可能に設けられ、チャックピンによる基板の挟持位置とその上方のリフト位置との間で基板を昇降させるための複数のリフトピンとを備え、支持機構は、その基板保持回転機構であり、第1保持機構は、複数のリフトピンに基板を受け渡し、第2保持機構は、前記複数のチャックピンから基板を受け取ってもよい。
【0014】
ハンドによる基板保持回転機構に対する基板の受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置のスループットの向上を図ることができる。
また、請求項4に記載のように、基板処理装置は、上下方向に一定間隔を空けて設けられ、それぞれ基板の周縁部を下方から支持する複数の支持部材を有する複数基板支持機構をさらに備え、複数の支持部材は、上下に連続する所定数の支持部材の群からなる第1支持部と、残りの支持部材の群からなり、第1支持部に対して上下方向に並べられる第2支持部とを構成し、支持機構は、複数基板支持機構であり、第1保持機構は、相対的に上方に配置される第1支持部または第2支持部の支持部材に対して上から順に基板を受け渡し、第2保持機構は、第1保持機構により基板が受け渡された支持部材よりも下方に位置する支持部材から基板を受け取ってもよい。
【0015】
ハンドによる複数基板支持機構に対する基板の受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置のスループットの向上を図ることができる。
請求項5に記載のように、第1保持機構は、ハンドの下面に設けられ、第2保持機構は、ハンドの上面に設けられていてもよい。
【0016】
この場合において、請求項6に記載のように、基板処理装置は、基板を保持して回転させるための基板保持回転機構をさらに備え、基板保持回転機構は、上下方向に延びる回転軸線を中心に回転可能なベース、ベースの上面に立設され、基板を協働して保持/解放する複数のチャックピン、およびベースの上面に上下動可能に設けられ、チャックピンによる基板の挟持位置とその上方のリフト位置との間で基板を昇降させるための複数のリフトピンとを備え、支持機構は、基板保持回転機構であり、第1保持機構は、複数のチャックピンに基板を受け渡し、第2保持機構は、前記複数のリフトピンから基板を受け取ってもよい。
【0017】
ハンドによる基板保持回転機構に対する基板の受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置のスループットの向上を図ることができる。
また、請求項7に記載のように、基板処理装置は、上下方向に一定間隔を空けて設けられ、それぞれ基板の周縁部を下方から支持する複数の支持部材を有する複数基板支持機構をさらに備え、複数の支持部材は、上下に連続する所定数の支持部材の群からなる第1支持部と、残りの支持部材の群からなり、第1支持部に対して上下方向に並べられる第2支持部とを構成し、支持機構は、複数基板支持機構であり、第1保持機構は、相対的に下方に配置される第1支持部または第2支持部の支持部材に対して下から順に基板を受け渡し、第2保持機構は、第1保持機構により基板が受け渡された支持部材よりも上方に位置する支持部材から基板を受け取ってもよい。
【0018】
ハンドによる複数基板支持機構に対する基板の受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置のスループットの向上を図ることができる。
請求項8に記載のように、基板処理装置は、第1支持部と第2支持部との上下位置を入れ替えるローテーション機構と、第1支持部または第2支持部のすべての支持部材に対して第1保持機構から基板が受け渡されたことに応答して、ローテーション機構を駆動させるローテーション制御部とをさらに備えていることが好ましい。
【0019】
第1支持部または第2支持部のすべての支持部材に対して第1保持機構から基板が受け渡されたことに応答して、第1支持部と第2支持部との上下位置が入れ替えられることにより、その後も第1保持機構から支持部材に対する基板の受け渡しを継続して行うことができる。
なお、基板処理装置は、第1支持部または第2支持部のすべての支持部材に対して第1保持機構から基板が受け渡されたことに応答して、ローテーション機構が駆動される前に、その基板が満載された第1支持部または第2支持部からすべての基板を一括して搬送する基板一括搬送機構を備えていることが好ましい。
【0020】
この基板一括搬送機構を備えていることにより、第1支持部または第2支持部からの基板の搬送に要する時間を短縮することができる。その結果、基板処理装置のスループットのさらなる向上を図ることができる。
請求項9に記載の基板受渡方法は、基板を支持するための支持機構と、前記支持機構に対して進退可能に設けられ、上面および下面を有し、前記上面および前記下面の一方に、基板を保持するための第1保持機構を備え、それらの他方に基板を保持するための第2保持機構を備えるハンドとの間で、基板を受け渡す方法であって、前記第1保持機構に基板が保持されている状態で、前記ハンドを前記支持機構と対向する位置に進出させる進出ステップと、前記進出ステップの後、前記支持機構に支持されている基板を前記第2保持機構で保持して、前記支持機構から基板を受け取る受取ステップと、前記進出ステップの後、前記第1保持機構による基板の保持を解放して、前記支持機構に基板を受け渡す受渡ステップと、前記受取ステップおよび前記受渡ステップの後、前記ハンドを前記支持機構と対向する位置から退避させる退避ステップとを含む。
【0021】
この基板受渡方法により、請求項1に関連して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。
【図2A】図2Aは、図1に示すセンタロボットのハンドの図解的な平面図である。
【図2B】図2Bは、図1に示すセンタロボットのハンドの図解的な側面図である。
【図3】図3は、図1に示す処理チャンバに備えられているスピンチャックの図解的な平面図である。
【図4】図4は、図1に示すバッファの斜視図である。
【図5】図5は、基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6A】図6Aは、センタロボットのハンドによるスピンチャックに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作を示す図解的な側面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図6C】図6Cは、図6Bの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図6D】図6Dは、図6Cの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図6E】図6Eは、図6Dの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図6F】図6Fは、図6Eの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図6G】図6Gは、図6Fの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図7A】図7Aは、センタロボットのハンドによるバッファに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の一例を示す図解的な側面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図7C】図7Cは、図7Bの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図7D】図7Dは、図7Cの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図8A】図8Aは、バッファの第1支持部と第2支持部との上下位置が入れ替えられる時の動作の一例を示す図解的な側面図である。
