説明

渋滞予測装置、経路探索装置、渋滞予測方法、経路探索方法、渋滞予測プログラム、経路探索プログラム、およびコンピュータに読み取り可能な記録媒体

【課題】渋滞予測の高精度化を図ること。
【解決手段】渋滞予測装置110は、渋滞DB111と、入力部112と、第1渋滞予測部113と、第2渋滞予測部114とを備える。渋滞DB111は、過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積したものである。入力部112は、渋滞を発生させ得る要因に関する情報(要因情報)の入力を受け付ける。第1渋滞予測部113は、要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する。第2渋滞予測部114は、渋滞DB111および第1渋滞予測部113の予測結果(第1渋滞予測結果)を用いて、渋滞を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、車両などの移動体に搭載され、渋滞を予測する渋滞予測装置、当該渋滞予測装置を備えた経路探索装置、渋滞予測方法、経路探索方法、渋滞予測プログラム、経路探索プログラム、およびコンピュータに読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、現在地点から目的地点までの最適な経路を探索し、探索された経路を利用者に案内するナビゲーション装置があった。また、過去の渋滞の情報に基づいて、最適な経路(たとえば、目的地点までの所要時間が最小となる経路)を探索するものがあった(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−106610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、過去の渋滞情報を統計処理した過去渋滞情報を用いて渋滞を予測するため、渋滞の要因の変化などにより実際の渋滞の状況が変わっても、その変化に迅速に対応して高精度な渋滞の予測をおこなうことは困難であったという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる渋滞予測装置は、過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積した渋滞データベースと、渋滞を発生させ得る要因に関する情報(以下、「要因情報」という)の入力を受け付ける入力手段と、前記要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する第1渋滞予測手段と、前記渋滞データベースおよび前記第1渋滞予測手段の予測結果を用いて、渋滞を予測する第2渋滞予測手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明にかかる経路探索装置は、上記に記載の渋滞予測装置と、道路データおよび各道路に対して移動のし易さを定量的に示すコストのデータを記憶する記憶手段と、前記第2渋滞予測手段の予測結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記コストを変更する変更手段と、前記記憶手段に記憶されている前記道路データおよび変更後のコストのデータに基づいて、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる渋滞予測方法は、過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積した渋滞データベースを用いて渋滞を予測する渋滞予測装置における渋滞予測方法であって、渋滞を発生させ得る要因に関する情報(以下、「要因情報」という)の入力を受け付ける入力工程と、前記要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する第1渋滞予測工程と、前記渋滞データベースおよび前記第1渋滞予測工程の予測結果を用いて、渋滞を予測する第2渋滞予測工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる経路探索方法は、過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積した渋滞データベースと道路データおよび各道路に対して移動のし易さを定量的に示すコストのデータを記憶する記憶手段とを備え、目的地までの経路を探索する経路探索装置における経路探索方法であって、渋滞を発生させ得る要因に関する情報(以下、「要因情報」という)の入力を受け付ける入力工程と、前記要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する第1渋滞予測工程と、前記渋滞データベースおよび前記第1渋滞予測工程の予測結果を用いて、渋滞を予測する第2渋滞予測工程と、前記第2渋滞予測工程の予測結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記コストを変更する変更工程と、前記記憶手段に記憶されている前記道路データおよび変更後のコストのデータに基づいて、目的地までの経路を探索する経路探索工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる渋滞予測プログラムは、上記に記載の渋滞予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる経路探索プログラムは、上記に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、上記に記載の渋滞予測プログラムまたは経路探索プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる渋滞予測装置、経路探索装置、渋滞予測方法、経路探索方法、渋滞予測プログラム、経路探索プログラム、およびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(渋滞予測装置の機能的構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる渋滞予測装置の機能的構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる渋滞予測装置の機能的構成を示す説明図である。図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる渋滞予測装置110は、渋滞データベース(以下「渋滞DB」という)111と、入力部112と、第1渋滞予測部113と、第2渋滞予測部114とを備える。
