説明

寄生容量を低減させたジャイロメータ

【課題】ジャイロメータは、基板と、基板の上に懸架された慣性質量部(2)であって、励振部(6)および検出部(8)を含む慣性質量部(2)と、前記慣性質量部(2)の平面内に含まれる、励振部(6)を少なくとも1つの方向(X)に移動させる手段と、前記質量部の平面の外側での前記検出部(8)の移動を検出する静電容量検出手段とを含む。
【解決手段】前記静電容量検出手段は、前記検出部(8、108)と共に可変コンデンサを形成するように、基板に面して位置する検出部(8)の上に配置された、少なくとも1つの懸架電極(16)を含み、前記電極(16)は、慣性質量部(2)を貫通する少なくとも1つの柱状体(22)によって、前記検出部(8)の上に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量検出を伴い、寄生容量を低減させたMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)およびNEMS(ナノエレクトロメカニカルシステム)ジャイロメータに関する。
【0002】
本発明は、ジャイロメータの平面内に含まれる軸のまわりの回転から生じるコリオリ力を検出するように設計された、ジャイロメータの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
ジャイロスコープは、平面内に位置する励振軸と呼ばれる軸のまわり、または平面の外側に位置する軸のまわりで移動される慣性質量部を含み、平面内の軸のまわりの回転から生じるコリオリ力によって引き起こされる面外移動が検出される。
【0004】
静電容量検出の場合、面外移動は電極によって検出される。電極は垂直にすることができる。
【0005】
しかしながら、そうした電極の製造は複雑であり、コストが高い。さらに、一部の構造は、完全に線形ではない静電容量の変動および複雑な変動法則を有する。
【0006】
他の技術によれば、電極は水平であり、電極と慣性質量部の間でエアギャップの変動が測定される。エアギャップの変動は非線形であるが、変動法則はよく知られている。
【0007】
電極は、基板上の振動質量部の下に配置することができる。そうしたジャイロメータが、P. Merzら、「Impact Of Si DRIE On Vibratory MEMS Gyroscope Performance」、TRANSDUCERS & EUROSENSORS’07、1187〜1190頁、2007年という文書に記載されている。
【0008】
しかしながら、こうした構造は高い寄生容量を有する。電極と検出部の面外移動を検出するのに用いられる能動部との間の有用な静電容量に加えて、電極と基板の間の寄生容量が、電極の表面全体、ならびに導体トラックおよびコンタクトパッドの表面に生じる。したがって、特に電極レベルと基板の間の絶縁性に関する比誘電率の係数が電極と能動部の間にある空気より高いため、寄生容量が、場合によっては名目上の静電容量より大きくなる(SiOの場合、通常はε=3.8)。下式を思い起こされたい。
【0009】
【数1】

【0010】
上式において、ε0は真空の誘電率、Sは静電容量に関する表面積、gはエアギャップ距離である。
【0011】
T. Tsuchiyaら、「Vibrating gyroscope consisting of three layers of polysilicon thin films」、Sensors and Actuators、82巻、114〜119頁、2000年という文書には、励振および差動の検出を行うことができるように、4つの梁によって懸架され、基板上に位置する下部電極と上部電極との間に配置された振動質量部を含むジャイロメータが記載されている。上部電極は、慣性質量部の上に懸架されたポリシリコンの第3の層に形成される。この層はきわめて薄い。
【0012】
このジャイロメータはまた、下部電極と基板の間に高い寄生容量を有する。さらに、より良好な感度が必要である場合には、第2の層の厚さを増やさなければならず、その場合、面内移動および面外移動の共振周波数が差動的に変化する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】P. Merzら、「Impact Of Si DRIE On Vibratory MEMS Gyroscope Performance」、TRANSDUCERS & EUROSENSORS’07、1187〜1190頁、2007年
【非特許文献2】T. Tsuchiyaら、「Vibrating gyroscope consisting of three layers of polysilicon thin films」、Sensors and Actuators、82巻、114〜119頁、2000年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の1つの目的は、面外移動の検出を伴い、寄生容量をより小さくしたジャイロメータ、および簡易化された製造方法を提供することである。特に、寄生容量を低減することによって、ジャイロメータによって行われる静電容量測定からのノイズが低減される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
