説明

画像形成装置

【課題】交換するカートリッジを特定表示するとともに、当該カートリッジ以外の着脱を制限することにより、カートリッジの誤装着を未然に防止して、カートリッジの交換作業を信頼性高く完了することのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】現像ロータリーユニットにより回転される各色毎の現像カートリッジ14が感光体ドラムに対面してその表面の静電潜像を収容トナーにより現像して、そのトナー像を記録用紙に転写定着させる画像形成装置であって、交換する現像カートリッジの種別を特定するダイヤル45が配置されているとともに、そのダイヤルの円盤部45dの外周縁に現像カートリッジの色毎のキー形状48に対応するキー溝49y、49c、49m、49kが切り欠かれて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、謝った種別のカートリッジが装着されることを未然に防止することのできるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、感光体により作製した担持体の表面に画像データに基づく静電潜像を露光形成する電子写真記録方式の画像形成装置が知られており、この画像形成装置では、その静電潜像を現像器によりトナー現像して担持させた担持体表面のトナー像を、記録用紙などの記録媒体に転写して画像形成する。
【0003】
この種の画像形成装置としては、現像器と一体にあるいは別個に構築されてトナーを収容するカートリッジを着脱可能に装着するように設計されている。このカートリッジは、担持体表面の静電潜像を繰り返し現像することにより、収容トナーが消費された際には、交換することにより現像器の使用するトナーを補充するようになっている。
【0004】
このような画像形成装置には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを準備して、各色毎の画像データの静電潜像をトナー現像して重ねることによりカラー画像を形成可能に設計されているものもある。このカラー画像を形成可能な構成で担持体を一式のみ備える構造では、各色トナー毎の現像器やカートリッジがその担持体表面の静電潜像の現像位置に移動するとともに、着脱を許容する交換位置(着脱位置)に移動するように設計されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【特許文献1】特開2003−15409号公報
【特許文献2】特開2004− 4466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の画像形成装置にあっては、カートリッジを交換してトナーを補充する際に、異なる色のトナーを収容するカートリッジを誤って装着してしまう恐れがある。
【0006】
このことから、装着するカートリッジを特定する表示を設けることが考えられる。しかるに、カートリッジを特定する表示があっても、不注意で異なる色のカートリッジを装着してしまうことまでも防止することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、交換するカートリッジを特定表示するとともに、当該カートリッジ以外の着脱を制限することにより、カートリッジの誤装着を未然に防止して、カートリッジの交換作業を信頼性高く完了することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像形成装置の第1の発明は、画像データに基づく静電潜像を現像したトナー像を担持する担持体と、該担持体表面の静電潜像にトナーを付着させて現像することによりトナー像を形成する現像器と、該現像器と一体にあるいは別個に装置本体に着脱可能に構築されて現像器が使用するトナーを収容するカートリッジと、を備えて、担持体表面のトナー像を記録媒体に転写して定着させることにより画像を形成する画像形成装置であって、カラー画像を形成する各色トナー毎に現像器とカートリッジを有して、該現像器やカートリッジを担持体表面の静電潜像をトナー現像する現像位置や着脱を許容する着脱位置にロータリー回転させて順次に位置決めするロータリーユニットを備えるとともに、当該ロータリーユニットに着脱するカートリッジの種別を特定するように回転操作するダイヤルが設けられており、該ダイヤルには特定された色の現像カートリッジのみの着脱を許容する選択手段が配設されていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明では、ロータリー回転して着脱位置に位置決めされた交換する必要のあるカートリッジの種別を特定するために回転操作するダイヤルにより、その特定されたカートリッジのみの装置本体側からの取出を許容するとともに、当該カートリッジのみの装着を許容することができ、その特定されたカートリッジ以外の取出や装着を制限することができる。したがって、異なる種別のカートリッジを誤って装着する誤装着を未然に防止することができ、カートリッジの交換作業を信頼性高く行なうことができる。
【0010】
上記課題を解決する画像形成装置の第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記選択手段として、各色毎のカートリッジ特有の形状に対応するように形成されて当該形状の通過を許容する切欠部がダイヤルの回転操作により切換可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
ものである。
【0011】
この発明では、ダイヤルの回転操作に応じて切り換えることのできる切欠部の形状により、特定されたカートリッジのみの通過を許容することができ、特定されたカートリッジ以外の取出や装着を制限することができる。したがって、カートリッジの種別に応じた特有の形状を利用して異なる種別のカートリッジを誤って装着する誤装着を未然に防止することができ、複雑な制御などを必要とすることなく、信頼性の高いカートリッジの交換作業を簡易に実現することができる。
【0012】
上記課題を解決する画像形成装置の第3の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記ダイヤルとして、カラー画像を形成可能な各色トナーを収容するカートリッジをロータリーユニットにおける特定箇所に着脱することを許容するカラー用選択手段を備えるカラー用ダイヤルと、同一色を収容する複数のカートリッジをロータリーユニットに着脱することを許容する単色用選択手段を備えるモノクロ用ダイヤルと、を装着可能に設計されていることを特徴とするものである。
