説明

情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法

【課題】依頼主が複数の装置のうち適切な装置に目的地へ向かわせることができる情報処理システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る情報処理システムは、親機20と複数の子機30とを備える。親機20の検索コマンド作成部222は、各子機30に目的地を通る経路を検索させる検索コマンドを作成する。各子機30のナビゲーション部362は、コマンド受信部352が受信した検索コマンドに応じて、経路を検索し、応答メッセージ作成部364は、経路検索の結果を受けて、目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを作成する。親機20の依頼/保留コマンド作成部224は、メッセージ受信部234が受信した応答メッセージに基づき、ジョブの依頼先として選択した機器を送信先とする依頼コマンドを作成する。子機30のナビゲーション部362は、依頼コマンドに応じて目的地までのナビゲーションを行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者を目的地まで誘導するナビゲーション技術に関し、特に、ある装置により他の装置の目的地を指定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な局面で、利用者を目的地まで誘導するナビゲーション技術が用いられている。ナビゲーション技術を利用したナビゲーション装置としては、カーナビゲーションやパーソナルナビゲーションがある。
【0003】
ナビゲーション装置の多くは、利用者が行きたい場所までの誘導を目的としており、利用者から目的地の設定を受けつけ、設定された目的地までの誘導を行なう。
【0004】
しかしながら、ナビゲーション装置の利用者以外の人物が、利用者をある場所へ誘導できるように、利用者以外の人物からの目的地の設定を受け付けるナビゲーション装置も提案されている。例えば、特許文献1(特開2007−85884号公報)には、受けとった電子メールに含まれる施設情報を抽出し、抽出した施設情報に基づいて設定した目的地までの経路誘導を行なうナビゲーション装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−85884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
用件の依頼主が、複数の装置の利用者のいずれかにある場所へ行ってもらうことを望んでいる状況(例えば、家にいる人が、外出している家族の誰かに買い物をして来てほしい、といった状況)において、特許文献1に記載の発明を用いることは適切ではない。
【0006】
例えば、各利用者が特許文献1に記載のナビゲーション装置を持っている場合に、依頼主が複数のナビゲーション装置に対し目的地を設定するためのメールを送ると、メールを受け取ったナビゲーション装置を持つ全ての利用者が、設定された目的地に向かってしまう。
【0007】
一方、依頼主が1つのナビゲーション装置を選んで、選んだナビゲーション装置にメールを送る場合には、上のような問題は起きない。しかしながら、依頼主が選んだナビゲーション装置の利用者が、目的地に向かうことが適切ではないことがありうる。
【0008】
例えば、家にいる人が、家族の誰かに帰りに寄り道をしてほしい場合に、寄り道をメールで頼むと、家族の各メンバーの場所は通常分からない。このような状況下では、依頼主が選んでいないナビゲーション装置の利用者が、依頼主が選んだナビゲーション装置の利用者よりも目的地に近い場所にいることが起きうる。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、依頼主が複数の装置のうち適切な装置に目的地へ向かわせることができる情報処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの局面に係る本願発明は、親機と複数の子機とを備える情報処理システムであって、親機は、外部からの指示を受け付ける入力手段と、各子機との間の通信を行なう親機側通信手段と、指示に基づいて目的地を設定し、各子機に目的地を通る経路を検索させる検索コマンドを作成する検索コマンド作成手段と、親機側通信手段が少なくとも1つの子機から目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを受信した後、目的地を通る必要のあるジョブの依頼先の子機を選択し、選択された子機を送信先とする依頼コマンドを作成する依頼コマンド作成手段とを備え、各子機は、親機との間の通信を行なう子機側通信手段と、各子機の現在位置を取得する位置取得手段と、子機側通信手段が受信した検索コマンドおよび依頼コマンドに応じて所定の動作を行なうコマンド処理手段とを備え、コマンド処理手段は、検索コマンドに基づいて、現在位置を出発地点とし目的地を通る経路を検索する経路検索手段と、経路検索手段が経路を検索した後、応答メッセージを作成する応答メッセージ作成手段と、依頼コマンドに応じて、各子機のユーザを目的地まで誘導するナビゲーション手段とを含む。
【0011】
好ましくは、応答メッセージ作成手段は、経路が所定の距離以下のとき、目的地に向かえる旨の応答メッセージを作成する。
【0012】
好ましくは、検索コマンド作成手段は、ジョブの実行の制限時刻をさらに指定する検索コマンドを作成し、経路検索手段は、目的地を通る経路の移動にかかる所要時刻を計算し、応答メッセージ作成手段は、所要時刻および制限時刻に基づいて、各子機のユーザが制限時刻までにジョブを実行できるかどうか判断し、判断結果に基づいて応答メッセージを作成する。
【0013】
好ましくは、依頼コマンド作成手段は、依頼コマンドの送信先の子機を除く各子機にジョブの実行を保留させる保留コマンドを作成する。
【0014】
好ましくは、各子機は、記憶手段をさらに備え、コマンド処理手段は、子機側通信手段が受信した検索コマンドに関するジョブを記憶手段に格納し、各子機は、ジョブの完了後、ジョブを完了したことを表わす完了メッセージを作成する完了メッセージ作成手段をさらに備え、親機は、親機側通信手段が完了メッセージを受信すると、各子機に記憶手段に記憶されたジョブを削除させる削除コマンドを作成する削除コマンド作成手段をさらに備える。
【0015】
他の局面に係る本願発明は、情報処理装置であって、外部からの指示を受け付ける入力手段と、複数の他の装置との間の通信を行なう通信手段と、指示に基づいて目的地を設定し、各他の装置に目的地を通る経路を検索させる検索コマンドを作成する検索コマンド作成手段と、通信手段が少なくとも1つの他の装置から目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを受信した後、目的地を通る必要のあるジョブの依頼先の他の装置を選択し、選択された他の装置を送信先とする依頼コマンドを作成する依頼コマンド作成手段とを備える。
【0016】
さらに他の局面に係る本願発明は、情報処理装置であって、他の装置との間の通信を行なう通信手段と、情報処理装置の現在位置を取得する位置取得手段と、通信手段が受信した、他の装置が指定した目的地を通る経路を検索させる検索コマンドおよび他の装置が目的地を通る必要のあるジョブの依頼先として選択した情報処理装置を送信先とする依頼コマンドに応じて所定の動作を行なうコマンド処理手段とを備え、コマンド処理手段は、検索コマンドに基づいて、現在位置を出発地点とし目的地を通る経路を検索する経路検索手段と、経路検索手段が経路を検索した後、目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを作成する応答メッセージ作成手段と、依頼コマンドに応じて、情報処理装置のユーザを目的地まで誘導するナビゲーション手段とを含む。
