試料位置検知端部エフェクタおよびその使用方法
【課題】ウエハの引っ掻き傷や粒子による汚損を最少にして半導体ウエハを確実に移送し得る試料把持用端部エフェクタを提供すること。
【解決手段】光源、及び受光部に作動するように連結された本体を有する端部エフェクタを設け、前記光源、及び受光部は離間するそれぞれの光源光路開口、及び受光路開口を有し、これ等開口の間に光透過路に沿って光ビームが伝搬し、これ等光ビームが既知のビーム形状であるように前記光源光路開口、及び受光路開口の寸法を定め、前記試料と本体との空間を狭くするため、これ等試料と本体との間の相対運動を与え、前記相対運動を与えることに組み合わせて、前記光透過路に交差するように前記試料を位置決めする。
【解決手段】光源、及び受光部に作動するように連結された本体を有する端部エフェクタを設け、前記光源、及び受光部は離間するそれぞれの光源光路開口、及び受光路開口を有し、これ等開口の間に光透過路に沿って光ビームが伝搬し、これ等光ビームが既知のビーム形状であるように前記光源光路開口、及び受光路開口の寸法を定め、前記試料と本体との空間を狭くするため、これ等試料と本体との間の相対運動を与え、前記相対運動を与えることに組み合わせて、前記光透過路に交差するように前記試料を位置決めする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は試料を取り扱う装置、及び方法に関するものであり、また特に、ウエハの裏側の損傷、及び微小な分離粒子による汚損を著しく減らすことができ、半導体ウエハの端縁を把持するロボットアームの端部エフェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
集積回路は半導体材料のウエハから製造される。ウエハはそれぞれウエハを収容できる複数個の密接離間する溝孔を有するカセット内に通常、収容される。通常、カセットを処理ステーションに動かし、ここで、ウエハをカセットから取り出し、予配列装置によって所定の方向に設置し、又はその他の処理を行い、更に処理を行うため、他の位置に復帰させる。
【0003】
ウエハをカセットに向け、及びカセットから運び、更に処理ステーションの間に運ぶため、種々の形式のウエハ処理装置が知られている。多くの場合、へら状の端部を有するロボットアームが採用されており、このへら状の端部をカセット内に挿入して、ウエハを除去し、又はウエハを挿入する。ロボットアームの端部は端部エフェクタと、称されており、端部エフェクタにウエハを釈放可能に保持するため、通常、真空を使用している。通常、端部エフェクタは1対の隣接するウエハの間の狭い間隙を通じて、カセット内に入り、ウエハの裏側に掛合し、カセットからウエハを取り出す。端部エフェクタは薄く、剛強である必要があり、カセット内に密接離間するウエハには接触しないで、ウエハの間に適合するように高い精度で、位置決めし得ることが必要である。ウエハを処理した後、ロボットアームはウエハをカセット内に挿入して戻す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
具合が悪いことには、予配列装置のような手段により、カセット、ロボットアーム、及び処理ステーションの間にウエハを移送する際、ウエハの裏側を損傷することがあり、カセット内で他のウエハが汚損することがある。これはウエハに強く掛合し、また、予期せずウエハに接触するから、ウエハから粒子が脱落し、この粒子が他のウエハ上に落下し付着するためである。ウエハの裏側の損傷には引っ掻き傷と、ウエハの材料の金属的、及び本質的な汚損とがある。ウエハを把持するのに、真空圧を採用しているロボットアーム、及び予配列装置はウエハの裏側の損傷や、粒子の発生を最少にするように設計することができる。しかし、真空圧による把持、又はその他のウエハの端縁以外の部分を把持する方法で、生ずる僅かな粒子であっても、カセット内に収容している隣接するウエハを十分に汚損してしまう。このような汚損を減少させることは、ウエハの処理歩留まりを維持するために、特に重要である。更に、移送されるウエハの裏側に引っ掻き傷を生じたり、汚損すると、ウエハの処理に損害を受けることになる。
【0005】
従って、ウエハの引っ掻き傷や粒子による汚損を最少にして、半導体ウエハを確実に、迅速に、及び正確に移送し得る試料把持用端部エフェクタが必要である。
【0006】
発明の要約 従って、本発明の目的は試料の損傷を最少にすると共に、汚損粒子の発生を最少にする試料処理装置を得るにある。
【0007】
本発明の他の目的はウエハカセットとウエハ処理ステーションとの間に、半導体ウエハを迅速、正確に移送し得る半導体ウエハ取扱い装置を得るにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は既存のロボットアームシステムにも適用することができるウエハ取扱い装置を得るにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明ロボットアーム端部エフェクタはウエハカセットと、処理ステーションとの間に、半導体ウエハを迅速に、手ぎわ良く移送する。この端部エフェクタは少なくとも1個の基端静止パッドと、少なくとも2個の末端静止パッドとを具え、これ等末端静止パッドはパッド部と後部止め部とを有し、ウエハの周端縁から内方に延在する環状特別帯域内でパッド部と、後部止め部とがウエハを支持し、把持する。また、この端部エフェクタは後退ウエハ積載位置と、突出ウエハ把持位置との間に移動できる作用接触点を有する。この作用接触点はウエハを末端静止パッドに押圧するように移動可能であり、ウエハをその端縁のみで、又は上記特別帯域内で把持する。端部エフェクタはその傾斜静止パッドによって、ウエハの端縁の接触を達成するよう端部エフェクタの形態を定める。光センサは後退した安全な試料積載、又は把持を検出し、作用接触点の突出位置を検出する。
【0010】
端部エフェクタは、ほぼ、へら状であり、ロボットアームに作動可能に連結される基端を有する。作用接触点は基端に設置され、カセット内の隣接するウエハの間に整合しない移動機構を有する端部エフェクタよりも、この端部エフェクタは一層軽量で、一層強力であり、一層細い。移動機構が無いことによって、端部エフェクタがカセット内で汚損物を発生するのを少なくしている。更に、端部エフェクタの基端に作用接触点を設置することによって、加熱される環境や液体のような粗い条件から端部エフェクタを確実に遠ざけることができる。
【0011】
真空圧で作動するピストンはウエハを端部エフェクタに積載する後退位置と、ウエハを把持する突出位置との間に、作用接触点を動かす。ピストンの第1実施例は極限位置間に、作用接触点を動かすのに真空圧を採用する。ピストンの第2実施例は作用接触点を後退させるため、真空圧を採用し、作用接触点を突出させるため、ばねを採用する。更に、ピストンの第3実施例は作用接触点の後退位置、安全試料積載位置、又は把持位置、及び作用接触点の突出位置とを検出するための上述の光学センサを加える。
【0012】
端部エフェクタの代案の実施例は平坦な、又は傾斜する狭い、又は弓形の静止パッドを有し、このパッドにウエハを最初に乗せる。狭い、弓形の傾斜する静止パッドの実施例は作用接触点と、末端静止パッドとの間に、ウエハを心決めし、把持するのを助ける。この弓形の静止パッドは把持し、取り扱う平坦なウエハを一層容易に受け入れる。
【0013】
更に、端部エフェクタはウエハの端縁と底面とを正確に設置するため、光ファイバ光透過センサを有する。3個の代案の実施例は端部エフェクタの基端にウエハ端縁センサ、及び底センサを設置し、又は端部エフェクタの基端に端縁センサを設置し、末端に底センサを設置する。又は組み合わせた端縁底センサを端部エフェクタの末端に設置する。3個の全ての実施例において、これ等センサはロボットアームの突出、高さ、及び位置のデータを提供する。ウエハを迅速、正確に設置し、ウエハ移送ステージ、又はプロセス室からウエハを取り出し、ウエハカセットにウエハを設置し、ウエハカセット内に保管された密接離間する堆積ウエハから、ウエハを取り出す方法をこれ等データはサポートする。この方法は手ぎわ良く、確実なウエハの把持を行う間、カセット内に堆積する隣接するウエハ、又は処理装置に静止するウエハと、端部エフェクタとの間が予期せず接触するのを有効に防止する。
添付図面を参照する本発明の好適な実施例の次の詳細な説明から、本発明の付加的目的、及び利点は明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ウエハを取り戻し、又は置き替えるため半導体ウエハカセット内に挿入された本発明端部エフェクタの第1実施例の平面図である。
【図2】カセット内に保管された隣接する3個のウエハ間に挿入された図1の端部エフェクタの側面図である。
【図3】ウエハの特別帯域に掛合する静止パッドを示し、本発明の平坦静止パッドの拡大側面図である。
【図4】実質的にウエハの周縁に掛合する傾斜する静止パッドを示す本発明の傾斜静止パッドの実施例の拡大側面図である。
【図5】本発明の第1実施例において、ウエハ、移動接触点、ウエハ静止パッド、ウエハ端縁、及び高さセンサの間の位置的関係を示すよう拡大したウエハ、及び図1の端部エフェクタの部分平面図である。
【図6A】ウエハに対する光ファイバ光路の位置を示すため、更に拡大した図5のウエハ端縁と高さセンサとの側面図である。
【図6B】図6Aの前面図である。
【図7】カセット内の半導体ウエハに隣接して把持する状態を示す本発明端部エフェクタの第2実施例の平面図である。
【図8】ウエハカセット内に保管される密接離間するウエハ間にウエハを把持する作用接触点作動機構を示す図7の端部エフェクタの断面側面図である。
【図9】図7の端部エフェクタの末端に取り付けた本発明の末端弓形静止パッドの実施例の斜視図である。
【図10】本発明の端部エフェクタの第2実施例において、移動接触点、弓形静止パッド、ウエハ端縁、高さセンサの位置的関係を示す図7の端部エフェクタの斜視図である。
【図11】本発明の端部エフェクタの第2実施例において、高さセンサの光ファイバのチャネルを示す図7の端部エフェクタの底面図である。
【図12】ウエハと、位置検知作用接触点作動機構と、基端静止パッドとの間の位置関係を示す本発明の端部エフェクタの第3実施例の一部平面図である。
【図13】カセットに保管される密接離間するウエハ間に完全に延びる位置検知作用接触点作動機構を示す図12の端部エフェクタの断面側面図である。
【図14】交互のウエハ把持位置、及びウエハ検知位置を示す図12の端部エフェクタの全平面図である。
【図15A】ウエハ(簡明のため寸法を小さく示す)の端縁までの半径方向距離を検知するため、2個の角度移動した位置に示す本発明端部エフェクタとロボットアームとの平面図である。
【図15B】図15と異なる位置を示す図15Aと同様の平面図である。
【図16A】例として示した2個のアームを有する多数リンクロボットアームから本発明端部エフェクタが突出している状態の側面図である。
【図16B】図16Aと同様の平面図である。
【図17】図16A、及び図16Bのロボットアームシステムのリンク構成部分、及び関連する機械リンクを示す正面図である。
【図18】図16A、及び図16Bのロボットアームシステムの機械リンクのモータ駆動リンクによって与えられる回転運動を示す斜視図である。
【図19A】信号を発生するために使用するスペース関係とパラメータとを示す線図である。
【図19B】図16A、及び図16Bのロボットアームシステムのモータ制御器のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適な実施例の詳細な説明図1、及び図2はウエハカセット14に向け、及びウエハカセット14からウエハ12(下にある構造が見えるように透明に示してある)のような半導体ウエハを移送するための本発明のへら状の端部エフェクタ10の実施例を示す。この端部エフェクタ10はウエハ12を受け取って、確実に保持し、処理のため、このウエハ12をカセット14に向け移送し、カセット14から移送する。図2はウエハカセット14内に堆積された状態に示されているウエハ12、12A、12Bのように密接離間するウエハの中から、ウエハ12を取り出して、置き換えるように特に構成された端部エフェクタ10を示す。150 mm より小さい直径を有するウエハは通常、ピッチ距離4.76 mm(3/16インチ) 離間しており、200mmの直径のウエハは通常、ピッチ距離6.35 mm(1/4 インチ) 離間しており、300mmの直径のウエハは通常、ピッチ距離10 mm(0.394 インチ) 離間している。
【0016】
端部エフェクタ10は既知のように、プログラミングされて、位置決めすることができるロボットアーム16(その一部のみを示す)に、作動可能に取り付けられている。一般に、端部エフェクタ10はウエハカセット14に入り、ウエハ12A、12Bの間に位置するウエハ12を取り上げる。次に端部エフェクタ10をロボットアーム16によって、微細に位置決めし、この端部エフェクタ10を作動させ、ウエハ12の周縁18を把持し、このウエハ12をカセット14から除去し、処理のため、処理ステーション(図示せず)に、このウエハ12を移送する。次に、必要なら、端部エフェクタ10はウエハ12をカセット14内に再挿入し、ウエハ12を釈放し、カセット14から後退する。
【0017】
端部エフェクタ10の基端20をロボットアーム16に作動可能に連結し、この端部エフェクタ10を末端22の方に突出する。端部エフェクタ10はその基端20と末端22との間にウエハ12を受け入れる。この端部エフェクタ10は少なくとも2個、好ましくは4個の静止パッドを有し、最初、この上にウエハ12を乗せる。2個の末端静止パッド24を端部エフェクタ10の末端22に、又はこれに隣接して設置し、少なくとも1個、好適には2個の基端静止パッド26を2個の基端20に向け設置する。半導体ウエハに通常、見られる結晶構造を表示する特色である「平坦部」の長さより一層広く広がる角度を有する単一弓形静止パッドになるように、末端静止パッド24を代わりに形成してもよい。平坦部27は例として、基端静止部26の間に位置するように示している。ウエハ12は異なる方向を指向していても良いことはもちろんで、周縁18を基端静止パッド26の間に位置するように示す。
【0018】
ウエハ12は特別な帯域30(その一部を破線にて示す)を有する。半導体ウエハは環状特別帯域、又は不作動部を有し、この帯域は周縁18から約1 mm 〜約5 mm 内方に延在し、ウエハ12を完全に包囲している。SEMIの仕様M10298の18頁、及び19頁にはこの特別帯域30を産業標準ウエハ端縁プロファイルテンプレートの一部として記載されている。一般に、端部エフェクタ10の一部が特別帯域30の内部境界を越えて、ウエハ12に接触することはない。将来、この仕様が変更になれば、端縁のみを接触させる要求が許されることが予想され、この要求は本発明により容易に達成される。
