説明

樹脂組成物、Bステージフィルム、積層フィルム、銅張り積層板及び多層基板

【課題】熱による寸法変化が小さい硬化物を得ることができる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いたBステージフィルム、積層フィルム、銅張り積層板及び多層基板を提供する。
【解決手段】シアネートエステル樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、充填剤とを含有する樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いたBステージフィルム、積層フィルム、銅張り積層板及び多層基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成分と充填剤とを含有する樹脂組成物に関し、より詳細には、多層プリント配線板の絶縁層を形成するために好適に用いられる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いたBステージフィルム、積層フィルム、銅張り積層板及び多層基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の高密度化及び高集積化が進んでいる。このため、電子部品に用いられる多層プリント配線板の回路配線の微細化が進んでいる。
【0003】
近年、回路配線の微細化に伴って、多層プリント配線板の絶縁層を形成するための樹脂組成物に対する要求性能が高まっている。
【0004】
上記樹脂組成物の一例として、下記の特許文献1には、芳香族系シアネート化合物と、芳香族系エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂とを含有する樹脂組成物が開示されている。ここでは、硬化物の電気特性に優れていることが記載されている。
【0005】
下記の特許文献2には、シアネートエステル樹脂と、アントラセン型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂などの熱可塑樹脂とを含有する樹脂組成物が開示されている。ここでは、熱膨張率が低い硬化物を得ることができることが記載されている。
【0006】
下記の特許文献3には、シアネート樹脂と、エポキシ樹脂と、無機充填剤とを含有する樹脂組成物が開示されている。ここでは、シアネート樹脂とアリールアルキレン型エポキシ樹脂とを併用して、積層板を作製した場合、優れた寸法安定性が得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO03/099952号公報
【特許文献2】特開2007−291368号公報
【特許文献3】特開2009−161769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1〜3に記載のような従来の樹脂組成物では、硬化物の熱による寸法変化を充分に小さくすることができないことがある。
【0009】
本発明の目的は、熱による寸法変化が小さい硬化物を得ることができる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いたBステージフィルム、積層フィルム、銅張り積層板及び多層基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の広い局面によれば、シアネートエステル樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、充填剤とを含有する、樹脂組成物が提供される。
【0011】
樹脂組成物に含まれている上記充填剤以外の全固形分100重量%に対して、上記シアネートエステル樹脂の含有量は5〜60重量%の範囲内であることが好ましい。樹脂組成物に含まれている上記充填剤以外の全固形分100重量%に対して、上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量は15〜85重量%の範囲内であることが好ましい。さらに、樹脂組成物に含まれている上記充填剤以外の全固形分100重量%に対して、上記フェノキシ樹脂の含有量は5〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、上記フェノキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有する。
【0013】
樹脂組成物に含まれている上記充填剤以外の全固形分100重量部に対して、上記充填剤の含有量は20〜200重量部の範囲内であることが好ましい。
【0014】
本発明に係るBステージフィルムは、本発明に従って構成された樹脂組成物がフィルム状に成形されたものである。
【0015】
本発明に係る積層フィルムは、基材と、該基材の一方の面に積層されており、かつ本発明に従って構成されたBステージフィルムとを備える。
【0016】
本発明に係る銅張り積層板は、銅箔と、該銅箔の一方の面に積層されており、かつ本発明に従って構成されたBステージフィルムとを備える。
【0017】
本発明に係る多層基板は、回路基板と、該回路基板の回路が形成された表面に積層された硬化物層とを備え、上記硬化物層が、本発明に従って構成されたBステージフィルムを硬化させることにより形成されている。
【0018】
本発明に係る多層基板のある特定の局面では、上記硬化物層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面が粗化処理されており、上記硬化物層の粗化処理された表面に積層された銅めっき層がさらに備えられている。
【0019】
