説明

経路探索装置、ナビゲーション装置、経路探索方法、ナビゲーション方法、経路探索プログラム、ナビゲーションプログラム、および記録媒体

【課題】推奨経路を逸脱する前段階で推奨経路の再探索をおこなうこと。
【解決手段】経路探索装置100は、移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を探索する。この経路探索装置100は、検出部101と、探索部102とを備える。検出部101は、推奨経路が設定されている場合に移動体の方向指示器が動作されたことを検出する。探索部102は、方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作に応じて推奨経路の再探索を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体に搭載される経路探索装置、ナビゲーション装置、経路探索方法、ナビゲーション方法、経路探索プログラム、ナビゲーションプログラム、および記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は上述の経路探索装置、ナビゲーション装置、経路探索方法、ナビゲーション方法、経路探索プログラム、ナビゲーションプログラム、および記録媒体には限らない。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの移動体には、現在位置から目的地までの経路を探索し、当該目的地までの誘導をおこなうナビゲーション装置が搭載されている。このようなナビゲーション装置にて、目的地までの推奨経路の誘導中に、車両が推奨経路から逸脱した場合、現在走行中の地点から目的地までの経路を再探索(リルート)することがおこなわれる。
【0003】
たとえば、車両が推奨経路から逸脱した場合、リルートが必要か否かの判断をおこなうために、記憶された走行履歴情報やルート逸脱後の車両の走行距離などに基づいて、リルートの必要性を判断した上で、リルートを実行するようにした技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−292411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術は、車両が推奨経路から逸脱して数十メートル走行しない限りリルートが実行されないため、逸脱した経路上では、運転者は推奨経路が提示されない状態で走行しなければならず、不安な走行を強いられるといった問題が一例として挙げられる。また、このほかにも特許文献1の技術は、ナビゲーション装置が逸脱を認識するまでの数十メートル走行するまでの間に、仮に最適な経路が存在したとしても、当該経路を既に通過してしまっていることがあるため、最適な経路を提示することができないといった問題が一例として挙げられる。
【0006】
ここで、従来の不具合の一例について、図14を用いて詳述する。図14は、従来のオートリルート機能による不具合の一例を示した説明図である。図14に示すように、駐車場などの施設1401から目的地までの経路を探索した際に、施設1401から右方向に進む推奨経路1402が引かれる場合がある。ところが、地図データとして中央分離帯1403の情報が記録されていない場合や、施設1401を出る際に右方向および左方向からの交通量が多く、左方向への走行を余儀なくされることがある。
【0007】
このような状況下で、左方向へ走行したものの、その直後に交差点1404がある場合には、従来のオートリルート機能では推奨経路の再探索が間に合わず、運転者は当該交差点1404にてどの方向に進めばよいのかわからず、不安な走行を強いられてしまうといった問題が一例としてあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる経路探索装置は、移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を探索する経路探索装置において、前記推奨経路が設定されている場合に前記移動体の方向指示器が動作されたことを検出する検出手段と、前記方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作に応じて前記推奨経路の再探索を開始する探索手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項10の発明にかかるナビゲーション装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の経路探索装置と、前記経路探索装置によって再探索された推奨経路に従って前記移動体を前記目的地まで誘導する誘導手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項16の発明にかかる経路探索方法は、移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を探索する経路探索方法において、前記推奨経路が設定されている場合に前記移動体の方向指示器が動作されたことを検出する検出工程と、前記方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作が前記設定されている推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合に前記推奨経路の再探索を開始する探索工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項17の発明にかかるナビゲーション方法は、移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を誘導するナビゲーション方法において、前記推奨経路が設定されている場合に前記移動体の方向指示器が動作されたことを検出する検出工程と、前記方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作が前記設定されている推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合に前記推奨経路の再探索を開始する探索工程と、前記再探索された推奨経路に従って前記移動体を前記目的地まで誘導する誘導工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項18の発明にかかる経路探索プログラムは、請求項16に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項19の発明にかかるナビゲーションプログラムは、請求項17に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項20の発明にかかる記録媒体は、請求項18または19に記載のプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる経路探索装置、ナビゲーション装置、経路探索方法、ナビゲーション方法、経路探索プログラム、ナビゲーションプログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態)
(経路探索装置の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかる経路探索装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。この経路探索装置100は、移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を探索する。
【0017】
図1において、経路探索装置100は、検出部101と、探索部102と、算出部103と、を備えて構成される。この経路探索装置100に、誘導部104と、表示制御部105と、表示部106と、撮影部107と、判別部108と、通知制御部109とを具備させることにより、本発明にかかるナビゲーション装置として利用することも可能である。
【0018】
検出部101は、推奨経路が設定されている場合に移動体の方向指示器が動作されたことを検出する。方向指示器の動作は、具体的には、運転者によって操作されるウィンカーの右左折を示す動作である。また、この動作には、方向指示器が操作されない直進を示す動作も含む。検出部101には、方向指示器の位置をセンシングにより検出するものや、方向指示器からの入力信号を基に検出するものなどが用いられる。
【0019】
探索部102は、方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作に応じて推奨経路の再探索を開始する。すなわち、探索部102は、方向指示器が動作した際に、その都度、推奨経路を再探索してもよいが、代表的には、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものである場合に再探索を開始する。推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向とは、たとえば、交差点などにおいて推奨経路が直進方向の場合に方向指示器が左折方向を示していたり、推奨経路が左折方向の場合に方向指示器が操作されず、つまり直進方向を示していたりする場合である。
【0020】
