減衰力可変ダンパの制御装置
【課題】 渋滞走行時等におけるバッテリの放電やワインディング走行時等における電力消費部品の温度上昇を抑制した減衰力可変ダンパの制御装置を提供する。
【解決手段】 目標電流生成部53は、ステップS13でオルタネータ14の発電量Iaに対応する第1上限電流値Im1を検索/設定する。次に、目標電流生成部53は、ステップS15でコイル温度Tcに対応する第2上限電流値Im2を検索/設定する。次に、目標電流生成部53は、ステップS16で、第1上限電流値Im1と第2上限電流値Im2とのうち小さい方を上限電流値Imaxとして選択する。目標電流生成部53は、基本目標電流Ibaseが上限電流値Imaxを超え、ステップS17の判定がYesとなった場合、ステップS20で上限電流値Imaxを目標電流Itgtとし、ステップS19で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
【解決手段】 目標電流生成部53は、ステップS13でオルタネータ14の発電量Iaに対応する第1上限電流値Im1を検索/設定する。次に、目標電流生成部53は、ステップS15でコイル温度Tcに対応する第2上限電流値Im2を検索/設定する。次に、目標電流生成部53は、ステップS16で、第1上限電流値Im1と第2上限電流値Im2とのうち小さい方を上限電流値Imaxとして選択する。目標電流生成部53は、基本目標電流Ibaseが上限電流値Imaxを超え、ステップS17の判定がYesとなった場合、ステップS20で上限電流値Imaxを目標電流Itgtとし、ステップS19で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減衰力可変ダンパの制御装置に係り、詳しくは、渋滞走行時等におけるバッテリの放電やワインディング走行時等における電力消費部品の温度上昇を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のサスペンションに用いられる筒型ダンパでは、乗り心地や操縦安定性の向上を図るべく、減衰力を無段階に可変制御できる減衰力可変型のものが種々開発されている。減衰力可変ダンパの減衰力制御機構としては、モータ等を用いてオリフィスの流路面積を増減させる機械制御式が一般的であったが、比例ソレノイドに印可する電流を増減させることによってオリフィスの流路面積を増減させるもの(特許文献1参照)や、磁性流体や磁気粘性流体を作動液として磁気流体バルブ(コイル)に印可する電流を増減させるもの(特許文献2参照)等の電流制御式が出現している。
【特許文献1】特開平11−99816号公報
【特許文献2】特開2006−69527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電流制御式の減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)を装着した自動車では、その走行状態に応じてダンパへの供給電流が増減するが、このことに起因する以下のような問題があった。例えば、自動車の運転者は、渋滞路において、エンジンをアイドル運転状態としたまま、トルクコンバータのクリープ現象を利用して間欠走行することが多い。この場合、エンジンの回転速度が低下することによってオルタネータの発電量が少なくなる一方で、自動車の発進/停止(車体の挙動変化)に伴ってダンパに通電が行われるため、車載バッテリの放電が進行してしまう。また、自動車がワインディング路を走行する際においては、車体の挙動が激しく変化するためにダンパに大きな電流が通電され続け、電力消費部品(比例ソレノイドやコイル)の温度上昇が大きくなってしまう。なお、特許文献1の技術では、自動車の停車時にのみ制御電流値を少なくしているが、この方法では渋滞路やワインディング路を走行する際に発生する上述した問題を解決することはできなかった。
【0004】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、渋滞走行時等におけるバッテリの放電やワインディング走行時等における電力消費部品の温度上昇を抑制した減衰力可変ダンパの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、車両の車体懸架に供される電流制御式の減衰力可変ダンパを制御する制御装置であって、所定の電流制限条件が成立した場合に、前記減衰力可変ダンパの電力消費部品に供給する最大電流を制限することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載された減衰力可変ダンパの制御装置において、前記電流制限条件は、前記車両に搭載された発電装置の発電量が所定値以下であることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載された減衰力可変ダンパの制御装置において、前記電流制限条件は、前記電力消費部品の温度が所定値以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、制御装置は、例えば、通常走行時には電力消費部品に対して目標減衰力に応じた電流を供給する一方、電流制限条件が成立した時には供給電流の上限を下げる。