説明

蓄電装置の冷却構造

【課題】車両室内の空気を効率良く冷却風通路に取り込む蓄電装置の冷却構造を提供する。
【解決手段】蓄電装置の冷却構造は、ハイブリッド自動車に搭載される電池パック38と、車両室内に開口された吸気口31を有し、吸気口31と電池パック38との間で延びる吸気通路32と、吸気口31を覆うように配置され、車両室内と吸気通路32との間を連通させる複数の孔23が形成されたエアインテークパネル21とを備える。複数の孔23の各々は、略円形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、蓄電装置の冷却構造に関し、より特定的には、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される蓄電装置の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の蓄電装置の冷却構造に関して、たとえば、特開2004−1683号公報には、電池の特性の劣化や短寿命化を防止することを目的とした自動車用電池の冷却構造が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された自動車用電池の冷却構造は、電池パックに接続された吸気ダクトを備える。吸気ダクトには、ラゲージルームに搭載される荷物を覆うためのトノカバーよりも上方に位置して、車両室内の空気を冷却風として取り込むための吸気口が形成されている。
【0003】
また、特開2004−42698号公報には、車両室内にファンの作動音を漏らさず、さらにトランクルームへの荷物の搭載を容易にすることを目的とした冷却装置の配置構造が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された冷却装置の配置構造は、車両に搭載された蓄電装置に車室内の空気を冷媒として取り込むための吸入口を備える。
【特許文献1】特開2004−1683号公報
【特許文献2】特開2004−42698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1および2では、車両室内の空気が冷却風として、ダクトの吸気口を介して蓄電装置に送られる。しかしながら、吸気口に形成された孔の形状によっては、吸気口を通過する際の冷却風流れの圧損が大きくなるおそれが生じる。この場合、蓄電装置を効率良く冷却することが難しくなる。
【0005】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、車両室内の空気を効率良く冷却風通路に取り込む蓄電装置の冷却構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従った蓄電装置の冷却構造は、車両に搭載される蓄電部と、冷却風通路と、カバー部材とを備える。冷却風通路は、車両室内に開口された吸気口を有し、吸気口と蓄電部との間で延びる。カバー部材は、吸気口を覆うように配置され、車両室内と冷却風通路との間を連通させる複数の孔が形成されている。複数の孔の各々は、略円形状に形成されている。
【0007】
このように構成された蓄電装置の冷却構造によれば、車両室内の空気が、カバー部材に形成された複数の孔を通って冷却風通路に流入する。この際、孔は略円形状に形成されているため、複数の孔を通過する空気流れの圧損を小さく抑えることができる。これにより、車両室内の空気を効率良く冷却風通路に取り込むことができる。
【0008】
また好ましくは、複数の孔の各々は、略真円形状に形成されている。
また好ましくは、カバー部材を挟んで車両室内の反対側には、冷却風通路と隣り合ってスピーカが設置されている。複数の孔は、さらに、スピーカに向い合う位置に形成されている。
【0009】
また好ましくは、冷却風通路は、カバー部材に隣接する位置でカバー部材が延在する平面に平行な冷却風流れが発生するように形成されている。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、この発明に従えば、車両室内の空気を効率良く冷却風通路に取り込む蓄電装置の冷却構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における蓄電装置の冷却構造が適用された車両を示す斜視図である。図中に示す車両は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能な2次電池とを動力源とするハイブリッド自動車である。図中には、車両室内のリヤシートを、車両前方から見た様子が示されている。
【0013】
