情報提供システム及び情報提供方法のプログラム
【課題】地図画面上に表示された交通状況の信頼性を高くすることができ、しかも、地図画面の視認性を高くすることができるようにする。
【解決手段】地図データを取得する第1の情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段と、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段と、操作者による操作に基づいて前記渋滞情報を選択する情報選択処理手段と、選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段とを有する。複数の類型の渋滞情報から選択された渋滞情報に対応する交通状況指標が地図画面に表示されるので、交通状況の信頼性を高くすることができ、しかも、地図画面の視認性を高くすることができる。
【解決手段】地図データを取得する第1の情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段と、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段と、操作者による操作に基づいて前記渋滞情報を選択する情報選択処理手段と、選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段とを有する。複数の類型の渋滞情報から選択された渋滞情報に対応する交通状況指標が地図画面に表示されるので、交通状況の信頼性を高くすることができ、しかも、地図画面の視認性を高くすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム及び情報提供方法のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0003】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて、前記地図データに従って現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示される。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置においては、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の道路交通情報センタから送信された現況の交通情報を取得し、該交通情報の渋滞情報に基づいて、交通状況である渋滞状況を、例えば、前記地図画面上の道路に沿って渋滞矢印で表示することができるようになっている。
【0005】
ところが、現況の交通情報を取得することができる地域は限られていて、すべての地域について、現況の交通情報を取得することができない。そこで、過去の交通情報に基づいて作成された統計交通情報をメモリに記録し、該メモリから読み出した統計交通情報の渋滞情報に基づいて、渋滞状況を前記地図画面上の道路に沿って渋滞マークで表示することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−113290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、現況の交通情報を取得することができる地域においても、統計交通情報の渋滞情報に基づいて渋滞マークが表示されるので、渋滞状況の信頼性がその分低くなってしまう。
【0007】
そこで、統計交通情報の渋滞情報に基づく渋滞状況だけでなく、現況の交通情報の渋滞情報に基づく渋滞状況を通知することが考えられるが、その場合、各渋滞情報に基づく渋滞状況が併せて通知されるので、地図画面上の道路、探索経路等が見づらくなり、地図画面の視認性が低くなってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、地図画面上に表示された交通状況の信頼性を高くすることができ、しかも、地図画面の視認性を高くすることができる情報提供システム及び情報提供方法のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の情報提供システムにおいては、地図データを取得する第1の情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段と、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段と、操作者による操作に基づいて前記渋滞情報を選択する情報選択処理手段と、選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の類型の渋滞情報から選択された渋滞情報に対応する交通状況指標が地図画面に表示されるので、交通状況の信頼性を高くすることができ、しかも、地図画面の視認性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示すブロック図、図2は本発明の第1の実施の形態における車速テーブルの例を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における渋滞度算出表の例を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるリンク所要時間テーブルの例を示す図である。
【0013】
図1において、14は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置14は、現在地を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、各種のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能し、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ18、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、方位センサ18、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。また、前記ナビゲーション処理部17には、車速検出部としての車速センサ41も接続される。
【0014】
前記GPSセンサ15は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてGPSセンサ15が使用されるが、該GPSセンサ15に代えて図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ18としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【0015】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータも記録される。また、前記地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれる。
【0016】
前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用される第1の記録媒体としてのRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録された第2の記録媒体としてのROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される第3の記録媒体としての図示されないフラッシュメモリを備える。なお、前記制御装置として、CPU31に代えてMPU等を使用することもできる。
【0017】
また、前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、第4の記録媒体として、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。なお、前記データ記録部16に第5の記録媒体としてのメモリカード等を使用することができる。
【0018】
ところで、前記ROM33に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部16に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、ナビゲーション処理部17に車両に搭載された図示されない自動変速機の制御を行うための自動変速機制御装置が接続されている場合には、該自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部38を介して前記プログラム、データ等を受信し、フラッシュメモリに書き込むこともできる。
【0019】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部38を作動させたりするためのものであり、前記操作部34として、表示部35とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0020】
前記表示部35としてディスプレイが使用される。そして、表示部35に形成された各種の画面に、現在地を表す自車位置、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部34、音声入力部36等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、FM多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【0021】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0022】
前記通信部38は、第1の情報提供者としてのVICS(登録商標)センタ等の道路交通情報センタから送信された各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、FM放送局を介してFM多重放送として受信するためのFM受信機等を備える。そして、前記ビーコンレシーバによって、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等の現況の交通情報を受信したり、前記FM受信機によって現況の交通情報のほかに、ニュース、天気予報等の一般情報をFM多重情報として受信したりすることができる。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0023】
また、通信部38は、第2の情報提供者としての情報センタ51から交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。そのために、前記通信部38と情報センタ51の通信部57とはネットワーク43を介して接続され、前記ナビゲーション装置14、道路交通情報センタ、情報センタ51、ネットワーク43等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0024】
前記ネットワーク43として、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信回線網等を使用することができる。
【0025】
前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備え、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。また、前記データベース58に前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータを記録することができる。なお、前記サーバ53及びナビゲーション処理部17によってコンピュータを構成することもできる。また、前記CPU54に代えてMPU等を使用することができる。
【0026】
ところで、本実施の形態においては、前記データ記録部16に、前記地図データベースのほかに、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに第1の実績データとしての統計データが、前記走行履歴データファイルに第2の実績データとしての走行履歴データが記録される。なお、前記統計データ及び走行履歴データによって交通情報の実績を表す実績交通情報が構成される。
【0027】
前記統計データは、過去に提供された交通情報の履歴を表す履歴情報であり、前記道路交通情報センタによって提供された交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサスによる交通量を表すデータ(以下「道路交通センサス情報」という。)を組み合わせて使用し、加工し、統計処理を施すことによって作成される。
【0028】
前記統計データのデータ項目は、過去に車両が走行した経路、すなわち、各走行経路を構成する各道路リンクLi(i=1、2、…、N)についてのリンク番号データ(ID)、上り/下りの別を表す方向フラグ、道路交通情報センタ等によって提供された交通情報であるか、又は前記道路交通センサス情報であるかを表す情報種別、所定のタイミングtごと、本実施の形態においては、15〔分〕が経過するごとの渋滞度KJi(t)(i=1、2、…、N)等である。なお、本実施の形態において、渋滞度KJi(t)は、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表し、道路リンクLi及び時間のマトリックスから成る図示されない渋滞度テーブルとして統計データベースに記録される。該統計データベースには、前記渋滞度KJi(t)が算出されたときに、各道路リンクLiについての道路種別に基づいて車速Kvi(t)(i=1、2、…、N)を算出することができるように、図2に示されるような車速テーブルが形成される。なお、本実施の形態において、道路種別は、高速道路、都市高速道路及び一般道路から成る。
【0029】
なお、前記統計データに、統計データに基づいて予測された予測情報等を加えることもできる。その場合、前記統計データを作成するに当たり、履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設の情報(デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無)等の詳細な条件が加えられる。
【0030】
また、走行履歴データは、車両の走行経路における走行実績を表すデータ、すなわち、走行データに基づいて算出される。そして、前記走行履歴データのデータ項目は、前記各道路リンクLiを走行したときの、所定の周期、本実施の形態においては、15〔分〕ごとの所要時間を表すリンク所要時間STi(t)(i=1、2、…、N)、各道路リンクLiを走行したときの、所定のタイミングtごと、本実施の形態においては、15〔分〕が経過するごとの渋滞度SJi(t)(i=1、2、…、N)等から成り、前記リンク所要時間STi(t)は、図4に示されるように、道路リンクLi及び参照用の時刻(以下「参照時刻」という。)のマトリックスから成るリンク所要時間テーブルとして走行履歴データベースに記録される。
【0031】
なお、前記リンク所要時間STi(t)は、過去の複数回の、本実施の形態においては、最大で5回の走行実績に基づいて算出されるようになっていて、各道路リンクLiについて蓄積された所要時間の数が1である場合、リンク所要時間STi(t)の算出は行われない。
【0032】
また、各道路リンクLiについて蓄積された所要時間の数が2である場合には、二つの所要時間τ1、τ2のほかに、前記統計データの渋滞度KJi(t)に基づいて算出される推定による所要時間τ3に基づいてリンク所要時間STi(t)を算出する。
【0033】
この場合、まず、各道路リンクLiについての道路種別を読み込み、次に、前記統計データベースの渋滞度テーブルを参照し、各道路リンクLiについての渋滞度KJi(t)を読み込む。続いて、図2に示される車速テーブルと同じ内容の車速表等を参照し、道路種別及び渋滞度KJi(t)に対応する車速Kvi(t)を算出し、各道路リンクLiのリンク長及び車速Kvi(t)に基づいて、所要時間τ3を算出する。このようにして、所要時間τ1〜τ3が算出されると、該所要時間τ1〜τ3のうちの中央値(メディアン)がリンク所要時間STi(t)とされる。なお、各道路リンクLiのリンク長は道路データから読み込むことができるが、走行履歴データのデータ構造として持たせることができる。
【0034】
さらに、各道路リンクLiについて蓄積された所要時間の数が3以上である場合、各所要時間τ1、τ2、…のうちの中央値がリンク所要時間STi(t)とされる。
【0035】