探索部102は、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合、推奨経路の再探索をおこなう。探索部102によって再探索される経路は、主に方向指示器の示す方向の経路である。すなわち、探索部102は、方向指示器の動作が示す方向に基づいて推奨経路を再探索する。
【0021】
なお、探索部102によって再探索される経路は、ウィンカーの示す方向とは異なる方向の経路であってもよい。具体的には、ウィンカーの示す方向とは異なる方向の経路は、たとえば、推奨経路が直進であり且つウィンカーが左折を示す場合に、渋滞情報等を加味して探索された右折方向の経路であってもよい。
【0022】
また、本実施の形態において、探索部102は、方向指示器の動作が所定時間以上、推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向である場合に、再探索を開始する。所定時間は、数秒程度である。所定時間以上としたのは、運転者の誤認によって方向指示器が操作された場合や、方向指示器の操作部に運転者の指などが触れて誤操作する場合などを除くためである。
【0023】
また、本実施の形態において、探索部102は、方向指示器の動作が検出されたときの移動体の速度が所定の速度以下の場合に、再探索を開始するようにしてもよい。所定の速度以下とは、右左折がおこなわれると想定される速度であり、たとえば、一時停止する際や徐行する際の速度である。
【0024】
また、本実施の形態において、算出部103は、任意の構成要素である。算出部103は、移動体の現在地点から推奨経路前方の分岐点または交差点までの距離を算出する。この場合、探索部102は、方向指示器の動作が検出されたときの前記現在地点における前記分岐点または交差点までの距離が所定の距離以下の場合に前記再探索を開始する。所定の距離は、右左折時に方向指示器の動作を開始させる位置であり、具体的には、たとえば、30m程度である。
【0025】
なお、直進方向の道路があり且つ推奨経路上の右左折を要する交差点までの距離が所定の距離以下の場合、探索部102による再探索の要件に、上述した所定の速度以下という要件を加味させないようにしてもよい。これは、所定の速度以下という要件を加味すると、推奨経路上の右左折を要する交差点付近にて、方向指示器が直進を示している際に、すなわち、車両が直進して推奨経路から逸脱する際に、所定の速度を超えることが想定され、このような場合には、再探索をおこなうようにするためである。
【0026】
また、本実施の形態において、探索部102は、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものである場合に、分岐点または交差点を起点として、推奨経路を再探索するようにしてもよい。この場合において、探索する経路は、方向指示器が示す方向の経路、または方向指示器が操作されていない場合には直進方向の経路である。具体例を挙げると、探索部102は、推奨経路が直進である場合には方向指示器が右左折を示した方向の推奨経路を再探索し、推奨経路が右折や左折であり、方向指示器が操作されていない場合には直進方向の推奨経路を再探索する。
【0027】
なお、探索部102は、移動体が複数車線の道路を、所定の速度を超えて走行し、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向とは異なる方向を示すものである場合に、再探索をおこなわないようにしてもよい。本構成は、進路変更により方向指示器が操作された場合に、探索部102による不要な再探索を抑止するようにしたものである。所定の速度を超えるとは、右左折がおこなわれる可能性の低い速度である。
【0028】
なお、推奨経路上の、右左折を要する交差点までの距離が所定の距離以下の場合には、このような機能を解除してもよい。これは、所定の速度を超えた場合に探索部102による再探索をおこなわないようにすると、推奨経路上の右左折を要する交差点付近にて、方向指示器が直進を示している際に、すなわち、車両が直進して推奨経路から逸脱する際に、所定の速度を超えることが想定され、このような場合には、再探索をおこなうようにするためである。
【0029】
また、本実施の形態において、探索部102は、推奨経路上の分岐点以外の地点および交差点以外の地点にて、推奨経路に従って進むべき方向とは異なる右折方向を示す方向指示器の動作が検出されたとき、当該地点にて転回する推奨経路を再探索する。具体的には、探索部102は、当該地点を起点とした反対方向の推奨経路を再探索する。なお、交差点などの地点以外にて右折をおこなうには、転回のほかに横断が想定される。横断時において、逆方向の誘導が開始されると運転者にとって煩わしいため、誘導部104による誘導は、転回が完了したのちに開始するようにしてもよい。
【0030】
また、本実施の形態において、探索部102は、方向指示器の動作が検出されたときの移動体の現在地点近傍に、当該動作が示す方向の進行可能な道路が存在しない場合には再探索を開始しないようにすることも可能である。
【0031】
また、探索部102は、移動体が施設から道路に出る際に、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向とは異なる方向を示す場合に、再探索をおこなうようにしてもよい。施設は、駐車場を有する施設であり、たとえば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、駐車場などである。移動体が施設から出るか否かは、駐車場内の位置情報が取得できる場合には当該位置情報に基づいて判断すればよく、駐車場内の位置情報が取得できない場合には、たとえば、移動体の進行方向が推奨経路に対して侵入するための所定の角度になっているか否かを判断すればよい。
【0032】
また、上述したように、経路探索装置100に、誘導部104と、表示制御部105と、表示部106と、撮影部107と、判別部108と、通知制御部109とを具備させることにより、本発明にかかるナビゲーション装置とすることも可能である。誘導部104は、経路探索装置100によって再探索された推奨経路に従って移動体を目的地まで誘導する。誘導部104による誘導は、音声および表示によっておこなわれる。
【0033】
また、表示制御部105は、探索部102によって推奨経路が再探索された場合、再探索された推奨経路と当該再探索される前の推奨経路とを、表示部106に所定時間表示させる制御をおこなう。所定時間は、予め設定された一定時間としてもよいし、所定距離進むまでの時間としてもよいし、再探索した推奨経路の起点となる位置に進むまでの時間としてもよい。また、表示制御部105による制御は、再探索した推奨経路と探索前の推奨経路とをそれぞれ異なる表示形式としてもよく、具体的には、それぞれ異なる線種や線色などとしてもよい。
【0034】
また、本実施の形態において、表示制御部105は、再探索された推奨経路と再探索される前の推奨経路とを表示させた後、方向指示器の動作が再探索される前の推奨経路に従って進むべき方向と同じ方向を示した場合に、表示した再探索された推奨経路を消去するようにしてもよい。つまり、本構成は、運転者が推奨経路から外れようと試みたものの再探索される前の推奨経路に従おうとする場合に、表示した再探索した推奨経路を消去する。なお、この状態で、再び推奨経路に相違する方向指示器の動作が検出された場合には、再び再探索した推奨経路を表示してもよい。
【0035】
また、本実施の形態において、誘導部104は、探索部102によって推奨経路が再探索された直後に、再探索された推奨経路に従った誘導を開始してもよい。すなわち、誘導部104は、推奨経路と異なる方向に方向指示器が操作された直後に、再探索した推奨経路の誘導を開始する。
【0036】
また、本実施の形態において、誘導部104は、移動体が再探索された推奨経路上に位置した際に移動体の誘導を開始してもよい。なお、この場合、誘導部104は、移動体が推奨経路から逸脱しない限り、元の推奨経路を誘導する。
【0037】
また、本実施の形態において、撮影部107と、判別部108と、通知制御部109とは任意の構成要素である。撮影部107は、移動体周辺の道路の画像を撮影する。撮影部107には、カメラが用いられる。撮影される画像は、動画または静止画のいずれであってもよい。移動体周辺の道路は、具体的には、推奨経路となる道路である。
【0038】
判別部108は、撮影部107によって撮影された画像を用いて、推奨経路上の道路の混雑状態または通行可能か否かを判別する。混雑状態は、渋滞などである。通行禁止の状態は、事故や工事などである。判別部108は、たとえば、撮影部107によって撮影された看板や標示などの画像を解析することにより、渋滞や通行止めを判別する。
【0039】
通知制御部109は、判別部108によって、推奨経路上の道路が混雑または通行不可能な道路であると判別された場合に、方向指示器の動作変更を促す通知をおこなわせる。通知制御部109の制御による通知により、運転者から方向指示器が操作されると、上述したように、経路の再探索がおこなわれる。なお、この通知は、音声や表示によっておこなわれる。
【0040】
(経路探索装置の経路探索処理手順)
つぎに、図2を用いて、経路探索装置100の経路探索処理手順について説明する。図2は、実施の形態にかかるナビゲーション装置の経路探索処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0041】
