説明

表示装置およびその製造方法

【課題】 TFT液晶表示装置の動作不良や動作特性のばらつきを低減する。
【解決手段】 絶縁基板の表面上に複数の導電体パターンと、複数の半導体パターンと、複数の絶縁膜とを積層して、当該絶縁基板の表面上に走査信号線と、映像信号線と、TFT素子と、前記TFT素子に接続された画素電極と、前記映像信号線に接続された第1の外部接続端子と、前記走査信号線に接続された第2の外部接続端子とを設けた基板を有する表示装置であって、前記絶縁基板の表面上には、1つの材料膜をエッチングまたは露光現像して形成された複数の同時形成パターンを有し、当該複数の同時形成パターンは、同一の機能を有する前記同時形成パターンの側面の勾配が概ね等しく、かつ、すべての前記同時形成パターンの側面の勾配には2通り以上ある表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその製造方法に関し、特に、TFT液晶表示パネルに用いるTFT基板およびその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、TFT液晶表示装置は、たとえば、携帯電話やPDAなどの携帯型端末のディスプレイ、ノートブック型コンピュータのディスプレイなどに用いられている。
【0003】
前記TFT液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶材料が封入されたTFT液晶表示パネルを有する表示装置であり、前記TFT液晶表示パネルは、TFT素子および画素電極ならびに対向電極を有する画素の集合で設定される表示領域を持つ表示パネルである。
【0004】
前記TFT液晶表示パネルにおける前記一対の基板のうちの一方の基板には、複数本の走査信号線、複数本の映像信号線、前記TFT素子および前記画素電極が配置されており、一般に、TFT基板と呼ばれている。また、前記一対の基板のうちの他方の基板には、たとえば、カラーフィルタなどが配置されており、一般に、対向基板と呼ばれている。
【0005】
また、前記TFT液晶表示パネルが、たとえば、IPS方式などの横電界駆動方式の場合、前記対向電極は前記TFT基板側に配置されている。また、前記TFT液晶表示パネルが、たとえば、VA方式またはTN方式などの縦電界駆動方式の場合、前記対向電極は前記対向基板側に配置されている。
【0006】
ところで、従来のTFT基板の製造方法は、一般に、導電膜をエッチングする工程、絶縁膜をエッチングする工程、半導体膜をエッチングする工程を有する。前記導電膜をエッチングする工程には、たとえば、前記走査信号線を形成する工程、前記映像信号線を形成する工程、および前記画素電極を形成する工程がある。また、前記絶縁膜をエッチングする工程には、たとえば、前記TFT素子のソース電極またはドレイン電極と前記画素電極とを接続するためのスルーホールを形成する工程がある。また、前記半導体膜をエッチングする工程には、たとえば、前記TFT素子の半導体層を形成する工程がある。
【0007】
また、従来のTFT基板の製造方法では、たとえば、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを形成することも多い。前記TFT素子のソース電極またはドレイン電極と前記画素電極とを接続するためのスルーホールを形成する工程では、たとえば、当該スルーホールと同時に、前記走査信号線および前記映像信号線の外部接続端子(信号入力端子)を設けるためのスルーホールを形成することが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のTFT基板の製造方法において、たとえば、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを形成した場合、通常、それぞれのパターンの側面(エッチング端面)の勾配、すなわち絶縁基板の表面に対する傾斜角度が概ね等しくなる。
【0009】
したがって、たとえば、絶縁層をエッチングして、前記TFT素子のソース電極またはドレイン電極と前記画素電極とを接続するための第1のスルーホール、前記映像信号線と外部接続端子(信号入力端子)とを接続するための第2のスルーホール、および前記走査信号線と前記外部接続端子とを接続するための第3のスルーホールを同時に形成した場合、第1のスルーホールの側面の勾配、第2のスルーホールの側面の勾配、および第3のスルーホールの側面の勾配は、概ね等しくなっている。
【0010】
ところで、前記TFT液晶表示パネルにおいて、表示領域の各画素に配置される前記TFT素子は、各画素の開口率を高くするために、占有面積を可能な限り狭くすることが望ましい。そのため、前記第1のスルーホールは、開口端の平面寸法(穴径)があまり大きくならず、かつ、側面の勾配、すなわち絶縁基板の表面に対する傾斜角度が大きい形状にすることが望ましい。
【0011】
これに対し、前記第2のスルーホールおよび前記第3のスルーホールは、たとえば、前記TFT基板の表面に形成される配向膜をラビングしたときに生じる配向膜の削りかすが凹部底面の端部に残るのを防ぐために、側面の勾配、すなわち絶縁基板の表面に対する傾斜角度が小さい形状にすることが望ましい。
【0012】
しかしながら、従来のTFT基板の製造方法では、前記第1のスルーホール、前記第2のスルーホール、および前記第3のスルーホールを同時に形成する場合、それぞれのスルーホールの側面の勾配を制御し、それぞれの機能に適した勾配に作り分けることが難しいという問題があった。
【0013】
そのため、従来の製造方法で得られるTFT基板を有するTFT液晶表示装置では、たとえば、前記映像信号線の前記外部接続端子と、当該映像信号線に映像信号を加えるフレキシブル配線板の配線とを接続する際に、接続不良が生じやすく、TFT液晶表示装置に動作不良が生じやすいという問題があった。
【0014】
また、従来のTFT基板の製造方法では、前記第1のスルーホール、前記第2のスルーホール、および前記第3のスルーホールを同時に形成する場合に限らず、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを同時に形成し、かつ、同時に形成する2種類以上のパターンの中に、側面の勾配が大きい方が望ましいパターンと側面の勾配が小さい方が望ましいパターンとが混在していることが多い。
【0015】
しかしながら、従来のTFT基板の製造方法では、上記のように、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを同時に形成するときに、同時に形成する2種類以上のパターンの側面の勾配を制御し、それぞれのパターンの機能に適した勾配に作り分けることが難しいという問題がある。
【0016】
そのため、従来の製造方法で得られるTFT基板を有するTFT液晶表示装置では、たとえば、液晶表示装置の動作特性にばらつき(変動)が生じやすいという問題があった。
【0017】
また、従来のTFT基板の製造方法では、たとえば、1つの絶縁層に前記第1のスルーホール、前記第2のスルーホール、および前記第3のスルーホールを形成するときに、前記第1のスルーホールのみを形成するエッチングと、前記第2のスルーホールおよび前記第3のスルーホールのみをエッチングの2回のエッチングを行うことで、それぞれのスルーホールの側面の勾配を、それぞれの機能に適した勾配に作り分けることがある。しかしながら、そのような製造方法では、1つの材料膜をエッチングして側面の勾配が異なるパターンを形成するときに、当該1つの材料膜に対して複数回のエッチングを行うので、TFT基板の製造効率が悪いという問題があった。
【0018】
本発明の目的は、たとえば、TFT液晶表示装置の動作不良を低減することが可能な技術を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、たとえば、TFT液晶表示装置の動作特性のばらつきを低減することが可能な技術を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、たとえば、TFT液晶表示装置に用いるTFT基板を製造する過程で、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを形成するときに、それぞれのパターンの側面の勾配を容易に制御することが可能な技術を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、たとえば、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを形成する工程を有するTFT基板の製造効率を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【0022】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概略を説明すれば、以下の通りである。