なお、前記渋滞度SJi(t)は、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表す。そして、前記各道路リンクLiのリンク長及びリンク所要時間STi(t)に基づいて、車速Svi(t)(i=1、2、…、N)が算出され、続いて、各道路リンクLiについての道路種別を読み込み、図3に示される渋滞度算出表を参照することによって、道路種別及び車速Svi(t)に対応する渋滞度SJi(t)が算出され、前記渋滞度KJi(t)と同様に道路リンクLi及び時間のマトリックスから成る図示されない渋滞度テーブルとして走行履歴データベースに記録される。
【0036】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0037】
まず、運転者によって前記操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された現在地、及び方位センサ18によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。なお、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0038】
続いて、CPU31の図示されない第1の情報取得処理手段は、第1の情報取得処理を行い、前記地図データをデータ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51から受信して取得する。なお、情報センタ51から取得する場合、前記第1の情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリ等にダウンロードする。また、地図データを通信部38を介して取得する際にプログラムを併せて取得することもできる。
【0039】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位を表示する。したがって、運転者は、表示された前記自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0040】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。
【0041】
そして、目的地が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地等を読み込み、現在地、目的地及び地図データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を探索する。なお、前記地図データを構成する各道路データによって表される各道路のうちの、細街路以外の道路は、経路探索及び経路案内の対象となる道路とされる。
【0042】
そして、前記CPU31の図示されない経路案内処理手段は、経路案内処理を行い、探索経路に従って運転者に経路案内を行う。そのために、前記経路案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記探索経路を構成する経路データを読み込み、該経路データに従って、前記地図画面に探索経路を表示する。
【0043】
なお、必要に応じて、前記経路案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部37から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0044】
ところで、前述されたように、前記ナビゲーション装置14は、前記通信部38を介して、道路交通情報センタから直接に、又は情報センタ51を介して間接的に現況の交通情報、一般情報等を受信することができるようになっている。そのために、前記CPU31の図示されない第2の情報取得処理手段は、第2の情報取得処理を行い、前記現況の交通情報、一般情報等を付加情報として受信して取得する。
【0045】
前記道路交通情報センタから受信する現況の交通情報は、情報の種別を表す情報種別、メッシュとしての2次メッシュを特定するための2次メッシュX、Y番号、道路リンクLiを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号データ、該リンク番号データに対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、例えば、該リンク情報が渋滞情報である場合、前記道路リンクLiの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度VJi(i=1、2、…、N)を表す渋滞度データ、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの渋滞長(距離)によって表す渋滞長データ等から成る。なお、前記渋滞度VJiは、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表す。
【0046】
また、前述されたように、データ記録部16には、統計データベース及び走行履歴データベースが形成され、統計データベースを構成する統計データファイルに、統計データとして渋滞度KJi(t)等が記録され、走行履歴データベースを構成する走行履歴データファイルに、走行履歴データとしてリンク所要時間STi(t)、渋滞度SJi(t)等が記録される。そして、前記第2の情報取得処理手段は、統計データ及び走行履歴データを前記データ記録部16から読み込むことによって取得する。
【0047】
このように、前記第2の情報取得処理手段は、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの複数の類型の渋滞情報を取得することができる。そこで、前記CPU31の図示されない交通情報表示処理手段は、交通情報表示処理を行い、例えば、渋滞度VJi等で表される取得された現況の交通情報の渋滞情報、渋滞度KJi(t)等で表される統計データの渋滞情報、及び渋滞度SJi(t)等で表される走行履歴データの渋滞情報のすべてを選択し、前記各渋滞情報に基づいて渋滞状況を表す交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、該渋滞矢印を前記地図画面上の道路に沿って表示するようにしている。なお、交通状況指標として渋滞帯を表示することができる。
【0048】
したがって、運転者は、車両を走行させる予定の経路、探索経路等における渋滞状況を知ることができる。なお、前記渋滞度VJi、KJi(t)、SJi(t)に応じて前記渋滞矢印の色が、赤、橙、青等にされ、例えば、渋滞である場合に赤に、混雑である場合に橙に、渋滞なしである場合に青にされる。また渋滞度VJi、KJi(t)、SJi(t)等に応じて渋滞矢印のパターンを異ならせて表示することができ、例えば、渋滞である場合にパターンが実線に、混雑である場合にパターンが破線にされる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、統計データは、道路交通情報センタによって提供された過去の交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサス情報から成るが、前記道路交通情報センタによって提供された過去の交通情報、及び前記道路交通センサス情報に代えて、国土交通省によって提供され、時刻と渋滞度等との関係を表すデータから成る道路時刻表情報、及び情報センタ51が複数の車両(自車又は他車)から収集した走行履歴データ、例えば、平均車速、渋滞長等のデータから成るプローブデータ等を使用することができる。
【0050】
ところで、車両を、道路交通情報センタによる現況の交通情報を受信することができる領域で走行させる場合は、現況の交通情報を利用することができ、前記道路交通情報センタ等による過去の交通情報、道路交通センサス情報等が提供される対象となる領域で走行させる場合は、統計データベースの統計データを利用することができ、2回以上の走行実績がある道路を含む領域で走行させる場合は、走行履歴データベースの走行履歴データを利用することができる。
【0051】
そこで、前記交通情報表示処理手段は、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報を任意に選択して渋滞矢印を作成、前記地図画面上の道路に沿って表示するようしている。
【0052】
図5は本発明の第1の実施の形態における情報選択処理手段の動作を示すフローチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第3の例を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第4の例を示す図である。
【0053】
前記地図画面においては、自車位置Prを含む周辺の地図が表示されるとともに、地図画面の周縁部に、地図の方位及びスケールを表示する領域AR1、詳細な地図を表示するためのキーk1、広域の地図を表示するためのキーk2、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの各渋滞情報を選択するためのキーk3、選択された渋滞情報の表示内容を表す領域AR2等が表示される。前記キーk1〜k3によって操作要素が構成される。
【0054】
前記経路探索処理手段による経路探索処理が終了し、経路案内処理が開始されたときに、操作者によってキーk3が押されると、前記情報選択処理手段は、表示された地図の縮尺が8万分の1以下であるかどうかを判断する。なお、前記地図の縮尺はキーk1、k2を押すことによって設定され、8万分の1を超える広域の地図画面においては、渋滞情報は表示されない。
【0055】
そして、表示された地図の縮尺が8万分の1以下である場合、前記交通情報表示処理手段の情報選択処理手段は、情報選択処理を行い、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データのすべての渋滞情報を選択し、これに伴って、前記交通情報表示処理手段の交通状況指標表示処理手段は、交通状況指標表示処理を行い、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データを読み込み、前記渋滞度VJi、KJi(t)、SJi(t)等に基づいて渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、地図画面に初期状態としての第1の表示状態を形成する。また、前記交通情報表示処理手段の内容表示処理手段は、内容表示処理を行い、前記領域AR2に、図6に示されるように、「全渋滞情報」と表示する。
【0056】
ところで、運転者が地図画面上でキーk3を押すたびに、前記情報選択処理手段は、すべての渋滞情報→現況の交通情報の渋滞情報→統計データの渋滞情報→走行履歴データの渋滞情報→すべての渋滞情報を順次選択する。これに伴って、前記交通状況指標表示処理手段は、地図画面に第1の表示状態→第2の表示状態→第3の表示状態→第4の表示状態→第1の表示状態を順次形成し、表示状態を変更する。
【0057】
すなわち、現況の交通情報の渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38(図1)を介して受信した現況の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第2の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR2に、図7に示されるように、「現況渋滞情報」と表示する。そして、統計データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から統計データを読み込み、渋滞度KJi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第3の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR2に、図8に示されるように、「統計渋滞情報」と表示する。さらに、走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から走行履歴データを読み込み、渋滞度SJi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第4の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR2に、図9に示されるように、「走行履歴渋滞情報」と表示する。
【0058】
このように、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの各渋滞情報を地図画面に表示することができるので、広範な領域で渋滞状況を知ることができる。
【0059】
また、過去の交通情報の渋滞情報だけでなく、現況の交通情報の渋滞情報を地図画面に表示することができるので、渋滞状況の信頼性を高くすることができる。
【0060】
さらに、地図画面に表示される渋滞情報を所定のものに限定することができるので、地図画面上の道路、探索経路等が見づらくなることがなく、地図画面の視認性を高くすることができる。
【0061】
なお、地図画面の第1の表示状態において、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報ごとに渋滞矢印の種類を異ならせたり、第3の表示状態において、過去の交通情報の渋滞情報と、道路交通センサス情報の交通情報の渋滞情報とで渋滞矢印の種類を異ならせたりすることができる。
【0062】
また、前記ナビゲーション装置14に代えて、情報センタ51において経路探索処理を行うこともできる。その場合、CPU31は現在地、目的地等を情報センタ51に送信する。該情報センタ51は、現在地、目的地を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を探索し、探索経路を表す経路データを出力する。続いて、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置14に送信する。したがって、前記ナビゲーション装置14において、前記第1の情報取得処理手段が情報センタ51からの経路データを受信すると、前記経路案内処理手段は、前述されたような経路案内を行う。
【0063】
このようにして、経路案内が行われ、運転者は探索経路に従って車両を走行させることができる。
【0064】
また、他の実施の形態においては、情報センタ51において、前記経路探索処理が行われた後に、情報選択処理等を行うことができる。その場合、データベース58によって地図データファイルから成る地図データベースが構成される。また、前記データベース58のほかに、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース、統計データファイルから成る統計データベース等がサーバ53と接続させて配設され、前記走行履歴データファイルに走行履歴データが、前記統計データファイルに統計データが記録される。その場合、車両の走行データは、ナビゲーション装置14から情報センタ51に送られる。
【0065】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 キーk3を押す。
ステップS2 地図の縮尺が8万分の1以下であるかどうかを判断する。地図の縮尺が8万分の1以下である場合はステップS3に、8万分の1より大きい場合は処理を終了する。
ステップS3 現在表示されている渋滞情報を特定する。
ステップS4 すべての渋滞情報が表示されているかどうかを判断する。すべての渋滞情報が表示されている場合はステップS5に、表示されていない場合はステップS6に進む。
ステップS5 現況の交通情報を読み込む。
ステップS6 現況の交通情報の渋滞情報が表示されているかどうかを判断する。現況の交通情報の渋滞情報が表示されている場合はステップS7に、表示されていない場合はステップS8に進む。
ステップS7 統計データを読み込む。
ステップS8 統計データの渋滞情報が表示されているかどうかを判断する。統計データの渋滞情報が表示されている場合はステップS9に、表示されていない場合はS10に進む。
ステップS9 走行履歴データを読み込む。
ステップS10 現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データを読み込む。
ステップS11 渋滞情報を表示し、処理を終了する。
【0066】
