表示装置
【課題】表示装置の作製のコストの低減を課題の一とする。
【解決手段】複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有し、インバータ回路は、ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2のトランジスタと、を有し、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、ゲート電極に接するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接する微結晶半導体層と、微結晶半導体層に接する混合層と、混合層に接する非晶質半導体を含む層と、配線とを有し、混合層において、錐形状の微結晶半導体領域と、錐形状の微結晶半導体領域を充填する非晶質半導体領域とを有する表示装置である。
【解決手段】複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有し、インバータ回路は、ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2のトランジスタと、を有し、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、ゲート電極に接するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接する微結晶半導体層と、微結晶半導体層に接する混合層と、混合層に接する非晶質半導体を含む層と、配線とを有し、混合層において、錐形状の微結晶半導体領域と、錐形状の微結晶半導体領域を充填する非晶質半導体領域とを有する表示装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路及び画素部に逆スタガ薄膜トランジスタを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界効果トランジスタの一種として、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタが知られている。薄膜トランジスタに用いられる半導体層として、非晶質シリコン、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いる技術が開示されている。薄膜トランジスタの代表的な応用例は、液晶テレビジョン装置であり、表示画面を構成する各画素のスイッチングトランジスタとして実用化されている。
【0003】
また、表示装置のコスト削減のため、外付けの部品数を減らし、ゲートドライバーを、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタで構成する表示装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−049832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非晶質シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、電界効果移動度及びオン電流が低いといった問題がある。また、長期の使用により薄膜トランジスタが劣化し、しきい値電圧がシフトしてしまい、オン電流が低下するという問題がある。
【0006】
これらのことから、非晶質シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタでゲートドライバーのような駆動回路を構成する場合は、チャネル形成領域の幅を広くし、薄膜トランジスタの面積を大きくすることで、しきい値電圧のシフトによるオン電流の低下が生じても、十分なオン電流を確保している。
【0007】
または、駆動回路を構成する薄膜トランジスタの数を増やして、各薄膜トランジスタの動作時間を短くすることで、薄膜トランジスタの劣化を低減して、十分なオン電流を確保している。
【0008】
このため、非晶質シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタで駆動回路を形成する表示装置において、駆動回路の占有面積が広く、表示装置の狭額縁化の妨げとなり、表示領域である画素部の面積が小さくなってしまう。
【0009】
一方、微結晶シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、非晶質シリコンによる薄膜トランジスタと比較して、電界効果移動度が向上するもののオフ電流が高くなってしまい、十分なスイッチング特性が得られないといった問題がある。
【0010】
多結晶シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、上記二種類の薄膜トランジスタよりも電界効果移動度が格段に高く、高いオン電流が得られるといった特性があるため、画素に設けられるスイッチング用のトランジスタのみならず、高速動作が要求されるドライバ回路をも構成することができる。
【0011】
しかし、多結晶シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、非晶質シリコン層で薄膜トランジスタを形成する場合に比べ半導体層の結晶化工程が必要となり、製造コストが増大することが問題となっている。例えば、多結晶シリコン層の製造のために必要なレーザアニール技術は、レーザビームの照射面積が小さく大画面の液晶パネルを効率良く生産することができないといった問題がある。
【0012】
そこで、本発明の一形態は、表示装置の作製のコストの低減を課題とする。また、また、本発明の一形態は、狭額縁化が可能であり、且つ画像の表示特性に優れた表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の例示的な一態様としては、複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有し、インバータ回路は、ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2のトランジスタと、を有し、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、ゲート電極に接するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接する微結晶半導体層と、微結晶半導体層に接する混合層と、混合層に接する非晶質半導体を含む層と、非晶質半導体を含む層上に形成される一対の不純物半導体層と一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、混合層において、錐形状の微結晶半導体領域と、錐形状の微結晶半導体領域を充填する非晶質半導体領域とを有する表示装置である。
【0014】
また、本発明の例示的な一態様としては、上記第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、ゲート電極に接するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接する微結晶半導体領域と、微結晶半導体領域に接し、且つ非晶質半導体を含む領域と、非晶質半導体を含む領域上に形成される一対の不純物半導体層と一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、微結晶半導体領域は、非晶質半導体を含む領域と接する側の面が凹凸状である。
【0015】
また、本発明の例示的な一態様としては、上記駆動回路と、駆動回路によって駆動する薄膜トランジスタが設けられた画素を有し、画素及び駆動回路は、同じ基板上に形成されている表示装置である。なお、上記基板は、ガラス基板またはプラスチック基板である。
【0016】
なお、スイッチはクロック信号または反転クロック信号によって、オンまたはオフが制御される。
【0017】
また、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、エンハンスメント型であることが好ましい。
【0018】
なお、オン電流とは、トランジスタがオン状態のときに、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流をいう。例えば、n型のトランジスタの場合には、ゲート電圧がトランジスタの閾値電圧よりも高いときにソース電極とドレイン電極との間に流れる電流である。
【0019】
また、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときに、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流をいう。例えば、n型のトランジスタの場合には、ゲート電圧がトランジスタの閾値電圧よりも低いときにソース電極とドレイン電極との間に流れる電流である。
【0020】
また、ここでの表示装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【発明の効果】
【0021】
表示装置を狭額縁化すると共に、画像の表示特性を向上させることができる。表示装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図2】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図3】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図4】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図5】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図6】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図7】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図8】本実施の形態に係る表示装置を説明する上面図である。
【図9】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図10】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図11】本実施の形態に係る表示装置を説明する上面図である。
【図12】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図13】本実施の形態に係る表示装置を説明する上面図である。
【図14】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図15】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図16】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図17】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図18】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図19】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図20】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図21】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図22】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図23】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図24】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する上面図である。
【図25】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図26】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図27】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する上面図である。
【図28】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する上面図及び断面図である。
【図29】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図30】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図31】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図32】本実施の形態に係る表示装置を有する電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に開示する実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に開示する発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、以下に開示する発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に開示する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態では、単極性の駆動回路を構成する微結晶半導体で構成した薄膜トランジスタとして、nチャネル型の薄膜トランジスタを用いる。そして画素部を駆動するための駆動回路として、ソース線駆動回路、及び/またはゲート線駆動回路について一例を挙げて説明し、本実施の形態の利点について述べていくこととする。
【0025】
図1に、表示装置の全体概略図について示す。基板100上に、ソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102、および画素部103を一体形成している。画素部103において、点線枠110で囲まれた部分が1画素である。図1の例で、ゲート線駆動回路102は、一方の端部に設けられる構成について示したが、複数有する構成としてもよい。また、表示装置の画素では、薄膜トランジスタ(以下、TFTと表記する)によって表示素子の制御を行っている。ソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102を駆動する信号(クロック信号、スタートパルス等)は、フレキシブルプリント基板(Flexible Print Circuit:FPC)104を介して、外部より入力される。なお基板上にロジック回路、電源回路及び発振回路等の回路105を設け、駆動回路を制御するための信号を基板上で生成し、ソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102に供給する構成としてもよい。
【0026】
画素部を駆動するためのソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102は、インバータ回路、容量素子、TFT等の素子を用いたスイッチ、抵抗素子などを用いて構成する。単極性のTFTを備えた駆動回路として、2つのnチャネル型TFTを組み合わせてインバータ回路を形成する場合、エンハンスメント型トランジスタとデプレッション型トランジスタとを組み合わせて形成する場合(以下、EDMOS回路という)と、エンハンスメント型トランジスタ同士で形成する場合(以下、EEMOS回路という)と、エンハンスメント型トランジスタと抵抗素子とを組み合わせて形成する場合(以下、ERMOS回路という)がある。一方、駆動回路と同じ基板上に形成される画素部に設ける薄膜トランジスタとして、エンハンスメント型トランジスタを用いることが好適である。エンハンスメント型トランジスタはしきい値電圧が正であるため、ゲートとソースの間にかかる電圧によって流れる電流を、デプレッション型トランジスタより小さくすることができ、表示装置の低消費電力化を図ることができるからである。
【0027】
そのため、画素部を駆動するための駆動回路のインバータ回路として、画素部と同じエンハンスメント型のTFTで構成される、EEMOS回路を用いることが好適である。駆動回路に用いるインバータ回路として、EEMOS回路を用いることにより、画素部及び駆動回路を作製する際のトランジスタの種類を一種類とするため、作製工程の短縮化を図ることができる。
【0028】
なお、nチャネル型TFTのしきい値電圧が正の場合は、エンハンスメント型トランジスタと定義し、nチャネル型TFTのしきい値電圧が負の場合は、デプレッション型トランジスタと定義し、本明細書を通してこの定義に従うものとする。
【0029】
なお本明細書において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間に何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、対象物を介してAとBとが概略同一ノードとなる場合を表すものとする。
【0030】
具体的には、トランジスタのようなスイッチング素子を介してAとBとが接続され、該スイッチング素子の導通によって、AとBとが概略同電位となる場合や、抵抗素子を介してAとBとが接続され、該抵抗素子の両端に発生する電位差が、AとBとを含む回路の動作に影響しない程度となっている場合など、回路動作を考えた場合、AとBとが同一ノードとして捉えて差し支えない状態である場合を表す。
【0031】
なお、表示装置とは、発光素子または液晶素子等の表示素子を有する装置のことを言う。なお、表示装置は、複数の画素を駆動させる周辺駆動回路を含んでいても良い。なお、複数の画素を駆動させる周辺駆動回路は、複数の画素と同一基板上に形成される。なお、表示装置は、フレキシブルプリント基板(FPC)を含んでもよい。なお、表示装置は、フレキシブルプリント基板(FPC)などを介して接続され、ICチップ、抵抗素子、容量素子、インダクタ、トランジスタなどが取り付けられたプリント配線基板(PWB)を含んでいても良い。なお、表示装置は、偏光板または位相差板などの光学シートを含んでいても良い。なお、表示装置は、照明装置、筐体、音声入出力装置、光センサなどを含んでいても良い。
【0032】
なお、一画素とは、明るさを制御できる要素一つ分を示すものとする。よって、一例としては、一画素とは、一つの色要素を示すものとし、その色要素一つで明るさを表現する。従って、そのときは、RGBの色要素からなるカラー表示装置の場合には、画像の最小単位は、Rの画素とGの画素とBの画素との三画素から構成されるものとする。
【0033】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0034】
次にインバータ回路としてEEMOS回路を用いたゲート線駆動回路、及びソース線駆動回路の回路図、並びに上面図と断面図について一例を示し、説明する。
【0035】
次に、インバータ回路としてEEMOS回路を用いたソース線駆動回路の構成について説明を行う。
【0036】
図2は、図1に示した表示装置における、ソース線駆動回路101の回路構成を示した図である。ソース線駆動回路は、クロック信号用レベルシフタ201、スタートパルス用レベルシフタ202、シフトレジスタ251を構成するパルス出力回路203、NAND回路204、バッファ205、サンプリングスイッチ206を有しており、外部より入力される信号は、第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)、スタートパルス(SP)、アナログ映像信号(Video)である。この中で、第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)、およびスタートパルス(SP、または入力信号ともいう)に関しては、外部から低電圧振幅の信号として入力された直後、クロック信号用レベルシフタ201またはスタートパルス用レベルシフタ202によって振幅変換を受け、高電圧振幅の信号として駆動回路に入力される。また、本実施の形態の表示装置におけるソース線駆動回路は、一例として、シフトレジスタ中の1段のパルス出力回路より出力されるサンプリングパルスが、サンプリングスイッチ206を駆動することによって、ソース信号線Sout1乃至Sout(N)列分のアナログ映像信号を同時にサンプリングしているものを説明する。なお、他にも走査方向を切り替えるための走査方向切り替え信号等を入力する構成としても良い。また本実施の形態では、クロック信号として第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)の2相のクロック信号により駆動する例を示すが、2相以外のクロック信号の入力により駆動回路を駆動する構成としてもよい。
【0037】
図3(A)、(B)に、シフトレジスタ251が有する複数のパルス出力回路203の構成を示す。なお本実施の形態では、スタティック回路のシフトレジスタについて一例を示し、説明するものである。パルス出力回路300は、一例として、スタートパルスSPが入力される端子に接続された第1のスイッチ301と、第1のスイッチ301を介して入力される信号を反転して出力する第1のインバータ回路302と、第1のインバータ回路302で反転された信号を反転して出力する第2のインバータ回路303及び第3のインバータ回路305と、第2のインバータ回路303で反転された信号が入力される端子に接続された第2のスイッチ304と、で構成される。図3(A)に示した回路図において、点線350で示したブロックが1段分のサンプリングパルスを出力するパルス出力回路であり、図3(A)のシフトレジスタは、N段(nは自然数、1<N)のパルス出力回路によって構成されている。N段のパルス出力回路からは、それぞれの第3のインバータ回路305の出力端子より、出力信号out1乃至outNが出力される。なお、上記説明した1段目(奇数段目)の次段である2段目(偶数段目)のパルス出力回路では、第1のスイッチ301と第2のスイッチ304との間で、入力される第1のクロック信号と第2のクロック信号とを入力する配線が切り替わって接続される。以下3段目以降、交互に第1のクロック信号と第2のクロック信号とを入力する配線が、第1のスイッチ301と第2のスイッチ304との間に交互に切り替わって接続される。
【0038】
図3(B)は、パルス出力回路の回路構成を詳細に示したものである。パルス出力回路本体は、TFT351、TFT352、TFT353、TFT354、TFT355、TFT356、TFT357、TFT358を有する。また奇数段目のパルス出力回路331及び偶数段目のパルス出力回路332は、第1のクロック信号CLK1を供給するための配線359、及び第2のクロック信号CLK2を供給するための配線360に接続されている。一段目のパルス出力回路331において、TFT351の第1端子はスタートパルスSPが入力される端子に接続され、ゲート端子は配線359が接続され、第2端子はTFT353のゲート端子及びTFT356の第2端子に接続される。TFT352の第1端子及びゲート端子は高電源電位VDDが供給される配線に接続され、第2端子はTFT353の第1端子、TFT355のゲート端子、TFT358のゲート端子に接続される。TFT353の第2端子は低電源電位VSS(GNDともいう)が供給される配線に接続される。TFT354の第1端子及びゲート端子は高電源電位VDDが供給される配線に接続され、第2端子はTFT355の第1端子及びTFT356の第1端子に接続される。TFT355の第2端子は低電源電位VSSが供給される配線に接続される。TFT356のゲート端子は配線360に接続される。TFT357の第1端子及びゲート端子は高電源電位VDDが供給される配線に接続され、第2端子はTFT358の第1端子に接続される。なお、1段目のパルス出力回路331におけるTFT357の第2端子は、2段目のパルス出力回路332におけるTFT351の第1端子に接続される。同様に、パルス出力回路におけるTFTの第2端子には、順次次の段のパルス出力回路が接続される。
【0039】
図3(B)において、TFT351は、図3(A)で示した第1のスイッチ301に相当する。また、TFT352及びTFT353は、図3(A)で示した第1のインバータ回路302に相当し、EEMOS回路で構成される。また、TFT354及びTFT355は、図3(A)で示した第2のインバータ回路303に相当し、EEMOS回路で構成される。TFT351は、図3(A)で示した第1のスイッチ301に相当する。TFT356は、図3(A)で示した第2のスイッチ304に相当する。なおTFT351及びTFT356は、TFT352乃至TFT355と同様に、エンハンスメント型トランジスタで構成することが好ましい。スイッチとしてエンハンスメント型トランジスタを用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができるため、低消費電力化が図れるとともに、作製プロセスを簡略化することができる。
【0040】
なお、nチャネル型トランジスタまたはpチャネル型トランジスタのようなトランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ドレイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことができる。ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難な場合もある。そこで、本実施の形態においては、ソース及びドレインとして機能する領域のそれぞれを、第1端子、第2端子と表記するものとする。またゲートとして機能する端子については、ゲート端子と表記するものとする。
【0041】
ここで、図3(A)、(B)で示した回路の回路動作について説明する。図4に示すタイミングチャートを参照する。なお図4では説明のため、図3(B)で示す回路でのノードとして1段目のパルス出力回路において、TFT351の第2端子をノードA(図4において、Aと示す)、TFT352の第2端子をノードB(図4において、Bと示す)、TFT354の第2端子をノードC(図4中、Cと示す)、TFT357の第2端子をノードout1(図4において、out1と示す)とする。また図3(B)で示す回路でのノードとして2段目のパルス出力回路において、TFT351の第2端子をノードD(図4において、Dと示す)、TFT352の第2端子をノードE(図4において、Eと示す)、TFT354の第2端子をノードF(図4において、Fと示す)、TFT357の第2端子をノードout2(図4において、out2と示す)とする。また図3(B)で示す回路でのノードとして3段目のパルス出力回路において、TFT351の第2端子をノードG(図4において、Gと示す)とする。
【0042】
図4において、期間T1で、スタートパルスSPがHレベル、第1のクロック信号CLK1がHレベル、第2のクロック信号CLK2がLレベルの際の動作について説明する。第1のクロック信号CLK1がHレベルになることで、1段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。そして、スタートパルスの電圧レベルであるHレベルが、ノードAの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードAの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、1段目のパルス出力回路のTFT353がオン状態になる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードBの電圧レベルをLレベルに下降させる。そして、ノードBの電圧レベルがLレベルに下降することにより、1段目のパルス出力回路のTFT355がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードCの電圧レベルをHレベルに上昇させる。また、ノードBの電圧レベルがLレベルに下降することにより、1段目のパルス出力回路のTFT358がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードout1の電圧レベルをHレベルに上昇させる。なお、第2のクロック信号CLK2は、Lレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356及び2段目のパルス出力回路のTFT351はオフ状態となる。
【0043】
次に、図4において、期間T2で、スタートパルスSPがLレベル、第1のクロック信号CLK1がLレベル、第2のクロック信号CLK2がHレベルの際の動作について説明する。
【0044】
第1のクロック信号がLレベルになることで、1段目のパルス出力回路のTFT351がオフ状態となる。一方、第2のクロック信号CLK2は、Hレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356はオン状態となる。そのため、期間T1でHレベルにあったノードCの電圧レベルにより、ノードAの電圧レベルがHレベルを保持することとなる。そして、1段目のパルス出力回路では、期間T1と同じ動作を行うこととなる。期間T2では、第2のクロック信号CLK2がHレベルになることで、2段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。そして、ノードout1の電圧レベルであるHレベルが、ノードDの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードDの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、2段目のパルス出力回路のTFT353がオン状態になる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードEの電圧レベルをLレベルに下降させる。そして、ノードEの電圧レベルがLレベルに下降することにより、2段目のパルス出力回路のTFT355がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードFの電圧レベルをHレベルに上昇させる。また、ノードEの電圧レベルがLレベルに下降することにより、2段目のパルス出力回路のTFT358がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードout2の電圧レベルをHレベルに上昇させる。なお、第1のクロック信号CLK1は、Lレベルであるため、2段目のパルス出力回路のTFT356及び3段目のパルス出力回路のTFT351はオフ状態となる。
【0045】
次に、図4において、期間T3で、スタートパルスSPがLレベル、第1のクロック信号CLK1がHレベル、第2のクロック信号CLK2がLレベルの際の動作について説明する。
【0046】
第1のクロック信号がHレベルになることで、1段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。一方、第2のクロック信号CLK2は、Lレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356はオフ状態となる。そのため、ノードAの電圧レベルがLレベルに下降することとなる。そして、ノードAの電圧レベルがLレベルに下降することにより、1段目のパルス出力回路のTFT353がオフ状態になる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードBの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードBの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、1段目のパルス出力回路のTFT355がオン状態となる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードCの電圧レベルをLレベルに下降させる。また、ノードBの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、1段目のパルス出力回路のTFT358がオン状態となる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードout1の電圧レベルをLレベルに下降させる。なお、第2のクロック信号CLK2は、Lレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356及び2段目のパルス出力回路のTFT351はオフ状態となる。また、期間T2での1段目のパルス出力回路と同様に、2段目のパルス出力回路のTFT356はオン状態となっており、期間T2でHレベルにあったノードFの電圧レベルにより、ノードFの電圧レベルがHレベルを保持することとなる。そして、2段目のパルス出力回路では、期間T2と同じ動作を行うこととなる。期間T3では、第1のクロック信号CLK1がHレベルになることで、3段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。そして、ノードout2の電圧レベルであるHレベルが、ノードGの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードGの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、3段目のパルス出力回路のTFT353がオン状態になる。以下、順次トランジスタのオンまたはオフが制御されることにより、パルス出力回路を複数段組み合わせたシフトレジスタとして駆動することができる。
【0047】
なお、図3(A)、図3(B)、図4で説明したパルス出力回路において、ノードAとノードCとの間に第2のスイッチ304が設けられている構成について示している。これは、高電源電位VDDに接続されたTFT354により制御されるノードCの電圧レベルが(VDD−VthN)以下(VthNはTFT354のしきい値電圧)となるためである。第2のスイッチ304によって、ノードAとノードCとの接続を切り離して駆動することによって、ノードAの電位によるTFT353の駆動能力を高めることができるため好適である。なお、第2のスイッチ304を設けない構成としても、本実施の形態の発明をなし得ることができる。
【0048】
また、ソース線駆動回路の構成では、各パルス出力回路から出力される信号の否定論理積(NAND)をとって、各ソース線を駆動するための信号を生成している。そのため、ソース線駆動回路においては、ソース線の数より多いパルス出力回路を設けておいて、ソース線に出力するための信号を生成する構成とすることが好ましい。
【0049】
図5(A)は、図2で示したクロック信号用レベルシフタ201の構成を示している。これは、互いに逆の極性を有するクロック信号(CLK1とCLK2)を、1入力型レベルシフタ回路を並列に配置してそれぞれ振幅変換を行い(Stage1)、以後のバッファ段(ここではStage2)では、互いの出力をそれぞれの反転入力信号として用いる構成をとっている。
【0050】
図5(A)に示した回路の動作について説明する。なお、ここで用いている電源の電位は、VSS、VDD0、VDDの3電位であり、VSS<VDD0<VDDとする。クロック信号の振幅をソース線駆動回路入力部でレベルシフトする構成とすることで、低消費電力化及びノイズの減少を図ることができる。また、図5(A)において、TFT601、TFT603、TFT606、TFT608はダブルゲート構造をとっているが、これらはシングルゲートでも良いし、3つ以上のゲート電極を有するマルチゲート構造であっても良い。その他のTFTに関しても、ゲート電極の数による制限は特に設けない。
【0051】
信号入力部(CLK in1)より、Lレベル/Hレベル=VSS/VDD0の振幅を有する第1の入力クロック信号(CLK1)が入力される。第1の入力クロック信号がHレベルのとき、TFT602、604がオン状態になり、TFT603のゲート電極の電圧レベルがLレベルとなってオフ状態になる。ここで、TFT602のオン抵抗は、TFT601のそれよりも十分に低く設計しておく。よってノードαは、Lレベルとなる。第1の入力クロック信号がLレベルのとき、TFT602、604はオフ状態になる。よって、飽和動作しているTFT601を通じて、TFT603のゲート端子の電圧レベルはVDDに上昇し、その電位が(VDD−VthN)となったところでTFT601はオフ状態になり、TFT603のゲート電極が浮遊状態となる。これによりTFT603がオン状態になり、ノードαの電位はVDDに上昇する。ここで、容量605により、ノードαの電位上昇に伴って、浮遊状態となっているTFT603のゲート端子の電位が上昇し、その電位はVDDよりも高い電位をとり、(VDD+VthN)を上回ることによって、ノードαに現れるHレベルはVDDに等しくなる。よって、出力信号のLレベルはVSS、HレベルはVDDとなり、振幅変換が完了する。
【0052】
一方、信号入力部(CLK in2)より、同じくVSS−VDD0の振幅を有する第2の入力クロック信号(CLK2)が入力される。前述と同様の動作によって、TFT606乃至TFT609および容量610で構成された1入力型レベルシフタ回路によって振幅変換が行われ、ノードβにはVSS−VDDの振幅を有する信号が出力される。なお、ノードαに現れた信号は、入力された第1の入力クロック信号に対して極性が反転しており、ノードβに現れた信号は、入力された第2の入力クロック信号に対して極性が反転している。
【0053】
