説明

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

【課題】動画に含まれる複数の動画構成画像から特徴領域を特定するときの、処理時間を短縮すること。
【解決手段】画像処理装置は、複数の動画構成画像を含む動画を処理する画像処理装置であって、動画構成画像から、特徴領域を検出する特徴領域検出部と、動画から選択された動画構成画像である選択画像における特徴領域の位置に基づいて、当該選択画像以外の非選択画像における特徴領域の位置を特定する特徴領域特定部とを備える。特徴領域特定部は、非選択画像より前にある選択画像および非選択画像より後にある選択画像のそれぞれにおける特徴領域の位置に基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。本発明は、特に、画像を圧縮する画像処理装置および画像処理方法、並びに画像処理装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画像において検出された顔を含む画像ブロックのうち、目、口などを含む画像ブロックに対して、他の画像ブロックより多くの情報ビット数を割り当てて符号化する画像符号化装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第2828977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術によると、画像符号化装置は、複数のフレームのそれぞれから、顔、目、口などを含む画像ブロックを検出している。このため、顔、目、口などを含む画像ブロックを検出するときに、多くの時間を費やす場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、複数の動画構成画像を含む動画を処理する画像処理装置であって、動画構成画像から、特徴領域を検出する特徴領域検出部と、動画から選択された動画構成画像である選択画像における特徴領域の位置に基づいて、当該選択画像以外の動画構成画像である非選択画像における特徴領域の位置を特定する特徴領域特定部とを備える。
【0005】
特徴領域特定部は、非選択画像より前にある選択画像および非選択画像より後にある選択画像のそれぞれにおける特徴領域の位置に基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定してよい。動画における被写体の動きベクトルを取得する動きベクトル取得部をさらに備え、特徴領域特定部は、選択画像における特徴領域の位置および動きベクトルに基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定してよい。
【0006】
動きベクトルを含む圧縮された動画を取得する圧縮動画取得部と、圧縮動画取得部によって取得された動画を伸張する圧縮動画伸張部とをさらに備え、特徴領域検出部は、圧縮動画伸張部によって伸張された動画から選択された選択画像から、特徴領域を検出し、動きベクトル取得部は、圧縮動画取得部によって取得された動画に含まれる動きベクトルを取得し、特徴領域特定部は、選択画像における特徴領域の位置および動きベクトルに基づいて、圧縮動画伸張部によって伸張された動画から選択されなかった非選択画像における特徴領域の位置を特定してよい。圧縮動画取得部は、動きベクトルを含むMPEG動画を取得し、圧縮動画伸張部は、圧縮動画取得部によって取得されたMPEG動画を伸張し、特徴領域検出部は、伸張されたMPEG動画に含まれる選択画像から、特徴領域を検出し、動きベクトル取得部は、圧縮動画取得部によって取得されたMPEG動画に含まれる動きベクトルを取得してよい。
【0007】
選択画像および非選択画像のそれぞれを、特徴領域と、特徴領域以外の背景領域とに分割する画像分割部と、特徴領域の画像と背景領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化する符号化部とをさらに備えてよい。選択画像から検出された特徴領域、および非選択画像において特定された特徴領域を包含する包含領域を特定する包含領域特定部と、選択画像および非選択画像のそれぞれにおける包含領域以外の領域の画素値を固定値化する固定値化部とをさらに備え、符号化部は、包含領域の画像と、包含領域画像以外の領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化してよい。
【0008】
本発明の第2の形態によると、複数の動画構成画像を含む動画を処理する画像処理方法であって、動画構成画像から、特徴領域を検出する特徴領域検出段階と、動画から選択された動画構成画像である選択画像における特徴領域の位置に基づいて、当該選択画像以外の動画構成画像である非選択画像における特徴領域の位置を特定する特徴領域特定段階とを備える。
【0009】
本発明の第3の形態によると、複数の動画構成画像を含む動画を処理する画像処理装置用のプログラムであって、画像処理装置を、動画構成画像から、特徴領域を検出する特徴領域検出部、動画から選択された動画構成画像である選択画像における特徴領域の位置に基づいて、当該選択画像以外の動画構成画像である非選択画像における特徴領域の位置を特定する特徴領域特定部として機能させる。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、一実施形態に係る画像処理システム10の一例を示す。画像処理システム10は、特徴的な被写体の画質を高画質に保ちつつ画像のデータ量を低減することを目的とする。
【0013】
画像処理システム10は、監視対象空間150を撮像する複数の撮像装置100a−c(以下、撮像装置100と総称する。)、画像を処理する複数の画像処理装置120a−c(以下、画像処理装置120と総称する。)、画像処理装置170、通信ネットワーク110、画像DB175、および複数の表示装置180a−c(以下、表示装置180と総称する。)を備える。
【0014】
画像処理装置120aは、撮像装置100aに接続されている。また、画像処理装置120bは、撮像装置100bに接続されている。また、画像処理装置120cは、撮像装置100cに接続されている。なお、画像処理装置170および表示装置180は、監視対象空間150と異なる空間160に設けられている。
【0015】
以下に、撮像装置100a、画像処理装置120a、画像処理装置170、および表示装置180aの動作を説明する。撮像装置100aは、監視対象空間150を撮像して得られた撮像動画をMPEG符号化して撮像動画データを生成して、撮像装置100aが接続されている画像処理装置120aに出力する。
【0016】
具体的には、撮像装置100aは、撮像部102aおよび撮像動画圧縮部104aを有する。撮像部102aは、監視対象空間150を撮像することにより、撮像動画に含まれる複数の動画構成画像を生成する。なお、撮像部102aは、RAW形式の動画構成画像を生成してよい。撮像動画圧縮部104aは、撮像部102aにより生成されたRAW形式の動画構成画像を同時化して、同時化して得られた複数の動画構成画像を含む撮像動画をMPEG符号化等により圧縮することにより、撮像動画データを生成する。
【0017】
画像処理装置120aは、撮像装置100aが生成した撮像動画データを取得する。画像処理装置120は、撮像装置100から取得した撮像動画データを復号して撮像動画を生成して、生成した撮像動画から人物130、車輌等の移動物体140等、特徴の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。そして、画像処理装置120aは、撮像動画から、特徴の種類のそれぞれについて特徴領域が他の領域より高画質な動画を生成することによって、複数の特徴領域動画を生成する。また、画像処理装置120aは、特徴領域以外の背景領域の動画であって、特徴領域動画より低画質な背景領域動画を生成する。
【0018】
そして、画像処理装置120aは、生成した複数の特徴領域動画および背景領域動画をそれぞれ符号化することによって複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを生成する。同時に、画像処理装置120aは、符号化して得られた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを互いに関連づけて、通信ネットワーク110を通じて画像処理装置170に送信する。
【0019】
画像処理装置170は、画像処理装置120aから受信した関連付けされた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データをそれぞれ復号することによって、複数の特徴領域動画および背景領域動画を取得する。そして、画像処理装置170は、複数の特徴領域動画および背景領域動画を合成することによって一の合成動画を生成して、生成した合成動画を表示装置180aに供給する。表示装置180aは、画像処理装置170から供給された動画を表示する。
【0020】
なお、画像処理装置170は、生成した合成動画または画像処理装置120aから取得した撮像動画データを画像DB175に記録してもよい。そして、画像処理装置170は、画像DB175に記録された合成動画を、表示装置180aからの要求に応じて表示装置180aに供給してよい。また、画像処理装置170は、表示装置180aからの要求に応じて、画像DB175に記録された撮像動画データを上述したように復号して表示装置180aに供給してもよい。なお、画像DB175は、一例としてハードディスク等の不揮発性の記録媒体を有してよく、画像処理装置170から供給された合成動画を当該記録媒体に記録してよい。
【0021】
なお、撮像装置100bおよび撮像装置100cは、撮像部102aが有する構成要素と同様の機能を有する構成要素を有している。撮像装置100bおよび撮像装置100cの機能および動作は、それぞれ画像処理装置120bおよび画像処理装置120cに撮像動画データを提供することを除いて、撮像装置100aの機能および動作と同様であるので、その説明を省略する。また、画像処理装置120bおよび画像処理装置120cの機能および動作は、それぞれ撮像装置100bおよび撮像装置100cから撮像動画データを取得することを除いて、画像処理装置120aの機能および動作と同様であってよい。よって、その説明を省略する。なお、以下の説明では、撮像部102a〜cを撮像部102と総称する場合があり、撮像動画圧縮部104a〜cを撮像動画圧縮部104と総称する場合がある。
【0022】
また、画像処理装置170は、撮像装置100bおよび撮像装置100cのそれぞれから受信した関連付けされた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データをから、一の動画をそれぞれ生成して、それぞれ表示装置180bおよび表示装置180cに供給する。また、表示装置180bおよび表示装置180cは、画像処理装置170から供給されたそれぞれの動画を表示する。
【0023】
本実施形態の画像処理システム10を、例えば監視システムとして実際に適用した場合には、人物、移動物体等、監視対象として特徴的な被写体を高画質で残すことができる場合がある。そのうえ、動画のデータ量を低下することができる場合がある。
【0024】
図2は、画像処理装置120のブロック構成の一例を示す。画像処理装置120は、圧縮動画取得部201、圧縮動画伸張部202、特徴領域検出部203、画像分割部204、および画像生成部205を有する。また、画像処理装置120は、動きベクトル取得部251、特徴領域特定部252、包含領域特定ユニット260、固定値化ユニット210、低減化ユニット220、符号化ユニット230、対応付け処理部206、および出力部207を有する。
【0025】
包含領域特定ユニット260は、複数の包含領域特定部261a−261c(以下、包含領域特定部261と総称する。)を含む。固定値化ユニット210は、複数の固定値化部211a−211c(以下、固定値化部211と総称する。)を含む。低減化ユニット220は、複数の画質低減部221a−d(以下、画質低減部221と総称する。)を含む。
【0026】
符号化ユニット230は、背景領域動画符号化部231aおよび複数の特徴領域動画符号化部231b−d(以下、特徴領域動画符号化部231と総称する。)を含む。なお、背景領域動画符号化部231aおよび特徴領域動画符号化部231b−dを総称して、符号化部231と呼ぶ場合がある。
【0027】
なお、画質低減部221aおよび背景領域動画符号化部231aは、圧縮部240aとして機能する。また、画質低減部221bおよび背景領域動画符号化部231bは、圧縮部240bとして機能する。同様に、画質低減部221cおよび背景領域動画符号化部231cは圧縮部240cとして機能する。画質低減部221dおよび背景領域動画符号化部231dは圧縮部240dとして機能する。なお、複数の圧縮部240a−dを、圧縮部240と総称する。
【0028】
圧縮動画取得部201は、圧縮された動画を取得する。具体的には、圧縮動画取得部201は、撮像装置100が生成した、符号化された撮像動画データを取得する。例えば、圧縮動画取得部201は、動きベクトルを含むMPEG動画を取得する。圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201が取得した動画を復元して、動画に含まれる複数の動画構成画像を生成する。
【0029】
具体的には、圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201が取得した撮像動画データを復号して、動画に含まれる複数の動画構成画像を生成する。例えば、圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201によって取得されたMPEG動画を伸張する。なお、動画構成画像はフレーム画像およびフィールド画像を含む。また、圧縮された動画は、当該動画における被写体の動きベクトルを含む。
【0030】
特徴領域検出部203は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、特徴領域を検出する。具体的には、特徴領域検出部203は、画像である動画に含まれる複数の動画構成画像から、特徴の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。より具体的には、特徴領域検出部203は、圧縮動画伸張部202によって伸張された動画から、任意の間隔毎、または動画の内容に基づいて算出された時間間隔毎に動画構成画像を選択した後に、選択された動画構成画像である選択画像から、特徴領域を検出する。例えば、特徴領域検出部203は、圧縮動画伸張部202によって伸張されたMPEG動画から複数のIフレームを選択した後に、選択された複数のIフレームのそれぞれから、特徴領域を検出する。また、特徴領域検出部203は、動画の動物体の速度、または動画のシーン輝度の変化に応じて、選択画像として選択する動画構成画像の間隔を調整してもよい。
【0031】
動きベクトル取得部251は、動画における被写体の動きベクトルを取得する。具体的には、動きベクトル取得部251は、圧縮動画取得部201によって取得された動画(撮像動画データ)に含まれる動きベクトルを取得する。より具体的には、動きベクトル取得部251は、圧縮動画取得部201によって取得されたMPEG動画に含まれる動きベクトルを取得する。なお、動きベクトル取得部251が、圧縮動画取得部201によって取得された動画から動きベクトルを取得できない場合、動きベクトル取得部251は、圧縮動画伸張部202によって伸張された動画に含まれる複数の動画構成画像に基づいて、当該動画の動きベクトルを算出してもよい。
【0032】
特徴領域特定部252は、動画から選択された動画構成画像である選択画像における特徴領域の位置に基づいて、動画から選択されなかった動画構成画像である非選択画像における特徴領域の位置を特定する。具体的には、特徴領域特定部252は、非選択画像より時間軸方向の前にある選択画像、および非選択画像より時間軸方向の後にある選択画像のそれぞれにおける特徴領域の位置に基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定する。
【0033】
より具体的には、特徴領域特定部252は、非選択画像より時間軸方向の前にある選択画像、および非選択画像より時間軸方向の後にある選択画像のそれぞれにおける特徴領域の位置と、動きベクトル取得部によって取得された動きベクトルとに基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定する。例えば、特徴領域特定部252は、非選択画像であるPフレームまたはBフレームより時間軸方向の前後にある選択画像であるIフレームのそれぞれにおける特徴領域の位置と、動きベクトル取得部によって取得された動きベクトルとに基づいて、非選択画像であるPフレームまたはBフレームにおける特徴領域の位置を特定する。
【0034】
