説明

用力伝達部材ガイド装置、及び基板処理装置

【課題】移動体に追従させてケーブルなどを低振動、低発塵で案内する。
【解決手段】ケーブル56は、水平面に沿ってX軸方向に移動するX粗動ステージ23Xに一端が、X粗動ステージ23Xの移動範囲外に配置された固定部材66に他端が接続されている。ケーブル56は、直列に接続された4節のリンク68,70,72,74を含むリンク機構60に沿うように、そのリンク機構60に固定されている。X粗動ステージ23Xが移動すると、リンク機構60の変形に伴って、ケーブル56がZ軸方向に案内され、これにより固定部材66側から見たケーブル56の繰り出し量が調整されるので、ケーブル56と他の部材との摺動が抑制され、同時に振動の発生も抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用力伝達部材ガイド装置、及び基板処理装置に係り、更に詳しくは、所定の二次元平面内の所定範囲を移動する移動体と外部装置との間での用力の伝達に用いられる用力伝達部材を案内する用力伝達部材ガイド装置、及びこの用力伝達部材ガイド装置を有し、移動体に載置された基板に処理を施す基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子、半導体素子(集積回路等)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「マスク」と総称する)と、ガラスプレート又はウエハ(以下、「基板」と総称する)とを所定の走査方向(スキャン方向)に沿って同期移動させつつ、マスクに形成された微細なパターンを、投影光学系を介して基板上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
【0003】
この種の露光装置は、基板を保持し、この基板をスキャン方向に案内する基板ステージ装置を備えており、この基板ステージ装置には、外部から各種用力、例えば電力などを供給するためのケーブルが接続されている。ケーブルは、基板ステージ装置の移動に伴い、ケーブル案内装置により基板ステージ装置に追従するように所定の方向に案内される。従来、ケーブル案内装置としては、複数のリンク部材が繋がれたチェーンリンク機構を用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、特許文献1に記載のケーブル案内装置においては、ケーブルが各チェーンリンクに沿って配置されているため、チェーンリンク機構の変形に伴いケーブルが変形する際、ケーブルとチェーンリンクとが摺動し、振動が発生するおそれ及び発塵するおそれがあった。
【0005】
上記露光装置においては、このような振動が発生すると基板の位置制御の精度が下がり、また、発塵によりマスクや基板に塵がつくと転写不良を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2002/086349号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、所定の二次元平面に平行な平面内の所定範囲を該二次元平面に沿って移動する移動体と、外部装置と、の間で伝達される用力の伝達路を形成する可撓性の用力伝達部材の一部が固定される固定部と;前記用力伝達部材の、前記固定部に固定された部位と前記移動体に接続された部位との中間の領域の一箇所又は複数箇所を保持し、その保持する箇所を、前記移動体が移動する際に該移動体の移動方向と同方向に案内しつつ前記二次元平面に交差する方向に案内する案内部と;を備える用力伝達部材ガイド装置である。
【0008】
ここで、用力とは、移動体又は外部装置で用いられる何らかのエネルギ、物質など(一例として、電力、電気信号、加圧気体、真空吸引力、冷媒)を意味し、用力を伝達するとは、移動体と外部装置との間で上記用力の授受(電力の供給、電気信号の送受信、冷媒の供給及び回収など)を行うことを意味する。本明細書では、かかる意味で用力なる用語を用いるものとする。
【0009】
これによれば、移動体が所定の二次元平面内に沿って移動する際、案内部は、有限長の用力伝達部材の一箇所又は複数個所を、その移動体と同方向に案内しつつ、その移動体の移動方向に交差する方向に案内することにより、可撓性の用力伝達部材を撓ませる。これにより、用力伝達部材と他の部材との摺動を回避しつつ、用力伝達部材の固定部側から見た繰り出し量を調整できる。従って、用力伝達部材を案内する際の振動の発生及び発塵が防止される。
【0010】
本発明は、第2の観点からすると、前記移動体は基板が載置されるステージである本発明の用力伝達部材ガイド装置と;前記基板に処理を施す基板処理部と;を備え、該基板処理部は、前記ステージの移動範囲の上方に位置する基板処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の液晶露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の液晶露光装置が有するケーブルガイド装置を模式的に示す図である。
【図3】ケーブルガイド装置の構成を示す平面図である。
【図4】ケーブルガイド装置の構成を示す側面図である。
【図5】隣り合うリンクから成るリンク対の開き角度と、該リンク対の連結部に設けられたローラに固定されたケーブルとの関係を示す図である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、ケーブルガイド装置の動作を説明するための図である。
【図7】第2の実施形態に係るケーブルガイド装置の構成を示す側面図である。
【図8】第3の実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す側面図である。
【図9】図9(A)及び図9(B)は、図8の液晶露光装置が有するケーブルガイド装置の動作を説明するための図である。
【図10】第4の実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す側面図である。
【図11】第5の実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す側面図である。
【図12】第6の実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す側面図である。
【図13】図13(A)及び図13(B)は、第7の実施形態に係る液晶露光装置が有するケーブルガイド装置の動作を説明するための図である。
【図14】図14(A)〜図14(C)は、第8の実施形態に係るケーブルガイド装置の動作を説明するための図である。
【図15】第8の実施形態の変形例に係るケーブルガイド装置を示す平面図である。
【図16】図16(A)及び図16(B)は、第9の実施形態に係る基板ステージ装置が有するケーブルガイド装置の動作を説明するための図である。
【図17】第2の実施形態の変形例に係るケーブルガイド装置の概略構成を示す側面図である。
【図18】図18(A)〜図18(C)は、第1の実施形態の変形例に係るケーブルガイド装置の動作を説明するための図である。
【図19】第10の実施形態に係る基板ステージ装置を示す図である。
【図20】図19のA−A線断面図である。
【図21】図19の基板ステージ装置を−X側から見た図である。
【図22】第11の実施形態に係る基板ステージ装置を示す図である。
【図23】図22のB−B線断面図である。
【図24】図22の基板ステージ装置を−X側から見た図である。
【図25】図25(A)〜図25(C)は、第12の実施形態に係るケーブルガイド装置の構成及び動作を説明するための図である。
【図26】図26(A)及び図26(B)は、リンク対の開き止め装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図6(C)を用いて説明する。
【0013】
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の概略構成が示されている。液晶露光装置10は、液晶表示装置の表示パネルに用いられる矩形(角形)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
【0014】
液晶露光装置10は、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、上記マスクステージMST及び投影光学系PLなどが搭載されたボディBD、基板Pを保持する基板ステージ装置PST、及びこれらの制御系等を含んでいる。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0015】
照明系IOPは、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
【0016】
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着(あるいは静電吸着)により固定されている。マスクステージMSTは、後述するボディBDの一部である鏡筒定盤31の上面に固定された一対のマスクステージガイド35上に、例えば不図示のエアベアリングを介して非接触状態で浮上支持されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により、一対のマスクステージガイド35上で、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向にそれぞれ適宜微少駆動される。マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レーザ干渉計91を含むマスク干渉計システムにより計測される。
【0017】
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方において、鏡筒定盤31に支持されている。本実施形態の投影光学系PLは、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様の構成を有している。すなわち、投影光学系PLは、レンズモジュールなどを含む光学系を複数有し、その複数の光学系は、Y軸方向に沿って、いわゆる千鳥状に配列されている(マルチレンズ投影光学系とも称される)。複数の光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。前述の照明系IOPは、複数の光学系に対応した複数の照明光ILをそれぞれマスクMに照射するように構成されている。このため、マスクM上には、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照明領域が形成されるとともに、基板P上には、複数の光学系それぞれに対応して、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照射領域が形成される。液晶露光装置10では、基板P上に形成される複数の照射領域が合成されることにより、千鳥状に配置された複数の光学系から成る投影光学系PLが、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。
【0018】
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向(X軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターン(マスクパターン)が転写される。すなわち、本実施形態では照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
【0019】
ボディBDは、基板ステージ架台33と、基板ステージ架台33上に配置された一対の支持部材32を介して水平に支持された鏡筒定盤31と、を有している。基板ステージ架台33は、床面F上に設置された複数の防振機構34に支持されており、ボディBDは、床面Fに対して振動的に分離されている。
【0020】
基板ステージ装置PSTは、基板ステージ架台33上に固定された定盤12と、床面F上に固定された一対のベースフレーム14と、一対のベースフレーム14上に搭載されたX粗動ステージ23Xと、X粗動ステージ23X上に搭載され、X粗動ステージ23Xと共にXY二次元ステージ装置を構成するY粗動ステージ23Yと、Y粗動ステージ23Yの+Z側(上方)に配置された微動ステージ21と、定盤12上で微動ステージ21の重量を支持する重量キャンセル装置26と、X粗動ステージ23Xと電源装置(不図示)とに接続されたケーブル56(図2参照)を案内するケーブルガイド装置100(図2参照)と、を備えている。
【0021】
定盤12は、例えば石材により形成された平面視で(+Z側から見て)矩形の板状部材から成り、その上面は、平面度が非常に高く仕上げられている。
【0022】
一対のベースフレーム14は、一方が定盤12の+Y側、他方が定盤12の−Y側にそれぞれ配置されている。一対のベースフレーム14それぞれは、X軸方向を長手方向とする部材から成り、基板ステージ架台33を跨いだ状態で床面Fに固定されている。なお、図1では不図示であるが、一対のベースフレーム14は、X粗動ステージ23XをX軸方向に直進案内するための複数のXリニアガイド部材、及びX粗動ステージ23Xを駆動するXリニアモータを構成するX固定子(例えば磁石ユニット)などを有している。
【0023】
X粗動ステージ23Xは、平面視矩形の外形形状を有する枠状の部材から成り、その中央部にY軸方向を長手方向とする長孔状の開口部(不図示)を有している。X粗動ステージ23Xの下面には、YZ断面逆U字状に形成された一対のXスライダ54が固定されている。一対のXスライダ54それぞれは、図1では不図示であるが、ベースフレーム14の有するXリニアガイド部材(不図示)に対してスライド可能に係合するスライド部材、及び、上述したX固定子と共にXリニアモータを構成するX可動子(例えば、コイルユニット)などを有している。X粗動ステージ23Xは、Xリニアモータを含むX粗動ステージ駆動系により、一対のベースフレーム14上で、X軸方向に所定ストロークで直進駆動される。また、X粗動ステージ23Xの上面には、X軸方向に離間して配置された一対のYリニアガイド部材28(−X側のYリニアガイド部材は、+X側のYリニアガイド部材に対して紙面奥側に重なっている)が固定されている。また、各図面では不図示であるが、X粗動ステージ23Xの上面には、Y粗動ステージ23Yを駆動するYリニアモータを構成するY固定子(例えばコイルユニット)が固定されている。
【0024】
