説明

検査装置

【課題】ワークを保持部などの保持機構で保持した状態であっても、誤認識なくワークの良否判定を行う。
【解決手段】検査装置1では、ワーク2を照明する円環状の光源部33を有する照明部3と、ワーク2を撮影する撮影部4とが設けられ、ワーク2を保持する保持部5が、照明部3と撮影部4との間に固定もしくは移動可能に配され、照明部3の光源部33からワーク2に照射した光の照射方向上から外れた位置に、撮影部4が配されている。そして、ワーク2に異物を含む不確定な物がある場合、光源部33からワーク2に照明した光は、異物を含む不確定な物によりその光路が変更されて撮影部4にて撮影される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象となるワークの検査を行う検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検査対象となるワークの外観検査を行う場合、目視によりそのワークの良否判定を行なっていた。そのため、作業者の熟練度によって目視による良否判定の基準が変わってしまい、ワークの良否判断にバラツキが生じていた。
そこで、現在、画像処理技術の進歩により、ワークを撮影し、撮影された画像を解析することによりワークの良否を判定する検査装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の検査装置は、ワーク表面に傷、ゴミ、又は汚れ等があるか否かを検査する装置であり、ワーク表面に光を照明し反射させて撮影部でその反射した光を撮影する。
【0004】
具体的に、特許文献1に記載の検査装置によれば、ワーク表面上において傷等がない部位では光が反射し、傷等がある部位では光が乱反射する。したがって、一定の照明下でワークの撮影を行うと、傷等がある部位と、傷等がない部位とで、ワーク表面の明るさが異なって撮影され、この明るさの違いによりワークの良否判定を行う。
【特許文献1】特開2005−201880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した特許文献1に記載の検査装置では、光を反射させて撮影部でその反射した光を撮影するため、撮影部ではワーク表面の反射光だけでなく、ワークを保持固定する保持部で反射した光も撮影される。
【0006】
そのため、保持部で反射した光もワークの良否判定の光量に影響し、保持部で反射した光をワーク表面で乱反射した光と誤認識する。
【0007】
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、ワークを保持部などの保持機構で保持した状態であっても、誤認識なくワークの良否判定を行う検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる検査装置は、検査対象となるワークを検査する検査装置において、ワークを照明する円環状の光源部を有する照明部と、ワークを撮影する撮影部とが設けられ、ワークを保持する保持部が、前記照明部と撮影部との間に固定もしくは移動可能に配され、前記照明部の前記光源部からワークに照射した光の照射方向上から外れた位置に、前記撮影部が配され、ワークに不確定な物(異物を含む)がある場合、前記光源部からワークに照射した光は、不確定な物(異物を含む)によりその光路が変更されて前記撮影部にて撮影されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ワークを保持部などの保持機構で保持した状態であっても、誤認識なくワークの良否判定を行うことが可能となる。特に、本発明によれば、前記撮影部と前記照明部とが前記保持部に保持したワークを介して配されているので、前記保持部に保持したワークを基準に、ワークに対して同一方向(同一側の位置)に前記撮影部と前記照明部とが設けられていない。そのため、ワークに照射した光の反射光や、ワークを保持する前記保持部で反射した反射光が、前記撮影部で撮影されることなく、ワークに付着したもしくは形成された全ての異物(傷やゴミやしみなど)を含む不確定な物を発見することが可能となる。また、本発明によれば、前記保持部に保持したワークを基準に、ワークに対して同一方向(同一側の位置)に前記撮影部と前記照明部とが設けられていないため、前記照明部からの照明により前記保持部が白く光るのを防止することが可能となり、この保持部の白発光による異物との誤認識を防止することが可能となる。
【0010】
前記構成において、前記撮影部は、赤色より短い波長の光の撮影を対象としてもよい。
【0011】
この場合、赤色のように波長が長いことで前記撮影部による撮影画像の異物の輪郭が曖昧になる(ぼやける)のを抑制して、異物を明確に前記撮影部により撮影することが可能となる。
【0012】
前記構成において、異物の判別について、不確定な物がワークに存在し、その不確定な物が長径20μm以上の場合、不確定な物を異物と判別してもよい。
【0013】
