説明

情報処理装置及び方法、情報処理プログラム、並びに記憶媒体

【課題】移動体の搭乗者が、走行の際に、リラックスして、移動体の走行を楽しむことを可能とする。
【解決手段】情報処理装置(10)は、移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を算出する算出手段(11)と、走行状態情報に基づいて、走行位置の属性に関する地図属性情報を、地図データベースの解析により取得する取得手段(17)と、走行状態情報及び地図属性情報に基づいて、移動体内で再生する、映像情報、及び音楽情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリーを示すストーリー情報を選択する選択手段(16)と、コンテンツ情報を生成する生成手段(12)と、コンテンツ情報を再生する再生手段(14)と、ストーリー情報に基づいて、(i)コンテンツ情報を生成するように、生成手段を制御し、(ii)生成されたコンテンツ情報を再生するように、再生手段を制御する制御手段(12、18等)と、を備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば移動体搭載用の情報処理装置及び方法、例えば移動体搭載用の情報処理プログラム、並びに記憶媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の移動体の移動に伴い、目的地点までの経路上(ルート(Route)上)で進行方向などを表示するナビゲーション装置が一般的に知られている。しかし、通勤のために利用する道路や、帰省の度に利用する道路などの、慣れ親しんだ道路では、ナビゲーション装置は、あまり利用されていない傾向にある。こうした現状に対してナビゲーション装置に娯楽的な要素を加えて有効に活用する事例がある。
【0003】
例えば、特許文献1等においては、交通渋滞や、交差点での信号待ちなどの、ドライバーや、搭乗者が感じる、心理的なストレスを解消するための手法が開示されている。具体的には、特許文献1においては、記憶媒体から、速度や加速度等の走行状態と、地図データベースの解析により取得される、速度制限や、一方通行等の交通規則に関する情報に基づいて、決定された所定のキャラクタパターン情報が読み出され、そのキャラクタパターンが画面に表示される。キャラクタパターンが変化するので、ドライバーや搭乗者はリラックスすることができる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−329580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1等によれば、走行状態と、地図データベースの解析により取得される、速度制限や、一方通行等の交通規則に関する情報のみに基づいて、コンテンツ情報の内容(登場するキャラクタの性格や挙動)が変化し、ストーリーが展開されるので、次のような技術的な問題点が生じてしまう。その問題点とは、例えば多種多様な地域を走行しても、同じ速度で運転した場合、変化のない単純なストーリーのコンテンツ情報が、搭乗者に再生されてしまうという問題点である。このため、交通渋滞の際や、交差点での信号待ちの際、移動体の搭乗者が退屈したり、イライラしたりして、心理的なストレスが、解消されない可能性が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、移動体の搭乗者が、走行の際に、リラックスして、移動体の走行を楽しむことが可能な、情報処理装置及び方法、情報処理プログラム、並びに記憶媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の情報処理装置は、移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を算出する算出手段と、算出された前記走行状態情報に基づいて、当該走行位置の属性(地形、地名、地域、道路形状など)に関する地図属性情報を、地図データベースの解析により取得する取得手段と、算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、前記移動体内で再生する映像情報及び音楽情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報を選択する選択手段と、前記コンテンツ情報を生成する生成手段と、前記コンテンツ情報を再生する再生手段と、選択された前記ストーリー情報に基づいて、(i)前記コンテンツ情報を生成するように、前記生成手段を制御し、(ii)生成された前記コンテンツ情報を再生するように、前記再生手段を制御する制御手段と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項10に記載の情報処理方法は、移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を算出する算出工程と、算出された前記走行状態情報に基づいて、当該走行位置の属性(地形、地名、地域、道路形状など)に関する地図属性情報を、地図データベースの解析により取得する取得工程と、算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、前記移動体内で再生する映像情報及び音楽情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報を選択する選択工程と、前記コンテンツ情報を生成する生成工程と、前記コンテンツ情報を再生する再生工程と、選択された前記ストーリー情報に基づいて、(i)前記コンテンツ情報を生成するように、前記生成工程を制御し、(ii)生成された前記コンテンツ情報を再生するように、前記再生工程を制御する制御工程と、を備える。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項11に記載の処理制御用のコンピュータプログラムは、請求項1から9に記載の情報処理装置に備えられたコンピュータを制御する処理制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記算出手段、前記取得手段、前記選択手段、前記生成手段、前記再生手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項12に記載の記憶媒体は、請求項11に記載の処理制御用のコンピュータプログラムを記憶している。
【0011】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係る情報処理装置について説明する。
【0013】
