説明

薄膜トランジスタ及びその製造方法

【課題】積層構造のゲート電極をもつ薄膜トランジスタにおいて、ゲート電極上の絶縁層のステップカバレージの低下を防止し、かつ、前記第1金属層のヒロック(hillock)の生成を防止する。
【解決手段】基板上に第1金属層43と第2金属層45を連続して蒸着し、さらに所定幅(W1)を持つ感光膜47を形成する(図5(a))。感光膜47をマスクとして第2金属層45を等方性のウェットエッチング方法で感光膜の幅(W1)よりも1μm乃至4μm程度小さな幅(W2)にパターニングする(図5(b))。次に、感光膜47をマスクとして第1金属層43を異方性エッチング方法で幅(W1)を持つようにパターニングして積層構造のゲート電極を形成する(図5(c))。1μm<W1−W2<4μmの関係にあればステップカバレージの低下とヒロックの両方を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置(Liquid Crystal Display)の薄膜トランジスタ及びその製造方法に係り、特にゲートを二層金属構造に形成する薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、駆動素子であるスイッチング素子と、光を透過するか反射する画素(pixel)電極を基本単位とする画素とがマトリックス構造をもって配列された構造を有する。前記で、スイッチング素子はゲートとソース及びドレイン領域を合む薄膜トランジスタからなる。
【0003】
前記で、薄膜トランジスタのゲートは配線抵抗を減らすためにアルミニウムを用いている。しかし、ゲートをアルミニウムから形成すると、ヒロツク(hillock)が発生するという問題点がある。
【0004】
故に、アルミニウム上部にモリブデン(Mo)などの金属を覆う二重構造のゲートが提示された。
【0005】
前記二重構造のゲートを形成する方法というのは、アルミニウムとモリブデンを順次蒸着した後に一回のフォトリソグラフイ工程によってパターニングするということである。このような方法は積層された二重金属が厚くて基板との段差が大きくなり、このため以後に形成されるゲート酸化膜のステップカバレージ(step coverage)が悪くなる。故に、ゲート酸化膜上に形成されるソース及びドレイン領域はゲートと重畳する部分と重畳しない部分が断絶されるか、或いはゲートと接触して電気的に短絡されるという問題点があった。
【0006】
従って、積層されたアルミニウム及びモリブデンの二重金属がそれぞれ段差を成すことによって以後に形成されるゲート酸化膜のステップカバレージを向上させるというゲートの形成方法が提示された。
【0007】
図1(a)乃至図2(c)は従来技術による薄膜トランジスタの製造工程図である。
【0008】
図1(a)を参照すると、基板11上にアルミニウムを蒸着して第1金属層13を形成し、第1金属層13上に第1感光膜15を塗布する。そして、第1感光膜15を、所定幅(W1)で持って、第1金属層13の所定部分以外の部分が露出されるように露光及び現像する。
【0009】
図1(b)を参照すると、第1感光膜15をマスクとして第1金属層13を、幅(W1)を持つようにウエットエッチング方法でパターニングする。そして、第1感光膜15を除去した後、第1金属層13を覆うように基板11上にモリブデン、タンタル(Ta)、或いはコバルト(Co)のいずれかを蒸着して第2金属層17を形成する。そして、第2金属層17上に第2感光膜19を塗布する。
【0010】
そして、第2感光膜(19)を、所定幅(W2)で持って、第1金属層13に対応する第2金属層17上の所定部分以外の部分が露出されるように露光及び現像する。
【0011】
図1(c)を参照すると、第2感光膜19をマスクとして第2金属層17を、第1金属層13の幅(W1)より小さい幅(W2)を持つようにウエットエッチング方法でパターニングする。この時、パターニングされた第1及び第2金属層13,17は基板11と二重段差をなす二層金属構造を有するゲート21となる。前記で、ゲート21を、第2金属層17が第1金属層13の真ん中の部分に位置して幅が4μm以上、即ちW1−W2≧4μmとなるように形成する。そして、第2感光膜19を除去する。
【0012】
図2(a)を参照すると、ゲート21及び基板11の表面にシリコン酸化物(SiO2)或いはシリコン窒化物(Si34)を単層或いは二重層に蒸着して第1絶縁膜23を形成する。そして、第1絶縁膜23上に不純物がドーピングされていない多結晶シリコンと不純物が高濃度でドーピングされた多結晶シリコンを連続して蒸着して半導体層25とオーム接触層27を形成する。その後、オーム接触層27及び半導体25を第1絶縁膜23が露出されるようにフォトリソグラフィ方法でパターニングする。