この場合、画素による異物判別ではなく不確定な物の寸法により異物を判別することで、異物の判別の精度を高めることが可能となる。
【0014】
前記構成において、前記光源部は、前記保持部に保持したワークに対して角度を有した指向性の光を照射してもよい。
【0015】
この場合、前記照明部からの光が前記撮影部に直接照射することはなくワークに光を当ててもワーク自体を光らせるものでない。そのため、ワークに異物を含む不確定な物が存在する場合のみ、異物を含む不確定な物を光らせることが可能となり、異物の確認を容易に行うことが可能となる。
【0016】
前記構成において、前記照明部は貫通孔を有する筒状体からなり、前記照明部の、前記撮影部が配された側と対向する反対側の位置に、ワークに対して傾斜して配された防止板が設けられ、前記貫通孔を介して、前記撮影部と前記防止板とが対面してもよい。
【0017】
この場合、ワークに照射してワークで反射した光が前記撮影部に撮影されるのを防ぐことが可能となる。
【0018】
前記構成において、前記防止板は、黒板であってもよい。
【0019】
この場合、前記撮影部における撮影エリア(視野)を黒にすることが可能となる。
【0020】
前記構成において、前記撮影部での撮影はモノクロ撮影であり、前記撮影部は単波長の光の撮影を対象としてもよい。
【0021】
この場合、モノクロ撮影であっても、異物を含む不確定な物の寸法を明確にすることが可能となり、設備コストを低減させることが可能となる。
【0022】
前記構成において、前記光源部は、LEDからなってもよい。
【0023】
この場合、照明寿命が長く、出力の低下がなく、安定した照明を行うことが可能となる。
【0024】
前記構成において、前記光源部は、ハロゲンからなり、前記照明部もしくは前記撮影部の少なくともいずれか一方に、前記光源からの光を赤より短い波長の光に選別する(フィルタリングする)フィルタが設けられてもよい。
【0025】
この場合、可視光線を発するハロゲンであっても、異物を含む不確定な物の外形を明確にすることが可能となる。さらに、可視光線のうち赤色のように波長が長いことで前記撮影部による撮影画像の異物の輪郭が曖昧になる(ぼやける)のを抑制して、異物を明確に前記撮影部により撮影することが可能となる。
【0026】
前記構成において、前記照明部には、前記光源部から照射する光の照射方向前面に、光の照射を拡散する拡散フィルタが設けられてもよい。
【0027】
この場合、前記拡散フィルタが設けられるので、ワークに異物を含む不確定な物がある場合、その不確定な物への光の照射によるギラツキを抑えることができ、その結果、不確定な物の外形(輪郭)を明瞭にすることが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明にかかる検査装置によれば、ワークを保持部などの保持機構で保持した状態であっても、誤認識なくワークの良否判定を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施例では、検査対象となるワークとして光学部品であるフィルタに本発明を適用した場合を示す。
【実施例】
【0030】
本実施例にかかる検査装置1は、透過方式を採用しており、検査対象となるワークに異物があるか否かの検査を行うものである。
【0031】
具体的に、検査装置1には、図1に示すように、ワーク2を照明する照明部3と、ワーク2を撮影する撮影部4と、ワーク2を保持する保持部5とが設けられ、撮影部4に情報処理装置6が有線にて接続されている。
【0032】
照明部3は、図1,2に示すように、貫通孔31を有する筒状体からなり、貫通孔31のうち、その内壁面32の平面視上方部分が、平面視下方に向けて勾配を有するテーパー状に成形されている。このテーパー成形された内壁面32の平面視上方部分には、平面視円環状の光源部33が設けられ、光源部33は、複数のLEDが上下2段複数列に配されて構成される。また、複数のLEDは、それぞれテーパー成形された傾斜角度に対して垂直方向に光を照射する(図1の一点鎖線方向への照射)。すなわち、光源部33は、保持部5に保持したワーク2に対して角度を有した指向性(図1の一点鎖線方向)の光を照射する。
【0033】
また、この照明部3には、その光源部33から照射する光の照射方向前面であって、テーパー状に成形された内壁面32の平面視上部分と面するように、光の照射を拡散する拡散フィルタ34が設けられている(取り付けられている)。この拡散フィルタ34は、平面視外周縁と平面視内周縁を有する円盤状体からなる。このように、拡散フィルタ34が取り付けられることで、ワーク2に異物を含む不確定な物がある場合、その不確定な物への光の照射によるギラツキを抑えることができ、その結果、不確定な物の外形(輪郭)を明瞭にすることができる。
【0034】
撮影部4は、モノクロ撮影を行うカメラが設けられ、このカメラはシームレスズームレンズを用いている。そして、この撮影部4は、赤色より短い波長の光の撮影を対象とし、特に単波長の光の撮影を対象とすることが望まれる。なお、本実施例では青色の単波長の光を撮影の対象としている。