図1を参照して、車両室内に設置されたリヤシート11と、リヤウインド13との間には、略水平方向に延在するパッケージトレイ15が設けられている。パッケージトレイ15は、車両室内と、車両後方に設けられたラゲージルームとの間を区画している。パッケージトレイ15上には、エアインテークパネル21が設置されている。パッケージトレイ15およびエアインテークパネル21は、たとえば樹脂材料から形成されている。
【0014】
図2は、図1中の矢印IIに示す方向から見たエアインテークパネルの上面図である。図3は、図1中のIII−III線上に沿った車両の断面図である。
【0015】
図2および図3を参照して、パッケージトレイ15の下方には、2次電池を収容する電池パック38が配置されている。本実施の形態では、電池パック38がラゲージルーム内に配置されている。電池パック38に収容される2次電池は、充放電可能な2次電池であれば特に限定されず、たとえば、ニッケル水素電池であっても良いし、リチウムイオン電池であっても良い。
【0016】
パッケージトレイ15には、吸気口31が形成されている。吸気口31は、車両室内に向けて矩形形状に開口している。パッケージトレイ15は、車両室内に面する表面としての頂面15aを有する。吸気口31は、頂面15aに開口している。なお、吸気口31が開口する形状は、矩形形状に限定されず、たとえば、円形や楕円形、矩形形状以外の多角形であっても良い。また、吸気口31は複数、形成されていても良い。
【0017】
吸気口31には、吸気通路32が接続されている。吸気通路32は、吸気口31と電池パック38との間で延びている。吸気通路32は、車両室内の空気を冷却風として吸気口31から取り込み、電池パック38に送る。吸気通路32は、吸気ダクト34および送風ダクト35から構成されている。吸気ダクト34および送風ダクト35は、挙げた順に、吸気口31に近い側、つまり、吸気通路32内の冷却風流れの上流側から並んで配置されている。送風ダクト35内の空気流れの上流側には、電動のファン36が設置されている。
【0018】
なお、ファン36は、吸気通路32内に限定されず、たとえば、電池パック38に設けられていても良いし、電池パック38に供給された冷却風を排気する排気ダクトに設けられていても良い。ファン36の種類は、シロッコファンであっても良いし、クロスフロー型のファンやプロペラファンであっても良い。
【0019】
パッケージトレイ15には、スピーカ17が取り付けられている。スピーカ17は、車両に搭載されたオーディオシステムを構成している。スピーカ17は、パッケージトレイ15を隔てて車両室内の反対側に配置されている。スピーカ17は、吸気口31と車両幅方向に並んでパッケージトレイ15に取り付けられている。スピーカ17は、ウーハ(低温拡声器)であっても良い。
【0020】
エアインテークパネル21は、吸気口31およびスピーカ17を覆うように頂面15a上に設置されている。エアインテークパネル21は、頂面15a上で広がる板形状を有する。エアインテークパネル21は、頂面15aとの間に隙間を設けるように配置されている。エアインテークパネル21は、車両室内に面する表面21aと、表面21aの反対側で頂面15aに面する裏面21bとを有する。表面21aは、鉛直上方向に面している。
【0021】
エアインテークパネル21には、車両室内と吸気通路32との間を連通させる複数の孔23が形成されている。孔23は、表面21aから裏面21bまで貫通している。孔23は、略真円形状を有する。孔23は、略真円に開口していると視認できる程度の大きさを有する。孔23は、たとえば、直径2mmの大きさを有する。
【0022】
複数の孔23は、格子状に並ぶように形成されている。複数の孔23は、全て同一の形状を有する。複数の孔23は、エアインテークパネル21を正面から見た場合、本実施の形態では車両を平面的に見た場合に、吸気口31およびスピーカ17を覆う領域で広がって形成されている。複数の孔23は、吸気口31を覆う領域とスピーカ17を覆う領域との間で連続して形成されている。複数の孔23は、隣り合う孔間のピッチが全て等しくなるように、単調に並んで形成されている。複数の孔23は、エアインテークパネル21のほぼ全面に渡って形成されている。複数の孔23は、エアインテークパネル21に直接、形成されている。
【0023】
図4は、図2中のエアインテークパネルに形成される孔の第1の変形例を示す上面図である。図4および後に説明する図5中には、エアインテークパネル21のコーナー部分が拡大して示されている。図4を参照して、エアインテークパネル21に形成される複数の孔23は、千鳥状に配置されていても良い。図中では、1列に並ぶ複数の孔23の位置と、その隣の列に並ぶ複数の孔23の位置とが、孔間のピッチの半分の距離だけ互いにずれている。
【0024】
