説明

画像処理装置および画像処理プログラム

【課題】所望の計測部分の幾何的な物理量を選択的にかつ容易に取得することが可能な画像処理装置および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】対象物画像データに基づいて対象物画像OIが表示されるとともに、指定画像データに基づいて対象物画像の特定部分に対応する計測部分指定画像AIが表示される。使用者による操作部の操作により、表示される計測部分指定画像AIが対象物画像OIに相対的に移動される。計測部分指定画像AIが対象物画像OIの特定部分に移動された場合、その特定部分に対応するように予め設定された計測対象物の計測部分の物理量が計測される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を処理する画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像処理装置を用いて計測対象物の画像から計測対象物の物理量が計測される。特許文献1に記載される画像計測装置では、取得された画像データに基づいて計測対象物の画像が表示される。その画像上において、特徴的な部分を示す特徴画像、および計測位置が指定される。指定された特徴画像およびその特徴画像に対する計測位置の相対位置等が記憶部に記憶される。
【0003】
その後、新たな画像データに基づいて、計測対象物の画像が表示される。その画像から記憶部に記憶された特徴画像と一致する部分画像がマッチング処理により探索される。探索された部分画像および記憶部に記憶された相対位置に基づいて計測位置が設定され、設定された計測位置のエッジ部分が検出される。検出されたエッジ部分に基づいて所定の物理量が計測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−169584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の画像計測装置では、計測対象物の画像に特徴画像と一致する部分画像が複数存在する場合、全ての部分画像に関して計測位置が設定され、物理量が計測される。そのため、計測の必要がない箇所に関しても計測が行われることがある。一方、計測対象物の画像上において、計測の必要がある箇所についてのみ個々に計測の設定を行うことも考えられる。しかしながら、計測箇所が多くなると、全ての計測箇所に計測の設定を行うために多大な労力が必要になる。
【0006】
本発明の目的は、所望の計測部分の幾何的な物理量を選択的にかつ容易に取得することが可能な画像処理装置および画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の発明に係る画像処理装置は、第1の画像データに基づいて計測対象物の画像を対象物画像として表示するとともに、第2の画像データに基づいて対象物画像の特定部分に対応する計測部分指定画像を表示するための表示部と、計測部分指定画像と、対象物画像から所定の特徴部分を検出するための検出領域との予め定められた一定の位置関係を記憶する記憶部と、表示部に表示される計測部分指定画像を対象物画像に相対的に移動させるために使用者により操作される操作部と、操作部の操作により計測部分指定画像が対象物画像の特定部分に移動された場合、移動後の計測部分指定画像に対して記憶部に記憶された位置関係にある検出領域から、対象物画像における特徴部分を検出し、検出された特徴部分に関する幾何的な物理量を第1の画像データに基づいて算出する処理部とを備えるものである。
【0008】
その画像処理装置においては、計測部分指定画像と、対象物画像から所定の特徴部分を検出するための検出領域との予め定められた一定の位置関係が記憶部に記憶される。第1の画像データに基づいて計測対象物の画像が対象物画像として表示部に表示され、第2の画像データに基づいて対象物画像の特定部分に対応する計測部分指定画像が表示部に表示される。使用者によって操作部が操作されることにより、計測部分指定画像が対象物画像に相対的に移動される。計測部分指定画像が対象物画像の特定部分に移動された場合、移動後の計測部分指定画像に対して記憶部に記憶された位置関係にある検出領域から、対象物画像の所定の特徴部分が検出される。検出された特徴部分に関する幾何的な物理量が第1の画像データに基づいて算出される。
【0009】
これにより、対象物画像に複数の特定部分が存在する場合でも、使用者が、操作部の操作により計測部分指定画像を対象物画像の所望の特定部分に移動させることにより、その特定部分に対して一定の位置関係にある特徴部分に関する幾何的な物理量を取得することができる。したがって、計測対象物の所望の計測部分の幾何的な物理量を選択的にかつ容易に取得することができる。
【0010】
(2)幾何的な物理量は、長さおよび角度の少なくとも一方を含んでもよい。この場合、使用者が、操作部の操作により計測部分指定画像を対象物画像の特定部分に移動させることにより、その特定部分に対して一定の位置関係にある部分の長さおよび角度の少なくとも一方を取得することができる。
【0011】
(3)計測部分指定画像は、計測対象物と同一または同種の計測対象物の画像の特定部分を含んでもよい。
【0012】
この場合、計測部分指定画像が対象物画像の特定部分と略同一または類似であるので、計測部分指定画像と対象物画像の特定部分との関係を使用者が容易に認識することができる。それにより、使用者が、計測部分指定画像を所望の特定部分に容易に移動させることができる。
【0013】
(4)処理部は、第2の画像データの取得時と共通の撮像条件で第1の画像データが取得されるように撮像装置を制御するように動作してもよい。
【0014】