これにより、大部分の運転状態においては目標減衰力が得られる一方、特定の運転状態においては操縦安定性等を大きく損なわない範囲で電力消費部品への電力供給が抑制され、電力消費部品に大きな電流を供給することに起因する問題が起こり難くなる。また、請求項2の発明によれば、オルタネータの発電量に見合う範囲で電力消費部品に電流が供給されるようになり、車載バッテリの放電が抑制される。また、請求項3の発明によれば、電力消費部品の温度が高くなると電力の供給量が少なくなるため、電力消費部品の過度の温度上昇が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を4輪自動車に適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は実施形態に係る4輪自動車の概略構成図であり、図2は実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図3は実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図であり、図4は実施形態に係る目標電流生成部の概略構成を示すブロック図である。
【0010】
≪実施形態の構成≫
<自動車の概略構成>
先ず、図1を参照して、実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4つの車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記す一方、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
【0011】
図1に示すように、自動車(車両)Vはタイヤ2が装着された4つの車輪3を備えており、これら各車輪3がサスペンションアームや、スプリング、MRF式減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)4等からなるサスペンション5によって車体1に懸架されている。自動車Vには、ダンパ4をはじめとする各種機器を統括制御するECU(Electronic Control Unit)6や、エンジン7の制御を行うENG−ECU8が設置されている。また、自動車Vには、車速Vvを検出する車速センサ9、横加速度を検出する横Gセンサ10、前後加速度を検出する前後Gセンサ11、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ12等が車体の適所に設置される他、ダンパ4の変位を検出するストロークセンサ13を各車輪3ごとに備えている。エンジン7にはクランクプーリによって駆動されるオルタネータ(発電装置)14が付設されており、オルタネータ14によって発電された電力が車載バッテリ15に供給される。
【0012】
ECU6は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して、ENG−ECU8や各車輪3のダンパ4、各センサ9〜13等と接続されている。
【0013】
<ダンパの構造>
図2に示すように、本実施形態のダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に相対動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
【0014】
シリンダチューブ21は、下端のアイピース21aに嵌挿されたボルト31を介して、車輪側部材であるトレーリングアーム35の上面に連結されている。また、ピストンロッド22は、上下一対のブッシュ36とナット37とを介して、その上端のスタッド22aが車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)38に連結されている。
【0015】
図3に示すように、ピストン26には、上部油室24と下部油室25とを連通する環状連通路39と、環状連通路39の内側に配設されたMLVコイル(電力消費部品)40とが設けられている。ECU6からMLVコイル40に電流が供給されると、環状連通路39を流通するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子が鎖状のクラスタを形成し、環状連通路39内を通過するMRFの見かけ上の粘度が上昇する。
【0016】
<ダンパ制御装置の概略構成>
ECU6には、図3にその概略構成を示すダンパ制御装置50が内装されている。ダンパ制御装置50は、上述したENG−ECU8や各センサ9〜13等が接続する入力インタフェース51と、入力インタフェース51から入力した信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力Dtgtを設定する減衰力設定部52と、目標減衰力Dtgtやダンパ4のストローク速度Ssに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への目標電流Itgtを算出/生成する目標電流生成部53と、目標電流生成部53の算出結果に基づきMLVコイル40の温度(コイル温度)Tcを推定するコイル温度推定部54と、ENG−ECU8から入力したエンジン回転速度Neに基づきオルタネータ14の発電量Iaを推定する発電量推定部55と、目標電流生成部53からの目標電流Itgtを各ダンパ4に出力する出力インタフェース56とから構成されている。なお、本実施形態の減衰力設定部52には、スカイフック制御に供されるスカイフック制御部57と、ロール制御に供されるロール制御部58と、ピッチ制御に供されるやピッチ制御部59とが収容されている。