【0017】
さらに他の局面に係る本願発明は、親機と複数の子機とを備える情報処理システムを用いた情報処理方法であって、親機が、各子機に親機が設定した目的地を通る経路を検索させる検索コマンドを作成するステップと、各子機が、検索コマンドに基づいて、各子機の現在位置を出発地点とし目的地を通る経路を検索するステップと、各子機が、経路の検索後、目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを作成するステップと、親機が、少なくとも1つの子機から応答メッセージを受信した後、目的地を通る必要のあるジョブの依頼先の子機を選択し、選択された子機を送信先とする依頼コマンドを作成するステップと、依頼コマンドを受信した子機が、子機のユーザを目的地まで誘導するステップとを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、親機は、子機に目的地までの経路を検索させる検索コマンドを送信し、子機から目的地へ向かうことか可能かどうかを表わす応答メッセージを受信する。そして、親機は、目的地へ向かう子機を指定する依頼コマンドを送信する。よって、本発明によれば、依頼主は、複数の装置のうち適切な装置に目的地へ向かわせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0020】
(1.概要)
まず、本発明の実施の形態の概要について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る情報処理システムが利用される状況の一例を概念的に示した図である。
【0021】
図1を参照して、本実施の形態に係る情報処理システムは、ジョブの依頼主1と、ジョブを依頼される複数の受け手(第1の受け手2、第2の受け手3、第3の受け手4、第4の受け手5)とにより利用される。依頼主1は、情報システムの利用にあたって、ジョブの依頼の受け手のグループを予め設定しておくものとする。依頼主1は、例えば、依頼主1の家族の各メンバーがもつ装置を、1つのグループに登録しておく。
【0022】
依頼主1は、受け手のいずれかにジョブを頼みたいと思った場合には、自分の持つ情報処理装置10を操作し、各受け手の持つ情報処理装置に、目的地を通る必要のあるジョブを実行可能かどうかを打診するためのコマンドを送る。本実施の形態においては、ジョブは、ジョブを実行する場所と、ジョブを実行する期限と、ジョブの詳細内容とにより指定されるものとする。また、コマンドは電子メールにより情報処理装置間でやりとりされるものとする。
【0023】
図1では、依頼主1は、誰かにある店で牛乳を買って来て欲しいと思っており、牛乳を買ってきて欲しいという内容とともに、店の場所を指定する情報を含む電子メールを送るものとする。なお、図1では、情報処理装置10は携帯電話であるとして描かれているが、依頼主1が使う情報処理装置10は、携帯電話に限られるわけではない。例えば、情報処理装置10は、パソコンであってもよい。
【0024】
情報処理装置10からコマンドを受け取った各情報処理装置は、コマンドで指定された場所を通る経路を検索する。
【0025】
そして、各情報処理装置は、各情報処理装置の利用者(受け手2〜5)が、コマンドで指定されたジョブを実行できるかどうか、すなわち、指定された目的地に向かえるを表わす応答メッセージを情報処理装置10に送信する。ここでは、各受け手の情報処理装置は、電子メールで応答メッセージを送信するものとする。なお、図1には、受け手3および受け手4は、ジョブを実行可能であり、受け手2および受け手5は、ジョブを実行できない、という場合を示した。
【0026】
なお、各情報処理装置の利用者(受け手2〜5)が、経路検索の結果などから応答メッセージの内容を決定してもよいし、各情報処理装置が経路検索の結果などから応答メッセージの内容を決定してもよい。応答メッセージの内容の決定処理の詳細については、後述する。
【0027】
依頼主1は、情報処理装置10が各情報処理装置から受け取ったメッセージの内容に基づいて、ジョブの依頼先を決定して、情報処理装置10にジョブの依頼先を入力する。この場合、メッセージから受け手3あるいは受け手4がジョブを実行可能であることが分かるので、依頼主は、ジョブの依頼先を、受け手3あるいは受け手4が利用している情報処理装置のいずれかに決定する。なお、情報処理装置10が、受け取ったメッセージの内容に基づいて、ジョブの依頼先を決定してもよい。ジョブの依頼先の決定処理の詳細については後述する。
【0028】
このように、本情報処理システムによれば、ジョブを依頼する装置は、ジョブの依頼を受ける複数の装置にジョブを実行可能かどうかを打診し、各装置からジョブを実行可能かどうかのメッセージを得ることができる。したがって、ジョブの依頼者あるいはジョブを依頼する装置は、適切な装置にジョブを依頼することができる。
【0029】
情報処理装置10は、決定された依頼先の情報処理装置に、ジョブの実行を依頼する依頼コマンドを送信する。依頼コマンドを受信した情報処理装置は、ジョブの実行場所へのナビゲーションを行なう。
【0030】
また、情報処理装置10は、依頼先として選ばれなかった情報処理装置には、ジョブを保留する保留コマンドを送信する。保留コマンドを受信した情報処理装置は、受信したジョブを実行可能であるかどうかにかかわらず、依頼されたジョブを記憶しているもののジョブを実行しない保留状態に移行する。
【0031】
保留状態の情報処理装置を作っておくことで、本情報処理システムは、依頼先の情報処理装置が急にジョブを実行できなくなったなどの状況の変化に柔軟に対応することができる。
【0032】
依頼先として選ばれた情報処理装置は、ジョブの実行完了後に、ジョブが終了した旨のメールを情報処理装置10に送信する。ジョブが終了した旨のメールを受け取った情報処理装置10は、各情報処理装置に、ジョブを削除させるためのコマンドを送信する。この処理により、各情報処理装置が不要なジョブを記憶しておく必要がなくなる。
【0033】
以下、図2を参照しつつ、本実施の形態に係る情報処理システムの行なう処理の流れの概略をまとめて説明しておく。図2は、本実施の形態に係る情報処理システムが行なう処理の流れの概略を説明するための図である。
【0034】
図2を参照して、情報処理システムは、ジョブを依頼する情報処理装置(以下、親機20と呼ぶ)と、ジョブの依頼を受ける複数の情報処理装置(以下、子機30と呼ぶ)とを備える。
【0035】
親機20としては、例えば、携帯電話やパソコンを用いることができる。ただし、親機20として用いることのできる装置はこれに限られるわけではなく、ジョブを依頼するにあたり必要となるコマンドを作成する機能を持つ装置であればよい。
【0036】
子機30としては、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル端末を用いることができる。子機30としては、利用者の移動にともない移動可能な装置を用いることが好ましい。
【0037】
本情報処理システムに含まれる親機20および各子機30は通信機能を持ち、親機20は、複数の子機30の動作をコマンドで制御できる。親機20および各子機30の動作の流れは、概ね、次の(1)〜(6)の通りである。
【0038】