図5(A)で説明するレベルシフタは、振幅変換後のパルスに対する負荷を考慮して、レベルシフタ回路(Stage1)の後に、バッファ段を設けている(Stage2〜Stage4)。このバッファ段を構成するインバータ回路は2入力型であり、入力信号およびその反転信号を要する。2入力型を用いる理由は、低消費電力化である。前述のレベルシフタ回路において、TFT602がオン状態であるとき、TFT601乃至TFT602を通じて、VSS−VDD間に貫通電流が流れる。2入力型を用いることによって、動作中に貫通電流が流れないようにしている。
【0054】
図5(A)では、Stage2のインバータ回路において、TFT611のゲート端子に入力される信号と、TFT612のゲート端子に入力される信号は、互いに逆の極性を有する信号である。そこで、第1の入力クロック信号および第2の入力クロック信号が、互いに極性の反転した信号であることを利用し、ノードαに現れた出力信号と、ノードβに現れた出力信号とを、互いの信号の反転入力信号として用いている。
【0055】
インバータ回路の動作について説明する。ここでは、Stage2の一方である、TFT611乃至614および容量615でなるインバータ回路における動作について述べる。他のインバータ回路に関しても動作は同様である。
【0056】
TFT611のゲート端子に入力される信号がHレベルのとき、TFT611がオン状態となり、TFT613のゲート電極の電位はVDDに上昇し、その電位が(VDD−VthN)となったところでTFT611がオフ状態となり、TFT613のゲート端子は浮遊状態となる。一方、TFT612、614のゲート電極に入力される信号はLレベルであるから、TFT612、614はOFFする。TFT613のゲート電極の電位は、(VDD−VthN)まで上昇しているから、TFT613はオン状態になり、ノードγの電位がVDDに上昇する。ここで、前述のレベルシフタ回路の動作と同様、容量615の働きにより、ノードγの電位上昇に伴って、浮遊状態となっているTFT613のゲート電極の電位が引き上げられ、その電位はVDDよりも高い電位をとり、(VDD+VthN)を上回ることによって、ノードγに現れるHレベルはVDDに等しくなる。
【0057】
一方、TFT611のゲート端子に入力される信号がLレベルのとき、TFT611がオフ状態になり、TFT612、614のゲート端子にはHレベルが入力されてオン状態になる。したがって、TFT613のゲート電極の電位はLレベルとなり、ノードγにはLレベルが現れる。
【0058】
同様の動作により、ノードδにもパルスが出力される。このとき、ノードδには、ノードγに現れるパルスと極性が反転したパルスが出力される。
【0059】
以後、Stage3、Stage4においても同様の動作によって、最終的に信号出力部(CLK out1)および信号出力部(CLK out2)にパルスが出力される。
【0060】
図5(B)は、クロック信号の振幅変換の様子を示したものである。入力信号の振幅は、Lレベル/Hレベル=VSS/VDD0であり、出力信号の振幅は、Lレベル/Hレベル=VSS/VDDとなっている。
【0061】
図5(C)は、図2で示したスタートパルス(SP)用のレベルシフタ202を示している。スタートパルスの場合、その反転信号を持たないことから、1入力型のレベルシフタ回路(Stage1)の出力が、1入力型のインバータ回路(Stage2)に入力され、さらにStage1の出力とStage2の出力とを用いて、2入力型のインバータ回路(Stage3)へと続く。回路動作に関しては、1入力型レベルシフタ回路はクロック信号の場合と同様である。1入力型インバータ回路に関しても、1入力型レベルシフタ回路と比較して、入力される信号の振幅がLレベル/Hレベル=VSS/VDDであって、入出力パルス間の振幅変換がないことを除いて、回路内の動作は同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0062】
図5(D)は、スタートパルス(SP)の振幅変換の様子を示したものである。入力信号の振幅は、クロック信号と同様、Lレベル/Hレベル=VSS/VDD0、出力信号の振幅は、Lレベル/Hレベル=VSS/VDDとなっている。
【0063】
図6(A)は、TFT701、702、703、704、705、706および容量707で構成された、図2で示した2入力型のNAND回路204を示している。構成としては、1入力型インバータ回路と類似であり、1入力インバータ回路における信号入力部が2入力となり、TFT702、703およびTFT705、706が直列配置されている点のみが異なる。
【0064】
信号入力部(In1)および信号入力部(In2)に、ともにHレベルが入力されると、TFT702、703、705、706がONし、TFT704のゲート端子の電圧レベルがLレベルとなってオフ状態となり、信号出力部(Out)にはLレベルが現れる。信号入力部(In1)および信号入力部(In2)のいずれか一方あるいは両方にLレベルが入力されると、TFT704のゲート端子と低電源電位VSSとは導通しないため、TFT704のゲート端子の電圧レベルはVDDに上昇してオン状態となり、さらに容量707の働きによって、(VDD+VthN)よりも高い電位をとり、信号出力部(Out)には電位VDDのHレベルが現れる。
【0065】
図6(B)はバッファの構成を示しており、1入力型インバータ回路(Stage1)および2入力型インバータ回路(Stage2〜Stage4)によって構成されている。1入力型インバータ回路、2入力型インバータ回路とも、動作に関してはレベルシフタの項で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0066】
図6(C)は、図2で示したサンプリングスイッチ206の構成を示している。信号入力部(25)より、サンプリングパルスが入力され、並列配置された12個のTFT731が同時に制御される。12個のTFT731の入力電極(1)〜(12)に、アナログ映像信号が入力され、サンプリングパルスが入力されたときの映像信号の電位を、出力電極(13)〜(24)を介してソース線に書き込む働きをする。
【0067】
本実施の形態にて示した表示装置は、画素部を駆動するための駆動回路のトランジスタを、画素TFTと同一の極性を有する単極性で、且つエンハンスメント型のTFTであるとする。これにより、相補型の回路構成とするための工程を省略することが可能となり、製造コストの削減や歩留まり向上に寄与することが出来る。
【0068】
次に、図7において、図1で示した表示装置における、ゲート線駆動回路102の回路構成を示す。クロック信号用レベルシフタ751、スタートパルス用レベルシフタ752、シフトレジスタ781を構成するパルス出力回路753、NAND回路754、バッファ755を有する。
【0069】
ゲート線駆動回路には、第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)、スタートパルス(SP)が入力される。これらの入力信号は、外部から低電圧振幅の信号として入力された直後、クロック信号用レベルシフタ751、スタートパルス用レベルシフタ752によって振幅変換を受け、高電圧振幅の信号として駆動回路に入力される。
【0070】
なお、パルス出力回路753、バッファ755、クロック信号用レベルシフタ751、スタートパルス用レベルシフタ752、及びNAND回路754の構成および動作に関しては、ソース線駆動回路に用いたものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0071】
次に、図3(B)に示したパルス出力回路のレイアウト図(上面図)を図8に示す。なお、図8では、複数段形成されるパルス出力回路のうち、一段目にあたるパルス出力回路について示すものである。
【0072】
図8のパルス出力回路は、電源電位VDDが供給される電源線801、電源電位GNDが供給される電源線802、制御信号線803、制御信号線804、制御信号線805、TFT351、TFT352、TFT353、TFT354、TFT355、TFT356、TFT357、TFT358で構成される。
【0073】
図8中では、半導体層806、第1の配線807、第2の配線808、コンタクトホール809について示している。なお第1の配線807は、ゲート電極を兼ねる。また、第2の配線808は、薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極を兼ねる。
【0074】
なお、図8中での各回路素子の接続関係については、図3(B)と同様である。なお、図8中、制御信号線803はスタートパルスSPが供給される配線であり、制御信号線804は第1のクロック信号が供給される配線であり、制御信号線805は第2のクロック信号が供給される配線であり、電源線801は高電源電位VDDが供給される配線であり、電源線802は、低電源電位VSSが供給される配線である。
【0075】
図8のパルス出力回路のレイアウト図において、本実施の形態では、TFT351乃至TFT358をEEMOSで構成とするものである。そのため、TFTを流れるオフ電流を小さくすることができる。
【0076】
なお、図8のパルス出力回路のレイアウト図において、TFT351乃至TFT358のチャネル領域の形状をU字型にしてもよい。また図中では各TFTのサイズについて同サイズとして示しているが、後段の負荷の大きさに応じてTFTの大きさを適宜変更しても良い。
【0077】
次に、図8で説明したレイアウト図における薄膜トランジスタの構造について図9を用いて説明する。図9では、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路、例えば図8におけるTFT354及びTFT355の断面を示して、その作製工程を以下に説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図8中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0078】
なお、本実施の形態における表示装置の画素部及び駆動回路は、同一基板上に形成し、画素部においては、マトリクス状に配置したエンハンスメント型トランジスタを用いて画素電極への電圧印加のオンオフを切り替える。
【0079】
駆動回路のインバータ回路の一形態の断面構造を図9に示す。
【0080】
図9において、TFT354は、基板401上に、ゲート電極403と微結晶半導体層427aと、混合層427bと、非晶質半導体を含む層469と、ゲート電極403及び微結晶半導体層427aの間に設けられるゲート絶縁層409と、非晶質半導体を含む層469に接するソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459、460と、不純物半導体層459、460に接する配線451、452とを有する。
【0081】
TFT354において、ゲート絶縁層409に形成されたコンタクトホール422を介してゲート電極403及び配線451が直接接続する。
【0082】
TFT355は、基板401上に、ゲート電極404と、微結晶半導体層428aと、混合層428bと、非晶質半導体を含む層470と、ゲート電極404及び微結晶半導体層428aの間に設けられるゲート絶縁層409と、非晶質半導体を含む層470に接するソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層461、462と、不純物半導体層461、462に接する配線452、453とを有する。また、TFT354、355の上に絶縁層479が形成される。
【0083】
基板401としては、ガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、基板に透光性を要しない場合には、ステンレス合金等の金属の基板の表面に絶縁層を設けたものを用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板を用いるとよい。また、基板401として、第3世代(550mm×650mm)、第3.5世代(600mm×720mm、又は620mm×750mm)、第4世代(680mm×880mm、又は730mm×920mm)、第5世代(1100mm×1300mm)、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm、2450mm×3050mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等のガラス基板を用いることができる。
【0084】
ゲート電極403、404は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体層やAgPdCu合金を用いてもよい。
【0085】
例えば、ゲート電極403、404の2層の積層構造としては、アルミニウム層上にモリブデン層が積層された二層の積層構造、または銅層上にモリブデン層を積層した二層構造、または銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタル層を積層した二層構造、窒化チタン層とモリブデン層とを積層した二層構造とすることが好ましい。三層の積層構造としては、タングステン層または窒化タングステン層と、アルミニウムとシリコンの合金またはアルミニウムとチタンの合金と、窒化チタン層またはチタン層とを積層した積層とすることが好ましい。電気的抵抗が低い層上にバリア層として機能する金属層が積層されることで、電気的抵抗が低く、且つ金属層から半導体層への金属元素の拡散を防止することができる。
【0086】
なお、ゲート電極403、404と、基板401との密着性向上として、上記の金属材料の窒化物層を、基板401と、ゲート電極403、404との間に設けてもよい。
【0087】
ゲート絶縁層409は、CVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層又は窒化酸化シリコン層を単層で又は積層して形成することができる。また、ゲート絶縁層409を酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンにより形成することで、薄膜トランジスタの閾値電圧の変動を低減することができる。
【0088】
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
【0089】
微結晶半導体層427a、428aを構成する微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは、20nm以上50nm以下の柱状結晶または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。このため、柱状結晶または針状結晶の界面には、結晶粒界が形成される場合もある。
【0090】
微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。このような微結晶半導体に関する記述は、例えば、米国特許4,409,134号で開示されている。
【0091】
また、微結晶半導体層427a、428aに含まれる酸素及び窒素の二次イオン質量分析法によって計測される濃度は、1×1018atoms/cm3未満とすることで、微結晶半導体層427a、428aの結晶性を高めることができるため好ましい。
【0092】
非晶質半導体を含む層469、470は、非晶質構造を有する。さらには、非晶質構造に加え、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下の結晶粒を含む場合もある。ここでの非晶質半導体を含む層とは、従来の非晶質半導体層と比較して、CPM(Constant photocurrent method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない。即ち、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層である。価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻であるため、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくくなる。
【0093】
なお、非晶質半導体を含む層469、470の非晶質半導体とは、代表的にはアモルファスシリコンである。
【0094】
また、非晶質半導体を含む層469、470は、ハロゲン、窒素、NH基、またはNH2基を有してもよい。
【0095】
図10に、図9のゲート絶縁層409と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459の間の拡大図を示し、混合層427bについて詳細に示す。
【0096】
図10(A)に示すように、混合層427bは、微結晶半導体層427a及び非晶質半導体を含む層469の間に設けられる。また、混合層427bは、微結晶半導体領域429a、及び当該微結晶半導体領域429aの間に充填される非晶質半導体領域429bを有する。具体的には、微結晶半導体層427aから凸状に伸びた微結晶半導体領域429aと、非晶質半導体を含む層469と同様の半導体で形成される非晶質半導体領域429bとで形成される。
【0097】
非晶質半導体を含む層469を、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成することで、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、混合層427bにおいて、錐形状の微結晶半導体領域429aを有するため、薄膜トランジスタがオン状態で配線に電圧を印加したときの縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、混合層427bと、ソース領域またはドレイン領域との間の抵抗を下げることが可能であり、薄膜トランジスタのオン電流を高めることが可能である。
【0098】
なお、混合層427bに含まれる微結晶半導体領域429aは微結晶半導体層427aと概略同質の半導体であり、また、混合層427bに含まれる非晶質半導体領域429bは非晶質半導体を含む層469と概略同質の半導体である。このため、微結晶半導体層と、非晶質半導体を含む層の界面が、混合層における微結晶半導体領域429a及び非晶質半導体領域429bの界面に相当するため、微結晶半導体層と、非晶質半導体を含む層の界面が凹凸状であるともいえる。
【0099】
また、図10(B)に示すように、混合層427bは、微結晶半導体層427a及び不純物半導体層459の間に設けられる構造としてもよい。即ち、混合層427bと不純物半導体層459との間に、非晶質半導体を含む層469が形成されない構造である。このような場合は、図10(B)に示す構造においては、非晶質半導体領域429bに対する微結晶半導体領域429aの割合が低いことが好ましい。この結果、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、混合層427bにおいて、薄膜トランジスタがオン状態で配線に電圧を印加したときの縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、ソース領域またはドレイン領域との間の抵抗を下げることが可能であり、薄膜トランジスタのオン電流を高めることが可能である。
【0100】
微結晶半導体領域429aは、ゲート絶縁層409から非晶質半導体を含む層469へ向けて、先端が狭まる凸状、または錐形状の微結晶半導体である。なお、ゲート絶縁層409から非晶質半導体を含む層469へ向けて幅が広がる凸状、または錐形状の微結晶半導体であってもよい。
【0101】
混合層427bにおいては、微結晶半導体領域429aが、ゲート絶縁層409から非晶質半導体を含む層469へ向けて、先端が狭まる凸状の結晶粒の場合は、微結晶半導体層427a側のほうが、非晶質半導体を含む層469側と比較して、微結晶半導体領域の割合が高い。これは、微結晶半導体層427aの表面から、微結晶半導体領域429aが膜厚方向に成長するが、原料ガスに窒素を含むガスを含ませる、または原料ガスに窒素を含むガスを含ませつつ、微結晶半導体膜の成膜条件よりシランに対する水素の流量を低減すると、微結晶半導体領域429aの結晶粒の成長が抑制され、錐状の結晶粒となるとともに、やがて非晶質半導体領域が堆積するためである。
【0102】
また、混合層427bは、窒素を有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域429aに含まれる結晶粒の界面、微結晶半導体領域429aと非晶質半導体領域429bとの界面において、窒素、代表的にはNH基またはNH2基が、シリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥が低減するためである。このため、混合層427bの窒素濃度を1×1019atoms/cm3以上1×1021atoms/cm3以下、好ましくは1×1020atoms/cm3乃至1×1021atoms/cm3とすることで、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基で架橋しやすくなり、キャリアが流れやすくなる。または、上記した界面における半導体原子のダングリングボンドがNH2基で終端されて、欠陥準位が消失する。この結果、オン状態でソース電極及びドレイン電極の間に電圧が印加されたときの縦方向(厚さ方向)の抵抗が低減する。即ち、薄膜トランジスタの電界効果移動度とオン電流が増加する。
【0103】
また、混合層427bの酸素濃度を低減することにより、微結晶半導体領域429aと非晶質半導体領域429bとの界面や、結晶粒同士の界面における、キャリアの移動を阻害する結合を低減することができる。
【0104】
なお、ここでは、微結晶半導体層427aは、概略厚さが等しい領域をいう。また、微結晶半導体層427aと混合層427bとの界面は、微結晶半導体領域429aと非晶質半導体領域429bとの界面における平坦部において、ゲート絶縁層409に最も近い領域を延長した領域をいう。
【0105】
微結晶半導体層427a及び混合層427bの厚さの合計、即ち、ゲート絶縁層409の界面から、混合層427bの凸部の先端の距離は、3nm以上80nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下とすることで、TFTのオフ電流を低減できる。
【0106】
不純物半導体層459〜462は、リンが添加されたアモルファスシリコン、リンが添加された微結晶シリコン等で形成する。なお、薄膜トランジスタとして、pチャネル型薄膜トランジスタを形成する場合は、不純物半導体層459〜462は、ボロンが添加された微結晶シリコン、ボロンが添加されたアモルファスシリコン等で形成する。なお、混合層427b、428b、または非晶質半導体を含む層469、470と、配線451〜453とがオーミックコンタクトをする場合は、不純物半導体層459〜462を形成しなくともよい。
【0107】
また、不純物半導体層459〜462を、リンが添加された微結晶シリコン、またはボロンが添加された微結晶シリコンで形成する場合は、混合層427b、428bまたは非晶質半導体を含む層469、470と、不純物半導体層459〜462との間に、微結晶半導体層、代表的には微結晶シリコン層を形成することで、界面の特性を向上させることができる。この結果、不純物半導体層459〜462と、混合層427b、428b、または非晶質半導体を含む層469、470との界面に生じる抵抗を低減することができる。この結果、薄膜トランジスタのソース領域、半導体層、及びドレイン領域を流れる電流量を増加させ、オン電流及び電界効果移動度の増加が可能となる。
【0108】
配線451〜453は、アルミニウム、銅、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデン、クロム、タンタル若しくはタングステン等により単層で、又は積層して形成することができる。または、ヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金(ゲート電極403、404に用いることができるアルミニウム−ネオジム合金等)により形成してもよい。ドナーとなる不純物元素を添加した結晶性シリコンを用いてもよい。ドナーとなる不純物元素が添加された結晶性シリコンと接する側の層を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン又はこれらの元素の窒化物により形成し、その上にアルミニウム又はアルミニウム合金を形成した積層構造としても良い。更には、アルミニウム又はアルミニウム合金の上面及び下面を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン又はこれらの元素の窒化物で挟んだ積層構造としてもよい。
【0109】
図9に示すように、TFT354の配線451は、ゲート絶縁層409に形成されたコンタクトホール422を介してTFT354のゲート電極403と直接接続する。直接接続させることにより、良好なコンタクトを得ることができ、接触抵抗を低減することができる。ゲート電極403と配線451を他の導電層、例えば透明導電層を介して接続する場合に比べて、コンタクトホールの数を低減できるため、TFTの占有面積の縮小を図ることができる。
【0110】
次に、図8及び図9のTFT354のゲート電極403及び配線451の接続方法とは異なる構造について、図11及び図12を用いて示す。
【0111】
図11は、図3(B)に示したパルス出力回路のレイアウト図(上面図)である。なお、図11では、複数段形成されるパルス出力回路のうち、一段目にあたるパルス出力回路について示すものである。なお、図8と同様の構成に関しては、説明を省く。図11においては、第1の配線807及び第2の配線808を第3の配線810を用いて接続する。なお、第3の配線810は実施の形態4に示す画素部の画素電極と同時に形成される。
【0112】
図12では、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路、例えば図11におけるTFT354及びTFT355の断面を示して、その作製工程を以下に説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図11中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0113】
図12においては、絶縁層479上に絶縁層481が形成される。また、絶縁層479、481に形成されるコンタクトホールと、ゲート絶縁層409、絶縁層479、481に形成されるコンタクトホールにおいて、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484が形成される。
【0114】
絶縁層481としては、アクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、シリコーン樹脂などを用いることができる。また、シロキサンポリマーを用いることができる。また、絶縁層481は、感光性樹脂または非感光性樹脂を適宜用いることができる。なお、絶縁層481は設けなくともよい。
【0115】
配線484は、実施の形態4に示す画素電極1143と同時に形成することが可能であるため、フォトマスクを追加せずとも、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484を形成することができるため、工程数の削減によりコスト削減が可能である。
【0116】
次に、図8乃至図12に示すTFT354、TFT355とは異なる構造について、図13及び図14を用いて示す。
【0117】
図13は、図3(B)に示したパルス出力回路のレイアウト図(上面図)である。なお、図13では、複数段形成されるパルス出力回路のうち、一段目にあたるパルス出力回路について示すものである。なお、図8と同様の構成に関しては、説明を省く。図13においては、第1の配線807及び第2の配線808を第3の配線810を用いて接続する。また、第2の配線808において、TFTの形成領域における第2の配線808と、TFTの形成領域以外における第2の配線808が、第3の配線810で接続される。なお、第3の配線810は実施の形態4に示す画素部の画素電極と同時に形成される。また、半導体層806は、第1の配線807より面積が狭い。
【0118】
図14では、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路、例えば図13におけるTFT354及びTFT355の断面を示して、その作製工程を以下に説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図13中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0119】
図14に示すTFT354、TFT355は、ゲート電極403、404より微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470の面積が小さく、且つ内側に設けられている。
【0120】
また、配線451〜454は、それぞれ不純物半導体層459〜462に接するのみで、微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470に接しない。また、配線451〜454はそれぞれソース電極及びドレイン電極として機能し、別途、配線452及び配線454を電気的に接続する配線455、及び引き回し配線として機能する配線456がゲート絶縁層409上に設けられる。
【0121】
また、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484a、配線452及び配線455を接続する配線484b、配線454及び配線455を接続する配線484c、配線453及び配線456を接続する配線484dが絶縁層481上に形成される。なお、絶縁層481を形成せず、絶縁層479上に配線484a〜484dを形成してもよい。
【0122】
図13及び図14に示すTFT354、TFT355は、ゲート電極403、404より微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470の面積が小さく、且つ内側に設けられているため、液晶表示装置のバックライトが微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470に照射されることが無く、オフ電流の上昇を抑制することができる。さらに、微結晶半導体層427a、428aに配線が接すると、ゲート電極403、404に電圧が印加されたときに、微結晶半導体層427a、428a及び配線の間でショットキー接合が生じ、リーク電流が流れてしまうが、図14に示すTFT354、355は、微結晶半導体層427a、428aと、配線451〜454とが接していないため、リーク電流を低減することが可能であり、即ち薄膜トランジスタのオフ電流を低減することが可能である。
【0123】
以上、図9乃至図14では、オン電流が高く、オフ電流を抑えた薄膜トランジスタを用いて駆動回路を形成することができる。さらには、リーク電流の低いエンハンスメント型のTFTで、駆動回路を構成することで、消費電力を低減することができる。
【0124】
次に、図9で示した、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路の断面図の作製工程を、図15で説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図8中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0125】
図15(A)に示すように、基板401上にゲート電極403、404を形成する。次に、ゲート電極403、404を覆ってゲート絶縁層409、第1の半導体層410を形成する。
【0126】
ゲート電極403、404は、基板401上に、スパッタリング法又は真空蒸着法を用いて上記した材料により導電層を形成し、該導電層上にフォトリソグラフィ法又はインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電層をエッチングして形成することができる。また、銀、金又は銅等の導電性ナノペーストをインクジェット法により基板上に吐出し、焼成することで形成することもできる。なお、ゲート電極403、404と、基板401との密着性向上及び下地への拡散を防ぐバリアメタルとして、上記の金属材料の窒化物層を、基板401と、ゲート電極403、404との間に設けてもよい。ここでは、基板401上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングする。
【0127】
なお、フォトリソグラフィ工程においては、レジストを基板全面に塗布してもよいが、レジストマスクを形成する領域に印刷法によりレジストを印刷した後、露光することで、レジストを節約することが可能であり、コスト削減が可能である。また、露光機を用いてレジストを露光する代わりに、レーザビーム直描装置によってレジストを露光してもよい。
【0128】
また、ゲート電極403、404の側面は、テーパー形状とすることが好ましい。ゲート電極403、404上には、後の工程で半導体層及び配線層を形成するので、段差の箇所における配線切れ防止のためである。ゲート電極403、404の側面をテーパー形状にするためには、レジストマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。
【0129】
また、ゲート電極403、404を形成する工程によりゲート配線(走査線)及び容量配線も同時に形成することができる。なお、走査線とは画素を選択する配線をいい、容量配線とは画素の容量素子の一方の電極に接続された配線をいう。ただし、これに限定されず、ゲート配線及び容量配線の一方又は双方と、ゲート電極403、404とは別に設けてもよい。
【0130】
ゲート絶縁層409は、CVD法又はスパッタリング法等を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層409は、高周波数(1GHz以上)のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて形成してもよい。マイクロ波プラズマCVD装置を用いて高い周波数によりゲート絶縁層409を形成すると、ゲート電極と、ドレイン電極及びソース電極との間の耐圧を向上させることができるため、信頼性の高い薄膜トランジスタを得ることができる。また、ゲート絶縁層409として、有機シランガスを用いたCVD法により酸化シリコン層を形成することで、ゲート絶縁層の水素含有量を低減することが可能であり、薄膜トランジスタのしきい値電圧の変動を低減することができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
【0131】
第1の半導体層410としては、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を用いて形成する。第1の半導体層410は、1nm以上20nm以下、好ましくは3nm以上10nm以下の厚さで形成する。
【0132】
第1の半導体層410は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。または、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、ヘリウム、ネオン、クリプトン等の希ガスとを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対して、水素の流量を10〜2000倍、好ましくは10〜200倍に希釈して、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を形成する。
【0133】
シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の代表例としては、SiH4、Si2H6、GeH4、Ge2H6等がある。
【0134】
第1の半導体層410の原料ガスとして、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスを用いることで、第1の半導体層410の成膜速度が高まる。また、成膜速度が高まることで、第1の半導体層410に含まれる不純物量が低減し、第1の半導体層410の結晶性が高まる。このため、薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度が高まると共に、表示装置の生産性を高めることができる。
【0135】
なお、第1の半導体層410を形成する前に、CVD装置の処理室内を排気しながら、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体を導入して、処理室内の不純物元素を除去することで、後に形成される薄膜トランジスタのゲート絶縁層409及び第1の半導体層410における不純物元素を低減することが可能であり、薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
【0136】
次に、図15(B)に示すように、第1の半導体層410上に半導体層を堆積して、第2の半導体層411を形成する。ここでは、第1の半導体層410を種結晶として、部分的に結晶成長させる条件で、微結晶半導体層411a、混合層411b、非晶質半導体を含む層411cを有する第2の半導体層411を形成する。なお、ここでは、便宜的に第2の半導体層411には第1の半導体層410も含む構造、即ち、第1の半導体層410が微結晶半導体層411aに含まれる構造を示す。
【0137】
第2の半導体層411は、プラズマCVD装置の処理室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、窒素を含む気体とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。窒素を含む気体としては、アンモニア、窒素、フッ化窒素、塩化窒素等があるが、これに限定されず窒素を有する気体であればよい。