【0019】
静止パッド24間の距離、及び静止パッド26間の距離はウエハ12上のいかなる特色、即ち平坦部よりも広い角度をなす拡がりを有しており、これにより、ウエハ12が特別帯域30内のみで把持される。静止パッド24、26は種々の材料で造ることができるが、英国のVictrex 社によって製作される半結晶質高温熱可塑性プラスチックであるポリエーテルエーテルケトン(「ピ−ク」)が好適な材料である。高温での用途のように、種々の作動環境に適合するように静止パッドの材料を変更することができる。
【0020】
図3は末端静止パッド24のほぼ平坦な実施例を示す。この実施例は有利であるが、約200mmより小さい直径を有するウエハに、専ら使用する必要はない。末端静止パッド24はパッド部32と、後部止め部34とを有する。この平坦な実施例では、パッド部32はウエハ12に貫通する仮想平面にほぼ平行であり、後部止め部36は仮想平面36に垂直な線に対し、約5度までの後部止め角38の角度にウエハ12に向け傾斜している。代案として、パッド部32は仮想平面36に対し、約3度までウエハ12から離れるように傾斜していてもよい。パッド部32は特別帯域30の深さの関数である長さ40を有するが、この長さは約3mmであるのが好適である。通常、ウエハ12はほぼ丸みを有する周端縁を有し、特別帯域30内でのみ静止パッド24に接触する。パッド部32と、後部止め部34との間に形成された包括角内に、ウエハ12を押圧することによって、ウエハ12は把持される。
【0021】
図4は末端静止パッド24の傾斜する実施例を示す。この実施例は有利ではあるが、約200mmより大きい直径を有するウエハに、独占的に使用する必要はない。末端静止パッド24は傾斜パッド部42と、後部止め部34とを有する。この傾斜する実施例では、傾斜パッド部42は仮想平面36に対し、約3度の静止パッド角44の角度に、ウエハ12から離れるように傾斜しており、後部止め部36は約3度までの後部止め角38の角度に、ウエハ12に向け傾斜している。傾斜パッド部42は特別帯域30の深さの関数である長さ40を有するが、この長さは約3mmであるのが好適である。前と同様、通常、ウエハ12はほぼ丸みを有する周端縁を有し、特別帯域30内でのみ静止パッド24に接触する。パッド部42と後部止め部34との間に形成された包括角内に、ウエハ12を押圧することによって、このウエハ12は把持される。傾斜するこの実施例では、ウエハ12の底面46と静止パッド24との間は実質的に接触しない。この静止パッドの実施例もウエハの端縁のみを接触させるのに適する。
【0022】
末端静止パッド24の平坦な実施例、及び傾斜する実施例の両方の実施例はウエハ12の頂面にほぼ達するが、この頂面を越えて突出することはない。
【0023】
再び図1において、基端静止パッド26は末端静止パッド24に類似するが、各静止パッド26は必ずしも後部止め部を必要としておらず、そのパッド部は長さ40の約2倍の長さを有している。
【0024】
端部エフェクタ10は更に、作用接触点50を有し、この接触点50は端部エフェクタ10の基端に、基端静止パッド26間に位置している。作用接触点50は後退したウエハ積載位置(点線にて示す)と、突出したウエハ把持位置(実線にて示す)との間に移動することができる。
【0025】
この後退位置と突出位置との間に往復動するよう、作用接触点50をピストン52に作動するように連結される。第1実施例では、ピストン52は孔、即ちシリンダボア54内で、往復動する。作用接触点50を突出させ、後退させるように負圧で作動させるのが好適である。気密シ−ル58に貫通するピストンロッド56によって、作用接触点50をピストン52に連結する。シリンダボア54は端部エフェクタ10内に真空室を形成しており、この真空室はピストン52によって駆動室60と、復帰室62とに分割される。駆動室60は第1チャネル64を通じて、真空圧力源(図示せず)に空気連通しており、復帰室62は第2チャネル66を通じて、この真空圧力源に空気連通している。プログラム制御によって制御される真空圧力は駆動室60を介して、ピストン52の前面に作用し、ウエハ把持位置まで、作用接触点50を突出させ、真空圧力は復帰室62を介して、ピストン52の後面に作用し、作用接触点50を後退させる。真空圧力源はロボットアーム16内の回転真空連通スプールを通じて、第1チャネル64、及び第2チャネル66に到る経路を有する。好適な回転真空連通スプールは本願の譲渡人に譲渡された発明の名称「連続回転多リンクロボットアーム機構」の米国特許第5741113 号に記載されている。
【0026】
更に、ピストン52はピストンロッド56内の通気孔(図示せず)に空気連通する環状溝68を有する。第1チャネル64、及び第2チャネル66はピストン52の移動限界で、環状溝68に開口する位置において、それぞれ駆動室60、及び復帰室62に連結している。従って、第1チャネル64、及び第2チャネル66の真空圧はピストン52の移動限界で減少するから、これにより、ウエハ12を適正に積載するため、作用接触点50が完全に突出し、又は完全に後退したことを示す信号を真空制御器に提供する。
【0027】
ウエハ12を端部エフェクタ10に積載した後、作用接触点50を作動させて、ウエハ12をその把持位置に動かす。作用接触点50が突出すると、ウエハ12を末端静止パッド24に押圧し、作用接触点50と、末端静止パッド24とによって、ウエハ12を特別帯域30内で把持する。
【0028】
ウエハ12を把持した時、ウエハ12の仮想平面36が端部エフェクタ10に平行になるように、基端静止パッド26を末端静止パッド24に対し、適切に配置する。基端静止パッド24と、末端静止パッド26との平坦な実施例を採用する時、この構成は容易に達成される。しかし、傾斜する実施例を採用する時は、作用接触点50を突出し、ウエハ12を把持した時に、ウエハ12がパッド部42に接触する点がウエハ12の中心70からほぼ等距離にあるように、基端静止パッド24と、末端静止パッド26とを配置する。例えば、ウエハ12が図1に示す位置にある時、末端静止パッド24と基端静止パッド26とのパッド部は周縁18に対し、接触点でウエハ12に接触し、各パッド部42の中心を通る線がウエハ12の中心に交差するようにする。
【0029】
基端20の作用接触点50の位置によって、カセット14内の隣接するウエハ12、12A、12B間に整合しない移動機構を有する端部エフェクタよりも、この端部エフェクタを一層軽く、一層強く、一層細くすることができる。移動する機構が無いと、端部エフェクタ10によってカセット14内に発生する汚損が少ない。更に、作用接触点50を端部エフェクタ10の基端20に設置することによって、加熱される環境や液体のような過酷な条件から、作用接触点50を遠ざけることができる。
【0030】
隣接するウエハ12、12A、12Bが密接して離間しているため、端部エフェクタ10をカセット14に入れ、隣接するウエハに接触することなく、ウエハを確実に把持するためには、端部エフェクタ10を正確に位置決めすることが必要である。
【0031】
図5、図6A、及び図6Bは端部エフェクタ10に対する正確なウエハ12の位置決めデータを提供するウエハ端縁センサ、及び高さセンサの第1実施例のそれぞれ平面図、側面図、及び正面図である。(下にある構造を示すためウエハ12は透明に示してある。)これ等センサは第1センサハウジング80と、第2センサハウジング82とに収容され、3個の光透過センサを形成しており、それぞれ対を成すファイバ光源、及び受光部を有する。
【0032】
2個のウエハ端縁センサは次のように作用する。各第1センサハウジング80、及び第2センサハウジング82は光源ファイバ84、及び受光ファイバ86を有し、これ等の間に小さいU字状開口88を形成しており、この中にウエハ12の周縁18を嵌着させることができる。更にファイバ84、86は相互に向き合う光路開口90を有し、これ等光路開口はウエハ12の周縁18の存在、又は無存在を検出するための狭い光透過路を形成する。ファイバ84、86はフェルール92に貫通して、光源/受光モジュール94まで延びる。このモジュール94はロボットアーム16への端部エフェクタ10の回転連結位置に近く、端部エフェクタ10の便利な位置に取り付けられている。光源/受光モジュール94はファイバ84と86との間の光透過の程度を通常のように検出し、これにより光路開口90間で、周縁18の位置を正確に検知する。ファイバ84、86の相対位置を反対にしてもよいことはもちろんである。
【0033】
1個の高さセンサは次のように作用する。第1センサハウジング80は更に、光源ファイバ96(仮想線で示す)を有し、第2センサハウジング82は受光ファイバ98(仮想線で示す)を有する。ファイバ96、98はその間に広い開口を形成しており、この開口はウエハ12の底面の弦100に沿って見える。更にファイバ96、98は相互に向き合う光路開口102を有し、ウエハ12の底面の弦100の存在、又は無存在を検出するための狭い光透過路104を形成している。ファイバ96、98はフェルール106を貫通して、光源/受光モジュール94まで延びる。光源/受光モジュール94はファイバ96、98間の光透過の程度を通常のように検出し、光路開口102間の底面の弦100の位置を正確に検知する。ファイバ96、98の相対位置を逆にしてもよいことはもちろんである。
【0034】
平坦部27の長さより一層長い距離に、光路開口102を相互に分離することによって、平坦部27を検出することができる。底面の弦100を光路開口102間に検知するが、周縁18は対をなす光路開口90のうちの1対の間に、検知されていなければ、平坦部27が存在する。
【0035】
200mmのように既知の直径のウエハ12に、端部エフェクタ10が接近する方法を図2、図5、図6A、及び図6Bにつき説明する。
【0036】
作用接触点50をその後退位置に置く。
端部エフェクタ10を例えば、ウエハ12、12B間に、カセット14内にX方向に挿入し、少なくとも1対の光路開口90間に、周縁18を検知する。
検知された平坦部を無視して、周縁18を検知した時、ロボットアーム16に関連する制御器(図示せず)はロボットアーム16の突出量を記録する。
ウエハ12と端縁検出器との間に間隙を生ずるのに十分な量だけ、端部エフェクタ10はX方向に後退する。
ウエハ12の底面の弦100が感知されるまで、ロボットアーム16をZ方向に動かす。
【0037】
制御器はウエハ12の底面のZ方向の高さを記録する。
末端静止パッド24と基端静止パッド26とがウエハ12と12Bとから離れていて、ウエハ12の底面の下方に、Z方向に或る距離において、カセット14内に達するのに必要なX方向の距離を制御器が計算する。
また、制御器は次の計算を行う。
1)光透過路104のZ方向の高さに対して、末端静止パッド24の半径方向のオフセット距離、及び高さ方向のオフセット距離。
2)周縁18を検知した後、端部エフェクタ10が後退した半径方向距離。
制御器は端部エフェクタ10をX方向にカセット14内に動かし、Z方向に上昇させ、積載作用をするパッド24、26上で、ウエハ12に接触させる。
【0038】
作用接触点50を作動させて、ウエハ12を末端静止パッド24のパッド部32と後部止め部34との間の包括角内に押圧し、ウエハ12を把持する。
端部エフェクタ10はウエハ12をカセット14からX方向に引き出す。
【0039】
図7、及び図8はウエハカセット14(図示せず)に向け、及びウエハカセット14からウエハ12(下にある構造が見えるよう透明に示してある)のような半導体ウエハを移送するための本発明のへら状の端部エフェクタ10の第2実施例を示す。端部エフェクタ110は端部エフェクタ10に類似しているが、端部エフェクタ110は更に、ウエハカセット14内に保管されたウエハの底面を、カセット内に突出することなく、検知し得るようにする。図8は特に、ウエハカセット14内に堆積させて示したウエハ12、12A、12Bのように密接して離間させたウエハの中から、ウエハ12を取り出して、置き代えるように特に構成されている。
【0040】
端部エフェクタ110を作動するようにロボットアーム16に取り付ける。一般に、端部エフェクタ110はウエハカセット14に入る前に、ウエハ12の底面を検知し、ウエハ12A、12Bの間からウエハ12を取り出す。次に端部エフェクタ110をロボットアーム16によって、微細に位置決めし、この端部エフェクタを作動させ、ウエハ12の周縁18を把持し、カセット14からウエハ12を除去し、処理のため、処理ステーション(図示せず)にウエハ12を移送する。次に、必要なら、端部エフェクタ110はウエハ12をカセット14内に再挿入し、ウエハ12を釈放し、カセット14から後退する。
【0041】
端部エフェクタ110の基端120をロボットアーム16に、作動可能に連結し、末端122の方に突出する。端部エフェクタ110はウエハ12をその基端120と末端122との間に受け入れる。この端部エフェクタ110は少なくとも2個、一層好適には4個の弓形の静止パッドを有しており、最初、この上にウエハ12を乗せる。端部エフェクタ110の末端122に、又は末端122に隣接して、2個の末端弓形静止パッド124を設置する。少なくとも1個、好適には2個の基端弓形静止パッド126を基端120に向け、設置する。例えば、基端静止パッド126間にのみ位置するように示した平坦部27より、一層広く広がる角度を末端弓形静止パッド124、及び基端弓形静止パッド126は有する。ウエハ12は図示の方向と異なる方向を指向していてもよいこと、もちろんである。
【0042】
図面に示すように分離しているか、又は単一の静止パッドに結合している弓形静止パッド124、126はウエハ12上のいかなる特色よりも、即ち平坦部よりも広く広がる角度を有し、ウエハ12が平坦であっても、平坦でなくとも、特別帯域30内のみで十分にウエハを把持することができる。静止パッド24、26と同様に、静止パッド124、126は種々の材料で作ることができるが、上述の「ピ−ク」が好適な材料である。
【0043】
図9は平坦なウエハ、又は平坦でないウエハに使用するのに適する末端弓形静止パッド124の実施例を示す。末端弓形静止パッド124は傾斜パッド部132と、後部止め部134とを有する。図4をも参照し、傾斜パッド部132は平面36に対して、約3度の静止パッド角44の角度に、ウエハ12から離れるように傾斜しており、後部止め部136は約3度までの後部止め角38の角度に、ウエハ12に向け傾斜する。傾斜パッド部132は特別帯域30の深さの関数である長さ140を有する。この長さは約3mmであるのが好適である。前の場合のように、ほぼ丸みを有する終端縁を有し、ウエハの端縁の接触(強制的に特別帯域30内での接触)によって、弓形静止パッド124に接触する。周端縁は必ずしも丸くする必要がないことはもちろんである。傾斜パッド部132と、後部止め部134との間に形成された包括角内にウエハ12を押圧することによって、このウエハ12を把持する。