【0024】
(1)絶縁基板の表面上に複数の導電体パターンと、複数の半導体パターンと、複数の絶縁膜とを積層して、当該絶縁基板の表面上に走査信号線と、映像信号線と、TFT素子と、前記TFT素子のドレイン電極またはソース電極に接続された画素電極と、前記映像信号線に接続された第1の外部接続端子と、前記走査信号線に接続された第2の外部接続端子とを設けた基板を有する表示装置であって、前記絶縁基板の表面上には、1つの材料膜をエッチングまたは露光現像して形成された複数の同時形成パターンを有し、当該複数の同時形成パターンは、同一の機能を有する前記同時形成パターンの側面の勾配が概ね等しく、かつ、すべての前記同時形成パターンの側面の勾配には2通り以上ある表示装置。
【0025】
(2)前記(1)の表示装置において、前記複数の同時形成パターンは、1つ以上の前記絶縁膜をエッチングして形成された複数の開口パターンであり、当該複数の開口パターンは、前記TFT素子の前記ドレイン電極または前記ソース電極と前記画素電極とを接続する箇所に形成された第1の開口パターンと、前記映像信号線と前記第1の外部接続端子とを接続する箇所に形成された第2の開口パターンと、前記走査信号線と前記第2の外部接続端子とを接続する箇所に形成された第3の開口パターンとを有し、前記第2の開口パターンの側面の勾配および前記第3の開口パターンの側面の勾配は、それぞれ、前記第1の開口パターンの側面の勾配よりもなだらかである表示装置。
【0026】
(3)前記(1)の表示装置において、前記複数の同時形成パターンは、1つの前記半導体膜をエッチングして形成された複数の半導体パターンであり、当該複数の半導体パターンは、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、1つ以上の前記絶縁膜を介して積層された導電体パターンとの間で容量を形成する第2の半導体パターンとを有し、前記TFT素子は、前記絶縁基板の表面上に、前記第1の半導体パターン、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜、およびゲート電極として機能する導電体パターンがこの順序で積層した構造であり、前記容量は、前記絶縁基板の表面上に、前記第2の半導体パターン、前記絶縁膜、および前記導電体パターンがこの順序で積層した構造であり、前記第2の半導体パターンの側面の勾配は、前記第1の半導体パターンの側面の勾配よりもなだらかである表示装置。
【0027】
(4)前記(1)の表示装置において、前記複数の同時形成パターンは、1つの前記半導体膜をエッチングして形成された複数の半導体パターンであり、当該複数の半導体パターンは、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、前記走査信号線と前記映像信号線とが交差する領域に介在する第2の半導体パターンとを有し、前記TFT素子は、前記絶縁基板の表面上に、ゲート電極として機能する導電体パターン、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜、および前記第1の半導体パターンがこの順序で積層した構造であり、前記走査信号線と前記映像信号線とが交差する領域は、前記絶縁基板の表面上に、前記走査信号線、前記絶縁膜、前記第2の半導体パターン、および前記映像信号線がこの順序で積層しており、前記第2の半導体パターンの側面の勾配は、前記第1の半導体パターンの側面の勾配よりもなだらかである表示装置。
【0028】
(5)絶縁基板の表面上に複数の導電体パターンと、複数の半導体パターンと、複数の絶縁膜とを積層して、当該絶縁基板の表面上に走査信号線と、映像信号線と、TFT素子と、前記TFT素子のドレイン電極またはソース電極に接続された画素電極と、前記映像信号線に接続された第1の外部接続端子と、前記走査信号線に接続された第2の外部接続端子とを形成する過程で、感光性材料膜を露光し、現像する露光/現像工程を複数回行う表示装置の製造方法であって、複数回の前記露光/現像工程のうちの、1回の露光/現像工程は、1つの感光性材料膜を露光し、現像した後に、前記絶縁基板の上に残る前記感光性材料膜の側面の勾配が2通り以上になるようにする表示装置の製造方法。
【0029】
(6)前記(5)の表示装置の製造方法において、前記1回の露光/現像工程は、前記1つの感光性材料膜を露光し、現像した後に、前記絶縁基板の上に残る前記感光性材料膜の膜厚が、2通り以上になるようにする表示装置の製造方法。
【0030】
(7)前記(6)の表示装置の製造方法において、前記1回の露光/現像工程は、前記1つの感光性材料膜を露光するときに、前記絶縁基板の表面における位置に応じて、当該感光性材料膜に対する露光量を変えて露光する表示装置の製造方法。
【0031】
(8)前記(6)の表示装置の製造方法において、前記1回の露光/現像工程は、前記感光性材料膜を現像した後、前記絶縁基板の上に残る前記感光性材料膜の加熱処理を行う表示装置の製造方法。
【0032】
(9)前記(5)の表示装置の製造方法において、前記1回の露光/現像工程は、1つ以上の前記絶縁膜をエッチングして、前記TFT素子の前記ドレイン電極または前記ソース電極と前記画素電極とを接続する箇所の第1の開口パターンと、前記映像信号線と前記第1の外部接続端子とを接続する箇所の第2の開口パターンと、前記走査信号線と前記第2の外部接続端子とを接続する箇所の第3の開口パターンとを同時に形成する工程の直前に行われ、前記1回の露光/現像工程の直後に前記絶縁膜の上に残る前記感光性材料膜は、前記第2の開口パターンを形成する位置の側面の勾配および前記第3の開口パターンを形成する位置の側面の勾配が、それぞれ、前記第1の開口パターンを形成する位置の側面の勾配よりもなだらかである表示装置の製造方法。
【0033】
(10)前記(5)の表示装置の製造方法において、前記1回の露光/現像工程は、1つの半導体膜をエッチングして、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、1つ以上の前記絶縁膜を介して積層された導電体パターンとの間で容量を形成する第2の半導体パターンとを同時に形成する工程の直前に行われ、前記1回の露光/現像工程の直後に前記半導体膜の上に残る前記感光性材料膜は、前記第2の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配が、前記第1の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配よりもなだらかである表示装置の製造方法。
【0034】
(11)前記(5)の表示装置の製造方法において、前記1回の露光/現像工程は、1つの半導体膜をエッチングして、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、前記走査信号線と前記映像信号線とが交差する領域に介在する第2の半導体パターンとを同時に形成する工程の直前に行われ、前記1回の露光/現像工程の直後に前記半導体膜の上に残る前記感光性材料膜は、前記第2の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配が、前記第1の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配よりもなだらかである表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0035】
本発明の表示装置によれば、たとえば、TFT液晶表示装置の動作不良や動作特性のばらつきを低減することができる。
【0036】
また、本発明の表示装置の製造方法によれば、たとえば、TFT液晶表示装置に用いるTFT基板を製造する過程で、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを形成するときに、それぞれのパターンの側面の勾配を容易に制御することができる。
【0037】
また、本発明の表示装置の製造方法によれば、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上のパターンを形成するときに、1つの感光性材料膜に対する露光/現像を1回にすることができるので、たとえば、TFT液晶表示装置に用いるTFT基板の製造効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0039】
図1(a)乃至図1(e)、および図2は、本発明による表示装置の製造方法の原理を説明するための模式断面図である。