【0014】
渋滞DB111は、過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積したものである。ここで、過去渋滞情報とは、過去に発生した渋滞を曜日毎・時間帯毎などに統計処理した情報である。これによって、渋滞予測装置110は、過去渋滞情報に基づき、どの道路の、どの箇所(たとえば或る交差点)が、特定の条件(たとえば時間帯)を満たすときに渋滞が発生すると予測することができる。なお、過去渋滞情報を用いた渋滞の予測は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
【0015】
入力部112は、渋滞を発生させ得る要因に関する情報(以下、「要因情報」という)の入力を受け付ける機能を有する。ここで、渋滞を発生させ得る要因としては、運行する経路があらかじめ決まっている路線バスなどの公共交通機関やゴミ収集車、位置が変わらないもの(たとえば、道幅の狭い道路)などが挙げられる。要因情報には、これらが運行する経路(以下「運行ルート」という)、運行する時間帯(以下「運行時間帯」という)などの情報が含まれている。
【0016】
また、要因情報は、公共交通機関の路線の新設情報若しくは変更情報などであってもよい。新設情報とは、公共交通機関の路線が新たに新設されたことをあらわす情報であり、新設された路線の運行ルートや運行時間帯などの情報が含まれる。変更情報は、既存の路線の運行ルートや運行時間帯が変化したことをあらわす情報であり、変更後の運行ルートや運行時間帯などの情報が含まれる。
【0017】
たとえば、要因情報は、利用者操作に基づき入力される。また、要因情報は、利用者によって指定された要因に対する要因情報を不図示のネットワークを介して外部のコンピュータ装置から取得し、取得された要因情報が入力されることとしてもよい。
【0018】
第1渋滞予測部113は、要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する機能を有する。たとえば、要因情報として、路線バスの情報が入力されたとする。このとき、第1渋滞予測部113は、この路線バスの運行ルート上に、運行時間帯には所定の渋滞が発生すると予測する。所定の渋滞は、運行ルート全体に発生する渋滞であってもよいし、運行ルート上の一部の区間に発生する渋滞であってもよい。たとえば、運行ルート上の、道幅が狭い一部の区間に発生するものとしてもよい。
【0019】
第2渋滞予測部114は、渋滞DB111および第1渋滞予測部113の予測結果(以下「第1渋滞予測結果」という)を用いて、渋滞を予測する機能を有する。たとえば、第2渋滞予測部114は、渋滞DB111および第1渋滞予測結果を用いて、任意の時刻(たとえば、利用者によって指定された時刻)において、任意の地点(たとえば現在地)周辺の道路上に発生する渋滞を予測する。なお、第2渋滞予測部114による予測結果(以下「第2渋滞予測結果」という)は、不図示の出力部(たとえば、表示部)を介して利用者に案内されることとしてもよい。
【0020】
また、渋滞予測装置110は、比較部115をさらに備えることとしてもよい。ここで、比較部115は、渋滞DB111に蓄積されている過去渋滞情報と第1渋滞予測結果とを比較して、第1渋滞予測結果が渋滞DB111に反映されているか否かを判断する機能を有する。たとえば、比較部115は、過去渋滞情報で示される渋滞の状態(位置、時間帯、大きさ)と、第1渋滞予測結果の渋滞の状態(位置、時間帯、大きさ)とを比較する。そして、過去渋滞情報で示される渋滞と、第1渋滞予測結果の渋滞とが同一または類似(所定の差以内)であれば、既に反映されていると判断する。同一または類似(所定の差以内)でなければ、反映されていないと判断する。
【0021】
比較部115を備えた場合には、第2渋滞予測部114は、第1渋滞予測部113の予測結果が渋滞DB111に反映されていなければ、渋滞DB111および第1渋滞予測結果を用いて渋滞を予測する。一方、第1渋滞予測結果が渋滞DB111に反映されていれば、第1渋滞予測結果を用いず、渋滞DB111のみを用いて渋滞を予測する。
【0022】
また、渋滞予測装置110は、更新部116をさらに備えることとしてもよい。ここで、更新部116は、第1渋滞予測結果が渋滞DB111に反映されていない場合に、第1渋滞予測結果に基づいて渋滞DB111を更新する機能を有する。すなわち、更新部116は、第1渋滞予測結果の渋滞を過去渋滞情報として渋滞DB111に追加する。
【0023】
また、渋滞予測装置110は、図1に示すように経路探索装置120の一部として構成されることとしてもよい。ここで、経路探索装置120は、渋滞予測装置110と、記憶部121と、変更部122と、経路探索部123とを備える。
【0024】
記憶部121は、道路データおよびコストのデータを記憶する機能を有する。たとえば、記憶部121には地図データベース(以下「地図DB」という)が記憶される。地図DBには地図データが蓄積されており、地図データは建物や地点表面などの地点物をあらわすデータと、道路の形状をあらわす道路データを有している。
【0025】
公知の技術のため詳細な説明は省略するが、道路データは、道路をあらわすリンクと、リンク同士を接合するノードとを有する。また、それぞれのリンクはリンク情報を有しており、リンク情報には、そのリンクが有するコストのデータなどが含まれている。ここで、コストとは、移動のし易さを定量的に示すもの(たとえば、リンクの通過に必要となる所要時間)である。これによって、渋滞予測装置110は、或る地点Aから他の地点Bまでの移動にかかる所要時間などを算出することができる。
【0026】