(1)親機20は、まず、各子機30に、各子機30がジョブを実行可能かどうかを打診するために、ジョブの実行場所、ジョブの実行期限、ジョブの詳細内容を含む検索コマンドを各子機30に送信する。このように、親機20は、位置情報を複数のデバイスに送付し、各デバイスに自動的に経路検索をさせる。
【0039】
(2)各子機30は、検索コマンドを受信すると、検索コマンドで指定されたジョブの実行場所を通る経路を検索する。そして、各子機30は、経路検索の結果、ジョブが実行できる、例えば、寄り道ができる、できないを親機に返事する。具体的には、各子機30は、検索された経路などからジョブが実行可能である場合には、ジョブを受付可能である旨のメールを親機20に送信する。一方、各子機30は、検索された経路などからジョブが実行不可能である場合には、ジョブを受付不可能である旨のメールを親機20に送信する。また、各子機30は、受信した検索コマンドに関するジョブを登録しておく。
【0040】
(3)親機20は、ジョブを受付可能である旨のメールを送信した子機30の中からジョブを依頼する子機30を選択し、依頼先として選択した子機30に、ジョブの依頼コマンドを送信する。また、親機20は、依頼先として選択しなかった子機30には、ジョブの保留コマンドを送信する。ジョブを実行可能なデバイスが複数あった場合、親機20は、1つのデバイスにジョブを依頼し、他のデバイスにはジョブを保留させることができる。
【0041】
(4)依頼コマンドを受信した子機30は、ジョブの実行場所へのナビゲーションを開始する。なお、子機30は、依頼コマンドを受信した時点でナビゲーションを開始してもよいし、ジョブの内容に基づいて、ジョブの内容に応じた時刻にナビゲーションを開始してもよい。
【0042】
(5)依頼コマンドを受信した子機30は、ジョブの実行完了後、ジョブが終了した旨のメッセージを親機20に送信する。
【0043】
(6)ジョブが終了した旨のメッセージを受け取った親機20は、各子機30に、各子機30が登録したジョブを削除させるための削除コマンドを送信する。つまり、親機20は、ジョブが完了すると、ジョブを実行していない子機30に対しても、完了したジョブを削除させることができる。
【0044】
このように、親機20は、複数の子機30を通信機能を利用したコマンドで制御できるので、帰りに買い物をするといった寄り道のお願いを、効率よく実行することができる。
【0045】
また、親機20は、目的地(例えば、寄り道してもらう地点)の位置情報を各子機30に送付し、各子機30に自動的に経路検索をさせることができる。そして、各子機30から経路検索の結果に基づくメッセージを受信するので、親機20は適切な子機30にジョブを依頼することができる。例えば、寄り道地点に一番近い子機30を探して、その子機30に寄り道をしてもらうといったことが可能になる。
【0046】
また、子機30が経路検索をしているので、ジョブの依頼を受けた子機30のユーザが、寄り道の場所が分からず迷うということもない。
【0047】
(2.ハードウェア構成)
図3を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、情報処理装置100のハードウェア構成を示した図である。
【0048】
本実施の形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理装置100は、親機20の機能と、子機30の機能との両方を実現できるように構成されているものとする。このような構成であれば、情報処理システムに含まれるいずれの装置からも、他の装置にジョブを依頼することができる。ただし、親機20および子機30が、それぞれ、親機20および子機30としての機能を実現するためのハードウェアしか備えていなくても構わない。この場合は、もっぱら親機20が、子機30にジョブを依頼することになる。
【0049】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)110と、キーボード122と、タッチパネル124と、GPS(Global Positioning System)受信回路130と、通信回路140と、ディスプレイ150と、表示制御回路160と、ROM(Read Only Memory)170と、RAM(Random Access Memory)180と、これらを互いに接続するバス190とを備える。
【0050】
キーボード122およびタッチパネル124は、外部からの入力を受け付ける入力装置として機能する。なお、情報処理装置100が備える入力装置は、この2つに限られるわけではない。例えば、情報処理装置100は、ジョグシャトルなどの他の入力装置を備えていてもよい。
【0051】
GPS受信回路130は、GPS信号を受信する。通信回路140は、他の情報処理装置との間の通信を行なう。
【0052】
ディスプレイ150は、情報処理装置100内部の情報を表示する表示装置である。ディスプレイ150としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を用いることができる。
【0053】
表示制御回路160は、ディスプレイ150の動作を制御し、ディスプレイ150に画面を表示させる。ディスプレイ150がLCDである場合、表示制御回路160としては、LCD制御IC(Integrated Circuit)を用いることができる。
【0054】
ROM170は、地図データ172、経路検索プログラム174、位置算出プログラム176、データ送受信モジュール178などを格納する。地図データ172は、道路情報、施設情報などを含む。経路検索プログラム174は、CPU110に、現在位置から目的地までの経路を地図データ172に基づいて検索させる。位置算出プログラム176は、CPU110に、現在位置を、GPS信号に基づいて計算させる。データ送受信モジュール178は、CPU110に、通信回路140の動作を制御させる。
【0055】
RAM180は、プログラム動作用記憶領域182と、画面表示データ記憶領域184と、地図データ記憶領域186とを含む。プログラム動作用記憶領域182のメモリは、CPU110が、経路検索プログラム174や、位置算出プログラム176などのプログラムを実行する際に用いられる。画面表示データ記憶領域184には、ディスプレイ150に表示される画像データが格納される。地図データ記憶領域186には、プログラムの実行の際に一時的に必要となる地図データが格納される。
【0056】
CPU110は、ROM170に格納されたプログラムを、RAM180に展開して実行する。
【0057】
(3.機能的構成)
図4を参照して、親機20および子機30の機能的構成について説明する。図4は、親機20および子機30の機能的構成を示した図である。図4では、図が煩雑になるのを避けるため、1つの子機30のみを示しているが、実際には、情報処理システムは、複数の子機30を持つ。
【0058】
親機20は、外部からの入力を受け付ける入力部210と、コマンド作成部220と、通信部230と、親機20内部の情報を表示する表示部240を備える。
【0059】
コマンド作成部220は、入力部210が受け付けた入力に基づいて、各子機30の動作を制御するコマンドを作成する。コマンド作成部220は、検索コマンド作成部222と、依頼/保留コマンド作成部224と、削除コマンド作成部226とを含む。
【0060】
検索コマンド作成部222は、入力部210への入力に基づいて、ジョブの実行場所、ジョブの実行期限、ジョブの詳細内容を指定し、各子機30にジョブの実行場所までの経路などを検索させるための検索コマンドを作成する。
【0061】