【図8B】図8Bは、図8Aの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図8C】図8Cは、図8Bの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図8D】図8Dは、図8Cの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図8E】図8Eは、図8Dの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図9A】図9Aは、センタロボットのハンドによるスピンチャックに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の他の例を示す図解的な側面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図9C】図9Cは、図9Bの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図9D】図9Dは、図9Cの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図9E】図9Eは、図9Dの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図9F】図9Fは、図9Eの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図9G】図9Gは、図9Fの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図10A】図10Aは、センタロボットのハンドによるバッファに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の他の例を示す図解的な側面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図10C】図10Cは、図10Bの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図10D】図10Dは、図10Cの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図11A】図11Aは、バッファの第1支持部と第2支持部との上下位置が入れ替えられる時の動作の他の例を示す図解的な側面図である。
【図11B】図11Bは、図11Aの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図11C】図11Cは、図11Bの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図11D】図11Dは、図11Cの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図11E】図11Eは、図11Dの次の動作を示す図解的な側面図である。
【図12】図12は、バッファの他の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。
基板処理装置1は、たとえば、半導体装置の製造工場などに設置され、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wに対する処理のために使用される。基板処理装置1における処理の方式は、ウエハWを1枚ずつ処理する枚葉式である。
【0024】
基板処理装置1は、インデクサユニット2が装置本体3に結合された構成を有している。
インデクサユニット2には、複数のキャリアCを並べて載置可能なキャリア載置台4と、各キャリアCに対してウエハWを搬送するためのインデクサロボット5とが備えられている。
【0025】
キャリアCは、その内部に複数枚(たとえば、25枚)のウエハWを所定間隔を空けた積層配列状態で収容することができるものである。このようなキャリアCとしては、FOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical InterFace)ポッド、OC(Open Cassette)などを用いることができる。
インデクサロボット5は、キャリア載置台4に対する装置本体3側に配置されている。インデクサロボット5は、キャリア載置台4に沿って延びるロボット走行エリアAをキャリアCの並び方向に走行し、各キャリアCと対向する位置に移動することができる。また、インデクサロボット5は、キャリアCに収容可能なウエハWの枚数と同数のハンド6と、ハンド6を一括して水平方向に進退させるアーム(図示せず)と、ハンド6およびアームを昇降させる機構とを備えている。さらに、インデクサロボット5は、鉛直軸線を中心に回転し、ハンド6の進退方向を変えることができるようになっている。インデクサロボット5が各キャリアCと対向する位置で、キャリアCに対してハンド6を進退および昇降させて、ハンド6により、キャリアCに収容されているすべての未処理のウエハWを一括して取り出すことができ、キャリアCに収容可能な枚数の処理済みのウエハWを一括してキャリアCに収容することができる。
【0026】
装置本体3には、搬送室7が形成されている。搬送室7は、平面視において、ロボット走行エリアAの中央部から、インデクサロボット5の走行方向と直交する方向に延びている。
搬送室7の中央部には、センタロボット8が配置されている。センタロボット8は、2枚のウエハWを同時に保持可能なハンド9と、ハンド9を水平方向に進退させるアーム(図示せず)を含むハンド進退機構10(図2A参照)と、ハンド9およびアームを昇降させるハンド昇降機構11(図2A参照)を備えている。また、センタロボット8は、鉛直軸線を中心に回転することができるようになっている。
【0027】
搬送室7のロボット走行エリアAとの接続部分には、キャリアCの2つ分の枚数(たとえば、50枚)のウエハWを支持可能なバッファ12が設けられている。バッファ12のインデクサロボット5側およびセンタロボット8側は共に開放されており、インデクサロボット5およびセンタロボット8がバッファ12にアクセスすることができるようになっている。
【0028】
また、装置本体3には、4つの処理チャンバ13が設けられている。4つの処理チャンバ13は、センタロボット8を取り囲むように配置されている。具体的には、2つの処理チャンバ13は、搬送室7に対するその長手方向と直交する方向の一方側に、搬送室7に沿う方向に互いに隣接して配置されている。そして、その2つの処理チャンバ13と搬送室7を挟んでそれぞれ対向する位置に、残りの2つの処理チャンバ13が配置されている。各処理チャンバ13には、搬送室7に臨む面にシャッタ付の開口(図示せず)が形成されている。センタロボット8は、ハンド9の進退方向を各処理チャンバ13側に向けて、ハンド9を進退させることにより、開口を介して、各処理チャンバ13に対してウエハWを搬入/搬出することができる。
【0029】
処理チャンバ13内において、ウエハWに対する処理が行われる。このウエハWに対する処理としては、ウエハWを洗浄する洗浄処理、ウエハの表面上の薄膜を除去するためのエッチング処理、ウエハWを加熱/冷却する熱処理、ウエハWの表面上に膜を形成するための膜形成処理などが例示される。
図2Aは、センタロボットのハンドの図解的な平面図である。
【0030】