なお、特徴領域特定部252は、非選択画像より時間軸方向の前にある一つまたは複数の選択画像における特徴領域の位置と、動きベクトル取得部によって取得された動きベクトルとに基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定してもよい。また、特徴領域特定部252は、非選択画像より時間軸方向の後ろにある一つまたは複数の選択画像における特徴領域の位置と、動きベクトル取得部によって取得された動きベクトルとに基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定してもよい。
【0035】
また、特徴領域特定部252は、非選択画像より時間軸方向の前にある選択画像および非選択画像より時間軸方向の後にある選択画像のそれぞれにおける特徴領域の位置に基づいて、線形補間することにより、非選択画像における特徴領域の位置を特定してもよい。また、特徴領域特定部252は、非選択画像より時間軸方向の前にある一つまたは複数の選択画像における特徴領域の位置に基づいて、線形補間することにより、非選択画像における特徴領域の位置を特定してもよい。また、特徴領域特定部252は、非選択画像より時間軸方向の後ろにある一つまたは複数の選択画像における特徴領域の位置に基づいて、線形補間することにより、非選択画像における特徴領域の位置を特定してもよい。
【0036】
画像分割部204は、複数の動画構成画像のそれぞれを、特徴領域と背景領域とに分割する。具体的には、画像分割部204は、複数の動画構成画像のそれぞれを、複数の特徴領域のそれぞれと、複数の特徴領域以外の背景領域とに分割する。
【0037】
画像生成部205は、特徴領域動画を圧縮するための特徴領域圧縮用動画および背景領域動画を圧縮するための背景領域圧縮用動画を生成する。具体的には、画像生成部205は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、特徴領域画像を抽出した後に、抽出された特徴領域画像を複製することにより、特徴領域圧縮用動画を生成する。より具体的には、画像生成部205は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、複数種類の特徴領域画像を抽出することにより、複数の特徴領域圧縮用動画を生成する。また、画像生成部205は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、背景領域画像を抽出した後に、抽出された背景領域画像を複製することにより、背景領域圧縮用動画を生成する。
【0038】
包含領域特定部261は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれにおいて、複数の特徴領域を包含する包含領域を特定する。具体的には、包含領域特定部261は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれにおいて、複数の特徴領域を包含する、マクロブロックの集合領域を、包含領域として特定する。
【0039】
そして、固定値化部211は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれにおける、複数の動画構成画像のそれぞれにおいて、包含領域特定部261によって特定された包含領域以外の領域の画素値を固定値化する。例えば、固定値化部211は、包含領域以外の領域の画素値を所定の値(例えば、輝度値0)に設定する。
【0040】
そして、圧縮部240は、包含領域以外の領域の画素値が固定値化された動画構成画像を複数含む、複数の特徴領域圧縮用画像のそれぞれを、それぞれの特徴量に応じた強度で圧縮する。また、圧縮部240は、複数の特徴領域圧縮用画像のそれぞれに対して、包含領域の画像と、包含領域画像以外の領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化する。
【0041】
このように、圧縮部240は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれと、背景領域圧縮用動画とを、それぞれの特徴量に応じた強度で圧縮する。なお、特徴量とは、被写体の種類、被写体の大きさ、移動物体が移動する移動速さ、および特徴領域の大きさを含む。
【0042】
以上説明したように、特徴領域検出部203は、画像から特徴領域を検出する。そして、画像分割部204は、画像を、特徴領域と、特徴領域以外の背景領域とに分割する。そして、圧縮部240は、特徴領域の画像である特徴領域画像と背景領域の画像である背景領域画像とを、それぞれ異なる強度で圧縮する。そして、圧縮部240は、特徴領域画像を複数含む特徴領域動画と背景領域画像を複数含む背景領域動画とを、それぞれ異なる強度で圧縮する。
【0043】
なお、圧縮部240b、圧縮部240c、および圧縮部240dには、いずれの種類の特徴領域動画を圧縮すべきかが予め定められており、圧縮部240b、圧縮部240c、および圧縮部240dは予め定められた特徴の種類の特徴領域動画を圧縮する。なお、特徴領域動画を圧縮する場合の圧縮強度は、複数の特徴の種類ごとに予め定められており、圧縮部240b、圧縮部240c、および圧縮部240dは、予め定められた特徴の種類の特徴領域動画を、当該特徴の種類に予め定められた圧縮強度で圧縮する。このように、圧縮部240は、画像分割部204によって分割された画像領域ごとに設けられた圧縮器を用いて、複数の領域を並行して圧縮する。
【0044】
なお、圧縮部240は、一つの圧縮器によって実装されてよく、複数の特徴領域動画および背景領域動画を時間的に順次圧縮してもよい。他にも、圧縮部240は、圧縮動画伸張部202によって復号された撮像動画を、画像分割部204が分割した領域ごとに、各領域の特徴の種類および背景のそれぞれに対して予め定められた圧縮率で圧縮することによって、一の動画データを生成してよい。
【0045】
圧縮部240における画質低減部221は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じて画質を低減することにより圧縮する。より具体的には、画質低減部221は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じて解像度またはフレームレートを低減することにより圧縮する。
【0046】
圧縮部240における符号化部231は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じた設定値を用いて符号化することにより圧縮する。例えば、符号化部231は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じた割り当て符号量を用いて符号化することにより圧縮する。
【0047】
対応付け処理部206は、複数の圧縮部240が複数の特徴領域動画および背景領域動画を圧縮することによって生成した複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを、例えばタグ情報等を付帯する等して互いに対応づける。出力部207は、対応付け処理部206が対応づけた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを通信ネットワーク110に送出する。
【0048】
なお、特徴領域検出部203は、特願2008−078641号に記載された方法で特徴領域を検出してよい。例えば、特徴領域検出部203は、オブジェクト検出対象の撮像画像を所定比率で間引くことにより、または当該所定比率で段階的に間引くことより、撮像画像と一枚以上の間引画像とを含む画像群を生成する。そして、特徴領域検出部203は、生成された画像群のうちの相対的に小さい第1の画像に、第1のフィルタを作用させて、評価値を算出する。ここで、第1のフィルタは、画像上の二次元的に広がる領域に作用することで、当該領域内に特定種類のオブジェクトが存在する確率を表わす評価値を生成する。また、第1のフィルタは、画像上の領域の広さに対応する画素数が所定比率で異なる、または当該所定比率で段階的に異なる、複数の広さの領域にそれぞれ作用する複数のフィルタを含むフィルタ群のうちの、相対的に狭い領域に作用するフィルタであってよい。特徴領域検出部203は、所定の第1の閾値を越える評価値が得られた一次候補領域を、第1の画像から抽出する。
【0049】
そして、特徴領域検出部203は、第1の画像よりも画素数が一段階多い第2の画像における一次候補領域に相当する領域に、フィルタ群のうちの第1のフィルタよりも一段階広い領域に作用する第2のフィルタを作用させて、評価値を算出する。そして、特徴領域検出部203は、所定の第2の閾値を越える評価値が得られる二次候補領域を抽出する。
【0050】
ここで、特徴領域検出部203は、上述の異なる広さの領域に作用する複数のフィルタを画像群のうちの対応する広さの領域に作用させて上記候補領域を抽出する抽出過程を繰り返していく。このとき、特徴領域検出部203は、相対的に狭い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程から、相対的に広い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程を、順次に繰り返していく。具体的には、特徴領域検出部203は、相対的に小さい画像に相対的に狭い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程から相対的に大きな画像に相対的に広い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程に向けて順次に繰り返す。そして、特徴領域検出部203は、2以上の抽出過程を繰り返して最終的に候補領域を抽出することにより、特定種類のオブジェクトを検出する。そして、特徴領域検出部203は、当該特定種類のオブジェクトが存在する領域を、特徴領域として検出する。このように、特徴領域検出部203は、後の抽出過程においては、直前の過程で抽出された領域に限定してフィルタを作用させる。このため、複数の各抽出過程において順次にオブジェクトの存在の有無が選別されていき、特徴領域をより高精度に検出することができる。また、小さいサイズの画像で特徴領域の粗ぶるいが行なわれるので、より高速に特徴領域を検出することができる。
【0051】
また、特徴領域検出部203は、特願2008−078636号に記載された方法で特徴領域を検出してよい。例えば、特徴領域検出部203は、撮像画像との二次元的に広がる所定の広さの領域に作用し特定種類のオブジェクトの輪郭および内部のうちの互いに異なるいずれかの特徴量を算出する複数のフィルタを用いて、特徴領域を検出する。具体的には、特徴領域検出部203は、当該複数のフィルタを、オブジェクト検出対象の撮像画像上の所定の広さの領域にそれぞれ作用させることにより、複数の特徴量を算出する。ここで、当該複数のフィルタには、複数のフィルタそれぞれにより算出される各特徴量と特定種類のオブジェクトである確率を表わす一次評価値との対応関係が対応づけられている。特徴領域検出部203は、当該対応関係に基づいて、算出した各特徴量に対応する各一次評価値を求める。そして、特徴領域検出部203は、複数のフィルタに対応する複数の一次評価値を総合することにより、当該領域に特定種類のオブジェクトが存在する確率を表わす二次評価値を求める。そして、特徴領域検出部203は、二次評価値と閾値とを比較して、該閾値を越えて特定種類のオブジェクトが存在する確率が高い領域を抽出する。これにより、特徴領域検出部203は、当該領域を、特定種類のオブジェクトが存在する特徴領域として検出する。このように、特徴領域検出部203は、オブジェクトの輪郭・内部の様々な特徴を表わす特徴量を抽出する複数のフィルタを組み合わせることにより、例えば輪郭の形状だけによる抽出と比べて、高精度に特徴領域を抽出することができる。
【0052】
なお、特徴領域検出部203は、特願2008−078636号に記載された方法と、特願2008−078641号に記載された方法とを組み合わせた方法により、特徴領域を検出してよい。具体的には、特願2008−078636号に記載された方法に関連して説明した上記の複数のフィルタは、画素数が所定比率で異なる、または所定比率で段階的に異なる、複数の広さの領域にそれぞれ作用する、1つの広さごとに複数のフィルタを含んでよい。各フィルタのそれぞれは、当該各フィルタそれぞれに応じた上記対応関係に対応づけられてよい。そして、特徴領域検出部203は、オブジェクト検出対象の撮像画像を所定比率で間引くことにより、または所定比率で段階的に間引くことにより、撮像画像と一枚以上の間引画像とを含む画像群を生成する。そして、特徴領域検出部203は、画像群のうちの相対的に小さい第1の画像に相対的に狭い領域に作用する複数の第1のフィルタを作用させることで複数の特徴量を算出する。そして、特徴領域検出部203は、該複数の第1のフィルタそれぞれに対応する対応関係に基づいて、算出した各特徴量に対応する各一次評価値を求める。そして、特徴領域検出部203は、複数の一次評価値を総合することにより、当該領域に特定種類のオブジェクトが存在する確率を表わす二次評価値を求める。そして、特徴領域検出部203は、求められた二次評価値と第1の閾値とを比較して該第1の閾値を越えて特定種類のオブジェクトが存在する確率が高い一次候補領域を抽出する。
【0053】
また、特徴領域検出部203は、上記画像群のうちの第1の画像よりも画素数が一段階多い第2の画像の、一次候補領域に相当する領域に複数の第1のフィルタよりも一段広い領域に作用する複数の第2のフィルタを作用させることで、複数の特徴量を算出する。そして、特徴領域検出部203は、当該複数の第2のフィルタそれぞれに対応する対応関係に基づいて、算出した各特徴量に対応する各一次評価値を求める。そして、特徴領域検出部203は、複数の第2のフィルタに対応する複数の一次評価値を総合することにより、当該一次候補領域に相当する領域に特定種類のオブジェクトが存在する確率を表わす二次評価値を求める。そして、特徴領域検出部203は、求められた二次評価値と第2の閾値とを比較して第2の閾値を越えて特定種類のオブジェクトが存在する確率が高い二次候補領域を抽出する。
【0054】
ここで、特徴領域検出部203は、上述の異なる広さの領域に作用する複数のフィルタを画像群のうちの対応する広さの領域に作用させて上記候補領域を抽出する抽出過程を繰り返していく。このとき、特徴領域検出部203は、相対的に狭い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程から、相対的に広い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程を、順次に繰り返していく。具体的には、特徴領域検出部203は、相対的に小さい画像に相対的に狭い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程から相対的に大きな画像に相対的に広い領域に作用するフィルタを作用させる抽出過程に向けて順次に繰り返す。そして、特徴領域検出部203は、2以上の抽出過程を繰り返して最終的に候補領域を抽出することにより、特定種類のオブジェクトを検出する。そして、特徴領域検出部203は、当該特定種類のオブジェクトが存在する領域を、特徴領域として検出する。
【0055】
また、特徴領域検出部203は、特願2008−098600号に記載された方法で特徴領域を検出してよい。例えば、特徴領域検出部203は、複数の撮像装置100により撮像された動画に含まれる複数の撮像画像から、特徴領域を検出する。一例として、撮像装置100aおよび撮像装置100bは、互いに同一のシーンを撮影しているものとする。例えば、撮像装置100aおよび撮像装置100bは、ステレオカメラとして機能することができる。また、以下の説明では、撮像装置100aが撮像した第1の撮像画像と、撮像装置100bが撮像した第2の撮像画像とを、ペア画像と呼ぶ。特徴領域検出部203は、ペア画像から、該ペア画像に写し出された特定種類のオブジェクトを検出して、検出した特定種類のオブジェクトの領域を、特徴領域として検出する。
【0056】
特徴領域検出部203は、ペア画像とみなされる第1および第2の各撮像画像について、各撮像画像上において、特定種類のオブジェクトが写し込まれた領域を抽出する。ここでは、特徴領域検出部203は、特定種類のオブジェクトが写し込まれた領域を、粗い検出精度で検出してよい。そして、特徴領域検出部203は、抽出した第1の撮像画像上の領域と第2の撮像画像上の領域の中から、互いに対応する領域のペアを検出することにより、特定種類のオブジェクトを検出する。例えば、特徴領域検出部203は、当該ペアの領域の画像から、当該領域に写し込まれた被写体までの距離を算出する。特徴領域検出部203は、被写体までの距離に基づく被写体の3次元形状に基づいて、特定種類のオブジェクトを検出することができる。
【0057】