この場合、計測部分指定画像と対象物画像の特定部分との相関性がより高くなる。それにより、使用者が、計測部分指定画像を対象物画像の所望の特定部分により容易に移動させることができる。
【0015】
(5)処理部は、第1の画像データが第1の撮像倍率で取得され、第2の画像データが第2の撮像倍率で取得された場合に、対象物画像または計測部分指定画像を第1の撮像倍率と第2の撮像倍率との比率に基づいて縮小または拡大するように動作してもよい。
【0016】
この場合、計測部分指定画像と対象物画像の特定部分とを同じ大きさで表示部に表示させることができる。それにより、使用者が、計測部分指定画像を対象物画像の所望の特定部分により容易に移動させることができる。
【0017】
(6)計測部分指定画像は、対象物画像の特定部分に対応する図形を含んでもよい。
【0018】
この場合、計測部分指定画像を生成および表示するための処理負担が低減される。それにより、コストの低減が可能となる。
【0019】
(7)処理部は、操作部の操作により計測部分指定画像と対象物画像の特定部分との距離が一定範囲内になったときに、計測部分指定画像の位置と対象物画像の特定部分の位置とが一致するように計測部分指定画像を移動させるように動作してもよい。
【0020】
この場合、計測部分指定画像の位置と対象物画像の特定部分の位置とを容易にかつ正確に一致させることができる。それにより、その特定部分に対して一定の位置関係にある部分に関する幾何的な物理量を容易にかつ正確に取得することができる。
【0021】
(8)第2の発明に係る画像処理プログラムは、第1の画像データに基づいて計測対象物の画像を対象物画像として表示するとともに、第2の画像データに基づいて対象物画像の特定部分に対応する計測部分指定画像を表示するための処理と、計測部分指定画像と、対象物画像から所定の特徴部分を検出するための検出領域との予め定められた一定の位置関係を予め記憶する処理と、表示される計測部分指定画像を対象物画像に相対的に移動させるために使用者により操作される処理と、使用者による操作により計測部分指定画像が対象物画像の特定部分に移動された場合、移動後の計測部分指定画像に対して記憶された位置関係にある検出領域から、対象物画像における特徴部分を検出し、検出された特徴部分に関する幾何的な物理量を第1の画像データに基づいて算出する処理とを、処理装置に実行させる、画像処理プログラム。
【0022】
その画像処理プログラムによれば、計測部分指定画像と、対象物画像から所定の特徴部分を検出するための検出領域との予め定められた一定の位置関係が予め記憶される。第1の画像データに基づいて計測対象物の画像が対象物画像として表示され、第2の画像データに基づいて対象物画像の特定部分に対応する計測部分指定画像が表示される。使用者の操作により、計測部分指定画像が対象物画像に相対的に移動される。計測部分指定画像が対象物画像の特定部分に移動された場合、移動後の計測部分指定画像に対して予め記憶された位置関係にある検出領域から、対象物画像の所定の特徴部分が検出される。検出された特徴部分に関する幾何的な物理量が第1の画像データに基づいて算出される。
【0023】
これにより、対象物画像に複数の特定部分が存在する場合でも、使用者が、操作部の操作により計測部分指定画像を所望の特定部分に移動させることにより、その特定部分に対して一定の位置関係にある部分に関する幾何的な物理量を取得することができる。したがって、計測対象物の所望の計測部分の幾何的な物理量を選択的にかつ容易に取得することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、所望の計測部分の幾何的な物理量を選択的にかつ容易に取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像処理装置を備えた拡大観察装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る拡大観察装置の顕微鏡を示す斜視図である。
【図3】顕微鏡の撮像装置がZ方向と平行に固定されている状態を示す模式図である。
【図4】顕微鏡の撮像装置がZ方向から所望の角度まで傾斜された状態を示す模式図である。
【図5】対象物画像の例を示す図です。
【図6】計測部分指定画像の例を示す図である。
【図7】図6の計測部分指定画像に対して設定される計測条件およびエッジ検出領域の例を示す図である。
【図8】計測部分指定画像を用いた計測対象物の計測部分の指定方法について説明するための図である。
【図9】計測部分指定画像を用いた計測対象物の計測部分の指定方法について説明するための図である。
【図10】計測部分指定画像を用いた計測対象物の計測部分の指定方法について説明するための図である。
【図11】計測部分指定画像を用いた計測対象物の計測部分の指定方法について説明するための図である。
【図12】計測部分指定画像、計測条件およびエッジ検出領域の設定方法の例について説明するための図である。
【図13】計測部分指定画像、計測条件およびエッジ検出領域の設定方法の例について説明するための図である。
【図14】計測部分指定画像、計測条件およびエッジ検出領域の設定方法の例について説明するための図である。
【図15】指定情報設定処理のフローチャートである。
【図16】計測処理のフローチャートである。
【図17】計測処理のフローチャートである。
【図18】計測部分指定画像の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態に係る画像処理装置を備えた拡大観察装置について図面を参照しながら説明する。
【0027】