【0138】
このとき、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素との流量比は、第1の半導体層410と同様に微結晶半導体層を形成する条件を用い、原料ガスに窒素を含む気体を用いることで、第1の半導体層410の成膜条件よりも、結晶成長を低減する条件とすることができる。この結果、第2の半導体層411において、混合層411b、及び欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成される非晶質半導体を含む層411cを形成することができる。
【0139】
ここでは、微結晶半導体層を形成する条件の代表例は、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量が10〜2000倍、好ましくは10〜200倍である。なお、通常の非晶質半導体層を形成する条件の代表例は、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量は0〜5倍である。
【0140】
また、第2の半導体層411の原料ガスに、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、またはクリプトン等の希ガスを導入することで、成膜速度を高めることができる。
【0141】
第2の半導体層411の堆積初期においては、第1の半導体層410を種結晶として、第1の半導体層410上全体に微結晶半導体層が堆積される(堆積初期)。この後、部分的に、結晶成長が抑制され、錐形状の微結晶半導体領域が成長する(堆積中期)。さらに、錐形状の微結晶半導体領域の結晶成長が抑制され、非晶質半導体を含む層が形成される(堆積後期)。
【0142】
このことから、図9、図10、図12、及び図14に示す微結晶半導体層427a、428aは、図15(A)に示す第1の半導体層410及び、第2の半導体層411の堆積初期に形成される微結晶半導体層、即ち図15(B)に示す微結晶半導体層411aに相当する。
【0143】
また、図9、図10、図12、及び図14に示す混合層427b、428bは、図15(B)に示す第2の半導体層411の堆積中期に形成される錐状の微結晶半導体領域及びその間を充填する非晶質半導体領域を有する層、即ち、混合層411bに相当する。
【0144】
また、図9、図10、図12、及び図14に示す非晶質半導体を含む層469、470は、図15(B)に示す第2の半導体層411の堆積後期に形成される非晶質半導体を含む層411cに相当する。
【0145】
非晶質半導体を含む層411cは、図9に示す469、470と同様の半導体層であり、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成される半導体層であるため、アモルファスシリコンのバンドギャップのバンドテールと比較して、傾斜が急峻となり、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくくなる。この結果、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧のシフト量を低減することができる。
【0146】
次に、図15(B)に示すように、第2の半導体層411上に、不純物半導体層417を形成する。
【0147】
不純物半導体層417は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、フォスフィン(水素希釈またはシラン希釈)とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体を水素で希釈して、リンが添加されたアモルファスシリコン、リンが添加された微結晶シリコン、リンが添加されたアモルファスシリコンゲルマニウム、リンが添加された微結晶シリコンゲルマニウム、リンが添加されたアモルファスゲルマニウム、リンが添加された微結晶ゲルマニウム等を形成する。
【0148】
次に、不純物半導体層417上に、フォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成した後、当該レジストマスクを用いて、第2の半導体層411、不純物半導体層417を素子毎に分離して、第2の半導体層427(微結晶半導体層427a、混合層427b、及び非晶質半導体を含む層427cの積層体)、第2の半導体層428(微結晶半導体層428a、混合層428b、及び非晶質半導体を含む層428cの積層体)、及び不純物半導体層423、424を形成する。この後、レジストマスクを除去する。
【0149】
次に、ゲート絶縁層409上に、フォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成した後、当該レジストマスクを用いて、ゲート絶縁層にコンタクトホール422を形成する。次に、導電層419を形成する。
【0150】
なお、コンタクトホール422は、第1の半導体層410を形成する前に、形成してもよい。
【0151】
導電層419は、図9に示す配線451〜453と同様の材料を適宜用いることができる。導電層419は、CVD法、スパッタリング法又は真空蒸着法を用いて形成する。また、導電層419は、銀、金又は銅等の導電性ナノペーストを用いてスクリーン印刷法又はインクジェット法等を用いて吐出し、焼成することで形成しても良い。
【0152】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて導電層419をエッチングし、配線451〜453を形成する。導電層419のエッチングは、ウエットエッチングを用いることが好ましい。ウエットエッチングにより、導電層419が等方的にエッチングされる。その結果、配線451〜453はレジストマスクよりも内側に後退する。配線451〜453は、ソース電極及びドレイン電極のみならず信号線としても機能する。ただし、これに限定されず、信号線とソース電極及びドレイン電極とは別に設けてもよい。
【0153】
次に、レジストマスクを用いて、不純物半導体層423、424、非晶質半導体を含む層427c、428cのそれぞれ一部をエッチングする。ここでは、ドライエッチングを用いる。本工程までで、電界緩和バッファ層として機能する非晶質半導体を含む層469、470、不純物半導体層459〜462が形成される。この後、レジストマスクを除去する。
【0154】
なお、ここでは、導電層419をウエットエッチングした後、レジストマスクを残したまま、非晶質半導体を含む層427c、428c、不純物半導体層423、424のそれぞれ一部をドライエッチングしたため、導電層419が等方的にエッチングされ、配線451〜453の側面と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459〜462の側面は一致せず、配線451〜453の側面の外側に、不純物半導体層459〜462の側面が形成される形状となる。しかしながら、導電層419をウエットエッチングした後、レジストマスクを除去し、配線451〜453をマスクとして、非晶質半導体を含む層427c、428c、不純物半導体層423、424のそれぞれ一部をドライエッチングすると、配線451〜453及び不純物半導体層423、424の端部が略一致する構造となる。
【0155】
次に、レジストマスクを除去した後、ドライエッチングを行うとよい。ドライエッチングの条件は、露出している非晶質半導体を含む層469、470にダメージが入らず、且つ非晶質半導体を含む層469、470に対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出している非晶質半導体を含む層469、470表面にほとんどダメージを与えず、且つ露出している非晶質半導体を含む層469、470の厚さがほとんど減少しない条件を用いる。エッチングガスとしては、Cl2、CF4、またはN2等を用いる。また、エッチング方法については特に限定はなく、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)方式、電子サイクロトン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance)方式、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式等を用いることができる。
【0156】
次に、非晶質半導体を含む層469、470の表面に水プラズマ、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ等を照射してもよい。
【0157】
水プラズマ処理は、反応空間に水蒸気(H2O蒸気)に代表される、水を主成分とするガスを導入し、プラズマを生成して、行うことができる。
【0158】
上記したように、非晶質半導体を含む層469、470を形成した後に、非晶質半導体を含む層469、470にダメージを与えない条件で更なるドライエッチングを行うことで、非晶質半導体を含む層469、470上に存在する残渣などの不純物を除去することができる。また、ドライエッチングに続けて水プラズマ処理を行うことで、レジストマスクの残渣を除去することができる。水プラズマ処理を行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものにすることができ、完成する薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0159】
次に、絶縁層479を形成する(図15(D)参照)。
【0160】
絶縁層479は、ゲート絶縁層409と同様に形成することができる。
【0161】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。また、TFT354及びTFT355で構成されるEEMOS回路を形成することができる。なお、図15(D)のA−B、C−Dの断面図は、図9で示す駆動回路の断面図におけるA−B、C−Dに相当する。
【0162】
次に、図12に示す駆動回路の作製工程を図15及び図16を用いて説明する。図12に示す駆動回路は、図9に示す駆動回路と比較して、ゲート電極403及び配線451が直接接せず、導電層を介して電気的に接続する点が異なる。
【0163】
図15(A)乃至図15(C)を経て、ゲート絶縁層409上に第2の半導体層427、428、不純物半導体層423、424を形成した後、導電層419を形成する。なお、ここでは、導電層419を形成する前に、ゲート電極403を露出するコンタクトホールは、ゲート絶縁層409に形成しない。
【0164】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層419をエッチングして、配線451〜453を形成する。次に、不純物半導体層423、424、及び非晶質半導体を含む層427c、428cの一部をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459〜462、電界緩和バッファ層として機能する非晶質半導体を含む層469、470を形成する(図16(A)参照)。
【0165】
次に、絶縁層479を形成した後、絶縁層481を形成する。絶縁層481は平坦化層として機能するため、設けることが好ましいが、必須ではない。
【0166】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層481及び絶縁層479をエッチングして、コンタクトホールを形成する。次に、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484を形成する。配線484は、実施の形態4で示す画素部の画素電極と同時に形成することが可能であるため、フォトマスク枚数を増やさずとも、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484を形成することができる。なお、絶縁層481に感光性樹脂を用いた場合は、レジストマスクを用いず、絶縁層481を露光し現像して、絶縁層481の開口部を形成することができる。また、当該開口部を有する絶縁層481をマスクとして、絶縁層479、ゲート絶縁層409をエッチングして、コンタクトホールを形成することができる。
【0167】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。また、TFT354及びTFT355で構成されるEEMOS回路を形成することができる。なお、図16(D)のA−B、C−Dの断面図は、図11で示す駆動回路の平面図におけるA−B、C−Dに相当する。
【0168】
次に、図14及び図15を用いて駆動回路の作製工程を説明する。図14に示す駆動回路は、図9に示す駆動回路と比較して、微結晶半導体層427a、428aの面積がゲート電極403、404の面積より小さく、且つ配線451〜454が微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、及び非晶質半導体を含む層469、470に接しない点が異なる。また、ソース電極とソース配線とが、分離されている点が異なる。
【0169】
図15(A)乃至図15(C)を経て、ゲート絶縁層409上に第2の半導体層427、428、不純物半導体層423、424を形成した後、導電層419を形成する。なお、ここでは、導電層419を形成する前に、ゲート電極403を露出するコンタクトホールは、ゲート絶縁層409に形成しない。
【0170】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層419をエッチングして、配線451〜456を形成する。なお、当該工程において、不純物半導体層459〜462の上面にのみ配線451〜454が形成される。また、配線451〜454と分離された配線455、456がゲート絶縁層409上にされる(図14参照)。
【0171】
次に、図15(D)の工程を経て、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459〜462、電界緩和バッファ層として機能する非晶質半導体を含む層469、470を形成する。
【0172】
次に、絶縁層479を形成した後、絶縁層481を形成する。次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層481及び絶縁層479をエッチングして、コンタクトホールを形成する。次に、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484aを形成すると共に、配線452及び配線455を接続する配線484b、配線454及び配線455を接続する配線484c、配線453及び配線456を接続する配線484dを形成する。
【0173】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。また、TFT354及びTFT355で構成されるEEMOS回路を形成することができる。図14に示すTFT354、355は、微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470の面積がゲート電極403、404より小さく、且つ内側に設けられているため、液晶表示装置のバックライトが微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470に照射されることが無く、オフ電流の上昇を抑制することができる。さらに、微結晶半導体層427a、428aに配線が接すると、ゲート電極403、404に電圧が印加されたときに、微結晶半導体層427a、428a及び配線の間でショットキー接合が生じ、リーク電流が流れてしまうが、図14に示すTFT354、355は、微結晶半導体層427a、428aと、配線とが接していないため、リーク電流を低減することが可能であり、即ちTFTのオフ電流を低減することが可能である。
【0174】
なお、図15(C)に示すコンタクトホール422を形成した後、導電層419を形成する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁層409の表面、不純物半導体層423、424の表面、及びコンタクトホール422の底面に付着しているゴミを除去することが好ましい。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウムなどを用いてもよい。また、アルゴン雰囲気に酸素、水素、N2Oなどを加えた雰囲気で行ってもよい。また、アルゴン雰囲気にCl2、CF4などを加えた雰囲気で行ってもよい。
【0175】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0176】
本実施の形態により、表示装置に単一極性の薄膜トランジスタで構成される駆動回路を形成すること可能であり、表示装置のコストを低減しつつ、且つ画像の表示特性を向上させることができる。駆動回路をEEMOS回路を用いて形成するため、低消費電力の表示装置を作製することができる。
【0177】
また、微結晶半導体をチャネル形成領域に用いる薄膜トランジスタは、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタに比べ、電界効果移動度及びオン電流が高く、電気的特性に優れるため、性能を落とすことなく、駆動回路における薄膜トランジスタが占める面積を縮小することができる。このため、表示装置の狭額縁化が可能である。
【0178】
(実施の形態2)
上記実施の形態においては、表示装置の駆動回路におけるシフトレジスタとして、スタティック回路によるシフトレジスタにおける一例について示したが、本実施の形態では、ダイナミック回路によるシフトレジスタを用いて駆動回路を構成する一例について説明する。
【0179】
図17(A)乃至(D)を用いて、ダイナミック回路によるシフトレジスタが有するパルス出力回路の構成を説明する。図17(A)に示すパルス出力回路1400は、一例として、スタートパルスSPが入力端子より入力されるインバータ回路1401と、インバータ回路1401の出力端子に一方の端子が接続されたスイッチ1402と、スイッチ1402の他方の端子に接続された容量素子1403と、で構成される。なお、奇数段目のパルス出力回路のスイッチ1402は、第1のクロック信号(CLK1)によってオンまたはオフは制御される。また偶数段目のパルス出力回路のスイッチ1402は、第2のクロック信号(CLK2)によってオンまたはオフが制御される。
【0180】
図17(B)は、パルス出力回路の回路構成を詳細に示したものである。パルス出力回路1400は、TFT1411、TFT1412、TFT1413、容量素子1414を有する。また奇数段目のパルス出力回路は、第1のクロック信号CLK1を供給するための配線1415、偶数段目のパルス出力回路は第2のクロック信号CLK2を供給するための配線1416に接続されている。パルス出力回路1400において、TFT1411及びTFT1412は、図17(A)で示したインバータ回路1401に相当し、EEMOS回路で構成される。また、TFT1413は、図17(A)で示したスイッチ1402に相当する。容量素子1414は、図17(A)で示した容量素子1403に相当する。なおTFT1413は、TFT1411及びTFT1412と同様に、エンハンスメント型トランジスタで構成することが好ましい。スイッチとしてエンハンスメント型トランジスタを用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができるため、低消費電力化が図れるとともに、作製プロセスを簡略化することができる。
【0181】
ここで、図17(A)、(B)で示した回路の回路動作について、図17(C)にタイミングチャートを示す。なお、図17(C)では、説明のため、図17(B)中の回路のノードについてA乃至Eの符号を付して説明するものとする。まず、スタートパルスSPがTFT1411に入力され、スタートパルスSPの反転した信号がノードAに現れる。ノードAの信号は、第1のクロック信号CLK1がHレベルのときノードBに移り、ノードBにノードAの信号が反映されて現れる。そして、ノードBの信号は、インバータ回路によって反転され、ノードCにノードBの反転した信号が現れる。ノードCの信号は、第2のクロック信号CLK2がLレベルにあってスイッチが閉じているため、ノードDには現れない。次に第1のクロック信号CLK1がLレベルにあって第2のクロック信号CLK2がHレベルになると、ノードCの信号はノードDに移り、ノードDにノードCの信号が反映されて現れる。そして、ノードDの信号は、インバータ回路によって反転され、ノードEにノードDの反転した信号が現れる。そして第1のクロック信号CLK1及び第2のクロック信号CLK2を交互にHレベルとすることで、図17(A)、(B)で示した回路をシフトレジスタとして機能させることができる。
【0182】
なお、図17(B)で説明したパルス出力回路の回路例について、トランジスタのしきい値電圧の分、出力信号の電位が低下してしまうことがある。そのため、図17(D)に示すブートストラップ法を用いるインバータ回路でパルス出力回路を構成することで、信号の電位の低下を招くことなく、シフトレジスタとしての機能を行うことができる。
【0183】
また図17(B)とは、別の回路構成について、図18(A)に示す。図18(A)に示すパルス出力回路1500は、TFT1501、TFT1502、TFT1503、容量素子1504を有する。また奇数段目のパルス出力回路は、第1のクロック信号CLK1を供給するための配線1505、偶数段目のパルス出力回路は第2のクロック信号CLK2を供給するための配線1506に接続されている。パルス出力回路1500において、TFT1501及びTFT1502は、図17(A)で示したインバータ回路1401に相当し、EEMOS回路で構成される。また、TFT1503は、図17(A)で示したスイッチ1402に相当する。容量素子1504は、図17(A)で示した容量素子1403に相当する。なおTFT1503は、TFT1501及びTFT1502と同様に、エンハンスメント型トランジスタで構成することが好ましい。スイッチとしてエンハンスメント型トランジスタを用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができるため、低消費電力化が図れるとともに、作製プロセスを簡略化することができる。
【0184】
図18(A)に示すパルス出力回路が図17(B)と異なる点は、TFT1502のゲート端子に、第1のクロック信号CLK1を供給するための、配線1505が接続されている点にある。図18(A)に示すパルス出力回路1500は、図18(B)に示すタイミングチャートにように動作し、第1のクロック信号CLK1がHレベルにあるとき、スタートパルスSPがHレベルならばノードA、ノードB共にLレベルとなり、スタートパルスSPがLレベルならば、ノードA、ノードB共にHレベルとなる。そして、第1のクロック信号CLK1がLレベルにあるとき、ノードBの電位が保持することができる。すなわち、TFT1502を第1のクロック信号CLK1でオンまたはオフを制御することにより、TFT1503のオンまたはオフに同期して制御することができる。そのため、インバータ回路を構成するTFTが共に導通状態にある際の、高電源電位が供給される配線と低電源電位が供給される配線の間を流れてしまう電流を低減することができ、低消費電力化を図ることができる。
【0185】
なお、本実施の形態で示すパルス出力回路を具備するシフトレジスタは、ソース線駆動回路、及びゲート線駆動回路に用いることができる。なおシフトレジスタより出力される信号は、論理回路等を介して出力し、所望の信号を得る構成としても良い。
【0186】
なお、本実施の形態で説明したダイナミック回路を構成するインバータ回路においても、実施の形態1と同様の薄膜トランジスタを用いて形成することができるため、単一極性の薄膜トランジスタで構成される駆動回路を形成すること可能であり、表示装置のコストを低減しつつ、且つ画像の表示特性を向上させることができる。EEMOS回路を用いて駆動回路を形成するため、低消費電力の表示装置を作製することができる。
【0187】
また、微結晶半導体をチャネル形成領域に用いる薄膜トランジスタは、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタに比べ、電界効果移動度及びオン電流が高く、電気的特性に優れるため、性能を落とすことなく、駆動回路における薄膜トランジスタが占める面積を縮小することができる。このため、表示装置の狭額縁化が可能である。
【0188】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0189】
(実施の形態3)
本実施の形態では、しきい値電圧の変動の少ない表示装置のシフトレジスタの基本構成について、図面を参照して説明する。図19は、シフトレジスタが有する複数のフリップフロップのうち、ある1段(例えば1段目)のフリップフロップを示している。
【0190】
図19に示すフリップフロップは、第1の薄膜トランジスタ1301、第2の薄膜トランジスタ1302、第3の薄膜トランジスタ1303、第4の薄膜トランジスタ1304及び第5の薄膜トランジスタ1305を有する。なお、フリップフロップは、第1の配線1311、第2の配線1312、第3の配線1313、第4の配線1314、第5の配線1315、第6の配線1316及び第7の配線1317に接続されている。本実施の形態において、第5の薄膜トランジスタ1305はNチャネル型薄膜トランジスタとし、そのゲートとソース間の電圧(Vgs)がしきい値電圧(Vth)を上回ったとき、導通状態になるものとする。なお、第7の配線1317を、第3の信号線と呼んでもよい。
【0191】
第1の薄膜トランジスタ1301の第1端子(ソース端子及びドレイン端子の一方)は第1の配線1311に接続され、第2端子(ソース端子及びドレイン端子の他方)は第2の薄膜トランジスタ1302のゲート端子に接続され、ゲート端子は第5の配線1315に接続されている。第3の薄膜トランジスタ1303の第1端子は第2の薄膜トランジスタ1302のゲート端子に接続され、第2端子は第2の配線1312に接続され、ゲート端子は第4の配線1314に接続されている。第2の薄膜トランジスタ1302の第1端子は第3の配線1313に接続され、第2端子は第6の配線1316に接続されている。第4の薄膜トランジスタ1304の第1端子は第6の配線1316に接続され、第2端子は第2の配線1312に接続され、ゲート端子は第4の配線1314に接続されている。第5の薄膜トランジスタ1305の第1端子は第6の配線1316に接続され、第2端子は第2の配線1312に接続され、ゲート端子は第7の配線1317に接続されている。
【0192】
なお、第3の薄膜トランジスタ1303の第2端子、第4の薄膜トランジスタ1304の第2端子及び第5の薄膜トランジスタ1305の第2端子は、第2の配線1312に接続されているとは限定されず、別々の配線に接続されていてもよい。また、第3の薄膜トランジスタ1303のゲート端子及び第4の薄膜トランジスタ1304のゲート端子は第4の配線1314に接続されているとは限定されず、別々の配線に接続されていてもよい。
【0193】
次に、図19で示したフリップフロップの動作について、図20のタイミングチャートを参照して説明する。なお、図20において、セット期間、選択期間、非選択期間について説明する。なお、非選択期間は、第1の非選択期間、第2の非選択期間及び第3の非選択期間に分割され、第1の非選択期間、第2の非選択期間及び第3の非選択期間を順に繰り返している。
【0194】
なお、第1の配線1311にはV1の電位が、第2の配線1312にはV2の電位が供給されている。ただし、V1>V2とする。
【0195】
ただし、第1の配線1311にはV1の電位が供給されているとは限定されず、他の電位が供給されていてもよいし、デジタル信号又はアナログ信号が入力されていてもよい。また、第2の配線1312にはV2の電位が供給されているとは限定されず、他の電位が供給されていてもよいし、デジタル信号又はアナログ信号が入力されていてもよい。
【0196】
なお、第3の配線1313、第4の配線1314及び第5の配線1315には信号が入力されている。第3の配線1313に入力される信号は第1のクロック信号であり、第4の配線1314に入力される信号は第2のクロック信号であり、第5の配線1315に入力される信号はスタート信号である。また、第3の配線1313、第4の配線1314及び第5の配線1315に入力される信号は、H信号の電位がV1(以下、Hレベルともいう)、L信号の電位がV2(以下、Lレベルともいう)のデジタル信号である。
【0197】
ただし、第3の配線1313には第1のクロック信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。また、第4の配線1314には第2のクロック信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。また、第5の配線1315にはスタート信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。
【0198】
また、第3の配線1313、第4の配線1314及び第5の配線1315に入力される信号のH信号の電位はV1、L信号の電位はV2とは限定されず、H信号の電位がL信号の電位よりも高ければ、それらの電位は特に限定されない。
【0199】
なお、第6の配線1316からは信号が出力される。第6の配線1316から出力される信号は、フリップフロップの出力信号であり、次の段のフリップフロップのスタート信号でもある。また、第6の配線1316から出力される信号は、次の段のフリップフロップの第5の配線1315に入力される。また、第6の配線1316から出力される信号は、H信号の電位がV1(以下、Hレベルともいう)、L信号の電位がV2(以下、Lレベルともいう)のデジタル信号である。
【0200】
なお、第7の配線1317には信号が入力されている。第7の配線1317に入力される信号は、第3のクロック信号である。また、第7の配線1317に入力される信号は、H信号の電位がV1(以下、Hレベルともいう)、L信号の電位がV2(以下、Lレベルともいう)のデジタル信号である。
【0201】
ただし、第7の配線1317には第3のクロック信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。
【0202】
図20において、信号1323は第3の配線1313に入力される信号であり、信号1324は第4の配線1314に入力される信号であり、信号1325は第5の配線1315に入力される信号であり、信号1326は第6の配線1316から出力される信号であり、信号1327は第7の配線1317に入力される信号である。また、電位1331は図19のノード121の電位である。
【0203】
まず、図20の期間(A)に示すセット期間では、信号1323がLレベルであり、信号1324がLレベルになり、信号1325がHレベルとなる。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304はオフとなり、第1の薄膜トランジスタ1301はオンとなる。このとき、第1の薄膜トランジスタ1301の第2端子がソース端子となり、ノード121の電位(電位1331)は第5の配線1315の電位から第1の薄膜トランジスタ1301のしきい値電圧(Vth1301)を引いた値になるため、V1−Vth1301となる。よって、第2の薄膜トランジスタ1302はオンとなり、第6の配線1316の電位は第3の配線1313の電位と等しくなるためV2となる。このように、セット期間では、フリップフロップは第2の薄膜トランジスタ1302をオンしたまま、Lレベルを第6の配線1316から出力する。
【0204】
図20の期間(B)に示す選択期間では、信号1323がHレベルとなり、信号1324がLレベルのままであり、信号1325がLレベルとなる。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304はオフのままであり、第1の薄膜トランジスタ1301はオフとなる。このとき、第2の薄膜トランジスタ1302の第2端子がソース端子となり、第6の配線1316の電位が上昇し始める。ノード121の電位(電位1331)は、ノード121が浮遊状態(以下、フローティング状態ともいう)となっているため、第2の薄膜トランジスタ1302のゲート端子と第2端子との間の寄生容量の容量結合により第6の配線1316の電位と同時に上昇する(ブートストラップ動作ともいう)。よって、第2の薄膜トランジスタ1302のゲートとソース間の電圧VgsはVth1302+α(Vth1302:第2の薄膜トランジスタ1302のしきい値電圧、α:任意の正の数)となり、第6の配線1316の電位はHレベル(V1)となる。このように、選択期間では、フリップフロップはノード121の電位をV1+Vth1302+αにすることによって、Hレベルを第6の配線1316から出力することができる。
【0205】
図20の期間(C)に示す第1の非選択期間では、信号1323がLレベルとなり、信号1324がHレベルとなり、信号1325がLレベルのままである。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304がオンとなり、第1の薄膜トランジスタ1301はオフのままである。ノード121及び第6の配線1316は、それぞれ第3の薄膜トランジスタ1303、第4の薄膜トランジスタ1304を介して第2の配線1312の電位が供給されるためLレベルとなる。
【0206】
図20の期間(D)に示す第2の非選択期間では、信号1323がLレベルのままであり、信号1324がLレベルとなり、信号1325がLレベルのままである。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304がオフとなり、第1の薄膜トランジスタ1301はオフのままである。したがって、ノード121及び第6の配線1316はLレベルを維持する。
【0207】
図20の期間(E)に示す第3の非選択期間では、信号1323がHレベルとなり、信号1324がLレベルのままであり、信号1325がLレベルのままである。したがって、第1の薄膜トランジスタ1301、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304がオフのままである。したがって、ノード121及び第6の配線1316はLレベルを維持する。
【0208】
ここで、第5の薄膜トランジスタ1305が有する機能を説明する。第5の薄膜トランジスタ1305は、第2の配線1312の電位を第6の配線1316に供給するタイミングを選択する機能を有し、スイッチング薄膜トランジスタとして機能する。
【0209】
図19のフリップフロップでは、セット期間及び第2の非選択期間において、第5の薄膜トランジスタ1305がオンとなる。そして、第6の配線1316は、第5の薄膜トランジスタ1305を介して第2の配線1312の電位が供給されるためLレベルを維持する。
【0210】
なお、図19と同様の動作を行うものであれば、薄膜トランジスタの配置及び数などは図19に限定されない。よって、薄膜トランジスタ、その他の素子(抵抗素子、容量素子など)、ダイオード、スイッチ、様々な論理回路などを新たに配置してもよい。
【0211】
以上のことから、図19のフリップフロップは、第1の非選択期間、第2の非選択期間、第3の非選択期間のうち、第1の非選択期間及び第2の非選択期間において、第6の配線1316にV2が供給されるためフリップフロップの誤動作をさらに抑制することができる。なぜなら、非選択期間において、一定期間毎(第1の非選択期間及び第2の非選択期間)に第6の配線1316にV2が供給されており、第6の配線1316の電位を安定してV2に維持することができるからである。
【0212】
さらに、図19のフリップフロップの第5の薄膜トランジスタ1305は、セット期間及び第2の非選択期間のみでオンとなるため、第5の薄膜トランジスタ1305の特性劣化を抑制することができる。
【0213】
なお、図19のフリップフロップは、第1の薄膜トランジスタ1301、第2の薄膜トランジスタ1302、第3の薄膜トランジスタ1303、第4の薄膜トランジスタ1304及び第5の薄膜トランジスタ1305が全てNチャネル型薄膜トランジスタで構成されていることを特徴とする。したがって、製造工程の簡略化を図ることができ、製造コストの削減や歩留まりの向上を図ることができる。さらに、大型の表示パネルなどの表示装置を作製することも可能となる。
【0214】
また、図19のフリップフロップは、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるため、長寿命な表示パネルなどの表示装置を作製することができる。
【0215】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0216】
(実施の形態4)
本実施の形態では、駆動回路を含む表示装置における画素部の作製工程について、図21乃至図26を用いて説明する。
【0217】
はじめに、図24に示す画素の上面構造を有する表示装置の素子基板の作製方法について、図21乃至図23を用いて示す。
【0218】
まず、基板1101上にゲート電極1103、及び容量配線1105を形成する(図21(A)を参照)。
【0219】
基板1101としては、実施の形態1に示す基板401を適宜用いることができる。
【0220】
ゲート電極1103及び容量配線1105は、実施の形態1に示すゲート電極403、404に示す材料及び作製方法を適宜用いて形成する。なお、ゲート電極1103及び容量配線1105と、基板1101との密着性向上として、上記の金属材料の窒化物層を、基板1101と、ゲート電極1103及び容量配線1105との間に設けてもよい。ここでは、基板1101上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングする。
