説明

無線マーカ

【課題】場所の検知精度の目標が±10cmであり、方向の検知精度の目標が±1°であり、マルチパスあるいはハイトパターンの影響を受けにくい無線マーカを提供する。

【解決手段】周期的に切替えられる複数のアンテナを有し、装置全体を防水性・耐候性に優れた筐体に収納して構造物あるいは建造物に取り付けることで、携帯端末の場所あるいは携帯端末が向いている方向等を高い精度で検知するための場所および/あるいは方向の基準点としての役割を果たすことができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歩行者が現在居る場所あるいは位置および/あるいは向かっている方向を高い精度で検知するために、特定の場所あるいは位置および/あるいは方向の基準点として用いられる無線マーカに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は、特許文献1に記載されている従来の「アクテイブタグ装置」の基本構成を示す図であり、複数のアンテナ11a〜11dを切替えながら高周波信号を発信する。しかし、従来の基本構成では、具体的な外観構造についての記述がなく、装置全体の機械的な構造についての記載もなかった。本出願では無線マーカとして一体構造とするとともに位置および/あるいは方向の検知精度を向上させるための新規の機能を追加したものである。
また、特許文献2に記載されている従来の「位置信号発生器」および特許文献3に記載されている従来の「自発光式道路標識ならびに道路交通情報収集提供方法及び装置」では、アンテナの構成とアンテナの構成に対応して位置情報を発信する手順が詳述されていない。
また、非特許文献1に記載されている従来の「埋め込み型頂部装荷ユニポールアレイアンテナ」は、新幹線の列車無線に適用されたものであり、道路あるいは歩道あるいは通路等の上部に吊下げられあるいは道路の表面あるいは床面等に埋め込むものについては記述されておらず、本発明により新規の用途が開拓されるものである。

【特許文献1】特願2005−21343号
【特許文献2】特開平5−40043号
【特許文献3】特開平11−191197号
【非特許文献1】著者 社団法人 電子通信学会 「アンテナ工学ハンドブック」pp317 オーム社発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
超音波信号あるいは高周波信号あるいは光波信号を利用して歩行者が現在居る位置あるいは場所および/あるいは方向を検知する場合、屋外の開空間あるいは屋内等の閉空間に関わらずマルチパスあるいはハイトパターンの影響を受け検知精度が極端に劣化する場合があり、また、複数の送受波器あるいはアンテナを波長に比較して狭い間隔で配置する場合複数の送受波器あるいは複数のアンテナ相互間に結合が生じ各々が独立して機能しない場合がある。これらの問題を軽減しあるいは排除して歩行者が現在居る位置あるいは場所あるいは向かっている方向を高い精度で検知するための無線マーカを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明に係わる無線マーカは、当該発信手段あるいは中継手段から発信される超音波信号あるいは高周波信号あるいは光波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の1波長以下の間隔で配置され周期的に切替えられる複数の送受波器あるいは複数のアンテナを有し、装置全体が一つの収納手段に収納されておりあるいは屋外に設置される場合には防水性・耐候性に優れた収納手段に収納されているため必要な場所に設置することが可能であり、歩行者が居る位置および/あるいは歩行者が向かっている方向等を高い精度で検知するためのインテリゼントな場所の基準点としての役割を果たすことができる。
また、複数の送受波器あるいは複数のアンテナを搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の1波長以下の間隔で配置するために当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナ相互間で生じる結合のため検知精度を劣化させる原因となる。当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの間の隙間部分および/あるいは周辺部に超音波吸収体あるいは電波吸収体あるいは光吸収体および/あるいは反射板を配置することにより当該結合量を低減することで当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナを独立して機能させることができる。
【発明の効果】
【0005】
従来のアクテイブタグ装置では回路構成および機能に関する記述はあるが外観構造あるいは設置方法あるいは当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの間の干渉を低減することなどに関する記述が無かった。
本発明の無線マーカでは周期的に切替えられる複数の送受波器あるいは複数のアンテナの隙間および/あるいは周辺部に超音波吸収体あるいは電波吸収体あるいは光吸収体および/あるいは反射板を配置して収納手段に収納しあるいは防水性と耐環境性を有する収納手段に収納するため設置場所を選ばない構造であり、小型化が可能であり、設置工事費を安価にできるメリットがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明に係わる無線マーカは、図1に示すように、複数のアンテナ11a〜11dをアンテナ切替器16により切替え、各々のアンテナに対応して発信手段あるいは中継手段20から少なくとも同期信号および/あるいは報知情報と測定用信号を含む高周波信号を発信する。発信された高周波信号を携帯端末(記載せず)で受信することでマルチパスあるいはハイトパターンによって生じる検知精度の劣化を防止するとともに±10cmの高精度で現在居る位置をリアルタイムで検知しおよび/あるいは±1°の高精度で方向をリアルタイムで検知することができる。
図2では、高誘電率のセラミックを用いた複数の円偏波指向性アンテナの指向性が下方へ向けられており、図3では、複数のアンテナ11a〜11dの隙間部分および周辺部に電波吸収体および/あるいは反射板51を配置することで、アンテナ11a〜11dの間で生じる結合量を低減し、各々のアンテナを独立したアンテナとして機能させることができる。
【0007】
図4では高誘電率のセラミックを用いた複数のアンテナ部が地面と傾斜角をもった状態で4方向に向けられておりサービスエリアの拡張が可能であり、図5では指向性ビームを絞ることで方向の検知精度を改善することが可能であり、図6では埋め込み型頂部装荷ユニポールアレイアンテナを用いて指向性が4方向に切替えられており、図7では収納手段が道路面に埋め込まれる構造となっている。
【0008】
図8では複数の指向性アンテナが地面に対して傾斜角を有して設置されて居る場合の位置検知の実施例を示すものであり、マルチパスの影響を排除しながらサービスエリアを拡張し、受信手段2が居る位置および/あるいは向かっている方向あるいは無線マーカ1が位置する方向を検知することができる。
