説明

画像形成装置

【課題】光走査装置に作用する外力の影響を低減させる画像形成装置を得る。
【解決手段】光走査装置54の筐体56を保護箱70に収容した状態で、筐体56を装置本体に取り付けるようにすることで、取付けの際に発生する外力は保護箱70に作用することとなり、筐体56には直接作用しない。したがって、取付けの際に発生する外力による筐体56の歪みが低減され、筐体56内の光学部品等の位置ズレが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体内に配設された複数の発光素子から照射された複数の光ビームを回転多面鏡で走査し、回転多面鏡により走査された光ビームを、各々異なる方向に分離し、光ビーム毎に複数の像保持体上の各々に結像させる光走査装置を備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置では、画像形成装置の装置本体に対する光走査装置の位置精度が重要となる。このため、特許文献1では、3点支持により光走査装置を装置本体に取付けるようにしている。
【特許文献1】特開2004−170643号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光走査装置に作用する外力の影響を低減させる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、画像データに基いて光ビームを像保持体へ出射して、該像保持体に静電潜像を形成する光走査装置と、前記光走査装置の筐体に設けられ、装置本体に支持される支持部と、前記装置本体に着脱可能とされ、前記光走査装置を収容し、前記光ビームを透過させる保護部材と、を有する。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記保護部材に前記光走査装置が相対移動可能に収容されている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記保護部材の剛性が前記光走査装置の剛性よりも高い。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記保護部材が、前記支持部が突出する切欠き部が形成された箱体である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記光ビームを透過させる透過窓を前記箱体に設けている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記光走査装置に設けられ、前記光ビームを出射する出射窓の位置と前記透過窓の位置を合わせる、又はずらすように前記箱体を移動させる移動手段が設けられた。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記保護部材に把手を設けている。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記保護部材が前記光走査装置の角部を覆う枠体である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記保護部材が金属製である。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記光走査装置より出射される走査線が複数である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、光走査装置が直接衝撃を受けてしまうことを防止することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、光走査装置が保護部材から外力を受けないようにする。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、持ち運びのときに作用する外力から光走査装置を保護することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、箱体を介して光走査装置を装置本体に取付ける場合と比較して、光走査装置と装置本体との位置精度を高くすることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、光走査装置から出射された光ビームを箱体の透過窓を介して像保持体へ出射する。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、出射窓の汚れに起因する露光時の露光不良等の発生を防止することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、光走査装置の持ち運びや画像形成装置の装置本体内に光走査装置を組み付けるときに作業しやすい。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、コストを低減することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、電波による光走査装置の誤作動を抑制することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、光走査装置より出射される走査線が一つの場合に比べて、走査線のズレが低減されるという効果が顕著に現れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、まずその概要を説明する。