【0017】
<目標電流生成部の概略構成>
図4に示すように、目標電流生成部53は、基本目標電流設定部61とハイカット処理部62とを各車輪3ごとに備えている。基本目標電流設定部61は、減衰力設定部52から入力した目標減衰力Dtgtとダンパ4のストローク速度Ssとに基づき、基本目標電流Ibaseを設定する。また、ハイカット処理部62は、コイル温度推定部54から入力したコイル温度Tcと発電量推定部55から入力したオルタネータ14の発電量Iaとに基づき、基本目標電流Ibaseをそのまま、あるいは最大値を制限した上で目標電流Itgtを出力する。
【0018】
≪実施形態の作用≫
<目標減衰力設定処理>
自動車が走行を開始すると、ダンパ制御装置50では、減衰力設定部52が、所定の処理インターバルをもって、図5のフローチャートにその手順を示す目標減衰力設定処理を実行する。減衰力設定部52は、目標減衰力設定処理を開始すると、先ず図5のステップS1で、横Gセンサ10や前後Gセンサ11から入力した車体1の加速度や、ヨーレイトセンサ12からから入力した車体1のヨーレイト、車速センサ9から入力した車速Vv、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力設定部52は、自動車Vの運動状態に基づき、ステップS2で各ダンパ4のスカイフック制御目標値Dshを算出し、ステップS3で各ダンパ4のロール制御目標値Drを算出し、ステップS4で各ダンパ4のピッチ制御目標値Dpを算出する。
【0019】
次に、減衰力設定部52は、ステップS5で各ダンパ4のストローク速度Ssが正の値であるか否かを判定し、この判定がYesであった場合(すなわち、ダンパ4が伸び側に作動している場合)、ステップS6で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も大きいものを目標減衰力Dtgtに設定し、ステップS7で目標電流生成部53に目標減衰力Dtgtを出力する。また、減衰力設定部52は、ステップS5の判定がNoであった場合(すなわち、ダンパ4が縮み側に作動している場合)、ステップS8で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も小さいものを目標減衰力Dtgtに設定し、ステップS7で目標電流生成部53に目標減衰力Dtgtを出力する。
【0020】
<目標電流生成処理>
本実施形態のダンパ制御装置50では、上述した減衰力制御と並行するかたちで、目標電流生成部53が、図6のフローチャートにその手順を示す目標電流生成処理を実行する。目標電流生成部53は、目標電流生成処理を開始すると、先ず図6のステップS11で、図7の目標電流マップから目標減衰力Dtgtとストローク速度Ssとに対応する基本目標電流Ibaseを検索/設定する。
【0021】
次に、目標電流生成部53は、ステップS12で、ENG−ECU8から入力したエンジン回転速度Neに基づいてオルタネータ14の発電量Iaを推定した後、ステップS13で図8の発電量−上限電流値マップから発電量Iaに対応する第1上限電流値Im1(3.5A〜5A)を検索/設定する。本実施形態の場合、MLVコイル40に供給する最大電流は5Aである。MLVコイル40への供給電流とダンパ4の発生減衰力とMLVコイル40の発熱量との関係を示すグラフ(図9)から判るように、第1上限電流値Im1が最小値(3.5A)となった場合においても、5Aの供給電流に対する発生減衰力は7%程度低下するだけであり、供給電流が30%削減されるにも拘わらず、操縦安定性に与える影響はごく小さく抑えられる。なお、第1上限電流値Im1の設定にあたっては、灯火類やナビゲーションシステム等の使用状況を考慮するようにしてもよい。
【0022】
次に、目標電流生成部53は、ステップS14で、例えば、直前の所定時間に亘る目標電流Itgtの積分値に基づいてコイル温度Tcを推定した後、ステップS15で、図10のコイル温度−上限電流値マップからコイル温度Tcに対応する第2上限電流値Im2(3.5A〜5A)を検索/設定する。第2上限電流値Im2も、第1上限電流値Im1と同様に、その最小値が例えば3.5Aに設定されている。図9から判るように、第1上限電流値Im1が最小値(3.5A)となった場合においても、上述したように5Aの供給電流に対する発生減衰力は7%程度低下するだけであり、MLVコイル40の発熱量が35%程度低減されるにも拘わらず、操縦安定性に与える影響はごく小さく抑えられる。なお、第2上限電流値Im2の設定にあたっては、外気温等を考慮するようにしてもよい。
【0023】
次に、目標電流生成部53は、ステップS16で、第1上限電流値Im1と第2上限電流値Im2とのうち小さい方を上限電流値Imaxとして選択する。この際、例えば、オルタネータ14の発電量Iaが大きく、かつ、コイル温度Tcが低い場合には、第1上限電流値Im1と第2上限電流値Im2とがどちらも5Aとなるため、上限電流値Imaxも5Aとなる。