図1(a)は、絶縁基板の表面上に導電膜および感光性レジストを形成した後の模式断面図である。図1(b)は、感光性レジストを露光する工程の模式断面図である。図1(c)は、感光性レジストを現像して加熱処理をした後の模式断面図である。図1(d)は、導電膜がエッチングされる様子を示す模式断面図である。図1(e)は、導電膜をエッチングしてエッチングレジストを除去した後の模式断面図である。
図2は、本発明の表示装置の製造方法を適用して絶縁膜に形成した開口パターンの一例を示す模式断面図である。
【0040】
本発明による表示装置の製造方法は、たとえば、TFT液晶表示パネルに用いるTFT基板の製造方法に適用されるものであり、特に、導電膜または絶縁膜もしくは半導体膜をエッチングして所定のパターンを形成するときのパターン形成方法に適用されるものである。
【0041】
本発明によるパターン形成方法の一例として、まず、1つの導電膜をエッチングする工程を挙げ、図1(a)乃至図1(e)に沿って、その手順を簡単に説明する。
【0042】
1つの導電膜をエッチングするときには、たとえば、図1(a)に示すように、ガラス基板などの絶縁基板1の表面に導電膜2を形成(成膜)し、当該導電膜2の表面上に未感光状態の感光性材料膜3を形成する。このとき、感光性材料膜3は、導電膜2をエッチングする際にマスクとして使用するエッチングレジストを形成するための膜であり、一般に、感光性レジスト膜と呼ばれている。またこのとき、感光性レジスト膜3は、ポジ型、すなわち現像したときに、感光させた部分が溶解して除去される材料膜であるとする。
【0043】
次に、感光性レジスト膜3を露光する。このとき、感光性レジスト膜3の露光は、たとえば、図1(b)に示すように、感光性レジスト膜を薄く残す部分に照射する光LTの光量を、感光性レジスト膜を完全に除去する部分に照射する光LTの光量よりも小さくし、露光量を小さくする。なお、図1(b)に示した感光性レジスト膜3は、白地で示した3aおよび3b以外の部分3cが感光した領域である。また、図1(b)に示した光LTの矢印は、その太さが光量を表している。
【0044】
このように露光量を変える露光方法としては、たとえば、前記感光性レジストを薄く残す部分に対して照射される光LTが透過する領域の光透過率を、前記感光性レジストを完全に除去する部分に対して照射される光LTが透過する領域の光透過率よりも小さくしたフォトマスク(ハーフトーンマスク)を用いて露光する方法がある。また、パターン毎に露光量を変える露光方法としては、そのほかにも、たとえば、直描露光方式(ダイレクト露光方式と呼ぶこともある)の露光装置を用い、感光性レジスト膜を薄く残す部分に対して照射する光の光量を、感光性レジストを完全に除去する部分に対して照射する光の光量よりも小さくする露光方法などがある。また、前記直描露光方式で露光する場合は、たとえば、感光性レジスト膜を薄く残す部分に対する光の照射時間を、感光性レジストを完全に除去する部分に対する光の照射時間よりも短くしてもよい。
【0045】
このように、感光性レジスト膜を薄く残す部分に対する露光量を、感光性レジストを完全に除去する部分に対する露光量よりも小さくすると、たとえば、図1(b)に示したように、感光性レジストを完全に除去する部分の感光性レジスト膜3cの全体が感光した時点で、感光性レジスト膜を薄く残す部分の感光性レジスト膜3a,3bは、露光量に応じた膜厚分しか感光していない。
【0046】
したがって、露光した感光性レジスト膜3を現像すると、第1の領域AR1に残る感光性レジスト膜3aの膜厚は、第2の領域AR2に残る感光性レジスト膜3bの膜厚よりも薄くなる。また、露光した感光性レジスト膜3を現像した直後における、第1の領域AR1に残る感光性レジスト膜3aの側面の勾配(絶縁基板1の表面に対する傾斜角度θ1)と、第2の領域AR2に残る感光性レジスト膜3bの側面の勾配(絶縁基板1の表面に対する傾斜角度θ2)は、ほぼ同じ角度になっている。
【0047】
しかしながら、この後、導電膜2の表面上に残っている感光性レジスト膜3に対して加熱処理(ポストベーク)をすると、たとえば、図1(c)に示すように、第1の領域AR1に残っている感光性レジスト膜3aの側面の傾斜角度がθ1からθ1’に変化し、第2の領域AR2に残っている感光性レジスト膜3bの側面の傾斜角度θ2に比べてなだらかになる。このとき、加熱処理の前と後で感光性レジスト膜の側面の傾斜角度が変化するか否か、および傾斜角度の変化量は、当該感光性レジスト膜の膜厚が関係している。すなわち、感光性レジスト膜の膜厚が厚い場合は、加熱処理時に当該感光性レジスト膜が横方向に広がることはなく、加熱処理後の側面の傾斜角度が加熱処理前の傾斜角度とほぼ同じ角度になる。これに対し、感光性レジスト膜の膜厚が薄い場合は、加熱処理時に当該感光性レジスト膜が横方向に広がり、加熱処理後の側面の傾斜角度が加熱処理前の傾斜角度よりも小さな角度に変化する。またこのとき、感光性レジスト膜の膜厚が薄いほど、加熱処理の前後における側面の傾斜角度の変化量が大きくなり、加熱処理後の傾斜角度が小さくなる。
【0048】
次に、前記導電膜2の表面上に残った感光性レジスト膜(いわゆるエッチングレジスト)3a,3bをマスクにして、前記導電膜2をエッチングする。このとき、導電膜2のエッチングは、たとえば、図1(d)に示すように、感光性レジスト膜3b(または3a)から離れた場所では膜厚方向に進行し、感光性レジスト膜3b(または3a)の近傍では、当該感光性レジスト膜3b(または3a)の側面の勾配を反映するような形状で進行する。
【0049】
したがって、導電膜2のエッチングが完了した後、感光性レジスト膜3a,3bを除去すると、たとえば、図1(e)に示すように、第1の領域AR1に形成された導電体パターン2aの側面の勾配が、第2の領域AR2に形成された導電体パターン2bの側面の勾配よりもなだらかになる。このとき、第1の領域AR1に形成された導電体パターン2aの側面の傾斜角度は感光性レジスト膜3aの傾斜角θ1’とほぼ同じ角度になり、第2の領域AR2に形成された導電体パターン2bの側面の傾斜角度は感光性レジスト膜3bの傾斜角θ2とほぼ同じ角度になる。
【0050】
このような方法で導電膜2をエッチングすれば、1回のエッチングで、側面の勾配が異なる導電体パターン2a,2bを同時に形成することができる。
【0051】
またこのとき、導電膜2の上にエッチングレジスト3a,3bを形成する工程では、1回の露光で厚さおよび側面の勾配が異なるエッチングレジスト3a,3bを形成できるので、側面の勾配が異なる導電体パターン2a,2bを容易に、かつ効率よく形成することができる。
【0052】
また、上記の説明では、導電膜2をエッチングして導電体パターン2a,2bを形成する場合を例に挙げているが、本発明のパターン形成方法は、これに限らず、たとえば、図2に示すように、絶縁膜4に開口パターン4a,4bを形成するときにも適用できる。図2に示した例では、絶縁基板1の表面に形成された導電体パターン2a,2bを覆う絶縁膜4を形成(成膜)した後、当該絶縁膜4をエッチングして開口パターン4a,4bを形成している。このとき、絶縁膜4のエッチングに使用するエッチングレジストを形成するために感光性レジスト膜3を露光/現像する工程では、たとえば、第1の領域AR1に形成する開口パターン4aの周囲に残る感光性レジスト膜3の膜厚が、第2の領域AR2に形成する開口パターン4bの周囲に残る感光性レジスト膜3の膜厚よりも薄くなるように露光し、現像する。そうすると、絶縁膜4をエッチングして得られる開口パターン4a,4bは、第1の領域AR1に形成される開口パターン4aの側面の勾配(傾斜角度θ3)が、第2の領域AR2に形成される開口パターン4bの側面の勾配(傾斜角度θ4)よりもなだらかになる。
【0053】
なお、上記の説明では、1つの導電膜2または1つの絶縁膜4をエッチングして、同時に形成されるパターンの側面の勾配を2通りに作り分ける場合を例に挙げているが、本発明のパターン形成方法によれば、これに限らず、同時に形成されるパターンの側面の勾配を2通り以上に作り分けることが可能である。すなわち、感光性レジスト膜3を露光するときに、露光量を3通り以上に分け、現像後に残る感光性レジスト膜3の膜厚を3通り以上にすれば、エッチングで同時に形成されるパターンの側面の勾配を3通り以上に作り分けることができる。
【0054】
また、上記の説明では、導電膜2をエッチングする場合、および絶縁膜4をエッチングする場合を例に挙げているが、本発明のパターン形成方法は、これに限らず、たとえば、半導体膜をエッチングする場合にも適用できることはもちろんである。
【0055】
