水晶発振器
【課題】水晶発振器に入ってくる高周波ノイズを除去する水晶発振器を提供する。
【解決手段】水晶発振器100は、一対の励振電極15a、15bを有する水晶振動片10と水晶振動片及び発振回路20が装着されるベース板30とを備える。ベース板は、水晶振動片を発振させる一対の水晶端子21と、電源が供給される電源端子22と、アースされたグランド端子22と、発振周波数を出力する出力端子22とを有する発振回路20と、実装面に少なくとも電源端子、グランド端子及び出力端子に電気的につながる3つの実装端子51,52を有する。ベース板は所定の誘電率を有する誘電体層を有しており、ベース板は電源端子に接続され所定面積を有する第1金属膜43と、誘電体層を挟んで第1金属膜と対向してグランド端子に接続され所定面積を有する第2金属膜44とを有する。
【解決手段】水晶発振器100は、一対の励振電極15a、15bを有する水晶振動片10と水晶振動片及び発振回路20が装着されるベース板30とを備える。ベース板は、水晶振動片を発振させる一対の水晶端子21と、電源が供給される電源端子22と、アースされたグランド端子22と、発振周波数を出力する出力端子22とを有する発振回路20と、実装面に少なくとも電源端子、グランド端子及び出力端子に電気的につながる3つの実装端子51,52を有する。ベース板は所定の誘電率を有する誘電体層を有しており、ベース板は電源端子に接続され所定面積を有する第1金属膜43と、誘電体層を挟んで第1金属膜と対向してグランド端子に接続され所定面積を有する第2金属膜44とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面実装用の水晶発振器に関し、特にバイパスコンデンサを有する水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
IC等の電子部品を搭載した水晶発振器においては、電源ラインや信号ラインに重畳して入ってくる各種のノイズを低減し、電源電圧を安定させるとともにICの誤動作を防止する必要がある。このようなノイズを低減する手段としては、特許文献1に記載されているように、IC等の電子部品の電源端子とグランドとの間にバイパスコンデンサを接続したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−23189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、バイパスコンデンサを用いる手段では、電子部品の誤動作を有効に防止するためには、バイパスコンデンサを個々の電子部品の電源端子や信号端子ごとに接続する必要がある。このため、回路基板上に取り付けるバイパスコンデンサの点数が増えてしまい、水晶発振器を小型化しにくいという問題がある。
【0005】
また、近年の電気機器のクロックの高周波化に伴い、高周波ノイズが水晶発振器の電源端子に入ってくることが多くなってきている。このため、特に水晶発振器に入ってくる高周波ノイズを除去することが求められるようになってきている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点の水晶発振器は、一対の励振電極を有する水晶振動片と水晶振動片及び発振回路が装着されるベース板とを備える。ベース板は、水晶振動片を発振させる一対の水晶端子と、電源が供給される電源端子と、アースされたグランド端子と、発振周波数を出力する出力端子とを有する発振回路と、実装面に少なくとも電源端子、グランド端子及び出力端子に電気的につながる3つの実装端子を有する。ベース板は所定の誘電率を有する誘電体層を有しており、ベース板は電源端子に接続され所定面積を有する第1金属膜と、誘電体層を挟んで第1金属膜と対向してグランド端子に接続され所定面積を有する第2金属膜とを有する。
【0007】
第2の観点の水晶発振器は、第1金属膜及び第2金属膜の所定面積と誘電体層の厚さとを調整することで、誘電体層に生成される静電容量を調整する。
第3の観点の水晶発振器は、誘電体層はアルミナセラミック又は水晶である。
第4の観点の水晶発振器の発振回路は、さらに出力端子からの出力をオンオフするスタンバイ端子又は周波数を制御する周波数制御電圧端子を含み、ベース板は、さらにスタンバイ端子又は周波数制御電圧端子に電気的につながる実装端子を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水晶発振器によれば、ベースのセラミック層内に金属膜を設け、電源端子とアースされたグランド端子との間に小容量のコンデンサを形成させることにより、高周波ノイズを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1水晶発振器100の分解斜視図である。
【図2】(a)は、第1水晶発発振100のA−A’断面図である。 (b)は、パッケージ30の平面図である。
【図3】(a)は、電子回路素子20との接続関係を示したベースセラミック層30aの第1層301の平面図である。 (b)は、ベースセラミック層30aの第2層302の平面図である。
【図4】(a)は、ベースセラミック層30aの第3層303の平面図である。 (b)は、台座セラミック層30bの平面図である。
【図5】(a)は、枠部セラミック層30cの平面図である。 (b)は、リッド5の平面図である。
【図6】(a)は、水晶振動片10の平面図である。 (b)は、電子回路素子20の平面図である。
【図7】電源と電子部品との間の接続を示す回路構成図である。
【図8】(a)は、第2水晶発振器200のB−B’断面図である。 (b)は、(a)のパッケージ230の第1層230aの平面図である。
【図9】(a)は、電子回路素子20との接続関係を示したパッケージ230の第2層ベース部230bの平面図である。 (b)は、パッケージベース部230bの第2層232の平面図である。
【図10】(a)は、パッケージベース部230bの第3層233の平面図である。 (b)は、パッケージ230の第3層枠部230cの平面図である。
【図11】第3水晶発振器300の分解斜視図である。
【図12】(a)は、第3水晶発振器300のC−C’断面図である。 (b)は、(a)のパッケージ330の第1層331の平面図である。
【図13】(a)は、パッケージ330の第2層332の平面図である。 (b)は、パッケージ330の第3層333の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
<第1水晶発振器100の全体構成>
第1水晶発振器100の全体構成について、図1〜図7を参照しながら説明する。
図1は、第1水晶発振器100の分解斜視図であり、図2(a)は、第1水晶発振器100のA−A’断面図であり、(b)は、パッケージ30の平面図である。
【0011】
ここで、水晶振動片としてATカットの水晶振動片10が使われている。つまり、ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、第1実施形態ではATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、第1実施形態において第1水晶発振器100の長手方向をX軸方向、第1水晶発振器100の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’として説明する。以下、第2実施形態から第3実施形態においても同様である。
【0012】
第1水晶発振器100は、表面実装型の水晶発振器であり、プリント基板等に実装されて使用される。第1水晶発振器100は主に、水晶振動片10と、電子回路素子20と、パッケージ30と、リッド5とにより構成されている。
【0013】
