説明

繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法、再生成形体、及び再資源化装置

【課題】繊維強化プラスチック廃材から特性の高い再生成形体を得るための繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法を提供する。
【解決手段】繊維強化プラスチック廃材を破砕して破砕物とする破砕工程と、破砕物から篩処理により異物を除去する篩処理工程と、異物が除去された破砕物を加熱溶融及び押出成形する加熱成形工程と、を含み、加熱成形工程は、目開きサイズが0.3mm以上かつ0.6mm以下のスクリーンメッシュを用いて押出成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化プラスチック廃材の再資源化に関するものであり、より詳しくは、廃棄された製品より回収した繊維強化プラスチック廃材から、特性の高い繊維強化プラスチックを得る再資源化方法、再生成形体、及び再資源化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、日本では所得水準の向上に伴い、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの製品が一般家庭に広く普及している。その結果、これら製品の廃棄量は年々増加する傾向にあり、これに伴い、プラスチック廃棄物の量も増加している。プラスチック廃棄物の大半は、焼却や埋め立てなどにより処分されてきたが、焼却による二酸化炭素の放出による地球温暖化、塩素化合物を含むプラスチックの焼却処理によるダイオキシンの生成や飛散による環境汚染、嵩高なプラスチック廃棄物の増大によるゴミ埋め立て処理場の不足などが大きな社会問題となっており、プラスチック廃棄物の再資源化は緊急に解決すべき課題となっている。
【0003】
このような状況の下、資源の有効活用と廃棄物量の低減を目的とした家電リサイクル法が2001年4月に施行された。該法では、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、それぞれの製品の再商品化率は、エアコン70%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫60%以上、洗濯機65%以上として法定基準値が定められている。
【0004】
前記家電リサイクル法の施行を受けて、廃棄された製品に使用されていたプラスチック部材(以下、「プラスチック廃材」と言う。)の再資源化について、各方面にて研究開発が進み、様々な方法が提案されている中、資源循環の考えのもと、プラスチック廃材を再び製品のプラスチック部材に加工して使用する、いわゆるマテリアルリサイクルが注目されている。
【0005】
しかし、長期間使用された製品のプラスチック廃材には、砂塵、金属粉、錆び、水スケール、洗剤、洗剤カスなど、使用環境に由来する異物が付着している場合が多く、再生したプラスチック原料に該異物が残留すると、再生したプラスチック部材は、物性低下や外観不良が発生し、長期信頼性が低下してしまう。このため、プラスチック廃材を特性の高いプラスチック部材、例えば家電4品目など耐久消費財として再生利用することは非常に難しく、プラスチック廃材の再資源化の多くは、燃料として再利用するサーマルリサイクル、または、特性の低いプラスチック部材、例えばハンガーや植木鉢などとして再生利用するカスケードリサイクルが主流となっている。
【0006】
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1において、プラスチック廃材を粉砕する粉砕工程と、粉砕品から異物を除去する異物除去工程と、異物を除去された粉砕品をペレット化するペレット化工程を含む、再生成形体(特許文献1における再生プラスチック材料に相当)の製造方法が開示されている。該粉砕工程は、4mm以上10mm以下のスクリーンメッシュを用いてプラスチック廃材を粉砕し、振動篩を用いて2mm以下のプラスチック微粉や金属粉、ゴミなどを除去する。該異物除去工程は、風力分級や比重分離、金属選別などを行い、粉砕品から異物を除去してする。該ペレット化工程は、異物が除去された粉砕品を加熱成形機(特許文献1における押出機に相当)にて溶融、混練しペレットとして再生する。該ペレット化工程においても、異物除去のために試験篩US規格のNo.120(スクリーン目開きサイズ0.125mm)かそれより細かいメッシュを含むスクリーンメッシュが用いられる。粉砕工程や異物除去工程だけではなく、ペレット化工程でも異物除去を行うことで、再生成形体の品質と再生の効率化を達成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−340315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、家電部品、自動車部品、航空機部品、住宅建材などにおいて、耐熱、高強度、高剛性などの高機能化、軽量化、金属代替化などを目的に、ガラスや炭素など繊維状フィラーで強化したプラスチック(以下、「繊維強化プラスチック」と言う。)の使用が増加している。例えば、ポリプロピレンは、弾性率の大きいガラス繊維を配合することで、剛性や耐クリープ性など熱に対する耐性を上げることができるため、乾燥機能付き洗濯機の水槽や乾燥ファンなど、高剛性、耐熱性が要求される部材などに幅広く使用されている。
【0009】
しかしながら、このような繊維強化プラスチックの廃材から、特許文献1の技術により再資源化を行うと、ペレット化工程の加熱成形機のスクリーンメッシュによって繊維状フィラーの折損が起こるため、その再生成形体の機械的強度が著しく低下するという問題が生じる。
【0010】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズを最適化して繊維状フィラーの折損を抑制することにより、特性の高い再生成形体を得ることができる、繊維強化プラスチックの再資源化方法、再生成形体、及び再資源化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0012】
本発明の繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法は、繊維強化プラスチック廃材を破砕して破砕物とする破砕工程と、前記破砕物から篩処理により異物を除去する篩処理工程と、前記異物が除去された前記破砕物を加熱溶融及び押出成形する加熱成形工程と、を含み、前記加熱成形工程は、目開きサイズが0.3mm以上かつ0.6mm以下のスクリーンメッシュを用いて押出成形することを特徴とする。
【0013】
前記篩処理工程は、前記破砕工程で用いられるスクリーンメッシュの目開きサイズの0.08倍以上かつ0.5倍以下の目開きサイズを有する篩を用いることが好ましい。
【0014】
前記破砕工程は、10mm以上かつ20mm以下の目開きサイズのスクリーンメッシュを用いて前記繊維強化プラスチック廃材を破砕することが好ましい。
【0015】
前記篩処理工程は、液体の中で篩処理を行うことが好ましく、該液体の比重は、前記繊維強化プラスチック廃材の比重未満であることが好ましい。
【0016】
本発明の再生成形体は、上記再資源化方法により得られることが好ましい。
【0017】
本発明の繊維強化プラスチック廃材の再資源化装置は、繊維強化プラスチック廃材を破砕して破砕物とする破砕機と、前記破砕物から異物を除去する篩と、前記異物が除去された前記破砕物を加熱溶融し押出成形する加熱成形機と、を含み、前記加熱成形機は、前記破砕物から異物を除去するスクリーンメッシュを有し、前記加熱成形機のスクリーンメッシュ目開きサイズは、0.3mm以上かつ0.6mm以下であることを特徴とする。
【0018】
前記破砕機は、前記繊維強化プラスチック廃材を破砕するスクリーンメッシュを有し、前記篩の目開きサイズは、前記破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズの0.08倍以上かつ0.5倍以下であることが好ましい。
【0019】
前記破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズは、10mm以上かつ20mm以下であることが好ましい。
【0020】
前記篩は、湿式篩であることが好ましく、比重が前記繊維強化プラスチック廃材の比重未満の液体を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、繊維強化プラスチック廃材から異物を効率的に除去するとともに、繊維状フィラーの折損を抑制することで、特性の高い再生成形体を成形するための繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法を提供することができる。さらに、それによって得られる再生成形体及び再資源化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の繊維強化プラスチックの再資源化方法の例を示すフローチャートである。
【図2】試験片a1、a2、a3、a4、a5の長期安定性の測定結果を表す図である。
【図3】試験片b1、b2、b3、b4、b5の長期安定性の測定結果を表す図である。
【図4】試験片c1、c2、c3、c4、c5の長期安定性の測定結果を表す図である。