【0044】
末端弓形静止パッド124はウエハ12の頂面を越えて、突出しないが、ほぼこの頂面に達する高さ148を有する。
【0045】
再び、図7において、基端弓形静止パッド126は末端弓形静止パッド124に類似するが、相違するのは、各静止パッド126は必ずしも後部止め部を必要としないこと、及びそのパッド部の長さが長さ140の約2倍であることである。
【0046】
更に、端部エフェクタ110は作用接触点150を有し、この作用接触点150は端部エフェクタ110の基端120にあり、基端弓形静止パッド126の間にある。作用接触点150は後退したウエハ積載位置(図示せず)と、図示の突出したウエハ把持位置との間を移動することができる。
【0047】
再び図8を参照し、この図面は端部エフェクタ110を採用した作用接触点作動機構151の第2実施例を示す。後退位置と突出位置との間に往復動するよう、作用接触点150をピストン152に作動するように連結する。この実施例では、ピストン152はシリンダボア154内で往復動し、作動接触点150を突出させるよう、ばね155によって、ピストン152は押圧され、作動接触点150を後退させるよう、真空圧によって、ピストン152は押圧される。環状気密シ−ル158に貫通するピストンロッド156によって、作用接触点150はピストン152に連結される。シリンダボア154は真空室160の一方の壁を形成している端部キャップ159を有する。真空室160の他方の壁はピストン152によって移動可能に形成されている。真空供給路162と真空チャネル164とを通じて、真空室60は真空圧力源(図示せず)に空気連通している。ばね155はピストン152の表面を押圧して、作用接触点150をウエハ把持位置に突出させると共に、真空圧は真空室160を通じて、ピストン152の表面に作用し、ばね力に打ち勝って、作用接触点150をウエハ釈放位置に後退させる。
【0048】
第2実施例では、ばね155のみによって決定される力で、作用接触点150をウエハ12に押圧する。ピストン152内の凹所166と端部キャップ159との間に、ばね155は支持される。真空圧力源はロボットアーム16内の回転真空連通シ−ル、又はスプールを通じて、真空チャネル164に達する。
【0049】
更に、作動機構151は大気に空気連通する通気孔168を有し、真空圧力源に連通していないシリンダボア154の部分内で、ピストン152は自由に動くことができる。作動機構151は端部キャップ159と真空供給路とを包囲するOリングシ−ル170と、ピストン152を包囲する環状移動シ−ル172とによって、「真空密」に作られる。ピストン152の表面に嵌着されたOリングバンパシ−ル174によって、ピストン152の移動端で、ピストン152によって、潜在的に生ずる接触衝撃を吸収する。
【0050】
ウエハ12を端部エフェクタ10上に乗せた後、作用接触点150を作動させて、ウエハ12をその把持位置に動かす。作用接触点150をばね155によって突出させると、ウエハ12を末端弓形静止パッド124に向け押圧し、作用接触点150と、末端弓形静止パッド124とにより、ウエハ端縁接触(及び強制的に特別帯域30)により、ウエハ12を把持する。作用接触点150は内方に傾斜する面部176を有し、この面部176によって、ウエハ12を基端弓形静止パッド126に押圧し、これによりウエハ12の周端縁を確実に把持する。
【0051】
基端弓形静止パッド126を末端弓形静止パッド124に対し、相対的に配置し、把持した時、ウエハ12の平面が端部エフェクタ110に平行になるようにする。
【0052】
端部エフェクタ10と同様に、基端120における作用接触点150の位置によって、カセット14内に隣接するウエハ12、12A、12B間に整合しない移動機構を有する端部エフェクタよりも、この端部エフェクタ110を一層軽くし、一層強くし、一層細くすることができる。基端と末端との間に移動機構がないことによって、端部エフェクタ110によりカセット14内に発生する汚損が少なくなる。更に、2個の真空圧用管によって作動する端部エフェクタ10とは異なり、端部エフェクタ110は作動のため1個の真空圧用管を必要とするだけである。端部エフェクタ10は作動機構151を取り付け得ることはもちろんである。
【0053】
隣接するウエハ12、12A、12Bは密接離間しているので、端部エフェクタ110がカセット14に入り、隣接するウエハに接触することなく、ウエハを確実に把持するために、端部エフェクタ110を正確に位置決めすることが必要である。
【0054】
図7、図10、及び図11は端部エフェクタ110に対する正確なウエハ12の位置決めデータを提供するウエハ端縁センサ、及び高さセンサの第2実施例のそれぞれ平面図、端面図、及び底面図である。ウエハ端縁センサは第1センサハウジング180、第2センサハウジング182内に収容され、各センサは各ハウジング内に光透過センサを形成する対を成すファイバ光源、及び受光部を有する。高さセンサを端部エフェクタ10の末端122内に収容している。
【0055】
2個のウエハ端縁センサは次のように作動する。第1センサハウジング180、及び第2センサハウジング182はそれぞれ端部エフェクタ10の場合におけるように、光源ファイバ84と、受光ファイバ86とを有し、これ等ファイバはその間に、小さなU字状開口88を形成し、この開口内にウエハ12の周縁18を嵌着することができる。前の場合と同様に、ファイバ84、86は相互に向き合う光路開口を有し、これ等開口はウエハ12の周縁18の存在、又は不存在を検出するための狭い光透過路を形成する。これ等2個のウエハ端縁センサは平坦部27の長さより長い距離183によって、相互に分離されており、2個のウエハ端縁センサのうちの一方のセンサのみがウエハ12の周縁18を検出した時、平坦なウエハを検出することができる。ウエハ12は平坦部27を検出するため、カセット14内で適切な方向を指向していなければならないこともちろんである。
【0056】
高さセンサは次のように作動する。第1実施例とは異なり、第1センサハウジング180、及び第2センサハウジング182は光源ファイバ96、及び受光ファイバ98を有していない。この実施例ではむしろ、光源ファイバ96は端部エフェクタ110の底面に形成された第1チャネル184を通じて、基端120と、端部エフェクタ110の末端122に近い第1末端歯188との間に通る。同様に、受光ファイバ98は端部エフェクタ110の底面に形成された第2チャネル186に通り、基端120と、端部エフェクタ110の末端122に近い第2末端歯190との間に通る。末端歯188、190はギャップ191を横切って広く離間しており、このギャップ191はウエハ再配列装置のような処理装置の或る形式のための逃げ領域を形成する。
【0057】
ファイバ96、98は末端歯188、190に形成された相互に向き合う光路開口192、194まで達している。ファイバ96、98はその間に例えば、ウエハ12Aの底面の弦200に沿って見えている広い開口を形成している。相互に向き合う光路開口192、194はウエハ12Aの底面の弦200の存在、又は不存在を検出する狭い光透過路202を形成する。端部エフェクタ110において、光透過路202はウエハ12に最初に接触する末端122の部分を越えて延びており、これにより、障害物検知能力を更に高めている。前の場合と同様に、通常のように、光源/受光モジュール94はファイバ96、98の間の光の透過の程度を検出し、これにより、光路開口192、194間の底面の弦200の位置を正確に検知することができる。ファイバ96、98の相対位置を逆にしてもよいことはもちろんである。
【0058】
カセット内に密接離間するウエハの中から端部エフェクタ110が所定のウエハに接近する手順を図7、図8、及び図10につき以下に説明する。
【0059】
作用接触点150をその後退位置に置く。
端部エフェクタ110をカセット14に向け、X方向に動かし、カセット14内の任意のウエハ12の予想位置に、歯188、190が接触せずに、隣接するようにする。
【0060】
次に、端部エフェクタ110をZ方向に走査させ、光透過路202はカセット14内のいずれかのウエハの底面の弦200に交差し、更に、光透過路202はカセット14から端部エフェクタ110に向け突出するいかなる障害物をも検出する。
【0061】
制御器(図示せず)はいずれかのウエハ、及び検出された障害物の底面のZ方向の高さを記録する。
【0062】
ロボットアーム16を計算されたZ方向の高さまで動かし、ウエハ12Aのような所定のウエハに接近させると共に、隣接するウエハ間に端部エフェクタ110のための間隙を生ぜしめる。
【0063】
次のようなオプションの作動を行ってもよい。
端部エフェクタ110をカセット14に向け、X方向に、随意に動かし、歯188、190をウエハ12Aに接触せず、隣接するようにする。この位置で光透過路202はウエハ12Aの底面の弦200に隣接してあるべきである。
ロボットアーム16を随意に、Z方向に動かし、ウエハ12Aの底面の弦200を検知する。
制御器はウエハ12Aの底面の予め検知されたZ方向の高さを確かめる。
ロボットアーム16を随意にZ方向に動かし、隣接するウエハ間に端部エフェクタ110のための間隙を生ぜしめる。
【0064】
端部エフェクタ110を隣接するウエハ間に、カセット14内に、X方向に挿入し、少なくとも1個のウエハ端縁センサ間に、周縁18を検知する。
【0065】
制御器は計算されたZ方向に端部エフェクタ110を動かし、積載パッド124、126上にウエハ12Aに接触させる。
【0066】
作用接触点150を作動させ、末端弓形静止パッド124のパッド部132と後部止め部134との間の包括角内にウエハ12Aを押圧し、ウエハ12Aを把持する。(図17では、把持されたウエハをウエハ12としてしめす。)
【0067】
端部エフェクタ110はカセット14から、X方向に、ウエハ12Aを引き出す。
端部エフェクタ110は非常に薄いZ方向の輪郭と、正確なウエハ位置の検知とを組み合わせて、カセット内の非常に密接して離間するウエハの手ぎわの良い、迅速、確実な移動を可能にする。
【0068】
図12、図13、及び図14はウエハカセット14(図示せず)に向け、及びウエハカセット14からウエハ12(下の構造が見えるよう透明に示す)のような半導体ウエハを移送するための本発明の好適な第3実施例のフォーク状端部エフェクタ210を示す。端部エフェクタ210は端部エフェクタ10、100に類似するが、更に、位置検知作用接触点作動機構212を有し、基端縁センサと高さセンサとを省略している。更に、端部エフェクタ210は末端センサ214を採用し、種々のウエハ検知操作を達成する。末端センサ214は図7、及び図10に示すように、光透過路202を発生する高さセンサと同様に作用する。
【0069】
図13はウエハカセット14内に堆積して示したウエハ12、12A、12Bのような密接離間するウエハの中から、ウエハ12を取り出して、置き替えるのに特に適している。
【0070】
図14は基端216で、ロボットアーム16に作動可能に連結され、フォーク状の末端218、220まで延びる端部エフェクタ210を示す。端部エフェクタ210は基端216と、フォーク状末端218、220との間にウエハ12を収容する。この端部エフェクタ210は少なくとも2個、更に好適には4個の弓形静止パッドを有し、最初、このパッドの上にウエハ12を乗せる。末端弓形静止パッド124を各フォーク状の末端218、220に、又はそれに隣接して設置し、少なくとも1個の、好適には2個の基端弓形静止パッド126を基端216に向け設置する。また、端部エフェクタ210は端部エフェクタ210の基端に位置し、基端弓形静止パッド126間にある作用接触点222を有する。
【0071】
図12、及び図13において、位置検知作用接触点作動機構212は作用接触点作動機構の第3実施例である。第2実施例におけるように、完全後退位置、完全突出位置、及び中間位置の間に往復動するよう、作用接触点222は作動可能にピストン152に連結されている。ピストン152はシリンダボア154内に移動し、ばね(図8参照)によって、ピストン152は押圧され、作用接触点222を突出させる。また、真空圧力によって、作用接触点222を後退させる。環状気密シ−ル158に貫通するピストンロッド156によって、作用接触点222をピストン152に連結する。シリンダボア154は真空室160の一方の壁を形成する端部キャップ159を有する。この真空室160の他方の壁はピストン152によって移動できるように形成されている。真空室160は真空供給路162と真空チャネル164とを通じて、真空圧力源(図示せず)に空気連通している。ばねによって、ピストン152の表面を押圧し、作用接触点222をウエハ把持完全突出位置まで突出させると共に、真空圧は真空室160を通じて、ピストン152の表面に作用し、ばねの力に打ち勝ち、作用接触点222をウエハ釈放完全後退位置に後退させる。
【0072】
更に、作動機構212は大気に空気連通する通気孔168を有し、真空圧力源に空気連通していないシリンダボア154の部分内でピストン152は自由に動くことができる。作動機構212は端部キャップ159と真空供給路162とを包囲するOリングシ−ル170により、及びピストン152を包囲する環状移動シ−ル172により、「真空密」に作られる。
【0073】
第1実施例、及び第2実施例と異なり、作動機構212は更に、位置表示軸224を有し、この位置表示軸224はピストン152に取り付けられ、端部キャップ159の環状シ−ル226に軸線方向に貫通している。端部キャップ159の直ぐ後方に位置する回路板232に、1対の光遮断スイッチ228、230を取り付け、位置表示軸224の位置に応じて、それぞれの光遮断スイッチ228、230内の1対の光ビーム234、236を遮断する。
【0074】
光遮断スイッチ228、230は後退位置領域、安全把持作用領域、及び突出位置領域に対応する作用接触点222の位置を検知する。(図12、及び図13は完全突出位置にある作用接触点222を示している。)
【0075】
後退位置領域はウエハ12が把持されていないことを保証し、また、位置表示軸224が両方の光ビーム234、236を遮断した時、このウエハ12は検知される。
【0076】
安全把持作用領域はウエハを積載し、把持し、又は取り外す作用を作用接触点222が安全に行うことができる作用接触点222の位置であり、位置表示軸224が光ビーム234でなく、光ビーム236を遮断した時、この安全把持作用領域は検知される。更に、作用接触点222が突出して、安全把持作用領域に静止した時、適正なウエハの把持が立証される。
【0077】
突出位置領域は作用接触点222がウエハ12を把持していない作用接触点222の位置の範囲であり、位置表示軸224が光ビーム234、236のいずれをも遮断していない時、この突出位置領域は検知される。