(情報処理装置の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る情報処理装置について説明する。
【0014】
本発明の情報処理装置に係る実施形態は、移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を算出する算出手段と、算出された前記走行状態情報に基づいて、当該走行位置の属性(地形、地名、地域、道路形状など)に関する地図属性情報を、地図データベースの解析により取得する取得手段と、算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、前記移動体内で再生する映像情報及び音楽情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報を選択する選択手段と、前記コンテンツ情報を生成する生成手段と、前記コンテンツ情報を再生する再生手段と、選択された前記ストーリー情報に基づいて、(i)前記コンテンツ情報を生成するように、前記生成手段を制御し、(ii)生成された前記コンテンツ情報を再生するように、前記再生手段を制御する制御手段と、を備える。
【0015】
本発明の情報処理装置に係る実施形態によれば、先ず、算出手段によって、移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報(所謂、移動体のセンサデータ)が算出される。と同時に又は相前後して、取得手段によって、算出された走行状態情報に基づいて、例えば地形、地名、地域、道路形状、等高線等の走行位置の属性に関する地図属性情報が、地図データベースの解析により取得される。次に、選択手段によって、走行状態情報、及び、地図属性情報に基づいて、移動体内で再生される、映像情報、及び音声情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報が選択される。次に、制御手段の制御下で、(i)生成手段によって、選択されたストーリー情報に基づいて、コンテンツ情報が生成されると共に、(ii)再生手段によって、生成されたコンテンツ情報が再生される。
【0016】
仮に、上述した走行状態情報と、地図データベースの解析により取得される、例えば速度制限や、一方通行等の交通規則に関する情報のみに基づいて、コンテンツ情報の内容(登場するキャラクタの性格や挙動)が変化し、ストーリーが展開される場合、次のような技術的な問題点が生じてしまう。その問題点とは、例えば多種多様な地域を走行しても、例えば略同じ速度で運転した場合、変化のない単純なストーリーのコンテンツ情報が、搭乗者に再生されてしまう。このため、例えば交通渋滞の際や、交差点での信号待ちの際、移動体の搭乗者が退屈したり、イライラしたりして、心理的なストレスが、解消されない可能性が生じてしまう。
【0017】
これに対して、本実施形態によれば、選択手段によって、上述した走行状態情報、及び、地図属性情報に基づいて、移動体内で再生される、コンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報が選択される。制御手段の制御下で、生成手段によって、選択されたストーリー情報に基づいて、コンテンツ情報が生成されると共に、再生手段によって、生成されたコンテンツ情報が再生される。
【0018】
この結果、移動体の走行位置や走行状態に適切に対応した、時間的に変化に富んだ、多種多様なストーリーに沿った、例えば風景映像や、音楽や、音響効果等のコンテンツ情報が、移動体の搭乗者に対して、提供することが可能である。これにより、移動体の搭乗者が、例えば交通渋滞の際や、交差点での信号待ちの際の心理的なストレスを解消することができ、搭乗者が、どのような走行位置において、どのような走行状態でも、リラックスして、移動体の走行を楽しむことが可能となる。加えて、移動体の運転者による、安全な運転を実現することが可能である。
【0019】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の一の態様では、前記コンテンツ情報を編集する編集手段を更に備える。
【0020】
この態様によれば、利用者は、例えば音声や静止画像や動画像等の多種多様なメディアを挿入して、コンテンツ情報を編集できるので、コンテンツ情報の再生を、より楽しむことができる。
【0021】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記コンテンツ情報を要約した要約情報を生成する要約手段を更に備える。
【0022】
この態様によれば、利用者は、生成された映像(動画映像)の全体を、特徴部分や重要部分を中心として、短時間で視聴することが可能である。
【0023】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記コンテンツ情報が生成又は再生された時刻に関する時間情報を発生する発生手段と、前記コンテンツ情報に加えて、発生された前記時間情報を記録する記録手段を更に備える。
【0024】
この態様によれば、例えばHDD等の記録媒体に記録されている、移動体の加速度、角速度、速度等の走行状態、又は、絶対的な走行位置に関する走行状態情報、並びに、時刻に関する時間情報に基づいて、例えばPC等の情報機器によって、他のストーリー情報(シナリオ情報)に沿った、コンテンツ情報を新たに編集によって生成することができる。従って、1回の走行状態情報から、複数個のストーリー情報に沿った、コンテンツ情報の再生を楽しむことができる。
【0025】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、他のコンテンツ情報を新たに作成する作成手段を更に備える。
【0026】
この態様によれば、例えばHDD等の記録媒体に記録されている、移動体の加速度、角速度、速度等の走行状態、又は、絶対的な走行位置に関する走行状態情報に基づいて、例えばPC等の情報機器によって、他のストーリー情報(シナリオ情報)に沿った、コンテンツ情報を新たに編集によって生成することができる。従って、1回の走行状態情報から、複数個のストーリー情報に沿った、コンテンツ情報の再生を楽しむことができる。
【0027】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記地図属性情報は、前記走行位置の地名、地域、道路形状、等高線のうち少なくとも一つに関する。
【0028】
この態様によれば、取得手段によって、移動体の走行位置、又は、走行状態に関する走行状態情報に基づいて、地形、地名、地域、道路形状、等高線等の走行位置の属性に関する地図属性情報が、地図データベースの解析により、より高精度且つ適切に取得可能である。