ここで、特徴領域検出部203は、互いに対応する領域のペアを検出する場合に、ペア画像とみなされる第1および第2の撮像画像から検出した、特定種類のオブジェクトが写し込まれた領域を、複数のサブ領域に分ける。そして、特徴領域検出部203は、各サブ領域に写し出された部分画像を特徴づける特徴量の、複数のサブ領域に渡るベクトルを算出する。ここで、特徴量としては、画素値を例示することができる。また、複数のサブ領域に渡るベクトルとしては、勾配ベクトル(例えば、画素値勾配ベクトル)を例示することができる。そして、特徴領域検出部203は、算出された第1の画像上の領域のベクトルと第2の画像上のベクトルとの間の論理上の距離を算出する。特徴領域検出部203は、論理上の距離が予め定められた値より小さい領域のペアを、互いに対応する領域のペアとして検出する。なお、上記論理上の距離としては、ベクトルを形成する各成分どうしの差に対する二乗和の平方根を例示することができる。このようにして、特徴領域検出部203は、ペア画像から対応する領域のペアを高精度で抽出することができるので、被写体までの距離を高精度で算出することができる。したがって、特徴領域検出部203は、被写体の3次元形状を高精度で認識することができ、その結果、特定種類のオブジェクトをより高精度で検出することができる。
【0058】
また、特徴領域検出部203は、特願2008−091562号に記載された方法で特徴領域を検出してよい。例えば、特徴領域検出部203は、動画に含まれる複数の撮像画像のそれぞれから、特定種類の被写体に類似した類被写体形状を、当該類被写体形状の寸法と当該撮像装置100の画角上の位置情報とを伴って抽出する。画角上の位置情報としては、撮像画像における画像領域上の位置を例示することができる。そして、特徴領域検出部203は、抽出した類被写体形状の被写体が特定種類の被写体であるか否かを判定して該特定種類の被写体を抽出する。例えば、特徴領域検出部203は、類被写体形状の被写体の周囲の予め定められたサーチ領域から、同一寸法に分類された類被写体形状の被写体が検出された個数を計数して、当該計数値が閾値以上の場合に、当該類被写体形状の被写体を特定種類の被写体として抽出してよい。そして、特徴領域検出部203は、特定種類の被写体を含む領域を、特徴領域として検出してよい。このため、特徴領域検出部203は、所定の寸法に近い寸法の被写体が集中して検出された画像領域内の類被写体形状の被写体を、特定種類の被写体として検出することができる。そして、当該画像領域以外の領域における類被写体形状の被写体を、特定種類の被写体として検出しなくてよい。このため、当該画像領域以外の領域における類被写体形状の被写体を、特定種類の被写体として誤検出する確率を低減することができる。
【0059】
なお、撮像装置100が画角を可変して撮像することができる場合、上記の画角上の位置情報としては、撮像装置100の撮像方向および撮像画像上の位置を例示することができる。また、複数の撮像装置100により、一の撮像装置100が撮像する被写界より広い連続した被写界を撮像することができる場合、上記の画角上の位置情報としては、複数の撮像装置100のそれぞれの撮像方向、および複数の撮像装置100のそれぞれにより撮像された撮像画像上の位置を例示することができる。
【0060】
なお、本図の構成では、画像処理装置120が有する複数の圧縮部240のそれぞれが複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ圧縮したが、他の構成では、画像処理装置120は一の圧縮部240を有してよく、一の圧縮部240が、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ異なる強度で圧縮してよい。例えば、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像が一の圧縮部240に時分割で順次供給され、一の圧縮部240が、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ異なる強度で順次圧縮してよい。
【0061】
他にも、一の圧縮部240は、複数の特徴領域の画像情報および背景領域の画像情報を異なる量子化係数でそれぞれ量子化することによって、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ異なる強度で圧縮してよい。また、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像がそれぞれ異なる画質の画像に変換された画像が一の圧縮部240に供給され、供給された複数の特徴領域の画像および背景領域の画像を一の圧縮部240がそれぞれ圧縮してよい。
【0062】
また、上記のように一の圧縮部240が領域毎に異なる量子化係数で量子化したり、領域毎に異なる画質に変換された画像を一の圧縮部240が圧縮する形態では、一の圧縮部240は、一の画像を圧縮してもよく、本図で説明したように画像分割部204によって分割された画像をそれぞれ圧縮してもよい。なお、一の圧縮部240が一の画像を圧縮する場合には、画像分割部204による分割処理および固定値化部211による固定値化処理はなされなくてよいので、画像処理装置120は、画像分割部204および固定値化ユニット210を有しなくてよい。
【0063】
図3は、画像処理装置170のブロック構成の一例を示す。画像処理装置170は、圧縮動画取得部301、対応付け解析部302、圧縮動画伸張ユニット310、合成部303、および出力部304を有する。圧縮動画伸張ユニット310は、複数の圧縮動画伸張部311a−d(以下、圧縮動画伸張部311と総称する。)を含む。
【0064】
圧縮動画取得部301は、出力部207が出力した、対応づけられた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを取得する。対応付け解析部302は、例えば付帯されたタグ情報を解析して、圧縮動画取得部301が取得した対応づけられた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを取り出す。
【0065】
圧縮動画伸張部311は、複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを復号する。具体的には、圧縮動画伸張部311aは背景領域動画データを復号する。また、圧縮動画伸張部311b−dは、複数の特徴領域動画データのうち、一の特徴領域動画を復号して、複数の特徴領域動画および背景領域動画を取得する。なお、圧縮動画伸張部311b−dは、特徴の種類ごとに設けられ、それぞれ、いずれかの種類の特徴領域動画データを復号する。
【0066】
合成部303は、圧縮動画伸張部311が復号することによって得られた動画構成画像を合成する。具体的には、合成部303は、圧縮動画伸張部311b−dにより復号された複数の特徴領域動画のそれぞれが含む動画構成画像の特徴領域の画像を、背景領域動画が含む動画構成画像に重ね合わせた動画構成画像を生成する。出力部304は、合成部303が生成した複数の動画構成画像を含む動画を、表示装置180に供給する。なお、出力部304は、合成部303が生成した複数の動画構成画像を含む動画を、画像DB175に記録してもよい。なお、画像処理装置170は、出力部207から対応づけられて出力された複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを、画像DB175に記録してよい。この場合、圧縮動画取得部301は、画像DB175に記録されている、対応づけられた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを取得してもよい。
【0067】
なお、本実施形態の圧縮動画伸張ユニット310は、特徴の種類の数に応じた複数の圧縮動画伸張部311を含むが、他の形態では、圧縮動画伸張ユニット310が含む一の圧縮動画伸張部311が、背景領域動画データおよび複数の特徴領域動画データを順次復号してもよい。また、画像処理装置120から一の動画データとして提供される場合には、一の圧縮動画伸張部311が当該一の動画データを復号して、復号した得られた動画を出力部304が出力してもよい。
【0068】
図4は、画像処理装置120の処理フローの一例を示す。圧縮動画取得部201が撮像動画データを取得(401)。圧縮動画伸張部202は、撮像動画データを復号することによって複数のフレーム画像410を生成する。特徴領域検出部203は、フレーム画像410の画像内容又は複数のフレーム画像410の画像内容に基づいて、特徴領域の一例であるROI(Region of interest)を検出する(402)。
【0069】
特徴領域検出部203は、人物の顔、人体、および移動物体を含む領域を、異なる種類のROIとして検出する。例えば、特徴領域検出部203は、予め定められた人物の顔に関するパターンに対する一致度が、予め定められた一致度より大きいオブジェクトを含む領域をパターンマッチング等により検出して、検出した顔領域をROIとする。また、特徴領域検出部203は、人物の体に関するパターンに対する一致度が予め定められた一致度より大きいオブジェクトを含む人体領域をパターンマッチング等により検出して、検出した領域をROIとする。なお、特徴領域検出部203は、顔領域の近傍に存在する領域から人体領域を検出してもよい。
【0070】
また、特徴領域検出部203は、複数のフレーム画像の画像内容に基づいて、移動物体を含む領域である動領域を特定する。例えば、他のフレーム画像との間で画素値の変化量が予め定められた変化量より大きい領域を、動領域として特定する。他にも、特徴領域検出部203は、エッジ抽出等により複数のフレーム画像のそれぞれに含まれるオブジェクトを抽出する。そして、特徴領域検出部203は、他のフレーム画像の異なる位置に含まれるオブジェクトであって、予め定められた一致度より大きい一致度で一致するオブジェクトを特定して、特定したオブジェクトを含む領域を動領域として特定してもよい。
【0071】
このように、特徴領域検出部203は、予め定められた画像内容に関する条件に適合する領域を、ROIとして検出する。より具体的には、特徴領域検出部203は、予め定められた条件に適合するオブジェクトを含む領域を、ROIとして検出する。例えば、特徴領域検出部203は、予め定められた形状との間の一致度が予め定められた一致度より大きいオブジェクトを含む領域を、ROIとして検出する。また、特徴領域検出部203は、画像の変化量が予め定められた変化量より大きい領域を、ROIとして検出する。例えば、他のフレーム画像との間で画素値の変化量が予め定められた変化量より大きい領域をROIとして検出する。
【0072】
なお、特徴領域検出部203は、上記の人物の顔、人体の他に、人物の頭部の一部の部位または人物の手等の人体の一部の部位、あるいは人体以外の生体の少なくとも一部の部位が撮像されている領域を、ROIとして検出することができる。なお、生体とは、生体内部の腫瘍組織または血管等のように、生体の内部に存在する特定の組織を含む。他にも、特徴領域検出部203は、生体の他にも、貨幣、キャッシュカード等のカード、車輌、あるいは車両のナンバープレートが撮像された領域をROIとして検出してよい。
【0073】
また、特徴領域検出部203は、テンプレートマッチング等によるパターンマッチングの他にも、例えば特開2007−188419号公報に記載された機械学習(例えば、アダブースト)等による学習結果に基づいて、ROIを検出することもできる。例えば、予め定められた被写体の画像から抽出された画像特徴量と、予め定められた被写体以外の被写体の画像から抽出された画像特徴量とを用いて、予め定められた被写体の画像から抽出された画像特徴量の特徴を学習する。そして、特徴領域検出部203は、当該学習された特徴に適合する特徴を有する画像特徴量が抽出された領域を、ROIとして検出してよい。これにより特徴領域検出部203は、予め定められた被写体が撮像されている領域をROIとして検出することができる。なお、特徴領域検出部203は、矩形を含む任意の形状を有するROIを検出してよい。
【0074】
そして、画像処理装置120は、検出されたROIに基づいて圧縮用動画を生成する(403)。具体的には、画像分割部204は、フレーム画像をROIとそれ以外の領域に分割する。そして、画像生成部205は、複数のフレーム画像410を複製することによって、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450と、背景領域動画420とを生成する。具体的には、画像生成部205は、複数のフレーム画像410を複製することによって、顔領域用の特徴領域動画450、人領域用の特徴領域動画440、動領域用の特徴領域動画430、および背景領域用の背景領域動画420を生成する。
【0075】
そして、画像処理装置120は、固定値化部211および画質低減部221により、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450と、背景領域動画420とに対して、画質を低減する(404a、404b、404c、404d)。具体的には、固定値化部211は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のそれぞれが含むフレーム画像において、画像分割部204が分割したROI内の画素値は変化させず、ROI以外の領域に対する画素値を所定の値(例えば、輝度値0)にする。なお、固定値化部211は、ROI以外の領域の画素値を、当該ROIに近傍する領域の画素値の平均的な画素値にしてよい。
【0076】
このように、画像生成部205および固定値化部211により、同じ視野角の複数のフレーム画像をそれぞれ含む特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450および背景領域動画420が生成される。なお、後に詳しく説明するように、画像処理装置170は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のようなROI以外の領域が固定値化されている動画を、背景領域動画420に重ね合わせた動画を生成する。したがって、背景領域動画420、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450は、それぞれ背景レイヤー、動領域レイヤー、人領域レイヤー、および顔領域レイヤーとみなすことができる。
【0077】
また、画質低減部221は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のそれぞれが含むフレーム画像におけるROI内の画像の画質を、特徴の種類に応じて低減する。具体的には、顔領域、人領域、および動領域のそれぞれの画質を定めるパラメータとして、解像度、階調数、および色数の少なくとも1つが予め定められている。例えば、顔領域、人領域、動領域の順に高い解像度が予め定められている。
【0078】
そして、画質低減部221は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のそれぞれが含むフレーム画像におけるROI内の画像の画質を、特徴の種類に対して予め定められた解像度、階調数、および色数の画像に変換する。また、画質低減部221は、背景領域動画のフレーム画像の画質を、ROI内の画像の画質より低くする。例えば、画質低減部221は、背景領域動画のフレーム画像の解像度を、ROI内の画像のより小さくする。
【0079】
また、画質低減部221は、背景領域動画420、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のフレームレートを低減する。例えば、特徴の種類ごとに、例えば顔領域、人領域、および動領域ごとに、予めフレームレートが定められている。そして、画質低減部221は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450に含まれるフレーム画像を、特徴の種類に応じて予め定められたフレームレートに従って所定の間隔で間引くことによって、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のフレームレートを低減する。また、画質低減部221は、背景領域動画420に含まれるフレーム画像を、背景領域動画のフレームレートとして予め定められたフレームレートに従って間引くことによって、背景領域動画420のフレームレートを低減する。
【0080】
なお、画質低減部221aは、背景領域動画420の画質を低減する。また、画質低減部221b、画質低減部221c、および画質低減部221dは、それぞれ特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450の画質を低減する。
【0081】
そして、背景領域動画符号化部231a、および領域動画符号化部231b−dは、画質低減部221により画質が低減された動画をそれぞれ符号化する(405a、405b、405c、405d)。例えば、背景領域動画符号化部231a、および領域動画符号化部231b−dは、画質低減部221により画質が低減された動画をそれぞれMPEG符号化する。
【0082】
例えば、背景領域動画符号化部231aは、背景領域動画用の符号化設定で背景領域動画をMPEG符号化する。特徴領域動画符号化部231b、特徴領域動画符号化部231c、および特徴領域動画符号化部231dは、それぞれ動領域、人領域、および顔領域のそれぞれの特徴領域動画用の符号化設定で、特徴領域動画をそれぞれMPEG符号化する。なお、符号化設定は、例えばMPEG符号化における量子化テーブルを設定することを含む。なお、符号化設定については図5に関連して説明する。
【0083】