【0024】
次に、目標電流生成部53は、ステップS17で基本目標電流Ibaseが上限電流値Imaxを超えているか否かを判定し、この判定がNoであればステップS18で基本目標電流Ibaseを目標電流Itgtとし、ステップS19で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
【0025】
一方、基本目標電流Ibaseが上限電流値Imaxを超え、ステップS17の判定がYesとなった場合、目標電流生成部53は、ステップS20で上限電流値Imaxを目標電流Itgtとし、ステップS19で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
【0026】
<渋滞走行>
図11は、渋滞走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。同図に示す状態では、運転者はトルクコンバータのクリープ現象とブレーキとを利用して間欠走行しており、車速Vvが低い範囲(例えば、0〜8km/h)で変化し、車体1の挙動が変化する制動/停止時には基本目標電流Ibaseが5A近くに達することがある。本実施形態の場合、この運転状況では、エンジン回転速度Neが低いため(エンジン7がアイドル運転状態にあるため)にオルタネータ14の発電量Iaが小さくなり、上限電流値Imax(第1上限電流値Im1)が低く(例えば、3.5A程度に)抑えられる。これにより、長時間にわたって渋滞走行が行われても、MLVコイル40に出力される電流が抑制され、車載バッテリ15の放電が生じ難くなる。
【0027】
<ワインディング走行>
図12は、ワインディン走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。同図に示す状態では、車体1が左右に繰り返し旋回することによって目標減衰力Dtgtが大きい状態が継続し、MLVコイル40には大きな電流が比較的長時間供給される。本実施形態の場合、この運転状況では、コイル温度推定部54によって推定されたコイル温度Tcが高くなるため、上限電流値Imax(第2上限電流値Im2)が低く(例えば、4A程度に)抑えられる。これにより、長時間にわたってワインディング走行が行われても、MLVコイル40に出力される電流が抑制され、MLVコイル40の過度の温度上昇が生じ難くなる。
【0028】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態はMRF式の減衰力可変ダンパに本発明を適用したものであるが、MF(磁性流体)式の減衰力可変ダンパや、ソレノイド等を用いた電流制御式減衰力可変ダンパにも適用可能である。また、上記実施形態では、供給電流の制限を発電装置(オルタネータ)の発電量と電力消費部品(MLVコイル)の温度とに応じて行うようにしたが、他の電流制限条件に応じて行うようにしてもよい。また、電力消費部品の温度は、電流を供給する際の電気抵抗値から推定するようにしてもよいし、温度センサ等によって検出するようにしてもよい。その他、自動車や制御装置の具体的構成、制御の具体的手順等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態に係る4輪自動車の概略構成図である。
【図2】実施形態に係るダンパの縦断面図である。
【図3】実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る目標電流生成部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る目標減衰力設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る目標電流生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る目標電流マップである。
【図8】実施形態に係る発電量−上限電流値マップである。
【図9】実施形態に係る供給電流と発生減衰力と発熱量との関係を示すグラフである。
【図10】実施形態に係るコイル温度−上限電流値マップである。
【図11】実施形態に係る渋滞走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。
【図12】実施形態に係るワインディング走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0030】
1 車体
3 車輪
4 ダンパ(減衰力可変ダンパ)
6 ECU
7 エンジン
8 ENG−ECU
14 オルタネータ(発電装置)
15 車載バッテリ
40 MLVコイル(電力消費部品)
50 ダンパ制御装置(制御装置)
53 目標電流生成部
54 コイル温度推定部
55 発電量推定部
V 自動車(車両)
【技術分野】
【0001】