図2のフローチャートにおいて、経路探索装置100は、目的地が設定され推奨経路の探索がされているものとする。この状態において、検出部101により、方向指示器が動作されたことを検出したか否かを判断する(ステップS201)。検出部101により、方向指示器が動作されたことを検出するまで待機状態にあり(ステップS201:Noのループ)、方向指示器が動作されたことを検出すると(ステップS201:Yes)、探索部102により推奨経路の再探索をおこなう(ステップS202)。そして、再探索した推奨経路を表示し(ステップS203)、一連の処理を終了する。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態にかかる経路探索装置100は、方向指示器の動作が検出されたときに、当該動作に応じて推奨経路の再探索を開始させるようにしたので、方向指示器の動作をトリガとして、移動体が推奨経路から逸脱する前に、再探索した推奨経路を運転者に表示することができる。したがって、推奨経路から逸脱した場合であっても、不安感を感じることなく、運転者は安心して走行することができる。
【0043】
また、本実施の形態において、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向とは異なる方向を示すものである場合に、推奨経路を再探索するようにすれば、推奨経路から逸脱した直後を起点とした経路を提示することができる。
【0044】
また、本実施の形態において、方向指示器の動作が示す方向に基づいて、推奨経路を再探索するようにすれば、推奨経路から逸脱した直後を起点とした最適な経路を提示することができる。
【0045】
また、本実施の形態において、方向指示器の動作が所定時間以上、推奨経路に従って進むべき方向とは異なる方向を示すものである場合に、推奨経路を再探索するようにすれば、運転者の誤認によって方向指示器が操作された場合や、方向指示器の操作部を誤操作した場合などに不要に推奨経路を再探索することなく、適切に推奨経路を再探索することができる。したがって、方向指示器の誤操作によって推奨経路が再探索されることなく、運転者に対して、煩わしさを与えることがない。
【0046】
また、本実施の形態において、方向指示器の動作が検出されたときの移動体の速度が所定の速度以下の場合に、再探索を開始するようにすれば、特に、右左折時において適切に再探索をおこなうことができる。
【0047】
また、本実施の形態において、方向指示器の動作が検出されたときの現在地点における分岐点または交差点までの距離が所定の距離以下の場合に、再探索を開始するようにすれば、運転者が推奨経路から離脱する可能性の高い場所にて再探索をおこなうことができる。したがって、推奨経路の再探索を適切におこなうことができる。
【0048】
また、本実施の形態において、方向指示器の動作が検出されたときの移動体の現在地点近傍に、当該動作が示す方向の進行可能な道路が存在しない場合には再探索を開始しないようにすれば、不要に推奨経路を再探索することなく、適切に推奨経路を再探索することができる。したがって、方向指示器の誤操作により推奨経路を再探索することなく、運転者に対して、煩わしさを与えることがない。
【0049】
また、本実施の形態において、推奨経路上の分岐点または交差点以外の地点にて、推奨経路に従って進むべき方向とは異なる右折方向を示す方向指示器の動作が検出されたときに、当該地点にて転回する推奨経路を再探索するようにすれば、当該地点を起点とした反対方向の推奨経路を再探索することができる。したがって、直進や右左折時における離脱のみならず、転回時の離脱をも予測して推奨経路を再探索することができる。
【0050】
また、本実施の形態において、再探索した推奨経路と再探索される前の推奨経路とを所定時間表示させる制御をおこなうようにすれば、運転者は、再探索した経路と再探索される前の推奨経路とを比較して見ることができる。これにより、運転者は、2つの経路のうち、いずれかを選択することができ、最適な経路を走行することが可能になる。
【0051】
また、本実施の形態において、再探索した推奨経路と再探索される前の推奨経路とを表示させた後、方向指示器が再探索される前の推奨経路に従って進むべき方向と同じ方向を示した場合に、表示した再探索された経路を消去するようにすれば、運転者は、表示部106に表示される再探索された経路を見た後に、再探索される前の推奨経路に戻るなどの選択を、方向指示器の操作によりおこなうことができる。
【0052】
また、本実施の形態において、推奨経路が再探索された直後に、再探索された推奨経路の誘導を開始するようにすれば、方向指示器への操作があった直後に再探索された推奨経路の誘導をおこなうことができる。
【0053】
また、本実施の形態において、移動体が推奨経路から逸脱して再探索した推奨経路上に位置した際に誘導部104が誘導を開始するようにすれば、運転者の誤認識などによって方向指示器が操作され、推奨経路が再探索された場合であっても、即座に再探索した推奨経路の誘導がおこなわれず、再探索される前の推奨経路から逸脱した後に、再探索した推奨経路の誘導をおこなうことができる。
【0054】
また、本実施の形態において、移動体周辺の道路の画像を撮影し、当該画像を用いて、推奨経路上の道路の混雑状態または通行可能か否かを判別するとともに、当該道路が混雑または通行不可能な道路であると判別された場合に、方向指示器の動作変更を促す通知をおこなうようにすれば、推奨経路への進入を回避させることができるとともに、方向指示器の動作がおこなわれると同時に推奨経路を再探索することができる。したがって、運転者は、当該交差点よりも手前の地点にて、再探索された経路を知ることができ、再探索される前の推奨経路から逸脱したとしても不安感を与えることがない。
【実施例】
【0055】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、車両に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明にかかる経路探索装置およびナビゲーション装置を実施した場合の一例について説明する。
【0056】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
図3を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0057】
図3において、ナビゲーション装置300は、車両などの移動体に搭載されており、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、カメラ317とを備えている。また、各構成部301〜317はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0058】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、ナビゲーションプログラム、通知制御プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0059】
現在地点算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット315および各種センサ316の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置300の現在地点)を算出させる。
【0060】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305に記録されている地図データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。また、目的地点のみならず、立ち寄り地点や休憩地点までの経路を探索してもよい。探索された誘導経路は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F312へ出力される。
【0061】
また、経路探索プログラムは、後述する状態検知センサにより検出された方向指示器の動作に応じて推奨経路の再探索を開始する。また、経路探索プログラムは、上述した現在地点算出プログラムにより算出された現在地点から、推奨経路前方の分岐点または交差点までの距離を算出するとともに、方向指示器の動作が検出されたときの車両の速度が所定の速度以下の場合に、推奨経路の再探索を開始する。
【0062】
なお、上述した実施の形態における探索部102および算出部103は、CPU301によって実現される。すなわち、CPU301が経路探索プログラムを実行することにより、探索部102および算出部103の機能を実現する。
【0063】
ナビゲーションプログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点情報、磁気ディスク305から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報を生成させる。生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F312へ出力される。また、ナビゲーションプログラムは、経路探索プログラムにより再探索された推奨経路と、再探索される前の推奨経路とを所定時間表示させる。