【0013】
図2(b)を参照すると、絶縁膜23及びオーム接触層27上にアルミニウムなどの導電性金属を積層した後、この導電性金属をフォトリソグラフィ方法でパターニングしてソース及びドレイン電極29、31を形成する。そして、ソース及びドレイン電極29,31をマスクとしてこのソース及びドレイン29、31の間の、オーム接触層27の露出された部分をエッチングして除去する。
【0014】
図2(c)を参照すると、前述した構造の全表面にシリコン酸化物或いはシリコン窒化物を蒸着して第2絶縁膜33を形成する。その次、第2絶縁膜33をドレイン電極31の所定部分が露出されるように除去してコンタクトホール35を形成する。その次、第2絶縁膜33上に、コンタクトホール35を通じてドレイン電極31と電気的に連結されるように、透明導電物質を蒸着した後、フォトリソグラフィ方法でパターニングして画素電極37を形成する。
【0015】
前述したように、従来の薄膜トランジスタの製造方法は、二層金属構造を有するゲートにおいて、第1金属層と第2金属層をそれぞれ他のマスクを用いるフォトリソグラフィ工程によって形成してゲートと基板が二重の段差を成すようにした。
【0016】
しかし、従来技術による薄膜トランジスタは第1金属層の幅が第2金属層の幅より4μm以上大きければ、第2金属層が形成されていない第1金属層の両側でヒロックが発生するという間題点があった。第1金属層の幅が第2金属層の幅より4μm以上大きいと、下側の金属層(例えばアルミニウム層)と上側の金属層(例えばモリブデン層)との間の相互作用がそれほど強くなく、ヒロックの発生を防止できないからである。言い換えれば、下側の金属層上の上側の層の効果が弱いので、下側の層でヒロックは発生するのである。
【0017】
また、ゲートを形成するために2回の蒸着と2回のフォトリソグラフィ工程が要るので、工程が複雑になるだけでなく、第1金属層と第2金属層との間の接触抵抗が増加するという間題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の目的は、第2金属層が形成されていない、第1金属層上の両側部分でヒロックが発生することを防止し得る薄膜トランジスタを提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、ゲートを簡単に形成し得る薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【0020】
また、本発明の他の目的は、ゲートを成す第1金属層と第2金属層の間の接触抵抗を減らし得る薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明による薄膜トランジスタのゲート電極は、第1金属層と第2金属層の積層により形成されるとともに、ゲート電極上の絶縁層のステップカバレージの低下を防止し、かつ、前記第1金属層のヒロック(hillock)の生成を防止するように、前記第1金属層の幅(W1)が前記第2金属層の幅(W2)より大きい。
【0022】
上記他の目的を達成するために、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に第1金属層と第2金属層を連続して蒸着する工程と、前記第2金属層の所定部分上に所定幅(W1)を持つ感光膜を形成する工程と、前記感光膜をマスクとして前記第2金属層を、前記第2金属層上の絶縁層のステップカバレージの低下を防止し、かつ、前記第1金属層のヒロック(hillock)の生成を防止するように、等方性エッチング方法で前記感光膜の幅(W1)より小さい幅(W2)を持つようにパターニングする工程と、前記感光膜をマスクとして前記第1金属層を異方性エッチング方法で前記幅(W1)を持つようにパターニングすることにより、前記第2金属層と積層された構造のゲートを形成する工程と、前記感光膜を除去する工程とを備える。
【0023】
上記他の目的を達成するために、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に第1金属層と第2金属層を連続して蒸着する工程と、前記第2金属層の所定部分上に所定幅(W1)を持つ感光膜を形成する工程と、前記感光膜をマスクとして前記第1及び第2金属層を前記所定幅(W1)を持つように異方性エッチングする工程と、前記感光膜をマスクとして前記第2金属層を、前記第2金属層上の絶縁層のステップカバレージの低下を防止し、かつ、前記第1金属層のヒロック(hillock)の生成を防止するように、等方性エッチング方法で前記感光膜の幅(W1)より小さい幅(W2)を持つようにパターニングして前記第1金属層と二重層をなすゲート電極を形成する工程と、前記感光膜を除去する工程とを備える。
