画像形成装置、情報処理装置、画像形成システム、画像形成位置補正方法、記録媒体及びコンピュータが読み取り可能なプログラム
【課題】 用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを簡易に位置合わせできるようにすると共に、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致できるようにする。
【解決手段】 基準チャート10の表裏面共通基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を当該基準チャート10の表面及び裏面に形成する画像形成手段70と、その基準チャート10の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準画像を読み取る画像読取手段11と、基準画像の読取情報に基づいて基準チャート10の表面の画像形成位置とその裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成制御する制御手段15を備え、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた画像読取手段11の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正するものである。
【解決手段】 基準チャート10の表裏面共通基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を当該基準チャート10の表面及び裏面に形成する画像形成手段70と、その基準チャート10の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準画像を読み取る画像読取手段11と、基準画像の読取情報に基づいて基準チャート10の表面の画像形成位置とその裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成制御する制御手段15を備え、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた画像読取手段11の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原稿から読み取った画像を用紙の両面に複写する機能を備えたネットワーク画像形成システム等に適用して好適な画像形成装置、情報処理装置、画像形成システム、画像形成位置補正方法、記録媒体及びコンピュータが読み取り可能なプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、任意の画像情報に基づいて画像を形成する白黒及びカラー用のプリンタや複写機、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。例えば、白黒用のデジタル複写機は、スキャナ機能に加えて、露光手段、現像器、感光体ドラム及び定着装置から成る画像形成手段を備えている。
【0003】
原稿はスキャナによって読み取られ、原稿画像は二値化されて画像情報となる。露光手段では画像処理後の画像情報に基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像器では感光体ドラムに描かれた静電潜像に黒色のトナー剤を付着して現像する。トナー像は、感光体ドラムから用紙に転写された後に定着装置によって定着される。これにより、給紙トレイから繰り出された用紙に画像を形成することができる。
【0004】
また、原稿から読み取った画像を用紙の両面に複写する機能(両面コピーモード)を備えた複写機、プリンタ、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。両面コピーモードを利用すると、手作りの小冊子等に表紙を付けることができる。例えば、A4版の用紙を複数ページから構成した小冊子の表紙には、A3ワイドサイズの用紙が使用される場合が多い。A3ワイドサイズの用紙は、2つ折りにしたとき、A4版の用紙よりも一回り大きいサイズとなる。両面コピーモードでは、例えば、A4版の用紙の表面のページ形成位置と、裏写りした裏面のページ形成位置とを一致させる必要がある。これは画像形成品質向上のためである。
【0005】
コピー機やプリンタでは、両面画像形成時に用紙の表面と裏面とで同じ位置に画像形成されることを意図して出力している。しかしながら、用紙の熱収縮等により、用紙の表面と裏面とで異なる位置に印刷されてしまうことがあった。このずれを調整するために、従来方式では、人が定規などを用いて位置ずれ量を測定し、調整値を見出して調整量を複写機やプリンタ等に入力する方法を採っている。
【0006】
このような両面画像形成機能を備えた複写機に関連して、特許文献1には、画像形成装置及び画像形成調整方法が開示されている。この複写機によれば、位置ずれ調整用のマーク画像を用紙の表面及び裏面に形成し、一方の面で裏写りする他方の面のマーク画像を一方の面のマーク画像と共に同時にスキャナによって読み込む。画像処理手段では、一方の面のマーク画像と、他方の面からの裏写りマーク画像とに係る混在の画像データを処理して、両面画像位置ずれ量を検出するようになされる。このように画像形成装置を構成すると、表裏の画像のシフトのずれだけでなく、記録紙の伸び縮みに起因する表裏の画像の倍率のずれに関しても解消し、表裏の画像を一致できるというものである。
【0007】
【特許文献1】特開2003−173109号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、両面画像形成機能を備えた複写機等の画像形成装置により、手作りの小冊子等に表紙を付けるといった使用者要求により、複写機のスキャナの画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)を越える大きさの用紙に、画像を形成する場合が多くなってきた。
【0009】
例えば、最大A3版のスキャンサイズを有した複写機等において、A3ワイドサイズの用紙に画像を形成するようになされる。従って、用紙の表面と裏面との位置ずれ調整時に、特許文献1に示すようなマーク画像がスキャナの画像読取領域外に、はみ出てしまって、マーク画像検出ができず、表裏位置ずれを補正することが困難となるという問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、このような従来例に係る課題を解決したものであって、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、その用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを簡便に位置合わせできるようにすると共に、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致できるようにした画像形成装置、情報処理装置、画像形成システム、画像形成位置補正方法、記録媒体及びコンピュータが読み取り可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成装置であって、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する画像形成手段と、所定の画像読取可能領域を有する画像読取手段と、用紙の一部を画像読取手段により読み取ることにより得られた基準画像を含む読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る画像形成装置によれば、用紙の表面及び裏面に画像を形成する場合に、画像形成手段は、例えば、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して予め設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する。これを前提にして、所定の画像読取可能領域を有した画像読取手段は、用紙の一部、例えば、画像形成手段により形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準画像を読み取る。制御手段は、画像読取手段によって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて基準位置から用紙の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から用紙の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。更に制御手段は、そのずれ量に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段を制御して、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正する。
【0013】
従って、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、その用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏面で共通する基準位置(用紙端部等)を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【0014】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズが画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きい場合であって、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像が画像読取手段によって読み取られ、制御手段は、画像読取手段によって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。従って、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。
【0015】
本発明に係る情報処理装置は、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有するスキャナとに接続されて情報処理可能な情報処理装置であって、用紙の一部をスキャナによって読み取ることにより得られた基準画像を含む読取情報を入力し、当該読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタを制御することを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る情報処理装置によれば、例えば、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して予め設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有したスキャナとに当該情報処理装置が接続され、スキャナは、用紙の一部を読み取って、プリンタにより用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る。この情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタを制御する。このとき、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られたスキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正するようになされる。
【0017】
従って、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、その用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【0018】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズがスキャナの画像読取可能領域よりも大きい場合であって、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像がスキャナによって読み取られ、情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。従って、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。
【0019】
本発明に係る画像形成システムは、用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成システムであって、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有し、プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準画像を読み取るスキャナと、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする情報処理装置とを備え、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られたスキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る画像形成システムによれば、用紙の表面及び裏面に画像を形成する場合に、本発明に係る情報処理装置が応用され、例えば、プリンタ、スキャナ及び情報処理装置がネットワークに接続される。プリンタは、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する。これを前提にして、スキャナは、プリンタによって形成された用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る。情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタを制御する。このとき、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られたスキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正するようになされる。
【0021】
従って、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、情報処理装置において、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【0022】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズがスキャナの画像読取可能領域よりも大きい場合であって、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像が画像読取手段によって読み取られ、情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。従って、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、情報処理装置において、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。
【0023】
本発明に係る画像形成位置補正方法は、画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正する方法であって、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して位置合わせ用の基準画像を設定する工程と、ここで設定された位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する工程と、画像読取系の画像読取可能領域で用紙の一部を読み取る工程と、画像読取可能領域で読み取って得られた基準画像を含む読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とするものである。
【0024】
本発明に係る画像形成位置補正方法によれば、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合に、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして再現性良く位置合わせすることができる。
【0025】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズが画像読取系の画像読取可能領域よりも大きい場合であっても、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取られるので、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に再現性良く位置合わせすることができる。
【0026】
本発明に係るコンピュータが読み取り可能な記録媒体及びプログラムは、上述した本発明に係る画像形成位置補正方法をコンピュータシステムにより実行可能に応用したものである。
【0027】
従って、本発明に係るコンピュータが読み取り可能な記録媒体及びプログラムによれば、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量が検出され、ここで検出されたずれ量に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを再現性良く位置合わせすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する基準位置(用紙端部等)を基準にして簡便に位置合わせできる。つまり、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
続いて、この発明に係る画像形成装置、画像形成システム、情報処理装置、画像形成位置補正方法及びコンピュータが読み取り可能な記録媒体及びプログラムの一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明に係る各実施例としてのデジタルの複写機100の断面の構成例を示す概念図である。
図1に示す複写機100は、画像形成装置の一例を構成し、原稿20を読み取って得たデジタルの画像データDoutに基づいて用紙Pの表面及び裏面に白黒画像を形成する装置である。画像形成装置は複写機100の他に、白黒用のプリンタや、これらの複合機等に適用して好適である。複写機100は、直接転写方式によりモノクロ画像を形成する機能を備え、装置本体に画像読取手段11及び画像形成手段70を有している。画像読取手段11は、所定の画像読取可能領域を有しており、自動給紙モード又はプラテンモードに基づいて原稿画像を読み取るようになされる。
【0031】
ここに自動給紙モードとは、自動原稿給紙装置(Auto Document Feeder;以下ADFという)40に載置された原稿20を自動給紙して画像を自動的に読み取る動作をいう。プラテンモードとは、プラテンガラス51上に載置された原稿20を走査して画像を自動的に読み取る動作をいう。
【0032】
画像読取手段11の上部には、ADF40が取り付けられており、原稿20又は基準チャート10を自動給紙するように動作する。基準チャート10とは、用紙Pの表面及び裏面に形成された画像を位置合わせするための基準画像を印刷したシート状の記録媒体(紙)をいう。基準画像には、例えば、十字形状のマークが使用される。基準チャート10は、用紙の表裏面の位置ずれを検出し、これを調整する際に使用される。用紙の表裏面の位置ずれは、「縦横の倍率の違い」や、「縦横のタイミングの違い」、「傾き・歪み」等を原因として起こると考えられる。
【0033】
ADF40は原稿載置部41、ローラ42a、ローラ42b、ローラ43、搬送ローラ44及び排紙皿46を有している。原稿載置部41には一又は複数の原稿20が載置される。原稿載置部41の下流側にはローラ42a及びローラ42bが設けられ、自動給紙モードが選択されたとき、原稿載置部41から繰り出された原稿20は、下流側のローラ43によってU字回転するように搬送される。なお、自動給紙モードが設定された場合、原稿20の記録面は原稿載置部41で上に向けて載置するようになされる。
【0034】
画像読取手段11は、第1のプラテンガラス51、第2のプラテンガラス(ADFガラス)52、光源53、ミラー54、55、56、結像光学部57、CCD撮像装置58及び図示しない光学駆動部を有している。CCD撮像装置58には、縮小型イメージセンサが使用される。CCD撮像装置58は、原稿20を読み取って得た画像読取信号Soutを出力する。CCD撮像装置58は、例えば、自動給紙モードが選択されたとき、原稿20がローラ43によってU字状に反転するときに、その原稿20の表面をADFガラス52を通して読み取って画像読取信号Soutを出力する。画像読取手段11で読み取られた原稿20は、搬送ローラ44により搬送されて排紙皿46へ排紙される。
【0035】
一方、ADF40の下側には、図示しないプラテンカバーが設けられる。プラテンカバーは、原稿20の用紙色と異なる色(反射色)を有し、かつ、当該原稿20の用紙サイズよりも大きいサイズを有している。このADF40の下方に設けられた上述の画像読取手段11では、プラテンモード時に、プラテンカバーに対して画像形成面を表にした原稿20又は基準チャート10が配置される。例えば、原稿20又は基準チャート10は、プラテンガラス51上に原稿記録面を下方にしてセットされ、上述のプラテンカバーによって押さえ込まれる。
【0036】
この状態で、画像読取手段11は、光学系駆動部を動作させて、当該原稿20の画像形成面を含む当該プラテンカバーに対して、光源53、ミラー54、55、56を走査する。CCD撮像装置58は、原稿20を読み取って得た画像読取信号Soutを出力する。
【0037】
装置本体内には画像読取手段11及び画像形成手段70の他に、画像処理手段21、給紙トレイ30A、30B、制御手段15及び画像書き込み部60等が備えられる。上述のCCD撮像装置58の出力段には、画像処理手段21が接続される。CCD撮像装置58は、画像読取信号Soutを画像処理手段21に出力する。画像処理手段21では、画像読取信号Soutがアナログ・デジタル変換されてデジタルの画像データDoutとなる。画像処理後の画像データDinは、制御手段15の転送制御を受けて、画像書き込み部60に出力される。画像書き込み部60は、画像データDoutに基づいて所定の強度のレーザー光を発生する。
【0038】
画像書き込み部60に対峙した位置には、画像形成手段70が設けられ、画像読取手段11によって得られた画像データDinに基づいて画像を形成する。画像形成手段70では給紙トレイ30Aや給紙トレイ30B等の1つから繰り出された用紙Pに画像を形成するようになされる。画像形成手段70は、有機感光体ドラム(以下感光体ドラムという)71、帯電器72、現像器73、転写器74、分離器75、クリーニング部76、搬送機構部77及び定着装置78を有している。
【0039】
この感光体ドラム71の上方には帯電器72が配設され、所定の帯電電位に基づいて予め感光体ドラム71が一様に帯電される。感光体ドラム71の例えば斜め右上方には、画像書き込み60が設けられ、画像処理後の画像データDoutに基づく所定強度のレーザー光が照射され、感光体ドラム71が露光され、その感光体ドラム71上に静電潜像が形成される。
【0040】
感光体ドラム71の右側にはトナー及びキャリア(現像剤)が収容された現像器73が配設され、画像書き込み部60によって露光された静電潜像は、トナー剤によって現像される。この現像器73の下方にはレジストローラ62や給紙トレイ30A及び30B等が設けられる。
【0041】
感光体ドラム71の下方には転写器74が配設され、帯電、露光、現像を経てその感光体ドラム71上に形成されたトナー像が、レジストローラ62により搬送タイミング制御される用紙Pに転写される。この転写器74に隣接して分離器75が設けられ、トナー像を転写した用紙Pが感光体ドラム71から分離される。この分離器75の下流側には搬送機構部77が設けられ、その終端部には定着装置78が設けられる。定着装置78では用紙Pに転写されたトナー像が定着される。搬送機構部77と上述の帯電器72との間であって、感光体ドラム71に対向してクリーニング部76が設けられ、感光体ドラム71に残留したトナーがクリーニングされる。
【0042】
この例で両面画像形成モードが選択されると、一方の用紙面(表面)に画像形成され、定着装置78から排出された用紙Pの裏面にも画像が形成される。定着装置78から排出された用紙Pは分岐手段91によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙手段23を構成する下方の反転ローラ92や、反転部93等により表裏を反転され、反転後の用紙Pは反転搬送路94を通過して給紙ローラ61の手前において通常の給紙路と合流する。ここで反転搬送された用紙Pは、レジストローラ62を経て、再度、転写器74に搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置78により定着処理され、排紙ローラ95に挟持されて機外の排紙トレイ96等に排紙される。
【0043】
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙や83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。画像形成条件としては、線速度を80〜350mm/sec程度とし、環境条件として温度を5〜35℃程度、湿度を15〜85%程度の設定条件とすることが好ましい。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
【0044】
図2は、複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示す複写機100は、用紙Pの表面及び裏面に画像形成可能な装置であって、画像読取手段11、記憶装置12、画像メモリ13、制御手段15、通信手段19、給紙手段23、操作パネル48及び画像形成手段70を有している。画像形成手段70には画像書き込み部60が含まれる。
【0045】
複写機100は、両面画像形成モードを備え、このモード設定時には、画像データDinに基づいて図1に示した感光体ドラム71を通じて所望の用紙Pの両面に画像を形成する。ここで両面画像形成モードとは、画像データDinに基づいて所定の用紙Pの両面に画像を形成して両面画像形成済みの用紙を出力する動作をいう。
【0046】
両面画像形成モードに対して、複写機100には両面位置合わせ調整モードが具備され、このモード設定時には、基準チャート10を読み取って得た画像データDinに基づいて感光体ドラム71を通じて所望の用紙Pに十字形状のマーク画像を形成する。ここで両面位置合わせ調整モードとは、基準チャート作成用の画像データDoutに基づいて所定の用紙Pの両面に画像を形成して基準チャートをプリントアウトし、その後、その基準チャート10を読み取って得た画像データDoutに基づいて用紙Pの両面のマーク画像の位置ずれを検出して、画像形成手段70を調整する動作をいう。
【0047】
操作パネル48は、操作手段14及び表示手段18から構成される。操作手段14は制御手段15に接続され、画像形成モード又は両面位置合わせ調整モードを設定するように操作される。画像形成モード時には、給紙手段23の中から、給紙トレイ30A又は30B等を選択するように操作手段14が操作される。また、操作手段14は画像形成条件を設定する際にも使用される。画像形成条件やトレイ選択情報等は操作データD3となって制御手段15に出力される。制御手段15には上述の操作手段14の他に表示手段18が接続され、操作手段14により選択操作される画像形成条件等を表示するようになされる。画像形成条件等は例えば、制御手段15で表示データD2に変換されて表示手段18に出力される。
【0048】
この例で、制御手段15はROM(Read Only Memory)24、中央処理ユニット(以下CPUという)25及びRAM(Random Access Memory)26を有している。ROM24には当該複写機全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。RAM26はワークメモリとして使用される。例えば、画像データDinや制御コマンド等を一時記憶するようになされる。この例でCPU25は電源がオンされると、ROM24からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、操作手段14からの操作データD3に基づいて当該複写機全体を制御するようになされる。
【0049】
この例でROM24及びRAM26の他に記録媒体の一例となる記憶装置12が備えられる。記憶装置12は制御手段15に接続される。記憶装置12には、EEPROM等の不揮発性メモリが使用され、両面位置合わせ調整モードを実行するためのプログラムが格納される。このプログラムは、CPU25で読み取り可能になされる。
【0050】
両面位置合わせ調整モードを実行するプログラムは、用紙表裏の画像形成位置を補正する順序を時系列に並べたものであって、用紙Pの表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像(以下マーク画像という)を用紙Pの表面及び裏面に形成するステップ(工程)と、マーク画像を形成した用紙Pの部分を複数に分けて、又は、当該用紙Pを折り曲げて画像読取可能領域で当該マーク画像を読み取るステップと、その用紙Pを複数に分けて、又は、折り曲げて読み取られたマーク画像の読取情報に基づいて用紙Pの表面の一端からマーク画像の形成位置に至る距離と、当該用紙Pの裏面の他端からマーク画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、用紙Pの表面のマーク画像の形成位置と当該用紙Pの裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量を検出するステップと、検出されたずれ量に基づいて用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置とを位置合わせするステップとを有している。
【0051】
このプログラムによれば、画像読取手段11の画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙Pの表面のマーク画像の形成位置と当該用紙Pの裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量が検出され、ここで検出されたずれ量に基づいて用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置とを再現性良く位置合わせすることができる。
【0052】
記憶装置12にはプログラムの他に調整値が更新され保存される。この調整値は、CPU25で読み取り可能になされ、両面画像形成モード時に、記憶装置12から読み出される。これは調整値をオフセット値として、用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用するためである。