【0064】
なお、上述した実施の形態における誘導部104および表示制御部105は、CPU301によって実現される。すなわち、CPU301がナビゲーションプログラムを実行することにより、誘導部104および表示制御部105の機能を実現する。
【0065】
通知制御プログラムは、カメラ317によって撮影された車両周辺の道路の画像を用いて、推奨経路上の道路が混雑状態または通行不可能な道路であると判別した場合に、方向指示器の動作変更を促す通知をおこなうプログラムである。通知される情報は、スピーカ310およびディスプレイ313から出力される。
【0066】
なお、上述した実施の形態における判別部108および通知制御部109は、CPU301によって実現される。すなわち、CPU301が通知制御プログラムを実行することにより、判別部108および通知制御部109の機能を実現する。
【0067】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0068】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0069】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309およびスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のサンバイザー付近に配置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310から出力される音声は、音声I/F308内でD/A変換される。スピーカ310からは、経路の誘導に関する音声案内の情報や、方向指示器の動作変更を促す情報などが出力される。
【0070】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現されてもよい。
【0071】
映像I/F312は、ディスプレイ313と接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ313を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0072】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313には、上述した地図データが
2次元または3次元に描画される。ディスプレイ313に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在地点をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在地点は、CPU301によって算出される。
【0073】
このディスプレイ313は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ313は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ313は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両内に複数設置してもよい。ディスプレイ313には、たとえば、方向指示器の動作変更を促す旨の通知画面や、再探索された推奨経路と再探索される前の推奨経路とを同時に表示する画面などが出力される。なお、上述した実施の形態における表示部106は、ディスプレイ313によって実現される。
【0074】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0075】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0076】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0077】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ316の出力値は、CPU301による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0078】
また、各種センサ316は、状態検知センサにより方向指示器の動作に関する情報を検出する。具体的には、ステアリングホイールの近傍に設けられる方向指示器の操作レバーの位置を検知することにより、方向指示器が、右折、左折または直進のいずれを示しているかの動作を検出する。なお、操作レバーの位置の検出にあたっては、センシングに限らず、操作レバーからの入力信号を検出することも可能である。
【0079】
カメラ317は、たとえば、ダッシュボード上に設けられ、車両外部の道路の状況を撮影する。道路の状況は、渋滞、工事、イベントなどによる混雑状況または進入禁止の状況である。カメラ317は、具体的には、交差点近傍にて、直進方向、右折方向、または左折方向などの画像を撮影する。また、カメラ317は、交差点や分岐点近傍にて、誘導方向、または誘導方向と異なる方向の画像を撮影する。なお、上述した実施の形態における撮影部107は、カメラ317によって実現される。
【0080】
図1に示した経路探索装置100が備える検出部101と、探索部102と、算出部103と、誘導部104と、表示制御部105と、表示部106と、撮影部107と、判別部108と、通知制御部109とは、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0081】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されている経路探索プログラムを実行することにより、図1に示した経路探索装置100が備える機能を、図2に示した経路探索処理手順で実行することができる。
【0082】
(施設から道路に出る場合のナビゲーション処理の一例)
つぎに、図4を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう施設から道路に出る場合のナビゲーション処理の一例について説明する。図4は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう施設から道路に出る場合のナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。なお、図4に示すフローチャートでは、駐車場などの施設を出発地点として道路上に移動するまでの処理について説明する。
【0083】
図4のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、目的地を設定するまで待機状態にあり(ステップS401:Noのループ)、目的地を設定すると(ステップS401:Yes)、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS402)。そして、推奨経路の誘導を開始する(ステップS403)。このあと、車両が駐車場から出る状態か否かを判断する(ステップS404)。
【0084】
車両が駐車場から出る状態か否かの判断は、駐車場内の位置情報が取得できる場合には当該位置情報に基づいて判断すればよく、駐車場内の位置情報が取得できない場合には、たとえば、各種センサ316(角速度センサ)などにより、車両の進行方向が推奨経路に対して侵入するための所定の角度(たとえば90°前後)になっているか否かによって判断すればよい。また、駐車場がたとえば数台しか駐車できない小規模駐車場などの場合、ステップS404の判断をおこなわずに、後述するステップS405に移行してもよい。
【0085】
ステップS404において、車両が駐車場から出る状態となるまで待機状態にあり(ステップS404:Noのループ)、車両が駐車場から出る状態となると(ステップS404:Yes)、各種センサ316によって方向指示器の動作を検出する(ステップS405)。なお、動作は、方向指示器が右折または左折を示す動作、および方向指示器が操作されていない直進を示す動作であるが、運転者が方向指示器を操作し忘れることを考慮すると、方向指示器が操作されない直進を示す動作を含めないようにしてもよい。
【0086】
このあと、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すか否かを判断する(ステップS406)。なお、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合とは、具体的には、駐車場から出る際に推奨経路が右折を示しているとき、たとえば、中央分離帯により右折できず左方向の方向指示器を出した場合や、片側複数車線の道路では交通量が多く右折できず左方向の方向指示器を出した場合などである。
【0087】
ステップS406において、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合(ステップS406:Yes)、推奨経路を再探索する(ステップS407)。すなわち、たとえば、駐車場から出る際に推奨経路が右折を示しているとき、左折方向の推奨経路を再探索する。このあと、再探索した推奨経路の誘導を開始し(ステップS408)、一連の処理を終了する。また、ステップS406において、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と同じ方向を示す場合(ステップS406:No)、一連の処理を終了する。
