説明

基板処理装置

【課題】スループットを向上させる。
【解決手段】筐体11内をサブ筐体24で保管領域30と処理領域31とに仕切る。保管領域30には、ポッド搬入搬出口12で出入りする搬入搬出口載置台16、搬入搬出口載置台16の上方に位置するサブ保管棚17、サブ保管棚17の後方に位置する回転式保管棚20、サブ保管棚17と回転式保管棚20の間に位置するポッド搬送装置23、回転式保管棚20の下方に位置する着脱機構載置台27、着脱機構載置台27の真上に位置する固定式保管棚29を設ける。処理領域31にはポッド2からウエハ1を取り出すウエハ移載機構33と処理炉36を設ける。ダミーウエハやモニタウエハを収納したポッド2の搬入搬出口載置台16への搬入時には固定式保管棚29に搬送する。処理時にダミーウエハやモニタウエハを収納したポッド2の搬送時間を短縮できるので、スループットを向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、例えば、半導体素子を含む半導体集積回路を作り込まれる基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に絶縁膜や金属膜等のCVD膜を形成したり不純物を拡散したりするバッチ式縦形拡散・CVD装置に利用して有効なものに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置の一例であるバッチ式縦形拡散・CVD装置(以下、バッチ式CVD装置という。)においては、複数枚のウエハがキャリア(ウエハ収納容器)に収納された状態で扱われる。
従来のこの種のキャリアとして、互いに対向する一対の面が開口された略立方体の箱形状に形成されているオープンカセットと、一つの面が開口された略立方体の箱形状に形成され開口面にキャップが着脱自在に装着されているFOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)とがある。
ウエハのキャリアとしてポッドが使用される場合には、ウエハが密閉された状態で搬送されることになるため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしてもウエハの清浄度は維持することができる。したがって、バッチ式CVD装置が設置されるクリーンルーム内の清浄度をあまり高く設定する必要がなくなるため、クリーンルームに要するコストを低減することができる。
そこで、最近のバッチ式CVD装置においてはウエハのキャリアとしてポッドが使用されて来ている。
【0003】
ウエハのキャリアとしてポッドを使用するバッチ式CVD装置としては、ポッドを搬送するポッド搬送機構と、ポッドを複数個保管する回転式保管棚と、ポッドの蓋を着脱する着脱機構(ポッドオープナ)とを備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−7801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のバッチ式CVD装置においては、ポッド内に収納されているウエハを1バッチ分で全て使用しきることの少ないダミーウエハ用もしくはモニタウエハ用のポッドであっても、回転式保管棚からポッドオープナにポッド搬送機構によって搬送する必要があるために、スループットが低くなるという問題点がある。
また、1バッチで処理する製品ウエハの枚数は多ければ多いほどスループットが向上する。さらに、1バッチ分のみならず2バッチ分や3バッチ分のウエハを収納可能な分のポッドを、予め、バッチ式CVD装置内に収納しておくと、
一方、バッチ式CVD装置は装置高さ、装置幅、装置奥行き方向の寸法を大きくすると、バッチ式CVD装置が設置されるクリーンルーム内の設置スペースを多く費やすことになってしまうため、装置高さ、装置幅、装置奥行き方向の寸法いずれにおいても制限されている。そのため、バッチ式CVD装置に収納可能なポッドの数は、制限されてしまっていた。
【0005】
本発明の目的は、スループットを向上させることができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)複数枚の基板が密閉状態で収納された蓋付きの収納容器を搬入搬出する搬入搬出口を有する筐体と、
該筐体内における前記搬入搬出口に設けられ前記収納容器を載置する搬入搬出口載置台と、前記収納容器を搬送する収納容器搬送機構と、前記収納容器を保管する回転式保管棚と、前記収納容器の蓋を着脱する着脱機構に対向して設けられる着脱機構載置台と、前記回転式保管棚と前記着脱機構載置台との間に設けられる固定式保管棚とを有し、前記収納容器を搬送かつ保管する保管領域と、
