説明

液処理装置、液処理方法および記憶媒体

【課題】処理工程全体の処理時間の短縮を図る。
【解決手段】本発明による液処理方法は、第1ノズル31Aを用い第1処理液をウエハWに供給するとともに、第1処理液を第1排出路46aから排出して第1気液分離器48aへ導く第1処理工程と、第2ノズル31Bを用い第2処理液をウエハWに供給するとともに、第2処理液を第2排出路46bから排出して第2気液分離器48bへ導く第2処理工程とを備えている。第2処理工程が開始される前に、第1ノズル31Aから第2ノズル31Bへのノズル切換作業と、案内カップ44を上下させて第1排出路46bから第2排出路46bへ切換える排出機構切換作業が行なわれる。切換作業に要する時間のうち最長となる時間を最大準備時間として、第1処理工程の終了時から最大準備時間以上早めた時間から上記切換作業が開始される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を水平状態に保持した状態で回転させながら当該基板に処理液を供給することにより基板に洗浄処理やエッチング処理等の所定の液処理を行う液処理装置、液処理方法および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において、半導体ウエハ等の基板(以下、単に「ウエハ」ともいう)に形成された処理対象膜の上に所定のパターンでレジスト膜が形成され、このレジスト膜をマスクとしてエッチング、イオン注入等の処理が処理対象膜に施されるようになっている。処理後、不要となったレジスト膜はウエハ上から除去される。
【0003】
レジスト膜の除去方法として、SPM処理がよく用いられている。SPM処理は、硫酸と過酸化水素水とを混合して得たSPM(Sulfuric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)液を加熱してSPM液ノズルからウエハ上のレジスト膜に供給することにより行われる。この場合、ウエハは基板保持部により保持され、ウエハに供給されたSPM液は基板保持部外周に設けられた第1排出路から排出される。
【0004】
SPM処理が終了した後、ウエハに対してリンス液がリンス液ノズルから供給される。この場合、ウエハに供給されたリンス液は、第1排出路と異なる第2排出路から排出される。
【0005】
ところでウエハに対してSPM液(第1処理液)を供給する処理工程と、ウエハに対してリンス液(第2処理液)を供給する処理工程との間では、SPM液ノズル(第1ノズル)からリンス液ノズル(第2ノズル)へ切換える作業が必要となり、かつウエハから排出される液を第1排出路へ導く経路から第2排出路へ導く経路へ切換える作業も必要となる。
【0006】
このため処理時間としては、ウエハへのSPM液(第1処理液)の供給時間と、ウエハへのリンス液(第2処理液)の供給時間と上述したSPM液ノズル(第1ノズル)からリンス液ノズル(第2ノズル)への切換作業および第1排出路から第2排出路への切換作業の時間を加えた時間を要することになる。この様なもと、最近の半導体デバイスの処理工程において、全体の処理時間をさらに短くすることが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−35866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ウエハに対して第1処理液を供給する処理工程と、その後ウエハに対して第2処理液を供給する処理工程とを備えた液処理工程において、全体としての処理時間の短縮を図ることができる液処理装置、液処理方法および記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基板を保持する基板保持部と、基板保持部に保持された基板に対して第1処理液を供給する第1ノズルと、基板保持部に保持された基板に対して第2処理液を供給する第2ノズルと、第1排出路と第2排出路とを切換可能な排出機構と、基板保持部、第1ノズル、第2ノズルおよび排出機構を各々制御する制御部とを備え、制御部は、基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給するとともに、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出する第1処理工程と、第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給するとともに、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出する第2処理工程とを備え、第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業および第1排出路から第2排出路への排出機構切換作業が行なわれ、ノズル切換作業および排出機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業が開始されることを特徴とする液処理装置である。
【0010】
本発明は、排出機構は第1排出路に接続された第1位置と、第2排出路に接続された第2位置との間を移動可能となることを特徴とする請求項1記載の液処理装置である。
【0011】
本発明は、第1排気機構と、第2排気機構とを更に備え、制御部は、第1処理工程において、更に第1処理液からの排気を第1排気機構により排気し、第2処理工程において、更に第2処理液からの排気を第2排気機構により排気し、第2処理工程が開始される前に、第1排気機構から第2排気機構への排気機構切換作業が行なわれ、ノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業および排気機構切換作業が開始されることを特徴とする液処理装置である。
【0012】
本発明は、基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給するとともに、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出する第1処理工程と、第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給するとともに、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出する第2処理工程とを備え、第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業および第1排出路から第2排出路への排出機構切換作業が行なわれ、ノズル切換作業および排出機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業が開始されることを特徴とする液処理方法である。
【0013】
本発明は、基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給し、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出するとともに、第1処理液からの排気を第1排気機構により排気する第1処理工程と、第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給し、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出するとともに、第2処理液からの排気を第2排気機構により排気する第2処理工程とを備え、第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業、第1排気路から第2排出路への排出機構切換作業および第1排気機構から第2排気機構への排気機構切換作業が行なわれ、ノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業、排気機構切換作業が開始されることを特徴とする液処理方法である。
【0014】
本発明は、第2処理工程の後で、基板を乾燥させる第3処理工程を更に備えたことを特徴とする液処理方法である。
【0015】
本発明は、排出機構は基板保持部外周に設けられた案内カップからなり、この案内カップは上下方向に移動して第1排出路に接続された第1位置と第2排出路に接続された第2位置をとることを特徴とする液処理方法である。
【0016】
本発明は、第1ノズルは第1ノズル支持アームに設けられ、第2ノズルは第2ノズル支持アームに設けられていることを特徴とする液処理方法である。
【0017】
本発明は、第1ノズルおよび第2ノズルは共通のノズル支持アームに設けられていることを特徴とする液処理方法である。
【0018】
本発明は、第1排気機構および第2排気機構は、切換弁により切換可能となることを特徴とする液処理方法である。
【0019】
本発明は、コンピュータに液処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、この液処理方法は、基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給し、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出する第1処理工程と、第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給し、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出する第2処理工程とを備え、第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業および第1排出路から第2排出路への排出機構切換作業が行なわれ、ノズル切換作業および排出機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業が開始されることを特徴とする記憶媒体である。
【0020】
本発明は、コンピュータに液処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、この液処理方法は、基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給し、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出するとともに、第1処理液からの排気を第1排気機構により排気する第1処理工程と、第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給し、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出するとともに、第2処理液からの排気を第2排気機構により排気する第2処理工程とを備え、第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業、第1排出路から第2排出路への排出機構切換作業および第1排気機構から第2排気機構への排気機構切換作業が行なわれ、ノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業が開始されることを特徴とする記憶媒体である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、液処理方法全体の処理時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は本発明の実施の形態による液処理装置を含む液処理システムを上方から見た上面図である。
