説明

窒化物半導体素子およびその製造方法

【課題】n型AlNを用いた高出力電子素子を提供すること。
【解決手段】半導体または絶縁体基板上に、アンドープAlN層、n型AlN層の順で積層された構造を有する半導体素子であって、その半導体素子が、n型AlN層上にショットキー電極およびオーミック電極を形成したショットキーダイオード、またはn型AlN層上にソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を形成した電界効果トランジスターである。半導体または絶縁体基板上に、アンドープAlN層、n型AlN層をエピタキシャル成長し、欠陥の少ないアンドープAlN層により電気伝導性が極めて優れたn型AlN層が得られるので、ショットキーバリア高さや絶縁破壊電圧を大幅に増加することができる。その結果、n型AlNを用いた高出力電子素子を作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Alを含む窒化物半導体素子とその製造方法に関し、さらに詳しくは発光波長200nm付近で発光出力が極めて高い発光素子、高出力特性が極めて優れた電子素子の構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路作製では、極微細加工技術の研究開発が進んでいる。半導体集積回路作製に用いられる露光装置としては、発光波長が短いほど空間分解能が向上するため、より短波長のものが求められている。短波長の発光源として、ArFガスを用いたエキシマレーザー(発光波長193nm)が一般に用いられる。しかし、エキシマレーザーは大型で寿命が短いうえ、動作は不安定である。そのため、同様な発光波長を持ち、小型、長寿命で安定した半導体発光デバイスが望まれている。このような半導体発光デバイスが実現すると、小型で高効率、高空間分解能を有する露光装置を作製することができるようになる。
【0003】
紫外光域での半導体レーザーの材料の候補には、ダイヤモンドや窒化ホウ素がある。しかし、ダイヤモンドや窒化ホウ素は、間接遷移型のバンド構造であり、不純物をドープしていないダイヤモンドや窒化ホウ素の発光効率は極めて低い。さらに、ダイヤモンドや窒化ホウ素は、n型伝導性制御が非常に困難であり、そのため半導体レーザー材料には適さない。
【0004】
それに対して、窒化アルミニウム(AlN)は、直接遷移型のバンド構造であり、バンドギャップエネルギーが6.2eV(発光波長200nm)を有する材料である。その故、Alを含む窒化物半導体は、発光波長200nm付近で発光が可能な発光ダイオードや半導体レーザー材料として適している。一方、AlNは大きな降伏電界強度、高い熱伝導率も備えていることから、高出力電子デバイス材料としても適している。
【0005】
しかしながら、Alを含む窒化物半導体のn型およびp型伝導性制御はAl組成の増加とともに困難になる。例えば、Al1-XGaNにおいて、Ga組成Xが0.4以下となり、Al組成が0.6を超えるようになると、高抵抗化し、電気伝導性の優れたn型およびp型伝導性を得ることは非常に困難となる。このため、Al組成が0.6を超えると、n型およびp型Al1-XGaNを半導体デバイスに用いることができず、260nm以下の紫外光を発光する半導体発光素子や、AlNを電子伝導層とした高出力電子素子を作製することは極めて困難となっていた。以下に、紫外光域で発光する従来の半導体発光素子の報告例について述べる。
【0006】
Al1-XGaNを用いた紫外発光ダイオードに関し、非特許文献1に記載されている報告例について述べる。この報告例では、図1に示す発光ダイオードを有機金属気相成長(MOCVD)法により作製している。サファイア(Al)基板1上に、まず、III 族原料とV族原料を交互に供給することで、AlNバッファ層2(膜厚0.3μm)、AlN/Al0.85Ga0.15N超格子層3、n型Al0.58Ga0.42N層4を順次成長させ、これらの上にIII 族原料とV族原料を同時に供給することで、Al0.47Ga0.53N/Al0.44Ga0.56N多重量子井戸層5(3周期)、p型Al0.58Ga0.42N層6(膜厚20nm)、p型GaN層7を成長させている。n型電極8はn型Al0.58Ga0.42N層4上に、p型電極9はp型GaN層7上に形成している。このようにして作製された発光ダイオード(100μm×100μmサイズ)は、直流20mA駆動の条件下において、発光波長が269nmである。しかし、その発光ダイオードの出力は0.25mW、外部量子効率は0.32%と低く、実用に不向きであるということが分かる。また、発光層にAlGaNを用いた場合には、発光波長が短くなるにしたがい、発光強度は低下している。さらに、この構成では、発光層であるAl0.47Ga0.53N/Al0.44Ga0.56N多重量子井戸層にキャリアを注入するn型およびp型Al0.58Ga0.42N層のバンドギャップは約4.8eVであるため、発光波長260nm以下の光は吸収されてしまう。つまり、この従来構造では、エキシマレーザーに代わる200nm付近で発光する半導体発光素子を作製することができない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】V.Adivarahan et.al. 滴igh-efficiency 269nm emission deep ultraviolet light-emitting diodes Applied Physics.Letters vol.84, No.23, pp.4762-4764(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的は、n型AlNを用いた高出力電子素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の半導体素子は、半導体または絶縁体基板上に、アンドープAlN層、n型AlN層の順で積層された構造を有することを特徴とする半導体素子であって、前記半導体素子が、前記n型AlN層上にショットキー電極およびオーミック電極を形成したショットキーダイオード、または前記n型AlN層上にソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を形成した電界効果トランジスターであることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のショットキーダイオードの製造方法は、半導体または絶縁体基板上にアンドープAlN層、n型AlN層をエピタキシャル成長させる第1の工程と、前記n型AlN層上にn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層をエピタキシャル成長させる第2の工程と、前記n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層上にオーミック電極を形成する第3の工程と、エッチングにより前記n型AlN層の一部を露出させ、露出した該n型AlN層上にショットキー電極を形成する第4の工程とを有することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の電界効果トランジスターの製造方法は、半導体または絶縁体基板上にアンドープAlN層、n型AlN層をエピタキシャル成長させる第1の工程と、前記n型AlN層上にn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層をエピタキシャル成長させる第2の工程と、前記n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層上にソース電極とドレイン電極を形成する第3の工程と、エッチングにより前記n型AlN層の一部を露出させ、露出した該n型AlN層上にゲート電極を形成する第4の工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、半導体または絶縁体基板上に、アンドープAlN層、n型AlN層をエピタキシャル成長し、欠陥の少ないアンドープAlN層により電気伝導性が極めて優れたn型AlN層が得られるので、ショットキーバリア高さや絶縁破壊電圧を大幅に増加することができる。このため、n型AlNを用いた高出力電子素子を作製することができる。
【0013】