Y粗動ステージ23Yは、X粗動ステージ23XよりもY軸方向の寸法が短い平面視で矩形の外形形状を有する枠状の部材から成り、その中央部に開口部(不図示)を有している。Y粗動ステージ23Yの下面には、上記Yリニアガイド部材28にスライド可能な状態で係合するXZ断面逆U字状に形成された複数のスライダ29が固定されている。また、図1では不図示であるが、Y粗動ステージ23Yの下面には、上述したY固定子と共にYリニアモータを構成するY可動子(例えば、磁石ユニット)が固定されている。Y粗動ステージ23Yは、Yリニアモータを含むY粗動ステージ駆動系により、X粗動ステージ23X上でY軸方向に所定ストロークで駆動される。X粗動ステージ23X、及びY粗動ステージ23Yの位置情報は、図示しないリニアエンコーダシステムにより計測される。なお、X粗動ステージ23X,Y粗動ステージ23YをそれぞれX軸方向、Y軸方向に駆動する駆動方式は、例えば送りねじによる駆動方式、あるいはベルト駆動方式などの他の方式であっても良い。
【0025】
微動ステージ21は、平面視略正方形の板状(又は直方体状)の部材から成り、その上面に基板ホルダPHを介して基板Pを保持する。基板ホルダPHは、例えば図示しない真空吸着装置(又は静電吸着装置)を有しており、その上面に基板Pを吸着保持する。
【0026】
微動ステージ21の−Y側の側面には、ミラーベース24Yを介してY軸に直交する反射面を有するY移動鏡(バーミラー)22Yが固定されている。また、図1では図示が省略されているが、微動ステージ21の−X側の側面には、X軸に直交する反射面を有するX移動鏡が固定されている。微動ステージ21のXY平面内の位置情報は、Y移動鏡22Y及びX移動鏡それぞれに測長ビームを照射し、その反射光を受光するレーザ干渉計システムによって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、レーザ干渉計システムは、Y移動鏡22Y、X移動鏡それぞれに対応したXレーザ干渉計、Yレーザ干渉計を有しているが、図1では、代表的にYレーザ干渉計92のみが図示されている。
【0027】
微動ステージ21は、例えばY粗動ステージ23Yに固定された不図示の固定子(例えば、コイルユニット)と、微動ステージ21に固定された不図示の可動子(例えば、磁石ユニット)とから成るボイスコイルモータを含む、微動ステージ駆動系により、Y粗動ステージ23Y上で6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、θzの各方向)に微少駆動される。これにより、微動ステージ21は、投影光学系PLに対し、XY2軸方向に長ストロークで移動(粗動)可能、且つ6自由度方向に微少移動(微動)可能となっている。なお、ボイスコイルモータとしては、X軸方向に駆動力を発生するXボイスコイルモータ、Y軸方向に駆動力を発生するYボイスコイルモータ、及びZ軸方向に駆動力を発生するZボイスコイルモータが、それぞれ複数(特にZボイスコイルモータは、同一直線上にない3箇所以上に)設けられている。
【0028】
重量キャンセル装置26は、微動ステージ21を定盤12上で支持するZ軸方向に延設された柱状の部材であり、心柱とも称される。重量キャンセル装置26は、X粗動ステージ23Xの開口部、及びY粗動ステージ23Yの開口部に挿入されている。重量キャンセル装置26は、+Z方向の力を発生することにより、微動ステージ21を含む系(具体的には微動ステージ21、基板ホルダPH、基板Pなどから成る系)の重量(重力加速度による下向き(−Z方向)の力)を打ち消し、これにより微動ステージ駆動系を構成する複数のボイスコイルモータ(不図示)に対する負荷を低減する。重量キャンセル装置26は、図示しない気体静圧軸受、例えばエアベアリングにより定盤12上に浮上支持されている。重量キャンセル装置26は、板ばねを含む不図示の連結装置(フレクシャ装置とも称される)を介してY粗動ステージ23Yに機械的に接続されており、Y粗動ステージ23Yと一体的に、X軸方向及びY軸方向に移動する。重量キャンセル装置26と微動ステージ21との間には、レベリング装置27が配置されている。微動ステージ21は、レベリング装置27を介して、重量キャンセル装置26に対して、θx方向及びθy方向にチルト自在(揺動自在)な状態で支持されている。上記重量キャンセル装置26,レベリング装置27、フレクシャ装置などの構成は、例えば国際公開第2008/129762号などに開示されている。
【0029】
ケーブルガイド装置100は、図2に示されるように、X粗動ステージ23Xが移動する際、X粗動ステージ23Xに一端が接続され、他端が不図示の電源装置に接続されたケーブル56が、他の部材(例えば、定盤12)に接触しないように案内する装置である。なお、図3に示されるように、ケーブル56は、複数のケーブルが融着され、全体的に長尺の帯状に形成されている。本実施形態では、その複数のケーブルから成るケーブルの束を便宜上、ケーブル56と称する。
【0030】
ケーブルガイド装置100は、図2に示されるように、直列に連結された複数(本実施形態では、4つ)のリンク68、70,72、74を含むリンク機構60を有している。以下、説明の便宜上、4つのリンクを、X粗動ステージ23X側から順に、第1のリンク68、第2のリンク70、第3のリンク72、第4のリンク74と称する。また、第1のリンク68は、X粗動ステージ23Xに固定された軸受部材62に連結され、第4のリンク74は、所定の固定部材66(例えば、床面F、あるいはボディBD(図1参照)に固定された部材)に固定された軸受部材64に連結されている。第1のリンク68と軸受部材62、第4のリンク74と軸受部材64、及び4つのリンクのうちの互いに隣り合う2つのリンクは、それぞれY軸に平行に延びる軸部材93により連結されており、その軸部材93の軸線周りに相対回転可能となっている。
【0031】
軸受部材62は、図3に示されるように、−X側が開口した平面視(上方から見て)ほぼU字形状の部材から成り、XZ平面に平行な一対の対向面部を有している。軸受部材64は、+X側が開口した平面視ほぼU字形状の部材から成り、XZ平面に平行な一対の対向面部を有している。
【0032】
第1及び第3のリンク68、72それぞれは、実質的に同じ部材であり、第2及び第4のリンク70、74それぞれも、実質的に同じ部材である。従って、以下では、第1のリンク68、及び第2のリンク70の構成について説明する。図3に示されるように、第1のリンク68は、Y軸方向に所定間隔で対向配置された一対の矩形(長方形状)の板状部材から成るリンク本体86aを有する。ここで、リンク本体86aを構成する一対の板状部材の長手方向は、第1のリンク68の長手方向に平行である。リンク本体86aを構成する一対の板状部材それぞれは、Y軸に平行な一対の連結部材87により連結されている。また、リンク本体86aを構成する一対の板状部材の互いに対向する対向面(内側面)それぞれには、その板状部材と平行なリニアガイド部材84が固定されている。
【0033】
また、第1のリンク68は、リンク本体86aの長手方向の一側、及び他側に一対のスライド部82aを有している。一対のスライド部82aは、それぞれY軸方向に所定間隔で対向配置された一対の板状部材から成る。一対のスライド部82aそれぞれは、リンク本体86aに固定されたリニアガイド部材84にスライド可能に係合するスライダ88を有しており、リンク本体86aに対し、リニアガイド部材84に沿ってスライド可能となっている。従って、第1のリンク68は、その長手方向に所定のストロークで伸縮可能となっている。
【0034】
第2のリンク70は、第1のリンク68と同様に、Y軸方向に所定間隔で対向配置された一対の矩形(長方形状)の板状部材から成るリンク本体86bを有する。第2のリンク70は、リンク本体86bを構成する一対の板状部材の外側面にリニアガイド部材84が固定されている点を除き、その長さ及び伸縮量を含み、第1のリンク68と同様の構成及び機能を有する。すなわち、第2のリンク70は、リンク本体86bと、そのリンク本体86bに対してスライド可能な一対のスライド部82bと、を有している。なお、第1及び第3のリンク68,72のスライド部82aが、第2及び第4のリンク70,74のスライド部82bを構成する一対の板状部材の間に挿入されていることから、第2及び第4のリンク70,74は、第1及び第3のリンク68,72よりも幾分幅広に(Y軸方向の寸法が大きく)形成されている。
【0035】
また、ケーブルガイド装置100は、図2及び図4に示されるように、第2のリンク70と第3のリンク72とを連結する軸部材93を回転自在に支持し、X軸方向に直進移動する支持部材102を有している。支持部材102は、複数の転動体を含むスライダ101を有している。スライダ101は、X軸方向に延設されたXリニアガイド部材103に上記転動体を介してスライド可能に係合しており、X軸方向にのみ移動自在になっている(Y軸及びZ軸方向には移動しない)。
【0036】
ここで、図2に示されるように、軸受部材62、64、及び支持部材102それぞれに支持される軸部材93は、ほぼ同じZ位置に配置されている。従って、X粗動ステージ23Xが定盤12上の−X側の端部近傍に位置する場合には、図6(A)に示されるように、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対と、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対とは、それぞれは、Y軸方向から見た側面視で逆V字状に折れ曲がった状態となる。また、第2のリンク70と第3のリンク72とから成るリンク対は、Y軸方向から見た側面視でV字状に折れ曲がっている。そして、X粗動ステージ23Xが定盤12上の+X側の端部近傍に位置する場合には、互いに隣接するリンク同士の角度が開き、リンク機構60が全体的にX軸に平行にほぼ直線状に延びるようになっている。
【0037】
ここで、リンク機構60は、図2に示されるように、隣り合う2つのリンクから成るリンク対の開き角度、あるいは軸受部材62,64とリンクとの開き角度を180°未満の所定角度(本実施形態では、例えば150°程度)に制限する開き止め装置80を有している。開き止め装置80は、リンク対を成す2つのリンクの一方(あるいは支持部材)に、該リンク対の開き角度が所定角度になるときに他方のリンクが当接して、その開き方向への回動を制限する。従って、図2に示されるように、例えば、第1のリンク68と第2のリンク70とは、開き止め装置80の作用により、最大に開いた状態であっても、側面視で逆V字状の形状が維持される。
【0038】
複数の軸部材93それぞれは、図3に示されるように、ローラ90を回転自在に支持している。複数のローラ90は、それぞれ軸受部材62,64の一対の対向面の間、あるいは、スライド部82a、82bを構成する一対の板状部材の間に配置されている。
【0039】
ケーブル56は、軸受部材62,64の一対の対向面の間、及びリンク本体86a、86b、スライド部82a、82bを構成する一対の板状部材の間を通って、その長手方向の中間部分が、ローラ90の外周面にケーブル押さえ部材57を介して固定されている。また、ケーブル56の長手方向の中間部分は、連結部材87にもケーブル押さえ部材57を介して固定されている。これにより、ケーブルガイド装置100では、リンク機構60の変形に合わせて、ケーブル56を側面視でW字状に折り曲げたり(図6(A)参照)、ほぼ直線状に延ばしたり(図6(C)参照)することができる。
【0040】
ここで、図4に示されるように、ケーブル56は、軸受部材62と第1のリンク68との連結部,第2のリンク70と第3のリンク72との連結部,及び第4のリンク74と軸受部材64との連結部それぞれに設けられたローラ90に対しては、そのローラ90の−Z側を通ってそのローラ90の外周面に固定されている。また、ケーブル56は、第1のリンク68と第2のリンク70との連結部、及び第3のリンク72と第4のリンク74との連結部それぞれに設けられたローラ90に対しては、そのローラ90の+Z側を通ってそのローラ90の外周面に固定されている。従って、ケーブル56は、図6(A)に示されるように、隣接するリンクが閉じた状態であっても曲率の小さな状態で曲がるので局部的に折れ曲がることが防止される。
【0041】
ここで、前述のように、第1〜第4のリンク68,70,72,74それぞれは、その長手方向に所定のストロークで伸縮可能となっている。そして、第1〜第4のリンク68,70,72,74それぞれは、X粗動ステージ23Xが+X方向に移動する(図6(A)に示される位置から図6(C)に示される位置に移動する)のに応じて、長手方向の寸法が長くなり、X粗動ステージ23Xが−X方向に移動するのに応じて、長手方向の寸法が短くなる。以下、その理由及び動作を説明する。
【0042】
前述のように、ケーブルガイド装置100では、ケーブル56がローラ90の外周面、及び連結部材87に固定されている(図3参照)。従って、仮に各リンクの長手方向の寸法が変化しないとすると、リンクの開き角度が大きくなるに従って、ローラ90に対する固定部分と、連結部材87に対する固定部分との間のケーブル56に撓みが生ずる。以下、図5を用いて具体的に説明する。図5において、符号R1、R2は、隣接する一対のリンク(リンク対)を模式的に示している。図5に示されるように、リンク対が開く際、リンクR1,R2が軸部材93を中心(支点)に開くのに対し、ケーブル56は、ケーブル押さえ部材57を中心(支点)に開く。従って、リンクR1,R2の開き角度が角度αの際にケーブル56をリンクR1,R2に固定する(図5の白丸参照)と、リンクR1、R2が開いて角度βとなった際、ケーブル56は、ケーブル押さえ部材57の一側、他側それぞれに所定長さWの余剰部分(撓みW)が発生する。そこで、本実施形態のケーブルガイド装置100では、第1〜第4のリンク68,70,72,74それぞれが、リンク対の開き角度が大きくなるに従って、その長手方向に伸びることにより、上記撓みWを吸収する。
【0043】
すなわち、図6(A)に示される、リンク対の成す角度が小さい状態では、第1〜第4のリンク68,70,72,74それぞれは、その長さが最小となっている。そして、X粗動ステージ23Xが+方向に移動すると、図6(B)、図6(C)に示されるように、リンク機構60が全体的にX軸方向に平行となるのに併せて、リンク機構60を構成する第1〜第4のリンク68,70,72,74それぞれが、X粗動ステージ23Xに引っ張られて伸びる。ここで、第1〜第4のリンク68,70,72,74それぞれは、図示しないストッパ装置を有しており、X粗動ステージ23Xに引っ張られて伸びる際に、リンク本体86aと一対のスライド部82a(あるいはリンク本体86bと一対のスライド部82b)とが分離しないようになっている。ただし、通常、第1〜第4のリンク68,70,72,74それぞれは、そのストッパ装置により規定される最大伸び量に達する前にケーブル押さえ部材57により固定されたケーブル56が伸びきることによって伸びが制限される。従って、ストッパ装置の作動による振動の発生などが防止される。
【0044】
そして、X粗動ステージ23Xが−X方向に移動する際には、上記とは逆に、リンク機構60を構成する第1〜第4のリンク68,70,72,74のそれぞれが、ケーブル56の張力により縮む。なお、本実施形態のリンク機構は、X粗動ステージ23Xに牽引されることにより(あるいはケーブル56の張力により)、第1〜第4のリンク68,70,72,74のそれぞれが受動的に伸縮するようになっているが、これに限らず各リンクにアクチュエータを設け、その伸縮量を制御しても良い。