変更部122は、第2渋滞予測部114による渋滞予測結果に基づいて、記憶部121に記憶されているコストを変更する機能を有する。たとえば、変更部122は、第2渋滞予測部114によって渋滞が予測された箇所についてはコストを上げ、予測されなかった(予測されなくなった)箇所についてはコストを下げる。
【0027】
経路探索部123は、記憶部121に記憶されている道路データおよび変更後のコストのデータに基づいて、目的地までの経路を探索する機能を有する。ここで、目的地は、利用者によって指定された任意の地点などである。たとえば、経路探索部123は、公知の技術のため詳細な説明を省略するがダイクストラ法などを用いて、現在地から目的地までのコストが最小となる経路を探索する。これによって、利用者は、目的地までより短時間で到達することができる。
【0028】
(渋滞予測装置の処理内容)
つぎに、渋滞予測装置110が実行する処理内容について説明する。図2は、渋滞予測装置が実行する処理内容を示すフローチャートである。図2に示すように、まず、渋滞予測装置110は、要因情報の入力を受け付けるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。前述のように、渋滞予測装置110は、入力部112によって要因情報の入力を受け付ける。
【0029】
そして、要因情報の入力を受け付けると(ステップS201:Yes)、渋滞予測装置110は、要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する(ステップS202)。前述のように、渋滞予測装置110は、第1渋滞予測部113によって要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する。たとえば、要因情報によって示される要因が路線バスであった場合には、この路線バスの運行ルート上に所定の渋滞を予測する。
【0030】
ステップS202において、要因に起因して発生する渋滞を予測したのち、渋滞予測装置110は、渋滞DB111および第1渋滞予測結果(ステップS202の予測結果)を用いて、渋滞を予測し(ステップS203)、処理を終了する。なお、前述のように、ステップS203の予測結果は、不図示の出力部を介して利用者に案内されることとしてもよい。
【0031】
以上に説明したように、本発明の実施の形態にかかる渋滞予測装置110によれば、あらかじめ渋滞の要因となり得る対象の要因情報を入力することで、この要因情報に基づく渋滞を予測し(第1渋滞予測結果)、第1渋滞予測結果を考慮した渋滞を予測する(第2渋滞予測結果)ことができる。これによって、過去渋滞情報に反映されていない渋滞も予測できるため、渋滞の高精度化を図ることができる。
【実施例】
【0032】
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例は、上記の渋滞予測装置110、経路探索装置120を、たとえば、車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置に適用した場合の一例である。
【0033】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
まず、図3を用いて、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0034】
図3に示すように、本実施例のナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、スピーカ309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、GPSユニット314と、各種センサ315とを備えている。また、各構成部301〜315はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0035】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302には、ブートプログラム、現在地特定プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、音声生成プログラム、地図データ表示プログラム、渋滞予測プログラムなどの各種プログラムが記録されている。なお、これらの各種プログラムは、ROM302のほか、後述する磁気ディスク305や光ディスク307などの不揮発性メモリに記録されていてもよい。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0036】
すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302などに記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。現在地特定プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット314および各種センサ315の出力情報に基づいて、ナビゲーション装置300の現在地を特定させる。
【0037】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305または光ディスク307に記録された地図データなどを利用して、出発地(たとえば、現在地)から目的地までの最適な経路や、当該最適な経路を外れた場合の迂回経路を探索させる。
【0038】
また、ここで、最適な経路とは、目的地までのコスト(たとえば、所要時間)が最小の経路や利用者が指定した条件にもっとも合致する経路などである。経路探索プログラムは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、ダイクストラ法などを利用して、最適な経路を探索させる。経路探索プログラムを実行することによって探索された経路の経路情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0039】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された経路の経路情報、現在地特定プログラムを実行することによって特定されたナビゲーション装置300の現在地の現在地情報、磁気ディスク305または光ディスク307から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなわせる。経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0040】
