説明

弾性ロール及びその製造方法、ならびに弾性ロールを有する電子写真プロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】 軸芯体の周囲にゴム材料を被覆材料として形成し加硫硬化する方法において、金型を用いないで寸法精度の良好な弾性ロールの製造方法を提供する。
【解決手段】 弾性ロールの製造方法において、被覆材料の降伏応力が50Pa以上600Pa以下であり、かつチキソトロピーインデックスが2.0以上6.5以下である非ニュートン性液状の材料を円筒形状の塗工ヘッドを用いて被覆形成することで、寸法精度の良好な塗膜形成物が得られることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真装置に使用される円筒体形状の弾性ロールおよびその製造方法に関する。詳しくは、成型金型を使用せずに軸芯体の周囲に弾性体を設ける製造方法であり、軸芯体の周囲に液状ゴム材料を直接かつ良好で均一に成形するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いたプリンターにおいては、画像形成体である感光ドラムが帯電ロールにより均一に帯電され、レーザー等により静電潜像を形成する。次に、現像容器内の現像剤が現像剤塗布ロール及び現像剤規制部材により適正電荷で均一に現像ロール上に塗布され、感光ドラムと現像ロールとの接触部で現像剤の転写(現像)が行われる。その後感光ドラム上の現像剤は、転写ロールにより記録紙に転写され、熱と圧力(加圧ロールと定着ロール)により定着され、感光ドラム上に残留した現像剤はクリーニングブレードによって除かれ、一連のプロセスが完了する。
【0003】
電子写真装置において、たとえば現像ロールの場合、常時感光ドラム及び現像剤規制部材に圧接された状態にあり、現像を行なう際には現像ロールと感光ドラム、現像ロールと現像剤規制部材の間に現像剤が介在して圧接している。感光ドラムに転写されない現像剤は、現像剤塗布ロールによって剥ぎ取られ再度現像容器内に戻り、容器内で攪拌され再び現像剤塗布ロールによって現像ロール上に搬送される。これらの工程を繰り返すうちに現像剤は大きなストレスを受けるという結果になる。そこで、現像剤へのストレスを軽減するという目的から現像ロールに低硬度の弾性体からなる材料で形成されるものが用いられるようになった。
【0004】
また、現像ロールや帯電ロールの場合、常に他部材と接触した状態で回転しているので、接触状態を安定に保つ必要があるためにロールとして高い寸法精度が必要とされる。接触状態を安定に保つことができないと現像剤の供給量がばらついたり、感光ドラムに対する圧力分布がばらつくなどして画像に悪い影響を及ぼすことになる。定着ロールや加圧ロールにおいても画像の高画質化や装置の高速化に伴ない高精度化が要求されている。寸法精度が悪いと、他部材にかけるストレスが大きくなり磨耗や劣化を早める原因となる。
【0005】
これらの要望により、寸法精度の良い弾性ロールを成形するためには金型を用いた成形方法が用いられている。例えば、軸芯受け部に単または複数の溜め溝を設けた金型成形技術が開示されている(特許文献1参照)。これによると、溜め溝部に材料を逃がすことによってロールの寸法精度を落とすことなく良好な成形ができるとしている。このように、高精度の弾性ロールを成形するには金型を用いた成形方法が一般的となっている。しかし、金型成形技術においては高精度な金型を多数必要とすることにより生産設備の高額化は避けられない。
また、金型成形においては、型の組み立て、予熱、注型、一次加硫、冷却、型バラシ、脱型等、及び必要な時期に二次加硫と工程が少なくないために生産設備が大型化してしまう、などの現状がある。
【0006】
金型を使用せずに円筒体の表面に液状の材料を成形する方法としては、従来、例えばスプレー塗工法、浸漬塗工法、ロール塗工法、ブレード塗工法、ディスペンサーによる定量塗工法(特許文献2参照)、リング塗工法等の種々の方法が検討されている。弾性ロールの様々な用途に応じて円筒体の表面に所望の機能を有する膜を形成させている。特に近年では、そのような所望の機能を発現させるために、均一な薄層から数ミリ程度の厚みまでの塗膜が要求され、かつ、塗工する塗布液そのものが多様化している。それに伴って塗布液も低粘度から高粘度になるものもあり、そのため、従来の塗工方法においてはそのような塗布液の塗工範囲をカバーできなくなってきている。
【0007】
例えば、前記スプレー塗工法は粘度が低い塗布液にしか使用できず、塗布液の粘度が高いと、塗布液の霧化が困難になってしまう。また、前記ブレード塗工法およびロール塗工法は、例えば、塗布される円筒体の軸線方向にブレードもしくはロールを配置し、その円筒体を回転させながらブレードまたはロールによって塗布液を塗布する。円筒体を1〜数回転だけ回転させた後、ブレードまたはロールを後退させて塗布を終了する。この塗布終了時のブレードもしくはロールの後退の際、塗布液の粘性によって円筒体上の塗膜の一部に他の部分より厚い部分が発生し、特に塗布液の粘度が高い場合にはこの厚い部分がその後の塗膜のレベリングの際に回復できないほどになってしまい、均一な塗膜が得られない。
また、前記浸漬塗工法では、スプレー塗工法、ブレード塗工法およびロール塗工法等における塗膜の不均一性の問題は改良されるが、塗膜の膜厚の制御が塗布液の物性、例えば塗布液の粘度、表面張力および密度、その他温度等により支配されるため、塗布液の物性の調整が難しいうえ、塗布液が高粘度の場合には薄肉の塗工が困難である。このため、スプレー塗工法、ブレード塗工法、ロール塗工法、および浸漬塗工法においては高粘度の塗布液を溶媒により希釈し、その塗布液を、塗工に必要な粘度にまで下げた状態で塗工し、塗工後の工程で、塗布液の希釈に使用した溶媒を例えば蒸発等により除去することにより塗膜を形成するしかなかった。
【0008】
それに対して、高粘度の材料を直接塗布する方法としてリング塗布方法が開示されている(特許文献3参照)。円筒体の中心線が水平方向と平行となった状態で塗布液を前記円筒体の表面に塗工する方法を用いることで、塗布液の粘度や塗布膜の膜厚による塗工工程の制限を除去し、より容易な装置で円筒体の表面に塗布液を直接塗布して良好かつ均一な塗工膜を形成することのできる塗工方法を提供する、としている。
【特許文献1】特開2000−006163号公報
【特許文献2】特開平8−89867号公報
【特許文献3】特開2003−190870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、塗工膜の厚みを厚くした場合にも、金型を使用しないでも寸法精度の良好な塗膜形成物を得られる製造方法を提供することにあり、その製造方法によって得られる弾性ロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は円筒体の周囲に、ゴム材料を含む被覆材料で被覆形成し加硫硬化させることにより得られる弾性ロールの製造方法において、被覆材料の降伏応力が50Pa以上600Pa以下であり、かつチキソトロピーインデックスが2.0以上6.5以下である非ニュートン性液状の材料を円筒形状の塗工ヘッドを用いて被覆形成させることを特徴とする弾性ロールの製造方法である。
【0011】
また、成形される被覆物の厚みが0.5mm以上6.0mm以下であることを特徴とする前記弾性ロールの製造方法である。
【0012】
さらには、成形される被覆物の厚みが2.0mmを超え4.0mm以下であることを特徴とする前記弾性ロールの製造方法である。
【0013】
被覆材料中に少なくとも導電性を有する材料を含有していることを特徴とする前記弾性ロールの製造方法である。
【0014】
被覆材料中の導電性を有する材料がフィラー状であることを特徴とすることを特徴とする前記弾性ロールの製造方法である。
また、前記製造方法により成形されたことを特徴とする前記弾性ロールである。
【0015】
前記弾性ロールが電子写真装置の定着ロール、加圧ロールの少なくともいずれか一つであることを特徴とする弾性ロールである。
【0016】
前記製造方法により成形されたことを特徴とする導電ロールである。
【0017】
前記導電ロールが電子写真装置の現像ロール、帯電ロールの少なくともいずれか一つであることを特徴とする前記導電ロールである。
【0018】