【0035】
保持部5は、検査装置1に固定され、照明部3と撮影部4との間に配されている。この保持部5は、ワーク2をその側面を圧接することでワーク2を固定保持するものである。
【0036】
情報処理装置6では、撮影部4で撮影した画像を演算処理し、ワーク2に異物があるか否かの検査を行うだけでなく、ワーク2に何か物(不確定な物)が写っている場合、この不確定な物が予め設定した寸法以上であるか否かを計測し、この計測の結果、予め設定した寸法以上である場合、この不確定な物を異物として判別し、判別された異物を付着もしくは形成したワーク2を不良品と判別する。なお、本実施例では、異物と判別する基準の寸法を、長径20μm以上とし、長径20μm以上と計測した場合、その不確定な物を異物と判別する。
【0037】
上記した検査装置1では、保持部5に保持したワーク2が照明部3と撮影部4との間に配されている。また、照明部3の光源部33からワーク2に照射した光の照射方向から外れた位置に、撮影部4が配されている。
【0038】
また、検査装置1には、照明部3の、平面視下方に、ワーク2を保持した保持部5に対して傾斜して(具体的に、本実施例では約45度傾斜して)配された防止板7が設けられている。すなわち、この防止板7は、照明部3の撮影部4が配された側と対向する反対側の位置に設けられている。この防止板7は、光沢のある黒板からなり、照明部3の貫通孔31を介して撮影部4と対面する。この防止板7によれば、ワーク2やワーク2を保持する保持部5において反射した光(図1の二点鎖線方向)を撮影部4以外の方向に導く(反射させる)。
【0039】
上記した構成を有する検査装置1では、保持部5に保持されたワーク2に異物を含む不確定な物がある場合、光源部33からワーク2に照射(照明)した光は、異物を含む不確定な物によりその光路が変更されて撮影部4にて撮影され、それ以外の光は、撮影部4に照射することなく撮影部4のカメラに写らない。ここでいう光路の変更とは、光が異物を含む不確定な物により屈折したり、反射したりすることをいう。
【0040】
なお、上記した検査装置1では、撮影部4(カメラのレンズ端面)からワークまでの最短距離が90mmに設定され、ワーク2から照明部3の光源部33までの最短距離が30mmに設定されている。この設定は、異物を含む不確定な物がないワーク2を介した照明部3の光源部33からの光の照明方向(射出方向)に、撮影部4のカメラが存在しない設定であり、この数値は本実施例に限るものであり、本設定に限定されるものではない。すなわち、異物を含む不確定な物がないワーク2に、照明部3の光源部33からの光を照明した場合、撮影部4のカメラに光が入らない設定であればよい。
【0041】
上記したように、本実施例にかかる検査装置1によれば、ワーク2を保持部5などの保持機構で保持した状態であっても、誤認識なくワーク2の良否判定を行うことができる。
【0042】
特に、本実施例によれば、撮影部4と照明部3とが保持部5に保持したワーク2を介して配されているので、保持部5に保持したワーク2を基準に、ワーク2に対して同一方向(同一側の位置)に撮影部4と照明部3とが設けられていない。そのため、ワーク2に照射した光の反射光(図1のニ点鎖線方向)や、ワーク2を保持する保持部5で反射した反射光が、撮影部4で撮影されることなく、ワーク2に付着したもしくは形成された全ての異物(傷やゴミやしみなど)を含む不確定な物を発見することができる。
【0043】
また、本実施例によれば、保持部5に保持したワーク2を基準に、ワーク2に対して同一方向(同一側の位置)に撮影部4と照明部3とが設けられていないため、照明部3からの照明により保持部5が白く光るのを防止することができ、この保持部5の白発光による異物を含む不確定な物との誤認識を防止することができる。
【0044】
また、照明部3の、撮影部4が配された側と対向する反対側の位置に、ワーク2に対して傾斜して配された防止板7が設けられ、貫通孔31を介して撮影部4と防止板7とが対面するので、ワーク2や保持部5で反射した光が撮影部4に撮影されるのを防ぐことができる。
【0045】
また、防止板7は黒板であるので、撮影部4における撮影エリア(視野)を黒にすることができる。
【0046】
また、光源部33は、複数のLEDであるので、照明寿命が長く、出力の低下がなく、安定した照明を行うことができる。
【0047】
また、撮影部4は赤色より短い波長の光の撮影を対象とするので、赤色のように波長が長いことで撮影部4による撮影画像の異物を含む不確定な物の輪郭が曖昧になる(ぼやける)のを抑制して、異物を明確に撮影部4により撮影することができる。
【0048】
また、本実施例では、異物の判別について、長径20μm以上の場合、異物と判別するので、画素による異物判別ではなく異物を含む不確定な物の寸法により異物を判別することで、異物の判別の精度を高めることができる。
【0049】