先に言及した目的は、少なくとも1つの励振部および少なくとも1つの検出部で形成された慣性質量部と、検出部に機械的に接続され、励振移動のすべてまたは一部を検出部に伝える励振部と、基板に面する検出部の上に配置された電極によって形成される、検出部の面外移動を検出する手段とを含むジャイロメータによって達成され、前記電極は、慣性質量部を貫通する柱状体によって検出部の上の適所に保持される。
【0016】
したがって、電極によって寄生容量を形成する可能性があるジャイロメータの領域は、本質的にコンタクトパッド、導体トラック、柱状体、場合によっては励振部である。したがって、本発明によるジャイロメータの寄生容量は著しく低減される。
【0017】
ノイズ比に対する信号は寄生容量によって制限されるため、寄生容量の低減によって測定ノイズも低減される。
【0018】
有利には、検出部を貫通する柱状体を使用すること、および全表面積が検出部に面するように電極を作製することによって、電極と励振部の間にはもはや寄生容量が存在しなくなるため、寄生容量はさらに低減される。
【0019】
一般的には、MEMSまたはNEMSジャイロメータは、内部に真空が生成された空洞の中に配置される。柱状体を用いて電極を支持することによって、電極の配置がジャイロメータの空洞を形成するカバーの配置と無関係になる。その場合、検出部に対する検出電極の位置を変えずに、空洞、したがって真空空間のサイズを大きくすることが可能になる。
【0020】
したがって、本発明の対象は、基板と、基板の上に懸架された慣性質量部であって、少なくとも1つの励振部および少なくとも1つの検出部を含む慣性質量部と、前記慣性質量部の平面内に含まれる、励振部を少なくとも1つの方向に移動させる手段と、前記質量部の平面の外側での前記検出部の移動を検出する静電容量検出手段とを含むジャイロメータであり、前記静電容量検出手段は、前記検出部と共に可変コンデンサを形成するように、前記基板に面して位置する検出部の上に配置された、検出電極と呼ばれる少なくとも1つの懸架電極を含み、前記電極は、慣性質量部を貫通する少なくとも1つの柱状体によって、前記検出部の上に保持される。
【0021】
本願において、「検出部の上の」とは、電極が少なくとも部分的に検出部の上にあることを指し、したがって、検出電極がこの検出部を越えて突出していてもよく、または検出電極がこの検出部より小さくてもよい。
【0022】
好ましくは、電極上の各点の、ジャイロメータの平面に直交する軸に沿った直交する突出部は、ほぼ検出部上に位置し、検出電極の突出部は検出部を越えて突出しない。さらに好ましくは、検出電極は、検出感度を最大にするために、検出部の表面積にほぼ等しい表面積を有する。
【0023】
ジャイロメータは1つまたは複数の通路を含み、検出部の縁部に隣接する領域において、その通路を通って柱状体が検出部および/または励振部を貫通してもしなくてもよい。
【0024】
好ましくは、励振方向における柱状体の平行な縁部と通路の間のクリアランスは、励振の振幅より0.5μm〜1μm大きい。
【0025】
例えば、柱状体の側面は10μm〜100μmの間であり、柱状体の平行な縁部と通路の間のクリアランスは1μm〜10μmの間である。
【0026】
例示的な一実施形態において、慣性質量部は、励振部および少なくとも2つの検出部を含み、第1の検出部は、励振方向に沿って励振部を通って移動可能であり、第2の検出部は、励振方向の適所に固定され、第1の検出部に対する移動について固定される。有利には、柱状体が第2の検出部を貫通する。しかしながら、この例は限定的なものではなく、柱状体が第1の検出部を貫通することも可能である。
【0027】
慣性質量部は少なくとも2つの検出部を含むことができ、検出電極は検出部のうちの1つの上に位置する。
【0028】
例示的な一実施形態において、慣性質量部は、同位相で共振する少なくとも2つの検出部を含み、検出電極は2つの検出部の上に位置する。
【0029】
他の例示的な実施形態において、慣性質量部は、逆位相で共振する少なくとも2つの検出部を含み、前記ジャイロメータは、それぞれが検出部の上に位置する2つの検出電極を含み、2つの検出電極は、それらに面する検出部の変位を別個に検出する。
【0030】
ジャイロメータは、少なくともある励振モードに対して、2つの機械的に結合された慣性質量部を含むことができ、2つの検出電極がそれぞれ各慣性質量部の検出部の上に配置され、2つの検出電極は、それらに面する検出部の変位を別個に検出する。
【0031】
一変形形態において、慣性質量部はディスク形の励振部を含むことができ、前記励振部は、前記ディスクの軸のまわりを自由に移動し、複数の検出部が、励振部の内部を自由に移動するように配置される。
【0032】
ジャイロメータは、少なくとも1つの慣性質量部および少なくとも1つの検出電極のまわりで、気密封止される空洞の範囲を定めるカバーを含むことができ、前記空洞内に真空が作られる。
【0033】
本発明の他の目的は、本発明によるジャイロメータ、および平面の外側の軸のまわりの回転を検出するジャイロメータを含む測定システムである。
【0034】
測定システムは、前記少なくとも1つの検出部の平面内の変位を検出するために、ジャイロメータの平面に垂直な検出電極を含むことができる。
【0035】
有利には、電極をパッドに接続する導体トラックが懸架され、検出電極と同時に作製される。
【0036】
本発明の他の対象は、本発明による少なくとも1つのジャイロメータ、および少なくとも1つの加速度計を含む測定システムである。例えば加速度計は、面外の加速度を検出し、平面内に含まれる、面外の加速度を検出するための少なくとも1つの電極を含む静電容量加速度計、および/または面内の加速度を検出し、平面に垂直な少なくとも1つの電極を含む静電容量加速度計とすることができる。