【0053】
制御手段15には上述した記憶装置12の他に画像読取手段11や画像メモリ13、画像処理手段21等が接続される。制御手段15は、操作手段14で両面位置合わせ調整モードが設定されると、CPU25は、記憶装置12からプログラムを読み出して両面位置合わせ調整モードを実行する。
【0054】
画像読取手段11は、画像形成手段70により形成された用紙Pの表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準チャート10を読み取るように使用される。例えば、両面位置合わせ調整モード時に、画像読取手段11は、基準チャート作成用の画像データに基づいて画像形成された基準チャート10の両面のマーク画像を読み取るように使用される。画像読取手段11は、基準チャート10に印刷された表裏面のマーク画像を読み取って得た画像データDinを制御手段15に出力する。
【0055】
画像データDinは、制御手段15のメモリ制御を受けて画像処理手段21で画像処理された後に画像メモリ13に格納される。画像メモリ13にはハードディスクやバックアップ付きのSDRAM等が使用される。画像処理後の画像データDoutは画像書き込み部60へ転送される。
【0056】
制御手段15は、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙Pを複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた画像読取手段11の画像読取可能領域よりも大きな用紙Pの表裏の画像形成位置を補正する。例えば、制御手段15は、基準チャート作成用に予め準備された画像データに基づいて、用紙Pの表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像を形成するように画像形成手段70を制御する。画像形成手段70は、例えば、記憶装置12から読み出した基準チャート作成用の画像データに基づいてマーク画像を用紙Pの表面及び裏面に形成する。
【0057】
画像書き込み部60は、画像データDoutに基づいて所定の強度のレーザー光を発生し、このレーザー光を感光体ドラム71に走査する。画像形成手段70は、画像書き込み部60によって、当該感光体ドラム71に書き込まれた静電潜像を現像し、所定の用紙Pに画像を転写する。
【0058】
マーク画像は用紙Pの表面及び裏面に形成され排紙される。このマーク画像が形成された用紙Pは、基準チャート10となる。ユーザは、マーク画像が形成された基準チャート10を画像読取手段11にセットするようになされる。これは、基準チャート10の表裏面における画像形成位置ずれを制御手段15に認識させるためである。
【0059】
画像読取手段11では、基準チャート10の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像が形成された基準チャート10に対して濃度差を有し、かつ、当該基準チャート10よりも大きいサイズの補助部材を基準チャート10の背面にあてがって走査するようになされる。補助部材には、基準チャート10の色と異なる色のシート部材等が使用される。このようにすると基準チャート10のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の位置ずれ量を検出できるようになる。もちろん、補助部材に限定されることはなく、基準チャート10の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにしても、基準チャート10のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の位置ずれ量を検出できるようになる。
【0060】
ユーザは、画像読取手段11を使用して、基準チャート10の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像を形成しない領域よりも当該マーク画像を形成した領域における走査速度を遅くするように設定してもよい。この設定は、操作手段14を操作して制御手段15に指示される。例えば、600dpiの解像度を有するスキャナ201で走査速度を1/2に低減すると、2倍の1200dpiの解像度で、マーク画像部分を拡大して画像処理を実行することができる。
【0061】
画像読取手段11で画像読取可能領域を越える大きさの基準チャート10を取り扱う場合に、基準チャート10の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、基準チャート10を折り曲げられて当該画像読取可能領域で十字形状のマーク画像を読み取るようになされる。制御手段15は、画像読取手段11によって複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた基準チャート10の表面及び裏面の部分のマーク画像の画像データDinに基づいて画像読取手段11の画像読取可能領域よりも大きな基準チャート10のサイズを換算する。ここで換算されたサイズの基準チャート10で制御手段15は、検出されたずれ量に基づいて当該基準チャート10の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。
【0062】
例えば、CPU25は、画像読取手段11によって読み取られたマーク画像の画像データ(読取情報)Dinに基づいて基準位置から基準チャート10の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から基準チャート10の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算する。その後、CPU25は、基準チャート10の表面のマーク画像の形成位置と当該基準チャート10の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量に基づいて基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段70を制御する。
【0063】
制御手段15は、画像形成モード時に、操作パネル48により設定された内容に基づいて画像を形成するように画像書き込み部60及び画像形成手段70の動作を制御する。例えば、制御手段15は、画像処理後の画像データDoutを画像書き込み部60に出力し、画像形成手段70に画像形成信号Spを出力して画像形成制御を実行する。
【0064】
また、制御手段15には画像書き込み部60や画像形成手段70等の他に通信手段19が接続される。通信手段19はLAN等の通信回線に接続され、外部のコンピュータ等と通信処理する際に使用される。当該画像形成装置100をプリンタとして使用する場合に、そのプリントモード時に、通信手段19は外部のコンピュータから画像データDin’を受信するように使用される。
【0065】
制御手段15には給紙手段23が接続され、画像形成モード時に、給紙制御信号Sfに基づいて図1に示した給紙トレイ30A、30Bを駆動制御する。給紙制御信号Sfは制御手段15から給紙手段23へ供給される。給紙手段23には図示ない送り出しローラや、給紙ローラ等を駆動するモータや、当該モータを駆動するための駆動制御用のICが使用される。給紙トレイ30Aや30B等には所定のサイズ(A3、A3ワイド、A4等)及び所定の紙質の用紙Pがセットされる。
【0066】
なお、制御手段15には後処理装置90を接続して使用される場合がある。後処理装置90にはZ折り機能が備えられ、両面画像形成された基準チャート10を谷折り及び山折りを含むZ折りするように使用してもよい。
【0067】
図3は、基準チャート10の構成例を示す概念図である。図4に示す基準チャート10は、基準チャート作成用の画像データに基づいて形成される。基準チャート10は、所定の用紙Pの一方の面の四隅に十字形状のマーク画像m1〜m4が形成(印刷)されて構成される。用紙の大きさは任意である。通常は、画像読取手段11の画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)に匹敵する大きさの用紙Pが選択される。例えば、A3版の原稿20が最大スキャンサイズである場合は、マーク画像m1〜m4を形成する用紙Pには、通常、A3版の用紙、あるいは、この大きさよりも小さな用紙が選択される。しかし、ユーザの要求、例えば、小冊子の表紙等の印刷要求から、A3版の用紙サイズよりも一回り大きい、A3ワイドの用紙Pにマーク画像m1〜m4を形成するように使用される。
【0068】
基準チャート作成用の画像データは、記憶装置12又は画像処理手段21が保持するようになされる。このようにすると、両面位置合わせ調整モード設定時、記憶装置12又は画像処理手段21から基準チャート作成用の画像データを画像形成手段70に供給し、画像形成手段70でA3ワイドの用紙Pの表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像m(1)〜m(4)を形成することができる。
【0069】
図4A及びBは、用紙表面等のマーク画像m(1)の形成例を示す拡大図である。図4Aに示すマーク画像m(1)は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1に基づいて基準チャート10となる用紙Pの表裏面に画像形成されたものである。括弧は、基準チャート10の表面のマーク画像とその基準チャート10の裏面に形成されたマーク画像とを区別するためである。この場合、用紙表面のマーク画像m(1)と、用紙裏面のマーク画像m(1)とが一致している。
【0070】
このような場合は、用紙表裏の画像形成位置が一致しており、両面位置合わせ調整モードは実行しなくてもよい。マーク画像は、十字形状に限られることはなく、マーク画像形成位置を正確に検出できれば良いので、図示しない、黒ドットパターンであっても良いし、その他の別のマークでも良い。この例では、”+”のマーク画像(1)〜m(4)に基づいて説明を進める。
【0071】
図4Bに示すマーク画像m(1)及びm(1)’は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1に基づいて用紙P’の表裏面に画像形成されたものである。この例によれば、用紙表面の黒色の”+”のマーク画像m(1)に対して、裏面は、例えばグレー色(網点)で示したような位置に、裏面のマーク画像m(1)が形成される。マーク画像m(1)’は、例えば、当該用紙表面で裏写り画像として目視確認できるものである。
【0072】
この場合、用紙表面のマーク画像m(1)と、用紙裏面のマーク画像m(1)’とが一致しておらず(m(1)≠m(1)’)、表裏ずれを生じている。ここで、用紙表面のマーク画像m(1)と、用紙裏面のマーク画像m(1)’との間のずれ量をεとする。
【0073】
この用紙P’のように表面と裏面とで画像形成位置にずれがある場合、用紙P’の表面と裏面との間の画像形成位置の相対誤差を取り除くために、両面位置合わせ調整モードを実行して、画像読取手段11で用紙P’の表面と裏面との2回に分けてマーク画像m(1)〜m(4)を読み込んで、ずれ量εを検出するようになされる。
【0074】
なお、画像読取手段11の画像読取可能領域を越える大きさの基準チャート10を取り扱う場合は、基準チャート10となる用紙Pの表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙Pを折り曲げられて当該画像読取可能領域でマーク画像m(1)〜m(4)を読み取るようになされる。
【0075】
図5A及びBは、基準チャート10の表裏面に形成されたマーク画像m(1)〜m(4)の構成例を示す図である。この例では、説明の都合上、表面の基準チャート10に関して、当該基準チャート10の先頭側を上にし、その裏面の基準チャート10に関して、当該基準チャート10の先頭側を下にして並べて示している。
【0076】
図5Aに示す黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1〜m4に基づいて用紙Pの表面に画像形成されたものである。図5Aに示すグレー色の”+”のマーク画像m(1)’〜m(4)’は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1〜m4に基づく、用紙裏面の黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)であって、当該用紙表面で裏写り画像として目視確認できるものである。
【0077】
図5Aにおいて、用紙表面のマーク画像m(1)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(2)である。同様にして、用紙表面のマーク画像m(2)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(1)であり、用紙表面のマーク画像m(3)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(4)であり、用紙表面のマーク画像m(4)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(3)である。
【0078】
図5Bに示すマーク画像m(1)〜m(4)は、基準チャート10のマーク画像m1〜m4に基づいて基準チャート10’の裏面に画像形成されたものである。図5Bに示すグレー色のマーク画像m(1)’〜m(4)’は、基準チャート10のマーク画像m1〜m4に基づく、用紙表面の黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)であって、当該用紙裏面で裏写り画像として目視確認できるものである。
【0079】
図5Bにおいて、用紙裏面のマーク画像m(1)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(2)である。同様にして、用紙裏面のマーク画像m(2)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(1)であり、用紙裏面のマーク画像m(3)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(4)であり、用紙裏面のマーク画像m(4)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(3)である。
【0080】
このような表裏面における画像形成例において、図5Aに示す基準チャート10の表面の一端(左端)を基準位置とする。この例では、この基準位置から用紙表面のマーク画像m1の形成位置に至る距離Aとし、この基準チャート10を反転させた、図5Bに示す基準チャート10の基準位置(裏面では他端(右端)に位置する)からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bとしたとき、CPU25は距離Aと距離Bの差分[A−B]を演算する。
【0081】
具体的には、基準チャート10の表裏面のそれぞれのマーク画像m(1)〜m(4)を1回ずつ走査実行し、合計2つのマーク画像m(1)×2〜m(4)×2にて表裏面のずれ量εを検出する。これらの検出には、基準チャート10の表面と裏面とで共通の基準を持つ必要があるが、基準位置の例としては、上述した基準チャート10のエッジ(角又は用地端部)を基準とする場合に限られることはなく、図3に示した基準チャート10に対して、当該基準チャート10に図示しない穴を空け、それを基準としてもよい。
【0082】
CPU25は、画像読取手段11から得られる画像データDinに基づいて基準チャート10の表面のマーク画像m(1)の形成位置と当該基準チャート10の裏面のマーク画像m(2)の形成位置との間のずれ量εを検出する。このずれ量は、マーク画像m(3)及び(4)について算出してもよい。このように、基準チャート10の表裏面をそれぞれ走査して、共通の基準位置に対する相対的なマーク画像m1〜m2の位置を画像処理により求めて、その表裏面の差分を検出する。これにより、基準チャート10の表裏面の位置ずれを検出できる。
【0083】
CPU25は、当該ずれ量εに基づいて基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段70を制御する。これにより、主走査方向の位置ずれを補正できる。なお、マーク画像m(1)及び(3)について、又は、マーク画像m(2)及び(4)について算出すると、副走査方向の位置ずれを補正できるようになる。
【0084】
図6は、画像読取可能領域Iを越える大きさの調整パターンP1のセット例を示す概念図である。
この例は、画像読取手段11の画像読取可能領域を越える大きさの用紙P1に基準チャート作成用の画像データに基づくマーク画像が形成された場合である。例えば、図6に示す調整用パターンP1は基準チャート10の一例であり、画像読取手段11における画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)を越える、A3ワイドサイズのような用紙Pに、基準チャート作成用の画像データに基づく十字形状のマーク画像m(1)〜m(4)が形成(印刷)されたものである。
【0085】
マーク画像m(1)〜m(4)は、表裏面の四隅に形成される。A3ワイドサイズの用紙Pは、A4版の用紙を複数ページから構成した冊子の表紙に使用される場合が多い。表紙は、A3ワイドサイズの用紙を2つ折りにしたとき、A4版の用紙よりも一回り大きいサイズとなる。
【0086】
この例では、画像読取手段11の最大スキャンサイズ(A3版)よりも、大きなサイズのA3ワイド版の用紙Pの両面に画像を形成した場合であって、その表面に形成された画像形成位置と、裏面に形成された画像形成位置とのずれ量εを調整する。この場合、図6に示した調整用パターンP1は、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された基準チャート10の一方の面(表面又は裏面)を上下部分の2回に分けて、画像読取可能領域Iで当該マーク画像を読み取るようになされる。これはA3版の最大スキャンサイズを有する画像読取手段11に、A3ワイドサイズの調整用パターンP1をセットしても、用紙端部のエッジが検出できないからである。
【0087】
ユーザは、まず、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP1の上半分を画像読取可能領域Iにセットする。このとき、調整パターンP1の上半分のマーク画像m(1)及びm(2)が画像読取手段11によって読み取られる。次に、調整パターンP1を180°回転させて、同一面の下半分を画像読取可能領域Iにセットする。このとき、調整パターンP1の下半分のマーク画像m(3)及びm(4)が画像読取手段11によって読み取られる。このようにすると、調整用パターンP1を2回に分けて読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)の画像データDinに基づいて両面位置合わせ調整モードを実行できるようになる。
【0088】
図7A〜Cは、調整パターンP1に係る画像データDin1,Din2の合成例を示す概念図である。
図7Aに示す調整パターンP1(u)は、画像メモリ13等に展開され、画像読取手段11によって上半分が読み取られたマーク画像m(1)及びm(2)を含む分割画像データDin1により表現されるものである。図7Bに示す調整パターンP1(d)は、同様にして、画像メモリ13等に展開され、画像読取手段11によって下半分が読み取られたマーク画像m(3)及びm(4)を含む分割画像データDin2により表現されるものである。
【0089】
この例では、画像メモリ13上で、マーク画像m(1)及びm(2)を含む分割画像データDin1と、マーク画像m(3)及びm(4)を含む分割画像データDin2とが、予め入力された調整パターンP1に係る基準チャート10のサイズデータに基づいて合成される。合成後の調整パターンP1は、調整パターンP1(u)+調整パターンP1(d)+Offsetにより表現される。画像データDinは、Din1+Din2+Offsetで示される。
【0090】
基準チャート10のサイズデータは、調整用パターンP1を作成するときに、ユーザが予め操作手段14を使用して入力するようになされる。CPU25は操作手段14からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP1のサイズデータをRAM26等に格納するようになされる。画像データ合成時に、RAM26から調整用パターンP1のサイズデータが読み出される。このようにすると、画像メモリ13上でA3ワイド版等の基準チャート10の大きさを再構築することができ、元の基準チャート10の大きさに換算してから位置ずれ量を算出できるようになる。位置ずれ量の算出処理については、図4及び図5で説明した通りである。
【0091】
次に、本発明に係る画像形成位置補正方法について説明する。図8は、複写機100における画像処理例、図9A及びBはその画像処理例のサブルーチンを各々示すフローチャートである。
【0092】
この実施例では、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合であって、両面画像形成に使用される基準チャート10のサイズ(大きさ)が、画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい、A3ワイドサイズ等の調整用パターンP1を取り扱う場合を前提とする。この例で基準位置は、基準チャート10の表裏面で共通する用紙端部に対して設定される。動作モードについては、通常の両面画像形成モードと両面位置合わせ調整モードとが選択可能になされている場合を例に挙げる。
【0093】
これらを処理条件にして、電源スイッチ等をオンした後に、図8に示すフローチャートのステップC1でCPU25は動作モードを入力する。このとき、ユーザは、操作手段14を操作して動作モードをCPU25に入力する。動作モードは、表示手段18の図示しないメニュー画面等で、画像形成モード又は両面位置合わせ調整モードから選択して設定される。
【0094】
ユーザは、両面位置合わせ調整モードを設定したときは、基準チャート10となる用紙Pのサイズデータを入力する。CPU25は操作手段14からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP1のサイズデータをRAM26等に格納するようになされる。
【0095】
次に、ステップC2に移行して先に設定された動作モードに基づいてCPU25は制御を分岐する。両面位置合わせ調整モードが設定された場合は、ステップC3に移行してCPU25は、調整用パターンP1を作成するように画像読取手段11や画像形成手段70等を制御する。CPU25は、例えば、基準チャート作成用の画像データを記憶装置12から読み出して画像処理手段21へ転送するようになされる。マーク画像m1〜m2に基づく画像データDinは、画像処理手段21で画像処理された後、制御手段15の転送制御を受けて画像処理手段21から画像書き込み部60へ転送される。
【0096】
その後、制御手段15は、基準チャート作成用の画像データに基づく十字形状のマーク画像m1〜m4を用紙Pの表面及び裏面の四隅に形成するように画像形成手段70を制御する。用紙Pは、ユーザがA4版の複数ページから構成した冊子の表紙に使用しようとする大きさであって、その表紙は、A3ワイドサイズの用紙Pを2つ折りにしたとき、A4版の用紙よりも一回り大きいサイズである。
【0097】
画像形成手段70は、転送されてきた基準チャート作成用の画像データに基づくマーク画像m(1)〜m(4)を基準チャート10となる用紙Pの表面及び裏面の四隅に形成する。例えば、画像形成手段70は、給紙トレイ30Aや給紙トレイ30B等の1つから繰り出されたA3ワイドサイズの用紙Pの両面にマーク画像(1)〜m(4)を形成する。
【0098】
この画像形成に当たって、帯電器72は、所定の帯電電位に基づいて予め感光体ドラム71を一様に帯電する。画像書き込み60は、画像処理後の画像データDoutに基づく所定強度のレーザー光を発生し、このレーザー光を感光体ドラム71に照射し走査する。このレーザー光の照射及び走査の結果、感光体ドラム71が露光され、その感光体ドラム71上にマーク画像(1)〜m(4)に基づく静電潜像が形成される。
【0099】
現像器73は、画像書き込み部60によって露光された静電潜像を、トナー剤によって現像する。転写器74は、帯電、露光、現像を経てその感光体ドラム71上に形成されたマーク画像m1〜m4に基づくトナー像を、レジストローラ62により搬送タイミング制御される用紙Pに転写する。分離器75は、トナー像が転写された用紙Pを感光体ドラム71から分離する。定着装置78では用紙Pに転写されたトナー像を定着する。感光体ドラム71に残留したトナーは、クリーニングされる。
【0100】
この例では両面位置合わせ調整モードが選択されているので、一方の用紙面(表面)に画像形成されると、その後、定着装置78から排出された用紙Pの裏面にも画像が形成される。定着装置78から排出された用紙Pは分岐手段91によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙手段23を構成する下方の反転ローラ92や、反転部93等により表裏を反転される。
【0101】
反転後の用紙Pは反転搬送路94を通過して給紙ローラ61の手前において通常の給紙路と合流する。ここで反転搬送された用紙Pは、レジストローラ62を経て、再度、転写器74に搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置78により定着処理され、排紙ローラ95に挟持されて機外の排紙トレイ96等に排紙される。
【0102】
4つのマーク画像m(1)〜m(4)が表面及び裏面の各々に形成された用紙Pは基準チャート10の一例となる調整用パターンP1となる。調整用パターンP1は画像形成手段70から排紙される。この例では、画像読取可能領域を越える大きさの用紙Pに基準チャート作成用の画像データに基づくマーク画像が形成された場合である。
【0103】
従って、画像形成手段70から排紙された、調整用パターンP1は、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された基準チャート10の一方の面(表面及び/又は裏面)を上下部分の2回に分けられ、ステップC4で黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)を読み取るようになされる。これはA3版の最大スキャンサイズを有する画像読取手段11に、A3ワイドサイズの調整用パターンP2をセットしても、用紙端部のエッジが検出できないからである。
【0104】
ここで、ユーザは調整用パターンP1の表面の上半分をプラテンガラス51(画像読取可能領域I)上にセットして、図示しないプラテンカバーを閉める。画像読取手段11は、例えば、図9Aに示すサブルーチンをコールし、そのステップC41で調整用パターン表面の上半分の読取処理を実行する。このとき、マーク画像m(1)及びm(4)が形成された調整用パターンP1に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP1の上半分よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP1の背面にあてがって画像読取系を走査してもよい。
【0105】
もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP1の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP1のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。調整パターンP1の上半分のマーク画像m(1)及びm(2)は、画像読取手段11によって読み取られて画像データDin1となる。
【0106】
この例で、マーク画像m(1)〜m(4)の走査に際して、マーク画像が形成されていない領域よりも、当該マーク画像m(1)〜m(4)が形成された領域における走査速度を遅くするように、操作手段14を操作して、走査速度変更を設定してもよい。この速度変更設定によって、マーク画像部分を拡大することができ、解像度を高めることができる。
【0107】
次に、ユーザは、プラテンガラス51上から調整用パターンP1を取り出し、当該調整パターンP1を180°回転させて、同一表面の下半分をプラテンガラス51上にセットしてプラテンカバーを閉める。ステップC42では、調整パターン表面の下半分の黒色の”+”マーク画像m(3)及びm(4)が画像読取手段11によって読み取られて画像データDin2となる。
【0108】
その後、ステップC43に移行して、画像処理手段21では、両方の画像データDin1及びDin2が合成される。例えば、画像メモリ13上で、マーク画像m(1)及びm(2)を含む画像データDin1と、マーク画像m(3)及びm(4)を含む画像データDin2とが、予め入力された調整パターンP1に係る基準チャート10のサイズデータに基づいて合成される。調整用パターンP1のサイズデータは、画像データ合成時に、RAM26から読み出される。合成後の調整パターンP1は、調整パターンP1(u)+調整パターンP1(d)+Offsetにより表現される。画像データDinは、Din1+Din2+Offsetで示される。このようにデータ合成すると、画像メモリ13上でA3ワイド版等の基準チャート10の大きさを再構築することができ、元の基準チャート10の大きさに換算してから位置ずれ量を算出できるようになる。そして、ステップC4にリターンして、ステップC5に移行する。
【0109】
ステップC5では、先に読み取られた調整パターン表面に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出する。例えば、調整用パターンP1の表面の一端(共通端部)からマーク画像m(1)の形成位置に至る距離Aを算出する。ここで算出した距離Aに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0110】
その後、ステップC6に移行して調整用パターンP1の裏面に形成された黒色の”+”マーク画像m1〜m4を読み取る。このとき、ユーザは調整用パターン裏面の上半分をプラテンガラス51上にセットしてプラテンカバーを閉める。画像読取手段11は、例えば、図9Bに示すサブルーチンをコールし、そのステップC61で調整用パターン裏面の上半分の読取処理を実行する。この裏面を読み取るときも、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP1の背面に上述の補助部材をあてがって画像読取系を走査するようになされる。もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP1の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP1のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。調整パターンP1の裏面の上半分のマーク画像m(1)及びm(2)は、画像読取手段11によって読み取られて画像データDin1となる。