また、本発明のパターン形成方法における感光性レジスト膜3の露光は、フォトマスクを用いて行うこともできるし、直描露光方式で行うこともできるが、直描露光方式で行うことが望ましい。直描露光方式で感光性レジスト膜3を露光するときには、たとえば、CADなどで作成されたレイアウトデータ(数値データ)に基づいて潜像を直接描画するため、前記レイアウトデータの数値を変えることで、潜像のパターンを容易に変更することができる。そのため、直描露光方式は、エッチングレジストの側面の勾配の調整や変更が容易であり、TFT基板の製造コストの上昇を抑えることができる。
【0056】
また、本発明のパターン形成方法において、導電膜2または絶縁膜4もしくは前記半導体膜をエッチングしてパターンを形成するときには、ドライエッチングで行うことが望ましいが、ウエットエッチングでも同様の作り分けが可能である。
【0057】
また、上記の説明では、ポジ型の感光性レジスト膜3を用いてエッチングレジストを形成する場合を例に挙げているが、本発明のパターン形成方法では、これに限らず、ネガ型の感光性レジスト膜を用いてエッチングレジストを形成してもよいことはもちろんである。
【0058】
またさらに、上記の説明において、感光性レジスト膜3は、導電膜2または絶縁膜4もしくは前記半導体膜のエッチングに使用するエッチングレジストを形成するための材料膜であり、エッチング後に除去される。しかしながら、本発明のパターン形成方法は、これに限らず、上記の手順で露光、現像して形成された感光性レジスト膜3を絶縁基板1の上に残しておき、たとえば、絶縁層として機能させる場合にも適用できる。
【0059】
図3(a)および図3(b)、ならびに図4は、本発明が適用される液晶表示装置の概略構成を示す模式図である。
図3(a)は、液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式平面図である。図3(b)は、液晶表示装置の1つの画素の回路構成の一例を示す模式回路図である。図4は、液晶表示装置の概略構成の別の一例を示す模式平面図である。
【0060】
本発明のパターン形成方法は、たとえば、図3(a)に示すように、TFT基板5および対向基板6を有する液晶表示パネル7と、複数の第1のフレキシブル配線板8と、複数の第2のフレキシブル配線板9とを有する液晶表示装置の製造方法に適用される。このとき、TFT基板5と対向基板6とは、たとえば、表示領域DAを囲む環状のシール材(図示しない)で接着されており、TFT基板5、対向基板6、および前記シール材で囲まれた空間に液晶材料が封入されている。また、図3(a)では省略しているが、液晶表示装置は、この他に、たとえば、タイミングコントローラを有する第1のプリント回路板、前記第1のプリント回路板から第1のフレキシブル配線板に信号を伝送する第3のフレキシブル配線板および第2のプリント回路板、バックライトユニットなどを有する。
【0061】
TFT基板5は、複数本の走査信号線GLおよび複数本の映像信号線DLを有し、液晶表示パネル7の表示領域DAは、最も外側に配置される2本の走査信号線GLと、最も外側に配置される2本の映像信号線DLとで囲まれる領域に相当する。なお、図3(a)では一部を省略しているが、走査信号線GLおよび映像信号線DLは、それぞれ、表示領域DAの全体にわたって、たとえば、等間隔で配置されている。
【0062】
また、複数本の映像信号線DLは、第1のフレキシブル配線板8の配線に接続されている。このとき、第1のフレキシブル配線板8には、たとえば、映像信号線DLに映像信号を加えるためのドライバICが実装されている。また、複数本の走査信号線GLは、第2のフレキシブル配線板9の配線に接続されている。このとき、第2のフレキシブル配線板9には、たとえば、走査信号線GLに走査信号を加えるためのドライバICが実装されている。
【0063】
また、液晶表示パネル7の表示領域DAは、複数の画素の集合で設定される領域であり、1つの画素が占有する領域は、たとえば、隣接する2本の走査信号線GLと、隣接する2本の映像信号線DLとで囲まれる領域に相当する。このとき、1つの画素は、たとえば、図3(b)に示すように、TFT素子Trと、TFT素子Trのソースに接続された画素電極PXを一方の電極とする画素容量CPXおよび保持容量CSTGとを有する。
【0064】
このとき、TFT素子Trは、ゲートが隣接する2本の走査信号線GLのうちの一方に接続しており、ドレインが隣接する2本の映像信号線DLのうちの一方に接続している。
【0065】
また、画素容量CPXは、画素電極PXと、コモン配線CLに接続された対向電極(図示しない)とを一対の電極とし、TFT基板5と対向基板6の間に封入された前記液晶材料を誘電体とする容量である。なお、コモン配線CLおよび対向電極は、TFT基板5側に設けている場合もあるし、対向基板6側に設けている場合もある。また、保持容量CSTGは、画素電極PXまたはTFT素子Trのソース電極と、保持容量線(図示しない)とを一対の電極とし、画素電極PXまたはソース電極と保持容量線との間に介在する絶縁膜を誘電体とする容量である。
【0066】
また、図3(a)に示した液晶表示パネル7は、たとえば、液晶テレビやパーソナルコンピュータの液晶ディスプレイなどに用いられる比較的大画面の表示パネルの概略構成の一例である。これに対し、たとえば、携帯電話端末などの携帯型電子機器の液晶ディスプレイに用いられる液晶表示パネル7の概略構成は、たとえば、図4に示したような構成になっており、TFT基板5には、たとえば、走査信号線GLに走査信号を加えるとともに映像信号線DLに映像信号を加えるICチップ10が実装されている。このとき、TFT基板5に接続されたフレキシブル配線板11の配線とICチップ10の外部接続端子とは、TFT基板5に設けられた配線12で接続される。
【0067】
このような構成の液晶表示パネル7におけるTFT基板5は、たとえば、ガラス基板などの絶縁基板の表面上に複数の導電体パターンと、複数の半導体パターンと、複数の絶縁膜とを積層して、走査信号線GL、映像信号線DL、TFT素子Tr、画素電極PXなどを設けている。以下、TFT基板5の製造方法に本発明のパターン形成方法を適用した場合の、TFT基板5の主要部の概略構成および作用効果について説明する。
【実施例1】
【0068】
図5(a)および図5(b)は、本発明による実施例1の液晶表示装置の概略構成の一例および作用効果の一例を説明するための模式図である。
図5(a)は、実施例1の液晶表示装置におけるTFT基板のTFT素子周辺の概略構成の一例を示す模式断面図である。図5(b)は、図5(a)に示したTFT基板における外部接続端子の概略構成の一例を示す模式断面図である。
【0069】
実施例1では、TFT基板5の表示領域DA(各画素)に配置されるTFT素子Trが、トップゲート構造である場合を例に挙げる。このとき、TFT素子Trおよびその周辺の断面構成は、たとえば、図5(a)に示すような構成になっている。すなわち、ガラス基板などの絶縁基板1の表面には、下地絶縁膜13が形成されており、下地絶縁膜13の上には、半導体層14が形成されている。また、下地絶縁膜13の上には、半導体層14を覆う第1の絶縁層15が形成されており、第1の絶縁層15の上には、TFT素子Trのゲート電極として機能する走査信号線GLが形成されている。このとき、第1の絶縁層15のうちの、半導体層14と走査信号線GLとの間に介在する部分は、TFT素子のゲート絶縁膜として機能する。
【0070】
また、第1の絶縁層15の上には、走査信号線GLを覆う第2の絶縁層16が形成されており、第2の絶縁層16の上には、映像信号線DLおよびTFT素子Trのソース電極17が形成されている。このとき、映像信号線DLは、その一部がTFT素子Trのドレイン電極として機能し、スルーホール(図示しない)により半導体層14のドレイン領域(図示しない)と接続している。またこのとき、ソース電極17は、別のスルーホール(図示しない)により半導体層14のソース領域(図示しない)と接続している。
【0071】
また、第2の絶縁層16の上には、映像信号線DLおよびソース電極17を覆う第3の絶縁層18が形成されており、第3の絶縁層18の上には、画素電極PXが形成されている。このとき、第3の絶縁層18は、単一の絶縁層であってもよいし、2種類以上の絶縁層が積層されていてもよい。またこのとき、画素電極PXは、第1のスルーホールTH1によりソース電極17と接続している。
【0072】
なお、図5(a)に示したTFT素子およびその周辺の断面構成は、トップゲート構造のTFT素子Trを有するTFT基板5における断面構成の典型例である。すなわち、実際のTFT基板5におけるTFT素子およびその周辺の断面構成は、半導体層14、走査信号線GL、映像信号線DL、ソース電極17、および画素電極PXの平面レイアウトが変われば、それに応じて変わる。しかしながら、TFT基板5の画素が有するトップゲート構造のTFT素子Trおよびその周辺の断面構成は、基本的には、図5(a)に示した断面構成と概ね同じ構成になる。
【0073】