【図5】試験片d1、d2、d3、d4、d5の長期安定性の測定結果を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図1から5に基づいて説明する。本発明の再資源化装置は、繊維強化プラスチック廃材を破砕して破砕物とする破砕機を備え、破砕機は、繊維強化プラスチック廃材を粗破砕する粗破砕機と、粗破砕機よりも細かく破砕する微破砕機とを含む。また、再資源化装置は、異物を除去するための異物除去装置を備え、異物除去装置は、例えば、金属系破砕物を選別する金属選別機や、低嵩比重破砕物を選別する風力選別機、微破砕物から異物を除去する篩を含む。さらに、再資源化装置は、微破砕物を加熱溶融及び押出成形する加熱成形機と、再生成形体を作成する射出成形機を備える。再資源化装置の各部の動作を、図1に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明における繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法の例を示すフローチャートである。なお、再資源化方法の説明においては、ステップを「S」として記載し、各々の処理を数字で区別している。まず、家庭などから廃棄された使用済み製品、例えば、エアコン、テレビ、冷蔵庫及び洗濯機などを回収する(S101)。そして、前記使用済み製品を、従来公知の適宜の手法にて解体して、ドラム式洗濯乾燥機の水槽やエアコンのファンなどの繊維強化プラスチック廃材、コンプレッサや熱交換器などの大型金属廃材を部品ごとに回収する(S102)。
【0025】
ここで、本発明の対象となる繊維強化プラスチック廃材は、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリカーボネート−ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリサルフォンなど熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、前記繊維強化プラスチック廃材に使用されている繊維状フィラーは、特に制限されるものではないが、例えば、含アルカリガラス繊維、低アルカリガラス繊維、無アルカリガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維であることが好ましい。
【0026】
次に、S102にて分離回収した繊維強化プラスチック廃材を、粗破砕機で粗破砕する(S103)。粗破砕機は、例えば衝撃式破砕装置やせん断式破砕装置などの大型破砕機である。粗破砕後の破砕物を、以下「粗破砕物」と言う。粗破砕物の粒径は、特に制限されるものではないが、10mm以上であるのが好ましく、40mm以上であることがより好ましい。また、粗破砕物の粒径は80mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましい。粗破砕物の粒径が10mm未満または80mmを越える場合には、次工程での金属の選別精度が低下するという傾向があり、さらに粒径が10mm未満の場合には、粗破砕に長時間を要するため、繊維強化プラスチック廃材の粗破砕物が溶融あるいは熱酸化劣化を起こすという傾向があり、また、粒径が80mmを越えると、嵩比重が小さくなり以後の工程での作業性に悪影響を及ぼすという傾向がある。具体的には、粒径が60mm程度となるように粗破砕するのが特に好ましい。
【0027】
続いて、S103により得た粗破砕物を、金属選別機で鉄、銅、アルミニウムなどで成形された金属系破砕物と繊維強化プラスチック系破砕物に選別する(S104)。金属選別機は、例えば、磁力を用いた鉄の選別や、過電流を用いた銅やアルミニウムの選別を行う。磁力を用いた選別と渦電流を用いた選別の両方を行なう場合、その順序は特に制限されないが、効率の観点からは、まず磁力により鉄を除去し、次いで渦電流により銅やアルミニウムを除去することが好ましい。
【0028】
続いて、低嵩比重破砕物を選別除去する工程(S105)を含むことが好ましい。ここで、低嵩比重破砕物とは、嵩比重が0.3以下の破砕物を意味し、例えば、ポリウレタン系断熱材の破砕物や発泡スチロール系発泡体の破砕物などを挙げることができる。低嵩比重破砕物の選別除去は、風力選別機を用いて行い、風力選別機は、従来公知の適宜の方法により低嵩比重破砕物の選別除去を行うことができる。この工程を設けることにより、以後の工程の作業性が改善する。
【0029】
次に、S105までの工程を経て得られた繊維強化プラスチック系破砕物を微破砕する(S106)。この破砕工程は、例えば、せん断式破砕装置などの微破砕機を用いて行う。微破砕後の破砕物を、以下「微破砕物」と言う。微破砕機の破砕径、即ち、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAは、特に制限されるものではないが、10mm以上かつ20mm以下であることが好ましい。10mm未満の場合には繊維強化プラスチック廃材に含まれる繊維状フィラーの折損が進む傾向があり、さらに20mmを超えると後述するステップS109において加熱成形機のスクリューの噛み込みに悪影響を及ぼす傾向がある。また、10mm未満または20mmを超える場合には、後述するステップS107において微破砕物に付着する異物の除去効率や生産性が低下する傾向がある。具体的には、後述するステップS109における取り扱い易さの理由から、スクリーンメッシュの目開きサイズAは、10mm以上かつ14mm以下が特に好ましい。本実施形態においては、目開きサイズAを12mmとした。