【0111】
次に、ユーザは、プラテンガラス51上から調整用パターンP1を取り出し、当該調整パターンP1を180°回転させて、同一裏面の下半分をプラテンガラス51上にセットしてプラテンカバーを閉める。ステップC62では、調整パターン裏面の下半分の黒色の”+”マーク画像m(3)及びm(4)が画像読取手段11によって読み取られて画像データDin2となる。
【0112】
その後、ステップC63に移行して、画像処理手段21では、両方の画像データDin1及びDin2が合成される。例えば、画像メモリ13上で、マーク画像m(1)及びm(2)を含む画像データDin1と、マーク画像m(3)及びm(4)を含む画像データDin2とが、予め入力された調整パターンP1に係る基準チャート10のサイズデータに基づいて合成される。
【0113】
調整用パターンP1のサイズデータは、画像データ合成時に、RAM26から読み出される。合成後の調整パターンP1は、調整パターンP1(u)+調整パターンP1(d)+Offsetにより表現される。画像データDinは、Din1+Din2+Offsetで示される。このようにデータ合成すると、画像メモリ13上でA3ワイド版等の基準チャート10の大きさを再構築することができ、元の基準チャート10の大きさに換算してから位置ずれ量を算出できるようになる。
【0114】
表裏面の画像データDinは、調整用パターンP1の表裏面における画像形成位置ずれをCPU25に認識させるためである。このようにすると、調整用パターンP1の表面を2回に分けて読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)の画像データDin1,Din2に基づいて両面位置合わせ調整モードを実行できるようになる(図6参照)。そして、ステップC6にリターンして、ステップC7に移行する。
【0115】
ステップC7では、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る裏面の画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、調整用パターンP1の裏面の共通端部からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bを算出する。ここで算出した距離Bに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0116】
その後、ステップC8に移行して、調整用パターンP1の表裏の差分を算出する。このとき、CPU25は、RAM26から距離Aに係る数値データ及び距離Bに係る数値データを読み出す。CPU25は、距離Aに係る数値データから距離Bに係る数値データを減算して、調整用パターンP1の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP1の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。
【0117】
その後、ステップC9に移行して、先に検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP1の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP1の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。調整値は、基準チャート10のサイズと、用紙Pのサイズに基づく係数αとが演算されて算出される。基準チャート10のサイズと用紙Pのサイズとが同じ場合は、係数αは「1」である。基準チャート10のサイズが用紙Pのサイズよりも大きく、かつ、拡大画像を形成する場合は、ずれ量εも拡大されて検出されるので、α<1なる係数が演算される。拡大前の画像に戻して位置ずれを調整するためである。
【0118】
そして、ステップC10に移行して、先に演算された調整値を記憶装置12等に格納する。通常の両面画像形成モード時等において、この調整値は、記憶装置12から読み出され、オフセット値として、基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用することができる。その後、ステップC12に移行する。
【0119】
なお、ステップC2で両面画像形成モードが設定された場合は、ステップC11に移行して、CPU25は通常の両面画像形成処理を実行すべく画像形成手段70を制御する。この両面画像形成モードでは、給紙手段23の中から、給紙トレイ30A又は30B等を選択したり、画像形成条件を設定するように操作手段14が操作される。画像形成条件やトレイ選択情報等は操作データD3となってCPU25に出力される。表示手段18には、操作手段14により選択操作される画像形成条件等を表示するようになされる。画像形成条件等は例えば、CPU25で表示データD2に変換されて表示手段18に出力される。
【0120】
画像形成条件等が設定されると、画像形成手段70では、画像読取手段11によって得られた画像データDinに基づいて画像を形成する。両面画像形成処理については、両面位置合わせ調整モードを参照されたい。その後、ステップC12でCPU25は、画像処理終了を判断する。画像処理を全部終了しない場合は、ステップC1に戻って動作モードの設定入力処理を実行する。画像処理を終了する場合は、電源オフ情報等を検出して制御を終了する。
【0121】
このように、本発明に係る第1の実施例としての複写機及び画像形成位置補正方法によれば、用紙Pの表面及び裏面に画像を形成する場合に、所定の画像読取可能領域Iを有した画像読取手段11は、画像形成手段60により形成された調整パターンP1の表面及び裏面の各々を上下部分2回に分けて、当該画像読取可能領域I上でマーク画像m(1)及びm(2)とm(3)及びm(4)とを分けて読み取るように制御される。
【0122】
従って、画像読取可能領域Iを越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、調整用パターンP1の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP1の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成モード時、任意の大きさの基準チャート10の表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【実施例2】
【0123】
図10A及びBは、第2の実施例に係る調整用パターンP2の構成例を示す概念図である。図10Aに示す調整用パターンP2は、第1の実施例と同様にして、画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)Iを越える、A3ワイドサイズのような用紙Pに、基準チャート作成用の画像データに基づく十字形状のマーク画像m(1)〜m(4)が形成(印刷)されたものである。マーク画像m(1)〜m(4)は、その表裏面の四隅に形成される。この例では、図10Aに示した調整用パターンP2は、図10Bに示すように折り込むように処理される。これはA3版の最大スキャンサイズを有する画像読取手段11に、A3ワイドサイズの調整用パターンP2をセットしても、用紙端部のエッジが検出できないため、調整用パターンP2を折り込んで、画像データサイズを小さくするようになされる。
【0124】
図10Aに示すマーク画像中には、折り込みガイド用の波線及び一点鎖線等が描かれる。この折り込みガイド用の波線及び一点鎖線等を描くためには、図3に示した基準チャート10において、予め谷折り線L1及び山折り線L2を含めておくとよい。調整用パターンP2を折り曲げる回数は偶数回である。ユーザはこの波線及び一点鎖線等に従って折り込み処理をするようになる。この例では、図10Aにおいて、調整用パターンP2を3つ折りにする谷折り線L1及び山折り線L2が形成される。
【0125】
ユーザは、この谷折り線L1及び山折り線L2に従って、調整用パターンP2を折る込む。この折り込みの結果、A3ワイドサイズの調整用パターンP2は、図10Bのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。このように、被画像読取領域を縮小すると、ほぼA4版サイズの調整用パターンP2’に変更することができ、表裏面共にそれぞれ1回ずつの走査でマーク画像m(1)〜m(4)の検出が可能となる。
【0126】
図11A及びBは、表裏判定マークの形成例を示す図である。この例で、CPU25は、調整用パターンP2の表面又は裏面の少なくとも一方にマーク画像(1)〜m(4)以外の表裏識別用のマーク画像Mfを形成するように画像形成手段70を制御する。
【0127】
図11Aに示す調整用パターンP2の表面には、マーク画像m(1)〜m(4)と共に表面判定用のマーク画像Mfが形成される。マーク画像Mfは、基準チャート102の先頭側であって、マーク画像m(1)とマーク画像m(2)との間に黒抜き三角形状に形成される。このマーク画像Mfを描くためには、図3に示した基準チャート10において、予め基準チャート10の先頭側であって、マーク画像m1とマーク画像m2との間に含めておくとよい。
【0128】
図11Bに示す調整用パターンP2の裏面には、マーク画像m(1)〜m(4)と共に裏面判定用のマーク画像Mbが形成される。マーク画像Mbは、基準チャート102の後端側であって、マーク画像m(3)とマーク画像m(4)との間に黒抜き三角形状に形成される。このマーク画像Mbを描くためには、図3に示した基準チャート10において、予め基準チャート10の後端側であって、マーク画像m3とマーク画像m4との間に含めておくとよい。
【0129】
ユーザは、図11A、Bに示す谷折り線L1及び山折り線L2に従って、調整用パターンP2を折る込む。この折り込みの結果、図11Aに示したA3ワイドサイズ等の調整用パターンP2は、図11Cのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。図11Bに示したA3ワイドサイズ等の調整用パターンP2は、図11Dのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。
【0130】
このように調整用パターンP2を構成すると、使用者にとって、用紙Pの上下や表面、裏面等の差が分かり易くなる。調整用パターンP2の表面と裏面とを容易に区別できるようになる。仮に、使用者が誤って逆さ又は表裏逆に調整用パターンP2をプラテンガラス51上に置いてしまった場合でも、画像処理手段(ソフト側)21において、マーク画像Mfの位置やその向きの誤りを検出できるようになる。
【0131】
次に、複写機100における他の画像処理例を説明する。図12及び図13は、複写機100における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1、2)を示すフローチャートである。
【0132】
この実施例では、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合であって、第1の実施例と同様にして、用紙Pのサイズ(大きさ)が、画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい、A3ワイドサイズ等の調整用パターンP2を取り扱う場合を前提とする。調整用パターンP2は、予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、この縮小後の調整用パターンP2の表面及び裏面のマーク画像を画像読取手段11で読み取るようになされる。この例でも基準位置は、用紙Pの表裏面で共通する用紙端部に対して設定される。動作モードについては、通常の両面画像形成モードと両面位置合わせ調整モードとが選択可能になされている場合を例に挙げる。
【0133】
これらを処理条件にして、第1の実施例と同様にして、電源スイッチ等をオンした後に、図12に示すフローチャートのステップE1でCPU25は動作モードを入力する(図8のステップC1参照)。また、ユーザは操作手段14を使用して、調整用パターンP2を作成するための用紙Pの紙サイズを入力する。CPU25は操作手段14からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP2の紙サイズデータ等をRAM26に格納する。
【0134】
次に、ステップE2に移行して先に設定された動作モードに基づいてCPU25は制御を分岐する。両面位置合わせ調整モードが設定された場合は、ステップE3に移行してCPU25は、調整用パターンを出力するように画像読取手段11や画像形成手段70等を制御する(図8のステップC2参照)。この例では、A3ワイドサイズの用紙Pに4つのマーク画像m(1)〜m(4)が表面及び裏面の各々に形成され、この用紙Pは、調整用パターンP2となる。調整用パターンP2は画像形成手段70から排紙される。
【0135】
ここでユーザは、ステップE4に移行して、調整用パターンP2を折り込んで画像読取手段11にセットするようになされる。例えば、ユーザは、図10Aに示したように、谷折り線L1及び山折り線L2に従って、調整用パターンP2を折り込む。この折り込みの結果、A3ワイドサイズの調整用パターンP2は、図10Bのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。このように、被画像読取領域を縮小すると、ほぼA4版サイズの調整用パターンP2’に変更することができ、表裏面共にそれぞれ1回ずつの走査でマーク画像m(1)〜m(4)の検出が可能となる。
【0136】
その後、ステップE5に移行して画像読取手段11は、折り込み状態の調整用パターンP2の表面に形成された黒色の”+”マーク画像m(1)〜m(4)を読み取る。このとき、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP2よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP2の背面にあてがって画像読取系を走査するようになされる。もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP2の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP2のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。
【0137】
次に、ステップE6に移行して、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、折り込み状態の調整用パターンP2の表面の一端(共通端部)からマーク画像m(1)の形成位置に至る距離Aを算出する。ここで算出した距離Aに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0138】
その後、ステップE7に移行して調整用パターンP2の裏面に形成された黒色の”+”マーク画像m1〜m4を読み取る。この裏面を読み取るときも、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2の背面に上述の補助部材をあてがって画像読取系を走査するようになされる。
【0139】
そして、ステップE8に移行して、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、調整用パターンP2の裏面の共通端部からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bを算出する。ここで算出した距離Bに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0140】
その後、ステップE9に移行して、調整用パターンP2の表裏の差分を算出する。このとき、CPU25は、RAM26から距離Aに係る数値データ及び距離Bに係る数値データを読み出す。CPU25は、距離Aに係る数値データから距離Bに係る数値データを減算して、調整用パターンP2の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。
【0141】
そして、ステップE10に移行して調整用パターンP2の紙サイズを入力する。例えば、CPU25は先に保持された調整用パターンP2の紙サイズデータ等をRAM26から読み出す。その後、ステップE11に移行して、先に検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP2の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。調整値は、折り込んだ調整用パターンP2で得られたずれ量εに係数βを演算してA3ワイドサイズの用紙Pのずれ量ε’を換算する。これは折り込んだ調整用パターンP2のサイズと、A3ワイドサイズの用紙Pのサイズとが見かけ上異なっている(走査領域が異なっている)ので、調整用パターンP2を展開してA3ワイドサイズの用紙Pのサイズに戻した場合に正確な調整値が得られように係数βが演算される。
【0142】
その後、ステップE12に移行して、先に演算された調整値を記憶装置12等に格納する。通常の両面画像形成モード時等において、この調整値は、第1の実施例と同様にして記憶装置12から読み出され、オフセット値として、用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用することができる。その後、ステップE14に移行する。
【0143】
なお、ステップE2で両面画像形成モードが設定された場合は、ステップE13に移行して、CPU25は通常の両面画像形成処理を実行すべく画像形成手段70を制御する(図8のステップC11参照)。その後、ステップE14でCPU25は、画像処理終了を判断する。画像処理を全部終了しない場合は、ステップE1に戻って動作モードの設定入力処理を実行する。画像処理を終了する場合は、電源オフ情報等を検出して制御を終了する。
【0144】
このように、第2の実施例に係る画像形成位置補正方法によれば、位置合わせ用のマーク画像m(1)〜m(4)を形成した調整用パターンP2のサイズが画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい場合、その調整用パターンP2を折り曲げて被画像読取領域を縮小し、その後、被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2の表面及び裏面のマーク画像m(1)〜m(4)を読み取るようになされる。
【0145】
従って、画像読取手段11によって読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいて調整用パターンP2の表面のマーク画像m(1)の形成位置と当該調整用パターンP2の裏面のマーク画像m(2)の形成位置との間のずれ量εを検出することができる。両面画像形成モード時に、表面と裏面とで画像形成位置にずれが生じた場合、両面位置合わせ調整モードを実行することで、定型A3版のサイズを越えるA3ワイドサイズのような用紙Pに対しても、このずれ量εを自動的に検出することができる。これにより、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、第1の実施例と同様にして、簡単に表裏の画像を位置合わせすることが可能となる。
【実施例3】
【0146】
図14は、第3の実施例に係る基準チャート10’の構成例を示す概念図である。図14に示す基準チャート10’は、所定の用紙の一方の面の四隅に十字形状の第1のマーク画像m11〜m41が形成(印刷)され、更に、これらの近傍に、所定の間隔を保持して、十字形状の第2のマーク画像m12〜m42が形成されて構成される。
【0147】
例えば、マーク画像m11の斜め右下方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m12が形成される。マーク画像m21の斜め左下方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m22が形成される。マーク画像m31の斜め右上方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m32が形成される。マーク画像m41の斜め右上方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m42が形成される。
【0148】
基準チャート10’を作成する画像データは、別途準備され、記憶装置12に格納される。もちろん、これに限られることはなく、画像処理手段21が基準チャート10’に係るデジタルの画像データとして保持するようにしてもよい。このようにすると、両面位置合わせ調整モード設定時、CPU25は、画像処理手段21から基準チャート作成に係る画像データを画像形成手段70に供給し、画像形成手段70で用紙Pの表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像m(11)〜m(41)及びマーク画像m(12)〜m(42)を形成することができる。このような十字形状のマーク画像m(11)〜m(41)及びマーク画像m(12)〜m(42)が表面及び裏面に形成された基準チャート10’は、調整パターンP2等となる。
【0149】
この例で調整用パターンP2の表面及び裏面に形成されたマーク画像m11〜m41及びm12〜m42を読み取る際に、画像処理手段21は、これらのマーク画像間の距離を測定する。例えば、マーク画像m11とマーク画像m12との間の距離が画像処理手段21によって測定される。同様にして、マーク画像m21とマーク画像m22の間の距離が測定され、マーク画像m31とマーク画像m32との間の距離が測定され、マーク画像m41とマーク画像m42との間の距離が各々測定される。
【0150】
このように、第3の実施例に係る画像形成位置補正方法によれば、所定の用紙Pの一方の面の四隅に十字形状の第1のマーク画像m11〜m41が形成(印刷)され、更に、これらの近傍に、所定の間隔を保持して、十字形状の第2のマーク画像m12〜m42が形成された基準チャート10’を用いて、基準チャート10の表面と裏面の位置合わせが実行される。
【0151】
従って、画像形成前のマーク画像間の距離と画像形成後のマーク画像間の距離との差分である距離差を求めることができる。この距離差は、画像読取手段11(画像読取系)における部分倍率誤差である。この距離差を無くすようにずれ量εを補正することで、部分倍率誤差を解消できるようになる。このような測定方法により求めた、基準チャート10’の表裏面のずれ量εに基づいて、「縦横の倍率」や、「縦横のタイミング」、「傾き・歪み」等の調整項目の表裏面の違いを検出し、これらの項目を調整することにより、より高精度に、表面と裏面の位置合わせを実行することができる。
【実施例4】
【0152】
図15は、第4の実施例としての画像形成システム200の構成例を示す概念図である。
図15に示す画像形成システム200は、所定の用紙の表面及び裏面に画像形成可能なシステムであって、イーサネット(登録商標)205等のネットワークに接続された複数のプリンタ202や203等における両面画像形成時の用紙表裏面の画像形成位置をスキャナ201及びパーソナルコンピュータ(以下パソコン204という)を使用して調整するシステムである。
【0153】
スキャナ201は、イーサネット(登録商標)205に接続され、基準チャート10から位置合わせ用のマーク画像を読み取って画像データDoutを出力する。また、スキャナ201は、例えば、実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、マーク画像を形成した調整用パターンP2のサイズが折り込まれて小さい場合であって、サイズの小さい調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取るようになされる。
【0154】
この例でスキャナ201は、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像が形成された調整用パターンP2’に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP2’よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP2’の背面にあてがって走査される。これに限られることはなく、スキャナ201は、上述のマーク画像を読み取る際に、調整用パターンP2’の背面側を開放した状態で走査される。このようにするとエッジが強調でき、高い精度でずれ量を検出できるようになる。
【0155】
この例でスキャナ201は、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像を形成しない領域よりも当該マーク画像を形成した領域における走査速度を遅くする(拡大画像)ように制御される。このようにすると、高い精度でずれ量を検出できるようになる。
【0156】
プリンタ202,203は、イーサネット(登録商標)205に接続され、基準チャート10から読み取られたマーク画像に係る画像データDinを入力し、この画像データDinに基づいて図示しない用紙の表面及び裏面に形成して調整用パターンP2を出力する。プリンタ202,203は、例えば、用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像を形成するように制御される。このマーク画像は、プリンタ202や203等における用紙表裏面の画像形成位置を調整するために使用される。
【0157】
この例で調整用パターンP2のサイズがスキャナ201の最大スキャンサイズ、例えば、A3版よりも大きい場合(A3ワイド版)であって、スキャナ201は、位置合わせ用のマーク画像を形成した調整用パターンP2が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、その縮小後の調整用パターンP2’の表面及び裏面のマーク画像を読み取るようになされる。調整用パターンP2’を折り曲げる回数は偶数回である(図10A参照)。
【0158】
パソコン204は情報処理装置の一例であり、イーサネット(登録商標)205に接続され、スキャナ201で検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP2’の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。例えば、パソコン204は、スキャナ201によって読み取られたマーク画像に係る画像データDinを入力し、この画像データDinに基づいて調整用パターンP2’の表面の一端からマーク画像の形成位置に至る距離Aと、当該調整用パターンP2’の裏面の他端からマーク画像の形成位置に至る距離Bとの差分を演算する(図5A,B参照)。そして、パソコン204は、調整用パターンP2’の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量を検出し、このずれ量に基づいて調整用パターンP2’の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタ202や203等を制御する。
【0159】
また、パソコン204は、スキャナ201によって読み取られたマーク画像に係る画像データDinを入力し、この画像データDinに基づいて調整用パターンP2’の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。パソコン204は、当該ずれ量εを実際に画像を形成するA3ワイドサイズ等の用紙サイズに換算し、換算後のずれ量εに基づいて実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタ202,203を制御する。
【0160】
なお、図15に示す経路iは、基準チャート10から読み取ったマーク画像m1〜m4に係る画像データDinをプリンタ202へ転送する際に利用される。経路iは、調整用パターンP2’から読み取ったマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDoutをパソコン204へ転送する際に利用される。経路iiは、パソコン204で処理された位置ずれ調整データD11をプリンタ202へ転送する際に利用される。プリンタ203についても、経路iiiで、パソコン204から位置ずれ調整データD12が転送される他、上述した経路が利用される。
【0161】
また、パソコン204は、調整用パターンP2’の表面又は裏面の少なくとも一方にマーク画像以外の表裏識別用の画像を形成するようにプリンタ202,203を制御する。このようにすると調整用パターンP2’の表面と裏面とを区別できるようになる(図11A〜D参照)。
【0162】
この例でもプリンタ202,203は、マーク画像を調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成する際に、調整用パターンP2’の表面及び裏面において、第1のマーク画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2のマーク画像を形成するように制御される。スキャナ201は、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成された第1及び第2のマーク画像間の距離を測定するように制御される。このようにすると、画像形成前の第1及び第2のマーク画像間の距離と画像形成後の第1及び第2のマーク画像間の距離との差分である距離差を求めることができ、当該距離差に基づいて画像読取系における部分倍率誤差を解消できるようになる(図14参照)。
【0163】
次に、画像形成システム200における画像処理例を説明する。図16及び図17は、画像形成システム200における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1、2)を示すフローチャートである。
【0164】
この実施例では、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合であって、イーサネット(登録商標)205に接続された複数のプリンタ202や203等における両面画像形成時の用紙表裏面の画像形成位置をスキャナ201及びパソコン204を使用して調整する場合を前提とする。両面画像形成に使用される基準チャート10のサイズ(大きさ)が、画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい、A3ワイドサイズ等の調整用パターンP2を取り扱う場合を例に挙げる。なお、両面位置合わせ調整モード実行後の通常の画像形成モードについてはその説明を省略する。
【0165】