水晶振動片10は、ATカットされた水晶片101により構成され、その水晶片101の中央付近の両主面に一対の励振電極15a、15bが対向して配置されている。また、励振電極15aには水晶片101の底面(−Y’側)の−X側まで伸びた引出電極12及び電極パッド14が接続され、励振電極15bには水晶片101の底面(−Y’側)の−X側まで伸びた引出電極11及び電極パッド13が接続されている。励振電極15a、15b、引出電極11,12及び電極パッド13,14は例えば下地としてのクロム層が用いられ、クロム層の上面に金層が用いられる。水晶振動片10の各電極パッド13,14は、導電性接着剤60(図2(a)を参照)を介して第2電極36bの水晶振動片載置部35に接合される。
【0014】
セラミックなどの絶縁体からなるパッケージ30は箱型形状に形成されており、水晶発振器100が実装される側の実装面M1には外部電極51,52が形成されている。また、パッケージ30には水晶振動片10及び電子回路素子20を収納するキャビティCTが形成されている。電子回路素子20は、水晶振動片10に電気的に接続される水晶端子21と、外部電極51,52と電気的に接続される回路端子22とが−Y’軸側の面に形成されている。リッド5はキャビティCTを密封するように封止材41を介してパッケージ30の+Y’軸側の面に接合されている。
【0015】
パッケージ30は、大別してパッケージ30の底面を形成するベースセラミック層30aと、ベースセラミック層30aの+Y’軸側に配置される台座セラミック層30bと、台座セラミック層30bの+Y’軸側に配置される枠部セラミック層30cとにより形成されている。さらにベースセラミック層30aは、底面用セラミック層301と、電極付セラミック層302と、電極付底部セラミック層303との3層とからなる。
【0016】
図2(a)に示されるように、ベースセラミック層30aの−Y’軸側の面である実装面M1には、外部電極51,52が形成されている。またベースセラミック層30aには、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面からベースセラミック層30aを貫通する貫通部37aを通り外部電極51,52まで電気的に接続されている第1電極36aが形成されている。第1電極36aは、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面に電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部33aを有している(図3(a)を参照)。電子回路素子載置部33aは金属バンプ53を介して電子回路素子20の回路端子22と電気的に接続されている。
【0017】
台座セラミック層30bには、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面から台座セラミック層30bを貫通する貫通部37bを通り台座セラミック層30bの+Y’軸側の面まで電気的に接続されている第2電極36bが形成されている。第2電極36bはベースセラミック層30aの+Y’軸側の面に電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部33bを有しており(図3(a)を参照)、電子回路素子載置部33bは金属バンプ53を介して電子回路素子20の水晶端子21(図6(b)を参照)と電気的に接続されている。また第2電極36bは、台座セラミック層30bの+Y’軸側の面に水晶振動片10が載置される水晶振動片載置部35を有している。
【0018】
水晶振動片10は、導電性接着剤60を介して水晶振動片載置部35に載置され、水晶振動片載置部35と電気的に接続されている。ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面には第1電極36aと第2電極36bとを電気的に接続する第3電極36cが形成されている。パッケージ30に形成されるキャビティCTは、リッド5により密封されている。リッド5は封止材41を介してパッケージ30の+Y’軸側の面と接合されている。
【0019】
ベースセラミック層30aの第2層302には、グランド電極43が形成される。ベースセラミック層30aの第3層303にはVDD電極(電源電水晶極)44が形成される。また、電極付底部セラミック層303のM1面に外部電極51,52(図3(a)を参照)が形成される。また、グランド電極43、VDD電極44及び外部電極51,52は、タングステン(W)等にニッケルメッキ及び金(Au)メッキ等を施すことにより形成される。
【0020】
図2(b)は、パッケージ30の平面図である。パッケージ30の+Y’軸側に第1電極36a、第2電極36b及び第3電極36cが形成されている状態が示されている。図2(b)の点線で示されたように、電子回路素子20が、第1電極36aの電子回路素子載置部33a及び第2電極36bの電子回路素子載置部33bに載置される。図2(b)の一点鎖線で示されたように、水晶振動片10が水晶振動片載置部35に載置される。
【0021】
図3(a)は、ベースセラミック層30aの平面図である。説明の都合上、グランド電極43及びVDD電極44は図示していない。図3(b)は、ベースセラミック層30aの第2層302の平面図である。図4(a)は、ベースセラミック層30aの第3層303の平面図であり、図4(b)は、台座セラミック層30bの平面図である。
【0022】
図3(a)では、台座セラミック層30bのキャビティCTの一部を形成する空間部38aが、一点鎖線で示されている。ベースセラミック層30aの−Y’軸側の面の4つの角には外部電極51a,51b,52a,52bが形成されている。また、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面には第1電極36a、第2電極36b及び第3電極36cが形成されている。4箇所に形成されている第1電極36aは、それぞれ外部電極51,52と第1電極36aの貫通部37aを通して電気的に接続されている。また、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面の2箇所に形成されている第2電極36bは、台座セラミック層30b(図4(b)を参照)の貫通部37bに形成される第2電極36bと電気的に接続されている。
【0023】
図3(a)に示されるように、外部電極51aは、電源が供給される電源端子であり、外部電極52bは、アースされたグランド端子であり、外部電極51bは、発振周波数を出力する取出し端子であり、外部電極52aは、出力端子からの出力をオンオフするスタンバイ端子又は周波数を制御する周波数制御端子である。第3層の電極付底部セラミック層303のVDD電極44は、第1電極36aを介して外部電極51aに接続され、第2層の電極付セラミック層302のグランド電極43は、第1電極36aを介して外部電極52bに接続される。
【0024】
第3層の電極付底部セラミック層303のVDD電極44と第2層の電極付セラミック層302のグランド電極43とでセラミック層を挟む構成により小容量のコンデンサが形成される。コンデンサの容量は、対向する電極の大きさとセラミック層の厚さによって決まる。例えば、アルミナセラミックの誘電率を「9×10−12」、セラミック層の厚さを「0.100mm」、電極の面積を「24mm2」(パターンサイズ6mm×4mmに設定)とした場合、静電容量Cは、19.1pFである。この静電容量Cにより高周波のノイズを除去することができる。
【0025】
なお、生成されるコンデンサ容量C(静電容量pF)は次の数式1で計算できる。
C[pF]=εS/d …数式1
ここで、ε 比誘電率×真空中の誘電率
S : 平板の面積(mm2)
d : 平板間の距離 (mm)
【0026】