本発明に係る多層基板の他の特定の局面では、上記硬化物層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面に積層された銅箔がさらに備えられており、上記硬化物層及び上記銅箔が、銅箔と該銅箔の一方の面に積層されたBステージフィルムとを備える銅張り積層板を用いて、上記Bステージフィルムを硬化させることにより形成されている。
【0020】
本発明に係る多層基板のさらに他の特定の局面では、上記銅箔がエッチング処理されており、銅回路である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る樹脂組成物は、シアネートエステル樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、充填剤とを含有するので、熱による寸法変化が小さい硬化物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0023】
本発明者らは、シアネートエステル樹脂と、エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、充填剤とを含有する組成を採用し、更に上記エポキシ樹脂として、従来汎用されているビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることで、熱による寸法変化が小さい硬化物を与える樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0024】
(樹脂組成物)
本発明に係る樹脂組成物は、シアネートエステル樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、充填剤とを含有する。
【0025】
[シアネートエステル樹脂]
本発明に係る樹脂組成物に含まれている上記シアネートエステル樹脂は、従来公知のシアネートエステル樹脂を用いることができ、特に限定されない。上記シアネートエステル樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0026】
上記シアネートエステル樹脂としては、ノボラック型シアネート樹脂及びビスフェノール型シアネート樹脂等が挙げられる。上記ビスフェノール型シアネート樹脂としては、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等が挙げられる。
【0027】
上記シアネートエステル樹脂の市販品としては、フェノールノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製「PT−30」及び「PT−60」)、並びにビスフェノールAジシアネートがトリアジン化され、三量体とされたプレポリマー(ロンザジャパン社製「BA230」)等が挙げられる。
【0028】
上記シアネートエステル樹脂の含有量は特に限定されない。樹脂組成物に含まれている上記充填剤以外の全固形分(以下、全固形分Aと略記することがある)100重量%に対して、上記シアネートエステル樹脂の含有量は5〜60重量%の範囲内であることが好ましい。上記全固形分A100重量%に対して、上記シアネートエステル樹脂の含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は30重量%である。上記シアネートエステル樹脂が上記下限以上の含有量で含まれていると、硬化物の耐熱性を高めることができる。上記シアネートエステル樹脂が上記上限以下の含有量で含まれていると、樹脂組成物の熱硬化をスムーズに行える。上記固形分とは、不揮発成分であり、成形又は加熱時に揮発しない成分をいう。
【0029】
[ビスフェノールF型エポキシ樹脂]
本発明に係る樹脂組成物に含まれている上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、特に限定されない。上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0030】
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、常温(23℃)で液状であってもよく、固形であってもよい。上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、常温で液状であることが好ましい。
【0031】
上記全固形分A100重量%に対して、常温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量の好ましい下限は10重量%、より好ましい下限は15重量%である。上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂が上記下限以上の含有量で含まれている場合、樹脂組成物の半硬化物が曲げられたときに、割れ難くなる。さらに、半硬化物がカッター等で切断されたときに、切り屑が生じ難くなる。
【0032】
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が160〜190のビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の「806」及び「807」等)等が挙げられる。
【0033】
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量は特に限定されない。上記全固形分A100重量%に対して、上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量は15〜85重量%の範囲内であることが好ましい。上記全固形分A100重量%に対して、上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量のより好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は70重量%である。上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量が上記範囲内である場合には、硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくすることができる。なお、上記固形分には、常温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂も含まれる。