いずれの場合も、当該電波マーカ1の複数のアンテナが当該複数のアンテナから発信される超音波信号あるいは高周波信号あるいは光波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の1波長以下の間隔で配置されており、必要に応じて、注意を喚起するためのLEDによる照明手段を有し、太陽電池、電源装置および/あるいは蓄電装置と一体構造となっており、あるいは太陽電池が別筐体に収納されて接続されており、防水性・耐候性に優れた収納手段に収納することによって設置場所を選ばない構造となっている。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の無線マーカの構成を示す図である。図1において、1は無線マーカ、11a、11b、11c、11dは送信アンテナ、16はアンテナ切替器、20は発信手段あるいは中継手段あるいは/および受信手段、21は電源装置、22は蓄電装置、23は接続端子、24は太陽電池、25a、25b、25c、25dは線路および/あるいは回路手段、111はネットワークのノード、112は接続端子である。
無線マーカ1において、発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段20から、ネットワークのノード111から接続端子112を経由して受信したタイミング信号に同期しおよび/あるいは自局で発生するタイミングに同期して、複数ビットで構成されるシステム同期信号(発信手段1の識別信号あるいは場所のコードを含む)と位置および/あるいは方向の検知のための測定用信号を発信している。
当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段20に接続された複数のアンテナ11a、11b、11c、11dはアンテナ切替器16により周期的に切替えられ、少なくとも当該複数のアンテナが設置されている位置あるいは場所および/あるいはアンテナの指向性の方向あるいは傾斜角度あるいはこれらの組合わせを報知するための報知信号あるいはコードあるいは符号を含む高周波信号を空間に放射する。
【0010】
太陽電池24により発電された電力は、電源装置21を通じて蓄電装置22に蓄えられ、各部に電力を供給する。太陽電池24は接続端子23を通じて電源装置21に接続されるが、太陽電池24を無線マーカ1内に内蔵することも可能である。
ここで、当該複数のアンテナ11a、11b、11c、11dからは均一な位相の高周波信号を発信する必要があるので回路手段25a、25b、25c、25dを接続して当該位相が均一となるよう調整し、あるいは逆に線路および/あるいは回路手段25a、25b、25c、25dを不均一な長さの伝送線路あるいは不均一な遅延時間を有する遅延線路あるいは不均一な特性を有する回路とすることで、当該複数のアンテナ11a、11b、11c、11dの奥行き方向の間隔を等価的に不均一とすることで双曲線航法によって当該携帯端末の位置を測位することも可能である。
なお、太陽電池24を用いる代わりに商用電源を用いあるいは燃料電池を用いあるいは他の電力源を用いても同様の効果が得られる。
【0011】
また、当該無線マーカ1の受信手段20が、移動体に搭載されあるいは携帯される端末装置(表示せず)からの要求に応じて、当該端末装置の場所あるいは位置を検知し当該検知した結果を当該発信手段により当該端末装置に向けて発信し、および/あるいはネットワークのノード111を経由してセンター装置(記載せず)に転送することができる。
また、当該電波マーカ1の発信手段あるいは中継手段20が、移動体に搭載されあるいは携帯された端末装置に向けて場所あるいは位置を検知するための信号を発信するように要求し、当該要求に応じて当該端末装置が識別符号を含む高周波信号を発信し、当該無線マーカ1の受信手段2が当該移動体に搭載されあるいは携帯される端末装置の場所あるいは位置を検知し、当該検知した結果を当該受信手段2に接続されたネットワークのノード111を通じて発信しおよび/あるいは当該発信手段あるいは中継手段20を通じて発信することができる。
また、当該複数のアンテナ11a、11b、11c、11dが当該複数のアンテナ11a、11b、11c、11dから放射されあるいは受信される高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の1波長以下の間隔で配置された場合に、当該複数のアンテナ11a、11b、11c、11d相互間で波長の短縮効果が生じる場合があり、当該短縮効果に合わせて当該複数のアンテナの間隔を補正係数を設けて補正しおよび/あるいは補正した間隔を報知情報として発信することで位置および/あるいは方向の測定精度を向上させることができる。
【0012】
また、当該無線マーカ1の発信手段あるいは中継手段20が、少なくとも当該端末装置の受信手段との間の同期を確立するための同期信号と当該端末装置において高周波信号の振幅あるいは周波数あるいは位相あるいはこれらの組合わせを測定するための測定用信号を発信し、当該測定用信号を当該同期信号より大きな電力で発信しおよび/あるいは当該携帯端末装置の受信手段において受信した当該測定用信号が当該同期信号より小さな電力で受信された場合には当該測定用信号を無視するかあるいは当該受信した測定用信号の電力に応じて加重して平均することで距離あるいは方向の測定精度を向上させることができる。
また、当該無線マーカ1の発信手段あるいは中継手段20に接続された複数のアンテナの内から順次基点となるアンテナを選択し当該基点となるアンテナにおいて当該同期信号を発信することによりマルチパスあるいはハイトパターンの影響を軽減することができる。
【実施例2】
【0013】
図2は、本発明の無線マーカの外観構造を示す図である。図2において、11a、11b、11c、11dは送信アンテナ、31はアンテナ配置手段、32は発信手段あるいは/および受信手段、33は電源装置および/あるいは蓄電装置、34は収納手段、35は敷設手段、41a、41bはアンテナ間隔である。
送信アンテナ11a、11b、11c、11dは高誘電率のセラミックを用いた円偏波指向性アンテナであり、指向性を下方向に向けアンテナ間の間隔41a、41bを当該高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の1波長以下(通常4分の1波長程度)にして配置されアンテナの配置手段31に組み立てられている。
発信手段あるいは/および受信手段32と電源装置および/あるいは蓄電装置33はアンテナの配置手段31と同じ基板に組み立てられるかあるいは個別の基板に組み立てられている。
当該無線マーカの真下近くにある端末装置は、当該送信アンテナ11a、11b、11c、11dから発信される高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号の位相差を検出することで当該無線マーカの真下からの位置および/あるいは方向を高精度で検知することができる。
収納手段34は、防水性・耐候性に優れており、下方に電波を透過するレドーム部を設けており、敷設手段35により構造物あるいは建造物に取り付けることができる。
【0014】
なお、2.4GHz帯の高周波信号を用いると搬送波信号の4分の1波長が約3cmとなることから無線マーカを小型化できる。
