説明

洗浄装置

【課題】洗浄ムラの発生を防止して、洗浄後の被洗浄物の品質の低下を防止することができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】洗浄装置1は、基板12を搬送する搬送コンベア3と、搬送される基板12に対して、搬送コンベアの搬送方向と直交する全幅に渡って、洗浄剤10を帯状に連続的に吹き付けて、基板12を洗浄する洗浄剤吹き付けノズル4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネル用の基板、半導体基板、金属基板、ガラス基板等の基板の表面を洗浄する際に使用される洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置は、互いに対向して配置された一対のガラス基板と、一対のガラス基板の間に設けられた液晶層と、一対のガラス基板を互いに接着するとともに、両ガラス基板の間に液晶を封入するために枠状に設けられたシール材とを備えている。
【0003】
また、液晶表示装置に使用される液晶表示パネルを製造する場合、一般に、マザーガラスと呼ばれる大型のガラス基板から複数枚のガラス基板を作製し、このガラス基板の表面に対して、レジスト塗布処理、エッチング処理、及びレジスト剥離処理を繰り返して行うことにより、基板の表面に積層構造を有する回路が形成され、液晶表示装置を構成するTFT(Thin Film Transistor)基板及びCF(Color Filter)基板が形成される。
【0004】
また、一般に、これらの基板は、それぞれの用途に要求される性能や耐久性等の信頼性を一層向上させるために、高い清浄度が必要とされ、TFT基板等の製造工程では、TFT基板等を清浄化するための洗浄工程が必要となる。例えば、上述のレジスト剥離処理において剥離液が供給された基板の表面を洗浄するために、純水等の洗浄剤(洗浄液)により基板を洗浄する。
【0005】
また、ガラス基板、シリコン基板などの洗浄には、主に、洗浄剤を満たした洗浄槽に基板を浸漬させる方式と、搬送下にある基板の被洗浄面に洗浄剤を噴射するノズル方式がある。このうち、洗浄剤を噴射させるノズル方式は、基板の清浄度を高めるとともに、装置を大型化することなく、基板の大型化に対応でき、コストも低いという利点を有するため、基板洗浄の主流になりつつある。
【0006】
このようなノズル方式の洗浄装置としては、例えば、洗浄される基板を搬送するための搬送路と、当該搬送路に対向して設けられるとともに、搬送路を搬送する基板の表面に対して洗浄剤を噴射する複数の基板洗浄用ノズルとを備えたものが開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平3−29919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、上記従来の洗浄装置においては、ノズル方式を採用しているため、洗浄剤が噴射されるノズルの開口部の両端部から噴射される洗浄剤量と、開口部の中央部から噴射される洗浄剤量とが異なる。また、図9に示すように、従来の洗浄装置50においては、基板51の表面全体を確実に洗浄するとの観点から、基板の幅方向(即ち、基板の搬送方向Dに直交する方向)Eにおいて、所定の間隔により複数のノズル52を配置するとともに、隣接するノズル52から噴射される洗浄剤53の一部が重なり合うように設計しているが、洗浄剤53が重なり合う領域における基板51に対する洗浄剤53の圧力(以下、「洗浄剤の打力」という。)が、他の領域に比し大きくなる。
【0009】
従って、洗浄剤を基板51の全面に均一に供給できず、基板51の表面に対する洗浄剤53の打力にバラツキが生じてしまい、図9に示すように、基板51の幅方向Eにおいて、基板51の表面上に複数の洗浄ムラ(洗浄剤の打力に起因する基板表面の損傷ムラ)55が生じてしまう。その結果、洗浄後の基板の品質が著しく低下してしまい、洗浄後の基板(例えば、上述のTFT基板やCF基板)を備える液晶表示装置の点灯検査において、洗浄ムラ55がスジとなって現れてしまうという問題があった。
【0010】
特に、基板の表面に、例えば、アルミニウム等の金属により形成されたゲート電極、ソース電極、ドレイン電極が形成されている状態で、上記従来の洗浄装置による洗浄を行うと、上述の洗浄ムラが顕著になるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、洗浄ムラの発生を防止して、洗浄後の基板の品質の低下を防止することができる洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被洗浄物を搬送する搬送コンベアと、搬送される被洗浄物に対して、搬送方向と直交する被洗浄物の全幅に渡って、洗浄剤を帯状に連続的に吹き付けて、被洗浄物を洗浄する洗浄剤吹き付けノズルとを備えることを特徴とする洗浄装置である。
