説明

移動体装置及び移動体駆動方法、露光装置、並びにデバイス製造方法

【課題】移動体が自重支持部材相互間で受け渡される際に、その自重に起因する歪みを抑制すること。
【解決手段】
第1自重キャンセラ装置70は、定盤51上でプレートテーブルTBaの自重を支持するとともに、定盤51上を2次元移動可能に設けられている。また、第2自重キャンセラ装置30は、定盤51とは床面F上でプレートテーブルTBaの自重を支持する。第1及び第2自重キャンセラ装置相互間でプレートテーブルTBaを受け渡す際には、第1及び第2自重キャンセラ装置30,70相互間の間隔を一時的にプレートテーブルTBaの寸法より小さくした状態でプレートテーブルTBaを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体装置及び移動体駆動方法、露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、所定平面に沿って移動可能な移動体を含む移動体装置及び前記移動体を駆動する移動体駆動方法、前記移動体装置を備える露光装置、並びに前記露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)や、半導体素子(集積回路等)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
【0003】
この種の露光装置において高いスループットを実現するために、ガラスプレート又はウエハ等の被露光物体を保持する可動テーブルを複数、例えば2つ設け、その2つの可動テーブルを用いて異なる2つの動作を並行して処理する、いわゆるツインステージ(デュアルステージ)方式の露光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1に開示される露光装置では、第1の処理、例えば被露光物体に露光処理を行う領域に配置された第1ステージ装置と、第2の処理、例えば被露光物体のアライメント計測を行う領域に配置された第2ステージ装置との間で、被露光物体を保持する2つの可動テーブルが、ステーションと称される搬送装置を介して巡回的に移動される。
【0005】
しかるに、近年、被露光物体、特にガラスプレートは、液晶表示素子の大型化に伴って大型化される傾向にあり、ガラスプレートやガラスプレートを保持する可動テーブルの自重による撓みが無視できないものとなっている。一方、このように大型化したガラスプレートに対し、特許文献1に開示されるようなツインステージ方式の露光装置を用いて露光処理を行う場合、可動テーブルが各ステージ装置から分離して移動するため、可動テーブル及びこの可動テーブルが保持するガラスプレートに撓みが発生しやすい。
【特許文献1】特開2004−260115号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、定盤上を移動する移動体を備えた移動体装置であって、前記移動体の自重を前記定盤上で支持するとともに、前記定盤上を2次元移動可能な第1の自重支持部材と;前記定盤とは別の土台上で前記移動体の自重を支持するとともに、前記第1の自重支持部材とは独立して1次元又は2次元に移動可能な第2の自重支持部材と;前記移動体の2次元移動時には、該移動に連動して前記第1の自重支持部材を移動させるともに、前記移動体を前記第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡す際には、前記第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔が一時的に前記移動体の寸法より小さくなるように、前記第1及び第2の自重支持部材の少なくとも一方を駆動する駆動系と;を備える移動体装置である。
【0007】
これによれば、移動体は、定盤上では、第1の自重支持部材によって自重が支持され、定盤とは別の土台上では、第2の自重支持部材によって自重が支持される。また、駆動系は、移動体が定盤上を移動する場合には、この移動に連動して第1の自重支持部材を移動させ、移動体を第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡す際には、第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔が一時的に移動体の寸法より小さくなるように、各自重支持部材の少なくとも一方を駆動する。従って、移動体は、第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡たされる場合であっても、第1及び第2の自重支持部材の少なくとも一方にその自重が支持された状態が維持される。
【0008】
本発明は、第2の観点からすると、2つの移動体を備えた移動体装置であって、定盤と;第1移動体と第2移動体の一方の自重を前記定盤上で支持するとともに、前記定盤上を2次元移動可能な第1の自重支持部材と;少なくとも前記一方の移動体が所定の処理作業に従事している間、他方の移動体の自重を前記定盤又は別の土台上で支持するとともに、前記第1の自重支持部材とは独立して1次元又は2次元に移動可能な第2の自重支持部材と;前記一方の移動体の2次元移動と連動して前記第1の自重支持部材を移動させるとともに、前記第1又は第2移動体を前記第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡す際には、前記第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔が、一時的に受け渡し対象の移動体の寸法より小さくなるように、前記第1及び第2の自重支持部材の少なくとも一方を駆動する駆動系と;を備える移動体装置である。
【0009】
これによれば、第1移動体と第2移動体の一方の自重が第1の自重支持部材によって定盤上で支持され、この一方の移動体が所定の処理作業に従事している間、定盤又は別の土台上では、他方の移動体の自重が、第2の自重支持部材によって支持される。また、駆動系は、移動体(第1移動体又は第2移動体)が定盤上を移動する場合には、この移動体に連動するように第1の自重支持部材を移動させ、この移動体を第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡す際には、第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔が一時的に受け渡し対象の移動体の寸法より小さくなるように、第1及び第2の自重支持部材の少なくとも一方を駆動する。従って、移動体は、第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡たされる場合であっても、第1及び第2の自重支持部材の少なくとも一方にその自重が支持された状態が維持される。
【0010】
本発明は、第3の観点からすると、エネルギビームの照射によって物体にパターンを形成する露光装置であって、前記物体が前記移動体上に載置される、本発明の移動体装置と;前記移動体上に載置された前記物体に前記エネルギビームを照射するパターニング装置と;を備える露光装置である。
【0011】
本発明は、第4の観点からすると、本発明の露光装置を用いて物体を露光することと、前記露光された物体を現像することと;を含むデバイス製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7(E)に基づいて説明する。
【0013】