【0078】
光遮断スイッチ228、230は上述の制御器に電気的に連通する。制御器は真空圧力源作動ピストン152に相互に作用して、真空圧の量をパルス調整、又は圧力調整し、これにより作動接触点222の位置を制御する。作用接触点222を位置決めするのに、制御可能な動力の種々の他の形式を採用し得ることはもちろんである。
【0079】
一作動例では、作用接触点222を安全把持作用領域に動かし、ウエハ12を端部エフェクタ210に積載する。ウエハ12を積載した後、作用接触点222を作動させて、ウエハ12をその把持位置に動かす。作用接触点150を突出させると、作用接触点はウエハ12を末端静止パッド124の傾斜パッド部132に押圧し、ウエハ12を把持する。ウエハ12を適正に把持するのを確実にするためには、作用接触点222は安全把持作用領域内で検知される必要がある。
【0080】
光ビーム234、236の両方を遮断する位置表示軸224によって、検知される後退位置領域に、作用接触点222を後退させることによって、ウエハ12を釈放する。ウエハ12を釈放した時、ウエハは末端弓形静止パッド124の傾斜パッド部132上を滑って戻り、これにより、端部エフェクタ210の安全なZ軸線方向の高さの移動と、後退とのため、ウエハ12と後部止め部134との間に十分な間隙を生ぜしめる。
【0081】
図14は端部エフェクタ10、110のウエハ端縁センサを除去した、端部エフェクタ210の第3実施例の平面図である。端部エフェクタ210の末端センサ214はフォーク状末端218、220内に収容されている。末端センサ214は次のように作動する。光源ファイバは端部エフェクタ210の底面内に形成された第1チャネル238(点線にて示す)を通じて、基端216と、フォーク状末端218との間に通る。同様に、受光ファイバは端部エフェクタ210の底面に形成された第2チャネル240(点線にて示す)を通じて、基端216と、フォーク状末端218との間に通る。フォーク状末端218、220はギャップ242を横切って広く離間しており、このギャップ242はウエハ予配列装置のような処理装置の或る形式のための逃げ領域を形成している。
【0082】
これ等光ファイバはフォーク状末端218、220に形成された相互に向き合う光路開口(図示せず)に達する。これ等光ファイバはウエハの周端縁、又は底面の弦に沿って見える広い開口をこれ等光ファイバの間に形成する。相互に向き合う光路開口はウエハの周縁、又は底面の弦の存在、又は不存在を検出するための狭い光透過路244を形成する。光透過路244は最初にウエハに接触するフォーク状末端218、220の部分を越えて延在しており、これにより、一層、障害物を検知する能力を生ずる。前の場合と同様、光源/受光モジュール94は通常のように、ファイバ間の光透過の程度を通常のように検出し、これにより、光透過路244を遮断するいかなる物体をも検知する。
【0083】
端部エフェクタ210は末端センサ214を採用し、ウエハの周端縁、及び/又は頂部、及び底面の弦を検知し、次の種々のウエハに関する操作を行う。即ち、カセット内のウエハの存在、又は不存在、カセット内のZ軸線方向の位置、カセットからの突出、カセット内での傾斜角を決定し、回転中心、厚さ、ウエハとロボットアーム回転軸線との間の中心から中心までの距離を決定し、端部エフェクタの図心位置を確かめることである。端部エフェクタ210の光透過路244を参照して、ウエハ検知作用を以下に説明するが、端部エフェクタ110の光透過路202によって、このウエハ検知作用を達成することもできる。
【0084】
図14は3個の異なるウエハ位置を示す。ウエハ12(仮想線にて示す)は端部エフェクタ210によって把持された状態に示されており、ウエハ12A(実線にて示す)はウエハ端縁検知位置に示されており、ウエハ12B(点線にて示す)はウエハ弦検知位置に示されている。
【0085】
カセット(図示せず)から突出するウエハ12Bを検知するには、各走査の始めに、ロボットアーム16をZ軸線方向に、上下に動かし(走査し)、端部エフェクタ210をX軸線方向に動かし、ウエハ12Bのような突出するウエハを検出することが必要である。従来のロボットアームシステムでは通常、公知の突起用センサを採用する。いずれの突出するウエハもウエハ12Aによって示すようなウエハの適正な位置に戻るように動く。全てのウエハがその適切な位置にある時、最終走査によって、カセット内のZ軸線方向のウエハの位置を決定する。ロボットアーム16のX軸線、及びZ軸線方向の移動は微細な分解能モードであるのが好適である。
【0086】
検出されたウエハ12Bの存在を示すように、光透過路244が遮断された後、ウエハ12Bの頂面の弦が光透過路244を遮断するまで、端部エフェクタ210をZ軸線方向、下方に動かすことによって、端部エフェクタ210はウエハ12Bをその頂面、及び底面で設置することができる。端部エフェクタ210は下方に動き続け、光透過路244を回復させる。この趣旨はウエハ12Bの底面の弦を検知していることを表している。次に、光透過路の遮断する点と、回復する点との間の中間にあるZ軸線方向の位置まで端部エフェクタ210を動かす。Z軸線方向のこの位置はウエハ12Bの厚さのほぼ中間点を示している。このZ軸線方向の位置を保持しながら、端部エフェクタ210をX軸線方向に後退させ、ウエハの周縁18が検出されたことを表すように、光透過路244を回復させる。ウエハ12Aをこの位置に示す。
【0087】
端部エフェクタ210がウエハ12Aによって表される端縁検出点にある時は、ウエハ12Aの半径は既知であるから、制御器、及びロボットアーム16に関連する位置エンコーダはウエハ12Aの中心246までのX軸線方向距離、即ち半径方向距離を決定することができ、ウエハ12Aの底面と、端部エフェクタ210との間に間隙を生ぜしめるのに必要な下方のZ軸線方向距離を決定する。カセットからウエハを設置し、取り戻す時、この間隙を知ることが必要である。それは、ウエハは端部エフェクタ210に必ずしも平行でなく、カセット内の隣接するウエハ間の距離は確定されていないからである。
【0088】
更に、端部エフェクタ210はY軸線に対する端部エフェクタ210のX軸線の周りの傾斜角である制御できる回外運動角248を有する。カセット内に水平に堆積されたウエハは零度の傾斜角における主表面を通常、有する。この主表面は端部エフェクタ210の回外運動角248に整合する。しかし、ウエハ表面の汚損を減少させるため、ウエハをカセット内に垂直に保管することが多く、カセットの保管溝孔はウエハの厚さより幅が広いから、ウエハは定まっていない傾斜角を占める。ウエハのカセットを水平位置に戻した後でも、この傾斜角は定まった角度でない。従って、回外運動角248がウエハ傾斜角に等しいかどうかを決定するため、次の方法が行われる。この方法では、単なる例示であるがウエハは水平方向にある。
【0089】
端部エフェクタ210の回外運動角248は約、零度に設定される。
ロボットアーム16は端部エフェクタ210をX軸線方向に動かし、光透過路244はウエハ12Bの弦に交差する。
ロボットアーム16は端部エフェクタ210をZ軸線方向に、上下に動かすと共に、ウエハ12Bの最小厚さが計算されるまで、端部エフェクタの回外運動角248を変化させる。
【0090】
この最小厚さは端部エフェクタ210、及びウエハが同一のデータ平面内にあり、従って、回外運動角248はウエハ12Bの傾斜角にほぼ等しいことを示している。
【0091】
ロボットアームシステムには2個の端部エフェクタ、又は多数アームを具えることができる(複アームロボットについての図16A、及び図16B参照)。制御できる回外運動角についての上述の技術は、X、Y、及びZ方向の寸法のオフセットを決定するための基準として、単一のウエハを使用することにより、このような多数端部エフェクタシステムまで拡大することができる。
【0092】
図15A、及び図15Bにおいて、光透過路244を採用して、カセット内、又は再配列装置(図示せず)上のウエハ12の若干、不確定な位置にロボットアーム16と、端部エフェクタ210を配列する。ウエハ12の中心252と、端部エフェクタ210上の作用接触点222(目標として示す)と、ロボットアーム16の肩軸線260とが全て一線になった時、図15Bに示すように、配列が達成される。配列を決定するには、r軸線が肩軸線260から半径方向に延び、θ軸線が肩軸線260の周りに角度として延在し、Z軸線が肩軸線に一線に延在する円筒座標系を採用するのが好適である。
【0093】
配列操作を行うには、ロボットアーム16の肩軸線260と、ウエハ12上の周縁18の最も近い点との最小半径距離rMIN を見出す必要がある(この説明を明瞭にするためウエハ12の寸法を縮小してある)。これは肩軸線260と、周縁18を接線方向に検知するための光透過路244との間の最大突出距離rEXT を決定するのと同一である。突出距離r EXT はロボットアーム16を制御するこのシステムによって、読み取られ、制御することができる。
【0094】
図15Aはそれぞれ実線と、点線とで示した第1角移動位置と、第2角移動位置とに位置しているロボットアーム16と、端部エフェクタ210とを示す。ウエハ中心252と肩軸線260との間に延びる線から角度θ1 にある第1角度移動位置まで、ロボットアーム16を移動することによって、配列操作は開始される。
【0095】
ロボットアーム16をr軸線方向に突出し、Z軸線方向に走査して、光透過路244がウエハ12を検知し得るようにする。
次にロボットアーム16をr軸線方向に後退させ、ウエハの周端縁18を検出し、第1突出距離rEXT1を読み取る。
ウエハ中心252と肩軸線260との間に延びる線からθ2 の角度の第2角度移動位置まで、ロボットアーム16を動かす。
ロボットアーム16をr軸線方向に突出させ、Z軸線方向に走査し、光透過路244がウエハ12を検知し得るようにする。
次に、ロボットアーム16をr軸線方向に後退させ、ウエハの周端縁18を検出し、第2突出距離rEXT2を読み取る。
【0096】
上述の回転、及び端縁の検出の工程を繰り返し、肩軸線260と周縁18との間の最大距離を決定する。この配列位置を図15Bに示す。
【0097】
代案として、いずれか2個の突出距離を知った後、計算をすることによって、配列された位置を集約し、制御器によって将来使用するため、その値を記憶する。例えば、移動角度θに関して言えば、対応する突出距離rEXT が既知であり、突出距離rEXT がrMIN に等しい特定の移動角θは余弦の法則を使用して計算することができる。配列位置は手動で設定することもでき、制御器による将来の使用のため、この位置を記憶することはもちろんである。
【0098】
図15Bは配列位置にあるロボットアーム16と、端部エフェクタ210とを示す。ウエハ12を取り戻すため、この位置から、ロボットアームの制御器は次の移動操作を行う。
【0099】
制御器は肩軸線260と、ウエハの中心252との間に延在する仮想線に沿って、端部エフェクタ210の図心262を動かす作動を行い、図心262がウエハの中心252の上方にあるようにする。必要なr軸線方向の移動距離はオフセット距離と称し、次のように計算される。
光透過路244と、末端静止パッド124との間のr軸線距離は、端部エフェクタ210を製造する時、定まる所定距離264である。
同様に、ウエハ12は所定の直径266を有する。
従って、このオフセット距離は距離264と直径266との合計である。
【0100】
制御器は突出するウエハを設置し、取り替えるため、そしてウエハの頂面、及び底面のZ軸方向位置、及び周縁18のr軸線位置を決定し、ウエハの傾き角を決定し、更に選択されたウエハ12に一線の位置に動かすため、上述の走査、及び検知作動に従って、端部エフェクタ210を予め動かしているものと仮定する。
【0101】
選択されたウエハ12の底面、及び任意隣接するウエハの頂面から離れているZ軸線方向の位置まで、端部エフェクタ210を動かす。
r軸線方向に、オフセット距離にわたり、端部エフェクタ210を動かす。
基端静止パッド126(図14参照)、及び末端静止パッド124をウエハ12に接触させるように、端部エフェクタ210をZ軸線方向に、或る距離にわたり動かす。
【0102】
作用接点222(図14参照)を作動させて、末端静止パッド124の包括角内に、ウエハの周縁18を動かし、ウエハ12の端縁を把持する。
端部エフェクタ210はr軸線方向に動くことによって、ウエハ12を取り戻す。
【0103】
この上述の距離、及び配列の決定は従来のロボットアーム、及び端部エフェクタによって必要とされる教示された要旨のいずれをも必要とせず、達成することができる。もしも、多数の端部エフェクタ210を採用する時は、これ等端部エフェクタ間のZ軸線方向の距離の差、又は高さの差を決定すると共に、上述の手順を繰り返す。
【0104】
図5において、ハウジング80、82内のU字状端縁検出センサは非平坦300mmウエハの或るパラメータを決定するのに有用である。例えば、ウエハがカセット内にあるか、又は端部エフェクタがウエハの下にある間に、ロボットアームの肩軸線とウエハの中心との間の中心対中心距離を決定するのに、この端縁検出センサを採用することができる。U字状開口88(図6A参照)のZ軸線寸法は潜在的な離間の問題を生ぜしめることはもちろんである。
【0105】
再び図15A、及び図15Bにおいて、光透過路244を端部エフェクタ210の回外運動能力と組み合わせて使用して、端部エフェクタ210の図心262がウエハ12Bの中心252、及びロボットアーム16の肩軸線260に軸線方向に一線になっているか、否かを決定することができる。理想的には、図心262は把持されたウエハの中心に同軸であり、肩軸線260と、ウエハ12の中心252との間に延在する仮想線上に図心があることである。しかし、製造公差、及び光透過路244を生ずる構成の位置が原因で、計算された図心262の位置が、回転の回外運動の軸線からオフセットすることがある。図心262がオフセットしているか、合致しているかを決定するには、上述の配列操作を実施し、180°の回外運動角248(図14参照)にわたり、端部エフェクタ210を回転し、配列操作を繰り返すことが必要である。図心がオフセットしていると、計算された配列は回転の回外運動の軸線の両側に鏡面影像関係になる。図心262の正確な位置は2個の計算された配列を平均することによって決定される。
【0106】
上述の実施例は本発明の原理を単に説明したものである。本発明の原理を採用すれば、当業者によって、種々の変更を加えることができ、これ等の変更も本発明の範囲内にある。
【0107】
例えば、ウエハ12を取り付けた際、例えばピストンを遅くさせるパルスソレノイドのような代わりの電源によって、ピストンを作動させ得ることは、当業者には明らかである。電気信号を採用し、ピストンを駆動し、ピストンの位置決めを監視してもよい。端部エフェクタを液体内に浸漬する用途の場合のように、ピストンを空気的に作動させ、監視してもよい。