【0030】
次に、S106で得られた微粉砕物から、篩を用いて異物除去を行う(S107)。即ち、篩処理により、微破砕物から篩を通過する異物の除去を行う。この篩処理工程で用いられる篩の方式は、特に制限されるものではないが、円筒回転式、振動式、水平円運動式が好ましく、擦り洗いおよび揉み洗い効果の高い円筒回転式、例えばトロンメルが特に好ましい。また、篩の金網の織り方は、特に制限されるものではないが、金網の凹凸と破砕物の物理的な接触による擦り洗い効果が得られるクリンプ織、ダブルクリンプ織、フラットトップ織、ロッククリップ織が好ましい。S107によって、微粉砕物に付着している異物、例えば、砂塵、金属粉、錆び、水スケールなどを除去することができる。
【0031】
ここで、微破砕物に付着している異物除去を効率良くおこない、かつ原料回収率(歩留まり)及び生産効率を高める理由から、篩の目開きサイズBは、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAの0.08倍以上かつ0.5倍以下が好ましく、0.15倍以上かつ0.2倍以下が特に好ましい。篩の目開きサイズBを、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAの0.08倍以上とすることで、異物の除去率が高くなり、特性の高い再生成形体を得ることができる。また、篩の目開きサイズBを、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAの0.5倍以下とすることで、微破砕物の原料回収率が高くなり、採算性や再資源化率を高めることができる。
【0032】
さらに、篩は、液体中で篩処理を行う湿式篩であることが好ましい。湿式篩を用いることで、上述した異物の他に、微破砕物に付着している洗剤や有機物汚れなど水溶性異物も同時に除去することができる。さらに、静電気の発生を防止し、除去した異物の微破砕物への再付着や篩の目詰まりを抑制することができる。
【0033】
ここで、湿式篩に用いる液体の比重は、金網の凹凸と破砕物の物理的な接触による擦り洗い効果を低下させないようにする理由から、微破砕物、即ち回収した繊維強化プラスチック廃材の比重未満であることが好ましい。また、湿式篩に用いる液体は、繊維強化プラスチックの大半が比重1.0以上であることや環境配慮の観点から、水が特に好ましい。水を用いることで、篩処理工程のコストを抑えることができ、排水処理も容易となる。
【0034】
次に、S107で異物が除去された微破砕物に、必要に応じて酸化防止剤、金属不活性化剤、相容化剤などの添加剤を添加し、均一に混合する(S108)。さらに、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加してもよい。また、繊維強化ポリオレフィンの場合、無水カルボン酸変性ポリオレフィン系改質剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加してもよい。なお、必要に応じて、微破砕物と同じ系統の繊維強化プラスチックを添加し、均一に混合してもよい。この場合、各種添加剤および微破砕物と同じ系統の繊維強化プラスチックの添加順序に特に制限はない。このように、必要に応じて各種添加剤や、微破砕物と同じ系統の繊維強化プラスチックを添加し、混合することで、高品位の繊維強化プラスチック、特に高い長期信頼性を必要とする家電製品や事務用機器などの繊維強化プラスチック部材の材料としても好適に用いることができる再生成形体を得ることができる。ここで、前記微破砕物と、必要に応じて添加される添加剤や微破砕物と同じ系統の繊維強化プラスチックとの混合は、これらが均一となるように行うことが好ましい。このような混合は、タンブラー混合機などを用いた方法など従来公知の方法により行うことができる。
【0035】
次に、S108で得られた混合物を加熱溶融し押出成形する(S109)。ここで、加熱溶融及び押出成形(以下、「加熱成形」と言う。)工程の温度は、S108で得られた混合物全体が溶融する最も低い温度をT℃とした場合、T℃以上であることが好ましく、(T+10)℃以上であることがより好ましい。また、(T+120)℃以下であることが好ましく、(T+60)℃以下であることがより好ましい。加熱成形工程の加熱温度をT℃以上とすることで、S108で得られた混合物全体が十分に溶融し、成形し易くすることができる。また、加熱成形工程の加熱温度を(T+120)℃とすることで、繊維強化プラスチックの熱劣化を抑制することができる。加熱成形に用いる加熱成形機は、特に制限されるものではないが、例えば、単軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機などの押出成形機が挙げられる。
【0036】