また、太陽電池部は別筐体とする他、本体と一体構造とすることもできる。
また、当該複数のアンテナから発信される高周波信号の振幅特性あるいは周波数特性あるいは位相特性あるいは位相遅延特性あるいは指向性あるいはこれらの組合わせが当該アンテナを中心とする半球面上において複数のアンテナ間の差が規定以内であるように設定しあるいは選択しあるいは調整することで、位置あるいは場所あるいは方向の検知精度を向上させることができる。
また、上記の構造では、電波を下方向に放射するが、任意の傾斜角度で傾けて配置することでサービスエリアを調整しあるいは歩行者が居る位置を検知することを主体とするか、歩行者が向かっている方向を検知することを主体とするかこれらの両方であるかを選択することができる。
また、当該複数のアンテナに対応して発信される高周波信号には少なくとも位置あるいは場所あるいは方向あるいはこれらの組合わせによる識別符号あるいは識別コードを含んでいる。
【0015】
また、太陽電池を用いる代わりに商用電源を用いあるいは燃料電池を用いあるいは他の電力源を用いても同様の効果が得られ、あるいは室内の照明器具に内蔵することで商用電源を共有することができるメリットがある。
また、当該高誘電率のセラミックを用いてアンテナの外形寸法を小型化することで当該アンテナから発信する高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の波長の4分の1波長以下の外形寸法とし複数アンテナ間の間隔を4分の1波長以下とすることでアンテナ全体を小型化することが出来る。
また、当該複数のアンテナの間隔が当該複数のアンテナから発信する高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の波長の1波長以下の間隔で設置した場合、当該複数のアンテナから発信され当該携帯端末で受信された高周波信号の位相測定において当該複数のアンテナの各々に対応して機械的な間隔から生じる位相差と高周波信号の位相差が異なる場合、高周波信号の位相差をそのまま用いるかあるいは補正係数を用いて幾何学的な間隔から生じる位相差に換算して用いることが出来る。
また、当該発信手段あるいは/および受信手段32から発信されあるいは受信される高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号の波長に比較して小型化された他の型式のアンテナを搭載しても同様の効果が得られる。
また、当該発信手段あるいは中継手段32および当該アンテナの配置手段31を収納する収納手段34が当該高周波信号を意図的に透過させるレドーム部を除き不要な高周波信号が漏洩しあるいは輻射することを防止する遮蔽構造とすることで場所の検知精度を向上させることができる。
【実施例3】
【0016】
図3は、本発明の無線マーカの複数のアンテナの取付部を示す断面図である。図3において、11a、11b、11c、11dは送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナ、34は収納手段、41a、41bはアンテナ間隔、42a、42bは電波吸収体および/あるいは反射板の外形寸法、51は電波吸収体および/あるいは反射板、52はアンテナ11a、11b、11c、11dを設置するプリント基板を用いた配置手段、53はレドーム部である。
送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナ11a、11b、11c、11dは高誘電率のセラミックを用いた円偏波指向性アンテナであり指向性を下方向に向けアンテナ間の間隔41a、41bを搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の1波長以下(通常4分の1波長程度)でプリント基板を用いた配置手段52に配置され組み立てられている。
当該送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナ11a、11b、11c、11dから発信される高周波信号は各々独立であり、携帯端末において位相差を検出することで当該無線マーカの真下からの距離と方向を検知することから、当該携帯端末に向かって伝搬する高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号の伝搬位相に誤差を生じることは位置または場所あるいは方向の検知誤差の原因となる。
【0017】
そこで、電波吸収体および/あるいは反射板51を当該送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナ11a、11b、11c、11dの隙間および/あるいは周辺部に配置し、当該送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナ11a、11b、11c、11dの各々の間の結合量を低減することで、各々のアンテナが独立して機能し、当該携帯端末に向かって伝搬する高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号の間の伝搬位相誤差を軽減することができる。
レドーム部53および収納手段34も、当該送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナ11a、11b、11c、11dに対して左右および前後において対称であることが望ましい。
なお、当該送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナ11a、11b、11c、11dはそれぞれがグループで設けられている場合には、当該電波吸収体および/あるいは反射板51はグループ間を隔てる要領で配置される。
また、当該送信アンテナおよび/あるいは受信アンテナが埋め込み型頭部装荷アレイアンテナの場合は、方向毎にグループを形成するので、これらのグループ間に電波吸収体および/あるいは反射板51を配置する。
また、当該電波吸収体および/あるいは反射板51は、フエライトの粉末をゴムに練り固めたものや、フエライト粉末を発泡プラスチックに混入しあるいは等価な方法で、アンテナの形状に合わせて成型したものを用いることができる。
【実施例4】
【0018】
図4は、本発明の無線マーカの他の外観構造を示す図である。図4において、11a1、11b1、11c1、11d1は送信アンテナ、31a、31b、31c、31dはアンテナ部、32は発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段、33は電源装置および/あるいは蓄電装置、34は収納手段、35は敷設手段、36は自在継ぎ手、37a、37bは傾斜角調整手段、41a、41bはアンテナ間隔である。
送信アンテナ11a1〜11d1は高誘電率のセラミックを用いた円偏波指向性アンテナであり指向性を水平方向に向けアンテナ間隔41a、41bを1波長以下(通常4分の1波長程度)にして配置されアンテナ配置手段31a〜31dに組み立てられており、また、発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段32、および電源装置およびスパーキャパシタンス33は同じ基板かあるいは個別の基板に組み立てられている。