ところで、図5(a)に示したようなトップゲート構造のTFT素子Trを有するTFT基板5において、映像信号線DLの端部の外部接続端子が接続している位置の断面構成は、たとえば、図5(b)に示すような構成になっている。すなわち、絶縁基板1の表面には、下地絶縁膜13、第1の絶縁層15、および第2の絶縁層16が積層しており、第2の絶縁層16の上に映像信号線DLが形成されている。なお、図5(b)に示した断面構成は、当該端子部における映像信号線DLの延在方向に沿った断面構成であり、奥行き方向に複数本の映像信号線DLが並んでいる。
【0074】
また、第2の絶縁層16の上には、映像信号線DLを覆う第3の絶縁層18が形成されており、第3の絶縁層18の上には、外部接続端子19が形成されている。このとき、外部接続端子19は、たとえば、画素電極PXと同じ材料で形成されている。またこのとき、外部接続端子19は、第3の絶縁層18に形成された第2のスルーホールTH2により映像信号線DLと接続している。
【0075】
このとき、第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2は、第3の絶縁層18をエッチングして形成される開口パターンであるため、通常、同時に形成される。そのため、従来の製造方法で製造されたTFT基板5における第1のスルーホールTH1の側面の勾配(傾斜角度θ1)と、第2のスルーホールTH2の側面の勾配(傾斜角度θ2)は、通常、同じ角度になっていた。しかしながら、TFT基板5において、第1のスルーホールTH1は、画素の開口率を向上させる観点から、側面の勾配を大きくすることが望ましく、第2のスルーホールTH2は、ラビング時に生じた配向膜の削りかすが残留するのを防ぐ観点から、側面の勾配を小さくすることが望ましい。
【0076】
そのため、第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2を形成するときには、本発明のパターン形成方法を適用して形成することが望ましい。このとき、第1のスルーホールTH1を形成する領域の現像・加熱処理(ポストベーク)後の感光性レジスト膜の膜厚は1.6μm、第2のスルーホールTH2(ならびに前記第3のスルーホール)を形成する領域の現像・加熱処理(ポストベーク)後の感光性レジスト膜の膜厚は0.7μmになるように露光量を制御して、第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2を同時に形成することで、図5(a)および図5(b)に示すように、第2のスルーホールTH2の側面の勾配を、第1のスルーホールTH1の側面の勾配よりもなだらかにすることができる。またこのとき、第1のスルーホールTH1は、側面の勾配(傾斜角度θ1)を60°から80°程度にし、第2のスルーホールTH2は、側面の勾配(傾斜角度θ2)を30°から60°程度にする。
【0077】
なお、エッチングして得られるパターンの側面の傾斜角度は、エッチングガスの組成比によって変えることができ、実施例1の第3の絶縁膜18がCVDで成膜したSiN膜であり、SFとOの混合ガスでエッチングする場合、Oの組成比を高くすると傾斜角度を小さくすることができる。ただし、この場合は、第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2の両方の側面の傾斜角度が小さくなるのであって、同一層内で同時に複数の異なる傾斜角度を得るには本発明の適用が必要なことは言うまでもない。
【0078】
また、図示は省略するが、本発明のパターン形成方法を適用して第3の絶縁層18などをエッチングすれば、たとえば、走査信号線GLの端部と外部接続端子とを接続する第3のスルーホールの側面の勾配も小さくすることができる。
【0079】
そのため、本発明のパターン形成方法を適用して第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2(ならびに前記第3のスルーホール)を同時に形成することで、画素の開口率の低下およびラビング時に生じた配向膜の削りかすの残留を、容易に防ぐことができる。
【0080】
このように、実施例1のTFT基板5を製造するときに、上記のような本発明のパターン形成方法を適用すれば、1回のエッチングで機能が異なる2種類以上の開口パターン(第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2ならびに前記第3のスルーホール)を形成するときに、それぞれの開口パターンの側面の勾配を容易に制御することができる。
【0081】
したがって、実施例1のTFT基板5を有する液晶表示パネル7は、映像信号線DLの外部接続端子19と第1のフレキシブル配線板8の配線との接続不良、および走査信号線GLの外部接続端子と第2のフレキシブル配線板9の配線との接続不良を容易に低減することができ、液晶表示パネル7の動作不良を低減できる。
【0082】
また、実施例1のTFT基板5の製造方法において、第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2を形成する工程は、第3の絶縁層18の上にエッチングレジストを形成するときに、1回の露光/現像で、厚さおよび側面の勾配を作り分けることができる。そのため、側面の勾配が異なる第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2を容易に、かつ、効率よく形成することができ、TFT基板5の製造効率を向上させることができる。
【0083】
図6(a)および図6(b)、図7(a)および図7(b)は、実施例1のTFT基板の変形例およびその製造方法の一例を説明するための模式図である。
図6(a)は、TFT基板のTFT素子周辺の概略構成の変形例を示す模式断面図である。図6(b)は、図6(a)に示したTFT基板における外部接続端子の概略構成の一例を示す模式断面図である。図7(a)は、図6(a)に示したTFT基板においてソース電極上の第3の絶縁層に開口パターンを形成する方法の一例を示す模式断面図である。図7(b)は、図6(a)に示したTFT基板において映像信号線の端部上の第3の絶縁層に開口パターンを形成する方法の一例を示す模式断面図である。
【0084】
液晶表示パネル7のTFT基板5における各画素の構成には、図5(a)に示したような構成に限らず、種々の構成が存在する。液晶表示パネル7が、たとえば、IPS方式などの横電界駆動方式である場合、TFT基板5の各画素は、画素電極PXおよび対向電極を有する。また、液晶表示パネル7が、たとえば、半透過型である場合、TFT基板5の各画素は、バックライトからの光を透過させる領域と外光を反射させる領域とを有し、前記外光を反射させる領域には、反射膜が設けられている。
【0085】
液晶表示パネル7が横電界駆動方式であり、かつ、半透過型である場合、TFT基板5の各画素におけるTFT素子Trおよびその周辺の断面構成は、たとえば、図6(a)に示すような構成になっている。すなわち、ガラス基板などの絶縁基板1の表面には、下地絶縁膜13、半導体層14、第1の絶縁層15、走査信号線GL、第2の絶縁層16、映像信号線DL、ソース電極17、第3の絶縁層18、および画素電極PXの他に、第4の絶縁層20、対向電極21、反射膜22、および第5の絶縁層23が形成されている。
【0086】
このような構成のTFT基板5において、対向電極21は、平板状の電極であり、画素電極PXは、櫛歯状の電極である。また、反射膜22を形成する領域は、外光を乱反射(散乱)させるために、たとえば、第4の絶縁層20の表面に波状の凹凸を設けている。
【0087】
このとき、画素電極PXは、たとえば、第3の絶縁層18に形成された開口パターンTH1aおよび第5の絶縁層23に形成された開口パターンTH1bからなる第1のスルーホールTH1によりソース電極17と接続している。またこのとき、第4の絶縁層20は、たとえば、第1のスルーホールTH1の周囲に開口パターンを形成し、当該開口パターン内に第5の絶縁層23が埋設されるようにしている。
【0088】
なお、図6(a)に示したTFT素子およびその周辺の断面構成は、トップゲート構造のTFT素子Trを有するTFT基板5における断面構成の典型例である。すなわち、実際のTFT基板5におけるTFT素子およびその周辺の断面構成は、半導体層14、走査信号線GL、映像信号線DL、ソース電極17、画素電極PX、対向電極21、および反射膜22の平面レイアウトが変われば、それに応じて変わる。しかしながら、TFT基板5の画素が有するトップゲート構造のTFT素子Trおよびその周辺の断面構成は、基本的には、図6(a)に示した断面構成と概ね同じ構成になる。
【0089】
