説明

恒温型の水晶発振器

【課題】高さ寸法を小さくして作業性を良好にし、温度分布を均一にする恒温型発振器を提供する。
【解決手段】水晶片を密閉封入した水晶振動子1と、発振段及び緩衝段を有する発振出力回路と、温度補償回路と、水晶振動子1と発振出力回路及び温度補償回路の回路素子4とを配設する回路基板5を備え、温度補償回路は発熱用のチップ抵抗と、パワートランジスタと、温度感応素子とを有し、回路基板5の一側板面には第1熱伝導性樹脂15aを介在させて水晶振動子1の主面が対向して配設されると共に、チップ抵抗は水晶振動子1に隣接して配設され、水晶振動子1と第2熱伝導性樹脂15bによって熱的に結合した恒温型水晶発振器に於いて、水晶振動子1はフランジ14を回路基板5の溝16に挿入し、加熱抵抗は水晶振動子1の一対のリード線間を含んでリード線12を挟み込み、水晶振動子1の外周を取り囲んで回路基板5の一側板面に配設された構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリードタイプの水晶振動子を用いた恒温型の水晶発振器(以下、恒温型発振器とする)を技術分野とし、特に高さ寸法を小さくした恒温型発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
恒温型発振器は水晶振動子の動作温度を一定として、周囲温度が変化しても周波数安定度を高めることから、例えば基地局とした通信設備の無線機器に適用される。近年では、旧来の熱線を券回した恒温槽に代えて熱源を加熱抵抗として恒温構造を簡易にする。このようなものの一つに、リードタイプの水晶振動子を用いた恒温型発振器がある。
【0003】
(従来技術の一例)
第2図及び第3図は一従来例を説明する図で、第2図(a)は恒温型発振器の断面図、同図(b)は同回路図、第3図(a)は水晶振動子の断面図、同図(b)は同周波数温度特性図である。
【0004】
恒温型発振器(第2図)はリードタイプの水晶振動子1と、発振出力回路2及び温度制御回路3を形成する各回路素子4と、水晶振動子1を含む回路素子4を配設する回路基板5とを有する。そして、発振器用ベース(金属ベース)7のガラス6によって気密化されたリード線8(所謂気密端子)によって回路基板5を保持し、抵抗溶接等によって発振器用カバー(金属カバー)9を被せてなる。この場合、発振器用ベース4と発振器用カバー9との外周に突出したフランジ10が接合して密閉封入する。
【0005】
水晶振動子1(第3図)は金属ベース11の一対のリード線(気密端子)12に接続したサポータ12aによって、水晶片1Aの励振電極1xから引出電極1yの延出した両端部を保持する。そして、金属ベース11と金属カバー13とのフランジ14を前述同様に抵抗溶接によって接合し、水晶片1Aを密閉封入する。水晶片1Aは例えばSCカットやATカットとし、80℃近傍を極値とした周波数温度特性を有する。例えばATカットでは三次曲線「第3図(b)の曲線イ」となり、SCカットでは二次曲線(同図の曲線ロとする)となる。なお、図の縦軸は周波数偏差Δf/fで、fは常温での周波数、Δfは常温での周波数fに対する周波数差である。
【0006】
発振出力回路2は、発振回路としての発振段2aと緩衝増幅器等を有する緩衝段2bとからなる。発振段2aは水晶振動子1とともに共振回路を形成する図示しない分圧コンデンサ及び発振用トランジスタを有するコルピッツ型とする。ここでは、例えば発振ループ内に電圧可変容量素子4Cvを有する電圧制御型とする。図中のVccは電源、Voutは出力、Vcは制御電圧である。
【0007】
温度制御回路3は、オペアンプ4OAの一方の入力端に温度感応素子(例えばサーミスタ)4thと抵抗4R1による温度感応電圧Vtを、他方の入力端に抵抗4R2、4R3による基準電圧Vrを印加する。そして、基準電圧Vrと温度感応電圧Vtとの差電圧をパワートランジスタ4Trのベースに印加し、発熱素子としてのチップ抵抗(以下、加熱抵抗4hとする)4hへ電源Vccからの電力を供給する。これにより、温度感応素子4th4thの温度に依存した抵抗値によって加熱抵抗4hへの電力を制御し、水晶振動子1の動作温度を一定にする。動作温度は例えば常温以上での極小値又は極大値となる80℃近傍とする(前第3図)。