本発明は、減衰力可変ダンパの制御装置に係り、詳しくは、渋滞走行時等におけるバッテリの放電やワインディング走行時等における電力消費部品の温度上昇を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のサスペンションに用いられる筒型ダンパでは、乗り心地や操縦安定性の向上を図るべく、減衰力を無段階に可変制御できる減衰力可変型のものが種々開発されている。減衰力可変ダンパの減衰力制御機構としては、モータ等を用いてオリフィスの流路面積を増減させる機械制御式が一般的であったが、比例ソレノイドに印可する電流を増減させることによってオリフィスの流路面積を増減させるもの(特許文献1参照)や、磁性流体や磁気粘性流体を作動液として磁気流体バルブ(コイル)に印可する電流を増減させるもの(特許文献2参照)等の電流制御式が出現している。
【特許文献1】特開平11−99816号公報
【特許文献2】特開2006−69527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電流制御式の減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)を装着した自動車では、その走行状態に応じてダンパへの供給電流が増減するが、このことに起因する以下のような問題があった。例えば、自動車の運転者は、渋滞路において、エンジンをアイドル運転状態としたまま、トルクコンバータのクリープ現象を利用して間欠走行することが多い。この場合、エンジンの回転速度が低下することによってオルタネータの発電量が少なくなる一方で、自動車の発進/停止(車体の挙動変化)に伴ってダンパに通電が行われるため、車載バッテリの放電が進行してしまう。また、自動車がワインディング路を走行する際においては、車体の挙動が激しく変化するためにダンパに大きな電流が通電され続け、電力消費部品(比例ソレノイドやコイル)の温度上昇が大きくなってしまう。なお、特許文献1の技術では、自動車の停車時にのみ制御電流値を少なくしているが、この方法では渋滞路やワインディング路を走行する際に発生する上述した問題を解決することはできなかった。
【0004】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、渋滞走行時等におけるバッテリの放電やワインディング走行時等における電力消費部品の温度上昇を抑制した減衰力可変ダンパの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、車両の車体懸架に供される電流制御式の減衰力可変ダンパを制御する制御装置であって、所定の電流制限条件が成立した場合に、前記減衰力可変ダンパの電力消費部品に供給する最大電流を制限することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載された減衰力可変ダンパの制御装置において、前記電流制限条件は、前記車両に搭載された発電装置の発電量が所定値以下であることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載された減衰力可変ダンパの制御装置において、前記電流制限条件は、前記電力消費部品の温度が所定値以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、制御装置は、例えば、通常走行時には電力消費部品に対して目標減衰力に応じた電流を供給する一方、電流制限条件が成立した時には供給電流の上限を下げる。これにより、大部分の運転状態においては目標減衰力が得られる一方、特定の運転状態においては操縦安定性等を大きく損なわない範囲で電力消費部品への電力供給が抑制され、電力消費部品に大きな電流を供給することに起因する問題が起こり難くなる。また、請求項2の発明によれば、オルタネータの発電量に見合う範囲で電力消費部品に電流が供給されるようになり、車載バッテリの放電が抑制される。また、請求項3の発明によれば、電力消費部品の温度が高くなると電力の供給量が少なくなるため、電力消費部品の過度の温度上昇が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を4輪自動車に適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は実施形態に係る4輪自動車の概略構成図であり、図2は実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図3は実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図であり、図4は実施形態に係る目標電流生成部の概略構成を示すブロック図である。
【0010】
≪実施形態の構成≫
<自動車の概略構成>
先ず、図1を参照して、実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4つの車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記す一方、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
【0011】