前記収納容器内から前記基板を取り出し所定の処理を施す処理領域と、
収納された基板の種類がダミー用基板もしくはモニタ用基板である収納容器が前記搬入搬出口から前記搬入搬出口載置台に搬入された場合には、前記回転式保管棚への搬送よりも前記固定式保管棚への搬送を優先的に選択するように前記収納容器搬送機構を制御する制御部と、
を備えている基板処理装置。
【0007】
(2)前記着脱機構載置台は上下方向に2つ以上設けられており、隣接する前記着脱機構載置台の間の距離よりも前記着脱機構載置台のうち最も上側の着脱機構載置台と前記固定式保管棚の距離を小さくするように配置されている前記(1)の基板処理装置。
【発明の効果】
【0008】
前記(1)によれば、着脱機構載置台に回転式保管棚よりも近い固定式保管棚にダミー用基板やモニタ用基板を収納した収納容器を保管することにより、収納容器搬送機構の搬送時間を短縮することができるので、スループットを向上させることができる。
【0009】
前記(2)によれば、収納容器搬送機構の搬送時間をより一層短縮することができるので、スループットをより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0011】
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、バッチ式CVD装置として図1〜図4に示されているように構成されている。
また、本実施の形態においては、被処理基板としてのウエハ1を収納したキャリア(収納容器)としては、ポッド2が使用されている。
図2に示されているように、ポッド2は一つの面が開口された略立方体の箱形状に形成されており、その開口部であるウエハ出し入れ口3には、これを開閉する蓋体としてのキャップ4が着脱自在に装着されている。
ポッド2の下面には複数個の位置決め穴5が没設されており、上面には鍔部6が突設されている。
【0012】
図1〜図4に示されているように、本実施の形態に係るバッチ式CVD装置10は、筐体11を備えている。
筐体11の正面壁11aの下部には、ポッド2を搬入搬出するポッド搬入搬出口12が筐体11の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口12はフロントシャッタ13(図2参照)によって開閉されるようになっている。
【0013】
ポッド搬入搬出口12にはポッド2を搬入搬出するロードポート14が設定されており、ロードポート14にはスライド機構15が水平に設備されている。
スライド機構15の上にはポッド2を載置する搬入搬出口載置台16が、左右に隣り合わせに設けられている。スライド機構15は左右の搬入搬出口載置台16、16を前後方向にスライドさせてポッド搬入搬出口12を出入りさせる。
図示しないが、ポッド2は搬入搬出口載置台16の上に、構内搬送装置の一例としてのAGV(Autmated Guided Vehicle)によって供給され、かつまた、搬入搬出口載置台16上から搬出されるようになっている。
【0014】
筐体11内のスライド機構15の上方には、ポッド2を保管するサブ保管棚17が設置されている。サブ保管棚17は8個のポッド2を保管するように構成されている。すなわち、サブ保管棚17はポッド2を左右に隣り合わせに並べて載置する棚板18を4枚備えており、4枚の棚板18が上下方向に略等間隔に水平に配置されている。
【0015】
筐体11内の前後方向の略中央部における上部には、ポッド2を保管する回転式保管棚20が設置されており、回転式保管棚20は12個のポッド2を保管するように構成されている。
すなわち、回転式保管棚20は垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱21と、支柱21に上中下段の各位置において放射状に支持された3枚の棚板22とを備えており、3枚の棚板22はポッド2を4個宛それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0016】
筐体11内におけるロードポート14と回転式保管棚20との間には、ポッド2を搬送するポッド搬送機構としてのポッド搬送装置23が設置されている。
ポッド搬送装置23は昇降機構であるポッドエレベータ23aと、ポッド2を保持するポッド保持装置23bとによって構成されている。ポッド搬送装置23はポッドエレベータ23aとポッド保持装置23bとの連続動作により、ロードポート14、回転式保管棚20、後記するポッドオープナ、サブ保管棚、固定式保管棚との間で、ポッド2を搬送する。
【0017】
筐体11内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体24が後端にわたって構築されている。