【0026】
図1に示すように、画像形成装置10の装置本体12には光走査装置54が固定されており、光走査装置54に隣接する位置には、光走査装置54及び画像形成装置10の各部の動作を制御する制御ユニット50が設けられている。
【0027】
光走査装置54(後述する)は、箱状の筐体56内に収容された図示しない光源から出射された光ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査し、反射ミラー等の複数の光学部品で反射して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び ブラック(K)の各トナーに対応した光ビーム60Y、60M、60C、60Kを筐体56外へ出射するようになっている。
【0028】
このため、筐体56の前壁56A(後述する画像形成ユニット18側)には、出射窓58Y、58M、58C、58K(図2参照)が設けられており、該出射窓58Y、58M、58C、58Kを通じて光ビーム60Y、60M、60C、60Kがそれぞれ出射する。
【0029】
画像形成装置10の下方側には、記録用紙Pを収納する用紙トレイ14が設けられており、用紙トレイ14の上方には、記録用紙Pの先端部位置を調整する一対のレジストローラ16が設けられている。
【0030】
また、画像形成装置10の中央部には、画像形成ユニット18が設けられている。この画像形成ユニット18は、4つの感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kを備えており、これらが上下一列に並んでいる。この感光体ドラム20Y、20M、20C、20K上にそれぞれ対応する光ビーム60Y、60M、60C、60Kが入射される。
【0031】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの回転方向上流側には、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面を帯電する帯電ローラ22Y、22M、22C、22Kが設けられている。
【0032】
また、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kの回転方向下流側には、Y、M、C、Kの各トナーをそれぞれ感光体ドラム20Y、20M、20C、20K上に現像する現像装置24Y、24M、24C、24Kが設けられている。
【0033】
ここで、感光体ドラム20Y、20Mには第1中間転写体26が接触し、感光体ドラム20C、20Kには第2中間転写体28が接触している。そして、第1中間転写体26、第2中間転写体28には第3中間転写体30が接触している。
【0034】
第3中間転写体30と対向する位置には、転写ローラ32が設けられており、転写ローラ32と第3中間転写体30との間を記録用紙Pが搬送され、第3中間転写体30上のトナー画像を記録用紙Pに転写する。
【0035】
記録用紙Pが搬送される用紙搬送路34の下流には、定着装置40が設けられている。定着装置40は、筐体46内に定着ローラ42と加圧ローラ44を有しており、記録用紙Pを加熱・加圧してトナー画像を記録用紙P上に定着させる。そして、トナー画像が定着された記録用紙Pは、用紙搬送ローラ36で画像形成装置10の上部に設けられた排出トレイ38に排出される。
【0036】
ここで、画像形成装置10の画像形成について説明する。
【0037】
画像形成が開始されると、各感光体ドラム20Y〜20Kの表面が帯電ローラ22Y〜22Kによって帯電される。
【0038】
光走査装置54から出力画像に対応した光ビーム60Y〜60Kが、帯電後の感光体ドラム20Y〜20Kの表面に照射され、感光体ドラム20Y〜20K上に各色分解画像に応じた静電潜像が形成される。
【0039】
この静電潜像に対して、現像装置24Y〜24Kが選択的に各色、すなわちY〜Kのトナーを付与し、感光体ドラム20Y〜20K上にY〜K色のトナー画像が形成される。
【0040】
その後、マゼンタ用の感光体ドラム20Mから第1中間転写体26にマゼンタのトナー画像が一次転写される。また、イエロー用の感光体ドラム20Yから第1中間転写体26にイエローのトナー画像が一次転写され、第1中間転写体26上で前記マゼンタのトナー画像に重ね合わされる。
【0041】
一方、感光体ドラム20M、20Yと同様に、ブラック用の感光体ドラム20Kから第2中間転写体28にブラックのトナー画像が一次転写される。また、シアン用の感光体ドラム20Cから第2中間転写体28にシアンのトナー画像が一次転写され、第2中間転写体28上で前記ブラックのトナー画像に重ね合わされる。
【0042】
第1中間転写体26へ一次転写されたマゼンタとイエローのトナー画像は、第3中間転写体30へ二次転写される。一方、第2中間転写体28へ一次転写されたブラックとシアンのトナー画像も、第3中間転写体30へ二次転写される。