図1に示すように、自動車(車両)Vはタイヤ2が装着された4つの車輪3を備えており、これら各車輪3がサスペンションアームや、スプリング、MRF式減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)4等からなるサスペンション5によって車体1に懸架されている。自動車Vには、ダンパ4をはじめとする各種機器を統括制御するECU(Electronic Control Unit)6や、エンジン7の制御を行うENG−ECU8が設置されている。また、自動車Vには、車速Vvを検出する車速センサ9、横加速度を検出する横Gセンサ10、前後加速度を検出する前後Gセンサ11、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ12等が車体の適所に設置される他、ダンパ4の変位を検出するストロークセンサ13を各車輪3ごとに備えている。エンジン7にはクランクプーリによって駆動されるオルタネータ(発電装置)14が付設されており、オルタネータ14によって発電された電力が車載バッテリ15に供給される。
【0012】
ECU6は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して、ENG−ECU8や各車輪3のダンパ4、各センサ9〜13等と接続されている。
【0013】
<ダンパの構造>
図2に示すように、本実施形態のダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に相対動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
【0014】
シリンダチューブ21は、下端のアイピース21aに嵌挿されたボルト31を介して、車輪側部材であるトレーリングアーム35の上面に連結されている。また、ピストンロッド22は、上下一対のブッシュ36とナット37とを介して、その上端のスタッド22aが車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)38に連結されている。
【0015】
図3に示すように、ピストン26には、上部油室24と下部油室25とを連通する環状連通路39と、環状連通路39の内側に配設されたMLVコイル(電力消費部品)40とが設けられている。ECU6からMLVコイル40に電流が供給されると、環状連通路39を流通するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子が鎖状のクラスタを形成し、環状連通路39内を通過するMRFの見かけ上の粘度が上昇する。
【0016】
<ダンパ制御装置の概略構成>
ECU6には、図3にその概略構成を示すダンパ制御装置50が内装されている。ダンパ制御装置50は、上述したENG−ECU8や各センサ9〜13等が接続する入力インタフェース51と、入力インタフェース51から入力した信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力Dtgtを設定する減衰力設定部52と、目標減衰力Dtgtやダンパ4のストローク速度Ssに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への目標電流Itgtを算出/生成する目標電流生成部53と、目標電流生成部53の算出結果に基づきMLVコイル40の温度(コイル温度)Tcを推定するコイル温度推定部54と、ENG−ECU8から入力したエンジン回転速度Neに基づきオルタネータ14の発電量Iaを推定する発電量推定部55と、目標電流生成部53からの目標電流Itgtを各ダンパ4に出力する出力インタフェース56とから構成されている。なお、本実施形態の減衰力設定部52には、スカイフック制御に供されるスカイフック制御部57と、ロール制御に供されるロール制御部58と、ピッチ制御に供されるやピッチ制御部59とが収容されている。
【0017】
<目標電流生成部の概略構成>
図4に示すように、目標電流生成部53は、基本目標電流設定部61とハイカット処理部62とを各車輪3ごとに備えている。基本目標電流設定部61は、減衰力設定部52から入力した目標減衰力Dtgtとダンパ4のストローク速度Ssとに基づき、基本目標電流Ibaseを設定する。また、ハイカット処理部62は、コイル温度推定部54から入力したコイル温度Tcと発電量推定部55から入力したオルタネータ14の発電量Iaとに基づき、基本目標電流Ibaseをそのまま、あるいは最大値を制限した上で目標電流Itgtを出力する。
【0018】
≪実施形態の作用≫
<目標減衰力設定処理>
自動車が走行を開始すると、ダンパ制御装置50では、減衰力設定部52が、所定の処理インターバルをもって、図5のフローチャートにその手順を示す目標減衰力設定処理を実行する。減衰力設定部52は、目標減衰力設定処理を開始すると、先ず図5のステップS1で、横Gセンサ10や前後Gセンサ11から入力した車体1の加速度や、ヨーレイトセンサ12からから入力した車体1のヨーレイト、車速センサ9から入力した車速Vv、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力設定部52は、自動車Vの運動状態に基づき、ステップS2で各ダンパ4のスカイフック制御目標値Dshを算出し、ステップS3で各ダンパ4のロール制御目標値Drを算出し、ステップS4で各ダンパ4のピッチ制御目標値Dpを算出する。