依頼/保留コマンド作成部224は、各子機30からのメッセージの内容に応じて決定されたジョブの依頼先の子機30を送信先とする依頼コマンドと、その他の子機30を送信先とする保留コマンドとを作成する。
【0062】
削除コマンド作成部226は、各子機30に各子機30が登録しているジョブを削除させる削除コマンドを作成する。
【0063】
通信部230は、親機20と各子機30との間の通信を行なう。通信部230は、コマンド送信部232と、メッセージ受信部234とを含む。コマンド送信部232は、コマンド作成部220が作成したコマンドを各子機30に送信する。メッセージ受信部234は、各子機30からのメッセージを受信する。
【0064】
子機30は、外部からの入力を受け付ける入力部310と、子機30内部の情報を表示する表示部320と、情報を格納する記憶部330と、子機30の現在位置を取得する位置取得部340と、通信部350と、コマンド処理部360とを備える。
【0065】
通信部350は、親機20と各子機30との間の通信を行なう。通信部350は、コマンド受信部352と、メッセージ送信部354とを含む。コマンド受信部352は、親機20からコマンドを受信する。メッセージ送信部354は、後述のコマンド処理部360が作成するメッセージを親機20に送信する。
【0066】
コマンド処理部360は、コマンド受信部352が受信したコマンドに基づいた処理を実行する。コマンド処理部360は、ナビゲーション部362と、応答メッセージ作成部364と、完了メッセージ作成部366とを含む。
【0067】
ナビゲーション部362は、記憶部330が格納する地図データ332に基づいて、位置取得部340が取得した現在位置を開始地点とし、検索コマンドで指定されたジョブ実行場所を通る経路を検索し、検索結果を表示部320に表示する。例えば、ナビゲーション部362は、現在位置からジョブ実行場所までの経路を検索する。あるいは、ナビゲーション部362は、現在位置から始まり、ジョブ実行場所を経由地点として、他の終了地点(例えば、自宅など)までいたる経路を検索する。
【0068】
応答メッセージ作成部364は、検索コマンドで指定されたジョブを実行可能かどうかを表わす応答メッセージを作成する。
【0069】
完了メッセージ作成部366は、検索コマンドで指定されたジョブを完了したことを表わす完了メッセージを作成する。
【0070】
また、コマンド処理部360は、検索コマンドで指定されたジョブに関する情報を記憶部330内の寄り道リスト334に格納する。
【0071】
(4.動作例)
ここからは、親機20および子機30の動作について、具体例を挙げつつ説明する。以下では、本実施の形態に係る情報処理システムの動作を、大きく次の4つ;
(1)親機から各子機へのジョブの打診、
(2)子機によるジョブの実行可能可否の返信、
(3)親機によるジョブ依頼先の子機の決定、
(4)ジョブの完了後の処理、
に分けて説明する。
【0072】
<(1) 親機から各子機へのジョブの打診>
親機20は、各子機30へのジョブを依頼するにあたり、まず、システムに含まれる各子機にジョブを実行可能かどうか打診するために、検索コマンドを作成し、各子機30に検索コマンドを送信する。
【0073】
以下、この際の親機20および各子機30の動作について、図5を参照しつつ、より具体的に説明する。図5は、検索コマンドを送受信する際の親機20および各子機30の動作を説明するための図である。
【0074】
図5中には、親機20および各子機30が動作するにあたり、親機20の表示部240が表示する画面510、ならびに、子機30が表示する画面520,530,540,550を示している。ただし、図5に示した画面は一例であって、本情報処理システムに係るユーザインターフェース(例えば、表示内容、操作方法)が、図5に示したものに限定されるわけではない。
【0075】
まず、検索コマンド作成部222は、親機20のユーザが入力部210に入力した指示に基づいて、検索コマンドを作成する。本実施の形態では、検索コマンド作成部222は、検索コマンドを埋め込んだ電子メールを作成するものとする。コマンド作成部220は、ユーザが自身の入力した内容を把握できるよう、表示部240に、作成中のメール内容を表示させる。
【0076】
画面510は、検索コマンドの作成中に表示部240に表示される画面の一例である。図5に示すように、表示部240には、メール送信モードである旨の表示(画面510中点線で囲まれた“メール送信モード”の文字)と、作成されたメールの文面(“スーパーXXで牛乳を買ってきて。(夜9時まで。)”)と、添付データ(“xx.kml”)と、送信ボタンとが表示されるものとする。ただし、表示内容や、表示形式は、図5に示したものに限られるわけではない。
【0077】
本実施の形態においては、親機20のユーザは、添付データにより子機のユーザのいずれかに行って欲しい目的地を指定する。図5に示した例で言うと、電子メールに添付された、スーパーXXの位置情報を含むファイルxx.kmlが、検索コマンドのうち目的地を指定する部分になる。
【0078】
なお、検索コマンド作成部222は、目的地に加え、ジョブの実行の制限時刻をさらに指定する検索コマンドを作成してもよい。例えば、検索コマンド作成部222は、制限時刻を指定するファイルを添付した電子メールを作成する。ジョブの実行の制限時刻としては、目的地への到着時刻や、目的地に寄った上での帰宅時刻を用いることができる。
【0079】
ただし、検索コマンドの形式は、以上で説明してきたものに限られるものではない。検索コマンドは、子機が検索コマンドを認識できるように、指定する情報(目的地や制限時刻など)が所定のシステム全体で共通の形式で記述されたものであればよい。
【0080】
画面510内の「送信」ボタンが押されると、コマンド送信部232は、検索コマンド作成部222が作成した検索コマンドを、各子機に送信する。ここで、検索コマンドの送信先となる子機は予めグループ登録されており、コマンド送信部232は、グループに登録されている全子機に検索コマンドを送信するものとする。例えば、コマンド送信部232は、グループに登録されている全子機に、検索コマンドを同報送信する。
【0081】
なお、コマンド送信部232が、検索コマンドを送信するタイミングは、検索コマンド作成部222が検索コマンドを作成した後であれば、特に限られない。例えば、コマンド送信部232は、検索コマンド作成部222から受け取った検索コマンドを、検索コマンドを受け取ってからすぐに送信してもよいし、予め定められているタイミングで送信してもよい。
【0082】
各子機30のコマンド受信部352は、検索コマンドを含む電子メールを受信すると、位置情報を含むメールを受信した旨の画面(画面520、画面540)を表示部320に表示させつつ、電子メールの受信処理を続行する。
【0083】
また、ナビゲーション部362は、受信された電子メールに含まれる検索コマンドを読み出し、検索コマンドが指定する目的地までの経路を検索するとともに、経路検索中である旨の画面(画面530、画面550)を表示部320に表示させる。ナビゲーション部362は、位置取得部340が取得した現在地を経路検索の開始地点に設定するものとする。
【0084】
検索コマンドの形式はシステム全体で共通であるため、親機20は、検索コマンドを各子機30に送信することにより、各子機30に目的地までの経路を検索させることができる。このように、本システムによれば、ジョブと、位置や期限とをリンクさせたコマンドを親機と子機間でやり取りすることにより、ジョブを実施可能な子機に、子機の位置に応じた経路案内を自動的に行なわせることができる。