そして、対応付け処理部206は、背景領域動画符号化部231aおよび特徴領域動画符号化部231b−dが符号化することによって得られた背景領域動画データおよび複数の特徴領域動画データにタグ情報を付帯する等して関連付けして、出力部207が表示装置180に出力する(406)。このとき、対応付け処理部206は、背景領域動画および複数の特徴領域動画のそれぞれが含むフレーム画像の表示タイミングを示す情報を含むタイミング情報(例えば、タイムスタンプ)を、タグ情報等に付加してよい。また、対応付け処理部206は、複数の特徴領域の範囲をそれぞれ示す情報を含む特徴領域情報、背景領域動画および複数の特徴領域動画の元となった撮像動画データを撮像した撮像装置100を識別する識別情報等を、タグ情報等に付加してよい。
【0084】
以上説明したように、特徴領域検出部203は、画像である動画に含まれる複数の動画構成画像から、被写体の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。そして、圧縮部240は、複数の特徴領域動画を、それぞれの被写体の種類に応じた強度で圧縮する。なお、本実施形態では、被写体の種類の一例として人物の顔および人体領域について説明したが、他の例では、自動車のナンバープレートおよびナンバープレート以外の車体を被写体の種類としてよい。
【0085】
また、人物の正面の顔および横顔を被写体の種類としてもよい。また、静止している被写体および動いている被写体を被写体の種類としてもよい。また、特徴領域検出部203は、撮像装置100から被写体までの距離が異なる複数の被写体を含む領域を、特徴の種類が異なる複数の特徴領域として検出してもよい。
【0086】
なお、圧縮部240は、特徴の種類の一例である、動き領域、人体、人物の横顔、人物の正面の顔がに大きい圧縮強度で圧縮してよい。なお、本実施形態では、画像処理システム10を監視システムとして利用する利用目的を鑑みて、人物の顔を含む領域をROIとして検出して、検出したROIをROI以外の領域より高画質にするとした。しかしながら、画像処理システム10を、例えば街角の風景を撮像するシステムとして利用することもできる。このような形態で画像処理システム10を利用する場合には、個人情報を保護することを目的として、人物の顔を含む領域をROIとして検出して、検出したROIをROI以外の領域より低画質にしてもよい。例えば圧縮部240は、人物の正面の顔、人物の横顔、人体、動き領域、背景領域の順に大きい圧縮強度で、特徴領域動画および背景領域動画を圧縮してよい。
【0087】
その他にも、特徴領域検出部203は、複数のフレーム画像から、被写体の速度が異なる複数の特徴領域を検出してもよい。この場合、画質低減部221は、特徴領域動画を、被検体の速度がより速いほど、より高いフレームレートの動画に変換してもよい。このように、圧縮部240は、複数の特徴領域動画を、それぞれの被写体の速度に応じた強度で圧縮してよい。
【0088】
以上説明したように、画像処理装置120は、特徴領域動画に含まれるフレーム画像におけるROI以外の領域を固定値化して、視野角が同じ複数の特徴領域動画および背景領域動画を生成する。このため、画像処理装置120によると、特別に設計された符号化器を使用することなく、汎用の符号化器を使用して特徴領域動画を高い圧縮率で圧縮することができる場合がある。例えば、MPEG符号化等のように動きベクトルを用いて特徴領域動画を符号化すると、固定値化した領域中のマクロブロックについては画素値の差分値が0になる場合が多くなる。したがって、このような固定値化により、圧縮率を高く維持しながら画像処理装置120の製造コストを低減することができる場合がある。
【0089】
以上の説明では、圧縮部240は、ROI領域以外の領域が固定値化されたフレーム画像を含む特徴領域動画を圧縮することとした。なお、圧縮部240は、特徴領域動画に含まれるフレーム画像におけるROI内の画像を切り出して圧縮して特徴領域動画として出力してもよい。
【0090】
なお、特徴領域検出部203がROIを検出していない場合には、出力部207は、圧縮部240aが出力する背景領域動画データを画像処理装置170に出力する。この場合、画像生成部205は特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450を生成しなくてよい。そして、画像生成部205は、特徴領域検出部203がROIを検出したことを条件として、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450を生成して、出力部207は上記の処理によって生成された複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを画像処理装置170に出力する。この間、圧縮部240aは、背景領域動画420を圧縮すべく予め定められた背景領域用圧縮率で背景領域動画420を圧縮しつづけてよい。
【0091】
その他にも、特徴領域検出部203がROIを検出していない間には、圧縮部240は、背景領域用圧縮率より低く、かつ、特徴領域動画を圧縮する圧縮率より高い、予め定められたROI非検出期間圧縮率で、背景領域動画を圧縮してよい。そして、圧縮部240は、特徴領域検出部203がROIを検出したことを条件として、背景領域動画を背景領域用圧縮率で圧縮してよい。このとき、圧縮部240は、特徴領域動画をROI非検出期間圧縮率より低い圧縮率で圧縮してよい。
【0092】
なお、圧縮部240は、特徴領域検出部203がROIを検出してから予め定められた期間の背景領域動画をROI非検出期間圧縮率で圧縮するとともに、予め定められた期間より長い期間が経過したことを条件として、背景領域動画を背景領域用圧縮率で圧縮してよい。こうすると、本来ROIとして検出されるべき領域がROIとして検出されなかった場合でも、ある程度の画質の背景領域動画を提供することができる場合がある。また、圧縮部240は、特徴領域検出部203が検出した複数のフレーム画像におけるROI領域の位置から推定される他のフレーム画像におけるROI領域を含む領域の画質を、他の領域の画質より高い画質にすべく、圧縮率を領域ごとに異ならせてもよい。
【0093】
図5は、複数の特徴領域動画および背景領域動画の画質の一例を示す。ここでは、説明を簡単にすることを目的として、圧縮動画取得部201が取得した撮像動画データのフレームレートが16fpsであり、当該撮像動画データに含まれるフレーム画像の解像度が72dpiであるとする。
【0094】
撮像動画に含まれるフレーム画像410の解像度に対する画質低減後の背景領域動画420に含まれるフレーム画像の解像度の比率を示す解像度比率は予め1/8と定められている。画質低減部221は、画像生成部205によって撮像動画が複製されることによって生成された画質低減前の背景領域動画420に含まれるフレーム画像に対して1/8の解像度である9dpiのフレーム画像を、画質低減前の背景領域動画420に含まれるフレーム画像の画素を間引くことによって生成する。また、撮像動画のフレームレートに対する画質低減後の背景領域動画420のフレームレートの比率を示すフレームレート比率は予め1/8と定められている。画質低減部221は、画質低減前の背景領域動画420のフレームレートの1/8のフレームレートである2fpsのフレームレートの背景領域動画420を、画質低減前の背景領域動画420に含まれるフレーム画像を間引くことによって生成する。
【0095】
同様に、複数の特徴領域動画のそれぞれに対しても、解像度比率およびフレームレート比率が定められている。例えば、特徴領域動画430については解像度比率およびフレームレート比率は1/4が定められており、特徴領域動画440については解像度比率およびフレームレート比率として1/2が定められており、特徴領域動画450については解像度比率およびフレームレート比率として1/1が定められている。これにより、画質低減部221bは、フレームレートが4fps、フレーム画像の解像度が18dpiの特徴領域動画430を生成する。また、画質低減部221cは、フレームレートが8fps、フレーム画像の解像度が36dpiの特徴領域動画440を生成する。また、画質低減部221dは、フレームレートが16fps、フレーム画像の解像度が72dpiの特徴領域動画450を生成する。
【0096】
なお、上記の例では、画質低減部221が複数の特徴領域動画および背景領域動画に含まれるフレーム画像の画素を間引くことによってフレーム画像の画質を低減する場合を例に挙げて説明した。その他にも、画質低減部221は、例えばローパスフィルタ等の、所定の周波数領域を通過するフィルタを用いてフレーム画像の画質を低減してもよい。この場合、フィルタが通過する周波数帯域および通過する度合いを示す強度は、特徴の種類ごと、例えば背景領域、動領域、人領域、および顔領域ごとに予め定められてよい。
【0097】
なお、画質低減部221による画質低減に加えて、又は画質低減部221による画質低減に替えて、符号化部231がフレーム画像の画質を低減してもよい。例えば、符号化部231が、MPEG符号化における量子化テーブルの値を大きくすることによって、画質を低減することができる。量子化テーブルの値の大きさは、特徴の種類ごとに予め定められてよい。例えば、背景領域動画符号化部231aおよび複数の特徴領域動画符号化部231b−dのそれぞれが、予め設定された値を持つ量子化テーブルを用いて符号化してよい。また、量子化テーブルにおける周波数成分ごとの値が特徴の種類ごとに予め定められていてよい。
【0098】
また、画質低減部221はさらに、背景領域動画に含まれる複数のフレーム画像を平均化してもよい。これによれば、移動物体を示すオブジェクトがフレーム画像に含まれている場合に、移動物体のオブジェクトが平均化されたフレーム画像が得られる。そして、このような複数のフレーム画像を連続表示させると、移動物体の動きが閲覧者の目に滑らかに映る場合がある。
【0099】
なお、以上の説明では、画像生成部205が撮像動画を複製してから、複製して得られた複数の特徴領域動画および背景領域動画に含まれるフレーム画像を間引いたり、画素を間引いたりすることによって、複数の特徴領域動画および背景領域動画を圧縮する形態について説明した。その他にも、画像生成部205は、撮像動画に含まれる複数のフレーム画像をフレームレート比率に従って間引いて選択することによって、フレームレートが低減された複数の特徴領域動画および背景領域動画を生成してもよい。その後に、固定値化部211aが固定値化して、画質低減部221が解像度を低減することによって、複数の特徴領域動画および背景領域動画の画質を低減してよい。
【0100】
図6は、画像処理装置170の処理フローの一例を示す。圧縮動画取得部301は、画像処理装置120から、対応づけされた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを取得して、付帯されたタグ情報によりタイミング情報、撮像装置100を識別する情報等を取得する(601)。そして、圧縮動画伸張部311は、それぞれ複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを復号することにより、背景レイヤーを示す背景領域動画610を生成する。(602a)同時に、圧縮動画伸張部311は、動領域レイヤーを示す特徴領域動画620、人領域レイヤーを示す特徴領域動画630、および顔領域レイヤーを示す特徴領域動画640を生成する(602b、602c、および602d)。
【0101】
合成部303は、背景領域動画610並びに特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640に含まれるフレーム画像を合成する(603)。このとき、合成部303は、背景領域動画および複数の特徴領域動画のそれぞれに含まれるフレーム画像の解像度に応じて、最大の解像度を有するフレーム画像と同じ位置の被写体が重ね合うようフレーム画像を拡大して、拡大したフレーム画像を重ね合わせて合成フレーム画像を生成する。
【0102】
このとき、合成部303は、特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640に含まれるフレーム画像における特徴領域の画像を切り出して、背景領域動画610に含まれるフレーム画像に上書きすることによって合成フレーム画像を生成する。また、合成部303は、背景領域動画610並びに特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640のフレームレートが異なる場合には、背景領域動画610並びに特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640の最新のフレーム画像を合成する。
【0103】
これにより、合成部303は、合成フレーム画像を生成する。合成部303は、複数の合成フレーム画像を含む合成動画650を生成する。そして、出力部304は、圧縮動画取得部301が取得したタグ情報等に基づいて、合成動画を表示させる表示装置180を選択して、選択した表示装置180に合成動画を供給する(604)。
【0104】
図7は、複数の動画構成画像において特徴領域を特定する方法の一例を示す。図7において、上段に示す動画700は、特徴領域検出部203によって選択画像の特徴領域が検出された動画を示す。一方、図7において、下段に示す動画700は、特徴領域特定部252によって非選択画像の特徴領域が特定された動画を示す。また、動画700は、連続している動画構成画像701−705を含んでいる。
【0105】
動画700に含まれる動画構成画像のうち、動画構成画像701および動画構成画像705は、動画700の中から任意に選択された選択画像を示す。例えば、動画構成画像701および動画構成画像705は、MPEG符号化におけるIフレームである。また、動画700に含まれる動画構成画像のうち、動画構成画像702、動画構成画像703、および動画構成画像704は、動画700の中から任意に選択された選択画像ではない非選択画像を示す。例えば、動画構成画像702、動画構成画像703、および動画構成画像704は、MPEG符号化におけるBフレームまたはPフレームである。
【0106】
ここで、動画構成画像701および動画構成画像705は、選択画像であることから、図7の上段に示すように、特徴領域検出部203によって、動画構成画像701は、特徴領域701aが検出されており、動画構成画像705は、特徴領域705aが検出されている。一方、動画構成画像702、動画構成画像703、および動画構成画像704は、非選択画像であることから、図7の上段に示すように、特徴領域は検出されていない。
【0107】
そこで、特徴領域特定部252は、特徴領域701aの位置および特徴領域705の位置に基づいて、動画構成画像702における特徴領域702a、動画構成画像703における特徴領域703b、および動画構成画像704における特徴領域704bを特定している。これにより、動画構成画像701−705は、図7の下段に示すように、それぞれ特徴領域が特定された状態となる。
【0108】
特徴領域特定部252は、特徴領域701aの位置および特徴領域705aの位置に基づいて、動画700の動きベクトルを用いて、特徴領域702a、特徴領域703b、および特徴領域704bを特定している。なお、特徴領域特定部252は、特徴領域701aの位置および特徴領域705aの位置に基づいて、線形補間により、特徴領域702a、特徴領域703b、および特徴領域704bを特定してもよい。
【0109】
このように、本実施形態の画像処理装置120は、選択画像に対しては、特徴領域検出部203が、特徴領域を検出している。一方、非選択画像に対しては、特徴領域特定部252が、選択画像の特徴領域に基づいて、特徴領域を特定している。これにより、本実施形態の画像処理装置120を、実際の監視システムに適用した場合には、特徴領域検出部203による特徴領域の検出処理回数を軽減することができる場合があり、結果的に、動画に含まれる複数の動画構成画像から特徴領域を特定するときの、処理時間を短縮することができる場合がある。
【0110】
図8は、包含領域以外の領域を固定値化する方法の一例を示す。図8において、動画800は、包含領域特定部261によって包含領域が特定され、固定値化部211によって包含領域以外の領域が固定値化された動画を示す。また、動画800は、連続する動画構成画像801−805を含んでいる。
【0111】
動画構成画像801の特徴領域および動画構成画像805の特徴領域は、特徴領域検出部203によって検出されている。動画構成画像802の特徴領域、動画構成画像803の特徴領域、および動画構成画像804の特徴領域は、特徴領域特定部252によって特定されている。そして、動画構成画像801−805のそれぞれにおいて、包含領域810は、包含領域特定部261によって特定された、動画構成画像801−805のそれぞれの特徴領域を包含する領域を示す。また、動画構成画像801−805のそれぞれにおいて、包含領域810以外の領域は、固定値化部211によって画素値が「0」に固定値化されている。
【0112】
このように、本実施形態の画像処理装置120は、複数の動画構成画像の特徴領域を包含する包含領域を特定した後に、包含領域以外の領域を固定値化する。これにより、本実施形態の画像処理装置120を、実際の監視システムに適用した場合には、動画構成画像間における包含領域以外の領域における画素値の差分量を少なくすることができ、結果的に、動画構成画像間における差分データの圧縮率を高めることができる。