図1には、本発明の一実施形態に係る液晶露光装置100の概略構成が示されている。この液晶露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
【0014】
液晶露光装置100は、図1に示されるように、照明系10、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系モジュールPLM、2つのプレートテーブルTBa,TBbを含むツインテーブル(デュアルテーブル)構造のステージ装置50、第1アライメント系群ALa、及び第2アライメント系群ALb、並びにこれらの制御系等を備えている。図1において、2つのプレートテーブルTBa,TBbそれぞれには、XY平面(水平面)に沿ってガラス基板Pa、Pb(以下、それぞれプレートPa,Pbと呼ぶ)が載置されている。以下においては、マスクMとプレートPa、Pbとが相対走査される方向をY軸方向とし、XY平面内でこれに直交する方向をX軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。なお、図2に示されるように、ステージ装置50は、プレートテーブル駆動装置60及び第1自重キャンセラ装置駆動装置80を備えているが、図示の簡略化のため、図1では、プレートテーブル駆動装置60及び第1自重キャンセラ装置駆動装置80が省略されている。
【0015】
照明系10は、後述する投影光学モジュールPLMのXY断面の全てを包含する矩形領域を照明光IL(以下、適宜、露光光ともいう)で照明する。照明光ILとしては、例えば、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(例えばg線、i線など)、又は波長193nmのArFエキシマレーザ光あるいは波長248nmのKrFエキシマレーザ光などが用いられる。
【0016】
マスクステージMST上には、一方の面(図1における−Z側の面)にパターン領域が形成された矩形状のマスクMが載置されている。マスクステージMSTは、リニアモータ等を含む不図示のマスクステージ駆動系を介して、所定の走査方向(Y軸方向(図1における紙面内の左右方向))に所定ストロークで往復駆動されるとともに、走査方向に直交するX軸方向、及びθz方向に微小駆動される。マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レーザ干渉計13を含むマスク干渉計システム17(図6参照)を介して常時計測される。マスク干渉計システム17では、レーザ干渉計13は、マスクステージMSTに固定された移動鏡15を用いてマスクステージMSTの位置情報を計測する。なお、図1では省略されているが、移動鏡15は、実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられており、レーザ干渉計13も、Y移動鏡、X移動鏡に対応するY干渉計、X干渉計が設けられている。マスク干渉計システム17の計測値は、主制御装置20(図6参照)に送られる。
【0017】
投影光学系モジュールPLMは、マスクステージMSTの図1における下方に配置されている。本実施形態の投影光学系モジュールPLMは、例えば特開2001−215718号公報(対応する米国特許第6,552,775号明細書)に開示された投影光学系モジュールと同様の構成を有している。すなわち、投影光学系モジュールPLMは、千鳥状に配置された複数の投影光学系(図1では、紙面手前側の2つの投影光学系11a、11bのみが示され、他の投影光学系は、紙面奥側に隠れている)を含み、X軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。本実施形態では、複数の投影光学それぞれとしては、例えば両側テレセントリックでな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。
【0018】
このため、本実施形態の露光装置100では、照明系10によってマスクMが照明されると、投影光学系モジュールPLMの物体面とパターン面がほぼ一致して配置されるマスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系モジュールPLMを介してマスクMのパターンの一部の像が、投影光学系モジュールPLMの像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたプレートPb(又はPa)上に形成される。そして、マスクステージMSTと、プレートテーブルTBb(又はTBa)との同期駆動によって、照明光ILに対してマスクMを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、照明光ILに対してプレートPb(又はPa)を走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、プレートPb(又はPa)上の1つのショット領域(区画領域)に対する走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、マスクM及び投影光学モジュールPLMによってプレートPa、Pb上にパターンが生成され、照明光ILによるプレート上の感応層(レジスト層)の露光によってプレートPa、Pb上にそのパターンが形成される。
【0019】
本実施形態の露光装置100では、図1に示されるように、投影光学系モジュールPLMの−Y側には、7つのオフアクシス方式のアライメント系から成る第1アライメント系群ALaが、投影光学系モジュールPLMの+Y側には、7つのオフアクシス方式のアライメント系から成る第2アライメント系群ALbが、それぞれ配置されている。第1アライメント系群ALa及び第2アライメント系群ALbを構成する複数のアライメント系それぞれは、図2に示されるように、定盤51の中心を通るY軸に平行な直線(センターラインCL)上に、所定の間隔で配置され、図示しないフレーム部材を介して床面F(図1参照)上に支持されている。第1アライメント系群ALa及び第2アライメント系群ALbを構成するアライメント系それぞれとしては、例えばプレート上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD)等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサがそれぞれ用いられる。アライメント系ALa、ALbそれぞれからの撮像信号は、不図示の信号処理系を介して主制御装置20(図6参照)に供給される。
【0020】
ステージ装置50は、図1に示されるように、定盤51、2つのプレートテーブルTBa,TBb、プレートテーブルTBa,TBbのうちの一方(図1ではプレートテーブルTBb)の自重を定盤51上で支持する第1自重キャンセラ装置70、第1アライメント系群ALaの下方に配置された第2自重キャンセラ装置30、第2アライメント系群ALbの下方に配置された第3自重キャンセラ装置40、2つのプレートテーブルTBa、TBbそれぞれを独立してX軸及びY軸方向に2次元駆動するプレートテーブル駆動装置60(図1では不図示。図2参照)、及び定盤51上で第1自重キャンセラ装置70をX軸方向及びY軸方向に2次元駆動する自重キャンセラ装置駆動装置80(図1では不図示。図2参照)などを含む。
【0021】
定盤51は、図1〜図3からわかるように、例えば石材によって形成された平面視(+Z方向から見て)矩形状の板状部材であり、床面Fに形成された凹部内に複数の防振機構52を介してほぼ水平に支持されている。
【0022】