【0108】
端部エフェクタをフォーク状にしてもよく、又は予配列装置のボスのような障害物を避ける切除部を設け、又は障害物を避ける構造にすることができる。2つ、又はそれ以上の自由度を有するX−Yテーブル、及びその他の位置決め装置のようなロボットアーム以外の装置により、端部エフェクタを動かしてもよい。また、半導体ウエハ以外のLCD ディスプレイパネル、コンパクトディスケット、及びコンピュータメモリディスクのような上述のカセット以外のキャリヤに収容できる種々の形式の試料を取り扱うために、この端部エフェクタを使用することができる。
【0109】
また、センサは発行ダイオード、及びダイオードレーザからのレーザビームを採用するのが好適であるが、白熱光、赤外線、その他の放射線源を採用することもできる。
【0110】
静止パッドが包含される角度は鋭角であるのが好適であるが、本発明は試料を重力で端部エフェクタに保持する実施例を有し、この場合、静止パッドが包含される角度は180度より小さい鈍角であってもよい。
【0111】
図16A、図16B、及び図17、図18は端部エフェクタ210を取り付けることができる多数リンクロボットアームシステム308の形式を示す。図19A、及び図19Bはロボットアームの移動を特徴づける適切な数学表示に組み合わせて、位置決めロボットアーム機構308の例を示し、上述の種々のウエハ検知技術に関連するパラメータを計算するのに必要な直線移動、及び角移動の操作を示す。米国特許第5765444 号にはこの形式のロボットアームシステムの構造、及び作動を詳細に説明している。
【0112】
図16A、及び図16Bは支持テーブル309の頂面の孔に貫通し、この頂面上に取り付けた2個のアームを有する多数リンクロボットアームシステム308のそれぞれ側面図、及び平面図である。図16A、及び16Bにおいて、2個の類似するが、独立して制御される3リンクロボットアーム機構310L、及び310Rを胴部リンク311の両端に回転自在に取り付け、中心軸線、即ち胴部軸線313の周りに回転するように、ベースハウジング312の頂面に胴部リンク311を取り付ける。これ等機構は相互に鏡面影像の関係にあるから、ロボットアーム機構310L、及び310Rは符号に、それぞれ「L」、及び「R」を付して示す対応する構成部分を有する。従って、次の説明はロボットアーム機構310Rのみの構造と、作動とについて行うが、この説明はロボットアーム機構310Lにも同様に適用することができる。
【0113】
ロボットアーム機構310Rは円筒スペーサ315Rの頂面に取り付けられた上腕314Rを有し、この上腕314Rは肩軸線316Rの周りに、回転するように、胴部リンク311の右端に位置する。以下に説明するように、円筒スペーサ315Rはモータと、ロボットアーム機構の或る他の構成部分とを収容する空間を提供する。上腕314Rは肘軸線324Rの周りに回転するように、前腕322Rの基端320Rを取り付けた末端318Rを有し、前腕322Rは手首軸線332Rの周りに回転するように、端部エフェクタ、即ち手210Rの基端328Rを取り付けた末端326Rを有する。手210Rはその末端334Rに流体圧力送出口336Rを具え、導入口338において、ロボットアーム機構310Rに加えられた真空圧を真空チャネル164に加え、半導体ウエハ12、コンパクトディスク、又はその他適切な試料(図示せず)を手210上の所定位置に確実に保持する。後に詳細に説明するように、上腕314R、前腕322R、及び手210Rのおのおのはそれぞれ肩軸線316R、肘軸線324R、及び手首軸線332Rの周り連続的に回転することができる。
【0114】
図17はロボットアーム機構310Rのリンク構成部分、及び関連する機構リンクを示す。図17において、ロボットアーム機構310Rは第1、及び第2の同心モータ350R、352Rによって位置決めされる。これ等のモータはモータ制御器354(図19A、及び図19B参照)によって発生する指令に応動して作動する。第1モータ350Rは肘軸線324Rの周りに、前腕322Rを回転し、第2モータ352Rは肩軸線316Rの周りに上腕314Rを回転させる。
【0115】
また特に、第1モータ350Rは前腕スピンドル356Rを回転する。この前腕スピンドル356Rは上腕314Rに貫通し、上腕プーリ358Rまで達する。支柱360Rは上腕314Rの末端318Rにおいて、軸受362Rの中心に上方に貫通しており、軸受362Rは前腕322Rの基端320Rで、底面364Rに取り付けられている。また支柱360Rも前腕322Rの孔に貫通して、前腕プーリ366Rまで達する。無終端ベルト368Rによって、上腕プーリ358と、軸受362Rの外面とを連結し、第1モータ350Rの回転に応動して、肘軸線324Rの周りに、前腕322Rを回転する。
【0116】
第2モータ352Rは上腕314Rの底面382Rに取り付けられた上腕スピンドル380Rを回転し、肩軸線316Rの周りに上腕314Rを回転する。上述の機械的リンクに組み合わされた第1モータ350R、及び第2モータ352Rの統合された作動により、肩軸線316Rの周りに手210Rを回転させる。主柱384Rは手210Rの底面388Rに取り付けられた軸受386Rの中心に上方に貫通する。無終端ベルト390Rは前腕プーリ366Rを軸受386Rの外面に連結し、モータ350R、352Rの統合された回転運動に応動して、肩軸線316Rの周りに手210Rを回転する。
【0117】
上腕314Rと前腕322Rとを連結する機械的リンクは能動駆動リンクと、受動駆動リンクとを形成する。能動駆動リンクは上腕プーリ358Rと軸受362Rの外面とを連結するベルト368Rを有し、第1モータ350Rの回転に応動して、前腕322Rを回転させる。受動駆動リンクは前腕プーリ366Rと軸受386Rの外面とを連結するベルト390Rを有し、肘軸線324Rの周りの前腕322Rの回転に応動して、手首軸線332Rの周りに手210Rを回転させる。第2モータ352Rの回転に応動する上腕314Rの回転と、能動駆動リンク、及び受動駆動リンクとの複雑な相互作用によって、手210Rの回転を行わせることもできる。
【0118】
第3モータ、即ち胴部モータ392は胴部リンク311の底面に取り付けられた胴部リンクスピンドル394を回転させる。ロボットアーム機構310Rは回転するように、胴部リンク311に取り付けられている。主リンクが軸受組立体398を支持し、この軸受組立体398の周りに、スピンドル394が回転する。モータ392は中心軸線313の周りに360度、連続的に回転することができ、従って、モータ392はロボットアーム機構310Rと協働して、手210Rの範囲内の任意の位置まで、不規則な通路に沿って、手210Rを動かすことができる。
【0119】
モータ制御器54(図19A、及び図19B参照)は2つの好適な作動状態で、モータ350R、352Rを制御し、2つの主要な運動シーケンスをロボットアーム機構310Rに行わせる。第1運動シーケンスは手210Rの突出位置、即ち半径方向位置を変化させ、第2運動シーケンスは肩軸線316Rに対する手210Rの角度位置を変化させる。図18はこれ等2つの運動シーケンスを示すのに有用な線図である。
【0120】
図17、及び図18を参照して、第1作動状態において、モータ制御器354は前腕スピンドル356Rの位置を第1モータ350Rに維持させ、上腕スピンドル380Rを第2モータ352Rによって回転させる。第1モータ350Rを回転させないことによって、上腕プーリ358Rの位置を維持し、第2モータ352Rによる上腕スピンドル380Rの回転によって、肩軸線316Rの周りに、上腕314Rを回転させ、これにより、肘軸線324Rの周りに、前腕322Rを回転させ、手首軸線332Rの周りに、手210Rを反対方向に回転させる。上腕プーリ358Rの直径と、軸受362Rの外径との比は4:2であり、前腕プーリ366Rの直径と、軸受386Rの外径との比は1:2であるから、図18に、P2 によって示す特定の方向に、上腕314Rが回転することによって、手210Rを直線路400に沿って動かす。(前腕プーリ366Rの直径と、軸受386Rの外径とはそれぞれ軸受362Rの外径と、上腕プーリ358Rの外径との1/2であり、前腕322Rと手210Rとの寸法、及び形状を合理化している。)
【0121】
上腕314RがP2 によって示す時計方向に回転する時はいつでも、手210Rは通路400に沿って延びる(即ち、肩軸線316Rからの半径方向距離を増大する)。上腕314がP2 によって示す反時計方向に回転する時はいつでも、手210Rは通路400に沿って後退する(即ち、肩軸線316Rからの半径方向距離を減少させる)。図18に示す鏡面影像形態のロボットアーム機構310は上述の方向とは反対方向の上腕314の回転に応動して、突出し、後退することは当業者には明らかである。図16Bはロボットアーム機構310Rを突出させた時、軸線313、316R、324R、332Rは一線になることを示している。
【0122】
第2作動状態では、モータ制御器352RはP1 によって示す方向に、前腕スピンドル356Rを第1モータ350Rによって回転させ、P2 によって示す方向に、第2モータ352Rによって上腕スピンドル380Rを回転させる。同一の移動量によって、同一方向に回転するようモータ350R、352Rが同期して回転する特別な場合には、手210Rは肩軸線316Rの周りに角移動のみを行う。これは、第1モータ350Rの回転によって生ずる肘軸線324Rの周りの前腕322Rの回転と、第2モータ352Rの回転によって生ずる手首軸線332Rの周りの手330Rの回転と、受動駆動リンクの作動とが相互にオフセットしていて、肘軸線324R、及び手首軸線332Rの周りに正味の回転を生じないためである。従って、手210Rは通路400に沿う或る点で、半径方向に対して固着され、上腕314Rのみが肩軸線316Rの周りに回転する際、手210Rは円形通路を描く。手210のための希望する移動路を達成するため、運動に拘束作用を加えることによって、モータ制御器354は第1モータ350Rと第2モータ352Rとを作動させ、以下に更に説明するように、非半径方向直線路に沿って、ロボットアーム機構310Rを動かす。
【0123】
ロボットアーム機構310Rを作動させるように、第1モータ350R、及び第2モータ352Rの両方を回転させることにより、又は一方を接地し、他方を回転させることによって、これ等モータ350R、352Rを結合することは当業者には明らかである。例えば、前腕322Rが肘軸線324Rの周りに回転するように、ロボットアーム機構310Rを作動させることができる。このような運動は肩軸線316Rと、手210Rの全延長部との間に、単純な螺旋路を手210Rに描かせる。この運動は肩314Rの位置を固着することと、前腕322Rを動かすようにモータ350Rを作動させることとによって達成される。
【0124】
モータ制御器354は胴部モータ392の作動を制御し、従って、モータ350R、352Rの作動状態に無関係に、P3 によって示す方向の胴部リンク311の回転を制御する。
【0125】
モータ350R、352Rの角度位置は別個のガラススケールエンコーダ(図示せず)によって、探知される。通常、各エンコーダは環状回折格子スケールと、光源/検出器副組立体(図示せず)とを有する。このようなガラススケールエンコーダは当業者には既知である。モータ392の角度位置はガラススケールによって探知される。このエンコーダの形式はモータ350R、352Rのためのエンコーダに類似する。
【0126】
図19Aは半導体ウエハカセット168r の方向と、肩軸線316Rに対するカセット168の位置とによって、軸線が画成される局所座標軸を詳細に示す線図である。図19Aにおいて、次の説明は数学的表現を記載しており、この数式から発生する指令信号を制御器354が使用して、カセット168r の開口に垂直なベクトルに沿って、カセット168r からウエハ170r を取り出す。(この例が基礎を置く上述の状態の駆動比と異なる駆動比の場合でも、同様の数学表現を使用することができることは当業者には明らかである。)
【0127】
手210の移動路の誘導のため、次のパラメータが適切である。
θS =モータ352Rの角度 θE =モータ350Rの角度 r=肩軸線316Rと肘軸線324Rとの間の距離、及び肘軸線324Rと手首軸線332Rと前腕322Rとの間の距離 β=上腕314Rと前腕322Rとの間の角度 p=手210Rの長さ E=2r=ロボットアームの延長 Ri =ロボットアームの範囲(即ち、肩軸線316Rから、手210R上に位置するウエハ170r の中心172r まで測定されたロボットアームの半径)
【0128】
余弦の法則を適用すればRi に関して次の式が得られる。
Ri =p+(r2 +r2 −2r2 cosβ)1/2 (1)
=p+21/2 r(1−cosβ)1/2
【0129】
β=0であると、式(1)はRi =pとなり、x=0、y=0、θS =θSR、θE =θERである。θSR、及びθERの量は基準モータ角を表す。このモータ角はθS =θSR+△θSR、θE =θER+△θERのように表すこともできる。角度βはβ=2(△θSR−△θER)のように表すこともでき、この理由はロボットアーム機構310Rの機械的リンクの構造のためである。この式はモータ角の変化に角度βを関連させている。
【0130】
直線路に沿って、ウエハ170r をカセット168r から取り戻すためには、X軸線に沿う移動が、一定値であるXO に等しいことである。従って、X(t)=XO である。量X(t)はそのリンクのX軸線成分の長さの関数として表すことができる。即ち、
X(t)=rcosθ1 +rcosθ2 +pcosθp (2)
ここに、 θ1 =上腕314Rの角度 θ2 =前腕322Rの角度 θp =手210Rの角度 上腕314R、及び前腕322Rは同一の長さ(r)であるから、θ1 はモータ352Rの角度θS に従い、手210Rは直線に沿って動くので、次の表現が保持される。
θ1 =θS θ2 =θ1 +π−β θp =θ1 +(π−β)/2
【0131】
従って、X0 を計算するためには、θ1 、θ2 、θP の値をX(t)に関する式(2)に代入し、次の値が得られる。
X0 =r(cosθ1 +cosθ2 )+pcosθp (3)
X0 =r( cosθ1 +cos(θ1 +π−β))
+pcos(θ1 +π/2−β/2)
X0 =r(cosθ1 −cos(θ1 −β)−psin(θ1 −β/2)
式(3)は手210Rを直線運動させるため、等しい角度距離を動かすように作動するモータ352R、350Rの角度θS 、θE の間の関係を限定する拘束を表している。
【0132】