【0088】
上述した処理によれば、検出された方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合に、推奨経路を再探索するようにしたので、車両が推奨経路から逸脱する前に、再探索した経路を表示することができる。したがって、推奨経路から逸脱した直後を起点とした最適な経路を探索し、推奨経路を逸脱した直後から再探索した経路の誘導をおこなうことができるため、運転者は安心して走行することができる。
【0089】
また、車両が駐車場から道路に出る際に、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すか否かを判断するようにしたので、たとえば、施設から見て右折方向の推奨経路が引かれているときに当該右方向に出ることができない場合、左折方向の推奨経路を即座に再探索して誘導することができる。
【0090】
また、推奨経路が再探索された直後に当該推奨経路の誘導を開始するようにしたので、方向指示器への操作があった直後に再探索した推奨経路の誘導をおこなうことができる。
【0091】
(左折交差点手前におけるナビゲーション処理の一例)
つぎに、図5を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう左折交差点手前におけるナビゲーション処理の一例について説明する。図5は、本実施例にかかるナビゲーション装置300の左折交差点手前におけるナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。なお、左折交差点は、推奨経路上の左折の誘導をおこなう交差点である。
【0092】
また、図5に示すフローチャートでは、説明の便宜上、推奨経路上の左折交差点を通行する際の処理について説明するが、右折の誘導をおこなう右折交差点についても同様である。また、直進の誘導をおこなう直進交差点を通行する際の処理ついては、図6を用いて後述する。また、図5に示すフローチャートは、図4に示したフローチャート以降の処理を示している。
【0093】
図5のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、左折交差点までの距離が所定の距離内に位置したか否かを判断する(ステップS501)。所定の距離は、右左折時に方向指示器の点滅を開始させる位置であり、たとえば、30m程度である。ステップS501において、左折交差点までの距離が所定の距離内に位置するまで待機状態にあり(ステップS501:Noのループ)、左折交差点までの距離が所定の距離内に位置すると(ステップS501:Yes)、各種センサ316により、方向指示器が動作されたことを検出する(ステップS502)。
【0094】
そして、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すか否かを判断する(ステップS503)。方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向であると判断した場合(ステップS503:Yes)、すなわち、方向指示器が右方向を示す動作または方向指示器が操作されない直進を示す動作であると判断した場合、当該方向指示器の動作が所定時間検出されているか否かを判断する(ステップS504)。所定時間は、たとえば、進路変更時における方向指示器の操作や運転者の誤操作を考慮して設定される時間であり、たとえば、3秒以上の時間である。
【0095】
ステップS504において、方向指示器の動作が所定時間検出されていると判断した場合(ステップS504:Yes)、方向指示器の動作が右方向を示す動作か否かを判断する(ステップS505)。方向指示器の動作が右方向を示す動作であると判断した場合(ステップS505:Yes)、当該交差点を起点とした右方向の推奨経路を再探索し(ステップS506)、ディスプレイ313に再探索した推奨経路と再探索する前の推奨経路とを表示する(ステップS507)。この表示画面の詳細については、図10を用いて後述する。
【0096】
なお、ステップS507では、再探索した推奨経路のみを表示してもよい。この表示画面の詳細については、図11を用いて後述する。また、ステップS507における表示は、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と同じ方向を示した場合に、すなわち、左折方向の動作が検出された場合に、再探索した推奨経路を消去するようにしてもよい。
【0097】
一方、ステップS505において、方向指示器の動作が右方向を示す動作ではないと判断した場合(ステップS505:No)、当該交差点を起点とした直進方向の推奨経路を再探索する(ステップS508)。このあと、当該交差点を通過するまで(ステップS509:No)、ステップS507に移行して再探索した推奨経路と再探索する前の推奨経路とを表示し続ける。そして、当該交差点を通過すると(ステップS509:Yes)、再探索する前の推奨経路から逸脱したか否かを判断する(ステップS510)。再探索する前の推奨経路から逸脱すると(ステップS510:Yes)、推奨経路の表示を消去して再探索した推奨経路の誘導を開始し(ステップS511)、一連の処理を終了する。
【0098】
なお、ステップS511における表示画面の詳細については、図12を用いて後述する。一方、再探索する前の推奨経路から逸脱しない場合(ステップS510:No)、再探索した推奨経路の表示を消去し(ステップS512)、一連の処理を終了する。また、ステップS503において、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と同じ方向である場合(ステップS503:No)、一連の処理を終了する。
【0099】
また、ステップS504において、推奨経路の方向と異なる方向指示器の動作が所定時間検出されない場合(ステップS504:No)、つまり、方向指示器に対する誤操作や進路変更などがあった場合、一連の処理を終了する。
【0100】
上述した処理は、目的地に到着するまでの全ての左折交差点においておこなわれる。また、このような処理は、左折交差点に限らず、右折交差点および分岐点についても同様におこなわれる。また、上述した処理において、誘導開始のタイミングは、再探索する前の推奨経路から逸脱したタイミング(ステップS510参照)としたが、推奨経路を再探索した直後、すなわち、ステップS506の後としてもよい。
【0101】
上述した処理によれば、現在地点から推奨経路上の左折交差点までの距離が所定の距離以下の場合に、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものか否かを判断するようにしたので、運転者が推奨経路から離脱する可能性の高い場所にて当該判断をおこなうことができ、推奨経路の再探索および誘導を適切におこなうことができる。
【0102】
また、方向指示器の動作が所定時間以上、推奨経路に対して異なる方向を示すものである場合に、推奨経路を再探索するようにしたので、運転者の誤認によって方向指示器が操作された場合や、方向指示器の操作部を誤操作した場合などに推奨経路の再探索をおこなうことなく、適切に推奨経路を再探索することができる。したがって、方向指示器の誤操作に伴って推奨経路が再探索されることなく、運転者に対して、煩わしさを与えることがない。
【0103】
また、左折交差点を起点として、方向指示器が示す右折方向の再探索した推奨経路、または方向指示器が操作されていない場合には直進方向の推奨経路を再探索するようにしたので、運転者が進もうと考えている方向の推奨経路を探索して誘導することができる。
【0104】
また、再探索した推奨経路と再探索する前の推奨経路とを所定時間(左折交差点を通過するまでの間)表示させる制御をおこなうようにしたので、運転者は、再探索した推奨経路と再探索する前の推奨経路を比較して見ることができる。これにより、運転者は、再探索した推奨経路を走行するか再探索する前の推奨経路を走行するかを判断することができ、最適な経路を走行することが可能になる。
【0105】
また、車両が推奨経路から逸脱して再探索した推奨経路上に位置した際に誘導を開始するようにしたので、運転者の誤認識などによって方向指示器が操作され、推奨経路が再探索された場合であっても、即座に再探索された推奨経路の誘導がおこなわれず、推奨経路から逸脱した後に、当該推奨経路の誘導をおこなうことができる。
【0106】
(直進交差点手前におけるナビゲーション処理の一例)
つぎに、図6を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう直進交差点手前におけるナビゲーション処理の一例について説明する。図6は、本実施例にかかるナビゲーション装置300の直進交差点手前におけるナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、図4に示したフローチャート以降の処理を示している。
【0107】