音声生成プログラムは、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成させる。すなわち、経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこなわせる。音声ガイダンス情報には、たとえば、右左折地点を経路通りに右左折すべき旨の警報、右左折地点の手前で減速すべき旨の警報、右左折し損なった場合の迂回経路についての情報や、右左折し損なった場合に引き返すべき旨の案内情報が含まれる。生成された音声ガイダンス情報は、CPU301を介して音声I/F308へ出力される。
【0041】
地図データ表示プログラムは、映像I/F311によって磁気ディスク305または光ディスク307から読み出された地図データをディスプレイ312に表示させる。地図データ表示プログラムは、たとえば、ナビゲーション装置300の現在地周辺の地図データをディスプレイ312に表示させる。また、地図データ表示プログラムは、たとえば、利用者によって指定された任意の地点周辺の地図データをディスプレイ312に表示させてもよい。
【0042】
渋滞予測プログラムは、磁気ディスク305または光ディスク307に記憶された渋滞データベース(以下「渋滞DB」という)(図4を参照)、要因情報などを利用して、渋滞の予測をおこなわせる。渋滞予測プログラムを実行することによって予測された渋滞は、経路探索プログラムの実行時などに用いられる。すなわち、ナビゲーション装置300は、目的地までの経路上に渋滞が発生すると予測された場合には、その渋滞を回避しつつ、コストが最小となる経路などを探索する。
【0043】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305には、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータが記録される。磁気ディスク305としては、たとえば、HDやFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0044】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307としては、たとえば、CD(Compact Disc)、DVDを用いることができる。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体は、光ディスク307のほか、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどであってもよい。
【0045】
磁気ディスク305または光ディスク307に記録される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図データが蓄積された地図データベース(以下「地図DB」という)が挙げられる。地図データは、建物、河川、地点表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路データとを有しており、ディスプレイ312の表示画面において2次元または3次元に描画される。
【0046】
道路データは、図示を省略するが、リンクと、リンク同士を接合するノードとからなる。ここで、リンクは道路に相当し、ノードは交差点・屈曲点・分岐点・合流点などのリンク同士の結節点に相当する。公知の技術のため詳細な説明は省略するが、それぞれのリンクはリンク情報を有する。
【0047】
リンク情報には、各リンク固有のリンクIDと、リンク(の中心)の地図データ上での位置(絶対座標)と、各リンクの長さと、各リンクの移動のし易さを定量的に示すコスト(たとえばリンク通過に必要となる所要時間)と、リンク両端に位置する接合ノードとをあらわす情報などが含まれている。ナビゲーション装置300は、このリンク情報に基づき、現在地から目的地点までの距離や所要時間などを算出することができる。
【0048】
道路データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについての信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入口やジャンクションの有無、各リンクについての進行方向、道路種別(たとえば高速道路、有料道路、一般道路)などの情報が含まれている。
【0049】
また、磁気ディスク305または光ディスク307には、過去の渋滞を、季節・曜日・大型連休・時刻などを基準に統計処理した過去渋滞情報を蓄積した渋滞DBが記録されている。ナビゲーション装置300は、後述する通信I/F313によって受信される道路交通情報によって現在発生している渋滞の情報を得るが、渋滞DBの過去渋滞情報によって任意の時刻(たとえば、指定された時刻)における渋滞の状況を予測することができる。
【0050】
なお、本実施例では地図データを磁気ディスク305または光ディスク307に記憶することとしたが、これらに限るものではない。地図データは、ナビゲーション装置300のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置300の外部に設けられていてもよい。この場合には、ナビゲーション装置300は、たとえば、通信I/F313を介して接続された外部のコンピュータ装置から地図データを取得する。取得された地図データはRAM303や磁気ディスク305などに記録され、必要に応じて読み出される。
【0051】
音声I/F308は、音声出力用のスピーカ309に接続され、スピーカ309からは各種の音声が出力される。入力デバイス310は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス310は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