さらに詳細には、本発明によるショットキーダイオードは、ショットキーバリア高さが4eVと高い値を示した。従来の半導体のショットキーバリア高さは約1eVであり、本発明で得られたショットキーバリア高さは、従来の半導体では得られたことのない大きなショットキーバリア高さである。このため、本発明に係るショットキーダイオードは、リーク電流が極めて低く、高い電圧を印加することが可能となる。実際に、駆動電圧±5Vにおける整流比は1010と非常に大きく、良好な整流性を示した。
【0014】
また、本発明による電界効果トランジスターは、絶縁破壊電圧が1000V以上と非常に高い値を示した。例えば、高出力用のGaNを用いた従来の電界効果トランジスターの絶縁破壊電圧は500V以下である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の発光ダイオードの構造を示す模式図である。
【図2】本発明の参考例1による発光ダイオードの構造を示す模式図である。
【図3】本発明の参考例1による発光ダイオードの作製手順を示す工程図である。
【図4】本発明の参考例1による発光ダイオードの発光スペクトルを示す特性図である。
【図5】アンドープAlN層の膜厚に対する発光出力の変化を示す特性図である。
【図6】アンドープAlN層の不純物濃度に対する発光出力の変化を示す特性図である。
【図7】n型AlNの膜厚に対する発光出力の変化を示す特性図である。
【図8】本発明の参考例2による発光ダイオードの構造を示す模式図である。
【図9】発光層の組成と発光スペクトルの関係を示す特性図である。
【図10】発光層に不純物をドープした場合の発光スペクトルを示す特性図である。
【図11】本発明の参考例3による発光ダイオードの構造を示す模式図である。
【図12】本発明の参考例4による発光ダイオードの構造を示す模式図である。
【図13】本発明の参考例5による発光ダイオードの構造を示す模式図である。
【図14】本発明の参考例6による発光ダイオードの構造を示す模式図である。
【図15】コンタクト層の膜厚とn型電極の接触抵抗の関係を示す特性図である。
【図16】コンタクト層の膜厚とp型電極の接触抵抗の関係を示す特性図である。
【図17】本発明の参考例7による半導体レーザーの構造を示す模式図である。
【図18】本発明の実施例1によるショットキーダイオードの構造を示す模式図である。
【図19】本発明の実施例2による電界効果トランジスターの構造を示す模式図である。
【図20】本発明の参考例8によるn型ドーパント濃度と抵抗率の関係を示す特性図である。
【図21】本発明の参考例9によるp型ドーパント濃度と抵抗率の関係を示す特性図である。
【図22】本発明の参考例10による紫外光発生装置の構成を示す模式図である。
【図23】本発明の参考例11によるレーザー発振装置の構成を示す模式図である。
【図24】本発明の参考例12による露光装置の構成を示す模式図である。
【図25】本発明の参考例13による可視光発生装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施例および参考例を詳述する。本発明に係る半導体素子の実施形態として、実施例を用いて説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0017】
[参考例1]
図2に本発明の参考例1に係わる、AlNのpn接合を形成した発光ダイオードの構造を示す。
【0018】
構造
図2に示すように、本参考例の発光ダイオードは、半導体または絶縁体基板21上に、アンドープAlN層22、n型AlN層23、p型AlN層24が順次積層されて、AlNのpn接合を形成している。p型AlN層24上にp型電極25が、またn型AlN層23上にn型電極26がそれぞれ形成されている。
【0019】
作製手順
図3に上記発光ダイオードの製造工程を示す。本参考例でのAlNのpn接合は、有機金属気相成長法(MOCVD法)により作製した。Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)を、N原料としてアンモニア(NH)を、シリコン(Si)ドーパント原料としてシラン(SiH)、Mgドーパント原料としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いた。成長温度は1200℃である。
【0020】
図3に示すように、まず、MOCVD法により、
(A)AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1μm、不純物濃度1×1017cm−3)、
(B)Siドープn型AlN層23(膜厚0.5μm、Si濃度5×1018cm−3)、
(C)Mgドープp型AlN層24(膜厚0.5μm、Mg濃度3×1019cm−3)をその順序で順次にエピタキシャル成長させた。
【0021】
その後、
(D)Mgドープp型AlN層24上にPd/Au電極(p型電極)25を形成し、
(E)エッチングによりSiドープn型AlN層23の一部を露出させ、
(F)露出したSiドープn型AlN層23上にTi/Al/Ti/Au電極(n型電極)26を形成した。
【0022】
図4に本発明の上記の製造方法で作られた発光ダイオードの発光スペクトルと、従来の発光ダイオードの発光スペクトルとを示す。本発明による発光ダイオードでは、p型電極25に正の電圧を、n型電極26に負の電圧を印加した結果、直流20mA駆動の条件下において、発光波長は200nm、出力は30mWが得られた。これに対し、従来の発光ダイオードでは、発光波長は269nmまでしか短波長化できておらず、発光出力も0.25mWと非常に低い。このように、本発明を適用することにより、従来技術による発光ダイオードよりも発光出力が略100倍以上高く、200nm付近で極めて高い発光強度で発光する発光ダイオードを実現することができる。
【0023】
p型AlN層/n型AlN層の積層の順
図2に示す構造例では、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、n型AlN層23、p型AlN層24の順で積層したが、これに代えて、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、p型AlN層24、n型AlN層23の順で積層した場合には、発光出力は数十%減少したが、その他の点では同様な特性を示した。
【0024】
アンドープAlN層の膜厚
アンドープAlN層22の膜厚が、発光ダイオードの発光出力に及ぼす影響を調べた。図5に発光出力のアンドープAlN層22の膜厚依存性を示す。アンドープAlN層22の膜厚が0.1μm以下においては、発光出力は0.25mW以下と非常に低かった。その膜厚が0.4μm以上において、10mW以上の高い発光出力が得られた。その膜厚が1.0μmにおいて、発光出力30mWが得られた。この30mWの発光出力は200nm付近で発光する発光ダイオードでは最高値である。一方、その膜厚が1.0μm以上においては、発光出力はほぼ一定である。従って、10mW以上の高い発光出力を得るためには、アンドープAlN層22の膜厚を0.4μm以上にする必要がある。なお、1mW以上の発光出力は、アンドープAlN層22の膜厚が0.2μm以上で得られる。
【0025】
アンドープAlN層22の膜厚を0.4μm以上にする必要がある理由は、アンドープAlN層22の膜厚が0.4μm以上に限定された範囲においてのみ、欠陥が非常に少ないアンドープAlN層22、極めて電気的特性の優れたn型AlN層23、p型AlN層24が得られるので、AlNのpn接合から高い発光出力が得られるからである。なお、アンドープAlN層22を成長する温度を1100℃以下とした場合には、アンドープAlN層22に欠陥が多く導入されるために、発光出力は半分程度に低下する。
【0026】
アンドープAlN層の不純物濃度
アンドープAlN層22内の不純物濃度が、発光ダイオードの発光出力に及ぼす影響を調べた。図6に発光出力のアンドープAlN層22の不純物濃度を示す。不純物濃度はAlN中に含まれるSi,Ge,O,Sn,Mg,Be,Zn,Cの合計の濃度として計算した。10mW以上の非常に高い発光出力は不純物濃度が5×1017cm−3以下において得られた。また、1mW以上の発光出力は不純物濃度が3×1018cm−3以下において得られた。このように、高い発光出力を得るには、アンドープAlN層22内の不純物濃度を極めて低くする必要がある。この理由は、不純物濃度の増加とともに、アンドープAlN層22の欠陥が増加するために、その上に成長したn型AlN層23とp型AlN層24の電気伝導性が劣化するためである。
【0027】
n型AlN層の膜厚