ここで、加熱成形機は、微破砕物に残存する異物を除去するためスクリーンメッシュを有し、スクリーンメッシュを通過しない異物を除去することが好ましく、異物除去のために該スクリーンメッシュの目開きサイズを小さくすることが好ましい。しかし、該スクリーンメッシュを小さくすると、繊維状フィラーが折損し、再生成形体の物性が低下する傾向があり、さらに、該スクリーンメッシュが繊維状フィラーで目詰まりを発生し、加熱成形の生産性が低下する傾向がある。
【0037】
そこで、本実施形態における加熱成形に用いる装置のスクリーンメッシュの目開きサイズCは、0.3mm以上かつ0.6mm以下であることが好ましい。加熱成形に用いる装置のスクリーンメッシュの目開きサイズCが0.3mm未満の場合には、繊維状フィラーの折損および該スクリーンメッシュの目詰まりが促進され、再生成形体の物性および生産性が著しく低下する傾向がある。また、0.6mmを超える場合は、繊維状フィラーの折損および該スクリーンメッシュの目詰まりは抑制されるが、微破砕物に残存する異物の除去率が低下し、再生成形体の物性および長期信頼性が低下する傾向がある。具体的には、加熱成形に用いる装置のスクリーンメッシュの目開きサイズCは、0.4mm以上かつ0.5mm以下が特に好ましい。本実施形態においては、目開きサイズCを0.4mmとした。本実施形態によれば、繊維強化プラスチック廃材に付着する異物を効率よく除去し、繊維状フィラーの折損を抑制することで、特性の高い再生成形体を得ることができる。
【0038】
次に、加熱成形された繊維強化プラスチックを原料化する(S110)。繊維強化プラスチック原料は、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどの方法により造粒し、これらの造粒方法の中でも、後に射出成形により特定の形状に成形するために、繊維強化プラスチック原料の供給を円滑に行うことができ、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
【0039】
なお、繊維強化プラスチック原料は、その形状に特に制限はなく、ペレット状、シート状、フィルム状、パイプ状などの形状であってもよく、加熱成形機の種類、使用の態様又は求められる特性などから適宜決定すればよい。シート、フィルム、射出成形体などの各種成形体に成形する原料として汎用性のあること、取り扱いが容易であることから、繊維強化プラスチック原料は、ペレット状であるのが好ましい。繊維強化プラスチック原料をペレット状とする場合、その粒径は特に制限されるものではないが、射出成形機のシリンダー内で充分に溶融して均一に混練されるために、8mm以下が好ましく、特に5mm以下がより好ましい。
【0040】
そして、繊維強化プラスチック原料を射出成形機に投入し、再生成形体を作成する(S111)。射出成形機は、特に限定するものではないが、例えばスクリュインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機などである。なお、必要に応じて、該繊維強化プラスチック原料と同じ系統の繊維強化プラスチックを添加し、均一に混合してもよい。このように、該繊維強化プラスチック原料と同じ系統の繊維強化プラスチックを添加し、混合することで、高品位の繊維強化プラスチック、特に機械的強度、耐クリープ性、耐熱性を必要とする家電製品や事務用機器などの繊維強化プラスチック部材の材料としても好適に用いることができる再生成形体を得ることができる。ここで、該繊維強化プラスチック原料と、同じ系統の繊維強化プラスチックとの混合は、これらが均一となるように行うことが好ましい。このような混合は、タンブラー混合機などを用いた方法など従来公知の方法により行うことができる。
【0041】
本発明は、図1に示した各工程の全てを備える必要はなく、繊維強化プラスチック廃材を破砕する破砕工程と、篩を用いて破砕した繊維強化プラスチック廃材に含まれる異物を除去する工程と、異物が除去された繊維強化プラスチック廃材の破砕物を加熱成形する工程を少なくとも含むものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0042】
本発明の再生成形体は、特に制限されるものではないが、マテリアルリサイクルされる製品に用いられることが好ましく、この場合、マテリアルリサイクルされる製品は、エアコン、テレビ、冷蔵庫及び洗濯機からなる群から選ばれる家電製品であるのが好ましい。
【0043】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験片の作製>