【0052】
映像I/F311は、ディスプレイ312と接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ312を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0053】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ312としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0054】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F313は、テレビ放送やラジオ放送を受信する。
【0055】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、FMチューナー、VICS/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0056】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地を示す情報を算出する。GPSユニット314の出力情報は、後述する各種センサ315の出力値とともに、CPU301による車両の現在地の特定に際して利用される。現在地を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0057】
各種センサ315は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を決定することが可能な情報を出力する。各種センサ315の出力値は、CPU301による車両の現在地の特定や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0058】
なお、たとえば、上記の渋滞予測装置110の渋滞DB111は磁気ディスク305または光ディスク307によって、入力部112は入力デバイス310とCPU301とROM302とによって、第1渋滞予測部113はCPU301とROM302とによって、第2渋滞予測部114はCPU301とROM302とによって、それぞれの機能を実現することができる。
【0059】
(渋滞DB)
つぎに、前述した磁気ディスク305または光ディスク307に記憶された渋滞DBの内容について説明する。図4は、渋滞DBの内容を示す説明図である。図4に示すように、渋滞DB400には、過去に発生した渋滞を統計処理した過去渋滞情報410が蓄積される。過去渋滞情報410は、各渋滞固有の渋滞IDと、各渋滞の位置・大きさと、各渋滞の発生条件と、をあらわす情報などを有している。
【0060】
渋滞IDは、それぞれの渋滞と一対一で対応した各渋滞の識別番号である。渋滞IDは、たとえば、数字とアルファベットとの組み合わせによって構成される。ナビゲーション装置300は、渋滞IDによって、それぞれの渋滞を識別し、それぞれの渋滞を用いた渋滞の予測などをおこなう。
【0061】
図示の例において、渋滞ID「J01」の渋滞(以下「渋滞1」という)は、道路データにおいて不図示の、リンクL11,リンクL12,リンクL13,…La上に発生する渋滞を示す。また、渋滞1の大きさは、リンクL11〜Laのそれぞれのリンクの大きさの総和となる。
【0062】
発生条件は、それぞれの渋滞が発生する条件を示す。発生条件には、日時(曜日を含んでもよい)などが設定される。たとえば、渋滞1のように発生条件が「火曜日 8:00〜10:00」である場合、ナビゲーション装置300は、火曜日の8:00〜10:00の時間帯に渋滞1が発生すると予測する。
【0063】
また、渋滞DB400には、渋滞レベルをあらわす情報が含まれてもよい。ここで、渋滞レベルは、それぞれの渋滞による混雑の度合いをあらわす。たとえば、ナビゲーション装置300は、渋滞レベルに応じて、渋滞が予測される区間(リンク群)のコストを変更する。たとえば、渋滞レベルが「高」である場合にはその区間のコストを3倍とする。渋滞レベルが「中」である場合にはその区間のコストを2倍とする。渋滞レベルが「低」である場合にはその区間のコストを1.5倍とする。
【0064】
たとえば、通常時(渋滞がないとき)、或る区間(リンク群)のコストの総和(この区間の通過に必要となる所要時間)が10分だったとする。この区間に渋滞レベル「高」の渋滞が発生すると予測されると、コストは3倍となるため30分となる。渋滞の大きさだけでなく渋滞レベルを用いることにより、ナビゲーション装置300は、渋滞が予測される区間の通過にかかる所要時間を一層正確に予測することができる。
【0065】
たとえば、ナビゲーション装置300は、不図示のネットワークを介して、外部のコンピュータ装置から最新の過去渋滞情報を取得すると、渋滞DB400に記憶された過去渋滞情報410を更新する。また、ナビゲーション装置300は、要因情報が入力された際に予測する第1渋滞予測結果を用いて、過去渋滞情報410を更新することができる。
【0066】
(本実施例のナビゲーション装置の処理内容)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置300が実行する処理内容について説明する。図5は、本実施例のナビゲーション装置が実行する処理内容を示すフローチャートである。図5に示すように、ナビゲーション装置300は、まず、要因情報の入力を受け付けるまで待機する(ステップS501:No)。たとえば、要因情報は、入力デバイス310が利用者によって操作されることにより入力される。なお、要因情報は、入力デバイス310が利用者によって操作されることにより指定された要因(たとえば、特定の路線バス)の要因情報を通信I/F313を介して外部のコンピュータ装置から取得して、入力されることとしてもよい。
【0067】