【0019】
次に、減衰力設定部52は、ステップS5で各ダンパ4のストローク速度Ssが正の値であるか否かを判定し、この判定がYesであった場合(すなわち、ダンパ4が伸び側に作動している場合)、ステップS6で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も大きいものを目標減衰力Dtgtに設定し、ステップS7で目標電流生成部53に目標減衰力Dtgtを出力する。また、減衰力設定部52は、ステップS5の判定がNoであった場合(すなわち、ダンパ4が縮み側に作動している場合)、ステップS8で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も小さいものを目標減衰力Dtgtに設定し、ステップS7で目標電流生成部53に目標減衰力Dtgtを出力する。
【0020】
<目標電流生成処理>
本実施形態のダンパ制御装置50では、上述した減衰力制御と並行するかたちで、目標電流生成部53が、図6のフローチャートにその手順を示す目標電流生成処理を実行する。目標電流生成部53は、目標電流生成処理を開始すると、先ず図6のステップS11で、図7の目標電流マップから目標減衰力Dtgtとストローク速度Ssとに対応する基本目標電流Ibaseを検索/設定する。
【0021】
次に、目標電流生成部53は、ステップS12で、ENG−ECU8から入力したエンジン回転速度Neに基づいてオルタネータ14の発電量Iaを推定した後、ステップS13で図8の発電量−上限電流値マップから発電量Iaに対応する第1上限電流値Im1(3.5A〜5A)を検索/設定する。本実施形態の場合、MLVコイル40に供給する最大電流は5Aである。MLVコイル40への供給電流とダンパ4の発生減衰力とMLVコイル40の発熱量との関係を示すグラフ(図9)から判るように、第1上限電流値Im1が最小値(3.5A)となった場合においても、5Aの供給電流に対する発生減衰力は7%程度低下するだけであり、供給電流が30%削減されるにも拘わらず、操縦安定性に与える影響はごく小さく抑えられる。なお、第1上限電流値Im1の設定にあたっては、灯火類やナビゲーションシステム等の使用状況を考慮するようにしてもよい。
【0022】
次に、目標電流生成部53は、ステップS14で、例えば、直前の所定時間に亘る目標電流Itgtの積分値に基づいてコイル温度Tcを推定した後、ステップS15で、図10のコイル温度−上限電流値マップからコイル温度Tcに対応する第2上限電流値Im2(3.5A〜5A)を検索/設定する。第2上限電流値Im2も、第1上限電流値Im1と同様に、その最小値が例えば3.5Aに設定されている。図9から判るように、第1上限電流値Im1が最小値(3.5A)となった場合においても、上述したように5Aの供給電流に対する発生減衰力は7%程度低下するだけであり、MLVコイル40の発熱量が35%程度低減されるにも拘わらず、操縦安定性に与える影響はごく小さく抑えられる。なお、第2上限電流値Im2の設定にあたっては、外気温等を考慮するようにしてもよい。
【0023】
次に、目標電流生成部53は、ステップS16で、第1上限電流値Im1と第2上限電流値Im2とのうち小さい方を上限電流値Imaxとして選択する。この際、例えば、オルタネータ14の発電量Iaが大きく、かつ、コイル温度Tcが低い場合には、第1上限電流値Im1と第2上限電流値Im2とがどちらも5Aとなるため、上限電流値Imaxも5Aとなる。
【0024】
次に、目標電流生成部53は、ステップS17で基本目標電流Ibaseが上限電流値Imaxを超えているか否かを判定し、この判定がNoであればステップS18で基本目標電流Ibaseを目標電流Itgtとし、ステップS19で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
【0025】
一方、基本目標電流Ibaseが上限電流値Imaxを超え、ステップS17の判定がYesとなった場合、目標電流生成部53は、ステップS20で上限電流値Imaxを目標電流Itgtとし、ステップS19で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
【0026】
<渋滞走行>
図11は、渋滞走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。同図に示す状態では、運転者はトルクコンバータのクリープ現象とブレーキとを利用して間欠走行しており、車速Vvが低い範囲(例えば、0〜8km/h)で変化し、車体1の挙動が変化する制動/停止時には基本目標電流Ibaseが5A近くに達することがある。本実施形態の場合、この運転状況では、エンジン回転速度Neが低いため(エンジン7がアイドル運転状態にあるため)にオルタネータ14の発電量Iaが小さくなり、上限電流値Imax(第1上限電流値Im1)が低く(例えば、3.5A程度に)抑えられる。これにより、長時間にわたって渋滞走行が行われても、MLVコイル40に出力される電流が抑制され、車載バッテリ15の放電が生じ難くなる。
【0027】
<ワインディング走行>