市場回収した(S101)使用済みドラム式洗濯乾燥機から、手解体にて廃水槽(材質:20%ガラス繊維強化ポリプロピレン、比重1.04)を回収し(S102)、衝撃式破砕装置を用いて粗破砕した(S103)。次に、その粗破砕物から磁力選別機を用いて鉄を主体とする金属系破砕物を除去後、渦電流選別機を用いて銅及びアルミニウムを主体とする金属系破砕物を除去した(S104)。その後、密閉循環式風力選別機を用いて発泡材などの軽量物を除去した(S105)。次に、S105を経て得られた繊維強化プラスチック系破砕物をせん断式破砕装置で微破砕し(S106)、微破砕物から円筒回転型湿式篩で異物除去を行った(S107)。次に、異物が除去された微破砕物に酸化防止剤を適量添加し、タンブラー混合機で均一に混合した(S108)。続いて、S108で得られた混合物をスクリュー径45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で加熱成形(S109)し、ペレット状の繊維強化プラスチック原料を作製した(S110)。そして、10トン射出成形機のホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の各試験片を作製した(S111)。
【0044】
ここで、物性測定用の各試験片は、作製条件、即ち、S106のせん断式破砕装置、即ち微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズA、S107の円筒回転型湿式篩、即ち篩の目開きサイズB、及びS109の二軸溶融混練押出機、即ち加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズCをそれぞれ変更して作製した。
<評価方法>
(1)異物混入量
S110で得られた繊維強化プラスチック原料から、100mm×100mm×1mmの熱プレスシートを作成し、きょう雑物測定図表(JIS P 8208)に準じて、異物混入量を測定した。
(2)原料回収率
S106で得られた微破砕物の重量をX、その微破砕物をS107の円筒回転型湿式篩で異物除去した後の重量をYとし、原料回収量は(Y/X)×100(%)
式から算出した。
(3)押出量
二軸溶融混練押出機にて加熱成形する時に、スクリーンメッシュに目詰まりが発生するまでの再生プラスチック原料の吐出量を測定した。
(4)引張強度及び伸び
JIS K 7113に準じて、引張強度および伸びを測定した。
(5)曲げ強度及び曲げ弾性率
JIS K 7203に準じて、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
(6)アイゾット衝撃強度の測定
JIS K 7110に準じて、アイゾット衝撃強度を測定した。
(7)長期安定性
140℃恒温槽静置による熱安定性試験にて曲げ強度を測定し、エージング時間と曲げ強度の関係を確認した。
【0045】
以下、作製条件の異なる試験片で、(1)から(7)の測定結果を説明する。
<評価試験1>
篩の目開きサイズBの効果を確認するために、評価試験1を実施した。即ち、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズA及び加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズCを固定し、篩の目開きサイズBを変えて試験片を作製し、(1)、(2)、及び(4)から(7)の評価を行った。
【0046】
まず、試験片a1、a2、a3、a4、a5を、A=12mm、C=0.4mm、及びBを以下の条件として試験片を作製し、各評価を実施した。
試験片a1:B=0.8mm(=A×0.067)
試験片a2:B=0.96mm(=A×0.08)
試験片a3:B=2.0mm(=A×0.17)
試験片a4:B=6.0mm(=A×0.5)
試験片a5:B=8.0mm(=A×0.67)
次に、試験片b1、b2、b3、b4、b5を、A=20mm、C=0.4mm、及びBを以下の条件として試験片を作製し、各評価を実施した。
試験片b1:B=1.34mm(=A×0.067)
試験片b2:B=1.6mm(=A×0.08)
試験片b3:B=3.4mm(=A×0.17)
試験片b4:B=10mm(=A×0.5)
試験片b5:B=13.4mm(=A×0.67)
【0047】
【表1】

表1に、A=12mmとしたときの各評価結果を示す。また、長期安定性の測定結果は、図2に示す。試験片a1は、篩の目開きサイズBが微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAの0.067倍と小さいため原料回収率は高いが、異物残存量が多いため伸びとアイゾット衝撃強度が低下している。試験片a5は、篩の目開きサイズBがスクリーンメッシュの目開きサイズAの0.67倍と大きいため異物残存量は少ないものの、原料回収率が低いため生産性が悪い。篩の目開きサイズBが、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAの0.08倍、0.17倍、及び0.5倍である試験片a2、a3、a4において、異物混入量と原料回収率のバランスが良好であり、物性も優れていることが分かる。
【0048】