当業者であれば、多数の方法の任意の一つによってサーボ機構制御器により、拘束の式(3)を実施することができる。例えば、所定のウエハ移動プロファイルを実施するために、高速作動を達成するよう、式(3)から指令信号値を計算し、リアルタイムの使用のため、この計算値をルックアップテーブルに記憶することができる。事前計算プロセスには、ウエハ移動プロファイルに従うθS のインデクシングと、対応するθE 値を式(3)から決定することが必要で、これによりマスタースレーブ関係にθS とθE との移動の形態を形成する。
【0133】
肩軸線316Rの周りの手210Rの角度移動を達成するため、制御器354はモータ350R、352Rにより同一方向に手330Rを希望する角移動にわたり回転し、希望する目的地に達せしめる。この移動中、手330Rの直線的な延長は変化しない。制御器354をプログラミングし、種々の角移動にわたりモータ350R、352Rを作動させることにより、手330Rの複雑な、同時に生ずる直線的、及び角度的移動プロファイルを達成することができる。図6Aは記憶されたウエハ170l の中心172l がY0 に合致するように位置する第2ウエハカセット168l を示す。カセット168l 、及び168r の開口が平行に配置されていることは肩軸線316から半径方向距離に位置していないカセット内に保管されたウエハを取り出すため、上述の式を使用し得ることを示している。ロボットアーム機構310は半径方向に配置することに対する制約を受けず、その範囲内にいかなる距離の組合せをも受け入れることができる。
【0134】
図19Bは制御器354の基本的な構成部分を示す簡単化したブロック線図である。図19Bにおいて、制御器354はロボットアーム機構310Rの移動シーケンスインストラクションを記憶するプログラムメモリ474を有する。マイクロプロセッサ476はプログラムメモリ474から移動シーケンスインストラクションを受け取り、それを判断して、第1作動状態が必要なのか、第2作動状態が必要なのか、又はモータ392の運動が必要なのかを決定し、胴部リンク311を位置決めする。システムクロック478はマイクロプロセッサ476の作動を制御する。ルックアップテーブル(LUT)480は第1作動状態の直線運動を達成するためのθS (モータ352R用)、及びθE (モータ350R用)のための対応する値を記憶し、第2作動状態の角運動を達成するためのθS 、及びθE の角移動の対応する値を記憶する。胴部リンク311の回転はそれに取り付けたロボットアーム機構の運動とは無関係なので、モータ350R、352Rの角移動とのモータ392の角移動の全体の統合はLUT180内でなく、移動シーケンスインストラクションで実施する。これにより、一層高速の、一層正確な直線運動を生ずる。これは多軸サーボ機構による誤差、及び駆動精度誤差は手210Rの直線路に影響しないからである。
【0135】
マイクロプロセッサ476はサーボ機構増幅器482にθS 、θE の位置信号を供給し、この増幅器482はそれぞれのモータ352R、350RにθS 、θE の指令信号を送給する。マイクロプロセッサ476はサーボ機構増幅器476に位置信号を供給し、指令信号を胴部モータ392に送給する。サーボ機構増幅器482はそれぞれモータ350R、352R、392の角度位置を示している信号を3個のガラススケールエンコーダから受け取る。
【0136】
マイクロプロセッサ476は制御信号を真空弁制御器484に供給し、手210Rに、ウエハを保持する必要と、手210Rからウエハを釈放する必要とに応じて、真空弁制御器484は真空源(図示せず)から適切な量の真空圧を送出口336まで、真空弁(図示せず)によって、供給させる。
【0137】
本発明の上述の実施例は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更を加え得ることは当業者には明らかであり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定される。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は試料を取り扱う装置、及び方法に関するものであり、また特に、ウエハの裏側の損傷、及び微小な分離粒子による汚損を著しく減らすことができ、半導体ウエハの端縁を把持するロボットアームの端部エフェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
集積回路は半導体材料のウエハから製造される。ウエハはそれぞれウエハを収容できる複数個の密接離間する溝孔を有するカセット内に通常、収容される。通常、カセットを処理ステーションに動かし、ここで、ウエハをカセットから取り出し、予配列装置によって所定の方向に設置し、又はその他の処理を行い、更に処理を行うため、他の位置に復帰させる。
【0003】
ウエハをカセットに向け、及びカセットから運び、更に処理ステーションの間に運ぶため、種々の形式のウエハ処理装置が知られている。多くの場合、へら状の端部を有するロボットアームが採用されており、このへら状の端部をカセット内に挿入して、ウエハを除去し、又はウエハを挿入する。ロボットアームの端部は端部エフェクタと、称されており、端部エフェクタにウエハを釈放可能に保持するため、通常、真空を使用している。通常、端部エフェクタは1対の隣接するウエハの間の狭い間隙を通じて、カセット内に入り、ウエハの裏側に掛合し、カセットからウエハを取り出す。端部エフェクタは薄く、剛強である必要があり、カセット内に密接離間するウエハには接触しないで、ウエハの間に適合するように高い精度で、位置決めし得ることが必要である。ウエハを処理した後、ロボットアームはウエハをカセット内に挿入して戻す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
具合が悪いことには、予配列装置のような手段により、カセット、ロボットアーム、及び処理ステーションの間にウエハを移送する際、ウエハの裏側を損傷することがあり、カセット内で他のウエハが汚損することがある。これはウエハに強く掛合し、また、予期せずウエハに接触するから、ウエハから粒子が脱落し、この粒子が他のウエハ上に落下し付着するためである。ウエハの裏側の損傷には引っ掻き傷と、ウエハの材料の金属的、及び本質的な汚損とがある。ウエハを把持するのに、真空圧を採用しているロボットアーム、及び予配列装置はウエハの裏側の損傷や、粒子の発生を最少にするように設計することができる。しかし、真空圧による把持、又はその他のウエハの端縁以外の部分を把持する方法で、生ずる僅かな粒子であっても、カセット内に収容している隣接するウエハを十分に汚損してしまう。このような汚損を減少させることは、ウエハの処理歩留まりを維持するために、特に重要である。更に、移送されるウエハの裏側に引っ掻き傷を生じたり、汚損すると、ウエハの処理に損害を受けることになる。
【0005】
従って、ウエハの引っ掻き傷や粒子による汚損を最少にして、半導体ウエハを確実に、迅速に、及び正確に移送し得る試料把持用端部エフェクタが必要である。
【0006】
発明の要約 従って、本発明の目的は試料の損傷を最少にすると共に、汚損粒子の発生を最少にする試料処理装置を得るにある。
【0007】
本発明の他の目的はウエハカセットとウエハ処理ステーションとの間に、半導体ウエハを迅速、正確に移送し得る半導体ウエハ取扱い装置を得るにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は既存のロボットアームシステムにも適用することができるウエハ取扱い装置を得るにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明ロボットアーム端部エフェクタはウエハカセットと、処理ステーションとの間に、半導体ウエハを迅速に、手ぎわ良く移送する。この端部エフェクタは少なくとも1個の基端静止パッドと、少なくとも2個の末端静止パッドとを具え、これ等末端静止パッドはパッド部と後部止め部とを有し、ウエハの周端縁から内方に延在する環状特別帯域内でパッド部と、後部止め部とがウエハを支持し、把持する。また、この端部エフェクタは後退ウエハ積載位置と、突出ウエハ把持位置との間に移動できる作用接触点を有する。この作用接触点はウエハを末端静止パッドに押圧するように移動可能であり、ウエハをその端縁のみで、又は上記特別帯域内で把持する。端部エフェクタはその傾斜静止パッドによって、ウエハの端縁の接触を達成するよう端部エフェクタの形態を定める。光センサは後退した安全な試料積載、又は把持を検出し、作用接触点の突出位置を検出する。
【0010】
端部エフェクタは、ほぼ、へら状であり、ロボットアームに作動可能に連結される基端を有する。作用接触点は基端に設置され、カセット内の隣接するウエハの間に整合しない移動機構を有する端部エフェクタよりも、この端部エフェクタは一層軽量で、一層強力であり、一層細い。移動機構が無いことによって、端部エフェクタがカセット内で汚損物を発生するのを少なくしている。更に、端部エフェクタの基端に作用接触点を設置することによって、加熱される環境や液体のような粗い条件から端部エフェクタを確実に遠ざけることができる。
【0011】
真空圧で作動するピストンはウエハを端部エフェクタに積載する後退位置と、ウエハを把持する突出位置との間に、作用接触点を動かす。ピストンの第1実施例は極限位置間に、作用接触点を動かすのに真空圧を採用する。ピストンの第2実施例は作用接触点を後退させるため、真空圧を採用し、作用接触点を突出させるため、ばねを採用する。更に、ピストンの第3実施例は作用接触点の後退位置、安全試料積載位置、又は把持位置、及び作用接触点の突出位置とを検出するための上述の光学センサを加える。
【0012】
端部エフェクタの代案の実施例は平坦な、又は傾斜する狭い、又は弓形の静止パッドを有し、このパッドにウエハを最初に乗せる。狭い、弓形の傾斜する静止パッドの実施例は作用接触点と、末端静止パッドとの間に、ウエハを心決めし、把持するのを助ける。この弓形の静止パッドは把持し、取り扱う平坦なウエハを一層容易に受け入れる。
【0013】
更に、端部エフェクタはウエハの端縁と底面とを正確に設置するため、光ファイバ光透過センサを有する。3個の代案の実施例は端部エフェクタの基端にウエハ端縁センサ、及び底センサを設置し、又は端部エフェクタの基端に端縁センサを設置し、末端に底センサを設置する。又は組み合わせた端縁底センサを端部エフェクタの末端に設置する。3個の全ての実施例において、これ等センサはロボットアームの突出、高さ、及び位置のデータを提供する。ウエハを迅速、正確に設置し、ウエハ移送ステージ、又はプロセス室からウエハを取り出し、ウエハカセットにウエハを設置し、ウエハカセット内に保管された密接離間する堆積ウエハから、ウエハを取り出す方法をこれ等データはサポートする。この方法は手ぎわ良く、確実なウエハの把持を行う間、カセット内に堆積する隣接するウエハ、又は処理装置に静止するウエハと、端部エフェクタとの間が予期せず接触するのを有効に防止する。
添付図面を参照する本発明の好適な実施例の次の詳細な説明から、本発明の付加的目的、及び利点は明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ウエハを取り戻し、又は置き替えるため半導体ウエハカセット内に挿入された本発明端部エフェクタの第1実施例の平面図である。
【図2】カセット内に保管された隣接する3個のウエハ間に挿入された図1の端部エフェクタの側面図である。
【図3】ウエハの特別帯域に掛合する静止パッドを示し、本発明の平坦静止パッドの拡大側面図である。
【図4】実質的にウエハの周縁に掛合する傾斜する静止パッドを示す本発明の傾斜静止パッドの実施例の拡大側面図である。
【図5】本発明の第1実施例において、ウエハ、移動接触点、ウエハ静止パッド、ウエハ端縁、及び高さセンサの間の位置的関係を示すよう拡大したウエハ、及び図1の端部エフェクタの部分平面図である。
【図6A】ウエハに対する光ファイバ光路の位置を示すため、更に拡大した図5のウエハ端縁と高さセンサとの側面図である。
【図6B】図6Aの前面図である。
【図7】カセット内の半導体ウエハに隣接して把持する状態を示す本発明端部エフェクタの第2実施例の平面図である。
【図8】ウエハカセット内に保管される密接離間するウエハ間にウエハを把持する作用接触点作動機構を示す図7の端部エフェクタの断面側面図である。
【図9】図7の端部エフェクタの末端に取り付けた本発明の末端弓形静止パッドの実施例の斜視図である。
【図10】本発明の端部エフェクタの第2実施例において、移動接触点、弓形静止パッド、ウエハ端縁、高さセンサの位置的関係を示す図7の端部エフェクタの斜視図である。
【図11】本発明の端部エフェクタの第2実施例において、高さセンサの光ファイバのチャネルを示す図7の端部エフェクタの底面図である。
【図12】ウエハと、位置検知作用接触点作動機構と、基端静止パッドとの間の位置関係を示す本発明の端部エフェクタの第3実施例の一部平面図である。
【図13】カセットに保管される密接離間するウエハ間に完全に延びる位置検知作用接触点作動機構を示す図12の端部エフェクタの断面側面図である。
【図14】交互のウエハ把持位置、及びウエハ検知位置を示す図12の端部エフェクタの全平面図である。
【図15A】ウエハ(簡明のため寸法を小さく示す)の端縁までの半径方向距離を検知するため、2個の角度移動した位置に示す本発明端部エフェクタとロボットアームとの平面図である。
【図15B】図15と異なる位置を示す図15Aと同様の平面図である。
【図16A】例として示した2個のアームを有する多数リンクロボットアームから本発明端部エフェクタが突出している状態の側面図である。
【図16B】図16Aと同様の平面図である。
【図17】図16A、及び図16Bのロボットアームシステムのリンク構成部分、及び関連する機械リンクを示す正面図である。
【図18】図16A、及び図16Bのロボットアームシステムの機械リンクのモータ駆動リンクによって与えられる回転運動を示す斜視図である。
【図19A】信号を発生するために使用するスペース関係とパラメータとを示す線図である。
【図19B】図16A、及び図16Bのロボットアームシステムのモータ制御器のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適な実施例の詳細な説明図1、及び図2はウエハカセット14に向け、及びウエハカセット14からウエハ12(下にある構造が見えるように透明に示してある)のような半導体ウエハを移送するための本発明のへら状の端部エフェクタ10の実施例を示す。この端部エフェクタ10はウエハ12を受け取って、確実に保持し、処理のため、このウエハ12をカセット14に向け移送し、カセット14から移送する。図2はウエハカセット14内に堆積された状態に示されているウエハ12、12A、12Bのように密接離間するウエハの中から、ウエハ12を取り出して、置き換えるように特に構成された端部エフェクタ10を示す。150 mm より小さい直径を有するウエハは通常、ピッチ距離4.76 mm(3/16インチ) 離間しており、200mmの直径のウエハは通常、ピッチ距離6.35 mm(1/4 インチ) 離間しており、300mmの直径のウエハは通常、ピッチ距離10 mm(0.394 インチ) 離間している。