【0043】
ここで先に二次転写されたマゼンタ、イエローのトナー画像と、シアンおよびブラックのトナー画像とが重ね合わされ、カラー(3色)とブラックのフルカラートナー画像が第3中間転写体30上に形成される。
【0044】
二次転写されたフルカラートナー画像は、第3中間転写体30と転写ローラ32との間のニップ部に達するが、そのタイミングに同期して、レジストローラ16から記録用紙Pが当該ニップ部に搬送され、記録用紙P上にフルカラートナー画像が三次転写(最終転写)される。
【0045】
この記録用紙Pは、その後、定着装置40へ送られ、定着ローラ42と加圧ローラ44とのニップ部を通過する。その際、定着ローラ42と加圧ローラ44とから与えられる熱と圧力との作用により、フルカラートナー画像が記録用紙Pに定着する。定着後、記録用紙Pは用紙搬送ローラ36により排出トレイ38に排出され、記録用紙Pへのフルカラー画像形成が終了する。
【0046】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の要旨について説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、光走査装置54は縦型に配列された感光体ドラム20Y、20M、20C、20Kに対応するように縦型構成とされている。光走査装置54の筐体56の下壁56Bの中央からは、位置決めピン62が突出しており、筐体56の両側壁56Cの上端部側からは支持ピン66がそれぞれ突出している。
【0047】
光走査装置54の筐体56は、縦型の略直方体状の略透明(後述する)の樹脂で形成された保護箱70内に収容可能とされている。この保護箱70は上部に開口部72を設けており、該開口部72から光走査装置54の筐体56を挿入する。
【0048】
保護箱70の下壁70Aの中央には、位置決めピン62と対応する位置に、位置決めピン62の外径寸法よりも大径の貫通孔74が形成されている。この貫通孔74内へ筐体56の位置決めピン62が貫通し、該貫通孔74を通じて位置決めピン62が外部へ露出する。
【0049】
また、保護箱70の両側壁70Bの上側中央には、保護箱70の高さ方向に沿って切欠き部76が切り欠かれており、切欠き部76の幅寸法が筐体56の支持ピン66の外径寸法よりも大きくなるように形成され、該支持ピン66が挿通可能とされている。
【0050】
この支持ピン66は装置本体12に設けられた軸受部68に支持可能とされており、位置決めピン62は装置本体12に設けられた位置決め孔64内に挿通可能としている。
【0051】
筐体56を装置本体12に装着するときには、位置決めピン62を位置決め孔64に挿通し、軸受部68に支持ピン66を支持させるが、位置決めピン62及び支持ピン66で筐体56を装置本体12に支持させた状態で、位置決めピン62にはバネなどの付勢部材(図示省略)が当たるようになっており、この付勢部材によって位置決めピン62を位置決め孔64の内周面に押し付けることで、筐体56の移動を防止する。
【0052】
ここで、保護箱70と筐体56とはネジなどによる固定部を設けておらず、筐体56と保護箱70とは所定の範囲内で互いに相対移動可能としている。これにより、筐体56が保護箱70から外力を受けないようにしている。
【0053】
また、位置決めピン62及び支持ピン66で筐体56を装置本体12に支持させた状態で、筐体56の下壁70Aの外面と保護箱70の下壁70Aの内面との間には、隙間が設けられるようにしている。つまり、筐体56が装置本体12に対して位置決めされた状態で、筐体56の下壁70Aの外面と保護箱70の下壁70Aの内面を接触させようとすると、装置本体12と保護箱70の下壁70Aの外面との間には隙間が生じるようにしている。
【0054】
したがって、位置決めピン62及び支持ピン66で筐体56を装置本体12に支持させると、保護箱70は落下することになる。これにより、筐体56には保護箱70の荷重又は保護箱70からの外力が作用しないようにしている。
【0055】
ところで、光走査装置54の筐体56を画像形成装置10の装置本体12に装着するとき、該筐体56が装置本体12内の部品等と干渉して衝撃を受けてしまうと、筐体56内の光学部品等の位置ズレなどにより、良好な画像形成を行うことが出来なくなってしまう。
【0056】
このため、本実施形態では、光走査装置54の筐体56を保護箱70に収容した状態で、筐体56を装置本体12に取り付けるようにしている。これにより、取付けの際に発生する外力は保護箱70に作用することとなり、筐体56には直接作用しない。したがって、取付けの際に発生する外力による筐体56の歪みが低減され、筐体56内の光学部品等の位置ズレが抑制される。
【0057】
ここで、保護箱70の剛性を光走査装置54の筐体56の剛性よりも高くした方がよい。保護箱70の剛性が筐体56の剛性よりも低い、または略同じであってもよいが、保護箱70の剛性を筐体56の剛性よりも高くすることで、筐体56を収容した保護箱70を持ち運ぶときに、保護箱70に発生する集中応力は分散され、持ち運びのときに保護箱70に作用する外力から筐体56は保護される。