図2は、A=12mmとしたときの長期安定性の測定結果であり、熱安定性試験のエージング時間と各試験片の曲げ強度の物性保持率との関係を示した図である。図2を参照すると、異物残存量の少ない試験片a2、a3、a4、a5が長期の熱安定性を示すことが分かる。即ち、全ての試験片は同様の条件で酸化防止剤が添加されているため、酸化防止剤の同量添加では異物が少ないほど再生成形体の熱安定性時間が伸びることが分かる。多くの酸化防止剤を添加することで、異物残存量が多くても長期安定性を得ることができるが、異物残存量を少なくすることができる本発明の再資源化方法によれば、繊維強化プラスチック廃材に配合する添加剤の使用量が抑制でき、再生繊維強化プラスチック原料のコストダウンに繋がる。
【0049】
【表2】

表2に、A=20mmとしたときの各評価結果を示す。また、長期安定性の測定結果は、図3に示す。表2からA=12mmの場合と同様に、篩の目開きサイズBが、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAの0.08倍、0.17倍、及び0.5倍である試験片b2、b3、b4において、異物混入量と原料回収率のバランスが良好であり、物性も優れていることが分かる。
【0050】
図3は、A=20mmとしたときの長期安定性の測定結果であり、熱安定性試験のエージング時間と各試験片の曲げ強度の物性保持率との関係を示した図である。A=12mmの場合と同様に、異物残存量が少ない試験片b2、b3、b4、b5、が長期安定性を示すことが分かる。
【0051】
これらの結果から、試験片a2、a3、a4、b2、b3、b4が好ましく、即ち、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズAに対し、篩の目開きサイズBの最適な範囲は、A×0.08≦B≦A×0.5の式で表すことができる。
<評価試験2>
加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズCの効果を確認するために、評価試験2を実施した。即ち、微破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズA及び篩の目開きサイズBを固定し、加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズCを変えて試験片を作製し、(1)及び(3)から(7)の評価を行った。
【0052】
まず、試験片c1、c2、c3、c4、c5を、A=12mm、B=2mm、及びCを以下の条件として試験片を作製し、各評価を実施した。
試験片c1:C=0.2mm
試験片c2:C=0.3mm
試験片c3:C=0.4mm
試験片c4:C=0.6mm
試験片c5:C=0.8mm
次に、試験片d1、d2、d3、d4、d5を、A=12mm、B=6mm、及びCを以下の条件として試験片を作製し、各評価を実施した。
試験片d1:C=0.2mm
試験片d2:C=0.3mm
試験片d3:C=0.4mm
試験片d4:C=0.6mm
試験片d5:C=0.8mm
【0053】
【表3】

表3に、B=2mmとしたときの評価結果を示す。また、長期安定性の測定結果は、図4に示す。C=0.2mmの試験片c1は、スクリーンメッシュが目詰まりする迄の押出量が非常に少なく、生産性が悪い。また、異物混入量は少ないが、繊維状フィラーの折損が起こるため、アイゾット衝撃強度や剛性が低下している。C=0.8mmの試験片c5は、生産性は良好であるが、異物残存量が多く、伸びとアイゾット衝撃強度が低下している。加熱成形機のスクリーン目開きCが0.3mm、0.4mm、及び0.6mmである試験片c2、c3、c4において、異物混入量と生産性のバランスが良好であり、物性も優れていることが分かる。
【0054】
図4は、B=2mmとしたときの長期安定性の測定結果であり、熱安定性試験のエージング時間と各試験片の曲げ強度の物性保持率との関係を示した図である。図4を参照すると、異物残存量の少ない試験片c1、c2、c3、c4が長期の熱安定性を示すことが分かる。これは、酸化防止剤の同量添加では異物が少ないほど再生成形体の熱安定性時間が伸びることを意味する。これにより、繊維強化プラスチック廃材に配合する添加剤の使用量が抑制でき、再生成形体のコストダウンに繋がる。
【0055】
【表4】

表4に、B=6mmとしたときの各評価結果を示す。また、長期安定性の測定結果は、図5に示す。表4からB=2mmの場合と同様に、加熱成形機のスクリーン目開きCが0.3mm、0.4mm、及び0.6mmである試験片d2、d3、d4において、異物混入量と生産性のバランスが良好であり、物性も優れていることが分かる。
【0056】
図5は、B=6mmとしたときの長期安定性の測定結果であり、熱安定性試験のエージング時間と各試験片の曲げ強度の物性保持率との関係を示した図である。B=2mmの場合と同様に、異物残存量の少ない試験片d1、d2、d3、d4が長期の熱安定性を示すことが分かる。
【0057】