【図2】図2は液処理装置における基板保持部およびその周辺に位置する構成要素を示す縦断面図である。
【図3】図3は本発明による液処理方法を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)(b)は案内カップと昇降シリンダを示す図である。
【図5】図5は薬液供給機構およびリンス供給機構を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は、本実施の形態による液処理装置を示す図である。より詳細には、図1は、本実施の形態による液処理装置を含む液処理システムを上方から見た上面図である。また、図2は、図1に示す液処理装置における基板保持部およびその周辺に位置する構成要素を示す縦断面図であり、図3は、液処理方法を示すフローチャートである。
【0024】
まず、図1を用いて、本実施の形態による液処理装置を含む液処理システムについて説明する。図1に示すように、液処理システムは、外部から被処理基板としての半導体ウエハ等の基板W(以下、ウエハWともいう)を収容したキャリアを載置するための載置台101と、キャリアに収容されたウエハWを取り出すための搬送アーム102と、搬送アーム102によって取り出されたウエハWを載置するための棚ユニット103と、棚ユニット103に載置されたウエハWを受け取り、当該ウエハWを液処理装置10内に搬送する搬送アーム104と、を備えている。図1に示すように、液処理システムには、複数(図1に示す態様では4個)の液処理装置10が設けられている。
【0025】
次に、本実施の形態による液処理装置10の概略的な構成について図2を用いて説明する。
【0026】
図2に示すように、本実施の形態による液処理装置10は、ウエハWが収容され、この収容されたウエハWの液処理が行われるチャンバ20と、チャンバ20内に設けられ、ウエハWを水平状態で保持して回転させるための基板保持部21と、この基板保持部21の周囲に配置されたリング状の回転カップ40とを備えている。このうち回転カップ40は、ウエハWの液処理を行う際に当該ウエハWに供給された後の処理液を受けるために設けられている。
【0027】
また図2および図5に示すように、液処理装置10は基板保持部21に保持されたウエハWに対して上方から薬液(例えばSPM液)を供給するための第1ノズル31Aと、この第1ノズル31Aを支持するノズル支持アーム32Aとを備えている。ノズル支持アーム32Aは回動軸34Aにより支持され、この回動軸34Aは駆動部33Aにより回転駆動される。
【0028】
またノズル支持アーム32A内には供給ライン35Aが延びており、この供給ライン35Aは開閉弁36aを有し、過酸化水素水供給部(H供給部)36に接続されている。
【0029】
また供給ライン35Aは、ヒータ37bおよび開閉弁37aを有し、硫酸供給部(HSO供給部)37に接続されている。
【0030】
そして第1ノズル31A、ノズル支持アーム32A、回動軸34Aおよび駆動部33Aにより薬液供給機構30Aが構成され、駆動部33Aにより回動軸34Aが回動してノズル支持アーム32Aを水平方向に旋回させるようになっている。
【0031】
また図2および図5に示すように、液処理装置10は基板保持部21に保持されたウエハWに対して上方からリンス液(例えば純水液)を供給するための第2ノズル31Bと、この第2ノズル31Bを支持するノズル支持アーム32Bとを備えている。ノズル支持アーム32Bは回動軸34Bにより支持され、この回動軸34Bは駆動部33Bにより回転駆動される。
【0032】
またノズル支持アーム32B内には供給ライン35B、35Cが延びており、このうち供給ライン35Bは開閉弁38aを有し、純水供給部38に接続されている。
【0033】
また供給ライン35Cは、開閉弁39aを有し、Nガス供給部39に接続されている。
【0034】
そして第2ノズル31B、ノズル支持アーム32B、回動軸34Bおよび駆動部33Bによりリンス液供給機構30Bが構成され、駆動部33Bにより回動軸34Bが回動してノズル支持アーム32Bを水平方向に旋回させるようになっている。
【0035】
図2において薬液供給機構30Aのノズル支持アーム32Aが揺動して、ノズル支持アーム32A先端に設けられた第1ノズル31AがウエハWの中央上部に位置している。このときリンス液供給機構30Bのノズル支持アーム32BはウエハWから退避しており、同様にノズル支持アーム32B先端に設けられた第2ノズル31BはウエハWから離れた位置にある。
【0036】
また、図2に示すように、基板保持部21に保持されたウエハWを上方から覆うためのエアフード70が設けられている。このエアフード70から、N2ガス(窒素ガス)やクリーンエア等の清浄化されたガスが下方向に流されるようになっている。
【0037】
次に、液処理装置10の各構成要素の詳細について更に説明する。
【0038】