センタロボット8のハンド9は、アーム(図示せず)に接続された基部21と、基部21からハンド9の進出方向に延び出た1対の延出部22とを有する二股フォーク状に形成されている。ハンド9の上下両面は、ほぼ水平に延びる平坦面をなしている。
延出部22の長さは、ウエハWの直径Rよりも大きい。また、1対の延出部22が互いに対向する方向において、一方の延出部22の外側の端縁と他方の延出部22の外側の端縁との間の間隔は、ウエハWの直径よりも小さく、一方の延出部22の内側の端縁と他方の延出部22の内側の端縁との間の間隔は、後述するチャックピン33の幅よりも大きい。
【0031】
そして、各延出部22の上面22Aには、2つの支持突起23が設けられている。一方の支持突起23は、延出部22の先端に配置され、他方の支持突起23は、延出部22の基端部に配置されている。各支持突起23は、図示しないが、ウエハWの下面の周縁部を下方から支持する支持面と、ウエハWの端面に対向して、ウエハWの水平方向の移動を規制する規制面とを有している。
【0032】
この実施形態では、4つの支持突起23によって、基板の一例であるウエハWを保持するための第1保持機構または第2保持機構が構成されている。すなわち、ウエハWは、4つの支持突起23の支持面により支持され、各支持突起23の規制面により水平方向の移動が規制された状態で、ハンド9の上側に保持される。ハンド9の上側にウエハWが保持された状態で、ウエハWとハンド9の基部21との間には、チャックピン33を挿通可能な隙間が生じる。
【0033】
図2Bは、センタロボットのハンドの図解的な側面図である。
各延出部22の下面22Bには、1対(2つ)の挟持部材24が設けられている。一方の挟持部材24は、延出部22の先端に配置され、他方の挟持部材24は、延出部22の基端部に配置されている。そして、合計4つの挟持部材24は、ウエハWの外周形状に対応した円周上に配置されている。各挟持部材24には、互いに対をなす挟持部材24と対向する部分に断面V字状の端面挟持部25が形成されている。
【0034】
挟持部材24の各ペアには、互いに対をなす2つの挟持部材24をその対向方向に近接/離間させるための接離機構26が結合されている。接離機構26は、たとえば、シリンダなどを含み、ハンド9に内蔵されている。
4つの挟持部材24に囲まれる領域内にウエハWが配置された状態で、互いに対をなす2つの挟持部材24がその対向方向に近接する方向に4つの挟持部材24が移動(以下、単に「近接」という。)され、各挟持部材24の端面挟持部25にウエハWの周縁部が進入して当接することにより、ハンド9の下側にウエハWが保持される。また、その状態から互いに対をなす2つの挟持部材24がその対向方向に離間する方向に4つの挟持部材24が移動(以下、単に「離間」という。)されることにより、4つの挟持部材24によるウエハWの挟持を解放することができる。この実施形態では、4つの挟持部材24および接離機構26によって、基板の一例であるウエハWを保持するための第2保持機構または第1保持機構が構成されている。ハンド9の上下両側にウエハWが保持された状態で、それらのウエハWは、互いに中心を合わせて対向する。
【0035】
図3は、処理チャンバに備えられているスピンチャックの図解的な平面図である。
処理チャンバ13には、ウエハWをほぼ水平な姿勢に保持して回転させるためのスピンチャック31が備えられている。
スピンチャック31は、円板状のスピンベース32と、スピンベース32の上面に立設された6つのチャックピン33と、1つおきのチャックピン33の近傍に配置された3つのリフトピン34とを備えている。
【0036】
スピンベース32は、鉛直方向に沿って配置されたスピン軸(図示せず)の上端に取り付けられている。スピン軸は、モータの回転軸(図示せず)と同軸に構成されており、その中心軸線を中心に回転可能に設けられている。また、スピンベース32とスピン軸とは、スピン軸の中心軸線がスピンベース32の中心を通るように結合されている。これにより、モータが駆動されると、スピン軸とともに、スピンベース32が鉛直方向に延びる軸線を中心に回転する。
【0037】
6つのチャックピン33は、ウエハWの外周形状に対応した円周上に、ほぼ等角度間隔で配置されている。各チャックピン33は、鉛直軸線を中心に自転可能に設けられている。また、各チャックピン33は、図示しないが、ウエハWの下面の周縁部を下方から支持する支持部と、ウエハWの端面と当接可能な当接面と、この当接面よりもウエハWの半径方向外側に配置され、ウエハWの端面と間隔を空けて対向可能な離間面とを有している。また、6つのチャックピン33には、各チャックピン33をリンクさせて往復自転させるためのチャック駆動機構35が結合されている。チャック駆動機構35は、たとえば、シリンダなどを含み、スピンベース32に内蔵されている。
【0038】
6つのチャックピン33の支持部により、ウエハWの下面の周縁部を支持することができる。そして、各チャックピンを回転させて、各当接面をウエハWの端面に当接させることにより、6つのチャックピン33の協働によりウエハWを保持(挟持)することができ、各離間面をウエハWの端面に対向させることにより、そのウエハWの保持を解放することができる。
【0039】
なお、6つのチャックピン33のうちの1つおきの3つのチャックピンのみを自転可能な可動ピンとし、残りの3つのチャックピン33を自転不可能な固定ピンとしてもよい。3つのチャックピン33が固定ピンとされる場合、それらのチャックピン33は、ウエハWの下面の周縁部を下方から支持する支持部と、ウエハWの端面と間隔を空けて対向する離間面とを有する。
【0040】
各リフトピン34は、スピンベース32の上面から出没可能に設けられている。具体的には、スピンベース32の上面には、3つの扇形状の孔36が形成されており、各リフトピン34は、孔36を介して、スピンベース32の上面から突出した状態と、スピンベース32内に没入した状態とに出没可能に設けられている。
また、各リフトピン34は、鉛直方向に延びる軸37と、この軸37の上端部から水平方向に延びるリフトアーム38とを一体的に備えている。
【0041】
軸37には、軸37を昇降させるためのリフトピン昇降機構39が結合されている。リフトピン昇降機構39は、たとえば、シリンダなどを含み、スピンベース32に内蔵されている。軸37が昇降されることにより、リフトピン34がスピンベース32の上面から出没する。
また、軸37には、軸37を所定角度範囲内で回動(往復回転)させるためのリフトピン回動機構40が結合されている。リフトピン回動機構40は、たとえば、シリンダなどを含み、スピンベース32に内蔵されている。軸37が所定角度範囲内で回動されることにより、リフトアーム38は、その先端がチャックピン33に保持されたウエハWの下面の周縁部に対向する位置と、リフトアーム38の全体がチャックピン33に保持されたウエハWの下面に対向しない位置との間で揺動する。
【0042】
なお、図3では、図面の簡素化のために、1つのチャックピン33のみにチャック駆動機構35が結合され、1つのリフトピン34のみにリフトピン昇降機構39およびリフトピン回転機構40が結合された状態が図解的に示されている。
また、2つのリフトピン34は、それらの軸37の間の間隔DがウエハWの直径よりも大きくなるように配置されている。そして、基板処理装置1では、スピンベース32が回転停止されるときには、それらの2つのリフトピン34が処理チャンバ13に形成された開口(図示せず)と対向するように、スピンベース32の回転停止位置が制御されるようになっている。
【0043】
図4は、バッファの斜視図である。