また、光源部33は、保持部5に保持したワーク2に対して角度を有した指向性の光を照射するので、照明部3からの光が撮影部4に直接照射することはなくワーク2に光を当ててもワーク2自体を光らせるものでない。そのため、ワーク2に異物が存在する場合のみ、異物を含む不確定な物を光らせることができ、異物の確認を容易に行うことができる。
【0050】
また、撮影部4での撮影はモノクロ撮影であり、撮影部4は単波長の光の撮影を対象とするので、モノクロ撮影であっても異物を含む不確定な物の寸法を明確にすることができ、設備コストを低減させることができる。
【0051】
なお、本実施例では、検査対象となるワーク2として光学部品であるフィルタに本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、本実施例にかかる透過方式の検査装置1において検査可能なものであれば、他の光学部品(例えば、光学レンズ)であってもよい。
【0052】
また、本実施例では、検査対象となるワーク2として光学部品であるフィルタに本発明を適用したが、光学部品に限定されるものではなく、本実施例にかかる透過方式の検査装置1において検査可能なものであれば、例えば水晶振動子に用いる水晶ウエハや、電子部品のパッケージなど他の部品(ワーク)であってもよい。
【0053】
また、本実施例では、検査装置1に保持部5が設けられているが、保持部の形態はこれに限定されるものではなく、当該検査装置1に保持部5を固定して設けずに、当該検査装置1にワーク2を搬送する搬送装置に設けた保持部であってもよい。例えば、当該検査装置1をワーク2の製造装置の一つとして設けたシステムを構築し、このシステムにおいて、ワーク2を、当該検査装置1を含む複数の製造装置に搬送するための搬送装置に設けた保持部であってもよい。すなわち、ワーク2を保持する保持部5が、照明部3と撮影部4との間に固定もしくは移動可能に配されていればよい。
【0054】
また、本実施例では、撮影部4に情報処理装置6が有線にて接続されているが、これに限定されるものではなく、撮影部4に情報処理装置6が無線にて接続されていてもよい。
【0055】
また、本実施例では、様々なサイズのワーク2の検査を可能とするために好適な例としてカメラにシームレスズームレンズを用いているが、これに限定されるものではなく、単焦点のレンズを用いてもよい。
【0056】
また、本実施例では、様々なサイズのワーク2の検査に対応させるためにカメラにシームレスズームレンズを用いているが、これに限定されるものではなく、単に予め設定された倍率のズームレンズを用いてもよい。
【0057】
また、本実施例では、設備コストを低減させることを目的としてモノクロ撮影を行うカメラを用いているが、これに限定されるものではなく、カラー撮影を行うカメラを用いてもよい。
【0058】
また、本実施例では、保持部5は、ワーク2をその側面を圧接することでワーク2を固定保持しているが、これに限定されるものではなく、ワーク2を固定保持できる機構であれば、例えば、ワーク2の外周側面を挟持するものであってもよい。
【0059】
また、本実施例では、防止板7に光沢のある黒板を用いているが、これに限定されるものではなく、ワーク2や保持部5で反射した光が撮影部4に写らないように設定されたものであればよく、例えば、防止板7周りを暗視野環境にして防止板7に鏡板を用いてもよい。また、本実施例では、防止板7は、ワーク2を保持した保持部5に対して約45度傾斜して配しているが、これに限定されるものではなく、ワーク2や保持部5で反射した光が撮影部4に写らないように傾斜角度を設定すればよい。
【0060】
また、本実施例では、防止板7に、ワーク2や保持部5で反射した光が撮影部4に写らないように傾斜角度を設定した黒板を用いているが、ワーク2や保持部5で反射した光が撮影部4に写らないように光を吸収するものであってもよい。
【0061】
また、本実施例では、複数のLEDが上下2段複数列に配されて構成されているが、LEDの配列はこれに限定されるものではなく、平面視円環状の光源部33であってLEDから照射する光が直接撮影部4のカメラのレンズに入らないようにLEDからの指向性を設定すれば他の形態(他の個数や配置)であってもよい。
【0062】
また、本実施例では、光源部33にLEDを用いた照明部3を検査装置1に設けているが、光源部33はこれに限定されるものではなく、例えば、図3に示すような光源部33にハロゲンを用いた照明部3であってもよい。
【0063】
図3に示す照明部3は、光源部33にファイバガイド(図示省略)を使って光を照射するハロゲン(図示省略)を用いている。また、この照明部3には、ハロゲンからの光をファイバガイドを介してワーク2に照射するための光の経路上であって照明部3の筐体に円環状の間隙35が形成されている。なお、この図3に示す照明部3に、図2に示す拡散フィルタ34を設けてもよい。
【0064】