【0037】
平面内に含まれる少なくとも1つの電極は、有利には、前記ジャイロメータの検出電極と同時に作製することができる。
【0038】
本発明の他の対象は、本発明によるジャイロメータを作製するための方法であり、その方法は、基板上に堆積され、活性層で覆われた酸化物層を含む素子から始まる以下のステップ、すなわち、
−活性層を酸化から保護する第1の保護層を堆積するステップと、
−少なくとも1つの第1の領域で、保護層をエッチングして活性層を解放するステップと、
−前記第1の領域に突出する厚さ(overthickness)の酸化物を形成するように、第1の領域の解放された活性層で熱酸化を行い、酸化物を成長させるステップと、
−突出する厚さの酸化物の上に第2の保護層を堆積するステップと、
−活性層をエッチングして、酸化物層に達する溝を形成するステップと、
−活性層を覆い、溝を遮断する遮断層を堆積するステップと、
−前記遮断層をエッチングして、活性層の少なくとも1つの第2の領域を解放するステップと、
−検出電極を、電極が前記第2の領域に支持されるように形成するステップと、
−慣性質量部および電極を解放するステップと
を含む。
【0039】
例えば、第1の保護層および/または第2の保護層は、Siで作製される。
【0040】
活性層を覆い、溝を閉鎖する遮断層は、例えばPSGで作製することができる。
【0041】
方法は、検出電極が作製され、少なくとも1つの懸架されていない電気導体トラックが検出電極に接続された後、少なくとも1つのコンタクトパッドを作製するステップを含むことができ、コンタクトパッドは導体トラックの上に作製される。
【0042】
電気導体トラックは、好ましくは検出電極と同時に作製される。
【0043】
例えば、素子はSOI基板とすることができ、検出電極はポリシリコンで作製することができる。
【0044】
例えば解放ステップは、PSGのウェットエッチングおよび酸化物層のエッチングによって得ることができる。
【0045】
以下の説明および添付図面を読み取ることによって、本発明がさらによく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】本発明によるジャイロメータの例示的な一実施形態の上面図である。
【図1B】平面AAに沿った図1Aの断面図の一部である。
【図2】本発明によるジャイロメータの他の例示的な実施形態の部分上面図である。
【図3A】図1Aの慣性質量部の上面図である。
【図3B】励振モードにおける図1Aの慣性質量部の上面図である。
【図3C】検出モードにおける図1Aの慣性質量部の上面図である
【図4】封止する空洞を備えた本発明によるジャイロメータの断面図である。
【図5A】本発明によるジャイロメータの他の例の斜視図である。
【図5B】励振モードにおける図5Aのジャイロメータの概略的な斜視図である。
【図5C】検出モードにおける図5Aのジャイロメータの概略的な斜視図である。
【図6A】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図6B】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図6C】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図6D】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図6E】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図6F】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図6G】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図6H】本発明によるジャイロメータを作製するための方法の一例に関するステップの概略図である。
【図7】本発明による他の例示的なジャイロメータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1Aは、基板4の上に懸架された慣性質量部2を含む、本発明の例示的な一実施形態によるジャイロメータG1を示している。
【0048】
図3Aに単独で示す慣性質量部2は、励振部と呼ばれる第1の部分6、および検出部と呼ばれる第2の部分8を含む。
【0049】
励振部6は、ジャイロメータの平面に含まれるX軸に沿って移動される。検出部8はコリオリ力によって、X軸および図1Aの紙面に垂直なZ軸に沿って移動される。励振部6の移動は「面内移動」と呼ばれ、検出部8の移動は「面外移動」と呼ばれる。
【0050】
X軸のまわりの回転を検出するように設計されたジャイロメータは、「Xジャイロメータ」と呼ばれる。
【0051】
Zジャイロメータは、Z軸のまわりの回転を検出するように設計される。
【0052】
Y軸は、X軸およびZ軸に垂直であり、ジャイロメータの平面内に含まれる。
【0053】
XYジャイロメータは、X軸およびY軸のまわりの回転を検出するように設計される。
【0054】
示した例における励振部6は、対として互いに平行に整列させた4つのまっすぐな梁10によって基板4から懸架されるフレームを形成する。図3Bは、励振モードにおける慣性質量部を示しており、梁10は平面内で曲がり、慣性質量部はX軸に沿って移動している。
【0055】