n型AlN層23の膜厚が、発光ダイオードの発光出力に及ぼす影響を調べた。図7に発光出力のn型AlN層23の膜厚依存性を示す。アンドープAlN層22の膜厚は1μm、Siドープn型AlN層23のSi濃度は5×1018cm−3、Mgドープp型AlN24の膜厚は0.5μmで、そのMg濃度は3×1019cm−3とした。n型AlN層23の膜厚が0.1μm以下においては、発光出力は0.5mW以下と非常に低い。n型AlN層23の膜厚が0.4μm以上において、10mW以上の高い発光出力が得られる。なお、実用に必要な1mW以上の発光出力は、膜厚が0.2μm以上において得られる。
【0028】
基板の材質
本参考例1では、基板21にAlNを用いたが、Al、SiC、BN、あるいはダイヤモンド基板に用いた場合に、発光出力はAlN基板の場合の30mWに対して、それぞれ、18mW,15mW,10mW,5mWとなるが、それ以外は同様な特性を示す。
【0029】
[参考例2]
図8に、本発明の参考例2に係る、Al1-X-YGaInN発光層のDH構造を有する発光ダイオードを示す。
【0030】
構造
図8に示すように、本参考例の発光ダイオードは、n型AlN層23とp型AlN層24の間にAl1-X-Y-ZGaInN発光層81を挿入した構造を有する。その他の部分の構造は、図2の参考例1と同様である。
【0031】
作製手順
本参考例の発光ダイオードの作製は、図3の参考例1の製造手順に準じて行なわれる。すなわち、図3の(B)のn型AlN成長工程と(C)のp型AlN成長工程の間に、n型AlN層23上にAl1-X-Y-ZGaInN発光層81をエピタキシャル成長させる発光層成長工程が挿入される。そして、図3の(E)のエッチング工程では、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81の一部分を貫いてエッチングし、n型AlN層23の一部を露出される。その他の手順は同様である。
【0032】
次に、全体の製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型AlN層23(膜厚0.5μm、Si濃度5×1018cm−3)、アンドープAl1-X-Y-ZGaInN発光層81(膜厚3nm、X=0.01、Y=0.05、Z=0.01、不純物濃度1×1017cm−3)、Mgドープp型AlN層24(膜厚0.5μm、Mg濃度3×1019cm−3)をその順に順次エピタキシャル成長した。
【0033】
その後、Mgドープp型AlN層24上にPd/Au電極(p型電極)25を形成した後、エッチングによりSiドープn型AlN層23の一部を露出させる。露出したSiドープn型AlN層23上にTi/Al/Ti/Au電極(n型電極)26を形成した。
【0034】
p型電極25に正の電圧を、n型電極26に負の電圧を印加した結果、直流20mA駆動の条件下において、発光波長は220nmであり、出力は40mWであった。
【0035】
さらに、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81のAl,B,Ga,lnのX,Y,Zの組成を、後述のように0≦X≦0.2,0≦Y≦0.4,0≦Z≦0.2の範囲内で連続的に変化させることで、発光波長を200nmから260nmまで連続的に変化することができる。
【0036】
p型AlN層/n型AlN層の積層の順
図8に示す構造例では、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、n型AlN層23、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81、p型AlN層24の順で積層したが、これに代えて、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、p型AlN層24、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81、n型AlN層23の順で積層した場合には、発光出力は数十%減少したが、その他の点では同様な特性を示した。
【0037】
AlN発光層
図8に示す構造例では、発光層にAl1-X-Y-ZGaInN発光層81を選んだが、発光層として他の組成のAlN発光層を用いた場合にも、発光波長を200nmに短波長化することができる。
【0038】
AlN発光層、Al1-X-Y-ZGaInN発光層の膜厚と組成
n型AlN層23とp型AlN層24の間に、AlN発光層またはAl1-X-Y-ZGaInN発光層81を挿入した構造を含む発光ダイオードにおいて、それら発光層の膜厚が発光出力に及ぼす影響を調べた。図9に発光出力のAlN発光層またはAl1-X-Y-ZGaInN発光層の膜厚依存性を示す。
【0039】
図9に示すように、AlN発光層の場合、その膜厚が0.1μm以下において、1mW以上の高い発光出力が得られる。また、Al1-X-Y-ZGaInN発光層(X=0.01、Y=0.05、Z=0.01)の場合も同様に、その膜厚が0.1μm以下において、1mW以上の高い発光出力が得られる。これは、n型AlN層23から供給される電子とp型AlN層24から供給される正孔が効率よく発光再結合させるために、発光層の膜厚を0.1μm以下とする必要があるためである。
【0040】
ただし、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81の場合には、組成がX=0.21、Y=0.41、Z=0.21を超えると、発光強度は1mW以下に低下する。これは、n型AlN層23とAl1-X-Y-ZGaInN発光層81の界面で発光出力低下の原因となる欠陥が発生するからである。そこで、この欠陥発生を抑制するために、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81の組成を0≦X≦0.2、0≦Y≦0.4、0≦Z≦0.2の範囲とする必要がある。
【0041】
発光層にドーピング
前述のように、本参考例では、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81の不純物濃度は1×1017cm−3とした。Al1-X-Y-ZGaInN発光層81の不純物濃度と発光特性の関係について調べた結果を図10に示す。
【0042】
図10中の特性曲線
(A)で示すように、不純物濃度が5×1017cm−3であるAl1-X-Y-ZGaInN発光層(X=0.01、Y=0.05、Z=0.01)の場合には、発光波長は220nmである。また、図10中の特性曲線
(B)で示すように、Al1-X-Y-ZGaInN発光層にSiを5×1018cm−3ドープした場合には、発光強度は2分の1以下に低下する。さらに、図10中の特性曲線
(C)で示すように、Al1-X-Y-ZGaInN発光層に、Siを5×1019cm−3ドープした場合には、発光強度は10分の1以下に低下する。また、図10中の特性曲線(D)で示すように、Al1-X-Y-ZGaInN発光層にSiとMgをその合計の濃度が5×1018cm−3となるように同時にドープした場合には、発光波長は240nmに長波長化し、発光強度は2分の1以下に低下する。また、図10中の特性曲線
(E)で示すように、さらに、そのSiとMgの合計の濃度が5×1019cm−3となるようにドープした場合には、発光強度は10分の1以下に低下する。
【0043】
また、AlN発光層の場合も、Al1-X-Y-ZGaInN発光層と発光波長が異なるだけで、上記と同様の特性が得られた。
【0044】
[参考例3]
図11に本発明の参考例3に係る、n型AlN層とp型AlN層の間にダイヤモンド発光層を挿入した構造を含む発光ダイオードの構造を示す。
【0045】
構造
本参考例の発光ダイオードは、図11に示すように、図2の基本構造の発光ダイオードのn型AlN層23とp型AlN層24の間にダイヤモンド発光層111を挿入した構造となっている。
【0046】
作製手順
従って、図3の作製手順に準じて本参考例の発光ダイオードを作製することができる。すなわち、図3の(B)のn型AlN成長工程と(C)のp型AlN成長工程の間に、n型AlN層23上にダイヤモンド発光層111をエピタキシャル成長させる発光層成長工程が挿入される。そして、図3の(E)のエッチング工程では、ダイヤモンド発光層111の一部分を貫いてエッチングし、n型AlN層23の一部を露出される。その他の手順は同様である。
【0047】