図2に示すように、基板保持部21は、ウエハWを保持するための円板形状の保持プレート26と、保持プレート26の上方に設けられた円板形状のリフトピンプレート22とを備えている。リフトピンプレート22の上面には、ウエハWを下方から支持するためのリフトピン23が周方向に等間隔で3つ設けられている。なお、図2では2つのリフトピン23のみを表示している。また、リフトピンプレート22の下方にはピストン機構24が設けられており、このピストン機構24によりリフトピンプレート22が昇降するようになっている。より具体的には、搬送アーム104(図1参照)によりウエハWをリフトピン23上に載置したりリフトピン23上からウエハWを取り出したりするときには、ピストン機構24によりリフトピンプレート22が図2に示すような位置から上方に移動させられ、このリフトピンプレート22は回転カップ40よりも上方に位置するようになる。一方、チャンバ20内でウエハWの液処理や乾燥処理等を行う際には、ピストン機構24によりリフトピンプレート22が図2に示すような下降位置に移動させられ、ウエハWの周囲に回転カップ40が位置するようになる。
【0039】
保持プレート26には、ウエハWを側方から支持するための保持部材25が周方向に等間隔で3つ設けられている。なお、図2では2つの保持部材25のみを表示している。各保持部材25は、リフトピンプレート22が上昇位置から図2に示すような下降位置に移動したときにこのリフトピン23上のウエハWを側方から支持し、このウエハWをリフトピン23からわずかに離間させるようになっている。
【0040】
また、リフトピンプレート22および保持プレート26の中心部分にはそれぞれ貫通穴が形成されており、これらの貫通穴を通るよう処理液供給管28が設けられている。この処理液供給管28は、保持プレート26の各保持部材25により保持されたウエハWの裏面に薬液や純水等の様々な種類の処理液を供給するようになっている。また、処理液供給管28はリフトピンプレート22と連動して昇降するようになっている。処理液供給管28の上端には、リフトピンプレート22の貫通穴を塞ぐよう設けられたヘッド部分28aが形成されている。また、図2に示すように、処理液供給管28には処理液供給部29が接続されており、この処理液供給部29により処理液供給管28に様々な種類の処理液が供給されるようになっている。
【0041】
また、保持プレート26には上述のようにリング状の回転カップ40が取り付けられており、これによって、図示しない接続部により、回転カップ40は、保持プレート26と一体的に回転するようになっている。回転カップ40は、図2に示すように、保持プレート26の各保持部材25により支持されたウエハWを側方から囲うよう設けられている。このため、回転カップ40は、ウエハWの液処理を行う際にこのウエハWから側方に飛散した処理液を受けることができるようになっている。
【0042】
また、回転カップ40の周囲には、ドレインカップ42および案内カップ44がそれぞれ設けられている。ドレインカップ42および案内カップ44はそれぞれリング状に形成されている。また、ドレインカップ42および案内カップ44はそれぞれ上部に開口を有している。ここで、ドレインカップ42は基板保持部21に対してその位置が固定されている。一方、図4(a)(b)に示すように、案内カップ44には昇降シリンダ44aが連結されており、この案内カップ44は昇降シリンダ44aにより昇降させられるようになっている。また案内カップ44は処理液をドレンカップ42に案内するとともに、第1排出路46aと第2排出路46bとの切換えを行なう排出機構として機能する。
【0043】
図2に示すように、ドレインカップ42や案内カップ44の下方には、第1排出路46aおよび第2排出路46bがそれぞれ設けられている。そして、案内カップ44の上下方向における位置により、ウエハWの液処理を行う際にこのウエハWから側方に飛散した処理液が、この処理液の種類に基づいて、案内カップ44により2つの排出路46a、46bのうちいずれか一つの排出路に選択的に送られるようになっている。具体的には、案内カップ44が下降位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した所定の処理液、例えば後述するリンス液が第2排出路46bに送られるようになっている。一方、案内カップ44が上昇位置にあるときには、ウエハWから側方に飛散した所定の処理液、例えば後述するSPM液が第1排出路46aに送られるようになっている。また、図2に示すように、第1排出路46aおよび第2排出路46bには各々排液ポンプ49a、49bが接続されている。また第1排出路46aの内側には回転カップ40により導かれた処理液からの排気が通る排気路50が形成され、排気路50からの排気は切換弁51を介して排気ポンプ53aを有する第1排気機構52aまたは排気ポンプ53bを有する第2排気機構52bのいずれか一方へ送られる。
【0044】
この場合、排液ポンプ49a、49bからの排液および排気ポンプ53a、53bからの排気は、いずれも工場内の処理設備に送られて適宜処理される。
【0045】
ところで、ノズル支持アーム32Aに支持された第1ノズル31Aは下向きとなっており、このノズル支持アーム32Aの第1ノズル31Aからは硫酸と過酸化水素水とを混合して得たSPM液がウエハWに向かって下方に吐出されるようになっている。上述のように第1ノズル31Aには、回動軸34Aおよびノズル支持アーム32A内を延びる供給ライン35Aが接続されており、並列に設けられたH供給部36およびHSO供給部37がそれぞれ開閉弁36aおよび開閉弁37aを介して供給ライン35Aに接続されている。また、HSO供給部37から供給された硫酸を加熱するためのヒータ37bが設けられている。そして、H水供給部36およびHSO供給部37から供給された過酸化水素水および硫酸が混合され、この硫酸と過酸化水素水とを混合して得たSPM液が供給ライン35Aを介してノズル支持アーム32A先端のノズル31Aに送られるようになっている。また、HSO供給部37から供給された硫酸をヒータ37bにより加熱するとともに、硫酸と過酸化水素水とが混合したときの化学反応により反応熱が生じる。それによって、第1ノズル31Aから吐出されるSPM液は、例えば100℃以上、好ましくは170℃程度の高温となる。