2つのプレートテーブルTBa,TBbそれぞれは、不図示のプレートホルダを介してプレートPa,Pbを保持する部材である。プレートテーブルTBa,TBbは、特に説明する場合を除き、実質的に同じ機能及び構造を有していることから、以下、これらを代表してプレートテーブルTBaについて説明する。プレートテーブルTBaは、図1及び図3に示されるように、後述するプレートテーブル駆動装置60を介してXY平面内を2次元移動する粗動テーブルCTBaと、この粗動テーブルCTBa上に搭載された微動テーブルFTBaとを有する。なお、図3において、プレートテーブルTBbは、プレートテーブルTBaに対して紙面奥側に隠れている。
【0023】
粗動テーブルCTBaは、図1及び図3からわかるように、X軸及びY軸方向の寸法が定盤51よりも短い直方体状の部材であり、Y軸方向の中央部よりも+Y側の部分(プレートテーブルTBbでは−Y側(図1参照))にX軸方向に貫通する開口部22a(プレートテーブルTBbでは開口部22b)が形成されている。この開口部22aには、図3に示されるように、後述するプレートテーブル駆動装置60のガイド部63が挿入されている。なお、図3に示されるように、粗動テーブルCTBaには、複数箇所に軽量化のための肉抜きが施されているが、後述する第1自重キャンセラ装置70、第2自重キャンセラ装置30、及び第3自重キャンセラ装置40に支持される下面は、平坦面となっている。
【0024】
微動テーブルFTBaは、図1〜図3からわかるように、X軸及びY軸方向の寸法が粗動テーブルCTBaよりも幾分長い(ただし、定盤51よりは短い)平面視矩形の板状部材であり、その上面にプレートPaが載置される。微動テーブルFTBaは、例えば国際公開第2006/52855号パンフレットに開示されているものと同様の構成の駆動機構、すなわちX軸方向に駆動力を発生する一組のX軸リニアモータ、Y軸方向に駆動力を発生する一組のY軸リニアモータ、及び同一直線上に無い3点でZ軸方向に駆動力を発生するZ軸リニアモータ(X,Y,Z軸リニアモータはそれぞれ図示省略)を介して、粗動テーブルCTBに対して6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)に移動可能になっている。
【0025】
プレートテーブルTBaの内部には、レンズ系と撮像素子(CCD等)とをそれぞれ含む複数のマーク像検出系MDa(図6参照)が配置されている。マーク検出系MDaは、プレートPaが投影光学モジュールPLMの直下に配置された状態で、露光光ILで照明されたマスクM上のアライメントマーク(不図示)の投影光学モジュールPLM及びレンズ系による像と、プレートテーブルTBaに配置された図示しない基準マークのレンズ系による像とを同時に検出し、基準マーク(の像)を基準とするマスクM上のアライメントマーク(の像)の位置情報を、主制御装置20に供給する。プレートテーブルTBbの内部にも、同様な構成のマーク検出系MDb(図6参照)が設けられている。
【0026】
プレートテーブル駆動装置60は、図2に示されるように、Y軸方向を長手方向とし、定盤51を挟んで設置された一対の固定子部61、62と、一対の固定子部61、62に渡して設けられたX軸方向を長手方向とする梁状部材である2つのガイド部(リニアガイド)63,64とを備えている。固定子部61、62それぞれは、図3に示されるように、図示しない防振機構を備えた脚部65a、65bを介して床面F上に設置されている。また、ガイド部63は、プレートテーブルTBaの開口部22aに挿入され、ガイド部64は、プレートテーブルTBbの開口部22bに挿入されている。なお、図3においては、ガイド部64は、ガイド部63に対して紙面奥側に隠れている。
【0027】
ここで、一対の固定子部61、62それぞれは、Y軸方向に沿って所定間隔で配列された複数のコイル(図示省略)を備えているが、これらのコイルを収容する筐体は、図2に示されるように、Y軸方向に沿って3つの部分に機械的に分離されている。すなわち、固定子部61は、プレートテーブルTBa、TBbを定盤51上でXY2次元方向に駆動する部分61aと、プレートテーブルTBaを第1アライメント系群ALaの下方でX軸方向に1次元駆動する部分61bと、プレートテーブルTBbを第2アライメント系群ALbの下方でX軸方向に1次元駆動する部分61cとが分離されており、これらの部分61a〜61c相互間における振動の伝達が防止されている。固定子部62も同様に構成されている。
【0028】
ガイド部63,64それぞれのX軸方向の両端部には、永久磁石(図示省略)が設けられており、これらのコイル及び永久磁石によって、ムービングマグネット型のリニアモータ(以下、Yリニアモータ66と呼ぶ。図6参照)が構成されている。このYリニアモータ66は、後述する主制御装置20により駆動制御され、一対のガイド部63,64それぞれは、主制御装置20を介してそれぞれ独立してY軸方向に移動可能になっている。なお、定盤51と一対の固定子部61、62それぞれとは、機械的に分離された状態で床面Fに設置されており、プレートテーブル駆動装置60がプレートテーブルTBa、TBbを駆動する際に固定子部61,62に作用する反力に起因する振動が定盤51に伝達することが防止されている。また、本実施形態では、2つのガイド部63,64それぞれは、図示しない転がり軸受けを介して固定子部61、62に接触支持されているが、これに限らず、例えばエアベアリングを介して浮上支持させても良いし、磁気浮上させても良い。
【0029】
前述のように、ガイド部63、64それぞれは、プレートテーブルTBa、TBbの開口部22a、22bに挿入されている。プレートテーブルTBa、TBbそれぞれは、図示しない転がり軸受けを介してガイド部63,64それぞれに支持されている。従って、プレートテーブルTBaは、ガイド部63のY軸方向の移動に連動してY軸方向に移動し、プレートテーブルTBbは、ガイド部64のY軸方向の移動に連動してY軸方向に移動する。なお、主制御装置20は、プレートテーブルTBa、TBb同士が接触しないように、ガイド部63,64のY軸方向の位置を制御するものとする。
【0030】
また、ガイド部63は、X軸方向に沿って所定間隔で配列された不図示の複数のコイルを備えている。また、このガイド部63が貫通しているプレートテーブルTBaの粗動テーブルCTBaには、これらコイルに対向して配置された不図示の永久磁石が設けられており、これらのコイル及び永久磁石によって、プレートテーブルTBaをX軸方向に駆動するムービングマグネット型のリニアモータ(以下、第1Xリニアモータ67と呼ぶ。図6参照)が構成されている。第1Xリニアモータ67は、後述する主制御装置により駆動制御される。なお、本実施形態では、プレートテーブルTBaは、転がり軸受けを介してガイド部63に接触支持されているが、これに限らず、例えばエアベアリングを介して浮上支持させても良いし、磁気浮上させても良い。また、ガイド部64も同様に、X軸方向に沿って配列された複数のコイル(不図示)を備えており、これらのコイルと、プレートテーブルTBbが備える永久磁石とによって、プレートテーブルTBbをX軸方向に駆動する第2Xリニアモータ68(図6参照)が構成されている。
【0031】
ここで、本実施形態では、プレートテーブルTBaは、第1アライメント系群ALaの下方と定盤51上との間を移動範囲とし、プレートテーブルTBbは、第2アライメント系群ALbの下方と定盤51上との間を移動範囲とする。そして、ガイド部63は、粗動テーブルCTBaの中心よりも+Y側に形成された開口部22aに、ガイド部64は、粗動テーブルCTBbの中心よりも−Y側に形成された開口部22bに挿入されている。これによって、本実施形態では、仮にガイド部63、64それぞれを粗動テーブルCTBa、CTBbのY軸方向の中心を貫通させる場合に比べ、固定子部61,62のY軸方向の長さを短縮化することができる。