(1)拡大観察装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像処理装置を備えた拡大観察装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
以下において、水平面内で直交する2方向をX方向およびY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向(鉛直方向)をZ方向とする。
【0029】
図1に示すように、拡大観察装置300は、顕微鏡100および画像処理装置200を備える。
【0030】
顕微鏡100は、撮像装置10、ステージ装置20および回転角度センサ30を含む。撮像装置10は、カラーCCD(電荷結合素子)11、ハーフミラー12、対物レンズ13、A/D変換器(アナログ/デジタル変換器)15、照明用光源16およびレンズ駆動部17を含む。ステージ装置20は、ステージ21、ステージ駆動部22およびステージ支持部23を含む。ステージ21上には、計測対象物Sが載置される。
【0031】
照明用光源16は、例えば白色光を発生するハロゲンランプまたは白色LED(発光ダイオード)である。照明用光源16により発生された白色光は、ハーフミラー12により反射された後、対物レンズ13によりステージ21上の計測対象物Sに集光される。
【0032】
計測対象物Sにより反射された白色光は、対物レンズ13およびハーフミラー12を透過してカラーCCD11に入射する。カラーCCD11は、赤色波長の光を受光する複数の赤色用画素、緑色波長の光を受光する複数の緑色用画素、および青色波長の光を受光する複数の青色用画素を有する。複数の赤色用画素、複数の緑色用画素および複数の青色用画素は二次元的に配列される。カラーCCD11の各画素からは、受光量に対応する電気信号が出力される。カラーCCD11の出力信号は、A/D変換器15によりデジタル信号に変換される。A/D変換器15から出力されるデジタル信号は、画像データとして画像処理装置200に順次与えられる。カラーCCD11に代えてCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等の撮像素子が用いられてもよい。
【0033】
対物レンズ13は、Z方向に移動可能に設けられる。レンズ駆動部17は、画像処理装置200の制御により対物レンズ13をZ方向に移動させる。それにより、撮像装置10の焦点の位置がZ方向において移動する。
【0034】
ステージ21は、Z方向の軸の周りで回転可能にステージ支持部23上に設けられる。ステージ駆動部22は、画像処理装置200から与えられる移動指令信号(駆動パルス)に基づいてステージ21をステージ支持部23に対して相対的に後述するx方向およびy方向に移動させる。ステージ駆動部22には、ステッピングモータが用いられる。回転角度センサ30は、ステージ21の回転角度を検出し、検出した角度を示す角度検出信号を画像処理装置200に与える。
【0035】
画像処理装置200は、インタフェース210、CPU(中央演算処理装置)220、ROM(リードオンリメモリ)230、記憶装置240、入力装置250、表示部260および作業用メモリ270を含む。
【0036】
ROM230には、システムプログラムが記憶される。記憶装置240は、ハードディスク等からなる。記憶装置240には、画像処理プログラムが記憶される。画像処理プログラムは、後述の指定情報設定処理プログラムおよび計測処理プログラムを含む。また、記憶装置240には、顕微鏡100からインタフェース210を通して与えられる画像データ、および後述の指定情報等の種々のデータが記憶される。入力装置250は、キーボードおよびポインティングデバイスを含む。ポインティングデバイスとしては、マウスまたはジョイスティック等が用いられる。
【0037】
表示部260は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。
【0038】
作業用メモリ270は、RAM(ランダムアクセスメモリ)からなり、種々のデータの処理のために用いられる。
【0039】
CPU220は、記憶装置240に記憶された画像処理プログラムを実行することにより作業用メモリ270を用いて画像データに基づく画像処理を行うとともに、画像データに基づく画像を表示部260に表示させる。また、CPU220は、インタフェース210を通して顕微鏡100のカラーCCD11、照明用光源16、レンズ駆動部17およびステージ駆動部22を制御する。
【0040】
図2は、本発明の一実施の形態に係る拡大観察装置300の顕微鏡100を示す斜視図である。図2においては、X方向、Y方向およびZ方向が矢印で示される。
【0041】
図2に示すように、顕微鏡100はベース1を有する。ベース1上には、第1の支持台2が取り付けられるとともに、この第1の支持台2の前面に嵌め込まれるように第2の支持台3が取り付けられる。
【0042】
第1の支持台2の上端部には、連結部4がY方向に延びる回動軸R1の周りに回動可能に取り付けられる。連結部4には回動支柱5が取り付けられる。それにより、回動支柱5は連結部4の回動に伴って回動軸R1を支点としてZ方向に平行な垂直面内で傾斜可能である。使用者は、固定つまみ9により連結部4を第1の支持台2に対して固定することができる。
【0043】
連結部6の前面には環状の支持部7が取り付けられる。支持部7には、略円筒状の撮像装置10が取り付けられる。図2の状態では、撮像装置10の光軸R2はZ方向に平行である。支持部7は、撮像装置10を水平面内で移動させるための複数の調整ネジ41を有する。複数の調整ネジ41を用いて撮像装置10の光軸R2が回動軸R1に垂直に交差するように撮像装置10の位置を調整することができる。
【0044】