長方形の検出部8は、励振部6のフレームの内側に配置され、それぞれが可動部の1つの側面に垂直な4つの梁12によって励振部6から懸架される。2つの連続する側面に位置する2つの梁は、互いに垂直である。
【0056】
図3Cは、検出モードにおける慣性質量部を示し、その場合、検出部8は、Z軸に沿って励振部からオフセットされた位置にあり、梁12は面外曲げモードである。
【0057】
X軸に沿って励振部6の励振手段が設けられる(図示せず)。こうした励振手段は、櫛歯型をした圧電性、磁性の櫛状体などを用いた静電タイプのものとすることができる。
【0058】
ジャイロメータは、検出部8の変位を検出する静電容量手段14も含む。静電容量検出手段14は、基板4に面する慣性質量部2の上に位置する電極16を含む。
【0059】
電極16は、図1Bで特によく認識することができ、図1Aでは破線で示されている。電極16は、コンタクトパッド18によって検出回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0060】
特に有利には、電極16の表面積は検出部8の表面積より大きくはなく、検出部のみに面している。Z軸に沿った電極16の任意の部分の直交する突出部が、検出部8に位置する。示される例では、電極16および検出部8の表面積はほぼ同じである。
【0061】
好ましくは、電極16は検出部8と同じ表面積を有し、したがって、有用な静電容量ができるだけ大きくなり、その感度が最大になる。
【0062】
電極16は、基板に対して電極16の位置が一定になるように、前記慣性質量部2を貫通する柱状体22によって慣性質量部の上の適所に保持される。
【0063】
示される例では、検出部8と同様の長方形として配置される4つの柱状体22が存在する。この数およびこの配置は、決して限定的なものではなく、特に検出部の形状および表面積に応じて選択され、また懸架電極に十分な剛性を与えるように、特に電極の共振振動数が慣性質量部の移動の振動数よりずっと高くなるように調整される。
【0064】
柱状体22は、検出部内に形成された通路23を通って検出部を貫通し、前記柱状体22は基板上に固定される。
【0065】
有利には、柱状体22および通路23は、エッチングによって同時に作製される。
【0066】
通路および柱状体の寸法は、励振部がXに沿った変位を有する励振モードにおいて、柱状体と励振部の間に接触がないようにする。
【0067】
励振方向に沿った柱状体の平行な縁部と通路の間のクリアランスは、好ましくは励振の振幅より0.5μm〜1μm大きくなるように選択される。
【0068】
例えば、柱状体の側面は10μm〜100μmの間であり、柱状体の平行な縁部と通路の間のクリアランスは1μm〜10μmの間である。
【0069】
以下で例示的な製造方法の説明において理解されるように、柱状体の縁部と通路の間のクリアランスは、製造技術によって、特に遮断ステップ中に充填することができる最大寸法によって制限される。
【0070】
図1Aに示すように、電極16の表面積は、特に有利には検出部の表面積とほぼ同じであり、検出部に面している。したがって、その表面積のどの部分も励振部に面しておらず、そのため、電極16と励振部6の間の静電容量は低減されるが、それは検出部の面外移動の検出には有用ではない。
【0071】
電極16と検出部8は可変コンデンサを形成し、この場合、静電容量は、Z軸に沿った検出部の変位に応じて変動する。この静電容量の変動が検出部の変位振幅を制御し、したがって、ジャイロメータ、したがってジャイロメータが取り付けられたシステムに加えられるコリオリ力を決める。
【0072】
図1Aに示すジャイロメータの構造によって、寄生容量が低減される。電極が慣性質量部の上で懸架される位置によって、電極と基板の間の寄生容量は存在しなくなるか、または寄生容量は基板上の柱状体の固定部の表面積に制限されるため、きわめて弱くなる。電極と励振部の間の寄生容量も、弱くなるかまたはゼロになる。コンタクトパッドと基板の間、および電気導体トラックと基板の間の寄生容量が残るだけである。
【0073】
次に、検出時の図1Aのジャイロメータの動作について説明する。
【0074】
慣性質量部2は、励振手段によって移動される励振部6により励振状態になる。慣性質量部は、図3Bに示すように移動する。コリオリ力が現れると、検出部8はZ軸に沿って平面の外へ移動し、検出部8と電極16の間の距離が変わることによって、そうして形成されるコンデンサの静電容量が変わり、この静電容量の変動が検出され、解析されてコリオリ力の値を決める。
【0075】
図4は、本発明によるジャイロメータG2の他の例示的な実施形態を示している。このジャイロメータは慣性質量部を覆うカバー24を含み、カバー24は基板と共に封止される空洞26の範囲を定める。
【0076】
カバー24は、基板上に封止される。有利には、ジャイロメータの動作を改善するためにギャップが生成される。本発明では、電極16がカバー24によって支持されていないため、検出部に対する電極の位置は、カバー24および基板4によって形成される空洞26の体積には無関係である。その場合、きわめて大きい体積を有する空洞26を作ることが可能になり、したがって、きわめて高い真空値を生成することができる。必要な真空値は通常、10−1ミリバール〜10−3ミリバールの間である。
【0077】