【0008】
回路基板5(前第2図)は例えばガラスエポキシ基板として図示しない回路パターンが形成され、水晶振動子1を含む各回路素子4が両主面に配設される。そして、発振器用ベースのリード線8に保持される。この例では、水晶振動子1と、温度補償回路のうちの加熱抵抗4h、パワートランジスタ4Tr及び温度感応素子4thとが回路基板5の一側板面に配設される。回路基板5の一側板面(下面)は発振器用ベース7側とし、他側板面(上面)を発振器用カバー9側とする。
【0009】
水晶振動子1は主面が回路基板5の一側板面に対向し、回路基板の中央領域に配設された例えば2個の加熱抵抗4hに当接する。そして、一対のリード線12が折曲して回路基板5を貫通し、他側板面にて図示しない半田等によって固着される。パワートランジスタ4TRは水晶振動子1の外側として、温度感応素子4thが加熱抵抗4hの間に温度感応素子4thが配設される。これらの水晶振動子1及び回路素子4h、4Tr、4thは熱伝導性樹脂15によって覆われる。ここでは、温度に依存して特性の変化が大きい電圧可変容量素子4Cvが加熱抵抗4hの間に配設される。
【0010】
これら以外の発振出力回路2及び温度補償回路の回路素子4が回路基板5の他側板面とした上面や、一側板面とした下面の熱伝導樹脂13の領域外となる外周部に配設される。特に、発振周波数に影響を及ぼす発振段2aの各回路素子4は熱伝導性樹脂15で覆われた領域に対向した回路基板5の上面に配置される。また、例えば発振周波数を調整するコンデンサ等の調整素子は回路基板5の上面に配設され、調整を容易にする。
【0011】
そして、例えば調整素子としての半田付けされたコンデンサや抵抗の交換作業を要する場合は、回路基板5をガラスエポキシ基板とすることによって、調整素子の半田付けによる交換作業を容易にする。すなわち、半田付け時の熱がガラスエポキシによって蓄熱されるので、半田付けを容易にする。例えばセラミック基板とした場合は、熱が逃げやすく、交換時の半田付け作業が困難になる。
【特許文献1】特開2000−315916号公報
【特許文献2】特開2006−311496号公報
【特許文献3】特開平2005−341191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の恒温型発振器では、加熱抵抗4h上に水晶振動子1の主面を当接して配置するので、高さ寸法が大きくなる問題があった。このことから、例えば第4図に示したように、水晶振動子1の下面から加熱抵抗を除去し、水晶振動子の外周を取り囲んで複数の加熱抵抗を配置する。これにより、高さ寸法を小さくすることが考えられた。なお、第4図では便宜的に加熱抵抗4th等は便宜的に省略している。
【0013】
しかし、この場合には、水晶振動子1のフランジ14が回路基板2に当接して傾斜するので、フランジの突出分が高くなる。そして、一対のリード線の屈曲部に負荷が加わり、例えば気密端子のガラスにクラックを生じたりして、回路基板に対する取付作業を困難にする問題があった。さらには、金属ベース側での熱伝導樹脂の厚みが大きくなって、金属カバーの主面からの回路基板に対する熱伝導が不均一になる問題もあった。
【0014】
(発明の目的)
本発明は高さ寸法を小さくして作業性を良好にし、さらには温度分布を均一にする恒温型発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、一対のリード線が導出した金属ベースと金属カバーとのフランジが接合して水晶片を密閉封入した水晶振動子と、前記水晶振動子とともに形成される発振段及び緩衝段を有する発振出力回路と、前記水晶振動子の動作温度を一定にする温度制御回路と、前記水晶振動子と前記発振出力回路及び前記温度制御回路の回路素子とを配設する回路基板とを備え、前記温度制御回路は発熱用のチップ抵抗と、前記チップ抵抗に電力を供給するパワートランジスタと、前記水晶振動子の動作温度を検出する温度感応素子とを少なくとも有し、前記回路基板の一側板面には第1熱伝導性樹脂を介在させて前記水晶振動子の主面が対向して配設されるとともに、前記発熱用のチップ抵抗は前記水晶振動子に隣接して配設され、前記水晶振動子と第2熱伝導性樹脂によって熱的に結合した恒温型の水晶発振器であって、前記水晶振動子は前記フランジを前記回路基板に設けられた溝に挿入され、前記水晶振動子の主面は前記第1熱伝導性樹脂を介在させて前記回路基板の一側板面と密着し、前記加熱抵抗は前記水晶振動子の一対のリード線間を含んで前記リード線を挟み込むとともに、前記水晶振動子の外周を取り囲んで前記回路基板の一側板面に配設された構成とする。
【発明の効果】
【0016】
このような構成であれば、水晶振動子のフランジが回路基板の溝に挿入されるので、水晶振動子(金属カバー)の主面は回路基板の一側板面に対して基本的に水平方向となる。したがって、フランジの突出分に応答して高さを小さくできる。そして、水晶振動子の主面と回路基板の一側板面との間隙を最小にして第1熱伝導樹脂の厚みも小さくなる。これにより、金属カバーの主面からの回路基板に対する伝導熱を最大とした上で、回路基板の温度分布を均一にできる。また、水晶振動子を回路基板に取り付ける際、特に一対のリード線が回路基板を挿通して接続する場合、屈曲部に加わる負荷も小さくなって作業性を良好にできる。
【0017】
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記第1熱伝導性樹脂は粘着性の樹脂シートとし、前記第2熱伝導性樹脂は液状樹脂を塗布して硬化する。これにより、第1熱伝導性樹脂を樹脂シートとするので、液状樹脂を塗布する場合よりも作業性を良好にする。
【0018】
同請求項3では、請求項1において、前記水晶振動子と加熱抵抗とが前記第2熱伝導性樹脂によって熱的に結合した回路基板の平面領域を熱結合領域とし、前記回路基板の一側板面とは反対面となる他側板面の前記熱結合領域には、前記発振段の回路素子が配設される。これにより、特に発振周波数に影響を及ぼす発振段の回路素子の動作温度も安定するので、これらの回路素子の温度特性による周波数変化を防止できる。
【0019】
同請求項4では、請求項1において、前記回路基板はガラスエポキシ基板として発振器用ベースのリード線に保持され、前記発振器用ベースには発振器用カバーが接合して発振器用容器を形成し、前記水晶振動子の配設された前記回路基板の一側板面は前記発振器用ベースに対向し、前記回路基板の他側板面には調整用の回路素子が配設される。これにより、例えば発振周波数の調整を容易にできる。特に、ガラスエポキシ基板とするので、調整用の回路素子の取り外しによる交換を要する場合は、半田付け作業を容易にできる。
【0020】
同請求項5では、請求項1において、前記回路基板の一側板面には前記水晶振動子及び前記発熱用のチップ抵抗とともに前記温度感応素子が配設されて、前記第2熱伝導性樹脂によって熱的に結合して熱結合領域とする。これにより、発熱用のチップ抵抗(熱源)と水晶振動子と温度感応素子とを熱的に結合するので、これらの温度を均一にしてリアルタイムな温度制御を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
第1図は本発明の一実施形態を説明する図で、同図(a)は恒温型発振器の便宜的な断面図、同図(b)は回路基板の下面となる一側板面の平面図である。
【0022】
恒温型発振器は、前述のように、金属ベース11と金属カバー13とのフランジ14を抵抗溶接によって接合して水晶片1Aを密閉封入し、一対のリード線12が導出した水晶振動子1を有する(前第 図参照)。水晶振動子1は回路基板5の一側板面として中央領域に配設され、発振器用ベース7に対向する。そして、一対のリード線12が折曲して先端が他側板面に貫通して半田によって接続する。回路基板5は発振器用ベース7のリード線8に保持され、発振器用ベース7には発振器用カバー9が接合される。
【0023】