【0024】
好ましくは、前記第1金属層の幅(W1)と前記第2金属層の幅(W2)との関係が、1μm<W1−W2<4μmである。
【発明の効果】
【0025】
従って、本発明は、ゲートを形成するための第1及び第2金属層を連続する一回の工程で蒸着し、一回のフォトリソグラフィ工程でパターニングすることにより、第1及び第2金属層の間の接触抵抗が減少するとともに、工程が簡単化される利点がある。且つ、第1金属層の両側の、第2金属層と重畳しない部分の幅がそれぞれ2μmより小さいので、第1金属層のヒロックの生成を防止することのできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1(a)乃至図1(c)は従来の技術による薄膜トランジスタの製造工程図。
【図2】図2(a)乃至図2(c)は従来の技術による薄膜トランジスタの製造工程図(続き)。
【図3】本発明の実施の形態による薄膜トランジスタの平面図。
【図4】図3のX−X線に沿って切った断面図。
【図5】図5(a)乃至図5(c)は本発明による薄膜トランジスタの製造工程図。
【図6】図6(a)乃至図6(c)は本発明による薄膜トランジスタの製造工程図(続き)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明を説明する。
【0028】
図3は本発明による薄膜トランジスタの平面図であり、図4は図3のX−X線に沿って切った断面図である。
【0029】
本発明による薄膜トランジスタは、基板41上に第1及び第2金属層43,45の二重層からなったゲート49と、第1及び第2絶縁膜51,61と、半導体層53と、オーム接触層55と、ソース及びドレイン電極57,59と、画素電極65とからなる。
【0030】
前記で、ゲート49は基板41上に第1金属層43と第2金属層45の二重層からなって形成される。前記で、第1金属層43はアルミニウム(Al)、銅(Cu)、或いは金(Au)のいずれかの導電性金属が蒸着されて形成され、所定幅(W1)を持つ。第2金属層45は第1金属層43上にモリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、或いはコバルト(Co)のいずれかの高融点金属が蒸着されて形成され、所定幅(W2)を持つ。前記で、第1金属層43の幅(W1)は第2金属層45の幅(W2)に比してlμmより大きく4μmより小さく、即ち1μm<W1−W2<4μmとなるように形成される。そして、第2金属層45は第1金属層43の真ん中に位置するように形成されて、この第1金属層43の、第2金属層45が形成されていない両側部分の幅が等しくなる。第1金属層43の、第2金属層45が形成されていない両側部分の幅のそれぞれが0.5μmより大きく2μmより小さくなる。
【0031】
ゲート49を含む基板41上にシリコン酸化物(SiO2)或いはシリコン窒化物(Si34)が単層或いは二重層に蒸着されて第1絶縁膜51を形成する。
【0032】
そして、第1絶縁膜51上の、ゲート49に対応する部分に不純物がドーピングされていない非晶質シリコンと不純物が高濃度でドーピングされた非晶質シリコンが連続して蒸着され、パターニングされて半導体層53とオーム接触層55が形成される。前記で、半導体層53は素子の活性領域として用いられて、ゲート49に印加される電圧によってチャネルが形成される。また、オーム接触層55は半導体層53とソース及びドレイン電極59との間をオーム接触させるもので、半導体層53のチャネルが形成される部分には形成されない。
【0033】
ソース及びドレイン電極57,59はオーム接触層55に接触され、第1絶縁膜51上の所定部分に延長されるように形成される。
【0034】
第2絶縁膜61はシリコン酸化物(SiO2)などの絶縁物質が半導体層53とソース及びドレイン電極57,59と第1絶縁膜51とを覆うように蒸着されて形成される。そして、ドレイン電極59上の第2絶縁膜61が除去されてコンタクトホール63が形成され、このコンタクトホール63を通じてドレイン電極59と接触されるようにITO(Indium Tin Oxide)或いは酒石酸化膜(SnO2)のいずれかの透明な導電物質からなった画素電極65が形成される。
【0035】
前述した薄膜トランジスタは、ゲート49をなす第1及び第2金属層43,45において、第1金属層43の、第2金属層45が形成されていない両側部分幅のそれぞれが0.5μmより大きく2μmより小さく形成される。故に、第1金属層43の、第2金属層45が形成されていない両側部分幅のそれぞれが0.5μmより多ければ、ゲート49が二重の段差を持つことにより、第1絶縁膜51のステップカバレージの低下を防止することができ、また、2μmより小さければ、第1金属層43のヒロックの生成を防止することができる。