【0058】
さらに、図4に示すように、保護箱70の側壁70Bの中央から略長方形状の舌部78Aを延出させ、該舌部78Aの中央部に略長方形状の開口78Bを設けて、把手78として手が掛けられるようにしても良い。
【0059】
これにより、光走査装置54の筐体56の持ち運びの際や筐体56の装置本体12内への組み付けのときに該把手78に手を掛けた状態でこれらの作業を行うことができるため作業しやすい。また、筐体56の持ち運びの際に、この把手78を持って持ち運ぶようにすることで、誤って筐体56の支持ピン66を持たないようにする。
【0060】
ところで、本実施形態では、光走査装置54の筐体56に、装置本体12に支持される支持ピン66を設け、筐体56を直接装置本体12に取付けるようにしている。これにより、保護箱70を介して筐体56を装置本体12に取付ける場合と比較して、筐体56と感光体ドラム20Y〜20Kの相対位置精度は高くなる。
【0061】
また、保護箱70を不透明の樹脂で形成した場合は、図5に示すように、保護箱70の前壁70Cに、光ビーム60Y、60M、60C、60Kをそれぞれ透過させるための透過窓80Y、80M、80C、80Kを設ける。
【0062】
さらに、保護箱70を金属で形成しても良い。保護箱70を金属で形成することで、保護箱70を樹脂で形成した場合と比較して該保護箱70の強度は上がる。また、保護箱70を金属とすることで、電波による光走査装置54の誤作動が抑制される。さらに、金属の伝熱作用により、光走査装置54の外部からの熱が放熱される。
【0063】
また、ここでは、箱状の保護箱70を用いたが、光走査装置54の筐体56が歪まないようにすることができれば良いため、この形状に限るものではない。
【0064】
例えば、図6に示すように、光走査装置54の筐体56の下壁56Bの4辺を含む角部55(図3参照)を覆う枠状の骨部82Aと、該骨部82Aの頂部から立設し、光走査装置54の筐体56の周壁(前壁56A、両側壁56C及び後壁56D)同士の角部57(図3参照)を覆う骨部82Bとで構成された骨組み部材(枠体)82であってもよい。この場合、保護箱70を用いた場合と比較して、質量が大幅に削減され、コストが低減される。
【0065】
なお、隣り合う骨部82B同士を架け渡す梁部(図示省略)を設けても良い。この梁部を設けることで、骨組み部材82の強度が高くなると共に、この梁部を把手として利用することもできる。
(第2実施形態)
図7(A)、(B)に示すように、本実施形態では、光走査装置54に対して保護箱70を上下方向へ移動させるようにしている。筐体56には光ビームを出射させる出射窓58Y〜58Kが設けられており、保護箱70には出射窓58Y〜58Kから出射された光ビーム60Y〜60Kを透過させる透過窓80Y〜80Kが設けられている。ここでは、この透過窓80Y〜80Kの位置と出射窓58Y〜58Kの位置を合わせたり、ずらしたりする。
【0066】
具体的には、保護箱70の側壁70Bにピン84を設け、このピン84に揺動レバー86の一端部を連結させる。揺動レバー86の他端部には、ソレノイド88のプランジャー90の先端部を連結させる。
【0067】
揺動レバー86の揺動中心部92は、揺動レバー86の他端側に位置しており、揺動レバー86の他端側のストロークよりも一端側のストロークが大きくなるようにする。なお、保護箱70の移動量や出射窓58Y〜58K及び透過窓80Y〜80Kの大きさによっては、保護箱70のストロークは変わる。
【0068】
図7(A)に示すように、ソレノイド88がOFFの状態では、プランジャー90はソレノイド本体94から突出した位置に配置されている。この状態では、保護箱70は装置本体12の台座12Aに置かれた状態となっており、保護箱70の透過窓80Y〜80Kの位置と筐体56の出射窓58Y〜58Kの位置が合っている。
【0069】
一方、ソレノイド88がONの状態では、図7(B)に示すように、プランジャー90はソレノイド本体94内へ引き込まれ(下方へ移動し)、揺動中心部92を中心に揺動レバー86の一端部側が上方へ移動する。これにより、保護箱70が上方へ持ち上げられ、透過窓80Y〜80Kの位置が出射窓58Y〜58Kの位置とずれ、出射窓58Y〜58Kが保護箱70の透過窓80Y〜80K以外の部分で覆われる。
【0070】
これによると、画像形成時の露光中以外は出射窓58Y〜58Kの表面を保護箱70の透過窓80Y〜80K以外の部分で覆うことができる。このため、光ビーム60Y〜60Kの遮蔽と共に出射窓58Y〜58Kへの塵埃等の付着が抑えられ、出射窓58Y〜58Kの汚れに起因する露光時の露光不良等の発生が抑制される。
【0071】
ここで、保護箱70に透過窓80Y〜80Kを設けた場合、この透過窓80Y〜80Kに透明の防塵用カバーを設けることで、光走査装置54の筐体56において、出射窓58Y〜58Kの防塵用カバーを設けなくてもよくなる。この場合、図3に示すように、保護箱70の開口部72には、該開口部72を塞ぐカバー96を設けた方が好ましい。このカバー96によって、保護箱70内への粉塵等の進入は防止される。また、保護箱70の剛性を上げることもできる。