図5は、図2中のエアインテークパネルに形成される孔の第2の変形例を示す上面図である。図5を参照して、孔23の形状は、円形であれば良く、真円以外の楕円や長円であっても良い。好ましくは、エアインテークパネル21には、円形の孔のみが形成されている。さらに好ましくは、エアインテークパネル21には、真円の孔のみが形成されている。
【0025】
さらに別の変形例について説明すると、複数の孔23は、全て同じ形状を有していなくても良い。たとえば、複数の孔23は、エアインテークパネル21を正面から見た場合に、吸気口31に重なる領域とその領域以外の領域との間で互いに異なる形状を有していても良い。複数の孔23は、所定の方向に向かって徐々に形状が変化するように形成されていても良い。たとえば、複数の孔23は、車両前方から後方に向かうに従って楕円から真円に形状が変化するように形成されていても良い。また、その逆であっても良い。
【0026】
また、複数の孔23は、形成される領域によって互いに異なる大きさを有していても良い。たとえば、複数の孔23は、吸気口31に重なる領域で相対的に小さく形成され、それ以外の領域で相対的に大きく形成されていても良い。また、その逆であっても良い。複数の孔23は、所定の方向に向かって徐々に大きさが変化するように形成されていても良い。たとえば、複数の孔23は、車両前方から後方に向かうに従って徐々に大きさが大きくなるように形成されていても良い。また、その逆であっても良い。
【0027】
複数の孔23は、エアインテークパネル21の全面に渡って形成されていなくても良い。たとえば、複数の孔23は、エアインテークパネル21を正面から見た場合に、吸気口31に重なる領域と、スピーカ17に重なる領域とに分かれて形成されていても良い。これら各領域の面積が互いに異なり、たとえば、吸気口31に重なる領域がスピーカ17に重なる領域よりも大きくなるように複数の孔23が形成されていても良い。また、その逆であっても良い。複数の孔23が形成される領域は、いずれの形状であっても良く、円形であって良いし、矩形であっても良い。
【0028】
複数の孔23が形成されるピッチは、全て等しくなくても良い。たとえば、エアインテークパネル21を正面から見た場合に、吸気口31に重なる領域で複数の孔23のピッチが相対的に大きく、スピーカ17に重なる領域で孔23のピッチが相対的に小さくても良い。また、その逆であっても良い。複数の孔23が形成されるピッチは、所定の方向に向かうに従って徐々に変化しても良い。たとえば、複数の孔23が形成されるピッチは、車両前方から後方に向かうに従って徐々に小さくなっても良い。また、その逆であっても良い。
【0029】
以上に説明した変形例が適当に組み合わされて、複数の孔23が形成されていても良い。
【0030】
図6は、車両室内の空気が吸気通路に流れ込む様子を模式的に表わした吸気通路の断面図である。図7は、エアインテークパネル上に物が載せられた場合の図6中の吸気通路の断面図である。
【0031】
図3および図6を参照して、吸気通路32は、エアインテークパネル21に隣接する位置でエアインテークパネル21と平行に広がる部分32mと、部分32mからエアインテークパネル21より離間する方向に延び、電池パック38に向かう部分32nとから構成されている。部分32mは、エアインテークパネル21とパッケージトレイ15との間の隙間に形成されている。複数の孔23は、車両室内と部分32mとの間を連通させるように形成されている。
【0032】
ファン36を稼動させることにより、車両室内の空気がエアインテークパネル21に形成された孔23を通って、吸気口31から吸気通路32内に取り込まれる。この際、エアインテークパネル21に隣接する位置には部分32mが形成されているため、エアインテークパネル21内には、車両室内から直接、吸気通路32の部分32nに流れ込む空気流れと、矢印101に示すように吸気通路32の部分32mを水平方向に流れた後、進行方向を変えて吸気通路32の部分32nに流れ込む空気流れとが発生する。
【0033】
図7を参照して、図中には、荷物や書籍等の物41がエアインテークパネル21上に載せられた場合が想定されている。この場合、吸気口31の直上に物41が載せられることがあっても、エアインテークパネル21内には、吸気通路32の部分32mを経由して部分32nに流れ込む空気流れが確保される。このため、電池パック38に向けて、より確実に冷却風を供給することができる。
【0034】
図8は、図2中のエアインテークパネルの第1の変形例を示す車両の断面図である。図9は、図2中のエアインテークパネルの第2の変形例を示す車両の断面図である。
【0035】