図5(a)は、枠部セラミック層30cの平面図であり、(b)は、リッド5の平面図である。枠部セラミック層30cは、台座セラミック層30bの+Y’軸側に配置される。枠部セラミック層30cは中央に枠部セラミック層30cを貫通する空間部38bが形成されている。空間部38bは枠部セラミック層30cの空間部38a(図2(b)を参照)よりも大きく形成されており、キャビティCTの一部を形成している。
【0027】
図5(b)に示されるように、リッド5は矩形状に形成されており、例えばガラス又はコバール等により形成される。リッド5は封止材41(図2(a)を参照)を介して枠部セラミック層30cの+Y’軸側の面に配置される。
【0028】
図7は、電源と電子部品との間の接続を示す回路構成図である。図7に示されるように、第1電極36a(VDD)に連結している電源ラインP1は、電源PSの出力部+VDDに接続されている。第1電極36a(GND:グランド)に連結している接地ラインP3は、電源PSの接地部Gに接続されている。電源PSを立ち上げると第1電極36a(VDD)と第1電極36a(GND)との間に所定の電圧が印加され、電子会悪露素子200に電力を供給することが可能となる。
【0029】
一方、グランド電極膜43とVDD電極膜44との間に高誘電体のセラミックが挟まれた構造となるため(図2(a)を参照)、第1電極36a(VDD)と第1電極36a(GND)との間にキャパシタC1を形成することができる。キャパシタラインP2を接地部Gに接続することによって、電源ラインP1と接地ラインP3との間にキャパシタC1が形成される。よって、電源ラインP1に混入したノイズの除去又はノイズを軽減することができる。
【0030】
(第2実施形態)
<第2水晶発振器200の全体構成>
第2水晶発振器200の全体構成について、図8〜図10を参照しながら説明する。
第2実施形態として、2つのキャビティにそれぞれ水晶振動片10と電子回路素子20とが載置され、電子回路素子20が載置されるキャビティが密封されていない第2水晶発振器200について説明する。以下の説明において、第1水晶発振器100とその構成が同じ部分は第1水晶発振器100と同じ番号を付してその説明を省略する。
【0031】
図8(a)は、第2水晶発振器200のB−B’断面図であり、(b)は、(a)のパッケージ230の第1層枠部230aの平面図である。図9(a)は、電子回路素子20との接続関係を示したパッケージ230の第2層ベース部230bの平面図であり、(b)は、パッケージベース部230bの第2層232の平面図である。図10(a)は、パッケージベース部230bの第3層233の平面図であり、(b)は、パッケージ230の第3層枠部230cの平面図である。また、図8(a)は後述する図9及び図10のB−B’断面における断面図である。第2水晶発振器200は主に、水晶振動片10と、電子回路素子20と、パッケージ230と、リッド5とにより構成されている。図9(a)では、図8(a)のB−B’断面上に形成されていない電子回路素子20の一部が点線で示されている。なお、電子回路素子20との接続関係をわかりやすくするため、グランド電極膜43及びVDD電極膜44を透過させて示している。
【0032】
パッケージ230は、第1層枠部230aと、第1層枠部230aの+Y’軸側に配置される第2層ベース部230bと、第2層ベース部230bの+Y’軸側に配置される第3層枠部230cとにより形成されている。第1層枠部230aはパッケージ230の底面を形成しており、第1層枠部230aの−Y’軸側の面には外部電極251,252が形成されている。また、第1層枠部230aと第2層ベース部230bとで、第2キャビティCT2が形成されている。第2キャビティCT2には電子回路素子20が載置されており、また第2キャビティCT2は不図示の樹脂により電子回路素子20が密封される。
【0033】
第2層ベース部230bは3層から成り、第2層は電極付セラミック層232である。電極付セラミック層232には、グランド電極43が形成される。第2層ベース部230bの第3層は電極付底部セラミック層233である。電極付底部セラミック層233にはプラス電源電極(VDD電極)44が形成される(図9(b)及び図10(a)を参照)。
【0034】
第2層ベース部230bには、−Y’軸側の面に第1電極236a及び第2電極236bの一部と第3電極236cとが形成されている。第1電極236aは、第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成された電極及び第1層枠部230aを貫通する貫通部237aに形成された電極により形成されている。第1電極236aは、第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部233aを有しており、電子回路素子載置部233aは金属バンプ53を介して電子回路素子20の回路端子22と電気的に接続されている。第2電極236bは、第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成された電極と、第2層ベース部230bを貫通する貫通部237bに形成された電極と、第2層ベース部230bの+Y’軸側の面に形成された電極とにより構成されている。
【0035】
第2電極236bの第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成された電極は、電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部233bを有しており、電子回路素子載置部233bは金属バンプ53を介して電子回路素子20の水晶端子21と電気的に接続されている。また、第2電極236bの第2層ベース部230bの+Y’軸側の面に形成された電極は、水晶振動片10が載置される水晶振動片載置部235を有しており、水晶振動片10の電極パッド13,14(図6(a)参照)は導電性接着剤60を介して水晶振動片載置部235と電気的に接続されている。第2層ベース部230bは、第3層枠部230c及びリッド5と第1キャビティCT1を形成している。第1キャビティCT1には水晶振動片10が載置され、また第1キャビティCT1は密封されている。
【0036】
図8(b)は、パッケージ230の第1層枠部230aの平面図である。第1層枠部230aは、中央に第1層枠部230aを貫通する空間部238aが形成されており、空間部238aは第2キャビティCT2を形成している。第1層枠部230aの−Y’軸側の面には4つの外部電極51a,51b,52a,52bが形成されている。外部電極51,52は第1電極236aの一部である貫通部237aを通して第1層枠部230aの+Y’軸側の面で第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成される第1電極236aに電気的に接続されている。
【0037】
図9(a)は、第2水晶発振器200の第2層ベース部230bの平面図である。一点鎖線で空間部238a及び電子回路素子20が載置される位置が示されている。第3電極236cは、その一部が空間部238aの内側に形成され、また、電子回路素子20の外側に形成されている。第2層ベース部230bの−Y’軸側の面には、第1電極236a及び第2電極236bの一部と第3電極236cとが形成されている。図9(a)ではこれらの電極が点線で示されている。第1電極236aは、第1層枠部230aを貫通する貫通部237aを通して外部電極251,252と接続されている。第2電極236bは、第2層ベース部230bを貫通する貫通部237bを通して第2層236bの+Y’軸側の面に形成されている水晶振動片載置部235に電気的に接続されている。
【0038】
図10(b)は、パッケージ230の第3層枠部230cの平面図である。パッケージ230の第3層枠部230cは、中央に第3層枠部230cを貫通する空間部238bが形成されており、空間部238bは第1キャビティCT1を構成している。