これらを画像処理条件にして、まず、イーサネット(登録商標)205に接続された例えば、2台のプリンタ202や203等、スキャナ201及びパソコン204の各々の電源スイッチ等をオンした後に、図16に示すフローチャートのステップF1でパソコン204は動作モードを入力する(図8のステップC1参照)。このとき、ユーザはパソコン204のキーボード及びマウス等を使用して、両面位置合わせ調整モードを設定する。
【0166】
更に、ユーザは、プリンタ202や203等について、調整用パターンP2を作成するための基準チャート10の紙サイズを入力する。パソコン204はキーボード及びマウス等からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP2の紙サイズデータ等を格納する。ここで、プリンタ202又はプリンタ203のどちらを先に両面位置合わせ調整モードを実行するかが設定される。この例では、プリンタ202の両面位置合わせ調整モードを実行する場合を例に採る。
【0167】
次に、ステップF2に移行して先に設定された動作モードに基づいてパソコン204は制御を分岐する。両面位置合わせ調整モードに関して、プリンタ202を先に実行する場合は、ステップF3に移行してパソコン204は、調整用パターンを出力するようにプリンタ202を制御する。このとき、基準チャート作成用のマーク画像m1〜m4に係る画像データDinは、例えば、プリンタ202内で記憶装置12等から読み出されて画像処理手段21を経由して画像形成手段70にセットされる。この例では、プリンタ202でA3ワイドサイズの基準チャート10に4つのマーク画像m(1)〜m(4)が表面及び裏面の各々に形成され、この基準チャート10は、調整用パターンP2’となる。調整用パターンP2’はプリンタ202から排紙される。ここでユーザは、ステップF4に移行して、調整用パターンP2を折り込んでスキャナ201にセットするようになされる。
【0168】
例えば、ユーザは、谷折り及び山折りに従って、調整用パターンP2を折り込む。この折り込みの結果、A3ワイドサイズの調整用パターンP2は、被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる(図10A,B参照)。このように、被画像読取領域を縮小すると、ほぼA4版サイズの調整用パターンP2’に変更することができ、表裏面共にそれぞれ1回ずつの走査でマーク画像m(1)〜m(4)の検出が可能となる。
【0169】
その後、ステップF5に移行してスキャナ201は、折り込み状態の調整用パターンP2’の表面に形成された黒色の”+”マーク画像m(1)〜m(4)を読み取る。このとき、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2’に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP2’よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP2’の背面にあてがって画像読取系を走査するようになされる。
【0170】
もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP2’の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP2’のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。このとき、調整用パターンP2’から読み取ったマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDoutは、図15に示した経路iを通じて、スキャナ201からパソコン204へ転送される。
【0171】
次に、ステップF6に移行して、パソコン204は、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、折り込み状態の調整用パターンP2’の表面の一端(共通端部)からマーク画像m(1)の形成位置に至る距離Aを算出する。ここで算出した距離Aに係る数値データはパソコン204内で一時格納される。
【0172】
その後、ステップF7に移行して調整用パターンP2’の裏面に形成された黒色の”+”マーク画像m(1)〜m(4)を読み取る。この裏面を読み取るときも、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2’の背面に上述の補助部材をあてがって画像読取系を走査するようになされる。
【0173】
そして、ステップF8に移行して、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、調整用パターンP2’の裏面の共通端部からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bを算出する。ここで算出した距離Bに係る数値データはパソコン204内に一時格納される。
【0174】
その後、ステップF9に移行して、調整用パターンP2’の表裏の差分を算出する。このとき、パソコン204は、距離Aに係る数値データ及び距離Bに係る数値データを読み出す。パソコン204は、距離Aに係る数値データから距離Bに係る数値データを減算して、調整用パターンP2’の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。
【0175】
そして、ステップF10に移行して調整用パターンP2’の紙サイズを入力する。例えば、パソコン204は先に保持された調整用パターンP2’の紙サイズデータ等を読み出す。その後、ステップF11に移行して、先に検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP2’の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。
【0176】
調整値は、折り込んだ調整用パターンP2’で得られたずれ量εに係数βを演算してA3ワイドサイズの基準チャート10のずれ量ε’を換算する。これは折り込んだ調整用パターンP2’のサイズと、A3ワイドサイズの基準チャート10のサイズとが見かけ上異なっている(走査領域が異なっている)ので、調整用パターンP2’を展開してA3ワイドサイズの基準チャート10のサイズに戻した場合に正確な調整値が得られように係数βが演算される。
【0177】
その後、ステップF12に移行して、先に演算された調整値をプリンタ202に格納する。例えば、パソコン204で処理された位置ずれ調整データD11が、図15に示した経路iiを通じて、当該パソコン204からプリンタ202へ転送される。通常の両面画像形成モード時等において、この調整値は、プリンタ202から読み出され、オフセット値として、基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用することができる。その後、ステップF14に移行する。
【0178】
ステップF14でパソコン204は、両面位置合わせ調整モードを終了するか否かを判断する。当該モードを終了しない場合は、ステップF2に戻ってどちらのプリンタの両面位置合わせ調整モードを実行するかを判別する。この例では、プリンタ202の両面位置合わせ調整モードが済んだので、ステップF13に移行する。ステップF13でパソコン204は、プリンタ203の両面画像形成モードを実行する。その制御内容は、図16及び図17に示したステップF3〜F12を参照されたい。プリンタ202をプリンタ203に読み替えて処理される。その後、ステップF14に移行して画像処理を終了する場合は、電源オフ情報等を検出して制御を終了する。
【0179】
このように、本発明に係る第4の実際例としての画像形成システム及び画像形成方法によれば、所定の基準チャート10の表面及び裏面に画像を形成する場合に、イーサネット(登録商標)205に接続された複数のプリンタ202や203等における両面画像形成時の用紙表裏面の画像形成位置をスキャナ201及びパソコン204を使用して調整するようになされる。
【0180】
従って、両面画像形成時、基準チャート10の表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。しかも、マーク画像を形成した調整用パターンP2’のサイズがスキャナ201の画像読取可能領域よりも大きい場合であっても、マーク画像を形成した調整用パターンP2’が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の調整用パターンP2’の表面及び裏面のマーク画像が画像読取手段11によって読み取られる。
【0181】
このことで、A3ワイドのようなA3サイズ以上の調整用パターンP2’に対しても、調整用パターンP2’の表面の画像形成位置を当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。なお、本発明をカラー複写機に適用する場合は、黒(BK)色を測定し、それを基準にして他のY色、M色、C色、BK色のずれを補正するようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0182】
この発明は、原稿から読み取った画像を用紙の両面に複写する機能を備えたネットワーク画像形成システム等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明に係る各実施例としてのデジタルの複写機100の断面の構成例を示す概念図である。
【図2】複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】基準チャート10の構成例を示す概念図である。
【図4】A及びBは、用紙表面等のマーク画像m(1)の形成例を示す拡大図である。
【図5】A及びBは、基準チャート10’の表裏面におけるマーク画像m(1)〜m(4)の形成例を示す図である。
【図6】画像読取可能領域Iを越える大きさの調整パターンP1のセット例を示す概念図である。
【図7】A〜Cは、調整パターンP1に係る画像データDin1,Din2の合成例を示す概念図である。
【図8】複写機100における画像処理例を示すフローチャートである。
【図9】A及びBはその表・裏スキャン処理例のサブルーチンを各々示すフローチャートである。
【図10】第2の実施例に係る調整用パターンP2の構成例を示す概念図である。
【図11】A及びBは、表裏判定マークMf,Mbの形成例を示す図である。
【図12】複写機100における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1)を示すフローチャートである。
【図13】複写機100における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その2)を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施例に係る基準チャート10’の構成例を示す概念図である。
【図15】第4の実施例としての画像形成システム200の構成例を示す概念図である。
【図16】画像形成システム200における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1)を示すフローチャートである。
【図17】画像形成システム200における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その2)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0184】
10,10’ 基準チャート
11 画像読取手段
12 記憶装置
14 操作手段
15 制御手段
18 表示手段
21 画像処理手段
25 CPU(制御手段)
48 操作パネル(操作手段+表示手段)
60 画像書き込み部
70 画像形成手段
100 複写機(画像形成装置)
201 スキャナ(画像読取手段)
202,203 プリンタ(画像形成手段)
204 パソコン(情報処理装置)
【技術分野】
【0001】
この発明は、原稿から読み取った画像を用紙の両面に複写する機能を備えたネットワーク画像形成システム等に適用して好適な画像形成装置、情報処理装置、画像形成システム、画像形成位置補正方法、記録媒体及びコンピュータが読み取り可能なプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、任意の画像情報に基づいて画像を形成する白黒及びカラー用のプリンタや複写機、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。例えば、白黒用のデジタル複写機は、スキャナ機能に加えて、露光手段、現像器、感光体ドラム及び定着装置から成る画像形成手段を備えている。
【0003】
原稿はスキャナによって読み取られ、原稿画像は二値化されて画像情報となる。露光手段では画像処理後の画像情報に基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像器では感光体ドラムに描かれた静電潜像に黒色のトナー剤を付着して現像する。トナー像は、感光体ドラムから用紙に転写された後に定着装置によって定着される。これにより、給紙トレイから繰り出された用紙に画像を形成することができる。
【0004】
また、原稿から読み取った画像を用紙の両面に複写する機能(両面コピーモード)を備えた複写機、プリンタ、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。両面コピーモードを利用すると、手作りの小冊子等に表紙を付けることができる。例えば、A4版の用紙を複数ページから構成した小冊子の表紙には、A3ワイドサイズの用紙が使用される場合が多い。A3ワイドサイズの用紙は、2つ折りにしたとき、A4版の用紙よりも一回り大きいサイズとなる。両面コピーモードでは、例えば、A4版の用紙の表面のページ形成位置と、裏写りした裏面のページ形成位置とを一致させる必要がある。これは画像形成品質向上のためである。
【0005】
コピー機やプリンタでは、両面画像形成時に用紙の表面と裏面とで同じ位置に画像形成されることを意図して出力している。しかしながら、用紙の熱収縮等により、用紙の表面と裏面とで異なる位置に印刷されてしまうことがあった。このずれを調整するために、従来方式では、人が定規などを用いて位置ずれ量を測定し、調整値を見出して調整量を複写機やプリンタ等に入力する方法を採っている。
【0006】
このような両面画像形成機能を備えた複写機に関連して、特許文献1には、画像形成装置及び画像形成調整方法が開示されている。この複写機によれば、位置ずれ調整用のマーク画像を用紙の表面及び裏面に形成し、一方の面で裏写りする他方の面のマーク画像を一方の面のマーク画像と共に同時にスキャナによって読み込む。画像処理手段では、一方の面のマーク画像と、他方の面からの裏写りマーク画像とに係る混在の画像データを処理して、両面画像位置ずれ量を検出するようになされる。このように画像形成装置を構成すると、表裏の画像のシフトのずれだけでなく、記録紙の伸び縮みに起因する表裏の画像の倍率のずれに関しても解消し、表裏の画像を一致できるというものである。
【0007】
【特許文献1】特開2003−173109号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、両面画像形成機能を備えた複写機等の画像形成装置により、手作りの小冊子等に表紙を付けるといった使用者要求により、複写機のスキャナの画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)を越える大きさの用紙に、画像を形成する場合が多くなってきた。
【0009】
例えば、最大A3版のスキャンサイズを有した複写機等において、A3ワイドサイズの用紙に画像を形成するようになされる。従って、用紙の表面と裏面との位置ずれ調整時に、特許文献1に示すようなマーク画像がスキャナの画像読取領域外に、はみ出てしまって、マーク画像検出ができず、表裏位置ずれを補正することが困難となるという問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、このような従来例に係る課題を解決したものであって、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、その用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを簡便に位置合わせできるようにすると共に、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致できるようにした画像形成装置、情報処理装置、画像形成システム、画像形成位置補正方法、記録媒体及びコンピュータが読み取り可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成装置であって、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する画像形成手段と、所定の画像読取可能領域を有する画像読取手段と、用紙の一部を画像読取手段により読み取ることにより得られた基準画像を含む読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る画像形成装置によれば、用紙の表面及び裏面に画像を形成する場合に、画像形成手段は、例えば、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して予め設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する。これを前提にして、所定の画像読取可能領域を有した画像読取手段は、用紙の一部、例えば、画像形成手段により形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準画像を読み取る。制御手段は、画像読取手段によって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて基準位置から用紙の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から用紙の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。更に制御手段は、そのずれ量に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段を制御して、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正する。
【0013】
従って、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、その用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏面で共通する基準位置(用紙端部等)を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【0014】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズが画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きい場合であって、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像が画像読取手段によって読み取られ、制御手段は、画像読取手段によって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。従って、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。
【0015】
本発明に係る情報処理装置は、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有するスキャナとに接続されて情報処理可能な情報処理装置であって、用紙の一部をスキャナによって読み取ることにより得られた基準画像を含む読取情報を入力し、当該読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタを制御することを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る情報処理装置によれば、例えば、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して予め設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有したスキャナとに当該情報処理装置が接続され、スキャナは、用紙の一部を読み取って、プリンタにより用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る。この情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタを制御する。このとき、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られたスキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正するようになされる。
【0017】
従って、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、その用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【0018】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズがスキャナの画像読取可能領域よりも大きい場合であって、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像がスキャナによって読み取られ、情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。従って、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。
【0019】
本発明に係る画像形成システムは、用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成システムであって、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有し、プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準画像を読み取るスキャナと、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする情報処理装置とを備え、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られたスキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る画像形成システムによれば、用紙の表面及び裏面に画像を形成する場合に、本発明に係る情報処理装置が応用され、例えば、プリンタ、スキャナ及び情報処理装置がネットワークに接続される。プリンタは、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する。これを前提にして、スキャナは、プリンタによって形成された用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る。情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタを制御する。このとき、用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られたスキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正するようになされる。
【0021】
従って、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、情報処理装置において、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【0022】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズがスキャナの画像読取可能領域よりも大きい場合であって、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像が画像読取手段によって読み取られ、情報処理装置は、スキャナによって読み取られた基準画像の読取情報に基づいて用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する。従って、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、情報処理装置において、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。
【0023】
本発明に係る画像形成位置補正方法は、画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正する方法であって、用紙の表裏面で共通する基準位置に対して位置合わせ用の基準画像を設定する工程と、ここで設定された位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する工程と、画像読取系の画像読取可能領域で用紙の一部を読み取る工程と、画像読取可能領域で読み取って得られた基準画像を含む読取情報に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とするものである。
【0024】
本発明に係る画像形成位置補正方法によれば、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合に、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして再現性良く位置合わせすることができる。
【0025】
例えば、基準画像を形成した用紙サイズが画像読取系の画像読取可能領域よりも大きい場合であっても、基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取られるので、A3ワイドのようなA3サイズ以上の用紙に対しても、用紙の表面の画像形成位置を当該用紙の裏面の画像形成位置に再現性良く位置合わせすることができる。
【0026】
本発明に係るコンピュータが読み取り可能な記録媒体及びプログラムは、上述した本発明に係る画像形成位置補正方法をコンピュータシステムにより実行可能に応用したものである。
【0027】
従って、本発明に係るコンピュータが読み取り可能な記録媒体及びプログラムによれば、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量が検出され、ここで検出されたずれ量に基づいて用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを再現性良く位置合わせすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、スキャナの画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する基準位置(用紙端部等)を基準にして簡便に位置合わせできる。つまり、両面画像形成時、用紙表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
続いて、この発明に係る画像形成装置、画像形成システム、情報処理装置、画像形成位置補正方法及びコンピュータが読み取り可能な記録媒体及びプログラムの一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明に係る各実施例としてのデジタルの複写機100の断面の構成例を示す概念図である。
図1に示す複写機100は、画像形成装置の一例を構成し、原稿20を読み取って得たデジタルの画像データDoutに基づいて用紙Pの表面及び裏面に白黒画像を形成する装置である。画像形成装置は複写機100の他に、白黒用のプリンタや、これらの複合機等に適用して好適である。複写機100は、直接転写方式によりモノクロ画像を形成する機能を備え、装置本体に画像読取手段11及び画像形成手段70を有している。画像読取手段11は、所定の画像読取可能領域を有しており、自動給紙モード又はプラテンモードに基づいて原稿画像を読み取るようになされる。
【0031】
ここに自動給紙モードとは、自動原稿給紙装置(Auto Document Feeder;以下ADFという)40に載置された原稿20を自動給紙して画像を自動的に読み取る動作をいう。プラテンモードとは、プラテンガラス51上に載置された原稿20を走査して画像を自動的に読み取る動作をいう。
【0032】
画像読取手段11の上部には、ADF40が取り付けられており、原稿20又は基準チャート10を自動給紙するように動作する。基準チャート10とは、用紙Pの表面及び裏面に形成された画像を位置合わせするための基準画像を印刷したシート状の記録媒体(紙)をいう。基準画像には、例えば、十字形状のマークが使用される。基準チャート10は、用紙の表裏面の位置ずれを検出し、これを調整する際に使用される。用紙の表裏面の位置ずれは、「縦横の倍率の違い」や、「縦横のタイミングの違い」、「傾き・歪み」等を原因として起こると考えられる。
【0033】
ADF40は原稿載置部41、ローラ42a、ローラ42b、ローラ43、搬送ローラ44及び排紙皿46を有している。原稿載置部41には一又は複数の原稿20が載置される。原稿載置部41の下流側にはローラ42a及びローラ42bが設けられ、自動給紙モードが選択されたとき、原稿載置部41から繰り出された原稿20は、下流側のローラ43によってU字回転するように搬送される。なお、自動給紙モードが設定された場合、原稿20の記録面は原稿載置部41で上に向けて載置するようになされる。
【0034】
画像読取手段11は、第1のプラテンガラス51、第2のプラテンガラス(ADFガラス)52、光源53、ミラー54、55、56、結像光学部57、CCD撮像装置58及び図示しない光学駆動部を有している。CCD撮像装置58には、縮小型イメージセンサが使用される。CCD撮像装置58は、原稿20を読み取って得た画像読取信号Soutを出力する。CCD撮像装置58は、例えば、自動給紙モードが選択されたとき、原稿20がローラ43によってU字状に反転するときに、その原稿20の表面をADFガラス52を通して読み取って画像読取信号Soutを出力する。画像読取手段11で読み取られた原稿20は、搬送ローラ44により搬送されて排紙皿46へ排紙される。
【0035】
一方、ADF40の下側には、図示しないプラテンカバーが設けられる。プラテンカバーは、原稿20の用紙色と異なる色(反射色)を有し、かつ、当該原稿20の用紙サイズよりも大きいサイズを有している。このADF40の下方に設けられた上述の画像読取手段11では、プラテンモード時に、プラテンカバーに対して画像形成面を表にした原稿20又は基準チャート10が配置される。例えば、原稿20又は基準チャート10は、プラテンガラス51上に原稿記録面を下方にしてセットされ、上述のプラテンカバーによって押さえ込まれる。