【0034】
[フェノキシ樹脂]
本発明係る樹脂組成物に含まれているフェノキシ樹脂は特に限定されない。上記フェノキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0035】
上記フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型の骨格、ビスフェノールF型の骨格、ビスフェノールS型の骨格、ビフェニル骨格、ノボラック骨格、及びナフタレン骨格などの骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。上記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、5,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。上記フェノキシ樹脂の具体例としては、例えば、東都化成社製の「YP50」、「YP55」及び「YP70」、並びにジャパンエポキシレジン社製の「1256B40」、「4250」、「4256H40」、「4275」、「YX6954BH30」及び「YX8100BH30」などが挙げられる。
【0036】
樹脂組成物、樹脂組成物の半硬化物又は硬化物の表面を粗化処理した後に、金属層をめっきした場合の、金属層との接着強度を高めることができるので、上記フェノキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有することが好ましく、ビフェノール骨格を有することがより好ましい。
【0037】
上記フェノキシ樹脂の含有量は特に限定されない。上記全固形分A100重量%に対して、上記フェノキシ樹脂の含有量は5〜40重量%の範囲内であることが好ましい。上記全固形分A100重量%に対して、上記フェノキシ樹脂の含有量のより好ましい下限は7重量%、より好ましい上限は20重量%である。上記フェノキシ樹脂が上記下限以上の含有量で含まれていることにより、樹脂組成物を回路基板に積層する場合に、回路の凹凸への追従性を高めることができる。上記フェノキシ樹脂が上記上限以下の含有量で含まれていることにより、樹脂組成物の表面を粗化処理した場合に、均一な粗度を得ることができる。
【0038】
[充填剤]
本発明に係る樹脂組成物に含まれている充填剤は、従来公知の充填剤を用いることができ、特に限定されない。上記充填剤としては、無機充填剤、有機充填剤及び有機無機複合充填剤等が挙げられる。上記充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0039】
上記無機充填剤としては、シリカ、タルク、クレイ、マイカ、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素等が挙げられる。なかでも、シリカが好ましく、溶融シリカがより好ましい。シリカの形状は略球状であることが好ましい。
【0040】
上記有機充填剤としては、ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等からなる粒子状物が挙げられる。
【0041】
上記有機無機複合充填剤は、無機充填剤の表面に有機化合物が共有結合された化合物等が挙げられる。上記有機無機複合充填剤を構成する材料としては、例えばシリコン樹脂及びポリシルセスキオキサン等が挙げられる。
【0042】
上記充填剤の平均粒子径は、0.1〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記平均粒子径の好ましい下限は0.2μm、好ましい上限は2μmである。
【0043】
上記充填剤は、カップリング剤により表面処理されていてもよい。上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
【0044】
上記充填剤の含有量は特に限定されない。上記全固形分A100重量部に対して、上記充填剤の含有量は20〜200重量部の範囲内であることが好ましい。上記充填剤の含有量が上記範囲内であると、硬化物の寸法変化をより一層小さくすることができる。
【0045】
[他の成分及び樹脂組成物の詳細]
本発明に係る樹脂組成物では、本発明の効果が発揮される範囲で、必要に応じてビスフェノールF型エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂とを併用してもよい。このようなエポキシ樹脂としては、2官能以上のエポキシ樹脂であれば特に制限は無く、例えば、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0046】
これらの中でも、3官能のエポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、3官能脂環式エポキシモノマー(ユニオン・カーバイド社製「エポリードGT301」)、トリアジン核を骨格に有する3価のエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製「デナコールEX−301」、日産化学工業社製「TEPIC−S」)、並びに3官能グリシジルアミン式エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「630」)等が挙げられる。特にトリアジン核を骨格に有する3価のエポキシ樹脂が好ましい。
【0047】