バッファ12は、8つの昇降ガイド板41を備えている。8つの昇降ガイド板41は、センタロボット8(図1参照)との対向方向(以下「アクセス方向」という。)と直交する水平方向にウエハWの直径Rよりも大きい間隔を空けた2つの位置にそれぞれ4つずつに分けて設けられている。各昇降ガイド板41は、鉛直方向およびアクセス方向と直交する水平方向に延びている。そして、各位置の4つの昇降ガイド板41は、アクセス方向に間隔を空けて並列に配置されている。また、一方の位置の4つの昇降ガイド板41と他方の位置の4つの昇降ガイド板41とは、それぞれアクセス方向と直交する水平方向に対向している。
【0044】
以下、説明上での便宜のために、一方の位置の4つの昇降ガイド板41を、アクセス方向の端から順に、昇降ガイド板41RA,41RB,41RC,41RDとし、他方の位置の4つの昇降ガイド板41を、同順に、昇降ガイド板41LA,41LB,41LC,41LDとする。
昇降ガイド板41RA,41RBの互いに対向する面には、それぞれスライド板42RA,42RBが対向して配置されている。スライド板42RA,42RBは、昇降ガイド板41RA,41RBと平行を保ちつつ昇降可能なように、それぞれ昇降ガイド板41RA,41RBに取り付けられている。スライド板42RA,42RBは、その鉛直方向のサイズ(高さ)がそれぞれ昇降ガイド板41RA,41RBの鉛直方向のサイズの半分よりも小さいように形成されている。
【0045】
スライド板42RA,42RBには、それぞれ櫛状部材43RA,43RBが昇降ガイド板41RA,41RBと反対側から対向して配置されている。櫛状部材43RA,43RBは、同じ構成であり、スライド板42RA,42RBに対してアクセス方向と直交する水平方向にスライド可能に設けられた略四角柱状のスライド部44と、スライド部44から昇降ガイド板41LA,41LB側に向かって水平に延び、鉛直方向に一定間隔を空けて設けられた複数の支持部材45とを備えている。支持部材45の数は、1つのキャリアC(図1参照)に収容可能なウエハWの枚数と同じである。
【0046】
昇降ガイド板41RC,41RDの互いに対向する面には、それぞれスライド板42RC,42RDが対向して配置されている。スライド板42RC,42RDは、昇降ガイド板41RC,41RDと平行を保ちつつ昇降可能なように、それぞれ昇降ガイド板41RC,41RDに取り付けられている。スライド板42RC,42RDは、その鉛直方向のサイズがそれぞれ昇降ガイド板41RC,41RDの鉛直方向のサイズの半分よりも小さいように形成されている。
【0047】
スライド板42RC,42RDには、それぞれ櫛状部材43RC,43RDが昇降ガイド板41RC,41RDと反対側から対向して配置されている。櫛状部材43RC,43RDは、櫛状部材43RA(43RB)と同じ構成であり、その構成についての説明は省略する。
昇降ガイド板41LA,41LBの互いに対向する面には、それぞれスライド板42LA,42LBが対向して配置されている。スライド板42LA,42LBは、昇降ガイド板41LA,41LBと平行を保ちつつ昇降可能なように、それぞれ昇降ガイド板41LA,41LBに取り付けられている。スライド板42LA,42LBは、その鉛直方向のサイズ(高さ)がそれぞれ昇降ガイド板41LA,41LBの鉛直方向のサイズの半分よりも小さいように形成されている。
【0048】
スライド板42LA,42LBには、それぞれ櫛状部材43LA,43LBが昇降ガイド板41LA,41LBと反対側から対向して配置されている。櫛状部材43LA,43LBは、櫛状部材43RA(43RB)と鉛直線に対して対称をなす構成であり、その構成についての説明は省略する。
昇降ガイド板41LC,41LDの互いに対向する面には、それぞれスライド板42LC,42LDが対向して配置されている。スライド板42LC,42LDは、昇降ガイド板41LC,41LDと平行を保ちつつ昇降可能なように、それぞれ昇降ガイド板41LC,41LDに取り付けられている。スライド板42LC,42LDは、その鉛直方向のサイズがそれぞれ昇降ガイド板41LC,41LDの鉛直方向のサイズの半分よりも小さいように形成されている。
【0049】
スライド板42LC,42LDには、それぞれ櫛状部材43LC,43LDが昇降ガイド板41LC,41LDと反対側から対向して配置されている。櫛状部材43LC,43LDは、櫛状部材43LA(43LB)と同じ構成であり、その構成についての説明は省略する。
図5は、基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0050】
基板処理装置1は、マイクロコンピュータで構成される制御部51を備えている。制御部51には、制御対象として、ハンド進退機構10、ハンド昇降機構11、接離機構26、チャック駆動機構35、リフトピン昇降機構39、リフトピン回動機構40およびローテーション駆動機構52が接続されている。
ローテーション駆動機構52は、図4に示すスライド板42RA,42RB,42RC,42RD,42LA,42LB,42LC,42LD(以下、総称するときは「スライド板42」という。)および櫛状部材43RA,43RB,43RC,43RD,43LA,43LB,43LC,43LD(以下、総称するときは「櫛状部材43」という。)をスライドさせるための機構である。
【0051】
制御部51によるローテーション駆動機構52の制御により、スライド板42RA,42RC,42LB,42LDが同期して昇降され、櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDが同期してスライドされる。これにより、4つの櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDは、常に、鉛直方向の位置が同じ高さ位置となる。そして、櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDがアクセス方向と直交する水平方向の最も内側までスライドされると、同じ高さ位置にある4つの支持部材45の間隔は、ウエハWの直径Rよりも小さくなる。したがって、同じ高さ位置にある4つの支持部材45により、1枚のウエハWを支持することができる。よって、櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDは、1つのキャリアC(図1参照)に収容可能なウエハWの枚数と同じ枚数のウエハWを上下に積層した状態で支持可能な第1支持部46を構成する。
【0052】
また、制御部51によるローテーション駆動機構52の制御により、スライド板42RB,42RD,42LA,42LCが同期して昇降され、櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCが同期してスライドされる。これにより、4つの櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCは、常に、鉛直方向の位置が同じ高さ位置となる。そして、櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCがアクセス方向と直交する水平方向の最も内側までスライドされると、同じ高さ位置にある4つの支持部材45の間隔は、ウエハWの直径Rよりも小さくなる。したがって、同じ高さ位置にある4つの支持部材45により、1枚のウエハWを支持することができる。よって、櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCは、1つのキャリアC(図1参照)に収容可能なウエハWの枚数と同じ枚数のウエハWを上下に積層した状態で支持可能な第2支持部47を構成する。
【0053】
図6A〜6Gは、センタロボットのハンドによるスピンチャックに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の一例を示す図解的な側面図である。