本実施の形態においては、地図画面に各渋滞情報を選択するためのキーk3が配設され、該キーk3を押すたびに各渋滞情報が逐次切り換えて表示されるようになっているが、渋滞情報一覧画面を形成し、該渋滞情報一覧画面に各渋滞情報のリストを表示することができる。その場合、運転者はリストの中から所望の渋滞情報を選択する。
【0067】
ところで、本実施の形態においては、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データから成る複数の類型の渋滞情報を表示するようになっているが、運転者が望む形態の渋滞情報を適切に表示するために、前記統計データを、道路交通センサス情報と、それ以外の道路交通情報センタ等によって提供された過去の交通情報(以下「センタ情報」という。)とに分割して表示することができる。また、走行履歴データを、自車の走行経路における走行実績を表すデータ、すなわち、自車走行履歴データと、他車の走行経路における走行実績を表すデータ、すなわち、他車走行履歴データとに分割して表示することができる。
【0068】
この場合、運転者が望む類型の渋滞情報を適宜選択することができるが、渋滞情報の類型が多くなるほど、地図画面においてキーk3を押す回数が多くなり、表示状態を変更するための作業が煩わしくなる。
【0069】
また、所定の表示状態において、渋滞情報の量が少ない場合には、地図画面に表示される渋滞矢印の数が少なくなるにもかかわらず、次の表示状態が形成されるまで運転者は前記地図画面を見続ける必要があり、必要な渋滞情報を得られるようになるまでの時間が長くなり、操作性が低下してしまう。
【0070】
そこで、必要な渋滞情報を得られるようになるまでの時間を短くすることができ、操作性を向上させることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0071】
図10は本発明の第2の実施の形態における地図画面の例を示す図、図11は本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第1の図、図12は本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第2の図である。
【0072】
この場合、地図画面に、自車位置Prを含む周辺の地図が表示されるとともに、地図画面の周縁部に、地図の方位及びスケールを表示する領域AR1、詳細な地図を表示するためのキーk1、広域の地図を表示するためのキーk2、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データの各渋滞情報を選択するためのアップ(UP)キーk4及びダウン(DOWN)キーk5、選択された渋滞情報の表示内容を表す領域AR3等が表示される。前記キーk1、k2、k4、k5によって操作要素が構成される。なお、アップキーk4及びダウンキーk5によってアップ・ダウンキーが構成される。
【0073】
また、本実施の形態においては、前記データ記録部16(図1)に、前記地図データベースのほかに、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに、第1の実績データとしてのセンタ情報及び道路交通センサス情報が、前記走行履歴データファイルに第2の実績データとしての自車走行履歴データ及び他車走行履歴データが記録される。そして、センタ情報に渋滞度KJai(t)(i=1、2、…、N)が、道路交通センサス情報に渋滞度KJbi(t)(i=1、2、…、N)が、自車走行履歴データに渋滞度SJai(t)(i=1、2、…、N)が、他車走行履歴データに渋滞度SJbi(t)(i=1、2、…、N)が含まれる。なお、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データによって交通情報の実績を表す実績交通情報が構成される。本実施の形態においては、前記VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)は、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表す。
【0074】
そして、前記情報選択処理手段は、表示された地図の縮尺が8万分の1以下であるかどうかを判断し、8万分の1以下である場合、現況の交通情報、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データのすべての渋滞情報を選択する。そして、前記交通状況指標表示処理手段は、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データを読み込み、前記渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)等に基づいて交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、初期状態としての第1の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、図10に示されるように、地図画面上の所定の箇所、本実施の形態においては、下端部に前記領域AR3を形成し、「全渋滞情報」と表示する。
【0075】
そして、前記CPU31の図示されない情報判定処理手段は、情報判定処理を行い、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データの渋滞情報の量が多いかどうかによって表示条件が成立したかどうかを判断する。そのために、前記情報判定処理手段は、例えば、前記地図画面上の渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)が渋滞又は混雑である渋滞箇所の数が閾値以上であるかどうかを判断し、閾値以上である場合、渋滞情報の量が多いと判断し、表示条件が成立したと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを1に設定し、渋滞箇所の数が閾値より小さい場合、渋滞情報の量が少ないと判断し、表示条件が成立しないと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを零(0)に設定する。なお、前記閾値は1以上の数とする。
【0076】
そして、運転者が地図画面上でアップキーk4を押すたびに、前記情報選択処理手段は、すべての渋滞情報→現況の交通情報の渋滞情報→センタ情報→道路交通センサス情報→自車走行履歴データの渋滞情報→他車走行履歴データの渋滞情報→すべての渋滞情報を順次選択し、交通状況指標表示処理手段は、地図画面に第1の表示状態→第2の表示状態→第3の表示状態→第4の表示状態→第5の表示状態→第6の表示状態→第1の表示状態を順次形成し、表示状態を変更する。また、運転者がダウンキーk5を押すたびに、前記情報選択処理手段は一つ前の渋滞情報を選択し、交通状況指標表示手段は、一つ前の表示状態を形成する。この場合、前記情報選択処理手段は、各渋滞情報について前記フラグを読み込み、該フラグが1である場合、その渋滞情報について選択し、フラグが零である場合、その渋滞情報を選択しない。したがって、選択されない渋滞情報については、表示状態がスキップされ、形成されない。
【0077】
そして、現況の交通情報の渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38を介して受信した現況の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第2の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「現況渋滞情報」と表示する。そして、前記センタ情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16からセンタ渋滞データを読み込み、渋滞度KJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第3の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「センタ情報」と表示する。さらに、前記道路交通センサス情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から道路交通センサス渋滞データを読み込み、渋滞度KJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第4の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「道路交通センサス情報」と表示する。そして、自車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から自車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第5の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「自車走行履歴情報」と表示する。さらに、他車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から他車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第6の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「他車走行履歴情報」と表示する。
【0078】
そして、各渋滞情報について表示条件が成立した場合、図11に示されるような順序で各渋滞情報が選択され、各渋滞情報の表示状態が形成され、所定の渋滞情報、例えば、他車走行履歴データについて表示条件が成立しない場合、図12に示されるような順序で各渋滞情報の表示状態が形成され、他車走行履歴データの渋滞情報については表示状態が形成されない。
【0079】
このように、表示条件が成立しない渋滞情報については、表示状態を形成しないので、地図画面においてアップキーk4及びダウンキーk5を押す回数をその分少なくすることができ、表示状態を変更するための作業を簡素化することができる。
【0080】
また、所定の表示状態において、渋滞情報の量が少ない場合には、表示状態がスキップされ、形成されないので、必要な渋滞情報を得られるようになるまでの時間を短くすることができ、操作性を向上させることができる。
【0081】
なお、アップ・ダウンキーに代えて、ネクスト・バックキーを使用したり、ロータリスイッチを使用したりすることができる。
【0082】
次に、表示選択キーを押すことによって表示状態を変更することができるようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0083】
図13は本発明の第3の実施の形態における地図画面の例を示す図である。
【0084】
この場合、地図画面上の所定の箇所に、本実施の形態においては、下端部に、渋滞情報を選択するための表示選択キーk11〜k15が形成される。前記表示選択キーk11は現況の交通情報の渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk12はセンタ情報を選択する際に、表示選択キーk13は道路交通センサス情報を選択する際に、表示選択キーk14は自車走行履歴データの渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk15は他車走行履歴データの渋滞情報を選択する際に押される。
【0085】
そして、前記情報判定処理手段は、情報判定処理を行い、現況の交通情報、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データの渋滞情報の量が少ないかどうかを判断する。そのために、前記情報判定処理手段は、例えば、地図画面上の交通状況である渋滞状況を渋滞の度合で表す渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)が渋滞又は混雑である渋滞箇所の数が閾値以上であるかどうかによって表示条件が成立したかどうかを判断し、渋滞箇所の数が閾値以上であり、表示条件が成立した場合、渋滞情報の量が多いと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを1に設定し、表示条件が成立しない場合、渋滞情報の量が少ないと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを零に設定する。なお、前記閾値は1以上の数とする。
【0086】
そして、表示選択キーk11が押され、現況の交通情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、現況の交通情報の渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38(図1)を介して受信した現況の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第1の実施の形態と同様の第2の表示状態を形成する。また、表示選択キーk12が押され、前記センタ情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、センタ情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16からセンタ渋滞データを読み込み、渋滞度KJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第3の表示状態を形成する。さらに、表示選択キーk13が押され、前記道路交通センサス情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、道路交通センサス情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から道路交通センサス渋滞データを読み込み、渋滞度KJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第4の表示状態を形成する。また、表示選択キーk14が押され、自車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、自車走行履歴データの渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から自車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第5の表示状態を形成する。さらに、表示選択キーk15が押され、他車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、他車走行履歴データの渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から他車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第6の表示状態を形成する。
【0087】
なお、前記表示選択キーk11〜k15のうちの二つ以上の表示選択キーを押すことができる。例えば、すべての表示選択キーk11〜k15が押され、現況の交通情報、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データのすべての渋滞情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、各渋滞情報のフラグが1である場合、すべての渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38を介して受信した現況の交通情報を読み込み、データ記録部16からセンタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データを読み出し、渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第1の表示状態を形成する。
【0088】
ところで、前記渋滞情報の量が少ないにもかかわらず、運転者が所定の渋滞情報を選択することがないように、前記交通情報表示処理手段は、前記表示選択キーk11〜k15のうち、前記フラグが0である渋滞情報に対応する表示選択キーをオフトーンにする。この場合、運転者がオフトーンにされた表示選択キーを押しても、前記情報選択処理手段は、対応する渋滞情報を選択しない。
【0089】
このように、地図画面に渋滞情報を選択するための表示選択キーk11〜k15が形成されるので、所望の表示状態が形成されるまでキーを押し続ける必要がない。したがって、表示状態を変更するための作業を簡素化することができる。