本発明に係る樹脂組成物は、必要に応じて硬化促進剤を含有していてもよい。該硬化促進剤としては、公知のものを用いることができる。上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、リン化合物、アミン化合物及び有機金属化合物等が挙げられる。上記硬化促進剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0048】
上記イミダゾール化合物としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0049】
上記リン化合物としては、トリフェニルフォスフィン等が挙げられる。
【0050】
上記有機金属塩としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等が挙げられる。
【0051】
硬化物の電気絶縁性を高める観点からは、上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることが特に好ましい。
【0052】
硬化物の電気絶縁性を高める観点からは、上記硬化促進剤は、有機金属化合物を含有しないことが好ましい。
【0053】
上記硬化促進剤の含有量は特に限定されない。樹脂組成物を効率的に硬化させる観点からは、上記全固形分A100重量%中、上記硬化促進剤の含有量は0.01〜3重量%の範囲内であることが好ましい。
【0054】
本発明に係る樹脂組成物は、カップリング剤を含有することが好ましい。該カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
【0055】
上記カップリング剤の含有量は特に限定されない。上記全固形分A100重量%中、上記カップリング剤の含有量は0.01〜3重量%の範囲内であることが好ましい。
【0056】
本発明に係る樹脂組成物を得るために、溶剤を用いてもよい。該溶剤は、樹脂組成物中に含まれる成分に対して良好な溶解性を示すものであれば特に限定されない。上記溶剤としては、例えばアセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、N−メチル−ピロリドン、n−ヘキサン及びシクロヘキサン、シクロヘキサノン、及び混合物であるナフサ等が挙げられる。上記溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0057】
本発明に係る樹脂組成物は、大部分の溶剤を揮発させて用いられることが好ましい。溶剤を揮発させるために、熱による硬化が進行し過ぎない程度に、加熱乾燥すればよい。溶剤を含む樹脂組成物を、例えば90〜180℃で10〜120分間乾燥させることにより、ハンドリング性が良好な樹脂組成物を得ることができる。
【0058】
本発明に係る樹脂組成物をフィルム状に成形する方法としては、例えば、押出機を用いて、樹脂組成物を溶融混練し、押出した後、Tダイ又はサーキュラーダイ等により、フィルム状に成形する押出成形法、樹脂組成物を有機溶剤等の溶剤に溶解又は分散させた後、キャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法、又は従来公知のその他のフィルム成形法等が挙げられる。なかでも、薄型化を進めることができるので、押出成形法又はキャスティング成形法が好ましい。フィルムには、シートが含まれる。
【0059】
樹脂組成物をフィルム状にし、回路の絶縁層として用いる場合、樹脂組成物により形成された層の厚さは、回路を形成する導体層の厚さ以上であることが好ましい。上記樹脂組成物により形成された層の厚さの好ましい下限は5μm、好ましい上限は200μmである。
【0060】
本発明に係る樹脂組成物は、基材に含浸され、プリプレグとされてもよい。
【0061】
上記基材としては、例えば金属、ガラス、カーボン、アラミド、ポリエステル又は芳香族ポリエステル等により形成された織布又は不織布、並びにフッ素系樹脂又はポリエステル系樹脂等により形成された多孔質膜等が挙げられる。
【0062】
(プリント配線板)
次に、プリント配線板について説明する。
【0063】
上記プリント配線板は、例えば、本発明に係る樹脂組成物により形成されたフィルムを用いて、該フィルムを加熱加圧成形することにより得られる。
【0064】
上記フィルムに対して、片面又は両面に金属箔を積層できる。上記フィルムと金属箔とを積層する方法は、公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、平行平板プレス機又はロールラミネータ等の装置を用いて、加熱しながら又は加熱せずに加圧しながら、上記フィルムを金属箔に積層できる。上記加熱の温度及び上記加圧の圧力は適宜変更することができ、特に限定されない。上記加熱の温度の好ましい下限は60℃、より好ましい下限は80℃、好ましい上限は220℃、より好ましい上限は180℃である。上記加圧の圧力の好ましい下限は0.5MPa、より好ましい下限は1MPa、好ましい上限は10MPa、より好ましい上限は6MPaである。
【0065】
(Bステージフィルム及び積層フィルム)
本発明に係る樹脂組成物をフィルム状に成形することにより、Bステージフィルムを得ることができる。
【0066】
上述のような乾燥工程により得ることができる、ハンドリング性が良好なフィルム状の樹脂組成物をBステージフィルムと称する。更に、ハンドリング性をより一層高めるために、完全硬化に至らない範囲で半硬化状態とされたフィルム状の樹脂組成物もBステージフィルムと称する。
【0067】
上記Bステージフィルムは、半硬化状態にある半硬化物である。半硬化物は、完全に硬化しておらず、硬化がさらに進行され得る。
【0068】