【0085】
<(2) 子機によるジョブの実行可能可否の返信>
ナビゲーション部362が目的地までの経路の検索を完了すると、各子機30の応答メッセージ作成部364は、目的地に行くことが可能かどうかを表わす応答メッセージを作成する。
【0086】
目的地に行くことが可能かどうかの判断は、各子機30のユーザが行なってもよいし、経路探索の結果などに基づいて応答メッセージ作成部364が行なってもよい。各子機30のユーザが目的地に行くことが可能かどうか判断する場合、応答メッセージ作成部364は、入力部310への入力に基づいて応答メッセージを作成する。
【0087】
応答メッセージ作成部364の動作の一例を図6を参照して説明する。図6は、応答メッセージを送受信する際の親機20および各子機30の動作を説明するための図である。図6には、子機30のユーザが経路検索の結果を見て、子機30を操作し、子機30に応答メッセージの作成および応答メッセージの親機への送信を行なわせる場合の親機20および各子機30の動作を示している。
【0088】
ナビゲーション部362は、目的地までの経路の検索を完了すると、表示部320に、検索された経路を示す画面(例えば、画面610、画面630)表示させる。各子機30のユーザは、表示部320に表示された画面を見て、応答メッセージ作成部364に応答メッセージを作成させるために、入力部310に入力を行なう。
【0089】
例えば、画面610を表示した子機30(第2の子機とする)のユーザは、目的地への寄り道が可能であると判断し、目的地へ向かうことのできる旨の応答メッセージを応答メッセージ作成部364に作成させる。ここでは、ユーザの指示の結果、応答メッセージ作成部364が作成する応答メッセージは、目的地へ向かうことのできることを表わす情報および「帰りに寄れそう。」とのコメントを含む電子メールであるものとする。ただし、応答メッセージの形式は、これに限られるものではない。応答メッセージは、各子機30を特定する情報と、目的地に向かうことの可否を表わす情報とを含むものであればよい。
【0090】
また、画面630を表示した子機30(第1の子機とする)のユーザは、目的地に寄る経路はあまりに遠回りであると判断し、目的地に向かうことのできない旨の応答メッセージを応答メッセージ作成部364に作成させる。ここでは、ユーザの指示の結果、応答メッセージ作成部364が作成する応答メッセージは、目的地へ向かうことができないことを表わす情報および「遠すぎる!」とのコメントを含む電子メールであるものとする。
【0091】
そして、各子機30のメッセージ送信部354は、応答メッセージ作成部364が作成した応答メッセージを親機20に送信する。
【0092】
また、検索コマンドに目的地への到着の制限時刻が指定されている場合、各子機30は、各子機30のユーザが目的地に制限時刻までに到着できないと判断した場合、警告を出力するようにしてもよい。具体的には、ナビゲーション部362は、ナビゲーション部362が算出した目的地への到着予定時刻が、検索コマンドで指定された制限時刻よりも遅い場合に、表示部320に、到着予定時刻が制限時刻を超える旨の警告画面(画面650)を表示させる。
【0093】
以上では、各子機30のユーザが応答メッセージの内容を決定する場合を説明してきたが、すでに述べたように、各子機30が、応答メッセージの内容を決定してもよい。
【0094】
例えば、応答メッセージ作成部364は、目的地を通る経路が所定の距離以下である場合に目的地に向かえる旨の応答メッセージを作成し、目的地を通る経路が所定の距離を超える場合に目的地に向かえない旨の応答メッセージを作成してもよい。
【0095】
あるいは、応答メッセージ作成部364は、ナビゲーション部362が計算した目的地への到着予定時刻が検索コマンドで指定された制限時刻内である場合に目的地に向かえる旨の応答メッセージを作成し、到着予定時刻が制限時刻より遅くなる場合に目的地に向かえない旨の応答メッセージを作成してもよい。
【0096】
また、応答メッセージ作成部364は、距離と時刻の両方に基づいて応答メッセージを作成してもよい。つまり、目的地を通る経路が所定の距離以下かつ到着予定時刻が制限時刻内である場合に目的地に向かえる旨の応答メッセージを作成し、それ以外の場合に目的地に向かえない旨の応答メッセージを作成してもよい。
【0097】
<(3) 親機によるジョブ依頼先の子機の決定>
親機20の依頼/保留コマンド作成部224は、メッセージ受信部234が少なくとも1つの子機30から応答メッセージを受信した後、ジョブの依頼先の子機を決定し、依頼先の子機に依頼コマンドを送信する。また、依頼/保留コマンド作成部224は、依頼先の子機以外の機器に保留コマンドを送信する。
【0098】
ここでは、依頼/保留コマンド作成部224が、入力部210への入力に基づいて依頼先の子機を決定する場合、すなわち、応答メッセージに基づいて選択した子機が依頼先の子機となるようにユーザが行なった入力部210への入力に応じて、親機20がジョブの依頼先の子機を決定する場合について説明する。
【0099】
この場合、再び図6を参照して、親機20の表示部240は、メッセージ受信部234が各子機30から受信した応答メッセージの内容を示す画面(画面620、画面640、画面660)を表示するものとする。
【0100】
親機20のユーザは、メッセージ受信部234が受信した応答メッセージの内容に基づいて、ジョブの依頼先の子機を決定する。つまり、親機20のユーザは、目的地に向かうことのできる旨の応答メッセージを送信した子機30の中から、依頼先として適切な子機30を選ぶ。ユーザは1つの子機30から目的地に向かうことのできる旨の応答メッセージを受けた時点で、応答メッセージを送信した子機30を依頼先に選択することもできるし、いくつかの子機30から応答メッセージを受けた後で、依頼先の子機30を選んでもよい。
【0101】
そして、ユーザは、選択した子機が依頼先の子機となるように入力部210への入力を行なう。依頼/保留コマンド作成部224は、ユーザの入力に基づき、依頼先の子機を送信先とする依頼コマンドと、依頼先の子機以外の子機を送信先とする保留コマンドを作成する。
【0102】
コマンド送信部232は、依頼/保留コマンド作成部224が作成した依頼コマンドあるいは保留コマンドを各子機30に送信する。本実施の形態では、コマンド送信部232は、依頼/保留コマンド作成部224から依頼コマンドおよび保留コマンドを受け取った後すぐに、これらのコマンドを各子機30に送信するものとする。ただし、コマンド送信部232は、コマンドを他のタイミングで送信しても構わない。
【0103】
コマンド受信部352が依頼コマンドを受信したことに応じて、ナビゲーション部362は、目的地までのナビゲーションを行なう。つまり、ナビゲーション部362は、子機30のユーザを、目的地まで誘導する。
【0104】
このように、本システムは、ジョブの実施状況に応じたコマンドを共有化することで、ジョブの実施や保留に関する効率よいジョブ管理を可能にしている。
【0105】
なお、依頼/保留コマンド作成部224が、入力部210への指示に基づいて依頼コマンドおよび保留コマンドを作成するものとして説明してきたが、依頼/保留コマンド作成部224は、メッセージ受信部234が受信した応答メッセージに基づいて、依頼コマンドおよび保留コマンドを作成してもよい。この場合、依頼/保留コマンド作成部224は、応答メッセージに含まれる情報、すなわち、応答メッセージの送信先の子機を特定する情報および目的地に向かうことの可否を表わす情報に基づいて、目的地に向かうことのできる子機の中からジョブの依頼先の子機を決定する。