アンテナの配置手段31a〜31dは外方向に向けて0°〜90°の傾斜をもって取り付けられており、当該アンテナの配置手段31a〜31dの複数のアンテナ11a1〜11d1は周期的に切替られ、各アンテナの配置手段31a〜31dに割当てられた識別番号あるいは報知情報および測定用信号を発信している。
当該無線マーカはエリアを拡張するために準備されたものであり、離れた位置に居る携帯端末は、当該複数のアンテナの配置手段31a〜31dの複数のアンテナ11a1〜11d1から発信される高周波信号の位相差を検出することで当該携帯端末の現在の位置および/あるいは方向を検知することができる。
収納手段34は、防水性・耐候性に優れており、下方に電波を透過する材料を用いており、敷設手段35により構造物あるいは建造物に取り付けることができ、取り付け時に自在継ぎ手36および/あるいは傾斜角調整手段37a、37bにより微調整ができる。
【0019】
なお、太陽電池は別筐体とする他、本体と一体構造とすることもできる。
また、本発明の無線マーカの構造では、高周波信号を傾斜角度をもって搭載されたアンテナ配置手段31a〜31dに対して垂直方向に放射するので、当該傾斜角度を調節することでサービスエリアを調整することができる。また、傾斜角度によって、歩行者が居る場所を検知することを主体とするか、歩行者が向かっている方向を検知することを主体とするかを選択することができる。
また、当該複数のアンテナの配置手段31a〜31dに対応して発信される高周波信号には少なくとも場所あるいは方向あるいはアンテナ部の傾斜角度あるいはこれらの組合わせによる情報を報知情報として発信する。
また、太陽電池を用いる代わりに商用電源を用いあるいは燃料電池を用いあるいは他の電力源を用いても同様の効果が得られ、あるいは室内の照明器具に内蔵することで商用電源を共有することができるメリットがある。
また、当該高誘電率のセラミックを用いてアンテナの外形を当該発信する高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の波長の4分の1波長以下の外形寸法とし間隔を4分の1波長程度とすることで複数のアンテナを切替えた際の位相差を±90°以内とすることができる。
また、当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段から発信されあるいは受信される高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号の波長に比較して小型化された他の型式のアンテナを搭載しても同様の効果が得られる。
【実施例5】
【0020】
図5は、本発明の無線マーカのアンテナスイッチの構成を示す図である。図5において、11a、11b、11c、11dは送信アンテナ、16はアンテナ切替器、25a、25cは線路および/あるいは回路手段、26a、26b、26cは電子スイッチ、27a、27bは2分配器、28は接続端子である。
送信アンテナ11a、11b、11c、11dは高誘電率のセラミックを用いた円偏波指向性アンテナであり、例えば、指向性を下方向に向けアンテナの幾何学的な間隔を当該高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の4分の1波長程度にして配置されている。
当該送信アンテナ11a、11b、11c、11dは、電子スイッチ26a、26b、26cによって切替えられ、2分配器27a、27bによって合成あるいは分配され、(11a+11b)と(11c+11d)の間で切替えられ、あるいは(11a+11d)と(11c+11b)の間で切替えられるように制御される。前記のように2分配器によって複数組に合成されると、高誘電率セラミックアンテナの水平方向の波長短縮率が約50%であるために、複数組のアンテナ(11a+11b)と(11c+11d)の間、(11a+11d)と(11c+11d)の間は各々2分の1波長離れた合成アンテナとなって水平方向と垂直方向に指向性ビームが狭くなり利得が高くなり、お互いに十字形の放射ビームが交差することになる。
【0021】
従って、複数組のアンテナの組み合わせ(11a+11b)と(11c+11d)の間、あるいは(11a+11d)と(11c+11b)の間で周期的に切替えると、お互いに電気長が2分の1波長離れた複数組のアンテナを周期的に切替えるのと等価となり、当該無線マーカの真下近くに居る端末装置(表示せず)は、複数組の送信アンテナ(11a+11b)と(11c+11d)あるいは(11a+11d)と(11c+11b)から発信される高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の位相差を当該複数組のアンテナを切替える周期に合わせて検出して2部の1波長の電気長を幾何学的な間隔の4分の1波長に補正することで、当該無線マーカの真下からの位置および/あるいは方向を高精度で検知することができる。
なお、線路および/あるいは回路手段25a、25cは、電子スイッチ26a、26bを挿入したために生じる振幅の差および/あるいは位相の差を補正するため減衰器および/あるいは移相器である。
ここで、前記のように指向性ビームが狭くなる方向が、例えば、左右方向を検知する場合には上下方向に指向性ビームを絞って上下方向からの反射波を抑制しおよび/あるいは上下方向を検知する場合には左右方向に指向性ビームを絞って左右方向からの反射波を抑制することで、方向を検知する際にマルチパスあるいはハイトパターンによって生じる誤差を軽減することができるメリットがある。
あるいは、左右方向を検知する場合に左右方向に指向性ビームを絞ることで左右方向からの反射波を抑制しおよび/あるいは上下方向を検知する場合には上下方向に指向性ビームを絞ることで上下方向からの反射波を抑制することで、方向を検知する際にマルチパスあるいはハイトパターンによって生じる誤差を軽減することができる。
また、前記の送信アンテナ11a、11b、11c、11dのように4基のアンテナの組み合わせる他に、5基以上のアンテナを組み合わせて複数組のアンテナを構成して水平方向および/あるいは垂直方向および/あるいは任意の傾斜方向に指向性ビームを絞りおよび/あるいは任意の形の指向性ビームをアダプテイブに実現することで方向を検知する際にマルチパスあるいはハイトパターンによって生じる誤差を軽減することができる。
【実施例6】
【0022】
図6は、本発明の無線マーカの他の外観構造を示す図である。図6において、11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2、11eは頂部装荷ユニポールアレイアンテナ、31はアンテナの配置手段、32は発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段、33は電源装置および/あるいは蓄電装置、34は収納手段、35は敷設手段である。
当該頂部装荷ユニポールアレイアンテナ11eは中心部に位置し他のものより頂部の半径が大きく反射素子として機能し、頂部装荷ユニポールアレイアンテナ11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2は頂部の半径が小さく給電素子として機能し、全体として水平方向に指向性を有するアンテナを形成する。