【0013】
この発明では、交換するカートリッジの種別を特定するために回転操作するダイヤルとして、カラー用ダイヤルまたはモノクロ用ダイヤルの一方を装着することにより、カラー画像を形成するための各色トナーを収容するカートリッジをロータリーユニットの特定箇所に着脱することを許容したり、同一色を収容する複数のカートリッジをロータリーユニットに着脱することを許容することができる。したがって、簡易に装置本体をモノクロ画像形成専用機またはカラー画像形成機に切り換えることができる。
【0014】
上記課題を解決する画像形成装置の第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明の特定事項に加え、前記ロータリーユニットから取り出されるカートリッジの外面に隣接する位置に配置されて、取り出される際に該現像カートリッジの外面に摺接して当該外面を清掃する清掃部材を有することを特徴とするものである。
【0015】
この発明では、例えば、収容トナーが消費されて交換するためにカートリッジが取り出される際に、そのカートリッジの外面が取出方向に移動するのにつれて摺接する清掃部材により清掃される。したがって、カートリッジの外面に摺接する位置に清掃部材を位置させるだけで、その清掃部材を特別に稼動させることなく、そのカートリッジ外面を清掃して、付着するトナーなどを拭き取ることができる。
【0016】
上記課題を解決する画像形成装置の第5の発明は、上記第4の発明の特定事項に加え、前記カートリッジの取出を禁止するロック部材と、該ロック部材の動作に連動して清掃部材をカートリッジの外面に圧接する清掃位置または当該外面から離隔する退避位置に移動させる連動機構と、ダイヤルの回転操作力を伝達してロック部材を現像カートリッジの取出を禁止するロック位置または該現像カートリッジの取出を許容するアンロック位置のいずれか一方に当該ダイヤルの回転操作に連動して移動させる伝達機構と、を備えることを特徴とするものである。
【0017】
この発明では、交換するカートリッジの種別を特定するためにダイヤルを回転操作するのに連動してカートリッジの取出を禁止または許容するロック部材を移動させることができ、このロック部材の動作に連動させてカートリッジの外面を清掃する清掃部材も退避位置または清掃位置に移動させることができる。したがって、交換するカートリッジの種別を特定するためにダイヤルを操作するだけで、特別な操作を行なうことなく、ロック部材と共に清掃部材を禁止・許容位置や退避・清掃位置に位置させることができる。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によれば、交換するカートリッジの種別を特定するためにダイヤルを回転操作するだけで、その特定された以外のカートリッジの取出や装着を制限することができ、異なる種別のカートリッジを誤って装着する誤装着を未然に防止することができる。したがって、過大な注意や熟練を必要とすることなく、カートリッジの交換作業を簡易に行なうことができ、トナーの補充作業を信頼性高く完了することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図16は本発明に係る画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
【0020】
図1において、画像形成装置は、文字等の画像を作成・出力するパーソナルコンピュータPCなどの外部装置に接続して利用するプリンタであり、この画像形成装置は、画像形成する文字等の画像データを受け取って電子写真方式により記録用紙(記録媒体)の一面側または両面側に記録形成する画像記録装置10と、積載する複数枚の記録用紙をこの画像記録装置10に搬送するとともに画像を記録形成されたその記録用紙を装置外に搬出して積載する用紙搬送装置20と、により構成されている。
【0021】
画像記録装置10は、簡単に説明すると、画像データに基づいてレーザ光Lを走査するレーザ光走査装置11と、このレーザ光走査装置11からのレーザ光Lを照射・走査されて画像データに基づく静電潜像が表面に露光・形成される感光体ドラム(担持体)12と、レーザ光Lの照射により静電潜像を形成可能に感光体ドラム12の外周表面を帯電させる帯電器13と、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)のトナーを収容してその収容トナーを選択的に付着させることにより感光体ドラム12表面の静電潜像をトナー現像する各色毎の現像カートリッジ14(1箇所のみ図示)と、この現像カートリッジ14をその各色毎の設置空間15a内に収納して回転軸15bを中心に回転する現像ロータリーユニット15と、感光体ドラム12上で現像されたトナー像を受け取って記録用紙上に転写記録可能なトナー画像(モノクロ画像あるいはカラー画像)を形成する中間転写ベルト16と、搬送されてきた記録用紙を中間転写ベルト16との間で挟むように圧接(ニップ)することによりその中間転写ベルト16が担持するトナー像を転写させるとともにその記録用紙を挟持しつつ下流へと搬送する転写ローラ17と、トナー像を転写されて搬送されてきた記録用紙を加熱圧接することによりそのトナー画像を定着させるとともにその記録用紙をさらに下流側へと挟持搬送する定着ローラ対18と、感光体ドラム12や中間転写ベルト16の表面上に残留するトナーをクリーニングブレード19aにより回収して貯留する廃トナータンク19と、を備えている。
【0022】
これにより、画像記録装置10は、レーザ光走査装置11により感光体ドラム12表面に形成された画像データに基づく静電潜像を、その画像データに応じて切り換えられた現像ロータリーユニット15内の現像カートリッジ14がトナー現像するようになっており、この後に、その感光体ドラム12上のトナー像を、中間転写ベルト16に一次転写して用紙搬送装置20により搬送されてきた記録用紙に二次転写して記録した後に定着ローラ対18が加熱圧接して定着させることにより画像形成する。このとき、例えば、現像ロータリーユニット15がイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の各色トナーを収容する現像カートリッジ14を収納されている場合には、感光体ドラム12上の静電潜像を現像するトナーの色を切り換えることにより、受け取った画像データに基づいてその各色のトナーを色重ねしたり選択してカラー画像から単色画像までを記録用紙に印字形成することができる。また、現像ロータリーユニット15がすべての現像カートリッジ14内に同色の、例えば、ブラック(K)のトナーを収容する現像カートリッジ14を収納されている場合には、感光体ドラム12上の静電潜像を現像する現像カートリッジ14を順次に切り換えてモノクロ画像を記録用紙に連続印字して形成する専用機として利用することができる。