【0113】
図9は、動画構成画像の参照関係の一例を示す。上述したように、撮像装置100から供給された撮像動画データがフレーム間圧縮を用いた圧縮方式で圧縮されている場合、撮像動画データには、一の動画構成画像における部分領域(例えば、マクロブロック、スライスなど)の画像と他の動画構成画像における対応する大きさの画像領域の画像との間の差分データが含まれる。また、撮像動画データには、当該一の動画構成画像における部分領域の位置と、当該部分領域の差分対象となった画像領域の位置との間の位置差を示す動きベクトル情報が、撮像動画データに含まれる。
【0114】
これらの領域は、動きベクトルで互いに結びつけられているということができる。そして、本実施形態では、部分領域の差分対象領域のことを、部分領域が参照している領域と呼ぶ。そして、本実施形態では、一の動画構成画像における部分領域と動きベクトルで結び付けられた他の動画構成画像における部分領域を、直接的な参照関係がある部分領域とする。また、これらの直接的な部分領域を含む領域どうしを、直接的な参照関係がある領域とする。また、これらの直接的な部分領域を含む動画構成画像どうしを、直接的な参照関係がある動画構成画像とする。
【0115】
また、他の動画構成画像も、さらなる他の動画構成画像と動きベクトルで結びつけられている。この場合、当該一の動画構成画像における部分領域と直接的な参照関係がある他の動画構成画像における部分領域が、さらなる他の動画構成画像における部分領域と直接的な参照関係がある場合がある。この場合、さらなる他の動画構成画像における部分領域を、当該一の動画構成画像における部分領域と間接的な参照関係がある部分領域とする。また、これらの間接的な部分領域を含む領域どうしを、間接的な参照関係がある領域とする。また、これらの間接的な部分領域を含む動画構成画像どうしを、間接的な参照関係がある動画構成画像とする。このように、一の動画構成画像における部分領域と他の動画構成画像における部分領域とが、複数の直接的な参照関係で結ばれている場合に、これらの部分領域を間接的に参照関係にある部分領域とする。
【0116】
本図に示されるように、撮像動画に含まれる動画構成画像910−1〜7(以下、動画構成画像910と総称する場合がある。)のうち、動画構成画像910−1がIフレームであり、動画構成画像910−4および動画構成画像910−7がPフレームであり、それ以外の動画構成画像910がBフレームであるとする。この場合、例えば、動画構成画像910−2〜4は、動画構成画像910−1と直接的な参照関係にありえる。なお、本図では、直接的な参照関係にありえる動画構成画像どうしが、フレーム間予測の予測方向を示す矢印901〜909で結ばれて示されている。
【0117】
図10は、参照関係で結ばれた特徴領域の一例を示す。以下の説明では、動画構成画像910のそれぞれの画像領域を一の画像領域1000で示す。本図の(a)を参照して、特徴領域1011は、特徴領域検出部203が、動画構成画像910−1から検出した特徴領域であるとする。一例として、特徴領域検出部203は、テンプレートマッチング等の画像認識処理により、特徴領域1011を検出する。
【0118】
特徴領域特定部252は、特徴領域1011に含まれるマクロブロックを起点として、当該マクロブロックに関連づけられた動きベクトルを複数の動画構成画像にわたって辿っていく。なお、マクロブロックに関連づけられた動きベクトルは、当該マクロブロックとの差分対象となる画像領域の位置と当該マクロブロックの位置との間の位置差を示す情報であってよい。また、マクロブロックに関連づけられた動きベクトルは、当該マクロブロックの少なくとも一部の画像領域を他のマクロブロックの差分対象である場合に、当該マクロブロックの少なくとも一部の画像領域の位置と当該他のマクロブロックの位置との間の位置差を示す情報であってよい。
【0119】
これにより、特徴領域特定部252は、特徴領域1011に含まれるマクロブロックと直接的または間接的な参照関係にある、他の動画構成画像における領域を特定する。そして、特徴領域特定部252は、当該直接的または間接的な参照関係にある領域を含む領域を、他の動画構成画像における特徴領域として特定する。例えば、特徴領域特定部252は、当該直接的または間接的な参照関係にある領域を含み、特徴領域1011と同じ大きさの領域を、他の動画構成画像における特徴領域として特定してよい。
【0120】
例えば、特徴領域特定部252は、特徴領域1011の位置、および参照関係900、および動画構成画像910−4に関連づけられた動きベクトルに基づいて、動画構成画像910−1と直接的な参照関係にある動画構成画像910−4における特徴領域1014を特定することができる。また、特徴領域特定部252は、参照関係908および動画構成画像910−6に関連づけられた動きベクトルにさらに基づいて、動画構成画像910−1と間接的な参照関係にある動画構成画像910−6における特徴領域1016を特定することができる。このように、特徴領域特定部252は、特徴領域1011と特徴領域1014との間の位置差を示す特徴領域ベクトル1010−1と、特徴領域1014と特徴領域1016との間の位置差を示す特徴領域ベクトル1010−2とを算出することができる。
【0121】
また、本図の(b)を参照して、特徴領域1023は、特徴領域検出部203が、動画構成画像910−3から検出した特徴領域であるとする。一例として、特徴領域検出部203は、テンプレートマッチング等の画像認識処理により、特徴領域1023を検出する。
【0122】
特徴領域特定部252は、特徴領域1023の位置、参照関係903、および動画構成画像910−3に関連づけられた動きベクトルに基づいて、動画構成画像910−3と直接的な参照関係にある動画構成画像910−1における特徴領域1021を特定することができる。また、特徴領域特定部252は、参照関係900および動画構成画像910−4に関連づけられた動きベクトルにさらに基づいて、動画構成画像910−3と間接的な参照関係にある動画構成画像910−4における特徴領域1024を特定することができる。
【0123】
また、特徴領域特定部252は、参照関係905および動画構成画像910−7に関連づけられた動きベクトルにさらに基づいて、動画構成画像910−3と間接的な参照関係にある動画構成画像910−7における特徴領域1027を特定することができる。また、特徴領域特定部252は、参照関係909および動画構成画像910−6に関連づけられた動きベクトルにさらに基づいて、動画構成画像910−3と間接的な参照関係にある動画構成画像910−6における特徴領域1026を特定することができる。このように、特徴領域特定部252は、特徴領域1023と特徴領域1021との間の位置差を示す特徴領域ベクトル1020−2と、特徴領域1021と特徴領域1024との間の位置差を示す特徴領域ベクトル1020−2と、特徴領域1024と特徴領域1027との間の位置差を示す特徴領域ベクトル1020−3と、特徴領域1027と特徴領域1026との間の位置差を示す特徴領域ベクトル1020−4とを算出することができる。
【0124】
このように、特徴領域特定部252は、選択画像における特徴領域の位置、および複数の動画構成画像における動きベクトルに基づいて、非選択画像における特徴領域の位置を特定することができる。具体的には、特徴領域特定部252は、選択画像における特徴領域の位置、非選択画像における動きベクトル、および、選択画像における特徴領域および非選択画像と動きベクトルによって直接的または間接的な参照関係にある1以上の動画構成画像における動きベクトルに基づいて、選択画像における特徴領域と動きベクトルによって間接的な参照関係にある非選択画像における特徴領域の位置を特定する。具体的には、特徴領域特定部252は、選択画像における特徴領域と動きベクトルによって間接的な参照関係にある領域である参照関係領域を特定して、特定した参照関係領域の少なくとも一部を含む領域を、特徴領域として特定する。このため、特徴領域特定部252は、非選択画像における特徴領域を高速に特定することができる。
【0125】
図11は、動画構成画像910−6における特徴領域の一例を示す。ここで、特徴領域1110は、特徴領域検出部203がテンプレートマッチング等の画像認識処理により検出された特徴領域とする。また、参照関係領域1116は、図9および図10に関連して説明したように、特徴領域特定部252が選択画像における特徴領域との直接的または間接的な参照関係に基づいて特定した領域であるとする。図9および図10に関連する説明では、特徴領域特定部252は、参照領域を特徴領域として特定したが、本図の例では、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203が検出した特徴領域と、参照関係領域とに基づいて、特徴領域を特定する。
【0126】
具体的には、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203により検出された特徴領域1110と、参照関係領域1116とを包含する領域を、特徴領域として特定してよい。具体的には、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203により検出された特徴領域1110と、参照関係領域1116との和領域を、特徴領域として特定してよい。このように、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域、および非選択画像における参照関係領域の少なくとも一方を含む領域を、特徴領域として特定する。これにより、画像認識処理で特徴領域を検出し損ねた場合であっても、動きベクトルに基づく参照関係領域を特徴領域として特定することができる。このため、特徴領域をよりロバストに検出することができる。
【0127】
なお、特徴領域検出部203は全ての動画構成画像における特徴領域を検出してよい。また、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203によって複数の動画構成画像から検出された特徴領域のそれぞれに対する参照関係領域を、全ての動画構成画像において特定してよい。これにより、特徴領域検出のロバスト性を著しく高めることができる。
【0128】
他にも、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203により検出された特徴領域1110と参照関係領域1116との双方に含まれる領域1120を、特徴領域として特定してよい。このように、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域、および非選択画像における参照関係領域にともに含まれる領域を、特徴領域として特定してよい。このため、特徴領域として検出されるべき被写体が撮像されている確率が比較的に高い領域を特徴領域として特定することができる。以上説明したように、特徴領域特定部252は、選択画像における特徴領域と直接的または間接的な参照関係にある非選択画像における領域である参照関係領域を特定して、特定した参照関係領域の少なくとも一部を含む領域を、特徴領域として特定する。
【0129】
なお、圧縮部240は、特徴領域特定部252が特定した特徴領域以外の領域の画像を、特徴領域特定部252が特定した特徴領域より高い圧縮強度で圧縮してよい。また、圧縮部240は、特徴領域1110および参照関係領域1116のいずれか一方に含まれる領域である領域1121および領域1122を、領域1120より高い圧縮強度で圧縮してよい。このように、圧縮部240は、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域、および非選択画像における参照関係領域のいずれか一方に含まれる領域の画像を、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域、および非選択画像における参照関係領域にともに含まれる領域より高い圧縮強度で圧縮してよい。これにより、特徴領域として特定された領域内においても、特徴領域として検出されるべき被写体が撮像されている確率が比較的に高い領域の情報量を高めることができる。
【0130】
上記の例では、特徴領域特定部252の動作原理を、フレーム単位で符号化方式が選択されたIフレーム、Pフレーム、およびBフレームを用いて説明した。PフレームおよびBフレームにおいてイントラ符号化されているマクロブロックが存在しても、特徴領域特定部252は同様にして参照関係領域を特定することができる。また、フレーム間符号化およびフレーム内符号化がマクロブロック単位またはスライス単位で選択されて符号化された撮像動画データにおいても、特徴領域特定部252は同様にして参照関係領域を特定することができる。
【0131】
図12は、識別された特徴領域の一例を示す。特徴領域1201および特徴領域1202は、ともに動画構成画像910−1における特徴領域であるとする。なお、特徴領域1201および特徴領域1202は、特徴領域検出部203が動画構成画像910−1から検出された特徴領域であってよく、特徴領域特定部252が特定した動画構成画像910−1における特徴領域であってもよい。また、特徴領域1211、特徴領域1212、および特徴領域1213は、いずれも特徴領域検出部203が動画構成画像910−7から検出した特徴領域であるとする。
【0132】
ここで、特徴領域特定部252は、特徴領域1201の位置および参照関係に基づいて、参照関係領域の位置を特定する。例えば、特徴領域特定部252は、特徴領域1201の点P1に対応する点P1'を特定する。また、特徴領域特定部252は、特徴領域1202の点P2に対応する点P2'を特定する。そして、特徴領域特定部252は、特徴領域1211において点P1または点P2に対応すべき対応点P3、特徴領域1212において点P1または点P2に対応すべき対応点P4、および特徴領域1213において点P1または点P2に対応すべき対応点P5のそれぞれの位置を、点P1'および点P2'のそれぞれの位置と比較する。例えば、特徴領域特定部252は、各対応点のそれぞれの位置と点P1'との間のそれぞれの距離、ならびに、各対応点のそれぞれの位置と点P2'との間のそれぞれの距離を算出する。
【0133】
そして、特徴領域特定部252は、予め定められた値以下の距離が算出された点の組を特定する。例えば、特徴領域特定部252は、対応点P3と点P2'の組、および、対応点P4と点P1'の組を、予め定められた値以下の距離が算出された点の組として特定する。そして、特徴領域特定部252は、対応点P4を持つ特徴領域1212に、特徴領域1201に撮像されている被写体と同じ被写体が撮像されていると判断する。また、特徴領域特定部252は、対応点P3を持つ特徴領域1211に、特徴領域1202に撮像されている被写体と同じ被写体が撮像されていると判断する。また、特徴領域特定部252は、特徴領域1213には、特徴領域1201に撮像されている被写体および特徴領域1202に撮像されている被写体のいずれとも異なる被写体が撮像されていると判断する。このようにして、特徴領域特定部252は、他の動画構成画像に含まれるオブジェクトとの同一性を推定することができる。
【0134】
このように、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域の位置と、非選択画像における参照関係領域の位置との間の距離が予め定められた値より大きい場合に、非選択画像における参照関係領域を、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域内に存在するオブジェクトと異なるオブジェクトが存在する特徴領域として特定する。また、特徴領域特定部252は、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域の位置と、非選択画像における参照関係領域の位置との間の距離が予め定められた値以下である場合に、非選択画像における参照関係領域の少なくとも一部の領域を、特徴領域検出部203が非選択画像から検出した特徴領域内に存在するオブジェクトと同じオブジェクトが存在する特徴領域として特定してよい。
【0135】
図13は、画像処理装置120におけるブロック構成の他の一例を示す。画像処理装置120は、圧縮動画取得部201、圧縮動画伸張部202、特徴領域検出部203、圧縮部240、動きベクトル取得部251、特徴領域特定部252、圧縮制御ユニット270、対応付け処理部206、および出力部207を有する。画像分割部204は、入力動画画質制御部280、画質低減部281、複数の階層間差分圧縮部282a−d(以下、階層間差分圧縮部282と総称する。)を有する。
【0136】
なお、圧縮動画取得部201、圧縮動画伸張部202、特徴領域検出部203、対応付け処理部206、および出力部207の機能および動作は、それぞれ図2から図12に関連して説明した圧縮動画取得部201、圧縮動画伸張部202、特徴領域検出部203、対応付け処理部206、および出力部207の機能および動作と略同一であるので、その相違点を除いて説明を省略する。
【0137】