帯電ロールが装着されてなり、該帯電ロールを感光ドラムに接触させて該感光ドラム表面に電荷を供給する電子写真プロセスカートリッジにおいて、該帯電ロールが前記帯電ロールであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジである。
【0019】
現像ロールが装着されてなり、該現像ロールの表面に現像剤の薄層を形成し、該現像ロールを画像形成体に接触させて該画像形成体表面に該現像剤を供給することにより該画像形成体表面に可視画像を形成させる電子写真プロセスカートリッジにおいて、
該現像ロールが、前記現像ロールであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジである。
【0020】
現像ロールが装着されてなり、該現像ロールの表面に現像剤の薄層を形成し、該現像ロールを画像形成体に接触させて該画像形成体表面に該現像剤を供給することにより該画像形成体表面に可視画像を形成させる画像形成装置において、
該現像ロールが、前記現像ロールであることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の成形方法によれば、従来の技術である金型成形のように、高精度な金型を多数必要とすることもないので、生産設備コストの大幅な抑制を可能とし、工程が少ないために生産設備の小型化を実現する。これらにより、低コストで寸法精度の良い弾性ロールを成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
これまで液状物質の材料を用いて、塗工膜の厚みを厚く塗布しようとした場合、一般的な回転粘度計で測定するせん断速度(0.1 s-1 〜 1s-1)における材料粘度を高い値で制御することで塗工後の形状保持性を高めようとしていた。しかしながら形状を保持する能力は、回転粘度計で測定できるせん断速度領域の材料粘度とある程度の範囲で相関性があるが、高精度で寸法制御しようとした場合にさらなる改良が必要であった。
【0023】
本発明者らは先述の目的を達成するために鋭意研究を行なった結果、被覆材料の構造破壊が生じる降伏応力値と材料粘度のせん断速度依存性(チキソトロピーインデックス)を適正な範囲に制御し、円筒形状の塗工ヘッドを用いた製造方法と組み合わせる場合に前述の諸問題を解決できることを見出した。
【0024】
本発明に従えば、降伏応力が50Pa以上600Pa以下であり、かつチキソトロピーインデックスが2.0以上6.5以下である非ニュートン性液状材料を被覆材料として用いたときに、塗工厚みを従来よりも厚くした場合でも寸法精度の良好な塗膜形成物が得られることを特徴としている。
【0025】
チキソトロピーインデックスとはせん断速度に対して粘度が変化する量を表している。
チキソトロピーインデックスが1のときにニュートン性液体を示し、チキソトロピーインデックスが1以外のとき、非ニュートン性液体を示す。
【0026】
降伏応力のより好ましい範囲は、100Pa以上400Pa以下である。降伏応力が50Pa以上600Pa以下の範囲にある場合、塗工厚みに対する寸法精度を維持し、塗工面の平滑さとのバランスを最良の状態で、両立することができる
降伏応力が600Paを超える場合には、材料の構造破壊を起こすために必要な応力が大きすぎて、塗工後の表面にスジが発生したり凹凸ができたりするなどの困難が生じる。50Pa未満の場合には、重力に対して降伏応力が小さすぎて塗膜形成後の形状を保持することができないため、加熱硬化後の弾性ロールの塗工厚みに対する外径寸法差が大きくなりロールが使用に耐えられない。弾性ロールとして好適に使用できる寸法制度は、装置のグレードや耐久性にもよるが、ロールの外径に対して3%以内の寸法差に抑えられた場合である。3%を超えると他部材に与える応力に偏りが生じ、ストレスが大きな部分の磨耗や劣化を早める原因となったり、電荷や現像剤の供給バランスがくずれることによる画像弊害などが生じる原因となる。
【0027】
チキソトロピーインデックスのより好ましい範囲は、2.5以上5.0以下である。
【0028】
チキソトロピーインデックスのより好ましい範囲が2.0以上6.5以下の範囲にあるとき、せん断速度変化に対する材料の流動安定性と安定した材料供給のバランスを最良の状態で両立することができる。
【0029】
チキソトロピーインデックスが6.5を超える場合には、せん断速度変化に対する原材料の流動性が不安定となり成型塗膜の寸法安定性が悪くなってしまう。2.0未満である場合には、降伏応力を所定の範囲に制御した場合に、材料輸送における配管内のせん断速度において材料粘度が高すぎて装置に高負荷がかかりすぎるため安定した材料供給に困難が生じる。
【0030】
被覆材料の降伏応力が50Pa以上600Pa以下であり、かつチキソトロピーインデックスが2.0以上6.5以下であるときに、寸法精度の良好な塗膜形成物を得ることが可能となる。
【0031】
成形される被覆物の厚みが6.0mm以下では液垂れが生じず寸法安定性を維持することができる。0.5mm以上であれば、材料にかかるせん断力が大きくなり構造破壊された材料の回復安定性が妨げられるなどの理由で良好に成形できないという不都合が回避されて良好に成形することができる。成形される被覆物の厚みは0.5mm以上6.0mm以下が好ましい。更に好ましくは、2.0mmを超え4.0mm以下である。
【0032】
本発明の弾性ロールの一例を図5に示す。
【0033】
本発明の弾性ロールは軸芯体101の周囲に弾性層102を有し、その外周に表面層103を配置したものである。なお、表面層については1層である必要は無く多層になっても構わない。以下に各構成の詳細について記載する。
【0034】
〔軸芯体〕
本発明で利用される弾性ロールの軸芯体は、例えば、炭素鋼合金表面に5μm 厚さの工業ニッケルメッキを施した円柱である。導電性軸芯体は1を構成する材料としては他にも、たとえば鉄、アルミニウム、チタン、銅およびニッケル等の合金やこれら金属を含むステンレス、ジュラルミン、真鍮及び青銅の合金、さらにカーボンブラックや炭素繊維をプラスティックで固めた複合材料等の剛直で導電性を示す公知の材料を使用することもできる。また、形状としては、円柱状のほかに中心部分を空洞とした円筒形状とすることもできる。軸芯体の外径は、通常4〜10mmの範囲とされる。
【0035】
〔弾性層〕
上記導電性軸芯体の外周上に、導電性被服層を形成することができる。導電性被服層を形成するのに好ましい材料は、種々の液状ゴムを用いることができる。具体的には、ジエン系ゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等のゴム材料から、他の成分を加えて成形して被服層とした際、所望の機械物性を与える限り、これらのゴム材料を単独であるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0036】
〔液状シリコーンゴム〕
液状シリコーンゴムとしては、加工性に優れている、硬化反応に伴う副生成物の発生がないため寸法安定性が良好である、硬化後の物性が安定している等の理由から、付加反応架橋型液状シリコーンゴムが好ましい。
【0037】
液状シリコーンゴムは、例えば式1で表されるオルガノポリシロキサン、および式2で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含み、さらに触媒や他の添加物を適宜含む組成物であることができる。本発明の方法では他の液状ゴムも使用可能であるが最も好ましいシリコーンゴムについて詳細に説明するが他の公知の液状ゴムも使用可能である。
【0038】
【化1】

【0039】
オルガノポリシロキサンはシリコーンゴム原料のベースポリマーである。加工特性および得られるシリコーンゴム組成物の特性等の観点から、オルガノポリシロキサンの分子量は1万以上100万以下が好ましく、平均分子量は5万以上70万以下が好ましい。
【0040】
ベースポリマーの分子量は材料降伏応力およびチキソトロピーインデックスを制御するのに重要な特性値となる。ポリマーの分子量を選択し、または分子量の違ったポリマーをブレンドすることで、ねらいの特性値に制御することが可能となる。平均分子量が1万以上あれば、添加されたフィラーを取り込むのに十分なポリマーの大きさなので、所望の降伏応力が得られる。また、100万以下であれば粘度が適等で十分なフィラー量を添加することができ、さらにフィラーを均一に分散させることが可能である。