【0090】
ところで、前記各実施の形態においては、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報を選択して表示するようになっているが、他の実施の形態においては、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報に加えて、所定の時間後の予測交通情報を選択し、渋滞情報として表示することもできる。前記予測交通情報は、例えば、現在から30分後の予測された交通情報であり、現況の交通情報に基づいて予測された予測交通情報、現況の交通情報及び統計データに基づいて予測された予測交通情報等から成る。
【0091】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0092】
図14は本発明の第4の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図、図15は本発明の第4の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【0093】
この場合、図14に示されるように、地図画面上の所定の箇所に、本実施の形態においては、下端部に、渋滞情報を選択するための表示選択キーk21〜k23が形成される。前記表示選択キーk21は統計データ及び走行履歴データから成る過去の交通情報の渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk22は現況の交通情報の渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk23は、現況の交通情報に基づく予測交通情報、又は現況の交通情報及び統計データに基づく予測交通情報を選択する際に押される。
【0094】
また、図15に示されるように、過去の交通情報、現況の交通情報及び予測交通情報の各渋滞情報を選択するためのアップキーk4及びダウンキーk5、選択された渋滞情報の表示内容を表す領域AR3等を表示することもできる。
【0095】
なお、前記第1、第2及び第4の実施の形態においては、キーk3、アップキーk4及びダウンキーk5を押すことによって、表示状態を変更するようになっているが、他の実施の形態においては、所定の時間が経過するごとに自動的に表示状態を切り替えて変更することができる。そのために、前記情報選択処理手段は、図示されないタイマを計時し、あらかじめ設定された時間が経過するごとに、各表示状態を順次変更する。
【0096】
また、前記各実施の形態においては、キーk3、アップキーk4、ダウンキーk5、表示選択キーk11〜k15及びk21〜k23を押すことによって、表示状態を変更するようになっているが、他の実施の形態においては、運転者の音声によって表示状態を変更することができる。その場合、運転者が音声入力部36(図1)によって、「次」、「アップ」等の音声で表示状態を変更する旨の指示を入力すると、CPU31の図示されない交通情報通知処理手段は、交通情報通知処理を行い、各表示状態を順次変更し、音声出力部37によって、例えば、「全渋滞情報」、「現況渋滞情報」等のように音声で出力し、運転者に報知する。
【0097】
ところで、前記第4の実施の形態においては、表示選択キーk21〜k23を押すことによって、過去の交通情報、現況の交通情報及び予測交通情報の各渋滞情報を選択することができるようになっているが、各渋滞情報を比較することができない。例えば、現況の交通情報、過去の交通情報及び予測交通情報の渋滞度が同じであるかどうか、また、現況の交通情報の渋滞度が1週間前の渋滞度、2週間前の渋滞度、又は来週の予測される渋滞度と同じであるか等を判断することができない。したがって、過去の交通情報、予測交通情報等の渋滞情報に基づいて、現況の交通情報の渋滞情報を評価したり、渋滞情報の推移を推定したりすることは困難である。
【0098】
そこで、各渋滞情報を比較することができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0099】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0100】
図16は本発明の第5の実施の形態における交通情報の表示設定画面の例を示す図、図17は本発明の第5の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図、図18は本発明の第5の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【0101】
この場合、一つの渋滞箇所に現況の交通情報及び過去の交通情報から成る複数の類型の渋滞情報がある場合、各渋滞箇所ごとに、現況の交通情報及び過去の交通情報の渋滞情報を地図画面に併せて表示することができるようになっている。そのために、図16に示される表示設定画面において、運転者は地図画面に表示させたい渋滞情報を選択することができるようになっている。
【0102】
前記表示設定画面上に、現況の交通情報の渋滞情報を選択するために表示選択キーk31〜k33が、過去の交通情報の渋滞情報を選択するために表示選択キーk34〜k36が形成される。そして、前記表示選択キーk31、k34は渋滞度のうちの渋滞及び混雑を、交通状況指標としての渋滞矢印で表示するためのものであり、前記表示選択キーk32、k35は渋滞度のうちの渋滞なしを渋滞矢印で表示するためのものであり、前記表示選択キーk33、k36は規制情報を表示するためのものである。
【0103】
表示選択キーk31〜k35が押され、表示選択キーk36が押されないと、前記交通情報表示処理手段は、図16に示されるように、表示選択キーk36をオフトーンにする。続いて、前記情報選択処理手段は、現況の交通情報の渋滞情報及び過去の交通情報の渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38(図1)を介して受信した現況の交通情報及び過去の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて現況の交通情報について交通状況指標としての渋滞矢印f1を、渋滞度KJi(t)、SJi(t)等に基づいて過去の交通情報について交通状況指標としての渋滞矢印f2を作成し、地図画面の道路に沿って隣接させて表示する。そして、各渋滞矢印f1、f2は、色、太さ、線の種類等によって、渋滞、混雑及び渋滞なしの各渋滞度を区別することができるように表示される。この場合、仮に、渋滞矢印f1が渋滞を、渋滞矢印f2が渋滞なしを表している場合、通常は渋滞が発生しないが、現在は渋滞が発生していることが分かる。
【0104】
なお、図18に示されるように、現況の交通情報の渋滞情報について渋滞矢印f1を作成し、過去の交通情報の渋滞情報について渋滞矢印f2〜f4を作成し、例えば、1週間前の渋滞度を渋滞矢印f2で、2週間前の渋滞度を渋滞矢印f3で、3週間前の渋滞度を渋滞矢印f4で表すことができる。この場合、仮に、渋滞矢印f1、f3が渋滞を、渋滞矢印f2、f4が渋滞なしを表している場合、渋滞の発生状況が安定していないことが分かる。
【0105】
このように、本実施の形態においては、現況の交通情報及び過去の交通情報の渋滞情報を同じ地図画面上で併せて表示することができるので、過去の交通情報の渋滞情報に基づいて、容易に現況の交通情報の渋滞情報を評価したり、渋滞情報の推移を推定したりすることができる。
【0106】
本実施の形態においては、現況の交通情報及び過去の交通情報の渋滞情報を併せて表示するようになっているが、他の実施の形態においては、現況の交通情報及び予測交通情報の渋滞情報を併せて表示したり、現況の交通情報、過去の交通情報及び予測交通情報の渋滞情報を併せて表示したりすることができる。
【0107】
さらに、例えば、自車位置が現況の交通情報の提供エリア外にある場合、現況の交通情報の渋滞情報を表示することなく、過去の交通情報及び予測交通情報の渋滞情報だけを併せて表示することもできる。
【0108】
また、本実施の形態においては、交通状況指標として渋滞矢印を表示するようになっているが、他の実施の形態においては、道路に沿った所定の箇所において、複数の渋滞矢印を時間が経過するのに従って順次表示してアニメーション表示を行うことができる。
【0109】
ところで、例えば、第2の実施の形態においては、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データのすべての渋滞情報を選択すると、交通状況指標表示処理手段は、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データを読み込み、前記渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)等に基づいて交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示するようになっている。
【0110】
この場合、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ、他車走行履歴データ等のようなデータ記録部16にあらかじめ記録された情報、すなわち、記録情報については、交通状況指標表示処理手段によって直ちに読み出すことができるので、渋滞矢印を作成し、地図画面に表示するのに必要な時間が短い。これに対して、現況の交通情報、センタ情報等のような道路交通情報センタ、情報センタ51等から送信され、通信部38によって受信された情報、すなわち、受信情報については、受信が終了するまで、交通状況指標表示処理手段によって渋滞矢印の作成を開始することができない。したがって、渋滞矢印を地図画面に表示するのに必要な時間は長くなってしまう。
【0111】
そこで、電源スイッチがオンにされた直後は、記録情報の渋滞情報に従って渋滞矢印を作成し、地図画面に表示し、その後、受信情報の渋滞情報に従って渋滞矢印を作成し、地図画面に表示するようにした本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0112】
図19は本発明の第6の実施の形態における電源がオンにされた直後の地図画面の例を示す図、図20は本発明の第6の実施の形態におけるその後の地図画面の例を示す図である。
【0113】
図において、Prは自車位置、g1、g2は電源スイッチがオンにされた直後に、記録情報の渋滞情報に従って先に作成され、表示された交通状況指標としての渋滞矢印、g3は受信情報の渋滞情報に従って後で作成され、表示された渋滞矢印であり、該渋滞矢印g3は前記渋滞矢印g2に上書きされて表示される。
【0114】
この場合、電源スイッチがオンにされた直後であっても、記録情報の渋滞情報に従って渋滞矢印g1、g2が作成され、表示されるので、電源スイッチがオンにされた直後に、交通状況である渋滞状況を直ちに知ることができ、渋滞状況に従って車両を走行させることができる。
【0115】
また、その後、受信情報の渋滞情報に従って作成された渋滞矢印g3が上書きされるので、渋滞情報の信頼性を向上させることができる。
【0116】
前記各実施の形態においては、本発明を、ナビゲーション装置14に適用した例について説明しているが、ナビゲーション装置14に代えてパソコン、携帯電話等の端末装置に適用することができる。
【0117】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における車速テーブルの例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における渋滞度算出表の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるリンク所要時間テーブルの例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における情報選択処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第3の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第4の例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における地図画面の例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第1の図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第2の図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における地図画面の例を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態における交通情報の表示設定画面の例を示す図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態における電源がオンにされた直後の地図画面の例を示す図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態におけるその後の地図画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
14 ナビゲーション装置
17 ナビゲーション処理部
31 CPU
43 ネットワーク
51 情報センタ
53 サーバ
f1〜f4、g1〜g3 渋滞矢印
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム及び情報提供方法のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0003】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて、前記地図データに従って現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示される。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置においては、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の道路交通情報センタから送信された現況の交通情報を取得し、該交通情報の渋滞情報に基づいて、交通状況である渋滞状況を、例えば、前記地図画面上の道路に沿って渋滞矢印で表示することができるようになっている。
【0005】
ところが、現況の交通情報を取得することができる地域は限られていて、すべての地域について、現況の交通情報を取得することができない。そこで、過去の交通情報に基づいて作成された統計交通情報をメモリに記録し、該メモリから読み出した統計交通情報の渋滞情報に基づいて、渋滞状況を前記地図画面上の道路に沿って渋滞マークで表示することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−113290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、現況の交通情報を取得することができる地域においても、統計交通情報の渋滞情報に基づいて渋滞マークが表示されるので、渋滞状況の信頼性がその分低くなってしまう。
【0007】
そこで、統計交通情報の渋滞情報に基づく渋滞状況だけでなく、現況の交通情報の渋滞情報に基づく渋滞状況を通知することが考えられるが、その場合、各渋滞情報に基づく渋滞状況が併せて通知されるので、地図画面上の道路、探索経路等が見づらくなり、地図画面の視認性が低くなってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、地図画面上に表示された交通状況の信頼性を高くすることができ、しかも、地図画面の視認性を高くすることができる情報提供システム及び情報提供方法のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の情報提供システムにおいては、地図データを取得する第1の情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段と、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段と、操作者による操作に基づいて前記渋滞情報を選択する情報選択処理手段と、選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の類型の渋滞情報から選択された渋滞情報に対応する交通状況指標が地図画面に表示されるので、交通状況の信頼性を高くすることができ、しかも、地図画面の視認性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示すブロック図、図2は本発明の第1の実施の形態における車速テーブルの例を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における渋滞度算出表の例を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるリンク所要時間テーブルの例を示す図である。