次に、全体の製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型AlN層23(膜厚0.5μm、Si濃度3×1018cm−3)、ダイヤモンド発光層111(膜厚0.05μm)、Mgドープp型AlN層24(膜厚0.5μm、Mg濃度3×1019cm−3)をこの順序で順次エピタキシャル成長した。その後、Mgドープp型AlN層42上にPd/Au電極(p型電極)25を形成した後、エッチングによりSiドープn型AlN層23の一部を露出させる。露出したSiドープn型AlN層23上にTi/Al/Ti/Au電極(n型電極)26を形成した。
【0048】
p型電極25に正の電圧を、n型電極26に負の電圧を印加した結果、直流20mA駆動の条件下において、発光波長は235nmであり、発光出力は1.5mWであった。
【0049】
p型AlN層/n型AlN層の積層の順
図11に示す構成では、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、n型AlN層23、ダイヤモンド発光層111、p型AlN層24の順で積層したが、これに代えて、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、p型AlN層24、ダイヤモンド発光層111、n型AlN層23の順で積層した場合には、発光出力は数十%減少したが、その他の点では同様な特性を示した。
【0050】
ダイヤモンド発光層の膜厚と方位
n型AlN層23とp型AlN層24の間にダイヤモンド発光層111を挿入した構造を含む発光ダイオードにおいては、ダイヤモンドとAlNの格子定数差に起因したクラックの発生を抑制するために、ダイヤモンド発光層111の膜厚を0.05μm以下とする必要がある。また、1mW以上の高い発光出力を得るには、ダイヤモンド発光層111の結晶構造がダイヤモンド構造であり、n型AlN層23の結晶構造がウルツ鉱構造であり、ダイヤモンド発光層111の(111)結晶面方位とn型AlN層23の(0001)結晶面方位が一致する必要がある。
【0051】
[参考例4]
図12に、本発明の参考例4に係る、Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層を挿入した構成の発光ダイオードの構造を示す。
【0052】
構造
本参考例の発光ダイオードは、図12に示すように、図2の基本構造の発光ダイオードのn型AlN層23とp型AlN層24の間に、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81、p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122を挿入した積層構造となっている。また、この発光ダイオードは、図8の発光ダイオードのn型AlN層23とAl1-X-Y-ZGaInN発光層81の間に、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121を挿入し、かつAl1-X-Y-ZGaInN発光層81とp型AlN層24の間に、p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122を挿入したものとみなすこともできる。
【0053】
作製手順
従って、図3の作製手順に準じて本参考例の発光ダイオードを作製することができる。すなわち、図3の(B)のn型AlN成長工程と(C)のp型AlN成長工程の間に、n型AlN層23上に、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81、p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122を順次エピタキシャル成長させるクラッドおよび発光層成長工程が挿入される。そして、図3の(E)のエッチング工程では、クラッド層と発光層の一部分を貫いてエッチングし、n型AlN層23の一部を露出される。その他の手順はほぼ同様である。
【0054】
次に、全体の製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型AlN層23(膜厚0.5μm、Si濃度5×1018cm−3)、Siドープn型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121(膜厚0.1μm、X=0.01、Y=0.05、Z=0.01、Si濃度5×1018cm−3)、アンドープAl1-X-Y-ZGaInN発光層81(膜厚3nm、X=0.01、Y=0.1、Z=0.01)、Mgドープp型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122(膜厚0.1μm、X=0.01、Y=0.05、Z=0.01、Mg濃度3×1019cm−3)、Mgドープp型AlN層24(膜厚0.5μm、Mg濃度3×1019cm−3)をこの順序で順次エピタキシャル成長した。その後、Mgドープp型AlN層24上にPd/Au電極(p型電極)25を形成した後、エッチングにより、Siドープn型AlN層23の一部を露出させる。露出したSiドープn型AlN層23上にTi/Al/Ti/Au電極(n型電極)26を形成した。
【0055】
p型電極25に正の電圧を、n型電極26に負の電圧を印加した結果、直流20mA駆動の条件下において、発光波長は220nmであり、出力は40mWであった。
【0056】
p型AlN層/n型AlN層の積層の順
図12の構成では、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、n型AlN層23、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81、p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122、p型AlN層24の順で積層したが、本発明はこれに限らず、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、p型AlN層24、p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121、n型AlN層23の順で積層した場合にも、発光出力は数十%減少するものの同様な特性を示す。
【0057】
AlN発光層
図12に示す構成では、発光層にAl1-X-Y-ZGaInN発光層81を選んだが、AlN発光層を用いた場合には、発光波長を200nmに短波長化することができる。それ以外は同様な特性を示す。
【0058】
クラッド膜厚、組成
n型AlN層23とp型AlN層24の間に、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81、p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122を挿入した構造を含む発光ダイオードにおいては、Al1-X-Y-ZGaInN発光層81内に発光出力低下の原因となる欠陥発生を抑制させるために、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121とp型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層122の膜厚を1μm以下に、組成が0≦X≦0.2、0≦Y≦0.4、0≦Z≦0.2の範囲となるようにする必要がある。
【0059】
[参考例5]
図13に、本発明の参考例5に係る、Al1-X-Y-ZGaInN中間層を挿入した構成の発光ダイオードの構造を示す。
【0060】
構造
本参考例の発光ダイオードは、図13に示すように、図2の基本構造の発光ダイオードのアンドープAlN層22とn型AlN層23との間に、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131を挿入した積層構造をしており、このn型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131の一部を露出した上にn型電極26を形成している。
【0061】
作製手順
従って、図3の作製手順に準じて本参考例の発光ダイオードを作製することができる。すなわち、図3の(A)のアンドープAlN成長工程と(B)のn型AlN成長工程の間に、アンドープAlN層22上に、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131をエピタキシャル成長させる中間層成長工程が挿入される。そして、図3の(E)のエッチング工程では、p型AlN層24とn型AlN層23の一部分を貫いてエッチングし、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131の一部を露出される。その後、図3の(F)のn型電極形成ではn型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131の露出した部分の上にn型電極26を形成する。その他の手順はほぼ同様である。