【0045】
また、リンク機構60において、図3に示されるように、複数の軸部材93のうち、リンク同士を接続する軸部材93の両端部には、円板状の円板部材99がその軸部材93と同軸に固定されている。なお、図4において、軸部材93の−Y側の端部に固定された円板部材99は、+Y側の円板部材99に対して紙面奥側に隠れている。また、図2では、図面の錯綜を避ける観点から、円板部材は不図示とされている。
【0046】
また、ケーブルガイド装置100において、軸受部材62と第1のリンク68のスライド部82aとには、引っ張りばね104が架設されている。なお、引っ張りばね104を含み、以降説明する複数の引っ張りばねは、リンク機構60を構成する各リンクの+Y側、及び−Y側それぞれに設けられているが、図4では各リンク機構の+Y側の引っ張りばねのみが図示され、−Y側の引っ張りばねは、紙面奥側に隠れている。また、軸受部材64と第4のリンク74のスライド部82aとにも、引っ張りばね118が架設されている。
【0047】
さらに、第1のリンク68のうち、第2のリンク70に接続される側のスライド部82aと、第1のリンク68と第2のリンク70とを接続する軸部材93に固定された円板部材99とにも、引っ張りばね106が架設されている。また、第2〜第3のリンク70,72,74と円板部材99とにも、同様に引っ張りばね108,110,112,114,116がそれぞれ架設されている。なお、各円板部材99は、引っ張りばねの一端を保持するばね掛け部材を有しているが、そのばね掛け部材は、軸部材93の軸心とは、異なる位置に配置されている。
【0048】
引っ張りばね106〜116は、それぞれ隣接するリンク同士を閉じる方向に付勢している。また、引っ張りばね104は、第1のリンク68を軸部材93回りにZ軸と平行になる方向に付勢し、引っ張りばね118は、第4のリンク74を軸部材93回りにZ軸と平行になる方向に付勢している。すなわち、リンク機構60は、複数の引っ張りばね104〜118により、図6(A)に示される、全体的に縮んだ状態に付勢され、X粗動ステージ23Xは、+X方向に移動する際、その複数の引っ張りばね104〜118の付勢力に抗してリンク機構60を変形させる。
【0049】
ここで、複数の引っ張りばねのうち、第4のリンク74と軸受部材64とに架設された引っ張りばね118は、その他の引っ張りばね104〜116よりも引っ張り力が大きく設定されている。なお、本明細書において、引っ張り力とは、隣接するリンク(あるいはリンクと軸受部材)とを互いに近づけるためのばねによる力(閉じ方向への付勢力)を意味する。なお、本実施形態では、引っ張り力の設定は、引っ張りばねのばね定数を適宜設定することにより行われ、引っ張りばね118は、その他の引っ張りばね104〜116よりもばね定数が大きく設定されている。ただし、引っ張り力の大きさは、ばね定数によらず、例えば、ばねの取付位置により適宜設定しても良い。
【0050】
従って、本実施形態のケーブルガイド装置100は、図6(A)及び図6(B)に示されるように、X粗動ステージ23Xが定盤12(図2参照)上の−X側の端部近傍から、+X方向に移動する際、リンク機構60は、まず引っ張りばね104〜110が伸びて、第1のリンク68と第2のリンク70とが開く。この際、第2のリンク70と第3のリンク72との開き角度が90°を超えるまで、第3のリンク72には、+X方向への力が作用しないので、第3のリンク72、及び第4のリンク74は、その姿勢が変化しない。
【0051】
そして、図6(B)に示される状態からさらにX粗動ステージ23Xが+X側に移動すると、上述した開き止め装置80(図2参照)の作用(あるいは、ケーブル押さえ部材57により固定されたケーブル56の長さ(張り)の制限の作用)により、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対の姿勢の変化が制限される(開ききった状態となる)。そして、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対の姿勢の変化が制限された状態で、さらにX粗動ステージ23Xが+X側に移動すると、図6(C)に示されるように、引っ張りばね112〜118の付勢力に抗して、第3のリンク72と第4のリンク74とが開く。
【0052】
すなわち、本実施形態のケーブルガイド装置100は、X粗動ステージ23Xが定盤12上の−X側の端部近傍から+X方向に移動する際(固定部材66から離れる際)には、X粗動ステージ23Xに近い側の一対のリンク(第1及び第2のリンク68,70)から成るリンク対の姿勢が先行して低くなり、その後に、X粗動ステージ23Xに遠い側の一対のリンク(第3及び第4のリンク72,74)から成るリンク対の姿勢が低くなる。
【0053】
そして、上記の場合とは逆に、X粗動ステージ23Xが定盤12上の+X側の端部近傍から−X方向に移動する際には、引っ張りばね118の作用により、先行してX粗動ステージ23Xに遠い側の一対のリンク(第3及び第4のリンク72,74)から成るリンク対の姿勢が高くなり、その後に、X粗動ステージ23Xに近い側の一対のリンク(第1及び第2のリンク68,70)から成るリンク対の姿勢が高くなる。なお、本実施形態のリンク機構60では、X粗動ステージ23Xが−X方向に移動する際に、X粗動ステージ23Xに遠い側のリンク対の姿勢を先行して高くするために、引っ張りばね118による引っ張り力がその他の引っ張りばね104〜116による引っ張り力よりも大きく設定されているが、これに限らず、例えば、引っ張りばね114、116による引っ張り力をその他のばねよりも大きく設定しても良い。
【0054】
ここで、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対、及び第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対は、それぞれ開き止め装置80(図2参照)の作用(あるいは、ケーブル押さえ部材57により固定されたケーブル56の長さ(張り)の制限の作用)により、最も開ききった状態(X軸方向に伸びきった状態)で、その最もZ位置の高い部分(ケーブル押さえ部材57)が、投影光学系PL(図1参照)の最下面よりも下方となるように、各リンク68〜74の長さが設定されている(図2参照)。
【0055】
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、不図示の制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMST上へのマスクMのロード、及び不図示の基板ローダによって、基板ステージ装置PST上への基板Pのロードが行なわれる。その後、制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるのでその説明は省略するものとする。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の液晶露光装置10が有するケーブルガイド装置100によれば、X粗動ステージ23Xの移動に伴って、リンク機構60及びそのリンク機構60を構成する複数のリンク68〜74に保持されたケーブル56が変形(側面視でジグザグ状に変形)することより、固定部材66側から見たケーブル56の繰り出し量が調整されるので、例えばケーブル56が自重により垂れ下がって他の部材(例えば定盤12など)と摺動するおそれがない。従って、低発塵、低振動でケーブル56をX粗動ステージ23Xに追従させて案内することができる。また、リンク機構60は、複数の板状部材を組み合わせて構成される複数のリンク68〜74と、複数の軸部材93とから成るので、その構成が簡単であり、且つ軽量である。また、メンテナンス性にも優れる。
【0057】
また、リンク機構60が伸びきった状態(4本のリンク68〜74がほぼフラットになった状態)でのケーブル56の長さは、固定部材66とX粗動ステージ23Xとの距離と略同じであるので、従来のケーブルをUターンさせる構成のケーブル案内装置に比べ、ケーブル56の全長を短くできる。
【0058】
また、ケーブル56は、隣り合うリンクの連結部、すなわちリンク機構60の可動部分に設けられたローラ90の外周面に固定されているため、リンク機構60の構成するリンク68〜74の姿勢が変化(リンク対が開閉)しても、リンク機構60の可動部分とケーブル56とが摺動しない。従って、発塵、振動の発生が抑制される。
【0059】
また、リンク機構60の姿勢の変化に応じて、各リンク68〜74の長さが受動的に変化するので、ケーブル56の余剰部分とリンク68〜74との摺動(滑り接触)が抑制される。
【0060】
また、X粗動ステージ23Xが定盤12上の−X側の端部近傍から+X方向に移動する際には、X粗動ステージ23Xに近い側の一対のリンク(第1及び第2のリンク68,70)から成るリンク対の姿勢が先行して低くなるので、鏡筒定盤31(図1参照)のZ位置を低くできる。
【0061】
《第2の実施形態》
次に第2の実施形態の液晶露光装置について説明する。第2実施形態の液晶露光装置は、上記第1の実施形態と比べ、ケーブルガイド装置の構成が異なるのみなので、以下、ケーブルガイド装置の構成についてのみ説明する。図7には、第2の実施形態に係るケーブルガイド装置200を+Y側から見た側面図が示されている。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0062】
第2の実施形態に係るケーブルガイド装置200が有するリンク機構202では、第1〜第4のリンク204、206,208,210は、それぞれ一体に成形されており、その長手方向に伸縮しないようになっている。
【0063】
また、第1及び第3のリンク204、208それぞれは、その長手方向−X側の端(上端)に、その長手方向が該リンクの長手方向と所定角度(例えば、45°程度)を成すように、その長手方向における一端(+Z側の端)が固定された細長い板状の部材から成る補助リンク122を有している。なお、各補助リンク122の長手方向の寸法は、リンク204,208の長手方向の寸法よりも短く(例えば数十分の一程度)設定されている。
【0064】
リンク機構202は、第1のリンク204と第2のリンク206とを閉じ方向に付勢する引っ張りばね108,第3のリンク208と第4のリンク210とを閉じ方向に付勢する引っ張りばね116、及び第4のリンク210を軸部材93回りにZ軸と平行になる方向に付勢する引っ張りばね118とを有している。引っ張りばね108は、その一端が、第1のリンク204の補助リンク122の−Z側の端部に接続され、その他端が、第2のリンク206の長手方向の中央部に接続されている。引っ張りばね116も同様に、一端が補助リンク122に接続され、他端が第4のリンク210に接続されている。引っ張りばね116による引っ張り力と、引っ張りばね118による引っ張り力とは、概ね等しく設定(等しくなくても良い)されている。また、引っ張りばね108による引っ張り力は、引っ張りばね116、118それぞれによる引っ張り力よりも小さく(弱く)設定されている。また、各引っ張りばねによる引っ張り力は、例えば、各ばねの引っ張りばねのばね定数、あるいは取付位置により適宜設定することができる。
【0065】
従って、本第2の実施形態のリンク機構202も、上記第1の実施形態と同様に、X粗動ステージ23Xが定盤12上の−X側の端部近傍から+X方向に移動する際には、X粗動ステージ23Xに近い側の一対のリンク(第1及び第2のリンク204,206)から成るリンク対の姿勢が先行して低くなり、その後に、X粗動ステージ23Xに遠い側の一対のリンク(第3及び第4のリンク208,210)から成るリンク対の姿勢が低くなる。また、X粗動ステージ23Xが定盤12上の+X側の端部近傍から−X方向に移動する際には、上記説明とは逆に、先行してX粗動ステージ23Xに遠い側の一対のリンク(第3及び第4のリンク208,210)から成るリンク対の姿勢が高くなり、その後に、X粗動ステージ23Xに近い側の一対のリンク(第1及び第2のリンク204,206)から成るリンク対の姿勢が高くなる。
【0066】
ここで、第1〜第4のリンク204〜210は、それぞれ同じ構成のケーブルリニアガイド装置220を有している。以下、第1のリンク204に設けられたケーブルリニアガイド装置220について説明する。ケーブルリニアガイド装置220は、第1のリンク204と平行に延びる部材から成り、第1のリンク204の上面に固定されたリニアガイド部材131と、そのリニアガイド部材131上にスライド可能に係合するスライダ124と、スライダ124に一体的に設けられたケーブル押さえ部材57とを含む。
【0067】
ケーブル56は、各ケーブルリニアガイド装置220のスライダ124にケーブル押さえ部材57を介して固定されており、第1〜第4のリンク204〜210それぞれの上面に沿うように、リンク機構202に保持されている。
【0068】
ここで、ケーブルガイド装置200では、ケーブル56は、第1の実施形態と異なり、ローラ90には、固定されておらず、ケーブル56には、予めローラ90の上方に所定量の撓みが設けられている。
【0069】
上述のように構成された第2実施形態におけるケーブルガイド装置200では、図7に示される第1、及び第2のリンク204,206のように、一対のリンクが折り畳まれた状態から開く際に、一対のスライダ124が互いに離れる方向に移動(図7の矢印参照)することにより、上記第1の実施形態において図5を用いて説明した、隣接する一対のリンクの曲率と、ケーブル56の曲率との差に起因するケーブル56の余剰部分を吸収する。従って、ケーブル56と各リンク204〜210との擦れ接触が抑制される。
【0070】
《第3の実施形態》
次に第3の実施形態に係るケーブルガイド装置について説明する。図8には、第3の実施形態に係る液晶露光装置301を+Y側から見た側面図が示されている。なお、図8においては、照明系IOP、投影光学系PL、マスクステージMST等の図示は、省略されている。第3の実施形態に係るケーブルガイド装置300は、上記第1の実施形態と比べ、X粗動ステージ23XをX軸方向に駆動するXリニアモータの一部を用いて支持部材102を駆動するようにしている点、及びリンク機構が引っ張りばねを有していない点が異なる。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1及び第2の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1及び第2の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。なお、第3の実施形態において、第1のリンク68、第4のリンク74をそれぞれ支持する軸受部材62,64は、上記第1の実施形態と異なり、+Z側に開口する部材となっているが、その機能は、上記第1の実施形態と同じであるため、同じ符号を用いて説明する。