上記Bステージフィルムの固形分100重量部に対して、上記溶剤の含有量の好ましい下限は0.1重量部、より好ましい下限は0.3重量部、好ましい上限は6重量部、より好ましい上限は3重量部である。上記溶剤の含有量が上記範囲内である場合には、Bステージフィルムの表面の粘着性が高くなりすぎず、ハンドリング性を高めることができる。さらに、Bステージフィルムを他の部材に積層した場合に、表面の平坦性を高めることができる。
【0069】
本発明に係る樹脂組成物は、基材と、該基材の一方の面に積層されたBステージフィルムとを備える積層フィルムを形成するために好適に用いることができる。積層フィルムのBステージフィルムが、本発明に係る樹脂組成物により形成される。
【0070】
上記積層フィルムの上記基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのオレフィン樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、銅箔及びアルミニウム箔などの金属箔等が挙げられる。上記基材の表面は、必要に応じて、離型処理されていてもよい。
【0071】
(銅張り積層板及び回路基板)
本発明に係る樹脂組成物は、銅張り積層板を得るために好適に用いられる。上記銅張り積層板の一例として、銅箔と、該銅箔の一方の面に積層されたBステージフィルムとを備える銅張り積層板が挙げられる。この銅張り積層板のBステージフィルムが、本発明に係る樹脂組成物により形成される。
【0072】
上記銅張り積層板の上記銅箔の厚さは特に限定されない。上記銅箔の厚さは、1〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、Bステージフィルムを硬化した硬化物層と銅箔との接着強度を高めるために、上記銅箔は微細な凹凸を表面に有することが好ましい。凹凸の形成方法は特に限定されない。上記凹凸の形成方法としては、公知の薬液を用いた処理による形成方法等が挙げられる。
【0073】
また、本発明に係る樹脂組成物は、多層基板を得るために好適に用いられる。上記多層基板の一例として、回路基板と、該回路基板の回路が形成された表面に積層された硬化物層とを備える回路基板が挙げられる。この多層基板の硬化物層が、上記Bステージフィルムを硬化させることにより形成される。
【0074】
上記多層基板では、上記硬化物層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面が粗化処理されていることが好ましい。粗化処理方法は、従来公知の粗化処理方法を用いることができ特に限定されない。上記硬化物層の表面は、粗化処理の前に膨潤処理されていてもよい。
【0075】
また、上記多層基板は、上記硬化物層の粗化処理された表面に積層された銅めっき層をさらに備えることが好ましい。
【0076】
また、上記多層基板の他の例として、回路基板と、該回路基板の回路が形成された表面に積層された硬化物層と、該硬化物層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面に積層された銅箔とを備える回路基板が挙げられる。上記硬化物層及び上記銅箔が、銅箔と該銅箔の一方の面に積層されたBステージフィルムとを備える銅張り積層板を用いて、上記Bステージフィルムを硬化させることにより形成されていることが好ましい。さらに、上記銅箔はエッチング処理されており、銅回路であることが好ましい。
【0077】
(粗化処理)
本発明に係る樹脂組成物を予備硬化させることにより得られた予備硬化物の表面に微細な凹凸を形成するために、予備硬化物は粗化処理されることが好ましい。粗化処理の前に、予備硬化物は膨潤処理されることが好ましい。硬化物は、予備硬化の後、かつ粗化処理される前に、膨潤処理されており、さらに粗化処理の後に硬化されていることが好ましい。ただし、予備硬化物は、必ずしも膨潤処理されなくてもよい。
【0078】
上記膨潤処理の方法としては、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液又は有機溶媒分散溶液などにより、予備硬化物を処理する方法が用いられる。具体的には、例えば、上記膨潤処理は、40重量%エチレングリコール水溶液等を用いて、処理温度30〜85℃で1〜20分間、予備硬化物を処理することにより行なわれる。上記膨潤処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。上記膨潤処理の温度が低すぎると、粗化処理に長時間を要し、更に硬化物と金属層との粗化接着強度が低くなる傾向がある。
【0079】
上記粗化処理には、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。
【0080】
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム又は無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
【0081】
上記粗化処理の方法は特に限定されない。上記粗化処理の方法として、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液及び30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度30〜85℃及び1〜10分間の条件で、1回又は2回、予備硬化物を処理する方法が好適である。上記粗化処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。
【0082】
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0083】
実施例及び比較例では、以下に示す材料を用いた。
【0084】