【0016】
端部エフェクタ10は既知のように、プログラミングされて、位置決めすることができるロボットアーム16(その一部のみを示す)に、作動可能に取り付けられている。一般に、端部エフェクタ10はウエハカセット14に入り、ウエハ12A、12Bの間に位置するウエハ12を取り上げる。次に端部エフェクタ10をロボットアーム16によって、微細に位置決めし、この端部エフェクタ10を作動させ、ウエハ12の周縁18を把持し、このウエハ12をカセット14から除去し、処理のため、処理ステーション(図示せず)に、このウエハ12を移送する。次に、必要なら、端部エフェクタ10はウエハ12をカセット14内に再挿入し、ウエハ12を釈放し、カセット14から後退する。
【0017】
端部エフェクタ10の基端20をロボットアーム16に作動可能に連結し、この端部エフェクタ10を末端22の方に突出する。端部エフェクタ10はその基端20と末端22との間にウエハ12を受け入れる。この端部エフェクタ10は少なくとも2個、好ましくは4個の静止パッドを有し、最初、この上にウエハ12を乗せる。2個の末端静止パッド24を端部エフェクタ10の末端22に、又はこれに隣接して設置し、少なくとも1個、好適には2個の基端静止パッド26を2個の基端20に向け設置する。半導体ウエハに通常、見られる結晶構造を表示する特色である「平坦部」の長さより一層広く広がる角度を有する単一弓形静止パッドになるように、末端静止パッド24を代わりに形成してもよい。平坦部27は例として、基端静止部26の間に位置するように示している。ウエハ12は異なる方向を指向していても良いことはもちろんで、周縁18を基端静止パッド26の間に位置するように示す。
【0018】
ウエハ12は特別な帯域30(その一部を破線にて示す)を有する。半導体ウエハは環状特別帯域、又は不作動部を有し、この帯域は周縁18から約1 mm 〜約5 mm 内方に延在し、ウエハ12を完全に包囲している。SEMIの仕様M10298の18頁、及び19頁にはこの特別帯域30を産業標準ウエハ端縁プロファイルテンプレートの一部として記載されている。一般に、端部エフェクタ10の一部が特別帯域30の内部境界を越えて、ウエハ12に接触することはない。将来、この仕様が変更になれば、端縁のみを接触させる要求が許されることが予想され、この要求は本発明により容易に達成される。
【0019】
静止パッド24間の距離、及び静止パッド26間の距離はウエハ12上のいかなる特色、即ち平坦部よりも広い角度をなす拡がりを有しており、これにより、ウエハ12が特別帯域30内のみで把持される。静止パッド24、26は種々の材料で造ることができるが、英国のVictrex 社によって製作される半結晶質高温熱可塑性プラスチックであるポリエーテルエーテルケトン(「ピ−ク」)が好適な材料である。高温での用途のように、種々の作動環境に適合するように静止パッドの材料を変更することができる。
【0020】
図3は末端静止パッド24のほぼ平坦な実施例を示す。この実施例は有利であるが、約200mmより小さい直径を有するウエハに、専ら使用する必要はない。末端静止パッド24はパッド部32と、後部止め部34とを有する。この平坦な実施例では、パッド部32はウエハ12に貫通する仮想平面にほぼ平行であり、後部止め部36は仮想平面36に垂直な線に対し、約5度までの後部止め角38の角度にウエハ12に向け傾斜している。代案として、パッド部32は仮想平面36に対し、約3度までウエハ12から離れるように傾斜していてもよい。パッド部32は特別帯域30の深さの関数である長さ40を有するが、この長さは約3mmであるのが好適である。通常、ウエハ12はほぼ丸みを有する周端縁を有し、特別帯域30内でのみ静止パッド24に接触する。パッド部32と、後部止め部34との間に形成された包括角内に、ウエハ12を押圧することによって、ウエハ12は把持される。
【0021】
図4は末端静止パッド24の傾斜する実施例を示す。この実施例は有利ではあるが、約200mmより大きい直径を有するウエハに、独占的に使用する必要はない。末端静止パッド24は傾斜パッド部42と、後部止め部34とを有する。この傾斜する実施例では、傾斜パッド部42は仮想平面36に対し、約3度の静止パッド角44の角度に、ウエハ12から離れるように傾斜しており、後部止め部36は約3度までの後部止め角38の角度に、ウエハ12に向け傾斜している。傾斜パッド部42は特別帯域30の深さの関数である長さ40を有するが、この長さは約3mmであるのが好適である。前と同様、通常、ウエハ12はほぼ丸みを有する周端縁を有し、特別帯域30内でのみ静止パッド24に接触する。パッド部42と後部止め部34との間に形成された包括角内に、ウエハ12を押圧することによって、このウエハ12は把持される。傾斜するこの実施例では、ウエハ12の底面46と静止パッド24との間は実質的に接触しない。この静止パッドの実施例もウエハの端縁のみを接触させるのに適する。
【0022】
末端静止パッド24の平坦な実施例、及び傾斜する実施例の両方の実施例はウエハ12の頂面にほぼ達するが、この頂面を越えて突出することはない。
【0023】
再び図1において、基端静止パッド26は末端静止パッド24に類似するが、各静止パッド26は必ずしも後部止め部を必要としておらず、そのパッド部は長さ40の約2倍の長さを有している。
【0024】
端部エフェクタ10は更に、作用接触点50を有し、この接触点50は端部エフェクタ10の基端に、基端静止パッド26間に位置している。作用接触点50は後退したウエハ積載位置(点線にて示す)と、突出したウエハ把持位置(実線にて示す)との間に移動することができる。
【0025】
この後退位置と突出位置との間に往復動するよう、作用接触点50をピストン52に作動するように連結される。第1実施例では、ピストン52は孔、即ちシリンダボア54内で、往復動する。作用接触点50を突出させ、後退させるように負圧で作動させるのが好適である。気密シ−ル58に貫通するピストンロッド56によって、作用接触点50をピストン52に連結する。シリンダボア54は端部エフェクタ10内に真空室を形成しており、この真空室はピストン52によって駆動室60と、復帰室62とに分割される。駆動室60は第1チャネル64を通じて、真空圧力源(図示せず)に空気連通しており、復帰室62は第2チャネル66を通じて、この真空圧力源に空気連通している。プログラム制御によって制御される真空圧力は駆動室60を介して、ピストン52の前面に作用し、ウエハ把持位置まで、作用接触点50を突出させ、真空圧力は復帰室62を介して、ピストン52の後面に作用し、作用接触点50を後退させる。真空圧力源はロボットアーム16内の回転真空連通スプールを通じて、第1チャネル64、及び第2チャネル66に到る経路を有する。好適な回転真空連通スプールは本願の譲渡人に譲渡された発明の名称「連続回転多リンクロボットアーム機構」の米国特許第5741113 号に記載されている。
【0026】
更に、ピストン52はピストンロッド56内の通気孔(図示せず)に空気連通する環状溝68を有する。第1チャネル64、及び第2チャネル66はピストン52の移動限界で、環状溝68に開口する位置において、それぞれ駆動室60、及び復帰室62に連結している。従って、第1チャネル64、及び第2チャネル66の真空圧はピストン52の移動限界で減少するから、これにより、ウエハ12を適正に積載するため、作用接触点50が完全に突出し、又は完全に後退したことを示す信号を真空制御器に提供する。
【0027】
ウエハ12を端部エフェクタ10に積載した後、作用接触点50を作動させて、ウエハ12をその把持位置に動かす。作用接触点50が突出すると、ウエハ12を末端静止パッド24に押圧し、作用接触点50と、末端静止パッド24とによって、ウエハ12を特別帯域30内で把持する。
【0028】
ウエハ12を把持した時、ウエハ12の仮想平面36が端部エフェクタ10に平行になるように、基端静止パッド26を末端静止パッド24に対し、適切に配置する。基端静止パッド24と、末端静止パッド26との平坦な実施例を採用する時、この構成は容易に達成される。しかし、傾斜する実施例を採用する時は、作用接触点50を突出し、ウエハ12を把持した時に、ウエハ12がパッド部42に接触する点がウエハ12の中心70からほぼ等距離にあるように、基端静止パッド24と、末端静止パッド26とを配置する。例えば、ウエハ12が図1に示す位置にある時、末端静止パッド24と基端静止パッド26とのパッド部は周縁18に対し、接触点でウエハ12に接触し、各パッド部42の中心を通る線がウエハ12の中心に交差するようにする。
【0029】
基端20の作用接触点50の位置によって、カセット14内の隣接するウエハ12、12A、12B間に整合しない移動機構を有する端部エフェクタよりも、この端部エフェクタを一層軽く、一層強く、一層細くすることができる。移動する機構が無いと、端部エフェクタ10によってカセット14内に発生する汚損が少ない。更に、作用接触点50を端部エフェクタ10の基端20に設置することによって、加熱される環境や液体のような過酷な条件から、作用接触点50を遠ざけることができる。
【0030】
隣接するウエハ12、12A、12Bが密接して離間しているため、端部エフェクタ10をカセット14に入れ、隣接するウエハに接触することなく、ウエハを確実に把持するためには、端部エフェクタ10を正確に位置決めすることが必要である。
【0031】
図5、図6A、及び図6Bは端部エフェクタ10に対する正確なウエハ12の位置決めデータを提供するウエハ端縁センサ、及び高さセンサの第1実施例のそれぞれ平面図、側面図、及び正面図である。(下にある構造を示すためウエハ12は透明に示してある。)これ等センサは第1センサハウジング80と、第2センサハウジング82とに収容され、3個の光透過センサを形成しており、それぞれ対を成すファイバ光源、及び受光部を有する。
【0032】
2個のウエハ端縁センサは次のように作用する。各第1センサハウジング80、及び第2センサハウジング82は光源ファイバ84、及び受光ファイバ86を有し、これ等の間に小さいU字状開口88を形成しており、この中にウエハ12の周縁18を嵌着させることができる。更にファイバ84、86は相互に向き合う光路開口90を有し、これ等光路開口はウエハ12の周縁18の存在、又は無存在を検出するための狭い光透過路を形成する。ファイバ84、86はフェルール92に貫通して、光源/受光モジュール94まで延びる。このモジュール94はロボットアーム16への端部エフェクタ10の回転連結位置に近く、端部エフェクタ10の便利な位置に取り付けられている。光源/受光モジュール94はファイバ84と86との間の光透過の程度を通常のように検出し、これにより光路開口90間で、周縁18の位置を正確に検知する。ファイバ84、86の相対位置を反対にしてもよいことはもちろんである。
【0033】
1個の高さセンサは次のように作用する。第1センサハウジング80は更に、光源ファイバ96(仮想線で示す)を有し、第2センサハウジング82は受光ファイバ98(仮想線で示す)を有する。ファイバ96、98はその間に広い開口を形成しており、この開口はウエハ12の底面の弦100に沿って見える。更にファイバ96、98は相互に向き合う光路開口102を有し、ウエハ12の底面の弦100の存在、又は無存在を検出するための狭い光透過路104を形成している。ファイバ96、98はフェルール106を貫通して、光源/受光モジュール94まで延びる。光源/受光モジュール94はファイバ96、98間の光透過の程度を通常のように検出し、光路開口102間の底面の弦100の位置を正確に検知する。ファイバ96、98の相対位置を逆にしてもよいことはもちろんである。
【0034】
平坦部27の長さより一層長い距離に、光路開口102を相互に分離することによって、平坦部27を検出することができる。底面の弦100を光路開口102間に検知するが、周縁18は対をなす光路開口90のうちの1対の間に、検知されていなければ、平坦部27が存在する。
【0035】
200mmのように既知の直径のウエハ12に、端部エフェクタ10が接近する方法を図2、図5、図6A、及び図6Bにつき説明する。
【0036】
作用接触点50をその後退位置に置く。
端部エフェクタ10を例えば、ウエハ12、12B間に、カセット14内にX方向に挿入し、少なくとも1対の光路開口90間に、周縁18を検知する。
検知された平坦部を無視して、周縁18を検知した時、ロボットアーム16に関連する制御器(図示せず)はロボットアーム16の突出量を記録する。
ウエハ12と端縁検出器との間に間隙を生ずるのに十分な量だけ、端部エフェクタ10はX方向に後退する。
ウエハ12の底面の弦100が感知されるまで、ロボットアーム16をZ方向に動かす。
【0037】
制御器はウエハ12の底面のZ方向の高さを記録する。
末端静止パッド24と基端静止パッド26とがウエハ12と12Bとから離れていて、ウエハ12の底面の下方に、Z方向に或る距離において、カセット14内に達するのに必要なX方向の距離を制御器が計算する。
また、制御器は次の計算を行う。
1)光透過路104のZ方向の高さに対して、末端静止パッド24の半径方向のオフセット距離、及び高さ方向のオフセット距離。
2)周縁18を検知した後、端部エフェクタ10が後退した半径方向距離。
制御器は端部エフェクタ10をX方向にカセット14内に動かし、Z方向に上昇させ、積載作用をするパッド24、26上で、ウエハ12に接触させる。
【0038】
作用接触点50を作動させて、ウエハ12を末端静止パッド24のパッド部32と後部止め部34との間の包括角内に押圧し、ウエハ12を把持する。
端部エフェクタ10はウエハ12をカセット14からX方向に引き出す。
【0039】
図7、及び図8はウエハカセット14(図示せず)に向け、及びウエハカセット14からウエハ12(下にある構造が見えるよう透明に示してある)のような半導体ウエハを移送するための本発明のへら状の端部エフェクタ10の第2実施例を示す。端部エフェクタ110は端部エフェクタ10に類似しているが、端部エフェクタ110は更に、ウエハカセット14内に保管されたウエハの底面を、カセット内に突出することなく、検知し得るようにする。図8は特に、ウエハカセット14内に堆積させて示したウエハ12、12A、12Bのように密接して離間させたウエハの中から、ウエハ12を取り出して、置き代えるように特に構成されている。
【0040】