当該頂部装荷ユニポールアレイアンテナの給電素子11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2は中心部の反射素子11eの周辺に間隔41aおよび41b(4分の1波長程度)を離して設置され周期的に切替えられている。
当該無線マーカから離れた場所にある携帯端末は、当該頂部装荷ユニポールアレイアンテナの給電素子11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2から発信される高周波信号の位相差を検出することで当該無線マーカからの方向を検知することができる。
【0023】
当該頂部装荷ユニポールアレイアンテナ11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2、中心部の反射素子11e、発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段32、および電源装置および/あるいは蓄電装置33は同じ基板に組み立てられあるいは個別の基板に組み立てられている。
収納手段34は、防水性・耐候性に優れており、下方に電波を透過する材料を用いており、敷設手段36により構造物あるいは建造物に取り付けることができる。
なお、太陽電池を別筐体としているが、本体と一体構造とすることもできる。
また、太陽電池を用いる代わりに商用電源を用いあるいは燃料電池を用いあるいは他の電力源を用いても同様の効果が得られ、あるいは室内の照明器具に内蔵することで商用電源を共有することができるメリットがある。
また、当該複数の方向に指向性を切替えられる複数の発音素子あるいは複数のアンテナあるいは複数の発光素子に対応して発信される高周波信号に少なくとも位置および/あるいは方向あるいはこれらの両方を識別するためのコードを有する。
【実施例7】
【0024】
図7は、本発明の無線マーカの他の外観構造を示す図である。図7において、11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2、11eは埋め込み型頂部装荷ユニポールアレイアンテナ、31はアンテナの配置手段、32は発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段、33は電源装置および/あるいは蓄電装置、34は収納手段、101a、101bは道路面あるいは床面である。
当該埋め込み型頂部装荷ユニポールアレイアンテナ11eは中心部に配置し他の素子よりも頂部の半径が大きく反射素子として機能し、埋め込み型頂部装荷ユニポールアレイアンテナ11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2は頂部の半径が小さく給電素子として機能し、全体として水平方向に指向性を有するアンテナを形成する。
当該埋め込み型頂部装荷ユニポールアレイアンテナの給電素子11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2は中心部の反射素子11eの周辺に間隔41aおよび41bを離して配置手段31上に配置され周期的に切替えられている。
当該無線マーカから離れた場所に居る携帯端末(記載せず)は、当該頂部装荷ユニポールアレイアンテナの給電素子11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2から発信される高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号の位相差を検出することで当該無線マーカが位置する方向および/あるいは当該携帯端末が向かっている方向を検知することができる。
【0025】
当該埋め込み型頂部装荷ユニポールアレイアンテナ11a1〜2、11b1〜2、11c1〜2、11d1〜2、11e、発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段32、および電源装置および/あるいは蓄電装置33は同じ基板に組み立てられあるいは個別の基板に組み立てられている。
収納手段34は、防水性・耐候性に優れており、上方に電波を透過する材料を用いており、道路面あるいは床面101a、101bに埋め込まれる。
なお、太陽電池部は別筐体とする他、本体と一体構造とすることもできる。
また、太陽電池を用いる代わりに商用電源を用いあるいは燃料電池を用いあるいは他の電力源を用いても同様の効果が得られる。
また、当該複数の方向に指向性を切替えられる複数のアンテナに対応して発信される高周波信号に少なくとも場所あるいは方向あるいはこれらの両方を識別するためのコードを有する。
【実施例8】
【0026】
図9は、本発明の無線マーカを利用した場所の検知の実施例である。 図9において、1は無線マーカ、2は受信手段、11a〜11dは指向性アンテナ、61は当該指向性アンテナ11aから11bを見た方向、62は当該指向性アンテナ11a〜11dの垂直面からの角度、63は当該指向性アンテナ11a〜11dの中心部の高さ、64は受信手段2のアンテナの高さ、65は当該指向性アンテナ11a〜11dの真下からの距離、66は当該指向性アンテナ11a〜11dの垂直線を延長した距離、67は当該指向性アンテナ11a〜11dの垂直面と地面との角度である。
無線マーカ1の指向性アンテナ11a〜11dは、例えば東西南北方向に発信する高周波信号の搬送波信号の4分の1波長の間隔で地面に対して角度67で設置され、周期的に切替えられながら高周波信号を発信しているものとする。
当該受信手段2が当該指向性アンテナ11a〜11dの垂直面からの角度62の方向に存在するとすると、Δd(X)=(H-h)×Tan{α(X)ーΔΦ(X)}、Δd(Y)=(H-h)×Tan{α(Y)−ΔΦ(Y)}となる。ここで、Δd(X)、Δd(Y)は当該指向性アンテナ11a〜11dの真下からの距離65、Hは当該アンテナ11a〜11dの高さ63、hは当該受信手段2のアンテナの高さ64、α(X)とα(Y)は当該無線マーカ1のアンテナの垂直面の角度、ΔΦ(X)、ΔΦ(Y)は当該指向性アンテナ11a〜11dの垂直面からの角度62である。
当該指向性アンテナ11a〜11dの真下の場所を(X1、Y1)とすると、当該受信手段2のアンテナの場所(Xx、Yy)は、Xx=X1+Δd(X) Yy=Y1+Δd(Y)から検知できる。
【0027】
ここで、ΔΦ(X)、ΔΦ(X)の検出精度は±0.5度以下が実現できることから、当該指向性アンテナ11a〜11dの真下では、場所の検知精度は、(H-h)=2mとすると、2m×tan(α±0.5)でありα=45°の時には±3.5cmとなり、当該無線マーカ1の真下からの距離を検知するとともに当該無線マーカ1の方向を検知することができる。
また、当該受信手段2に複数の指向性アンテナを接続し、当該複数の指向性アンテナを例えば歩行者の両肩に設置して、周期的に切替えることで、当該受信手段2を携帯する歩行者の両肩の位置を検知することで場所の検知とともに、当該無線マーカ1から発信される高周波信号の伝送距離が延長されるので当該歩行者が向かっている方向を検知することができる。
また、当該無線マーカ1側を受信手段として複数の指向性アンテナ11a〜11dを接続して周期的に切替え、受信手段2を発信手段と置き換え歩行者が携帯することで、歩行者の居る位置および/あるいは方向を検知することができる。