【0036】
金属層の側部分幅(side width)が0.5μmより小さいと、ゲート絶縁層には、下側金属層及び上側金属層を含む二重層化金属ゲートの深さ(depth)に等しいステップ差(step difference)が生じる。そのため、ゲート絶縁層のステップカバレッジは好ましいものではなくなる。金属層の側部分幅が0.5μmより大きいと、ゲート絶縁層には、ゲートの下側金属層の深さ、あるいは上側金属層の深さのいずれかに等しいステップ差が生じる。そのため、ゲート絶縁層のステップカバレッジを改善することができるのである。
【0037】
図5(a)乃至図6(c)は本発明による薄膜トランジスタの製造工程図である。
【0038】
図5(a)を参照すると、基板41上にアルミニウム(Al)、銅(Cu)、或いは金(Au)を蒸着して第1金属層43を形成し、続いて、第1金属層43上にモリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、或いはコバルト(Co)のいずれかを蒸着して第2金属層45を蒸着する。前記で、第1及び第2金属層43,45をスパッタリング或いは化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:以下、「CVD」という)方法で真空状態を破壊(break)せずに連続して蒸着して、それぞれ厚さ500〜4000Å程度と厚さ500〜4000Å程度に形成する。故に、第1及び第2金属層43,45の間の接触抵抗を減少させることができる。
【0039】
そして、第2金属層45上に感光膜47を塗布した後、この感光膜47を、第2金属層45の所定部分上に幅(W1)を持つように露光及び現像する。
【0040】
図5(b)を参照すると、感光膜47をマスクとして燐酸(H3PO4)、酢酸(CH3COOH)及び硝酸(HNO3)を混合したエッチング溶液で第2金属層45をウェットエッチングしてパターニングする。この時、第2金属層45は等方性エッチングされるので、露出された部分のみならず感光膜47によって覆われた部分もエッチングされて、感光膜47の幅(W1)より小さい幅(W2)を持つようにパターニングされて1μm<W1−W2<4μmの関係を維持することができる。前記で、第2金属層45は感光膜47によって覆われた部分の両側幅が同一にエッチングされるので、その一側幅が0.5μmより大きく、2μmより小さくなる。また、第2金属層45のエッチングされた側面は直角或いは傾くようになる。
【0041】
下側金属層の深さが薄くなるほど、ヒロックの発生率は少なくなる。したがって、幅の差W1−W2は、下側金属層の深さを薄くすることにより、大きくすることができる。
【0042】
アルミニウム(Al)及びモリブデン(Mo)層は、エッチャントを用いて同時にエッチングされる。このエッチャントは、燐酸(H3PO4)、酢酸(CH3COOH)、硝酸(HNO3)及び水(H2O:蒸留水)が混合比72,15,8及び6、あるいは、16,2,2及び1、あるいは、85,5,5及び5で混合されたものである。
【0043】
図5(c)を参照すると、感光膜47をマスクとして第1金属層43を反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:以下、「RIE」という)などの異方性エッチング特性を持つドライ方法でエッチングしてパターニングする。このとき、第1金属層43は感光膜47が覆われた部分以外の部分がエッチングされるので、感光膜47と同一な幅(W1)を持つ。故に、第1金属層43と第2金属層45は1μm<W1−W2<4μmの関係を維持する。
【0044】
前記で、残留する第1及び第2金属層43,45は二層金属構造を持つゲート49となる。故に、ゲート49は、第2金属層45が第1金属層43上の真ん中の部分に形成されるが、第1金属層43の両側が0.5μmより大きく2μmより小さい幅に露出されるように形成される。そして、第2金属層45上に残留する感光膜47を除去する。
【0045】
図6(a)を参照すると、ゲート49及び基板41の表面にCVD方法でシリコン酸化物(SiO2)或いはシリコン窒化物(Si34)を断層或いは二重層に蒸着して第1絶縁膜51を形成する。この時、第1金属層43の、第2金属層45によって露出された両側の幅がそれぞれ0.5μmより大きいので、二重段差のゲート49によって第1絶縁膜51のステップカバレッジの低下を防止し、また2μmより小さいので、第1金属層43のヒロックの生成を防止する。
【0046】