ベース1上の第2の支持台3の前面には、Z方向に摺動可能にスライダ8が取り付けられる。第2の支持台3の側面には、調整つまみ42が設けられる。スライダ8のZ方向(高さ方向)の位置は、調整つまみ42により調整可能である。
【0045】
ステージ装置20の支持部23は、スライダ8上に取り付けられる。ステージ21は、支持部23に対してZ方向の回転軸R3の周りに回転可能に設けられる。また、ステージ21には、水平面内で互いに直交するx方向およびy方向が設定される。ステージ21は、図1のステージ駆動部22によりx方向およびy方向に移動可能に設けられる。ステージ21が回転軸R3の周りに回転すると、ステージ21のx方向およびy方向も回転する。それにより、ステージ21のx方向およびy方向は、X方向およびY方向に対して水平面内で傾斜する。
【0046】
撮像装置10の撮像範囲(視野範囲)は、撮像装置10の倍率により異なる。以下、撮像装置10の撮像範囲を単位領域と呼ぶ。ステージ21をx方向およびy方向に移動させることにより複数の単位領域の画像データを取得することができる。複数の単位領域の画像データを連結することにより複数の単位領域の画像を図1の表示部260に表示することができる。
【0047】
図3は顕微鏡100の撮像装置10がZ方向と平行に固定されている状態を示す模式図である。また、図4は顕微鏡100の撮像装置10がZ方向から所望の角度まで傾斜された状態を示す模式図である。
【0048】
図3に示すように、回動支柱5がZ方向に平行な状態で固定つまみ9を締めることにより連結部4が第2の支持台3に固定される。それにより、撮像装置10の光軸R2がZ方向に平行な状態で回動軸R1に垂直に交差する。この場合、撮像装置10の光軸R2はステージ21の表面に垂直となる。
【0049】
固定つまみ9を緩めることにより連結部4が回動軸R1の周りに回動可能となり、回動支柱5が回動軸R1を支点として傾斜可能となる。それにより、図4に示すように、撮像装置10の光軸R2をZ方向に対して任意の角度θ傾斜させることができる。この場合、撮像装置10の光軸R2は回動軸R1に垂直に交差する。同様にして、撮像装置10の光軸R2をZ方向に対して図4と逆側に任意の角度傾斜させることができる。
【0050】
したがって、調整つまみ42(図2)を用いて、ステージ21上の計測対象物の表面の高さを回動軸R1の高さに一致させることにより、計測対象物の同じ部分を垂直な方向および斜め方向から観察することができる。
【0051】
(2)計測対象物の計測部分の測定
上記のように、撮像装置10により取得された計測対象物Sの画像データに基づいて、計測対象物Sの画像が表示部260に表示される。以下、計測対象物Sの画像データを対象物画像データと呼び、計測対象物Sの画像を対象物画像と呼ぶ。
【0052】
図5は、対象物画像の例を示す図です。図5の対象物画像OIにおいて、計測対象物Sは、複数の端子部TP、および複数の導体パターンCPを含む回路基板である。各端子部TPには、円形の開口Hが形成される。
【0053】
本実施の形態では、計測対象物Sの計測部分を指定するための指定情報が記憶装置240(図1)に記憶される。指定情報は、対象物画像Sの特定部分に対応する計測部分指定画像の画像データを含む。以下、計測部分指定画像の画像データを指定画像データと呼ぶ。
【0054】
図6は、計測部分指定画像の例を示す図である。図6の計測部分指定画像AIは、計測対象物Sの一の端子部TPの画像である。本例では、対象物画像OIにおける計測対象物Sの各端子部TPを表す部分が、対象物画像OIの特定部分に相当する。計測部分指定画像AIは、実際に計測されるべき計測対象物Sの画像の特定部分であってもよく、同種の計測対象物Sの画像の特定部分であってもよい。
【0055】
計測部分指定画像AIに対して、計測条件およびエッジ検出領域が設定される。計測条件は、計測されるべき幾何的な物理量を示す。エッジ検出領域は、対象物画像から所定の特徴部分(本例では、エッジ部)を検出するための領域であり、計測部分指定画像AIに対して一定の位置関係を有する。図7は、図6の計測部分指定画像AIに対して設定される計測条件およびエッジ検出領域の例を示す図である。図7の例では、開口Hの径T1および端子部TPの幅T2が計測条件として設定される。径T1および幅T2は、幾何的な物理量としての長さの例である。また、開口Hの円形の縁に反った一定幅の円環状の領域ER1、ならびに端子部TPの互いに平行な一対の辺にそれぞれ沿った一定幅の長尺状領域ER2,ER3が、エッジ検出領域ERとして設定される。計測部分指定画像AIに対する計測条件およびエッジ検出領域ERの相対位置は記憶装置240に記憶される。
【0056】
図8〜図11は、計測部分指定画像を用いた計測対象物Sの計測部分の指定方法について説明するための図である。計測部分の指定時には、図8に示すように、対象物画像OIが表示部260(図1)に表示されるとともに、対象物画像OIに重なるように計測部分指定画像AIが表示部260に半透明で表示される。
【0057】
対象物画像データの取得時における撮像倍率と指定画像データの取得時における撮像倍率とが異なる場合には、これらの撮像倍率の比率に基づいて計測部分指定画像AIが拡大または縮小される。これにより、対象物画像OIおよび計測部分指定画像AIとを共通の倍率で表示部260に表示することができる。なお、計測部分指定画像AIが拡大または縮小される代わりに、対象物画像OIが拡大または縮小されてもよい。
【0058】
使用者による入力装置250(図1)の操作により、図9に示すように、計測部分指定画像AIが対象物画像OIに対して相対的に移動される。例えば、入力装置250としてマウスが用いられる場合、計測部分指定画像AIがドラッグされることにより、計測部分指定画像AIが対象物画像OIに対して相対的に移動される。また、例えば、マウスホイールが回転されることにより、計測部分指定画像AIの向きが調整される。