【0023】
用紙搬送装置20は、簡単に説明すると、装置本体下部に着脱可能にセットされて複数枚の記録用紙を積載する用紙カセット21と、この用紙カセット21の底面の昇降板21aにより上昇された記録用紙束に圧接して回転することにより最上の記録用紙を引き出して搬送経路fへと送り出すピックアップローラ22と、このピックアップローラ22により送り出されてきた記録用紙を受け取ってさらに下流の搬送経路fへと挟持搬送する中継搬送ローラ対23a、23bと、この中継搬送ローラ対23a、23bが搬送する搬送経路f内の記録用紙を受け取って画像記録装置10の中間転写ベルト16および転写ローラ17による画像の記録形成位置に挟持搬送するレジストローラ対24と、このレジストローラ対24から中間転写ベルト16および転写ローラ17の間や定着ローラ対18間を経る搬送経路fを搬送されることにより一面側に定着画像が形成された記録用紙を受け取って装置本体上部の排紙テーブル29上に搬出・排紙して積載する排紙ローラ対25a、25bと、を備えている。なお、画像記録装置の中間転写ベルト16および転写ローラ17や、定着ローラ対18は、記録用紙を搬送する機能も備えることから、この用紙搬送装置20の一部をも構成している。
【0024】
これにより、用紙搬送装置20は、用紙カセット21内からピックアップローラ22により引き出された記録用紙を、中継搬送ローラ対23a、23bを介してレジストローラ対24に受け渡した後に、そのレジストローラ対24が画像記録装置10の動作に同期するように、中間転写ベルト16と転写ローラ17が圧接する画像の記録形成位置に給紙するようになっており、その中間転写ベルト16上のトナー像を転写記録して定着ローラ対18により定着させた記録用紙を、排紙ローラ対25a、25bが受け取って排紙テーブル29上に搬出・排紙して積載する。
【0025】
ここで、この用紙搬送装置20は、一面側に画像形成された記録用紙を反転させてレジストローラ対24の上流側の搬送経路fに送り出すための再搬送経路rおよびその経路rに配設された中間搬送ローラ対27を備えており、排紙ローラ対25a、25bが反転することにより再搬送経路r内に送られてきた記録用紙を中間搬送ローラ対27が受け取ってレジストローラ対24に受け渡すことにより、記録用紙の両面に画像形成することができる。また、この用紙搬送装置20は、手差しする記録用紙をレジストローラ対24の上流側の搬送経路fに送り出すための手差し経路mおよびその経路mに配設された手差し給送ローラ対28を備えており、その手差し経路m内に差し込まれた記録用紙を手差し給送ローラ対28が受け取ってレジストローラ対24に受け渡すことにより、記録用紙の片面または両面に画像形成することができる。
【0026】
そして、画像記録装置10の現像カートリッジ14は、図2に示すように、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、あるいは、ブラック(K)のいずれかのトナーを収容する容器31内に、現像ローラ14aと、供給ローラ14bと、を備えることにより、その収容トナーTを感光体ドラム12表面の静電潜像に選択的に付着させてトナー現像するように設計されており、感光体ドラム12上の静電潜像をトナー現像する現像器とそのトナーを補充交換可能に収容するカートリッジを構成している。容器31は、現像ロータリーユニット15の区画フレーム15cにより区画された各収納空間15a内に収納可能に相似形状に形成されて各色トナーTを収容する。現像ローラ14aは、現像バイアス電圧を印加されて、現像ロータリーユニット15の回転軸15bから離隔する容器31の外周側に回転可能に軸支されており、供給ローラ14bから受け渡されて規制ブレード32により帯電されるトナーTを対面する感光体ドラム12の表面の静電潜像の電位に応じて飛翔させて選択的に付着させる。供給ローラ14bは、現像ロータリーユニット15の回転軸15b側で現像ローラ14aに隣接するように容器31に回転可能に軸支されており、その現像ローラ14aに圧接回転することにより周囲のトナーTを供給する。この現像カートリッジ14の容器31は、供給ローラ14bの隣接位置に仕切り板33が設置されており、この仕切り板33は、回転軸15b側の空間と供給ローラ14bの設置空間の上部を連通させる状態で容器31内のトナーTの収容空間を仕切っている。
【0027】
この構成により、現像カートリッジ14では、仕切り板33により仕切られた容器31の外周側の空間内のトナーTを、供給ローラ14bが圧接回転する現像ローラ14aに供給する。また、この現像カートリッジ14は、現像ロータリーユニット15が図1における反時計回り方向に90度ずつ回転して180度回転したときには、容器31の回転軸15b側および供給ローラ14b側の収容トナーTを仕切り板33の上部(図1中における下方)で一緒にした後に、さらに90度ずつ回転することにより容器31内の収容トナーTを攪拌してリフレッシュさせるとともに、その収容トナーTを現像ローラ14aに供給可能に供給ローラ14b側に集める。すなわち、このように回転する現像ロータリーユニット15に装着する現像カートリッジ14においては、その回転により収容トナーTが供給ローラ14b側に攪拌されつつ補給されるので、収容トナーTを攪拌・補給などする調整動作を行うための調整装置(所謂、アジテータ装置やオーガー装置)を適宜省略することができる。ただし、この現像カートリッジ14は、調整装置を省略する場合には、少なくとも現像ローラ14aに供給するトナーTが供給ローラ14bの周囲からなくなる前に、例えば、トナーカウンターによるカウント値、画像のドット数、積算する現像動作(画像形成)時間、積算する現像枚数、あるいは実測するトナーTの残量などにより検出するトナーTの使用量が予め設定されている値を超えたときに、現像ロータリーユニット15を回転させてトナーTの補給・攪拌動作を行う必要がある。
【0028】