本発明によるジャイロメータの他の例は、図2で理解することができ、図2では、柱状体が検出部のできるだけ近くに配置される。ジャイロメータは、検出部8に隣接する領域に励振部6を貫通する4つの柱状体22’を、その中央に検出部8を貫通する柱状体22を含む。検出電極16は破線で示され、その表面積は検出部8の表面積とほぼ同じである。例えば励振部内の通路23’は、励振部6の内側縁部に、検出部8に向かって開いたノッチを形成する。
【0078】
変形形態としては、柱状体が検出部を貫通せず、電極が励振部を貫通する柱状体22’で懸架されるだけである。
【0079】
図5Aは、本発明によるジャイロメータG3の他の例示的な実施形態を示している。慣性質量部102は、2つの質量部102.1、102.2を含み、それぞれが3つの部分、すなわち、
−励振軸Xに沿ってのみ移動する励振部106と、
−励振部106に対して固定された励振において移動し、コリオリ力が加えられると検出方向Zに沿って移動する第1の検出部108と、
−励振方向に沿って固定され、検出部108に対して固定された検出方向に沿って移動する第2の部分109と
からなる。
【0080】
図5Cで理解することができるように、逆位相で移動する第2の検出部のそれぞれの移動を別個に検出するように、破線で示す2つの電極116.1、116.2が、検出部106のそれぞれの上に配置される。
【0081】
好ましくは、懸架電極を支持する柱状体(図示せず)が、Z軸に沿ってのみ移動することができる第2の検出部を貫通する。したがって、柱状体が、X軸に沿った励振モードで構造体と接触することはない。
【0082】
この例示的な実施形態において、2つの励振部106は、それらが逆位相で振動するように接続手段によって接続される。その場合、コリオリ力によって引き起こされる検出部108の検出移動も逆位相になる。2つの懸架電極は、検出部108のそれぞれの逆位相の移動を検出する。
【0083】
ジャイロメータの他の例示的な実施形態において、慣性質量部は、1つの励振部および2つの検出部を含む。検出部の一方は、励振移動のすべてまたは一部がそれに伝えられるように励振部に接続される。2つの検出部は、質量部の一方の検出方向に沿った移動が、他方の質量部に対する移動の一部のみを伝えるように接続される。
【0084】
その場合、検出には2つの共振モードがあり、その一方では、2つの部分が同位相で共振し、他方では2つの部分が逆位相で共振する。
【0085】
その場合、検出手段は、2つの検出部の一方のみの上に懸架された1つまたは複数の電極を含むことができ、またその場合、検出には共振モードのいずれか一方が用いられる。他の例では、検出手段は、2つの検出部の上に懸架された1つまたは複数の電極を含み、電極は互いに接続され、単一の電極として動作する。この例では、同位相の共振モードのみが用いられる。
【0086】
他の例において、検出手段は、2つの電極、または互いに接続された少なくとも2つの電極からなる2つの群を含み、各電極または電極の各群が検出部の上に懸架される。2つの電極または2つの群は互いに無関係である。この場合、逆位相共振モードが使用される。検出部内に柱状体が作製され、検出部に面するように検出部専用の電極が配置される。
【0087】
有利には、単一の電極の代わりに互いに接続された複数の電極が用いられ、それによって、パッドおよび導体トラックによる寄生容量が最小限に抑えられる。
【0088】
図7に示すジャイロスコープG4の他の例示的な実施形態によれば、慣性質量部302は、励振部306および複数の検出部308を含む。例えば、励振部306はディスクの形であり、ディスクの平面に垂直なZ軸のまわりを移動される。ディスクは、Z軸のまわりに分散させた、検出部を取り付ける切欠き部を含み、その場合、検出部は、ディスクの平面内に位置する軸のまわりを自由に移動する。このジャイロメータは、検出部のそれぞれの上に、柱状体322によって支持された(破線で示す)4つの検出電極316を含む。柱状体322が検出部308を貫通し、各電極316を支持する4つの柱状体322が存在する。
【0089】
例えば慣性質量部は3対の検出質量部を含み、それぞれの対が異なる検出軸に関連付けられる。
【0090】
変形形態として、慣性質量部は、すべての励振部が励振時に同一の共振振動数を有するように、機械的な結合構造によって互いに接続された複数の励振部を含む。
【0091】
さらに他の例示的な実施形態によれば、慣性質量部は、励振モードにおいて少なくとも2つの結合された質量部から形成される。
【0092】
各質量部は、励振部および検出部を含む。質量部は、励振時に逆位相で作動される。
【0093】
このジャイロメータは、加速度に対して比較的鈍感であるという利点を有する。
【0094】
変形形態として、励振質量部が面外の自由度を有することもできる。
【0095】
有利には、慣性質量部の検出部を垂直方向に変位させるために、検出電極を作動電極として用いることができる。例えば、こうして垂直方向に作動させる目的で検出部を使用することによって、検出の逆反作用を利用することができる。
【0096】
本発明によるジャイロメータは、逆反作用またはトリミングをもたらすために、例えば作動機能を有する他の電極に関連付けることができ、トリミングは、実際には検出における共振振動数を調節するために静電剛性を入れることからなる。
【0097】
他の例示的な実施形態において、本発明によるジャイロスコープは、平面の外側の軸のまわりの回転を検出するZジャイロスコープと関連付けることができる。
【0098】
ジャイロスコープZは、垂直方向の検出電極を含む静電容量ジャイロスコープとすることができる。こうした電極はコンタクトパッドに接続され、場合によっては、懸架された導体トラックによって互いに接続される。有利には、導体トラックは、本発明による水平方向の懸架電極と同時に作製される。