また、当該指向性アンテナ11a〜11dから発信される高周波信号の強度が電波法で定められる微弱電波の場合でも、アンテナの設置された場所から3mの地点で電界強度が35μV/mであり、当該指向性アンテナ11a〜11dが天井などに設置されると高さHが3m前後であることから、当該受信手段2の受信電力が−110dBmとなりGPS衛星から受信する電力より20dB以上高くなるので、高精度の位置の測位が可能となる。
【0028】
また、当該指向性アンテナ11a〜11dを、例えば、順に東、南、西、北の方向に配置し、東、南、西、北の順に切替えることで、当該無線マーカ1の基準発振器の周波数偏差と当該受信手段2の基準発振器の周波数偏差が相違する場合でも位相差の測定を高精度に保つことができる。
また、当該受信手段2が当該指向性アンテナ11a〜11dの指向性パターンの範囲内を移動している間に当該無線マーカ1から発信される高周波信号に含まれる同期信号に同期する必要があり、比較的に短時間で同期が確立できる信号方式を採用する必要がある。
また、当該無線マーカ1の指向性アンテナ11a〜11dと地面との傾斜角度、指向性アンテナ11a〜11dが向いている方向等は、当該無線マーカ1から発信される報知情報の一部として含まれる。
また、当該無線マーカ1からの高周波信号を移動体に搭載されあるいは携帯される受信手段2において周期的に切替えられる複数のアンテナあるいはビーム幅が特定の方向に対して90°以下のシャープな指向性を有するアンテナあるいはこれらの組合わせ受信することで高精度の場所の検知が可能となる。
また、当該移動体に搭載されあるいは携帯される受信手段2において複数のアンテナが歩行者あるいはロボットの両肩あるいはめがねの両側のフレームあるいはヘッドセットの両耳あるいは両方の胸ポケットあるいは左右が対称な場所に設置され当該歩行者あるいはロボットが現在居る場所あるいは向いている方向あるいはこれらの両方を検知することができる。
【0029】
以上の説明では、高周波信号を放射しあるいは受信するアンテナの構造について述べたが、超音波トランスデューサあるいは超音波送波器を用いて超音波信号を発信し、超音波トランスデューサあるいは超音波受波器を用いて超音波信号を受信し、あるいは発光ダイオードあるいはレーザーダイオードを用いて光信号を発信し、ホトダイオードを用いて光信号を受信することでも同様な効果が得られる。なお、本出願では、超音波トランスデューサあるいは超音波送受波器と発光ダイオードあるいはレーザーダイオードあるいはホトダイオードを総称して送受波器と呼称するものとする。また、送受波器の送波器あるいは受波器のみを用いる場合でも送受波器として記載している。
また、太陽電池の代わりに、商用電源あるいは燃料電池などから電源を供給することもできる。
また、道路表面に埋め込む場合には、注意を喚起するための発光ダーオードを内蔵し、防水性・耐候性に加えて耐振性・耐衝撃性を有する筐体に収納する。
また、埋め込み型頂部装荷ユニポールアレーアンテナ以外の指向性が切替えられるアンテナを用いても同様な効果が得られる。
【0030】
また、当該無線マーカは電波マーカあるいはRFタグあるいは電波灯台あるいは他の等価な名称で呼ぶことができる。
また、当該無線マーカからGPS衛星から発信される信号あるいはこれと等価な信号あるいは擬似的な信号を微小な電力で発信しGPSマーカとすることによって屋外と屋内のいずれでも位置の検知ができるようになりGPSのシームレス化が実現できる。
また、当該無線マーカの複数のアンテナの間隔を拡散符号のチップ長さの1/10程度(1.023Mbpsの拡散符号の場合で約30m、10.23Mbpsの場合で約3m)の間隔で一体化し衛星に塔載することで1局の衛星で位置の測位が可能となる。また、衛星を中心に前記の間隔をおいて塔載された複数のアンテナを回転させることで測位精度を向上させることができる。
また、当該無線マーカを用いて移動体あるいは歩行者の自律的な移動を誘導しあるいは補助することができる。
また、当該無線マーカを慣性航法の基準点として利用することによって高精度で位置の検知を行なうことができる。
また、当該電波マーカが移動体に搭載されあるいは携帯された受信手段2との通信手段を有するとともに周辺部に設置された他の電波マーカ(記載せず)とも通信手段を有することで無線マーカ1の消費電力を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の無線マーカは小型で安価であり、本発明の無線マーカが設置された場所の真下の周辺で±10cmの高精度で場所の検知でき、また本発明の無線マーカが設置された方向を±1°の高精度で検知でき、しかも、マルチパスあるいはハイトパターンなどによる検知精度を抑制できることから、歩行者あるいはロボット等の移動体の移動あるいは歩行を誘導し支援するための場所の基準点として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の無線マーカの構成を示す図である。
【図2】本発明の無線マーカの外観構造を示す図である。
【図3】本発明の無線マーカの複数のアンテナの取付部を示す断面図である。
【図4】本発明の無線マーカの別の外観構造を示す図である。
【図5】本発明の無線マーカのアンテナスイッチの構成を示す図である。
【図6】本発明の無線マーカの別の外観構造を示す図である。
【図7】本発明の無線マーカの別の外観構造を示す図である。
【図8】本発明の無線マーカを利用した場所の検知の実施例である。
【図9】従来のアクテイブタグ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 無線マーカ
11a、11b、11c、11d 高誘電率セラミックを用いた円偏波指向性アンテナ
11a1〜2、11b1〜2 頂部装荷アンテナ
11c1〜2、11d1〜2、11e 頂部装荷アンテナ
12 帯域通過フイルタ
13 電力増幅器
14 ミキサーあるいは直交変調器
15 信号生成器
16 アンテナ切替器
17 シンセサイザ
18 基準発振器
20 発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段
21 電源装置
22 蓄電装置
23 接続端子
24 太陽電池
25a、25b、25c、25d 線路および/あるいは回路手段
26a、26b、26c 電子スイッチ
27a、27b 2分配器
28 接続端子
【0034】
31 アンテナ配置手段
32 発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段
33 電源装置および/あるいは蓄電装置
34 収納手段
35 敷設手段
36 自在継ぎ手
37a、37b 傾斜角調整手段
41a、41b、41c、41d アンテナ間隔(通常4分の1波長とする)
42a、42b 電波吸収体および/あるいは反射板の外形寸法
51 電波吸収体および/あるいは反射板
52 プリント基板を用いたアンテナの配置手段
53 レドーム部
61 アンテナ11a→アンテナ11bの方向
62 無線マーカ1のアンテナの垂直面からの角度
63 無線マーカ1発信手段のアンテナの高さ
64 受信手段のアンテナの高さ
65 無線マーカ1の真下からの距離
66 無線マーカ1のアンテナの垂直線を延長した距離