これらの結果から、試験片c2、c3、c4、d2、d3、d4が好ましく、即ち、加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズCの最適な範囲は、0.3mm≦C≦0.6mmの式で表すことができる。
【0058】
以上の結果より、本発明では、微破砕機のスクリーンメッシュに応じた篩処理を行うことにより、繊維強化プラスチック廃材に付着する異物を高効率に除去することが可能となる。また、加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズを最適化することで、効率よく異物を除去するとともに、繊維状フィラーの折損を抑制することができるため、繊維強化プラスチック廃材から特性の高い再生成形体を得ることができる。また、長期安定性を確保するための添加剤の使用量を削減でき、再生成形体のコストダウンにも繋がる。
【0059】
つまり、繊維強化プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適用可能な高品質の再生成形体を提供することができ、再生成形体を再び家電4品目など耐久消費財へ適用することにより、新たな埋蔵化石資源の使用削減に貢献でき、サーマルリサイクルと異なり、二酸化炭素など温暖化ガス発生の抑制にもつながる。
【0060】
なお、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によれば、加熱成形機のスクリーンメッシュの目開きサイズを最適化して繊維状フィラーの折損を抑制するため、繊維強化プラスチック廃材から特性の高い再生成形体を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法であって、
前記繊維強化プラスチック廃材を破砕して破砕物とする破砕工程と、
前記破砕物から篩処理により異物を除去する篩処理工程と、
前記異物が除去された前記破砕物を加熱溶融及び押出成形する加熱成形工程と、を含み、
前記加熱成形工程は、目開きサイズが0.3mm以上かつ0.6mm以下のスクリーンメッシュを用いて押出成形することを特徴とする繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項2】
前記篩処理工程は、前記破砕工程で用いられるスクリーンメッシュの目開きサイズの0.08倍以上かつ0.5倍以下の目開きサイズを有する篩を用いることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項3】
前記破砕工程は、目開きサイズが10mm以上かつ20mm以下のスクリーンメッシュを用いて前記繊維強化プラスチック廃材を破砕することを特徴とする請求項2に記載の繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項4】
前記篩処理工程は、比重が前記繊維強化プラスチック廃材の比重未満の液体の中で篩処理を行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つに記載の繊維強化プラスチック廃材の再資源化方法により得られる再生成形体。
【請求項6】
繊維強化プラスチック廃材の再資源化装置であって、
前記繊維強化プラスチック廃材を破砕して破砕物とする破砕機と、
前記破砕物から異物を除去する篩と、
前記異物が除去された前記破砕物を加熱溶融し押出成形する加熱成形機と、を含み、
前記加熱成形機は、前記破砕物から異物を除去するスクリーンメッシュを有し、
前記加熱成形機のスクリーンメッシュ目開きサイズは、0.3mm以上かつ0.6mm以下であることを特徴とする繊維強化プラスチック廃材の再資源化装置。
【請求項7】
前記破砕機は、前記繊維強化プラスチック廃材を破砕するスクリーンメッシュを有し、
前記篩の目開きサイズは、前記破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズの0.08倍以上かつ0.5倍以下であることを特徴とする請求項6に記載の繊維強化プラスチック廃材の再資源化装置。
【請求項8】
前記破砕機のスクリーンメッシュの目開きサイズは、10mm以上かつ20mm以下であることを特徴とする請求項7に記載の繊維強化プラスチック廃材の再資源化装置。
【請求項9】
前記篩は、比重が前記繊維強化プラスチック廃材の比重未満の液体を有する湿式篩であることを特徴とする請求項6から8の何れか1つに記載の繊維強化プラスチック廃材の再資源化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−95001(P2013−95001A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238268(P2011−238268)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】