図6Aに示すように、スピンチャック31の6つのチャックピン33には、処理済みのウエハWが保持されている。3つのリフトピン34は、スピンベース32内に没入している。一方、センタロボット8のハンド9の上側には、未処理のウエハWが保持されている。この状態で、ハンド9が処理チャンバ13内のスピンチャック31の上方の位置に向けて進出される。
【0054】
図6Bに示すように、ハンド9は、ハンド9に保持された未処理のウエハWがチャックピン33に保持された処理済みのウエハWと平面視で合致する位置まで進出され、その位置で停止される。
つづいて、図6Cに示すように、ハンド9の4つの挟持部材24に囲まれる領域内にウエハWが配置される位置まで、ハンド9が下降される。そして、ハンド9の下降後、4つの挟持部材24が近接され、4つの挟持部材により、ハンド9の下側にウエハWが保持される。その一方で、チャックピン33が回転されて、チャックピン33によるウエハWの保持が解放される。これにより、ハンド9によるチャックピン33からのウエハWの受け取りが達成される。
【0055】
また、各リフトピン34のリフトアーム38がウエハWの下面の周縁部に対向する位置まで回転される。そして、各リフトピン34が上方に進出(上昇)される。この進出の途中で、リフトアーム38がハンド9の上側に保持されているウエハWの下面の周縁部に当接する。その後、リフトピン34がさらに進出されることにより、図6Dに示すように、ウエハWは、ハンド9によるウエハWの保持位置よりも上方のリフト位置まで持ち上げられる。これにより、ハンド9によるリフトピン34へのウエハWの受け渡しが達成される。
【0056】
その後、図6Eに示すように、ハンド9が少し上昇される。
そして、図6Fに示すように、ハンド9が処理チャンバ13から退避される。
ハンド9が退避した後、リフトピン34がスピンベース32内に没入するまで下降される。リフトピン34の下降の途中で、リフトアーム38に支持されているウエハWの下面の周縁部がチャックピン33に当接し、ウエハWがリフトアーム38上からチャックピン33上に移載される。その後、チャックピン33が回転され、チャックピン33によりウエハWが保持される。
【0057】
以上のように、基板処理装置1では、1つのハンド9の上下面に、それぞれウエハWを保持するための4つの支持突起23(第1保持機構)および4つの挟持部材24(第2保持機構)が備えられている。そのため、ダブルハンドの構成を採用した基板処理装置と比較して、ステップ数が1つ少ない4つの動作ステップ1〜4に従って、ハンド9によるスピンチャック31に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しを達成することができる。
【0058】
1.4つの支持突起23(第1保持機構)にウエハWが保持されている状態で、ハンド9がスピンチャック31と対向する位置に進出される。
2.スピンチャック31に支持されているウエハWが4つの挟持部材24(第2保持機構)により保持されて、スピンチャック31から4つの挟持部材24にウエハWが受け取られる。
【0059】
3.4つの挟持部材24によるウエハWの受け取りに前後して、4つの支持突起23からスピンチャック31にウエハWが受け渡される。
4.ハンド9がスピンチャック31と対向する位置から退避される。
よって、スピンチャック31に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置1のスループットの向上を図ることができる。
【0060】
図7A〜7Dは、センタロボットのハンドによるバッファに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の一例を示す図解的な側面図である。
なお、図7A〜7Dには、第1支持部46が相対的に上方に配置され、第2支持部47が相対的に下方に配置された状態が示されている。また、第1支持部46には、上から1〜4段目の合計16個の支持部材45により4枚の未処理のウエハWが支持されている状態が示されている。以下では、図7A〜7Dに示す状態を前提として、センタロボット8のハンド9によるバッファ12に対するウエハWの受け取りおよび受け渡し時の動作について説明する。
【0061】
スピンチャック31(チャックピン33)に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しが行われた後は、図6Fおよび図7Aに示すように、ハンド9の下側に処理済みのウエハWが保持されている。このハンド9は、バッファ12の第2支持部47に向けて進出される。具体的には、図7Aに示すように、第2支持部47におけるウエハWを支持していない最下の支持部材45とその直上の支持部材45との間にウエハWが進入するように、ハンド9が進出される。この際には、処理済みのウエハWを保持している4つの挟持部材24が第1保持機構として機能し、4つの支持突起23が第2保持機構として機能することになる。
【0062】
その後、図7Bに示すように、ハンド9の下側に保持されたウエハWが支持部材45に当接する位置まで、ハンド9が下降される。ハンド9の下降後、4つの挟持部材24が離間され、4つの挟持部材によるウエハWの保持が解放される。これにより、ハンド9による第2支持部47の支持部材45へのウエハWの受け渡しが達成される。
次に、図7Cに示すように、ハンド9が上昇される。ハンド9の上昇の途中で、ハンド9の4つの支持突起23が第1支持部46に支持されている最下方のウエハWの下面の周縁部に当接する。
【0063】
ハンド9は、支持突起23がウエハWの下面に当接した位置から少し上方の位置まで上昇される。これにより、図7Dに示すように、ウエハWは、第1支持部46の支持部材45から離間し、ハンド9による第1支持部46の支持部材45からのウエハWの受け取りが達成される。そして、ハンド9は、バッファ12から退避され、処理チャンバ13(スピンチャック31)に向けて再び進出される。
【0064】
図8A〜8Eは、バッファの第1支持部と第2支持部との上下位置が入れ替えられる時の動作の一例を示す図解的な側面図である。
以下では、第1支持部46が相対的に上方に配置され、第2支持部47が相対的に下方に配置された状態から、第1支持部46と第2支持部47との上下位置が入れ替えられる場合を例にとって、その動作について説明する。
【0065】
図7A〜7Dで示される動作が繰り返されることにより、次々と、センタロボット8のハンド9から処理済みのウエハWが第2支持部47に受け渡され、未処理のウエハWが第1支持部46からハンド9に受け取られていく。
第2支持部47へのウエハWの受け渡しが進むと、図8Aに示すように、第2支持部47に最大枚数のウエハWが支持された状態(満載状態)となる。
【0066】
第2支持部47に最大枚数のウエハWが支持されると、インデクサロボット5(図1参照)により、その第2支持部47に支持されているすべてのウエハWが搬出される。したがって、図8Bに示すように、第2支持部47は、ウエハWを1枚も支持していない空の状態となる。インデクサロボット5により搬送されるウエハWは、キャリアC(図1参照)に収容される。
【0067】
次に、図8Cに示すように、第2支持部47を構成する4つの櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCがアクセス方向と直交する水平方向の外側に向けてスライドされる。
その後、図8Dに示すように、櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCがそれぞれスライド板42RB,42RD,42LA,42LCとともに上昇される。一方、第1支持部46を構成する4つの櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDが下降される。