サブ筐体24の正面壁24aにはウエハ1をサブ筐体24内に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口25が一対、垂直方向に上下二段に並べられて開設されており、上下段のウエハ搬入搬出口25、25には、一対のポッドオープナ26、26がそれぞれ設置されている。
ポッドオープナ26はポッド2を載置する載置台(着脱機構載置台)27、27と、ポッド2のキャップ(蓋)を着脱するキャップ着脱機構(着脱機構)28、28とを備えている。
着脱機構載置台27の下部にはキャップ着脱機構28に対しポッド2をスライド移動させるためのスライド機構27aが設けられている。
ポッドオープナ26は着脱機構載置台27に載置されたポッド2のキャップをキャップ着脱機構28によって着脱することにより、ポッド2のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0018】
サブ筐体24の正面壁24a前面における回転式保管棚20と着脱機構載置台27との間には、ポッド2を保管する固定式保管棚29が設けられている。
固定式保管棚29は着脱機構載置台27と異なり、スライド機構27aを設ける必要がないため、その分高さを必要とせずに済む。すなわち、固定式保管棚29は隣接する上下段の着脱機構載置台27、27の間の距離(L)よりも、上段の着脱機構載置台27と固定式保管棚29との距離(Y)を小さくするように配置されている。
また、回転式保管棚20と固定式保管棚29との距離(Z)は、隣接する上下段の着脱機構載置台27、27の間の距離(L)よりも小さくするように配置されている。好ましくは、(Z)と(Y)とは略同一長さとすると、固定式保管棚を設けつつも、デッドスペースをなくすように、回転式保管棚20と着脱機構載置台27との間の距離を小さくすることができる。すなわち、基板処理装置全体の高さを大きくする必要がないため、デッドスペースを有効利用することができる。
【0019】
サブ筐体24はロードポート14やサブ保管棚17や回転式保管棚20やポッド搬送装置23や着脱機構載置台27や固定式保管棚29が設置された保管領域30と、ポッド2からウエハ1を取り出して所定の処理を施す処理領域31とを仕切っている。
【0020】
処理領域31には移載室32が設けられており、移載室32の前側領域にはウエハ移載機構33が設置されており、ウエハ移載機構33は、ウエハ1を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置33aおよびウエハ移載装置33aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ33b(図2参照)とで構成されている。
図1に模式的に示されているように、ウエハ移載装置エレベータ33bは筐体11右側端部とサブ筐体24の移載室32前方領域右端部との間に設置されている。これら、ウエハ移載装置エレベータ33bおよびウエハ移載装置33aの連続動作により、ウエハ移載装置33aのツイーザ33cをボート34に対してウエハ1を装填(チャージング)および脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0021】
移載室32の後側領域には、ボート34を収容して待機させる待機部35が構成されている。待機部35の上方には処理炉36が設けられている。処理炉36の下端部は炉口シャッタ(図示せず)により開閉されるように構成されている。
【0022】
図1に示されているように、筐体11の右側端部とサブ筐体24の待機部35右端部との間には、ボート34を昇降させるためのボートエレベータ37が設置されている。
ボートエレベータ37の昇降台に連結された連結具としてのアーム38には蓋体としてのシールキャップ39が水平に据え付けられており、シールキャップ39はボート34を垂直に支持し、処理炉36の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート34は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ1をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0023】
便宜上、図示は省略するが、移載室32のウエハ移載装置エレベータ側およびボートエレベータ37側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエアを供給するよう供給フアンおよび防塵フィルタで構成されたクリーンユニットが設置されている。
また、ウエハ移載装置33aとクリーンユニットとの間には、ウエハの円周方向の位置を整合させるノッチ合わせ装置が設置されている。
クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ノッチ合わせ装置やウエハ移載装置33aや待機部35にあるボート34に流通された後に、図示しないダクトにより吸い込まれて、筐体11の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニットの吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、クリーンユニットによって、移載室32内に再び吹き出される。
【0024】
図1に示されているように、バッチ式CVD装置10はコンピュータ等から構築される制御部40を備えている。制御部40は、内部に収納されたウエハ1の種類がダミー用ウエハもしくはモニタ用ウエハであるポッド2がポッド搬入搬出口12から搬入搬出口載置台16に搬入された場合には、回転式保管棚20への搬送よりも固定式保管棚29への搬送を優先的に選択するようにポッド搬送装置23を制御する。
制御部40はポッド2内のウエハの種類を、AGVとの通信連絡やオペレータによる操作によって予め認識することができる。
【0025】
次に、以上の構成に係るバッチ式CVD装置を用いるICの製造方法における成膜工程を説明する。
【0026】
CVD装置に投入される際、ポッド2はポッド搬入搬出口12の外側において搬入搬出口載置台16の上に載置される。
ポッド2が搬入搬出口載置台16に載置されると、スライド機構15は搬入搬出口載置台16をポッド搬入搬出口12の内側に搬入する。
【0027】
ポッド2がポッド搬入搬出口12の内側に搬入されると、ポッド保持装置23bがポッド2を搬入搬出口載置台16から掬い取る。
ポッド保持装置23bでポッド2を掬い取ると、ポッド搬送装置23はポッド2を、サブ保管棚17の指定された棚板18または回転式保管棚20の指定された棚板22または固定式保管棚29へ自動的に搬送して受け渡す。
このとき、掬い取ったポッド2内のウエハ1の種類がダミー用ウエハもしくはモニタ用ウエハである場合には、制御部40の制御により、ポッド搬送装置23は当該ポッド2を固定式保管棚29へ優先的に搬送する。
【0028】
本実施の形態においては、図1で参照されるように、保管領域30には合計21個のポッド2を保管することができる。
【0029】
成膜に際して、制御部40の制御に従って、ポッド搬送装置23は保管領域30に保管されたポッド2を上段の着脱機構載置台27または下段の着脱機構載置台27に搬送する。
この際、ダミー用ウエハもしくはモニタ用ウエハが必要である場合には、制御部40の制御に従って、ポッド搬送装置23は当該ポッド2を固定式保管棚29から掬い取って上段の着脱機構載置台27に搬送する。
通例、ダミーウエハやモニタウエハは1バッチ分で全て使用することが少ないので、これらウエハを収納したポッド2は着脱機構載置台27に何度も搬送されることになる。
ここで、本実施の形態においては、当該ポッド2は着脱機構載置台27に直近の固定式保管棚29に保管されているので、ポッド搬送装置23による当該ポッド2の搬送時間を最も短縮することができ、その結果、スループットを向上させることができる。
【0030】
ポッド2が着脱機構載置台27に搬送される際には、ポッドオープナ26のウエハ搬入搬出口25はキャップ着脱機構28によって閉じられており、移載室32にはクリーンエアが流通され、充満されている。
例えば、移載室32にはクリーンエアとして窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、筐体11の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0031】
着脱機構載置台27に載置されたポッド2は、その開口側端面がサブ筐体24の正面壁24aにおけるウエハ搬入搬出口25の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構28によって取り外され、ウエハ出し入れ口を開放される。
ポッド2がポッドオープナ26によって開放されると、ウエハ1はポッド2からウエハ移載装置33aのツイーザ33cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ノッチ合わせ装置にてウエハを整合した後、移載室32の後方にある待機部35へ搬入され、ボート34に装填(チャージング)される。
ボート34にウエハ1を受け渡したウエハ移載装置33aはポッド2に戻り、次のウエハ2をボート34に装填する。