【0013】
図1において、14は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置14は、現在地を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、各種のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能し、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ18、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、方位センサ18、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。また、前記ナビゲーション処理部17には、車速検出部としての車速センサ41も接続される。
【0014】
前記GPSセンサ15は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてGPSセンサ15が使用されるが、該GPSセンサ15に代えて図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ18としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。
【0015】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータも記録される。また、前記地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれる。
【0016】
前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用される第1の記録媒体としてのRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録された第2の記録媒体としてのROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される第3の記録媒体としての図示されないフラッシュメモリを備える。なお、前記制御装置として、CPU31に代えてMPU等を使用することもできる。
【0017】
また、前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、第4の記録媒体として、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。なお、前記データ記録部16に第5の記録媒体としてのメモリカード等を使用することができる。
【0018】
ところで、前記ROM33に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部16に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、ナビゲーション処理部17に車両に搭載された図示されない自動変速機の制御を行うための自動変速機制御装置が接続されている場合には、該自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部38を介して前記プログラム、データ等を受信し、フラッシュメモリに書き込むこともできる。
【0019】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部38を作動させたりするためのものであり、前記操作部34として、表示部35とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0020】
前記表示部35としてディスプレイが使用される。そして、表示部35に形成された各種の画面に、現在地を表す自車位置、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部34、音声入力部36等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、FM多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【0021】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0022】
前記通信部38は、第1の情報提供者としてのVICS(登録商標)センタ等の道路交通情報センタから送信された各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、FM放送局を介してFM多重放送として受信するためのFM受信機等を備える。そして、前記ビーコンレシーバによって、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等の現況の交通情報を受信したり、前記FM受信機によって現況の交通情報のほかに、ニュース、天気予報等の一般情報をFM多重情報として受信したりすることができる。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0023】
また、通信部38は、第2の情報提供者としての情報センタ51から交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。そのために、前記通信部38と情報センタ51の通信部57とはネットワーク43を介して接続され、前記ナビゲーション装置14、道路交通情報センタ、情報センタ51、ネットワーク43等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0024】
前記ネットワーク43として、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信回線網等を使用することができる。
【0025】
前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備え、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。また、前記データベース58に前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータを記録することができる。なお、前記サーバ53及びナビゲーション処理部17によってコンピュータを構成することもできる。また、前記CPU54に代えてMPU等を使用することができる。
【0026】
ところで、本実施の形態においては、前記データ記録部16に、前記地図データベースのほかに、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに第1の実績データとしての統計データが、前記走行履歴データファイルに第2の実績データとしての走行履歴データが記録される。なお、前記統計データ及び走行履歴データによって交通情報の実績を表す実績交通情報が構成される。
【0027】
前記統計データは、過去に提供された交通情報の履歴を表す履歴情報であり、前記道路交通情報センタによって提供された交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサスによる交通量を表すデータ(以下「道路交通センサス情報」という。)を組み合わせて使用し、加工し、統計処理を施すことによって作成される。
【0028】
前記統計データのデータ項目は、過去に車両が走行した経路、すなわち、各走行経路を構成する各道路リンクLi(i=1、2、…、N)についてのリンク番号データ(ID)、上り/下りの別を表す方向フラグ、道路交通情報センタ等によって提供された交通情報であるか、又は前記道路交通センサス情報であるかを表す情報種別、所定のタイミングtごと、本実施の形態においては、15〔分〕が経過するごとの渋滞度KJi(t)(i=1、2、…、N)等である。なお、本実施の形態において、渋滞度KJi(t)は、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表し、道路リンクLi及び時間のマトリックスから成る図示されない渋滞度テーブルとして統計データベースに記録される。該統計データベースには、前記渋滞度KJi(t)が算出されたときに、各道路リンクLiについての道路種別に基づいて車速Kvi(t)(i=1、2、…、N)を算出することができるように、図2に示されるような車速テーブルが形成される。なお、本実施の形態において、道路種別は、高速道路、都市高速道路及び一般道路から成る。
【0029】
なお、前記統計データに、統計データに基づいて予測された予測情報等を加えることもできる。その場合、前記統計データを作成するに当たり、履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設の情報(デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無)等の詳細な条件が加えられる。
【0030】
また、走行履歴データは、車両の走行経路における走行実績を表すデータ、すなわち、走行データに基づいて算出される。そして、前記走行履歴データのデータ項目は、前記各道路リンクLiを走行したときの、所定の周期、本実施の形態においては、15〔分〕ごとの所要時間を表すリンク所要時間STi(t)(i=1、2、…、N)、各道路リンクLiを走行したときの、所定のタイミングtごと、本実施の形態においては、15〔分〕が経過するごとの渋滞度SJi(t)(i=1、2、…、N)等から成り、前記リンク所要時間STi(t)は、図4に示されるように、道路リンクLi及び参照用の時刻(以下「参照時刻」という。)のマトリックスから成るリンク所要時間テーブルとして走行履歴データベースに記録される。
【0031】
なお、前記リンク所要時間STi(t)は、過去の複数回の、本実施の形態においては、最大で5回の走行実績に基づいて算出されるようになっていて、各道路リンクLiについて蓄積された所要時間の数が1である場合、リンク所要時間STi(t)の算出は行われない。
【0032】
また、各道路リンクLiについて蓄積された所要時間の数が2である場合には、二つの所要時間τ1、τ2のほかに、前記統計データの渋滞度KJi(t)に基づいて算出される推定による所要時間τ3に基づいてリンク所要時間STi(t)を算出する。
【0033】
この場合、まず、各道路リンクLiについての道路種別を読み込み、次に、前記統計データベースの渋滞度テーブルを参照し、各道路リンクLiについての渋滞度KJi(t)を読み込む。続いて、図2に示される車速テーブルと同じ内容の車速表等を参照し、道路種別及び渋滞度KJi(t)に対応する車速Kvi(t)を算出し、各道路リンクLiのリンク長及び車速Kvi(t)に基づいて、所要時間τ3を算出する。このようにして、所要時間τ1〜τ3が算出されると、該所要時間τ1〜τ3のうちの中央値(メディアン)がリンク所要時間STi(t)とされる。なお、各道路リンクLiのリンク長は道路データから読み込むことができるが、走行履歴データのデータ構造として持たせることができる。
【0034】
さらに、各道路リンクLiについて蓄積された所要時間の数が3以上である場合、各所要時間τ1、τ2、…のうちの中央値がリンク所要時間STi(t)とされる。
【0035】
なお、前記渋滞度SJi(t)は、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表す。そして、前記各道路リンクLiのリンク長及びリンク所要時間STi(t)に基づいて、車速Svi(t)(i=1、2、…、N)が算出され、続いて、各道路リンクLiについての道路種別を読み込み、図3に示される渋滞度算出表を参照することによって、道路種別及び車速Svi(t)に対応する渋滞度SJi(t)が算出され、前記渋滞度KJi(t)と同様に道路リンクLi及び時間のマトリックスから成る図示されない渋滞度テーブルとして走行履歴データベースに記録される。
【0036】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0037】
まず、運転者によって前記操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された現在地、及び方位センサ18によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。なお、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0038】
続いて、CPU31の図示されない第1の情報取得処理手段は、第1の情報取得処理を行い、前記地図データをデータ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51から受信して取得する。なお、情報センタ51から取得する場合、前記第1の情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリ等にダウンロードする。また、地図データを通信部38を介して取得する際にプログラムを併せて取得することもできる。
【0039】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位を表示する。したがって、運転者は、表示された前記自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0040】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。
【0041】
そして、目的地が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地等を読み込み、現在地、目的地及び地図データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を探索する。なお、前記地図データを構成する各道路データによって表される各道路のうちの、細街路以外の道路は、経路探索及び経路案内の対象となる道路とされる。
【0042】
そして、前記CPU31の図示されない経路案内処理手段は、経路案内処理を行い、探索経路に従って運転者に経路案内を行う。そのために、前記経路案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記探索経路を構成する経路データを読み込み、該経路データに従って、前記地図画面に探索経路を表示する。
【0043】
なお、必要に応じて、前記経路案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部37から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0044】
ところで、前述されたように、前記ナビゲーション装置14は、前記通信部38を介して、道路交通情報センタから直接に、又は情報センタ51を介して間接的に現況の交通情報、一般情報等を受信することができるようになっている。そのために、前記CPU31の図示されない第2の情報取得処理手段は、第2の情報取得処理を行い、前記現況の交通情報、一般情報等を付加情報として受信して取得する。
【0045】
前記道路交通情報センタから受信する現況の交通情報は、情報の種別を表す情報種別、メッシュとしての2次メッシュを特定するための2次メッシュX、Y番号、道路リンクLiを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号データ、該リンク番号データに対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、例えば、該リンク情報が渋滞情報である場合、前記道路リンクLiの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度VJi(i=1、2、…、N)を表す渋滞度データ、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの渋滞長(距離)によって表す渋滞長データ等から成る。なお、前記渋滞度VJiは、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表す。