【0046】
また、図2において、リンス液供給機構30Bの第2ノズル31Bは、下向きとなっている。より詳細には、第2ノズル31Bには、回動軸34Bおよびノズル支持アーム32B内を延びる供給ライン35B、35Cがそれぞれ接続されており、このうち供給ライン35Bには純水供給部38が接続されている。そして、純水供給部38から供給ライン35Bを介して供給された純水がウエハWに向かって下方に供給されるようになっている。
【0047】
また、図2に示すように、液処理装置10は、その全体の動作を統括制御するコントローラ(制御部)200を有している。コントローラ200は、液処理装置10の機能部品(例えば、ピストン機構24、駆動部33A、33B、昇降シリンダ44a、排液ポンプ49a、49b、排気ポンプ53a、53b、切換弁51、開閉弁36a、37a、38a、39a等)の動作を制御する。コントローラ200は、ハードウエアとして例えば汎用コンピュータと、ソフトウエアとして当該コンピュータを動作させるためのプログラム(装置制御プログラムおよび処理レシピ等)とにより実現することができる。ソフトウエアは、コンピュータに固定的に設けられたハードディスクドライブ等の記憶媒体に格納されるか、あるいはCD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の着脱可能にコンピュータにセットされる記憶媒体に格納される。このような記憶媒体が図2において参照符号201で示されている。プロセッサ202は必要に応じて図示しないユーザーインターフェースからの指示等に基づいて所定の処理レシピを記憶媒体201から呼び出して実行させ、これによってコントローラ200の制御の下で液処理装置10の各機能部品が動作して所定の処理が行われる。コントローラ200は、図1に示す液処理システム全体を制御するシステムコントローラであってもよい。
【0048】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。具体的にはウエハWの上面にある不要なレジスト膜を除去する洗浄処理の一連の工程について、図3を用いて説明する。以下に示す洗浄処理の一連の工程は、コントローラ200が液処理装置10の各機能部品の動作を制御することにより行われる。
【0049】
まず図2において、第1ノズル31Aおよび第2ノズル31BをウエハW上から退避した退避位置にもってくる。また上昇シリンダ44aにより案内カップ44を上昇させ、案内カップ44を上昇位置(第1位置)へもってくる(図4(a)参照)。この場合、案内カップ44は第1排出路46aと第2排出路46bとを切換える排出機構として機能する。このような状態で、基板保持部21におけるリフトピンプレート22および処理液供給管28を図2に示す位置から上方に移動させ、チャンバ20の開口94を開く(図1)。そして、液処理装置10の外部からウエハWが搬送アーム104により開口94を介してチャンバ20内に搬送され、このウエハWがリフトピンプレート22のリフトピン23上に載置され、その後、搬送アーム104はチャンバ20から退避する。また、エアフード70からチャンバ20内にクリーンエア等のガスが常にダウンフローで送られ、このガスが排気されることにより、チャンバ20内の雰囲気の置換が行われるようになっている。
【0050】
次に、リフトピンプレート22および処理液供給管28を下方に移動させ、これらのリフトピンプレート22および処理液供給管28を図2に示すような下降位置に位置させる。この際に、保持プレート26に設けられた各保持部材25が、リフトピン23上のウエハWを側方から支持し、このウエハWをリフトピン23からわずかに離間させる。
【0051】
その後、基板保持部21における保持プレート26およびリフトピンプレート22を回転させる。このことにより、保持プレート26の各保持部材25により支持されているウエハWも回転する。
【0052】
次に、駆動部33Aによりノズル支持アーム32Aを水平方向で旋回させて第1ノズル31AをウエハWの中央上部へもってくる。
【0053】
そして、ウエハWが回転した状態で、ウエハWの中央上部に位置する第1ノズル31AからウエハWの上面にSPM液(第1処理液)を供給する。ここで、ウエハWの上面に供給されるSPM液は高温、具体的には例えば100℃以上、好ましくは170℃程度となっている。このようにして、ウエハWの上面にSPM液が供給され、ウエハWのSPM液処理が行われる(第1処理工程)。
【0054】
この液処理工程によって、ウエハWの表面のレジストがSPM液によって剥離され、SPM液とともに剥離されたレジストが、回転するウエハWの遠心力によって第1排出路46aに送られて回収される。具体的には、ウエハWに対してSPM処理が行われる際には、上述のように案内カップ44が上昇位置に位置するようになっており、このことにより、SPM液(剥離されたレジストを含む)は、回転カップ40および案内カップ44により第1排出路46aに送られて回収される。そして第1排出路46aに送られたSPM液は排液ポンプ49aから外部へ排出される。この間、SPM液の成分を含むガスは排気として排気路50に導かれる。排気路50内の排気は、切換弁51によって第1排気機構52aへ送られ、第1排気機構52aの排気ポンプ53aにより外部へ排出される。