【0062】
次に、全体の製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131(膜厚0.5μm、X=0.01、Y=0.1、Z=0.01、Si濃度が5×1018cm−3)、Siドープn型AlN層23(膜厚1.5μm、Si濃度5×1018cm−3)、Mgドープp型AlN層24(膜厚1.5μm、Mg濃度3×1019cm−3)をエピタキシャル成長した。その後、Mgドープp型AlN層4上にPd/Au電極(p型電極)25を形成した後、エッチングによりSiドープn型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131の一部を露出させる。露出したSiドープn型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131上にTi/Al/Ti/Au電極(n型電極)26を形成した。
【0063】
p型電極25に正の電圧を、n型電極26に負の電圧を印加した結果、直流20mA駆動の条件下において、発光波長は200nmであり、出力は45mWであった。
【0064】
p型AlN層/n型AlN層の積層のじゅん
図13の構成では、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131、n型AlN層23、p型AlN層24の順で積層したが、これに代えて、AlN基板21上に、アンドープAlN層22、p型Al1-X-Y-ZGaInN中間層(図示しない)、p型AlN層24、n型AlN層23の順で積層した場合には、発光出力は数十%減少したが、その他の点では同様な特性を示した。
【0065】
n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層
アンドープAlN22とn型AlN23の間に、n型Al1-X-Y-ZGaIn
N中間層131を挿入した場合には、これを挿入しない場合と比較して、発光出力は1.5倍増加する。ただし、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131を挿入した
構造を含むことを特徴とする発光ダイオードにおいては、発光出力低下の原因となる欠陥
発生を抑制するために、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131の膜厚が0
.1μm以上で、かつその組成が0≦X≦0.2、0≦Y≦0.4、0≦Z≦0.2の範
囲とする必要がある。
【0066】
p型Al1-X-Y-ZGaInN中間層
p型AlNとアンドープAlNの間に、p型Al1-X-Y-ZGaInN中間層(図示しない)を挿入した場合、これを挿入しない場合と比較して、発光出力は1.2倍増加する。ただし、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層を挿入した構造を含むことを特徴とする発光ダイオードにおいては、発光出力低下の原因となる欠陥発生を抑制するために、p型Al1-X-Y-ZGaInN中間層の膜厚が0.1μm以上で、かつその組成が0≦X≦0.2、0≦Y≦0.4、0≦Z≦0.2の範囲とする必要がある。
【0067】
[参考例6]
図14に、本発明の参考例6に係る、Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層を挿入した構成の発光ダイオードの構造を示す。
【0068】
構造
本参考例の発光ダイオードは、図14に示すように、図2の基本構造の発光ダイオードのp型AlN層24とp型電極25との間に、p型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141を挿入し、n型AlN層23とn型電極26との間に、n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142を挿入した積層構造をしている。
【0069】
作製手順
従って、図3の作製手順に準じて本参考例の発光ダイオードを作製することができる。すなわち、図3の(C)のp型AlN成長工程と(D)のp型電極形成工程の間に、p型AlN層24上に、p型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141をエピタキシャル成長させる第1のコンタクト層成長工程が挿入される。そして、図3の(E)のエッチング工程と(F)のn型電極形成工程の間に、n型AlN層23の露出部分にn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142をエピタキシャル成長させる第2のコンタクト層成長工程が挿入される。その他の手順はほぼ同様である。
【0070】
次に、全体の製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型AlN層23(膜厚0.5μm、Si濃度5×1018cm−3)、Mgドープp型AlN層24(膜厚0.5μm、Mg濃度3×1019cm−3)、Mgドープp型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141(膜厚3nm、組成がX=0.01、Y=0.2、Z=0.01、Mg濃度3×1019cm−3)をエピタキシャル成長した。その後、Mgドープp型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141上にPd/Au電極(p型電極)25を形成し、エッチングによりSiドープn型AlN層23の一部を露出させた。露出したSiドープn型AlN層23上にSiドープn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142(膜厚3nm、組成がX=0.01、Y=0.2、Z=0.01、Mg濃度5×1018cm−3)、Ti/Al/Ti/Au電極(n型電極)26を形成した。
【0071】
p型電極25に正の電圧を、n型電極26に負の電圧を印加した結果、直流20mA駆動の条件下において、発光波長は200nmであり、出力30mWであった。このように、n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142とp型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141を用いることで、動作電圧を半分以下に低減できる。
【0072】
n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層の膜厚
Siドープn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142の膜厚とn型電極の接触抵抗の関係を調べた結果を図15に示す。図15中の特性曲線(A)で示すように、組成がX=0.01、Y=0.2、Z=0.01のSiドープn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142(Si濃度5×1018cm−3)の場合には、膜厚が1nmから50nmの範囲で、接触抵抗を10分の1以下に大幅に低減できる。つまり、n型AlN層23とn型電極26との間にn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142を挿入することで、n型電極26の接触抵抗が大きく低減され、発光ダイオードの動作電圧が低減される。
【0073】
ただし、図15中の特性曲線(B)で示すように、組成がX>0.2、Y>0.4、Z>0.2のSiドープn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層(Si濃度5×1018cm−3)の場合には、接触抵抗はほとんど変化しなかった。従って、接触抵抗を10分の1以下に低減するには、n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142の膜厚が1nmから50nmの範囲、その組成が0≦X≦0.2、0≦Y≦0.4、0≦Z≦0.2の範囲である必要がある。
【0074】