また、この図3に示す照明部3では、間隙35もしくはハロゲンからの光の経路上に、光源部33からの光を赤より短い波長の光に選別(フィルタリング)するフィルタ(図示省略)が設けられている。この場合、赤色を含む可視光線を発するハロゲンであっても、波長を選別することで異物の外形を明確にすることができる。さらに、可視光線のうち赤色のように波長が長いことで撮影部4による撮影画像の異物の輪郭が曖昧になる(ぼやける)のを抑制して、異物を明確に撮影部4により撮影することができる。なお、本例では、間隙35もしくはハロゲンからの光の経路上にフィルタが設けられているが、フィルタの設置位置は、これに限定されるものではなく、光が撮影部4に入る前であればよいので、撮影部4(例えばカメラのレンズ直前)にフィルタを設けてもよい。
【0065】
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明にかかる検査装置は、光学材料や電子部品などの検査に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本実施例にかかる検査装置と情報処理装置との関係を示した概略構成図である。
【図2】図2は、本実施例にかかる照明部の概略構成斜視図である。
【図3】図3は、本実施例の他の例にかかる照明部の概略構成斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
1 検査装置
2 ワーク
3 照明部
31 貫通孔
32 内壁面
33 光源部
35 間隙
4 撮影部
5 保持部
6 情報処理装置
7 防止板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となるワークを検査する検査装置において、
ワークを照明する円環状の光源部を有する照明部と、ワークを撮影する撮影部とが設けられ、
ワークを保持する保持部が、前記照明部と撮影部との間に固定もしくは移動可能に配され、
前記照明部の前記光源部からワークに照射した光の照射方向上から外れた位置に、前記撮影部が配され、
ワークに異物を含む不確定な物がある場合、前記光源部からワークに照射した光は、異物を含む不確定な物によりその光路が変更されて前記撮影部にて撮影されることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査装置において、
前記撮影部は、赤色より短い波長の光の撮影を対象とすることを特徴とする検査装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検査装置において、
異物の判別について、不確定な物がワークに存在し、その不確定な物が長径20μm以上の場合、不確定な物を異物と判別することを特徴とする検査装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の検査装置において、
前記光源部は、前記保持部に保持したワークに対して角度を有した指向性の光を照射することを特徴とする検査装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の検査装置において、
前記照明部は、貫通孔を有する筒状体からなり、
前記照明部の、前記撮影部が配された側と対向する反対側の位置に、ワークに対して傾斜して配された防止板が設けられ、
前記貫通孔を介して、前記撮影部と前記防止板とが対面することを特徴とする検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の検査装置において、
前記防止板は、黒板であることを特徴とする検査装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1つに記載の検査装置において、
前記撮影部での撮影は、モノクロ撮影であり、
前記撮影部は、単波長の光の撮影を対象とすることを特徴とする検査装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1つに記載の検査装置において、
前記光源部は、LEDからなることを特徴とする検査装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のうちいずれか1つに記載の検査装置において、
前記光源部は、ハロゲンからなり、
前記照明部もしくは前記撮影部の少なくともいずれか一方に、前記光源からの光を赤より短い波長の光に選別するフィルタが設けられたことを特徴とする検査装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちいずれか1つに記載の検査装置において、
前記照明部には、前記光源部から照射する光の照射方向前面に、光の照射を拡散する拡散フィルタが設けられたことを特徴とする検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−162492(P2009−162492A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339143(P2007−339143)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)
【Fターム(参考)】