【0055】
その後、後述のようにウエハWに対するSPM液処理が終了すると、第2ノズル31Bを用いてウエハWに対してリンス液(第2処理液)を供給するリンス液処理(第2処理工程)が行なわれる。
【0056】
この第2処理工程においては、案内カップ(排出機構)44は下降して下降位置(第2位置)をとり、排出流路は第1排出路46aから第2排出路46bへ切換えられる必要がある。また切換弁51により第1排気機構52aから第2排気機構52bへ切換え、第1排気機構52の排気ポンプ53aを停止して第2排気機構52bの排気ポンプ53bを駆動する必要がある。
【0057】
すなわち、ウエハWに対するリンス液処理(第2処理工程)を開始する前に、第1ノズル31Aから第2ノズル31Bへのノズル切換作業、昇降シリンダ44aにより案内カップ(排出機構)44を第1位置から下降させて第2位置へもってくる排出機構切換作業、および切換弁51による第1排気機構52aから第2排気機構52bへ切換える排気機構切換作業が必要となる。
【0058】
本発明においては、上記第1ノズル31Aから第2ノズル31Bへのノズル切換作業、案内カップ44の切換作業、切換弁51による第1排気機構52aから第2排気機構52bへの排気機構切換作業を第1処理工程中、具体的には第1処理工程の終了時までに終了させ、このことにより、全体として処理時間の短縮を図っている。
【0059】
次に第1処理工程の終了時までに行なわれる各切換作業について以下述べる。
【0060】
(ノズル切換作業)
第1ノズル31Aから第2ノズル31Bへ切換える場合、まず開閉弁36a、37aが閉となり、ヒータ37bが停止する。次に薬液供給機構30Aの駆動部33Aにより回動軸34Aが回動して、ノズル支持アーム32Aが水平方向に旋回し、第1ノズル31AがウエハW上から退避する。
【0061】
その後、リンス液供給機構30Bの駆動部33Bにより回動軸34Bが回動し、ノズル支持アーム32Bが水平方向に旋回し、第2ノズル31BがウエハWの中央上部に配置される(図5参照)。
【0062】
次に開閉弁38a、39aが開となり、第1ノズル31Bからリンス液がウエハW上に供給されることになる。
【0063】
(排出機構切換作業)
昇降シリンダ44aにより案内カップ40を降下させ、案内カップ40が上昇位置(第1位置)から降下位置(第2位置)をとる(図4(b)参照)。このことにより第1排出路46aから第2排出路46bへの切換えが行なわれる。
【0064】
(排気機構切換作業)
切換弁51により排気ポンプ53aを有する第1排気機構52aから、排気ポンプ53bを有する第2排気機構へ切換えられる。
【0065】
本発明においては、上記各切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定める。
【0066】
具体的にはノズル切換作業に3秒間を要し、排出機構切換作業および排気機構切換作業に2秒間を要したとすると、ノズル切換作業の3秒間を最大準備時間とする。
【0067】
また第1処理工程では20秒間を要し、第2処理工程でも20秒間を要した場合、第1処理工程の終了時から最大準備時間(3秒)だけ早めた時点からノズル切換作業、排出機構切換作業、および排気機構切換作業を開始させる。
【0068】
このことにより、ノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業のすべてを第1処理工程の終了時までに終了させることができる。
【0069】
このため第1処理工程と、第2処理工程とを連続して実行することができ、第1処理工程と第2処理工程との間に、切換作業のための追加時間帯を設ける必要がない。
【0070】
このため全体として処理時間の短縮を図ることができる。
【0071】
上述した各切換作業が終了した後、第2処理工程が行なわれる。この第2処理工程では、ウエハWを回転させた状態で第2ノズル31BによりウエハWに対して純水を供給することによりウエハWのリンス液処理を行なう。
【0072】
ウエハWに供給されたリンス液は、案内カップ44を経て第2排出路46bへ送られ、第2排出路46bからのリンス液は排液ポンプ49bにより外方へ排出される。またこの間、リンス液からの排気が排気路50内へ導かれ、排気路50からの排気は切換弁51により第2排気機構52bへ送られ、第2排気機構52bの排気ポンプ53bにより外部へ排出される。
【0073】
第2処理工程が終了した後、ウエハWを高速で回転させ、ウエハWのリンス液を吹き飛ばして、ウエハWを乾燥させる。
【0074】
このようにしてウエハWに対する乾燥処理(第3処理工程)が行なわれる。
【0075】
ウエハWの乾燥処理が終了すると、基板保持部21におけるリフトピンプレート22および処理液供給管28を図2に示す位置から上方に移動させ、チャンバ20の開口94を開く。そして、開口94を介して液処理装置10の外部から搬送アーム104がチャンバ20内に入り、リフトピンプレート22のリフトピン23上にあるウエハWが搬送アーム104に移載される。その後、搬送アーム104により取り出されたウエハWは液処理装置10の外部に搬送される。このようにして、一連のウエハWの液処理が完了する。
【0076】
以上のように本実施の形態によれば、ノズル切換作業、排出機構切換作業、および排気機構切換作業に要する時間のうち、最長時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時から最大準備期間だけ早めた時点から上記すべての切換作業を開始する。このため、すべての切換作業を第1処理工程の終了時までに終わらせることができる。このため全体としての処理時間を短縮することができる。