p型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層の膜厚
次に、Mgドープp型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141の膜厚とp型電極25の接触抵抗の関係を調べた結果を図16に示す。図16中の特性曲線(A)で示すように、組成がX=0.01、Y=0.2、Z=0.01のMgドープp型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141(Mg濃度3×1019cm−3)の場合には、膜厚が1nmから50nmの範囲で、接触抵抗を10分の1以下に大幅に低減できる。つまり、p型AlN層24とp型電極25の間にp型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141を挿入することで、p型電極の接触抵抗が大きく低減され、発光ダイオードの動作電圧が低減される。
【0075】
ただし、図16中の特性曲線(B)で示すように、組成がX>0.2、Y>0.4、Z>0.2のSiドープp型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層(Mg濃度3×1019cm−3)の場合には、接触抵抗はほとんど変化しなかった。従って、接触抵抗を10分の1以下に低減するには、p型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141の膜厚が1nmから50nmの範囲、その組成が0≦X≦0.2、0≦Y≦0.4、0≦Z≦0.2の範囲である必要がある。
【0076】
[参考例7]
図17に、本発明の参考例7に係る、半導体レーザーの構造を示す。
【0077】
構造
本参考例の半導体レーザーは、図17に示すように、図8の構造をベースにして、図12のクラッド層の構造、図13の中間層の構造、図14のコンタクト層の構造を適宜組み合わせた構造となっている。
【0078】
作製手順
次に、図17を参照して本参考例の半導体レーザーの製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1.0μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型Al1-X-YGaInN中間層131(膜厚0.8μm、X=0.1、Y=0.01)、Siドープn型AlN層23(膜厚0.5μm、Si濃度5×1018cm−3)、Siドープn型Al1-XGaNクラッド層121(膜厚0.1μm、X=0.05、Si濃度5×1018cm−3)、Al1-X-YInGa発光層81(膜厚2nm、X=0.1、Y=0.02)、Mgドープp型Al1-XGaNクラッド層122(膜厚0.1μm、X=0.05、Mg濃度3×1019cm−3)、Mgドープp型AlN層24(膜厚0.5μm、Mg濃度3×1019cm−3)、Mgドープp型Al1-X-YGaInNコンタクト層141(膜厚3
nm、X=0.2、Y=0.01、Mg濃度3×1019cm−3)を順次エピタキシャル成長した。その後、Mgドープp型Al1-X-YGaInNコンタクト層141上にPd/Au電極(p型電極)25を形成した後、エッチングによりSiドープn型Al1-X-YGaInN中間層131の一部を露出させる。露出したSiドープn型Al1-X-YGaInN中間層131上にTi/Al/Ti/Au電極(n型電極)26を形成した。
【0079】
p型電極25に正の電圧を、n型電極26に負の電圧を印加した結果、直流100mA駆動の条件下において、発光波長は210nmであり、出力100mWであった。
【実施例1】
【0080】
次に、本発明の実施例1を説明する。図18に本発明の実施例1に係る、Siドープn型AlNを用いて作製したショットキーダイオードの構造を示す。
【0081】
構造
本実施例のショットキーダイオードは、図18に示すように、半導体または絶縁体基板21上に、アンドープAlN層22、n型AlN層23の順で積層された構造を有し、n型AlN層23上の一部にn型Al1-XGaNコンタクト層181を介してオーミック電極182が形成され、n型AlN層23上の露出した部分にショットキー電極183が直接形成されている。
【0082】
作製手順
次に、図18を参照して本実施例のショットキーダイオードの製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜厚1.0μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型AlN層23(膜厚1.0μm、Si濃度1×1018cm−3)、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181(膜厚3nm、X=0.2、Si濃度1×1018cm−3)をエピタキシャル成長した。その後、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181の一部をエッチングにより除去し、Siドープn型AlN層23の一部を露出させる。残ったSiドープn型Al1-XGaNコンタクト層181上にオーミック電極182(Ti/Al/Ti/Au)を形成し、露出したSiドープn型AlN層82上にショットキー電極183(Pd/Au)を形成した。
【0083】
このショットキーダイオードは、ショットキーバリア高さが4eVと高い値を示した。従来の半導体のショットキーバリア高さは約1eVであり、本発明で得られたショットキーバリア高さは、従来の半導体では得られたことのない大きなショットキーバリア高さである。このため、本発明に係るショットキーダイオードは、リーク電流が極めて低く、高い電圧を印加することが可能となる。実際に、駆動電圧±5Vにおける整流比は1010と非常に大きく、良好な整流性を示した。
【0084】
コンタクト層
図18の構成では、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181上にオーミック電極182を形成したが、これに代えて、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181をエピタキシャル成長せずに、Siドープn型AlN層23上に直接にオーミック電極182とショットキー電極183を形成した場合には、整流比は10と低下したが、それ以外の点では同様な特性を示した。
【0085】
また、図18の構成では、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181の一部をエッチングにより除去して、露出させたSiドープn型AlN層23上にショットキー電極183を形成したが、これに代えて、そのエッチングを行わずに、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181上に直接ショットキー電極を形成した場合には、ショットキーバリア高さは3.5eVと低下したが、それ以外の点では同様な特性を示した。
【0086】
電極の形成位置
図18の構成では、露出したSiドープn型AlN層23上にショットキー電極183を形成し、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181上にオーミック電極182を形成したが、これに代えて、n型SiC半導体基板21上にSiドープn型AlN層23(膜厚1.0μm、Si濃度1×1018cm−3)をエピタキシャル成長し、そのSiドープn型AlN層23上にショットキー電極183(Pd/Au)を形成し、n型SiC半導体基板21に直接にオーミック電極182(Ni/Au)を形成した場合には、整流比は10と低下したが、それ以外の点では同様な特性を示した。
【実施例2】
【0087】
図19に、本発明の実施例2に係る、Siドープn型AlNを用いて作製した電界効果トランジスターの構造を示す。
【0088】
構造
本実施例の電界効果トランジスターは、図19に示すように、半導体または絶縁体基板21上に、アンドープAlN層22、n型AlN層23の順で積層された構造を有し、n型AlN層23上の一部にn型Al1-XGaNコンタクト層181を介してソース電極191とドレイン電極192が形成され、n型AlN層23上の露出した部分にゲート電極183が直接形成されている。
【0089】
作製手順