67 無線マーカ1のアンテナの垂直面の角度
101a、101b 道路面あるいは床面
111 ネットワークノード
112 接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号を利用して少なくとも識別情報あるいは場所情報あるいは位置情報あるいはエリア情報あるいはこれらを組合わせた報知情報と位置および/あるいは方向を検知するための測定用信号を発信しあるいは受信するための発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段において切替手段を設けて周期的に切替えられる複数の送受波器あるいは複数のアンテナと当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの指向性を所定の方向に向けて配置するための配置手段と当該配置手段を収納して当該超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号を低損失で透過させるレドーム部を有する収納手段と当該収納手段を埋め込みあるいは吊下げあるいは固定しあるいは取り付けるための敷設手段を有することを特徴とする無線マーカ
【請求項2】
超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号を利用して少なくとも識別情報あるいは場所情報あるいは位置情報あるいはエリア情報あるいはこれらを組合わせた報知情報と位置および/あるいは方向を検知するための測定用信号を発信しあるいは受信するための発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段において切替手段を設けて周期的に切替えられる複数の送受波器あるいは複数のアンテナと当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの指向性を所定の方向に向けて配置するための配置手段と当該配置手段を複数組設け当該複数組の配置手段から放射される超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号を複数の指向性の方向に低損失で透過させるレドーム部を有する収納手段と当該収納手段を埋め込みあるいは吊下げあるいは固定しあるいは取り付けるための敷設手段を有することを特徴とする無線マーカ
【請求項3】
当該配置手段が当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの指向性の方向を真下方向にあるいは真上方向にあるいは水平方向にあるいは傾斜角を持たせあるいはこれらを組み合わせて配置することを特徴とする請求項第1項から第2項に記載の無線マーカ
【請求項4】
当該切替手段によって周期的に切替えられる複数の送受波器あるいは複数のアンテナから放射される超音波信号あるいは高周波信号あるいは光波信号の振幅特性あるいは周波数特性あるいは位相特性あるいは位相遅延特性あるいは指向性あるいはこれらの組合わせが当該複数の送受波器あるいはアンテナから幾何学的に同一の距離にある面あるいは地点において均一とするための調整手段を有しおよび/あるいは当該面あるいは地点において存在する不均一性を当該報知情報の一部として発信するための発信手段を有することを特徴とする請求項第1項から第3項に記載の無線マーカ
【請求項5】
当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナが当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナから放射しあるいは受信する超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の波長の1波長以下の間隔で配置され当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの隙間部分および/あるいは周辺部に超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号を吸収しおよび/あるいは反射しあるいは等価な機能の隔離手段を有し当該隔離手段によって複数の送受波器間あるいは複数のアンテナ間の結合量を低減し当該複数の送受波器あるいはアンテナを個別にあるいはグループとして独立して機能させることを特徴とする請求項第1項から第4項に記載の無線マーカ
【請求項6】
当該複数のアンテナが高誘電率セラミックを用いた複数の円偏波指向性アンテナで構成され当該複数の円偏波指向性アンテナから放射しあるいは受信する高周波信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の波長の1波長以下の間隔で配置され当該複数の円偏波指向性アンテナの隙間部分および/あるいは周辺部に電波吸収体および/あるいは反射板あるいはこれたと等価な隔離手段を有し当該隔離手段によって当該複数のアンテナ間の結合量を低減し当該複数のアンテナを個別にあるいはグループとして独立して機能させることを特徴とする請求項第1項から第5項に記載の無線マーカ
【請求項7】
当該複数のアンテナが高誘電率セラミックを用いた複数個あるいは複数組の埋め込み型頂部装荷ユニポールアンテナで構成され当該複数の埋め込み型頂部装荷ユニポールアンテナから放射しあるいは受信する信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の波長の1波長以下の間隔で配置され当該複数の埋め込み型頂部装荷ユニポールアンテナの隙間部分および/あるいは周辺部に電波吸収体および/あるいは反射板あるいは等価な隔離手段を有し当該隔離手段によって当該複数のアンテナ間の結合量を低減し当該複数のアンテナを個別にあるいはグループとして独立して機能させることを特徴とする請求項第1項から第6項に記載の無線マーカ
【請求項8】
当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナが当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナから放射しあるいは受信する超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号の搬送波信号あるいは副搬送波信号あるいは変調信号あるいはベースバンド信号の波長の1波長以下の間隔で配置され当該複数の送受波器あるいはアンテナ間の間隔が波長短縮効果によって等価的に短縮される場合に当該複数の送受波器あるいはアンテナの間隔を当該短縮効果に合わせて補正係数を設けて補正しあるいは当該補正係数および/あるいは等価的な間隔を当該報知情報の一部として発信することを特徴とする請求項第1項から第7項に記載の無線マーカ
【請求項9】
当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段が同期を確立するための同期信号と位置および/あるいは方向を検知するための測定用信号を発信しおよび/あるいは受信するための手段を有し当該測定用信号を発信する場合には当該同期信号を発信する場合より大きな電力で発信しおよび/あるいは当該受信手段において受信した当該測定用信号が当該同期信号より小さな電力で受信された場合には当該測定用信号を無視するかあるいは当該受信した測定用信号の電力に応じて加重平均して位置および/あるいは方向の検知を行なうことを特徴とする請求項第1項から請求項第8項までに記載の無線マーカ