【0059】
図10に示すように、使用者は、対象物画像OIの所望の特定部分に計測部分指定画像AIが重なるように、入力装置250(図1)の操作により、計測部分指定画像AIの位置および向きを調整する。なお、使用者による入力装置250の操作によって対象物画像OIの特定部分と計測部分指定画像AIとの距離が予め定められた範囲内になったときに、対象物画像OIの特定部分に計測部分指定画像AIが重なるように計測部分指定画像AIの位置および向きが自動的に調整されてもよい。
【0060】
対象物画像OIの所望の特定部分に計測部分指定画像AIが重ねられた状態で、計測を指示する入力装置250の操作(例えば、マウスのクリック)が行われると、計測部分指定画像AIに対応するエッジ検出領域ER(図7)から対象物画像OIのエッジ部が検出される。エッジ部とは、明るさ(輝度、色等)が急峻に変化する部分をいい、計測対象物Sの各部の境界を表す対象物画像OIの部分である。この場合、検出されたエッジ部に対応する計測対象物Sの部分が、計測対象物Sの計測部分として指定される。その計測部分に関して、計測条件として設定された幾何的な物理量が計測される。
【0061】
具体的には、対象物画像OIにおいて、開口Hの円形の縁を表すエッジ部および端子部TPの一対の辺を表すエッジ部が検出される。検出されたエッジ部の径T1および幅T2に基づいて、実際の開口Hの径T1および端子部TPの幅T2が計測される。この場合、対象物画像OIの撮像倍率に基づいて、対象物画像OIにおける寸法(画素数)から実際の寸法が算出される。
【0062】
さらに、図11に示すように、対象物画像OI上に、寸法線等の補助線とともに計測結果が表示される。図11において、「x」および「y」は、それぞれ数値を表す。計測結果および補助線の表示位置は、計測部分指定画像AIに対する相対位置として予め設定されて記憶装置240に記憶されてもよく、対象物画像OIの特定部分の向きおよび大きさ等に応じて、適宜調整されてもよい。
【0063】
(3)計測部分指定画像、計測条件およびエッジ検出領域の設定方法
図12〜図14は、計測部分指定画像AI、計測条件およびエッジ検出領域ERの設定方法の例について説明するための図である。図12〜図14においては、図6および図7に示される計測部分指定画像AI、エッジ検出領域および計測条件の設定方法について説明する。また、本例では、図5の対象物画像OIを用いて、計測部分指定画像AI、計測条件およびエッジ検出領域ERが設定される。図12〜図14は、図5の対象物画像OIの一部拡大図である。
【0064】
まず、図12(a)に示すように、対象物画像OI上において計測条件とて開口Hの径T1が設定される。続いて、図12(b)に示すように、対象物画像OIの開口Hの縁を表すエッジ部に重なるようにエッジ検出領域ERの領域ER1が設定される。この場合、対象物画像OIの特定部分のばらつき等を考慮して、開口Hの縁を表すエッジ部が確実に検出されるようにエッジ検出領域ERの領域ER1の幅H1が設定される。
【0065】
また、図13(a)に示すように、対象物画像OI上において計測条件とて端子部TPの幅T2が設定される。続いて、図13(b)に示すように、対象物画像OIの端子部TPの一対の辺に重なるようにエッジ検出領域ERの領域ER2,ER3が設定される。この場合、対象物画像OIの特定部分のばらつき等を考慮して、端子部TPの一対の辺を表すエッジ部が確実に検出されるようにエッジ検出領域ERの領域ER2,ER3の幅H2,H3が設定される。
【0066】
最後に、図14に示すように、計測部分指定画像AIの範囲RAが設定される。この場合、対象物画像OIにおける範囲RA内の部分が計測部分指定画像AIに設定される。
【0067】
このようにして設定された計測部分指定画像AIの画像データ、計測条件およびエッジ検出領域ERが、指定情報として記憶装置240に記憶される。この場合、計測部分指定画像AIに対する計測条件およびエッジ検出領域ERの相対位置が記憶装置240に記憶される。
【0068】
(4)指定情報設定処理
指定情報を設定するための指定情報設定処理について説明する。指定情報設定処理は、図1のCPU220が記憶装置240に記憶される指定情報設定処理プログラムを実行することにより行われる。図15は、指定情報設定処理のフローチャートである。
【0069】
図15に示すように、まず、CPU220は、指定情報の設定に用いられる対象物画像データが使用者により指定されたか否かを判定する(ステップS1)。例えば、使用者は、入力装置250(図1)の操作により、記憶装置240(図1)に記憶された対象物画像データ、またはその時点で撮像装置10により取得される対象物画像データのうち所望の対象物画像データを指定する。
【0070】
対象物画像データが指定されていない場合、CPU220は、対象物画像データが指定されるまでステップS1の処理を繰り返す。対象物画像データが指定された場合、CPU220は、指定された対象物画像データに基づいて対象物画像OIを表示部260に表示させる(ステップS2)。
【0071】
表示部260に対象物画像OIが表示された状態で、使用者は、入力装置250の操作により、図12〜図14に示したように、計測条件、エッジ検出領域ERおよび計測部分指定画像AIの範囲を設定する。使用者は、計測条件、エッジ検出領域ERおよび計測部分指定画像AIの範囲の各々の設定完了時に、入力装置250の所定の操作(例えば、ダブルクリック等)を行う。また、使用者は、全ての計測条件およびエッジ検出領域ERの設定が完了した場合、入力装置250の操作により、例えば、表示部260に表示される完了ボタンを選択する。