【0032】
プレートテーブルTBa、TBb(プレートPa、Pb)の位置情報は、プレート干渉計システム21(図6参照)を介して計測される。プレート干渉計システム21は、国際公開第2005/081295号パンフレットに開示されている干渉計システムと同様の構成のものが用いられている。すなわち、プレート干渉計システム21は、図1及に示されるように、レーザ干渉計25,26を備えている。なお、プレート干渉計システム21は、実際には、微動テーブルFTBa、FTBbそれぞれに固定されたY軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡27y、28y(図1及び図2参照)を用いてセンターラインCL上でプレートテーブルTBa、TBbそれぞれのY軸方向の位置情報を計測するレーザ干渉計25,26(図1参照)と、微動テーブルFTBa、FTBbそれぞれに固定されたX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡27x、28x(図2参照)を用いてプレートテーブルTBa、TBbのX軸方向の位置情報を計測する図示しない複数のレーザ干渉計とを含んでいる。プレート干渉計システム21の計測値は、主制御装置20(図6参照)に送られる。プレート干渉計システム21を構成する複数のレーザ干渉計には、測定方向に平行な複数の測長軸を有する多軸干渉計が用いられており、プレートテーブルTBa,TBbそれぞれのX位置、Y位置、及びθx、θy、θz回転量(回転情報)を計測可能である。プレートテーブルTBa,TBbそれぞれのZ軸方向の位置情報は、プレート表面の面位置情報を計測する不図示の計測系によって計測される。なお、前述したマスクステージMST、及びプレートテーブルTBa、TBbの位置情報を計測するシステムとしては、上述したレーザ干渉計システム17、21に限らず、例えばリニアエンコーダシステムを用いても良い。
【0033】
第1自重キャンセラ装置70は、心柱とも呼ばれ、図1に示されるように、定盤51の上面に直交する1本の柱状部材から成る。図4には、第1自重キャンセラ装置70が一部破断して示されている。第1自重キャンセラ装置70は、国際公開第2006/9254号パンフレットに開示されるものと同様の機能及び構成を有している。すなわち、第1自重キャンセラ装置70は、Z軸方向を長手方向とする円柱状(又は断面が多角形の柱状)に形成され、上面部に凹部71aを有する本体部71、凹部71aに収容され、本体部71に対してZ軸方向に移動可能なスライド部72、凹部71aの底面とスライダ部72の下面との間に配置されたエアアクチュエータである空気バネ73、本体部71を定盤51に対して浮上支持するベースパッド74、及び自重支持の対象となるプレートテーブルTBa(又はTBb)を非接触支持する支持パッド75などを含む。
【0034】
空気バネ73には、不図示の気体供給装置から気体が供給されており、その内部は外気に比べて気圧の高い陽圧空間となっている。プレートテーブルTBa(又はTBb)の自重は、スライド部72を介して空気バネ73により支持される。ベースパッド74は、不図示の気体供給装置から供給される気体を定盤51の上面に対して噴出することにより、本体部71を定盤51上面から所定のクリアランスで浮上させる気体静圧軸受(例えば、エアベアリング)を含んでいる。支持パッド75は、プレートテーブルTB(又はTBb)の下面に対して不図示の気体供給装置から供給される気体を噴出することにより、プレートテーブルTB(又はTBb)を所定のクリアランスを介して非接触支持する気体静圧軸受を含んでいる。
【0035】
また、図1及び図3に示されるように、自重キャンセラ装置70の本体部71には、X軸方向に貫通する開口部71bが形成されている。この開口部71bには、後述する自重キャンセラ装置駆動装置80のガイド部83が挿入されている。本体部71は、図示しない転がり軸受けを介してガイド部83に支持されている。従って、第1自重キャンセラ装置70は、ガイド部83のY軸方向の移動に連動してY軸方向に移動する。
【0036】
自重キャンセラ装置駆動装置80は、図2及び図3に示されるように、Y軸方向を長手方向とし、床面F上に図示しない防振機構を含む脚部84a、84bを介して設置された一対の固定子部81,82と、一対の固定子部81,82に渡して設けられたX軸方向を長手方向とする梁状部材であるガイド部(リニアガイド)83とを備えている。
【0037】
一対の固定子部81,82それぞれには、Y軸方向に沿って所定間隔で配列された複数のコイル(図示省略)が設けられている。また、ガイド部83のX軸方向の両端部には、永久磁石(図示省略)が設けられており、これらのコイル及び永久磁石によって、ムービングマグネット型のリニアモータ(以下、Yリニアモータ86と呼ぶ。図6参照)が構成されている。このYリニアモータ86は、後述する主制御装置20により駆動制御される。なお、本実施形態では、ガイド部83は、図示しない転がり軸受けを介して固定子部81、82に接触支持されているが、これに限らず、例えばエアベアリングを介して浮上支持させても良いし、磁気浮上させても良い。
【0038】
なお、定盤51と一対の固定子部81,82それぞれとは、機械的に分離された状態で床面Fに設置されており、自重キャンセラ装置駆動装置80が自重キャンセラ装置70を駆動する際に固定子部81,82に作用する反力に起因する振動が定盤51に伝達することが防止されている。また、自重キャンセラ装置駆動装置80の固定子部81,82と、プレートテーブル駆動装置60の固定子部61,62も、同様に機械的に分離された状態で床面Fに設置されており、相互間の振動の伝達が防止されている。
【0039】
ガイド部83は、X軸方向に沿って所定間隔で配列された不図示の複数のコイルを備えている。一方、第1自重キャンセラ装置70は、ガイド部83のコイルに対向して配置された不図示の永久磁石を備えており、これらのコイル及び永久磁石によって、ムービングマグネット型のリニアモータ(以下、Xリニアモータ87と呼ぶ。図6参照)が構成されている。Xリニアモータ87は、後述する主制御装置20により駆動制御される。従って、本実施形態の露光装置100では、2つのプレートテーブルTBa、TBbと、第1自重キャンセラ装置70とは、それぞれが独立制御されるリニアモータによって個別に2次元駆動される。ただし、主制御装置20は、プレートテーブルTBa(又はTBb)に保持されたプレートPa(又はPb)に対して露光を行う際には、プレートテーブルTBa(又はTBb)の重心位置の直下に自重キャンセラ装置70が配置された状態が維持されるように、第1自重キャンセラ装置70と、プレートテーブルTBa(又はTBb)とを同期制御する。例えば、プレートテーブルTBa(又はTBb)と第1次自重キャンセラ装置70との間隔を測定するセンサを設け、その間隔が一定となるように、第1自重キャンセラ装置70をプレートテーブルTBa(又はTBb)に追従させるように制御しても良い。
【0040】
図1に戻って、第2自重キャンセラ装置30は、第1アライメント系群ALaを用いてプレートPaに形成された不図示のアライメントマークを検出する際に、プレートテーブルTBaの自重を支持する。また、第3自重キャンセラ装置40は、第2アライメント系群ALbを用いてプレートPbに形成された不図示のアライメントマークを検出する際に、プレートテーブルTBbの自重を支持する。第2及び第3自重キャンセラ装置30,40それぞれは、特に説明する場合を除き、実質的に同じ機能及び構造を有していることから、以下、これらを代表して、第2自重キャンセラ装置30の構成について説明する。