【請求項10】
当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナが設置されている場所あるいは指向性の方向あるいは傾斜角度あるいはこれらの組合わせを当該報知情報の一部として発信することを特徴とする請求項第1項から請求項第9項までに記載の無線マーカ
【請求項11】
当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナが当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段に不均一な特性の線路および/あるいは不均一な特性の回路手段を介して接続され当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの奥行き方向の間隔を等価的に不均一とすることを特徴とする請求項第1項から請求項第10項までに記載の無線マーカ
【請求項12】
当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナの個々の間あるいはグループの間に存在する特性の差異あるいはその結果として現れる地理上の位置および/あるいは方向と検知される位置および/あるいは方向との差異を表わす情報を報知情報の一部として発信することを特徴とする請求項第1項から請求項第11項までに記載の無線マーカ
【請求項13】
当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段が移動体に設置されあるいは携帯される端末装置の要求に応じて当該同期信号および測定用信号を発信しあるいは当該端末装置の位置および/あるいは方向を検知し当該検知した結果を当該端末装置あるいは周辺の他の発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段に対して発信しあるいは中継しあるいはセンタへ中継することを特徴とする請求項第1項から請求項第12項までに記載の無線マーカ
【請求項14】
当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段に複数の送受波器あるいは複数のアンテナを組み合わせて合成し放射ビームの幅を狭くして高利得となるように複数組を設け当該複数組を規定の位置および/あるいは方向に配置して周期的に切替えることを特徴とする請求項第1項から請求項第13項までに記載の無線マーカ
【請求項15】
当該移動体に搭載されあるいは携帯される端末装置において複数の送受波器あるいは複数のアンテナおよび/あるいは複数組の送受波器あるいは複数組のアンテナが歩行者あるいはロボットあるいは移動体の両肩あるいはめがねの両側のフレームあるいはヘッドセットの両耳あるいは両方の胸ポケットあるいは進行方向に対して左右の位置に間隔をおいて設置され当該歩行者あるいはロボットあるいは移動体の位置および/あるいは向かっている方向を検知することを特徴とする請求項第1項から請求項第14項までに記載の無線マーカ
【請求項16】
当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段が通信ネットワークのノードに接続されおよび/あるいは移動体に搭載されあるいは携帯された端末装置との通信手段を有しおよび/あるいは周辺部に設置された他の発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段との通信手段を有することを特徴とする請求項第1項から請求項第15項までに記載の無線マーカ
【請求項17】
当該発信手段あるいは中継手段に接続された複数の送受波器あるいは複数のアンテナの内から順次基点となる送受波器あるいはアンテナを選択し当該基点となる送受波器あるいはアンテナにおいて当該同期信号を発信することによりマルチパスあるいはハイトパターンの影響を軽減することを特徴とする請求項第1項から請求項第16項までに記載の無線マーカ
【請求項18】
当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段に接続された複数の送受波器あるいは複数のアンテナを組み合わせて複数組の狭い指向性ビームを有する送受波器あるいはアンテナを構成し当該複数組の構成を周期的に組替えおよび/あるいは当該複数組を周期的に切替えることによりマルチパスあるいはハイトパターンの影響を軽減することを特徴とする請求項第1項から請求項第17項までに記載の無線マーカ
【請求項19】
当該複数組の送受波器あるいは複数組のアンテナの指向性ビームが方向を検知する方向と交差する方向に絞ることで当該方向を検知する方向からの反射波を抑制しおよび/あるいは当該指向性ビームが方向を検知する方向と同じ方向に絞ることで当該方向を検知する方向と交差する方向からの反射波を抑制しおよび/あるいは当該指向性ビームをアダプテイブに制御することで方向を検知する際にマルチパスあるいはハイトパターンによって生じる誤差を軽減することを特徴とする請求項第1項から請求項第18項までに記載の無線マーカ
【請求項20】
当該発信手段あるいは中継手段および当該複数の送受波器あるいは複数のアンテナを収納する収納手段が当該超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号を意図的に透過させるレドーム部分を除き不要な超音波信号あるいは高周波信号あるいは光信号が漏洩しあるいは輻射することを防止する遮蔽構造であることを特徴とする請求項第1項から請求項第19項までに記載の無線マーカ
【請求項21】
当該発信手段あるいは中継手段が発信する報知情報の中に移動体あるいは歩行者の移動あるいは歩行を支援しおよび/あるいは誘導するために必要な情報を含むことを特徴とする請求項第1項から請求項第20項までに記載の無線マーカ
【請求項22】
当該発信手段あるいは中継手段がGPS信号あるいはGPS信号と等価な信号あるいは擬似的なGPS信号あるいは既存のGPS信号と共存可能な信号を発信することによりビル陰および/あるいは屋内および/あるいはGPS衛星からの電波が届きにくい場所でGPSをシームレス化することを特徴とする請求項第1項から請求項第21項までに記載の無線マーカ
【請求項23】
当該発信手段あるいは中継手段および/あるいは受信手段に指向性ビームの幅が30°以下の送受波器あるいはアンテナを接続して反射波を抑制し少なくとも当該受信手段の指向性ビームの方向を回転させあるいは移動させることで高精度な方向の検知を行なうことを特徴とする請求項第1項から請求項第22項までに記載の無線マーカ


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−264680(P2007−264680A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63477(P2006−63477)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(395007299)有限会社アール・シー・エス (51)
【Fターム(参考)】