【0077】
また上述した洗浄処理の一連の工程は、予め作成されたレシピに沿って実行される。この場合、当該レシピには、どのノズルを用いてどの処理液をウエハ上のどの場所に何秒間供給するか、またどの排出路に処理液を排出し、どの排気路に排気を送るかが数値化されて入力されている。コントローラ200は作成されたレシピから第1処理工程と第2処理工程で必要な切換作業を認識している。その中で作業に要する時間のうち、すべての切換作業を第1処理工程の終了時までに終わらせることができるので、上記レシピ上の設定時間と実際の処理時間とを同一とすることができ、液処理装置全体の処理能力を正確に把握することができる。
【0078】
ところで、上記実施の形態において、第1処理工程において第1処理液としてSPM液を用い、第2処理液としてリンス液を用いた例を示したが、これに限らず第1処理液としてSPM液以外の他の薬液を用い、第2処理液としてリンス液を用いてもよい。
【0079】
また第1処理液としてリンス液を用い、第2処理液として薬液(SPM液を含む)を用いてもよい。
【0080】
いずれの場合も薬液とリンス液は反応しないため、結晶パーティクルが発生することはない。
【0081】
次に本発明の変形例について述べる。
【0082】
上記実施の形態において、第1ノズル31Aをノズル支持アーム32Aの先端に設け、第2ノズル31Bをノズル支持アーム32Bの先端に設けた例を示したが、これに限らず第1ノズル31Aと第2ノズル31Bを同一のノズル支持アームにより支持させてもよい。
【0083】
この場合、第1ノズル31Aと第2ノズル31Bのノズル切換作業は、ノズル支持アームを旋回させることにより行なわれる。
【0084】
また上記実施の形態において、第2処理工程の終了時から最大準備時間だけ早めた時点からすべての切換作業を行なう例を示したが、最大準備時間(3秒)をもつノズル切換作業のみを第1処理工程の終了時から最大準備時間だけ早めた時点から開始させ、その後1秒経過後に排出機構切換作業(2秒)および気液分離器切換作業(2秒)を行なって、すべての切換作業を第1処理工程の終了時に同時に終了させてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 液処理装置
21 基板保持部
31A 第1ノズル
31B 第2ノズル
32A ノズル支持アーム
32B ノズル支持アーム
40 回転カップ
44 案内カップ
44a 昇降シリンダ
46a 第1排出路
46b 第2排出路
49a 排液ポンプ
49b 排液ポンプ
50 排気路
51 切換弁
52a 第1排気機構
52b 第2排気機構
53a 排気ポンプ
53b 排気ポンプ
70 エアフード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部と、
基板保持部に保持された基板に対して第1処理液を供給する第1ノズルと、
基板保持部に保持された基板に対して第2処理液を供給する第2ノズルと、
第1排出路と第2排出路とを切換可能な排出機構と、
基板保持部、第1ノズル、第2ノズルおよび排出機構を各々制御する制御部とを備え、
制御部は、
基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給するとともに、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出する第1処理工程と、
第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給するとともに、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出する第2処理工程とを備え、
第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業および第1排出路からの第2排出路への排出機構切換作業が行なわれ、
ノズル切換作業および排出機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業が開始されることを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
排出機構は第1排出路に接続された第1位置と、第2排出路に接続された第2位置との間を移動可能となることを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項3】
第1排気機構と、
第2排気機構と、を更に備え、
制御部は、第1処理工程において、更に第1処理液からの排気を第1機構により排気し、
第2処理工程において、更に第2処理液からの排気を第2排気機構により排気し、
第2処理工程が開始される前に、第1排気機構から第2排気機構への排気機構切換作業が行なわれ、
ノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業が開始されることを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項4】
基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給するとともに、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出する第1処理工程と、