図8を参照して、本変形例におけるエアインテークパネル21では、エアインテークパネル21を正面から見た場合に吸気口31に重なる領域に、ダミー孔46が形成されている。ダミー孔46は、表面21aから凹み、裏面21bまで貫通していない。ダミー孔46は、孔23と同一の形状を有して表面21aに開口している。このような構成により、エアインテークパネル21の外観を保ったまま、吸気通路32から車両室内に漏れるファン36の風きり音やモータ音の音量を小さく抑えることができる。
【0036】
図9を参照して、本変形例におけるエアインテークパネル21では、エアインテークパネル21を正面から見た場合に吸気口31に重なる領域に、凹部48が形成されている。凹部48は、裏面21bから凹み、表面21aまで貫通していない。このような構成により、吸気通路32から車両室内に向かう音は、凹部48が形成された裏面21bで反射することにより大きく減衰される。これにより、吸気通路32から車両室内に漏れるファン36の風きり音やモータ音の音量を、さらに効果的に小さく抑えることができる。
【0037】
なお、図8中に示す変形例の構成と、図9中に示す変形例の構成とを組み合わせて、エアインテークパネル21を構成しても良い。
【0038】
この発明の実施の形態1における蓄電装置の冷却構造は、車両としてのハイブリッド自動車に搭載される蓄電部としての電池パック38と、車両室内に開口された吸気口31を有し、吸気口31と電池パック38との間で延びる冷却風通路としての吸気通路32と、吸気口31を覆うように配置され、車両室内と吸気通路32との間を連通させる複数の孔23が形成されたカバー部材としてのエアインテークパネル21とを備える。複数の孔23の各々は、略円形状に形成されている。
【0039】
このように構成された、この発明の実施の形態1における蓄電装置の冷却構造によれば、孔23が円形状に形成されているため、孔23を通過する空気流れに乱れが生じることを抑制できる。これにより、車両室内から吸気通路32に取り込まれる空気流れの圧損を小さく抑え、電池パック38に効率良く冷却風を供給することができる。また特に、孔23が真円形状を有する場合、孔23から吸気通路32に異物が侵入することを効果的に抑制できる。また、エアインテークパネル21上に飲み物等の液体がこぼされた場合であっても、孔23に浸入した液体の表面張力が壊れ難くなる。このため、液体が孔23を通過して吸気通路32に浸入することを抑制できる。
【0040】
なお、本実施の形態では、本発明による蓄電装置の冷却構造を内燃機関と2次電池とを動力源とするハイブリッド自動車に適用したが、本発明を、燃料電池と2次電池とを動力源とする燃料電池ハイブリッド車(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)または電気自動車(EV:Electric Vehicle)に適用することもできる。本実施の形態におけるハイブリッド自動車では、燃費最適動作点で内燃機関を駆動するのに対して、燃料電池ハイブリッド自動車では、発電効率最適動作点で燃料電池を駆動する。また、2次電池の使用に関しては、両方のハイブリッド自動車で基本的に変わらない。
【0041】
また、蓄電装置は、化学変化等により自ら電気を創り出す2次電池に限定されず、外部からの供給により電気を蓄えるキャパシタ等であっても良い。
【0042】
キャパシタは、活性炭と電解液との界面に発生する電気2重層を動作原理とした電気2重層キャパシタのことである。固体として活性炭、液体として電解液(奇硫酸水溶液)を用いて、これらを接触させるとその界面にプラス、マイナスの電極が極めて短い距離を隔てて相対的に分布する。イオン性溶液中に一対の電極を浸して電気分解が起こらない程度に電圧を負荷させると、それぞれの電極の表面にイオンが吸着され、プラスとマイナスの電気が蓄えられる(充電)。外部に電気を放出すると、正負のイオンが電極から離れて中和状態に戻る(放電)。
【0043】
(実施の形態2)
図10は、この発明の実施の形態2における蓄電装置の冷却構造が適用された車両を示す斜視図である。本実施の形態における蓄電装置の冷却構造は、実施の形態1における蓄電装置の冷却構造と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
【0044】
図10を参照して、車両室内には、フロントシートを構成する運転席51と助手席52とが、車両幅方向に並んで設けられている。運転席51と助手席52との間には、車両前後方向に延びる樹脂製のセンターコンソール53が設けられている。
【0045】
センターコンソール53は、略直方体形状を有し、フロントガラスの後方に広がるダッシュボード54に連なるように形成されている。センターコンソール53は、たとえば、車両室内のインテリア性を向上させる目的や、飲料容器を載置するためのカップホルダや、小物類を載置するための凹部を設けるために設置されている。センターコンソール53は、後部座席に向い合って略水平方向に面する背面53cを有する。