【0032】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ26におけるウエハ移載機構33によるウエハのボート34への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ26には保管領域30から別のポッド2がポッド搬送装置23によって搬送されて移載され、ポッドオープナ26によるポッド2の開放作業が同時進行される。
【0033】
予め指定された枚数のウエハ1がボート34に装填されると、炉口シャッタによって閉じられていた処理炉36の下端部が、炉口シャッタによって、開放される。
続いて、ウエハ1群を保持したボート34はボートエレベータ37によって上昇されることにより、処理炉36内へ搬入(ボートローディング)されて行く。
【0034】
ボートローディング後は、処理炉36にてウエハ1に成膜が施される。
処理後は、ノッチ合わせ装置でのウエハの整合ステップ工程を除き、前述と逆の手順で、ウエハ1およびポッド2は筐体11の外部へ払出される。
【0035】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0036】
(1)着脱機構載置台に回転式保管棚よりも近い固定式保管棚にダミーもしくはモニタ用ウエハを収納したポッドを保管することにより、ポッド搬送装置の搬送時間を短縮することができるので、CVD装置のスループットを向上させることができる。
【0037】
(2)上下段の着脱機構載置台の間の距離よりも上段の着脱機構載置台と固定式保管棚の距離を小さくすることにより、ポッド搬送装置の搬送時間をより一層短縮することができるので、スループットをより一層向上させることができる。
【0038】
(3)保管領域にサブ保管棚と回転式保管棚と固定式保管棚とを設けることにより、保管領域に合計21個のポッドを保管することができるので、最大150枚のウエハを保管領域に保管しておくことができ、CVD装置のスループットを向上させることができる。
【0039】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0040】
例えば、構内搬送装置の他の例であるOHT(over head transfer)に対応することができるように、ロードポートは筐体正面壁の上部に設定してもよい。
【0041】
前記した実施の形態においては、バッチ式CVD装置に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、拡散装置やアニール装置および酸化装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0042】
基板はウエハに限らず、ホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0043】
本願が開示する手段を纏めると、以下の通りである。
(1)複数枚の基板が密閉状態で収納された蓋付きの収納容器を搬入搬出する搬入搬出口を有する筐体と、
該筐体内における前記搬入搬出口に設けられ前記収納容器を載置する搬入搬出口載置台と、前記収納容器を搬送する収納容器搬送機構と、前記収納容器を保管する回転式保管棚と、前記収納容器の蓋を着脱する着脱機構に対向して設けられる着脱機構載置台と、前記回転式保管棚と前記着脱機構載置台との間に設けられる固定式保管棚とを有し、前記収納容器を搬送かつ保管する保管領域と、
前記収納容器内から前記基板を取り出し所定の処理を施す処理領域と、
収納された基板の種類がダミー用基板もしくはモニタ用基板である収納容器が前記搬入搬出口から前記搬入搬出口載置台に搬入された場合には、前記回転式保管棚への搬送より前記固定式保管棚への搬送を優先的に選択するように前記収納容器搬送機構を制御する制御部と、
を備えている基板処理装置。
(2)前記着脱機構載置台は上下方向に2つ以上設けられており、隣接する前記着脱機構載置台の間の距離よりも前記着脱機構載置台のうち最も上側の着脱機構載置台と前記固定式保管棚の距離を小さくするように配置されている前記(1)の基板処理装置。
(3)複数枚の基板が密閉状態で収納された蓋付きの収納容器を保管する回転式保管棚と、
前記収納容器の蓋を着脱する着脱機構に対向して水平動作可能とする水平移動機構を備えた着脱機構載置台と、
前記回転式保管棚と着脱機構載置台との間に設けられる水平移動機構を備えない固定式保管棚と、
を備えている基板処理装置。
(4)複数枚の基板が密閉状態で収納された蓋付きの収納容器を搬入搬出する搬入搬出口を有する筐体と、
該筐体内における前記搬入搬出口に設けられ前記収納容器を載置する搬入搬出口載置台と、前記収納容器を搬送する収納容器搬送機構と、前記収納容器を保管する回転式保管棚と、前記収納容器の蓋を着脱する着脱機構に対向して設けられる着脱機構載置台と、前記回転式保管棚と前記着脱機構載置台との間に設けられる固定式保管棚とを有し、前記収納容器を搬送かつ保管する保管領域と、