【0068】
そして、図8Eに示すように、4つの櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCがアクセス方向と直交する水平方向の最内側までスライドされると、第1支持部46と第2支持部47との上下位置の入れ替えが達成される。
その後は、相対的に下方に配置される第1支持部46に最大枚数のウエハWが支持されるまで、ハンド9による第1支持部46へのウエハWの受け渡しが続けられ、第1支持部46に最大枚数のウエハWが支持されると、前述と同様の動作により、第1支持部46と第2支持部47との上下位置が再び入れ替えられる。
【0069】
また、第1支持部46および第2支持部47には、適当なタイミングで、インデクサロボット5により未処理のウエハWが受け渡しされる。
以上のように、基板処理装置1では、1つのハンド9の上下面に、それぞれウエハWを保持するための4つの支持突起23(第2保持機構)および4つの挟持部材24(第1保持機構)が備えられている。そのため、ダブルハンドの構成を採用した基板処理装置と比較して、ステップ数が1つ少ない4つの動作ステップ1〜4に従って、ハンド9によるバッファ12に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しを達成することができる。
【0070】
1.4つの挟持部材24(第1保持機構)にウエハWが保持されている状態で、ハンド9がバッファ12の支持部材45と対向する位置に進出される。
2.バッファ12の支持部材45に支持されているウエハWが4つの支持突起23(第2保持機構)により保持されて、バッファ12の支持部材45から4つの支持突起23にウエハWが受け取られる。
【0071】
3.4つの支持部材23によるウエハWの受け取りに前後して、4つの挟持部材23からバッファ12の支持部材45にウエハWが受け渡される。
4.ハンド9がバッファ12の支持部材45と対向する位置から退避される。
よって、バッファ12に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置1のスループットの向上を図ることができる。
【0072】
また、インデクサロボット5が第1支持部46により支持可能な最大枚数のウエハWを一括して搬送することができるので、第1支持部46および第2支持部47からのウエハWの搬送に要する時間を短縮することができる。その結果、基板処理装置1のスループットのさらなる向上を図ることができる。
図9A〜9Gは、センタロボットのハンドによるスピンチャックに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の他の例を示す図解的な側面図である。
【0073】
図9Aに示すように、スピンチャック31の6つのチャックピン33には、処理済みのウエハWが保持されている。3つのリフトピン34は、スピンベース32内に没入している。一方、センタロボット8のハンド9の下側には、未処理のウエハWが保持されている。この状態で、ハンド9が処理チャンバ13内のスピンチャック31の上方の位置に向けて進出される。
【0074】
ハンド9の進出に先立ち、チャックピン33が回転されて、チャックピン33によるウエハWの保持が解放される。また、各リフトピン34のリフトアーム38がウエハWの下面の周縁部に対向する位置まで回転される。そして、各リフトピン34が上方に進出(上昇)される。この進出の途中で、リフトアーム38がウエハWの下面の周縁部に当接する。その後、リフトピン34がさらに進出されることにより、図9Bに示すように、ウエハWは、チャックピン33によるウエハWの保持位置よりも上方のリフト位置まで持ち上げられる。
【0075】
その後、図9Bに示すように、ハンド9に保持された未処理のウエハWがチャックピン33に保持された処理済みのウエハWと平面視で合致する位置まで、ハンド9が進出される。
つづいて、図9Cに示すように、ハンド9に保持されているウエハWの下面が6つのチャックピン33に当接する位置まで、ハンド9が下降される。
【0076】
ハンド9の下降後、図9Dに示すように、4つの挟持部材24が離間され、4つの挟持部材によるウエハWの保持が解放される。これにより、ハンド9によるチャックピン33へのウエハWの受け渡しが達成される。その後、チャックピン33が回転され、チャックピン33によりウエハWが保持される。
また、リフトピン34がスピンベース32内に没入するまで下降される。図9Eに示すように、リフトピン34の下降の途中で、リフトアーム38に支持されているウエハWの下面の周縁部がハンド9の4つの支持突起23に当接し、ウエハWがリフトアーム38上からチャックピン33上に移載される。これにより、ハンド9によるチャックピン33へのウエハWの受け渡しが達成される。
【0077】
その後、図9Fに示すように、ハンド9が少し上昇される。
そして、図9Gに示すように、ハンド9が処理チャンバ13から退避される。
図9A〜9Gを参照して説明したように、ウエハWの受け取りおよび受け渡し時の動作の他の例においても、ダブルハンドの構成を採用した基板処理装置と比較して、ステップ数が1つ少ない4つの動作ステップ1〜4に従って、ハンド9によるスピンチャック31に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しを達成することができる。
【0078】
1.4つの挟持部材24(第1保持機構)にウエハWが保持されている状態で、ハンド9がスピンチャックと対向する位置に進出される。
2.スピンチャック31に支持されているウエハWが4つの支持突起23(第2保持機構)により保持されて、スピンチャック31から4つの支持突起23にウエハWが受け取られる。
【0079】
3.4つの支持突起23によるウエハWの受け取りに前後して、4つの挟持部材24からスピンチャック31にウエハWが受け渡される。
4.ハンド9がスピンチャック31と対向する位置から退避される。
よって、スピンチャック31に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置1のスループットの向上を図ることができる。
【0080】
図10A〜10Dは、センタロボットのハンドによるバッファに対するウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の他の例を示す図解的な側面図である。
なお、図10A〜10Dには、第1支持部46が相対的に上方に配置され、第2支持部47が相対的に下方に配置された状態が示されている。以下では、図10A〜10Dに示す状態を前提として、センタロボット8のハンド9によるバッファ12に対するウエハWの受け取りおよび受け渡し時の動作について説明する。
【0081】
スピンチャック31(チャックピン33)に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しが行われた後は、図9Gおよび図10Aに示すように、ハンド9の上側に処理済みのウエハWが保持されている。このハンド9は、バッファ12の第1支持部46に向けて進出される。具体的には、図10Aに示すように、第1支持部46におけるウエハWを支持していない最上の支持部材45に対して上方に微小な間隔を空けた位置にウエハWが配置されるように、ハンド9が進出される。この際には、処理済みのウエハWを保持している4つの支持突起23が第1保持機構として機能し、4つの挟持部材24が第2保持機構として機能することになる。
【0082】
その後、ハンド9が下降される。この下降の途中で、図10Bに示すように、ハンド9に保持されているウエハWの下面の周縁部に支持部材45が当接し、ウエハWがハンド9から支持部材45に移載される。これにより、ハンド9による第1支持部46の支持部材45へのウエハWの受け渡しが達成される。