【0071】
第3の実施形態に係る液晶露光装置301では、ベースフレーム14の上面及び両側面のそれぞれにX軸方向に延びるXリニアガイド52(−Y側のXリニアガイド52は図示省略)が固定されている。なお、上記第1の実施形態で説明したように、ベースフレーム14は、Y軸方向に所定間隔で一対設けられている。ただし、図8では、−Y側のベースフレーム14は、+Y側のベースフレーム14に対し、紙面奥側に隠れている。また、X粗動ステージ23Xの下面に固定されたXスライダ54の一対の対向面のそれぞれには、ベースフレーム14の両側面に固定されたXリニアガイド52とスライド自在に係合する一対のスライド部材135がX軸方向に所定間隔で固定されている(−Y側のXリニアガイド52に係合するスライド部材135は図示省略)。また、X粗動ステージ23Xの下面には、ベースフレーム14の上面に固定されたXリニアガイド52にスライド自在に係合するスライド部材139がX軸方向に所定間隔で一対固定されている。すなわち、スライド部材139は、X粗動ステージ23Xの下面の4隅に固定されている。なお、X粗動ステージ23XとXスライダ54とが一体であることから、スライド部材139は、Xスライダ54に固定されていても良い。
【0072】
また、ベースフレーム14の両側面には、X軸方向に延設されたXリニアモータの固定子(例えば、磁石ユニット)55が固定されている。Xスライダ54の一対の対向面には、Xリニアモータの可動子(例えば、コイルユニット)59が、固定子55に対向するように固定されている。可動子59は電源装置(不図示)にケーブル56を介して電気接続されており、該電源装置は制御装置(不図示)に制御される。すなわち、制御装置は、電源装置を介して、可動子59に電力の供給を行い、X粗動ステージ23XのX軸方向の位置を制御する。
【0073】
また、ケーブルガイド装置300が有する支持部材102の下端には、+X方向から見てほぼ逆U字形状の断面を有する部材から成るXスライダ134が固定されている。Xスライダ134の一対の対向面間には、+Y側のベースフレーム14が挿入されている。また、Xスライダ134の一対の対向面それぞれには、ベースフレーム14の両側面に固定されたXリニアガイド52とスライド自在に係合するスライド部材137が固定されている。また、Xスライダ134の内壁面のうち、+Z側の面には、ベースフレーム14の上面に固定されたXリニアガイド52にスライド自在に係合するスライド部材137が固定されている。これにより、Xスライダ134は、各Xリニアガイド52に沿ってX軸方向にスライド可能になっている。
【0074】
Xスライダ134の一対の対向面それぞれには、可動子(例えば、コイルユニット)136が、固定子55に対向するように設けられている(−Y側の可動子136は図示省略)。可動子136は、固定子55と共にXスライダ134をX軸方向に駆動するXリニアモータを構成している。可動子136は、前述の電源装置にケーブル56を介して電気接続されており、Xリニアモータは該電源装置に接続された前述の制御装置により制御される。すなわち、支持部材102は制御装置により、そのX軸方向の位置が制御される。Xスライダ134が有する可動子136と電源装置とを電気的に接続するケーブル56は、第3及び第4のリンク72,74に保持されている。
【0075】
ベースフレーム14には、X軸方向に延びるXリニアスケール141が設けられている。Xスライダ54には、Xリニアスケール141と共にXリニアエンコーダを構成するヘッド143が、Xリニアスケール141に対向するように固定されている。また、Xスライダ134にも、Xリニアスケール141と共にXリニアエンコーダを構成するヘッド145が、Xリニアスケール141に対向するように固定されている。ヘッド143,145それぞれの出力は、制御装置に供給される。なお、Xスライダ134(すなわち支持部材102)の位置決め精度は、Xスライダ54(すなわちX粗動ステージ23X)に比べラフで良いので、Xスライダ134に関しては、必ずしもXスライダ54と同じ計測系(リニアエンコーダシステム)を用いる必要はなく、例えばホール素子と磁気プレートを用いた計測系の出力に基づいてその位置を制御しても良い。
【0076】
次に、第3の実施形態におけるケーブルガイド装置300の動作の一例を説明する。制御装置は、図8に示されるX粗動ステージ23Xがその移動範囲の−Xの端に位置し、リンク機構が閉じきっている状態から、図9(A)に示されるX粗動ステージ23Xを固定部材66から離れる方向(+X方向)に駆動して第1のリンク68と第2のリンク70とが開き切った状態となるまで(X粗動ステージ23Xと支持部材102との距離が所定距離Lになるとき)は、支持部材102を停止させる(図9(A)参照)。従って、上記X粗動ステージ23Xと支持部材102との距離が所定距離Lになるまでは、第1、及び第2のリンク68,70のみが、その姿勢を変化させることによって、ケーブル56を案内する。
【0077】
制御装置は、図9(A)に示される位置(第1及び第2のリンク68,70が開ききった状態)から、X粗動ステージ23Xを更に+X方向に駆動する場合には、Xリニアモータを制御して、支持部材102をX粗動ステージ23Xの速さと同じ速さで+X方向に移動させる(図9(A)の矢印参照)。従って、上記X粗動ステージ23Xと支持部材102との距離が所定距離L以上となった状態では、第1、及び第2のリンク68,70は、開ききった状態でその姿勢が変化せず、第3及び第4のリンク72,74が、その姿勢を変化させることによって、ケーブル56を案内する(図9(B)参照)。
【0078】
また、図9(B)に示される、X粗動ステージ23Xがその移動範囲の+X側の端に位置する状態から、X粗動ステージ23Xを固定部材66に近づく方向(−X方向)に駆動する際には、制御装置は、まずXリニアモータを制御して支持部材102をX粗動ステージ23Xと同じ速さで−X方向に移動させる。これにより、第3及び第4のリンク72,74のみが閉じ、第1、及び第2のリンク68,70は、開ききった状態が維持される。そして、第3及び第4のリンク72,74が閉じきるとき(支持部材102と固定部材66との距離が図8に示される所定距離Sになったとき)に、支持部材102を停止させる。この後、X粗動ステージ23Xの−X方向への移動に伴い、第1、及び第2のリンク68,70が閉じる(図8参照)。
【0079】
以上説明した第3の実施形態によれば、支持部材102を駆動するXリニアモータが、X粗動ステージ23Xを駆動するXリニアモータの固定子55を利用しているので、支持部材102の駆動装置の部品点数削減及び構成の簡素化を図ることができる。
【0080】
《第4の実施形態》
次に、第4の実施形態に係るケーブルガイド装置について説明する。図10には、第4の実施形態に係る液晶露光装置401を+Y側から見た側面図が示されている。第4の実施形態のケーブルガイド装置400は、X粗動ステージ23Xに対して、+X側、及び−X側それぞれにリンク機構60を備えている。すなわち、X粗動ステージ23Xには、2つの(2系統の)ケーブル56が接続されている。なお、X粗動ステージ23Xは、上記第3の実施形態と同様に、一対のベースフレーム14(−Y側のベースフレーム14は、+Y側のベースフレーム14の紙面奥側に隠れている)上に搭載されている。
【0081】
一対のリンク機構60は、上記第1の実施形態のリンク機構(図2〜図6参照)と同様な構成を有している。ただし、上記第1の実施形態では、X軸方向に延設されたXリニアガイド部材103(図2参照)に支持部材102がスライド可能に搭載されていると説明したが、本実施形態では、一対のリンク機構60それぞれの支持部材102は、ベースフレーム14の上面に固定されたXリニアガイド52にスライダ105を介してスライド自在に係合している。すなわち、本実施形態では、一対の支持部材102をX軸方向に直進案内するリニアガイド部材として、X粗動ステージ23XをX軸方向に直進案内するためのXリニアガイド52を利用している。これにより、支持部材102の移動をガイドする専用のガイドを必要としないので、部品点数が削減でき、ケーブルガイド装置400全体の構成を簡素化できる。
【0082】
また、本第4の実施形態に係るケーブルガイド装置400によれば、X粗動ステージ23Xに対して+X側、及び−X側の2方向からケーブル56を接続しているので、ケーブル56を一系統にするよりも、ケーブル56の本数を少なくすることができ、リンク機構60を簡素化できる。また、ケーブル56の張力をX粗動ステージ23Xに対して+X方向、−X方向のそれぞれから均等に作用させることができるので、X粗動ステージ23Xの位置制御が容易になる。
【0083】
《第5の実施形態》
次に第5の実施形態に係るケーブルガイド装置について説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第4の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第4の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図11には、第5の実施形態に係る液晶露光装置501を+Y側から見た側面図が示されている。
【0084】
第5の実施形態に係るケーブルガイド装置500は、上記第1の実施形態と比べ、リンク機構502のリンクが増設されている点、隣り合うリンクの連結部を支持する支持部材が増設されている点が異なる。
【0085】
第5の実施形態のリンク機構502では、軸受部材62と第1のリンク68とが、第5のリンク77により接続されている。第5のリンク77の長手方向の寸法は、第1〜第4のリンク68、70、72、74それぞれの長手方向の寸法のほぼ半分である。第5のリンク77は、第1〜第4のリンク68、70、72、74と同様に、その長手方向に伸縮自在になっている。また、図11では、その図示が省略されているが、第5のリンク77と軸受部材62とには、第5のリンク77を軸部材93回りにZ軸と平行になる方向に付勢する引っ張りばねが架設され、第1のリンク68と第5のリンク77との間には、第1のリンク68と第5のリンク77とを閉じる方向に付勢する引っ張りばねが架設されている。
【0086】
そして、リンク機構502は、第2のリンク70と第3のリンク72との連結部を支持する支持部材102a(以下、第1の支持部材と称する)に加えて、第5のリンク77と第1のリンク68との連結部を支持する第2の支持部材102bを有している。第1及び第2の支持部材102a、102bは、X軸方向に延設されたXリニアガイド部材142(すなわち共通のガイド部材)にスライダ105を介してスライド自在に搭載されている。Xリニアガイド部材142は、架台147を介して床面F上に設置されている。第5の実施形態のケーブルガイド装置500の動作は、上記第1の実施形態のケーブルガイド装置100と概ね同じなので、その説明は省略する。なお、第5の実施形態においては、リンク機構502は、5つのリンクを有し、リンクの連結部を支持する支持部材が2つ(支持部材102a、102b)設けられたが、リンクの数、及び支持部材の数は、これに限られない。この場合、ケーブル長が同じでリンクの数が多ければ、各リンクの長さを短くすることができ、ケーブルガイド装置の高さ方向の寸法を小さくできる。
【0087】
《第6の実施形態》
次に第6の実施形態に係るケーブルガイド装置について説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第5の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第5の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図12には、第6の実施形態に係る液晶露光装置601を+Y側から見た側面図が示されている。
【0088】
第6の実施形態に係るケーブルガイド装置600は、上記第4の実施形態と同様に、X粗動ステージ23Xの+X側、−X側のそれぞれにケーブル56が接続されており、ケーブルガイド装置600もリンク機構60をX粗動ステージ23Xの+X側、−X側のそれぞれに有している。ただし、上記第4の実施形態(図10参照)では、リンク機構60の支持部材102は、X粗動ステージ23Xと共通のXリニアガイド部材に搭載されたが、本第6の実施形態では、上記第5の実施形態と同様に、支持部材102は、専用のXリニアガイド部材142にスライド可能に搭載されている。なお、本実施形態では、一対のリンク機構60の支持部材102それぞれに対応して、Xリニアガイド部材142が一対設けられているが、一対のXリニアガイド部材を一体としても良い。
【0089】
《第7の実施形態》
次に第7の実施形態に係るケーブルガイド装置について説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第6の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第6の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図13には、第7の実施形態に係る液晶露光装置701を+Y側から見た側面図が示されている。第7の実施形態に係るケーブルガイド装置700は、Z軸方向(上下方向)に伸縮する伸縮機構138,140を用いてケーブル56をZ軸方向に撓ませる。
【0090】
第7の実施形態のケーブルガイド装置700は、図13(A)に示されるように、Z軸方向(上下方向)に伸縮する第1及び第2の伸縮機構138、140と、第1の伸縮機構138を支持し、かつX軸に平行に移動可能なXスライダ134と、第2の伸縮機構140を支持しかつX軸方向に移動可能なXスライダ144と、を備えている。第1及び第2の伸縮機構138、140は、X粗動ステージ23X側から固定部材66側に向けてX軸方向に所定間隔で配置されている。なお、第1及び第2の伸縮機構138、140は実質的に同じものであるので、以下、第1の伸縮機構138について説明する。
【0091】
第1の伸縮機構138は、長手方向の寸法が同一の2つのリンクがそれぞれの長手方向の中央部にてY軸に平行な軸により互いに回動自在に連結されたX字状のXリンク146を複数(本実施形態では、3つ)有している。また、最も+Z側のXリンク146には、長手方向の寸法が同一の2つのリンクがそれぞれの長手方向の一端にてY軸に平行な軸により互いに回動自在に連結された逆V字状のVリンク148が連結されている。3つのXリンク146、及びVリンク148は、Z軸方向に直列に連結されており、いわゆるパンタグラフと同様に機能する。
【0092】
また、第1の伸縮機構138の最も−Z側のXリンク146には、不図示のアクチュエータが接続されている。アクチュエータは、最も−Z側のXリンク146の2つのリンクの−Z側の端部を接近、離間させる方向に駆動する。これにより、第1の伸縮機構138は、Z軸方向に伸縮する。アクチュエータは、不図示の制御装置により制御される。