【0036】
この状態で、画像読取手段11は、光学系駆動部を動作させて、当該原稿20の画像形成面を含む当該プラテンカバーに対して、光源53、ミラー54、55、56を走査する。CCD撮像装置58は、原稿20を読み取って得た画像読取信号Soutを出力する。
【0037】
装置本体内には画像読取手段11及び画像形成手段70の他に、画像処理手段21、給紙トレイ30A、30B、制御手段15及び画像書き込み部60等が備えられる。上述のCCD撮像装置58の出力段には、画像処理手段21が接続される。CCD撮像装置58は、画像読取信号Soutを画像処理手段21に出力する。画像処理手段21では、画像読取信号Soutがアナログ・デジタル変換されてデジタルの画像データDoutとなる。画像処理後の画像データDinは、制御手段15の転送制御を受けて、画像書き込み部60に出力される。画像書き込み部60は、画像データDoutに基づいて所定の強度のレーザー光を発生する。
【0038】
画像書き込み部60に対峙した位置には、画像形成手段70が設けられ、画像読取手段11によって得られた画像データDinに基づいて画像を形成する。画像形成手段70では給紙トレイ30Aや給紙トレイ30B等の1つから繰り出された用紙Pに画像を形成するようになされる。画像形成手段70は、有機感光体ドラム(以下感光体ドラムという)71、帯電器72、現像器73、転写器74、分離器75、クリーニング部76、搬送機構部77及び定着装置78を有している。
【0039】
この感光体ドラム71の上方には帯電器72が配設され、所定の帯電電位に基づいて予め感光体ドラム71が一様に帯電される。感光体ドラム71の例えば斜め右上方には、画像書き込み60が設けられ、画像処理後の画像データDoutに基づく所定強度のレーザー光が照射され、感光体ドラム71が露光され、その感光体ドラム71上に静電潜像が形成される。
【0040】
感光体ドラム71の右側にはトナー及びキャリア(現像剤)が収容された現像器73が配設され、画像書き込み部60によって露光された静電潜像は、トナー剤によって現像される。この現像器73の下方にはレジストローラ62や給紙トレイ30A及び30B等が設けられる。
【0041】
感光体ドラム71の下方には転写器74が配設され、帯電、露光、現像を経てその感光体ドラム71上に形成されたトナー像が、レジストローラ62により搬送タイミング制御される用紙Pに転写される。この転写器74に隣接して分離器75が設けられ、トナー像を転写した用紙Pが感光体ドラム71から分離される。この分離器75の下流側には搬送機構部77が設けられ、その終端部には定着装置78が設けられる。定着装置78では用紙Pに転写されたトナー像が定着される。搬送機構部77と上述の帯電器72との間であって、感光体ドラム71に対向してクリーニング部76が設けられ、感光体ドラム71に残留したトナーがクリーニングされる。
【0042】
この例で両面画像形成モードが選択されると、一方の用紙面(表面)に画像形成され、定着装置78から排出された用紙Pの裏面にも画像が形成される。定着装置78から排出された用紙Pは分岐手段91によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙手段23を構成する下方の反転ローラ92や、反転部93等により表裏を反転され、反転後の用紙Pは反転搬送路94を通過して給紙ローラ61の手前において通常の給紙路と合流する。ここで反転搬送された用紙Pは、レジストローラ62を経て、再度、転写器74に搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置78により定着処理され、排紙ローラ95に挟持されて機外の排紙トレイ96等に排紙される。
【0043】
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙や83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。画像形成条件としては、線速度を80〜350mm/sec程度とし、環境条件として温度を5〜35℃程度、湿度を15〜85%程度の設定条件とすることが好ましい。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
【0044】
図2は、複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示す複写機100は、用紙Pの表面及び裏面に画像形成可能な装置であって、画像読取手段11、記憶装置12、画像メモリ13、制御手段15、通信手段19、給紙手段23、操作パネル48及び画像形成手段70を有している。画像形成手段70には画像書き込み部60が含まれる。
【0045】
複写機100は、両面画像形成モードを備え、このモード設定時には、画像データDinに基づいて図1に示した感光体ドラム71を通じて所望の用紙Pの両面に画像を形成する。ここで両面画像形成モードとは、画像データDinに基づいて所定の用紙Pの両面に画像を形成して両面画像形成済みの用紙を出力する動作をいう。
【0046】
両面画像形成モードに対して、複写機100には両面位置合わせ調整モードが具備され、このモード設定時には、基準チャート10を読み取って得た画像データDinに基づいて感光体ドラム71を通じて所望の用紙Pに十字形状のマーク画像を形成する。ここで両面位置合わせ調整モードとは、基準チャート作成用の画像データDoutに基づいて所定の用紙Pの両面に画像を形成して基準チャートをプリントアウトし、その後、その基準チャート10を読み取って得た画像データDoutに基づいて用紙Pの両面のマーク画像の位置ずれを検出して、画像形成手段70を調整する動作をいう。
【0047】
操作パネル48は、操作手段14及び表示手段18から構成される。操作手段14は制御手段15に接続され、画像形成モード又は両面位置合わせ調整モードを設定するように操作される。画像形成モード時には、給紙手段23の中から、給紙トレイ30A又は30B等を選択するように操作手段14が操作される。また、操作手段14は画像形成条件を設定する際にも使用される。画像形成条件やトレイ選択情報等は操作データD3となって制御手段15に出力される。制御手段15には上述の操作手段14の他に表示手段18が接続され、操作手段14により選択操作される画像形成条件等を表示するようになされる。画像形成条件等は例えば、制御手段15で表示データD2に変換されて表示手段18に出力される。
【0048】
この例で、制御手段15はROM(Read Only Memory)24、中央処理ユニット(以下CPUという)25及びRAM(Random Access Memory)26を有している。ROM24には当該複写機全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。RAM26はワークメモリとして使用される。例えば、画像データDinや制御コマンド等を一時記憶するようになされる。この例でCPU25は電源がオンされると、ROM24からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、操作手段14からの操作データD3に基づいて当該複写機全体を制御するようになされる。
【0049】
この例でROM24及びRAM26の他に記録媒体の一例となる記憶装置12が備えられる。記憶装置12は制御手段15に接続される。記憶装置12には、EEPROM等の不揮発性メモリが使用され、両面位置合わせ調整モードを実行するためのプログラムが格納される。このプログラムは、CPU25で読み取り可能になされる。
【0050】
両面位置合わせ調整モードを実行するプログラムは、用紙表裏の画像形成位置を補正する順序を時系列に並べたものであって、用紙Pの表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像(以下マーク画像という)を用紙Pの表面及び裏面に形成するステップ(工程)と、マーク画像を形成した用紙Pの部分を複数に分けて、又は、当該用紙Pを折り曲げて画像読取可能領域で当該マーク画像を読み取るステップと、その用紙Pを複数に分けて、又は、折り曲げて読み取られたマーク画像の読取情報に基づいて用紙Pの表面の一端からマーク画像の形成位置に至る距離と、当該用紙Pの裏面の他端からマーク画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、用紙Pの表面のマーク画像の形成位置と当該用紙Pの裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量を検出するステップと、検出されたずれ量に基づいて用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置とを位置合わせするステップとを有している。
【0051】
このプログラムによれば、画像読取手段11の画像読取可能領域を越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、用紙Pの表面のマーク画像の形成位置と当該用紙Pの裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量が検出され、ここで検出されたずれ量に基づいて用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置とを再現性良く位置合わせすることができる。
【0052】
記憶装置12にはプログラムの他に調整値が更新され保存される。この調整値は、CPU25で読み取り可能になされ、両面画像形成モード時に、記憶装置12から読み出される。これは調整値をオフセット値として、用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用するためである。
【0053】
制御手段15には上述した記憶装置12の他に画像読取手段11や画像メモリ13、画像処理手段21等が接続される。制御手段15は、操作手段14で両面位置合わせ調整モードが設定されると、CPU25は、記憶装置12からプログラムを読み出して両面位置合わせ調整モードを実行する。
【0054】
画像読取手段11は、画像形成手段70により形成された用紙Pの表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で基準チャート10を読み取るように使用される。例えば、両面位置合わせ調整モード時に、画像読取手段11は、基準チャート作成用の画像データに基づいて画像形成された基準チャート10の両面のマーク画像を読み取るように使用される。画像読取手段11は、基準チャート10に印刷された表裏面のマーク画像を読み取って得た画像データDinを制御手段15に出力する。
【0055】
画像データDinは、制御手段15のメモリ制御を受けて画像処理手段21で画像処理された後に画像メモリ13に格納される。画像メモリ13にはハードディスクやバックアップ付きのSDRAM等が使用される。画像処理後の画像データDoutは画像書き込み部60へ転送される。
【0056】
制御手段15は、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙Pを複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた画像読取手段11の画像読取可能領域よりも大きな用紙Pの表裏の画像形成位置を補正する。例えば、制御手段15は、基準チャート作成用に予め準備された画像データに基づいて、用紙Pの表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像を形成するように画像形成手段70を制御する。画像形成手段70は、例えば、記憶装置12から読み出した基準チャート作成用の画像データに基づいてマーク画像を用紙Pの表面及び裏面に形成する。
【0057】
画像書き込み部60は、画像データDoutに基づいて所定の強度のレーザー光を発生し、このレーザー光を感光体ドラム71に走査する。画像形成手段70は、画像書き込み部60によって、当該感光体ドラム71に書き込まれた静電潜像を現像し、所定の用紙Pに画像を転写する。
【0058】
マーク画像は用紙Pの表面及び裏面に形成され排紙される。このマーク画像が形成された用紙Pは、基準チャート10となる。ユーザは、マーク画像が形成された基準チャート10を画像読取手段11にセットするようになされる。これは、基準チャート10の表裏面における画像形成位置ずれを制御手段15に認識させるためである。
【0059】
画像読取手段11では、基準チャート10の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像が形成された基準チャート10に対して濃度差を有し、かつ、当該基準チャート10よりも大きいサイズの補助部材を基準チャート10の背面にあてがって走査するようになされる。補助部材には、基準チャート10の色と異なる色のシート部材等が使用される。このようにすると基準チャート10のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の位置ずれ量を検出できるようになる。もちろん、補助部材に限定されることはなく、基準チャート10の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにしても、基準チャート10のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の位置ずれ量を検出できるようになる。
【0060】
ユーザは、画像読取手段11を使用して、基準チャート10の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像を形成しない領域よりも当該マーク画像を形成した領域における走査速度を遅くするように設定してもよい。この設定は、操作手段14を操作して制御手段15に指示される。例えば、600dpiの解像度を有するスキャナ201で走査速度を1/2に低減すると、2倍の1200dpiの解像度で、マーク画像部分を拡大して画像処理を実行することができる。
【0061】
画像読取手段11で画像読取可能領域を越える大きさの基準チャート10を取り扱う場合に、基準チャート10の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、基準チャート10を折り曲げられて当該画像読取可能領域で十字形状のマーク画像を読み取るようになされる。制御手段15は、画像読取手段11によって複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた基準チャート10の表面及び裏面の部分のマーク画像の画像データDinに基づいて画像読取手段11の画像読取可能領域よりも大きな基準チャート10のサイズを換算する。ここで換算されたサイズの基準チャート10で制御手段15は、検出されたずれ量に基づいて当該基準チャート10の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。
【0062】
例えば、CPU25は、画像読取手段11によって読み取られたマーク画像の画像データ(読取情報)Dinに基づいて基準位置から基準チャート10の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から基準チャート10の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算する。その後、CPU25は、基準チャート10の表面のマーク画像の形成位置と当該基準チャート10の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量に基づいて基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段70を制御する。
【0063】
制御手段15は、画像形成モード時に、操作パネル48により設定された内容に基づいて画像を形成するように画像書き込み部60及び画像形成手段70の動作を制御する。例えば、制御手段15は、画像処理後の画像データDoutを画像書き込み部60に出力し、画像形成手段70に画像形成信号Spを出力して画像形成制御を実行する。
【0064】
また、制御手段15には画像書き込み部60や画像形成手段70等の他に通信手段19が接続される。通信手段19はLAN等の通信回線に接続され、外部のコンピュータ等と通信処理する際に使用される。当該画像形成装置100をプリンタとして使用する場合に、そのプリントモード時に、通信手段19は外部のコンピュータから画像データDin’を受信するように使用される。
【0065】
制御手段15には給紙手段23が接続され、画像形成モード時に、給紙制御信号Sfに基づいて図1に示した給紙トレイ30A、30Bを駆動制御する。給紙制御信号Sfは制御手段15から給紙手段23へ供給される。給紙手段23には図示ない送り出しローラや、給紙ローラ等を駆動するモータや、当該モータを駆動するための駆動制御用のICが使用される。給紙トレイ30Aや30B等には所定のサイズ(A3、A3ワイド、A4等)及び所定の紙質の用紙Pがセットされる。
【0066】
なお、制御手段15には後処理装置90を接続して使用される場合がある。後処理装置90にはZ折り機能が備えられ、両面画像形成された基準チャート10を谷折り及び山折りを含むZ折りするように使用してもよい。
【0067】
図3は、基準チャート10の構成例を示す概念図である。図4に示す基準チャート10は、基準チャート作成用の画像データに基づいて形成される。基準チャート10は、所定の用紙Pの一方の面の四隅に十字形状のマーク画像m1〜m4が形成(印刷)されて構成される。用紙の大きさは任意である。通常は、画像読取手段11の画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)に匹敵する大きさの用紙Pが選択される。例えば、A3版の原稿20が最大スキャンサイズである場合は、マーク画像m1〜m4を形成する用紙Pには、通常、A3版の用紙、あるいは、この大きさよりも小さな用紙が選択される。しかし、ユーザの要求、例えば、小冊子の表紙等の印刷要求から、A3版の用紙サイズよりも一回り大きい、A3ワイドの用紙Pにマーク画像m1〜m4を形成するように使用される。
【0068】
基準チャート作成用の画像データは、記憶装置12又は画像処理手段21が保持するようになされる。このようにすると、両面位置合わせ調整モード設定時、記憶装置12又は画像処理手段21から基準チャート作成用の画像データを画像形成手段70に供給し、画像形成手段70でA3ワイドの用紙Pの表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像m(1)〜m(4)を形成することができる。
【0069】
図4A及びBは、用紙表面等のマーク画像m(1)の形成例を示す拡大図である。図4Aに示すマーク画像m(1)は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1に基づいて基準チャート10となる用紙Pの表裏面に画像形成されたものである。括弧は、基準チャート10の表面のマーク画像とその基準チャート10の裏面に形成されたマーク画像とを区別するためである。この場合、用紙表面のマーク画像m(1)と、用紙裏面のマーク画像m(1)とが一致している。
【0070】
このような場合は、用紙表裏の画像形成位置が一致しており、両面位置合わせ調整モードは実行しなくてもよい。マーク画像は、十字形状に限られることはなく、マーク画像形成位置を正確に検出できれば良いので、図示しない、黒ドットパターンであっても良いし、その他の別のマークでも良い。この例では、”+”のマーク画像(1)〜m(4)に基づいて説明を進める。
【0071】
図4Bに示すマーク画像m(1)及びm(1)’は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1に基づいて用紙P’の表裏面に画像形成されたものである。この例によれば、用紙表面の黒色の”+”のマーク画像m(1)に対して、裏面は、例えばグレー色(網点)で示したような位置に、裏面のマーク画像m(1)が形成される。マーク画像m(1)’は、例えば、当該用紙表面で裏写り画像として目視確認できるものである。
【0072】
この場合、用紙表面のマーク画像m(1)と、用紙裏面のマーク画像m(1)’とが一致しておらず(m(1)≠m(1)’)、表裏ずれを生じている。ここで、用紙表面のマーク画像m(1)と、用紙裏面のマーク画像m(1)’との間のずれ量をεとする。
【0073】
この用紙P’のように表面と裏面とで画像形成位置にずれがある場合、用紙P’の表面と裏面との間の画像形成位置の相対誤差を取り除くために、両面位置合わせ調整モードを実行して、画像読取手段11で用紙P’の表面と裏面との2回に分けてマーク画像m(1)〜m(4)を読み込んで、ずれ量εを検出するようになされる。
【0074】
なお、画像読取手段11の画像読取可能領域を越える大きさの基準チャート10を取り扱う場合は、基準チャート10となる用紙Pの表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、用紙Pを折り曲げられて当該画像読取可能領域でマーク画像m(1)〜m(4)を読み取るようになされる。
【0075】
図5A及びBは、基準チャート10の表裏面に形成されたマーク画像m(1)〜m(4)の構成例を示す図である。この例では、説明の都合上、表面の基準チャート10に関して、当該基準チャート10の先頭側を上にし、その裏面の基準チャート10に関して、当該基準チャート10の先頭側を下にして並べて示している。
【0076】
図5Aに示す黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1〜m4に基づいて用紙Pの表面に画像形成されたものである。図5Aに示すグレー色の”+”のマーク画像m(1)’〜m(4)’は、基準チャート作成用の画像データのマーク画像m1〜m4に基づく、用紙裏面の黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)であって、当該用紙表面で裏写り画像として目視確認できるものである。
【0077】
図5Aにおいて、用紙表面のマーク画像m(1)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(2)である。同様にして、用紙表面のマーク画像m(2)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(1)であり、用紙表面のマーク画像m(3)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(4)であり、用紙表面のマーク画像m(4)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙裏面のマーク画像m(3)である。
【0078】
図5Bに示すマーク画像m(1)〜m(4)は、基準チャート10のマーク画像m1〜m4に基づいて基準チャート10’の裏面に画像形成されたものである。図5Bに示すグレー色のマーク画像m(1)’〜m(4)’は、基準チャート10のマーク画像m1〜m4に基づく、用紙表面の黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)であって、当該用紙裏面で裏写り画像として目視確認できるものである。
【0079】
図5Bにおいて、用紙裏面のマーク画像m(1)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(2)である。同様にして、用紙裏面のマーク画像m(2)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(1)であり、用紙裏面のマーク画像m(3)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(4)であり、用紙裏面のマーク画像m(4)の位置で裏写りして目視確認されるのは、用紙表面のマーク画像m(3)である。
【0080】
このような表裏面における画像形成例において、図5Aに示す基準チャート10の表面の一端(左端)を基準位置とする。この例では、この基準位置から用紙表面のマーク画像m1の形成位置に至る距離Aとし、この基準チャート10を反転させた、図5Bに示す基準チャート10の基準位置(裏面では他端(右端)に位置する)からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bとしたとき、CPU25は距離Aと距離Bの差分[A−B]を演算する。
【0081】
具体的には、基準チャート10の表裏面のそれぞれのマーク画像m(1)〜m(4)を1回ずつ走査実行し、合計2つのマーク画像m(1)×2〜m(4)×2にて表裏面のずれ量εを検出する。これらの検出には、基準チャート10の表面と裏面とで共通の基準を持つ必要があるが、基準位置の例としては、上述した基準チャート10のエッジ(角又は用地端部)を基準とする場合に限られることはなく、図3に示した基準チャート10に対して、当該基準チャート10に図示しない穴を空け、それを基準としてもよい。
【0082】
CPU25は、画像読取手段11から得られる画像データDinに基づいて基準チャート10の表面のマーク画像m(1)の形成位置と当該基準チャート10の裏面のマーク画像m(2)の形成位置との間のずれ量εを検出する。このずれ量は、マーク画像m(3)及び(4)について算出してもよい。このように、基準チャート10の表裏面をそれぞれ走査して、共通の基準位置に対する相対的なマーク画像m1〜m2の位置を画像処理により求めて、その表裏面の差分を検出する。これにより、基準チャート10の表裏面の位置ずれを検出できる。
【0083】
CPU25は、当該ずれ量εに基づいて基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように画像形成手段70を制御する。これにより、主走査方向の位置ずれを補正できる。なお、マーク画像m(1)及び(3)について、又は、マーク画像m(2)及び(4)について算出すると、副走査方向の位置ずれを補正できるようになる。
【0084】
図6は、画像読取可能領域Iを越える大きさの調整パターンP1のセット例を示す概念図である。
この例は、画像読取手段11の画像読取可能領域を越える大きさの用紙P1に基準チャート作成用の画像データに基づくマーク画像が形成された場合である。例えば、図6に示す調整用パターンP1は基準チャート10の一例であり、画像読取手段11における画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)を越える、A3ワイドサイズのような用紙Pに、基準チャート作成用の画像データに基づく十字形状のマーク画像m(1)〜m(4)が形成(印刷)されたものである。
【0085】
マーク画像m(1)〜m(4)は、表裏面の四隅に形成される。A3ワイドサイズの用紙Pは、A4版の用紙を複数ページから構成した冊子の表紙に使用される場合が多い。表紙は、A3ワイドサイズの用紙を2つ折りにしたとき、A4版の用紙よりも一回り大きいサイズとなる。
【0086】
この例では、画像読取手段11の最大スキャンサイズ(A3版)よりも、大きなサイズのA3ワイド版の用紙Pの両面に画像を形成した場合であって、その表面に形成された画像形成位置と、裏面に形成された画像形成位置とのずれ量εを調整する。この場合、図6に示した調整用パターンP1は、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された基準チャート10の一方の面(表面又は裏面)を上下部分の2回に分けて、画像読取可能領域Iで当該マーク画像を読み取るようになされる。これはA3版の最大スキャンサイズを有する画像読取手段11に、A3ワイドサイズの調整用パターンP1をセットしても、用紙端部のエッジが検出できないからである。
【0087】
ユーザは、まず、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP1の上半分を画像読取可能領域Iにセットする。このとき、調整パターンP1の上半分のマーク画像m(1)及びm(2)が画像読取手段11によって読み取られる。次に、調整パターンP1を180°回転させて、同一面の下半分を画像読取可能領域Iにセットする。このとき、調整パターンP1の下半分のマーク画像m(3)及びm(4)が画像読取手段11によって読み取られる。このようにすると、調整用パターンP1を2回に分けて読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)の画像データDinに基づいて両面位置合わせ調整モードを実行できるようになる。
【0088】
図7A〜Cは、調整パターンP1に係る画像データDin1,Din2の合成例を示す概念図である。
図7Aに示す調整パターンP1(u)は、画像メモリ13等に展開され、画像読取手段11によって上半分が読み取られたマーク画像m(1)及びm(2)を含む分割画像データDin1により表現されるものである。図7Bに示す調整パターンP1(d)は、同様にして、画像メモリ13等に展開され、画像読取手段11によって下半分が読み取られたマーク画像m(3)及びm(4)を含む分割画像データDin2により表現されるものである。
【0089】
この例では、画像メモリ13上で、マーク画像m(1)及びm(2)を含む分割画像データDin1と、マーク画像m(3)及びm(4)を含む分割画像データDin2とが、予め入力された調整パターンP1に係る基準チャート10のサイズデータに基づいて合成される。合成後の調整パターンP1は、調整パターンP1(u)+調整パターンP1(d)+Offsetにより表現される。画像データDinは、Din1+Din2+Offsetで示される。
【0090】
基準チャート10のサイズデータは、調整用パターンP1を作成するときに、ユーザが予め操作手段14を使用して入力するようになされる。CPU25は操作手段14からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP1のサイズデータをRAM26等に格納するようになされる。画像データ合成時に、RAM26から調整用パターンP1のサイズデータが読み出される。このようにすると、画像メモリ13上でA3ワイド版等の基準チャート10の大きさを再構築することができ、元の基準チャート10の大きさに換算してから位置ずれ量を算出できるようになる。位置ずれ量の算出処理については、図4及び図5で説明した通りである。
【0091】
次に、本発明に係る画像形成位置補正方法について説明する。図8は、複写機100における画像処理例、図9A及びBはその画像処理例のサブルーチンを各々示すフローチャートである。
【0092】