【0029】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記ストーリー情報は、前記移動体の搭乗者の嗜好に関する。
【0030】
この態様によれば、生成手段によって、移動体の搭乗者の嗜好に関するストーリー情報に基づいて、コンテンツ情報を生成可能である。
【0031】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記ストーリー情報を、前記移動体の搭乗者による手動によって、選択するための入力手段を更に備える。
【0032】
この態様によれば、搭乗者による手動によって、走行状態情報、及び、地図属性情報に基づいて、移動体内で再生される、コンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報が、搭乗者の意向を反映して選択可能である。
【0033】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記走行位置における交通渋滞又は気象に関する外界情報を受信する通信手段を更に備え、前記選択手段は、受信された前記外界情報に基づいて、前記ストーリー情報を選択する。
【0034】
この態様によれば、走行位置における交通渋滞、又は、気象に関する外界情報に基づいて、ストーリー情報が選択されるので、外界情報に同期したストーリー情報に基づく映像が再生されるので、搭乗者は、退屈することなく、興味を引かれつつ、移動体の走行を楽しむことが可能である。
【0035】
(情報処理装置における情報処理方法の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る情報処理方法について説明する。
【0036】
本発明の情報処理装置における情報処理方法に係る実施形態は、移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を算出する算出工程と、算出された前記走行状態情報に基づいて、当該走行位置の属性(地形、地名、地域、道路形状など)に関する地図属性情報を、地図データベースの解析により取得する取得工程と、算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、前記移動体内で再生する映像情報及び音楽情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報を選択する選択工程と、前記コンテンツ情報を生成する生成工程と、前記コンテンツ情報を再生する再生工程と、選択された前記ストーリー情報に基づいて、(i)前記コンテンツ情報を生成するように、前記生成工程を制御し、(ii)生成された前記コンテンツ情報を再生するように、前記再生工程を制御する制御工程と、を備える。
【0037】
本発明の情報処理装置における情報処理方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態が有する各種利益を享受することが可能となる。
【0038】
尚、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態が有する各種態様に対応して、本発明の情報処理装置における情報処理方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0039】
(処理制御用のコンピュータプログラムの実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る処理制御用のコンピュータプログラムについて説明する。
【0040】
本発明のコンピュータプログラムは、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する処理制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記算出手段、前記取得手段、前記選択手段、前記生成手段、前記再生手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0041】
本発明に係る処理制御用のコンピュータプログラムの実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
【0042】
尚、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報処理プログラムに係る各実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0043】
(記憶媒体の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る記憶媒体について説明する。
【0044】
本発明の記憶媒体は、上述した、処理制御用のコンピュータプログラム(但し、各種の態様を含む)を記憶している。
【0045】
本発明に係る記憶媒体の実施形態によれば、上述した情報処理プログラムを、コンピュータに読み取らせることで、コンピュータを上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態として適切に、機能させることが可能である。
【0046】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
【0047】
以上説明したように、本発明の情報処理装置及び方法に係る実施形態によれば、算出手段と、取得手段と、選択手段と、生成手段と、再生手段と、制御手段と、を備える。この結果、移動体の走行位置や走行状態に適切に対応した、時間的に変化に富んだ、多種多様なストーリーに沿った、例えば風景映像や、音楽や、音響効果等のコンテンツ情報が、移動体の搭乗者に対して、提供することが可能である。これにより、移動体の搭乗者が、例えば交通渋滞の際や、交差点での信号待ちの際の心理的なストレスを解消することができ、搭乗者が、どのような走行位置において、どのような走行状態でも、リラックスして、移動体の走行を楽しむことが可能となる。加えて、移動体の運転者による、安全な運転を実現することが可能である。
【0048】
また、本発明の情報処理プログラムに係る実施形態によれば、コンピュータを上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態として機能させるので、この結果、移動体の走行位置や走行状態に適切に対応した、時間的に変化に富んだ、多種多様なストーリーに沿った、例えば風景映像や、音楽や、音響効果等のコンテンツ情報が、移動体の搭乗者に対して、提供することが可能である。
【0049】