【0046】
また、前述されたように、データ記録部16には、統計データベース及び走行履歴データベースが形成され、統計データベースを構成する統計データファイルに、統計データとして渋滞度KJi(t)等が記録され、走行履歴データベースを構成する走行履歴データファイルに、走行履歴データとしてリンク所要時間STi(t)、渋滞度SJi(t)等が記録される。そして、前記第2の情報取得処理手段は、統計データ及び走行履歴データを前記データ記録部16から読み込むことによって取得する。
【0047】
このように、前記第2の情報取得処理手段は、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの複数の類型の渋滞情報を取得することができる。そこで、前記CPU31の図示されない交通情報表示処理手段は、交通情報表示処理を行い、例えば、渋滞度VJi等で表される取得された現況の交通情報の渋滞情報、渋滞度KJi(t)等で表される統計データの渋滞情報、及び渋滞度SJi(t)等で表される走行履歴データの渋滞情報のすべてを選択し、前記各渋滞情報に基づいて渋滞状況を表す交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、該渋滞矢印を前記地図画面上の道路に沿って表示するようにしている。なお、交通状況指標として渋滞帯を表示することができる。
【0048】
したがって、運転者は、車両を走行させる予定の経路、探索経路等における渋滞状況を知ることができる。なお、前記渋滞度VJi、KJi(t)、SJi(t)に応じて前記渋滞矢印の色が、赤、橙、青等にされ、例えば、渋滞である場合に赤に、混雑である場合に橙に、渋滞なしである場合に青にされる。また渋滞度VJi、KJi(t)、SJi(t)等に応じて渋滞矢印のパターンを異ならせて表示することができ、例えば、渋滞である場合にパターンが実線に、混雑である場合にパターンが破線にされる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、統計データは、道路交通情報センタによって提供された過去の交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサス情報から成るが、前記道路交通情報センタによって提供された過去の交通情報、及び前記道路交通センサス情報に代えて、国土交通省によって提供され、時刻と渋滞度等との関係を表すデータから成る道路時刻表情報、及び情報センタ51が複数の車両(自車又は他車)から収集した走行履歴データ、例えば、平均車速、渋滞長等のデータから成るプローブデータ等を使用することができる。
【0050】
ところで、車両を、道路交通情報センタによる現況の交通情報を受信することができる領域で走行させる場合は、現況の交通情報を利用することができ、前記道路交通情報センタ等による過去の交通情報、道路交通センサス情報等が提供される対象となる領域で走行させる場合は、統計データベースの統計データを利用することができ、2回以上の走行実績がある道路を含む領域で走行させる場合は、走行履歴データベースの走行履歴データを利用することができる。
【0051】
そこで、前記交通情報表示処理手段は、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報を任意に選択して渋滞矢印を作成、前記地図画面上の道路に沿って表示するようしている。
【0052】
図5は本発明の第1の実施の形態における情報選択処理手段の動作を示すフローチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第3の例を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における地図画面の第4の例を示す図である。
【0053】
前記地図画面においては、自車位置Prを含む周辺の地図が表示されるとともに、地図画面の周縁部に、地図の方位及びスケールを表示する領域AR1、詳細な地図を表示するためのキーk1、広域の地図を表示するためのキーk2、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの各渋滞情報を選択するためのキーk3、選択された渋滞情報の表示内容を表す領域AR2等が表示される。前記キーk1〜k3によって操作要素が構成される。
【0054】
前記経路探索処理手段による経路探索処理が終了し、経路案内処理が開始されたときに、操作者によってキーk3が押されると、前記情報選択処理手段は、表示された地図の縮尺が8万分の1以下であるかどうかを判断する。なお、前記地図の縮尺はキーk1、k2を押すことによって設定され、8万分の1を超える広域の地図画面においては、渋滞情報は表示されない。
【0055】
そして、表示された地図の縮尺が8万分の1以下である場合、前記交通情報表示処理手段の情報選択処理手段は、情報選択処理を行い、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データのすべての渋滞情報を選択し、これに伴って、前記交通情報表示処理手段の交通状況指標表示処理手段は、交通状況指標表示処理を行い、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データを読み込み、前記渋滞度VJi、KJi(t)、SJi(t)等に基づいて渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、地図画面に初期状態としての第1の表示状態を形成する。また、前記交通情報表示処理手段の内容表示処理手段は、内容表示処理を行い、前記領域AR2に、図6に示されるように、「全渋滞情報」と表示する。
【0056】
ところで、運転者が地図画面上でキーk3を押すたびに、前記情報選択処理手段は、すべての渋滞情報→現況の交通情報の渋滞情報→統計データの渋滞情報→走行履歴データの渋滞情報→すべての渋滞情報を順次選択する。これに伴って、前記交通状況指標表示処理手段は、地図画面に第1の表示状態→第2の表示状態→第3の表示状態→第4の表示状態→第1の表示状態を順次形成し、表示状態を変更する。
【0057】
すなわち、現況の交通情報の渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38(図1)を介して受信した現況の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第2の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR2に、図7に示されるように、「現況渋滞情報」と表示する。そして、統計データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から統計データを読み込み、渋滞度KJi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第3の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR2に、図8に示されるように、「統計渋滞情報」と表示する。さらに、走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から走行履歴データを読み込み、渋滞度SJi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第4の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR2に、図9に示されるように、「走行履歴渋滞情報」と表示する。
【0058】
このように、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの各渋滞情報を地図画面に表示することができるので、広範な領域で渋滞状況を知ることができる。
【0059】
また、過去の交通情報の渋滞情報だけでなく、現況の交通情報の渋滞情報を地図画面に表示することができるので、渋滞状況の信頼性を高くすることができる。
【0060】
さらに、地図画面に表示される渋滞情報を所定のものに限定することができるので、地図画面上の道路、探索経路等が見づらくなることがなく、地図画面の視認性を高くすることができる。
【0061】
なお、地図画面の第1の表示状態において、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報ごとに渋滞矢印の種類を異ならせたり、第3の表示状態において、過去の交通情報の渋滞情報と、道路交通センサス情報の交通情報の渋滞情報とで渋滞矢印の種類を異ならせたりすることができる。
【0062】
また、前記ナビゲーション装置14に代えて、情報センタ51において経路探索処理を行うこともできる。その場合、CPU31は現在地、目的地等を情報センタ51に送信する。該情報センタ51は、現在地、目的地を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を探索し、探索経路を表す経路データを出力する。続いて、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置14に送信する。したがって、前記ナビゲーション装置14において、前記第1の情報取得処理手段が情報センタ51からの経路データを受信すると、前記経路案内処理手段は、前述されたような経路案内を行う。
【0063】
このようにして、経路案内が行われ、運転者は探索経路に従って車両を走行させることができる。
【0064】
また、他の実施の形態においては、情報センタ51において、前記経路探索処理が行われた後に、情報選択処理等を行うことができる。その場合、データベース58によって地図データファイルから成る地図データベースが構成される。また、前記データベース58のほかに、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース、統計データファイルから成る統計データベース等がサーバ53と接続させて配設され、前記走行履歴データファイルに走行履歴データが、前記統計データファイルに統計データが記録される。その場合、車両の走行データは、ナビゲーション装置14から情報センタ51に送られる。
【0065】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 キーk3を押す。
ステップS2 地図の縮尺が8万分の1以下であるかどうかを判断する。地図の縮尺が8万分の1以下である場合はステップS3に、8万分の1より大きい場合は処理を終了する。
ステップS3 現在表示されている渋滞情報を特定する。
ステップS4 すべての渋滞情報が表示されているかどうかを判断する。すべての渋滞情報が表示されている場合はステップS5に、表示されていない場合はステップS6に進む。
ステップS5 現況の交通情報を読み込む。
ステップS6 現況の交通情報の渋滞情報が表示されているかどうかを判断する。現況の交通情報の渋滞情報が表示されている場合はステップS7に、表示されていない場合はステップS8に進む。
ステップS7 統計データを読み込む。
ステップS8 統計データの渋滞情報が表示されているかどうかを判断する。統計データの渋滞情報が表示されている場合はステップS9に、表示されていない場合はS10に進む。
ステップS9 走行履歴データを読み込む。
ステップS10 現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データを読み込む。
ステップS11 渋滞情報を表示し、処理を終了する。
【0066】
本実施の形態においては、地図画面に各渋滞情報を選択するためのキーk3が配設され、該キーk3を押すたびに各渋滞情報が逐次切り換えて表示されるようになっているが、渋滞情報一覧画面を形成し、該渋滞情報一覧画面に各渋滞情報のリストを表示することができる。その場合、運転者はリストの中から所望の渋滞情報を選択する。
【0067】
ところで、本実施の形態においては、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データから成る複数の類型の渋滞情報を表示するようになっているが、運転者が望む形態の渋滞情報を適切に表示するために、前記統計データを、道路交通センサス情報と、それ以外の道路交通情報センタ等によって提供された過去の交通情報(以下「センタ情報」という。)とに分割して表示することができる。また、走行履歴データを、自車の走行経路における走行実績を表すデータ、すなわち、自車走行履歴データと、他車の走行経路における走行実績を表すデータ、すなわち、他車走行履歴データとに分割して表示することができる。
【0068】
この場合、運転者が望む類型の渋滞情報を適宜選択することができるが、渋滞情報の類型が多くなるほど、地図画面においてキーk3を押す回数が多くなり、表示状態を変更するための作業が煩わしくなる。
【0069】
また、所定の表示状態において、渋滞情報の量が少ない場合には、地図画面に表示される渋滞矢印の数が少なくなるにもかかわらず、次の表示状態が形成されるまで運転者は前記地図画面を見続ける必要があり、必要な渋滞情報を得られるようになるまでの時間が長くなり、操作性が低下してしまう。
【0070】
そこで、必要な渋滞情報を得られるようになるまでの時間を短くすることができ、操作性を向上させることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0071】
図10は本発明の第2の実施の形態における地図画面の例を示す図、図11は本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第1の図、図12は本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第2の図である。
【0072】
この場合、地図画面に、自車位置Prを含む周辺の地図が表示されるとともに、地図画面の周縁部に、地図の方位及びスケールを表示する領域AR1、詳細な地図を表示するためのキーk1、広域の地図を表示するためのキーk2、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データの各渋滞情報を選択するためのアップ(UP)キーk4及びダウン(DOWN)キーk5、選択された渋滞情報の表示内容を表す領域AR3等が表示される。前記キーk1、k2、k4、k5によって操作要素が構成される。なお、アップキーk4及びダウンキーk5によってアップ・ダウンキーが構成される。
【0073】
また、本実施の形態においては、前記データ記録部16(図1)に、前記地図データベースのほかに、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに、第1の実績データとしてのセンタ情報及び道路交通センサス情報が、前記走行履歴データファイルに第2の実績データとしての自車走行履歴データ及び他車走行履歴データが記録される。そして、センタ情報に渋滞度KJai(t)(i=1、2、…、N)が、道路交通センサス情報に渋滞度KJbi(t)(i=1、2、…、N)が、自車走行履歴データに渋滞度SJai(t)(i=1、2、…、N)が、他車走行履歴データに渋滞度SJbi(t)(i=1、2、…、N)が含まれる。なお、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データによって交通情報の実績を表す実績交通情報が構成される。本実施の形態においては、前記VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)は、交通状況である渋滞状況を、渋滞、混雑及び渋滞なしの渋滞の度合いで表す。
【0074】
そして、前記情報選択処理手段は、表示された地図の縮尺が8万分の1以下であるかどうかを判断し、8万分の1以下である場合、現況の交通情報、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データのすべての渋滞情報を選択する。そして、前記交通状況指標表示処理手段は、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データを読み込み、前記渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)等に基づいて交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、初期状態としての第1の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、図10に示されるように、地図画面上の所定の箇所、本実施の形態においては、下端部に前記領域AR3を形成し、「全渋滞情報」と表示する。