【0099】
前述の例示的な実施形態は、Yジャイロメータに適用可能であるが、柱状体によって検出部の上に支持された電極を有するXジャイロメータは、本発明の範囲外である。励振手段は、励振部をY軸に沿って移動させるように適合される。
【0100】
本発明によるジャイロスコープを、平面内の1つまたは2つの検出軸、1つまたは複数の静電容量加速度計と関連付けることも可能であろう。Zジャイロメータをそれと関連付けることも可能である。
【0101】
静電容量加速度計は、Z軸に沿った加速度を検出するための懸架電極、および/または平面内の加速度を検出するための1つまたは複数の垂直電極を含むことができ、懸架電極および/または垂直電極は、場合によっては懸架された導体トラックによってコンタクトパッドに接続される。有利には、懸架電極および/または懸架された導体トラックは、ジャイロスコープの懸架電極と同時に作製される。
【0102】
次に、本発明によるジャイロスコープを作製するための、例えば図1Aのジャイロスコープを製造するための特に有利な方法の例について説明する。
【0103】
図6A〜6Hは、この製造方法における様々なステップを概略図で示している。
【0104】
第1のステップでは、上部および内部にジャイロメータが作製される基板が製造される。例えば基板は、SOI(「シリコンオンインシュレータ」)基板とすることができる。基板は、シリコンベースの層202、例えば0.5μm〜5μmの間の厚さを有する埋め込まれたシリコン酸化物層204を含む。基板は、例えば1μm〜100μmの間の厚さを有する、埋め込まれた酸化物層204の上に堆積させたシリコン層206も含む。この基板は、図6Aに示されている。
【0105】
次のステップの間に、シリコン層202の表面全体にわたってSi窒化物層208が堆積される。次いで、窒化物層の上に樹脂層を堆積させ、エッチングされる窒化物領域の範囲を定めるために、窒化物層に対してリソグラフィが行われる。
【0106】
次いで、窒化物層をエッチングして、シリコン層206から端部領域を解放する。この解放された領域は、基板の表面の輪郭のまわりにフレームを形成する。次いで、樹脂が剥ぎ取られる。
【0107】
次のステップは、シリコン層206から解放された端部領域に、突出する厚さの熱酸化物210を形成するための熱酸化である。図1Aは、慣性質量部のまわりにフレームを形成するこの突出する厚さ210を示している。
【0108】
次いで、図6Bに示す素子が得られる。
【0109】
次いで、表面を剥ぎ取り、熱酸化の間に残りの窒化物領域208の上に形成された酸窒化物を除く。こうして剥ぎ取る目的は、熱酸化物210をわずかに減らすことである。
【0110】
次のステップは、前のステップで作製された突出する厚さの熱酸化物210および窒化物領域208を覆う、窒化物層212の堆積物を作製することである。窒化物層の上に樹脂層を堆積させ、窒化物層のリソグラフィを行って、熱酸化物210の2つの部分の間に位置する窒化物208の部分を解放する。次いで、この解放された部分をエッチングして除く。次いで、樹脂が剥ぎ取られる。得られる素子は、図6Cで理解することができる。
【0111】
次のステップでは、樹脂および深くエッチングされる領域のリソグラフィを用いて、範囲の画定が行われる。次いで、シリコン層206の深いエッチングが、例えば深反応性イオンエッチング(DRIE)によって行われ、溝214を形成する。エッチングは酸化物層204に達する。得られる素子は、図6Dで理解することができる。
【0112】
次のステップでは、図6Dの素子の表面に、例えば4μmの厚さを有するリンシリケートガラス(PSG)層216が堆積される。次いで、クリープアニーリングを適用してPSGをクリープさせ、PSGが溝214に入り込み、溝214を閉鎖するようにする。溝を完全に充填する必要はない。変形形態として、他の酸化物を用いて溝を充填してもよい。堆積法ではシリカ(SiO2)を用いることが可能であり、堆積法は、シリカがエッチング溝の縁部に堆積され、溝を閉鎖することを保証する。
【0113】
PSGの表面に樹脂層を堆積させ、それにリソグラフィを施して、PSGのエッチング領域の範囲を定める。次いで、PSGをエッチングして、シリコン層206の表面上の領域218を解放する。
【0114】
最終的には、表面が剥ぎ取られる。得られる素子は、図6Eで理解することができる。
【0115】
次のステップでは、懸架電極および電気導体トラックを形成するようになる導電層220が堆積される。
【0116】
これは、PSG層216の上にポリシリコンを堆積することによって行われる。
【0117】
このポリシリコン層220の上に樹脂を堆積させ、次いで、樹脂のリソグラフィを行う。最終的には、ポリシリコン層220がエッチングされる。表面を剥ぎ取り、樹脂マスクを除去する。
【0118】
得られる素子は、図6Fで理解することができ、その上に、ポリシリコン層220の、電極を形成するようになる部分220.1、およびポリシリコン層220の、可動部をコンタクトパッドに接続する電気導体トラックを形成するようになる部分220.2を理解することができる。
【0119】
次のステップでは、コンタクトパッド18が作製される。これは、ポリシリコン層の上に、例えばAlSiでできた金属層を堆積することによって行われる。次いで、この金属層の上に樹脂層を堆積させ、樹脂のリソグラフィが行って、この金属層をエッチングする。最終的には、樹脂は剥ぎ取ることによって除去される。得られる素子は、図6Gで理解することができる。