次に、図19を参照して本実施例の電界効果トランジスターの製造手順を述べる。まず、MOCVD法により、AlN基板21上に、アンドープAlN層22(膜層1.0μm、不純物濃度1×1017cm−3)、Siドープn型AlN層23(膜厚1.0μm、Si濃度1×1018cm−3)、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181(膜厚3nm、X=0.2、Si濃度1×1018cm−3)を順次エピタキシャル成長した。その後、エッチングにより、Siドープn型AlN層23の一部を露出させる。残ったSiドープn型Al1-XGaNコンタクト層181上にソース電極191とドレイン電極192(Ti/Al/Ti/Au)を形成し、露出したSiドープn型AlN層23上にゲート電極193(Pd/Au)を形成した。
【0090】
この電界効果トランジスターは、絶縁破壊電圧が1000V以上と非常に高い値を示した。例えば、高出力用のGaNを用いた従来の電界効果トランジスターの絶縁破壊電圧は500V以下である。
【0091】
コンタクト層
図19の構成では、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181上にソース電極191とドレイン電極192を形成したが、これに代えて、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層をエピタキシャル成長せずに、Siドープn型AlN層23上直接にソース電極191、ドレイン電極192、およびゲート電極193を形成した場合には、絶縁破壊電圧は800V以上となったが、それ以外の点では同様な特性を示した。
【0092】
また、図19の構成では、Siドープn型Al1-XGaNコンタクト層181の一部をエッチングにより除去し、露出させたSiドープn型AlN層23上にゲート電極193を形成したが、これに代えて、そのエッチングを行わずにSiドープn型Al1-XGaNコンタクト層181上に直接にソース電極191とドレイン電極192とゲート電極193とを形成した場合には、絶縁破壊電圧は800V以上となったが、それ以外の点では同様な特性を示した。
【0093】
[参考例8]
本発明の参考例8として、本発明に係わる、前述のn型AlN層23、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層121、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層131、n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層142における、n型ドーパント濃度の影響を調べるため、n型AlNにおけるn型ドーパント濃度と抵抗率の関係を調べた。その結果を図20に示す。
【0094】
図20中の特性曲線(A)は、n型ドーパントとしてSiのみを用いた場合を示している。図20中の特性曲線(B)は、n型ドーパントとしてSiとGeの2つの元素を同時に用いた場合を示している。図20中の特性曲線(C)は、n型ドーパントとしてGeのみを用いた場合を示している。図20中の特性曲線(D)は、n型ドーパントとしてSiとMgを用いて、かつSi濃度をMg濃度より高くした場合を示している。特性曲線(A)〜(D)のすべての場合で、n型ドーパント濃度が3×1017cm−3から5×1019cm−3の範囲で、1Ωcm以下の低い抵抗率が得られる。
【0095】
図20中の特性曲線(A)と(C)で示すように、この参考例では、n型AlNのドーパントとしてSiもしくはGeを用いたが、OもしくはSnを用いた場合も、同様の結果が得られる。
【0096】
図20中の特性曲線(B)で示すように、この参考例では、n型AlNのドーパントにSiとGeの2つの元素を同時に用いたが、Si,Ge,O,Snの2つ以上の元素を同時に用いた場合も、同様の結果が得られる。
【0097】
図20中の特性曲線(D)で示すように、この参考例では、n型AlNのドーパントにSiとMgを用いて、かつSi濃度をMg濃度より高くしたが、n型ドーパントとしてSi,Ge,O,Sn,Mg,Be,Zn,Cの2つ以上の元素を同時に用い、Si,Ge,O,Sn濃度の総和がMg,Be,Zn,C濃度が総和より高くした場合でも、同様の結果が得られる。ただし、Si,Ge,O,Sn濃度の総和をMg,Be,Zn,C濃度の総和よりも低くした場合には、抵抗率は1000Ωcm以上に高くなる。
【0098】
この参考例では、n型AlNのn型ドーパント濃度と抵抗率の関係を示したが、n型AlNの代わりにn型Al1-X-Y-ZGaInNの場合には、その抵抗率はさらに低下する。それ以外の点では同様な特性を示す。
【0099】
以上の結果、抵抗率が低く、電気伝導性が優れたn型AlN層、n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層、n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層、n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層を得るには、n型ドーパント濃度を3×1017cm−3から5×1019cm−3の範囲にする必要である。
【0100】
[参考例9]
本発明の参考例9として、本発明に係わる、前述のp型AlN層24、p型Al1-X
-Y-ZGaInNクラッド層122、p型Al1-X-Y-ZGaInN中間層(図示しない)、p型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層141における、p型ドーパント濃度の影響を調べるため、p型AlNにおけるp型ドーパント濃度と抵抗率の関係を調べた。その結果を図21に示す。図21中の特性曲線(A)は、p型ドーパントとしてMgのみを用いた場合を示している。図21中の特性曲線(B)は、p型ドーパントとしてMgとBeの2つの元素を同時に用いた場合を示している。図21中の特性曲線(C)は、p型ドーパントとしてBeのみを用いた場合を示している。図21中の特性曲線(D)は、p型ドーパントとしてMgとSiを用いて、かつMg濃度をSi濃度より高くした場合を示している。図21中の特性曲線(A)〜(D)のすべての場合で、p型ドーパント濃度が1×1018cm−3から5×1020cm−3の範囲で、5Ωcm以下の低い抵抗率が得られる。
【0101】
図21中の特性曲線(A)と(C)で示すように、この参考例では、p型AlNのドーパントとしてMgもしくはBeを用いたが、ZnもしくはCを用いた場合も、同様の結果が得られる。
【0102】
図21中の特性曲線(B)で示すように、この参考例では、p型AlNのドーパントにSiとGeの2つの元素を同時に用いたが、Mg,Be,Zn,Cの2つ以上の元素を同時に用いた場合も、同様の結果が得られる。
【0103】
図21中の特性曲線(D)で示すように、この参考例では、p型AlNのドーパントにSiとMgを用いて、かつSi濃度をMg濃度より高くしたが、p型ドーパントとしてSi,Ge,O,Sn,Mg,Be,Zn,Cの2つ以上の元素を同時に用い、Mg,Be,Zn,C濃度の総和がSi,Ge,O,Sn濃度が総和より高くした場合も、同様の結果が得られる。ただし、Si,Ge,O,Sn濃度の総和をMg,Be,Zn,C濃度の総和より高くした場合には、その抵抗率は1000Ωcm以上に高くなる。
【0104】
この実施の形態では、p型AlNのn型ドーパント濃度と抵抗率の関係を示したが、p型AlNの代わりにp型Al1-X-Y-ZGaInNの場合、抵抗率はさらに低下する。それ以外は同様な特性を示す。
【0105】
以上の結果、抵抗率が低く、電気伝導性が優れたp型AlN層、p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層、p型Al1-X-Y-ZGaInN中間層、p型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層を得るには、p型ドーパント濃度を1×1018cm−3から1×1020cm−3の範囲にする必要である。
【0106】
[参考例10]
図22に、本発明の参考例10として、本発明の参考例4で記載された発光ダイオードを用いて作製した紫外光発生装置の構成を示す。図22を参照して、この紫外光発生装置の作製手順を説明する。まず、本発明を適用して作製した発光ダイオード221を金属板222に取り付ける。続いて、ワイヤーボンディングにより、発光ダイオード221のp型電極223と正極ピン224間、および発光ダイオード221のn型電極225と負極ピン226間を金線227で接続する。電源装置228の正極端子2281と正極ピン224間、および電源装置228の負極端子2282と負極ピン226間をそれぞれ接続する。その後、電源装置228により電圧を印加すると、発光ダイオード221から発光波長220nmの紫外光が発生する。電流20mAにおいて、発光ダイオード221から発光出力40mWが得られる。電源装置228はその発光出力を一定に保つため、電圧を自動で制御する機能を有している。