【0041】
第2自重キャンセラ装置30は、図5に示されるように、床面F上に設置されたX軸方向を長手方向とする固定子部31、下面にX軸に沿って形成された凹部を有する断面逆U字状の部材である移動子部32、及び移動子部32上に搭載された自重支持部33を含んでいる。
【0042】
固定子部31は、移動子部32の凹部内に収容されている。固定子部31は、X軸方向に所定間隔で配列された不図示の複数のコイルを備えている。複数のコイルは、移動子部32に設けられた不図示の複数の永久磁石と共に、移動子部32をX軸方向に駆動するリニアモータ(以下、Xリニアモータ34と呼ぶ。図6参照)を構成する。
【0043】
移動子部32は、その下面に設けられた転がり軸受け35を介して床面Fに支持されている。なお、転がり軸受け35は、図5には1つのみ示されているが、実際には、移動子部32と床面Fとのクリアランスを一定に保てるように少なくとも3つが設けられている。移動子部32は、その下面に断面三角形状の溝部32aがX軸に沿って形成され、この溝部32aには、床面Fに固定されたX軸方向を長手方向とする断面三角形状のガイドレール36が、これらの摺動を許容する程度の微少な隙間を介して嵌合している。従って、移動子部32の移動方向は、X軸方向に拘束されている。
【0044】
自重支持部33は、その内部に図示しない空気バネを備えており、プレートテーブルTBaの自重を、その上面に設けられたエアベアリングパッド37を介して、移動子部32上で非接触支持する。自重支持部33は、全体的な形状がY軸方向を長手方向とする平面視(Z軸方向から見て)長方形の板状とされ、移動子部32の上面に、不図示の転がり軸受けを介して支持されている。自重支持部33は、その内部に不図示の永久磁石を備え、この永久磁石は、移動子部32の上面側に配置されたコイル38と共に、自重支持部33をY軸方向に駆動するリニアモータ(以下、Yリニアモータ39と呼ぶ。図6参照)を構成している。前述のXリニアモータ34及びYリニアモータ39それぞれは、後述する主制御装置20によって制御される。
【0045】
主制御装置20は、プレートテーブルTBaに保持されたプレートPaのアライメント計測を行う際、プレートテーブル駆動装置60の第1Xリニアモータ67を介して、プレートPaの+X側の端部が第1アライメント系群ALaの直下に配置されるポジションと、プレートPaの−X側の端部が第1アライメント系群ALaの直下に配置されるポジションとの間で、プレートテーブルTBaをX軸方向に駆動する。また、主制御装置20は、自重キャンセラ装置30のXリニアモータ34を介して、移動子部33をプレートテーブルTBaに連動(追従)するようにX軸方向に駆動し、アライメント計測中、プレートテーブルTBaの重心位置が、常に自重キャンセラ装置30の移動子部33によって支持されるように制御する。自重キャンセラ装置40も、自重キャンセラ装置30と同様の構成を備え、自重キャンセラ装置30と同様に主制御装置20によって制御される。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の露光装置100では、独立して2次元移動可能な2つのプレートテーブルTBa,TBbを有し、且つこれら2つのプレートテーブルTBa,TBbに対応して第1アライメント系群ALa、及び第2アライメント系群ALbが、定盤51を挟んで設けられている。従って、プレートテーブルTBaに保持されたプレートPaのアライメント計測を行っている間、プレートテーブルTBbに保持されたプレートPbに対して定盤51上で露光処理を行うことができ、同様に、プレートテーブルTBbに保持されたプレートPbのアライメント計測を行っている間、プレートテーブルTBaに保持されたプレートPaに対して定盤51上で露光処理を行うことができる。すなわち、本実施形態の露光装置100では、プレートPa,Pbの一方に対する露光を行う際、これと並行してプレートPa,Pbの他方に対するアライメント計測を行うことができる。従って、待ち時間無く、順次プレート(Pa又はPb)の露光処理を行うことができるのでスループットが向上する。
【0047】
図6には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。制御系は、主制御装置20を中心として構成されている。主制御装置20は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、上述したプレートテーブル駆動装置60、第1自重キャンセラ装置駆動装置80など、露光装置100の構成各部を統括制御する。
【0048】
ここで、本実施形態の露光装置100では、プレートテーブルTBaに保持されたプレートPaは、第1アライメント系群ALaを用いたアライメント計測を経て定盤51上で露光処理が施される。また、本実施形態では、主制御装置20は、プレートPaの露光処理が終了した後、他のプレート(プレートPb)の露光処理に備えて、プレートPaを保持するプレートテーブルTBaを第2自重キャンセラ装置30上に退避させる(戻す)。そして、本実施形態の露光装置100では、プレートテーブルTBaの自重は、第1アライメント系群ALaの下方では、第2自重キャンセラ装置30に支持され、定盤51上では、第1自重キャンセラ装置30に支持される。従って、露光装置100では、プレートテーブルTBaがプレートテーブル駆動装置60を介して第1アライメント系群AL1の下方と定盤51上との間を相互間移動する際、これに伴って、第1自重キャンセラ装置70と、第2自重キャンセラ装置30との間でプレートテーブルTBaの受け渡しが行われる。
【0049】
以下、第1自重キャンセラ装置70と、第2自重キャンセラ装置30との間におけるプレートテーブルTBaの受け渡し動作を、プレートテーブルTBaが第1自重キャンセラ装置70から、第2自重キャンセラ装置30に受け渡される場合を例に挙げて説明する。図7(A)〜図7(E)には、プレートテーブルTBaが自重キャンセラ装置70から、第2自重キャンセラ装置30に受け渡される際の動作が示されている。プレートテーブルTBaの受け渡しに際し、主制御装置20は、まず、図7(A)に示されるように、プレートテーブルTBaを支持する第1自重キャンセラ装置70を、定盤51上におけるY軸方向の移動可能範囲における最も−Y側の位置に配置する。
【0050】
また、主制御装置20は、図7(B)に示されるように、第2自重キャンセラ装置30の自重支持部33をYリニアモータ39を介して+Y方向、すなわち第1自重キャンセラ装置70に接近する方向に駆動する。主制御装置20は、このときの第1自重キャンセラ装置70と第2自重キャンセラ装置30との間隔(より詳細には、第1自重キャンセラ装置70の支持パッド75と、第2自重キャンセラ装置30のエアベアリングパッド37との間隔)を、一時的にプレートテーブルTBaの寸法(より詳細には、粗動ステージCTBa(図1参照)のY軸方向の寸法)よりも小さくなるようにYリニアモータ39を制御する。なお、以上の説明では、図7(A)に示されるように第1自重キャンセラ装置70を移動させた後に図7(B)で示されるように第2自重キャンセラ装置30の自重支持部33を移動させることとしたが、これに限らず図7(A)及び図7(B)に示される動作を並行して行っても良いし、図7(A)及び図7(B)に示される動作の順番を逆にしても、すなわち第1自重キャンセラ装置70が図7(A)に示されるポジションに配置される以前に、第2自重キャンセラ装置30の自重支持部33を、予め図7(B)に示されるポジションに移動させておいても良い。