【0041】
上記オルガノポリシロキサンのアルケニル基は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの活性水素と反応して架橋点を形成する部位であり、その種類は特に限定されないが、活性水素との反応性が高い等の理由から、ビニル基およびアリル基の少なくとも一方であることが好ましく、ビニル基が特に好ましい。
【0042】
【化2】

【0043】
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、硬化工程における付加反応の架橋剤の働きをするもので、一分子中のケイ素原子結合水素原子の数は2個以上であり、硬化反応を最適に行わせるために、3個以上のポリマーが好ましい。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの分子量に特に制限は無く、例えば1000から10000まで含まれるが、硬化反応を適切に行わせるために、比較的低分子量(1000以上5000以下)が好ましい。
【0044】
〔液状シリコーンゴムに含まれる各種添加物〕
液状シリコーンゴムは、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの架橋触媒として、例えば、塩化白金酸六水和物を含むことができる。また架橋触媒として、ヒドロシリル化反応において触媒作用を示す遷移金属化合物も使用できる。その具体例としては、Fe(CO)5、Co(CO)8、RuCl3、IrCl3、〔(オレフィン)PtCl2〕2、ビニル基含有ポリシロキサン−Pt錯体、H2PtCl6・6H2O、L2Ni(オレフィン)、L4Pd、L4Pt、L2NiCl2(但し、L=PPh3若しくはPR’3、ここでPはリン、Phはフェニル基、R’はアルキル基を示す)を挙げることができる。その中でも、好ましくは白金、パラジウム、ロジウム系遷移金属化合物触媒である。
【0045】
上記触媒の配合量は、白金系金属化合物触媒の場合、液状シリコーンゴム(各種配合物を含む)中、白金として1質量ppm以上100質量ppm以下が好ましいが、この範囲に限定されることはなく、目標とする可使時間、硬化時間、製品形状等により適宜選択される。
【0046】
また液状シリコーンゴムは、硬化反応遅延剤として1−エチニル−シクロヘキサノール、フェニルブチノール等の不飽和アルコールを含むことができる。硬化反応遅延剤の配合量としては、オルガノポリシロキサン100質量部に対して例えば0.05〜0.5質量部の範囲で、目標とする可使時間、硬化時間、製品形状により適宜選択できる。
【0047】
シリコーンゴム以外の液状ゴムを使用する場合にも必要により公知の添加剤を添加することができる。
【0048】
液状ゴムの硬化速度を調整するために、上記触媒および硬化反応遅延剤の種類と量を調整することが有効である。
【0049】
〔導電剤および充填剤〕
液状ゴムに含ませることのできる導電剤としては、例えば、導電性可塑剤、KSCN、LiClO4、NaClO4、4級アンモニウム塩等のイオン伝導物質、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀等の金属系の粉体や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物;硫化銅、硫化亜鉛等の金属化合物粉;又は適当な粒子の表面を酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデンや、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムを電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させた粉体;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック等のカーボン粉が挙げられる。
【0050】
被覆材料中の導電性を有する材料の含有量としては、イオン導電性を持つ化合物の場合、0.01〜15質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲であることがより好ましい。0.01%より少ない場合は導電性を発揮するのに十分な量ではなく、15質量%より多い場合は、それ以上導電性の効果は得られにくい。
【0051】
カーボンブラックなどの場合はその種類にもよるが、5〜40質量%の範囲であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。5質量%より少ない場合は導電性を発揮するのに十分な量ではなく、40質量%より多い場合はポリマー量とのバランスが悪くなり、電子写真で使用するロールとして好ましい機械特性が出せなくなる。
【0052】
液状ゴムに含ませることのできる補強充填剤及び増量剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、カーボンブラック、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤を挙げることができる。これらの充填剤の表面を有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサン等で処理して疎水化してもよい。充填量は、0〜70質量%の範囲であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましい。70質量%より多い場合はポリマー量とのバランスが悪くなり、電子写真で使用するロールとして好ましい機械特性が出せなくなる。
【0053】
充填剤や導電剤の種類および添加量は材料降伏応力およびチキソトロピーインデックスを制御するのに重要である。添加する粒子径が小さいほど表面積は大きくなるため未加硫材料の粘性は増大し、さらにその粒子の分散状態が良いほど材料降伏応力やチキソトロピーインデックスは大きくなる。さらに、粒子形状が球状に近い場合や粒子の表面活性基がポリマーと親和性が強い場合などゴム分子に働く補強効果が大きくなり同様の傾向がある。また、粒子径の違うものや親和性の違うものを混合することによってチキソトロピーインデックスを小さくする傾向がある。
【0054】
〔可塑剤〕
液状ゴムに含ませることのできる可塑剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンオイル、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール、フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、軟化剤としては、例えば、潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒマシ油、老化防止剤としては、例えば、フェニレンジアミン類、フォスフェート類、キノリン類、クレゾール類、フェノール類、ジチオカルバメート金属塩類、耐熱剤としては、例えば、酸化鉄、酸化セリウム、水酸化カリウム、ナフテン酸鉄、ナフテン酸カリウム、そのほか加工助剤、着色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、発泡剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、滑剤等を添加できる。
【0055】
〔分散方法〕
微粉末状の導電剤や充填剤を分散させる手段としては、従来から利用される手段、たとえば、ロールニーダー、バンバリーミキサー、ロールミル、プラネタリーミキサーなどを適宜利用すればよい。
【0056】
[表面層〕
本発明では以上のようにして形成された導電性弾性体基層の表面に、トナーへの帯電特性の付与、表面形状の付与、抵抗調整等の理由で、更に表面層として樹脂層を形成することもできる。表層を形成する材料としては、各種のポリアミド、フッ素樹脂、水素添加スチレン−ブチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。
【0057】