【0075】
そして、前記CPU31の図示されない情報判定処理手段は、情報判定処理を行い、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データの渋滞情報の量が多いかどうかによって表示条件が成立したかどうかを判断する。そのために、前記情報判定処理手段は、例えば、前記地図画面上の渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)が渋滞又は混雑である渋滞箇所の数が閾値以上であるかどうかを判断し、閾値以上である場合、渋滞情報の量が多いと判断し、表示条件が成立したと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを1に設定し、渋滞箇所の数が閾値より小さい場合、渋滞情報の量が少ないと判断し、表示条件が成立しないと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを零(0)に設定する。なお、前記閾値は1以上の数とする。
【0076】
そして、運転者が地図画面上でアップキーk4を押すたびに、前記情報選択処理手段は、すべての渋滞情報→現況の交通情報の渋滞情報→センタ情報→道路交通センサス情報→自車走行履歴データの渋滞情報→他車走行履歴データの渋滞情報→すべての渋滞情報を順次選択し、交通状況指標表示処理手段は、地図画面に第1の表示状態→第2の表示状態→第3の表示状態→第4の表示状態→第5の表示状態→第6の表示状態→第1の表示状態を順次形成し、表示状態を変更する。また、運転者がダウンキーk5を押すたびに、前記情報選択処理手段は一つ前の渋滞情報を選択し、交通状況指標表示手段は、一つ前の表示状態を形成する。この場合、前記情報選択処理手段は、各渋滞情報について前記フラグを読み込み、該フラグが1である場合、その渋滞情報について選択し、フラグが零である場合、その渋滞情報を選択しない。したがって、選択されない渋滞情報については、表示状態がスキップされ、形成されない。
【0077】
そして、現況の交通情報の渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38を介して受信した現況の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第2の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「現況渋滞情報」と表示する。そして、前記センタ情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16からセンタ渋滞データを読み込み、渋滞度KJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第3の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「センタ情報」と表示する。さらに、前記道路交通センサス情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から道路交通センサス渋滞データを読み込み、渋滞度KJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第4の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「道路交通センサス情報」と表示する。そして、自車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から自車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第5の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「自車走行履歴情報」と表示する。さらに、他車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から他車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第6の表示状態を形成する。また、前記内容表示処理手段は、前記領域AR3に、「他車走行履歴情報」と表示する。
【0078】
そして、各渋滞情報について表示条件が成立した場合、図11に示されるような順序で各渋滞情報が選択され、各渋滞情報の表示状態が形成され、所定の渋滞情報、例えば、他車走行履歴データについて表示条件が成立しない場合、図12に示されるような順序で各渋滞情報の表示状態が形成され、他車走行履歴データの渋滞情報については表示状態が形成されない。
【0079】
このように、表示条件が成立しない渋滞情報については、表示状態を形成しないので、地図画面においてアップキーk4及びダウンキーk5を押す回数をその分少なくすることができ、表示状態を変更するための作業を簡素化することができる。
【0080】
また、所定の表示状態において、渋滞情報の量が少ない場合には、表示状態がスキップされ、形成されないので、必要な渋滞情報を得られるようになるまでの時間を短くすることができ、操作性を向上させることができる。
【0081】
なお、アップ・ダウンキーに代えて、ネクスト・バックキーを使用したり、ロータリスイッチを使用したりすることができる。
【0082】
次に、表示選択キーを押すことによって表示状態を変更することができるようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0083】
図13は本発明の第3の実施の形態における地図画面の例を示す図である。
【0084】
この場合、地図画面上の所定の箇所に、本実施の形態においては、下端部に、渋滞情報を選択するための表示選択キーk11〜k15が形成される。前記表示選択キーk11は現況の交通情報の渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk12はセンタ情報を選択する際に、表示選択キーk13は道路交通センサス情報を選択する際に、表示選択キーk14は自車走行履歴データの渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk15は他車走行履歴データの渋滞情報を選択する際に押される。
【0085】
そして、前記情報判定処理手段は、情報判定処理を行い、現況の交通情報、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データの渋滞情報の量が少ないかどうかを判断する。そのために、前記情報判定処理手段は、例えば、地図画面上の交通状況である渋滞状況を渋滞の度合で表す渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)が渋滞又は混雑である渋滞箇所の数が閾値以上であるかどうかによって表示条件が成立したかどうかを判断し、渋滞箇所の数が閾値以上であり、表示条件が成立した場合、渋滞情報の量が多いと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを1に設定し、表示条件が成立しない場合、渋滞情報の量が少ないと判断し、対応する渋滞情報についてフラグを零に設定する。なお、前記閾値は1以上の数とする。
【0086】
そして、表示選択キーk11が押され、現況の交通情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、現況の交通情報の渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38(図1)を介して受信した現況の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第1の実施の形態と同様の第2の表示状態を形成する。また、表示選択キーk12が押され、前記センタ情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、センタ情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16からセンタ渋滞データを読み込み、渋滞度KJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第3の表示状態を形成する。さらに、表示選択キーk13が押され、前記道路交通センサス情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、道路交通センサス情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から道路交通センサス渋滞データを読み込み、渋滞度KJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第4の表示状態を形成する。また、表示選択キーk14が押され、自車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、自車走行履歴データの渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から自車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJai(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第5の表示状態を形成する。さらに、表示選択キーk15が押され、他車走行履歴データの渋滞情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、フラグが1である場合、他車走行履歴データの渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、データ記録部16から他車走行履歴データを読み込み、渋滞度SJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第6の表示状態を形成する。
【0087】
なお、前記表示選択キーk11〜k15のうちの二つ以上の表示選択キーを押すことができる。例えば、すべての表示選択キーk11〜k15が押され、現況の交通情報、前記センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データのすべての渋滞情報が選択されると、前記情報選択処理手段は、各渋滞情報のフラグが1である場合、すべての渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38を介して受信した現況の交通情報を読み込み、データ記録部16からセンタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データを読み出し、渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)等に基づいて、渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示し、第1の表示状態を形成する。
【0088】
ところで、前記渋滞情報の量が少ないにもかかわらず、運転者が所定の渋滞情報を選択することがないように、前記交通情報表示処理手段は、前記表示選択キーk11〜k15のうち、前記フラグが0である渋滞情報に対応する表示選択キーをオフトーンにする。この場合、運転者がオフトーンにされた表示選択キーを押しても、前記情報選択処理手段は、対応する渋滞情報を選択しない。
【0089】
このように、地図画面に渋滞情報を選択するための表示選択キーk11〜k15が形成されるので、所望の表示状態が形成されるまでキーを押し続ける必要がない。したがって、表示状態を変更するための作業を簡素化することができる。
【0090】
ところで、前記各実施の形態においては、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報を選択して表示するようになっているが、他の実施の形態においては、現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データの渋滞情報に加えて、所定の時間後の予測交通情報を選択し、渋滞情報として表示することもできる。前記予測交通情報は、例えば、現在から30分後の予測された交通情報であり、現況の交通情報に基づいて予測された予測交通情報、現況の交通情報及び統計データに基づいて予測された予測交通情報等から成る。
【0091】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0092】
図14は本発明の第4の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図、図15は本発明の第4の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【0093】
この場合、図14に示されるように、地図画面上の所定の箇所に、本実施の形態においては、下端部に、渋滞情報を選択するための表示選択キーk21〜k23が形成される。前記表示選択キーk21は統計データ及び走行履歴データから成る過去の交通情報の渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk22は現況の交通情報の渋滞情報を選択する際に、表示選択キーk23は、現況の交通情報に基づく予測交通情報、又は現況の交通情報及び統計データに基づく予測交通情報を選択する際に押される。
【0094】
また、図15に示されるように、過去の交通情報、現況の交通情報及び予測交通情報の各渋滞情報を選択するためのアップキーk4及びダウンキーk5、選択された渋滞情報の表示内容を表す領域AR3等を表示することもできる。
【0095】
なお、前記第1、第2及び第4の実施の形態においては、キーk3、アップキーk4及びダウンキーk5を押すことによって、表示状態を変更するようになっているが、他の実施の形態においては、所定の時間が経過するごとに自動的に表示状態を切り替えて変更することができる。そのために、前記情報選択処理手段は、図示されないタイマを計時し、あらかじめ設定された時間が経過するごとに、各表示状態を順次変更する。
【0096】
また、前記各実施の形態においては、キーk3、アップキーk4、ダウンキーk5、表示選択キーk11〜k15及びk21〜k23を押すことによって、表示状態を変更するようになっているが、他の実施の形態においては、運転者の音声によって表示状態を変更することができる。その場合、運転者が音声入力部36(図1)によって、「次」、「アップ」等の音声で表示状態を変更する旨の指示を入力すると、CPU31の図示されない交通情報通知処理手段は、交通情報通知処理を行い、各表示状態を順次変更し、音声出力部37によって、例えば、「全渋滞情報」、「現況渋滞情報」等のように音声で出力し、運転者に報知する。
【0097】
ところで、前記第4の実施の形態においては、表示選択キーk21〜k23を押すことによって、過去の交通情報、現況の交通情報及び予測交通情報の各渋滞情報を選択することができるようになっているが、各渋滞情報を比較することができない。例えば、現況の交通情報、過去の交通情報及び予測交通情報の渋滞度が同じであるかどうか、また、現況の交通情報の渋滞度が1週間前の渋滞度、2週間前の渋滞度、又は来週の予測される渋滞度と同じであるか等を判断することができない。したがって、過去の交通情報、予測交通情報等の渋滞情報に基づいて、現況の交通情報の渋滞情報を評価したり、渋滞情報の推移を推定したりすることは困難である。
【0098】
そこで、各渋滞情報を比較することができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0099】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0100】
図16は本発明の第5の実施の形態における交通情報の表示設定画面の例を示す図、図17は本発明の第5の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図、図18は本発明の第5の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【0101】