圧縮制御ユニット270は、圧縮部240における圧縮処理を制御する。また、圧縮制御ユニット270は、特徴領域特定部252が特定した特徴領域を示す情報を対応付け処理部206に供給する。例えば、圧縮制御ユニット270は、特徴領域特定部252が特定した特徴領域を取得して、圧縮部240による特徴領域に対する圧縮処理を制御する。具体的には、圧縮制御ユニット270は、圧縮部240を制御して、圧縮部240に下記の圧縮処理を行わせる。
【0138】
入力動画画質制御部280は、圧縮動画伸張部202が生成した複数の動画構成画像のそれぞれにおける特徴領域の特徴量に応じて、特徴領域の画質および特徴領域以外の領域の画質を制御する。画質低減部281は、動画の画質を低減することによって、予め定められた異なる画質を持つ複数の動画を生成する。そして、画質低減部281は、生成した画質が異なる動画を階層間差分圧縮部282に提供する。具体的には、画質低減部281は、動画のフレームレートを低減することにより、あるいは動画に含まれる動画構成画像の解像度を低減することにより、異なる画質を持つ動画を生成する。
【0139】
そして、階層間差分圧縮部282は、予め定められた画質の動画を画質低減部281から取得して、取得した動画を圧縮する。なお、階層間差分圧縮部282は、互いに異なる画質の動画を圧縮する。なお、階層間差分圧縮部282aに供給される動画に含まれる動画構成画像は、階層間差分圧縮部282b−dに供給される動画に含まれる動画構成画像である特徴領域画像より画質が低い。つまり、画質低減部281は、階層間差分圧縮部282b−dに供給される特徴領域画像より低画質な低画質画像を生成して、階層間差分圧縮部282aに供給する。
【0140】
このように、階層間差分圧縮部282aは、階層間差分圧縮部282b−dのいずれが受け取る動画構成画像より解像度が低い動画構成画像を画質低減部281から取得して圧縮する。なお、階層間差分圧縮部282b−dは、階層間差分圧縮部282b、階層間差分圧縮部282c、および階層間差分圧縮部282dの順で解像度が低い動画構成画像を画質低減部281から取得して圧縮する。
【0141】
階層間差分圧縮部282bは、階層間差分圧縮部282aが圧縮した動画構成画像を伸張して、伸張して得られた動画構成画像を、画質低減部281から取得した動画構成画像の解像度と同じ解像度にまで拡大する。そして、階層間差分圧縮部282bは、拡大して得られた動画構成画像と画質低減部281から取得した動画構成画像との間の差分画像を圧縮する。なお、階層間差分圧縮部282bは、特徴領域において差分値を持つが、特徴領域以外の領域において差分値を持たない差分画像を生成して圧縮する。
【0142】
また、階層間差分圧縮部282cは、階層間差分圧縮部282bが圧縮した動画構成画像を伸張して、伸張して得られた動画構成画像を、画質低減部281から取得した動画構成画像の解像度と同じ解像度にまで拡大する。そして、階層間差分圧縮部282cは、拡大して得られた動画構成画像と画質低減部281から取得した動画構成画像との間の差分画像を圧縮する。なお、階層間差分圧縮部282cは、複数の特徴領域のうち、特徴領域の特徴量に応じた少なくとも一部の特徴領域において差分値を持つが、当該少なくとも一部の特徴領域以外の領域において差分値を持たない差分画像を生成して圧縮する。
【0143】
また、階層間差分圧縮部282dは、階層間差分圧縮部282cが圧縮した動画構成画像を伸張する。そして、階層間差分圧縮部282dは、伸張して得られた動画構成画像を、入力動画画質制御部280から取得した動画構成画像の解像度と同じ解像度にまで拡大する。そして、階層間差分圧縮部282dは、拡大して得られた動画構成画像と入力動画画質制御部280から取得した動画構成画像との間の差分画像を圧縮する。なお、階層間差分圧縮部282dは、複数の特徴領域のうち、特徴領域の特徴量に応じた少なくとも一部の特徴領域において差分値を持つが、当該少なくとも一部の特徴領域以外の領域において差分値を持たない差分画像を生成して圧縮する。
【0144】
このように、階層間差分圧縮部282b−dは、入力動画画質制御部280または画質低減部281から受け取った動画構成画像と、より低い解像度の動画構成画像を拡大した動画構成画像との間の差分をとることによって得られた差分画像を圧縮する。そして、対応付け処理部206は、階層間差分圧縮部282a−dによって圧縮して得られた複数の動画構成画像を含む圧縮動画データを、特徴領域を特定する情報に対応づける。そして、出力部207は、対応付け処理部206によって特徴領域を特定する情報が対応づけられた圧縮動画データを画像処理装置170に送信する。このように、画像処理装置120は、特徴領域の特徴量に応じてスケーラブルに圧縮符号化された動画を提供することができる。
【0145】
図14は、階層間差分圧縮部282aおよびbのブロック構成の一例を示す。階層間差分圧縮部282aは、動き解析部285a、動き符号化部286a、差分処理部287a、および符号化部288aを有する。動き解析部285aは、差分対象領域決定部294aおよび位置差情報生成部295aを含む。差分処理部287aは、差分画素画像生成部296a、空間周波数領域変換部297a、および量子化部298aを含む。
【0146】
階層間差分圧縮部282bは、動き解析部285b、動き符号化部286b、差分処理部287b、画像拡大部293b、画像復号部292b、画素値変更部291b、および符号化部288bを有する。動き解析部285bは、差分対象領域決定部294bおよび位置差情報生成部295bを含む。差分処理部287bは、差分画素画像生成部296b、空間周波数領域変換部297b、量子化部298b、および周波数領域画質変換部299bを含む。なお、階層間差分圧縮部282cおよび階層間差分圧縮部282dは、階層間差分圧縮部282bが有する構成要素と略同一の構成要素を有するので、説明を省略する。
【0147】
以下に、階層間差分圧縮部282aの各構成要素の機能および動作について説明する。動き解析部285aは、画質低減部281から受け取った複数の動画構成画像の画像内容に基づいて複数の動画構成画像にわたる動きを解析して、当該動きに基づいて動画構成画像を圧縮すべき部分領域を決定する。
【0148】
具体的には、差分対象領域決定部294aは、複数の動画構成画像にわたる部分領域の画素値に基づいて、動画構成画像を他の動画構成画像との差分により圧縮する場合における、差分対象となる他の動画構成画像における部分領域を決定する。差分対象領域決定部294aは、圧縮対象の部分領域の画素情報および差分対象の部分領域の画素情報を差分処理部287aに供給する。
【0149】
また、位置差情報生成部295aは、差分により圧縮する部分領域と差分対象となる部分領域との間の位置差を示す位置差情報を生成する。具体的には、位置差情報生成部295aは、動き補償に用いる動きベクトルを生成する。そして、位置差情報生成部295aは、生成した位置差情報を動き符号化部286aに供給する。
【0150】
動き符号化部286aは、位置差情報生成部295aから供給された位置差情報を符号化して、対応付け処理部206に供給する。例えば、動き符号化部286は、隣接する部分領域における位置差情報との間の差を符号化して、対応付け処理部206に供給する。
【0151】
差分処理部287aは、動き解析部285aから受け取った圧縮対象の部分領域の画素情報と差分対象の部分領域の画素情報との間の差分により、圧縮対象の部分領域の画像を圧縮する。具体的には、差分画素画像生成部296aは、圧縮対象の部分領域の画素情報と差分対象の部分領域の画素情報との間の差分により差分画素画像を生成する。
【0152】
そして、空間周波数領域変換部297aは、差分画素画像を部分領域毎に空間周波数領域に変換する。具体的には、空間周波数領域変換部297aは、離散コサイン変換(DCT)により、差分画素画像における部分領域ごとに空間周波数領域に変換する。なお、空間周波数領域変換部297aは、アダマール変換あるはウェーブレット変換等のような種々の周波数変換により、差分画素画像を部分領域ごとに空間周波数領域に変換してよい。
【0153】
なお、動き解析部285aが他の動画構成画像の部分領域との間の差分により圧縮しない旨を判断した場合には、差分処理部287aは圧縮対象の部分領域の画素情報を空間周波数領域変換部297aに供給する。空間周波数領域変換部297aは画素情報を、上記のように部分領域ごとに空間周波数領域に変換する。
【0154】
量子化部298aは、空間周波数領域変換部297aが空間周波数領域に変換することによって得られた変換係数を量子化する。そして、符号化部288aは、量子化部298aによって量子化された変換係数を符号化することによって圧縮する。例えば、符号化部288は、量子化部298aによって量子化された変換係数を、ハフマン符号化、算術符号化等のエントロピー符号化により符号化する。そして、符号化部288aは、符号化した動画を、対応付け処理部206に供給する。
【0155】
以下に、階層間差分圧縮部282bが含む各構成要素の機能および動作について説明する。階層間差分圧縮部282bが含む構成要素のうち、階層間差分圧縮部282aが含む構成要素と同一の符号が付された構成要素は、階層間差分圧縮部282aが含む構成要素と類似する機能および動作をするので、その相違点を除いて説明を省略する。
【0156】
差分対象領域決定部294bは、差分対象領域決定部294aと同様に、画質低減部281から受け取った複数の動画構成画像のそれぞれについて、動画構成画像に含まれる圧縮対象の部分領域と差分をとるべき、他の動画構成画像における部分領域を特定する。このように、差分対象領域決定部294bは、特徴領域画像との間で差分をとるべき、他の動画構成画像から生成された特徴領域画像における部分領域である特徴領域部分領域を決定する。そして、差分対象領域決定部294bは、圧縮対象の部分領域の画素情報および差分対象の部分領域の画素情報を画素値変更部291bに供給する。
【0157】
また、画像復号部292bは、符号化部288aから動画構成画像を取得するとともに、動き符号化部286aから位置差情報を取得する。そして、画像復号部292bは、符号化部288aから取得した動画構成画像を、動き符号化部286aから取得した位置差情報を用いて復号する。なお、画像復号部292bは、量子化部298aにより量子化された動画構成画像を取得して復号してよく、符号化部288aが符号化した動画構成画像を取得して復号してもよい。
【0158】
画像拡大部293bは、画像復号部292bにより復号された動画構成画像を拡大することによって拡大画像を生成する。そして、画素値変更部291bは、差分対象領域決定部294bが決定した部分領域のうち、特徴領域を含む部分領域の画素値を変更せずに、特徴領域に含まれない部分領域の画素値を、拡大画像における部分領域の画素値で置き換える。このように、画素値変更部291bは、入力された動画構成画像から、特徴領域以外の領域の画素値を拡大した画像の画素値で置き換えた特徴領域画像を生成する。
【0159】
差分処理部287bは、圧縮対象の特徴領域画像、特徴領域画像に含まれる部分領域の差分対象となる部分領域の画像情報、および拡大画像を、画素値変更部291bから受け取る。そして、差分処理部287bは、圧縮対象の特徴領域画像に含まれる複数の部分領域のそれぞれについて、同じ特徴領域画像の画素情報を用いて符号化するか(以下、イントラ符号化と呼ぶ。)、他の動画構成画像に含まれる差分対象の部分領域との間の差分により符号化するか(以下、インター符号化と呼ぶ。)、拡大画像との間の差分により符号化するか(以下、階層間符号化と呼ぶ。)を決定する。このとき、差分処理部287bは符号化後の符号量がより小さい符号化方法をより優先して選択する。なお、特徴領域以外の領域においては、差分を持たないように画素値が置き換えられているので階層間符号化が選択される。したがって、階層間符号化が選択された場合についてまず説明するが、加えて、インター符号化、イントラ符号化が選択された場合についても説明する。
【0160】
階層間符号化が選択された場合には、差分画素画像生成部296bは、特徴領域画像と拡大画像との間の画素値の差分を示す差分画素画像を生成する。具体的には、差分画素画像生成部296bは、特徴領域以外の領域の画素値が置き換えられた特徴領域画像と拡大画像との間の差分により差分画素画像を生成する。なお、特徴領域画像においては特徴領域以外の領域の画素値は拡大画像の画素値で置き換えられているので、差分画素画像生成部296bは、特徴領域において特徴領域画像と拡大した画像との間の画素値の差分値を持ち、特徴領域以外の領域において画素値の差分値を持たない差分画素画像を生成することができる。
【0161】
インター符号化が選択された場合には、差分画素画像生成部296bは、画素値変更部291bにより生成された特徴領域画像と、他の動画構成画像から画素値変更部291bが生成した特徴領域画像との間の差分をとる。具体的には、差分画素画像生成部296bは、特徴領域に含まれる部分領域の画像と、当該部分領域について差分対象領域決定部294bが決定した差分対象部分領域の画像との間の差分をとる。特徴領域画像においては特徴領域以外の領域の画素値は拡大画像の画素値で置き換えられているので、差分画素画像生成部296bは、特徴領域に含まれる部分領域において差分対象領域決定部294bが決定した部分領域との間の画素値の差分値を持ち、特徴領域以外の領域において差分対象領域決定部294bが決定した部分領域との間で画素値の差分値を持つ差分画素画像が生成される。
【0162】
なお、イントラ符号化が選択された場合には、差分画素画像生成部296bは、特徴領域画像のそれぞれが含む部分領域の画像を、特徴領域画像の他の領域の画素値または同じ部分領域の画素値との間で差分をとることにより、差分画素画像を生成する。
【0163】
空間周波数領域変換部297bは、差分画素画像を、部分領域ごとに空間周波数領域に変換する。具体的には、空間周波数領域変換部297bは、差分画素画像が示す差分値を、空間周波数領域変換部297aと同様に、離散コサイン変換(DCT)、アダマール変換、またはウェーブレット変換等により、部分領域ごとに空間周波数領域に変換する。量子化部298bは、量子化部298aと同様に、空間周波数領域変換部297bが空間周波数領域に変換することによって得られた変換係数を量子化する。
【0164】
そして、周波数領域画質変換部299bは、空間周波数領域変換部297bにより空間周波数領域に変換されて得られる部分領域ごとの空間周波数成分のうち、特徴領域以外の領域を含む少なくとも一部の部分領域の空間周波数成分のデータ量を低減することによって、特徴領域差分画像を生成する。具体的には、周波数領域画質変換部299bは、予め定められた周波数より高い周波数成分を示す変換係数の大きさを低減する。周波数領域画質変換部299bは、予め定められた周波数より高い周波数成分を示す変換係数を0にしてもよい。
【0165】
このように、差分処理部287bは、特徴領域において特徴領域画像と拡大した画像との間の差分が空間周波数領域に変換された空間周波数成分を持ち、特徴領域以外の領域において空間周波数成分のデータ量が低減された特徴領域差分画像を生成する。そして、符号化部288bは、差分処理部287bが生成した特徴領域差分画像を符号化する。
【0166】
また、上記したように、差分処理部287bは、特徴領域画像における特徴領域の画像と、低画質画像における特徴領域の画像との間の差分画像を示す特徴領域差分画像を生成する。より具体的には、差分処理部287は、特徴領域画像における特徴領域の画像と、低画質画像における特徴領域の画像を拡大した画像との間の特徴領域差分画像を生成する。
【0167】
なお、以上の説明においては、画素値変更部291bは、差分画素画像における少なくとも特徴領域以外の領域(予め定められた特徴の種類を持つ特徴領域以外の領域であって、当該特徴領域より高解像度を持つべき特徴の種類を持つ特徴領域以外の領域)において差分値を0とすべく、特徴領域以外の画素値を拡大画像の画素値で置き換えた。しかしながら、他の方法により、差分画素画像における差分値を0とすることもできる。
【0168】
例えば、画素値変更部291bは、画質低減部281から取得した動画構成画像の特徴領域以外の領域の画素値を所定の画素値に変換するとともに、拡大画像における特徴領域以外の領域と同じ画像領域の画素値を当該所定の画素値に変換してよい。このようにしても、差分画素画像における特徴領域以外の領域の差分値を0とすることができ、特徴領域以外の領域の情報量を実質的に低減することができる。
【0169】
このように、画素値変更部291bは、動画構成画像から、特徴領域以外の領域の画素値および拡大した画像における特徴領域以外の領域の画素値を、所定値で置き換えた特徴領域画像を生成する。そして、差分画素画像生成部296は、特徴領域以外の領域の画素値が置き換えられた、特徴領域画像と拡大した画像との間の差分により差分画素画像を生成する。
【0170】
なお、画素値変更部291bは、画質低減部281から取得した動画構成画像の特徴領域以外の領域の画素値を、下位階層の階層間差分圧縮部282(例えば、階層間差分圧縮部282a)に提供される動画構成画像を拡大した画像における同一領域の画素値で置き換えてもよい。このようにしても、差分画素画像における差分値を略0にすることができ、特徴領域以外の領域の情報量を実質的に低減することができる。
【0171】