【0120】
最終ステップでは、慣性質量部、懸架電極16および電気導体トラックが解放される。これは、PSG層216をウェットエッチングすること、および例えばフッ化水素酸の蒸気を用いて、埋め込まれたSiO酸化物204をエッチングすることによって行われる。この酸エッチングは、例えば時間的なエッチングとすることができる。得られる素子は、図6Hで理解することができ、図6Hでは、柱状体22を用いて懸架される電極16、および検出部8を理解することができ、また電気導体トラックが、検出部をコンタクトパッドに接続する(図には見られない)。
【0121】
前述の方法では、柱状体の側面の寸法は解放距離の2倍より大きく、平面内に含まれる方向に沿ったエッチングの幅に対応する。
【0122】
本発明の場合、平面内の軸のまわりの回転の検出を伴うジャイロメータは、低減された寄生容量を有し、最新技術によるジャイロメータより容易に作製することができる。
【符号の説明】
【0123】
2 慣性質量部
4 基板
6 励振部
8 検出部
10 梁
12 梁
16 電極、検出電極、懸架電極
18 コンタクトパッド
22 柱状体
23 通路
22’ 柱状体
23’ 通路
24 カバー
26 空洞
102 慣性質量部
102.1、102.2 質量部
106 励振部
108 第1の検出部
109 第2の部分
116.1、116.2 電極
302 慣性質量部
306 励振部
308 検出部
316 検出電極
322 柱状体
202 シリコンベースの層、シリコン層
204 シリコン酸化物層、酸化物層、SiO酸化物
206 シリコン層
208 Si窒化物層、窒化物領域、窒化物
210 熱酸化物
212 窒化物層
214 溝
216 リンシリケートガラス層
220 導電層、ポリシリコン層
G1〜G4 ジャイロメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の上に懸架された慣性質量部(2、102)であって、少なくとも1つの励振部(6、106)および少なくとも1つの検出部(8、108)を含む慣性質量部(2、102)と、前記慣性質量部(2、102)の平面内に含まれる、前記励振部(6、106)を少なくとも1つの方向(X)に移動させる手段と、前記質量部の前記平面の外側での前記検出部(8、108)の移動を検出する静電容量検出手段とを含むジャイロメータであって、前記静電容量検出手段が、前記検出部(8、108)と共に可変コンデンサを形成するように、前記基板に面して位置する前記検出部(8、108)の上に配置された、検出電極と呼ばれる少なくとも1つの懸架電極(16、116.1、116.2)を含み、前記電極(16、116.1、116.2)が、前記慣性質量部(2、102)を貫通する少なくとも1つの柱状体(22、22’)によって、前記検出部(8、108)の上に保持されるジャイロメータ。
【請求項2】
前記検出電極(16、116.1、116.2)上の各点の、前記質量部の前記平面に垂直な軸(Z)に沿った直交する突出部が、前記検出部(8、108)上に位置する請求項1に記載のジャイロメータ。
【請求項3】
前記検出電極(16、116.1、116.2)が、前記検出部の表面積にほぼ等しい表面積を有する請求項2に記載のジャイロメータ。
【請求項4】
1つまたは複数の通路(23、23’)を含み、前記検出部の縁部に隣接する領域において、前記通路(23、23’)を通って前記柱状体(22、22’)が前記検出部(8、108)および/または前記励振部を貫通する請求項1から3のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項5】
励振方向における前記柱状体(22、22’)の平行な縁部と前記通路(23、23’)との間のクリアランスが、励振の振幅より0.5μm〜1μm大きい請求項4に記載のジャイロメータ。
【請求項6】
前記柱状体(22、22’)の側面が10μm〜100μmの間であり、前記柱状体(22、22’)の前記平行な縁部と前記通路(23、23’)との間の前記クリアランスが、1μm〜10μmの間である請求項4または5に記載のジャイロメータ。
【請求項7】
前記慣性質量部(102)が、励振部(106)および少なくとも2つの検出部を含み、第1の検出部(108)が、励振方向(X)に沿って前記励振部(106)を通って移動可能であり、第2の検出部(109)が、前記励振方向(X)の適所に固定され、前記第1の検出部(108)に対する移動について固定される請求項1から6のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項8】
前記柱状体が、前記第2の検出部(109)を貫通する請求項7に記載のジャイロメータ。
【請求項9】
前記慣性質量部が少なくとも2つの検出部を含み、前記検出電極が、前記検出部のうちの1つの上に位置する請求項1から8のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項10】
前記慣性質量部が、同位相で共振する少なくとも2つの検出部を含み、前記検出電極が、前記2つの検出部の上に位置する請求項1から8のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項11】