また、この画像記録装置10は、現像ロータリーユニット15が回転して、図3(a)に示すように、現像カートリッジ14の現像ローラ14aを感光体ドラム12の外周面に対向させる現像位置P1に位置決めするようになっており、画像形成動作を繰り返することによりその現像カートリッジ14内の収容トナーの残量が少なくなったときには、補充(交換)する必要のある種別(色)のトナーを収容する現像カートリッジ14の交換を要求する旨のメッセージを不図示の操作パネルに表示出力するとともに、図3(b)に示すように、現像ロータリーユニット15が回転して、その交換の必要のある現像カートリッジ14を最上の交換位置(着脱位置)P2に位置決めする。なお、この現像カートリッジ14の交換位置P2への回転・位置決めは、操作者による操作パネルからの交換作業の入力指示などに従って行うことにより、他の現像カートリッジ14による画像形成処理を継続可能にしても良いことは言うまでもない。
【0029】
この現像ロータリーユニット15の前面側(図1の紙面の上面側となる装置本体の外方側)には、装置本体の内部機構をカバーする内装板41(図15参照)が配設されており、この内装板41には、現像ロータリーユニット15により交換位置P2に回転されて位置決めされた現像カートリッジ14を引抜可能にするために、概略相似形状に開口する交換口41aが形成されている。ここで、この内装板41の交換口41aは、後述するように、前面側に配設されて回動するレバー部材42の先端側の係合部42cが内面側に配設されて回動するレバー部材43の係合穴43b内にスライド可能に係合することから、そのレバー部材42の係合部42cが前面側から内面側に延在可能に上部側が広めに開口されている。
【0030】
また、内装板41は、図4および図5に示すように、レバー部材42を回動自在に軸支する回動軸42aが前面側の交換口41aの下側に配設されており、また、レバー部材43を回動自在に軸支する回動軸43aが内面側の交換口41aの上側に配設されている。
【0031】
レバー部材42は、回動軸42aを中心に回動することにより現像カートリッジ14の交換口41aの前面側に沿う方向に移動して、図4に示すように、その交換口41aの前面に位置することにより現像カートリッジ14の引抜を禁止する一方、図5に示すように、その交換口41aの前面から周縁外側に退避することによりその現像カートリッジ14の引抜を許容するように配置されている。すなわち、このレバー部材42がロック部材を構成している。
【0032】
このレバー部材42は、図6にも示すように、内装板41の交換口41aの前面に位置する本体部分の他端部に、その交換口41aの上部側に延長された延長部42bが連設されているとともに、その延長部42bの先端には内装板41の内側(装置本体側)のレバー部材43に向って鍵の手状に屈曲して係合する係合部42cが形成されている。
【0033】
レバー部材43は、図8にも示すように、そのレバー部材42の係合部42cを差し込んで引き抜き不能に係合させる係合穴43bが内部に開口されており、この係合穴43bは、一端部の回動軸43aの近傍から他端部まで延在するように形成されている。
【0034】
このレバー部材43は、回動軸43aの反対側他端部がスプリング44により牽引されて上方に回動した姿勢になるように付勢されており、係合穴43b内で延在方向にスライド可能にレバー部材42の係合部42cが係合されて、そのレバー部材42とそれぞれの回動軸42a、43aを中心に相対的に回動(揺動)するように連結されている。
【0035】
これにより、レバー部材43は、レバー部材42が時計回りに回動して内装板41の交換口41a前面のロック位置に移動することにより現像カートリッジ14の引抜を禁止する際には、そのレバー部材42の係合部42cが係合穴43b内の一端部側(回動軸43a)側にスライド移動することから、スプリング44の付勢力により図中における時計回り(以下、単に時計回りともいう)に回動される。また、このレバー部材43は、反対にそのレバー部材42が反時計回りに回動して内装板41の交換口41a前面から周縁外側に退避するアンロック位置に移動することにより現像カートリッジ14の引抜を許可する際には、レバー部材42の係合部42cがスプリング44の付勢力に抗して係合穴43b内の他端部側(スプリング44側)にスライド移動することにより反時計回りに回動される。
【0036】
また、このレバー部材42は、図4および図5に戻って、回動軸42aの左側の軸周りに噛合歯42d(図4、図5にのみ図示)が同軸で一体回転するように形成されており、この噛合歯42dには、ダイヤル45の外周縁に形成されている噛合歯45aが噛合している。なお、レバー部材42の回動軸42a周りの噛合歯42dは、一周する部位に形成しても良いが、このレバー部材42は、後述するように、往復運動(回動)するだけなので、噛合領域である図中の左側にのみ形成すればよい。
【0037】
ダイヤル45は、ワンウェイクラッチを内蔵することにより回転軸45bを中心に図中に矢印で示す時計回りの一方向にのみ回転可能に設置されており、その回転軸45bと同軸に形成された摘まみ部45cを作業者が前面側から摘まむことにより一体回転させることができる。このダイヤル45は、中央の摘まみ部45cの基端部に大径の円盤部45dが一体回転するように一体形成されており、この円盤部45dの外周縁にレバー部材42の回動軸42a周りの噛合歯42dに噛合する噛合歯45aが形成されている。
【0038】
また、このダイヤル45は、現像ロータリーユニット15に装着する現像カートリッジ14毎に割り当てるように円盤部45dが周方向に4等分にされて、その現像カートリッジ14内に収容するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)のトナー毎に対応する色領域Ry、Rc、Rm、Rkに色分けされており、この色領域Ry、Rc、Rm、Rk内も2等分にされて、レバー部材42の回動軸42a周りの噛合歯42dに噛合する噛合歯45aが形成されている噛合領域R1と、その噛合歯45aを除去した外径に形成されてレバー部材42側の噛合歯42dとの噛合を解除することによりそのレバー部材42の回動を許容する回動領域R2と、に機能分けされている。
【0039】
これにより、ダイヤル45を図中に矢印で示す時計回りに回転させたときには、円盤部45dの噛合領域R1の噛合歯45aがレバー部材42の噛合歯42dに噛合すると、そのレバー部材42をレバー部材43のスプリング44の付勢力に抗して回動軸42aを中心にして反時計回り方向に回動させることができ、レバー部材42を内装板41の交換口41a前面のロック位置(図4の状態)からその交換口41aの周縁外側のアンロック位置(図5の状態)に退避させて現像カートリッジ14の引抜を許容する状態にすることができる。さらに、ダイヤル45を時計回りに回転させたときには、レバー部材42の噛合歯42dに噛合歯45aが噛合する噛合領域R1からその噛合歯45aのない円盤部45dの回動領域R2に抜けると、そのレバー部材42をスプリング44の付勢力によるレバー部材43の回動に連動させて回動軸42aを中心にして時計回り方向に回動させることができ、レバー部材42を内装板41の交換口41aの周縁外側のアンロック位置からその交換口41aの前面のロック位置に戻して現像カートリッジ14の引抜を禁止することができる。ここで、このダイヤル45は、噛合領域R1と回動領域R2を現像カートリッジ14のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)に対応する色領域Ry、Rc、Rm、Rk毎に形成されていることから、そのレバー部材42やダイヤル45の噛合歯42d、45aの噛合・解放が繰り返されて、レバー部材42をロック位置またはアンロック位置に繰り返し移動させることになる。