【0013】
同構成によれば、上記従来のノズル方式の洗浄装置と異なり、洗浄剤を被洗浄物の全面に均一に供給することが可能になる。従って、被洗浄物の表面に対する洗浄剤の打力のバラツキの発生を防止することができ、被洗浄物の表面上における洗浄ムラの発生を防止できる。その結果、洗浄後の被洗浄物の品質の低下を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の洗浄装置であって、洗浄剤は、加圧された気体と液体とを混合して形成した帯状の二流体洗浄剤であることを特徴とする。
【0015】
同構成によれば、被洗浄物の表面に付着した汚染物質を帯電させることなく、洗浄により、除去することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の洗浄装置であって、洗浄剤の吹き付け量を調節するための洗浄剤量調節部を更に備えることを特徴とする。
【0017】
同構成によれば、洗浄される被洗浄物の表面の状態に対応させて、洗浄剤の吹き付け量を調節することが可能になるため、洗浄剤の打力に起因する被洗浄物の表面の損傷を効果的に抑制しつつ、洗浄力の低下を生じることなく、被洗浄物の表面上における洗浄ムラの発生を防止できる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の洗浄装置であって、被洗浄物の搬送方向において、複数の洗浄剤吹き付けノズルが設けられていることを特徴とする。
【0019】
同構成によれば、複数の洗浄剤吹き付けノズルが設けられているため、洗浄ムラの発生を防止した状態で、被洗浄物を洗浄する際の洗浄力を向上させることが可能になる。
【0020】
また、本発明の請求項1〜請求項4に記載の洗浄装置は、被洗浄物の表面上における洗浄ムラの発生を防止して、洗浄後の被洗浄物の品質の低下を防止することが可能になるという優れた特性を備えている。従って、請求項5に記載の発明のように、本発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の洗浄装置であって、被洗浄物が、TFT基板またはCF基板である場合に、特に好適に使用される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、被洗浄物の表面上における洗浄ムラの発生を防止して、洗浄後の被洗浄物の品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る洗浄装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る洗浄装置により洗浄される基板を備える液晶表示パネルを示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る洗浄装置における洗浄剤吹き付けノズルの外観構成を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る洗浄装置を使用した洗浄方法を説明するための概略図である。
【図6】本発明の実施形態に係る洗浄装置を使用した洗浄方法を説明するための概略図である。
【図7】本発明の実施形態に係る洗浄装置の変形例を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態に係る洗浄装置の変形例を説明するための図である。
【図9】従来の洗浄装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る洗浄装置の全体構成を示す概略図であり、図2は本発明の実施形態に係る洗浄装置により洗浄される基板を備える液晶表示パネルを示す断面図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る洗浄装置における洗浄剤吹き付けノズルの外観構成を示す斜視図であり、図4は、図3のA−A断面図である。なお、本実施形態においては、洗浄装置により洗浄される被洗浄物として、液晶表示パネルを構成する基板(TFT基板、またはCF基板)を例に挙げて説明する。
【0025】
図1に示すように、洗浄装置1は、被洗浄物である基板12を搬送するための搬送部である搬送コンベア3と、基板12に対して、基板12を洗浄するための洗浄剤を吹き付けて基板12を洗浄する洗浄剤吹き付けノズル4と、洗浄後の基板12を乾燥させるエアを供給するためのエアノズル5とを備えている。