図6のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、直進交差点までの距離が所定の距離内に位置したか否かを判断する(ステップS601)。所定の距離は、右左折時に方向指示器の点滅を開始させる位置であり、たとえば、30m程度である。ステップS601において、直進交差点までの距離が所定の距離内に位置するまで待機状態にあり(ステップS601:Noのループ)、直進交差点までの距離が所定の距離内に位置すると(ステップS601:Yes)、各種センサ316により、方向指示器が動作されたことを検出する(ステップS602)。
【0108】
そして、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すか否かを判断する(ステップS603)。方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向であると判断した場合(ステップS603:Yes)、すなわち、方向指示器が右方向または左方向を示す場合、当該動作が所定時間検出されているか否かを判断する(ステップS604)。所定時間は、たとえば、進路変更時における方向指示器の操作や運転者の誤操作を考慮して設定される時間であり、たとえば、3秒以上の時間である。
【0109】
ステップS604において、方向指示器の動作が所定時間検出されていると判断した場合(ステップS604:Yes)、車両が所定の速度以下か否かを判断する(ステップS605)。所定の速度は、右左折がおこなわれない(直進)と想定される速度である。
【0110】
ステップS605において、所定の速度以下であると判断した場合(ステップS605:Yes)、方向指示器の動作が示す方向に基づいて推奨経路を再探索し(ステップS606)、ディスプレイ313に再探索した推奨経路と再探索する前の推奨経路とを表示する(ステップS607)。
【0111】
このあと、当該交差点を通過するまで(ステップS608:No)、ステップS607に移行して再探索した推奨経路と再探索する前の推奨経路とを表示し続ける。そして、当該交差点を通過すると(ステップS608:Yes)、再探索する前の推奨経路から逸脱したか否かを判断する(ステップS609)。再探索する前の推奨経路から逸脱すると(ステップS609:Yes)、再探索する前の推奨経路の表示を消去して再探索した推奨経路の誘導を開始し(ステップS610)、一連の処理を終了する。一方、再探索する前の推奨経路から逸脱しない場合(ステップS609:No)、ディスプレイ313に表示される再探索した推奨経路の表示を消去し(ステップS611)、一連の処理を終了する。
【0112】
また、ステップS603において、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と同じ場合(ステップS603:No)、一連の処理を終了する。また、ステップS604において、推奨経路の方向と異なる方向指示器の動作が所定時間検出されない場合(ステップS604:No)、つまり、方向指示器に対する誤動作や進路変更などがあった場合、一連の処理を終了する。また、ステップS605において、所定の速度を超えると判断した場合(ステップS605:No)、つまり、方向指示器の消し忘れなどにより方向指示器が点滅しているものの右左折がおこなわれない場合などの場合、一連の処理を終了する。
【0113】
なお、上述した処理では、ステップS605において、渋滞時の進路変更では、所定の速度以下となり、推奨経路の再探索がおこなわれてしまう。このような再探索がおこなわれないようにするために、渋滞時においては、ステップS605の判断をおこなわないようにしてもよい。また、上述した処理は、目的地に到着するまでの全ての直進交差点においておこなわれる。
【0114】
上述した処理によれば、図5に示したフローチャートと同様の効果を得ることができる。また、上述した処理では、車両の速度が所定の速度以下の場合に、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものか否かを判断するようにすれば、右左折時において適切に経路を再探索することができる。したがって、右左折時において推奨経路の再探索および誘導を適切におこなうことができる。
【0115】
また、上述した処理では、所定の速度を超えて走行している場合に、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものか否かの判断をおこなわないようにしたので、右左折がおこなわれないと想定される速度で車両が走行している場合や、進路変更等によって方向指示器が操作された場合に、再探索した推奨経路の誘導をおこなわないようにすることができる。
【0116】
(直進路におけるナビゲーション処理の一例)
つぎに、図7を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう直進路におけるナビゲーション処理の一例について説明する。図7は、本実施例にかかるナビゲーション装置300の直進路におけるナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。なお、直進路は、推奨経路上の分岐点以外の地点および交差点以外の地点の道路である。また、以下の説明では、片側一車線の道路を走行しているものとする。また、図7に示すフローチャートは、図4に示したフローチャート以降の処理を示している。
【0117】
図7のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、直進路にて方向指示器が動作されたことを検出したか否かを判断する(ステップS701)。なお、この場合の方向指示器の動作は、方向指示器を操作しない直進方向の動作を除き、すなわち、右折または左折を示す動作である。ステップS701において、直進路にて方向指示器が動作されたことを検出するまで待機状態にあり(ステップS701:Noのループ)、方向指示器が動作されたことを検出すると(ステップS701:Yes)、方向指示器が右折を示すか否かを判断する(ステップS702)。
【0118】
方向指示器が右折を示すと判断した場合(ステップS702:Yes)、転回可能な道路か否かを判断する(ステップS703)。転回可能か否かの判断は、転回禁止の区域か否かの情報や、道幅などの情報に基づいておこなわれる。ステップS703において、転回可能な道路であると判断した場合(ステップS703:Yes)、対面する道路上に出発地点を設定し、反対方向の推奨経路を再探索する(ステップS704)。そして、車両が転回したか否かを判断する(ステップS705)。
【0119】
ステップS705において、車両が転回したものと判断した場合(ステップS705:Yes)、ステップS704において再探索した推奨経路を誘導し(ステップS706)、一連の処理を終了する。一方、ステップS705において、車両が転回していないと判断した場合(ステップS705:No)、具体的には、たとえば、転回せずに再探索する前の推奨経路を再度走行し始めた場合や、車両が道路を横断して対面する道路側の施設に侵入した場合、一連の処理を終了する。
【0120】
また、ステップS702において、方向指示器が右折を示すものではない場合(ステップS702:No)、すなわち、左折を示す場合、具体的には、駐車や停車する場合、一連の処理を終了する。また、ステップS703において、転回可能な道路ではないと判断した場合(ステップS703:No)、具体的には、横断する場合、一連の処理を終了する。すなわち、方向指示器の動作が検出されたときの車両の現在地点近傍に、当該動作が示す方向の進行可能な道路が存在しない場合には再探索を開始しないようになっている。上述した処理は、目的地に到着するまでの直進路にておこなわれる。
【0121】
なお、上述した処理は、片側一車線を前提としたが、片側複数車線の場合についても同様におこなうことができる。ただし、この場合、角速度センサ等を用い、車両が走行する車線の位置情報を取得することが望ましい。すなわち、片側複数車線を走行する場合、最も右側の車線を走行している際に、上述した処理と同様の処理をおこなえばよい。
【0122】
上述した処理によれば、図5に示したフローチャートと同様の効果を得ることができる。また、上述した処理では、推奨経路上の分岐点以外の地点および交差点以外の地点にて、右折を示す方向指示器の動作が検出され且つ推奨経路に従って進むべき方向とは異なる方向の動作である場合に、当該地点にて転回するものと判断するようにし、転回するものと判断した際に、当該地点を起点とする反対方向の推奨経路を再探索するようにした。これにより、直進や右左折時における離脱のみならず、転回時の離脱をも予測して推奨経路の再探索および当該推奨経路の誘導をおこなうことが可能になる。
【0123】
(誘導方向の画像を撮影する場合のナビゲーション処理の一例)
つぎに、図8を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう誘導方向の画像を撮影する場合のナビゲーション処理の一例について説明する。図8は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなう誘導方向の画像を撮影する場合のナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【0124】