この実施例では、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合であって、両面画像形成に使用される基準チャート10のサイズ(大きさ)が、画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい、A3ワイドサイズ等の調整用パターンP1を取り扱う場合を前提とする。この例で基準位置は、基準チャート10の表裏面で共通する用紙端部に対して設定される。動作モードについては、通常の両面画像形成モードと両面位置合わせ調整モードとが選択可能になされている場合を例に挙げる。
【0093】
これらを処理条件にして、電源スイッチ等をオンした後に、図8に示すフローチャートのステップC1でCPU25は動作モードを入力する。このとき、ユーザは、操作手段14を操作して動作モードをCPU25に入力する。動作モードは、表示手段18の図示しないメニュー画面等で、画像形成モード又は両面位置合わせ調整モードから選択して設定される。
【0094】
ユーザは、両面位置合わせ調整モードを設定したときは、基準チャート10となる用紙Pのサイズデータを入力する。CPU25は操作手段14からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP1のサイズデータをRAM26等に格納するようになされる。
【0095】
次に、ステップC2に移行して先に設定された動作モードに基づいてCPU25は制御を分岐する。両面位置合わせ調整モードが設定された場合は、ステップC3に移行してCPU25は、調整用パターンP1を作成するように画像読取手段11や画像形成手段70等を制御する。CPU25は、例えば、基準チャート作成用の画像データを記憶装置12から読み出して画像処理手段21へ転送するようになされる。マーク画像m1〜m2に基づく画像データDinは、画像処理手段21で画像処理された後、制御手段15の転送制御を受けて画像処理手段21から画像書き込み部60へ転送される。
【0096】
その後、制御手段15は、基準チャート作成用の画像データに基づく十字形状のマーク画像m1〜m4を用紙Pの表面及び裏面の四隅に形成するように画像形成手段70を制御する。用紙Pは、ユーザがA4版の複数ページから構成した冊子の表紙に使用しようとする大きさであって、その表紙は、A3ワイドサイズの用紙Pを2つ折りにしたとき、A4版の用紙よりも一回り大きいサイズである。
【0097】
画像形成手段70は、転送されてきた基準チャート作成用の画像データに基づくマーク画像m(1)〜m(4)を基準チャート10となる用紙Pの表面及び裏面の四隅に形成する。例えば、画像形成手段70は、給紙トレイ30Aや給紙トレイ30B等の1つから繰り出されたA3ワイドサイズの用紙Pの両面にマーク画像(1)〜m(4)を形成する。
【0098】
この画像形成に当たって、帯電器72は、所定の帯電電位に基づいて予め感光体ドラム71を一様に帯電する。画像書き込み60は、画像処理後の画像データDoutに基づく所定強度のレーザー光を発生し、このレーザー光を感光体ドラム71に照射し走査する。このレーザー光の照射及び走査の結果、感光体ドラム71が露光され、その感光体ドラム71上にマーク画像(1)〜m(4)に基づく静電潜像が形成される。
【0099】
現像器73は、画像書き込み部60によって露光された静電潜像を、トナー剤によって現像する。転写器74は、帯電、露光、現像を経てその感光体ドラム71上に形成されたマーク画像m1〜m4に基づくトナー像を、レジストローラ62により搬送タイミング制御される用紙Pに転写する。分離器75は、トナー像が転写された用紙Pを感光体ドラム71から分離する。定着装置78では用紙Pに転写されたトナー像を定着する。感光体ドラム71に残留したトナーは、クリーニングされる。
【0100】
この例では両面位置合わせ調整モードが選択されているので、一方の用紙面(表面)に画像形成されると、その後、定着装置78から排出された用紙Pの裏面にも画像が形成される。定着装置78から排出された用紙Pは分岐手段91によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙手段23を構成する下方の反転ローラ92や、反転部93等により表裏を反転される。
【0101】
反転後の用紙Pは反転搬送路94を通過して給紙ローラ61の手前において通常の給紙路と合流する。ここで反転搬送された用紙Pは、レジストローラ62を経て、再度、転写器74に搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置78により定着処理され、排紙ローラ95に挟持されて機外の排紙トレイ96等に排紙される。
【0102】
4つのマーク画像m(1)〜m(4)が表面及び裏面の各々に形成された用紙Pは基準チャート10の一例となる調整用パターンP1となる。調整用パターンP1は画像形成手段70から排紙される。この例では、画像読取可能領域を越える大きさの用紙Pに基準チャート作成用の画像データに基づくマーク画像が形成された場合である。
【0103】
従って、画像形成手段70から排紙された、調整用パターンP1は、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された基準チャート10の一方の面(表面及び/又は裏面)を上下部分の2回に分けられ、ステップC4で黒色の”+”のマーク画像m(1)〜m(4)を読み取るようになされる。これはA3版の最大スキャンサイズを有する画像読取手段11に、A3ワイドサイズの調整用パターンP2をセットしても、用紙端部のエッジが検出できないからである。
【0104】
ここで、ユーザは調整用パターンP1の表面の上半分をプラテンガラス51(画像読取可能領域I)上にセットして、図示しないプラテンカバーを閉める。画像読取手段11は、例えば、図9Aに示すサブルーチンをコールし、そのステップC41で調整用パターン表面の上半分の読取処理を実行する。このとき、マーク画像m(1)及びm(4)が形成された調整用パターンP1に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP1の上半分よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP1の背面にあてがって画像読取系を走査してもよい。
【0105】
もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP1の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP1のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。調整パターンP1の上半分のマーク画像m(1)及びm(2)は、画像読取手段11によって読み取られて画像データDin1となる。
【0106】
この例で、マーク画像m(1)〜m(4)の走査に際して、マーク画像が形成されていない領域よりも、当該マーク画像m(1)〜m(4)が形成された領域における走査速度を遅くするように、操作手段14を操作して、走査速度変更を設定してもよい。この速度変更設定によって、マーク画像部分を拡大することができ、解像度を高めることができる。
【0107】
次に、ユーザは、プラテンガラス51上から調整用パターンP1を取り出し、当該調整パターンP1を180°回転させて、同一表面の下半分をプラテンガラス51上にセットしてプラテンカバーを閉める。ステップC42では、調整パターン表面の下半分の黒色の”+”マーク画像m(3)及びm(4)が画像読取手段11によって読み取られて画像データDin2となる。
【0108】
その後、ステップC43に移行して、画像処理手段21では、両方の画像データDin1及びDin2が合成される。例えば、画像メモリ13上で、マーク画像m(1)及びm(2)を含む画像データDin1と、マーク画像m(3)及びm(4)を含む画像データDin2とが、予め入力された調整パターンP1に係る基準チャート10のサイズデータに基づいて合成される。調整用パターンP1のサイズデータは、画像データ合成時に、RAM26から読み出される。合成後の調整パターンP1は、調整パターンP1(u)+調整パターンP1(d)+Offsetにより表現される。画像データDinは、Din1+Din2+Offsetで示される。このようにデータ合成すると、画像メモリ13上でA3ワイド版等の基準チャート10の大きさを再構築することができ、元の基準チャート10の大きさに換算してから位置ずれ量を算出できるようになる。そして、ステップC4にリターンして、ステップC5に移行する。
【0109】
ステップC5では、先に読み取られた調整パターン表面に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出する。例えば、調整用パターンP1の表面の一端(共通端部)からマーク画像m(1)の形成位置に至る距離Aを算出する。ここで算出した距離Aに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0110】
その後、ステップC6に移行して調整用パターンP1の裏面に形成された黒色の”+”マーク画像m1〜m4を読み取る。このとき、ユーザは調整用パターン裏面の上半分をプラテンガラス51上にセットしてプラテンカバーを閉める。画像読取手段11は、例えば、図9Bに示すサブルーチンをコールし、そのステップC61で調整用パターン裏面の上半分の読取処理を実行する。この裏面を読み取るときも、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP1の背面に上述の補助部材をあてがって画像読取系を走査するようになされる。もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP1の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP1のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。調整パターンP1の裏面の上半分のマーク画像m(1)及びm(2)は、画像読取手段11によって読み取られて画像データDin1となる。
【0111】
次に、ユーザは、プラテンガラス51上から調整用パターンP1を取り出し、当該調整パターンP1を180°回転させて、同一裏面の下半分をプラテンガラス51上にセットしてプラテンカバーを閉める。ステップC62では、調整パターン裏面の下半分の黒色の”+”マーク画像m(3)及びm(4)が画像読取手段11によって読み取られて画像データDin2となる。
【0112】
その後、ステップC63に移行して、画像処理手段21では、両方の画像データDin1及びDin2が合成される。例えば、画像メモリ13上で、マーク画像m(1)及びm(2)を含む画像データDin1と、マーク画像m(3)及びm(4)を含む画像データDin2とが、予め入力された調整パターンP1に係る基準チャート10のサイズデータに基づいて合成される。
【0113】
調整用パターンP1のサイズデータは、画像データ合成時に、RAM26から読み出される。合成後の調整パターンP1は、調整パターンP1(u)+調整パターンP1(d)+Offsetにより表現される。画像データDinは、Din1+Din2+Offsetで示される。このようにデータ合成すると、画像メモリ13上でA3ワイド版等の基準チャート10の大きさを再構築することができ、元の基準チャート10の大きさに換算してから位置ずれ量を算出できるようになる。
【0114】
表裏面の画像データDinは、調整用パターンP1の表裏面における画像形成位置ずれをCPU25に認識させるためである。このようにすると、調整用パターンP1の表面を2回に分けて読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)の画像データDin1,Din2に基づいて両面位置合わせ調整モードを実行できるようになる(図6参照)。そして、ステップC6にリターンして、ステップC7に移行する。
【0115】
ステップC7では、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る裏面の画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、調整用パターンP1の裏面の共通端部からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bを算出する。ここで算出した距離Bに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0116】
その後、ステップC8に移行して、調整用パターンP1の表裏の差分を算出する。このとき、CPU25は、RAM26から距離Aに係る数値データ及び距離Bに係る数値データを読み出す。CPU25は、距離Aに係る数値データから距離Bに係る数値データを減算して、調整用パターンP1の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP1の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。
【0117】
その後、ステップC9に移行して、先に検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP1の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP1の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。調整値は、基準チャート10のサイズと、用紙Pのサイズに基づく係数αとが演算されて算出される。基準チャート10のサイズと用紙Pのサイズとが同じ場合は、係数αは「1」である。基準チャート10のサイズが用紙Pのサイズよりも大きく、かつ、拡大画像を形成する場合は、ずれ量εも拡大されて検出されるので、α<1なる係数が演算される。拡大前の画像に戻して位置ずれを調整するためである。
【0118】
そして、ステップC10に移行して、先に演算された調整値を記憶装置12等に格納する。通常の両面画像形成モード時等において、この調整値は、記憶装置12から読み出され、オフセット値として、基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用することができる。その後、ステップC12に移行する。
【0119】
なお、ステップC2で両面画像形成モードが設定された場合は、ステップC11に移行して、CPU25は通常の両面画像形成処理を実行すべく画像形成手段70を制御する。この両面画像形成モードでは、給紙手段23の中から、給紙トレイ30A又は30B等を選択したり、画像形成条件を設定するように操作手段14が操作される。画像形成条件やトレイ選択情報等は操作データD3となってCPU25に出力される。表示手段18には、操作手段14により選択操作される画像形成条件等を表示するようになされる。画像形成条件等は例えば、CPU25で表示データD2に変換されて表示手段18に出力される。
【0120】
画像形成条件等が設定されると、画像形成手段70では、画像読取手段11によって得られた画像データDinに基づいて画像を形成する。両面画像形成処理については、両面位置合わせ調整モードを参照されたい。その後、ステップC12でCPU25は、画像処理終了を判断する。画像処理を全部終了しない場合は、ステップC1に戻って動作モードの設定入力処理を実行する。画像処理を終了する場合は、電源オフ情報等を検出して制御を終了する。
【0121】
このように、本発明に係る第1の実施例としての複写機及び画像形成位置補正方法によれば、用紙Pの表面及び裏面に画像を形成する場合に、所定の画像読取可能領域Iを有した画像読取手段11は、画像形成手段60により形成された調整パターンP1の表面及び裏面の各々を上下部分2回に分けて、当該画像読取可能領域I上でマーク画像m(1)及びm(2)とm(3)及びm(4)とを分けて読み取るように制御される。
【0122】
従って、画像読取可能領域Iを越える大きさの用紙に画像を形成する場合であっても、調整用パターンP1の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP1の裏面の画像形成位置とを表裏で共通する用紙端部を基準にして自動位置合わせできるので、両面画像形成モード時、任意の大きさの基準チャート10の表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。
【実施例2】
【0123】
図10A及びBは、第2の実施例に係る調整用パターンP2の構成例を示す概念図である。図10Aに示す調整用パターンP2は、第1の実施例と同様にして、画像読取可能領域(最大スキャンサイズ)Iを越える、A3ワイドサイズのような用紙Pに、基準チャート作成用の画像データに基づく十字形状のマーク画像m(1)〜m(4)が形成(印刷)されたものである。マーク画像m(1)〜m(4)は、その表裏面の四隅に形成される。この例では、図10Aに示した調整用パターンP2は、図10Bに示すように折り込むように処理される。これはA3版の最大スキャンサイズを有する画像読取手段11に、A3ワイドサイズの調整用パターンP2をセットしても、用紙端部のエッジが検出できないため、調整用パターンP2を折り込んで、画像データサイズを小さくするようになされる。
【0124】
図10Aに示すマーク画像中には、折り込みガイド用の波線及び一点鎖線等が描かれる。この折り込みガイド用の波線及び一点鎖線等を描くためには、図3に示した基準チャート10において、予め谷折り線L1及び山折り線L2を含めておくとよい。調整用パターンP2を折り曲げる回数は偶数回である。ユーザはこの波線及び一点鎖線等に従って折り込み処理をするようになる。この例では、図10Aにおいて、調整用パターンP2を3つ折りにする谷折り線L1及び山折り線L2が形成される。
【0125】
ユーザは、この谷折り線L1及び山折り線L2に従って、調整用パターンP2を折る込む。この折り込みの結果、A3ワイドサイズの調整用パターンP2は、図10Bのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。このように、被画像読取領域を縮小すると、ほぼA4版サイズの調整用パターンP2’に変更することができ、表裏面共にそれぞれ1回ずつの走査でマーク画像m(1)〜m(4)の検出が可能となる。
【0126】
図11A及びBは、表裏判定マークの形成例を示す図である。この例で、CPU25は、調整用パターンP2の表面又は裏面の少なくとも一方にマーク画像(1)〜m(4)以外の表裏識別用のマーク画像Mfを形成するように画像形成手段70を制御する。
【0127】
図11Aに示す調整用パターンP2の表面には、マーク画像m(1)〜m(4)と共に表面判定用のマーク画像Mfが形成される。マーク画像Mfは、基準チャート102の先頭側であって、マーク画像m(1)とマーク画像m(2)との間に黒抜き三角形状に形成される。このマーク画像Mfを描くためには、図3に示した基準チャート10において、予め基準チャート10の先頭側であって、マーク画像m1とマーク画像m2との間に含めておくとよい。
【0128】
図11Bに示す調整用パターンP2の裏面には、マーク画像m(1)〜m(4)と共に裏面判定用のマーク画像Mbが形成される。マーク画像Mbは、基準チャート102の後端側であって、マーク画像m(3)とマーク画像m(4)との間に黒抜き三角形状に形成される。このマーク画像Mbを描くためには、図3に示した基準チャート10において、予め基準チャート10の後端側であって、マーク画像m3とマーク画像m4との間に含めておくとよい。
【0129】
ユーザは、図11A、Bに示す谷折り線L1及び山折り線L2に従って、調整用パターンP2を折る込む。この折り込みの結果、図11Aに示したA3ワイドサイズ等の調整用パターンP2は、図11Cのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。図11Bに示したA3ワイドサイズ等の調整用パターンP2は、図11Dのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。
【0130】
このように調整用パターンP2を構成すると、使用者にとって、用紙Pの上下や表面、裏面等の差が分かり易くなる。調整用パターンP2の表面と裏面とを容易に区別できるようになる。仮に、使用者が誤って逆さ又は表裏逆に調整用パターンP2をプラテンガラス51上に置いてしまった場合でも、画像処理手段(ソフト側)21において、マーク画像Mfの位置やその向きの誤りを検出できるようになる。
【0131】
次に、複写機100における他の画像処理例を説明する。図12及び図13は、複写機100における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1、2)を示すフローチャートである。
【0132】
この実施例では、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合であって、第1の実施例と同様にして、用紙Pのサイズ(大きさ)が、画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい、A3ワイドサイズ等の調整用パターンP2を取り扱う場合を前提とする。調整用パターンP2は、予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、この縮小後の調整用パターンP2の表面及び裏面のマーク画像を画像読取手段11で読み取るようになされる。この例でも基準位置は、用紙Pの表裏面で共通する用紙端部に対して設定される。動作モードについては、通常の両面画像形成モードと両面位置合わせ調整モードとが選択可能になされている場合を例に挙げる。
【0133】
これらを処理条件にして、第1の実施例と同様にして、電源スイッチ等をオンした後に、図12に示すフローチャートのステップE1でCPU25は動作モードを入力する(図8のステップC1参照)。また、ユーザは操作手段14を使用して、調整用パターンP2を作成するための用紙Pの紙サイズを入力する。CPU25は操作手段14からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP2の紙サイズデータ等をRAM26に格納する。
【0134】
次に、ステップE2に移行して先に設定された動作モードに基づいてCPU25は制御を分岐する。両面位置合わせ調整モードが設定された場合は、ステップE3に移行してCPU25は、調整用パターンを出力するように画像読取手段11や画像形成手段70等を制御する(図8のステップC2参照)。この例では、A3ワイドサイズの用紙Pに4つのマーク画像m(1)〜m(4)が表面及び裏面の各々に形成され、この用紙Pは、調整用パターンP2となる。調整用パターンP2は画像形成手段70から排紙される。
【0135】
ここでユーザは、ステップE4に移行して、調整用パターンP2を折り込んで画像読取手段11にセットするようになされる。例えば、ユーザは、図10Aに示したように、谷折り線L1及び山折り線L2に従って、調整用パターンP2を折り込む。この折り込みの結果、A3ワイドサイズの調整用パターンP2は、図10Bのように被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる。このように、被画像読取領域を縮小すると、ほぼA4版サイズの調整用パターンP2’に変更することができ、表裏面共にそれぞれ1回ずつの走査でマーク画像m(1)〜m(4)の検出が可能となる。
【0136】
その後、ステップE5に移行して画像読取手段11は、折り込み状態の調整用パターンP2の表面に形成された黒色の”+”マーク画像m(1)〜m(4)を読み取る。このとき、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP2よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP2の背面にあてがって画像読取系を走査するようになされる。もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP2の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP2のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。
【0137】
次に、ステップE6に移行して、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、折り込み状態の調整用パターンP2の表面の一端(共通端部)からマーク画像m(1)の形成位置に至る距離Aを算出する。ここで算出した距離Aに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0138】
その後、ステップE7に移行して調整用パターンP2の裏面に形成された黒色の”+”マーク画像m1〜m4を読み取る。この裏面を読み取るときも、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2の背面に上述の補助部材をあてがって画像読取系を走査するようになされる。
【0139】
そして、ステップE8に移行して、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、調整用パターンP2の裏面の共通端部からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bを算出する。ここで算出した距離Bに係る数値データはRAM26等に一時格納される。
【0140】
その後、ステップE9に移行して、調整用パターンP2の表裏の差分を算出する。このとき、CPU25は、RAM26から距離Aに係る数値データ及び距離Bに係る数値データを読み出す。CPU25は、距離Aに係る数値データから距離Bに係る数値データを減算して、調整用パターンP2の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。
【0141】
そして、ステップE10に移行して調整用パターンP2の紙サイズを入力する。例えば、CPU25は先に保持された調整用パターンP2の紙サイズデータ等をRAM26から読み出す。その後、ステップE11に移行して、先に検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP2の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。調整値は、折り込んだ調整用パターンP2で得られたずれ量εに係数βを演算してA3ワイドサイズの用紙Pのずれ量ε’を換算する。これは折り込んだ調整用パターンP2のサイズと、A3ワイドサイズの用紙Pのサイズとが見かけ上異なっている(走査領域が異なっている)ので、調整用パターンP2を展開してA3ワイドサイズの用紙Pのサイズに戻した場合に正確な調整値が得られように係数βが演算される。
【0142】
その後、ステップE12に移行して、先に演算された調整値を記憶装置12等に格納する。通常の両面画像形成モード時等において、この調整値は、第1の実施例と同様にして記憶装置12から読み出され、オフセット値として、用紙Pの表面の画像形成位置と当該用紙Pの裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用することができる。その後、ステップE14に移行する。
【0143】
なお、ステップE2で両面画像形成モードが設定された場合は、ステップE13に移行して、CPU25は通常の両面画像形成処理を実行すべく画像形成手段70を制御する(図8のステップC11参照)。その後、ステップE14でCPU25は、画像処理終了を判断する。画像処理を全部終了しない場合は、ステップE1に戻って動作モードの設定入力処理を実行する。画像処理を終了する場合は、電源オフ情報等を検出して制御を終了する。
【0144】
このように、第2の実施例に係る画像形成位置補正方法によれば、位置合わせ用のマーク画像m(1)〜m(4)を形成した調整用パターンP2のサイズが画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい場合、その調整用パターンP2を折り曲げて被画像読取領域を縮小し、その後、被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2の表面及び裏面のマーク画像m(1)〜m(4)を読み取るようになされる。
【0145】
従って、画像読取手段11によって読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいて調整用パターンP2の表面のマーク画像m(1)の形成位置と当該調整用パターンP2の裏面のマーク画像m(2)の形成位置との間のずれ量εを検出することができる。両面画像形成モード時に、表面と裏面とで画像形成位置にずれが生じた場合、両面位置合わせ調整モードを実行することで、定型A3版のサイズを越えるA3ワイドサイズのような用紙Pに対しても、このずれ量εを自動的に検出することができる。これにより、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、第1の実施例と同様にして、簡単に表裏の画像を位置合わせすることが可能となる。
【実施例3】
【0146】
図14は、第3の実施例に係る基準チャート10’の構成例を示す概念図である。図14に示す基準チャート10’は、所定の用紙の一方の面の四隅に十字形状の第1のマーク画像m11〜m41が形成(印刷)され、更に、これらの近傍に、所定の間隔を保持して、十字形状の第2のマーク画像m12〜m42が形成されて構成される。
【0147】
例えば、マーク画像m11の斜め右下方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m12が形成される。マーク画像m21の斜め左下方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m22が形成される。マーク画像m31の斜め右上方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m32が形成される。マーク画像m41の斜め右上方には、所定の距離を隔てて、マーク画像m42が形成される。
【0148】
基準チャート10’を作成する画像データは、別途準備され、記憶装置12に格納される。もちろん、これに限られることはなく、画像処理手段21が基準チャート10’に係るデジタルの画像データとして保持するようにしてもよい。このようにすると、両面位置合わせ調整モード設定時、CPU25は、画像処理手段21から基準チャート作成に係る画像データを画像形成手段70に供給し、画像形成手段70で用紙Pの表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像m(11)〜m(41)及びマーク画像m(12)〜m(42)を形成することができる。このような十字形状のマーク画像m(11)〜m(41)及びマーク画像m(12)〜m(42)が表面及び裏面に形成された基準チャート10’は、調整パターンP2等となる。
【0149】