図12は、ワインディン走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。同図に示す状態では、車体1が左右に繰り返し旋回することによって目標減衰力Dtgtが大きい状態が継続し、MLVコイル40には大きな電流が比較的長時間供給される。本実施形態の場合、この運転状況では、コイル温度推定部54によって推定されたコイル温度Tcが高くなるため、上限電流値Imax(第2上限電流値Im2)が低く(例えば、4A程度に)抑えられる。これにより、長時間にわたってワインディング走行が行われても、MLVコイル40に出力される電流が抑制され、MLVコイル40の過度の温度上昇が生じ難くなる。
【0028】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態はMRF式の減衰力可変ダンパに本発明を適用したものであるが、MF(磁性流体)式の減衰力可変ダンパや、ソレノイド等を用いた電流制御式減衰力可変ダンパにも適用可能である。また、上記実施形態では、供給電流の制限を発電装置(オルタネータ)の発電量と電力消費部品(MLVコイル)の温度とに応じて行うようにしたが、他の電流制限条件に応じて行うようにしてもよい。また、電力消費部品の温度は、電流を供給する際の電気抵抗値から推定するようにしてもよいし、温度センサ等によって検出するようにしてもよい。その他、自動車や制御装置の具体的構成、制御の具体的手順等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態に係る4輪自動車の概略構成図である。
【図2】実施形態に係るダンパの縦断面図である。
【図3】実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る目標電流生成部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る目標減衰力設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る目標電流生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る目標電流マップである。
【図8】実施形態に係る発電量−上限電流値マップである。
【図9】実施形態に係る供給電流と発生減衰力と発熱量との関係を示すグラフである。
【図10】実施形態に係るコイル温度−上限電流値マップである。
【図11】実施形態に係る渋滞走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。
【図12】実施形態に係るワインディング走行時における車速と目標電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0030】
1 車体
3 車輪
4 ダンパ(減衰力可変ダンパ)
6 ECU
7 エンジン
8 ENG−ECU
14 オルタネータ(発電装置)
15 車載バッテリ
40 MLVコイル(電力消費部品)
50 ダンパ制御装置(制御装置)
53 目標電流生成部
54 コイル温度推定部
55 発電量推定部
V 自動車(車両)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体懸架に供される電流制御式の減衰力可変ダンパを制御する制御装置であって、所定の電流制限条件が成立した場合に、前記減衰力可変ダンパの電力消費部品に供給する最大電流を制限することを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
【請求項2】
前記電流制限条件は、前記車両に搭載された発電装置の発電量が所定値以下であることを特徴とする、請求項1に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。
【請求項3】
前記電流制限条件は、前記電力消費部品の温度が所定値以上であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。
【請求項1】
車両の車体懸架に供される電流制御式の減衰力可変ダンパを制御する制御装置であって、所定の電流制限条件が成立した場合に、前記減衰力可変ダンパの電力消費部品に供給する最大電流を制限することを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
【請求項2】
前記電流制限条件は、前記車両に搭載された発電装置の発電量が所定値以下であることを特徴とする、請求項1に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。
【請求項3】
前記電流制限条件は、前記電力消費部品の温度が所定値以上であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−23377(P2009−23377A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185245(P2007−185245)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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