【0039】
(第3実施形態)
<第3水晶発振器300の構成>
第3実施形態として、リッド及びパッケージとが水晶ウエハ上に複数形成され、水晶ウエハを接合した後に水晶ウエハを切断して形成される第3水晶発振器300について図11〜図13を参照しながら説明する。図12(a)は、第3水晶発振器300のC−C’断面図であり、(b)は、(a)のパッケージ330の第1層331の平面図である。図13(a)は、パッケージ330の第2層332の平面図であり、(b)は、水晶パッケージ330の第3層333の平面図である。以下の説明において、第1水晶発振器100とその構成が同じ部分は第1水晶発振器100と同じ番号を付してその説明を省略する。
【0040】
図11は、第3水晶発振器300の分解斜視図である。第3水晶発振器300は主に、水晶振動片210と、電子回路素子220と、パッケージ330(図12(a)を参照)と、リッド205とにより構成されている。水晶振動片210は、+Y’軸側の面及び−Y’軸側の面に励振電極215a,215bが形成されている。また、水晶振動片210の−Y’軸側の+X軸側に電極パッド213が形成され、−X軸側には電極パッド214が形成されており、+Y’軸側の面に形成された励振電極225aは、−X軸側の電極パッド214に電気的に接続され、−Y’軸側の面に形成された励振電極225bは、+X軸側の電極パッド213に電気的に接続されている。電子回路素子220は、2つの水晶端子21がZ’軸方向に並んで形成され、各水晶端子21のX軸方向の隣には回路端子22が形成されている。リッド205は、例えば水晶により形成されており、−Y’軸側の面には第3水晶発振器300のキャビティの一部を形成する凹部217が形成されている。
【0041】
図12(a)に示されるように、水晶パッケージ330の+Y’軸側の面には第3水晶発振器300のキャビティCTの一部を形成する凹部349が形成されており凹部349内には電子回路素子220が載置される。また、パッケージ330の−Y’軸側の実装面M1には4つの外部電極351a,351b,352a,352bが形成されている。
【0042】
水晶パッケージ330は、ベース水晶第1層331とベース水晶第2層332とベース水晶第3層333との3層から成る。水晶パッケージ330のベース水晶第1層331には第1電極336a、第2電極336b及び第3電極336cが形成されている。ベース水晶第1層331の凹部349内には第1電極336aの電子回路素子載置部333a及び第2電極336bの電子回路素子載置部333bが形成されており、その上には金属バンプ53を介して電子回路素子320の回路端子22及び水晶端子21が接続される。第1電極336aは凹部349内の電子回路素子載置部333aから貫通電極(不図示)を通して外部電極351と電気的に接続される。
【0043】
図12(b)に示されるように、第2電極336bは電子回路素子載置部333bから水晶パッケージ330の+Y’軸側の面の+X軸側及び−X軸側に形成される水晶振動片載置部335まで形成されている。水晶振動片載置部335には水晶振動片210が載置され、水晶振動片載置部335と電極パッド213,214とが電気的に接続される。第3電極336cは、第1電極336aと第2電極336bとを電気的に接続している。第1電極236aは、パッケージ330を貫通する貫通部337aに形成された第1電極336aにより形成されている。第2電極236bは、水晶パッケージ330を貫通する貫通部237bに形成された第2電極336bにより形成されている。
【0044】
図13(a)は、パッケージ330のベース水晶第2層332の平面図であり、(b)は、パッケージ330のベース水晶第3層333の平面図である。パッケージ330のベース水晶第2層332には、グランド電極343が形成される。ベース水晶第3層333には、プラス電源電極(VDD電極)44が形成される。
【0045】
第3水晶発振器300は、パッケージ330のベース部3層が水晶ウエハ上に複数形成され、3層の水晶ウエハをシロキサン接合した後、電子回路素子220をパッケージ330の凹部349に載置接合する。パッケージ330に水晶振動片210とリッド水晶ウエハとが真空中でシロキサン接合される。接合後水晶ウエハが切断され、第3水晶発振器300が形成される。生成されるコンデンサ容量C(静電容量pF)は水晶の誘電率を「4.6×10−12」として数式1で計算すればよい。
【0046】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0047】
例えば、水晶振動片はATカットの水晶振動片である場合を示したが、同じように厚みすべりモードで振動するBTカットなどであっても同様に適用できる。また、音叉型水晶振動片についても適用できる。さらに水晶振動片は水晶材料のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは水晶セラミックを含む水晶材料に基本的に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
5,205 … リッド
10、210 … 水晶振動片
10a … 電子部品
11、12 … 引出電極
13,14,213,214 … 電極パッド
15a、15b,225a,225b … 励振電極
20、220 … 電子回路素子
21 … 水晶端子
22 … 回路端子
30、230、330、 … パッケージ
30a … ベースセラミック層、30b … 台座セラミック層
30c … 枠部セラミック層
33a、33b、233a、233b … 電子回路素子載置部
333a,333b … 電子回路素子載置部
35、335 … 水晶振動片載置部
36a、236a、336a … 第1電極
36b、236b、336b … 第2電極
36c、236c、336c … 第3電極
37a、37b、237a、237b,337a,337b … 貫通部
38a、38b、238a、238b … 空間部
41 … 封止材
43 … グランド電極膜、44 … VDD電極膜
51a … 外部電極(VDD端子)、 51b外部電極(周波数取出し端子)
52a … 外部電極(スタンバイ端子)、 52b … 外部電極(グランド端子)
53 … 金属バンプ
60 … 導電性接着剤
100、200、300 … 水晶発振器
101,211 … ATカット水晶板
217,349 … 凹部
230a … パッケージ230の第1層枠部
230b … パッケージ230の第2層ベース部
230c … パッケージ230の第3層枠部
231 … パッケージベース部230bの第1層
232 … パッケージベース部230bの第2層
233 … パッケージベース部230bの第3層
301 … ベースセラミック第1層
302 … ベースセラミック第2層
303 … ベースセラミック第3層
330 … 水晶パッケージ330
331 … ベース水晶第1層
332 … ベース水晶第2層
333 … ベース水晶第3層
C1 … キャパシタ
CT、CT1,CT2 … キャビティ
M1 … 実装面
P1 … 電源ライン、 P2 … キャパシタライン
P3 … 接地ライン
【技術分野】
【0001】
本発明は表面実装用の水晶発振器に関し、特にバイパスコンデンサを有する水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