これらの表層を構成する材料は、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して分散させる。得られた表層形成用の分散体は、スプレー塗工法、ディッピング法等により導電性基体の表面に塗工される。本発明においては、ロールの表面が均一に粗面となることが好ましいので、特にスプレー塗工が好ましく用いられる。
【0058】
表層の厚みとしては、低分子量成分がしみ出してきて感光ドラムを汚染することを防止する観点から5μm以上が好ましく、ロールが硬くなり、融着が発生することを防止する観点から50μm以下が好ましい。より好ましくは10〜30μmである。
【0059】
上記の如くして形成する表層中に質量平均粒径が1〜20μmの微粒子を分散させることにより、ロール表面の凹凸を形成することができる。このような目的に使用する微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリル酸メチル微粒子、シリコーンゴム微粒子、ポリウレタン微粒子、ポリスチレン微粒子、アミノ樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子等のプラスチックピグメントが挙げられるが、特にポリメチルメタクリル酸メチル微粒子及びシリコーンゴム微粒子が好ましい、これらの微粒子は前記表層の約5〜40質量%(この微粒子を除く表層構成成分の総質量に対して)の範囲で添加することが好ましい。
【0060】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0061】
図1は、本発明の実施形態の塗工方法が適用された装置を示す概略図である。
【0062】
一例を示すと本実施形態の塗工装置では、図1に示すように架台1の上に略垂直にコラム2が取り付けられ、さらに架台1とコラム2の上部に精密ボールネジ3が略垂直に取り付けられている。14はリニアガイドであり精密ボールネジ3と平行に2本がコラム2上に取り付けている。
【0063】
LMガイド4はリニアガイド14と精密ボールネジ3と連結し、サーボモータ5よりプーリ6を介して回転運動が伝達され昇降できるようになっている。
コラム2には円筒状の軸芯体101の外周面に塗布液を吐出するリング形状の塗工ヘッド8が取り付けられている。
【0064】
さらにLMガイド3上にブラケット7が取り付けられブラケット7には、ロールの軸芯体101を保持し固定するワーク下保持軸9が略垂直に取り付けられ、また逆側のロールの軸芯体101を保持するワーク上保持軸10の中心軸がブラケット7の上部に取り付けられ、ワーク上保持軸はワーク下保持軸9に対向して略同芯になるように配置して軸芯体を保持している。さらにリング形状の塗工ヘッド8(図2参照)の中心軸はワーク下保持軸9とワーク上保持軸10の移動方向と平行となるようにそれぞれに支持され、また、ワーク下保持軸9およびワーク上保持軸10が昇降移動時において塗工ヘッド8の内側に開口した環状スリットに成っている吐出口の中心軸とワーク下保持軸9およびワーク上保持軸10の中心軸が略同芯になるように調節してある。このような構成により塗工ヘッド8の環状スリットに成っている吐出口の中心軸を軸芯体の中心軸に略同芯に合わせることができリング形状の塗工ヘッドの内周面と前記軸芯体101の外周面との間に均一な隙間が形成される。
また、塗布液の供給口11は、塗布液搬送用の配管12を介して材料供給弁13に接続されている。材料供給弁13は、その手前に混合ミキサー、材料供給ポンプ、材料定量吐出装置、材料タンク等を備え、定量(単位時間当たりの量が一定)の塗布液を吐出可能なモノとしている。
【0065】
図2に本発明の製造方法に用いられたリング形状の塗工ヘッドの断面図を図示する。本発明の製造方法に用いられたリング形状の塗工ヘッドは、金属などの材料で形成されるヘッド上部201とヘッド下部202で構成されており、図2のように固定されて使用される。材料注入口203から入った原材料が、ヘッド内の材料流路204を通って360度方向充満され、材料吐出口205から吐出される。
【0066】
図5に本発明の製造方法にて成形された表面層付き弾性ロールの構造の一例を模式図に図示する。本発明の製造方法により成形された弾性ロールは中心に軸芯体として、通常、金属などの導電性材料で形成される軸芯体101を有し、軸芯体101の外周面上に弾性層(基層)102が固定され、この弾性層102の外周面に導電性表面層(表面層)103を積層した構造に構成される。
【0067】
図6は、本発明の弾性ロールを現像ロールとして用いた現像装置、および弾性ロールを現像ロール、帯電ロール、転写ロール、定着ロール、加圧ロールの少なくとも1つ以上として用いた画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【0068】
この画像形成装置では、潜像担持体としての感光ドラム21が矢印A方向に回転し、感光ドラム21を帯電処理するための帯電ロール22によってそこを通過した感光ドラム21の領域が一様に帯電され、更にこの帯電領域において、静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光23により、その表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、感光ドラム21に対して近接配置され、画像形成装置本体に対し着脱可能な現像装置35によって現像剤たるトナーを付与されることにより現像され、トナー像として可視化(顕在化)される。
【0069】
現像には、露光部にトナー像を形成するいわゆる反転現像などの方式が利用できる。可視化された感光ドラム21上のトナー像(画像)は、転写ロール29によって紙などの転写紙33に転写される。トナー像を転写された紙33は、定着ロール32と加圧ロール36により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。転写ロール33は、感光ドラム21のトナー像を保持する領域に、転写紙33をその裏面から押当てて、トナー像を転写紙の表面に転写させるもので、感光ドラムのトナー像を保持する領域と逆に帯電していることで、トナー像の転写が促進される。転写紙33の感光ドラム21の表面への押し当ては、感光ドラム21と転写ロール29とが接触している部分に、これらの回転に伴って、転写紙33が自動的に挿入されることにより達成される。
【0070】
一方、転写されずに感光ドラム上21上に残存した転写残トナーはクリーニングブレード30により掻き取られ廃トナー容器31に収納され、クリーニングされた感光ドラム21に対して上記のプロセスを繰り返すことで、同一画像のコピーや、新たな画像の転写を行なうことができる。
【0071】
図示した例では、現像装置35は、一成分現像剤として非磁性トナー28を収容した現像装置34と、現像容器34内の長手方向に延在する開口部に位置し感光ドラム21と対向設置された現像剤担持体としての現像ロール25とを備え、感光ドラム21上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
【0072】
尚、現像ロール25は感光ドラム21と当接幅をもって接触している。現像装置においては、弾性を有する現像剤供給ロール26が、現像容器34内で、弾性ブレード27の現像ロール25表面との当接部に対し現像ロール25回転方向上流側に当接され、かつ、回転可能に支持されている。現像剤供給ロール26の構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ロール25へのトナー28供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。本実施形態においては、芯金上にポリウレタンフォームを設けた直径16mmの現像剤供給ロール26を用いた。
【0073】
この現像剤供給ロール26の現像ロール25に対する当接幅としては、1〜8mmが有効であり、また、現像ロール25に対してその当接部において相対速度をもたせることが好ましく、本実施形態においては、当接幅を3mmに設定し、現像剤供給ロール26の周速として現像動作時に50mm/s(現像ロール25との相対速度は130mm/s)となるように駆動手段(図示せず)により所定タイミングで回転駆動させている。
【0074】