【0051】
次いで、図7(B)に示される状態から、主制御装置20は、図7(C)に示されるようにプレートテーブル駆動装置60のYリニアモータ66を用いてプレートテーブルTBaを−Y方向に駆動する。このとき、主制御装置20は、第1自重キャンセラ装置駆動装置80を介して第1自重キャンセラ装置70を、図7(A)に示される位置で停止させておく。従って、プレートテーブルTBaのみが単独で−Y方向に移動する。
【0052】
図7(C)には、プレートテーブルTBaが第1自重キャンセラ装置70及び第3自重キャンセラ装置30の両方によって支持された状態が示されている。この図7(C)に示されるように、プレートテーブルTBaは、−Y方向へ単独で移動することによって、第1自重キャンセラ装置70から、第3自重キャンセラ装置30に乗り移る。この際、第3自重キャンセラ装置30の自重支持部33は、図7(B)に示す位置で停止している。
【0053】
そして、図7(D)に示されるようにプレートテーブルTBaの重心位置が自重支持部33の中心にほぼ一致すると、主制御装置70は、Yリニアモータ39を用いて自重支持部33をプレートテーブルTBaに連動(追従)させて、−Y方向に駆動し、プレートテーブルTBaを、図7(E)に示される所定のアライメント計測位置に移動させる。なお、プレートテーブルTBaの受け渡しを行う際は、受け渡し完了後にプレートPaの+X側(又は−X側)の端部が第1アライメント系群ALaの直下に配置されるように、第1自重キャンセラ装置70と、第2自重キャンセラ装置30の自重支持部33それぞれを、予めセンターラインCLよりも+X側(又は−X側)に寄せておくと、受け渡し完了後に直ちにアライメント計測時を行うことができるので効率がよい。なお、図7(E)では、第1自重キャンセラ装置70は、図7(A)と同じ位置で停止して示されているが、これに限らず図7(D)に示される、プレートテーブルTBaを非支持状態となった時点で、+Y方向に移動してプレートテーブルTBbを第3自重キャンセラ装置40から受け取りに行くように制御してもよい。
【0054】
主制御装置20は、プレートテーブルTBaを自重キャンセラ装置30の自重支持部33から、第1自重キャンセラ装置70に受け渡す際も同様の制御を行う。すなわち、主制御装置20は、プレートテーブルTBaと、このプレートテーブルTBaの自重を支持した状態の自重支持部33を、連動させて第1自重キャンセラ装置70に一時的に接近させ、この後に自重キャンセラ装置30の自重支持部37のY軸方向の移動を停止し、プレートテーブルTBaのみを+Y方向に駆動する。また、プレートテーブルTBbを第1自重キャンセラ装置70と、第3自重キャンセラ装置40との間で受け渡す際の動作も、上述したプレートテーブルTBaの受け渡し動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、自重キャンセラ装置相互間でプレートテーブルTBa(又はTBb)の受け渡しを行う際、これらの間隔が受け渡し対象のプレートテーブルの寸法よりも一時的に小さくされるので、図7(A)〜図7(E)に示されるように、受け渡し動作が行われている最中、プレートテーブルTBa(又はTBb)の自重は、必ず2つの自重キャンセラ装置70、30(又は自重キャンセラ装置70、40)のうちの少なくとも一方によって支持される。ここで、仮に自重キャンセラ装置相互間の間隔が、受け渡し対象のプレートテーブルの寸法よりも大きい状態でプレートテーブルのみをY軸方向に駆動した場合、プレートテーブルの自重が、2つの自重キャンセラ装置のいずれにも支持されない事態が生ずるが、本実施形態では、常時いずれかの自重キャンセラ装置によってプレートテーブルの自重が支持されているので、プレートテーブルの受け渡し最中にプレートテーブル(及びそのプレートテーブルに保持されているプレート)に撓みが発生することを抑制することができる。
【0056】
以上説明した本実施形態の露光装置100では、ローディングポジションLP(図2参照)に配置されたプレートテーブルTBa、TBb上に、不図示の搬送系を介して露光対象のプレートPa、Pbそれぞれが載置される。なお、プレートPa、Pbに対して露光を行う際の前提として、前述したマーク像検出系MDa、MDb、及び第1及び第2アライメント系ALa、ALb、並びにプレートテーブル上の基準マークを用いたマスクアライメント及び第1及び第2アライメント系群ALa、ALbのベースライン計測などが行われているものとする。
【0057】
主制御装置20は、第1アライメント系群ALaを用いて露光対象のプレートPaに形成されたアライメントマークと、このプレートPaを保持するプレートテーブルTBa上の基準マークを用いてアライメント計測を行い、その計測結果をメモリに保存する。次いで、主制御装置は20、プレートテーブルTBaを定盤51上に移動させる。この際、主制御装置20は、前述したように、一時的に自重キャンセラ装置相互間の間隔がプレートテーブルTBaの寸法より小さくなるように制御した状態で、プレートテーブルTBaを第1自重キャンセラ装置30から自重キャンセラ装置70に受け渡させる。
【0058】
主制御装置20は、プレート干渉計システム21、マスク干渉計システム17の計測値をモニタしつつ、事前に行われたアライメントマーク計測の結果、及びベースラインの計測結果に基づいて、プレートテーブルTBa、及びマスクステージMSTをそれぞれ駆動し、通常のスキャニング・ステッパと同様にステップ・アンド・スキャン方式の露光動作を行い、プレート上Paの複数のショット領域にマスクMのパターンをそれぞれ転写する。この露光動作は、前述したマスクステージMSTとプレートテーブルTBaとの同期移動を行う走査露光動作と、プレートテーブルTBaをショット領域の露光のための加速開始位置に移動するショット間移動(ステッピング)動作とを交互に繰り返すことで行われる。なお、主制御装置20は、第2自重キャンセラ装置30(又は第3自重キャンセラ装置40)から第1自重キャンセラ装置70への受け渡しの途中で、走査露光に備えてプレートPa(又はPb)の加速を開始しても良く、また、受け渡しの最中に、所定の目標速度に達した場合には、プレートPa(又はPb)に対する走査露光を開始しても良い。
【0059】
主制御装置20は、プレートPaに対する露光処理が終了した場合には、プレートPaを保持するプレートテーブルTBaを第1自重キャンセラ装置70上から、第2自重キャンセラ装置30上に移動させる。この際も前述した場合と同様に、主制御装置20は、自重キャンセラ装置30,70相互間の間隔を、一時的にプレートテーブルTBaの寸法より小さくなるように制御した状態で、第1自重キャンセラ装置70から第2自重キャンセラ装置30にプレートテーブルTBaを受け渡させる。
【0060】