ステップS501において、要因情報が入力されると(ステップS501:Yes)、ナビゲーション装置300は、要因情報によって示される要因に起因して発生する渋滞を予測する(第1渋滞予測)(ステップS502)。たとえば、要因情報が或る路線バスの情報であった場合、ナビゲーション装置300は、この路線バスの運行時間帯には、運行ルート上に渋滞が発生すると予測する。この場合、要因情報が有する要因の位置(運行ルート)全体に渋滞が発生すると予測する。なお、運行ルート上の一部に渋滞が発生すると予測することとしてもよい。
【0068】
ステップS502において、第1渋滞予測をおこなったのち、ナビゲーション装置300は、渋滞DB400を参照し、過去渋滞情報410のなかに、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置(そして、大きさ)の渋滞があるか判断する(ステップS503)。たとえば、第1渋滞予測結果の渋滞がリンクLa,Lb,Lc上に位置する渋滞であったとする。このとき、ナビゲーション装置300は、過去渋滞情報410のなかに、リンクLa,Lb,Lc上に位置する渋滞があるか判断する。なお、このとき、それぞれの渋滞の位置(大きさ)は完全に同じである必要はない。たとえば、ナビゲーション装置300は、第1渋滞予測結果の渋滞の一部の位置、たとえば、リンクLb,Lc上に位置する渋滞があるか判断することとしてもよい。
【0069】
なお、ステップS503において、過去渋滞情報410のなかに、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置(大きさ)の渋滞がなかったときには(ステップS503:No)、後述するステップS506へ移行する。
【0070】
ステップS503において、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置の渋滞があったときには(ステップS503:Yes)、ナビゲーション装置300は、第1渋滞予測結果の渋滞が発生する時間帯と、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置(大きさ)の渋滞が発生する時間帯とが同じであるか判断する(ステップS504)。
【0071】
たとえば、第1渋滞予測結果の渋滞が発生する時間帯が8:00〜10:00であったとする。このとき、ナビゲーション装置300は、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置の渋滞が発生する時間帯8:00〜10:00であるか判断する。なお、このとき、それぞれの時間帯は完全に同じである必要はない。たとえば、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置の渋滞は、第1渋滞予測結果の渋滞が発生する時間帯の一部の時間帯(たとえば、9:00〜10:00)に発生する渋滞であってもよい。
【0072】
なお、ステップS504において、第1渋滞予測結果の渋滞が発生する時間帯と、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置の渋滞が発生する時間帯とが同じでなかったときには(ステップS504:No)、後述するステップS506へ移行する。
【0073】
ステップS504において、第1渋滞予測結果の渋滞が発生する時間帯と、第1渋滞予測結果の渋滞と同じ位置の渋滞が発生する時間帯とが同じであったときには(ステップS504:Yes)、ナビゲーション装置300は、渋滞DB400を用いて渋滞を予測し(第2渋滞予測)(ステップS505)、一連の処理を終了する。たとえば、ナビゲーション装置300は、任意の時刻において任意の地点周辺に発生する渋滞を予測する。なお、渋滞DB400の過去渋滞情報410を用いた渋滞予測については公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
一方、ステップS506では、渋滞DB400および第1渋滞予測結果を用いて渋滞を予測し(第2渋滞予測)、一連の処理を終了する。具体的には、ステップS506では、ナビゲーション装置300は、まず、第1渋滞予測結果に基づき、渋滞DB400を更新する。たとえば、第1渋滞予測結果の渋滞を過去渋滞情報として渋滞DB400に追加し、追加後の渋滞DB400を用いて、渋滞を予測する。以上のように、ナビゲーション装置300は、基本的には渋滞DB400のみを用いて渋滞予測をおこなうが、渋滞DB400に含まれていない渋滞があったとき(要因情報に対応した渋滞)には、渋滞DB400および第1渋滞予測結果を用いて渋滞を予測する。
【0075】
(本実施例のナビゲーション装置による渋滞予測の一例)
つぎに、本実施例のナビゲーション装置300による渋滞予測の一例について説明する。図6は、本実施例のナビゲーション装置による渋滞予測の一例を示す説明図である。図示の例では、要因情報として路線バスAが入力された場合の渋滞予測の一例である。
【0076】
図示のように、要因情報610は、要因の名称(以下「要因名」という)と、要因の位置・大きさと、要因が存在する存在条件とを含んでいる。要因情報610に示すように、路線バスAは、リンクL1,L2,L3,〜La,L1が運行ルート(位置)とされている。また、路線バスAは、平日の8:00〜10:00(存在条件)の間に上記の運行ルートを走行する。
【0077】
このため、ナビゲーション装置300は、平日の8:00〜10:00にはリンクL1,L2,L3,〜La,L1上に渋滞が発生すると予測する(第1渋滞予測)。なお、このとき、リンクL1,L2,L3,〜La,L1の全体でなく、このうちの一部の区間にのみ(たとえば、道幅が狭い区間にのみ)に渋滞が発生すると予測してもよい。図6中符号620は、第1渋滞予測による第1渋滞予測結果620である。第1渋滞予測結果620を得ると、ナビゲーション装置300は、渋滞DB400を参照し、渋滞DB400に記憶されている過去渋滞情報410と、第1渋滞予測結果620とを比較する。
【0078】
過去渋滞情報410と、第1渋滞予測結果620とを比較したのち、ナビゲーション装置300は、第1渋滞予測結果620と一致する渋滞が過去渋滞情報410にあるか判断する。たとえば、第1渋滞予測結果620と、位置、大きさ、時間帯などが一致する渋滞が過去渋滞情報410にあるか判断する。