なお、位置差情報生成部295bは、特徴領域以外の領域に含まれる、差分対象となる部分領域の位置差を示す位置差情報を生成する。具体的には、位置差情報生成部295bは、位置差情報生成部295aと同様に、差分により圧縮する部分領域と差分対象となる部分領域である差分対象部分領域との間の位置差を示す位置差情報を生成する。なお、位置差情報は、動き補償における動きベクトルを含む。
【0172】
位置差情報変更部290bは、特徴領域以外の領域に含まれる部分領域が同じ位置の部分領域との間で差分がとられることを位置差情報が示すべく、位置差情報を変更する。具体的には、位置差情報変更部290bは、特徴領域以外の領域に含まれる部分領域における位置差情報を、位置差がないことを示す情報に変換する。また、位置差情報変更部290bは、動き符号化部286aから位置差情報を取得して、特徴領域以外の領域に含まれる部分領域における位置差情報を、位置差ないことを示す情報に変換する。具体的には、位置差情報変更部290bは、特徴領域以外の領域における動きベクトルの大きさを0にする。例えば、位置差情報変更部290bは、特徴領域以外の領域について、位置差情報生成部295bから受け取った動きベクトルの大きさを0にするとともに、動き符号化部286aから受け取った動きベクトルの大きさを0にする。
【0173】
そして、動き符号化部286bは、位置差情報を符号化する。具体的には、動き符号化部286bは、動き符号化部286aと同様に、隣接する部分領域における位置差情報との間の差を符号化する。動き符号化部286bにより符号化された位置差情報は、対応付け処理部206に供給される。
【0174】
なお、本実施形態では、位置差情報変更部290は、特徴領域以外の領域の位置差情報を変換したが、位置差情報変更部290bは、動き符号化部286bにより符号化された符号化形式上で、特徴領域以外の領域の位置差情報を変換してもよい。すなわち、位置差情報変更部290bは、特徴領域以外の部分領域が同じ位置の部分領域との間で差分がとられることを示すべく、動き符号化部286により符号化された位置差情報を変更してもよい。
【0175】
なお、符号化部288bは、特徴領域以外の領域における差分情報を持たない符号化データを生成してよい。具体的には、特徴領域以外の領域に含まれる部分領域の差分情報を持たない符号化データを生成してよい。また、動き符号化部286bは、特徴領域以外の領域に含まれる部分領域における位置差情報を持たない符号化データを生成してよい。このように、符号化部288bおよび動き符号化部286bは、特徴領域以外の領域の画像内容が他の動画構成画像における同じ領域の画像内容と同じであることを、差分情報および位置差情報を持たないことによって示す符号化データを生成する。例えば、符号化部288bおよび動き符号化部286bは、特徴領域以外の領域に含まれる部分領域の画像内容が他の動画構成画像における同じ領域の画像内容と同じであることを示す部分領域の種別を含む符号化データを生成してよい。
【0176】
例えば、符号化部288bおよび動き符号化部286bは、特徴領域以外の領域に含まれる部分領域が、単純フレーム間予測であり、かつ変換係数を持たないことを示す符号化モードで符号化された部分領域であることを示す部分領域の種別を含む符号化データを生成してよい。例えば、当該部分領域の種別は、MPEG符号化におけるNonMC NotCodedに相当する種別であってよい。このように、符号化部288bおよび動き符号化部286bが動きベクトルの大きさおよび差分情報が0であることを示す情報を持たない符号化データを生成することにより、符号化後の動画構成画像の符号量をより低減することができる。なお、階層間差分圧縮部282bは、上記符号化モードを含む予測モードを決定する場合に、ラグランジェの未定乗数法に基づいて、レート・歪コストを最小化することができる予測モードを選択してよい。
【0177】
なお、階層間差分圧縮部282cおよび階層間差分圧縮部282dは、階層間差分圧縮部282bと同様の機能を有する構成要素を有する。なお、以後の説明において、階層間差分圧縮部282cおよび階層間差分圧縮部282dが有する、階層間差分圧縮部282と同名の構成要素には同じ符号を付す。そして、符号の末尾(b、c、d)により、階層間差分圧縮部282b−dのいずれに含まれる構成要素であるかを区別する。
【0178】
例えば、動き解析部285cは階層間差分圧縮部282cが有する構成要素の一つであって、動き解析部285dは階層間差分圧縮部282dが有する構成要素の一つとなる。なお、以下の説明において、符号の末尾に英文字が付されていない構成要素は、階層間差分圧縮部282b−dが有する当該符号が付された構成要素の全体を示す。例えば、画素値変更部291は、画素値変更部291b−dを示す。
【0179】
なお、階層間差分圧縮部282cおよび階層間差分圧縮部282dの機能および動作と、階層間差分圧縮部282bの機能および動作とは、画質低減部281から異なる画質の動画を取得して処理すること、および位置差情報変更部290cおよびd、ならびに画像復号部292cおよびdが、より画質が低い動画を処理する他の階層間差分圧縮部282から、差分処理用の位置差情報および動画構成画像を取得するところが異なる。
【0180】
より具体的には、位置差情報変更部290cは、動き符号化部286bから位置差情報を取得して、取得した位置差情報を変換する。また、画像復号部292cは、動き符号化部286bから位置差情報を取得するとともに、符号化部288bから動画構成画像を取得して、取得した動画構成画像を当該位置差情報を用いて復号する。また、位置差情報変更部290dは、動き符号化部286cから位置差情報を取得して、取得した位置差情報を変換する。また、画像復号部292dは、動き符号化部286cから位置差情報を取得するとともに、符号化部288cから動画構成画像を取得して、取得した動画構成画像を当該位置差情報を用いて復号する。
【0181】
なお、特徴領域検出部203は、入力された動画構成画像から特徴の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。この場合、画質低減部281は、一の特徴の種類を持つ特徴領域において解像度を低減することにより当該動画構成画像から一の特徴領域画像を生成するとともに、他の特徴の種類を持つ特徴領域において当該特徴領域画像より高解像度な他の特徴領域画像を当該動画構成画像から生成する。階層間差分圧縮部282b−cは、特徴領域の種類ごとに用意されており、階層間差分圧縮部282b−cのそれぞれは、少なくとも予め定められた種類の特徴領域において特徴領域以外の領域との間で解像度の差を持つ特徴領域画像を圧縮する。
【0182】
具体的には、階層間差分圧縮部282bは、全ての特徴領域を含む領域において、最も低い解像度を持つ低解像度特徴領域画像を処理する。階層間差分圧縮部282cは、予め定められた種類の特徴領域において低解像度特徴領域画像より解像度が高い中解像度特徴領域画像を処理する。そして、階層間差分圧縮部282dは、予め定められた他の種類の特徴領域において高い解像度を持つ高解像度特徴領域画像を処理する。
【0183】
このように、差分処理部287は、一の特徴の種類を持つ特徴領域および他の特徴の種類を持つ特徴領域において一の特徴領域画像と拡大した画像との間の差分が空間周波数領域に変換された空間周波数成分を持ち、一の特徴の種類を持つ特徴領域および他の特徴の種類を持つ特徴領域以外の領域において空間周波数成分のデータ量が低減された特徴領域差分画像を生成する。
【0184】
以上説明したように、差分処理部287は、一の特徴の種類を持つ特徴領域において一の特徴領域画像と拡大した画像との間の差分が空間周波数領域に変換された空間周波数成分を持ち、一の特徴の種類を持つ特徴領域以外の領域において空間周波数成分のデータ量が低減された特徴領域差分画像を生成するとともに、他の特徴の種類を持つ特徴領域において他の特徴領域画像と他の特徴領域画像における特徴領域を拡大した画像との間の差分が空間周波数領域に変換された空間周波数成分を持ち、他の特徴の種類を持つ特徴領域以外の領域において空間周波数成分のデータ量が低減された特徴領域間差分画像を生成する。
【0185】
また、符号化部288は、特徴領域差分画像、特徴領域間差分画像、および低画質画像をそれぞれ符号化する。そして、対応付け処理部206は、動き符号化部286a−dにより符号化された位置差情報および符号化部288a−dにより符号化された動画構成画像(例えば、低画質画像、特徴領域差分画像、および特徴領域間差分画像)を、特徴領域を特定する情報と対応づける。
【0186】
以上説明したように、階層間差分圧縮部282aは、特徴領域を含む全画像領域を低画質化した動画構成画像、いわば入力された動画構成画像の低空間周波数成分を有する動画構成画像を生成する。そして、階層間差分圧縮部282bは、階層間差分圧縮部282aよりも高い周波数成分を有する動画構成画像であって、階層間差分圧縮部282cよりも低い周波数成分を有する動画構成画像を生成する。そして、階層間差分圧縮部282bは、特徴領域以外の領域において、階層間差分圧縮部282aが生成した動画構成画像に対する差分値が低減された動画構成画像を生成する。
【0187】
同様に、階層間差分圧縮部282cは、階層間差分圧縮部282bよりも高い周波数成分を有する動画構成画像であって、階層間差分圧縮部282dよりも低い周波数成分を有する動画構成画像を生成する。そして、階層間差分圧縮部282dは、階層間差分圧縮部282cよりも高い周波数成分を有する動画構成画像を生成する。そして、階層間差分圧縮部282cおよび階層間差分圧縮部282dは、特徴領域以外の領域において、それぞれ階層間差分圧縮部282bおよびcが生成した動画構成画像に対する差分値が低減された動画構成画像を生成する。
【0188】
このように、階層間差分圧縮部282b−dのそれぞれは、予め定められた特徴の種類を持つ特徴領域について、他の領域より高い画質の動画を処理することによって、特徴の種類に応じて画質が異なる動画を外部に提供することができる。このとき、階層間差分圧縮部282b−dは、他の階層間差分圧縮部282が処理する低画質の動画構成画像との間の差分により圧縮するので、効率的に圧縮することができる。
【0189】
なお、特徴領域検出部203は、複数の特徴領域のそれぞれの特徴量を検出した場合に、特徴領域として検出した信頼性の度合いを示す確信度を複数の特徴領域毎に算出してよい。そして、階層間差分圧縮部282b−dは、複数の特徴領域のそれぞれの特徴量および確信度に応じて解像度が調整された特徴領域の画像を圧縮する。例えば、画質低減部281は、複数の特徴領域のそれぞれの画像を、それぞれの特徴量および確信度に応じて解像度を調整して、階層間差分圧縮部282に供給してよい。例えば、画質低減部281は、複数の特徴領域のそれぞれの画像を、確信度が低いほど、特徴量に応じて予め定められた解像度より高い解像度にしてよい。
【0190】
なお、画像処理装置120は、上記のように解像度が異なる複数の階層間の画像の差分を符号化することによって階層的に符号化する。このことから明らかなように、画像処理装置120による圧縮方式の一部は、H.264/SVCによる圧縮方式を含むことが明らかである。なお、画像処理装置170がこのような階層化された圧縮動画を伸張する場合には、各階層の動画データを階層毎に復号することで、複数の動画構成画像を各階層毎に得ることができる。そして画像処理装置170は、得られた動画構成画像において階層間差分により符号化されている領域については、差分対象となった他階層の動画構成画像上の領域と加算する。これにより、画像処理装置170は、複数の階層のそれぞれについて、動画に含まれる複数の動画構成画像を生成することができる。
【0191】
図15は、他の実施形態に係る画像処理システム20の一例を示す。本実施形態における画像処理システム20の構成は、画像処理装置120に替えて、撮像装置100a−dがそれぞれ画像処理部1604a−d(以下、画像処理部1604と総称する。)を有する点を除いて、図1で説明した画像処理システム10の構成と同じとなっている。
【0192】
画像処理部1604は、画像処理装置120に含まれる構成要素のうち、圧縮動画取得部201および圧縮動画伸張部202を除く構成要素を有している。そして、画像処理部1604に含まれる各構成要素の機能および動作は、画像処理装置120に含まれる各構成要素が圧縮動画伸張部202による伸張処理によって得られた撮像動画を処理することに替えて、撮像部102によって撮像された撮像動画を処理するという点を除いて、画像処理装置120に含まれる各構成要素の機能および動作と略同一であってよい。このような構成の画像処理システム20においても、図1から図14にかけて画像処理システム10に関連して説明した効果と同様の効果が得ることができる。
【0193】
なお、画像処理部1604は、RAW形式で表された複数の動画構成画像を含む撮像動画を撮像部102から取得してよい。そして、画像処理部1604は、RAW形式で表された複数の動画構成画像のそれぞれから、1以上の特徴領域を検出してよい。また、画像処理部1604は、取得した撮像動画に含まれるRAW形式で表された複数の動画構成画像をRAW形式のまま圧縮してよい。このとき、画像処理部1604は、図1〜図14にかけて画像処理装置120の動作に関連して説明した圧縮方法で、撮像動画を圧縮することができる。
【0194】
なお、画像処理装置170は、画像処理部1604から取得した圧縮動画を伸張することにより、RAW形式で表された複数の動画構成画像を取得することができる。そして、画像処理装置170は、伸張することにより取得されたRAW形式で表された複数の動画構成画像を、例えば特徴領域以外の領域および複数の特徴領域を含む複数の領域毎に同時化処理を施してよい。このとき、画像処理装置170は、特徴領域以外の領域より、特徴領域においてより高精度な同時化処理を施してよい。
【0195】
なお、画像処理装置170は、同時化処理によって得られた動画構成画像における特徴領域の画像に、超解像処理を施してよい。画像処理装置170における超解像処理としては、特開2006−350498号公報に記載されたような主成分分析に基づく超解像処理、あるいは特開2004−88615号公報に記載されたような被写体の動きに基づく超解像処理を例示することができる。
【0196】
なお、画像処理装置170は、特徴領域に含まれるオブジェクト毎に、超解像処理を施してよい。例えば、特徴領域が人物の顔画像を含む場合に、画像処理装置170は、オブジェクトの一例としての顔部位(例えば、目、鼻、口など)毎に、超解像処理を施してよい。この場合、画像処理装置170は、特開2006−350498号公報に記載されたような主成分分析(PCA)に基づくモデル等の学習データを、顔部位(例えば、目、鼻、口など)毎に記憶しておく。そして、画像処理装置170は、特徴領域に含まれる顔部位毎に選択した学習データを使用して、各顔部位の画像に超解像処理を施してよい。
【0197】
このように、画像処理装置170は、主成分分析(PCA)を用いて特徴領域の画像を再構成することができる。なお、画像処理装置170による画像再構成手法、および当該画像再構成用の学習法としては、主成分分析(PCA)による学習・画像再構成の他に、局所保存投影(locality preserving projection:LPP)、線形判別分析(Linear Discriminant Analysis:LDA)、独立成分分析(Independent component analysis:ICA)、多次元スケーリング(multidimensional scaling:MDS)、サポートベクターマシン(サポートベクター回帰)、ニューラルネットワーク、隠れマルコフモデル、Bayes推論、最大事後確率推定、反復逆投影、Wavelet変換、局所線形埋め込み(locally linear embedding:LLE)、マルコフランダム場(Markov random field:MRF)等の手法を用いることができる。
【0198】
また、学習データとしては、特開2006−350498号公報に記載されたようなモデルの他に、オブジェクトの多数のサンプル画像からそれぞれ抽出された、オブジェクトの画像の低周波成分および高周波成分を含んでよい。ここで、複数のオブジェクトの種類のそれぞれについてオブジェクトの画像の低周波成分をK−means法等によってクラスタリングすることによって、複数のオブジェクトの種類のそれぞれにおいてオブジェクトの画像の低周波成分が複数のクラスタにクラスタリングされていてよい。また、各クラスタ毎に代表的な低周波成分(例えば、重心値)が定められていてよい。
【0199】
そして、画像処理装置170は、動画構成画像における特徴領域に含まれるオブジェクトの画像から低周波成分を抽出する。そして、画像処理装置170は、抽出したオブジェクトの種類のオブジェクトのサンプル画像から抽出された低周波成分のクラスタのうち、抽出した低周波成分に適合する値が代表的な低周波成分として定められたクラスタを特定する。そして、画像処理装置170は、特定したクラスタに含まれる低周波成分に対応づけられている高周波成分のクラスタを特定する。このようにして、画像処理装置170は、動画構成画像に含まれるオブジェクトから抽出された低周波成分に相関のある高周波成分のクラスタを特定することができる。
【0200】