【0040】
さらに、レバー部材42は、内装板41の交換口41aの周縁外側のアンロック位置に後退しているときに、本体部分の上面がその交換口41aから引き出されて挿入される現像カートリッジ14の下面側の一面(現像ロータリーユニット15の中心側一面)14cに沿う姿勢になるように設計されており、その回動軸42a側には、その現像カートリッジ14の下面側の他面(現像ロータリーユニット15の中心側他面)14dに沿うように形成されたガイド部材46が一体成形(連設)されている。
【0041】
これにより、このレバー部材42は、現像ロータリーユニット15により交換位置P2に回転された現像カートリッジ14を内装板41の交換口41aから引き出して挿入する際に、その現像カートリッジ14の下面(一面と他面)14c、14dをガイド部材46と共に支持して案内することができ、その現像カートリッジ14を安定した姿勢に保持しつつ挿脱作業を行うことができるように補助する。
【0042】
また、レバー部材43は、係合穴43bの下側に清掃パッド50が固設されており、この清掃パッド50は、その係合穴43bと平行な姿勢のまま装置本体の内部側に延在してレバー部材43と一体に回動(揺動)する。すなわち、この清掃パッド50は、レバー部材43と共にレバー部材42の回動に連動して揺動する。
【0043】
具体的には、清掃パッド50は、図9および図10に示すように、レバー部材43の係合穴43bの下側から装置本体側に延在する支持ブロック47にホルダ51が固設されて支持されており、そのホルダ51にパッド部(清掃本体部)52が設けられている。
【0044】
ホルダ51は、レバー部材43の支持ブロック47が延在方向と平行に一対の差込穴47aと挿通穴47bとが穿孔されているのに対して、その支持ブロック47の上面と平行方向に延在して対面接触させるアゴ形状部51aと、この支持ブロック47(アゴ形状部51a)と同一方向に延在してその差込穴47a内に嵌挿可能な径に形成されている一対の差込棒51bと、この差込棒51bの間の挿通穴47bに対応する位置に穿孔されて雌ネジ溝を刻設されている雌ネジ穴51cと、を備えている。この構成により、このホルダ51は、支持ブロック47の上面にアゴ形状部51aを対面接触させつつ差込棒51bをその差込穴47a内に嵌挿するとともに、挿通穴47bに挿通する雄ネジ51d(図4、図5を参照)を雌ネジ穴51cに螺合させてネジ止め固定することにより、その支持ブロック47の延在方向に延長された姿勢でパッド部52を支持することができる。
【0045】
パッド部52は、ホルダ51がアゴ形状部51aに隣接する領域の背面側に窪み形状51eを形成されていることから、その先端辺と両側辺の周縁部51fに貼付されて固設・支持されており、このパッド部52は、図11に示すように、弾性力を有する例えば、ポリエチレンテレフタレートなどからなるシート部材52aに拭取材料52bが全面貼付された状態で、そのシート部材52aがホルダ51の周縁部51fに貼付されることにより固設・支持されている。この構成により、このパッド部52は、拭取材料52bの表面(布拭取面)側から拭き取り対象を押し付けられると、その拭取材料52bの弾性力と共にシート部材52aの弾性力でホルダ51の窪み形状51e内に撓んでその拭き取り対象の外面に倣うとともに反発して圧接することができ、その拭き取り対象の全面に均等に摺接して拭き取り動作を均等に行うことができる。
【0046】
この構成により、この清掃パッド50は、レバー部材42が内装板41の交換口41a前面のロック位置に移動して現像カートリッジ14の引抜を禁止する際には、図12に示すように、レバー部材43がスプリング44の付勢力により牽引されて時計回りに回動することによって、その交換口41aから現像ロータリーユニット15内に装着されて回転する現像カートリッジ14の上面(現像ロータリーユニット15の外周側一面)14eから離隔するように上方に回動移動する。このため、清掃パッド50は、画像記録装置10が稼動して現像ロータリーユニット15(現像カートリッジ14)が回転動作する領域から離隔する退避位置に移動して、パッド部52が周囲の部材に接触して、その現像ロータリーユニット15の回転動作などの邪魔になってしまうことがなく、また、常時圧接しているために早期に損傷してしまうこともない。
【0047】
一方、この清掃パッド50は、レバー部材42が内装板41の交換口41aの周縁外側のアンロック位置に移動して現像カートリッジ14の引抜を許容する際には、図13に示すように、レバー部材43がスプリング44の付勢力に抗してそのレバー部材42の係合部42cにより牽引されて反時計回りに回動されることによって、その交換口41aから引き抜かれる現像カートリッジ14の上面14eに向ってパッド部52を圧接させるように下方に回動移動する。このため、清掃パッド50は、前もって交換口41aから引き出される現像カートリッジ14の上面14eにパッド部52を圧接させる清掃位置に移動することができ、その現像カートリッジ14が現像ロータリーユニット15から引き抜かれる際には、図14に示すように、その現像カートリッジ14の長さ方向に延在する上面14eの全面にパッド部52を摺接させて汚れなどを拭き取ることができる。このとき、現像ロータリーユニット15内から引き出される現像カートリッジ14は、その下面14c、14d側がレバー部材42とガイド部材46により支持・案内されているので、清掃パッド50のパッド部52がその上面14eに安定して圧接(摺接)することができ、また、そのパッド部52も相対移動する現像カートリッジ14の上面14eに追従して倣うようにホルダ51の窪み形状51e内に変形するので、その上面14eの全面を均一に清浄に拭き取ることができる。すなわち、レバー部材43やスプリング44が連動機構を構成して、このレバー部材43と共にレバー部材42により伝達機構が構成されている。