(実施例1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル150重量部と、溶融シリカ(平均粒子径0.5μm)100重量部と、シアネート化合物溶液(ビスフェノールAジシアネートがトリアジン化され、三量体とされたプレポリマー、ロンザジャパン社製「BA230S−75」、固形分75重量%、メチルエチルケトン25重量%)21.7重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「806」)67.5重量部と、ビフェニル骨格含有フェノキシ樹脂溶液(ジャパンエポキシレジン社製「XY6954BH30」、固形分30重量%、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンとの混合溶媒70重量%)50重量部と、イミダゾール化合物(四国化成社製「2P4MZ」)1.25重量部とを混合し、均一な溶液となるまで常温で攪拌し、樹脂組成物ワニスを得た。
【0085】
離型処理された透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製「PET5011 550」、厚み50μm)を用意した。このPETフィルム上にアプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが50μmとなるように、得られた樹脂組成物ワニスを塗工した。次に、100℃のギアオーブン内で12分間乾燥して、縦200mm×横200mm×厚み50μmの樹脂シートの未硬化物とポリエチレンテレフタレートフィルムとからなる積層フィルムを作製した。次に、積層フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、樹脂シートの未硬化物を170℃のギアオーブン内で1時間加熱して、樹脂シートの一次硬化物を作製した。
【0086】
(実施例2)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「806」)のかわりに、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬社製「RE−304S」)と、多官能クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製「N−695」)とを用い、表1の配合としたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルム及び樹脂シートの一次硬化物を作製した。
【0087】
(実施例3)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬社製「RE−304S」)及びビフェニル骨格含有フェノキシ樹脂溶液(ジャパンエポキシレジン社製「XY6954BH30」)のかわりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「828US」)と、ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂(東都化成社製「YP−55」)とを用い、表1の配合としたこと以外は、実施例2と同様にして積層フィルム及び樹脂シートの一次硬化物を作製した。
【0088】
(比較例1)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「806」)のかわりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「828US」)を用い、表1の配合としたこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルム及び樹脂シートの一次硬化物を作製した。
【0089】
(比較例2)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「806」)のかわりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「828US」)を用い、表1の配合としたこと以外は、実施例2と同様にして積層フィルム及び樹脂シートの一次硬化物を作製した。
【0090】
(評価)
(1)平均線膨張率
得られた樹脂シートの一次硬化物を、180℃で1時間加熱し、更に硬化させ、硬化物Aを得た。
【0091】
得られた上記硬化物Aを、3mm×25mmの大きさに裁断した。線膨張率計(セイコーインスツルメンツ社製「TMA/SS120C」)を用いて、引張り荷重3.3×10−3N、昇温速度5℃/分の条件で、裁断された硬化物の25〜150℃における平均線膨張率を測定した。
【0092】
(2)ガラス転移温度(Tg)
上記(1)の評価で得られた上記硬化物Aを5mm×3mmの大きさに裁断した。粘弾性スペクトロメーター(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR 6000」)を用いて、裁断された硬化物の損失率tanδを測定した。測定条件は、昇温速度5℃/分、周波数10Hz、歪振幅10μmとした。30℃から300℃までの温度範囲で測定し、損失率tanδが最大値になる温度をガラス転移温度Tgとした。
【0093】
(3)ピール強度
(硬化物Bの作製)
得られた積層フィルムを、樹脂シートの未硬化物側から、ガラスエポキシ基板(FR−4、品番「CS−3665」、利昌工業社製)にセットした。積層フィルムとガラスエポキシ基板とを、150℃に加熱した平行平板プレス機を用いて、減圧下で0.5MPaで加圧し、60分予備硬化させ、樹脂シートの一次硬化物(予備硬化物)を含む積層体を得た。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、ガラスエポキシ基板と予備硬化物との積層体を得た。その後、予備硬化物を、下記の(a)膨潤処理をした後、下記の(b)過マンガン酸塩処理すなわち粗化処理をし、さらに下記の(c)銅めっき処理をした。
【0094】
(a)膨潤処理:
80℃の膨潤液(スウェリングディップセキュリガントP、アトテックジャパン社製)に、上記積層体を入れて、15分間揺動させた。その後、純水で洗浄した。
【0095】
(b)過マンガン酸塩処理:
80℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に、上記積層体を入れて、15分間揺動させ、ガラスエポキシ基板上に粗化処理された硬化物を得た。得られた硬化物を、23℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)により2分間洗浄した後、純粋でさらに洗浄した。
【0096】
(c)銅めっき処理:
次に、ガラスエポキシ基板上の粗化処理された硬化物に、無電解銅めっき及び電解銅めっき処理を以下の手順で行った。
【0097】
硬化物の表面を、55℃のアルカリクリーナ(クリーナーセキュリガント902)で5分間処理し、脱脂洗浄した。洗浄後、上記硬化物を23℃のプリディップ液(プリディップネオガントB)で2分間処理した。その後、上記硬化物を40℃のアクチベーター液(アクチベーターネオガント834)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた。次に、30℃の還元液(リデューサーネオガントWA)により、硬化物を5分間処理した。
【0098】
次に、上記硬化物を化学銅液(ベーシックプリントガントMSK−DK、カッパープリントガントMSK、スタビライザープリントガントMSK)に入れ、無電解めっきをめっき厚さが0.5μm程度になるまで実施した。無電解めっき後に、残留している水素ガスを除去するため、120℃の温度で30分間アニールをかけた。無電解めっきの工程までのすべての工程は、ビーカースケールで処理液を1Lとし、硬化物を揺動させながら実施した。
【0099】
次に、無電解めっき処理された硬化物に、電解めっきをめっき厚さが25μmとなるまで実施した。電気銅めっきとして硫酸銅(リデューサーCu)を用いて、0.6A/cmの電流を流した。銅めっき処理後、硬化物を180℃で1時間加熱し、硬化させ、銅めっき層が形成された硬化物Bを得た。
【0100】
(測定方法)
上記銅めっき層が形成された硬化体Aの銅めっき層の表面に10mm幅に切り欠きを入れた。その後、引張試験機(商品名「オートグラフ」、島津製作所社製)を用いて、クロスヘッド速度5mm/分の条件で、銅めっき層と硬化体との接着強度を測定し、得られた測定値をピール強度とした。
【0101】
結果を下記の表1に示す。
【0102】
【表1】

上記表1から、実施例1,2の樹脂組成物では、比較例1,2の樹脂組成物よりも、硬化物の熱線膨張率が低いことがわかる。実施例1,2の樹脂組成物の硬化物では、硬化物の熱線膨張率が低いため、硬化物の熱による寸法変化が小さくなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアネートエステル樹脂と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、充填剤とを含有する、樹脂組成物。
【請求項2】
樹脂組成物に含まれている前記充填剤以外の全固形分100重量%に対して、前記シアネートエステル樹脂の含有量が5〜60重量%の範囲内である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
樹脂組成物に含まれている前記充填剤以外の全固形分100重量%に対して、前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量が15〜85重量%の範囲内である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
樹脂組成物に含まれている前記充填剤以外の全固形分100重量%に対して、前記フェノキシ樹脂の含有量が5〜40重量%の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記フェノキシ樹脂が、ビフェニル骨格を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
樹脂組成物に含まれている前記充填剤以外の全固形分100重量部に対して、前記充填剤の含有量が20〜200重量部の範囲内である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルム。
【請求項8】
基材と、
前記基材の一方の面に積層された請求項7に記載のBステージフィルムとを備える、積層フィルム。
【請求項9】
銅箔と、
前記銅箔の一方の面に積層された請求項7に記載のBステージフィルムとを備える、銅張り積層板。
【請求項10】
回路基板と、
前記回路基板の回路が形成された表面に積層された硬化物層とを備え、
前記硬化物層が、請求項7に記載のBステージフィルムを硬化させることにより形成されている、多層基板。
【請求項11】
前記硬化物層の前記回路基板が積層された表面とは反対側の表面が粗化処理されており、
前記硬化物層の粗化処理された表面に積層された銅めっき層をさらに備える、請求項10に記載の多層基板。
【請求項12】
前記硬化物層の前記回路基板が積層された表面とは反対側の表面に積層された銅箔をさらに備え、
前記硬化物層及び前記銅箔が、銅箔と該銅箔の一方の面に積層されたBステージフィルムとを備える銅張り積層板を用いて、前記Bステージフィルムを硬化させることにより形成されている、請求項10に記載の多層基板。
【請求項13】
前記銅箔がエッチング処理されており、銅回路である、請求項12に記載の多層基板。

【公開番号】特開2011−32330(P2011−32330A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178132(P2009−178132)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】