通常、現像容器34と現像ロール25、現像剤供給ロール26、トナー28、弾性ブレード27などが一体となったプロセスカートリッジとして使用され、部品交換等はプロセスカートリッジの状態でおこなわれる。さらに、感光ドラム21、廃トナー容器31、帯電ロール22を含んだ現像装置35のようなプロセスカートリッジも用いられる。
【実施例】
【0075】
<各種測定方法>
<分子量測定法> シリコーンゴムのGPCによる分子量の測定方法を以下に記す。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量(
Mn、Mw、Mz)は次の条件で測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1
mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料
溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有
する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値と
カウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチ
レン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co
.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×10
4、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のもの
を用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器
にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0076】
カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例
えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、8
05、806、807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel500
、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
【0077】
<降伏応力測定法>
粘弾性測定装置による液状ゴム材料の降伏応力測定法を以下に記す。
粘弾性測定装置にはHaake社製RheoStress600を用いた。
【0078】
材料約1gを採取し試料台の上にのせ、コーンプレートを徐々に近づけて、試料台から約50μmの位置で測定ギャップを設定した(コーンプレートにはφ35mm、傾斜角度1°のモノを用いた)。そのとき、まわりに押し出された材料を奇麗に除去し測定に影響の出ないようにした。
材料温度が25℃になるようにプレート台の温度は設定され、試料をセットしてから10分間放置後、測定を開始した。
試料にかける応力は0.00Paからスタートし50000Paまでの範囲(周波数は1Hz)を、180秒かけて変動させ、そのときのG'貯蔵弾性率、G"損失弾性率、位相差tanδの変化を32ポイント測定した。G'ははじめ線形粘弾性領域で一定の値となり、その後G'貯蔵弾性率とG"損失弾性率が交差する点の応力値を読み取り、降伏応力とした。
【0079】
<チキソトロピーインデックス:TI値>
回転粘度計による液状ゴム材料のチキソトロピーインデックスの求め方を以下に記す。
回転粘度計には東機産業株式会社製RE550Uを用いた。
試料約0.25mLを試料台にセットし、R9.7、傾斜角度3°のコーンロータを用いて、10rpmで30secの前処理をおこなった。前処理の終了直後にせん断速度 (s-1)を0.2で100sec、0.4で50sec、1で30sec、2で30sec、4で30sec、10で30secの条件で測定をおこなった。このとき、せん断速度1で測定した粘度をせん断速度10で測定した粘度で割ったものをチキソトロピーインデックスとした。
【0080】
<外径、塗工厚み測定>
軸芯体を回転軸としてロールを回転させ、回転軸と垂直に非接触レーザー測長器(キーエンス製 LS−5000)を設置し、弾性ロールの外径を測定した。軸芯体の端面を基準として、弾性ロールの外周面までの距離を測定し、塗工厚み(弾性体肉厚)とした。
【0081】
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0082】
なお、以下に記載する具体例では、特に明記しない限り、各例において利用される試薬
等は、市販の高純度品を用いた。
【0083】
<実施例1>
〔弾性層ゴム材料〕
弾性層の形成には液状のシリコーンゴムを用いた。液状シリコーンゴムは、オルガノポリシロキサンに充填剤としてシリカ粉末、石英粉末、カーボンブラック等を配合しベース材料とした。さらに硬化触媒として白金化合物を微量配合したものを混合物Aとし、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを配合したものを混合物Bとし、それぞれリングコート機に付随の原料タンク1、原料タンク2にセットし、圧送ポンプを使用してスタチックミキサーに送り出し混合物Aと混合物Bを1:1の比率で混合した。
特許請求の範囲に記載の降伏応力とチクソトロピーインデックスの測定は混合物Aと混合物Bを1:1の比率で混合したものの測定値を被覆材料の測定値とした。
【0084】
〔製造方法〕
軸芯体には鉄表面に化学ニッケルメッキを施したものを使用し、表面にプライマーを塗布(商品名:DY39−051:東レダウコーニングシリコーン社製)し、電気炉で150度、30分の熱処理を行った。プライマー処理後の軸芯体(ワーク)をリングコート機ワーク保持軸部に配置し、上保持軸10と下保持軸でクランプ後、ワークを塗工開始位置まで下降して停止させ、ワークが上昇開始するのと同時に、リング塗工ヘッドから一定吐出量で材料が吐出し、ワークの周囲に一定厚みの液状ゴム材料層を形成した。
【0085】
つぎに、塗工後のワークを水平にした状態で回転させながら赤外線ヒータで5分間照射し、加熱硬化させてゴム弾性層を成形した。その後、シリコーンゴム弾性層の硬化後の物性を安定させ、シリコーンゴム弾性層中の反応残渣及び未反応低分子分を除去する等を目的として、電気炉で200℃で4時間の熱処理をした。
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 70質量%
(東レダウコーニングシリコーン社製)
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 3質量%
カーボンブラック (三菱化学製:商品名MA−11) 7質量%
シリカ (日本アエロジル製:商品名:AEROSIL50) 7質量%
石英 (Pennsylvania Glass Sand製:商品名Min-USil) 13質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力50〔Pa〕、チクソトロピーインデックス(以下TI値とする)2.01のシリコーンゴムベース材料を得た。さらにこのベース材料100部に対して、塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(白金含有量3質量%)0.02部を加えて混合し混合物Aとし、粘度10cpsのオルガノハイドロジェンポリシロキサン(SiH含有量1質量%)を1.5部を加えて混合し混合物Bとした。混合物Aと混合物Bをそれぞれ、原料タンク1、原料タンク2にセットし、圧送ポンプを使用してスタチックミキサーに送り出し混合物Aと混合物Bを1:1の比率で混合した。
【0086】
この材料を用いて、リング塗工ヘッド内径φ12.6mm、ワーク上昇速度10mm/sec、材料吐出量720mm3/secで塗工し、φ8mm芯金の周囲に、被覆厚み2.0mm、長さ250mmになるように液状ゴム材料層を形成した。さらに、塗工後、ワークに衝撃を与えないようにすみやかにヒータに移動し、水平にした状態で30rpmで回転させ、赤外線ヒータ(ハイベック社製HYL25:ワークヒータ距離60mm、出力780W)で4分間加熱硬化させてφ12mmの弾性ロールを成形し、その後電気炉で200℃で4時間の熱処理をした。