【0048】
さらに、ダイヤル45は、現像カートリッジ14のイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ブラック(K)に対応する色領域Ry、Rc、Rm、Rk毎の回動領域R2(噛合領域R1の間)には、その現像カートリッジ14の収容トナーの色(種別)毎に異なる位置・形状に形成されているキー形状48(図5を参照)にそれぞれ対応するように切り欠かれたキー溝(切欠部)49y、49c、49m、49kが形成されている。例えば、図5に図示するシアン(c)のトナーを収容する現像カートリッジ14の場合には、ダイヤル45の円盤部45dの回動領域R2の中央付近に幅広のキー溝49c(図4を参照)が形成されて、その現像カートリッジ14のみの交換口41aからの挿脱を許可して、他の挿脱を禁止する。すなわち、この現像カートリッジ14のキー形状48とダイヤル45のキー溝49y、49c、49m、49kが選択手段を構成している。ここで、図中のダイヤル45の円盤部45dには、該当する現像カートリッジ14に対応する色領域Ry、Rc、Rm、Rkを図示するが、後述するように、交換するトナーの色を特定する指示マークMはダイヤル45を挟んで交換口41a(現像カートリッジ14)の反対側に配設することから、摘まみ部45bは、反対側の色領域に対応するように色分けされている。
【0049】
これにより、例えば、現像カートリッジ14の収容トナーの残量が少なくなった場合には、現像ロータリーユニット15が回転してその現像カートリッジ14が交換位置P2に位置決めされるとともに、交換(補充)する必要のある収容トナーの色(種別)が操作パネルに表示されることから、ダイヤル45の摘まみ部45cを摘んで回転させることにより、内装板41に表示されているダイヤル45の反対側の指示マークMに、ロック表示位置(図中にはLOCKと図示)の矢印が一致している状態(図4の状態)から該当する色のアンロック表示位置(図中にはUNと図示)の矢印を合わせる(図5の状態)。このとき、ダイヤル45は、回動領域R1から噛合領域R2に回転して、レバー部材42の噛合歯42dに噛合歯45aが噛合することにより、そのレバー部材42を交換口41a前面のロック位置(図4の状態)から周縁外側のアンロック位置(図5の状態)に回動させてワンウェイクラッチにより保持することができ、同時に、指示マークMの反対側の色領域Ry、Rc、Rm、Rk毎のキー溝49y、49c、49m、49kが現像カートリッジ14の収容トナーの色毎のキー形状48に一致して、その現像カートリッジ14の引抜を許容することができ、反対に、異なる色の収容トナーの現像カートリッジ14が装着されてしまうことを制限することができる。この後には、そのダイヤル45の摘まみ部45cを摘んで噛合領域R2から回動領域R1に回転させて、内装板41に表示されている指示マークMにロック表示位置の矢印を合わせることにより、レバー部材42の噛合歯42dがダイヤル45の噛合歯45aに噛合する状態から抜かれて(解放されて)レバー部材43のスプリング44による付勢力でそのレバー部材42を回動させることができ、図5に示す状態から図4に示す状態に戻って、交換口41a前面のロック位置にレバー部材42を保持して現像カートリッジ14の引き抜きを禁止することができる。
【0050】
ここで、本実施形態では、現像ロータリーユニット15にブラック(k)のトナーを収容する4本の現像カートリッジ14を装着することを許容して、モノクロ専用機として利用可能に設計されていることから、そのブラック(k)のトナー用の現像カートリッジ14にはキー形状を設けることなく、また、ダイヤル45にもキー溝49kとして実質的なキー溝を設けることなく、いずれの箇所でも交換作業を行うことができるようになっている。また、そのモノクロ専用機として使用する場合には、カラー用のダイヤル45がそのまま装着されているために混乱することがないように、キー溝の形成されていないモノクロ専用機用のダイヤルに交換して、他の色のトナーを収容する現像カートリッジ14が誤って装着されてしまうことを容易に回避可能にすることもできる。
【0051】
また、この現像カートリッジ14の交換口41aの開口する内装板41は、図15に示すように、外装カバー55が対面可能に設置されており、その交換口41aを開閉可能に設計されている。この外装カバー55の内面側には、内装板41の交換口41aの周縁外側のアンロック位置まで回動したレバー部材42に対応する位置に、その内装板41側に突出するリブフレーム56が変形不能なボックス形状に形成されて固設されている。
【0052】
これにより、図16に実線で示すように、レバー部材42がアンロック位置にある場合には、図中に一点鎖線で示すリブフレーム56がそのレバー部材42に突き当たって現像カートリッジ14が交換(挿脱)可能なまま外装カバー55が閉じられてしまうことを制限することができる。
【0053】
したがって、現像カートリッジ14の交換作業を行う際には、外装カバー55を開けて内装板41の前面側を開放するとともに、その交換(補充)の必要のある現像カートリッジ14の収容トナーの色のアンロック表示位置の矢印が指示マークMの位置に来るようにダイヤル45を回転させるだけで、レバー部材42を内装板41の交換口41a前面(ロック位置)から周縁外側(アンロック位置)に退避させて、現像ロータリーユニット15により交換位置P2に回転されて位置決めされている現像カートリッジ14を挿脱することができ、同時に、レバー部材43がその交換位置P2の現像カートリッジ14の上面14eに清掃パッド50のパッド部52を圧接・摺接させて拭き取ることができる。このため、その現像カートリッジ14を交換口41aから引き抜くのと同時に、感光体ドラム12表面の静電潜像を現像する領域の近傍に位置してトナーの付着し易い上面14eが清掃されて、作業者が触れても汚れてしまうことがないようにすることができる。
【0054】
この後には、その内装板41の交換口41aから現像ロータリーユニット15内に補充する色のトナーを収容する現像カートリッジ14をダイヤル45のキー溝49に妨げられることなく挿し込んだ後に、ロック表示位置の矢印が指示マークMの位置に来るようにダイヤル45を回転させるだけで、レバー部材42を内装板41の交換口41aの周縁外側(アンロック位置)から前面(ロック位置)に移動させて現像カートリッジ14の交換作業を禁止するとともに、同時に、レバー部材43がその交換位置P2の現像カートリッジ14の上面14eから離隔する方向に回動して清掃パッド50のパッド部52が離隔する状態にすることができ、この状態であれば、外装カバー55のリブフレーム56がレバー部材42に突き当たってしまうことなく内装板41の前面側を閉塞して現像カートリッジ14の交換作業を完了することができる。