図8のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、目的地を設定するまで待機状態にあり(ステップS801:Noのループ)、目的地を設定すると(ステップS801:Yes)、目的地までの経路を探索する(ステップS802)。そして、経路の誘導を開始する(ステップS803)。このあと、交差点から所定距離内に位置したか否かを判断する(ステップS804)。
【0125】
交差点から所定距離内に位置したと判断すると(ステップS804:Yes)、各種センサ316によって方向指示器が動作されたことを検出する(ステップS805)。なお、方向指示器の動作は、方向指示器が右折または左折を示す動作、および方向指示器が操作されていない直進を示す動作である。
【0126】
このあと、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すか否かを判断する(ステップS806)。方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合(ステップS806:Yes)、推奨経路を再探索し(ステップS807)、再探索した推奨経路の誘導を開始する(ステップS808)。このあと、目的地に到着したか否かの判断をおこない(ステップS809)、目的地に到着すると(ステップS809:Yes)、一連の処理を終了する。目的地に到着していないと判断した場合(ステップS809:No)、ステップS804に移行する。
【0127】
一方、ステップS806において、方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と同じ方向を示す場合(ステップS806:No)、カメラ317により誘導方向の道路の画像を撮影する(ステップS810)。このあと、この画像を解析することにより、誘導方向の道路が通行可能か否かを判断する(ステップS811)。
【0128】
なお、ステップS811においては道路が混雑しているか否かを判断してもよい。誘導方向の道路が通行可能ではないと判断した場合(ステップS811:No)、スピーカ310およびディスプレイ313により、方向指示器の動作変更を促す通知をおこなう(ステップS812)。なお、ステップS812における通知の詳細については、図13を用いて後述する。
【0129】
このあと、運転者から、方向指示器の動作変更を受け付けると(ステップS813:Yes)、ステップS807における推奨経路の再探索をおこなう。また、運転者から、方向指示器の動作変更を受け付けない場合(ステップS813:No)、当該交差点を通過したか否かを判断する(ステップS814)。ステップS814において、当該交差点を通過していないと判断した場合(ステップS814:No)、ステップS812に戻り、すなわち、方向指示器の動作変更を促す通知をおこなう(ステップS812)。
【0130】
ステップS814において、当該交差点を通過したと判断した場合(ステップS814:Yes)、推奨経路を再探索する(ステップS807)。なお、ステップS814からステップS807に移行する際の再探索は、通常のオートリルートである。
【0131】
一方、ステップS804において、交差点から所定距離内に位置していないと判断した場合(ステップS804:No)、ステップS809に移行する。また、ステップS811において、誘導方向の道路が通行可能であると判断した場合(ステップS811:Yes)、ステップS809に移行する。
【0132】
上述した処理によれば、図5に示したフローチャートと同様の効果を得ることができる。また、上述した処理では、移動体周辺の道路の画像を撮影し、当該画像を用いて、推奨経路上の道路が通行可能か否かを判別するとともに、当該道路が通行不可能な道路である場合に、方向指示器の動作変更を促す通知をおこなうようにしたので、推奨経路への進入を回避させることができるとともに、方向指示器の動作がおこなわれると同時に推奨経路を再探索することができる。したがって、運転者は、当該交差点よりも手前の地点にて、再探索された経路を知ることができ、再探索される前の推奨経路から逸脱したとしても不安感を与えることがない。
【0133】
(ディスプレイに表示される経路の表示の一例)
つぎに、図9〜図13を用いて、ディスプレイ313に表示される経路の表示の一例について説明する。図9は、ディスプレイ313に表示される推奨経路が再探索される前の表示の一例を示す説明図である。図9において、ディスプレイ313に表示される表示画面900には、現在位置901と、元の経路902と、交差点903とが表示されている。現在位置901は、車両の現在位置である。元の経路902は、交差点903を左折する経路を示している。なお、交差点903は、図5のフローチャートで説明した左折交差点である。この表示画面900に示す状態において、運転者が右折方向に方向指示器を操作させると、図10または図11に示す表示画面に移行する。
【0134】
図10は、ディスプレイ313に表示される推奨経路が再探索された際の表示の一例を示す説明図である。なお、図10は、図5のステップS507において、表示される画面である。図10において、ディスプレイ313に表示される表示画面1000には、現在位置901と、再探索する前の推奨経路(以下、元の経路という)902と、交差点903と、再探索した経路(以下、別経路という)1001とが表示されている。別経路1001は、右折方向に方向指示器が操作されることにより、再探索された経路である。
【0135】
この表示画面1000において、元の経路902は実線で表示され、別経路1001は点線で表示されている。このように、表示画面1000は、運転者が右折方向に方向指示器を操作した際に、元の経路902と別経路1001とを表示したものである。この表示画面1000から、車両が交差点903を右折して通過すると、図12に示す表示画面に移行する。
【0136】
一方、図11は、ディスプレイ313に表示される推奨経路が再探索された際の他の一例を示す説明図である。図11において、ディスプレイ313に表示される表示画面1100は、図10に示した表示画面1000に代わって表示することが可能な画面である。図11においては、元の経路902が表示されておらず、別経路1001が実線で表示され、別経路1001の誘導が開始される。コメント表示部1101には、別経路1001に変更された旨の通知がされる。すなわち、別経路1001が再探索された直後に別経路1001の誘導が開始される。
【0137】
このように、表示画面1100は、運転者が右折方向に方向指示器を操作した際に別経路1001のみを表示したものである。この表示画面1100から、車両が交差点903を右折して通過すると、図12に示す表示画面に移行する。
【0138】
図12は、ディスプレイ313に表示される交差点903を通過後の表示画面の一例を示す説明図である。図12において、ディスプレイ313に表示される表示画面1200は、図10に示した表示画面1000、および図11に示した表示画面1100の交差点903を通過後に表示される画面である。図10に示した表示画面1000から表示画面1200に移行した際には、図10において点線で表示されていた別経路1001が実線で表示され、当該別経路1001の誘導が開始される。また、コメント表示部1101には、別経路1001に変更された旨の通知がされる。
【0139】
図13は、ディスプレイ313に表示される方向指示器の動作変更を促す際の表示画面の一例を示す説明図である。なお、図13は、図8に示したステップS812において通知される画面を示している。図13において、ディスプレイ313に表示される表示画面1300には、工事地点1301が表示されており、通行止めや渋滞が発生している状態を示している。
【0140】
なお、この状態は、カメラ317によって撮影された画像に基づいて検出される。コメント表示部1302には、方向指示器の動作変更を促す通知がされている。この表示画面1300の状態において、運転者が方向指示器を右折方向または左折方向に操作すると、推奨経路が再探索され、当該推奨経路が表示されるようになっている。
【0141】
上述したように、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、検出した方向指示器の動作が推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合に、推奨経路を再探索するようにした。これにより、車両が推奨経路から逸脱する前に、再探索した推奨経路を誘導または表示することができる。したがって、再探索される前の推奨経路から逸脱した直後を起点とした最適な推奨経路を再探索し、再探索される前の推奨経路を逸脱した直後から再探索した推奨経路の誘導をおこなうことができる。これにより、運転者は、再探索される前の経路から逸脱することに不安を感じることなく、安心して走行することができる。
【0142】
以上説明したように、本発明の経路探索装置、ナビゲーション装置、経路探索方法、ナビゲーション方法、経路探索プログラム、ナビゲーションプログラム、および記録媒体によれば、再探索される前の推奨経路から逸脱する前段階で推奨経路を再探索し、少なくとも再探索する前の推奨経路を逸脱した直後には、再探索した推奨経路の提示または誘導をおこなうことができるため、運転者は安心して走行することができる。
【0143】