図10Cに示すように、ハンド9は、ハンド9の4つの挟持部材24に囲まれる領域内にウエハWが配置される位置まで下降される。そして、ハンド9の下降後、4つの挟持部材24が近接され、4つの挟持部材により、ハンド9の下側にウエハWが保持される。
【0083】
その後、図10Dに示すように、ハンド9が少し上昇される。これにより、ウエハWは、支持部材45から離間し、ハンド9による支持部材45からのウエハの受け取りが達成される。そして、ハンド9は、バッファ12から退避され、処理チャンバ13(スピンチャック31)に向けて再び進出される。
図11A〜11Eは、バッファの第1支持部と第2支持部との上下位置が入れ替えられる時の動作の他の例を示す図解的な側面図である。
【0084】
以下では、第1支持部46が相対的に上方に配置され、第2支持部47が相対的に下方に配置された状態から、第1支持部46と第2支持部47との上下位置が入れ替えられる場合を例にとって、その動作について説明する。
図10A〜10Dで示される動作が繰り返されることにより、次々と、センタロボット8のハンド9から処理済みのウエハWが第1支持部46に受け渡され、未処理のウエハWが第2支持部47からハンド9に受け取られていく。
【0085】
第1支持部46へのウエハWの受け渡しが進むと、図11Aに示すように、第1支持部46に最大枚数のウエハWが支持された状態となる。
第1支持部46に最大枚数のウエハWが支持されると、インデクサロボット5(図1参照)により、その第1支持部46に支持されているすべてのウエハWが搬出される。したがって、図11Bに示すように、第1支持部46は、ウエハWを1枚も支持していない空の状態となる。インデクサロボット5により搬送されるウエハWは、キャリアC(図1参照)に収容される。
【0086】
次に、図11Cに示すように、第1支持部46を構成する4つの櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDがアクセス方向と直交する水平方向の外側に向けてスライドされる。
その後、図11Dに示すように、櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDがそれぞれスライド板42RA,42RC,42LB,42LDとともに下降される。一方、第2支持部47を構成する4つの櫛状部材43RB,43RD,43LA,43LCが上昇される。
【0087】
そして、図11Eに示すように、4つの櫛状部材43RA,43RC,43LB,43LDがアクセス方向と直交する水平方向の最内側までスライドされると、第1支持部46と第2支持部47との上下位置の入れ替えが達成される。
その後は、相対的に上方に配置される第2支持部47に最大枚数のウエハWが支持されるまで、ハンド9による第2支持部47へのウエハWの受け渡しが続けられ、第2支持部47に最大枚数のウエハWが支持されると、前述と同様の動作により、第1支持部46と第2支持部47との上下位置が再び入れ替えられる。
【0088】
図10A〜10Dを参照して説明したように、ウエハの受け取りおよび受け渡し時の動作の他の例においても、ダブルハンドの構成を採用した基板処理装置と比較して、ステップ数が1つ少ない4つの動作ステップ1〜4に従って、ハンド9によるバッファ12に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しを達成することができる。
1.4つの支持突起23(第1保持機構)にウエハWが保持されている状態で、ハンド9がバッファ12の支持部材45と対向する位置に進出される。
【0089】
2.バッファ12の支持部材45に支持されているウエハWが4つの挟持部材24(第2保持機構)により保持されて、バッファ12の支持部材45から4つの挟持部材24にウエハWが受け取られる。
3.4つの挟持部材24によるウエハWの受け取りに前後して、4つの支持突起23からバッファ12の支持部材45にウエハWが受け渡される。
【0090】
4.ハンド9がバッファ12の支持部材45と対向する位置から退避される。
よって、バッファ12に対するウエハWの受け取りおよび受け渡しに要する時間を短縮することができ、それにより、基板処理装置1のスループットの向上を図ることができる。
図12は、バッファの他の構造を示す斜視図である。
【0091】
図12に示すバッファ70は、図4に示すバッファ12に代えて、図1に示す基板処理装置1に採用することができる。
バッファ70は、4つのベルトユニット71を備えている。4つのベルトユニット71は、アクセス方向と直交する水平方向に間隔を空けた2つの位置にそれぞれ2つずつに分けて設けられている。各位置の2つのベルトユニット71は、アクセス方向に間隔を空けて並べて配置されている。
【0092】
各ベルトユニット71は、上下方向に対向する1対のプーリ72と、1対のプーリ72間に巻き回された無端状のベルト73と、ベルト73の外側面に一定間隔で立設された複数の支持板74とを備えている。そして、4つのベルトユニット71の上側のプーリ72は、同じ高さ位置に、その回転軸75がアクセス方向に延びるように配置されている。また、4つのベルトユニットの下側のプーリ72は、同じ高さ位置に、その回転軸75がアクセス方向に延びるように配置されている。各ベルトユニット71の上側または下側の一方のプーリ72の回転軸75には、ローテーション駆動機構52(図5参照)に含まれるモータ(図示せず)から回転駆動力が入力されるようになっている。
【0093】
4つのベルトユニット71は、プーリ72の回転軸75に入力される回転駆動力により、それらの間に設定される同一水平面内に4つの支持板74が常に含まれるように走行する。また、支持板74のサイズは、アクセス方向と直交する水平方向において、互いに対向するベルトユニット71の支持板74の間の間隔がウエハWの直径Rよりも小さくなるように設計されている。したがって、同一水平面内に含まれる4つの支持板74により、1枚のウエハWを支持することができる。
【0094】
また、4つのベルトユニット71に囲まれる領域において、ベルト73の直線状に延びる部分に、2つのキャリアCに収容可能なウエハWの枚数と同数の支持板74が設けられるように、ベルト73の周長および支持板74の間隔が設計されている。これにより、バッファ70には、キャリアCの2つ分の枚数のウエハWを支持することができる。
そして、ベルト73の直線状に延びる部分に設けられる支持板74において、上から1つのキャリアCに収容可能なウエハWの枚数と同数の支持板74を第1支持部76とし、第1支持部76の下方の残りの支持板74を第2支持部77として、バッファ12の場合と同様なハンド9(図1参照)の動作により、第1支持部76および第2支持部77の一方の支持板74にハンド9からウエハWを受け渡すことができる。また、そのウエハWが受け渡された支持板74よりも下方または上方の支持板74からハンド9にウエハWを受け取ることができる。
【0095】
たとえば、第1支持部76に最大枚数の処理済みのウエハWが支持された状態となった場合には、その第1支持部76に支持されているすべてのウエハWを搬出した後、ベルト73を走行させることにより、第2支持部77を上昇させることができ、第2支持部77の下方に、1つのキャリアCに収容可能なウエハWの枚数と同数の支持板74からなる新たな第1支持部76を設けることができる。
【0096】
また、第2支持部77に最大枚数の処理済みのウエハWが支持された状態となった場合には、その第2支持部77に支持されているすべてのウエハWを搬出した後、ベルト73を走行させることにより、第1支持部76を下降させることができ、第1支持部76の上方に、1つのキャリアCに収容可能なウエハWの枚数と同数の支持板74からなる新たな第2支持部77を設けることができる。