【0055】
このように本実施形態においては、交換する現像カートリッジ14の収容トナーの色に一致する(色を特定する)ようにダイヤル45を回転操作することにより、レバー部材42を正逆回動させて現像カートリッジ14の挿脱を禁止/許容するとともに、その収容トナーの一致する現像カートリッジ14の装着のみを許容することができ、現像カートリッジ14が誤って引き抜かれたり、異なる色の収容トナーの現像カートリッジ14が誤って装着されてしまうことを未然に防止することができる。また、この現像カートリッジ14の交換作業に連動してその上面14eに清掃パッド50が圧接するので、その現像カートリッジ14の引き抜きと同時に摺接して拭き取ることができ、取り出した現像カートリッジ14の上面14eに付着していたトナーなどにより汚れてしまうことを回避することができる。したがって、過大な注意や熟練を必要とすることなく、現像カートリッジ14の交換作業を簡易かつ確実に行なうことができ、取り外した現像カートリッジ14の汚れにより作業者や書類などを汚してしまうことなく、収容トナーの補充作業を信頼性高く完了することができる。
【0056】
次に、図17〜図19は本発明に係る画像形成装置の第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態では、上述実施形態と略同様に構成されていることから、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
【0057】
図17において、画像形成装置の画像記録装置10は、清掃パッド50を支持するレバー部材43の係合穴43b内に突起61が揺動可能に突出しており、この突起61は、このレバー部材43の係合穴43b内に係合するレバー部材42の先端側の係合部42cがスライドすることを予め設定されているタイミング(姿勢)で制限するようになっている。
【0058】
具体的には、このレバー部材43の突起61は、回動軸43aに接近する箇所の係合穴43bの上側壁面に開口して延在方向と平行に切り欠かれることにより作製された弾性片形状62の先端でその係合穴43b内に突出するように形成されており、その係合穴43b内の回動軸43a側の端部に位置するレバー部材42の係合部42cに隣接する位置で突出するように設定されている。
【0059】
また、このレバー部材43には、図18および図19に示すように、上述実施形態の牽引するタイプのスプリング44に代えて、レバー部材43を下方に回動させるように付勢するスプリング64がその回動軸43aの反対側に取り付けられている。
【0060】
ここで、本実施形態では、レバー部材43の係合穴43b内に突起61が配設されているとともに、スプリング44に代えて、反対方向に付勢するスプリング64を設置することにより、上述実施形態におけるダイヤル45が省略されている。
【0061】
これにより、レバー部材42は、図18に示すように、現像カートリッジ14の交換後などに把持されるなどして時計回りに直接回動されることにより、内装板41の交換口41a前面のロック位置に移動して現像カートリッジ14の引抜を禁止することができ、このときには、レバー部材43は、係合穴43b内に係合するレバー部材42の係合部42cによりスプリング64の付勢力に抗するように上方に回動されて、係合穴43b内の突起61を越える位置にそのレバー部材42の係合部42cが位置する。この状態では、レバー部材43は、レバー部材42の係合部42cが回動軸43aからの離隔方向にスライドすること(下方に回動すること)をその係合穴43b内に突出する突起61により衝止されて制限することができ、内装板41の交換口41a前面のロック位置にレバー部材42を保持して現像カートリッジ14の引抜を禁止する状態を維持することができる。このとき、レバー部材43に支持されている清掃パッド50は、現像カートリッジ14の上面14eから離隔する方向に回動された姿勢が維持されている。
【0062】
一方、レバー部材42は、図19に示すように、現像カートリッジ14を交換する際などに把持されるなどして反時計回りに直接回動されることにより、先端側の係合部42cがレバー部材43の係合穴43b内の突起61を押し上げて離脱されると、スプリング64の付勢力によるそのレバー部材43の下方への回動と共に反時計回り方向に回動される状態になって、内装板41の交換口41aの周縁外側のアンロック位置に移動されて現像カートリッジ14の引抜を許容することができる。この状態では、レバー部材43は、スプリング64の付勢力により下方に回動されたままとなって、レバー部材42の係合部42cを回動軸43a(突起61)の反対側までスライドさせた状態にして、現像カートリッジ14の引抜を許容する状態を維持する。このとき、レバー部材43に支持されている清掃パッド50は、現像カートリッジ14の上面14eに向かって回動されて、内装板41の交換口41aから引き抜かれる現像カートリッジ14の上面14eに圧接(摺接)して拭き取ることができる。
【0063】
このように本実施形態においては、ダイヤル45を省いた構成を採用しても、上述実施形態による作用効果を同様に得ることができ、レバー部材42を正逆回動させて現像カートリッジ14の挿脱を禁止/許容するとともに、その現像カートリッジ14の上面14eを交換作業に連動させて拭き取ることができる。したがって、過大な注意や熟練を必要とすることなく、現像カートリッジ14の交換作業を簡易かつ確実に行なうことができ、取り外した現像カートリッジ14の汚れにより作業者や書類などを汚してしまうことなく、収容トナーの補充作業を信頼性高く完了することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。例えば、上述実施形態では、現像ロータリーユニット15を備える場合を一例に説明するが、これに限るものではなく、1つの現像カートリッジを装着する構成の場合や現像カートリッジを直列に並列させる構成の場合にも適用することができる。また、トナーを収容する容器(カートリッジ)と現像器とを一体にして交換する構成に限るものではなく、トナーを収容する容器のみをカートリッジとして交換可能に構成する場合に適用してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態を示す図であり、その概略基本構成を示す透視正面図である。
【図2】その現像カートリッジの内部構成を示す縦断面図である。