【0079】
一致すれば、第1渋滞予測結果620をそのまま破棄し、渋滞DB400を用いて、任意の地点周辺の渋滞を予測する。一致しなければ、第1渋滞予測結果620を渋滞DB400へ登録(過去渋滞情報410へ追加)し、登録後の渋滞DB400を用いて任意の時刻における、任意の地点周辺の渋滞を予測する。なお、第1渋滞予測結果620を渋滞DB400へ登録する際には、第1渋滞予測結果620の一部のみを登録することとしてもよい。たとえば、第1渋滞予測結果620がリンクL1,L2,L3,〜La,L1上の渋滞であった場合には、リンクL1,L2,L3上の渋滞として登録するなどである。
【0080】
また、第1渋滞予測結果620を渋滞DB400へ登録する際には、要因情報610と第1渋滞予測結果620とを関連づけて渋滞DB400へ登録する。これにより、たとえば、路線バスAが廃止された際には、不要となる第1渋滞予測結果620を渋滞DB400から検索して、削除することができる。
【0081】
(本実施例のナビゲーション装置による具体的な表示例)
図7は、本実施例のナビゲーション装置による具体的な表示例を示す説明図(その1)である。図7に示すように、ナビゲーション装置300のディスプレイ312には、利用者によって指定されたA駅701周辺の地図データ700が表示されている。図示は省略するが、地図データ700内の道路データは多数のリンクおよびリンク同士を接合するノードを有している。
【0082】
図7に示す例では、A駅701周辺の渋滞をあらわす過去渋滞情報が渋滞DB400に記憶されていないため、A駅701周辺には渋滞が発生しないと予測されている。そのため、ディスプレイ312には、渋滞が発生するといった予測結果をあらわす渋滞アイコンなどは表示されていない。
【0083】
図8は、本実施例のナビゲーション装置による具体的な表示例を示す説明図(その2)である。図8に示す例は、要因情報として、A駅701を出発し、所定の経路を走行してA駅701まで戻ってくる運行ルートの路線バスAの情報を入力した場合の例である。
【0084】
前述のように、要因情報が入力されると、ナビゲーション装置300は要因に起因して発生する渋滞を予測する(第1渋滞予測)。そして、第1渋滞予測結果が渋滞DB400に反映されていない場合には、第1渋滞予測結果に基づき渋滞DB400を更新し、更新後の渋滞DB400を用いて、渋滞を予測する。
【0085】
このため、図8に示すように、路線バスAの運行ルート上に渋滞が発生すると予測されており、運行ルート上には渋滞アイコン710が表示されている。なお、図8に示す例は、路線バスの運行時間帯での渋滞予測結果である。運行時間帯外での渋滞予測結果であれば、渋滞は発生しないと予測されるため、図7と同様のものがディスプレイ312に表示されることとなる。
【0086】
以上に説明したように、本実施例のナビゲーション装置300によれば、渋滞DB400および第1渋滞予測結果を用いて渋滞を予測するため、過去渋滞情報として渋滞DB400に反映されていない渋滞も予測できる。これによって、ナビゲーション装置300は、渋滞の要因の変化により実際の渋滞の状況が変わった場合などでも、高精度な渋滞予測をおこなうことができる。そして、利用者は目的地まで最適な経路を利用して向かうことができるため、移動にかかる手間や時間を低減させ、利便性が向上する。
【0087】
また、本実施例のナビゲーション装置300によれば、第1渋滞予測結果が渋滞DB400に反映されていると、渋滞DB400を用いて渋滞を予測することができる。これによって、ナビゲーション装置300は、必要時(第1渋滞予測結果が渋滞DB400に反映されていない時)以外には、より精度の高い渋滞DB400を用いて渋滞を予測するため、高精度な渋滞予測をおこなうことができる。
【0088】
さらに、本実施例のナビゲーション装置300によれば、第1渋滞予測結果が渋滞DB400に反映されていなければ、第1渋滞予測結果に基づいて渋滞DB400を更新することができる。これによって、渋滞予測時の予測材料となる過去渋滞情報を増やしていくことができるため、一層と高精度な渋滞予測をおこなうことができる。
【0089】
なお、第1渋滞予測結果を渋滞DB400へ登録する際には、第1渋滞予測結果の渋滞の要因の解消条件も合わせて登録されることとしてもよい。ここで、解消条件とは、第1渋滞予測結果の渋滞が解消される条件である。それぞれの要因の解消条件をあらわす情報は、要因情報に含まれており、要因情報が入力されることにより取得される。そして、或る要因について、解消条件が満されると、この要因に対する第1渋滞予測結果は、渋滞DB400から削除される。たとえば、解消条件としては、路線バスの運行中止、運行ルートの変更、道路改修(道幅の拡張)などがある。
【0090】
なお、本実施の形態で説明した渋滞予測方法、経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態にかかる渋滞予測装置の機能的構成を示す説明図である。
【図2】渋滞予測装置が実行する処理内容を示すフローチャートである。
【図3】本実施例のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】渋滞DBの内容を示す説明図である。
【図5】本実施例のナビゲーション装置が実行する処理内容を示すフローチャートである。
【図6】本実施例のナビゲーション装置による渋滞予測の一例を示す説明図である。
【図7】本実施例のナビゲーション装置による具体的な表示例を示す説明図(その1)である。
【図8】本実施例のナビゲーション装置による具体的な表示例を示す説明図(その2)である。
【符号の説明】
【0092】
110 渋滞予測装置
111 渋滞DB
112 入力部
113 第1渋滞予測部
114 第2渋滞予測部
115 比較部
116 更新部
120 経路探索装置
121 記憶部
122 変更部
123 経路探索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積した渋滞データベースと、
渋滞を発生させ得る要因に関する情報(以下、「要因情報」という)の入力を受け付ける入力手段と、