前記収納容器内から前記基板を取り出し所定の処理を施す処理領域と、
を備えた基板処理装置において、
収納された基板の種類がダミー用基板もしくはモニタ用基板である収納容器が前記搬入搬出口から前記搬入搬出口載置台に搬入された場合には、前記回転式保管棚への搬送より前記固定式保管棚への搬送を優先的に選択し、前記収納容器搬送機構により前記固定式保管棚へ前記収納容器を搬送することを特徴とする収納容器の搬送方法。
(5)前記(4)の収納容器の搬送方法を用いて処理する半導体装置の製造方法であって、
前記保管領域の前記収納容器から基板を前記処理領域に取り出すステップと、
前記処理領域で前記基板に所定の処理を施すステップと、
前記処理領域から前記保管領域の収納容器へ前記基板を収納するステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
(6)前記(1)(2)の基板処理装置を用いる半導体装置の製造方法であって、
前記保管領域の前記収納容器から基板を前記処理領域に取り出すステップと、
前記処理領域で前記基板に所定の処理を施すステップと、
前記処理領域から前記保管領域の収納容器へ前記基板を収納するステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態であるバッチ式CVD装置を示す一部省略斜視図である。
【図2】一部省略側面断面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿う正面断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う正面断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…ウエハ(基板)、2…ポッド(収納容器)、3…ウエハ出し入れ口、4…キャップ(蓋体)、5…位置決め穴、6…鍔部、
10…バッチ式CVD装置(基板処理装置)、11…筐体、11a…正面壁、12…ポッド搬入搬出口、13…フロントシャッタ、
14…ロードポート、15…スライド機構、16…搬入搬出口載置台、17…サブ保管棚、18…棚板、
20…回転式保管棚、21…支柱、22…棚板、
23…ポッド搬送装置、23a…ポッドエレベータ、23b…ポッド保持装置、
24…サブ筐体、24a…正面壁、25…ウエハ搬入搬出口、
26…ポッドオープナ、27…載置台(着脱機構載置台)、28…キャップ着脱機構(着脱機構)、
29…固定式保管棚、
30…保管領域、31…処理領域、
32…移載室、33…ウエハ移載機構、33a…ウエハ移載装置、33b…ウエハ移載装置エレベータ、33c…ツイーザ、
34…ボート、35…待機部、36…処理炉、37…ボートエレベータ、38…アーム、39…シールキャップ、40…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板が密閉状態で収納された蓋付きの収納容器を搬入搬出する搬入搬出口を有する筐体と、
該筐体内における前記搬入搬出口に設けられ前記収納容器を載置する搬入搬出口載置台と、前記収納容器を搬送する収納容器搬送機構と、前記収納容器を保管する回転式保管棚と、前記収納容器の蓋を着脱する着脱機構に対向して設けられる着脱機構載置台と、前記回転式保管棚と前記着脱機構載置台との間に設けられる固定式保管棚とを有し、前記収納容器を搬送かつ保管する保管領域と、
前記収納容器内から前記基板を取り出し所定の処理を施す処理領域と、
収納された基板の種類がダミー用基板もしくはモニタ用基板である収納容器が前記搬入搬出口から前記搬入搬出口載置台に搬入された場合には、前記回転式保管棚への搬送よりも前記固定式保管棚への搬送を優先的に選択するように前記収納容器搬送機構を制御する制御部と、
を備えている基板処理装置。
【請求項2】
複数枚の基板が密閉状態で収納された蓋付きの収納容器を保管する回転式保管棚と、
前記収納容器の蓋を着脱する着脱機構に対向して水平動作可能とする水平移動機構を備えた着脱機構載置台と、
前記回転式保管棚と着脱機構載置台との間に設けられる水平移動機構を備えない固定式保管棚と、
を備えている基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−270266(P2008−270266A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107183(P2007−107183)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】