【0106】
<(4) ジョブの完了後の処理>
親機20は、所定のタイミングで、各子機30に依頼したジョブを削除させるための削除コマンドを各子機30に送信する。これにより、親機20が依頼したジョブに関する一連の処理が終了する。
【0107】
本実施の形態では、依頼コマンドを受信した子機30が、依頼されたジョブを完了すると、ジョブを完了した旨を表わす完了メッセージを親機20に送信し、親機20は、完了メッセージを受信すると削除コマンドを送信するものとする。
【0108】
子機30は、例えば、入力部310への入力に基づいて、完了メッセージを送信する。すなわち、依頼コマンドを受信した子機30のユーザが、依頼されたジョブの完了後に、子機30に完了メッセージを送信させるための入力を入力部310に行なうと、子機30は完了メッセージを送信する。本実施の形態では、完了メッセージは電子メールであるとする。ただし、完了メッセージの形式はこれに限られるものではない。
【0109】
この場合の親機20の動作を、図7を参照して説明する。図7は、削除コマンドを送信する際の親機20の動作を説明するための図である。
【0110】
親機20の表示部240は、メッセージ受信部234が受信した完了メッセージの内容を表わす画面(例えば、画面710)を表示する。削除コマンド作成部226は、メッセージ受信部234が完了メッセージを受信したことに応じて、削除コマンドを作成する。コマンド送信部232は、削除コマンド作成部226が作成した削除コマンドを各子機30に送信する。
【0111】
なお、本実施の形態では、親機20は、保留コマンドの送信先であった子機に削除コマンドを送信し、依頼コマンドの送信先の子機30には削除コマンドを送信しないものとする。依頼コマンドの送信先の子機、つまり、ジョブ依頼を引き受けた子機30は、自らでジョブの完了を判断できるからである。ジョブ依頼を引き受けた子機30は、例えば、完了メッセージを送信した時点で、依頼を受けたジョブを削除するものとする。ただし、親機20は、グループに含まれる全子機に削除コマンドを送信してもよい。
【0112】
削除コマンド作成部226がコマンドを作成するタイミング、あるいは、コマンド送信部232がコマンドを送信するタイミングは、上述のものに限られるわけではない。例えば、削除コマンド作成部226は、ジョブ実行の制限時刻になると、削除コマンドを作成し、作成した削除コマンドをコマンド送信部232に送信させてもよい。
【0113】
このように、本システムは、ジョブの状況に応じたコマンドを共有化することにより、ジョブの実施および削除に関して効率よいジョブ管理を可能にしている。
【0114】
(5.コマンド処理部360の動作)
以上の説明から分かるように、各子機30のコマンド処理部360は、コマンド受信部352が受信したコマンドの種類に応じて、様々な処理を行なう。コマンド処理部360の処理について、図8を参照して説明しておく。図8は、コマンド処理部360の行なう処理を示したフローチャートである。
【0115】
コマンド処理部360は、コマンド受信部352が受信したコマンドをコマンド受信部352から受け取ると、ステップS801において、子機30のユーザが帰宅しているかどうか判断する。例えば、コマンド処理部360は、子機30の現在地が、登録された自宅の位置あるいは自宅の位置付近にある場合、ユーザが帰宅していると判断する。
【0116】
ユーザが帰宅していると判断した場合(ステップS801においてYES)、コマンド処理部360は、ステップS803において、ジョブを引き受けられない旨のメッセージを作成し、メッセージ送信部354に作成したメッセージを親機20へ送信させる。
【0117】
ユーザが帰宅していないと判断した場合(ステップS801においてNO)、コマンド処理部360は、ステップS805において、コマンドの内容を判断する。
【0118】
本実施の形態では、親機20のユーザが、外出しているいずれかの子機30のユーザに用件を依頼する場合に情報処理システムが利用されることを想定しているため、ステップS801の処理によってジョブを依頼できない子機を予め選別しておくことにより、以降の処理の負担を減らすことができる。ただし、ステップS801の処理は、情報処理システムの利用のされ方などによっては、必ずしも必要ではない。
【0119】
受信したコマンドが検索コマンドであると判断すると(ステップS807)、コマンド処理部360は、ステップS809において、現在位置を開始地点として、検索コマンドで指定された目的地(対象位置)を通る経路を検索する。
【0120】
経路を検索した後、コマンド処理部360は、ステップS811において、目的地を通る経路を選択することが可能であるかどうかを判断する。子機30のユーザがこの判断を行なってもよいし、コマンド処理部360が、目的地への到着予定時間や目的地を通る経路の距離などに基づいてこの判断を行なってもよい。
【0121】
目的地を通る経路を選択することが可能であると判断した場合(ステップS813においてYES)、コマンド処理部360は、ステップS815において、目的地に向かえる旨の情報を含む応答メッセージを作成する。
【0122】
目的地を通る経路を選択することが不可能であると判断した場合(ステップS813においてNO)、コマンド処理部360は、ステップS817において、目的地に向かえない旨の情報を含む応答メッセージを作成する。
【0123】
ステップS819において、コマンド処理部360は、受信した検索コマンドが指定するジョブに関する情報を寄り道リストに登録する。ジョブに関する情報は、例えば、検索コマンドが指定する目的地の位置情報を含む。
【0124】
また、検索コマンド作成部222は、作成した検索コマンドごとに、検索コマンドが指定するジョブを特定する情報を作成し、検索コマンドとともに送信するものとする。これは、親機20のユーザが複数の用件を同時に頼みたい場合に対応するためである。例えば、検索コマンド作成部222は、検索コマンドを作成するたびに、検索コマンドごとにIDを割り当てる。あるいは、検索コマンド作成部222は、ユーザ入力に基づいてジョブ名を設定してもよい。この場合、親機20のユーザは、自分あるいは各子機30のユーザにとって分かりやすいジョブ名を設定することができる。
【0125】
コマンド処理部360は、ジョブを特定する情報を受信した場合、ジョブに関する情報とあわせてジョブを特定する情報を登録する。
【0126】
なお、コマンド処理部360は、ステップS819において、向かうことのできる目的地の位置情報のみを寄り道リストに追加してもよい。この場合、寄り道リストに登録するデータ量を削減することができる。
【0127】
ステップS821において、コマンド処理部360は、必要であれば、応答メッセージにコメントを追加する。ステップS823において、コマンド処理部360は、メッセージ送信部354に応答メッセージを送信させる。
【0128】
受信したコマンドが削除コマンドであると判断すると(ステップS825)、コマンド処理部360は、ステップS827において、削除コマンドに対応するデータを寄り道リストから削除する。
【0129】
複数種類のジョブがある場合は、削除コマンド作成部226は、親機20のユーザが指定したジョブを削除対象とする削除コマンドを作成する。この場合、コマンド処理部360はステップS827において、削除コマンドが指定するジョブに関するデータを寄り道リストから削除する。
【0130】
経路検索の指示があった場合、コマンド処理部360は、ステップS829において、対象位置(指定された目的地)とは無関係に経路検索を行なう。
【0131】