【0046】
本実施の形態では、センターコンソール53の内部に電池パック38が配置されている。電池パック38には、車両前方から後方に順に並んで、高電圧部品であるインバータ62と、2次電池61とが収容されている。インバータ62は、2次電池61からの直流電流をモータ駆動用の交流電流に変換するとともに、回生ブレーキにより発電された交流電流を、2次電池61に充電するための直流電流に変換する。図示されていないが、センターコンソール53の内部にはさらに、インバータ62と2次電池61との間を電気的に接続し、高電圧の電流が流れるハーネスが収容されている。
【0047】
吸気口31は、センターコンソール53の背面53cに形成されている。吸気通路32は、センターコンソール53の内部で吸気口31と電池パック38との間で延びている。背面53cには、複数の孔23が形成されたエアインテークパネル21が、吸気口31を塞ぐように設けられている。
【0048】
このように構成された、この発明の実施の形態2における蓄電装置の冷却構造によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。加えて、孔23が真円形状を有する場合、ハーネスから発せられる電磁波が孔23を通じて車両室内に漏れることを効果的に抑制できる。
【0049】
なお、電池パック38は、ラゲージルームやセンターコンソールの下のほか、フロントシートやリヤシートの下等に配置されていても良い。また、車両が3列シートの場合には、電池パック38が、セカンドシートやサードシートの下に配置されていても良い。電池パック38が配置される位置に合わせて、エアインテークパネル21が設けられる位置も適宜、変更されても良い。
【0050】
また、実施の形態1における蓄電装置の冷却構造と、実施の形態2における蓄電装置の冷却構造とを適宜、組み合わせて、新たな蓄電装置の冷却構造を構成しても良い。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の実施の形態1における蓄電装置の冷却構造が適用された車両を示す斜視図である。
【図2】図1中の矢印IIに示す方向から見たエアインテークパネルの上面図である。
【図3】図1中のIII−III線上に沿った車両の断面図である。
【図4】図2中のエアインテークパネルに形成される孔の第1の変形例を示す上面図である。
【図5】図2中のエアインテークパネルに形成される孔の第2の変形例を示す上面図である。
【図6】車両室内の空気が吸気通路に流れ込む様子を模式的に表わした吸気通路の断面図である。
【図7】エアインテークパネル上に物が載せられた場合の図6中の吸気通路の断面図である。
【図8】図2中のエアインテークパネルの第1の変形例を示す車両の断面図である。
【図9】図2中のエアインテークパネルの第2の変形例を示す車両の断面図である。
【図10】この発明の実施の形態2における蓄電装置の冷却構造が適用された車両を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
17 スピーカ、21 エアインテークパネル、23 孔、31 吸気口、32 吸気通路、38 電池パック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される蓄電部と、
車両室内に開口された吸気口を有し、前記吸気口と前記蓄電部との間で延びる冷却風通路と、
前記吸気口を覆うように配置され、前記車両室内と前記冷却風通路との間を連通させる複数の孔が形成されたカバー部材とを備え、
前記複数の孔の各々は、略円形状に形成されている、蓄電装置の冷却構造。
【請求項2】
前記複数の孔の各々は、略真円形状に形成されている、請求項1に記載の蓄電装置の冷却構造。
【請求項3】
前記カバー部材を挟んで車両室内の反対側には、前記冷却風通路と隣り合ってスピーカが設置されており、
前記複数の孔は、さらに、前記スピーカに向い合う位置に形成されている、請求項1または2に記載の蓄電装置の冷却構造。
【請求項4】
前記冷却風通路は、前記カバー部材に隣接する位置で前記カバー部材が延在する平面に平行な冷却風流れが発生するように形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄電装置の冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−106315(P2007−106315A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300651(P2005−300651)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】