前記慣性質量部が、逆位相で共振する少なくとも2つの検出部を含み、前記ジャイロメータが、それぞれが検出部の上に位置する2つの検出電極を含み、前記2つの検出電極が、それらに面する前記検出部の変位を別個に検出する請求項1から8のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項12】
少なくともある励振モードに対して、2つの機械的に結合された慣性質量部を含み、2つの検出電極がそれぞれ各慣性質量部の検出部の上に配置され、前記2つの検出電極が、それらに面する検出部の変位を別個に検出する請求項1から11のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項13】
前記慣性質量部がディスク形の励振部(306)を含み、前記励振部(306)が前記ディスクの軸のまわりを自由に移動し、複数の検出部(308)が、前記励振部(306)の内部を自由に移動するように配置される請求項1から6または9から12のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項14】
少なくとも1つの前記慣性質量部および少なくとも1つの前記検出電極(8)のまわりで、気密封止される空洞(26)の範囲を定めるカバー(24)を含み、前記空洞(26)内に真空が作られる請求項1から13のいずれか一項に記載のジャイロメータ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのジャイロメータ、ならびに前記平面の外側の軸のまわりの回転を検出する少なくとも1つの加速度計および/またはジャイロメータを含む測定システム。
【請求項16】
前記平面の外側の軸のまわりの回転を検出する前記ジャイロメータが、前記平面の外側の軸のまわりの回転を検出する前記ジャイロメータの前記少なくとも1つの検出部の前記平面内の変位を検出するために、前記平面の外側の軸のまわりの回転を検出する前記ジャイロメータの前記平面に垂直な検出電極を含む請求項15に記載の測定システム。
【請求項17】
前記加速度計が、面外の加速度を検出し、前記平面内に含まれる、面外の加速度を検出するための少なくとも1つの電極を含む静電容量加速度計、および/または面内の加速度を検出し、前記平面に垂直な少なくとも1つの電極を含む静電容量加速度計である請求項15または16に記載の測定システム。
【請求項18】
請求項1から14のいずれか一項に記載のジャイロメータ、または請求項15から17のいずれか一項に記載の測定システムを製造するための方法であって、基板(202)上に堆積され、活性層(206)で覆われた酸化物層(204)を含む素子から始まる以下のステップ:
前記活性層(206)を酸化から保護する第1の保護層(208)を堆積するステップと、
少なくとも1つの第1の領域で、前記保護層(208)をエッチングして前記活性層(206)を解放するステップと、
前記第1の領域に突出する厚さの酸化物(210)を形成するように、前記第1の領域の前記解放された活性層で熱酸化を行い、酸化物を成長させるステップと、
前記突出する厚さの酸化物(210)の上に第2の保護層(212)を堆積するステップと、
前記活性層(206)をエッチングして、前記酸化物層(204)に達する溝(214)を形成するステップと、
前記活性層(206)を覆い、前記溝(214)を遮断する遮断層(216)を堆積するステップと、
前記遮断層(216)をエッチングして、前記活性層(206)の少なくとも1つの第2の領域を解放するステップと、
前記検出電極を、前記電極が前記第2の領域に支持されるように形成するステップと、
前記慣性質量部および前記電極を解放するステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記第1の保護層(208)および/または前記第2の保護層(212)が、Siで作製される請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記活性層(206)を覆い、前記溝(214)を閉鎖する前記遮断層(216)が、リンシリケートガラスで作製される請求項18または19に記載の製造方法。
【請求項21】
前記検出電極が作製され、少なくとも1つの懸架されていない電気導体トラックが前記検出電極に接続された後、少なくとも1つのコンタクトパッド(18)を作製するステップを含み、前記コンタクトパッドが、前記導体トラックの上に作製される請求項18から20のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項22】
前記電気導体トラックが、前記検出電極と同時に作製される請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記素子がシリコンオンインシュレータ基板であり、前記検出電極がポリシリコンで作製される請求項18から22のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項24】
前記解放するステップが、前記リンシリケートガラスのウェットエッチング、および前記酸化物層のエッチングによって達成される請求項18から23のいずれか一項に記載の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−233898(P2012−233898A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−105207(P2012−105207)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】