【図3】その現像カートリッジの位置を示す図であり、(a)はその稼動時の相対位置を示す概念正面図、(b)はその交換時の相対位置を示す概念正面図である。
【図4】その現像カートリッジのロック時の状態を示す正面図である。
【図5】その現像カートリッジのアンロック時の状態を示す正面図である。
【図6】その一部品の構成を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその上面図、(c)はそのA−A断面矢視図である。
【図7】その図6の一部品の要部構成を示す図であり、その図6(a)におけるB−B断面矢視図である。
【図8】その一部品の構成を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその上面図、(c)はその延在方向から見た側面図である。
【図9】その一部品の全体構成を示す斜視図である。
【図10】その図10に示す一部品の構成を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその上面図、(c)はその延在方向先端側から見た側面図である。
【図11】その図10の一部品の要部構成を示す図であり、その図10におけるB−B断面矢視図である。
【図12】その現像カートリッジのロック時における清掃パッドの状態を示す斜視図である。
【図13】その現像カートリッジのアンロック時における清掃パッドの状態を示す斜視図である。
【図14】その現像カートリッジの外観を示す斜視図である。
【図15】その現像カートリッジの交換口を開閉する外装カバーを示す斜視図である。
【図16】その外装カバーの開閉を説明する概念図である。
【図17】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の一部品の構成を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその上面図、(c)はその延在方向から見た側面図である。
【図18】その現像カートリッジのロック時の状態を示す正面図である。
【図19】その現像カートリッジのアンロック時の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0066】
10……画像記録装置 11……レーザ光走査装置 12……感光体ドラム 14……現像カートリッジ 14a……現像ローラ 14b……供給ローラ 14c、14d……下面 14e……上面 15……現像ロータリーユニット 16……中間転写ベルト 17……転写ローラ 18……定着ローラ対 20……用紙搬送装置 21……用紙カセット 24……レジストローラ対 29……排紙テーブル 31……容器 32……規制ブレード 33……仕切り板 41……内装板 41a……交換口 42、43……レバー部材 42a、43a……回動軸 42b……延長部 42d、45a……噛合歯 42c……係合部 43b……係合穴 44、64……スプリング 45……ダイヤル 45b……回転軸 45d……円盤部 45c……摘まみ部 46……ガイド部材 47……支持ブロック 48……キー形状 49y、49c、49m、49k……キー溝 50……清掃パッド 51……ホルダ 51e……窪み形状 51f……周縁部 52……パッド部 52a……シート部材 52b……拭取材料 55……外装カバー 56……リブフレーム 61……突起 62……弾性片形状 64……スプリング M……指示マーク P1……現像位置 P2……交換位置 R1……噛合領域 R2……回動領域 Ry、Rc、Rm、Rk……色領域 T……トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づく静電潜像を現像したトナー像を担持する担持体と、該担持体表面の静電潜像にトナーを付着させて現像することによりトナー像を形成する現像器と、該現像器と一体にあるいは別個に装置本体に着脱可能に構築されて現像器が使用するトナーを収容するカートリッジと、を備えて、担持体表面のトナー像を記録媒体に転写して定着させることにより画像を形成する画像形成装置であって、
カラー画像を形成する各色トナー毎に現像器とカートリッジを有して、該現像器やカートリッジを担持体表面の静電潜像をトナー現像する現像位置や着脱を許容する着脱位置にロータリー回転させて順次に位置決めするロータリーユニットを備えるとともに、当該ロータリーユニットに着脱するカートリッジの種別を特定するように回転操作するダイヤルが設けられており、
該ダイヤルには特定された色の現像カートリッジのみの着脱を許容する選択手段が配設されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記選択手段として、各色毎のカートリッジ特有の形状に対応するように形成されて当該形状の通過を許容する切欠部がダイヤルの回転操作により切換可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ダイヤルとして、カラー画像を形成可能な各色トナーを収容するカートリッジをロータリーユニットにおける特定箇所に着脱することを許容するカラー用選択手段を備えるカラー用ダイヤルと、同一色を収容する複数のカートリッジをロータリーユニットに着脱することを許容する単色用選択手段を備えるモノクロ用ダイヤルと、を装着可能に設計されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ロータリーユニットから取り出されるカートリッジの外面に隣接する位置に配置されて、取り出される際に該現像カートリッジの外面に摺接して当該外面を清掃する清掃部材を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カートリッジの取出を禁止するロック部材と、該ロック部材の動作に連動して清掃部材をカートリッジの外面に圧接する清掃位置または当該外面から離隔する退避位置に移動させる連動機構と、ダイヤルの回転操作力を伝達してロック部材を現像カートリッジの取出を禁止するロック位置または該現像カートリッジの取出を許容するアンロック位置のいずれか一方に当該ダイヤルの回転操作に連動して移動させる伝達機構と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−219227(P2007−219227A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40490(P2006−40490)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】