第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給するとともに、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出する第2処理工程とを備え、
第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業および第1排出路から第2排出路への排出機構切換作業が行なわれ、
ノズル切換作業および排出機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業が開始されることを特徴とする液処理方法。
【請求項5】
基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給し、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出するとともに、第1処理液からの排気を第1排気機構により排気する第1処理工程と、
第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給し、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出するとともに、第2処理液からの排気を第2排気機構により排気する第2処理工程とを備え、
第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業、第1排出路から第2排出路への排出機構切換作業および第1排気機構から第2排気機構への排気機構切換作業が行なわれ、
ノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業が開始されることを特徴とする液処理方法。
【請求項6】
第2処理工程の後で、基板を乾燥させる第3処理工程を更に備えたことを特徴とする請求項4または5のいずれか記載の液処理方法。
【請求項7】
排出機構は基板保持部外周に設けられた案内カップからなり、この案内カップは上下方向に移動して第1排出路に接続された第1位置と第2排出路に接続された第2位置をとることを特徴とする請求項4または5のいずれか記載の液処理方法。
【請求項8】
第1ノズルは第1ノズル支持アームに設けられ、第2ノズルは第2ノズル支持アームに設けられていることを特徴とする請求項4または5のいずれか記載の液処理方法。
【請求項9】
第1ノズルおよび第2ノズルは共通のノズル支持アームに設けられていることを特徴とする請求項4または5のいずれか記載の液処理方法。
【請求項10】
第1排気機構および第2排気機構は、切換弁により切換可能となることを特徴とする請求項5記載の液処理方法。
【請求項11】
コンピュータに液処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、この液処理方法は、
基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給するとともに、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出する第1処理工程と、
第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給するとともに、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出する第2処理工程とを備え、
第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業および第1排出路から第2出路への排出機構切換作業が行なわれ、
ノズル切換作業および排出機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業および排出機構切換作業が開始されることを特徴とする記憶媒体。
【請求項12】
コンピュータに液処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、
この液処理方法は、
基板保持部に保持された基板に対して第1ノズルから第1処理液を供給し、第1処理液を排出機構を介して第1排出路から排出するとともに、第1処理液からの排気を第1排気機構により排気する第1処理工程と、
第1処理工程後に、基板保持部に保持された基板に対して第2ノズルから第2処理液を供給し、第2処理液を排出機構を介して第2排出路から排出するとともに、第2処理液からの排気を第2排気機構により排気する第2処理工程とを備え、
第2処理工程が開始される前に、第1ノズルから第2ノズルへのノズル切換作業、第1排出路から第2排出路への排出機構切換作業、および第1排気機構から第2排気機構への排気機構切換作業が行なわれ、
ノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業に要する時間のうち、最長の時間を最大準備時間として定め、第1処理工程の終了時よりこの最大準備時間以上早めた時点からノズル切換作業、排出機構切換作業および排気機構切換作業が開始されることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−89628(P2013−89628A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225847(P2011−225847)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】