【0093】
第1の伸縮機構138は、Xスライダ134に支持されている。Xスライダ134は、上記第3の実施形態で説明したXスライダ134(図8及び図9参照)と同じものであり、Xリニアモータにより、ベースフレーム14に沿ってX軸方向に駆動されるようになっている。また、第2の伸縮機構140もXスライダ134と同様の構成のXスライダ144に搭載され、第1の伸縮機構138とは独立してX軸方向に駆動される。
【0094】
第1及び第2の伸縮機構138、140のVリンク148の連結部には、それぞれローラ90が回転可能に支持されている。ケーブル56は、軸受部材62、64それぞれに軸支されたローラ90、第1及び第2の伸縮機構138、140それぞれに軸支されたローラ90の外周面に、それぞれケーブル押さえ部材57を介して固定されている。
【0095】
ここで、伸縮機構138、140がZ軸方向に最も伸びた状態において、それぞれの上端は、鏡筒定盤31よりも高い位置にある。一方、伸縮機構138、140がZ軸方向に最も縮んだ状態において、それぞれのケーブル56が固定された箇所は、投影光学系PLの下面よりも低い位置(X粗動ステージ23Xのケーブル取り付け部材153とほぼ同じ高さ)にある。
【0096】
次に、第7の実施形態に係るケーブルガイド装置700の動作の一例を説明する。X粗動ステージ23Xがその移動範囲の−X側の端に位置するとき、伸縮機構138、140は、それぞれの移動範囲の−X側の端に位置し、互いに最も近づいて位置される。そして、伸縮機構138、140は、それぞれZ軸方向に最も伸びた状態にあり、X粗動ステージ23Xと第1の伸縮機構138との間、及び両伸縮機構138、140の間において、ケーブル56は大きく撓んでいる。
【0097】
そして、図13(A)に示されるように、X粗動ステージ23Xを+X方向に駆動すると同時に、制御装置は、第1の伸縮機構138をX粗動ステージ23Xの速さよりも遅い速さ(例えば、X粗動ステージ23Xの速さの1/2)で+X方向に移動させると共に、第1の伸縮機構138を−Z方向に徐々に縮ませる。
【0098】
また、X粗動ステージ23Xが図13(A)に示される状態から、更に+X方向に移動し、第1の伸縮機構138が縮みきると(X粗動ステージ23Xと第1の伸縮機構138との間隔が、これらの間に架設されるケーブル56の長さにほぼ等しくなるとき)、制御装置は、第1の伸縮機構138の速度をX粗動ステージ23Xの速度と同じに制御するとともに、第2の伸縮機構140をX粗動ステージ23Xの速さよりも遅い速さ(例えば、X粗動ステージ23Xの速さの1/2)で+X方向へ移動させつつ、第2の伸縮機構140を−Z方向に徐々に縮ませる。
【0099】
そして、X粗動ステージ23X(並びに第1及び第2の伸縮機構138、140)が更に+X方向に移動し、第2の伸縮機構140が縮みきると(伸縮機構138、140の間隔が、これらの間に架設されるケーブル56の長さにほぼ等しくなるとき)、制御装置は、第2の伸縮機構140の速度をX粗動ステージ23Xの速度と同じにする。X粗動ステージ23Xがその移動範囲の+X側の端に達するときに、制御装置は、X粗動ステージ23X、第1及び第2の伸縮機構138、140を停止させる(図13(B)参照)。この状態で、ケーブル56は、図13(B)に示されるように、ほぼ水平となる。
【0100】
一方、X粗動ステージ23Xがその移動範囲の+X側の端に位置し、両伸縮機構138、140が縮みきっている状態(図13(B)参照)から、X粗動ステージ23Xを−X方向へ駆動する際、制御装置は、第1の伸縮機構138をX粗動ステージ23Xと同じ速さで−X方向へ移動させるとともに(ただし、第1の伸縮機構138を+Z方向に伸ばさないで)、第2の伸縮機構140をX粗動ステージ23Xの速さよりも遅い速さ(例えば、X粗動ステージ23Xの速さの1/2)で+X方向へ移動させつつ、第2の伸縮機構140を+Z方向に徐々に伸ばす。
【0101】
X粗動ステージ23X及び伸縮機構138、140が更に+X方向へ移動すると、第2の伸縮機構140が+Z方向に伸びきり、その移動範囲の−X側の端に達する。制御装置は、第2の伸縮機構140を停止させ、第1の伸縮機構138の速度をX粗動ステージ23Xの速度よりも遅い速度(例えば、X粗動ステージ23Xの速度の1/2)にするとともに、第1の伸縮機構138を+Z方向に徐々に伸ばす(図13(A)参照)。また、X粗動ステージ23X及び第1の伸縮機構138が更に−X方向へ移動すると、第1の伸縮機構138が、+Z方向に伸びきり、その移動範囲の−X側の端に達する。このとき、制御装置は、第1の伸縮機構138を停止させる。この後、X粗動ステージ23Xが更に−X方向へ移動し、その移動範囲の−X側の端に達するときに、制御装置は、X粗動ステージ23Xを停止させる。
【0102】
本実施形態のケーブルガイド装置700によれば、X粗動ステージ23Xの位置に応じてケーブル56をZ軸方向に案内して撓ませることにより、固定部材66から見たケーブル56の繰り出し量を制御する。従って、ケーブル56は、自重により垂れ下がった状態ではあるが、そのZ位置が常に制御されるので、他の部材(例えば定盤12、ベースフレーム14(図2参照)など)と摺動するおそれがない。従って、低発塵、低振動でケーブル56をX粗動ステージ23Xに追従させて案内することができる。
【0103】
また、第1の伸縮機構138が、+X方向に移動し、鏡筒定盤31の下方に差し掛かる前に、第1の伸縮機構138の上端の高さを、投影光学系PLより低くしているので、第1の伸縮機構138を鏡筒定盤31の下方を確実に通過させることができる。
【0104】
《第8の実施形態》
次に第8の実施形態に係るケーブルガイド装置について説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第7の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第7の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図14(A)には、第8の実施形態に係るケーブルガイド装置を+Y側から見た側面図が示されている。第8の実施形態に係る基板ステージ装置PST8は、上記第1の実施形態と比べ、X粗動ステージ23X及びY粗動ステージ23Yの機能を併せ持つXYステージ166を有する点が異なる。
【0105】
XYステージ166は、+Z方向から見て矩形の箱形の部材から成り、例えば米国特許出願公開第2003/0085676号明細書に開示されるような平面モータにより、定盤12上でX軸方向及び/又はY軸方向(及び/又はθz方向)に駆動される。
【0106】
第8の実施形態のケーブルガイド装置800は、上記第1の実施形態と同様の4つ(4節)のリンクから成るリンク機構60を有している。そして、4つのリンクのうち、最もXYステージ166側のリンク(第1のリンク)を軸支する軸受部材62は、XYステージ166に設けられたZ軸に平行な軸部材167に回転自在に支持されている。また、4つのリンクのうち、最も固定部材66側のリンク(第4のリンク)を軸支する軸受部材64は、固定部材66に設けられたZ軸に平行な軸部材168に回転自在に支持されている。
【0107】
また、支持部材102の下端には、非接触軸受けの一種であるエアベアリング172が固定されている。エアベアリング172は、定盤12の上面に高圧エアを噴出し、支持部材102を定盤12上に所定のクリアランスを介して浮上させている(図14(A)〜図14(C)参照)。
【0108】
従って、リンク機構60は、XYステージ166及び固定部材66のそれぞれに対して、相対的にZ軸に平行な軸線回りに回動自在なので、XYステージ166がX軸方向のみならずY軸方向に移動しても、XYステージ166の動きに追従して、その向きを変えることができる。
【0109】
なお、ケーブル56の本数が多い場合等に、図15に示されるように、XYステージ166と電源装置とに異なる経路(図15においては、4つの経路)で複数のケーブル56を接続して、各ケーブル56に対して、リンク機構60を1つずつ設けても良い。図15に示されるケーブルガイド装置850では、XYステージ166の対角線が延びる方向(平面視でX字状に)にそれぞれリンク機構60が延びている。
【0110】
《第9の実施形態》
次に第9の実施形態に係るケーブルガイド装置について説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第8の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第8の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図16(A)には、第9の実施形態に係る基板ステージ装置PST9を+Z側から見た平面図が示されている。
【0111】
基板ステージ装置PST9は、定盤12上の+Y側、及び−Y側それぞれにX軸方向に延びるXリニアガイド部材904を有している。また、一対のXリニアガイド部材904上には、Y軸方向に延びるYリニアガイド部材906が架設されている。Yリニアガイド部材906は、一対のXリニアガイド部材904に対して、X軸方向に移動可能に架設されており、図示しないXリニアモータによりX軸方向に所定ストロークで駆動される。また、基板ステージ装置PST9では、不図示の基板は、直方体状の部材からなる基板テーブル902の上面に載置される。基板テーブル902は、その側面にY軸に平行に貫通する不図示の貫通孔を有しており、その貫通孔には、Yリニアガイド部材906が挿入されている。基板テーブル902は、図示しないYリニアモータにより、Yリニアガイド部材906に沿ってY軸方向に駆動される。
【0112】
また、本第9の実施形態の上記第1の実施形態のリンク機構60(図2など参照)をX軸回りに90°回転させたような構成を有する、4節のリンクを含むリンク機構960を複数(例えば、4つ)有する。4つのリンク機構960は、基板テーブル902の対角線が延びる方向(平面視でX字状に)にそれぞれ延びている。すなわち、上記第1〜8の実施形態に係るケーブルガイド装置では、ケーブル56は、ステージ装置の位置に応じてその中間部分の複数箇所がZ軸方向に案内された(側面視でW字状に撓んだ)のに対し、本実施形態のケーブルガイド装置900では、基板テーブル902の位置に応じて、ケーブル56の中間部分の複数箇所を水平面に平行な方向に案内する(平面視でW字状に撓む)ようになっている。
【0113】
また、ケーブルガイド装置900では、上記第8の実施形態と同様に、リンク機構960は、基板テーブル902及び固定部材66に対して、それぞれZ軸に平行な軸線回りに相対回転可能に支持されている。従って、図16(A)及び図16(B)を用いて一例を説明すると、図16(A)に示されるように、基板テーブル902が定盤12の中央に位置する場合は、4つのリンク機構960は、基板テーブル902を中心に放射状(平面視でX字状)に延びている。これに対し、図16(B)に示されるように、基板テーブル902が定盤12上の−X側且つ+Y側の領域に位置する場合には、定盤12の−X側の2つのリンク機構960は、それぞれリンクが閉じられ、その全体長が短くなり、定盤12の+X側の2つのリンク機構960は、それぞれリンクが開かれ、その全体長が長くなっている。また、定盤12の−X側の2つのリンク機構960は、それぞれ+Z方向から見て右回りに回転し、定盤12の+X側の2つのリンク機構960は、それぞれ+Z方向から見て左回りに回転する。
【0114】
また、ケーブルガイド装置900では、4つのリンク機構960において、例えば基板テーブル902から見て2番目のリンクと3番目のリンクとの連結部に、それぞれ第8の実施形態と同様に、定盤12に対向する軸受面を有するエアベアリング(図示省略)が取り付けられている。なお、エアベアリングは、その他の場所、例えばリンク自体に取り付けられても良いし、各リンク機構960に複数取り付けられていても良い。
【0115】
第9の実施形態に係るケーブルガイド装置900は、リンク機構60を、XY平面に平行な平面に沿って変形させることができるので、例えば、リンク機構60を配置するためのスペースがZ軸方向に関して狭い(高さが限られている)場合に、特に有効である。
【0116】
《第10の実施形態》
次に、第10の実施形態について図19〜図21に基づいて説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第9の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第9の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。第10の実施形態に係る基板ステージ装置PSTbは、図1に示される上記第1の実施形態に係る基板ステージ装置PSTとケーブルガイド装置100(図2参照)を除き実質的に同じものである。すなわち、基板ステージ装置PSTbは、図19に示されるように、定盤12、一対のベースフレーム14(一方のベースフレーム14は不図示)上でX軸方向に長ストロークで移動するX粗動ステージ23X、X粗動ステージ23X上に搭載され、X粗動ステージ23Xとともにガントリ式のXY2軸ステージ装置を構成するY粗動ステージ23Y,Y粗動ステージ23Yの上方に配置された微動ステージ21,微動ステージ21などの重量をキャンセルする重量キャンセル装置26、ケーブルガイド装置100bなどを備えている。
【0117】
基板ステージ装置PSTbについて詳述すると、図19に示されるように、ベースフレーム14は、X軸方向に延びるXZ平面に平行な板状部材から成る本体部14aと、本体部14aの長手方向両端部近傍を下方から支持する2つの脚部14bとを含む。脚部14bの下端部には、複数のアジャスタ14cが設けられ、本体部14aのZ位置が調整できるようになっている。図20から分かるように、本体部14aの両側面には、それぞれXリニアモータの要素である固定子55が固定されている。固定子55は、X軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含む磁石ユニットを有している。また、本体部14aの上端面、及び両側面(上記固定子55の下方)には、それぞれ機械的な一軸ガイド装置の要素であるXリニアガイド52が固定されている(図19では、本体部14aの−Y側の側面に固定されたXリニアガイド52は不図示)。
【0118】
X粗動ステージ23Xは、図20に示されるように、一対のYビーム23Xaと、一対のYビーム23Xaの両端部近傍それぞれを連結する一対の連結部材23Xbとを有し、その中央部に開口部が形成されている。一対の連結部材23Xbそれぞれの下面には、Xスライダ54(図19,及び図21参照)が固定されている。
【0119】