IC等の電子部品を搭載した水晶発振器においては、電源ラインや信号ラインに重畳して入ってくる各種のノイズを低減し、電源電圧を安定させるとともにICの誤動作を防止する必要がある。このようなノイズを低減する手段としては、特許文献1に記載されているように、IC等の電子部品の電源端子とグランドとの間にバイパスコンデンサを接続したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−23189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、バイパスコンデンサを用いる手段では、電子部品の誤動作を有効に防止するためには、バイパスコンデンサを個々の電子部品の電源端子や信号端子ごとに接続する必要がある。このため、回路基板上に取り付けるバイパスコンデンサの点数が増えてしまい、水晶発振器を小型化しにくいという問題がある。
【0005】
また、近年の電気機器のクロックの高周波化に伴い、高周波ノイズが水晶発振器の電源端子に入ってくることが多くなってきている。このため、特に水晶発振器に入ってくる高周波ノイズを除去することが求められるようになってきている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点の水晶発振器は、一対の励振電極を有する水晶振動片と水晶振動片及び発振回路が装着されるベース板とを備える。ベース板は、水晶振動片を発振させる一対の水晶端子と、電源が供給される電源端子と、アースされたグランド端子と、発振周波数を出力する出力端子とを有する発振回路と、実装面に少なくとも電源端子、グランド端子及び出力端子に電気的につながる3つの実装端子を有する。ベース板は所定の誘電率を有する誘電体層を有しており、ベース板は電源端子に接続され所定面積を有する第1金属膜と、誘電体層を挟んで第1金属膜と対向してグランド端子に接続され所定面積を有する第2金属膜とを有する。
【0007】
第2の観点の水晶発振器は、第1金属膜及び第2金属膜の所定面積と誘電体層の厚さとを調整することで、誘電体層に生成される静電容量を調整する。
第3の観点の水晶発振器は、誘電体層はアルミナセラミック又は水晶である。
第4の観点の水晶発振器の発振回路は、さらに出力端子からの出力をオンオフするスタンバイ端子又は周波数を制御する周波数制御電圧端子を含み、ベース板は、さらにスタンバイ端子又は周波数制御電圧端子に電気的につながる実装端子を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水晶発振器によれば、ベースのセラミック層内に金属膜を設け、電源端子とアースされたグランド端子との間に小容量のコンデンサを形成させることにより、高周波ノイズを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1水晶発振器100の分解斜視図である。
【図2】(a)は、第1水晶発発振100のA−A’断面図である。 (b)は、パッケージ30の平面図である。
【図3】(a)は、電子回路素子20との接続関係を示したベースセラミック層30aの第1層301の平面図である。 (b)は、ベースセラミック層30aの第2層302の平面図である。
【図4】(a)は、ベースセラミック層30aの第3層303の平面図である。 (b)は、台座セラミック層30bの平面図である。
【図5】(a)は、枠部セラミック層30cの平面図である。 (b)は、リッド5の平面図である。
【図6】(a)は、水晶振動片10の平面図である。 (b)は、電子回路素子20の平面図である。
【図7】電源と電子部品との間の接続を示す回路構成図である。
【図8】(a)は、第2水晶発振器200のB−B’断面図である。 (b)は、(a)のパッケージ230の第1層230aの平面図である。
【図9】(a)は、電子回路素子20との接続関係を示したパッケージ230の第2層ベース部230bの平面図である。 (b)は、パッケージベース部230bの第2層232の平面図である。
【図10】(a)は、パッケージベース部230bの第3層233の平面図である。 (b)は、パッケージ230の第3層枠部230cの平面図である。
【図11】第3水晶発振器300の分解斜視図である。
【図12】(a)は、第3水晶発振器300のC−C’断面図である。 (b)は、(a)のパッケージ330の第1層331の平面図である。
【図13】(a)は、パッケージ330の第2層332の平面図である。 (b)は、パッケージ330の第3層333の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
<第1水晶発振器100の全体構成>
第1水晶発振器100の全体構成について、図1〜図7を参照しながら説明する。
図1は、第1水晶発振器100の分解斜視図であり、図2(a)は、第1水晶発振器100のA−A’断面図であり、(b)は、パッケージ30の平面図である。
【0011】
ここで、水晶振動片としてATカットの水晶振動片10が使われている。つまり、ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、第1実施形態ではATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、第1実施形態において第1水晶発振器100の長手方向をX軸方向、第1水晶発振器100の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’として説明する。以下、第2実施形態から第3実施形態においても同様である。
【0012】
第1水晶発振器100は、表面実装型の水晶発振器であり、プリント基板等に実装されて使用される。第1水晶発振器100は主に、水晶振動片10と、電子回路素子20と、パッケージ30と、リッド5とにより構成されている。
【0013】
水晶振動片10は、ATカットされた水晶片101により構成され、その水晶片101の中央付近の両主面に一対の励振電極15a、15bが対向して配置されている。また、励振電極15aには水晶片101の底面(−Y’側)の−X側まで伸びた引出電極12及び電極パッド14が接続され、励振電極15bには水晶片101の底面(−Y’側)の−X側まで伸びた引出電極11及び電極パッド13が接続されている。励振電極15a、15b、引出電極11,12及び電極パッド13,14は例えば下地としてのクロム層が用いられ、クロム層の上面に金層が用いられる。水晶振動片10の各電極パッド13,14は、導電性接着剤60(図2(a)を参照)を介して第2電極36bの水晶振動片載置部35に接合される。
【0014】
セラミックなどの絶縁体からなるパッケージ30は箱型形状に形成されており、水晶発振器100が実装される側の実装面M1には外部電極51,52が形成されている。また、パッケージ30には水晶振動片10及び電子回路素子20を収納するキャビティCTが形成されている。電子回路素子20は、水晶振動片10に電気的に接続される水晶端子21と、外部電極51,52と電気的に接続される回路端子22とが−Y’軸側の面に形成されている。リッド5はキャビティCTを密封するように封止材41を介してパッケージ30の+Y’軸側の面に接合されている。
【0015】
パッケージ30は、大別してパッケージ30の底面を形成するベースセラミック層30aと、ベースセラミック層30aの+Y’軸側に配置される台座セラミック層30bと、台座セラミック層30bの+Y’軸側に配置される枠部セラミック層30cとにより形成されている。さらにベースセラミック層30aは、底面用セラミック層301と、電極付セラミック層302と、電極付底部セラミック層303との3層とからなる。
【0016】
図2(a)に示されるように、ベースセラミック層30aの−Y’軸側の面である実装面M1には、外部電極51,52が形成されている。またベースセラミック層30aには、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面からベースセラミック層30aを貫通する貫通部37aを通り外部電極51,52まで電気的に接続されている第1電極36aが形成されている。第1電極36aは、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面に電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部33aを有している(図3(a)を参照)。電子回路素子載置部33aは金属バンプ53を介して電子回路素子20の回路端子22と電気的に接続されている。