各画素のTFT素子およびその周辺の断面構成が、図6(a)に示したような構成のTFT基板5において、映像信号線DLの端部の外部接続端子19が接続している位置の断面構成は、たとえば、図6(b)に示すような構成になっている。絶縁基板1の表面には、下地絶縁膜13、第1の絶縁層15、第2の絶縁層16、映像信号線DL、第3の絶縁層18、第5の絶縁層23、および外部接続端子19が形成されている。なお、図6(b)に示した断面構成は、当該端子部における映像信号線DLの延在方向に沿った断面構成であり、奥行き方向に複数本の映像信号線DLが並んでいる。
【0090】
このとき、外部接続端子19は、第3の絶縁層18に形成された開口パターンTH2aおよび第5の絶縁層23に形成された開口パターンTH2bからなる第2のスルーホールTH2により映像信号線DLと接続している。
【0091】
このような構成のTFT基板5において、第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2を形成するときには、たとえば、第3の絶縁層18のエッチングおよび第5の絶縁層23のエッチングを個別に行って形成する場合と、第5の絶縁層23および第3の絶縁層18を一括してエッチングして形成する場合もある。ここではまず、第3の絶縁層18を形成した直後に開口パターンTH1a,TH2aをエッチングで形成し、その後いくつかの工程を経て第5の絶縁層23を形成した後、当該第5の絶縁層23に開口パターンTH1b,TH2bをエッチングで形成する場合について説明する。
【0092】
第3の絶縁層18を形成した直後に開口パターンTH1a,TH2aを形成する場合、前述のように、各画素のTFT素子のソース電極17上に形成する開口パターンTH1aは側面の勾配を大きくし、外部接続端子19を配置する位置に形成する開口パターンTH2aは側面の勾配を小さくすることが望ましい。そのため、第3の絶縁層18を形成した直後に開口パターンTH1a,TH2aを形成する場合は、第3の絶縁層18の表面上には、たとえば、図7(a)および図7(b)に示したようなエッチングレジスト3d,3eを形成する。すなわち、各画素のTFT素子のソース電極17上の開口パターンTH1aを形成する位置の周辺のエッチングレジスト3dは、厚さH1を1.6μmと十分に厚くし、開口部の側面の勾配が大きくなる(たとえば、傾斜角度θ1が60°から80°程度になる)ようにする。また、映像信号線DLの端部上の開口パターンTH2aを形成する位置の周辺のエッチングレジスト3eの厚さH2は0.7μmとH1よりも薄くし、開口部の側面の勾配が小さくなる(たとえば、傾斜角度θ2が30°から60°程度になる)ようにする。
【0093】
このようなエッチングレジスト3d,3eをマスクにして第3の絶縁層18をエッチングすると、当該第3の絶縁膜18の露出部分18a,18bが除去される。このとき、第3の絶縁膜18に形成される開口パターンTH1a,TH2aの側面は、それぞれ、その周囲におけるエッチングレジスト3d,3eの側面を反映した形状になる。そのため、TFT素子のソース電極17上に形成される開口パターンTH1aの側面の勾配は大きくし、映像信号線DLの端部上に形成される開口パターンTH2aの側面の勾配は小さくすることができる。
【0094】
また、図を用いた説明は省略するが、第5の絶縁層23をエッチングして開口パターンTH1b,TH2bを形成するときも、同じ要領で形成することで、TFT素子のソース電極17上に形成される開口パターンTH1bの側面の勾配は大きくし、映像信号線DLの端部上に形成される開口パターンTH2bの側面の勾配は小さくすることができる。
【0095】
また、前述のとおり、第1のスルーホールTH1および第2のスルーホールTH2を形成するときに、たとえば、第5の絶縁層23および第3の絶縁層18を一括してエッチングして形成する場合もある。この場合においても、個別にエッチングする場合と同様に、TFT素子のソース電極17上に形成される開口パターンの側面の勾配は大きくし、映像信号線DLの端部上に形成される開口パターンの側面の勾配は小さくすることができることはもちろんである。
【0096】
また、以上の説明と同様に、TFT素子のソース電極17上に形成される開口パターン側面の勾配に比べ、走査像信号線GLの端部上に形成される開口パターンの側面の勾配を小さくすることができることももちろんである。
【実施例2】
【0097】
図8(a)乃至図8(c)は、本発明による実施例2の液晶表示装置の概略構成の一例および作用効果の一例を説明するための模式図である。
図8(a)は、実施例2の液晶表示装置におけるTFT基板のTFT素子周辺の概略構成の一例を示す模式断面図である。図8(b)は、図8(a)に示したTFT素子の等価回路の一例を示す模式回路図である。図8(c)は、図8(a)に示したTFT基板における保持容量の概略構成の一例を示す模式断面図である。
なお、図8(a)は、たとえば、図6(a)に示した断面構成を有するTFT基板5を走査信号線GLの延在方向に沿って見たときの断面構成の一例を示している。
【0098】
実施例1では、本発明のパターン形成方法を適用した例として、TFT基板5の絶縁層にスルーホールを形成する場合に適用した例を挙げている。しかしながら、本発明のパターン形成方法は、これに限らず、たとえば、半導体膜をエッチングして機能が異なる複数種類の半導体パターンを同時に形成する場合にも適用できる。実施例2では、本発明のパターン形成方法を、半導体膜をエッチングして機能が異なる複数種類の半導体パターンを同時に形成する工程に適用した場合の一例を説明する。また、実施例2では、各画素のTFT素子およびその周辺の断面構成が、図6(a)示したような構成であるTFT基板5を例に挙げる。
【0099】
このとき、走査信号線GLの延在方向に沿ってみたTFT素子の断面構成は、たとえば、図8(a)に示すような構成になっている。すなわち、走査信号線GLは、半導体層14と重畳する部分の端部に段差STがある。またこのとき、当該段差STの周辺における走査信号線GLと半導体層14との距離は、一般に、走査信号線GLと半導体層14の中央部分との距離とは異なる距離になる。そのため、1つのTFT素子Trの等価回路は、たとえば、図8(b)に示すように、走査信号線GLと半導体層14の中央部分とで形成される本体MOS MTaと、走査信号線GLの段差STの部分に形成される2つのサイドMOS MTb,MTcの3つのMOSTFTが並列に接続された回路で表される。
【0100】
このとき、サイドMOS MTb,MTcのサイズが大きいと、たとえば、本体MOS MTaの電気特性からのずれが生じ、TFT素子の特性が劣化することがある。そのためTFT基板5の各画素に配置されるTFT素子は、サイドMOS MTb,MTcのサイズをできるだけ小さくすることが望ましい。サイドMOS MTb,MTcのサイズを小さくするには、たとえば、図8(a)に示したように、半導体層14の側面の勾配(傾斜角度)を大きくすればよい。
【0101】
また、このような構成のTFT基板5の各画素には、たとえば、図8(c)に示すように、TFT素子が配置された位置とは別の位置に、電極用半導体層24、第1の絶縁層15、導電体層25を積層した保持容量CSTGが形成される。このとき、電極用半導体層24は、TFT素子の半導体層14と同時に形成される半導体パターンであり、通常、半導体層14と一体形成される。またこのとき、電極用半導体層24は、たとえば、半導体層14のソース領域と接続しており、高濃度の不純物を拡散領域にすることで導電性を高めている。また、導電体層25は、たとえば、走査信号線GLと同時に形成される導電体パターンである。
【0102】
このような構成の保持容量CSTGは、いわゆる平行平板型のコンデンサであるため、電極用半導体層24の導電体層25と対向する面、および導電体層25の電極用半導体層24と対向する面は、それぞれ、平行な平面であることが望ましく、また、リークを防ぐためにも、保持容量CSTGの電極用半導体層24は、図8(c)に示したように、側面の勾配(傾斜角度)を小さくすることが望ましい。
【0103】
したがって、1つの半導体膜をエッチングして、TFT素子の半導体層14と保持容量の電極用半導体層24とを同時に形成する場合に、本発明のパターン形成方法を適用すれば、半導体層14の側面の勾配(傾斜角度)を50°から70°程度にし、電極用半導体層24の側面の勾配(傾斜角度)を20°から50°程度にすることができる。そのため、実施例2のTFT基板5を有する液晶表示装置では、TFT素子の特性のばらつきや、保持容量CSTGのばらつきによる動作不良や動作特性のばらつきを低減できる。
【0104】
またこのとき、半導体膜の上にエッチングレジストを形成する工程では、1回の露光/現像で厚さおよび側面の勾配が異なるエッチングレジストを形成できる。そのため、側面の勾配が異なる半導体層14および電極用半導体層24を容易に、かつ、効率よく形成できるので、TFT基板5の製造効率を向上させることができる。
【実施例3】