【0072】
なお、保護箱70は光走査装置54の筐体56に比べて精度を上げる必要がないため、透過窓80Y〜80Kを出射窓58Y〜58Kよりも高さ方向の寸法を大きくして、透過窓80Y〜80Kの位置が出射窓58Y〜58Kに位置に対して多少ずれたとしても、光ビーム60Y〜60Kの出射には影響を来さないようにする。
【0073】
また、ここでは、ソレノイド88を用いて保護箱70を上下移動させるようにしたが、保護箱70を上下移動させることができれば良いため、この構成に限るものではない。例えば、図示はしないステッピングモータを用い、ボールネジを回転させてボールネジ上のナットを介して保護箱70を上下移動させても良いし、ピニオンを回転させてラックを介して保護箱70を上下移動させても良い。
【0074】
さらに、ここでは、保護箱70と光走査装置54の筐体56の間には何も設けていないが、保護箱70の下壁70Aと筐体56の下壁56Bの間に、緩衝材料など減衰効果を有する部材を配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】第1実施形態に係る画像形成装置を構成する光走査装置及び保護箱を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る画像形成装置を構成する光走査装置及び保護箱を示す分解斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る画像形成装置を構成する光走査装置及び保護箱の第1変形例を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に係る画像形成装置を構成する光走査装置及び保護箱の第2変形例を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態に係る画像形成装置を構成する光走査装置及び保護箱の第3変形例を示す斜視図である。
【図7】(A)、(B)は、第2実施形態に係る画像形成装置を構成する光走査装置及び保護箱の動作を示す断面図である。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
12 装置本体
20 感光体ドラム(像保持体)
54 光走査装置
55 角部
56 筐体
57 角部
58 出射窓
60 光ビーム(走査線)
66 支持ピン(支持部)
70 保護箱(箱体、保護部材)
74 貫通孔
76 切欠き部
78 把手
80 透過窓
82 骨組み部材(枠体、保護部材)
84 ピン(移動手段)
86 揺動レバー(移動手段)
88 ソレノイド(移動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基いて光ビームを像保持体へ出射して、該像保持体に静電潜像を形成する光走査装置と、
前記光走査装置の筐体に設けられ、装置本体に支持される支持部と、
前記装置本体に着脱可能とされ、前記光走査装置を収容し、前記光ビームを透過させる保護部材と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記保護部材に前記光走査装置が相対移動可能に収容されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保護部材の剛性が前記光走査装置の剛性よりも高い請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記保護部材が、前記支持部が突出する切欠き部が形成された箱体である請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記光ビームを透過させる透過窓を前記箱体に設けた請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記光走査装置に設けられ、前記光ビームを出射する出射窓の位置と前記透過窓の位置を合わせる、又はずらすように前記箱体を移動させる移動手段が設けられた請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記保護部材に把手を設けた請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保護部材が前記光走査装置の角部を覆う枠体である請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記保護部材が金属製である請求項1〜8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記光走査装置より出射される走査線が複数である請求項1〜9の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−279768(P2009−279768A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131405(P2008−131405)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】