【0072】
CPU220は、入力装置250の操作に基づいて、計測条件の設定が完了したか否かを判定する(ステップS3)。計測条件の設定が完了していない場合、CPU220は、計測条件の設定が完了するまでステップS3の処理を繰り返す。計測条件の設定が完了した場合、CPU220は、入力装置250の操作に基づいて、エッジ検出領域ERの設定が完了したか否かを判定する(ステップS4)。エッジ検出領域ERの設定が完了していない場合、CPU220は、エッジ検出領域ERの設定が完了するまでステップS4の処理を繰り返す。エッジ検出領域ERの設定が完了した場合、CPU220は、入力装置250の操作に基づいて、全ての計測条件およびエッジ検出領域ERの設定が完了したか否かを判定する(ステップS5)。
【0073】
全ての計測条件およびエッジ検出領域ERの設定が完了していない場合、CPU220は、ステップS3の処理に戻る。全ての計測条件およびエッジ検出領域ERの設定が完了した場合、CPU220は、入力装置250の操作に基づいて、計測部分指定画像AIの範囲の設定が完了したか否かを判定する(ステップS6)。計測部分指定画像AIの範囲の設定が完了していない場合、CPU220は、ステップS6の処理を繰り返す。計測部分指定画像AIの範囲の設定が完了した場合、CPU220は、設定された計測部分指定画像AIの画像データを記憶装置240に記憶するとともに、その計測部分指定画像AIに対する計測条件およびエッジ検出領域ERの相対位置を記憶装置240に記憶する(ステップS7)。
【0074】
(5)計測処理
計測対象物Sの計測部分の物理量を計測するための計測処理について説明する。指定情報設定処理は、図1のCPU220が記憶装置240に記憶される計測処理プログラムを実行することにより行われる。図16および図17は、計測処理のフローチャートである。
【0075】
図16に示すように、まず、CPU220は、対象物画像データが指定されたか否かを判定する(ステップS11)。例えば、使用者は、入力装置250(図1)の操作により、記憶装置240(図1)に記憶された対象物画像データ、またはその時点で撮像装置10により取得される対象物画像データのうち所望の対象物画像データを指定する。計測処理に用いられる対象物画像データは、上記の指定情報設定処理に用いられる対象物画像データと同じであってもよく、または異なってもよい。
【0076】
対象物画像データが指定されていない場合、CPU220は、対象物画像データが指定されるまでステップS11の処理を繰り返す。対象物画像データが指定された場合、CPU220は、指定された対象物画像データに基づいて対象物画像OIを表示部260に表示させる(ステップS12)。
【0077】
次に、CPU220は、指定画像データが指定されたか否かを判定する(ステップS13)。使用者は、入力装置250の操作により、記憶装置240に指定情報として記憶された1または複数の指定画像データから所望の指定画像データを指定する。
【0078】
指定画像データが指定されていない場合、CPU220は、指定画像データが指定されるまでステップS13の処理を繰り返す。指定画像データが指定された場合、CPU220は、ステップS11で指定された対象物画像データの撮像倍率とステップS13で指定された指定画像データの撮像倍率との比率が予め定められた値より小さいか否かを判定する(ステップS14)。
【0079】
対象物画像データの撮像倍率と指定画像データの撮像倍率との比率が予め定められた値より小さい場合、CPU220は、指定画像データに基づいて計測部分指定画像AIを撮像倍率のまま表示部260に表示させる(ステップS15)。対象物画像データの撮像倍率と指定画像データの撮像倍率との比率が予め定められた値以上である場合、CPU220は、対象物画像データの撮像倍率と指定画像データの撮像倍率との比率に基づいて、対象物画像OIの表示倍率と計測部分指定画像AIの表示倍率とが同じになるように、計測部分指定画像AIを拡大または縮小して表示部260に表示させる(ステップS16)。
【0080】
表示部260に対象物画像OIおよび計測部分指定画像AIが表示された状態で、使用者は、入力装置250の操作により、図8〜図10に示したように、計測部分指定画像AIを移動させる。
【0081】
CPU220は、対象物画像OIの特定部分(端子部TPを表す部分)と計測部分指定画像AIとの距離が予め定められた範囲内になったか否かを判定する(ステップS17)。対象物画像OIの特定部分(端子部TPを表す部分)は、計測部分指定画像AIに基づいて例えばパターンマッチングにより検出される。対象物画像OIの特定部分と計測部分指定画像AIとの距離が予め定められた範囲内になっていない場合、CPU220は、ステップS17の処理を繰り返す。
【0082】
対象物画像OIの特定部分と計測部分指定画像AIとの距離が予め定められた範囲内になった場合、CPU220は、対象物画像OIの特定部分に計測部分指定画像AIが重なるように計測部分指定画像AIの位置および向きを調整する(ステップS18)。
【0083】
次に、CPU220は、入力装置250の操作(例えば、マウスのクリック)に基づいて、計測の指示があるか否かを判定する(ステップS19)。計測の指示がない場合、CPU220は、ステップS18において計測部分指定画像AIの位置および向きが調整された後に計測部分指定画像AIが移動されたか否かを判定する(ステップS20)。計測部分指定画像AIが移動されていない場合、CPU220は、ステップS19,S20の処理を繰り返す。計測部分指定画像AIが移動された場合、CPU220は、ステップS17の処理に戻る。