更に、また、本発明の記憶媒体に係る実施形態によれば、上述した処理制御用のコンピュータプログラムを、コンピュータに読み取らせることで、コンピュータを上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態として適切に、機能させることが可能である。
【実施例】
【0050】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。尚、以下の説明は、本発明の情報処理装置を車載用のナビゲーション機能を有する情報処理装置に適用した例を示す。
【0051】
(1) 情報処理装置の第1実施例
(1−1) 概念的な全体構成
先ず、図1を参照して、本実施例に係る、映像情報を処理対象とする情報処理装置が、配置され、利用される空間について、説明する。ここに、図1は、本実施例に係る、映像情報を処理対象とする情報処理装置が配置され、利用される空間を概念的に示した模式図である。
【0052】
図1に示されるように、本実施例に係る映像情報を処理対象とする情報処理装置は、移動体内、及び家庭内で、使用可能であるようにしてもよい。即ち、本実施例に係る情報処理装置は、例えば自動車等の移動体に搭載される、移動体搭載用の情報処理装置10であるようにしてもよい。或いは、移動体搭載用の情報処理装置10のうち、後述される、着脱式ユニット10aが、例えばパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の家庭用の情報機器30に装着され、各種の処理を実行可能であるようにしてもよい。従って、本実施例に係る情報処理装置の使用は、移動体内、及び家庭内等の空間によって関係なく使用することができる。
【0053】
(1−2) 映像情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成
次に、図2を参照して、本実施例に係る、映像情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成について説明する。ここに、図2は、本実施例に係る、映像情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成を図式的に示したブロック図である。
【0054】
図2に示されるように、本実施例に係る、映像情報を処理対象とする情報処理装置10は、センサデータ処理部11、映像生成部12、映像編集部13、表示部14、時刻発生部15、シナリオデータ処理部16、地図データ解析部17、映像データ処理部18、データ記録部19、記録媒体20、シナリオデータベース(シナリオDB)21、風景データベース(風景DB)23、入力部24を備えて構成されている。
【0055】
特に、前述した、家庭用の情報機器30に装着可能な着脱式ユニット10aが、センサデータ処理部11を除いた、映像生成部12、映像編集部13、表示部14、時刻発生部15、シナリオデータ処理部16、地図データ解析部17、映像データ処理部18、データ記録部19、記録媒体20、シナリオDB21、風景DB23、入力部24によって構成されるようにしてもよい。
【0056】
センサデータ処理部11は、加速度センサ、角速度センサ、距離センサ、GPS受信機(Global Positioning System受信機)、及び通信手段を備えて構成されている。加速度センサは、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサは、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサは、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測し、計測された車速に基づいて、交通混雑の度合いを推定することができる。GPS受信機は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。通信手段は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェースを介して、VICS(Vehicle Information Communication System)センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、N−Systemから配信される各種の情報、その他の情報を受信する。尚、本発明に係る算出手段の一例が、このセンサデータ処理部11によって構成されている。
【0057】
映像生成部12は、(i)センサデータ処理部11によって処理される、移動体の加速度、角速度、速度等の走行状態、又は、絶対的な走行位置に関する走行状態情報、(ii)後述されるシナリオデータベース、地図データベース、風景データベースに基づいて、例えばコンピュータグラフィクス等によって構成される映像(所謂、動画映像)を生成する。具体的には、映像生成部12は、選択されたシナリオが都市部の場合、都市の風景データベースに基づいて、コンピュータグラフィクス等によって構成される映像(所謂、動画映像)を生成する。
【0058】
映像編集部13は、ストーリー情報(又はシナリオ情報)に沿って生成された映像(動画映像)の編集を行う。この編集は、ハイライト部分の抽出や、映像効果の付加や、タイトルの生成等の各種の編集を意味する。特に、映像編集部13は、例えばイベント情報や、意図的に配置した絶景ポイントなどの風景映像を、要約し、ハイライト動画として編集できるようにしてもよい。この結果、利用者は、生成された映像(動画映像)の全体を、特徴部分や重要部分を中心として、短時間で視聴することが可能である。
【0059】
或いは、映像編集部13は、実際に移動体が走行した走行位置に基づいて生成された映像や、デジタルカメラや、車載用のフロントカメラで実際に撮影した画像を、生成した風景映像の間に、まるで、ワンポイントのCM(Commercial Message)のように挿入しつつ、生成した風景映像を編集するようにしてもよい。例えば、移動体の運転者は、北海道旅行で、とうもろこし畑を快走したが、運転者は、車の運転に集中していたので、とうもろこし畑の風景を見ることができなかった場合、映像編集部13によって、車のフロントのカメラで撮影した動画や静止画を挿入するように、編集してもよい。この結果、利用者は、旅行の思い出が満載した情報量の多い映像として楽しむことができる。
【0060】
或いは、映像編集部13は、例えばHDD等の記録媒体に記録されている、移動体の加速度、角速度、速度等の走行状態、又は、絶対的な走行位置に関する走行状態情報、並びに、時刻に関する時間情報に基づいて、例えばPC等の情報機器によって、他のストーリー情報(シナリオ情報)に沿った、コンテンツ情報を新たに編集によって生成することができる。従って、1回の走行状態情報から、複数個のストーリー情報に沿った、コンテンツ情報の再生を楽しむことができる。