【0087】
〔表面層の形成〕
ポリウレタンポリオールプレポリマー 100質量部
(商品名:タケラックTE5060;三井武田ケミカル社製)
イソシアネート 77質量部
(商品名:コロネート2521;日本ポリウレタン株式会社製)
カーボンブラック 24質量部
(商品名:MA100;三菱化学社製)
ウレタン粒子 24質量部
(商品名:C400;根上工業社製)
上記原料混合液にMEKを加えサンドミルで1時間分散した。分散後さらにMEKを加え固形分20%〜30%の範囲で(膜厚が20μmとなるように)調整したものを導電性表面層の原料液とした。この導電性表面層の原料液中に弾性ロールを浸漬して、導電性弾性層の外表面をコーティングした後、引上げて自然乾燥させた。次いで、140℃にて60分間加熱処理することで、コーティングされた導電性表面層の原料の硬化を行ない、導電性表面層を導電性弾性層の外周面上に積層させて、9点平均の表面粗さ(Rz)9.2μmの導電性表面層を形成したのち、ゴムの両端部から10mmをカットして現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0088】
<実施例2>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 80質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 7質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL50) 13質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力210〔Pa〕、TI値4.82のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
【0089】
この材料を用いて、リング塗工ヘッド内径φ12.6mm、ワーク上昇速度10mm/sec、材料吐出量960mm3/secで塗工し、φ6mm芯金の周囲に、被覆厚み3.0mm、長さ250mmになるように液状ゴム材料層を形成した。さらに、塗工後、ワークに衝撃を与えないようにすみやかにヒータに移動し、水平にした状態で30rpmで回転させ、赤外線ヒータ(ハイベック社製HYL25:ワークヒータ距離60mm、出力780W)で4分間加熱硬化させてφ12mmの弾性ロールを成形した。
【0090】
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0091】
<実施例3>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 60質量%
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=50万) 30質量%
(東レダウコーニングシリコーン社製)
カーボンブラック (三菱化学製、商品名MA−11) 5質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL380) 5質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力600〔Pa〕、TI値6.5のシリコーンゴムベース材料を得た。
【0092】
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
【0093】
この材料を用いて、リング塗工ヘッド内径φ21.0mm、ワーク上昇速度10mm/sec、材料吐出量2960mm3/secで塗工し、φ8mm芯金の周囲に、被覆厚み6.0mm、長さ250mmになるように液状ゴム材料層を形成した。さらに、塗工後、ワークに衝撃を与えないようにすみやかにヒータに移動し、水平にした状態で30rpmで回転させ、赤外線ヒータ(ハイベック社製HYL25:ワークヒータ距離60mm、出力780W)で6分間加熱硬化させてφ20mmの弾性ロールを成形した。
このロールに表面に離型性を高めるため、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルピニルエーテルの共重合体)溶液をスプレー塗工し、50μmのフッ素樹脂層を設けた。作成したロールを定着ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0094】
<実施例4>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 80質量%
カーボンブラック (三菱化学製、商品名:MA−100) 8質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL50) 12質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力140〔Pa〕、TI値2.8のシリコーンゴムベース材料を得た。
【0095】
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
【0096】
この材料を用いて、リング塗工ヘッド内径φ12.6mm、ワーク上昇速度10mm/sec、材料吐出量720mm3/secで塗工し、φ8mm芯金の周囲に厚み2.0mm、長さ250mmの液状ゴム材料層を形成した。さらに、塗工後、ワークに衝撃を与えないようにすみやかにヒータに移動し、水平にした状態で30rpmで回転させ、赤外線ヒータ(ハイベック社製HYL25:ワークヒータ距離60mm、出力780W)で4分間加熱硬化させてφ12mmの弾性ロールを成形した。
【0097】
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0098】
<実施例5>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 50質量%
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=50万) 30質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 3質量%
カーボンブラック (三菱化学製、商品名:MA−11) 7質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL50) 7質量%
石英 (Pennsylvania Glass Sand製、商品名Min-USil) 3質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力350〔 Pa〕、TI値2.5のシリコーンゴムベース材料を得た。
【0099】
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
【0100】
この材料を用いて、リング塗工ヘッド内径φ16.8mm、ワーク上昇速度10mm/sec、材料吐出量1680mm3/secで塗工し、φ8mm芯金の周囲に、被覆厚み4.0mm、長さ250mmになるように液状ゴム材料層を形成した。さらに、塗工後、ワークに衝撃を与えないようにすみやかにヒータに移動し、水平にした状態で30rpmで回転させ、赤外線ヒータ(ハイベック社製HYL25:ワークヒータ距離60mm、出力780W)で5分間加熱硬化させてφ16mmの弾性ロールを成形した。
【0101】
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0102】
<実施例6>
実施例1と同様の混合物Aと混合物Bを用いて、次の条件で弾性ロールを成形した。
リング塗工ヘッド内径φ12.6mm、ワーク上昇速度10mm/sec、材料吐出量200mm3/secで塗工し、φ11mm芯金の周囲に、被覆厚み0.5mm、長さ250mmになるように液状ゴム材料層を形成した。さらに、塗工後、ワークに衝撃を与えないようにすみやかにヒータに移動し、水平にした状態で30rpmで回転させ、赤外線ヒータ(ハイベック社製HYL25:ワークヒータ距離60mm、出力780W)で4分間加熱硬化させてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0103】