【0084】
計測指示がある場合、CPU220は、記憶装置240に指定情報として記憶された計測条件およびエッジ検出領域ERに基づいて、対象物画像OIのエッジ部を検出するとともに(ステップS21)、検出されたエッジ部に対応する計測対象物Sの計測部分の物理量を計測する(ステップS22)。次に、CPU220は、計測結果を表示部260に表示させる(ステップS23)。
【0085】
次に、CPU220は、計測すべき全ての計測部分の計測が完了したか否かを判定する(ステップS24)。使用者は、全ての計測条件およびエッジ検出領域ERの設定が完了した場合、入力装置250の操作により、例えば、表示部260に表示される完了ボタンを選択する。計測すべき全ての計測部分の計測が完了していない場合、CPU220は、ステップS17〜S23の処理を繰り返す。計測すべき全ての計測部分の計測が完了した場合、CPU220は、計測処理を終了する。
【0086】
(6)効果
本実施の形態に係る画像処理装置200においては、対象物画像データに基づいて対象物画像OIが表示部260に表示され、指定画像データに基づいて対象物画像OIの特定部分に対応する計測部分指定画像AIが表示部260に表示される。使用者によって入力装置250が操作されることにより、計測部分指定画像AIが対象物画像OIに相対的に移動される。計測部分指定画像AIが対象物画像OIの特定部分に移動された場合、予め設定された計測条件およびエッジ検出領域に基づいて、計測対象物Sの計測部分が指定され、指定された計測部分の幾何的な物理量が計測される。
【0087】
これにより、対象物画像OIに複数の特定部分が存在する場合、その複数の特定部分のうち計測部分指定画像AIが移動された特定部分に関して、幾何的な物理量の計測が行われる。そのため、使用者が、入力装置250の操作により計測部分指定画像AIを対象物画像OIの所望の特定部分に移動させることにより、その特定部分に対応する計測対象物Sの計測部分の幾何的な物理量を選択的にかつ容易に取得することができる。
【0088】
また、本実施の形態では、計測部分指定画像AOが対象物画像Sの特定部分からなる。これにより、計測部分指定画像AIと対象物画像OIの特定部分との関係を使用者が容易に認識することができる。それにより、使用者が、計測部分指定画像AIを対象物画像OIの所望の特定部分に容易に移動させることができる。
【0089】
また、本実施の形態では、対象物画像データの撮像倍率と指定画像データの撮像倍率との比率が予め定められた値以上である場合、その比率に基づいて、対象物画像OIの表示倍率と計測部分指定画像AIの表示倍率とが同じになるように、計測部分指定画像AIが拡大または縮小されて表示部260に表示される。これにより、使用者が、計測部分指定画像AIを対象物画像OIの所望の特定部分により容易に移動させることができる。
【0090】
また、本実施の形態では、対象物画像OIの特定部分と計測部分指定画像AIとの距離が予め定められた範囲内になった場合、対象物画像OIの特定部分に計測部分指定画像AIが重なるように計測部分指定画像AIの位置および向きが調整される。それにより、計測部分指定画像AIと対象物画像OIの特定部分とを容易にかつ正確に一致させることができる。それにより、その特定部分に対応する計測対象物Sの計測部分の幾何的な物理量を容易にかつ正確に取得することができる。
【0091】
(7)他の実施の形態
(7−1)
指定情報設定処理に用いられる対象物画像データの取得後に、計測処理に用いられる対象物画像データが取得される場合、CPU220は、指定情報設定処理用の対象物画像データの取得時と共通の撮像条件で計測処理用の対象物画像データが取得されるように撮像装置10を制御してもよい。この場合、計測処理において、計測部分指定画像AIと対象物画像OIの特定部分との相関性がより高くなる。それにより、使用者が、計測部分指定画像AIを対象物画像OIの所望の特定部分により容易に移動させることができる。
【0092】
(7−2)
上記実施の形態では、計測部分指定画像AIが対象物画像OIの特定部分からなるが、これに限らない。図18は、計測部分指定画像AIの他の例を示す図である。図18の計測部分指定画像AIは、端子部TPの一対の辺を表す線ST1,ST2および開口Hの縁を表す線ST3を含む。このように、計測部分指定画像AIは、対象物画像OIの特定部分に対応する図形であってもよい。
【0093】
この場合も、上記同様に、計測部分指定画像AIに対して計測条件およびエッジ検出領域が設定される。計測処理時には、計測部分指定画像AIが対象物画像OIの特定部分に移動されることにより、予め設定された計測条件およびエッジ検出領域に基づいて、計測対象物Sの計測部分が指定され、指定された計測部分の幾何的な物理量が計測される。
【0094】
(7−3)
上記実施の形態では、エッジ検出領域ERにおいて検出されたエッジ部に関して、幾何的な物理量が計測されるが、これに限らない。例えば、エッジ検出領域ERの代わりに、対象物画像OIから所定の特徴部分を検出するための検出領域が計測部分指定画像AIに対して一定の位置関係を有するように設定され、その検出領域において検出された部分に関して、幾何的な物理量が計測されてもよい。なお、所定の特徴部分とは、例えば、所定の幾何形状を有する部分、または所定範囲の輝度を有する部分等である。
【0095】
(7−4)
上記実施の形態では、幾何的な物理量として径および幅が計測されるが、これに限らず、半径および距離等が幾何的な物理量として計測されてもよい。また、これらは幾何的な物理量としての長さの例であるが、これに限らず、幾何的な物理量として角度等が計測されてもよい。
【0096】
(7−5)