【0061】
或いは、映像編集部13は、走行の最中に、搭乗者が、例えばカーステレオ等の再生機から聞いていた、ラジオから音楽や音声、又は、CDやMD等から再生された音楽を、BGM(Back Ground Music)として、前述の生成された映像に挿入するように編集してもよい。移動体の搭乗者は、前述の映像に音楽が加わることにより、さらにリラックスした気分で、移動体の走行を楽しむことができる。
【0062】
表示部14は、当該表示部14に有される表示画面において、映像を再生(再生出力)する。尚、本発明に係る再生手段の一例が、この表示部14によって構成されている。
【0063】
時刻発生部15は、時刻に関する時間情報を発生させる。
【0064】
シナリオデータ処理部16は、地図属性情報に基づく、ストーリー情報(又はシナリオ情報)を、例えばHDD等の記録媒体に格納された、シナリオデータベース等から選択し、読み出し、ストーリー情報に基づいたコンテンツ情報(映像情報に加えて、後述される音楽情報)の進行手順を決定する。尚、本発明に係る選択手段の一例が、このシナリオデータ処理部16によって構成されている。
【0065】
地図データ解析部17は、移動体の走行位置に基づいて、当該走行位置に対応した地図属性情報を、例えばHDD等の記録媒体に格納された、地図データベース17a(以下、適宜「データベース」を「DB」と称す)より読み出し、走行位置における、道路形状や、混雑の度合いや、地名等の解析を行う。尚、本発明に係る取得手段の一例が、この地図データ解析部17によって構成されている。
【0066】
映像データ処理部18は、描画に必要な風景情報やイベント情報を、例えばHDD等に格納された、後述される、風景DB23より読み出す。尚、本発明に係る制御手段の一例が、このシナリオデータ処理部16及び映像データ処理部18によって構成されている。
【0067】
データ記録部19は、走行状態情報や、生成された風景映像やイベント情報等の映像を、例えばHDD等の記録媒体20に記録する。
【0068】
シナリオデータベース(シナリオDB)21は、生成される、例えば都市、田園、ジャングル、砂漠、未来都市等の映像(映像に加えて、後述される音楽)のテーマや、対象物の発生や演出等のイベント情報を記述したXML(Extensible Markup Language)形式のデータ群を格納する。
【0069】
風景データベース(風景DB)23は、風景映像に関する、例えば、3次元コンピュータグラフィクス等によって規定されるデータ群を格納する。
【0070】
入力部24は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力部24は、移動体内に搭載された当該移動体搭載用の情報処理装置の本体のフロントパネルやディスプレイ等の表示画面を有する表示部14の周囲に配置される。また、ディスプレイがタッチパネル方式である場合には、ディスプレイの表示画面上に設けられたタッチパネルも入力部24として機能する。搭乗者は、この入力部24を介して、コンテンツ情報を生成するための、所望の「テーマ」を例えば乗車時に入力することができる。この入力部24が、本発明における入力手段として機能する。
【0071】
(1−3) 映像情報の処理手順
次に、図3を参照して、映像情報が、生成及び再生される処理手順、及び各種の情報の流れについて説明する。ここに、図3は、本実施例に係る、映像情報が、生成及び再生される処理手順、及び各種の情報の流れを図式的に示したデータフロー図である。
【0072】
先ず、センサデータ処理部11(即ち、本発明に係る「算出手段」の一例)は、車速パルス、ジャイロ、GPS等に基づいて入力される、各種の信号を信号処理し、移動体の現在位置等の走行位置に関する走行状態情報、又は、移動体の速度、舵角、加速度等の走行状態に関する走行状態情報を算出する。加えて、センサデータ処理部11は、VICS等に基づいて入力される信号を信号処理し、交通渋滞に関する情報を取得する。そして、センサデータ処理部11は、地図データ解析部17へ、走行位置に関する走行状態情報を、リアルタイムで出力する。と共に、センサデータ処理部11は、シナリオデータ処理部16へ、走行状態に関する走行状態情報を、リアルタイムで出力する。加えて、センサデータ処理部11は、映像生成部12、及び、データ記録部19へ、走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を、リアルタイムで出力する。
【0073】
データ記録部19は、上述した走行状態情報を構成する各種の情報群(即ち、走行位置、移動体の速度、舵角、加速度、交通渋滞に関する情報等)を、時刻発生部15により発生される、時刻に関する時間情報と共に、HDD等の記録媒体に記録する。
【0074】
地図データ解析部17は、センサデータ処理部11から出力された移動体の走行位置に基づいて、当該走行位置に対応した地図属性情報を、例えばHDD等の記録媒体に格納された、地図DB(以下、適宜データベースを「DB」と称す)より読み出す。加えて、地図データ解析部17は、当該走行位置に対応した、地名、地域、地形、道路形状、道路の数、POI(Point of Interest)等の各種の情報に基づいて、移動体は、現在、例えば「都市」、「田園」、「山岳地帯」、「海岸沿い」等のうちいずれの「地域(地形)」を走行しているかの判断を行う。
【0075】
シナリオデータ処理部16は、地図データ解析部17によって解析された地図属性情報に基づくストーリー情報(又はシナリオ情報)を、例えばHDD等の記録媒体に格納された、シナリオDBから選択し、読み出し、当該ストーリー情報に基づいたコンテンツ情報の進行手順を決定する。或いは、シナリオデータ処理部16は、センサデータ処理部11から出力された走行状態に関する走行状態情報に基づいて、コンテンツ情報の進行手順を決定してよい。特に、シナリオデータ処理部16は、入力部24から入力された、移動体の搭乗者(又は利用者)の嗜好に対応される、後述される「テーマ」に基づいて、ストーリー情報を選択してもよい。
【0076】
映像データ処理部18は、選択されたストーリー情報に基づいて、風景DBに格納された風景に関する情報を映像生成部12へ出力する。
【0077】
映像生成部12は、映像データ処理部18から出力された風景に関する情報や、イベントに関する情報に基づいて、風景映像や、イベント映像を、例えばCG(Computer Graphics)等の表示手法によって、表示部14の表示画面に表示させる、と同時に、映像は、映像編集部13によって、例えばMPEGなどの圧縮形式に基づいて変換され、データ記録部19を介して、HDD等の記録媒体に記録される。