【0105】
図9(a)および図9(b)は、本発明による実施例3の液晶表示装置の概略構成の一例および作用効果の一例を説明するための模式図である。
図9(a)は、実施例3の液晶表示装置におけるTFT基板のTFT素子周辺の概略構成の一例を示す模式断面図である。図9(b)は、図9(a)に示したTFT基板における走査信号線と映像信号線との交差領域の断面構成の一例を示す模式断面図である。
なお、図9(b)は、映像信号線DLの延在方向に沿って見たときの断面構成の一例を示している。
【0106】
実施例1および実施例2では、各画素のTFT素子がトップゲート構造である場合のTFT基板5を例に挙げている。しかしながら、本発明のパターン形成方法は、これに限らず、各画素のTFT素子がボトムゲート構造であるTFT基板5の製造方法にも適用できる。各画素のTFT素子がボトムゲート構造であるTFT基板5において、各画素のTFT素子およびその周辺の断面構成は、たとえば、図9(a)に示すような構成になっている。すなわち、絶縁基板1の表面には、TFT素子のゲート電極としての機能を有する走査信号線GL、および走査信号線GLを覆う第1の絶縁層15が形成されている。また、第1の絶縁層15の上には、半導体層14、映像信号線DL、ソース電極17が形成されている。
【0107】
また、第1の絶縁層15の上には、半導体層14、映像信号線DL、ソース電極17を覆う第2の絶縁層16が形成されており、第2の絶縁層16の上には画素電極PXが形成されている。このとき、画素電極PXは、第2の絶縁層16に形成された第1のスルーホールTH1によりソース電極17と接続している。
【0108】
なお、図9(a)に示したTFT素子およびその周辺の断面構成は、ボトムゲート構造のTFT素子Trを有するTFT基板5における断面構成の典型例である。すなわち、実際のTFT基板5におけるTFT素子およびその周辺の断面構成は、走査信号線GL、半導体層14、映像信号線DL、ソース電極17、および画素電極PXの平面レイアウトが変われば、それに応じて変わる。しかしながら、TFT基板5の画素が有するボトムゲート構造のTFT素子Trおよびその周辺の断面構成は、基本的には、図9(a)に示した断面構成と概ね同じ構成になる。
【0109】
このような構成のTFT素子を有するTFT基板5において、第2の絶縁層16には、たとえば、映像信号線DLと外部電極端子19とを接続するための第2のスルーホール(図示しない)も形成されている。そのため、第2の絶縁層16をエッチングして第1のスルーホールTH1、および第2のスルーホールを形成するときに、本発明のパターン形成方法を適用すれば、第1のスルーホールTH1の側面の勾配(傾斜角度)を60°から80°程度にすることができ、第2のスルーホールの側面の勾配(傾斜角度)を30°から60°程度にすることができる。
【0110】
また、このような構成のTFT素子を有するTFT基板5では、たとえば、図9(b)に示すように、走査信号線GLと映像信号線DLの交差領域に、層間半導体膜26を設けることが多い。層間半導体膜26は、たとえば、走査信号線GLと映像信号線DLの交差領域に形成される寄生容量(交差容量)を小さくしたり、当該交差領域において走査信号線GLと映像信号線DLとが接触して短絡するのを防いだりするために設けられている。
【0111】
しかしながら、層間半導体層26を設けると、映像信号線DLの段差STが大きくなり、たとえば、段差STの部分において映像信号線DLの断面積が大きく変動する。そのため、たとえば、断面積の変動による映像信号の遅延量が大きくなるといった問題が生じることがある。
【0112】
そこで、実施例3のような構成のTFT基板5の製造方法において、半導体層14および層間半導体膜26を形成する工程に、本発明のパターン形成方法を適用すれば、TFT素子の半導体層14の側面の勾配(傾斜角度)を50°から70°程度にし、層間半導体膜26の側面の勾配(傾斜角度)を20°から50°程度にすることができる。そのため、実施例3のTFT基板5を有する液晶表示装置では、走査信号線GLと映像信号線DLの交差領域における信号の劣化による動作不良や動作特性のばらつきを低減できる。
【0113】
またこのとき、半導体膜の上にエッチングレジストを形成する工程では、1回の露光で厚さおよび側面の勾配が異なるエッチングレジストを形成できる。そのため、側面の勾配が異なる半導体層14および層間半導体膜26を容易に、かつ、効率よく形成できるので、TFT基板5の製造効率を向上させることができる。
【0114】
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
【0115】
たとえば、実施例1乃至実施例3では、それぞれ、本発明のパターン形成方法を適用可能な組み合わせの一例を示しているにすぎない。すなわち、本発明のパターン形成方法は、実施例1乃至実施例3に示した組み合わせのパターン形成方法に限らず、1つの材料膜をエッチングして機能が異なる複数種類のパターンを同時に形成する工程であれば、どの工程にも適用できることはもちろんである。
【0116】
また、実施例1乃至実施例3では、液晶表示パネル7に用いるTFT基板5を例に挙げたが、本発明のパターン形成方法は、これに限らず、類似した構成を有する基板、たとえば、有機EL(Electro−Luminescence)を用いた自発光型表示装置に用いる基板の製造方法にも適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1(a)】絶縁基板の表面上に導電膜および感光性レジストを形成した後の模式断面図である。
【図1(b)】感光性レジストを露光する工程の模式断面図である。
【図1(c)】感光性レジストを現像して加熱処理をした後の模式断面図である。
【図1(d)】導電膜がエッチングされる様子を示す模式断面図である。
【図1(e)】導電膜をエッチングしてエッチングレジストを除去した後の模式断面図である。
【図2】本発明の表示装置の製造方法を適用して絶縁膜に形成した開口パターンの一例を示す模式断面図である。
【図3(a)】液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式平面図である。
【図3(b)】液晶表示装置の1つの画素の回路構成の一例を示す模式回路図である。
【図4】液晶表示装置の概略構成の別の一例を示す模式平面図である。
【図5(a)】実施例1の液晶表示装置におけるTFT基板のTFT素子周辺の概略構成の一例を示す模式断面図である。
【図5(b)】図5(a)に示したTFT基板における外部接続端子の概略構成の一例を示す模式断面図である。
【図6(a)】TFT基板のTFT素子周辺の概略構成の変形例を示す模式断面図である。
【図6(b)】図6(a)に示したTFT基板における外部接続端子の概略構成の一例を示す模式断面図である。
【図7(a)】図6(a)に示したTFT基板においてソース電極上の第3の絶縁層に開口パターンを形成する方法の一例を示す模式断面図である。
【図7(b)】図6(a)に示したTFT基板において映像信号線の端部上の第3の絶縁層に開口パターンを形成する方法の一例を示す模式断面図である。
【図8(a)】実施例2の液晶表示装置におけるTFT基板のTFT素子周辺の概略構成の一例を示す模式断面図である。
【図8(b)】図8(a)に示したTFT素子の等価回路の一例を示す模式回路図である。
【図8(c)】図8(a)に示したTFT基板における保持容量の概略構成の一例を示す模式断面図である。
【図9(a)】実施例3の液晶表示装置におけるTFT基板のTFT素子周辺の概略構成の一例を示す模式断面図である。
【図9(b)】図9(a)に示したTFT基板における走査信号線と映像信号線との交差領域の断面構成の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
【0118】
1…絶縁基板
2…導電膜
2a,2b…導電体パターン
3…感光性レジスト膜(感光性材料膜)
3a,3b,3d,3e…エッチングレジスト
4…絶縁膜
4a,4b,TH1a,TH1b,TH2a,TH2b…開口パターン
5…TFT基板
6…対向基板
7…液晶表示パネル
8…第1のフレキシブル配線板
9…第2のフレキシブル配線板
10…ICチップ
11…フレキシブル配線板
12…配線
13…下地絶縁膜
14…半導体層
15…第1の絶縁層
16…第2の絶縁層
17…ソース電極
18…第3の絶縁層
19…外部接続端子
20…第4の絶縁層
21…対向電極
22…反射膜
23…第5の絶縁層
24…電極用半導体層
25…導電体層
26…層間半導体膜
GL…走査信号線
DL…映像信号線
Tr…TFT素子
PX…画素容量
STG…保持容量
TH1…第1のスルーホール
TH2…第2のスルーホール
MTa…本体MOS