【0221】
なお、ゲート電極1103及び容量配線1105の側面は、テーパー形状とすることが好ましい。ゲート電極1103上には、後の工程で半導体層及び配線層を形成するので、段差の箇所における配線切れ防止のためである。ゲート電極1103、及び容量配線1105の側面をテーパー形状にするためには、レジストマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。例えば、エッチングガスに酸素ガスを含ませることでレジストを後退させつつエッチングを行うことが可能である。
【0222】
また、ゲート電極1103をゲート配線(走査線)と兼ねて形成することができる。なお、走査線とは画素を選択する配線をいい、容量配線とは画素の容量素子の一方の電極に接続された配線をいう。ただし、これに限定されず、ゲート配線及び容量配線の一方又は双方と、ゲート電極1103とは別に設けてもよい。
【0223】
次に、ゲート電極1103を覆ってゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109を形成する。
【0224】
ゲート絶縁層1107は、実施の形態1に示すゲート絶縁層409の材料及び作製方法を適宜用いて形成することができる。
【0225】
第1の半導体層1109としては、実施の形態1に示す第1の半導体層410を用いて形成する。
【0226】
次に、図21(B)に示すように、第1の半導体層1109上に、半導体層を堆積して、第2の半導体層1111を形成する。ここでは、第1の半導体層1109を種結晶として、部分的に結晶成長させる条件で、微結晶半導体層1111a、混合層1111b、非晶質半導体を含む層1111cを有する第2の半導体層1111を形成する。第2の半導体層1111上に、不純物半導体層1115を形成する。
【0227】
第2の半導体層1111としては、実施の形態1に示す第2の半導体層411を用いて形成する。
【0228】
不純物半導体層1115としては、実施の形態1に示す不純物半導体層417を用いて形成する。
【0229】
次に、第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、第2の半導体層1111、及び不純物半導体層1115をエッチングして、微結晶半導体層1117a、混合層1117b、及び非晶質半導体を有する層1117cで構成される第2の半導体層1117、及び不純物半導体層1121を形成する。その後、レジストマスクを除去する(図21(C)を参照)。
【0230】
次に、第2の半導体層1117及び不純物半導体層1121を覆う導電層1123を形成する(図22(A)を参照)。
【0231】
導電層1123は、実施の形態1に示す導電層419の材料及び作製方法を適宜用いることができる。なお、図15(C)に示すように、導電層419を形成する前に、ゲート絶縁層409にコンタクトホール422を形成してもよい。
【0232】
次に、第3のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層1123をエッチングして、配線1125、1127を形成する。なお、配線1127は容量電極としても機能する(図22(B)を参照)。
【0233】
なお、ここでは図示しないが、図15(B)に示すように、導電層419を形成する前に、ゲート絶縁層409にコンタクトホール422を形成した場合、上述した工程と同じ工程を経て実施の形態1及び実施の形態2に示す駆動回路のTFT354のソース配線あるいはドレイン配線とゲート電極が直接接続される。
【0234】
次に、レジストマスクを用いて、不純物半導体層1121の一部をエッチングする。ここでは、ドライエッチングを用いる。本工程までで、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1131が形成される。なお、当該工程において、非晶質半導体を含む層1111cの一部もエッチングされる。一部エッチングされた非晶質半導体を含む層1111cを非晶質半導体を含む層1133と示す(図22(C)参照)。
【0235】
以上の工程により、薄膜トランジスタ1128、及び容量素子1129を作製することができる。
【0236】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、液晶表示装置、発光表示装置、及び電子ペーパーに代表される表示装置の画素におけるスイッチングトランジスタに適用することができる。そのため、この薄膜トランジスタを覆って、絶縁層1137を形成する(図23(A)参照)。絶縁層1137は、ゲート絶縁層1107と同様に形成することができる。さらには、絶縁層1137は、大気中に浮遊する有機物、金属又は水蒸気等の汚染源となりうる不純物元素の侵入を防ぐことができるよう、緻密な窒化シリコンにより設けることが好ましい。
【0237】
次に、配線1127に達するように、絶縁層1137にコンタクトホール1141を形成する。このコンタクトホール1141は、第4のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層1137の一部をエッチングすることで形成できる。その後、当該コンタクトホール1141を介して配線1127に接続される画素電極1143を設ける。このときの図23(B)の平面図を図24に示す。
【0238】
画素電極1143は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等を用いて形成することができる。
【0239】
画素電極1143は、配線1125、1127等と同様に、フォトリソグラフィ法を用いて形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、パターン形成すればよい。
【0240】
また、画素電極1143は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。画素電極1143は、シート抵抗が10000Ω/□以下であって、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0241】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、又はこれらの2種以上の共重合体等が挙げられる。
【0242】
なお、図示していないが、絶縁層1137と画素電極1143との間に、スピンコーティング法等により形成した有機樹脂からなる絶縁層を有していても良い。
【0243】
この後、VA(Vertical Alignment)方式の液晶表示装置においては、視野角拡大のために、画素を複数部分に分割し、分割された画素の各部分の液晶の配向を異ならせるマルチドメイン方式(いわゆるMVA方式)の場合、画素電極1143上に所定の形状を有する突起物を形成することが好ましい。突起物は、絶縁層で形成する。
【0244】
画素電極上に突起物が形成されると、画素電極の電圧がオフの時には、液晶が配向膜表面に対して垂直に配向するが、突起部近傍の液晶は基板面に対してわずかに傾斜した配向となる。画素電極の電圧がオンとなると、まず傾斜配向部の液晶が傾斜する。また、突起部近傍以外の液晶もこれらの液晶の影響を受け、順次同じ方向へと配列する。この結果、画素全体に対して安定した配向が得られる。即ち、突起物を起点として表示部全体の配向が制御される。
【0245】
また、画素電極上に突起物を設ける代わりに、画素電極にスリットを設けてもよい。この場合、電圧を画素電極に印加すると、スリット近傍には電界の歪が生じ、突起物を画素電極上に設けた場合と同様の電界分布及び液晶配向の制御が可能である。
【0246】
以上の工程により、非晶質半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、オン電流が高く、微結晶半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、オフ電流の低い薄膜トランジスタを有し、且つ表示装置に用いることが可能な素子基板を作製することができる。
【0247】
次に、図27に示す画素の上面構造を有する表示装置の素子基板の作製方法について、図25及び図26を用いて示す。
【0248】
図21乃至図22(A)の工程を経て、導電層1123を形成する。
【0249】
次に、第3のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層1123をエッチングして、配線1151、1153、1155、1157を形成する。配線1151はソース線として機能し、配線1153はソース電極として機能し、配線1155はドレイン電極として機能し、配線1157は容量電極として機能する(図25(A)を参照)。
【0250】
次に、不純物半導体層1121の一部をエッチングし、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1131を形成する。なお、当該工程において、非晶質半導体を含む層1117cの一部もエッチングされる。一部エッチングされた非晶質半導体を含む層1117cを非晶質半導体を含む層1133と示す(図25(B)参照)。
【0251】
以上の工程により、薄膜トランジスタ1158及び容量素子1160を作製することができる。
【0252】
次に、絶縁層1159を形成する(図26(A)参照)。絶縁層1159は、絶縁層1137と同様に形成することができる。
【0253】
次に、配線1151、1153、1155、1157に達するように、絶縁層1159にコンタクトホール1161、1163、1165、1167、1169を形成する。このコンタクトホール1161、1163、1165、1167、1169は、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層1159の一部をエッチングすることで形成できる。
【0254】
次に、コンタクトホール1161、1163を介して、配線1151及び配線1153を接続する配線1171を形成すると同時に、配線1155及び配線1157を接続する画素電極1173を形成する。なお、当該工程において、図12及び図14に示すような、配線451及びゲート電極403を接続する配線484、484a、配線452及び配線455を接続する配線484b、配線454及び配線455を接続する配線484c、配線453及び配線456を接続する配線484dを形成する。
【0255】
なお、図示していないが、絶縁層1159と配線1171、画素電極1173との間に、スピンコーティング法等により形成した有機樹脂からなる絶縁層を有していても良い。
【0256】
以上の工程により、表示装置の画素におけるスイッチング用の薄膜トランジスタを作製することができる。このときの図26(B)の平面図を図27に示す。
【0257】
ここで示す薄膜トランジスタは、図14に示すように、リーク電流を低減する構造であるため、当該素子基板を表示装置に用いることで、コントラストが高く、画質の高い表示装置を作製することができる。
【0258】
また、多階調マスクにより形成した複数(代表的には二種類)の厚さの領域を有するレジストマスクを用いると、フォトマスクの数を減らすことができるため、工程簡略化、低コスト化が図れる。
【0259】
また、図28(A1)、図28(A2)は、素子基板におけるゲート配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示している。図28(A1)は図28(A2)中のX1−X2線に沿った断面図に相当する。図28(A1)において、絶縁層1137、1159上に形成される透明導電層545は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。また、図28(A1)において、端子部では、ゲート配線と同じ材料で形成される第1の端子540と、ソース配線と同じ材料で形成される接続電極543とがゲート絶縁層1107を介して重なり透明導電層545を介して導通させている。また、接続電極543と透明導電層545が絶縁層1137、1159に設けられたコンタクトホールを介して直接接して導通させている。
【0260】
また、図28(B1)、及び図28(B2)は、ソース配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示している。また、図28(B1)は図28(B2)中のY1−Y2線に沿った断面図に相当する。図28(B1)において、絶縁層1137、1159上に形成される透明導電層545は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。また、図28(B1)において、端子部では、ゲート配線と同じ材料で形成される電極547が、ソース配線と電気的に接続される第2の端子541の下方にゲート絶縁層1107を介して重なる。電極547は第2の端子541とは電気的に接続しておらず、電極547を第2の端子541と異なる電位、例えばフローティング、GND、0Vなどに設定すれば、ノイズ対策のための容量または静電気対策のための容量を形成することができる。また、第2の端子541は、絶縁層1137、1159を介して透明導電層545と電気的に接続している。
【0261】
ゲート配線、ソース配線、及び容量配線は画素密度に応じて複数本設けられるものである。また、端子部においては、ゲート配線と同電位の第1の端子、ソース配線と同電位の第2の端子、容量配線と同電位の第3の端子などが複数並べられて配置される。それぞれの端子の数は、それぞれ任意な数で設ければ良いものとし、実施者が適宣決定すれば良い。
【0262】
本実施の形態により、薄膜トランジスタ及び容量素子を有する画素を作製することができる。そして、これらを個々の画素に対応してマトリクス状に配置して画素部を構成することにより、アクティブマトリクス型の表示装置を作製するための一方の基板とする素子基板を作製することができる。
【0263】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する場合には、素子基板と、対向電極が設けられた対向基板との間に液晶層を設け、素子基板と対向基板とを固定する。なお、対向基板に設けられた対向電極と電気的に接続する共通電極を素子基板上に設け、共通電極と電気的に接続する端子を端子部に設ける。この端子は、共通電極を固定電位、例えばGND、0Vなどに設定するための端子である。
【0264】
また、図24及び図27に示す画素構成に限定されず、容量配線を設けず、画素電極と、隣り合う画素のゲート配線とを絶縁膜及びゲート絶縁層を介して重ねて、容量素子を形成してもよい。この場合、容量配線を省略することができ、画素における開口率を高めることができる。
【0265】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、マトリクス状に配置された画素電極を駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される。詳しくは選択された画素電極と該画素電極に対応する対向電極との間に電圧が印加されることによって、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。
【0266】
液晶表示装置の動画表示において、液晶分子自体の応答が遅いため、残像が生じる、または動画のぼけが生じるという問題がある。液晶表示装置の動画特性を改善するため、全面黒表示を1フレームおきに行う、所謂、黒挿入と呼ばれる駆動技術がある。
【0267】
また、垂直同期周波数を通常の1.5倍以上、好ましくは2倍以上にすることで応答速度を改善するとともに各フレーム内の分割された複数フィールド毎に書き込む階調を選択する、所謂、倍速駆動と呼ばれる駆動技術もある。
【0268】
また、液晶表示装置の動画特性を改善するため、バックライトとして複数のLED(発光ダイオード)光源または複数のEL光源などを用いて面光源を構成し、面光源を構成している各光源を独立して1フレーム基板内で間欠点灯駆動する駆動技術もある。面光源として、3種類以上のLEDを用いてもよいし、白色発光のLEDを用いてもよい。独立して複数のLEDを制御できるため、液晶層の光学変調の切り替えタイミングに合わせてLEDの発光タイミングを同期させることもできる。この駆動技術は、LEDを部分的に消灯することができるため、特に一画面を占める黒い表示領域の割合が多い映像表示の場合には、消費電力の低減効果が図れる。
【0269】
これらの駆動技術を組み合わせることによって、液晶表示装置の動画特性などの表示特性を従来よりも改善することができる。
【0270】
また、素子基板上に発光素子を設けることにより、発光表示装置や、発光装置を作製することができる。発光表示装置や発光装置は、発光素子として代表的には、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子がある。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0271】
なお、発光表示装置を作製する場合、発光素子の一方の電極(カソードとも呼ぶ)は、低電源電位、例えばGND、0Vなどに設定するため、端子部に、カソードを低電源電位、例えばGND、0Vなどに設定するための端子が設けられる。また、発光表示装置を作製する場合には、ソース配線、及びゲート配線に加えて電源供給線を設ける。従って、端子部には、電源供給線と電気的に接続する端子を設ける。
【0272】
また、素子基板と、電極が形成された対向基板の間に、白と黒に塗り分けられた球形粒子、または、透明な液体と、正または負に帯電した白い微粒子と白い微粒子と逆の極性に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセルを挟持することで、電子ペーパーを作製することができる。
【0273】
本実施の形態で得られる表示装置の画素を構成する薄膜トランジスタは、エンハンスメント型トランジスタであることによるオフ電流の低減の効果を持続することができる。また、本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、オフ電流を低減しつつ、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタに比べ、オン電流及び電界効果移動度を高めることが可能であり、電気的特性に優れるため、性能を落とすことなく、駆動回路における薄膜トランジスタが占める面積を縮小することができる。このため、本実施の形態で示す素子基板を用いた液晶表示装置、発光表示装置、電子ペーパー等の表示装置は、画質が良好(例えば、高コントラスト)であり、消費電力が低く、狭額縁化された表示装置を作製することができる。
【0274】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0275】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態4に用いることが可能な薄膜トランジスタの構造及びその作製方法について、図29を用いて示す。
【0276】
図29は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの断面図を示す。図29に示す薄膜トランジスタは、基板401上にゲート電極403を有し、ゲート電極403を覆うゲート絶縁層409を有し、ゲート絶縁層409に接してチャネル形成領域として機能する微結晶半導体層431を有し、微結晶半導体層431上に一対のバッファ層433を有し、バッファ層433に接して、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459、460を有する。また、不純物半導体層459、460に接して配線451、452を有する。配線451、452はソース電極及びドレイン電極として機能する。また、配線451、452は、微結晶半導体層431の側面及び一対のバッファ層433の側面に接する。また、第2の微結晶半導体層431bの表面には、第1の絶縁層435aが形成される。また、一対のバッファ層433の側面及び不純物半導体層459、460の表面及び側面には、第2の絶縁層435cが形成される。また、配線451、452の表面には、第3の絶縁層435eが形成される。
【0277】
微結晶半導体層431は、ゲート絶縁層409に接する第1の微結晶半導体層431aと、錐形状の複数の突起(凸部)を有する第2の微結晶半導体層431bとを有する。
【0278】
微結晶半導体層431は、実施の形態1に示す微結晶半導体層427a、428aと同様の微結晶半導体で形成される。第2の微結晶半導体層431bは実施の形態1に示す混合層427bに含まれる微結晶半導体領域429aと同様に形成することができる。
【0279】
一対のバッファ層433は、実施の形態1に示す非晶質半導体を含む層469と同様に、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体で形成することができる。
【0280】
第1の絶縁層435aは、第2の微結晶半導体層431bを酸化した酸化物層、または第2の微結晶半導体層431bを窒化した窒化物層で形成される。
【0281】
第2の絶縁層435cは、一対のバッファ層433及び不純物半導体層459、460を酸化した酸化物層、または一対のバッファ層433及び不純物半導体層459、460を窒化した窒化物層で形成される。
【0282】
第3の絶縁層435eは、配線451、452を酸化した酸化物層、または配線451、452を窒化した窒化物層で形成される。なお、第3の絶縁層435eは、ここでは、配線451、452の上面及び側面に形成されるが、配線451、452の側面にのみ形成され、配線451、452の上面には形成されない場合がある。
【0283】
バッファ層433は非晶質半導体を含むため、弱いn型を帯びている。また、微結晶半導体層と比較して、密度が低い。このため、非晶質半導体層を酸化または窒化した第2の絶縁層435cは密度が低く、疎な絶縁層であり、絶縁性が低い。しかしながら、本実施の形態に示す薄膜トランジスタには、バックチャネル側に第2の微結晶半導体層431bを酸化した第1の絶縁層435aが形成される。微結晶半導体層は、非晶質半導体層と比較して密度が高いため、第1の絶縁層435aも密度が高く、絶縁性が高い。さらに、第2の微結晶半導体層431bは、複数の錐形状の突起(凸部)を複数有するため、表面が凹凸状である。このため、ソース領域からドレイン領域までのリークパスの距離が長い。これらの結果から、薄膜トランジスタのリーク電流及びオフ電流を低減することができる。
【0284】
本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、チャネル形成領域が錐形状の突起を複数有する微結晶半導体層で形成され、且つ微結晶半導体層に接して一対のバッファ層を有するため、非晶質半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオン電流を高めると共に、微結晶半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0285】
次に、図29に示す薄膜トランジスタの作製方法について、図30を用いて示す。
【0286】
実施の形態1と同様に、図15を経て、図30(A)に示すように、配線451、452を形成する。
【0287】
次に、図30(B)に示すように、不純物半導体層423をエッチングして、不純物半導体層459、460を形成する。また、表面に凹部を有する非晶質半導体を含む層469を形成する。
【0288】
次に、非晶質半導体を含む層469をエッチングして、第2の微結晶半導体層431bを露出すると共に、一対のバッファ層433を形成する(図30(C)参照)。ここでは、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いて、非晶質半導体を含む層469を選択的にエッチングし、第2の微結晶半導体層431bを露出する条件を適宜用いる。代表的には、ウエットエッチングのエッチャントとしては、ヒドラジンがある。また、ドライエッチングとしては、水素を用いて、非晶質半導体層を選択的にエッチングすることができる。
【0289】
この後、レジストマスクを除去し、第2の微結晶半導体層431bの表面を酸化、または窒化するプラズマ処理440を行って、図30(D)に示す第1の絶縁層435a、第2の絶縁層435c、第3の絶縁層435eを形成する。
【0290】
なお、ここでは、配線451、452を形成した後、非晶質半導体を含む層469をエッチングし、第2の微結晶半導体層431bを露出したが、配線451、452を形成した後、レジストマスクを除去し、不純物半導体層423、非晶質半導体を含む層469のそれぞれ一部をドライエッチングし、さらに第2の微結晶半導体層431bの表面を酸化または窒化するプラズマ処理440を行ってもよい。この場合、配線451、452をマスクとして、不純物半導体層423及び非晶質半導体を含む層469がエッチングされるため、配線451、452の側面と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459、460との側面が概略一致する形状となる。
【0291】
上記したように、錐形状の凹凸を有する第2の微結晶半導体層431bを露出した後、プラズマ処理により第2の微結晶半導体層431bの表面に絶縁層を形成することで、ソース領域及びドレイン領域の間のリークパスの距離を長くすることが可能であると共に、絶縁性の高い絶縁層を形成することができる。このため、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0292】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0293】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態5に用いることが可能な薄膜トランジスタの構造及びその作製方法について、図31を用いて示す。
【0294】
図31は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの断面図を示す。図31に示す薄膜トランジスタは、基板401上にゲート電極403を有し、ゲート電極403を覆うゲート絶縁層409を有し、ゲート絶縁層409上に、不純物半導体層459、460を有し、不純物半導体層459、460上に配線451、452を有する。また、ゲート絶縁層409及び配線451、452上に、微結晶半導体層427a、混合層427bと、非晶質半導体を含む層469が積層されている。
【0295】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0296】
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態1、実施の形態5、及び実施の形態6に示すゲート絶縁層409、第1の半導体層410、第2の半導体層411、不純物半導体層417や、実施の形態3に示すゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109、第2の半導体層1110、不純物半導体層1115に適用可能な形態について示す。
【0297】
実施の形態1、実施の形態5、及び実施の形態6に示すゲート絶縁層409、第1の半導体層410、第2の半導体層411、不純物半導体層417や、実施の形態3に示すゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109、第2の半導体層1110、不純物半導体層1115は、プラズマCVD法により形成することができる。
【0298】
プラズマCVD法に用いるグロー放電プラズマの生成は、3MHzから30MHz、代表的には13.56MHz、27.12MHzのHF帯の高周波電力、または30MHzより大きく300MHz程度までのVHF帯の高周波電力、代表的には、60MHzを印加することで行われる。また、1GHz以上のマイクロ波の高周波電力を印加することで行われる。なお、VHF帯やマイクロ波の高周波電力を用いることで、成膜速度を高めることが可能である。更には、HF帯の高周波電力と、VHF帯の高周波電力を重畳させることで、大面積基板においてもプラズマのムラを低減し、均一性を高めることができると共に、成膜速度を高めることができる。
【0299】
また、グロー放電プラズマの高周波電力の出力波形が矩形となるように、パルス変調してもよい。代表的には、一定の高周波電力が投入されるON状態と、電力が実質的に投入されないOFF状態を交互にする。このとき、ON状態及びOFF状態の時間をそれぞれ5μsecから500μsec、好ましくは10μsecから100μsecとすることで、成膜速度を高めることができる。また、大面積基板における堆積膜の膜厚及び膜質の均一性を高めることができる。また、OFF状態においてパーティクルの原因となるラジカルが消滅するため、堆積中におけるパーティクルの生成を低減することができる。また、プラズマ発生時の紫外線量を低減できることから、堆積膜の欠陥を低減することができる。
【0300】
また、実施の形態1に示すゲート絶縁層409、第1の半導体層410、第2の半導体層411、不純物半導体層417や、実施の形態3に示すゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109、第2の半導体層1110、不純物半導体層1115をプラズマCVD装置の同一の処理室で連続的に形成してもよい。この結果、プラズマCVD装置の小型が可能である。
【0301】
また、マルチチャンバーを有するプラズマCVD装置において、各層ごとに処理室を分けてもよい。それぞれの膜は最適な成膜温度があるので、反応室を個別に分けておくことで成膜温度を管理することが容易となる。さらに、同じ膜種を繰り返し成膜することができるので、残留不純物の影響を排除することができる。
【0302】
更には、ゲート絶縁層の反応室と、第1の半導体層410、第2の半導体層411、及び不純物半導体層417を形成する反応室とに分けて、それぞれを形成してもよい。この結果、第1の半導体層410、第2の半導体層411、及び不純物半導体層417の不純物を低減することができる。
【0303】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0304】
(実施の形態8)
上記実施の形態に係る表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用のモニタ、電子ペーパー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機等の大型ゲーム機等が挙げられる。
【0305】
上記実施の形態に係る表示装置の一形態である電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車等の乗り物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示等に適用することができる。電子機器の一例を図32(A)に示す。
【0306】
図32(A)は、電子書籍の一例を示している。図32(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0307】
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図32(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図32(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
【0308】
また、図32(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図32(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0309】
また、図32(A)に示す電子書籍は、無線で情報を送受信できる構成を備えていてもよい。無線通信により、電子書籍サーバから所望の書籍データ等を購入し、ダウンロードする構成とすることもできる。
【0310】
図32(B)は、電子ペーパー、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図32(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0311】
なお、図32(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部1712に表示させることができる。
【0312】
また、図32(B)に示すデジタルフォトフレームは、無線で情報を送受信出来る構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0313】
図32(C)は、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図32(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、実施の形態4に示した表示装置を適用することができる。
【0314】
図32(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0315】
なお、図32(C)に示すテレビジョン装置は、受信機やモデム等を備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、片方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士等)の情報通信を行うことも可能である。
【0316】
図32(D)は、電子ペーパー、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図32(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
【0317】
図32(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
【0318】
表示部1732の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0319】
例えば、電話の発信、或いはメールを作成する場合には、表示部1732を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合には、表示部1732の画面の大部分を使用してキーボード又は番号ボタンを表示させることが好ましい。
【0320】
また、図32(D)に示す携帯電話機の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを備えた検出装置を設けることで、携帯電話機の向き(縦または横)を判別して、表示部1732の表示情報を自動的に切り替える構成とすることもできる。
【0321】
また、画面モードの切り替えは、表示部1732への接触、又は筐体1731の操作ボタン1737の操作により行われる。また、表示部1732に表示される画像の種類によって切り替える構成とすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替えることができる。
【0322】
また、入力モードにおいて、表示部1732の光センサで検出される信号を検知し、表示部1732のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0323】
表示部1732は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部1732を掌や指で触れ、掌紋及び指紋等をイメージセンサで撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈等を撮像することもできる。
【0324】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路及び画素部に逆スタガ薄膜トランジスタを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界効果トランジスタの一種として、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタが知られている。薄膜トランジスタに用いられる半導体層として、非晶質シリコン、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いる技術が開示されている。薄膜トランジスタの代表的な応用例は、液晶テレビジョン装置であり、表示画面を構成する各画素のスイッチングトランジスタとして実用化されている。
【0003】
また、表示装置のコスト削減のため、外付けの部品数を減らし、ゲートドライバーを、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタで構成する表示装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−049832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非晶質シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、電界効果移動度及びオン電流が低いといった問題がある。また、長期の使用により薄膜トランジスタが劣化し、しきい値電圧がシフトしてしまい、オン電流が低下するという問題がある。
【0006】
これらのことから、非晶質シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタでゲートドライバーのような駆動回路を構成する場合は、チャネル形成領域の幅を広くし、薄膜トランジスタの面積を大きくすることで、しきい値電圧のシフトによるオン電流の低下が生じても、十分なオン電流を確保している。
【0007】