そして、画像処理装置170は、特定した高周波成分のクラスタを代表する高周波成分を用いて、オブジェクトの画像をより高画質な高画質画像に変換してよい。例えば、画像処理装置170は、各オブジェクトの中心から顔上の処理対象位置までの距離に応じた重みでオブジェクト毎に選択された当該高周波成分をオブジェクトの画像に加算してよい。なお、当該代表する高周波成分は、閉ループ学習によって生成されてよい。このように、画像処理装置170は、各オブジェクト毎に学習することによって生成された学習データの中から、望ましい学習データをオブジェクト毎に選択して利用するので、オブジェクトの画像をより高い精度で高画質化することができる場合がある。なお、図1〜14に関連して説明した画像処理システム10の構成においても、画像処理装置170は、特徴領域の画像に上述した超解像処理を施すことができる。
【0201】
なお、特開2006−350498号公報に記載されたような主成分分析に基づく超解像処理では、主成分ベクトルおよび重みづけ係数により物体の画像が表される。これらの重みづけ係数および主成分ベクトルのデータ量は、物体の画像そのものが有する画素データのデータ量に比べて大幅に小さい。そこで、画像処理部1604は、撮像部102から取得した複数の動画構成画像における特徴領域の画像を圧縮する圧縮処理において、特徴領域に含まれる物体の画像から上記重みづけ係数を算出してよい。すなわち、画像処理部1604は、特徴領域に含まれる物体の画像を、主成分ベクトルおよび重みづけ係数で表すことによって圧縮することができる。そして、画像処理部1604は、主成分ベクトルおよび重みづけ係数を画像処理装置170に送信してよい。
【0202】
この場合、画像処理装置170は、画像処理部1604から取得した主成分ベクトルおよび重みづけ係数を用いて、特徴領域に含まれる物体の画像を再構成することができる。なお、画像処理部1604は、特開2006−350498号公報に記載されたような主成分分析に基づくモデルの他に、種々の特徴パラメータで物体を表現するモデルを利用して特徴領域に含まれる物体の画像を圧縮することができることはいうまでもない。
【0203】
図16は、画像処理装置120および画像処理装置170のハードウェア構成の一例を示す。画像処理装置120および画像処理装置170は、CPU周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、および表示デバイス1580を有する。入出力部は、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、およびCD−ROMドライブ1560を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、および入出力チップ1570を有する。
【0204】
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505、およびグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510、およびRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示デバイス1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0205】
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1540、通信インターフェイス1530、CD−ROMドライブ1560を接続する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラム、およびデータを格納する。通信インターフェイス1530は、ネットワーク通信装置1598に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、および通信インターフェイス1530に提供する。
【0206】
入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、および入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、放射線撮像システムが起動時に実行するブート・プログラム、あるいは放射線撮像システムのハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、および通信インターフェイス1530に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0207】
CPU1505が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1540にインストールされ、RAM1520に読み出されてCPU1505により実行される。
【0208】
CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置120を、図1から図15に関連して説明した圧縮動画取得部201、圧縮動画伸張部202、特徴領域検出部203、画像分割部204、および画像生成部205として機能させる。また、CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置120を、図1から図15に関連して説明した固定値化部211、画質低減部221、符号化部231、対応付け処理部206、出力部207、および圧縮制御ユニット270として機能させる。
【0209】
また、CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置120を、図1から図15に関連して説明した動きベクトル取得部251、特徴領域特定部252および包含領域特定部261として機能させる。また、CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置170を、図1から図15に関連して説明した圧縮動画取得部301、対応付け解析部302、圧縮動画伸張部311、合成部303、および出力部304として機能させる。
【0210】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDまたはPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして画像処理装置120および画像処理装置170に提供してもよい。
【0211】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1】一実施形態に係る画像処理システム10の一例を示す。
【図2】画像処理装置120のブロック構成の一例を示す。
【図3】画像処理装置170のブロック構成の一例を示す。
【図4】画像処理装置120の処理フローの一例を示す。
【図5】複数の特徴領域動画および背景領域動画の画質の一例を示す。
【図6】画像処理装置170の処理フローの一例を示す。
【図7】複数の動画構成画像において特徴領域を特定する方法の一例を示す。
【図8】包含領域以外の領域を固定値化する方法の一例を示す。
【図9】動画構成画像の参照関係の一例を示す図である。
【図10】参照関係で結ばれた特徴領域の一例を示す図である。
【図11】動画構成画像910−6における特徴領域の一例を示す図である。
【図12】識別された特徴領域の一例を示す図である。
【図13】画像処理装置120におけるブロック構成の他の一例を示す図である。
【図14】階層間差分圧縮部282aおよびbのブロック構成の一例を示す図である。
【図15】他の実施形態に係る画像処理システム20の一例を示す図である。
【図16】画像処理装置120および画像処理装置170のハードウェア構成の一例を示す。
【符号の説明】
【0213】
10 画像処理システム
20 画像処理システム
100 撮像装置
102 撮像部
104 撮像動画圧縮部
110 通信ネットワーク
120 画像処理装置
130 人物
140 移動物体
150 監視対象空間
160 空間
170 画像処理装置
175 画像DB
180 表示装置
201 圧縮動画取得部
202 圧縮動画伸張部
203 特徴領域検出部
204 画像分割部
205 画像生成部
206 対応付け処理部
207 出力部
210 固定値化ユニット
211 固定値化部
220 低減化ユニット
221 画質低減部
230 符号化ユニット
231 符号化部
231a 背景領域動画符号化部
231b−d 特徴領域動画符号化部
240 圧縮部
251 動きベクトル取得部
252 特徴領域特定部
260 包含領域特定ユニット
261 包含領域特定部
270 圧縮制御ユニット
301 圧縮動画取得部
302 対応付け解析部
310 圧縮動画伸張ユニット
311 圧縮動画伸張部
303 合成部
304 出力部
1604 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動画構成画像を含む動画を処理する画像処理装置であって、
前記動画構成画像から、特徴領域を検出する特徴領域検出部と、
前記動画から選択された前記動画構成画像である選択画像における前記特徴領域の位置に基づいて、当該選択画像以外の前記動画構成画像である非選択画像における特徴領域の位置を特定する特徴領域特定部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記特徴領域検出部は、前記動画から選択された前記動画構成画像である前記選択画像から、特徴領域を検出し、
特徴領域特定部は、前記選択画像における前記特徴領域の位置に基づいて、前記動画から選択されなかった前記動画構成画像である前記非選択画像における特徴領域の位置を特定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴領域特定部は、前記非選択画像より前にある前記選択画像および前記非選択画像より後にある前記選択画像のそれぞれにおける前記特徴領域の位置に基づいて、前記非選択画像における特徴領域の位置を特定する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記動画における被写体の動きベクトルを取得する動きベクトル取得部をさらに備え、
前記特徴領域特定部は、前記選択画像における前記特徴領域の位置および前記動きベクトルに基づいて、前記非選択画像における特徴領域の位置を特定する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記動きベクトルを含む圧縮された動画を取得する圧縮動画取得部と、
前記圧縮動画取得部によって取得された前記動画を伸張する圧縮動画伸張部と
をさらに備え、
前記特徴領域検出部は、前記圧縮動画伸張部によって伸張された前記動画から選択された前記選択画像から、前記特徴領域を検出し、
前記動きベクトル取得部は、前記圧縮動画取得部によって取得された前記動画に含まれる前記動きベクトルを取得し、
前記特徴領域特定部は、前記選択画像における前記特徴領域の位置および前記動きベクトルに基づいて、前記圧縮動画伸張部によって伸張された前記動画から選択されなかった前記非選択画像における特徴領域の位置を特定する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記圧縮動画取得部は、前記動きベクトルを含むMPEG動画を取得し、
前記圧縮動画伸張部は、前記圧縮動画取得部によって取得された前記MPEG動画を伸張し、
前記特徴領域検出部は、伸張された前記MPEG動画に含まれる前記選択画像から、前記特徴領域を検出し、
前記動きベクトル取得部は、前記圧縮動画取得部によって取得された前記MPEG動画に含まれる前記動きベクトルを取得する
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記動画における被写体の動きベクトルを取得する動きベクトル取得部をさらに備え、
前記特徴領域特定部は、前記選択画像における前記特徴領域の位置、および複数の前記動画構成画像における前記動きベクトルに基づいて、前記非選択画像における特徴領域の位置を特定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記特徴領域特定部は、前記選択画像における前記特徴領域の位置、前記非選択画像における前記動きベクトル、および、前記選択画像における前記特徴領域および前記非選択画像と前記動きベクトルによって直接的または間接的な参照関係にある1以上の前記動画構成画像における前記動きベクトルに基づいて、前記選択画像における前記特徴領域と動きベクトルによって間接的な参照関係にある前記非選択画像における特徴領域の位置を特定する
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記特徴領域特定部は、前記選択画像における前記特徴領域の位置、前記非選択画像における前記動きベクトル、および、前記選択画像における前記特徴領域および前記非選択画像と前記動きベクトルによって直接的または間接的な参照関係にある1以上の前記動画構成画像における前記動きベクトルに基づいて、前記選択画像における前記特徴領域と動きベクトルによって間接的な参照関係にある前記非選択画像上の領域である参照関係領域を特定して、特定した参照関係領域の少なくとも一部を含む領域を、前記非選択画像における前記特徴領域として特定する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記特徴領域特定部は、前記特徴領域検出部が前記非選択画像から検出した前記特徴領域、および前記非選択画像における前記参照関係領域の少なくとも一方を含む領域を、前記特徴領域として特定する
請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記特徴領域特定部は、前記特徴領域検出部が前記非選択画像から検出した前記特徴領域、および前記非選択画像における前記参照関係領域にともに含まれる領域を、前記特徴領域として特定する
請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記特徴領域特定部が特定した特徴領域以外の領域の画像を、前記特徴領域特定部が特定した特徴領域より高い圧縮強度で圧縮する圧縮部
をさらに備える請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記圧縮部は、前記特徴領域検出部が前記非選択画像から検出した前記特徴領域、および前記非選択画像における前記参照関係領域のいずれか一方に含まれる領域の画像を、前記特徴領域検出部が前記非選択画像から検出した前記特徴領域、および前記非選択画像における前記参照関係領域にともに含まれる領域より高い圧縮強度で圧縮する
請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記特徴領域特定部は、前記特徴領域検出部が前記非選択画像から検出した前記特徴領域の位置と、前記非選択画像における前記参照関係領域の位置との間の距離が予め定められた値より大きい場合に、前記非選択画像における前記参照関係領域を、前記特徴領域検出部が前記非選択画像から検出した前記特徴領域内に存在するオブジェクトと異なるオブジェクトが存在する特徴領域として特定する
請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記選択画像および前記非選択画像のそれぞれを、前記特徴領域と、前記特徴領域以外の背景領域とに分割する画像分割部と、
前記特徴領域の画像と前記背景領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化する符号化部と
をさらに備える請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記選択画像から検出された前記特徴領域、および前記非選択画像において特定された前記特徴領域を包含する包含領域を特定する包含領域特定部と、
前記選択画像および前記非選択画像のそれぞれにおける前記包含領域以外の領域の画素値を固定値化する固定値化部と
をさらに備え、
前記符号化部は、前記包含領域の画像と、前記包含領域以外の領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
複数の動画構成画像を含む動画を処理する画像処理方法であって、
前記動画構成画像から、特徴領域を検出する特徴領域検出段階と、
前記動画から選択された前記動画構成画像である選択画像における前記特徴領域の位置に基づいて、当該選択画像以外の前記動画構成画像である非選択画像における特徴領域の位置を特定する特徴領域特定段階と
を備える画像処理方法。
【請求項18】
複数の動画構成画像を含む動画を処理する画像処理装置用のプログラムであって、前記画像処理装置を、
前記動画構成画像から、特徴領域を検出する特徴領域検出部、
前記動画から選択された前記動画構成画像である選択画像における前記特徴領域の位置に基づいて、当該選択画像以外の非選択画像における特徴領域の位置を特定する特徴領域特定部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−48620(P2009−48620A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174857(P2008−174857)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】