Xスライダ54は、図21に示されるように、YZ断面逆U字状の部材から成り、一対の対向面それぞれに固定子55と共にXリニアモータを構成する可動子59が固定されている。また、Xスライダ54の一対の対向面、及び天井面それぞれには、Xリニアガイド52にスライド可能に係合するXスライダ58が固定されている。一対のYビーム23Xaそれぞれの上面には、図20に示されるように、一対のYリニアガイド部材28が固定されている。また、一対のYビーム23Xaそれぞれの上面であって、一対のYリニアガイド部材28間の領域には、Y固定子41が固定されている。Y固定子41は、Y軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含む磁石ユニットを有している。
【0120】
Y粗動ステージ23Yは、平面視ほぼ正方形の板状部材から成り、その中央部には、開口部が形成されている。Y粗動ステージ23Yの下面には、図19に示されるように、Y固定子41に所定のクリアランスを介して対向する一対のY可動子42が固定されている。Y可動子42は、不図示のコイルユニットを含み、上述したY固定子41と共にY粗動ステージ23YをY軸方向に所定のストロークで駆動するためのYリニアモータを構成している。また、Y粗動ステージ23Yの下面には、Yリニアガイド部材28にスライド可能に係合するYスライダ29が複数固定されている。Y粗動ステージ23Yは、Yリニアガイド部材28とYスライダ29との作用によりX粗動ステージ23Xに対するX軸方向への相対移動が制限されており、X粗動ステージ23Xと一体的にX軸方向に移動する。
【0121】
微動ステージ21は、平面視ほぼ正方形の板状(又は箱形)部材から成り、その上面に基板ホルダPHを介して基板P(図19では不図示。図1参照)を、例えば真空吸着(又は静電吸着)により吸着保持する。
【0122】
微動ステージ21は、Y粗動ステージ23Yに固定された固定子と、微動ステージ21に固定された可動子とから成る複数のボイスコイルモータ(あるいはリニアモータ。図21では不図示)を含む微動ステージ駆動系により、Y粗動ステージ23Y上で3自由度方向(X軸、Y軸、θz方向)に微少駆動される。複数のボイスコイルモータとしては、微動ステージ21をX軸方向に微少駆動する複数のXボイスコイルモータ20X、及び微動ステージ21をY軸方向に微少駆動する複数のYボイスコイルモータ(不図示)を含む。なお、図19では、複数のXボイスコイルモータ20Xは、紙面奥行き方向に重なっている。微動ステージ21は、上記Xボイスコイルモータ20X、及び/又はYボイスコイルモータを用いてY粗動ステージ23Yに同期駆動(Y粗動ステージ23Yと同方向に同速度で駆動)されることにより、Y粗動ステージ23Yと共に(Y粗動ステージ23Yに誘導されて)X軸方向、及び/又はY軸方向に所定のストロークで移動する。また、微動ステージ駆動系は、微動ステージ21をθx、θy、及びZ軸方向の3自由度方向に微少駆動するための複数のZボイスコイルモータ(不図示)を有している。複数のZボイスコイルモータは、例えば微動ステージ21の四隅部に対応する箇所に配置されている。複数のボイスコイルモータを含み、微動ステージ駆動系の構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0123】
微動ステージ21のXY平面内の位置情報(θz方向の回転量を含む)は、微動ステージ21にミラーベース24Xを介して固定されたX移動鏡22X、及び微動ステージ21にミラーベース24Yを介して固定されたY移動鏡22Y(図21参照)を用いたレーザ干渉計システムによって求められる。また、微動ステージ21のθx、θy、及びZ軸方向に関する位置情報は、微動ステージ21の下面に固定された複数のZセンサ43により、後述する重量キャンセル装置26の筐体26aにアーム部材44を介して固定されたターゲット45を用いて求められる。Zセンサ43は、例えば少なくとも同一直線上にない3箇所に配置されている。上記微動ステージ21の位置計測系の構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0124】
重量キャンセル装置26は、図19に示されるように、Y粗動ステージ23Yの開口部、及びX粗動ステージ23Xの開口部内に挿入されている。重量キャンセル装置26は、筐体26a、空気ばね26b,空気ばね26b上にプレート26cを介して搭載されたZスライダ26dなどを有する。筐体26aは、+Z側に開口する有底の筒状部材から成る。筐体26aの下面には、軸受面が定盤12の上面に対向する複数のエアベアリング(以下、ベースパッドと呼ぶ)26eが取り付けられている。空気ばね26bは、筐体26aの内部に収容されている。空気ばね26bには、後述するケーブルガイド装置100bを介して外部から加圧気体が供給される。Zスライダ26dは、Z軸方向に延びる筒状の部材から成り、筐体26aに対してZ軸方向に相対移動可能になっている。Zスライダ26dの+Z側の端部には、軸受面が+Z側を向いた不図示のエアベアリングが取り付けられている。ベースパッド26e、Zスライダ26dの+Z側の端部に取り付けられた不図示のエアベアリングなどには、後述するケーブルガイド装置100bを介して外部から加圧気体が供給される。プレート26cは、その一部が筐体26aに形成された開口部を介して筐体26aの外部に突き出している。筐体26aの外周面には、プレート26cに当接してプレート26cのZ軸方向に関する移動可能範囲を規定するストッパ26fが複数固定されている。
【0125】
重量キャンセル装置26は、空気ばね26bが発生する重力方向上向きの力により、Zスライダ26d、及びレベリング装置27を介して微動ステージ21を含む系の重量(重力方向下向きの力)を打ち消す(キャンセルする)ことにより、上述した微動ステージ駆動系を構成する複数の複数のボイスコイルモータの負荷を低減する。
【0126】
重量キャンセル装置26は、複数の連結装置25を介してY粗動ステージ23Yに機械的に接続されている。複数の連結装置25のZ位置は、重量キャンセル装置26のZ軸方向に関する重心位置とほぼ一致している。連結装置25は、XY平面に平行な厚さの薄い鋼板などを含み、フレクシャ装置とも称される。連結装置25は、重量キャンセル装置26の+X側、−X側、+Y側、−Y側で重量キャンセル装置26の筐体26aとY粗動ステージ23Yを連結している(図19では+Y側、−Y側の連結装置25は不図示)。従って、重量キャンセル装置26は、複数の連結装置25のいずれかを介してY粗動ステージ23Yに牽引されることにより、そのY粗動ステージ23Yと一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に移動する。この際、重量キャンセル装置26には、そのZ軸方向に関する重心位置を含むXY平面に平行な平面内で牽引力が作用するので、移動方向に直交する軸線周りのモーメント(ピッチングモーメント)が作用しない。
【0127】
レベリング装置27は、微動ステージ21をチルト自在(XY平面に対してθx及びθy方向に揺動自在)に支持する。レベリング装置27は、Zスライダ26dの+Z側の端部に取り付けられた上記エアベアリングにより下方から非接触支持されたベース部材27aと、ベース部材27aの上面に形成された凹部にその下部が、微動ステージ21の下面に形成された凹部にその上部がそれぞれ挿入される球面エアベアリング27bと、を備える。なお、微動ステージ21をXY平面に対して揺動自在に支持する装置としては、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるような、複数のエアベアリングを用いた疑似球面軸受装置であっても良いし、弾性ヒンジ装置を用いても良い。なお、上記重量キャンセル装置26、連結装置25、レベリング装置27の詳細な構成について、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0128】
また、微動ステージ21は、微動ステージ21の下面に固定された微動ステージ側ストッパブロック46aと、Y粗動ステージ23Yの上面に固定され、その上端部が微動ステージ側ストッパブロック46aの下端部に所定のクリアランスを介して対向するY粗動ステージ側ストッパブロック46bとから成るZストッパ装置46により、Y粗動ステージ23Yに対する−Z方向の移動可能量が規定されている。微動ステージ21は、例えば重量キャンセル装置26のメンテナンス時など、空気ばね26bに対する加圧気体の供給が停止されると−Z方向に降下し、Zストッパ装置46の作用によりY粗動ステージ23Y上に接触状態で搭載される。Zストッパ装置46は、例えば同一直線上にない3箇所に配置されている。
【0129】
ケーブルガイド装置100bは、上記第8の実施形態(図14(A)〜図14(C)参照)と同様に、支持部材102にエアベアリング48が取り付けられている。ここで、本第10の実施形態に係るケーブルガイド装置100bでは、支持部材102は、図21に示されるように、Y軸方向に延びる板状の部材から成るベース51と、ベース51上面の両端部近傍に固定された軸受け部材53とを有する。エアベアリング48は、ベース51下面の長手方向両端部近傍に取り付けられている。エアベアリング48は、定盤12上面に対して加圧気体を噴出するパッド部材48aと、パッド部材48aをベース51の下面に対してθy方向、及びθx方向に微少角度で揺動自在に取り付けるためのボールジョイント48bとを含む。なお、図21では、図面の錯綜を避ける観点から、ケーブル56、及びケーブルガイド装置100bのうち支持部材102よりも−X側に配置された部材については、その図示が省略されている。第10の実施形態に係るケーブルガイド装置100bは、複数のリンク68〜74が定盤12上に配置されるので、例えば米国特許出願公開第2003/0000198号明細書に開示されるようにケーブルガイド装置を定盤12の両側に配置する場合に比べ、基板ステージ架台33(図21参照)を短くでき(ボディBDを狭幅にでき)、その剛性を向上させることができる。
【0130】
また、上記第1の実施形態では、X粗動ステージ23Xが固定部材66から離れる方向(+X方向)に移動する際に、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対が、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対よりも先に開き、かつX粗動ステージ23Xが固定部材66に近づく方向(−X方向)に移動する際に、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対が、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対よりも先に閉じるようにするために、複数の引っ張りばね104〜118が用いられたが、本第10の実施形態のケーブルガイド装置100bは、それに加えて、ウエイトWを用いて複数のリンク68〜74が上記のように動作するように構成されている。
【0131】
詳述すると、図20に示されるように、支持部材102のベース51の−X側の側面の両端部近傍それぞれには、ロープ36の一端が接続されている。また、図19に示されるように、ロープ36の他端は、固定部材66に接続されている。ロープ36の中間部分は、一端側において固定部材66に取り付けられた定滑車37に巻き掛けられ、他端側において、ウエイトWに取り付けられた動滑車38に巻き掛けられている。動滑車38、及びウエイトWは、固定部材66に固定されたZリニアガイド39aとウエイトWに固定されたZスライダ39bとを含むZリニアガイド装置39を介してZ軸方向に移動可能(上下動可能)となっている。
【0132】
ケーブルガイド装置100bでは、X粗動ステージ23Xがその移動範囲の−X側の端に位置するとき、ウエイトWは、その移動範囲の−Z側の端に位置している。そして、X粗動ステージ23Xが+X側に移動すると、そのX粗動ステージ23Xに牽引されて第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対が開く。この際、第2のリンク70と第3のリンク72との間に配置された支持部材102には、ウエイトWによる−X方向の負荷が作用している。従って、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対が、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対よりも先に開くように、より確実に動作させることができる。
【0133】
これに対し、X粗動ステージ23Xがその移動範囲の+X側の端に位置した状態から−X側に移動する場合には、支持部材102に作用するウエイトWによる−X方向の負荷により、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対が、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対よりも先に閉じるように、より確実に動作させることができる。
【0134】
《第11の実施形態》
次に、第11の実施形態について図22〜図24に基づいて説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第10の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第10の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。第11の実施形態に係る基板ステージ装置PSTcは、上記第10の実施形態に係る基板ステージ装置PSTb(図19〜図21参照)とケーブルガイド装置100cを除き実質的に同じものであるので、以下、ケーブルガイド装置100cについてのみ説明する。なお、図24では、図面の錯綜を避ける観点から、ケーブル56、及びケーブルガイド装置100cのうち支持部材102cよりも−X側に配置された部材については、その図示が省略されている。
【0135】
上記第10の実施形態のケーブルガイド装置100b(図19〜図21参照)では、支持部材102が2つのエアベアリング48により定盤12上に浮上支持されたのに対し、本第11の実施形態に係るケーブルガイド装置100cでは、図24に示されるように、支持部材102cのベース51cは、上記第10の実施形態よりも長手方向の寸法が長く設定されている。ベース51cの下面の長手方向両端部近傍には、スペーサ58aを介してXスライダ58が固定されている。Xスライダ58は、YZ断面逆U字状の部材を含み、ベースフレーム14の本体部14a上面に固定されたXリニアガイド52に低摩擦でスライド自在に係合している。第11の実施形態において、支持部材102cは、定盤12に非接触で一対のベースフレーム14上を移動するので、支持部材102cがX軸方向に確実に直進案内される。なお、支持部材102cに−X方向の負荷を作用させる装置(ウエイトW、定滑車37、動滑車38などを含む)の構成及び作用については、上記第10の実施形態と同じなので、その説明を省略する。第11の実施形態に係るケーブルガイド装置100bでは、上記第10の実施形態に比べ、エアベアリング、及びエアベアリング用の配管などが不要なので構成が簡単でかつ経済的である。また、支持部材102cが一対のベースフレーム14上を移動するので、ケーブルガイド装置100bで発生する振動などが定盤12に伝達されるおそれがなく、基板Pの高精度位置決めが可能となる。