ここでは、回路基板5には貫通した溝16が設けられ、水晶振動子1のフランジ14が溝16に挿入する。水晶振動子1(金属カバー13)の主面は回路基板5の一側板面と水平方向とし、第1熱伝導樹脂15aを介在させて密着する。第1熱伝導性樹脂15aは粘着性の樹脂シートとする。そして、回路基板5の一側板面には水晶振動子1の外周を取り囲んで加熱抵抗4hが配設される。
【0024】
具体的には、加熱抵抗4hは、水晶振動子1の一対のリード線12間及びその外側に配設されて、各リード線12を挟み込む。そして、金属ベース11及び金属カバー13の外周に隣接し、これらを取り囲んで配設される。但し、この例では、例えばパワートランジスタ4Trをも熱源として例えば金属カバー13の頭部に、さらには温度感応素子4thや電圧可変容量素子4Cvが配設される。これらは、液状樹脂として塗布した後に硬化する第2熱伝導性樹脂15bによって覆われ、それぞれが熱的に結合する。そして、第2熱伝導性樹脂15bに覆われた平面領域を回路基板5の熱結合領域とする。
【0025】
回路基板5の一側板面とは反対面の他側板面には、これら以外の発振出力回路2や温度補償回路3の各回路素子4が配設される。特に、他側板面(上面)となる回路基板5の熱結合領域(熱伝導性樹脂15bの塗布領域)には、発振周波数に影響を及ぼす発振段2aの回路素子4が配設される。そして、熱結合領域内及び熱結合領域外には緩衝段2bや温度補償回路3の回路素子4が配設される。特に、発振周波数を調整する回路素子4は、発振器用カバー9側となる回路基板5の上面(他側板面)に配設される。
【0026】
このような構成であれば、発明の効果の欄でも記載するように、水晶振動子1のフランジ14が回路基板5の溝16に挿入されるので、水晶振動子1(金属カバー13)の主面は回路基板5の一側板面に対して基本的に水平方向となる。したがって、フランジ14の突出分に応答して高さを小さくできる。そして、水晶振動子1の主面と回路基板5の一側板面との間隙を最小にして第1熱伝導樹脂15aの厚みも小さくなる。
【0027】
これにより、金属カバー13の主面からの回路基板5に対する伝導熱を最大とした上で、回路基板5の温度分布を均一にできる。また、水晶振動子1を回路基板5に取り付ける際、特に一対のリード線12が回路基板5を挿通して接続する場合、屈曲部に加わる負荷も小さくなって作業性を良好にできる。
【0028】
また、第1熱伝導性樹脂15aは粘着性の樹脂シートとするので、液状樹脂を塗布する場合よりも作業性を良好にする。また、第2熱伝導性樹脂15bの塗布されて熱結合領域とする回路基板5の他側板面には、発振周波数に影響を及ぼす発振段2aの回路素子4が配設される。したがって、発振段2aの回路素子4の動作温度も安定するので、これらの温度特性による周波数変化をも防止できる。
【0029】
また、回路基板5の発振器用カバー9側となる上面には調整用の回路素子4が配設されので、例えば発振周波数の調整を容易にできる。特に、回路基板5をガラスエポキシ基板とした場合は、調整用の回路素子4の取り外しによる交換を要するとき、放熱を防止して半田付け作業を容易にできる。
【0030】
また、この例では、熱源としての加熱抵抗4h及びパワートランジスタ4Trと水晶振動子1と温度感応素子4thとを第2熱伝導性樹脂によって熱的に結合して熱結合領域とする。したがって、特に、熱源と水晶振動子1と温度感応素子との温度を均一にしてリアルタイムな温度制御を可能にする。
【0031】
(他の事項)
上記実施形態では、パワートランジスタ4Trを加熱抵抗4hとともに水晶振動子1の外周に並べたが、加熱抵抗4hの外側として並べてもよい。この場合、例えばパワートランジスタ4Trと各加熱抵抗4hとの発熱量の差に基づく、温度分布の不均一性を排除できる。なお、パワートランジスタ4Trを第2熱伝導性樹脂15bの外側として熱源から除外すれば、さらに温度分布の均一性を良好にする。但し、熱源としてのエネルギーを無駄にするので、必要に応じて選択される。
【0032】