または、駆動回路を構成する薄膜トランジスタの数を増やして、各薄膜トランジスタの動作時間を短くすることで、薄膜トランジスタの劣化を低減して、十分なオン電流を確保している。
【0008】
このため、非晶質シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタで駆動回路を形成する表示装置において、駆動回路の占有面積が広く、表示装置の狭額縁化の妨げとなり、表示領域である画素部の面積が小さくなってしまう。
【0009】
一方、微結晶シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、非晶質シリコンによる薄膜トランジスタと比較して、電界効果移動度が向上するもののオフ電流が高くなってしまい、十分なスイッチング特性が得られないといった問題がある。
【0010】
多結晶シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、上記二種類の薄膜トランジスタよりも電界効果移動度が格段に高く、高いオン電流が得られるといった特性があるため、画素に設けられるスイッチング用のトランジスタのみならず、高速動作が要求されるドライバ回路をも構成することができる。
【0011】
しかし、多結晶シリコン層でチャネル形成領域が形成される薄膜トランジスタは、非晶質シリコン層で薄膜トランジスタを形成する場合に比べ半導体層の結晶化工程が必要となり、製造コストが増大することが問題となっている。例えば、多結晶シリコン層の製造のために必要なレーザアニール技術は、レーザビームの照射面積が小さく大画面の液晶パネルを効率良く生産することができないといった問題がある。
【0012】
そこで、本発明の一形態は、表示装置の作製のコストの低減を課題とする。また、また、本発明の一形態は、狭額縁化が可能であり、且つ画像の表示特性に優れた表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の例示的な一態様としては、複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有し、インバータ回路は、ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2のトランジスタと、を有し、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、ゲート電極に接するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接する微結晶半導体層と、微結晶半導体層に接する混合層と、混合層に接する非晶質半導体を含む層と、非晶質半導体を含む層上に形成される一対の不純物半導体層と一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、混合層において、錐形状の微結晶半導体領域と、錐形状の微結晶半導体領域を充填する非晶質半導体領域とを有する表示装置である。
【0014】
また、本発明の例示的な一態様としては、上記第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、ゲート電極に接するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に接する微結晶半導体領域と、微結晶半導体領域に接し、且つ非晶質半導体を含む領域と、非晶質半導体を含む領域上に形成される一対の不純物半導体層と一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、微結晶半導体領域は、非晶質半導体を含む領域と接する側の面が凹凸状である。
【0015】
また、本発明の例示的な一態様としては、上記駆動回路と、駆動回路によって駆動する薄膜トランジスタが設けられた画素を有し、画素及び駆動回路は、同じ基板上に形成されている表示装置である。なお、上記基板は、ガラス基板またはプラスチック基板である。
【0016】
なお、スイッチはクロック信号または反転クロック信号によって、オンまたはオフが制御される。
【0017】
また、第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、エンハンスメント型であることが好ましい。
【0018】
なお、オン電流とは、トランジスタがオン状態のときに、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流をいう。例えば、n型のトランジスタの場合には、ゲート電圧がトランジスタの閾値電圧よりも高いときにソース電極とドレイン電極との間に流れる電流である。
【0019】
また、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときに、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流をいう。例えば、n型のトランジスタの場合には、ゲート電圧がトランジスタの閾値電圧よりも低いときにソース電極とドレイン電極との間に流れる電流である。
【0020】
また、ここでの表示装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【発明の効果】
【0021】
表示装置を狭額縁化すると共に、画像の表示特性を向上させることができる。表示装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図2】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図3】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図4】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図5】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図6】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図7】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図8】本実施の形態に係る表示装置を説明する上面図である。
【図9】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図10】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図11】本実施の形態に係る表示装置を説明する上面図である。
【図12】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図13】本実施の形態に係る表示装置を説明する上面図である。
【図14】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図15】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図16】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図17】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図18】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図19】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図20】本実施の形態に係る表示装置を説明する図である。
【図21】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図22】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図23】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図24】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する上面図である。
【図25】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図26】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図27】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する上面図である。
【図28】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する上面図及び断面図である。
【図29】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図30】本実施の形態に係る表示装置の作製方法を説明する断面図である。
【図31】本実施の形態に係る表示装置を説明する断面図である。
【図32】本実施の形態に係る表示装置を有する電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に開示する実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に開示する発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、以下に開示する発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に開示する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態では、単極性の駆動回路を構成する微結晶半導体で構成した薄膜トランジスタとして、nチャネル型の薄膜トランジスタを用いる。そして画素部を駆動するための駆動回路として、ソース線駆動回路、及び/またはゲート線駆動回路について一例を挙げて説明し、本実施の形態の利点について述べていくこととする。
【0025】
図1に、表示装置の全体概略図について示す。基板100上に、ソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102、および画素部103を一体形成している。画素部103において、点線枠110で囲まれた部分が1画素である。図1の例で、ゲート線駆動回路102は、一方の端部に設けられる構成について示したが、複数有する構成としてもよい。また、表示装置の画素では、薄膜トランジスタ(以下、TFTと表記する)によって表示素子の制御を行っている。ソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102を駆動する信号(クロック信号、スタートパルス等)は、フレキシブルプリント基板(Flexible Print Circuit:FPC)104を介して、外部より入力される。なお基板上にロジック回路、電源回路及び発振回路等の回路105を設け、駆動回路を制御するための信号を基板上で生成し、ソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102に供給する構成としてもよい。
【0026】
画素部を駆動するためのソース線駆動回路101、ゲート線駆動回路102は、インバータ回路、容量素子、TFT等の素子を用いたスイッチ、抵抗素子などを用いて構成する。単極性のTFTを備えた駆動回路として、2つのnチャネル型TFTを組み合わせてインバータ回路を形成する場合、エンハンスメント型トランジスタとデプレッション型トランジスタとを組み合わせて形成する場合(以下、EDMOS回路という)と、エンハンスメント型トランジスタ同士で形成する場合(以下、EEMOS回路という)と、エンハンスメント型トランジスタと抵抗素子とを組み合わせて形成する場合(以下、ERMOS回路という)がある。一方、駆動回路と同じ基板上に形成される画素部に設ける薄膜トランジスタとして、エンハンスメント型トランジスタを用いることが好適である。エンハンスメント型トランジスタはしきい値電圧が正であるため、ゲートとソースの間にかかる電圧によって流れる電流を、デプレッション型トランジスタより小さくすることができ、表示装置の低消費電力化を図ることができるからである。
【0027】
そのため、画素部を駆動するための駆動回路のインバータ回路として、画素部と同じエンハンスメント型のTFTで構成される、EEMOS回路を用いることが好適である。駆動回路に用いるインバータ回路として、EEMOS回路を用いることにより、画素部及び駆動回路を作製する際のトランジスタの種類を一種類とするため、作製工程の短縮化を図ることができる。
【0028】
なお、nチャネル型TFTのしきい値電圧が正の場合は、エンハンスメント型トランジスタと定義し、nチャネル型TFTのしきい値電圧が負の場合は、デプレッション型トランジスタと定義し、本明細書を通してこの定義に従うものとする。
【0029】
なお本明細書において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間に何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、対象物を介してAとBとが概略同一ノードとなる場合を表すものとする。
【0030】
具体的には、トランジスタのようなスイッチング素子を介してAとBとが接続され、該スイッチング素子の導通によって、AとBとが概略同電位となる場合や、抵抗素子を介してAとBとが接続され、該抵抗素子の両端に発生する電位差が、AとBとを含む回路の動作に影響しない程度となっている場合など、回路動作を考えた場合、AとBとが同一ノードとして捉えて差し支えない状態である場合を表す。
【0031】
なお、表示装置とは、発光素子または液晶素子等の表示素子を有する装置のことを言う。なお、表示装置は、複数の画素を駆動させる周辺駆動回路を含んでいても良い。なお、複数の画素を駆動させる周辺駆動回路は、複数の画素と同一基板上に形成される。なお、表示装置は、フレキシブルプリント基板(FPC)を含んでもよい。なお、表示装置は、フレキシブルプリント基板(FPC)などを介して接続され、ICチップ、抵抗素子、容量素子、インダクタ、トランジスタなどが取り付けられたプリント配線基板(PWB)を含んでいても良い。なお、表示装置は、偏光板または位相差板などの光学シートを含んでいても良い。なお、表示装置は、照明装置、筐体、音声入出力装置、光センサなどを含んでいても良い。
【0032】
なお、一画素とは、明るさを制御できる要素一つ分を示すものとする。よって、一例としては、一画素とは、一つの色要素を示すものとし、その色要素一つで明るさを表現する。従って、そのときは、RGBの色要素からなるカラー表示装置の場合には、画像の最小単位は、Rの画素とGの画素とBの画素との三画素から構成されるものとする。
【0033】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0034】
次にインバータ回路としてEEMOS回路を用いたゲート線駆動回路、及びソース線駆動回路の回路図、並びに上面図と断面図について一例を示し、説明する。
【0035】
次に、インバータ回路としてEEMOS回路を用いたソース線駆動回路の構成について説明を行う。
【0036】
図2は、図1に示した表示装置における、ソース線駆動回路101の回路構成を示した図である。ソース線駆動回路は、クロック信号用レベルシフタ201、スタートパルス用レベルシフタ202、シフトレジスタ251を構成するパルス出力回路203、NAND回路204、バッファ205、サンプリングスイッチ206を有しており、外部より入力される信号は、第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)、スタートパルス(SP)、アナログ映像信号(Video)である。この中で、第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)、およびスタートパルス(SP、または入力信号ともいう)に関しては、外部から低電圧振幅の信号として入力された直後、クロック信号用レベルシフタ201またはスタートパルス用レベルシフタ202によって振幅変換を受け、高電圧振幅の信号として駆動回路に入力される。また、本実施の形態の表示装置におけるソース線駆動回路は、一例として、シフトレジスタ中の1段のパルス出力回路より出力されるサンプリングパルスが、サンプリングスイッチ206を駆動することによって、ソース信号線Sout1乃至Sout(N)列分のアナログ映像信号を同時にサンプリングしているものを説明する。なお、他にも走査方向を切り替えるための走査方向切り替え信号等を入力する構成としても良い。また本実施の形態では、クロック信号として第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)の2相のクロック信号により駆動する例を示すが、2相以外のクロック信号の入力により駆動回路を駆動する構成としてもよい。
【0037】
図3(A)、(B)に、シフトレジスタ251が有する複数のパルス出力回路203の構成を示す。なお本実施の形態では、スタティック回路のシフトレジスタについて一例を示し、説明するものである。パルス出力回路300は、一例として、スタートパルスSPが入力される端子に接続された第1のスイッチ301と、第1のスイッチ301を介して入力される信号を反転して出力する第1のインバータ回路302と、第1のインバータ回路302で反転された信号を反転して出力する第2のインバータ回路303及び第3のインバータ回路305と、第2のインバータ回路303で反転された信号が入力される端子に接続された第2のスイッチ304と、で構成される。図3(A)に示した回路図において、点線350で示したブロックが1段分のサンプリングパルスを出力するパルス出力回路であり、図3(A)のシフトレジスタは、N段(nは自然数、1<N)のパルス出力回路によって構成されている。N段のパルス出力回路からは、それぞれの第3のインバータ回路305の出力端子より、出力信号out1乃至outNが出力される。なお、上記説明した1段目(奇数段目)の次段である2段目(偶数段目)のパルス出力回路では、第1のスイッチ301と第2のスイッチ304との間で、入力される第1のクロック信号と第2のクロック信号とを入力する配線が切り替わって接続される。以下3段目以降、交互に第1のクロック信号と第2のクロック信号とを入力する配線が、第1のスイッチ301と第2のスイッチ304との間に交互に切り替わって接続される。
【0038】
図3(B)は、パルス出力回路の回路構成を詳細に示したものである。パルス出力回路本体は、TFT351、TFT352、TFT353、TFT354、TFT355、TFT356、TFT357、TFT358を有する。また奇数段目のパルス出力回路331及び偶数段目のパルス出力回路332は、第1のクロック信号CLK1を供給するための配線359、及び第2のクロック信号CLK2を供給するための配線360に接続されている。一段目のパルス出力回路331において、TFT351の第1端子はスタートパルスSPが入力される端子に接続され、ゲート端子は配線359が接続され、第2端子はTFT353のゲート端子及びTFT356の第2端子に接続される。TFT352の第1端子及びゲート端子は高電源電位VDDが供給される配線に接続され、第2端子はTFT353の第1端子、TFT355のゲート端子、TFT358のゲート端子に接続される。TFT353の第2端子は低電源電位VSS(GNDともいう)が供給される配線に接続される。TFT354の第1端子及びゲート端子は高電源電位VDDが供給される配線に接続され、第2端子はTFT355の第1端子及びTFT356の第1端子に接続される。TFT355の第2端子は低電源電位VSSが供給される配線に接続される。TFT356のゲート端子は配線360に接続される。TFT357の第1端子及びゲート端子は高電源電位VDDが供給される配線に接続され、第2端子はTFT358の第1端子に接続される。なお、1段目のパルス出力回路331におけるTFT357の第2端子は、2段目のパルス出力回路332におけるTFT351の第1端子に接続される。同様に、パルス出力回路におけるTFTの第2端子には、順次次の段のパルス出力回路が接続される。
【0039】
図3(B)において、TFT351は、図3(A)で示した第1のスイッチ301に相当する。また、TFT352及びTFT353は、図3(A)で示した第1のインバータ回路302に相当し、EEMOS回路で構成される。また、TFT354及びTFT355は、図3(A)で示した第2のインバータ回路303に相当し、EEMOS回路で構成される。TFT351は、図3(A)で示した第1のスイッチ301に相当する。TFT356は、図3(A)で示した第2のスイッチ304に相当する。なおTFT351及びTFT356は、TFT352乃至TFT355と同様に、エンハンスメント型トランジスタで構成することが好ましい。スイッチとしてエンハンスメント型トランジスタを用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができるため、低消費電力化が図れるとともに、作製プロセスを簡略化することができる。
【0040】
なお、nチャネル型トランジスタまたはpチャネル型トランジスタのようなトランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ドレイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことができる。ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難な場合もある。そこで、本実施の形態においては、ソース及びドレインとして機能する領域のそれぞれを、第1端子、第2端子と表記するものとする。またゲートとして機能する端子については、ゲート端子と表記するものとする。
【0041】
ここで、図3(A)、(B)で示した回路の回路動作について説明する。図4に示すタイミングチャートを参照する。なお図4では説明のため、図3(B)で示す回路でのノードとして1段目のパルス出力回路において、TFT351の第2端子をノードA(図4において、Aと示す)、TFT352の第2端子をノードB(図4において、Bと示す)、TFT354の第2端子をノードC(図4中、Cと示す)、TFT357の第2端子をノードout1(図4において、out1と示す)とする。また図3(B)で示す回路でのノードとして2段目のパルス出力回路において、TFT351の第2端子をノードD(図4において、Dと示す)、TFT352の第2端子をノードE(図4において、Eと示す)、TFT354の第2端子をノードF(図4において、Fと示す)、TFT357の第2端子をノードout2(図4において、out2と示す)とする。また図3(B)で示す回路でのノードとして3段目のパルス出力回路において、TFT351の第2端子をノードG(図4において、Gと示す)とする。
【0042】
図4において、期間T1で、スタートパルスSPがHレベル、第1のクロック信号CLK1がHレベル、第2のクロック信号CLK2がLレベルの際の動作について説明する。第1のクロック信号CLK1がHレベルになることで、1段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。そして、スタートパルスの電圧レベルであるHレベルが、ノードAの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードAの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、1段目のパルス出力回路のTFT353がオン状態になる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードBの電圧レベルをLレベルに下降させる。そして、ノードBの電圧レベルがLレベルに下降することにより、1段目のパルス出力回路のTFT355がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードCの電圧レベルをHレベルに上昇させる。また、ノードBの電圧レベルがLレベルに下降することにより、1段目のパルス出力回路のTFT358がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードout1の電圧レベルをHレベルに上昇させる。なお、第2のクロック信号CLK2は、Lレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356及び2段目のパルス出力回路のTFT351はオフ状態となる。
【0043】
次に、図4において、期間T2で、スタートパルスSPがLレベル、第1のクロック信号CLK1がLレベル、第2のクロック信号CLK2がHレベルの際の動作について説明する。
【0044】
第1のクロック信号がLレベルになることで、1段目のパルス出力回路のTFT351がオフ状態となる。一方、第2のクロック信号CLK2は、Hレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356はオン状態となる。そのため、期間T1でHレベルにあったノードCの電圧レベルにより、ノードAの電圧レベルがHレベルを保持することとなる。そして、1段目のパルス出力回路では、期間T1と同じ動作を行うこととなる。期間T2では、第2のクロック信号CLK2がHレベルになることで、2段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。そして、ノードout1の電圧レベルであるHレベルが、ノードDの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードDの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、2段目のパルス出力回路のTFT353がオン状態になる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードEの電圧レベルをLレベルに下降させる。そして、ノードEの電圧レベルがLレベルに下降することにより、2段目のパルス出力回路のTFT355がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードFの電圧レベルをHレベルに上昇させる。また、ノードEの電圧レベルがLレベルに下降することにより、2段目のパルス出力回路のTFT358がオフ状態となる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードout2の電圧レベルをHレベルに上昇させる。なお、第1のクロック信号CLK1は、Lレベルであるため、2段目のパルス出力回路のTFT356及び3段目のパルス出力回路のTFT351はオフ状態となる。
【0045】
次に、図4において、期間T3で、スタートパルスSPがLレベル、第1のクロック信号CLK1がHレベル、第2のクロック信号CLK2がLレベルの際の動作について説明する。
【0046】
第1のクロック信号がHレベルになることで、1段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。一方、第2のクロック信号CLK2は、Lレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356はオフ状態となる。そのため、ノードAの電圧レベルがLレベルに下降することとなる。そして、ノードAの電圧レベルがLレベルに下降することにより、1段目のパルス出力回路のTFT353がオフ状態になる。そして、高電源電位の電圧レベルであるHレベルが、ノードBの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードBの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、1段目のパルス出力回路のTFT355がオン状態となる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードCの電圧レベルをLレベルに下降させる。また、ノードBの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、1段目のパルス出力回路のTFT358がオン状態となる。そして、低電源電位の電圧レベルであるLレベルが、ノードout1の電圧レベルをLレベルに下降させる。なお、第2のクロック信号CLK2は、Lレベルであるため、1段目のパルス出力回路のTFT356及び2段目のパルス出力回路のTFT351はオフ状態となる。また、期間T2での1段目のパルス出力回路と同様に、2段目のパルス出力回路のTFT356はオン状態となっており、期間T2でHレベルにあったノードFの電圧レベルにより、ノードFの電圧レベルがHレベルを保持することとなる。そして、2段目のパルス出力回路では、期間T2と同じ動作を行うこととなる。期間T3では、第1のクロック信号CLK1がHレベルになることで、3段目のパルス出力回路のTFT351がオン状態となる。そして、ノードout2の電圧レベルであるHレベルが、ノードGの電圧レベルをHレベルに上昇させる。そして、ノードGの電圧レベルがHレベルに上昇することにより、3段目のパルス出力回路のTFT353がオン状態になる。以下、順次トランジスタのオンまたはオフが制御されることにより、パルス出力回路を複数段組み合わせたシフトレジスタとして駆動することができる。
【0047】
なお、図3(A)、図3(B)、図4で説明したパルス出力回路において、ノードAとノードCとの間に第2のスイッチ304が設けられている構成について示している。これは、高電源電位VDDに接続されたTFT354により制御されるノードCの電圧レベルが(VDD−VthN)以下(VthNはTFT354のしきい値電圧)となるためである。第2のスイッチ304によって、ノードAとノードCとの接続を切り離して駆動することによって、ノードAの電位によるTFT353の駆動能力を高めることができるため好適である。なお、第2のスイッチ304を設けない構成としても、本実施の形態の発明をなし得ることができる。
【0048】
また、ソース線駆動回路の構成では、各パルス出力回路から出力される信号の否定論理積(NAND)をとって、各ソース線を駆動するための信号を生成している。そのため、ソース線駆動回路においては、ソース線の数より多いパルス出力回路を設けておいて、ソース線に出力するための信号を生成する構成とすることが好ましい。
【0049】
図5(A)は、図2で示したクロック信号用レベルシフタ201の構成を示している。これは、互いに逆の極性を有するクロック信号(CLK1とCLK2)を、1入力型レベルシフタ回路を並列に配置してそれぞれ振幅変換を行い(Stage1)、以後のバッファ段(ここではStage2)では、互いの出力をそれぞれの反転入力信号として用いる構成をとっている。
【0050】
図5(A)に示した回路の動作について説明する。なお、ここで用いている電源の電位は、VSS、VDD0、VDDの3電位であり、VSS<VDD0<VDDとする。クロック信号の振幅をソース線駆動回路入力部でレベルシフトする構成とすることで、低消費電力化及びノイズの減少を図ることができる。また、図5(A)において、TFT601、TFT603、TFT606、TFT608はダブルゲート構造をとっているが、これらはシングルゲートでも良いし、3つ以上のゲート電極を有するマルチゲート構造であっても良い。その他のTFTに関しても、ゲート電極の数による制限は特に設けない。
【0051】
信号入力部(CLK in1)より、Lレベル/Hレベル=VSS/VDD0の振幅を有する第1の入力クロック信号(CLK1)が入力される。第1の入力クロック信号がHレベルのとき、TFT602、604がオン状態になり、TFT603のゲート電極の電圧レベルがLレベルとなってオフ状態になる。ここで、TFT602のオン抵抗は、TFT601のそれよりも十分に低く設計しておく。よってノードαは、Lレベルとなる。第1の入力クロック信号がLレベルのとき、TFT602、604はオフ状態になる。よって、飽和動作しているTFT601を通じて、TFT603のゲート端子の電圧レベルはVDDに上昇し、その電位が(VDD−VthN)となったところでTFT601はオフ状態になり、TFT603のゲート電極が浮遊状態となる。これによりTFT603がオン状態になり、ノードαの電位はVDDに上昇する。ここで、容量605により、ノードαの電位上昇に伴って、浮遊状態となっているTFT603のゲート端子の電位が上昇し、その電位はVDDよりも高い電位をとり、(VDD+VthN)を上回ることによって、ノードαに現れるHレベルはVDDに等しくなる。よって、出力信号のLレベルはVSS、HレベルはVDDとなり、振幅変換が完了する。
【0052】
一方、信号入力部(CLK in2)より、同じくVSS−VDD0の振幅を有する第2の入力クロック信号(CLK2)が入力される。前述と同様の動作によって、TFT606乃至TFT609および容量610で構成された1入力型レベルシフタ回路によって振幅変換が行われ、ノードβにはVSS−VDDの振幅を有する信号が出力される。なお、ノードαに現れた信号は、入力された第1の入力クロック信号に対して極性が反転しており、ノードβに現れた信号は、入力された第2の入力クロック信号に対して極性が反転している。
【0053】
図5(A)で説明するレベルシフタは、振幅変換後のパルスに対する負荷を考慮して、レベルシフタ回路(Stage1)の後に、バッファ段を設けている(Stage2〜Stage4)。このバッファ段を構成するインバータ回路は2入力型であり、入力信号およびその反転信号を要する。2入力型を用いる理由は、低消費電力化である。前述のレベルシフタ回路において、TFT602がオン状態であるとき、TFT601乃至TFT602を通じて、VSS−VDD間に貫通電流が流れる。2入力型を用いることによって、動作中に貫通電流が流れないようにしている。
【0054】
図5(A)では、Stage2のインバータ回路において、TFT611のゲート端子に入力される信号と、TFT612のゲート端子に入力される信号は、互いに逆の極性を有する信号である。そこで、第1の入力クロック信号および第2の入力クロック信号が、互いに極性の反転した信号であることを利用し、ノードαに現れた出力信号と、ノードβに現れた出力信号とを、互いの信号の反転入力信号として用いている。
【0055】
インバータ回路の動作について説明する。ここでは、Stage2の一方である、TFT611乃至614および容量615でなるインバータ回路における動作について述べる。他のインバータ回路に関しても動作は同様である。
【0056】
TFT611のゲート端子に入力される信号がHレベルのとき、TFT611がオン状態となり、TFT613のゲート電極の電位はVDDに上昇し、その電位が(VDD−VthN)となったところでTFT611がオフ状態となり、TFT613のゲート端子は浮遊状態となる。一方、TFT612、614のゲート電極に入力される信号はLレベルであるから、TFT612、614はOFFする。TFT613のゲート電極の電位は、(VDD−VthN)まで上昇しているから、TFT613はオン状態になり、ノードγの電位がVDDに上昇する。ここで、前述のレベルシフタ回路の動作と同様、容量615の働きにより、ノードγの電位上昇に伴って、浮遊状態となっているTFT613のゲート電極の電位が引き上げられ、その電位はVDDよりも高い電位をとり、(VDD+VthN)を上回ることによって、ノードγに現れるHレベルはVDDに等しくなる。
【0057】
一方、TFT611のゲート端子に入力される信号がLレベルのとき、TFT611がオフ状態になり、TFT612、614のゲート端子にはHレベルが入力されてオン状態になる。したがって、TFT613のゲート電極の電位はLレベルとなり、ノードγにはLレベルが現れる。
【0058】
同様の動作により、ノードδにもパルスが出力される。このとき、ノードδには、ノードγに現れるパルスと極性が反転したパルスが出力される。
【0059】
以後、Stage3、Stage4においても同様の動作によって、最終的に信号出力部(CLK out1)および信号出力部(CLK out2)にパルスが出力される。
【0060】
図5(B)は、クロック信号の振幅変換の様子を示したものである。入力信号の振幅は、Lレベル/Hレベル=VSS/VDD0であり、出力信号の振幅は、Lレベル/Hレベル=VSS/VDDとなっている。
【0061】
図5(C)は、図2で示したスタートパルス(SP)用のレベルシフタ202を示している。スタートパルスの場合、その反転信号を持たないことから、1入力型のレベルシフタ回路(Stage1)の出力が、1入力型のインバータ回路(Stage2)に入力され、さらにStage1の出力とStage2の出力とを用いて、2入力型のインバータ回路(Stage3)へと続く。回路動作に関しては、1入力型レベルシフタ回路はクロック信号の場合と同様である。1入力型インバータ回路に関しても、1入力型レベルシフタ回路と比較して、入力される信号の振幅がLレベル/Hレベル=VSS/VDDであって、入出力パルス間の振幅変換がないことを除いて、回路内の動作は同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0062】
図5(D)は、スタートパルス(SP)の振幅変換の様子を示したものである。入力信号の振幅は、クロック信号と同様、Lレベル/Hレベル=VSS/VDD0、出力信号の振幅は、Lレベル/Hレベル=VSS/VDDとなっている。
【0063】
図6(A)は、TFT701、702、703、704、705、706および容量707で構成された、図2で示した2入力型のNAND回路204を示している。構成としては、1入力型インバータ回路と類似であり、1入力インバータ回路における信号入力部が2入力となり、TFT702、703およびTFT705、706が直列配置されている点のみが異なる。
【0064】