【0136】
《第12の実施形態》
次に、第12の実施形態について図25(A)〜図25(C)に基づいて説明する。なお、説明の簡略化及び図示の便宜上から、上記第1〜第11の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第1〜第11の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0137】
ケーブルガイド装置100dは、上記第11の実施形態と同様に支持部材102cには、ウエイトWにより−X方向に負荷が作用している。なお、本第12の実施形態において、ウエイトW、動滑車38、定滑車37を含む負荷装置は、その配置が異なる点を除き、上記第11の実施形態と同じ機能を有するため、上記第11の実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。なお、支持部材102cは、Xリニアガイド52上でX軸方向に直進案内される構成であるが、上記第10の実施形態のように、エアベアリングを介して定盤上に浮上支持されていても良い。また、Xリニアガイド52は、ベースフレーム14(図24参照)に固定されたものでなくても良い。
【0138】
また、支持部材102cには、接続部材102d、及びロープ16aを介して第1動滑車16が接続されている。第1動滑車16に巻き掛けられたロープ17の一端は、後述するXスライド部材18に接続されている。また、ロープ17の他端は、第2動滑車19に接続されている。第2動滑車19に巻き掛けられたロープ15の一端は、後述するXスライド部材18に接続されている。また、ロープ15の他端は、X粗動ステージ23Xに接続されている。Xスライド部材18には、位置が固定のXリニアガイド95にスライド自在に係合するXスライダ94が取り付けられており、X軸方向に所定のストロークで移動自在となっている。また、Xリニアガイド95の−X側の端部近傍には、Xスライダ94の移動を制限するストッパ97が配置されている。なお、図面の錯綜を避ける観点から、図25(B)、及び図25(C)では、ケーブルガイド装置100dに案内されるケーブル56などの図示が省略されている。
【0139】
ケーブルガイド装置100dでは、図25(B)に示されるように、X粗動ステージ23Xがその移動範囲の−X側の端に位置した状態から+X方向に移動すると、ロープ15に牽引されて第2動滑車19がX粗動ステージ23Xのほぼ半分の速度(すなわちX粗動ステージ23Xのほぼ半分の移動量)で+X方向に移動する。また、第2動滑車19が+X方向に移動すると、ロープ17に牽引されることにより、第1動滑車16が、第2動滑車19のほぼ半分の速度、すなわちX粗動ステージ23Xの1/4の速度(X粗動ステージ23Xのほぼ1/4の移動量)で+X方向に移動する。これにより、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対が、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対に先行して開く(ただし、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対もわずかに開く)。従って、複数のリンク68〜74を、X粗動ステージ23Xが固定部材66から離れる方向(−X方向)に移動する際に、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対が、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対よりも先に開くように確実に動作させることができる。
【0140】
また、Xスライド部材18は、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対の開き角度が所望量となった場合にX粗動ステージ23Xに当接する位置に位置決めされて配置されている。従って、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対の開き角度が所望量となった後は、Xスライド部材18がX粗動ステージ23Xに押圧されて、X粗動ステージ23Xと一体的に+X方向に移動する。これにより、X粗動ステージ23Xと支持部材102とがほぼ一体的に+X方向に移動する。このように支持部材102cを直接+X方向に駆動するようにしたので、第1のリンク68,及び第2のリンク70を介して駆動するよりも確実に支持部材102cに駆動力が伝わり、各リンク68〜74,及び支持部材102cが振動的になるおそれがない。従って、各リンク68〜74の高速動作、支持部材102cの高速移動が可能となる。また、図25(C)に示される、X粗動ステージ23Xがその移動範囲の+X側の端に位置した状態から−X方向に移動するときは、ウエイトW(及び不図示の複数の引っ張りばね)の作用によりX粗動ステージ23Xと支持部材102とが、ほぼ同期して−X方向に移動する。これにより、第3のリンク72と第4のリンク74とから成るリンク対が、第1のリンク68と第2のリンク70とから成るリンク対よりも先に閉じる。
【0141】
なお、上記第1〜第12の各実施形態に係るケーブルガイド装置の構成は、一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、上記第1〜第12の各実施形態では、用力伝達部材の一例として、電源装置からX粗動ステージ23X等の移動体に電力を供給するケーブル56がガイド対象物であったが、これに換えて、あるいはこれに加えて、例えば、移動体と外部装置との間での、気体、冷媒等の流体の伝達を行うチューブ(あるいはホース)、移動体と外部装置との間での信号の送受信を行う通信ケーブル等をガイド対象物としても良い。この場合、外部装置には、例えば制御装置等の通信装置、冷却装置、基板を吸着保持するための真空吸引力を発生するバキューム装置等が含まれる。
【0142】
また、上記第1〜第4、第6、第8〜第12の各実施形態では、リンク機構のリンクの数を、4節としているが、これに限らず、リンクの数を適宜増減しても良い。そして、これに併せて隣り合うリンクの連結部を支持する支持部材の数を増減しても良い。なお、リンクの数を少なくした場合(例えば、リンクが2つ又は3つの場合)に、ケーブル56の一箇所のみを、一つのリンクに固定しても良く、更にこの場合、リンク機構を水平面上で支持する支持部材を設けない構成も可能である。また、第3の実施形態において、リンク及び支持部材を増設した場合には、増設した支持部材を移動させるXリニアモータの可動子も併せて増設すると良い。
【0143】
また、上記第1〜第12の各実施形態では、リンク機構の各リンクの軸がY軸、あるいはZ軸に平行に設けられているが、リンク同士を接続する軸の軸線方向は、これに限られない。要は、リンク機構を移動体に同期して案内できれば良く、リンク同士を接続する軸の軸線方向は、例えば水平面に傾斜する方向に平行であっても良い。
【0144】
また、上記第2の実施形態を除く各実施形態のケーブルガイド装置において、ケーブル56の所定箇所は、円筒形状の部材から成るローラの外周面に固定されていたが、ケーブル56が固定される部材は、それぞれ回転軸回りに所定の角度、θy方向又はθz方向に回転(揺動)できれば良い(ケーブルに作用する張力を緩和できれば良い)ので、円筒形状以外の形状の部材でも良い。
【0145】
また、上記第2の実施形態のようにリンクが伸縮しない場合には、隣接するリンク間に直接引っ張りばねを掛け渡しても良い。一例を挙げると、例えば、図17に示されるリンク機構248では、第2のリンク206と第3のリンク252とに引っ張りばね119が架け渡され、第2のリンク206と第3のリンク252とを閉じ方向に付勢している。また、第4のリンク210と軸受部材64にも引っ張りばね118が架け渡されている(第1のリンク250には、ばねが架け渡されない)。なお、図17において、ケーブル56などの図示は、省略されている。本変形例のリンク機構248であっても、引っ張りばね118による引っ張り力を引っ張りばね119による引っ張り力よりも大きくすることにより、上記第2の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0146】
また、上記第1の実施形態(図4参照)のリンク機構60では、複数の引っ張りばね104〜118による引っ張り力の差により、X粗動ステージ23Xが−X方向に移動する際に、第3及び第4のリンク72,74から成るリンク対が、第1及び第2のリンク68,70から成るリンク対に先立って閉じるように構成されたが、他の構成によりリンク機構60を上記のように動作させても良い。図18(A)には、上記第1の実施形態の変形例に係るケーブルガイド装置100aが示されている。ケーブルガイド装置100aでは、支持部材102の−X側の端部にワイヤロープ150の一端が接続されている。ワイヤロープ150は、支持部材102の−X側の端部から−X方向に延びるとともに、その長手方向の中間部が、位置が固定のプーリ152に巻き掛けられることにより+X側に折り曲げられ、他端がXリニアガイド部材103よりも+X側に設けられた固定部材154に、引っ張りばね156(引っ張りコイルばね)を介して接続されている。X粗動ステージ23Xは、図18(B)に示されるように、第2のリンク70と第3のリンク72との開き角度が90°となる前は、第1及び第2のリンク68,70のみを引っ張り、第2のリンク70と第3のリンク72との開き角度が90°となった後は、図18(C)に示されるように、引っ張りばね156の引っ張り力に抗してワイヤロープ150で支持部材102を牽引することにより、第3及び第4のリンク72,74を開かせる。そして、X粗動ステージ23Xが図18(C)に示される位置(移動範囲の+X側の位置)から−X方向に移動する際は、が引っ張りばね156の作用により支持部材102がワイヤロープ150に牽引されることにより、第3及び第4のリンク72,74から成るリンク対が、第1及び第2のリンク68,70から成るリンク対に先立って閉じる。なお、引っ張りばね156は、支持部材102を−X方向に付勢できれば良いので、ワイヤロープ150及びプーリ152を介さず、例えば固定部材66と支持部材102とに架け渡されても良い。
【0147】
また、上記第1〜第7の各実施形態において、リンクの連結部を支持する支持部材を案内する案内部材は、直線(一軸)ガイド部材であったがこれに限らず曲線ガイド部材であっても良い。また、上記第1〜第6、第8、及び第9の各実施形態において、リンク機構を構成する各リンクの長さは同じでなくても良い。例えば、上記第1の実施形態において、第1及び第2のリンク68、70の長さに対して、第3、及び第4のリンク72,74の長さをそれぞれ長く、あるいは短くても良い。また、上記第1〜第6、第8、及び第9の各実施形態において、複数のリンクは、引っ張りばねにより所定の方向に付勢されていたが、リンクを付勢する部材はこれに限らず、例えばリンクを軸支する軸受部に捻りばね(トーションばね)を設けても良い。
【0148】
また、上記第1、第3、第4、第5、第6、第8及〜第12の各実施形態では、第1〜第4のリンク68、70、72、74を、3つの部材により構成して、その長手方向に伸縮可能にしているが、これに限らず、例えば、各リンクを2つ、あるいは4つ以上の部材により構成して、その長手方向に伸縮可能にしても良い。
【0149】
上記第3、第4、第5、第6、第8〜第12の各実施形態においては、リンク機構を、第2の実施形態と同様に構成しても良い。
【0150】
また、上記第3の実施形態では、X粗動ステージ23Xがその移動範囲の−X側の端に位置し、+X方向に移動を開始した後、基板ステージ側の一対のリンク対(最初のリンク対)が開ききった(開き角度が150°になるとき)のちに、次のリンク対が開くようにリンク機構が制御されるが、これに限らず、最初のリンク対の開き角度が、例えば、90°、105°、120°、135°等になるときに、支持部材102を+X方向に移動させて次のリンク対が開き始めるようにして制御しても良い。この場合、支持部材102の速さをX粗動ステージ23Xの速さよりも遅くすれば、最初のリンク対を開きつつ次のリンク対を開くことができる。
【0151】
また、上記第7の実施形態では、各伸縮部が複数のリンクにより構成されているが、これに限らず、例えばエアシリンダなどの長さ方向の寸法が変化する装置であれば、伸縮部として用いることができる。
【0152】
また、上記第7の実施形態では、第1及び第2の伸縮機構138、140の双方をZ軸方向に伸縮可能としているが、これらの少なくとも一方を、例えば、XZ平面に平行で、かつZ軸に対し角度を成した方向に伸縮可能としても良い。
【0153】
上記第1〜第7、及び第10〜第12の各実施形態においては、X粗動ステージ23Xにのみ、ケーブル56及びこのケーブル56を案内するケーブルガイド装置を設けているが、これに換えてあるいはこれに加えて、Y粗動ステージ23Yに、ケーブル及びこのケーブルを案内するケーブルガイド装置を設けても良い。
【0154】
また、上記第1〜第12の各実施形態において、ケーブルが接続される移動体は、XY二次元平面に沿って一軸、又は2軸方向に移動するものであったが、移動体は、これに限らず、XY二次元平面、及びXY二次元平面に交差する方向(例えばZ軸方向)に長ストロークで移動可能なものであっても良い。
【0155】
また、本発明に係る用力伝達部材ガイド装置は、基板を保持する基板ステージ装置以外の移動体、例えば図1に示されるマスクステージMSTに接続されたケーブル(不図示)等を案内するために用いても良い。
【0156】
また、上記第10〜第12の各実施形態では、ウエイトWを用いて支持部材102に−X方向の負荷を与える構成であったが、支持部材102に−X方向の負荷を作用させることができれば、例えばばね定数の小さな引っ張りばね(例えば、コンストンばね(登録商標))などを用いても良い。
【0157】