【0026】
搬送コンベア3としては、例えば、搬送ベルトが使用され、処理対象としての基板12が搬送コンベア3に載置されると、搬送コンベア3により、基板12は、図1に示す矢印Yの方向にベルトコンベア式に搬送される構成となっている。なお、搬送コンベア3は、基板12を搬送できるものであれば、特に限定されず、搬送ベルトの代わりに、搬送コロ等を使用する構成としても良い。
【0027】
また、本実施形態に係る洗浄装置1により洗浄される基板12としては、液晶表示パネルを構成するTFT基板やCF基板が挙げられる。
【0028】
より具体的には、液晶表示パネル2は、図2に示すように、第1基板であるTFT基板24(基板12に相当)と、TFT基板24に対向して配置された第2基板であるCF基板25(基板12に相当)と、TFT基板24及びCF基板25の間に設けられた表示媒体層である液晶層26と、TFT基板24及びCF基板25を互いに接着するとともに液晶層26を封入するために枠状に設けられたシール材27とを備えている。
【0029】
このシール材27は、液晶層26を周回するように形成されており、TFT基板24とCF基板25は、このシール材27を介して相互に貼り合わされている。
【0030】
また、CF基板25は、液晶層26を介して、TFT基板24と対向するように表示用光の出射側に設けられている。
【0031】
TFT基板24は、ガラス基板と、ガラス基板上に形成されたそれぞれ不図示のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極等のTFT素子、絶縁層、画素電極及び配向膜等で構成されている。
【0032】
CF基板25は、例えば、ガラス基板と、ガラス基板上に格子状及び遮光部として枠状に設けられたブラックマトリクス(不図示)と、ブラックマトリクスの各格子間にそれぞれ設けられ、各画素に対して設けられた複数種の着色層(即ち、赤色層R、緑色層G、および青色層B)を含むカラーフィルタ(不図示)と、ブラックマトリクス及びカラーフィルタを覆うように設けられた共通電極(不図示)と、共通電極上に柱状に設けられたフォトスペーサ(不図示)と、共通電極を覆うように設けられた配向膜(不図示)とを備えている。
【0033】
液晶層26は、例えば、電気光学特性を有するネマチックの液晶材料などにより構成されている。
【0034】
また、図1に示すように、洗浄剤吹き付けノズル4とエアノズル5は、搬送コンベア3に対向して設けられるとともに、基板12の搬送方向Yの上流側に設けられている。
【0035】
また、本実施形態においては、被洗浄物の表面に付着した汚染物質を帯電させることなく、洗浄により除去するとの観点から、洗浄剤として、加圧された気体と液体とを混合して形成した二流体洗浄剤を使用する構成としている。より具体的には、この洗浄剤供給部材4は、加圧された気体(例えば、空気)と液体(例えば、水)とを混合して形成した帯状の二流体洗浄剤(以下、「流体ナイフ」と言う。)10を被洗浄物である基板12に向けて吐出して吹き付けて、基板12の表面12aに衝突させることにより洗浄を行う。
【0036】
また、洗浄剤吹き付けノズル4は、図3、図4に示すように、例えば、合成樹脂または金属(例えば、SUS)等により形成されたケーシング6を備えており、当該ケーシング6には、加圧された気体の流入口7及び液体の流入口8と、流入した気体の流通路9及び流入した液体の流通路11と、気体と液体とを混合して流体ナイフ10を形成するための混合管12と、流体ナイフ10を吐出して吹き付けるための吐出口13が形成されている。
【0037】
なお、洗浄剤吹き付けノズル4のサイズは、被洗浄物である基板12のサイズに対応させて変更することができるが、例えば、長さLが3m、高さHが60cm、及び幅Wが40cmのものを使用することができる。また、図3に示すように、洗浄剤吹き付けノズル4の長手方向(即ち、洗浄剤吹き付けノズル4の長さ方向)が、基板12の幅方向(即ち、基板の搬送方向Yに直交する方向)Eと一致するように配置されている。また、吐出される流体ナイフ10の幅Tは、例えば、0.2〜0.5cm程度に設定することができる。
【0038】