この例で調整用パターンP2の表面及び裏面に形成されたマーク画像m11〜m41及びm12〜m42を読み取る際に、画像処理手段21は、これらのマーク画像間の距離を測定する。例えば、マーク画像m11とマーク画像m12との間の距離が画像処理手段21によって測定される。同様にして、マーク画像m21とマーク画像m22の間の距離が測定され、マーク画像m31とマーク画像m32との間の距離が測定され、マーク画像m41とマーク画像m42との間の距離が各々測定される。
【0150】
このように、第3の実施例に係る画像形成位置補正方法によれば、所定の用紙Pの一方の面の四隅に十字形状の第1のマーク画像m11〜m41が形成(印刷)され、更に、これらの近傍に、所定の間隔を保持して、十字形状の第2のマーク画像m12〜m42が形成された基準チャート10’を用いて、基準チャート10の表面と裏面の位置合わせが実行される。
【0151】
従って、画像形成前のマーク画像間の距離と画像形成後のマーク画像間の距離との差分である距離差を求めることができる。この距離差は、画像読取手段11(画像読取系)における部分倍率誤差である。この距離差を無くすようにずれ量εを補正することで、部分倍率誤差を解消できるようになる。このような測定方法により求めた、基準チャート10’の表裏面のずれ量εに基づいて、「縦横の倍率」や、「縦横のタイミング」、「傾き・歪み」等の調整項目の表裏面の違いを検出し、これらの項目を調整することにより、より高精度に、表面と裏面の位置合わせを実行することができる。
【実施例4】
【0152】
図15は、第4の実施例としての画像形成システム200の構成例を示す概念図である。
図15に示す画像形成システム200は、所定の用紙の表面及び裏面に画像形成可能なシステムであって、イーサネット(登録商標)205等のネットワークに接続された複数のプリンタ202や203等における両面画像形成時の用紙表裏面の画像形成位置をスキャナ201及びパーソナルコンピュータ(以下パソコン204という)を使用して調整するシステムである。
【0153】
スキャナ201は、イーサネット(登録商標)205に接続され、基準チャート10から位置合わせ用のマーク画像を読み取って画像データDoutを出力する。また、スキャナ201は、例えば、実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、マーク画像を形成した調整用パターンP2のサイズが折り込まれて小さい場合であって、サイズの小さい調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取るようになされる。
【0154】
この例でスキャナ201は、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像が形成された調整用パターンP2’に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP2’よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP2’の背面にあてがって走査される。これに限られることはなく、スキャナ201は、上述のマーク画像を読み取る際に、調整用パターンP2’の背面側を開放した状態で走査される。このようにするとエッジが強調でき、高い精度でずれ量を検出できるようになる。
【0155】
この例でスキャナ201は、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、マーク画像を形成しない領域よりも当該マーク画像を形成した領域における走査速度を遅くする(拡大画像)ように制御される。このようにすると、高い精度でずれ量を検出できるようになる。
【0156】
プリンタ202,203は、イーサネット(登録商標)205に接続され、基準チャート10から読み取られたマーク画像に係る画像データDinを入力し、この画像データDinに基づいて図示しない用紙の表面及び裏面に形成して調整用パターンP2を出力する。プリンタ202,203は、例えば、用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状のマーク画像を形成するように制御される。このマーク画像は、プリンタ202や203等における用紙表裏面の画像形成位置を調整するために使用される。
【0157】
この例で調整用パターンP2のサイズがスキャナ201の最大スキャンサイズ、例えば、A3版よりも大きい場合(A3ワイド版)であって、スキャナ201は、位置合わせ用のマーク画像を形成した調整用パターンP2が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、その縮小後の調整用パターンP2’の表面及び裏面のマーク画像を読み取るようになされる。調整用パターンP2’を折り曲げる回数は偶数回である(図10A参照)。
【0158】
パソコン204は情報処理装置の一例であり、イーサネット(登録商標)205に接続され、スキャナ201で検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP2’の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。例えば、パソコン204は、スキャナ201によって読み取られたマーク画像に係る画像データDinを入力し、この画像データDinに基づいて調整用パターンP2’の表面の一端からマーク画像の形成位置に至る距離Aと、当該調整用パターンP2’の裏面の他端からマーク画像の形成位置に至る距離Bとの差分を演算する(図5A,B参照)。そして、パソコン204は、調整用パターンP2’の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量を検出し、このずれ量に基づいて調整用パターンP2’の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタ202や203等を制御する。
【0159】
また、パソコン204は、スキャナ201によって読み取られたマーク画像に係る画像データDinを入力し、この画像データDinに基づいて調整用パターンP2’の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。パソコン204は、当該ずれ量εを実際に画像を形成するA3ワイドサイズ等の用紙サイズに換算し、換算後のずれ量εに基づいて実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするようにプリンタ202,203を制御する。
【0160】
なお、図15に示す経路iは、基準チャート10から読み取ったマーク画像m1〜m4に係る画像データDinをプリンタ202へ転送する際に利用される。経路iは、調整用パターンP2’から読み取ったマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDoutをパソコン204へ転送する際に利用される。経路iiは、パソコン204で処理された位置ずれ調整データD11をプリンタ202へ転送する際に利用される。プリンタ203についても、経路iiiで、パソコン204から位置ずれ調整データD12が転送される他、上述した経路が利用される。
【0161】
また、パソコン204は、調整用パターンP2’の表面又は裏面の少なくとも一方にマーク画像以外の表裏識別用の画像を形成するようにプリンタ202,203を制御する。このようにすると調整用パターンP2’の表面と裏面とを区別できるようになる(図11A〜D参照)。
【0162】
この例でもプリンタ202,203は、マーク画像を調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成する際に、調整用パターンP2’の表面及び裏面において、第1のマーク画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2のマーク画像を形成するように制御される。スキャナ201は、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成されたマーク画像を読み取る際に、調整用パターンP2’の表面及び裏面に形成された第1及び第2のマーク画像間の距離を測定するように制御される。このようにすると、画像形成前の第1及び第2のマーク画像間の距離と画像形成後の第1及び第2のマーク画像間の距離との差分である距離差を求めることができ、当該距離差に基づいて画像読取系における部分倍率誤差を解消できるようになる(図14参照)。
【0163】
次に、画像形成システム200における画像処理例を説明する。図16及び図17は、画像形成システム200における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1、2)を示すフローチャートである。
【0164】
この実施例では、両面位置合わせ調整モード設定時、用紙表裏の画像形成位置を補正する場合であって、イーサネット(登録商標)205に接続された複数のプリンタ202や203等における両面画像形成時の用紙表裏面の画像形成位置をスキャナ201及びパソコン204を使用して調整する場合を前提とする。両面画像形成に使用される基準チャート10のサイズ(大きさ)が、画像読取系の最大スキャンサイズよりも大きい、A3ワイドサイズ等の調整用パターンP2を取り扱う場合を例に挙げる。なお、両面位置合わせ調整モード実行後の通常の画像形成モードについてはその説明を省略する。
【0165】
これらを画像処理条件にして、まず、イーサネット(登録商標)205に接続された例えば、2台のプリンタ202や203等、スキャナ201及びパソコン204の各々の電源スイッチ等をオンした後に、図16に示すフローチャートのステップF1でパソコン204は動作モードを入力する(図8のステップC1参照)。このとき、ユーザはパソコン204のキーボード及びマウス等を使用して、両面位置合わせ調整モードを設定する。
【0166】
更に、ユーザは、プリンタ202や203等について、調整用パターンP2を作成するための基準チャート10の紙サイズを入力する。パソコン204はキーボード及びマウス等からの操作データD3に基づいて、調整用パターンP2の紙サイズデータ等を格納する。ここで、プリンタ202又はプリンタ203のどちらを先に両面位置合わせ調整モードを実行するかが設定される。この例では、プリンタ202の両面位置合わせ調整モードを実行する場合を例に採る。
【0167】
次に、ステップF2に移行して先に設定された動作モードに基づいてパソコン204は制御を分岐する。両面位置合わせ調整モードに関して、プリンタ202を先に実行する場合は、ステップF3に移行してパソコン204は、調整用パターンを出力するようにプリンタ202を制御する。このとき、基準チャート作成用のマーク画像m1〜m4に係る画像データDinは、例えば、プリンタ202内で記憶装置12等から読み出されて画像処理手段21を経由して画像形成手段70にセットされる。この例では、プリンタ202でA3ワイドサイズの基準チャート10に4つのマーク画像m(1)〜m(4)が表面及び裏面の各々に形成され、この基準チャート10は、調整用パターンP2’となる。調整用パターンP2’はプリンタ202から排紙される。ここでユーザは、ステップF4に移行して、調整用パターンP2を折り込んでスキャナ201にセットするようになされる。
【0168】
例えば、ユーザは、谷折り及び山折りに従って、調整用パターンP2を折り込む。この折り込みの結果、A3ワイドサイズの調整用パターンP2は、被画像読取領域が縮小された調整用パターンP2’となる(図10A,B参照)。このように、被画像読取領域を縮小すると、ほぼA4版サイズの調整用パターンP2’に変更することができ、表裏面共にそれぞれ1回ずつの走査でマーク画像m(1)〜m(4)の検出が可能となる。
【0169】
その後、ステップF5に移行してスキャナ201は、折り込み状態の調整用パターンP2’の表面に形成された黒色の”+”マーク画像m(1)〜m(4)を読み取る。このとき、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2’に対して濃度差を有し、かつ、当該調整用パターンP2’よりも大きいサイズの補助部材を調整用パターンP2’の背面にあてがって画像読取系を走査するようになされる。
【0170】
もちろん、補助部材に限定されることはなく、調整用パターンP2’の背面側を開放した状態で走査してもよい。このようにすると、調整用パターンP2’のエッジが強調でき、高い精度で表裏面の画像形成位置のずれ量εを検出できるようになる。このとき、調整用パターンP2’から読み取ったマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDoutは、図15に示した経路iを通じて、スキャナ201からパソコン204へ転送される。
【0171】
次に、ステップF6に移行して、パソコン204は、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、折り込み状態の調整用パターンP2’の表面の一端(共通端部)からマーク画像m(1)の形成位置に至る距離Aを算出する。ここで算出した距離Aに係る数値データはパソコン204内で一時格納される。
【0172】
その後、ステップF7に移行して調整用パターンP2’の裏面に形成された黒色の”+”マーク画像m(1)〜m(4)を読み取る。この裏面を読み取るときも、マーク画像m(1)〜m(4)が形成された調整用パターンP2’の背面に上述の補助部材をあてがって画像読取系を走査するようになされる。
【0173】
そして、ステップF8に移行して、先に読み取られたマーク画像m(1)〜m(4)に係る画像データDinに基づいてマーク画像m(1)〜m(4)の位置を検出し、例えば、調整用パターンP2’の裏面の共通端部からマーク画像m(2)の形成位置に至る距離Bを算出する。ここで算出した距離Bに係る数値データはパソコン204内に一時格納される。
【0174】
その後、ステップF9に移行して、調整用パターンP2’の表裏の差分を算出する。このとき、パソコン204は、距離Aに係る数値データ及び距離Bに係る数値データを読み出す。パソコン204は、距離Aに係る数値データから距離Bに係る数値データを減算して、調整用パターンP2’の表面のマーク画像の形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面のマーク画像の形成位置との間のずれ量εを検出する。
【0175】
そして、ステップF10に移行して調整用パターンP2’の紙サイズを入力する。例えば、パソコン204は先に保持された調整用パターンP2’の紙サイズデータ等を読み出す。その後、ステップF11に移行して、先に検出されたずれ量εに基づいて調整用パターンP2’の表面の画像形成位置と当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する。
【0176】
調整値は、折り込んだ調整用パターンP2’で得られたずれ量εに係数βを演算してA3ワイドサイズの基準チャート10のずれ量ε’を換算する。これは折り込んだ調整用パターンP2’のサイズと、A3ワイドサイズの基準チャート10のサイズとが見かけ上異なっている(走査領域が異なっている)ので、調整用パターンP2’を展開してA3ワイドサイズの基準チャート10のサイズに戻した場合に正確な調整値が得られように係数βが演算される。
【0177】
その後、ステップF12に移行して、先に演算された調整値をプリンタ202に格納する。例えば、パソコン204で処理された位置ずれ調整データD11が、図15に示した経路iiを通じて、当該パソコン204からプリンタ202へ転送される。通常の両面画像形成モード時等において、この調整値は、プリンタ202から読み出され、オフセット値として、基準チャート10の表面の画像形成位置と当該基準チャート10の裏面の画像形成位置との位置合わせ処理に使用することができる。その後、ステップF14に移行する。
【0178】
ステップF14でパソコン204は、両面位置合わせ調整モードを終了するか否かを判断する。当該モードを終了しない場合は、ステップF2に戻ってどちらのプリンタの両面位置合わせ調整モードを実行するかを判別する。この例では、プリンタ202の両面位置合わせ調整モードが済んだので、ステップF13に移行する。ステップF13でパソコン204は、プリンタ203の両面画像形成モードを実行する。その制御内容は、図16及び図17に示したステップF3〜F12を参照されたい。プリンタ202をプリンタ203に読み替えて処理される。その後、ステップF14に移行して画像処理を終了する場合は、電源オフ情報等を検出して制御を終了する。
【0179】
このように、本発明に係る第4の実際例としての画像形成システム及び画像形成方法によれば、所定の基準チャート10の表面及び裏面に画像を形成する場合に、イーサネット(登録商標)205に接続された複数のプリンタ202や203等における両面画像形成時の用紙表裏面の画像形成位置をスキャナ201及びパソコン204を使用して調整するようになされる。
【0180】
従って、両面画像形成時、基準チャート10の表面と裏面とで、画像形成位置にずれが生じた場合、使用者が自分で調整値を検出し、同値を手動入力することなく、用紙表裏のページ画像形成位置等を簡単に一致させることができる。しかも、マーク画像を形成した調整用パターンP2’のサイズがスキャナ201の画像読取可能領域よりも大きい場合であっても、マーク画像を形成した調整用パターンP2’が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、縮小後の調整用パターンP2’の表面及び裏面のマーク画像が画像読取手段11によって読み取られる。
【0181】
このことで、A3ワイドのようなA3サイズ以上の調整用パターンP2’に対しても、調整用パターンP2’の表面の画像形成位置を当該調整用パターンP2’の裏面の画像形成位置に自動位置合わせすることができる。なお、本発明をカラー複写機に適用する場合は、黒(BK)色を測定し、それを基準にして他のY色、M色、C色、BK色のずれを補正するようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0182】
この発明は、原稿から読み取った画像を用紙の両面に複写する機能を備えたネットワーク画像形成システム等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明に係る各実施例としてのデジタルの複写機100の断面の構成例を示す概念図である。
【図2】複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】基準チャート10の構成例を示す概念図である。
【図4】A及びBは、用紙表面等のマーク画像m(1)の形成例を示す拡大図である。
【図5】A及びBは、基準チャート10’の表裏面におけるマーク画像m(1)〜m(4)の形成例を示す図である。
【図6】画像読取可能領域Iを越える大きさの調整パターンP1のセット例を示す概念図である。
【図7】A〜Cは、調整パターンP1に係る画像データDin1,Din2の合成例を示す概念図である。
【図8】複写機100における画像処理例を示すフローチャートである。
【図9】A及びBはその表・裏スキャン処理例のサブルーチンを各々示すフローチャートである。
【図10】第2の実施例に係る調整用パターンP2の構成例を示す概念図である。
【図11】A及びBは、表裏判定マークMf,Mbの形成例を示す図である。
【図12】複写機100における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1)を示すフローチャートである。
【図13】複写機100における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その2)を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施例に係る基準チャート10’の構成例を示す概念図である。
【図15】第4の実施例としての画像形成システム200の構成例を示す概念図である。
【図16】画像形成システム200における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その1)を示すフローチャートである。
【図17】画像形成システム200における調整用パターンP2の取扱時の画像処理例(その2)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0184】
10,10’ 基準チャート
11 画像読取手段
12 記憶装置
14 操作手段
15 制御手段
18 表示手段
21 画像処理手段
25 CPU(制御手段)
48 操作パネル(操作手段+表示手段)
60 画像書き込み部
70 画像形成手段
100 複写機(画像形成装置)
201 スキャナ(画像読取手段)
202,203 プリンタ(画像形成手段)
204 パソコン(情報処理装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成装置であって、
前記用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する画像形成手段と、
所定の画像読取可能領域を有する画像読取手段と、
前記用紙の一部を前記画像読取手段により読み取ることにより得られた前記基準画像を含む読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記画像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像読取手段は、
前記画像形成手段によって前記画像読取可能領域よりも大きいサイズの用紙に形成された基準画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられた状態で前記基準画像を読み取ることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられた状態で読み取られた前記画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状の基準画像を形成するように前記画像形成手段を制御し、かつ、前記基準位置から用紙の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から用紙の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成手段により形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
前記制御手段は、
前記画像読取手段によって複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて前記画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算し、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて当該用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像が形成された前記用紙に対して濃度差を有し、かつ、当該用紙よりも大きいサイズの補助部材を前記用紙の背面にあてがって走査されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の背面側を開放した状態で走査されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像を形成しない領域よりも当該基準画像を形成した領域における走査速度を遅くするように制御されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが画像読取系の画像読取可能領域よりも大きい場合であって、
前記画像読取手段は、
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙が折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、
縮小後の前記用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記用紙を折り曲げる回数は偶数回であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成手段は、
前記基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する際に、
前記用紙の表面及び裏面において、第1の基準画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2の基準画像を形成するように制御され、
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の表面及び裏面に形成された前記第1及び第2の基準画像間の距離を測定するように制御され、測定された距離に基づいて前記位置合わせされることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが折り込まれて小さい場合であって、
前記画像読取手段は、
サイズの小さい前記用紙の表面及び裏面に形成された前記基準画像を読み取り、
前記制御手段は、
前記画像読取手段によって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに換算し、
換算後の前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項15】
用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有するスキャナとに接続されて情報処理可能な情報処理装置であって、
前記用紙の一部を前記スキャナによって読み取ることにより得られた前記基準画像を含む読取情報を入力し、当該読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記プリンタを制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
前記読取情報は、
前記プリンタによって前記画像読取可能領域よりも大きいサイズの用紙に形成された基準画像を前記スキャナで読み取ることにより得られることを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられた状態で前記基準画像を読み取ることを特徴とする請求項15又は16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられた状態で読み取られた前記スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
前記スキャナによって複数に分けて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて当該スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算し、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて当該用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算することを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成するように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記スキャナによって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに換算し、
換算後の前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項15乃至20のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項22】
用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成システムであって、
前記用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、
所定の画像読取可能領域を有し、前記プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で前記基準画像を読み取るスキャナと、
前記スキャナによって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする情報処理装置とを備え、
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた前記スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする画像形成システム。
【請求項23】
前記プリンタ、スキャナ及び情報処理装置をネットワークに接続して使用することを特徴とする請求項22に記載の画像形成システム。
【請求項24】
前記情報処理装置は、
前記用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状の基準画像を形成するように前記プリンタを制御し、かつ、前記基準位置から用紙の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から用紙の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせすることを特徴とする請求項22又は23に記載の画像形成システム。
【請求項25】
前記プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
前記情報処理装置は、
前記スキャナによって複数に分けて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて当該スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算し、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算することを特徴とする請求項22乃至24のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項26】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像が形成された前記用紙に対して濃度差を有し、かつ、当該用紙よりも大きいサイズの補助部材を前記用紙の背面にあてがって走査されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項27】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の背面側を開放した状態で走査されることを特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項28】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像を形成しない領域よりも当該基準画像を形成した領域における走査速度を遅くするように制御されることを特徴とする請求項22乃至27のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項29】