【0107】
[参考例11]
図23に、本発明の参考例11として、本発明の参考例7で記載された半導体レーザーを用いて作製したレーザー発振装置の構成を示す。図23を参照して、このレーザー発振装置の作製手順を説明する。まず、本発明を適用して作製した半導体レーザー231をヒートシンク232に接着し、そのヒートシンク232を金属板233上に取り付ける。このヒートシンク232は半導体レーザー231で発生する熱を効率よく放熱するために必要である。続いて、ワイヤーボンディングにより、半導体レーザー231のp型電極234と正極ピン235間、および半導体レーザー231のn型電極236と負極ピン237間をそれぞれ金線238で接続する。電源装置239の正極端子2391と正極ピン235間、および電源装置239の負極端子2392と負極ピン237間を接続する。その後、電源装置239により、電圧を印加すると、半導体レーザー231から発振波長210nmの紫外レーザー光が発生する。電流100mAにおいて、半導体レーザー239から発光出力100mWが得られる。電源装置239はその発光出力を一定に保つため、電圧を自動で制御する機能を有している。
【0108】
[参考例12]
図24に、本発明の参考例12として、本発明の参考例11に記載のレーザー発振装置を用いて作製した露光装置の概略構成を示す。この露光装置は、図24に示すように、1または複数N個(Nは自然数)のレーザー発振装置230、紫外レーザー光を集光するための第1のレンズ241、回路パターンが描かれたマスク242、紫外レーザー光をウエハー245に照射するための第2のレンズ243、レジスト244が塗付されたウエハー245、およびウエハー245を移動するためのステージ246から構成されている。
【0109】
以上の構成において、レーザー発振装置230から発生された紫外レーザー光(発光波長210nm)を,第1のレンズ241,マスク242、第2のレンズ243を通してウエハー245に照射する。続いて、レジスト244の現像を行い、マスクの回路パターンがレジスト244に転写する。
【0110】
本露光装置により転写された回路パターンの解像度は、80nm以下と非常に高い。また、本露光装置は、半導体レーザーが小型であるという特徴を有するため、レーザー発振装置230をウエハー245の面積に対応して複数個並べることが可能である。この結果、本露光装置は高強度で大面積の露光が可能であり、従来のエキシマレーザーを用いた露光装置のほぼ10倍以上の早い処理速度が得られる。
【0111】
[参考例13]
図25に、本発明の参考例13として、本発明の参考例10に記載の紫外光発生装置を用いて作製した可視光発生装置の構成を示す。この可視光発生装置は、図25に示すように、紫外光発生装置220から発生する紫外光を、紫外光を可視光に変換する性質を有する蛍光体251に照射する。蛍光体251としては、蛍光灯に使用されている白色用蛍光体(Ca10(POFCl:Sb,Mn)を用いた場合は、発光波長が380nmから780nmの可視光が発生する。また、蛍光体251の種類を、(SrCaBaMg)(PO)Cl:Eu,LaPO:Ce,Tb,Y:Euに変えることで、それぞれ青色、緑色、赤色の発光が得られる。
【0112】
(他の実施形態)
なお、本発明の好適な実施形態を具体的な実施例を用いて説明したが、本発明の実施形態は上記の例示に限定されるものではなく、請求の範囲の各請求項に記載の範囲内であれば、その構成部材等の置換、変更、追加、個数の増減、形状の変更等の各種変形は、全て本発明の実施形態に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
21 基板
22 アンドープAlN層
23 n型AlN層
24 p型AlN層
25 p型電極
26 n型電極
81 Al1-X-Y-ZGaInN発光層
111 ダイヤモンド発光層
121 n型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層
122 p型Al1-X-Y-ZGaInNクラッド層
131 n型Al1-X-Y-ZGaInN中間層
141 p型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層
142 n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層
181 n型Al1-XGaInNコンタクト層
182 オーミック電極
183 ショットキー電極
191 ソース電極
192 ドレイン電極
193 ゲート電極
220 紫外光発生装置
221 発光ダイオード
228、239 電源装置
230 レーザー発振装置
231 半導体レーザー
232 ヒートシンク
242 マスク
244 レジスト
245 ウエハー
251 蛍光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体または絶縁体基板上に、アンドープAlN層、n型AlN層の順で積層された構造を有することを特徴とする半導体素子であって、
前記半導体素子が、前記n型AlN層上にショットキー電極およびオーミック電極を形成したショットキーダイオード、または前記n型AlN層上にソース電極、ゲート電極、ドレイン電極を形成した電界効果トランジスターであることを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
前記n型AlN層と前記オーミック電極との間に、または前記n型AlN層と前記ソース電極、ドレイン電極との間に、n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記n型AlN層と前記オーミック電極、前記ショットキー電極、前記ソース電極、前記ゲート電極、前記ドレイン電極の間に、n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記n型AlN層上に前記ショットキー電極または前記ゲート電極が形成され、前記半導体基板上に前記オーミック電極または前記ソース電極とゲート電極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項5】
半導体または絶縁体基板上にアンドープAlN層、n型AlN層をエピタキシャル成長させる第1の工程と、
前記n型AlN層上にn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層をエピタキシャル成長させる第2の工程と、
前記n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層上にオーミック電極を形成する第3の工程と、
エッチングにより前記n型AlN層の一部を露出させ、露出した該n型AlN層上にショットキー電極を形成する第4の工程と
を有することを特徴とするショットキーダイオードの製造方法。
【請求項6】
半導体または絶縁体基板上にアンドープAlN層、n型AlN層をエピタキシャル成長させる第1の工程と、
前記n型AlN層上にn型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層をエピタキシャル成長させる第2の工程と、
前記n型Al1-X-Y-ZGaInNコンタクト層上にソース電極とドレイン電極を形成する第3の工程と、
エッチングにより前記n型AlN層の一部を露出させ、露出した該n型AlN層上にゲート電極を形成する第4の工程と
を有することを特徴とする電界効果トランジスターの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−302576(P2009−302576A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219760(P2009−219760)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【分割の表示】特願2004−246001(P2004−246001)の分割
【原出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】