【0078】
(1−4) 生成処理、及び再生処理が行われた映像情報の一具体例
次に、図4及び図5を参照して、本実施例に係る、生成処理、及び再生処理が行われた映像情報の一具体例について説明する。ここに、図4は、本実施例に係る、生成処理、及び再生処理が行われた映像情報の一具体例を、時系列、及び走行位置に基づいて示した表である。図5は、本実施例に係る映像情報のストーリーを規定する構成要素を示した表である。尚、図5中において、「走行位置」、「走行状態」、及び「外界情報」は、前述したVICSに基づいて、センサデータ処理部11によって取得される。また、「地名」、「地域」、及び「等高線」に関する情報は、前述の地図DBに格納されている。また、搭乗者の嗜好に対応される「テーマ」や「祭り」、及び「動物など」に関する情報は、前述のシナリオDBに格納されている。
【0079】
図4の表に示されるように、本実施例に係る情報処理装置は、移動体の走行位置や走行状態に適切に対応した、時間的に変化に富んだ、多種多様なストーリーに沿った、例えば風景映像等のコンテンツ情報を、移動体の搭乗者に対して、提供することが可能である。即ち、移動体が、例えば、時刻「8:00」から時刻「8:05」の間に、位置座標「X1、Y1」によって示される走行位置において、走行速度がゼロであり、停止していた場合、例えば「ねぶた祭り」の映像が、表示部の表示画面において再生されるようにしてもよい。コンテンツ情報の生成処理、及び再生処理について詳細には、移動体の走行位置を示す位置座標「X1、Y1」に基づいて、地名「仙台市」、地域(地形)「都市」等の走行位置の属性に関する地図属性情報が、地図データベースの解析により取得される。次に、シナリオデータ処理部(即ち、本発明に係る「選択手段」の一例)によって、走行速度がゼロである「停止状態」であることを示す走行状態、及び、上述した地図属性情報に基づいて、移動体内で再生される、コンテンツ情報のストーリー(又はシナリオ)を示すストーリー情報(又はシナリオ情報)が選択される。次に、制御手段の制御下で、(i)生成手段によって、選択されたストーリー情報に基づいて、「ねぶた祭り」をテーマとしたコンテンツ情報が生成されると共に、(ii)再生手段によって、この生成されたコンテンツ情報が再生される。
【0080】
ストーリー情報の選択処理について、詳細には、シナリオデータ処理部は、地図属性情報に基づく、ストーリー情報(又はシナリオ情報)を、HDD内のシナリオDBから選択し、読み出し、ストーリー情報に基づいたコンテンツ情報の進行手順を決定するようにしてもよい。具体的には、シナリオデータ処理部は、図5の表中に示される、ストーリーを規定する構成要素に基づいて、コンテンツ情報の進行手順を決定するようにしてもよい。即ち、ストーリーを規定する構成要素は、走行位置に対応される「位置座標」、地図属性情報に対応される「地名」、「地域(地形)」、「等高線」、「祭り」、「動物など」、走行状態に対応される「運転状態」、外界情報に対応される「交通渋滞」や「気象」、搭乗者の嗜好に対応される「テーマ」であるようにしてもよい。
【0081】
より具体的には、シナリオデータ処理部は、地図属性情報が示す内容とは異なった内容のストーリー情報を選択してもよい。例えば、地図属性情報が地域「都市」を示している場合、ストーリー情報として「田園」や「山岳地帯」や「海岸沿い」等の風景映像を選択するようにしてもよい。または、シナリオデータ処理部は、例えば舵角や、加速度等の走行状態や、地図属性情報が示す道路形状や、等高線に基づいて、絶景ポイント等の風景映像を配置するようにしてもよい。例えば、緩やかにカーブした道路の前方において、木々に囲まれた湖やオアシスを示す仮想現実によって作成された対象物を、表示画面において配置するようにしてもよい。即ち、図4の表に示されるように、移動体が、例えば、時刻「11:00」から時刻「11:30」の間に、位置座標「X2、Y2」から位置座標「X3、Y3」である、地名「三陸海岸」、地形「海岸沿い」において、「高速運転」している場合、例えば「湖」や「オアシス」を示す仮想現実によって作成された対象物が、表示部の表示画面において配置されるようにしてもよい。
【0082】
この結果、シナリオデータ処理部によって、現実とかけ離れた内容の対象物が配置されるので、例えば子供等の搭乗者は、退屈することなく、興味を引かれつつ、移動体の走行(所謂、ドライブ)を楽しむことが可能である。
【0083】
或いは、シナリオデータ処理部は、例えば交差点で停止しているという現実の走行状態に対応して、HDD内のシナリオDBから、例えば山道で動物に出会って停止しているシナリオを、ストーリー情報として選択するようにしてもよい。または、図5の表中の「運転状態」や「動物など」に示されるように、シナリオデータ処理部は、例えば交通渋滞で低速運転しているという現実の走行状態(即ち、イベントや、出来事)に対応して、HDD内のシナリオDBから、例えば「ホタル」や「かっぱ」に遭遇して速度が低下しているシナリオを、ストーリー情報として選択するようにしてもよい。即ち、図4の表に示されるように、移動体が、例えば、時刻「17:00」から時刻「17:30」の間に、位置座標「X4、Y4」から位置座標「X5、Y5」である、地名「奥羽山脈」、地形「山岳地帯」において、「低速運転」している場合、例えば「ホタル」や「かっぱ」の映像が、表示部の表示画面において再生されるようにしてもよい。この結果、シナリオデータ処理部によって、現実の走行状態とは異なった内容のストーリー情報が選択されるので、搭乗者は、退屈することなく、興味を引かれつつ、移動体の走行を楽しむことが可能である。
【0084】
或いは、図5の表中の「外界情報」に示されるように、シナリオデータ処理部は、通信手段によって、受信された、走行位置における交通渋滞、又は、気象に関する外界情報に基づいて、ストーリー情報を選択するようにしてもよい。或いは、図5の表中の「搭乗者の嗜好」に示されるように、シナリオデータ処理部の代わりに、搭乗者が、自らの嗜好や趣味に基づいて、手動操作によって、ストーリー情報を選択するようにしてもよい。この結果、シナリオデータ処理部によって、外界情報や、搭乗者の嗜好に合致したストーリー情報に基づく映像が処理されるので、搭乗者は、退屈することなく、興味を引かれつつ、移動体の走行を楽しむことが可能である。
【0085】
以上の結果、移動体の走行位置や走行状態に適切に対応した、時間的に変化に富んだ、多種多様なストーリーに沿った、例えば風景映像等のコンテンツ情報が、移動体の搭乗者に対して、提供することが可能である。これにより、移動体の搭乗者が、例えば交通渋滞の際や、交差点での信号待ちの際の心理的なストレスを解消することができ、搭乗者が、どのような走行位置において、どのような走行状態でも、リラックスして、移動体の走行を楽しむことが可能となる。加えて、移動体の運転者による、安全な運転を実現することが可能である。