また、第2熱伝導性樹脂15bは水晶振動子、加熱抵抗4h及び温度感応素子4th等を覆うとしたが、これらの各素子(1、4h、4th等)の間に充填して熱的に結合してあればよく、必ずしも各素子上から覆う必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を説明する恒温型発振器の図で、同図(a)は恒温型発振器の便宜的な断面図、同図(b)は回路基板の下面となる一側板面の平面図である。
【図2】従来例を説明する恒温型発振器の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は回路図である。
【図3】従来例を説明する水晶振動子の断面図、同図(b)は同底面図、同図(c)は同周波数温度特性図である。
【図4】従来例を説明する回路基板の便宜的な断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 水晶振動子、2 発振出力回路、3 温度補償回路、4 回路素子、5 回路基板、6 ガラス、7 発振器用ベース、8、12 リード線、9 発振器用カバー、10、14 フランジ、11 金属ベース、13 金属カバー、15 熱伝導性樹脂、16 溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のリード線が導出した金属ベースと金属カバーとのフランジが接合して水晶片を密閉封入した水晶振動子と、
前記水晶振動子とともに形成される発振段及び緩衝段を有する発振出力回路と、前記水晶振動子の動作温度を一定にする温度制御回路と、前記水晶振動子と前記発振出力回路及び前記温度制御回路の回路素子とを配設する回路基板とを備え、
前記温度制御回路は発熱用のチップ抵抗と、前記チップ抵抗に電力を供給するパワートランジスタと、前記水晶振動子の動作温度を検出する温度感応素子とを少なくとも有し、
前記回路基板の一側板面には第1熱伝導性樹脂を介在させて前記水晶振動子の主面が対向して配設されるとともに、前記発熱用のチップ抵抗は前記水晶振動子に隣接して配設され、前記水晶振動子と第2熱伝導性樹脂によって熱的に結合した恒温型の水晶発振器であって、
前記水晶振動子は前記フランジを前記回路基板に設けられた溝に挿入され、前記水晶振動子の主面は前記第1熱伝導性樹脂を介在させて前記回路基板の一側板面と密着し、
前記加熱抵抗は前記水晶振動子の一対のリード線間を含んで前記リード線を挟み込むとともに、前記水晶振動子の外周を取り囲んで前記回路基板の一側板面に配設されたことを特徴とする恒温型の水晶発振器。
【請求項2】
請求項1において、前記第1熱伝導性樹脂は粘着性の樹脂シートとし、前記第2熱伝導性樹脂は液状樹脂を塗布して硬化した恒温型の水晶発振器。
【請求項3】
請求項1において、前記水晶振動子と加熱抵抗とが前記第2熱伝導性樹脂によって熱的に結合した回路基板の平面領域を熱結合領域とし、前記回路基板の一側板面とは反対面となる他側板面の前記熱結合領域には、前記発振段の回路素子が配設された恒温型の水晶発振器。
【請求項4】
請求項1において、前記回路基板はガラスエポキシ基板として発振器用ベースのリード線に保持され、前記発振器用ベースには発振器用カバーが接合して発振器用容器を形成し、前記水晶振動子の配設された前記回路基板の一側板面は前記発振器用ベースに対向し、前記回路基板の他側板面には調整用の回路素子が配設された恒温型の水晶発振器。
【請求項5】
請求項1において、前記回路基板の一側板面には前記水晶振動子及び前記発熱用のチップ抵抗とともに前記温度感応素子が配設されて、前記第2熱伝導性樹脂によって熱的に結合して熱結合領域とした恒温型の水晶発振器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−93536(P2010−93536A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261426(P2008−261426)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】