そして、第1絶縁膜51上に不純物がドーピングされていない非晶質シリコンと不純物が高濃度でドーピングされた非晶質シリコンをCVD方法で連続して蒸着して半導体層53と、オーム接触層55を形成する。その次、オーム接触層55及び半導体層53を第1絶縁膜51が露出されるようにフォトリソグラフィ方法でパターニングする。
【0047】
図6(b)を参照すると、絶縁膜51及びオーム接触層55上にアルミニウム(A1)或いはクロム(Cr)のいずれかの導電性金属を積層した後、フォトリソグラフィ方法でパターニングしてソース及びドレイン電極57、59を形成する。そして、ソース及びドレイン電極57,59をマスクとしてこのソース及びドレイン電極57,59の間の、オーム接触層55の露出された部分をエッチングして除去する。
【0048】
図6(c)を参照すると、前述した構造の全表面にシリコン酸化物或いはシリコン窒化物をCVD方法で蒸着して第2絶縁膜61を形成する。その次、第2絶縁膜61をドレイン電極59の所定部分が露出されるようにフォトリソグラフィ方法で除去してコンタクトホール63を形成する。その次、第2絶縁膜61上に、コンタクトホール63を通じてドレイン電極65と電気的に連結されるように、スパッタリング方法でITO(Indium Tin Oxide)或いは酒石酸化膜(SnO2)のいずれかの透明な導電物質を蒸着した後、フォトリソグラフィ方法でパターニングして画素電極65を形成する。
【0049】
本発明の他の実施例によると、第1及び第2金属層43,45を、感光膜47をマスクとして前もってRIEなどの異方性エッチング特性を持つウェット方法でエッチングした後、感光膜47の下部の第2金属層45を燐酸(H3PO4)、酢酸(CH3COOH)及び硝酸(HNO3)を混合したエッチング溶液でエッチングしてゲート49を形成することもできる。
【0050】
本発明のまた他の実施例によると、第1及び第2金属層43、45のエッチングにおいて、燐酸(H3PO4)、酢酸(CH3COOH)及び硝酸(HNO3)を混合したエッチング溶液で第2金属層45が第1金属層43より速くエッチングされるようにして一回のエッチング工程でゲート49を形成することもできる。
【0051】
以上説明したように、本発明による薄膜トランジスタは、基板上に第1及び第2金属層を連続して蒸着し、第2金属層上の所定部分を覆う感光膜を形成する。そして、この感光膜をマスクとして第2金属層をウエットエッチングした後、第1金属層をドライエッチングしてゲートを形成する。
【符号の説明】
【0052】
41 基板
43 第1金属層
45 第2金属層
47 感光膜
49 ゲート
51 第1絶縁膜
53 半導体層
55 オーム接触層
57,59 ソース及びドレイン電極
61 第2絶縁膜
63 コンタクトホール
65 画素電極
W1 第1金属層の幅
W2 第2金属層の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムを含み、500〜4000Åの厚さの第1金属層を基板上に蒸着する工程と、
前記第1金属層上に感光膜を形成せずに、前記第1金属層上に第2金属層を蒸着する工程と、
前記第2金属層上に所定幅を持つ単一の感光膜を形成する工程と、
前記感光膜をマスクとして使用した単一のエッチング方法で同時に前記第1及び第2金属層をパターニングする工程であって、前記第1金属層は、1μm<W1−W2<4μmの関係を有するように、前記第2金属層の幅(W2)より大きい幅(W1)を有するようにエッチングされる工程と、
前記感光膜を除去する工程と、
ゲート電極を含む前記基板上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上の、前記ゲート電極と対応する部分に半導体層とオーム接触層を形成する工程と、
前記オーム接触層上の両側に前記第1絶縁膜上に延長されるようにソース及びドレイン電極を形成し、前記ソース及びドレイン電極の間の露出された前記オーム接触層の一部を除去する工程と、
前記半導体層、前記ソース及びドレイン電極と前記第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜を形成する工程とを備える薄膜トランジスタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−147494(P2010−147494A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24490(P2010−24490)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【分割の表示】特願平10−37670の分割
【原出願日】平成10年2月19日(1998.2.19)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】