【0017】
台座セラミック層30bには、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面から台座セラミック層30bを貫通する貫通部37bを通り台座セラミック層30bの+Y’軸側の面まで電気的に接続されている第2電極36bが形成されている。第2電極36bはベースセラミック層30aの+Y’軸側の面に電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部33bを有しており(図3(a)を参照)、電子回路素子載置部33bは金属バンプ53を介して電子回路素子20の水晶端子21(図6(b)を参照)と電気的に接続されている。また第2電極36bは、台座セラミック層30bの+Y’軸側の面に水晶振動片10が載置される水晶振動片載置部35を有している。
【0018】
水晶振動片10は、導電性接着剤60を介して水晶振動片載置部35に載置され、水晶振動片載置部35と電気的に接続されている。ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面には第1電極36aと第2電極36bとを電気的に接続する第3電極36cが形成されている。パッケージ30に形成されるキャビティCTは、リッド5により密封されている。リッド5は封止材41を介してパッケージ30の+Y’軸側の面と接合されている。
【0019】
ベースセラミック層30aの第2層302には、グランド電極43が形成される。ベースセラミック層30aの第3層303にはVDD電極(電源電水晶極)44が形成される。また、電極付底部セラミック層303のM1面に外部電極51,52(図3(a)を参照)が形成される。また、グランド電極43、VDD電極44及び外部電極51,52は、タングステン(W)等にニッケルメッキ及び金(Au)メッキ等を施すことにより形成される。
【0020】
図2(b)は、パッケージ30の平面図である。パッケージ30の+Y’軸側に第1電極36a、第2電極36b及び第3電極36cが形成されている状態が示されている。図2(b)の点線で示されたように、電子回路素子20が、第1電極36aの電子回路素子載置部33a及び第2電極36bの電子回路素子載置部33bに載置される。図2(b)の一点鎖線で示されたように、水晶振動片10が水晶振動片載置部35に載置される。
【0021】
図3(a)は、ベースセラミック層30aの平面図である。説明の都合上、グランド電極43及びVDD電極44は図示していない。図3(b)は、ベースセラミック層30aの第2層302の平面図である。図4(a)は、ベースセラミック層30aの第3層303の平面図であり、図4(b)は、台座セラミック層30bの平面図である。
【0022】
図3(a)では、台座セラミック層30bのキャビティCTの一部を形成する空間部38aが、一点鎖線で示されている。ベースセラミック層30aの−Y’軸側の面の4つの角には外部電極51a,51b,52a,52bが形成されている。また、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面には第1電極36a、第2電極36b及び第3電極36cが形成されている。4箇所に形成されている第1電極36aは、それぞれ外部電極51,52と第1電極36aの貫通部37aを通して電気的に接続されている。また、ベースセラミック層30aの+Y’軸側の面の2箇所に形成されている第2電極36bは、台座セラミック層30b(図4(b)を参照)の貫通部37bに形成される第2電極36bと電気的に接続されている。
【0023】
図3(a)に示されるように、外部電極51aは、電源が供給される電源端子であり、外部電極52bは、アースされたグランド端子であり、外部電極51bは、発振周波数を出力する取出し端子であり、外部電極52aは、出力端子からの出力をオンオフするスタンバイ端子又は周波数を制御する周波数制御端子である。第3層の電極付底部セラミック層303のVDD電極44は、第1電極36aを介して外部電極51aに接続され、第2層の電極付セラミック層302のグランド電極43は、第1電極36aを介して外部電極52bに接続される。
【0024】
第3層の電極付底部セラミック層303のVDD電極44と第2層の電極付セラミック層302のグランド電極43とでセラミック層を挟む構成により小容量のコンデンサが形成される。コンデンサの容量は、対向する電極の大きさとセラミック層の厚さによって決まる。例えば、アルミナセラミックの誘電率を「9×10−12」、セラミック層の厚さを「0.100mm」、電極の面積を「24mm2」(パターンサイズ6mm×4mmに設定)とした場合、静電容量Cは、19.1pFである。この静電容量Cにより高周波のノイズを除去することができる。
【0025】
なお、生成されるコンデンサ容量C(静電容量pF)は次の数式1で計算できる。
C[pF]=εS/d …数式1
ここで、ε 比誘電率×真空中の誘電率
S : 平板の面積(mm2)
d : 平板間の距離 (mm)
【0026】
図5(a)は、枠部セラミック層30cの平面図であり、(b)は、リッド5の平面図である。枠部セラミック層30cは、台座セラミック層30bの+Y’軸側に配置される。枠部セラミック層30cは中央に枠部セラミック層30cを貫通する空間部38bが形成されている。空間部38bは枠部セラミック層30cの空間部38a(図2(b)を参照)よりも大きく形成されており、キャビティCTの一部を形成している。
【0027】
図5(b)に示されるように、リッド5は矩形状に形成されており、例えばガラス又はコバール等により形成される。リッド5は封止材41(図2(a)を参照)を介して枠部セラミック層30cの+Y’軸側の面に配置される。
【0028】
図7は、電源と電子部品との間の接続を示す回路構成図である。図7に示されるように、第1電極36a(VDD)に連結している電源ラインP1は、電源PSの出力部+VDDに接続されている。第1電極36a(GND:グランド)に連結している接地ラインP3は、電源PSの接地部Gに接続されている。電源PSを立ち上げると第1電極36a(VDD)と第1電極36a(GND)との間に所定の電圧が印加され、電子会悪露素子200に電力を供給することが可能となる。
【0029】
一方、グランド電極膜43とVDD電極膜44との間に高誘電体のセラミックが挟まれた構造となるため(図2(a)を参照)、第1電極36a(VDD)と第1電極36a(GND)との間にキャパシタC1を形成することができる。キャパシタラインP2を接地部Gに接続することによって、電源ラインP1と接地ラインP3との間にキャパシタC1が形成される。よって、電源ラインP1に混入したノイズの除去又はノイズを軽減することができる。
【0030】
(第2実施形態)
<第2水晶発振器200の全体構成>
第2水晶発振器200の全体構成について、図8〜図10を参照しながら説明する。
第2実施形態として、2つのキャビティにそれぞれ水晶振動片10と電子回路素子20とが載置され、電子回路素子20が載置されるキャビティが密封されていない第2水晶発振器200について説明する。以下の説明において、第1水晶発振器100とその構成が同じ部分は第1水晶発振器100と同じ番号を付してその説明を省略する。
【0031】