【0086】
(2) 情報処理装置の第2実施例
(2−1) 音楽情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成
次に、図6を参照して、本実施例に係る、音楽情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成について説明する。ここに、図6は、本実施例に係る、音楽情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成を図式的に示したブロック図である。尚、第2実施例において、前述した第1実施例と、概ね同様な構成要素には、同様の符号番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0087】
図6に示されるように、第2実施例に係る、音楽情報を処理対象とする情報処理装置40は、前述のセンサデータ処理部11、音楽生成部12a、音楽編集部13a、音楽再生部14a、前述の時刻発生部15、前述のシナリオデータ処理部16、前述の地図データ解析部17、音楽データ処理部18a、前述のデータ記録部19、前述の記録媒体20、前述のシナリオデータベース21、音響データベース23aを備えて構成されている。
【0088】
特に、前述した、家庭用の情報機器30に装着可能な着脱式ユニット40aが、センサデータ処理部11を除いた、音楽生成部12a、音楽編集部13a、音楽再生部14a、前述の時刻発生部15、前述のシナリオデータ処理部16、前述の地図データ解析部17、音楽データ処理部18a、前述のデータ記録部19、前述の記録媒体20、前述のシナリオデータベース21、音響データベース23aによって構成されるようにしてもよい。
【0089】
音楽生成部12aは、(i)センサデータ処理部11によって処理される、移動体の加速度、角速度、速度等の走行状態、又は、絶対的な走行位置に関する走行状態情報、(ii)シナリオデータベース、地図データベース、音響データベースに基づいて、音楽を生成する。
【0090】
音楽編集部13aは、生成された音楽の編集を行う。この編集は、ハイライト部分の抽出や、音響効果の付加や、タイトルの生成等の各種の編集を意味する。
【0091】
音声再生部14aは、音楽を再生(再生出力)する。
【0092】
音楽データ処理部18aは、再生に必要な音響情報を、例えばHDD等に格納された、音響DB23aより読み出す。
【0093】
音響データベース(音響DB)23aは、各種の音響効果に関する音響データ群を格納する。
【0094】
(2−2) 生成処理、及び再生処理が行われた音楽情報の一具体例
次に、図7を参照して、第2実施例に係る、生成処理、及び再生処理が行われた音楽情報の一具体例について説明する。ここに、図7は、第2実施例に係る、生成処理、及び再生処理が行われた音楽情報の一具体例を、時系列、及び走行位置に基づいて示した表である。
【0095】
図7の表に示されるように、第2実施例に係る情報処理装置は、移動体の走行位置や走行状態に適切に対応した、時間的に変化に富んだ、多種多様なストーリーに沿った、例えば音楽や音響効果等のコンテンツ情報を、移動体の搭乗者に対して、提供することが可能である。即ち、図7の表に示されるように、移動体が、例えば、時刻「8:00」から時刻「8:05」の間に、位置座標「X1、Y1」によって示される走行位置において、走行速度がゼロであり、停止していた場合、例えば「祭りの掛け声」の音声が、音声再生部14aにおいて再生されるようにしてもよい。または、シナリオデータ処理部は、例えば舵角や、加速度等の走行状態や、地図属性情報が示す道路形状に基づいて、絶景ポイント等の風景映像を配置し、この風景映像に対応した「動物の鳴き声」が再生されるようにしてもよい。即ち、図7の表に示されるように、移動体が、例えば、時刻「11:00」から時刻「11:30」の間に、位置座標「X2、Y2」から位置座標「X3、Y3」である、地名「三陸海岸」、地形「海岸沿い」において、「高速運転」している場合、例えば「湖」や「オアシス」等の風景映像に対応した「動物の鳴き声」が再生されるようにしてもよい。
【0096】
この結果、シナリオデータ処理部によって、現実とかけ離れた内容の音声が再生されるので、例えば子供等の搭乗者は、退屈することなく、興味を引かれつつ、移動体の走行(所謂、ドライブ)を楽しむことが可能である。
【0097】
或いは、シナリオデータ処理部は、地図属性情報が示す内容とは異なった内容のストーリー情報を選択してもよい。例えば、地図属性情報が地域「都市」を示している場合、ストーリー情報として「田園」や「山岳地帯」や「海岸沿い」等を想起させるような音楽を選択するようにしてもよい。または、シナリオデータ処理部は、例えば交差点で停止しているという現実の走行状態に対応して、HDD内のシナリオDBから、例えば山道で動物に出会って停止しているシナリオを、ストーリー情報として選択するようにしてもよい。または、図7の表中の「運転状態」や「動物など」に示されるように、シナリオデータ処理部は、例えば交通渋滞で低速運転しているという現実の走行状態(即ち、イベントや、出来事)に対応して、HDD内のシナリオDBから、例えば「小鳥のさえずり」の再生を、ストーリー情報として選択するようにしてもよい。即ち、図7の表に示されるように、移動体が、例えば、時刻「17:00」から時刻「17:30」の間に、位置座標「X4、Y4」から位置座標「X5、Y5」である、地名「奥羽山脈」、地形「山岳地帯」において、「低速運転」している場合、例えば「小鳥のさえずり」が再生されるようにしてもよい。
【0098】
この結果、シナリオデータ処理部によって、現実の走行状態とは異なった内容のストーリー情報が選択されるので、搭乗者は、退屈することなく、興味を引かれつつ、移動体の走行を楽しむことが可能である。
【0099】
以上の結果、移動体の走行位置や走行状態に適切に対応した、時間的に変化に富んだ、多種多様なストーリーに沿った、例えば音楽や音響効果等のコンテンツ情報が、移動体の搭乗者に対して、提供することが可能である。これにより、移動体の搭乗者が、例えば交通渋滞の際や、交差点での信号待ちの際の心理的なストレスを解消することができ、搭乗者が、どのような走行位置において、どのような走行状態でも、リラックスして、移動体の走行を楽しむことが可能となる。加えて、移動体の運転者による、安全な運転を実現することが可能である。
【0100】