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが画像読取系の画像読取可能範囲よりも大きい場合であって、
前記スキャナは、
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、
縮小後の前記用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取ることを特徴とする請求項22乃至28のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項30】
前記用紙を折り曲げる回数は偶数回であることを特徴とする請求項29に記載の画像形成システム。
【請求項31】
前記情報処理装置は、
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成するように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項22乃至30のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項32】
前記プリンタは、
前記基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する際に、
前記用紙の表面及び裏面において、第1の基準画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2の基準画像を形成するように制御され、
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の表面及び裏面に形成された前記第1及び第2の基準画像間の距離を測定するように制御されることを特徴とする請求項22乃至31のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項33】
実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが折り込まれて小さい場合であって、
前記スキャナは、
サイズの小さい前記用紙の表面及び裏面に形成された前記基準画像を読み取り、
前記情報処理装置は、
前記スキャナによって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに換算し、
換算後の前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項22乃至32のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項34】
画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正する方法であって、
前記用紙の表裏面で共通する基準位置に対して位置合わせ用の基準画像を設定する工程と、
設定された前記位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する工程と、
前記画像読取系の画像読取可能領域で前記用紙の一部を読み取る工程と、
前記画像読取可能領域で読み取って得られた前記基準画像を含む読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とする画像形成位置補正方法。
【請求項35】
前記画像読取系の画像読取可能領域よりも大きいサイズの用紙に形成された基準画像を当該画像読取可能領域で読み取ることを特徴とする請求項34に記載の画像形成位置補正方法。
【請求項36】
前記用紙の表面及び裏面部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられた状態で前記画像読取系の画像読取可能領域において前記基準画像を読み取ることを特徴とする請求項34又は35に記載の画像形成位置補正方法。
【請求項37】
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられた状態で読み取られた前記画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする請求項34乃至36のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項38】
前記用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状の基準画像を形成する工程と、
前記用紙の表面の一端から基準画像の形成位置に至る距離と、当該用紙の裏面の他端から基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する工程と、
検出された前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とする請求項34乃至37のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項39】
形成された前記用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
複数に分けて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて前記画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算する工程と、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する工程を有することを特徴とする請求項34乃至38のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項40】
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像が形成された前記用紙に対して濃度差を有し、かつ、当該用紙よりも大きいサイズの補助部材を前記用紙の背面にあてがって画像読取系を走査することを特徴とする請求項34乃至39のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項41】
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の背面側を開放した状態で画像読取系を走査することを特徴とする請求項34乃至40のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項42】
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像を形成しない領域よりも当該基準画像を形成した領域における走査速度を遅くすることを特徴とする請求項34乃至41のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項43】
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが画像読取系の画像読取可能範囲よりも大きい場合であって、
前記位置合わせ用の基準画像が形成された用紙を折り曲げて被画像読取領域を縮小する工程と、
前記被画像読取領域が縮小された前記用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取る工程とを有することを特徴とする請求項34乃至42のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項44】
前記用紙を折り曲げる回数は偶数回であることを特徴とする請求項43に記載の画像形成位置補正方法。
【請求項45】
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成することを特徴とする請求項34乃至44のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項46】
前記基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する際に、
前記用紙の表面及び裏面において、第1の基準画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2の基準画像を形成し、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の表面及び裏面に形成された前記第1及び第2の基準画像間の距離を測定することを特徴とする請求項34乃至45のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項47】
実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが折り込まれて小さい場合であって、
前記サイズの小さい用紙の表面及び裏面に形成された前記基準画像を読み取る工程と、
読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する工程と、
検出された前記ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに変換する工程と、
換算された前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とする請求項34乃至46のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項48】
請求項34乃至請求項47に記載の画像形成位置補正方法を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項49】
請求項34乃至請求項47に記載の画像形成位置補正方法を実現するプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成装置であって、
前記用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する画像形成手段と、
所定の画像読取可能領域を有する画像読取手段と、
前記用紙の一部を前記画像読取手段により読み取ることにより得られた前記基準画像を含む読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記画像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像読取手段は、
前記画像形成手段によって前記画像読取可能領域よりも大きいサイズの用紙に形成された基準画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられた状態で前記基準画像を読み取ることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられた状態で読み取られた前記画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状の基準画像を形成するように前記画像形成手段を制御し、かつ、前記基準位置から用紙の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から用紙の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成手段により形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
前記制御手段は、
前記画像読取手段によって複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて前記画像読取手段の画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算し、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて当該用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像が形成された前記用紙に対して濃度差を有し、かつ、当該用紙よりも大きいサイズの補助部材を前記用紙の背面にあてがって走査されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の背面側を開放した状態で走査されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像を形成しない領域よりも当該基準画像を形成した領域における走査速度を遅くするように制御されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが画像読取系の画像読取可能領域よりも大きい場合であって、
前記画像読取手段は、
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙が折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、
縮小後の前記用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記用紙を折り曲げる回数は偶数回であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成するように前記画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成手段は、
前記基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する際に、
前記用紙の表面及び裏面において、第1の基準画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2の基準画像を形成するように制御され、
前記画像読取手段は、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の表面及び裏面に形成された前記第1及び第2の基準画像間の距離を測定するように制御され、測定された距離に基づいて前記位置合わせされることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが折り込まれて小さい場合であって、
前記画像読取手段は、
サイズの小さい前記用紙の表面及び裏面に形成された前記基準画像を読み取り、
前記制御手段は、
前記画像読取手段によって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに換算し、
換算後の前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記画像形成手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項15】
用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、所定の画像読取可能領域を有するスキャナとに接続されて情報処理可能な情報処理装置であって、
前記用紙の一部を前記スキャナによって読み取ることにより得られた前記基準画像を含む読取情報を入力し、当該読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記プリンタを制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
前記読取情報は、
前記プリンタによって前記画像読取可能領域よりも大きいサイズの用紙に形成された基準画像を前記スキャナで読み取ることにより得られることを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられた状態で前記基準画像を読み取ることを特徴とする請求項15又は16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられた状態で読み取られた前記スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
前記スキャナによって複数に分けて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて当該スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算し、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて当該用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算することを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成するように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記スキャナによって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに換算し、
換算後の前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項15乃至20のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項22】
用紙の表面及び裏面に画像形成可能な画像形成システムであって、
前記用紙の表裏面で共通する基準位置に対して設定された位置合わせ用の基準画像を用紙の表面及び裏面に形成するプリンタと、
所定の画像読取可能領域を有し、前記プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて当該画像読取可能領域で前記基準画像を読み取るスキャナと、
前記スキャナによって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする情報処理装置とを備え、
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられて読み取られた前記スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする画像形成システム。
【請求項23】
前記プリンタ、スキャナ及び情報処理装置をネットワークに接続して使用することを特徴とする請求項22に記載の画像形成システム。
【請求項24】
前記情報処理装置は、
前記用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状の基準画像を形成するように前記プリンタを制御し、かつ、前記基準位置から用紙の表面の基準画像の形成位置に至る距離と、当該基準位置から用紙の裏面の基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して、前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせすることを特徴とする請求項22又は23に記載の画像形成システム。
【請求項25】
前記プリンタにより形成された用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
前記情報処理装置は、
前記スキャナによって複数に分けて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて当該スキャナの画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算し、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算することを特徴とする請求項22乃至24のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項26】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像が形成された前記用紙に対して濃度差を有し、かつ、当該用紙よりも大きいサイズの補助部材を前記用紙の背面にあてがって走査されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項27】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の背面側を開放した状態で走査されることを特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項28】
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像を形成しない領域よりも当該基準画像を形成した領域における走査速度を遅くするように制御されることを特徴とする請求項22乃至27のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項29】
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが画像読取系の画像読取可能範囲よりも大きい場合であって、
前記スキャナは、
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙が予め折り曲げられて被画像読取領域が縮小され、
縮小後の前記用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取ることを特徴とする請求項22乃至28のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項30】
前記用紙を折り曲げる回数は偶数回であることを特徴とする請求項29に記載の画像形成システム。
【請求項31】
前記情報処理装置は、
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成するように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項22乃至30のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項32】
前記プリンタは、
前記基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する際に、
前記用紙の表面及び裏面において、第1の基準画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2の基準画像を形成するように制御され、
前記スキャナは、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の表面及び裏面に形成された前記第1及び第2の基準画像間の距離を測定するように制御されることを特徴とする請求項22乃至31のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項33】
実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが折り込まれて小さい場合であって、
前記スキャナは、
サイズの小さい前記用紙の表面及び裏面に形成された前記基準画像を読み取り、
前記情報処理装置は、
前記スキャナによって読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出し、当該ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに換算し、
換算後の前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせするように前記プリンタを制御することを特徴とする請求項22乃至32のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項34】
画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正する方法であって、
前記用紙の表裏面で共通する基準位置に対して位置合わせ用の基準画像を設定する工程と、
設定された前記位置合わせ用の基準画像を当該用紙の表面及び裏面に形成する工程と、
前記画像読取系の画像読取可能領域で前記用紙の一部を読み取る工程と、
前記画像読取可能領域で読み取って得られた前記基準画像を含む読取情報に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とする画像形成位置補正方法。
【請求項35】
前記画像読取系の画像読取可能領域よりも大きいサイズの用紙に形成された基準画像を当該画像読取可能領域で読み取ることを特徴とする請求項34に記載の画像形成位置補正方法。
【請求項36】
前記用紙の表面及び裏面部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられた状態で前記画像読取系の画像読取可能領域において前記基準画像を読み取ることを特徴とする請求項34又は35に記載の画像形成位置補正方法。
【請求項37】
前記用紙を複数に分けて、又は、折り曲げられた状態で読み取られた前記画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙の表裏の画像形成位置を補正することを特徴とする請求項34乃至36のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項38】
前記用紙の表面及び裏面の四隅に十字形状の基準画像を形成する工程と、
前記用紙の表面の一端から基準画像の形成位置に至る距離と、当該用紙の裏面の他端から基準画像の形成位置に至る距離との差分を演算して前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する工程と、
検出された前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とする請求項34乃至37のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項39】
形成された前記用紙の表面及び裏面の部分を複数に分けて、又は、前記用紙を折り曲げられて前記画像読取可能領域で基準画像を読み取る場合であって、
複数に分けて読み取られた前記用紙の表面及び裏面の部分の基準画像の読取情報に基づいて前記画像読取系の画像読取可能領域よりも大きな用紙のサイズを換算する工程と、
換算されたサイズの前記用紙で検出された前記ずれ量に基づいて前記用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置との間の位置ずれを補正するための調整値を演算する工程を有することを特徴とする請求項34乃至38のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項40】
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像が形成された前記用紙に対して濃度差を有し、かつ、当該用紙よりも大きいサイズの補助部材を前記用紙の背面にあてがって画像読取系を走査することを特徴とする請求項34乃至39のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項41】
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の背面側を開放した状態で画像読取系を走査することを特徴とする請求項34乃至40のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項42】
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記基準画像を形成しない領域よりも当該基準画像を形成した領域における走査速度を遅くすることを特徴とする請求項34乃至41のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項43】
前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが画像読取系の画像読取可能範囲よりも大きい場合であって、
前記位置合わせ用の基準画像が形成された用紙を折り曲げて被画像読取領域を縮小する工程と、
前記被画像読取領域が縮小された前記用紙の表面及び裏面の基準画像を読み取る工程とを有することを特徴とする請求項34乃至42のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項44】
前記用紙を折り曲げる回数は偶数回であることを特徴とする請求項43に記載の画像形成位置補正方法。
【請求項45】
前記用紙の表面又は裏面の少なくとも一方に前記基準画像以外の表裏識別用の画像を形成することを特徴とする請求項34乃至44のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項46】
前記基準画像を用紙の表面及び裏面に形成する際に、
前記用紙の表面及び裏面において、第1の基準画像の近傍に、所定の間隔を保持して第2の基準画像を形成し、
前記用紙の表面及び裏面に形成された基準画像を読み取る際に、
前記用紙の表面及び裏面に形成された前記第1及び第2の基準画像間の距離を測定することを特徴とする請求項34乃至45のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項47】
実際に画像を形成する用紙のサイズよりも、前記位置合わせ用の基準画像を形成した用紙のサイズが折り込まれて小さい場合であって、
前記サイズの小さい用紙の表面及び裏面に形成された前記基準画像を読み取る工程と、
読み取られた前記基準画像の読取情報に基づいて前記用紙の表面の基準画像の形成位置と当該用紙の裏面の基準画像の形成位置との間のずれ量を検出する工程と、
検出された前記ずれ量を実際に画像を形成する用紙のサイズに変換する工程と、
換算された前記ずれ量に基づいて前記実際に画像を形成する用紙の表面の画像形成位置と当該用紙の裏面の画像形成位置とを位置合わせする工程とを有することを特徴とする請求項34乃至46のいずれかに記載の画像形成位置補正方法。
【請求項48】
請求項34乃至請求項47に記載の画像形成位置補正方法を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項49】
請求項34乃至請求項47に記載の画像形成位置補正方法を実現するプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−11285(P2006−11285A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191806(P2004−191806)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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