【0097】
よって、この構成によれば、第1支持部76と第2支持部77との上下位置の入れ替えを簡素な構成で達成することができる。
本発明の実施形態の説明は以上のとおりであるが、前述の実施形態には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
たとえば、前述の実施形態において、ハンド9の第1保持機構および第2保持機構は、ウエハWを吸着することによって保持する機構であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 基板処理装置
5 インデクサロボット(基板一括搬送機構)
9 ハンド
12 バッファ(支持機構、複数基板支持機構)
23 支持突起(第1保持機構または第2保持機構)
24 挟持部材(第2保持機構または第1保持機構)
26 接離機構(第2保持機構または第1保持機構)
31 スピンチャック(支持機構、基板保持回転機構)
32 スピンベース
33 チャックピン
34 リフトピン
45 支持部材
46 第1支持部
47 第2支持部
51 制御部(ハンド制御部、ローテーション制御部)
52 ローテーション駆動機構(ローテーション機構)
70 バッファ(支持機構、複数基板支持機構)
72 プーリ(ローテーション機構)
73 ベルト(ローテーション機構)
74 支持板(支持部材)
76 第1支持部
77 第2支持部
W ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するための支持機構と、
前記支持機構に対して進退可能に設けられ、上面および下面を有し、前記上面および前記下面の一方に基板を保持するための第1保持機構を備え、それらの他方に基板を保持するための第2保持機構を備えるハンドと、
前記第1保持機構に基板が保持されている状態で、前記ハンドが前記支持機構と対向する位置に進出し、前記支持機構に支持されている基板を前記第2保持機構で保持して、前記支持機構から基板を受け取り、前記第1保持機構による基板の保持を解放して、前記支持機構に基板を受け渡した後、前記ハンドが前記支持機構と対向する位置から退避するように、前記ハンドの動作を制御するハンド制御部とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1保持機構は、前記ハンドの上面に設けられ、
前記第2保持機構は、前記ハンドの下面に設けられている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板を保持して回転させるための基板保持回転機構をさらに含み、
前記基板保持回転機構は、上下方向に延びる回転軸線を中心に回転可能なベース、前記ベースの上面に立設され、基板を協働して保持/解放する複数のチャックピン、および前記ベースの上面に上下動可能に設けられ、前記チャックピンによる基板の挟持位置とその上方のリフト位置との間で基板を昇降させるための複数のリフトピンとを備え、
前記支持機構は、前記基板保持回転機構であり、
前記第1保持機構は、前記複数のリフトピンに基板を受け渡し、
前記第2保持機構は、前記複数のチャックピンから基板を受け取る、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
上下方向に一定間隔を空けて設けられ、それぞれ基板の周縁部を下方から支持する複数の支持部材を有する複数基板支持機構をさらに含み、
前記複数の支持部材は、上下に連続する所定数の前記支持部材の群からなる第1支持部と、残りの前記支持部材の群からなり、前記第1支持部に対して上下方向に並べられる第2支持部とを構成し、
前記支持機構は、前記複数基板支持機構であり、
前記第1保持機構は、相対的に上方に配置される前記第1支持部または前記第2支持部の前記支持部材に対して上から順に基板を受け渡し、
前記第2保持機構は、前記第1保持機構により基板が受け渡された前記支持部材よりも下方に位置する前記支持部材から基板を受け取る、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1保持機構は、前記ハンドの下面に設けられ、
前記第2保持機構は、前記ハンドの上面に設けられている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
基板を保持して回転させるための基板保持回転機構をさらに含み、
前記基板保持回転機構は、上下方向に延びる回転軸線を中心に回転可能なベース、前記ベースの上面に立設され、基板を協働して保持/解放する複数のチャックピン、および前記ベースの上面に上下動可能に設けられ、前記チャックピンによる基板の挟持位置とその上方のリフト位置との間で基板を昇降させるための複数のリフトピンとを備え、
前記支持機構は、前記基板保持回転機構であり、
前記第1保持機構は、前記複数のチャックピンに基板を受け渡し、
前記第2保持機構は、前記複数のリフトピンから基板を受け取る、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
上下方向に一定間隔を空けて設けられ、それぞれ基板の周縁部を下方から支持する複数の支持部材を有する複数基板支持機構をさらに含み、
前記複数の支持部材は、上下に連続する所定数の前記支持部材の群からなる第1支持部と、残りの前記支持部材の群からなり、前記第1支持部に対して上下方向に並べられる第2支持部とを構成し、
前記支持機構は、前記複数基板支持機構であり、
前記第1保持機構は、相対的に下方に配置される前記第1支持部または前記第2支持部の前記支持部材に対して下から順に基板を受け渡し、
前記第2保持機構は、前記第1保持機構により基板が受け渡された前記支持部材よりも上方に位置する前記支持部材から基板を受け取る、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1支持部と前記第2支持部との上下位置を入れ替えるローテーション機構と、
前記第1支持部または前記第2支持部のすべての前記支持部材に対して前記第1保持機構から基板が受け渡されたことに応答して、前記ローテーション機構を駆動させるローテーション制御部とをさらに含む、請求項4または7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板を支持するための支持機構と、前記支持機構に対して進退可能に設けられ、上面および下面を有し、前記上面および前記下面の一方に、基板を保持するための第1保持機構を備え、それらの他方に基板を保持するための第2保持機構を備えるハンドとの間で、基板を受け渡す方法であって、
前記第1保持機構に基板が保持されている状態で、前記ハンドを前記支持機構と対向する位置に進出させる進出ステップと、
前記進出ステップの後、前記支持機構に支持されている基板を前記第2保持機構で保持して、前記支持機構から基板を受け取る受取ステップと、
前記進出ステップの後、前記第1保持機構による基板の保持を解放して、前記支持機構に基板を受け渡す受渡ステップと、
前記受取ステップおよび前記受渡ステップの後、前記ハンドを前記支持機構と対向する位置から退避させる退避ステップとを含む、基板受渡方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−232349(P2010−232349A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77219(P2009−77219)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】