<実施例7>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 80質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 4質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名AEROSIL50) 16質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力400〔Pa〕、TI値2.1のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
この材料を用いて、実施例2と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0104】
<実施例8>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 80質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 6質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL50) 14質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力400〔 Pa〕、TI値2.5のシリコーンゴムベース材料を得た。
【0105】
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
【0106】
この材料を用いて、実施例2と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
【0107】
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0108】
<実施例9>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 50質量% 液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=50万) 30質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 6質量%
カーボンブラック (三菱化学製、商品名MA−11) 9質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL200) 5質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力400〔Pa〕、TI値5のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
この材料を用いて、実施例2と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0109】
<実施例10>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 50質量% 液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=50万) 34質量% カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 6質量%
カーボンブラック (三菱化学製、商品名:MA−11) 5質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL200) 5質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力400〔Pa〕、TI値6.5のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
この材料を用いて、実施例2と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0110】
<実施例11>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 75質量% カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 3質量%
カーボンブラック (三菱化学製、商品名:MA−11) 7質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL50) 5質量%
石英 (Pennsylvania Glass Sand製、商品名:Min-USil) 10質量% 上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力55〔Pa〕、TI値6.4のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
この材料を用いて、実施例1と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0111】
<実施例12>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 50質量% 液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=50万) 34質量% カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 6質量%
カーボンブラック (三菱化学製、商品名:MA−11) 5質量%
シリカ (日本アエロジル製、商品名:AEROSIL50) 5質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力400〔Pa〕、TI値6.5のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
この材料を用いて、実施例1と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0112】
<実施例13>
実施例3と同様にして得られた弾性ロールの表面に離型性を高めるため、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルピニルエーテルの共重合体)溶液をスプレー塗工し、50μmのフッ素樹脂を設けた。作成したロールを加圧ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0113】
<実施例14>
実施例1で作成したロールを帯電ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0114】
<比較例1>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 75質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 5質量%
シリカ (日本シリカ工業製ニプシルss50) 7質量%
石英 (Pennsylvania Glass Sand製Min-USil) 13質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力15〔Pa〕、TI値1.88のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとした。
この材料を用いて、実施例1と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0115】
<比較例2>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=50万) 60質量%
カーボンブラック (ケッチェンブラックEC) 20質量%
シリカ (日本アエロジル製AEROSIL380) 20質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力810〔Pa〕、TI値7.21のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとした。
この材料を用いて、実施例5と同様にしてφ16mmの弾性ロールを成形した。
【0116】