また、主制御装置20は、プレートPaに対する露光処理と並行して、第2アライメント系群ALbを用いたプレートPbのアライメント計測を行い、露光処理が終了したプレートPa(プレートテーブルTBa)を定盤51上から第1アライメント系群ALaの下方に移動させた後、このプレートテーブルTBaと入れ替わるように、プレートPbを保持するプレートテーブルTBbを第2アライメント系群ALbの下方から定盤51上に移動させ、同様の手順でステップ・アンド・スキャン方式の露光動作を行う。このプレートテーブルTBbの移動時にも、主制御装置20は、同様に自重キャンセラ装置40,70相互間の間隔を一時的にプレートテーブルTBbの寸法よりも小さくする制御を行う。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の露光装置100は、2つのプレートテーブルTBa、TBbを備え、一方のプレートテーブルに保持されたプレートのアライメント計測を行っている間、他方のプレートテーブルに保持されたプレートに対して露光処理を行うことができるので、スループットが向上する。また、プレートテーブルの自重を支持する自重キャンセラ装置相互間で、プレートテーブルの受け渡しを行う際(プレートテーブルの自重を支持する役目の自重キャンセラ装置が入れ替わる際)、自重キャンセラ装置相互間の間隔が、一時的にプレートテーブルの寸法よりも小さくなるように自重キャンセラ装置をプレートテーブルとは独立して駆動するので、プレートテーブルの受け渡し中であっても、確実にプレートテーブルの自重を支持することができる。従って、プレートテーブル及びこれに保持されるプレートの撓みを抑制することができる。
【0062】
なお、上記実施形態では、定盤51上でプレートテーブルPTa、PTbの自重を支持する第1自重キャンセラ装置70のみが、心柱とも呼ばれる柱状の装置であったが、これに限らず、第1及び第2アライメント系群ALa、ALbそれぞれの下方に配置された第2及び第3自重キャンセラ装置も、心柱と呼ばれる柱状の装置としてもよい。
【0063】
また、上記実施形態の液晶露光装置100は、2つのプレートテーブルを備える、いわゆるツインテーブル構造であったが、これに限らず、プレートテーブルを一つしか備えず、この一つのプレートテーブルを2つの自重キャンセラ装置相互間で受け渡すような露光装置にも、本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、2つのプレートテーブルに対して、3つの自重キャンセラ装置が設けられが、これに限らず、自重キャンセラ装置は、2つでも良い。この場合、2つの自重キャンセラ装置間で一方のプレートテーブルの受け渡しを行う際、他方のプレートテーブルを、自重キャンセラ装置を備えない他の支持装置で支持すれば良い。
【0064】
また、上記実施形態の露光装置100では、第1自重キャンセラ装置70は定盤51上に設けられ、第2及び第3自重キャンセラ装置30,40それぞれは、床面上、すなわち定盤51とは異なる土台上に配置されたが、これに限らず、すべて同一の土台上、例えば床面上(又は共通の定盤上)に配置しても良い。
【0065】
また、上記実施形態の露光装置100では、第2及び第3自重キャンセラ装置30,40は、X軸及びY軸方向に2次元移動可能とされたが、これに限らず、少なくとも自重支持部33,43がプレートテーブルの受け渡しのために、Y軸方向(1次元方向)に移動できれば良い。
【0066】
また、上記実施形態では、各自重キャンセラ装置は、プレートテーブルをエアベアリングを介して非接触支持したが、これに限らず、プレートテーブルを接触支持しても良い。また、第1自重キャンセラ装置70は、定盤51上にエアベアリングを介して非接触支持されたが、これに限らず定盤に摺動可能に設けても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、プレートテーブル駆動装置60及び第1自重キャンセラ装置駆動装置80は、ムービングマグネット型のリニアモータを介してプレートテーブルPTa、PTb、第1自重キャンセラ装置70を駆動したが、これに限らずムービングコイル型のリニアモータで駆動しても良く、また、ロータリモータとボールねじ(又は送りねじ)とを組み合わせた駆動装置で駆動しても良い。
【0068】
また、上記実施形態のプレートテーブルは、粗動テーブルと微動テーブルとを備える粗微動構造であったが、これに限らず単一構造のテーブル装置であっても良い。なお、単一構造のテーブル装置を6自由度方向に移動可能に構成した場合、このテーブル装置の自重を支持する自重キャンセラ装置の支持パッドも、テーブル装置に追従できるように、6自由度方向に移動可能に構成すると良い。
【0069】
また、上記実施形態では、プレートテーブルを駆動するプレートテーブル駆動装置は、2つのプレートテーブルそれぞれに対してガイド部(リニアガイド)が設けられていたが、これに限らず一つ(一本)のガイド部を2つのテーブルが共用する構成であっても良い。この場合、上記実施形態と異なり、ガイド部と各プレートテーブルとは、分離可能に構成される。なお、各プレートテーブルのY軸方向の駆動に関しては、例えばガイド部にボイスコイルモータなどを配置し、ガイド部とプレートテーブルとの間に電磁気的な力を発生させて、各プレートテーブルをガイド部に追従させるようにすると良い。また、この場合、第2及び第3自重キャンセラ装置を、プレートテーブルの重心位置をエアベアリングを介さずに接触支持するように構成し、アライメント計測時には、第2及び第3自重キャンセラ装置それぞれのXリニアモータ、及びYリニアモータを用いてプレートテーブルを駆動させると良い。これにより、アライメント計測時には、ガイド部とプレートテーブルとを分離させることができ、ガイド部は、一方のプレートテーブルを一方の(例えば第2)自重キャンセラ装置に受け渡した後、直ちに他方の(例えば第3)自重キャンセラ装置から他方のプレートテーブルを受け取ることができるので、上記実施形態に比べても、スループットが極端に低下しない。
【0070】
また、上記実施形態において、照明光として、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
【0071】
なお、上記実施形態では、投影光学系モジュールPLMが、複数本の投影光学ユニットを備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学ユニットの本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、オフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。
【0072】
また、上記実施形態では投影光学系モジュールPLMとして、投影倍率が等倍のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は縮小系及び拡大系のいずれでも良い。
【0073】
なお、上記実施形態においては、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
【0074】
なお、上記実施形態では、プレートのステップ・アンド・スキャン動作を伴う走査型露光を行う投影露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明は、投影光学系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用することができる。また、本発明は、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(いわゆるステッパ)あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用することができる。
【0075】
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、シリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置として、例えば米国特許出願公開第2005/0259234号明細書などに開示される、投影光学系とウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などに本発明を適用しても良い。