MTb,MTc…サイドMOS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板の表面上に複数の導電体パターンと、複数の半導体パターンと、複数の絶縁膜とを積層して、当該絶縁基板の表面上に走査信号線と、映像信号線と、TFT素子と、前記TFT素子のドレイン電極またはソース電極に接続された画素電極と、前記映像信号線に接続された第1の外部接続端子と、前記走査信号線に接続された第2の外部接続端子とを設けた基板を有する表示装置であって、
前記絶縁基板の表面上には、1つの材料膜をエッチングまたは露光現像して形成された複数の同時形成パターンを有し、
当該複数の同時形成パターンは、同一の機能を有する前記同時形成パターンの側面の勾配が概ね等しく、かつ、すべての前記同時形成パターンの側面の勾配には2通り以上あることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の同時形成パターンは、1つ以上の前記絶縁膜をエッチングして形成された複数の開口パターンであり、
当該複数の開口パターンは、前記TFT素子の前記ドレイン電極または前記ソース電極と前記画素電極とを接続する箇所に形成された第1の開口パターンと、前記映像信号線と前記第1の外部接続端子とを接続する箇所に形成された第2の開口パターンと、前記走査信号線と前記第2の外部接続端子とを接続する箇所に形成された第3の開口パターンとを有し、
前記第2の開口パターンの側面の勾配および前記第3の開口パターンの側面の勾配は、それぞれ、前記第1の開口パターンの側面の勾配よりもなだらかであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の同時形成パターンは、1つの前記半導体膜をエッチングして形成された複数の半導体パターンであり、
当該複数の半導体パターンは、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、1つ以上の前記絶縁膜を介して積層された導電体パターンとの間で容量を形成する第2の半導体パターンとを有し、
前記TFT素子は、前記絶縁基板の表面上に、前記第1の半導体パターン、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜、およびゲート電極として機能する導電体パターンがこの順序で積層した構造であり、
前記容量は、前記絶縁基板の表面上に、前記第2の半導体パターン、前記絶縁膜、および前記導電体パターンがこの順序で積層した構造であり、
前記第2の半導体パターンの側面の勾配は、前記第1の半導体パターンの側面の勾配よりもなだらかであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の同時形成パターンは、1つの前記半導体膜をエッチングして形成された複数の半導体パターンであり、
当該複数の半導体パターンは、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、前記走査信号線と前記映像信号線とが交差する領域に介在する第2の半導体パターンとを有し、
前記TFT素子は、前記絶縁基板の表面上に、ゲート電極として機能する導電体パターン、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜、および前記第1の半導体パターンがこの順序で積層した構造であり、
前記走査信号線と前記映像信号線とが交差する領域は、前記絶縁基板の表面上に、前記走査信号線、前記絶縁膜、前記第2の半導体パターン、および前記映像信号線がこの順序で積層した構造であり、
前記第2の半導体パターンの側面の勾配は、前記第1の半導体パターンの側面の勾配よりもなだらかであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
絶縁基板の表面上に複数の導電体パターンと、複数の半導体パターンと、複数の絶縁膜とを積層して、当該絶縁基板の表面上に走査信号線と、映像信号線と、TFT素子と、前記TFT素子のドレイン電極またはソース電極に接続された画素電極と、前記映像信号線に接続された第1の外部接続端子と、前記走査信号線に接続された第2の外部接続端子とを形成する過程で、感光性材料膜を露光し、現像する露光/現像工程を複数回行う表示装置の製造方法であって、
複数回の前記露光/現像工程のうちの、1回の露光/現像工程は、1つの感光性材料膜を露光し、現像した後に、前記絶縁基板の上に残る前記感光性材料膜の側面の勾配が2通り以上になるようにすることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記1回の露光/現像工程は、前記1つの感光性材料膜を露光し、現像した後に、前記絶縁基板の上に残る前記感光性材料膜の膜厚が、2通り以上になるようにすることを特徴とする請求項5に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記1回の露光/現像工程は、前記1つの感光性材料膜を露光するときに、前記絶縁基板の表面における位置に応じて、当該感光性材料膜に対する露光量を変えて露光することを特徴とする請求項6に記載の表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記1回の露光/現像工程は、前記感光性材料膜を現像した後、前記絶縁基板の上に残る前記感光性材料膜の加熱処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記1回の露光/現像工程は、1つ以上の前記絶縁膜をエッチングして、前記TFT素子の前記ドレイン電極または前記ソース電極と前記画素電極とを接続する箇所の第1の開口パターンと、前記映像信号線と前記第1の外部接続端子とを接続する箇所の第2の開口パターンと、前記走査信号線と前記第2の外部接続端子とを接続する箇所の第3の開口パターンとを同時に形成する工程の直前に行われ、
前記1回の露光/現像工程の直後に前記絶縁膜の上に残る前記感光性材料膜は、前記第2の開口パターンを形成する位置の側面の勾配および前記第3の開口パターンを形成する位置の側面の勾配が、それぞれ、前記第1の開口パターンを形成する位置の側面の勾配よりもなだらかであることを特徴とする請求項5に記載の表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記1回の露光/現像工程は、1つの半導体膜をエッチングして、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、1つ以上の前記絶縁膜を介して積層された導電体パターンとの間で容量を形成する第2の半導体パターンとを同時に形成する工程の直前に行われ、
前記1回の露光/現像工程の直後に前記半導体膜の上に残る前記感光性材料膜は、前記第2の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配が、前記第1の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配よりもなだらかであることを特徴とする請求項5に記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記1回の露光/現像工程は、1つの半導体膜をエッチングして、前記TFT素子の半導体層として用いる第1の半導体パターンと、前記走査信号線と前記映像信号線とが交差する領域に介在する第2の半導体パターンとを同時に形成する工程の直前に行われ、
前記1回の露光/現像工程の直後に前記半導体膜の上に残る前記感光性材料膜は、前記第2の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配が、前記第1の半導体パターンを形成する位置の側面の勾配よりもなだらかであることを特徴とする請求項5に記載の表示装置の製造方法。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図1(c)】
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【図1(d)】
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【図1(e)】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【公開番号】特開2009−265326(P2009−265326A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114009(P2008−114009)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】