また、図1に示すように、洗浄装置1は、洗浄剤吹き付けノズル4に気体を供給する気体供給部14と、洗浄剤吹き付けノズル4に液体を供給する液体供給部21と、洗浄剤吹き付けノズル4から吹き付けられる流体ナイフ10の吹き付け量の調節を行う洗浄剤量調節部17とを備えている。また、洗浄装置1は、気体供給部14、液体供給部21、及び洗浄剤量調節部17の制御を行う制御手段としてのCPU15と、記憶手段であるメモリ16とを備えている。このCPU15には、上述の気体供給部14、液体供給部21、及び洗浄剤量調節部17が接続されるとともに、メモリ16が接続されており、CPU15は、メモリ16に記憶されているプログラムに従い、各部の制御を行う構成となっている。なお、CPU15は、メモリ16に記憶されているプログラムに従い、上述の搬送コンベア3及びエアノズルの制御も行う。
【0039】
そして、このような洗浄剤吹き付けノズル4においては、流入口7,8から供給された気体と液体が混合管12において混合されるとともに、当該混合管12において、流体ナイフ10が形成され、流体ナイフ10が被洗浄物である基板12に向けて(即ち、図4における矢印Xの方向に)吐出口13から吐出されて、基板12に対して吹き付けられて、基板12に到達することにより、基板12の表面12aの洗浄が行われる構成となっている。
【0040】
次に、本実施形態の洗浄方法について説明する。図5〜図6は、本発明の実施形態に係る洗浄装置を使用した洗浄方法を説明するための概略図である。
【0041】
まず、図1に示すように、被洗浄物である基板12を、搬送コンベア3により、搬送方向Yに搬送する。なお、基板12の搬送速度は、一定速度(例えば、150mm/s)である。
【0042】
次いで、図5に示すように、洗浄剤吹き付けノズル4により、搬送されている基板12に向けて、気体と液体とが混合された流体ナイフ10を吐出する。そうすると、基板12の表面12aに流体ナイフ10が供給され、基板12の表面12aが洗浄される。
【0043】
ここで、本実施形態の洗浄装置1においては、図3に示すように、洗浄剤吹き付けノズル4によって、搬送される基板12に対して、搬送方向Yと直交する基板12の全幅に渡って、洗浄剤を帯状に連続的に吹き付けて、基板12を洗浄する構成としている。
【0044】
従って、洗浄剤供給部材4により吹き付けられた流体ナイフ10により、基板12の幅方向Eの全体において、基板12の表面12aを洗浄することができるため、上記従来のノズル方式の洗浄装置と異なり、洗浄剤を基板12の全面に均一に供給することが可能になる。従って、基板12の表面12aに対する洗浄剤の打力のバラツキの発生を防止することができ、基板12の表面12a上における洗浄ムラの発生を防止できる。
【0045】
特に、基板12の表面12aに対して、レジスト塗布処理、エッチング処理、及びレジスト剥離処理を繰り返して行うことにより、アルミニウム等の金属により形成された上述のゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成し、上述のレジスト剥離処理において剥離液が供給された基板12の表面を洗浄するために、洗浄剤により基板を洗浄する場合であっても、洗浄ムラの発生を確実に防止することができる。
【0046】
また、本実施形態においては、上述の洗浄剤量調節部17により、洗浄剤吹き付けノズル4から吹き付けられる流体ナイフ10の吹き付け量を調節する構成としている。従って、洗浄される被洗浄物の状態に対応させて、洗浄剤の吹き付け量を調節することが可能になるため、洗浄剤の打力に起因する基板表面の損傷を効果的に抑制しつつ、洗浄力の低下を生じることなく、基板12の表面12a上における洗浄ムラの発生を防止できる。
【0047】
より具体的には、例えば、ガラス基板の表面にアルミニウム等の金属により形成された上述のゲート電極等が形成されたTFT基板24を洗浄する場合は、ゲート電極等の電極は、洗浄剤の打力による損傷を受けやすいため、洗浄剤量調節部17により、洗浄剤吹き付けノズル4から吹き付けられる流体ナイフ10の吹き付け量を調節する(少なくする)ことにより、ガラス基板の表面に形成された電極に対する洗浄剤の打力を弱めて、洗浄剤の打力に起因する基板表面の損傷を効果的に抑制しつつ、洗浄力の低下を生じることなく、基板12の表面12a上における洗浄ムラの発生を防止することができる。
【0048】
次いで、図6に示すように、洗浄された基板12がエアノズル5に向けて搬送され、エアノズル5により、搬送されている基板12に向けて、エア20が噴出される。そうすると、基板12の表面12aにエア20が供給され、基板12の表面12aが乾燥される。
【0049】
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0050】