受信したコマンドが保留コマンドであると判断すると(ステップS831)、コマンド処理部360は、ステップS833において、寄り道リストのデータのうち保留コマンドに対応するデータに保留フラグをセットする。
【0132】
複数種類の検索コマンドがある場合は、依頼/保留コマンド作成部224は、親機20のユーザが指定したジョブを対象とする保留コマンドを作成する。この場合、コマンド処理部360はステップS833において、寄り道リストにあるデータのうち保留コマンドが指定するジョブに関するデータに保留フラグをセットする。
【0133】
受信したコマンドが依頼コマンドであると判断すると(ステップS837)、コマンド処理部360は、ステップS839において、寄り道リストのデータのうち依頼コマンドに対応するデータに依頼フラグをセットする。
【0134】
複数種類の検索コマンドがある場合は、依頼/保留コマンド作成部224は、親機20のユーザが指定したジョブを対象とする依頼コマンドを作成する。この場合、コマンド処理部360はステップS839において、寄り道リストにあるデータのうち依頼コマンドが指定するジョブに関するデータに依頼フラグをセットする。
【0135】
ステップS841においてコマンド処理部360は、現在位置を開始地点として対象位置を通る経路を検索し、検索結果を表示部320に表示させる。また、コマンド処理部360は、ステップS841において、対象位置までのナビゲーションを行なうものとする。
【0136】
(6.親機20および子機30間の処理)
以下、各種類のコマンドに基づくやりとりを行なう際に親機20および子機30が行なう処理について説明する。
【0137】
図9は、子機30が検索コマンドが指定する目的地まで向かうことが可能である場合の親機20および子機30の動作を示す図である。
【0138】
図9を参照して、親機20(図中の「デバイス1」)は、ステップS901において、検索コマンドを作成する。検索コマンドは、検索コマンドであることを示すデータと、目的地を指定する位置情報データとを含む。そして、親機20は、各子機30(図中の「デバイス2」)に検索コマンドを送信する。なお、この検索コマンドで指定されるジョブは、ジョブ名“A”で特定されるものとする。
【0139】
各子機30は、ステップS903において、検索コマンドの受信に応じて、検索コマンドに含まれる位置情報データを基に経路検索を行なう。各子機30は、現在地を開始地点として経路検索を行なうものとする。
【0140】
各子機30は、ステップS905において、目的地に行けると判断すると、目的地に向かえる旨のデータ(図中の「○」データ)を親機20に送信する。また、ユーザが必要に応じてコメントデータを作成した場合、各子機30は、コメントデータも親機20に送信する。
【0141】
各子機30は、ステップS907において、受信した検索コマンドが指定する目的地の位置情報を「寄り道(A)」として、寄り道リストに登録する。
【0142】
図10は、子機30が検索コマンドが指定する目的地まで向かえない場合の親機20および子機30の動作を示す図である。
【0143】
図10を参照して、親機20は、ステップS1001において検索コマンドを作成する。検索コマンドは、検索コマンドであることを示すデータと、目的地を指定する位置情報データとを含む。そして、親機20は、各子機30に検索コマンドを送信する。なお、この検索コマンドで指定されるジョブは、ジョブ名“A”で特定されるものとする。
【0144】
各子機30は、ステップS1003において、検索コマンドの受信に応じて、検索コマンドに含まれる位置情報データを基に経路検索を行なう。各子機30は、現在地を開始地点として経路検索を行なうものとする。
【0145】
各子機30は、ステップS1005において、目的地に行けないと判断すると、目的地に向かえない旨のデータ(図中の「×」データ)を親機20に送信する。また、ユーザが必要に応じてコメントデータを作成した場合、各子機30は、目的地に向かえない旨のデータに加えて、コメントデータを親機20に送信する。
【0146】
図11は、親機20がいずれかの子機30にジョブを依頼する際の親機20および子機30の動作を示す図である。
【0147】
図11を参照して、親機20は、ステップS1101においていずれか1つの子機30を送信先とする依頼コマンドを作成し、作成した依頼コマンドを送信先の子機30に送信する。なお、この依頼コマンドに関するジョブは、ジョブ名“A”で特定されるものとする。
【0148】
ステップS1103において子機30は、寄り道リストに登録されているデータのうち、受け取った依頼コマンドと同一のジョブ名をもつデータ(図中の「寄り道(A)」データ)に対して、依頼フラグを設定する。すなわち、子機30は、寄り道(A)データで表わされる位置に寄り道することを決定する。
【0149】
子機30は、ジョブを終了すると(ステップS1105)、ジョブ名“A”のジョブに関する終了データを親機20に送信する。
【0150】
図12は、親機20が子機30にジョブを保留させる際の親機20および子機30の動作を示す図である。
【0151】
図12を参照して、親機20は、ステップS1201においてジョブの依頼先の子機を除く子機30を送信先とする保留コマンドを作成し、作成した保留コマンドを送信先の子機30に送信する。なお、この依頼コマンドに関するジョブは、ジョブ名“A”で特定されるものとする。
【0152】
ステップS1203において子機30は、寄り道リストに登録されているデータのうち、受け取った保留コマンドと同一のジョブ名をもつデータ(図中の「寄り道(A)」データ)に対して、保留フラグを設定する。
【0153】
図13は、親機20が子機30にジョブを削除させる際の親機20および子機30の動作を示す図である。
【0154】
図13を参照して、親機20は、ステップS1301において削除コマンドを作成し、作成した削除コマンドを各子機30に送信する。なお、この削除コマンドに関するジョブは、ジョブ名“A”で特定されるものとする。
【0155】
ステップS1303において子機30は、寄り道リストに登録されているデータのうち、受け取った削除コマンドと同一のジョブ名をもつデータ(図中の「寄り道(A)」データ)を削除する。
【0156】
(7.その他)
本発明は、複数機器で連携してジョブを行なうような状況で有用である。つまり、1つの機器が、複数の機器のうち1つの機器にジョブを依頼する状況において、適切な機器にジョブを実行させることができる。例えば、本発明をタクシーの配車システムにも応用することができる。
【0157】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本実施の形態に係る情報処理システムが利用される状況の一例を概念的に示した図である。
【図2】本実施の形態に係る情報処理システムが行なう処理の流れの概略を説明するための図である。
【図3】情報処理装置100のハードウェア構成を示した図である。
【図4】親機20および子機30の機能的構成を示した図である。
【図5】検索コマンドを送受信する際の親機20および各子機30の動作を説明するための図である。
【図6】応答メッセージを送受信する際の親機20および各子機30の動作を説明するための図である。
【図7】削除コマンドを送信する際の親機20の動作を説明するための図である。
【図8】コマンド処理部360の行なう処理を示したフローチャートである。
【図9】子機30が検索コマンドが指定する目的地まで向かうことが可能である場合の親機20および子機30の動作を示す図である。
【図10】子機30が検索コマンドが指定する目的地まで向かえない場合の親機20および子機30の動作を示す図である。