上記実施の形態では、計測処理時に、入力装置250の操作により計測部分指定画像AIが表示部260上で移動されるが、これに限らず、計測部分指定画像AIが対象物画像OIに相対的に移動されるように、対象物画像OIが表示部260上で移動されてもよい。
【0097】
(8)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0098】
上記実施の形態においては、対象物画像データが第1の画像データの例であり、指定画像データが第2の画像データの例であり、対象物画像OIが対象物画像の例であり、計測部分指定画像AIが計測部分指定画像の例であり、表示部260が表示部の例であり、入力装置250が操作部の例であり、CPU220が処理部および処理装置の例であり、撮像装置10が撮像装置の例である。
【0099】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、種々の画像処理装置に有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
10 撮像装置
11 カラーCCD
12 ハーフミラー
13 対物レンズ
15 A/D変換器
16 照明用光源
17 レンズ駆動部
20 ステージ装置
21 ステージ
22 ステージ駆動部
23 ステージ支持部
100 顕微鏡
210 インタフェース
220 CPU
230 ROM
240 記憶装置
250 入力装置
260 表示部
270 作業用メモリ
300 拡大観察装置
AI 計測部分指定画像
CP 導体パターン
ER エッジ検出領域
H 開口
OI 対象物画像
S 計測対象物
TP 端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像データに基づいて計測対象物の画像を対象物画像として表示するとともに、第2の画像データに基づいて前記対象物画像の特定部分に対応する計測部分指定画像を表示するための表示部と、
前記計測部分指定画像と、前記対象物画像から所定の特徴部分を検出するための検出領域との予め定められた一定の位置関係を記憶する記憶部と、
前記表示部に表示される前記計測部分指定画像を前記対象物画像に相対的に移動させるために使用者により操作される操作部と、
前記操作部の操作により前記計測部分指定画像が前記対象物画像の前記特定部分に移動された場合、移動後の前記計測部分指定画像に対して前記記憶部に記憶された前記位置関係にある前記検出領域から、前記対象物画像における前記特徴部分を検出し、検出された前記特徴部分に関する幾何的な物理量を前記第1の画像データに基づいて算出する処理部とを備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記幾何的な物理量は、長さおよび角度の少なくとも一方を含む、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記計測部分指定画像は、前記計測対象物と同一または同種の計測対象物の画像の特定部分を含む、請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記第2の画像データの取得時と共通の撮像条件で前記第1の画像データが取得されるように撮像装置を制御するように動作する、請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第1の画像データが第1の撮像倍率で取得され、前記第2の画像データが第2の撮像倍率で取得された場合に、前記対象物画像または前記計測部分指定画像を第1の撮像倍率と第2の撮像倍率との比率に基づいて縮小または拡大するように動作する、請求項3または4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記計測部分指定画像は、前記対象物画像の前記特定部分に対応する図形を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記操作部の操作により前記計測部分指定画像と前記対象物画像の前記特定部分との距離が一定範囲内になったときに、前記計測部分指定画像の位置と前記対象物画像の前記特定部分の位置とが一致するように前記計測部分指定画像を移動させるように動作する、請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
第1の画像データに基づいて計測対象物の画像を対象物画像として表示するとともに、第2の画像データに基づいて前記対象物画像の特定部分に対応する計測部分指定画像を表示するための処理と、
前記計測部分指定画像と、前記対象物画像から所定の特徴部分を検出するための検出領域との予め定められた一定の位置関係を予め記憶する処理と、
表示される前記計測部分指定画像を前記対象物画像に相対的に移動させるために使用者により操作される処理と、
使用者による操作により前記計測部分指定画像が前記対象物画像の前記特定部分に移動された場合、移動後の前記計測部分指定画像に対して前記記憶された前記位置関係にある前記検出領域から、前記対象物画像における前記特徴部分を検出し、検出された前記特徴部分に関する幾何的な物理量を前記第1の画像データに基づいて算出する処理とを、処理装置に実行させる、画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−88326(P2013−88326A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230079(P2011−230079)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】