上述した実施例では、移動体搭載用の情報処理装置の一例として、カーナビゲーション装置や、車載用のコンテンツ情報の処理装置について説明したが、本発明は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の情報機器に搭載されるコンテンツ情報の処理装置に応用されてもよい。
【0101】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う移動体搭載用の情報処理装置及び方法、処理制御用のコンピュータプログラム、並びに記憶媒体もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本実施例に係る、映像情報を処理対象とする情報処理装置が配置され、利用される空間を概念的に示した模式図である。
【図2】本実施例に係る、映像情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成を図式的に示したブロック図である。
【図3】本実施例に係る、映像情報が、生成及び再生される処理手順、及び各種の情報の流れを図式的に示したデータフロー図である。
【図4】本実施例に係る、生成処理、及び再生処理が行われた映像情報の一具体例を、時系列、及び走行位置に基づいて示した表である。
【図5】本実施例に係る映像情報のストーリーを規定する構成要素を示した表である。
【図6】本実施例に係る、音楽情報を処理対象とする情報処理装置の基本構成を図式的に示したブロック図である。
【図7】第2実施例に係る、生成処理、及び再生処理が行われた音楽情報の一具体例を、時系列、及び走行位置に基づいて示した表である。
【符号の説明】
【0103】
10 情報処理装置
11 センサデータ処理部
12 映像生成部
13 映像編集部
14 表示部
15 時刻発生部
16 シナリオデータ処理部
17 地図データ解析部
18 映像データ処理部
19 データ記録部
20 記録媒体
21 シナリオデータベース
23 風景データベース
24 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を算出する算出手段と、
算出された前記走行状態情報に基づいて、当該走行位置の属性に関する地図属性情報を、地図データベースの解析により取得する取得手段と、
算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、前記移動体内で再生する映像情報及び音楽情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリーを示すストーリー情報を選択する選択手段と、
前記コンテンツ情報を生成する生成手段と、
前記コンテンツ情報を再生する再生手段と、
選択された前記ストーリー情報に基づいて、(i)前記コンテンツ情報を生成するように、前記生成手段を制御し、(ii)生成された前記コンテンツ情報を再生するように、前記再生手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記コンテンツ情報を編集する編集手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コンテンツ情報を要約した要約情報を生成する要約手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コンテンツ情報が生成又は再生された時刻に関する時間情報を発生する発生手段と、
前記コンテンツ情報に加えて、発生された前記時間情報を記録する記録手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、他のコンテンツ情報を新たに作成する作成手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記地図属性情報は、前記走行位置の地名、地域、道路形状、等高線のうち少なくとも一つに関することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ストーリー情報は、前記移動体の搭乗者の嗜好に関することを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ストーリー情報を、前記移動体の搭乗者による手動によって、選択するための入力手段を更に備えることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記走行位置における交通渋滞又は気象に関する外界情報を受信する通信手段を更に備え、
前記選択手段は、受信された前記外界情報に基づいて、前記ストーリー情報を選択することを特徴とする請求項1から8のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
移動体の走行位置及び走行状態に関する走行状態情報を算出する算出工程と、
算出された前記走行状態情報に基づいて、当該走行位置の属性に関する地図属性情報を、地図データベースの解析により取得する取得工程と、
算出された前記走行状態情報及び取得された前記地図属性情報に基づいて、前記移動体内で再生する映像情報及び音楽情報のうち少なくとも一方であるコンテンツ情報のストーリーを示すストーリー情報を選択する選択工程と、
前記コンテンツ情報を生成する生成工程と、
前記コンテンツ情報を再生する再生工程と、
選択された前記ストーリー情報に基づいて、(i)前記コンテンツ情報を生成するように、前記生成工程を制御し、(ii)生成された前記コンテンツ情報を再生するように、前記再生工程を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
請求項1から9に記載の情報処理装置に備えられたコンピュータを制御する処理制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記算出手段、前記取得手段、前記選択手段、前記生成手段、前記再生手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とする処理制御用のコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の処理制御用のコンピュータプログラムを記憶していることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−14659(P2008−14659A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183416(P2006−183416)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】