前記要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する第1渋滞予測手段と、
前記渋滞データベースおよび前記第1渋滞予測手段の予測結果を用いて、渋滞を予測する第2渋滞予測手段と、
を備えることを特徴とする渋滞予測装置。
【請求項2】
前記渋滞データベースに蓄積されている過去渋滞情報と前記第1渋滞予測手段の予測結果とを比較して前記第1渋滞予測手段の予測結果が前記渋滞データベースに反映されているか否かを判断する比較手段をさらに備え、
前記第2渋滞予測手段は、前記第1渋滞予測手段の予測結果が前記渋滞データベースに反映されていない場合に、前記渋滞データベースおよび前記第1渋滞予測手段の予測結果を用いて渋滞を予測することを特徴とする請求項1に記載の渋滞予測装置。
【請求項3】
前記第2渋滞予測手段は、前記第1渋滞予測手段の予測結果が前記渋滞データベースに反映されている場合に、前記第1渋滞予測手段の予測結果を用いずに前記渋滞データベースを用いて渋滞を予測することを特徴とする請求項2に記載の渋滞予測装置。
【請求項4】
前記比較手段は、前記過去渋滞情報で示される渋滞の位置と前記第1渋滞予測手段の予測結果で示される渋滞の位置とを比較することで、前記第1渋滞予測手段の予測結果が前記渋滞データベースに反映されているか否かを判断することを特徴とする請求項2または3に記載の渋滞予測装置。
【請求項5】
前記比較手段は、前記過去渋滞情報で示される渋滞の発生時間帯と前記第1渋滞予測手段の予測結果で示される渋滞の発生時間帯とを比較することで、前記第1渋滞予測手段の予測結果が前記渋滞データベースに反映されているか否かを判断することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の渋滞予測装置。
【請求項6】
前記比較手段は、前記過去渋滞情報で示される渋滞の大きさと前記第1渋滞予測手段の予測結果で示される渋滞の大きさとを比較することで、前記第1渋滞予測手段の予測結果が前記渋滞データベースに反映されているか否かを判断することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の渋滞予測装置。
【請求項7】
前記第1渋滞予測手段の予測結果が前記渋滞データベースに反映されていない場合に、前記第1渋滞予測手段の予測結果に基づいて前記渋滞データベースを更新する更新手段をさらに備えることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の渋滞予測装置。
【請求項8】
前記要因情報は、公共交通機関の路線の新設情報若しくは変更情報であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の渋滞予測装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の渋滞予測装置と、
道路データおよび各道路に対して移動のし易さを定量的に示すコストのデータを記憶する記憶手段と、
前記第2渋滞予測手段の予測結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記コストを変更する変更手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記道路データおよび変更後のコストのデータに基づいて、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
を備えることを特徴とする経路探索装置。
【請求項10】
過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積した渋滞データベースを用いて渋滞を予測する渋滞予測装置における渋滞予測方法であって、
渋滞を発生させ得る要因に関する情報(以下、「要因情報」という)の入力を受け付ける入力工程と、
前記要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する第1渋滞予測工程と、
前記渋滞データベースおよび前記第1渋滞予測工程の予測結果を用いて、渋滞を予測する第2渋滞予測工程と、
を含むことを特徴とする渋滞予測方法。
【請求項11】
過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積した渋滞データベースと道路データおよび各道路に対して移動のし易さを定量的に示すコストのデータを記憶する記憶手段とを備え、目的地までの経路を探索する経路探索装置における経路探索方法であって、
渋滞を発生させ得る要因に関する情報(以下、「要因情報」という)の入力を受け付ける入力工程と、
前記要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測する第1渋滞予測工程と、
前記渋滞データベースおよび前記第1渋滞予測工程の予測結果を用いて、渋滞を予測する第2渋滞予測工程と、
前記第2渋滞予測工程の予測結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記コストを変更する変更工程と、
前記記憶手段に記憶されている前記道路データおよび変更後のコストのデータに基づいて、目的地までの経路を探索する経路探索工程と、
を含むことを特徴とする経路探索方法。
【請求項12】
請求項10に記載の渋滞予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とする渋滞予測プログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
【請求項14】
請求項12に記載の渋滞予測プログラムまたは請求項13に記載の経路探索プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−14556(P2010−14556A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175084(P2008−175084)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】