【0076】
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
【0077】
なお、本発明は、露光装置に限らず、例えば、特開2004−130312号公報などに開示される,インクジェットヘッド群と同様のインクジェット式の機能性液体付与装置を備えた素子製造装置にも適用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上説明したように、本発明の移動体装置及び移動体駆動方法は、移動体を駆動するのに適している。また、本発明の露光装置は、物体上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、液晶表示素子などの電子デバイスを製造するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の液晶露光装置を+Z軸方向から見た平面図である。
【図3】図1の液晶露光装置を−Y軸方向から見た図である。
【図4】第1の自重キャンセラ装置の構成を一部破断して示す図である。
【図5】第2の自重キャンセラ装置の構成を示す図である。
【図6】一実施形態の液晶露光装置の制御系の主要な構成を示すブロック図である。
【図7】図7(A)〜図7(E)は、自重キャンセラ装置相互間でのプレートテーブルの受け渡し動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0080】
10…照明系、20…主制御装置、30…第2自重キャンセラ装置、40…第3自重キャンセラ、51…定盤、60…プレートテーブル駆動装置、70…第1自重キャンセラ装置、80…第1自重キャンセラ装置駆動装置、100…液晶露光装置、ALa,ALb…アライメント系群、M…マスク、Pa,Pb…プレート、TBa,TBb…プレートテーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定盤上を移動する移動体を備えた移動体装置であって、
前記移動体の自重を前記定盤上で支持するとともに、前記定盤上を2次元移動可能な第1の自重支持部材と;
前記定盤とは別の土台上で前記移動体の自重を支持するとともに、前記第1の自重支持部材とは独立して1次元又は2次元に移動可能な第2の自重支持部材と;
前記移動体の2次元移動時には、該移動に連動して前記第1の自重支持部材を移動させるともに、前記移動体を前記第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡す際には、前記第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔が一時的に前記移動体の寸法より小さくなるように、前記第1及び第2の自重支持部材の少なくとも一方を駆動する駆動系と;を備える移動体装置。
【請求項2】
2つの移動体を備えた移動体装置であって、
定盤と;
第1移動体と第2移動体の一方の自重を前記定盤上で支持するとともに、前記定盤上を2次元移動可能な第1の自重支持部材と;
少なくとも前記一方の移動体が所定の処理作業に従事している間、他方の移動体の自重を前記定盤又は別の土台上で支持するとともに、前記第1の自重支持部材とは独立して1次元又は2次元に移動可能な第2の自重支持部材と;
前記一方の移動体の2次元移動と連動して前記第1の自重支持部材を移動させるとともに、前記第1又は第2移動体を前記第1及び第2の自重支持部材相互間で受け渡す際には、前記第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔が、一時的に受け渡し対象の移動体の寸法より小さくなるように、前記第1及び第2の自重支持部材の少なくとも一方を駆動する駆動系と;を備える移動体装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の自重支持部材の各々と前記移動体との間に流体軸受部材が設けられる請求項1又は2に記載の移動体装置。
【請求項4】
前記第1の自重支持部材は、前記定盤上に非接触支持される請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動体装置。
【請求項5】
前記第1の自重支持部材は、前記定盤の上面に直交する1本の柱状部材から成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動体装置。
【請求項6】
前記移動体は、前記所定平面内の互いに直交する第1及び第2軸方向、及びこれらに直交する第3軸方向、並びに前記第1〜3軸回りの回転方向の6自由度方向のうち、少なくとも前記第1及び第2軸方向に移動可能である請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動体装置。
【請求項7】
前記駆動系は、前記第1及び第2自重支持部材並びに前記移動体を駆動する駆動装置を含み、
前記駆動装置と前記定盤とは、機械的に分離された状態で所定の設置面上に設置される請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動体装置。
【請求項8】
エネルギビームの照射によって物体にパターンを形成する露光装置であって、
前記物体が前記移動体上に載置される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体装置と;
前記移動体上に載置された前記物体に前記エネルギビームを照射するパターニング装置と;を備える露光装置。
【請求項9】
前記パターニング装置は、前記定盤上で前記第1の自重支持部材に支持された前記移動体に載置された前記物体に前記エネルギビームを照射する請求項8に記載の露光装置。
【請求項10】
前記パターニング装置は、前記第1及び第2の自重支持部材相互間を移動中の前記移動体に載置された前記物体に前記エネルギビームを照射する請求項8又は9に記載の露光装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の露光装置を用いて物体を露光することと、
前記露光された物体を現像することと;を含むデバイス製造方法。
【請求項12】
第1の自重支持部材と、前記第1の自重支持部材に自重を支持された移動体とが、連動して定盤上を2次元移動可能な状態から、前記第1の自重支持部材と、前記定盤とは別の土台上で前記移動体の自重を支持した状態で前記第1の自重支持部材とは独立して1次元又は2次元に移動可能な第2の自重支持部材と、の少なくとも一方を、前記第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔が一時的に前記移動体の寸法より小さくなるように駆動する工程と;
前記第1及び第2の自重支持部材相互間の間隔を前記移動体の寸法より小さくした状態で前記移動体を駆動して、前記第1及び第2の自重支持部材相互間で前記移動体を受け渡す工程と;を備える移動体駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−87200(P2010−87200A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254093(P2008−254093)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】