なお、本実施例で説明した経路探索方法およびナビゲーション方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかるナビゲーション装置の経路探索処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなう施設から道路に出る場合のナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施例にかかるナビゲーション装置の左折交差点手前におけるナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施例にかかるナビゲーション装置の直進交差点手前におけるナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施例にかかるナビゲーション装置の直進路におけるナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなう誘導方向の画像を撮影する場合のナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】ディスプレイに表示される推奨経路が再探索される前の表示の一例を示す説明図である。
【図10】ディスプレイに表示される推奨経路が再探索された際の表示の一例を示す説明図である。
【図11】ディスプレイに表示される推奨経路が再探索された際の他の一例を示す説明図である。
【図12】ディスプレイに表示される交差点を通過後の表示画面の一例を示す説明図である。
【図13】ディスプレイに表示される方向指示器の動作変更を促す際の表示画面の一例を示す説明図である。
【図14】従来のオートリルート機能による不具合の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
【0145】
100 経路探索装置
101 検出部
102 探索部
103 算出部
104 誘導部
105 表示制御部
106 表示部
107 撮影部
108 判別部
109 通知制御部
300 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を探索する経路探索装置において、
前記推奨経路が設定されている場合に前記移動体の方向指示器が動作されたことを検出する検出手段と、
前記方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作に応じて前記推奨経路の再探索を開始する探索手段と、
を備えたことを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記探索手段は、前記方向指示器の動作が前記推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものである場合に再探索を開始することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記探索手段は、前記方向指示器の動作が示す方向に基づいて前記推奨経路を再探索することを特徴とする請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記探索手段は、前記方向指示器の動作が所定時間以上、前記推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものである場合に前記再探索を開始することを特徴とする請求項2または3に記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記探索手段は、前記方向指示器の動作が検出されたときの前記移動体の速度が所定の速度以下の場合に前記再探索を開始することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項6】
移動体の現在地点から推奨経路前方の分岐点または交差点までの距離を算出する算出手段をさらに備え、
前記探索手段は、前記方向指示器の動作が検出されたときの前記現在地点における前記分岐点または交差点までの距離が所定の距離以下の場合に前記再探索を開始することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項7】
前記探索手段は、前記方向指示器の動作が前記推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示すものである場合に、前記分岐点または交差点を起点として、前記推奨経路を再探索することを特徴とする請求項6に記載の経路探索装置。
【請求項8】
前記探索手段は、前記推奨経路上の分岐点または交差点以外の地点にて前記推奨経路に従って進むべき方向とは異なる右折方向を示す前記方向指示器の動作が検出されたとき前記地点にて転回する推奨経路を再探索することを特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項9】
前記探索手段は、前記方向指示器の動作が検出されたときの前記移動体の現在地点近傍に、当該動作が示す方向の進行可能な道路が存在しない場合には前記再探索を開始しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の経路探索装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の経路探索装置と、
前記経路探索装置によって再探索された推奨経路に従って前記移動体を前記目的地まで誘導する誘導手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
前記探索手段によって推奨経路が再探索された場合、前記再探索された推奨経路と、当該再探索される前の推奨経路とを所定時間表示させる制御をおこなう表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、再探索された推奨経路と再探索される前の推奨経路とを表示させた後、前記方向指示器の動作が前記再探索される前の推奨経路に従って進むべき方向と同じ方向を示した場合に、表示した前記再探索された推奨経路を消去することを特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記誘導手段は、前記探索手段によって推奨経路が再探索された直後に、前記再探索された推奨経路に従った前記移動体の誘導を開始することを特徴とする請求項10または11に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記誘導手段は、前記移動体が前記再探索された推奨経路上に位置した際に前記移動体の誘導を開始することを特徴とする請求項10または11に記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記移動体周辺の道路の画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された画像を用いて、前記推奨経路上の道路の混雑状態または通行可能か否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって、前記推奨経路上の道路が混雑または通行不可能な道路であると判別された場合に、前記方向指示器の動作変更を促す通知をおこなう通知制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を探索する経路探索方法において、
前記推奨経路が設定されている場合に前記移動体の方向指示器が動作されたことを検出する検出工程と、
前記方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作が前記設定されている推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合に前記推奨経路の再探索を開始する探索工程と、
を含むことを特徴とする経路探索方法。
【請求項17】
移動体に搭載され、目的地までの推奨経路を誘導するナビゲーション方法において、
前記推奨経路が設定されている場合に前記移動体の方向指示器が動作されたことを検出する検出工程と、
前記方向指示器の動作が検出されたとき、当該動作が前記設定されている推奨経路に従って進むべき方向と異なる方向を示す場合に前記推奨経路の再探索を開始する探索工程と、
前記再探索された推奨経路に従って前記移動体を前記目的地まで誘導する誘導工程と、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項18】
請求項16に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
【請求項19】
請求項17に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項20】
請求項18または19に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−210292(P2009−210292A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51019(P2008−51019)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】