<比較例3>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 70質量%
カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 5質量%
シリカ (日本シリカ工業製ニプシルss50) 7質量%
石英 (Pennsylvania Glass Sand製Min-USil) 18質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力30〔Pa〕、TI値2.2のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとした。
この材料を用いて、実施例1と同様にしてφ12mmの弾性ロールを成形した。
さらに、実施例1と同様にして表面層を形成して現像ロールとし、画像形成装置に組み込み画像評価をおこなった。
【0117】
<比較例4>
液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=10万) 50質量% 液状シリコーンゴム材料(分子量 Mw=50万) 30質量% カーボンブラック (電気化学工業製デンカブラック粉状) 6質量%
カーボンブラック (三菱化学製MA−11) 9質量%
シリカ (日本アエロジル製AEROSIL200) 5質量%
上記の配合物をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、降伏応力500〔Pa〕、TI値6.9のシリコーンゴムベース材料を得た。
実施例1と同様にして混合物Aと混合物Bとし1:1の比率で混合した。
この材料を用いて、実施例5と同様にしてφ16mmの弾性ロールを成形した。
【0118】
<実施例及び評価結果>
実施例1〜13、ならびに比較例1〜2のロールの外径寸法および被覆厚みを測定した。測定位置は、塗工開始位置から15mmの位置(外径が安定した位置:図2)と塗工終了位置から15mm手前の位置の2カ所I、II(図4)の外径および被覆厚みを測定し、その外径差を被覆厚みに対する割合として求めた。
A:被覆厚みに対する外径差の割合が1%以下であるもの
B:被覆厚みに対する外径差の割合が3%以下であるもの
C:被覆厚みに対する外径差の割合が3%よりも大きいもの
D:塗工表面にスジや凹凸があるもの
実施例1、2、4〜12、比較例1、3で作製された弾性ロールを現像カートリッジに現像ロールとして組み込み(φ12ロールはHP社製 Color Laser Jet3700、φ16ロールはキヤノン社製LASER SHOT LBP-2510)、ベタ画像を形成した。得られたベタ画像について、画出し方向左右(画像左右端部から15mm位置)をマクベス濃度計(RD918、グレタグマクベス社)を用いて各5点測定を行い、その平均値を算出した。次に、ベタ濃度平均値の差(濃度左右差)を算出し、以下のレベルに基づき判断した。
A:ベタ濃度の差が0.02より小さく、画像上良好なもの
B:ベタ濃度の差が0.02以上0.06以下であり、画像上全く問題とならないもの
C:ベタ濃度の差が0.06を超えているもの
実施例3、13、14で得られた定着ロール、加圧ロール、帯電ロールをそれぞれ画像形成装置に組み込み画像評価をおこなったところ良好な画像が得られた
【0119】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】実施形態の塗工方法が適用された第一の装置を示す概略図である。
【図2】実施形態の塗工方法が適用されたリング塗工ヘッドを示す図である。
【図3】本発明の塗工方法により形成された弾性ロールの塗工開始から外径が安定するまでの距離を示す図である。
【図4】本発明の塗工方法により成形された弾性ロールの外径寸法を測定した位置を示す図である。
【図5】本発明における現像ロールの2層構造を模式的に表す図である。
【図6】本発明の現像装置および本発明のプロセスカートリッジを用いた画像形成装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0121】
1.架台
2.コラム
3.ボールねじ
4.LMガイド
5.サーボモータ
6.プーリ
7.ブラケット
8.リング形状の塗工ヘッド
9.ワーク下保持軸
10.ワーク上保持軸
11.供給口
12.配管
13.材料供給弁
14.リニアガイド
21感光ドラム(画像形成体)
22帯電ロール
23レーザー光
24現像装置
25現像ロール
26現像剤供給ロール
27弾性ブレード
28現像剤(トナー)
29転写ロール
30クリーニングブレード
31廃トナー容器
32定着ロール
33紙
34現像容器
35プロセスカートリッジ
36加圧ロール
101軸芯体
102弾性層
103 表面層
201 リングヘッド上部
202 リングヘッド下部
203 材料注入口
204 材料流路
205 材料吐出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸芯体の周囲にゴム材料を含む被覆材料で被覆形成し加硫硬化させることにより得られる弾性ロールの製造方法において、該被覆材料の降伏応力が50Pa以上600Pa以下であり、かつチキソトロピーインデックスが2.0以上6.5以下である非ニュートン性液状の材料を円筒形状の塗工ヘッドを用いて被覆形成させることを特徴とする弾性ロールの製造方法。
【請求項2】
成形される被覆物の厚みが0.5mm以上6.0mm以下であることを特徴とする請求項1記載の弾性ロールの製造方法。
【請求項3】
成形される被覆物の厚みが2.0mmを超え4.0mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の弾性ロールの製造方法。
【請求項4】
被覆材料中に少なくとも導電性を有する材料を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性ロールの製造方法。
【請求項5】
被覆材料中の導電性を有する材料がフィラー状であることを特徴とすることを特徴とする請求項4記載の弾性ロールの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により成形されたことを特徴とする弾性ロール。
【請求項7】
前記弾性ロールが電子写真装置の定着ロール、加圧ロールのいずれか一つであることを特徴とする請求項6記載の弾性ロール。
【請求項8】
請求項1〜5記載の製造方法により成形されたことを特徴とする導電ロール。
【請求項9】
前記導電ロールが電子写真装置の現像ロール、帯電ロールの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項8記載の導電ロール。
【請求項10】
帯電ロールが装着されてなり、該帯電ロールを感光ドラムに接触させて該感光ドラム表面に電荷を供給する電子写真プロセスカートリッジにおいて、該帯電ロールが請求項9記載の帯電ロールであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
【請求項11】
現像ロールが装着されてなり、該現像ロールの表面に現像剤の薄層を形成し、該現像ロールを画像形成体に接触させて該画像形成体表面に該現像剤を供給することにより該画像形成体表面に可視画像を形成させる電子写真プロセスカートリッジにおいて、
該現像ロールが、請求項9に記載の現像ロールであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
【請求項12】
現像ロールが装着されてなり、該現像ロールの表面に現像剤の薄層を形成し、該現像ロールを画像形成体に接触させて該画像形成体表面に該現像剤を供給することにより該画像形成体表面に可視画像を形成させる画像形成装置において、
該現像ロールが、請求項9に記載の現像ロールであることを特徴とする画像形成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−293015(P2006−293015A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113556(P2005−113556)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】