また、上記第1〜第12の各実施形態(ただし第7の実施形態を除く)では、隣り合うリンクの最大開き角度を規定する装置として、機械的な開き止め装置80(図2参照)が用いられたが、これに替えて、例えば図26に示されるような4節リンク機構を用いても良い。なお、図26では、一例として、第1のリンク68と軸受部材62の開き角度を規定する開き止め装置80aが示されている。開き止め装置80aは、第1のリンク68のスライド部82aが軸受部材62に軸部材93を介して支持されている。また、軸受部材62には、円板クランク998が軸部材999を介して支持されている。円板クランク998には、軸部材997を介して連結板996の一端が支持され、その連結板996の他端は、第1のリンク68のスライド部82aに軸部材995を介して支持されている。円板クランク998は、X粗動ステージ23Xに固定されたYZ断面逆U字状の部材から成るブラケット994の一対の対向面間に挿入されている。ブラケット994の一対の対向面には、それぞれ複数のマグネット993が、円板クランク998に所定のクリアランスを介して固定されている。円板クランク998と複数のマグネット993とは、渦電流ブレーキ装置を構成し、円板クランク998に渦電流を発生させることによって、第1のリンク68に制動力を発生させる。この場合、上記機械的な開き止め装置80(ストッパ)に比べて衝撃の発生する可能性が少ない。
【0158】
なお、露光装置で使用される照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
【0159】
また、上記第1〜第12の各実施形態では、投影光学系PLが、複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、オフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。
【0160】
また、上記第1〜第12の各実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍系のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は拡大系及び縮小系のいずれでも良い。
【0161】
また、本発明の用力伝達部材案内装置は、露光装置以外の装置、例えばインクジェット式の機能性液体付与装置を備えた素子製造装置などに適用することもできる。また、本発明の用力伝達部材案内装置を有する基板処理装置は、露光装置に限らず、例えば露光装置の露光対象である基板の検査に用いる基板検査装置などであっても良い。
【0162】
なお、上記第1〜第12の各実施形態では、ステップ・アンド・スキャン動作を伴う露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明は、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(いわゆるステッパ)あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用することができる。また、本発明は、投影光学系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用することができる。
【0163】
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0164】
以上説明したように、本発明の用力伝達ガイド装置は、所定の二次元平面に沿って移動体と外部装置との間で用力の伝達を行う用力伝達部材を案内するのに適している。また、本発明の基板処理装置は、基板に所定の処理を行うのに適している。
【符号の説明】
【0165】
10…液晶露光装置、23X…X粗動ステージ、56…ケーブル、60…リンク機構、62…軸受部材、64…軸受部材、66…固定部材、68…第1のリンク、70…第2のリンク、72…第3のリンク、74…第4のリンク、90…ローラ、100…ケーブルガイド装置、102…支持部材、P…基板、PST…基板ステージ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の二次元平面に平行な平面内の所定範囲を該二次元平面に沿って移動する移動体と、外部装置と、の間で伝達される用力の伝達路を形成する可撓性の用力伝達部材の一部が固定される固定部と;
前記用力伝達部材の前記固定部に固定された部位と前記移動体に接続された部位との中間の領域の一箇所又は複数箇所を保持し、その保持する箇所を、前記移動体が移動する際に該移動体の移動方向と同方向に案内しつつ前記二次元平面に交差する方向に案内する案内部と;を備える用力伝達部材ガイド装置。
【請求項2】
前記案内部は、直列に連結された複数のリンクを有し、かつ一端側の前記リンクが前記移動体に連結されるとともに、他端側の前記リンクが前記固定部に連結されるリンク機構を含み、
前記用力伝達部材は、前記複数のリンクのそれぞれに沿うように前記リンク機構に保持され、前記リンク機構の変形に伴い変形する請求項1に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項3】
前記複数のリンクのうち、隣り合う一対の前記リンクの連結部の少なくとも1つには、回転体が設けられ、
前記用力伝達部材は、前記回転体に固定される請求項2に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項4】
前記一対のリンクは、軸部材により連結され、
前記回転体は、前記軸部材の軸線周りに回転可能なローラであり、
前記用力伝達部材は、前記ローラの外周面に固定される請求項3に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項5】
前記ローラが設けられた前記連結部にて連結された前記一対のリンクのうちの少なくとも一方は、そのリンクの長手方向に伸縮可能である請求項4に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項6】
前記伸縮可能なリンクは、該リンクの長手方向における一端を含む第1の構成部材と、前記長手方向における他端を含む第2の構成部材と、前記長手方向における中間部に設けられ、前記第1及び第2の構成部材のそれぞれに対し前記長手方向に相対移動可能な第3の構成部材とを備え、
前記用力伝達部材の所定箇所が前記第3の構成部材に固定される請求項5に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項7】
前記複数のリンクのうち、隣り合う一対の前記リンクの少なくとも一方には、該リンクの長手方向に沿って移動可能であり、かつ前記用力伝達部材の所定箇所を保持する保持部材が設けられる請求項2に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項8】
前記複数のリンクのうち、隣り合う一対の前記リンクから成るリンク対には、その最大開き角度を180°未満の所定角度に制限する開き角度制限部が設けられる請求項2〜7のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項9】
前記角度制限部は、前記隣り合う一対の前記リンクから成るリンク対に非接触で制動力を作用させる渦電流ブレーキ装置を含む請求項8に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項10】
前記リンク機構は、少なくとも3つのリンクを有し、
隣り合う一対の前記リンクから成るリンク対は、前記移動体が前記固定部から離れる方向に移動するとき前記移動体に近いものから順に開き、前記移動体が前記固定部に近づく方向に移動するとき前記移動体から遠いものから順に閉じる請求項2〜9のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項11】
前記リンク機構は、少なくとも2つの前記リンク対の開閉度合いを設定する設定部材を有し、
前記設定部材は、前記移動体に近い前記リンク対に設けられたものほど、該リンク対の開閉度合いを開き易くかつ閉じ難く設定する請求項10に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項12】
前記設定部材のそれぞれは、前記リンク対を閉じ方向に付勢する弾性部材であり、
前記弾性部材は、前記リンク対のうちの移動体に近いものに設けられたものほど弾性力が小さい請求項11に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項13】
前記案内部は、隣り合う前記リンクの連結部のいずれか1つを支持し、かつ前記所定の二次元平面に平行に移動可能な支持部材と、該支持部材を移動させる駆動装置と、を備え、
前記駆動装置は、前記移動体と前記支持部材との距離が所定距離になったときに前記支持部材を移動させる請求項10に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項14】
前記案内部は、隣り合う前記リンクの連結部のいずれか1つを支持し、かつ前記所定の二次元平面に平行に移動可能な支持部材と、該支持部材を移動させる駆動装置と、を備え、
前記駆動装置は、前記移動体が前記固定部から離れる方向に移動するとき、前記移動体の速度の1/2よりも遅い速度で前記支持部材を駆動する請求項10に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項15】
前記案内部は、隣り合う前記リンクの連結部のいずれか1つを支持し、かつ前記所定の二次元平面に平行に移動可能な支持部材と、該支持部材を移動させる駆動装置と、を備え、
前記駆動装置は、前記移動体が前記固定部に近づく方向に移動するとき、前記移動体の速度の1/2よりも速く、かつ前記移動体の速度よりも遅い速度で前記支持部材を駆動する請求項10に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項16】
前記駆動装置は、前記移動体を移動させる移動体駆動装置の一部を用いて前記支持部材を駆動する駆動力を発生する請求項13〜15のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項17】
前記駆動装置は、前記移動体に牽引される第1の動滑車と、前記支持部材に設けられ前記第1の動滑車に牽引される第2の動滑車を有し、
前記第1及び第2の動滑車は、前記移動体に近い前記リンク対が所定の開き角度となった状態で、前記移動体と一体的に移動する請求項14に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項18】
前記案内部は、隣り合う前記リンクの連結部のいずれか1つを支持し、かつ前記所定の二次元平面に平行に移動自在な支持部材と、前記支持部材を前記固定部材に接近する方向に付勢する付勢部材とを備える請求項10に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項19】
前記付勢装置は、バネ、又は錘を含む請求項18に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項20】
前記案内部は、隣り合う前記リンクの連結部のいずれか1つを支持し、かつ前記所定の二次元平面に平行に移動自在な支持部材を備え、
前記支持部材は、前記移動体の移動に追従して移動する請求項2〜12のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項21】
前記リンク機構は、前記一端側のリンクが前記移動体に対し、前記二次元平面に直交する軸線回りに回転可能に連結され、前記他端側のリンクが前記固定部に対し、前記二次元平面に直交する軸線回りに回転可能に連結される請求項2〜20のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項22】
前記案内部は、前記移動体の移動方向に交差する方向に伸縮可能な伸縮部と、該伸縮部の伸縮方向における一端を支持し、かつ前記所定の二次元平面に平行に移動可能な支持部材と、を備え、
前記用力伝達部材の所定箇所が、前記伸縮部の伸縮方向の他端に固定されている請求項1に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項23】
前記案内部は、前記伸縮部の伸縮方向における他端に回転体を有し、
前記用力伝達部材の所定箇所が、前記回転体に固定される請求項22に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項24】
前記伸縮部は、前記移動体と前記固定部との間に、前記移動体との間隔が異なるように複数設けられ、前記移動体が前記固定部材から離れる方向に移動するとき前記移動体に近いものから順に縮み、前記移動体が前記固定部材から離れる方向に移動するとき前記移動体から遠いものから順に伸びる請求項22又は23に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項25】
前記案内部は、前記複数の伸縮部それぞれを独立して前記二次元平面に平行な方向に駆動する駆動装置を有し、
前記駆動装置は、前記移動体を移動させる移動体駆動装置の一部を用いて、前記複数の伸縮部それぞれの前記支持部材を駆動する駆動力を発生する請求項24に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項26】
前記移動体駆動装置は、前記移動体に設けられた第1の可動子と、前記所定の二次元平面に平行に配置された固定子とを有する第1のモータを含み、
前記駆動装置は、前記固定子と、前記支持部材に設けられた第2の可動子とを有する第2のモータである請求項16又は25に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項27】
前記支持部材は、前記移動体の移動をガイドする移動体ガイドにより、前記二次元平面に沿って案内される請求項13〜26のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項28】
前記移動体と前記外部装置とには、異なる経路で複数の前記用力伝達部材が接続されており、
前記案内部は、前記複数の用力伝達部材それぞれに対応して複数設けられる請求項1〜27のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置。
【請求項29】
前記移動体は基板が載置されるステージである請求項1〜28のいずれか一項に記載の用力伝達部材ガイド装置と;
前記基板に処理を施す基板処理部と;を備え、
該基板処理部は、前記ステージの移動範囲の上方に位置する基板処理装置。
【請求項30】
前記二次元平面に平行なガイド面を有する定盤上で前記ステージの重量をキャンセルする重量キャンセル装置を更に備え、
前記用力伝達部材ガイド装置は、前記ガイド面の上方に配置される請求項29に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−81367(P2011−81367A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200503(P2010−200503)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】