信号入力部(In1)および信号入力部(In2)に、ともにHレベルが入力されると、TFT702、703、705、706がONし、TFT704のゲート端子の電圧レベルがLレベルとなってオフ状態となり、信号出力部(Out)にはLレベルが現れる。信号入力部(In1)および信号入力部(In2)のいずれか一方あるいは両方にLレベルが入力されると、TFT704のゲート端子と低電源電位VSSとは導通しないため、TFT704のゲート端子の電圧レベルはVDDに上昇してオン状態となり、さらに容量707の働きによって、(VDD+VthN)よりも高い電位をとり、信号出力部(Out)には電位VDDのHレベルが現れる。
【0065】
図6(B)はバッファの構成を示しており、1入力型インバータ回路(Stage1)および2入力型インバータ回路(Stage2〜Stage4)によって構成されている。1入力型インバータ回路、2入力型インバータ回路とも、動作に関してはレベルシフタの項で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0066】
図6(C)は、図2で示したサンプリングスイッチ206の構成を示している。信号入力部(25)より、サンプリングパルスが入力され、並列配置された12個のTFT731が同時に制御される。12個のTFT731の入力電極(1)〜(12)に、アナログ映像信号が入力され、サンプリングパルスが入力されたときの映像信号の電位を、出力電極(13)〜(24)を介してソース線に書き込む働きをする。
【0067】
本実施の形態にて示した表示装置は、画素部を駆動するための駆動回路のトランジスタを、画素TFTと同一の極性を有する単極性で、且つエンハンスメント型のTFTであるとする。これにより、相補型の回路構成とするための工程を省略することが可能となり、製造コストの削減や歩留まり向上に寄与することが出来る。
【0068】
次に、図7において、図1で示した表示装置における、ゲート線駆動回路102の回路構成を示す。クロック信号用レベルシフタ751、スタートパルス用レベルシフタ752、シフトレジスタ781を構成するパルス出力回路753、NAND回路754、バッファ755を有する。
【0069】
ゲート線駆動回路には、第1のクロック信号(CLK1)、第2のクロック信号(CLK2)、スタートパルス(SP)が入力される。これらの入力信号は、外部から低電圧振幅の信号として入力された直後、クロック信号用レベルシフタ751、スタートパルス用レベルシフタ752によって振幅変換を受け、高電圧振幅の信号として駆動回路に入力される。
【0070】
なお、パルス出力回路753、バッファ755、クロック信号用レベルシフタ751、スタートパルス用レベルシフタ752、及びNAND回路754の構成および動作に関しては、ソース線駆動回路に用いたものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0071】
次に、図3(B)に示したパルス出力回路のレイアウト図(上面図)を図8に示す。なお、図8では、複数段形成されるパルス出力回路のうち、一段目にあたるパルス出力回路について示すものである。
【0072】
図8のパルス出力回路は、電源電位VDDが供給される電源線801、電源電位GNDが供給される電源線802、制御信号線803、制御信号線804、制御信号線805、TFT351、TFT352、TFT353、TFT354、TFT355、TFT356、TFT357、TFT358で構成される。
【0073】
図8中では、半導体層806、第1の配線807、第2の配線808、コンタクトホール809について示している。なお第1の配線807は、ゲート電極を兼ねる。また、第2の配線808は、薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極を兼ねる。
【0074】
なお、図8中での各回路素子の接続関係については、図3(B)と同様である。なお、図8中、制御信号線803はスタートパルスSPが供給される配線であり、制御信号線804は第1のクロック信号が供給される配線であり、制御信号線805は第2のクロック信号が供給される配線であり、電源線801は高電源電位VDDが供給される配線であり、電源線802は、低電源電位VSSが供給される配線である。
【0075】
図8のパルス出力回路のレイアウト図において、本実施の形態では、TFT351乃至TFT358をEEMOSで構成とするものである。そのため、TFTを流れるオフ電流を小さくすることができる。
【0076】
なお、図8のパルス出力回路のレイアウト図において、TFT351乃至TFT358のチャネル領域の形状をU字型にしてもよい。また図中では各TFTのサイズについて同サイズとして示しているが、後段の負荷の大きさに応じてTFTの大きさを適宜変更しても良い。
【0077】
次に、図8で説明したレイアウト図における薄膜トランジスタの構造について図9を用いて説明する。図9では、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路、例えば図8におけるTFT354及びTFT355の断面を示して、その作製工程を以下に説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図8中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0078】
なお、本実施の形態における表示装置の画素部及び駆動回路は、同一基板上に形成し、画素部においては、マトリクス状に配置したエンハンスメント型トランジスタを用いて画素電極への電圧印加のオンオフを切り替える。
【0079】
駆動回路のインバータ回路の一形態の断面構造を図9に示す。
【0080】
図9において、TFT354は、基板401上に、ゲート電極403と微結晶半導体層427aと、混合層427bと、非晶質半導体を含む層469と、ゲート電極403及び微結晶半導体層427aの間に設けられるゲート絶縁層409と、非晶質半導体を含む層469に接するソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459、460と、不純物半導体層459、460に接する配線451、452とを有する。
【0081】
TFT354において、ゲート絶縁層409に形成されたコンタクトホール422を介してゲート電極403及び配線451が直接接続する。
【0082】
TFT355は、基板401上に、ゲート電極404と、微結晶半導体層428aと、混合層428bと、非晶質半導体を含む層470と、ゲート電極404及び微結晶半導体層428aの間に設けられるゲート絶縁層409と、非晶質半導体を含む層470に接するソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層461、462と、不純物半導体層461、462に接する配線452、453とを有する。また、TFT354、355の上に絶縁層479が形成される。
【0083】
基板401としては、ガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、基板に透光性を要しない場合には、ステンレス合金等の金属の基板の表面に絶縁層を設けたものを用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板を用いるとよい。また、基板401として、第3世代(550mm×650mm)、第3.5世代(600mm×720mm、又は620mm×750mm)、第4世代(680mm×880mm、又は730mm×920mm)、第5世代(1100mm×1300mm)、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm、2450mm×3050mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等のガラス基板を用いることができる。
【0084】
ゲート電極403、404は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体層やAgPdCu合金を用いてもよい。
【0085】
例えば、ゲート電極403、404の2層の積層構造としては、アルミニウム層上にモリブデン層が積層された二層の積層構造、または銅層上にモリブデン層を積層した二層構造、または銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタル層を積層した二層構造、窒化チタン層とモリブデン層とを積層した二層構造とすることが好ましい。三層の積層構造としては、タングステン層または窒化タングステン層と、アルミニウムとシリコンの合金またはアルミニウムとチタンの合金と、窒化チタン層またはチタン層とを積層した積層とすることが好ましい。電気的抵抗が低い層上にバリア層として機能する金属層が積層されることで、電気的抵抗が低く、且つ金属層から半導体層への金属元素の拡散を防止することができる。
【0086】
なお、ゲート電極403、404と、基板401との密着性向上として、上記の金属材料の窒化物層を、基板401と、ゲート電極403、404との間に設けてもよい。
【0087】
ゲート絶縁層409は、CVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層又は窒化酸化シリコン層を単層で又は積層して形成することができる。また、ゲート絶縁層409を酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンにより形成することで、薄膜トランジスタの閾値電圧の変動を低減することができる。
【0088】
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
【0089】
微結晶半導体層427a、428aを構成する微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは、20nm以上50nm以下の柱状結晶または針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。このため、柱状結晶または針状結晶の界面には、結晶粒界が形成される場合もある。
【0090】
微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。このような微結晶半導体に関する記述は、例えば、米国特許4,409,134号で開示されている。
【0091】
また、微結晶半導体層427a、428aに含まれる酸素及び窒素の二次イオン質量分析法によって計測される濃度は、1×1018atoms/cm3未満とすることで、微結晶半導体層427a、428aの結晶性を高めることができるため好ましい。
【0092】
非晶質半導体を含む層469、470は、非晶質構造を有する。さらには、非晶質構造に加え、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下の結晶粒を含む場合もある。ここでの非晶質半導体を含む層とは、従来の非晶質半導体層と比較して、CPM(Constant photocurrent method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない。即ち、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層である。価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻であるため、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくくなる。
【0093】
なお、非晶質半導体を含む層469、470の非晶質半導体とは、代表的にはアモルファスシリコンである。
【0094】
また、非晶質半導体を含む層469、470は、ハロゲン、窒素、NH基、またはNH2基を有してもよい。
【0095】
図10に、図9のゲート絶縁層409と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459の間の拡大図を示し、混合層427bについて詳細に示す。
【0096】
図10(A)に示すように、混合層427bは、微結晶半導体層427a及び非晶質半導体を含む層469の間に設けられる。また、混合層427bは、微結晶半導体領域429a、及び当該微結晶半導体領域429aの間に充填される非晶質半導体領域429bを有する。具体的には、微結晶半導体層427aから凸状に伸びた微結晶半導体領域429aと、非晶質半導体を含む層469と同様の半導体で形成される非晶質半導体領域429bとで形成される。
【0097】
非晶質半導体を含む層469を、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成することで、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、混合層427bにおいて、錐形状の微結晶半導体領域429aを有するため、薄膜トランジスタがオン状態で配線に電圧を印加したときの縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、混合層427bと、ソース領域またはドレイン領域との間の抵抗を下げることが可能であり、薄膜トランジスタのオン電流を高めることが可能である。
【0098】
なお、混合層427bに含まれる微結晶半導体領域429aは微結晶半導体層427aと概略同質の半導体であり、また、混合層427bに含まれる非晶質半導体領域429bは非晶質半導体を含む層469と概略同質の半導体である。このため、微結晶半導体層と、非晶質半導体を含む層の界面が、混合層における微結晶半導体領域429a及び非晶質半導体領域429bの界面に相当するため、微結晶半導体層と、非晶質半導体を含む層の界面が凹凸状であるともいえる。
【0099】
また、図10(B)に示すように、混合層427bは、微結晶半導体層427a及び不純物半導体層459の間に設けられる構造としてもよい。即ち、混合層427bと不純物半導体層459との間に、非晶質半導体を含む層469が形成されない構造である。このような場合は、図10(B)に示す構造においては、非晶質半導体領域429bに対する微結晶半導体領域429aの割合が低いことが好ましい。この結果、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、混合層427bにおいて、薄膜トランジスタがオン状態で配線に電圧を印加したときの縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、ソース領域またはドレイン領域との間の抵抗を下げることが可能であり、薄膜トランジスタのオン電流を高めることが可能である。
【0100】
微結晶半導体領域429aは、ゲート絶縁層409から非晶質半導体を含む層469へ向けて、先端が狭まる凸状、または錐形状の微結晶半導体である。なお、ゲート絶縁層409から非晶質半導体を含む層469へ向けて幅が広がる凸状、または錐形状の微結晶半導体であってもよい。
【0101】
混合層427bにおいては、微結晶半導体領域429aが、ゲート絶縁層409から非晶質半導体を含む層469へ向けて、先端が狭まる凸状の結晶粒の場合は、微結晶半導体層427a側のほうが、非晶質半導体を含む層469側と比較して、微結晶半導体領域の割合が高い。これは、微結晶半導体層427aの表面から、微結晶半導体領域429aが膜厚方向に成長するが、原料ガスに窒素を含むガスを含ませる、または原料ガスに窒素を含むガスを含ませつつ、微結晶半導体膜の成膜条件よりシランに対する水素の流量を低減すると、微結晶半導体領域429aの結晶粒の成長が抑制され、錐状の結晶粒となるとともに、やがて非晶質半導体領域が堆積するためである。
【0102】
また、混合層427bは、窒素を有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域429aに含まれる結晶粒の界面、微結晶半導体領域429aと非晶質半導体領域429bとの界面において、窒素、代表的にはNH基またはNH2基が、シリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥が低減するためである。このため、混合層427bの窒素濃度を1×1019atoms/cm3以上1×1021atoms/cm3以下、好ましくは1×1020atoms/cm3乃至1×1021atoms/cm3とすることで、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基で架橋しやすくなり、キャリアが流れやすくなる。または、上記した界面における半導体原子のダングリングボンドがNH2基で終端されて、欠陥準位が消失する。この結果、オン状態でソース電極及びドレイン電極の間に電圧が印加されたときの縦方向(厚さ方向)の抵抗が低減する。即ち、薄膜トランジスタの電界効果移動度とオン電流が増加する。
【0103】
また、混合層427bの酸素濃度を低減することにより、微結晶半導体領域429aと非晶質半導体領域429bとの界面や、結晶粒同士の界面における、キャリアの移動を阻害する結合を低減することができる。
【0104】
なお、ここでは、微結晶半導体層427aは、概略厚さが等しい領域をいう。また、微結晶半導体層427aと混合層427bとの界面は、微結晶半導体領域429aと非晶質半導体領域429bとの界面における平坦部において、ゲート絶縁層409に最も近い領域を延長した領域をいう。
【0105】
微結晶半導体層427a及び混合層427bの厚さの合計、即ち、ゲート絶縁層409の界面から、混合層427bの凸部の先端の距離は、3nm以上80nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下とすることで、TFTのオフ電流を低減できる。
【0106】
不純物半導体層459〜462は、リンが添加されたアモルファスシリコン、リンが添加された微結晶シリコン等で形成する。なお、薄膜トランジスタとして、pチャネル型薄膜トランジスタを形成する場合は、不純物半導体層459〜462は、ボロンが添加された微結晶シリコン、ボロンが添加されたアモルファスシリコン等で形成する。なお、混合層427b、428b、または非晶質半導体を含む層469、470と、配線451〜453とがオーミックコンタクトをする場合は、不純物半導体層459〜462を形成しなくともよい。
【0107】
また、不純物半導体層459〜462を、リンが添加された微結晶シリコン、またはボロンが添加された微結晶シリコンで形成する場合は、混合層427b、428bまたは非晶質半導体を含む層469、470と、不純物半導体層459〜462との間に、微結晶半導体層、代表的には微結晶シリコン層を形成することで、界面の特性を向上させることができる。この結果、不純物半導体層459〜462と、混合層427b、428b、または非晶質半導体を含む層469、470との界面に生じる抵抗を低減することができる。この結果、薄膜トランジスタのソース領域、半導体層、及びドレイン領域を流れる電流量を増加させ、オン電流及び電界効果移動度の増加が可能となる。
【0108】
配線451〜453は、アルミニウム、銅、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデン、クロム、タンタル若しくはタングステン等により単層で、又は積層して形成することができる。または、ヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金(ゲート電極403、404に用いることができるアルミニウム−ネオジム合金等)により形成してもよい。ドナーとなる不純物元素を添加した結晶性シリコンを用いてもよい。ドナーとなる不純物元素が添加された結晶性シリコンと接する側の層を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン又はこれらの元素の窒化物により形成し、その上にアルミニウム又はアルミニウム合金を形成した積層構造としても良い。更には、アルミニウム又はアルミニウム合金の上面及び下面を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン又はこれらの元素の窒化物で挟んだ積層構造としてもよい。
【0109】
図9に示すように、TFT354の配線451は、ゲート絶縁層409に形成されたコンタクトホール422を介してTFT354のゲート電極403と直接接続する。直接接続させることにより、良好なコンタクトを得ることができ、接触抵抗を低減することができる。ゲート電極403と配線451を他の導電層、例えば透明導電層を介して接続する場合に比べて、コンタクトホールの数を低減できるため、TFTの占有面積の縮小を図ることができる。
【0110】
次に、図8及び図9のTFT354のゲート電極403及び配線451の接続方法とは異なる構造について、図11及び図12を用いて示す。
【0111】
図11は、図3(B)に示したパルス出力回路のレイアウト図(上面図)である。なお、図11では、複数段形成されるパルス出力回路のうち、一段目にあたるパルス出力回路について示すものである。なお、図8と同様の構成に関しては、説明を省く。図11においては、第1の配線807及び第2の配線808を第3の配線810を用いて接続する。なお、第3の配線810は実施の形態4に示す画素部の画素電極と同時に形成される。
【0112】
図12では、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路、例えば図11におけるTFT354及びTFT355の断面を示して、その作製工程を以下に説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図11中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0113】
図12においては、絶縁層479上に絶縁層481が形成される。また、絶縁層479、481に形成されるコンタクトホールと、ゲート絶縁層409、絶縁層479、481に形成されるコンタクトホールにおいて、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484が形成される。
【0114】
絶縁層481としては、アクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、シリコーン樹脂などを用いることができる。また、シロキサンポリマーを用いることができる。また、絶縁層481は、感光性樹脂または非感光性樹脂を適宜用いることができる。なお、絶縁層481は設けなくともよい。
【0115】
配線484は、実施の形態4に示す画素電極1143と同時に形成することが可能であるため、フォトマスクを追加せずとも、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484を形成することができるため、工程数の削減によりコスト削減が可能である。
【0116】
次に、図8乃至図12に示すTFT354、TFT355とは異なる構造について、図13及び図14を用いて示す。
【0117】
図13は、図3(B)に示したパルス出力回路のレイアウト図(上面図)である。なお、図13では、複数段形成されるパルス出力回路のうち、一段目にあたるパルス出力回路について示すものである。なお、図8と同様の構成に関しては、説明を省く。図13においては、第1の配線807及び第2の配線808を第3の配線810を用いて接続する。また、第2の配線808において、TFTの形成領域における第2の配線808と、TFTの形成領域以外における第2の配線808が、第3の配線810で接続される。なお、第3の配線810は実施の形態4に示す画素部の画素電極と同時に形成される。また、半導体層806は、第1の配線807より面積が狭い。
【0118】
図14では、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路、例えば図13におけるTFT354及びTFT355の断面を示して、その作製工程を以下に説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図13中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0119】
図14に示すTFT354、TFT355は、ゲート電極403、404より微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470の面積が小さく、且つ内側に設けられている。
【0120】
また、配線451〜454は、それぞれ不純物半導体層459〜462に接するのみで、微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470に接しない。また、配線451〜454はそれぞれソース電極及びドレイン電極として機能し、別途、配線452及び配線454を電気的に接続する配線455、及び引き回し配線として機能する配線456がゲート絶縁層409上に設けられる。
【0121】
また、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484a、配線452及び配線455を接続する配線484b、配線454及び配線455を接続する配線484c、配線453及び配線456を接続する配線484dが絶縁層481上に形成される。なお、絶縁層481を形成せず、絶縁層479上に配線484a〜484dを形成してもよい。
【0122】
図13及び図14に示すTFT354、TFT355は、ゲート電極403、404より微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470の面積が小さく、且つ内側に設けられているため、液晶表示装置のバックライトが微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470に照射されることが無く、オフ電流の上昇を抑制することができる。さらに、微結晶半導体層427a、428aに配線が接すると、ゲート電極403、404に電圧が印加されたときに、微結晶半導体層427a、428a及び配線の間でショットキー接合が生じ、リーク電流が流れてしまうが、図14に示すTFT354、355は、微結晶半導体層427a、428aと、配線451〜454とが接していないため、リーク電流を低減することが可能であり、即ち薄膜トランジスタのオフ電流を低減することが可能である。
【0123】
以上、図9乃至図14では、オン電流が高く、オフ電流を抑えた薄膜トランジスタを用いて駆動回路を形成することができる。さらには、リーク電流の低いエンハンスメント型のTFTで、駆動回路を構成することで、消費電力を低減することができる。
【0124】
次に、図9で示した、2つのnチャネル型の薄膜トランジスタを用いて駆動回路を構成するインバータ回路の断面図の作製工程を、図15で説明する。なお、TFT354及びTFT355の断面は、図8中の点線A−B、及びC−Dについて示すものである。
【0125】
図15(A)に示すように、基板401上にゲート電極403、404を形成する。次に、ゲート電極403、404を覆ってゲート絶縁層409、第1の半導体層410を形成する。
【0126】
ゲート電極403、404は、基板401上に、スパッタリング法又は真空蒸着法を用いて上記した材料により導電層を形成し、該導電層上にフォトリソグラフィ法又はインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電層をエッチングして形成することができる。また、銀、金又は銅等の導電性ナノペーストをインクジェット法により基板上に吐出し、焼成することで形成することもできる。なお、ゲート電極403、404と、基板401との密着性向上及び下地への拡散を防ぐバリアメタルとして、上記の金属材料の窒化物層を、基板401と、ゲート電極403、404との間に設けてもよい。ここでは、基板401上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングする。
【0127】
なお、フォトリソグラフィ工程においては、レジストを基板全面に塗布してもよいが、レジストマスクを形成する領域に印刷法によりレジストを印刷した後、露光することで、レジストを節約することが可能であり、コスト削減が可能である。また、露光機を用いてレジストを露光する代わりに、レーザビーム直描装置によってレジストを露光してもよい。
【0128】
また、ゲート電極403、404の側面は、テーパー形状とすることが好ましい。ゲート電極403、404上には、後の工程で半導体層及び配線層を形成するので、段差の箇所における配線切れ防止のためである。ゲート電極403、404の側面をテーパー形状にするためには、レジストマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。
【0129】
また、ゲート電極403、404を形成する工程によりゲート配線(走査線)及び容量配線も同時に形成することができる。なお、走査線とは画素を選択する配線をいい、容量配線とは画素の容量素子の一方の電極に接続された配線をいう。ただし、これに限定されず、ゲート配線及び容量配線の一方又は双方と、ゲート電極403、404とは別に設けてもよい。
【0130】
ゲート絶縁層409は、CVD法又はスパッタリング法等を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層409は、高周波数(1GHz以上)のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて形成してもよい。マイクロ波プラズマCVD装置を用いて高い周波数によりゲート絶縁層409を形成すると、ゲート電極と、ドレイン電極及びソース電極との間の耐圧を向上させることができるため、信頼性の高い薄膜トランジスタを得ることができる。また、ゲート絶縁層409として、有機シランガスを用いたCVD法により酸化シリコン層を形成することで、ゲート絶縁層の水素含有量を低減することが可能であり、薄膜トランジスタのしきい値電圧の変動を低減することができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
【0131】
第1の半導体層410としては、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を用いて形成する。第1の半導体層410は、1nm以上20nm以下、好ましくは3nm以上10nm以下の厚さで形成する。
【0132】
第1の半導体層410は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。または、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、ヘリウム、ネオン、クリプトン等の希ガスとを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対して、水素の流量を10〜2000倍、好ましくは10〜200倍に希釈して、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を形成する。
【0133】
シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の代表例としては、SiH4、Si2H6、GeH4、Ge2H6等がある。
【0134】
第1の半導体層410の原料ガスとして、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスを用いることで、第1の半導体層410の成膜速度が高まる。また、成膜速度が高まることで、第1の半導体層410に含まれる不純物量が低減し、第1の半導体層410の結晶性が高まる。このため、薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度が高まると共に、表示装置の生産性を高めることができる。
【0135】
なお、第1の半導体層410を形成する前に、CVD装置の処理室内を排気しながら、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体を導入して、処理室内の不純物元素を除去することで、後に形成される薄膜トランジスタのゲート絶縁層409及び第1の半導体層410における不純物元素を低減することが可能であり、薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
【0136】
次に、図15(B)に示すように、第1の半導体層410上に半導体層を堆積して、第2の半導体層411を形成する。ここでは、第1の半導体層410を種結晶として、部分的に結晶成長させる条件で、微結晶半導体層411a、混合層411b、非晶質半導体を含む層411cを有する第2の半導体層411を形成する。なお、ここでは、便宜的に第2の半導体層411には第1の半導体層410も含む構造、即ち、第1の半導体層410が微結晶半導体層411aに含まれる構造を示す。
【0137】
第2の半導体層411は、プラズマCVD装置の処理室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、窒素を含む気体とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。窒素を含む気体としては、アンモニア、窒素、フッ化窒素、塩化窒素等があるが、これに限定されず窒素を有する気体であればよい。
【0138】
このとき、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素との流量比は、第1の半導体層410と同様に微結晶半導体層を形成する条件を用い、原料ガスに窒素を含む気体を用いることで、第1の半導体層410の成膜条件よりも、結晶成長を低減する条件とすることができる。この結果、第2の半導体層411において、混合層411b、及び欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成される非晶質半導体を含む層411cを形成することができる。
【0139】
ここでは、微結晶半導体層を形成する条件の代表例は、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量が10〜2000倍、好ましくは10〜200倍である。なお、通常の非晶質半導体層を形成する条件の代表例は、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量は0〜5倍である。
【0140】
また、第2の半導体層411の原料ガスに、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、またはクリプトン等の希ガスを導入することで、成膜速度を高めることができる。
【0141】
第2の半導体層411の堆積初期においては、第1の半導体層410を種結晶として、第1の半導体層410上全体に微結晶半導体層が堆積される(堆積初期)。この後、部分的に、結晶成長が抑制され、錐形状の微結晶半導体領域が成長する(堆積中期)。さらに、錐形状の微結晶半導体領域の結晶成長が抑制され、非晶質半導体を含む層が形成される(堆積後期)。
【0142】
このことから、図9、図10、図12、及び図14に示す微結晶半導体層427a、428aは、図15(A)に示す第1の半導体層410及び、第2の半導体層411の堆積初期に形成される微結晶半導体層、即ち図15(B)に示す微結晶半導体層411aに相当する。
【0143】
また、図9、図10、図12、及び図14に示す混合層427b、428bは、図15(B)に示す第2の半導体層411の堆積中期に形成される錐状の微結晶半導体領域及びその間を充填する非晶質半導体領域を有する層、即ち、混合層411bに相当する。
【0144】
また、図9、図10、図12、及び図14に示す非晶質半導体を含む層469、470は、図15(B)に示す第2の半導体層411の堆積後期に形成される非晶質半導体を含む層411cに相当する。
【0145】
非晶質半導体を含む層411cは、図9に示す469、470と同様の半導体層であり、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成される半導体層であるため、アモルファスシリコンのバンドギャップのバンドテールと比較して、傾斜が急峻となり、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくくなる。この結果、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、薄膜トランジスタのしきい値電圧のシフト量を低減することができる。
【0146】
次に、図15(B)に示すように、第2の半導体層411上に、不純物半導体層417を形成する。
【0147】
不純物半導体層417は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、フォスフィン(水素希釈またはシラン希釈)とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコンまたはゲルマニウムを含む堆積性気体を水素で希釈して、リンが添加されたアモルファスシリコン、リンが添加された微結晶シリコン、リンが添加されたアモルファスシリコンゲルマニウム、リンが添加された微結晶シリコンゲルマニウム、リンが添加されたアモルファスゲルマニウム、リンが添加された微結晶ゲルマニウム等を形成する。
【0148】
次に、不純物半導体層417上に、フォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成した後、当該レジストマスクを用いて、第2の半導体層411、不純物半導体層417を素子毎に分離して、第2の半導体層427(微結晶半導体層427a、混合層427b、及び非晶質半導体を含む層427cの積層体)、第2の半導体層428(微結晶半導体層428a、混合層428b、及び非晶質半導体を含む層428cの積層体)、及び不純物半導体層423、424を形成する。この後、レジストマスクを除去する。