(1)本実施形態においては、洗浄装置1において、搬送される基板12に対して、搬送方向Yと直交する基板12の全幅に渡って、洗浄剤を帯状に連続的に吹き付けて、基板12を洗浄する洗浄剤吹き付けノズル4を設ける構成としている。従って、上記従来のノズル方式の洗浄装置と異なり、洗浄剤である流体ナイフ10を基板12の全面に均一に供給することが可能になる。従って、基板12の表面12aに対する洗浄剤の打力のバラツキの発生を防止することができ、基板12の表面12a上における洗浄ムラの発生を防止できる。その結果、洗浄後の基板12の品質の低下を防止することができる。
【0051】
(2)本実施形態においては、洗浄剤として、加圧された気体と液体とを混合して形成した帯状の二流体洗浄剤を使用する構成としている。従って、基板12の表面12aに付着した汚染物質を帯電させることなく、洗浄により、除去することが可能になる。
【0052】
(3)本実施形態においては、洗浄剤の吹き付け量を調節するための洗浄剤量調節部17を設ける構成としている。従って、洗浄される基板の状態に対応させて、洗浄剤の吹き付け量を調節することが可能になるため、洗浄剤の打力に起因する基板表面の損傷を効果的に抑制しつつ、洗浄力の低下を生じることなく、基板の表面上における洗浄ムラの発生を防止できる。
【0053】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
【0054】
上記実施形態においては、洗浄剤吹き付けノズル4を1つ設ける構成としたが、図7に示すように、洗浄装置1において、基板12の搬送方向Yにおいて、複数の洗浄剤吹き付けノズル4を設ける構成としても良い。このような構成により、洗浄ムラの発生を防止した状態で、基板12を洗浄する際の洗浄力を向上させることが可能になる。
【0055】
また、図8に示すように、洗浄剤吹き付けノズル4(の吐出口13)を、搬送方向Yと直交する方向Eに対して所定の角度θ(例えば、3°)傾斜させて配置し、搬送方向Yと直交する方向Eに対して傾斜する方向Zにおいて、基板12の全幅に渡って、洗浄剤を帯状に連続的に吹き付けて、基板12を洗浄する構成としても良い。この場合も、上述の(1)〜(3)の効果と同様の効果を得ることができる。なお、この場合も、基板12の搬送方向Yにおいて、複数の洗浄剤吹き付けノズル4を設ける構成としても良い。
【0056】
また、上記実施形態においては、被洗浄物として、液晶表示パネル2を構成するTFT基板24(または、CF基板25)を例に挙げて説明したが、本発明の洗浄装置1は、半導体基板等の実装基板、シリコンウェハ、金属基板、ガラス基板等の他の基板を洗浄するために使用することができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上説明したように、本発明は、液晶表示パネル用の基板、半導体基板、金属基板、ガラス基板等の基板の表面を洗浄する際に使用される洗浄装置に適している。
【符号の説明】
【0058】
1 洗浄装置
2 液晶表示パネル
3 搬送コンベア
4 洗浄剤吹き付けノズル
5 エアノズル
10 洗浄剤
12 基板(被洗浄物)
14 気体供給部
15 CPU
16 メモリ
17 洗浄剤量調節部
21 液体供給部
24 TFT基板
25 CF基板
E 基板の幅方向
Y 基板の搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を搬送する搬送コンベアと、
搬送される前記被洗浄物に対して、搬送方向と直交する前記被洗浄物の全幅に渡って、洗浄剤を帯状に連続的に吹き付けて、前記被洗浄物を洗浄する洗浄剤吹き付けノズルと
を備えることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄剤は、加圧された気体と液体とを混合して形成した帯状の二流体洗浄剤であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄剤の吹き付け量を調節する洗浄剤量調節部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記被洗浄物の搬送方向において、複数の前記洗浄剤吹き付けノズルが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記被洗浄物が、TFT基板またはCF基板であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−129579(P2011−129579A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284102(P2009−284102)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】