【図11】親機20がいずれかの子機30にジョブを依頼する際の親機20および子機30の動作を示す図である。
【図12】親機20が子機30にジョブを保留させる際の親機20および子機30の動作を示す図である。
【図13】親機20が子機30にジョブを削除させる際の親機20および子機30の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0159】
10 情報処理装置、20 親機、30 子機、100 情報処理装置、122 キーボード、124 タッチパネル、130 受信回路、140 通信回路、150 ディスプレイ、160 表示制御回路、172 地図データ、174 経路検索プログラム、176 位置算出プログラム、178 データ送受信モジュール、182 プログラム動作用記憶領域、184 画面表示データ記憶領域、186 地図データ記憶領域、190 バス、210 入力部、220 コマンド作成部、222 検索コマンド作成部、224 保留コマンド作成部、226 削除コマンド作成部、230 通信部、232 コマンド送信部、234 メッセージ受信部、240 表示部、310 入力部、320 表示部、330 記憶部、332 地図データ、334 寄り道リスト、340 位置取得部、350 通信部、352 コマンド受信部、354 メッセージ送信部、360 コマンド処理部、362 ナビゲーション部、364 応答メッセージ作成部、366 完了メッセージ作成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と複数の子機とを備える情報処理システムであって、
前記親機は、
外部からの指示を受け付ける入力手段と、
各前記子機との間の通信を行なう親機側通信手段と、
前記指示に基づいて目的地を設定し、各前記子機に前記目的地を通る経路を検索させる検索コマンドを作成する検索コマンド作成手段と、
前記親機側通信手段が少なくとも1つの前記子機から前記目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを受信した後、前記目的地を通る必要のあるジョブの依頼先の前記子機を選択し、選択された前記子機を送信先とする依頼コマンドを作成する依頼コマンド作成手段とを備え、
各前記子機は、
前記親機との間の通信を行なう子機側通信手段と、
各前記子機の現在位置を取得する位置取得手段と、
前記子機側通信手段が受信した前記検索コマンドおよび前記依頼コマンドに応じて所定の動作を行なうコマンド処理手段とを備え、
前記コマンド処理手段は、
前記検索コマンドに基づいて、前記現在位置を出発地点とし前記目的地を通る経路を検索する経路検索手段と、
前記経路検索手段が前記経路を検索した後、前記応答メッセージを作成する応答メッセージ作成手段と、
前記依頼コマンドに応じて、各前記子機のユーザを前記目的地まで誘導するナビゲーション手段とを含む、情報処理システム。
【請求項2】
前記応答メッセージ作成手段は、前記経路が所定の距離以下のとき、前記目的地に向かえる旨の前記応答メッセージを作成する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記検索コマンド作成手段は、前記ジョブの実行の制限時刻をさらに指定する前記検索コマンドを作成し、
前記経路検索手段は、前記目的地を通る経路の移動にかかる所要時刻を計算し、
前記応答メッセージ作成手段は、前記所要時刻および前記制限時刻に基づいて、各前記子機のユーザが前記制限時刻までに前記ジョブを実行できるかどうか判断し、前記判断結果に基づいて前記応答メッセージを作成する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記依頼コマンド作成手段は、前記依頼コマンドの送信先の前記子機を除く各前記子機に前記ジョブの実行を保留させる保留コマンドを作成する、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
各前記子機は、記憶手段をさらに備え、
前記コマンド処理手段は、前記子機側通信手段が受信した前記検索コマンドに関する前記ジョブを前記記憶手段に格納し、
各前記子機は、前記ジョブの完了後、前記ジョブを完了したことを表わす完了メッセージを作成する完了メッセージ作成手段をさらに備え、
前記親機は、前記親機側通信手段が前記完了メッセージを受信すると、各前記子機に前記記憶手段に記憶された前記ジョブを削除させる削除コマンドを作成する削除コマンド作成手段をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
情報処理装置であって、
外部からの指示を受け付ける入力手段と、
複数の他の装置との間の通信を行なう通信手段と、
前記指示に基づいて目的地を設定し、各前記他の装置に前記目的地を通る経路を検索させる検索コマンドを作成する検索コマンド作成手段と、
前記通信手段が少なくとも1つの前記他の装置から前記目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを受信した後、前記目的地を通る必要のあるジョブの依頼先の前記他の装置を選択し、選択された前記他の装置を送信先とする依頼コマンドを作成する依頼コマンド作成手段とを備える、情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置であって、
他の装置との間の通信を行なう通信手段と、
前記情報処理装置の現在位置を取得する位置取得手段と、
前記通信手段が受信した、前記他の装置が指定した目的地を通る経路を検索させる検索コマンドおよび前記他の装置が前記目的地を通る必要のあるジョブの依頼先として選択した前記情報処理装置を送信先とする依頼コマンドに応じて所定の動作を行なうコマンド処理手段とを備え、
前記コマンド処理手段は、
前記検索コマンドに基づいて、前記現在位置を出発地点とし前記目的地を通る経路を検索する経路検索手段と、
前記経路検索手段が前記経路を検索した後、前記目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを作成する応答メッセージ作成手段と、
前記依頼コマンドに応じて、前記情報処理装置のユーザを前記目的地まで誘導するナビゲーション手段とを含む、情報処理装置。
【請求項8】
親機と複数の子機とを備える情報処理システムを用いた情報処理方法であって、
前記親機が、各前記子機に前記親機が設定した目的地を通る経路を検索させる検索コマンドを作成するステップと、
各前記子機が、前記検索コマンドに基づいて、各前記子機の現在位置を出発地点とし前記目的地を通る経路を検索するステップと、
各前記子機が、前記経路の検索後、前記目的地に向かうことの可否を表わす応答メッセージを作成するステップと、
前記親機が、少なくとも1つの前記子機から前記応答メッセージを受信した後、前記目的地を通る必要のあるジョブの依頼先の前記子機を選択し、選択された前記子機を送信先とする依頼コマンドを作成するステップと、
前記依頼コマンドを受信した前記子機が、前記子機のユーザを前記目的地まで誘導するステップとを備える、情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−32376(P2010−32376A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195082(P2008−195082)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】