【0149】
次に、ゲート絶縁層409上に、フォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成した後、当該レジストマスクを用いて、ゲート絶縁層にコンタクトホール422を形成する。次に、導電層419を形成する。
【0150】
なお、コンタクトホール422は、第1の半導体層410を形成する前に、形成してもよい。
【0151】
導電層419は、図9に示す配線451〜453と同様の材料を適宜用いることができる。導電層419は、CVD法、スパッタリング法又は真空蒸着法を用いて形成する。また、導電層419は、銀、金又は銅等の導電性ナノペーストを用いてスクリーン印刷法又はインクジェット法等を用いて吐出し、焼成することで形成しても良い。
【0152】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて導電層419をエッチングし、配線451〜453を形成する。導電層419のエッチングは、ウエットエッチングを用いることが好ましい。ウエットエッチングにより、導電層419が等方的にエッチングされる。その結果、配線451〜453はレジストマスクよりも内側に後退する。配線451〜453は、ソース電極及びドレイン電極のみならず信号線としても機能する。ただし、これに限定されず、信号線とソース電極及びドレイン電極とは別に設けてもよい。
【0153】
次に、レジストマスクを用いて、不純物半導体層423、424、非晶質半導体を含む層427c、428cのそれぞれ一部をエッチングする。ここでは、ドライエッチングを用いる。本工程までで、電界緩和バッファ層として機能する非晶質半導体を含む層469、470、不純物半導体層459〜462が形成される。この後、レジストマスクを除去する。
【0154】
なお、ここでは、導電層419をウエットエッチングした後、レジストマスクを残したまま、非晶質半導体を含む層427c、428c、不純物半導体層423、424のそれぞれ一部をドライエッチングしたため、導電層419が等方的にエッチングされ、配線451〜453の側面と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459〜462の側面は一致せず、配線451〜453の側面の外側に、不純物半導体層459〜462の側面が形成される形状となる。しかしながら、導電層419をウエットエッチングした後、レジストマスクを除去し、配線451〜453をマスクとして、非晶質半導体を含む層427c、428c、不純物半導体層423、424のそれぞれ一部をドライエッチングすると、配線451〜453及び不純物半導体層423、424の端部が略一致する構造となる。
【0155】
次に、レジストマスクを除去した後、ドライエッチングを行うとよい。ドライエッチングの条件は、露出している非晶質半導体を含む層469、470にダメージが入らず、且つ非晶質半導体を含む層469、470に対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出している非晶質半導体を含む層469、470表面にほとんどダメージを与えず、且つ露出している非晶質半導体を含む層469、470の厚さがほとんど減少しない条件を用いる。エッチングガスとしては、Cl2、CF4、またはN2等を用いる。また、エッチング方法については特に限定はなく、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)方式、電子サイクロトン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance)方式、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式等を用いることができる。
【0156】
次に、非晶質半導体を含む層469、470の表面に水プラズマ、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ等を照射してもよい。
【0157】
水プラズマ処理は、反応空間に水蒸気(H2O蒸気)に代表される、水を主成分とするガスを導入し、プラズマを生成して、行うことができる。
【0158】
上記したように、非晶質半導体を含む層469、470を形成した後に、非晶質半導体を含む層469、470にダメージを与えない条件で更なるドライエッチングを行うことで、非晶質半導体を含む層469、470上に存在する残渣などの不純物を除去することができる。また、ドライエッチングに続けて水プラズマ処理を行うことで、レジストマスクの残渣を除去することができる。水プラズマ処理を行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものにすることができ、完成する薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0159】
次に、絶縁層479を形成する(図15(D)参照)。
【0160】
絶縁層479は、ゲート絶縁層409と同様に形成することができる。
【0161】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。また、TFT354及びTFT355で構成されるEEMOS回路を形成することができる。なお、図15(D)のA−B、C−Dの断面図は、図9で示す駆動回路の断面図におけるA−B、C−Dに相当する。
【0162】
次に、図12に示す駆動回路の作製工程を図15及び図16を用いて説明する。図12に示す駆動回路は、図9に示す駆動回路と比較して、ゲート電極403及び配線451が直接接せず、導電層を介して電気的に接続する点が異なる。
【0163】
図15(A)乃至図15(C)を経て、ゲート絶縁層409上に第2の半導体層427、428、不純物半導体層423、424を形成した後、導電層419を形成する。なお、ここでは、導電層419を形成する前に、ゲート電極403を露出するコンタクトホールは、ゲート絶縁層409に形成しない。
【0164】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層419をエッチングして、配線451〜453を形成する。次に、不純物半導体層423、424、及び非晶質半導体を含む層427c、428cの一部をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459〜462、電界緩和バッファ層として機能する非晶質半導体を含む層469、470を形成する(図16(A)参照)。
【0165】
次に、絶縁層479を形成した後、絶縁層481を形成する。絶縁層481は平坦化層として機能するため、設けることが好ましいが、必須ではない。
【0166】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層481及び絶縁層479をエッチングして、コンタクトホールを形成する。次に、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484を形成する。配線484は、実施の形態4で示す画素部の画素電極と同時に形成することが可能であるため、フォトマスク枚数を増やさずとも、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484を形成することができる。なお、絶縁層481に感光性樹脂を用いた場合は、レジストマスクを用いず、絶縁層481を露光し現像して、絶縁層481の開口部を形成することができる。また、当該開口部を有する絶縁層481をマスクとして、絶縁層479、ゲート絶縁層409をエッチングして、コンタクトホールを形成することができる。
【0167】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。また、TFT354及びTFT355で構成されるEEMOS回路を形成することができる。なお、図16(D)のA−B、C−Dの断面図は、図11で示す駆動回路の平面図におけるA−B、C−Dに相当する。
【0168】
次に、図14及び図15を用いて駆動回路の作製工程を説明する。図14に示す駆動回路は、図9に示す駆動回路と比較して、微結晶半導体層427a、428aの面積がゲート電極403、404の面積より小さく、且つ配線451〜454が微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、及び非晶質半導体を含む層469、470に接しない点が異なる。また、ソース電極とソース配線とが、分離されている点が異なる。
【0169】
図15(A)乃至図15(C)を経て、ゲート絶縁層409上に第2の半導体層427、428、不純物半導体層423、424を形成した後、導電層419を形成する。なお、ここでは、導電層419を形成する前に、ゲート電極403を露出するコンタクトホールは、ゲート絶縁層409に形成しない。
【0170】
次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層419をエッチングして、配線451〜456を形成する。なお、当該工程において、不純物半導体層459〜462の上面にのみ配線451〜454が形成される。また、配線451〜454と分離された配線455、456がゲート絶縁層409上にされる(図14参照)。
【0171】
次に、図15(D)の工程を経て、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459〜462、電界緩和バッファ層として機能する非晶質半導体を含む層469、470を形成する。
【0172】
次に、絶縁層479を形成した後、絶縁層481を形成する。次に、フォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層481及び絶縁層479をエッチングして、コンタクトホールを形成する。次に、ゲート電極403及び配線451を接続する配線484aを形成すると共に、配線452及び配線455を接続する配線484b、配線454及び配線455を接続する配線484c、配線453及び配線456を接続する配線484dを形成する。
【0173】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。また、TFT354及びTFT355で構成されるEEMOS回路を形成することができる。図14に示すTFT354、355は、微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470の面積がゲート電極403、404より小さく、且つ内側に設けられているため、液晶表示装置のバックライトが微結晶半導体層427a、428a、混合層427b、428b、非晶質半導体を含む層469、470に照射されることが無く、オフ電流の上昇を抑制することができる。さらに、微結晶半導体層427a、428aに配線が接すると、ゲート電極403、404に電圧が印加されたときに、微結晶半導体層427a、428a及び配線の間でショットキー接合が生じ、リーク電流が流れてしまうが、図14に示すTFT354、355は、微結晶半導体層427a、428aと、配線とが接していないため、リーク電流を低減することが可能であり、即ちTFTのオフ電流を低減することが可能である。
【0174】
なお、図15(C)に示すコンタクトホール422を形成した後、導電層419を形成する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁層409の表面、不純物半導体層423、424の表面、及びコンタクトホール422の底面に付着しているゴミを除去することが好ましい。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウムなどを用いてもよい。また、アルゴン雰囲気に酸素、水素、N2Oなどを加えた雰囲気で行ってもよい。また、アルゴン雰囲気にCl2、CF4などを加えた雰囲気で行ってもよい。
【0175】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
【0176】
本実施の形態により、表示装置に単一極性の薄膜トランジスタで構成される駆動回路を形成すること可能であり、表示装置のコストを低減しつつ、且つ画像の表示特性を向上させることができる。駆動回路をEEMOS回路を用いて形成するため、低消費電力の表示装置を作製することができる。
【0177】
また、微結晶半導体をチャネル形成領域に用いる薄膜トランジスタは、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタに比べ、電界効果移動度及びオン電流が高く、電気的特性に優れるため、性能を落とすことなく、駆動回路における薄膜トランジスタが占める面積を縮小することができる。このため、表示装置の狭額縁化が可能である。
【0178】
(実施の形態2)
上記実施の形態においては、表示装置の駆動回路におけるシフトレジスタとして、スタティック回路によるシフトレジスタにおける一例について示したが、本実施の形態では、ダイナミック回路によるシフトレジスタを用いて駆動回路を構成する一例について説明する。
【0179】
図17(A)乃至(D)を用いて、ダイナミック回路によるシフトレジスタが有するパルス出力回路の構成を説明する。図17(A)に示すパルス出力回路1400は、一例として、スタートパルスSPが入力端子より入力されるインバータ回路1401と、インバータ回路1401の出力端子に一方の端子が接続されたスイッチ1402と、スイッチ1402の他方の端子に接続された容量素子1403と、で構成される。なお、奇数段目のパルス出力回路のスイッチ1402は、第1のクロック信号(CLK1)によってオンまたはオフは制御される。また偶数段目のパルス出力回路のスイッチ1402は、第2のクロック信号(CLK2)によってオンまたはオフが制御される。
【0180】
図17(B)は、パルス出力回路の回路構成を詳細に示したものである。パルス出力回路1400は、TFT1411、TFT1412、TFT1413、容量素子1414を有する。また奇数段目のパルス出力回路は、第1のクロック信号CLK1を供給するための配線1415、偶数段目のパルス出力回路は第2のクロック信号CLK2を供給するための配線1416に接続されている。パルス出力回路1400において、TFT1411及びTFT1412は、図17(A)で示したインバータ回路1401に相当し、EEMOS回路で構成される。また、TFT1413は、図17(A)で示したスイッチ1402に相当する。容量素子1414は、図17(A)で示した容量素子1403に相当する。なおTFT1413は、TFT1411及びTFT1412と同様に、エンハンスメント型トランジスタで構成することが好ましい。スイッチとしてエンハンスメント型トランジスタを用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができるため、低消費電力化が図れるとともに、作製プロセスを簡略化することができる。
【0181】
ここで、図17(A)、(B)で示した回路の回路動作について、図17(C)にタイミングチャートを示す。なお、図17(C)では、説明のため、図17(B)中の回路のノードについてA乃至Eの符号を付して説明するものとする。まず、スタートパルスSPがTFT1411に入力され、スタートパルスSPの反転した信号がノードAに現れる。ノードAの信号は、第1のクロック信号CLK1がHレベルのときノードBに移り、ノードBにノードAの信号が反映されて現れる。そして、ノードBの信号は、インバータ回路によって反転され、ノードCにノードBの反転した信号が現れる。ノードCの信号は、第2のクロック信号CLK2がLレベルにあってスイッチが閉じているため、ノードDには現れない。次に第1のクロック信号CLK1がLレベルにあって第2のクロック信号CLK2がHレベルになると、ノードCの信号はノードDに移り、ノードDにノードCの信号が反映されて現れる。そして、ノードDの信号は、インバータ回路によって反転され、ノードEにノードDの反転した信号が現れる。そして第1のクロック信号CLK1及び第2のクロック信号CLK2を交互にHレベルとすることで、図17(A)、(B)で示した回路をシフトレジスタとして機能させることができる。
【0182】
なお、図17(B)で説明したパルス出力回路の回路例について、トランジスタのしきい値電圧の分、出力信号の電位が低下してしまうことがある。そのため、図17(D)に示すブートストラップ法を用いるインバータ回路でパルス出力回路を構成することで、信号の電位の低下を招くことなく、シフトレジスタとしての機能を行うことができる。
【0183】
また図17(B)とは、別の回路構成について、図18(A)に示す。図18(A)に示すパルス出力回路1500は、TFT1501、TFT1502、TFT1503、容量素子1504を有する。また奇数段目のパルス出力回路は、第1のクロック信号CLK1を供給するための配線1505、偶数段目のパルス出力回路は第2のクロック信号CLK2を供給するための配線1506に接続されている。パルス出力回路1500において、TFT1501及びTFT1502は、図17(A)で示したインバータ回路1401に相当し、EEMOS回路で構成される。また、TFT1503は、図17(A)で示したスイッチ1402に相当する。容量素子1504は、図17(A)で示した容量素子1403に相当する。なおTFT1503は、TFT1501及びTFT1502と同様に、エンハンスメント型トランジスタで構成することが好ましい。スイッチとしてエンハンスメント型トランジスタを用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができるため、低消費電力化が図れるとともに、作製プロセスを簡略化することができる。
【0184】
図18(A)に示すパルス出力回路が図17(B)と異なる点は、TFT1502のゲート端子に、第1のクロック信号CLK1を供給するための、配線1505が接続されている点にある。図18(A)に示すパルス出力回路1500は、図18(B)に示すタイミングチャートにように動作し、第1のクロック信号CLK1がHレベルにあるとき、スタートパルスSPがHレベルならばノードA、ノードB共にLレベルとなり、スタートパルスSPがLレベルならば、ノードA、ノードB共にHレベルとなる。そして、第1のクロック信号CLK1がLレベルにあるとき、ノードBの電位が保持することができる。すなわち、TFT1502を第1のクロック信号CLK1でオンまたはオフを制御することにより、TFT1503のオンまたはオフに同期して制御することができる。そのため、インバータ回路を構成するTFTが共に導通状態にある際の、高電源電位が供給される配線と低電源電位が供給される配線の間を流れてしまう電流を低減することができ、低消費電力化を図ることができる。
【0185】
なお、本実施の形態で示すパルス出力回路を具備するシフトレジスタは、ソース線駆動回路、及びゲート線駆動回路に用いることができる。なおシフトレジスタより出力される信号は、論理回路等を介して出力し、所望の信号を得る構成としても良い。
【0186】
なお、本実施の形態で説明したダイナミック回路を構成するインバータ回路においても、実施の形態1と同様の薄膜トランジスタを用いて形成することができるため、単一極性の薄膜トランジスタで構成される駆動回路を形成すること可能であり、表示装置のコストを低減しつつ、且つ画像の表示特性を向上させることができる。EEMOS回路を用いて駆動回路を形成するため、低消費電力の表示装置を作製することができる。
【0187】
また、微結晶半導体をチャネル形成領域に用いる薄膜トランジスタは、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタに比べ、電界効果移動度及びオン電流が高く、電気的特性に優れるため、性能を落とすことなく、駆動回路における薄膜トランジスタが占める面積を縮小することができる。このため、表示装置の狭額縁化が可能である。
【0188】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0189】
(実施の形態3)
本実施の形態では、しきい値電圧の変動の少ない表示装置のシフトレジスタの基本構成について、図面を参照して説明する。図19は、シフトレジスタが有する複数のフリップフロップのうち、ある1段(例えば1段目)のフリップフロップを示している。
【0190】
図19に示すフリップフロップは、第1の薄膜トランジスタ1301、第2の薄膜トランジスタ1302、第3の薄膜トランジスタ1303、第4の薄膜トランジスタ1304及び第5の薄膜トランジスタ1305を有する。なお、フリップフロップは、第1の配線1311、第2の配線1312、第3の配線1313、第4の配線1314、第5の配線1315、第6の配線1316及び第7の配線1317に接続されている。本実施の形態において、第5の薄膜トランジスタ1305はNチャネル型薄膜トランジスタとし、そのゲートとソース間の電圧(Vgs)がしきい値電圧(Vth)を上回ったとき、導通状態になるものとする。なお、第7の配線1317を、第3の信号線と呼んでもよい。
【0191】
第1の薄膜トランジスタ1301の第1端子(ソース端子及びドレイン端子の一方)は第1の配線1311に接続され、第2端子(ソース端子及びドレイン端子の他方)は第2の薄膜トランジスタ1302のゲート端子に接続され、ゲート端子は第5の配線1315に接続されている。第3の薄膜トランジスタ1303の第1端子は第2の薄膜トランジスタ1302のゲート端子に接続され、第2端子は第2の配線1312に接続され、ゲート端子は第4の配線1314に接続されている。第2の薄膜トランジスタ1302の第1端子は第3の配線1313に接続され、第2端子は第6の配線1316に接続されている。第4の薄膜トランジスタ1304の第1端子は第6の配線1316に接続され、第2端子は第2の配線1312に接続され、ゲート端子は第4の配線1314に接続されている。第5の薄膜トランジスタ1305の第1端子は第6の配線1316に接続され、第2端子は第2の配線1312に接続され、ゲート端子は第7の配線1317に接続されている。
【0192】
なお、第3の薄膜トランジスタ1303の第2端子、第4の薄膜トランジスタ1304の第2端子及び第5の薄膜トランジスタ1305の第2端子は、第2の配線1312に接続されているとは限定されず、別々の配線に接続されていてもよい。また、第3の薄膜トランジスタ1303のゲート端子及び第4の薄膜トランジスタ1304のゲート端子は第4の配線1314に接続されているとは限定されず、別々の配線に接続されていてもよい。
【0193】
次に、図19で示したフリップフロップの動作について、図20のタイミングチャートを参照して説明する。なお、図20において、セット期間、選択期間、非選択期間について説明する。なお、非選択期間は、第1の非選択期間、第2の非選択期間及び第3の非選択期間に分割され、第1の非選択期間、第2の非選択期間及び第3の非選択期間を順に繰り返している。
【0194】
なお、第1の配線1311にはV1の電位が、第2の配線1312にはV2の電位が供給されている。ただし、V1>V2とする。
【0195】
ただし、第1の配線1311にはV1の電位が供給されているとは限定されず、他の電位が供給されていてもよいし、デジタル信号又はアナログ信号が入力されていてもよい。また、第2の配線1312にはV2の電位が供給されているとは限定されず、他の電位が供給されていてもよいし、デジタル信号又はアナログ信号が入力されていてもよい。
【0196】
なお、第3の配線1313、第4の配線1314及び第5の配線1315には信号が入力されている。第3の配線1313に入力される信号は第1のクロック信号であり、第4の配線1314に入力される信号は第2のクロック信号であり、第5の配線1315に入力される信号はスタート信号である。また、第3の配線1313、第4の配線1314及び第5の配線1315に入力される信号は、H信号の電位がV1(以下、Hレベルともいう)、L信号の電位がV2(以下、Lレベルともいう)のデジタル信号である。
【0197】
ただし、第3の配線1313には第1のクロック信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。また、第4の配線1314には第2のクロック信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。また、第5の配線1315にはスタート信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。
【0198】
また、第3の配線1313、第4の配線1314及び第5の配線1315に入力される信号のH信号の電位はV1、L信号の電位はV2とは限定されず、H信号の電位がL信号の電位よりも高ければ、それらの電位は特に限定されない。
【0199】
なお、第6の配線1316からは信号が出力される。第6の配線1316から出力される信号は、フリップフロップの出力信号であり、次の段のフリップフロップのスタート信号でもある。また、第6の配線1316から出力される信号は、次の段のフリップフロップの第5の配線1315に入力される。また、第6の配線1316から出力される信号は、H信号の電位がV1(以下、Hレベルともいう)、L信号の電位がV2(以下、Lレベルともいう)のデジタル信号である。
【0200】
なお、第7の配線1317には信号が入力されている。第7の配線1317に入力される信号は、第3のクロック信号である。また、第7の配線1317に入力される信号は、H信号の電位がV1(以下、Hレベルともいう)、L信号の電位がV2(以下、Lレベルともいう)のデジタル信号である。
【0201】
ただし、第7の配線1317には第3のクロック信号が入力されているとは限定されず、他の信号が入力されてもよいし、一定の電位又は電流が入力されていてもよい。
【0202】
図20において、信号1323は第3の配線1313に入力される信号であり、信号1324は第4の配線1314に入力される信号であり、信号1325は第5の配線1315に入力される信号であり、信号1326は第6の配線1316から出力される信号であり、信号1327は第7の配線1317に入力される信号である。また、電位1331は図19のノード121の電位である。
【0203】
まず、図20の期間(A)に示すセット期間では、信号1323がLレベルであり、信号1324がLレベルになり、信号1325がHレベルとなる。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304はオフとなり、第1の薄膜トランジスタ1301はオンとなる。このとき、第1の薄膜トランジスタ1301の第2端子がソース端子となり、ノード121の電位(電位1331)は第5の配線1315の電位から第1の薄膜トランジスタ1301のしきい値電圧(Vth1301)を引いた値になるため、V1−Vth1301となる。よって、第2の薄膜トランジスタ1302はオンとなり、第6の配線1316の電位は第3の配線1313の電位と等しくなるためV2となる。このように、セット期間では、フリップフロップは第2の薄膜トランジスタ1302をオンしたまま、Lレベルを第6の配線1316から出力する。
【0204】
図20の期間(B)に示す選択期間では、信号1323がHレベルとなり、信号1324がLレベルのままであり、信号1325がLレベルとなる。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304はオフのままであり、第1の薄膜トランジスタ1301はオフとなる。このとき、第2の薄膜トランジスタ1302の第2端子がソース端子となり、第6の配線1316の電位が上昇し始める。ノード121の電位(電位1331)は、ノード121が浮遊状態(以下、フローティング状態ともいう)となっているため、第2の薄膜トランジスタ1302のゲート端子と第2端子との間の寄生容量の容量結合により第6の配線1316の電位と同時に上昇する(ブートストラップ動作ともいう)。よって、第2の薄膜トランジスタ1302のゲートとソース間の電圧VgsはVth1302+α(Vth1302:第2の薄膜トランジスタ1302のしきい値電圧、α:任意の正の数)となり、第6の配線1316の電位はHレベル(V1)となる。このように、選択期間では、フリップフロップはノード121の電位をV1+Vth1302+αにすることによって、Hレベルを第6の配線1316から出力することができる。
【0205】
図20の期間(C)に示す第1の非選択期間では、信号1323がLレベルとなり、信号1324がHレベルとなり、信号1325がLレベルのままである。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304がオンとなり、第1の薄膜トランジスタ1301はオフのままである。ノード121及び第6の配線1316は、それぞれ第3の薄膜トランジスタ1303、第4の薄膜トランジスタ1304を介して第2の配線1312の電位が供給されるためLレベルとなる。
【0206】
図20の期間(D)に示す第2の非選択期間では、信号1323がLレベルのままであり、信号1324がLレベルとなり、信号1325がLレベルのままである。したがって、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304がオフとなり、第1の薄膜トランジスタ1301はオフのままである。したがって、ノード121及び第6の配線1316はLレベルを維持する。
【0207】
図20の期間(E)に示す第3の非選択期間では、信号1323がHレベルとなり、信号1324がLレベルのままであり、信号1325がLレベルのままである。したがって、第1の薄膜トランジスタ1301、第3の薄膜トランジスタ1303及び第4の薄膜トランジスタ1304がオフのままである。したがって、ノード121及び第6の配線1316はLレベルを維持する。
【0208】
ここで、第5の薄膜トランジスタ1305が有する機能を説明する。第5の薄膜トランジスタ1305は、第2の配線1312の電位を第6の配線1316に供給するタイミングを選択する機能を有し、スイッチング薄膜トランジスタとして機能する。
【0209】
図19のフリップフロップでは、セット期間及び第2の非選択期間において、第5の薄膜トランジスタ1305がオンとなる。そして、第6の配線1316は、第5の薄膜トランジスタ1305を介して第2の配線1312の電位が供給されるためLレベルを維持する。
【0210】
なお、図19と同様の動作を行うものであれば、薄膜トランジスタの配置及び数などは図19に限定されない。よって、薄膜トランジスタ、その他の素子(抵抗素子、容量素子など)、ダイオード、スイッチ、様々な論理回路などを新たに配置してもよい。
【0211】
以上のことから、図19のフリップフロップは、第1の非選択期間、第2の非選択期間、第3の非選択期間のうち、第1の非選択期間及び第2の非選択期間において、第6の配線1316にV2が供給されるためフリップフロップの誤動作をさらに抑制することができる。なぜなら、非選択期間において、一定期間毎(第1の非選択期間及び第2の非選択期間)に第6の配線1316にV2が供給されており、第6の配線1316の電位を安定してV2に維持することができるからである。
【0212】
さらに、図19のフリップフロップの第5の薄膜トランジスタ1305は、セット期間及び第2の非選択期間のみでオンとなるため、第5の薄膜トランジスタ1305の特性劣化を抑制することができる。
【0213】
なお、図19のフリップフロップは、第1の薄膜トランジスタ1301、第2の薄膜トランジスタ1302、第3の薄膜トランジスタ1303、第4の薄膜トランジスタ1304及び第5の薄膜トランジスタ1305が全てNチャネル型薄膜トランジスタで構成されていることを特徴とする。したがって、製造工程の簡略化を図ることができ、製造コストの削減や歩留まりの向上を図ることができる。さらに、大型の表示パネルなどの表示装置を作製することも可能となる。
【0214】
また、図19のフリップフロップは、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるため、長寿命な表示パネルなどの表示装置を作製することができる。
【0215】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0216】
(実施の形態4)
本実施の形態では、駆動回路を含む表示装置における画素部の作製工程について、図21乃至図26を用いて説明する。
【0217】
はじめに、図24に示す画素の上面構造を有する表示装置の素子基板の作製方法について、図21乃至図23を用いて示す。
【0218】
まず、基板1101上にゲート電極1103、及び容量配線1105を形成する(図21(A)を参照)。
【0219】
基板1101としては、実施の形態1に示す基板401を適宜用いることができる。
【0220】
ゲート電極1103及び容量配線1105は、実施の形態1に示すゲート電極403、404に示す材料及び作製方法を適宜用いて形成する。なお、ゲート電極1103及び容量配線1105と、基板1101との密着性向上として、上記の金属材料の窒化物層を、基板1101と、ゲート電極1103及び容量配線1105との間に設けてもよい。ここでは、基板1101上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングする。
【0221】
なお、ゲート電極1103及び容量配線1105の側面は、テーパー形状とすることが好ましい。ゲート電極1103上には、後の工程で半導体層及び配線層を形成するので、段差の箇所における配線切れ防止のためである。ゲート電極1103、及び容量配線1105の側面をテーパー形状にするためには、レジストマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。例えば、エッチングガスに酸素ガスを含ませることでレジストを後退させつつエッチングを行うことが可能である。
【0222】
また、ゲート電極1103をゲート配線(走査線)と兼ねて形成することができる。なお、走査線とは画素を選択する配線をいい、容量配線とは画素の容量素子の一方の電極に接続された配線をいう。ただし、これに限定されず、ゲート配線及び容量配線の一方又は双方と、ゲート電極1103とは別に設けてもよい。
【0223】
次に、ゲート電極1103を覆ってゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109を形成する。
【0224】
ゲート絶縁層1107は、実施の形態1に示すゲート絶縁層409の材料及び作製方法を適宜用いて形成することができる。
【0225】
第1の半導体層1109としては、実施の形態1に示す第1の半導体層410を用いて形成する。
【0226】
次に、図21(B)に示すように、第1の半導体層1109上に、半導体層を堆積して、第2の半導体層1111を形成する。ここでは、第1の半導体層1109を種結晶として、部分的に結晶成長させる条件で、微結晶半導体層1111a、混合層1111b、非晶質半導体を含む層1111cを有する第2の半導体層1111を形成する。第2の半導体層1111上に、不純物半導体層1115を形成する。
【0227】
第2の半導体層1111としては、実施の形態1に示す第2の半導体層411を用いて形成する。
【0228】
不純物半導体層1115としては、実施の形態1に示す不純物半導体層417を用いて形成する。
【0229】
次に、第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、第2の半導体層1111、及び不純物半導体層1115をエッチングして、微結晶半導体層1117a、混合層1117b、及び非晶質半導体を有する層1117cで構成される第2の半導体層1117、及び不純物半導体層1121を形成する。その後、レジストマスクを除去する(図21(C)を参照)。
【0230】
次に、第2の半導体層1117及び不純物半導体層1121を覆う導電層1123を形成する(図22(A)を参照)。
【0231】
導電層1123は、実施の形態1に示す導電層419の材料及び作製方法を適宜用いることができる。なお、図15(C)に示すように、導電層419を形成する前に、ゲート絶縁層409にコンタクトホール422を形成してもよい。
【0232】
次に、第3のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層1123をエッチングして、配線1125、1127を形成する。なお、配線1127は容量電極としても機能する(図22(B)を参照)。
【0233】
なお、ここでは図示しないが、図15(B)に示すように、導電層419を形成する前に、ゲート絶縁層409にコンタクトホール422を形成した場合、上述した工程と同じ工程を経て実施の形態1及び実施の形態2に示す駆動回路のTFT354のソース配線あるいはドレイン配線とゲート電極が直接接続される。
【0234】
次に、レジストマスクを用いて、不純物半導体層1121の一部をエッチングする。ここでは、ドライエッチングを用いる。本工程までで、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1131が形成される。なお、当該工程において、非晶質半導体を含む層1111cの一部もエッチングされる。一部エッチングされた非晶質半導体を含む層1111cを非晶質半導体を含む層1133と示す(図22(C)参照)。
【0235】
以上の工程により、薄膜トランジスタ1128、及び容量素子1129を作製することができる。
【0236】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、液晶表示装置、発光表示装置、及び電子ペーパーに代表される表示装置の画素におけるスイッチングトランジスタに適用することができる。そのため、この薄膜トランジスタを覆って、絶縁層1137を形成する(図23(A)参照)。絶縁層1137は、ゲート絶縁層1107と同様に形成することができる。さらには、絶縁層1137は、大気中に浮遊する有機物、金属又は水蒸気等の汚染源となりうる不純物元素の侵入を防ぐことができるよう、緻密な窒化シリコンにより設けることが好ましい。