この場合、一つの渋滞箇所に現況の交通情報及び過去の交通情報から成る複数の類型の渋滞情報がある場合、各渋滞箇所ごとに、現況の交通情報及び過去の交通情報の渋滞情報を地図画面に併せて表示することができるようになっている。そのために、図16に示される表示設定画面において、運転者は地図画面に表示させたい渋滞情報を選択することができるようになっている。
【0102】
前記表示設定画面上に、現況の交通情報の渋滞情報を選択するために表示選択キーk31〜k33が、過去の交通情報の渋滞情報を選択するために表示選択キーk34〜k36が形成される。そして、前記表示選択キーk31、k34は渋滞度のうちの渋滞及び混雑を、交通状況指標としての渋滞矢印で表示するためのものであり、前記表示選択キーk32、k35は渋滞度のうちの渋滞なしを渋滞矢印で表示するためのものであり、前記表示選択キーk33、k36は規制情報を表示するためのものである。
【0103】
表示選択キーk31〜k35が押され、表示選択キーk36が押されないと、前記交通情報表示処理手段は、図16に示されるように、表示選択キーk36をオフトーンにする。続いて、前記情報選択処理手段は、現況の交通情報の渋滞情報及び過去の交通情報の渋滞情報を選択し、前記交通状況指標表示処理手段は、通信部38(図1)を介して受信した現況の交通情報及び過去の交通情報を読み込み、渋滞度VJi等に基づいて現況の交通情報について交通状況指標としての渋滞矢印f1を、渋滞度KJi(t)、SJi(t)等に基づいて過去の交通情報について交通状況指標としての渋滞矢印f2を作成し、地図画面の道路に沿って隣接させて表示する。そして、各渋滞矢印f1、f2は、色、太さ、線の種類等によって、渋滞、混雑及び渋滞なしの各渋滞度を区別することができるように表示される。この場合、仮に、渋滞矢印f1が渋滞を、渋滞矢印f2が渋滞なしを表している場合、通常は渋滞が発生しないが、現在は渋滞が発生していることが分かる。
【0104】
なお、図18に示されるように、現況の交通情報の渋滞情報について渋滞矢印f1を作成し、過去の交通情報の渋滞情報について渋滞矢印f2〜f4を作成し、例えば、1週間前の渋滞度を渋滞矢印f2で、2週間前の渋滞度を渋滞矢印f3で、3週間前の渋滞度を渋滞矢印f4で表すことができる。この場合、仮に、渋滞矢印f1、f3が渋滞を、渋滞矢印f2、f4が渋滞なしを表している場合、渋滞の発生状況が安定していないことが分かる。
【0105】
このように、本実施の形態においては、現況の交通情報及び過去の交通情報の渋滞情報を同じ地図画面上で併せて表示することができるので、過去の交通情報の渋滞情報に基づいて、容易に現況の交通情報の渋滞情報を評価したり、渋滞情報の推移を推定したりすることができる。
【0106】
本実施の形態においては、現況の交通情報及び過去の交通情報の渋滞情報を併せて表示するようになっているが、他の実施の形態においては、現況の交通情報及び予測交通情報の渋滞情報を併せて表示したり、現況の交通情報、過去の交通情報及び予測交通情報の渋滞情報を併せて表示したりすることができる。
【0107】
さらに、例えば、自車位置が現況の交通情報の提供エリア外にある場合、現況の交通情報の渋滞情報を表示することなく、過去の交通情報及び予測交通情報の渋滞情報だけを併せて表示することもできる。
【0108】
また、本実施の形態においては、交通状況指標として渋滞矢印を表示するようになっているが、他の実施の形態においては、道路に沿った所定の箇所において、複数の渋滞矢印を時間が経過するのに従って順次表示してアニメーション表示を行うことができる。
【0109】
ところで、例えば、第2の実施の形態においては、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データのすべての渋滞情報を選択すると、交通状況指標表示処理手段は、現況の交通情報、センタ情報、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ及び他車走行履歴データを読み込み、前記渋滞度VJi、KJai(t)、KJbi(t)、SJai(t)、SJbi(t)等に基づいて交通状況指標としての渋滞矢印を作成し、地図画面の道路に沿って表示するようになっている。
【0110】
この場合、道路交通センサス情報、自車走行履歴データ、他車走行履歴データ等のようなデータ記録部16にあらかじめ記録された情報、すなわち、記録情報については、交通状況指標表示処理手段によって直ちに読み出すことができるので、渋滞矢印を作成し、地図画面に表示するのに必要な時間が短い。これに対して、現況の交通情報、センタ情報等のような道路交通情報センタ、情報センタ51等から送信され、通信部38によって受信された情報、すなわち、受信情報については、受信が終了するまで、交通状況指標表示処理手段によって渋滞矢印の作成を開始することができない。したがって、渋滞矢印を地図画面に表示するのに必要な時間は長くなってしまう。
【0111】
そこで、電源スイッチがオンにされた直後は、記録情報の渋滞情報に従って渋滞矢印を作成し、地図画面に表示し、その後、受信情報の渋滞情報に従って渋滞矢印を作成し、地図画面に表示するようにした本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0112】
図19は本発明の第6の実施の形態における電源がオンにされた直後の地図画面の例を示す図、図20は本発明の第6の実施の形態におけるその後の地図画面の例を示す図である。
【0113】
図において、Prは自車位置、g1、g2は電源スイッチがオンにされた直後に、記録情報の渋滞情報に従って先に作成され、表示された交通状況指標としての渋滞矢印、g3は受信情報の渋滞情報に従って後で作成され、表示された渋滞矢印であり、該渋滞矢印g3は前記渋滞矢印g2に上書きされて表示される。
【0114】
この場合、電源スイッチがオンにされた直後であっても、記録情報の渋滞情報に従って渋滞矢印g1、g2が作成され、表示されるので、電源スイッチがオンにされた直後に、交通状況である渋滞状況を直ちに知ることができ、渋滞状況に従って車両を走行させることができる。
【0115】
また、その後、受信情報の渋滞情報に従って作成された渋滞矢印g3が上書きされるので、渋滞情報の信頼性を向上させることができる。
【0116】
前記各実施の形態においては、本発明を、ナビゲーション装置14に適用した例について説明しているが、ナビゲーション装置14に代えてパソコン、携帯電話等の端末装置に適用することができる。
【0117】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における車速テーブルの例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における渋滞度算出表の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるリンク所要時間テーブルの例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における情報選択処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第3の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における地図画面の第4の例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における地図画面の例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第1の図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における表示状態の切替えの例を示す第2の図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における地図画面の例を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態における交通情報の表示設定画面の例を示す図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態における地図画面の第1の例を示す図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態における地図画面の第2の例を示す図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態における電源がオンにされた直後の地図画面の例を示す図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態におけるその後の地図画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
14 ナビゲーション装置
17 ナビゲーション処理部
31 CPU
43 ネットワーク
51 情報センタ
53 サーバ
f1〜f4、g1〜g3 渋滞矢印
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを取得する第1の情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段と、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段と、操作者による操作に基づいて前記各渋滞情報を選択する情報選択処理手段と、選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段とを有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記渋滞情報は、現況の交通情報、過去の交通情報、及び現況の交通情報に基づいて予測された予測交通情報から成る請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記渋滞情報は、現況の交通情報、過去の交通情報に基づいて作成された統計データ、及び車両の走行実績に基づいて作成された走行履歴データから成る請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記渋滞情報は、現況の交通情報、及び過去の交通情報に基づいて作成された統計データに基づいて予測された予測交通情報である請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報選択処理手段は、現況の交通情報、過去の交通情報に基づいて作成された統計データ、及び車両の走行実績に基づいて作成された走行履歴データのすべての渋滞情報を選択するか、又は現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データのうちのいずれかを選択する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記渋滞情報に基づいて、表示条件が成立するかどうかを判断する情報判定処理手段を有するとともに、前記情報選択処理手段は、表示条件が成立した渋滞情報を選択する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記交通状況指標表示処理手段は、一つの渋滞箇所について複数の類型の渋滞情報がある場合、各渋滞情報ごとに交通状況指標を作成し、各交通状況指標を表示する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記交通状況指標表示処理手段は、各交通状況指標を隣接させて表示する請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記交通状況指標表示処理手段は、各交通状況指標を順次表示する請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記交通状況指標表示処理手段は、先に作成された交通状況指標に重ねて、後に作成された交通状況指標を上書きする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項11】
コンピュータを、地図データを取得する第1の情報取得処理手段、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段、操作者による操作に基づいて、各渋滞情報を選択する情報選択処理手段、及び選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段として機能させることを特徴とする情報提供方法のプログラム。
【請求項1】
地図データを取得する第1の情報取得処理手段と、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段と、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段と、操作者による操作に基づいて前記各渋滞情報を選択する情報選択処理手段と、選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段とを有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記渋滞情報は、現況の交通情報、過去の交通情報、及び現況の交通情報に基づいて予測された予測交通情報から成る請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記渋滞情報は、現況の交通情報、過去の交通情報に基づいて作成された統計データ、及び車両の走行実績に基づいて作成された走行履歴データから成る請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記渋滞情報は、現況の交通情報、及び過去の交通情報に基づいて作成された統計データに基づいて予測された予測交通情報である請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報選択処理手段は、現況の交通情報、過去の交通情報に基づいて作成された統計データ、及び車両の走行実績に基づいて作成された走行履歴データのすべての渋滞情報を選択するか、又は現況の交通情報、統計データ及び走行履歴データのうちのいずれかを選択する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記渋滞情報に基づいて、表示条件が成立するかどうかを判断する情報判定処理手段を有するとともに、前記情報選択処理手段は、表示条件が成立した渋滞情報を選択する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記交通状況指標表示処理手段は、一つの渋滞箇所について複数の類型の渋滞情報がある場合、各渋滞情報ごとに交通状況指標を作成し、各交通状況指標を表示する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記交通状況指標表示処理手段は、各交通状況指標を隣接させて表示する請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記交通状況指標表示処理手段は、各交通状況指標を順次表示する請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記交通状況指標表示処理手段は、先に作成された交通状況指標に重ねて、後に作成された交通状況指標を上書きする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項11】
コンピュータを、地図データを取得する第1の情報取得処理手段、前記地図データに基づいて地図画面に地図を表示する表示処理手段、複数の類型の渋滞情報を取得する第2の情報取得処理手段、操作者による操作に基づいて、各渋滞情報を選択する情報選択処理手段、及び選択された渋滞情報に対応する交通状況指標を前記地図画面に表示する交通状況指標表示処理手段として機能させることを特徴とする情報提供方法のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−133209(P2006−133209A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98372(P2005−98372)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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