図8(a)は、第2水晶発振器200のB−B’断面図であり、(b)は、(a)のパッケージ230の第1層枠部230aの平面図である。図9(a)は、電子回路素子20との接続関係を示したパッケージ230の第2層ベース部230bの平面図であり、(b)は、パッケージベース部230bの第2層232の平面図である。図10(a)は、パッケージベース部230bの第3層233の平面図であり、(b)は、パッケージ230の第3層枠部230cの平面図である。また、図8(a)は後述する図9及び図10のB−B’断面における断面図である。第2水晶発振器200は主に、水晶振動片10と、電子回路素子20と、パッケージ230と、リッド5とにより構成されている。図9(a)では、図8(a)のB−B’断面上に形成されていない電子回路素子20の一部が点線で示されている。なお、電子回路素子20との接続関係をわかりやすくするため、グランド電極膜43及びVDD電極膜44を透過させて示している。
【0032】
パッケージ230は、第1層枠部230aと、第1層枠部230aの+Y’軸側に配置される第2層ベース部230bと、第2層ベース部230bの+Y’軸側に配置される第3層枠部230cとにより形成されている。第1層枠部230aはパッケージ230の底面を形成しており、第1層枠部230aの−Y’軸側の面には外部電極251,252が形成されている。また、第1層枠部230aと第2層ベース部230bとで、第2キャビティCT2が形成されている。第2キャビティCT2には電子回路素子20が載置されており、また第2キャビティCT2は不図示の樹脂により電子回路素子20が密封される。
【0033】
第2層ベース部230bは3層から成り、第2層は電極付セラミック層232である。電極付セラミック層232には、グランド電極43が形成される。第2層ベース部230bの第3層は電極付底部セラミック層233である。電極付底部セラミック層233にはプラス電源電極(VDD電極)44が形成される(図9(b)及び図10(a)を参照)。
【0034】
第2層ベース部230bには、−Y’軸側の面に第1電極236a及び第2電極236bの一部と第3電極236cとが形成されている。第1電極236aは、第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成された電極及び第1層枠部230aを貫通する貫通部237aに形成された電極により形成されている。第1電極236aは、第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部233aを有しており、電子回路素子載置部233aは金属バンプ53を介して電子回路素子20の回路端子22と電気的に接続されている。第2電極236bは、第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成された電極と、第2層ベース部230bを貫通する貫通部237bに形成された電極と、第2層ベース部230bの+Y’軸側の面に形成された電極とにより構成されている。
【0035】
第2電極236bの第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成された電極は、電子回路素子20が載置される電子回路素子載置部233bを有しており、電子回路素子載置部233bは金属バンプ53を介して電子回路素子20の水晶端子21と電気的に接続されている。また、第2電極236bの第2層ベース部230bの+Y’軸側の面に形成された電極は、水晶振動片10が載置される水晶振動片載置部235を有しており、水晶振動片10の電極パッド13,14(図6(a)参照)は導電性接着剤60を介して水晶振動片載置部235と電気的に接続されている。第2層ベース部230bは、第3層枠部230c及びリッド5と第1キャビティCT1を形成している。第1キャビティCT1には水晶振動片10が載置され、また第1キャビティCT1は密封されている。
【0036】
図8(b)は、パッケージ230の第1層枠部230aの平面図である。第1層枠部230aは、中央に第1層枠部230aを貫通する空間部238aが形成されており、空間部238aは第2キャビティCT2を形成している。第1層枠部230aの−Y’軸側の面には4つの外部電極51a,51b,52a,52bが形成されている。外部電極51,52は第1電極236aの一部である貫通部237aを通して第1層枠部230aの+Y’軸側の面で第2層ベース部230bの−Y’軸側の面に形成される第1電極236aに電気的に接続されている。
【0037】
図9(a)は、第2水晶発振器200の第2層ベース部230bの平面図である。一点鎖線で空間部238a及び電子回路素子20が載置される位置が示されている。第3電極236cは、その一部が空間部238aの内側に形成され、また、電子回路素子20の外側に形成されている。第2層ベース部230bの−Y’軸側の面には、第1電極236a及び第2電極236bの一部と第3電極236cとが形成されている。図9(a)ではこれらの電極が点線で示されている。第1電極236aは、第1層枠部230aを貫通する貫通部237aを通して外部電極251,252と接続されている。第2電極236bは、第2層ベース部230bを貫通する貫通部237bを通して第2層236bの+Y’軸側の面に形成されている水晶振動片載置部235に電気的に接続されている。
【0038】
図10(b)は、パッケージ230の第3層枠部230cの平面図である。パッケージ230の第3層枠部230cは、中央に第3層枠部230cを貫通する空間部238bが形成されており、空間部238bは第1キャビティCT1を構成している。
【0039】
(第3実施形態)
<第3水晶発振器300の構成>
第3実施形態として、リッド及びパッケージとが水晶ウエハ上に複数形成され、水晶ウエハを接合した後に水晶ウエハを切断して形成される第3水晶発振器300について図11〜図13を参照しながら説明する。図12(a)は、第3水晶発振器300のC−C’断面図であり、(b)は、(a)のパッケージ330の第1層331の平面図である。図13(a)は、パッケージ330の第2層332の平面図であり、(b)は、水晶パッケージ330の第3層333の平面図である。以下の説明において、第1水晶発振器100とその構成が同じ部分は第1水晶発振器100と同じ番号を付してその説明を省略する。
【0040】
図11は、第3水晶発振器300の分解斜視図である。第3水晶発振器300は主に、水晶振動片210と、電子回路素子220と、パッケージ330(図12(a)を参照)と、リッド205とにより構成されている。水晶振動片210は、+Y’軸側の面及び−Y’軸側の面に励振電極215a,215bが形成されている。また、水晶振動片210の−Y’軸側の+X軸側に電極パッド213が形成され、−X軸側には電極パッド214が形成されており、+Y’軸側の面に形成された励振電極225aは、−X軸側の電極パッド214に電気的に接続され、−Y’軸側の面に形成された励振電極225bは、+X軸側の電極パッド213に電気的に接続されている。電子回路素子220は、2つの水晶端子21がZ’軸方向に並んで形成され、各水晶端子21のX軸方向の隣には回路端子22が形成されている。リッド205は、例えば水晶により形成されており、−Y’軸側の面には第3水晶発振器300のキャビティの一部を形成する凹部217が形成されている。
【0041】
図12(a)に示されるように、水晶パッケージ330の+Y’軸側の面には第3水晶発振器300のキャビティCTの一部を形成する凹部349が形成されており凹部349内には電子回路素子220が載置される。また、パッケージ330の−Y’軸側の実装面M1には4つの外部電極351a,351b,352a,352bが形成されている。
【0042】
水晶パッケージ330は、ベース水晶第1層331とベース水晶第2層332とベース水晶第3層333との3層から成る。水晶パッケージ330のベース水晶第1層331には第1電極336a、第2電極336b及び第3電極336cが形成されている。ベース水晶第1層331の凹部349内には第1電極336aの電子回路素子載置部333a及び第2電極336bの電子回路素子載置部333bが形成されており、その上には金属バンプ53を介して電子回路素子320の回路端子22及び水晶端子21が接続される。第1電極336aは凹部349内の電子回路素子載置部333aから貫通電極(不図示)を通して外部電極351と電気的に接続される。