【0237】
次に、配線1127に達するように、絶縁層1137にコンタクトホール1141を形成する。このコンタクトホール1141は、第4のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層1137の一部をエッチングすることで形成できる。その後、当該コンタクトホール1141を介して配線1127に接続される画素電極1143を設ける。このときの図23(B)の平面図を図24に示す。
【0238】
画素電極1143は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等を用いて形成することができる。
【0239】
画素電極1143は、配線1125、1127等と同様に、フォトリソグラフィ法を用いて形成したレジストマスクを用いてエッチングを行い、パターン形成すればよい。
【0240】
また、画素電極1143は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。画素電極1143は、シート抵抗が10000Ω/□以下であって、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0241】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、又はこれらの2種以上の共重合体等が挙げられる。
【0242】
なお、図示していないが、絶縁層1137と画素電極1143との間に、スピンコーティング法等により形成した有機樹脂からなる絶縁層を有していても良い。
【0243】
この後、VA(Vertical Alignment)方式の液晶表示装置においては、視野角拡大のために、画素を複数部分に分割し、分割された画素の各部分の液晶の配向を異ならせるマルチドメイン方式(いわゆるMVA方式)の場合、画素電極1143上に所定の形状を有する突起物を形成することが好ましい。突起物は、絶縁層で形成する。
【0244】
画素電極上に突起物が形成されると、画素電極の電圧がオフの時には、液晶が配向膜表面に対して垂直に配向するが、突起部近傍の液晶は基板面に対してわずかに傾斜した配向となる。画素電極の電圧がオンとなると、まず傾斜配向部の液晶が傾斜する。また、突起部近傍以外の液晶もこれらの液晶の影響を受け、順次同じ方向へと配列する。この結果、画素全体に対して安定した配向が得られる。即ち、突起物を起点として表示部全体の配向が制御される。
【0245】
また、画素電極上に突起物を設ける代わりに、画素電極にスリットを設けてもよい。この場合、電圧を画素電極に印加すると、スリット近傍には電界の歪が生じ、突起物を画素電極上に設けた場合と同様の電界分布及び液晶配向の制御が可能である。
【0246】
以上の工程により、非晶質半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、オン電流が高く、微結晶半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、オフ電流の低い薄膜トランジスタを有し、且つ表示装置に用いることが可能な素子基板を作製することができる。
【0247】
次に、図27に示す画素の上面構造を有する表示装置の素子基板の作製方法について、図25及び図26を用いて示す。
【0248】
図21乃至図22(A)の工程を経て、導電層1123を形成する。
【0249】
次に、第3のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程により形成したレジストマスクを用いて、導電層1123をエッチングして、配線1151、1153、1155、1157を形成する。配線1151はソース線として機能し、配線1153はソース電極として機能し、配線1155はドレイン電極として機能し、配線1157は容量電極として機能する(図25(A)を参照)。
【0250】
次に、不純物半導体層1121の一部をエッチングし、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1131を形成する。なお、当該工程において、非晶質半導体を含む層1117cの一部もエッチングされる。一部エッチングされた非晶質半導体を含む層1117cを非晶質半導体を含む層1133と示す(図25(B)参照)。
【0251】
以上の工程により、薄膜トランジスタ1158及び容量素子1160を作製することができる。
【0252】
次に、絶縁層1159を形成する(図26(A)参照)。絶縁層1159は、絶縁層1137と同様に形成することができる。
【0253】
次に、配線1151、1153、1155、1157に達するように、絶縁層1159にコンタクトホール1161、1163、1165、1167、1169を形成する。このコンタクトホール1161、1163、1165、1167、1169は、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法により形成したレジストマスクを用いて、絶縁層1159の一部をエッチングすることで形成できる。
【0254】
次に、コンタクトホール1161、1163を介して、配線1151及び配線1153を接続する配線1171を形成すると同時に、配線1155及び配線1157を接続する画素電極1173を形成する。なお、当該工程において、図12及び図14に示すような、配線451及びゲート電極403を接続する配線484、484a、配線452及び配線455を接続する配線484b、配線454及び配線455を接続する配線484c、配線453及び配線456を接続する配線484dを形成する。
【0255】
なお、図示していないが、絶縁層1159と配線1171、画素電極1173との間に、スピンコーティング法等により形成した有機樹脂からなる絶縁層を有していても良い。
【0256】
以上の工程により、表示装置の画素におけるスイッチング用の薄膜トランジスタを作製することができる。このときの図26(B)の平面図を図27に示す。
【0257】
ここで示す薄膜トランジスタは、図14に示すように、リーク電流を低減する構造であるため、当該素子基板を表示装置に用いることで、コントラストが高く、画質の高い表示装置を作製することができる。
【0258】
また、多階調マスクにより形成した複数(代表的には二種類)の厚さの領域を有するレジストマスクを用いると、フォトマスクの数を減らすことができるため、工程簡略化、低コスト化が図れる。
【0259】
また、図28(A1)、図28(A2)は、素子基板におけるゲート配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示している。図28(A1)は図28(A2)中のX1−X2線に沿った断面図に相当する。図28(A1)において、絶縁層1137、1159上に形成される透明導電層545は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。また、図28(A1)において、端子部では、ゲート配線と同じ材料で形成される第1の端子540と、ソース配線と同じ材料で形成される接続電極543とがゲート絶縁層1107を介して重なり透明導電層545を介して導通させている。また、接続電極543と透明導電層545が絶縁層1137、1159に設けられたコンタクトホールを介して直接接して導通させている。
【0260】
また、図28(B1)、及び図28(B2)は、ソース配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示している。また、図28(B1)は図28(B2)中のY1−Y2線に沿った断面図に相当する。図28(B1)において、絶縁層1137、1159上に形成される透明導電層545は、入力端子として機能する接続用の端子電極である。また、図28(B1)において、端子部では、ゲート配線と同じ材料で形成される電極547が、ソース配線と電気的に接続される第2の端子541の下方にゲート絶縁層1107を介して重なる。電極547は第2の端子541とは電気的に接続しておらず、電極547を第2の端子541と異なる電位、例えばフローティング、GND、0Vなどに設定すれば、ノイズ対策のための容量または静電気対策のための容量を形成することができる。また、第2の端子541は、絶縁層1137、1159を介して透明導電層545と電気的に接続している。
【0261】
ゲート配線、ソース配線、及び容量配線は画素密度に応じて複数本設けられるものである。また、端子部においては、ゲート配線と同電位の第1の端子、ソース配線と同電位の第2の端子、容量配線と同電位の第3の端子などが複数並べられて配置される。それぞれの端子の数は、それぞれ任意な数で設ければ良いものとし、実施者が適宣決定すれば良い。
【0262】
本実施の形態により、薄膜トランジスタ及び容量素子を有する画素を作製することができる。そして、これらを個々の画素に対応してマトリクス状に配置して画素部を構成することにより、アクティブマトリクス型の表示装置を作製するための一方の基板とする素子基板を作製することができる。
【0263】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する場合には、素子基板と、対向電極が設けられた対向基板との間に液晶層を設け、素子基板と対向基板とを固定する。なお、対向基板に設けられた対向電極と電気的に接続する共通電極を素子基板上に設け、共通電極と電気的に接続する端子を端子部に設ける。この端子は、共通電極を固定電位、例えばGND、0Vなどに設定するための端子である。
【0264】
また、図24及び図27に示す画素構成に限定されず、容量配線を設けず、画素電極と、隣り合う画素のゲート配線とを絶縁膜及びゲート絶縁層を介して重ねて、容量素子を形成してもよい。この場合、容量配線を省略することができ、画素における開口率を高めることができる。
【0265】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、マトリクス状に配置された画素電極を駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される。詳しくは選択された画素電極と該画素電極に対応する対向電極との間に電圧が印加されることによって、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。
【0266】
液晶表示装置の動画表示において、液晶分子自体の応答が遅いため、残像が生じる、または動画のぼけが生じるという問題がある。液晶表示装置の動画特性を改善するため、全面黒表示を1フレームおきに行う、所謂、黒挿入と呼ばれる駆動技術がある。
【0267】
また、垂直同期周波数を通常の1.5倍以上、好ましくは2倍以上にすることで応答速度を改善するとともに各フレーム内の分割された複数フィールド毎に書き込む階調を選択する、所謂、倍速駆動と呼ばれる駆動技術もある。
【0268】
また、液晶表示装置の動画特性を改善するため、バックライトとして複数のLED(発光ダイオード)光源または複数のEL光源などを用いて面光源を構成し、面光源を構成している各光源を独立して1フレーム基板内で間欠点灯駆動する駆動技術もある。面光源として、3種類以上のLEDを用いてもよいし、白色発光のLEDを用いてもよい。独立して複数のLEDを制御できるため、液晶層の光学変調の切り替えタイミングに合わせてLEDの発光タイミングを同期させることもできる。この駆動技術は、LEDを部分的に消灯することができるため、特に一画面を占める黒い表示領域の割合が多い映像表示の場合には、消費電力の低減効果が図れる。
【0269】
これらの駆動技術を組み合わせることによって、液晶表示装置の動画特性などの表示特性を従来よりも改善することができる。
【0270】
また、素子基板上に発光素子を設けることにより、発光表示装置や、発光装置を作製することができる。発光表示装置や発光装置は、発光素子として代表的には、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子がある。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0271】
なお、発光表示装置を作製する場合、発光素子の一方の電極(カソードとも呼ぶ)は、低電源電位、例えばGND、0Vなどに設定するため、端子部に、カソードを低電源電位、例えばGND、0Vなどに設定するための端子が設けられる。また、発光表示装置を作製する場合には、ソース配線、及びゲート配線に加えて電源供給線を設ける。従って、端子部には、電源供給線と電気的に接続する端子を設ける。
【0272】
また、素子基板と、電極が形成された対向基板の間に、白と黒に塗り分けられた球形粒子、または、透明な液体と、正または負に帯電した白い微粒子と白い微粒子と逆の極性に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程度のマイクロカプセルを挟持することで、電子ペーパーを作製することができる。
【0273】
本実施の形態で得られる表示装置の画素を構成する薄膜トランジスタは、エンハンスメント型トランジスタであることによるオフ電流の低減の効果を持続することができる。また、本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、オフ電流を低減しつつ、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタに比べ、オン電流及び電界効果移動度を高めることが可能であり、電気的特性に優れるため、性能を落とすことなく、駆動回路における薄膜トランジスタが占める面積を縮小することができる。このため、本実施の形態で示す素子基板を用いた液晶表示装置、発光表示装置、電子ペーパー等の表示装置は、画質が良好(例えば、高コントラスト)であり、消費電力が低く、狭額縁化された表示装置を作製することができる。
【0274】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0275】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態4に用いることが可能な薄膜トランジスタの構造及びその作製方法について、図29を用いて示す。
【0276】
図29は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの断面図を示す。図29に示す薄膜トランジスタは、基板401上にゲート電極403を有し、ゲート電極403を覆うゲート絶縁層409を有し、ゲート絶縁層409に接してチャネル形成領域として機能する微結晶半導体層431を有し、微結晶半導体層431上に一対のバッファ層433を有し、バッファ層433に接して、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459、460を有する。また、不純物半導体層459、460に接して配線451、452を有する。配線451、452はソース電極及びドレイン電極として機能する。また、配線451、452は、微結晶半導体層431の側面及び一対のバッファ層433の側面に接する。また、第2の微結晶半導体層431bの表面には、第1の絶縁層435aが形成される。また、一対のバッファ層433の側面及び不純物半導体層459、460の表面及び側面には、第2の絶縁層435cが形成される。また、配線451、452の表面には、第3の絶縁層435eが形成される。
【0277】
微結晶半導体層431は、ゲート絶縁層409に接する第1の微結晶半導体層431aと、錐形状の複数の突起(凸部)を有する第2の微結晶半導体層431bとを有する。
【0278】
微結晶半導体層431は、実施の形態1に示す微結晶半導体層427a、428aと同様の微結晶半導体で形成される。第2の微結晶半導体層431bは実施の形態1に示す混合層427bに含まれる微結晶半導体領域429aと同様に形成することができる。
【0279】
一対のバッファ層433は、実施の形態1に示す非晶質半導体を含む層469と同様に、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体で形成することができる。
【0280】
第1の絶縁層435aは、第2の微結晶半導体層431bを酸化した酸化物層、または第2の微結晶半導体層431bを窒化した窒化物層で形成される。
【0281】
第2の絶縁層435cは、一対のバッファ層433及び不純物半導体層459、460を酸化した酸化物層、または一対のバッファ層433及び不純物半導体層459、460を窒化した窒化物層で形成される。
【0282】
第3の絶縁層435eは、配線451、452を酸化した酸化物層、または配線451、452を窒化した窒化物層で形成される。なお、第3の絶縁層435eは、ここでは、配線451、452の上面及び側面に形成されるが、配線451、452の側面にのみ形成され、配線451、452の上面には形成されない場合がある。
【0283】
バッファ層433は非晶質半導体を含むため、弱いn型を帯びている。また、微結晶半導体層と比較して、密度が低い。このため、非晶質半導体層を酸化または窒化した第2の絶縁層435cは密度が低く、疎な絶縁層であり、絶縁性が低い。しかしながら、本実施の形態に示す薄膜トランジスタには、バックチャネル側に第2の微結晶半導体層431bを酸化した第1の絶縁層435aが形成される。微結晶半導体層は、非晶質半導体層と比較して密度が高いため、第1の絶縁層435aも密度が高く、絶縁性が高い。さらに、第2の微結晶半導体層431bは、複数の錐形状の突起(凸部)を複数有するため、表面が凹凸状である。このため、ソース領域からドレイン領域までのリークパスの距離が長い。これらの結果から、薄膜トランジスタのリーク電流及びオフ電流を低減することができる。
【0284】
本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、チャネル形成領域が錐形状の突起を複数有する微結晶半導体層で形成され、且つ微結晶半導体層に接して一対のバッファ層を有するため、非晶質半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオン電流を高めると共に、微結晶半導体をチャネル形成領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0285】
次に、図29に示す薄膜トランジスタの作製方法について、図30を用いて示す。
【0286】
実施の形態1と同様に、図15を経て、図30(A)に示すように、配線451、452を形成する。
【0287】
次に、図30(B)に示すように、不純物半導体層423をエッチングして、不純物半導体層459、460を形成する。また、表面に凹部を有する非晶質半導体を含む層469を形成する。
【0288】
次に、非晶質半導体を含む層469をエッチングして、第2の微結晶半導体層431bを露出すると共に、一対のバッファ層433を形成する(図30(C)参照)。ここでは、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いて、非晶質半導体を含む層469を選択的にエッチングし、第2の微結晶半導体層431bを露出する条件を適宜用いる。代表的には、ウエットエッチングのエッチャントとしては、ヒドラジンがある。また、ドライエッチングとしては、水素を用いて、非晶質半導体層を選択的にエッチングすることができる。
【0289】
この後、レジストマスクを除去し、第2の微結晶半導体層431bの表面を酸化、または窒化するプラズマ処理440を行って、図30(D)に示す第1の絶縁層435a、第2の絶縁層435c、第3の絶縁層435eを形成する。
【0290】
なお、ここでは、配線451、452を形成した後、非晶質半導体を含む層469をエッチングし、第2の微結晶半導体層431bを露出したが、配線451、452を形成した後、レジストマスクを除去し、不純物半導体層423、非晶質半導体を含む層469のそれぞれ一部をドライエッチングし、さらに第2の微結晶半導体層431bの表面を酸化または窒化するプラズマ処理440を行ってもよい。この場合、配線451、452をマスクとして、不純物半導体層423及び非晶質半導体を含む層469がエッチングされるため、配線451、452の側面と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層459、460との側面が概略一致する形状となる。
【0291】
上記したように、錐形状の凹凸を有する第2の微結晶半導体層431bを露出した後、プラズマ処理により第2の微結晶半導体層431bの表面に絶縁層を形成することで、ソース領域及びドレイン領域の間のリークパスの距離を長くすることが可能であると共に、絶縁性の高い絶縁層を形成することができる。このため、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0292】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0293】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態5に用いることが可能な薄膜トランジスタの構造及びその作製方法について、図31を用いて示す。
【0294】
図31は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの断面図を示す。図31に示す薄膜トランジスタは、基板401上にゲート電極403を有し、ゲート電極403を覆うゲート絶縁層409を有し、ゲート絶縁層409上に、不純物半導体層459、460を有し、不純物半導体層459、460上に配線451、452を有する。また、ゲート絶縁層409及び配線451、452上に、微結晶半導体層427a、混合層427bと、非晶質半導体を含む層469が積層されている。
【0295】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0296】
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態1、実施の形態5、及び実施の形態6に示すゲート絶縁層409、第1の半導体層410、第2の半導体層411、不純物半導体層417や、実施の形態3に示すゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109、第2の半導体層1110、不純物半導体層1115に適用可能な形態について示す。
【0297】
実施の形態1、実施の形態5、及び実施の形態6に示すゲート絶縁層409、第1の半導体層410、第2の半導体層411、不純物半導体層417や、実施の形態3に示すゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109、第2の半導体層1110、不純物半導体層1115は、プラズマCVD法により形成することができる。
【0298】
プラズマCVD法に用いるグロー放電プラズマの生成は、3MHzから30MHz、代表的には13.56MHz、27.12MHzのHF帯の高周波電力、または30MHzより大きく300MHz程度までのVHF帯の高周波電力、代表的には、60MHzを印加することで行われる。また、1GHz以上のマイクロ波の高周波電力を印加することで行われる。なお、VHF帯やマイクロ波の高周波電力を用いることで、成膜速度を高めることが可能である。更には、HF帯の高周波電力と、VHF帯の高周波電力を重畳させることで、大面積基板においてもプラズマのムラを低減し、均一性を高めることができると共に、成膜速度を高めることができる。
【0299】
また、グロー放電プラズマの高周波電力の出力波形が矩形となるように、パルス変調してもよい。代表的には、一定の高周波電力が投入されるON状態と、電力が実質的に投入されないOFF状態を交互にする。このとき、ON状態及びOFF状態の時間をそれぞれ5μsecから500μsec、好ましくは10μsecから100μsecとすることで、成膜速度を高めることができる。また、大面積基板における堆積膜の膜厚及び膜質の均一性を高めることができる。また、OFF状態においてパーティクルの原因となるラジカルが消滅するため、堆積中におけるパーティクルの生成を低減することができる。また、プラズマ発生時の紫外線量を低減できることから、堆積膜の欠陥を低減することができる。
【0300】
また、実施の形態1に示すゲート絶縁層409、第1の半導体層410、第2の半導体層411、不純物半導体層417や、実施の形態3に示すゲート絶縁層1107、第1の半導体層1109、第2の半導体層1110、不純物半導体層1115をプラズマCVD装置の同一の処理室で連続的に形成してもよい。この結果、プラズマCVD装置の小型が可能である。
【0301】
また、マルチチャンバーを有するプラズマCVD装置において、各層ごとに処理室を分けてもよい。それぞれの膜は最適な成膜温度があるので、反応室を個別に分けておくことで成膜温度を管理することが容易となる。さらに、同じ膜種を繰り返し成膜することができるので、残留不純物の影響を排除することができる。
【0302】
更には、ゲート絶縁層の反応室と、第1の半導体層410、第2の半導体層411、及び不純物半導体層417を形成する反応室とに分けて、それぞれを形成してもよい。この結果、第1の半導体層410、第2の半導体層411、及び不純物半導体層417の不純物を低減することができる。
【0303】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0304】
(実施の形態8)
上記実施の形態に係る表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用のモニタ、電子ペーパー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機等の大型ゲーム機等が挙げられる。
【0305】
上記実施の形態に係る表示装置の一形態である電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車等の乗り物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示等に適用することができる。電子機器の一例を図32(A)に示す。
【0306】
図32(A)は、電子書籍の一例を示している。図32(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0307】
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図32(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図32(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
【0308】
また、図32(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図32(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0309】
また、図32(A)に示す電子書籍は、無線で情報を送受信できる構成を備えていてもよい。無線通信により、電子書籍サーバから所望の書籍データ等を購入し、ダウンロードする構成とすることもできる。
【0310】
図32(B)は、電子ペーパー、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図32(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0311】
なお、図32(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部1712に表示させることができる。
【0312】
また、図32(B)に示すデジタルフォトフレームは、無線で情報を送受信出来る構成としてもよい。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0313】
図32(C)は、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図32(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、実施の形態4に示した表示装置を適用することができる。
【0314】
図32(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0315】
なお、図32(C)に示すテレビジョン装置は、受信機やモデム等を備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、片方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士等)の情報通信を行うことも可能である。
【0316】
図32(D)は、電子ペーパー、液晶表示装置、発光表示装置等の表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図32(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
【0317】
図32(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
【0318】
表示部1732の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0319】
例えば、電話の発信、或いはメールを作成する場合には、表示部1732を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合には、表示部1732の画面の大部分を使用してキーボード又は番号ボタンを表示させることが好ましい。
【0320】
また、図32(D)に示す携帯電話機の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを備えた検出装置を設けることで、携帯電話機の向き(縦または横)を判別して、表示部1732の表示情報を自動的に切り替える構成とすることもできる。
【0321】
また、画面モードの切り替えは、表示部1732への接触、又は筐体1731の操作ボタン1737の操作により行われる。また、表示部1732に表示される画像の種類によって切り替える構成とすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替えることができる。
【0322】
また、入力モードにおいて、表示部1732の光センサで検出される信号を検知し、表示部1732のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0323】
表示部1732は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部1732を掌や指で触れ、掌紋及び指紋等をイメージセンサで撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈等を撮像することもできる。
【0324】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有する駆動回路を有し、
前記インバータ回路は、
ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、
前記第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2の薄膜トランジスタと、を有し、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは、
ゲート電極に接するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層に接する微結晶半導体層と、
前記微結晶半導体層に接する混合層と、
前記混合層に接する非晶質半導体を含む層と、
前記非晶質半導体を含む層上に形成される一対の不純物半導体層と、
前記一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、
前記混合層において、錐形状の微結晶半導体領域と、前記錐形状の微結晶半導体領域を充填する非晶質半導体領域とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有する駆動回路を有し、
前記インバータ回路は、
ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、
前記第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2の薄膜トランジスタと、を有し、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは、
ゲート電極に接するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層に接する微結晶半導体領域と、
前記微結晶半導体領域に接し、且つ非晶質半導体を含む領域と、
前記非晶質半導体を含む領域上に形成される一対の不純物半導体層と、
前記一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、
前記微結晶半導体領域は、前記非晶質半導体を含む領域と接する側の面が凹凸状であることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記スイッチはクロック信号または反転クロック信号によって、オンまたはオフが制御されることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、エンハンスメント型であることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載の駆動回路と、前記駆動回路によって駆動する薄膜トランジスタが設けられた画素を有し、前記画素及び前記駆動回路は、同じ基板上に形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5において、前記基板は、ガラス基板であることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有する駆動回路を有し、
前記インバータ回路は、
ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、
前記第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2の薄膜トランジスタと、を有し、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは、
ゲート電極に接するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層に接する微結晶半導体層と、
前記微結晶半導体層に接する混合層と、
前記混合層に接する非晶質半導体を含む層と、
前記非晶質半導体を含む層上に形成される一対の不純物半導体層と、
前記一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、
前記混合層において、錐形状の微結晶半導体領域と、前記錐形状の微結晶半導体領域を充填する非晶質半導体領域とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
複数のインバータ回路及び複数のスイッチを有する駆動回路を有し、
前記インバータ回路は、
ゲート端子及び第1端子が高電源電位を供給する配線に接続された第1の薄膜トランジスタと、
前記第1の薄膜トランジスタの第2端子が第1端子に接続され、第2端子が低電源電位を供給する配線に接続され、ゲート端子に入力信号が供給される第2の薄膜トランジスタと、を有し、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは同じ極性であり、
前記第1の薄膜トランジスタ及び前記第2の薄膜トランジスタは、
ゲート電極に接するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層に接する微結晶半導体領域と、
前記微結晶半導体領域に接し、且つ非晶質半導体を含む領域と、
前記非晶質半導体を含む領域上に形成される一対の不純物半導体層と、
前記一対の不純物半導体層上に形成される配線を有し、
前記微結晶半導体領域は、前記非晶質半導体を含む領域と接する側の面が凹凸状であることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記スイッチはクロック信号または反転クロック信号によって、オンまたはオフが制御されることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記第1の薄膜トランジスタ及び第2の薄膜トランジスタは、エンハンスメント型であることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載の駆動回路と、前記駆動回路によって駆動する薄膜トランジスタが設けられた画素を有し、前記画素及び前記駆動回路は、同じ基板上に形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5において、前記基板は、ガラス基板であることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2010−161351(P2010−161351A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275159(P2009−275159)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】
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