【0043】
図12(b)に示されるように、第2電極336bは電子回路素子載置部333bから水晶パッケージ330の+Y’軸側の面の+X軸側及び−X軸側に形成される水晶振動片載置部335まで形成されている。水晶振動片載置部335には水晶振動片210が載置され、水晶振動片載置部335と電極パッド213,214とが電気的に接続される。第3電極336cは、第1電極336aと第2電極336bとを電気的に接続している。第1電極236aは、パッケージ330を貫通する貫通部337aに形成された第1電極336aにより形成されている。第2電極236bは、水晶パッケージ330を貫通する貫通部237bに形成された第2電極336bにより形成されている。
【0044】
図13(a)は、パッケージ330のベース水晶第2層332の平面図であり、(b)は、パッケージ330のベース水晶第3層333の平面図である。パッケージ330のベース水晶第2層332には、グランド電極343が形成される。ベース水晶第3層333には、プラス電源電極(VDD電極)44が形成される。
【0045】
第3水晶発振器300は、パッケージ330のベース部3層が水晶ウエハ上に複数形成され、3層の水晶ウエハをシロキサン接合した後、電子回路素子220をパッケージ330の凹部349に載置接合する。パッケージ330に水晶振動片210とリッド水晶ウエハとが真空中でシロキサン接合される。接合後水晶ウエハが切断され、第3水晶発振器300が形成される。生成されるコンデンサ容量C(静電容量pF)は水晶の誘電率を「4.6×10−12」として数式1で計算すればよい。
【0046】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0047】
例えば、水晶振動片はATカットの水晶振動片である場合を示したが、同じように厚みすべりモードで振動するBTカットなどであっても同様に適用できる。また、音叉型水晶振動片についても適用できる。さらに水晶振動片は水晶材料のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは水晶セラミックを含む水晶材料に基本的に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
5,205 … リッド
10、210 … 水晶振動片
10a … 電子部品
11、12 … 引出電極
13,14,213,214 … 電極パッド
15a、15b,225a,225b … 励振電極
20、220 … 電子回路素子
21 … 水晶端子
22 … 回路端子
30、230、330、 … パッケージ
30a … ベースセラミック層、30b … 台座セラミック層
30c … 枠部セラミック層
33a、33b、233a、233b … 電子回路素子載置部
333a,333b … 電子回路素子載置部
35、335 … 水晶振動片載置部
36a、236a、336a … 第1電極
36b、236b、336b … 第2電極
36c、236c、336c … 第3電極
37a、37b、237a、237b,337a,337b … 貫通部
38a、38b、238a、238b … 空間部
41 … 封止材
43 … グランド電極膜、44 … VDD電極膜
51a … 外部電極(VDD端子)、 51b外部電極(周波数取出し端子)
52a … 外部電極(スタンバイ端子)、 52b … 外部電極(グランド端子)
53 … 金属バンプ
60 … 導電性接着剤
100、200、300 … 水晶発振器
101,211 … ATカット水晶板
217,349 … 凹部
230a … パッケージ230の第1層枠部
230b … パッケージ230の第2層ベース部
230c … パッケージ230の第3層枠部
231 … パッケージベース部230bの第1層
232 … パッケージベース部230bの第2層
233 … パッケージベース部230bの第3層
301 … ベースセラミック第1層
302 … ベースセラミック第2層
303 … ベースセラミック第3層
330 … 水晶パッケージ330
331 … ベース水晶第1層
332 … ベース水晶第2層
333 … ベース水晶第3層
C1 … キャパシタ
CT、CT1,CT2 … キャビティ
M1 … 実装面
P1 … 電源ライン、 P2 … キャパシタライン
P3 … 接地ライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の励振電極を有する水晶振動片と、
前記水晶振動片を発振させる一対の水晶端子と、電源が供給される電源端子と、アースされたグランド端子と、発振周波数を出力する出力端子とを有する発振回路と、
実装面に少なくとも前記電源端子、前記グランド端子及び前記出力端子に電気的につながる3つの実装端子を有し、前記水晶振動片及び前記発振回路が装着されるベース板と、を備え、
前記ベース板は所定の誘電率を有する誘電体層を有しており、
前記ベース板は、前記電源端子に接続され所定面積を有する第1金属膜と、前記誘電体層を挟んで前記第1金属膜と対向して前記グランド端子に接続され所定面積を有する第2金属膜とを有する水晶発振器。
【請求項2】
前記第1金属膜及び前記第2金属膜の所定面積と前記誘電体層の厚さとを調整することで、前記誘電体層に生成される静電容量を調整する請求項1に記載の水晶発振器。
【請求項3】
前記誘電体層はアルミナセラミック又は水晶である請求項1又は請求項2に記載の水晶発振器。
【請求項4】
前記発振回路は、さらに前記出力端子からの出力をオンオフするスタンバイ端子又は前記周波数を制御する周波数制御電圧端子を含み、
前記ベース板は、さらに前記スタンバイ端子又は前記周波数制御電圧端子に電気的につながる実装端子を有する水晶発振器。
【請求項1】
一対の励振電極を有する水晶振動片と、
前記水晶振動片を発振させる一対の水晶端子と、電源が供給される電源端子と、アースされたグランド端子と、発振周波数を出力する出力端子とを有する発振回路と、
実装面に少なくとも前記電源端子、前記グランド端子及び前記出力端子に電気的につながる3つの実装端子を有し、前記水晶振動片及び前記発振回路が装着されるベース板と、を備え、
前記ベース板は所定の誘電率を有する誘電体層を有しており、
前記ベース板は、前記電源端子に接続され所定面積を有する第1金属膜と、前記誘電体層を挟んで前記第1金属膜と対向して前記グランド端子に接続され所定面積を有する第2金属膜とを有する水晶発振器。
【請求項2】
前記第1金属膜及び前記第2金属膜の所定面積と前記誘電体層の厚さとを調整することで、前記誘電体層に生成される静電容量を調整する請求項1に記載の水晶発振器。
【請求項3】
前記誘電体層はアルミナセラミック又は水晶である請求項1又は請求項2に記載の水晶発振器。
【請求項4】
前記発振回路は、さらに前記出力端子からの出力をオンオフするスタンバイ端子又は前記周波数を制御する周波数制御電圧端子を含み、
前記ベース板は、さらに前記スタンバイ端子又は前記周波数制御電圧端子に電気的につながる実装端子を有する水晶発振器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−26761(P2013−26761A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158630(P2011−158630)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
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