端部エフェクタ110を作動するようにロボットアーム16に取り付ける。一般に、端部エフェクタ110はウエハカセット14に入る前に、ウエハ12の底面を検知し、ウエハ12A、12Bの間からウエハ12を取り出す。次に端部エフェクタ110をロボットアーム16によって、微細に位置決めし、この端部エフェクタを作動させ、ウエハ12の周縁18を把持し、カセット14からウエハ12を除去し、処理のため、処理ステーション(図示せず)にウエハ12を移送する。次に、必要なら、端部エフェクタ110はウエハ12をカセット14内に再挿入し、ウエハ12を釈放し、カセット14から後退する。
【0041】
端部エフェクタ110の基端120をロボットアーム16に、作動可能に連結し、末端122の方に突出する。端部エフェクタ110はウエハ12をその基端120と末端122との間に受け入れる。この端部エフェクタ110は少なくとも2個、一層好適には4個の弓形の静止パッドを有しており、最初、この上にウエハ12を乗せる。端部エフェクタ110の末端122に、又は末端122に隣接して、2個の末端弓形静止パッド124を設置する。少なくとも1個、好適には2個の基端弓形静止パッド126を基端120に向け、設置する。例えば、基端静止パッド126間にのみ位置するように示した平坦部27より、一層広く広がる角度を末端弓形静止パッド124、及び基端弓形静止パッド126は有する。ウエハ12は図示の方向と異なる方向を指向していてもよいこと、もちろんである。
【0042】
図面に示すように分離しているか、又は単一の静止パッドに結合している弓形静止パッド124、126はウエハ12上のいかなる特色よりも、即ち平坦部よりも広く広がる角度を有し、ウエハ12が平坦であっても、平坦でなくとも、特別帯域30内のみで十分にウエハを把持することができる。静止パッド24、26と同様に、静止パッド124、126は種々の材料で作ることができるが、上述の「ピ−ク」が好適な材料である。
【0043】
図9は平坦なウエハ、又は平坦でないウエハに使用するのに適する末端弓形静止パッド124の実施例を示す。末端弓形静止パッド124は傾斜パッド部132と、後部止め部134とを有する。図4をも参照し、傾斜パッド部132は平面36に対して、約3度の静止パッド角44の角度に、ウエハ12から離れるように傾斜しており、後部止め部136は約3度までの後部止め角38の角度に、ウエハ12に向け傾斜する。傾斜パッド部132は特別帯域30の深さの関数である長さ140を有する。この長さは約3mmであるのが好適である。前の場合のように、ほぼ丸みを有する終端縁を有し、ウエハの端縁の接触(強制的に特別帯域30内での接触)によって、弓形静止パッド124に接触する。周端縁は必ずしも丸くする必要がないことはもちろんである。傾斜パッド部132と、後部止め部134との間に形成された包括角内にウエハ12を押圧することによって、このウエハ12を把持する。
【0044】
末端弓形静止パッド124はウエハ12の頂面を越えて、突出しないが、ほぼこの頂面に達する高さ148を有する。
【0045】
再び、図7において、基端弓形静止パッド126は末端弓形静止パッド124に類似するが、相違するのは、各静止パッド126は必ずしも後部止め部を必要としないこと、及びそのパッド部の長さが長さ140の約2倍であることである。
【0046】
更に、端部エフェクタ110は作用接触点150を有し、この作用接触点150は端部エフェクタ110の基端120にあり、基端弓形静止パッド126の間にある。作用接触点150は後退したウエハ積載位置(図示せず)と、図示の突出したウエハ把持位置との間を移動することができる。
【0047】
再び図8を参照し、この図面は端部エフェクタ110を採用した作用接触点作動機構151の第2実施例を示す。後退位置と突出位置との間に往復動するよう、作用接触点150をピストン152に作動するように連結する。この実施例では、ピストン152はシリンダボア154内で往復動し、作動接触点150を突出させるよう、ばね155によって、ピストン152は押圧され、作動接触点150を後退させるよう、真空圧によって、ピストン152は押圧される。環状気密シ−ル158に貫通するピストンロッド156によって、作用接触点150はピストン152に連結される。シリンダボア154は真空室160の一方の壁を形成している端部キャップ159を有する。真空室160の他方の壁はピストン152によって移動可能に形成されている。真空供給路162と真空チャネル164とを通じて、真空室60は真空圧力源(図示せず)に空気連通している。ばね155はピストン152の表面を押圧して、作用接触点150をウエハ把持位置に突出させると共に、真空圧は真空室160を通じて、ピストン152の表面に作用し、ばね力に打ち勝って、作用接触点150をウエハ釈放位置に後退させる。
【0048】
第2実施例では、ばね155のみによって決定される力で、作用接触点150をウエハ12に押圧する。ピストン152内の凹所166と端部キャップ159との間に、ばね155は支持される。真空圧力源はロボットアーム16内の回転真空連通シ−ル、又はスプールを通じて、真空チャネル164に達する。
【0049】
更に、作動機構151は大気に空気連通する通気孔168を有し、真空圧力源に連通していないシリンダボア154の部分内で、ピストン152は自由に動くことができる。作動機構151は端部キャップ159と真空供給路とを包囲するOリングシ−ル170と、ピストン152を包囲する環状移動シ−ル172とによって、「真空密」に作られる。ピストン152の表面に嵌着されたOリングバンパシ−ル174によって、ピストン152の移動端で、ピストン152によって、潜在的に生ずる接触衝撃を吸収する。
【0050】
ウエハ12を端部エフェクタ10上に乗せた後、作用接触点150を作動させて、ウエハ12をその把持位置に動かす。作用接触点150をばね155によって突出させると、ウエハ12を末端弓形静止パッド124に向け押圧し、作用接触点150と、末端弓形静止パッド124とにより、ウエハ端縁接触(及び強制的に特別帯域30)により、ウエハ12を把持する。作用接触点150は内方に傾斜する面部176を有し、この面部176によって、ウエハ12を基端弓形静止パッド126に押圧し、これによりウエハ12の周端縁を確実に把持する。
【0051】
基端弓形静止パッド126を末端弓形静止パッド124に対し、相対的に配置し、把持した時、ウエハ12の平面が端部エフェクタ110に平行になるようにする。
【0052】
端部エフェクタ10と同様に、基端120における作用接触点150の位置によって、カセット14内に隣接するウエハ12、12A、12B間に整合しない移動機構を有する端部エフェクタよりも、この端部エフェクタ110を一層軽くし、一層強くし、一層細くすることができる。基端と末端との間に移動機構がないことによって、端部エフェクタ110によりカセット14内に発生する汚損が少なくなる。更に、2個の真空圧用管によって作動する端部エフェクタ10とは異なり、端部エフェクタ110は作動のため1個の真空圧用管を必要とするだけである。端部エフェクタ10は作動機構151を取り付け得ることはもちろんである。
【0053】
隣接するウエハ12、12A、12Bは密接離間しているので、端部エフェクタ110がカセット14に入り、隣接するウエハに接触することなく、ウエハを確実に把持するために、端部エフェクタ110を正確に位置決めすることが必要である。
【0054】
図7、図10、及び図11は端部エフェクタ110に対する正確なウエハ12の位置決めデータを提供するウエハ端縁センサ、及び高さセンサの第2実施例のそれぞれ平面図、端面図、及び底面図である。ウエハ端縁センサは第1センサハウジング180、第2センサハウジング182内に収容され、各センサは各ハウジング内に光透過センサを形成する対を成すファイバ光源、及び受光部を有する。高さセンサを端部エフェクタ10の末端122内に収容している。
【0055】
2個のウエハ端縁センサは次のように作動する。第1センサハウジング180、及び第2センサハウジング182はそれぞれ端部エフェクタ10の場合におけるように、光源ファイバ84と、受光ファイバ86とを有し、これ等ファイバはその間に、小さなU字状開口88を形成し、この開口内にウエハ12の周縁18を嵌着することができる。前の場合と同様に、ファイバ84、86は相互に向き合う光路開口を有し、これ等開口はウエハ12の周縁18の存在、又は不存在を検出するための狭い光透過路を形成する。これ等2個のウエハ端縁センサは平坦部27の長さより長い距離183によって、相互に分離されており、2個のウエハ端縁センサのうちの一方のセンサのみがウエハ12の周縁18を検出した時、平坦なウエハを検出することができる。ウエハ12は平坦部27を検出するため、カセット14内で適切な方向を指向していなければならないこともちろんである。
【0056】
高さセンサは次のように作動する。第1実施例とは異なり、第1センサハウジング180、及び第2センサハウジング182は光源ファイバ96、及び受光ファイバ98を有していない。この実施例ではむしろ、光源ファイバ96は端部エフェクタ110の底面に形成された第1チャネル184を通じて、基端120と、端部エフェクタ110の末端122に近い第1末端歯188との間に通る。同様に、受光ファイバ98は端部エフェクタ110の底面に形成された第2チャネル186に通り、基端120と、端部エフェクタ110の末端122に近い第2末端歯190との間に通る。末端歯188、190はギャップ191を横切って広く離間しており、このギャップ191はウエハ再配列装置のような処理装置の或る形式のための逃げ領域を形成する。
【0057】
ファイバ96、98は末端歯188、190に形成された相互に向き合う光路開口192、194まで達している。ファイバ96、98はその間に例えば、ウエハ12Aの底面の弦200に沿って見えている広い開口を形成している。相互に向き合う光路開口192、194はウエハ12Aの底面の弦200の存在、又は不存在を検出する狭い光透過路202を形成する。端部エフェクタ110において、光透過路202はウエハ12に最初に接触する末端122の部分を越えて延びており、これにより、障害物検知能力を更に高めている。前の場合と同様に、通常のように、光源/受光モジュール94はファイバ96、98の間の光の透過の程度を検出し、これにより、光路開口192、194間の底面の弦200の位置を正確に検知することができる。ファイバ96、98の相対位置を逆にしてもよいことはもちろんである。
【0058】
カセット内に密接離間するウエハの中から端部エフェクタ110が所定のウエハに接近する手順を図7、図8、及び図10につき以下に説明する。
【0059】
作用接触点150をその後退位置に置く。
端部エフェクタ110をカセット14に向け、X方向に動かし、カセット14内の任意のウエハ12の予想位置に、歯188、190が接触せずに、隣接するようにする。
【0060】
次に、端部エフェクタ110をZ方向に走査させ、光透過路202はカセット14内のいずれかのウエハの底面の弦200に交差し、更に、光透過路202はカセット14から端部エフェクタ110に向け突出するいかなる障害物をも検出する。
【0061】
制御器(図示せず)はいずれかのウエハ、及び検出された障害物の底面のZ方向の高さを記録する。
【0062】
ロボットアーム16を計算されたZ方向の高さまで動かし、ウエハ12Aのような所定のウエハに接近させると共に、隣接するウエハ間に端部エフェクタ110のための間隙を生ぜしめる。
【0063】
次のようなオプションの作動を行ってもよい。
端部エフェクタ110をカセット14に向け、X方向に、随意に動かし、歯188、190をウエハ12Aに接触せず、隣接するようにする。この位置で光透過路202はウエハ12Aの底面の弦200に隣接してあるべきである。
ロボットアーム16を随意に、Z方向に動かし、ウエハ12Aの底面の弦200を検知する。
制御器はウエハ12Aの底面の予め検知されたZ方向の高さを確かめる。
ロボットアーム16を随意にZ方向に動かし、隣接するウエハ間に端部エフェクタ110のための間隙を生ぜしめる。
【0064】
端部エフェクタ110を隣接するウエハ間に、カセット14内に、X方向に挿入し、少なくとも1個のウエハ端縁センサ間に、周縁18を検知する。
【0065】
制御器は計算されたZ方向に端部エフェクタ110を動かし、積載パッド124、126上にウエハ12Aに接触させる。
【0066】
作用接触点150を作動させ、末端弓形静止パッド124のパッド部132と後部止め部134との間の包括角内にウエハ12Aを押圧し、ウエハ12Aを把持する。(図17では、把持されたウエハをウエハ12としてしめす。)
【0067】
端部エフェクタ110はカセット14から、X方向に、ウエハ12Aを引き出す。
端部エフェクタ110は非常に薄いZ方向の輪郭と、正確なウエハ位置の検知とを組み合わせて、カセット内の非常に密接して離間するウエハの手ぎわの良い、迅速、確実な移動を可能にする。
【0068】
図12、図13、及び図14はウエハカセット14(図示せず)に向け、及びウエハカセット14からウエハ12(下の構造が見えるよう透明に示す)のような半導体ウエハを移送するための本発明の好適な第3実施例のフォーク状端部エフェクタ210を示す。端部エフェクタ210は端部エフェクタ10、100に類似するが、更に、位置検知作用接触点作動機構212を有し、基端縁センサと高さセンサとを省略している。更に、端部エフェクタ210は末端センサ214を採用し、種々のウエハ検知操作を達成する。末端センサ214は図7、及び図10に示すように、光透過路202を発生する高さセンサと同様に作用する。
【0069】
図13はウエハカセット14内に堆積して示したウエハ12、12A、12Bのような密接離間するウエハの中から、ウエハ12を取り出して、置き替えるのに特に適している。
【0070】
図14は基端216で、ロボットアーム16に作動可能に連結され、フォーク状の末端218、220まで延びる端部エフェクタ210を示す。端部エフェクタ210は基端216と、フォーク状末端218、220との間にウエハ12を収容する。この端部エフェクタ210は少なくとも2個、更に好適には4個の弓形静止パッドを有し、最初、このパッドの上にウエハ12を乗せる。末端弓形静止パッド124を各フォーク状の末端218、220に、又はそれに隣接して設置し、少なくとも1個の、好適には2個の基端弓形静止パッド126を基端216に向け設置する。また、端部エフェクタ210は端部エフェクタ210の基端に位置し、基端弓形静止パッド126間にある作用接触点222を有する。
【0071】
図12、及び図13において、位置検知作用接触点作動機構212は作用接触点作動機構の第3実施例である。第2実施例におけるように、完全後退位置、完全突出位置、及び中間位置の間に往復動するよう、作用接触点222は作動可能にピストン152に連結されている。ピストン152はシリンダボア154内に移動し、ばね(図8参照)によって、ピストン152は押圧され、作用接触点222を突出させる。また、真空圧力によって、作用接触点222を後退させる。環状気密シ−ル158に貫通するピストンロッド156によって、作用接触点222をピストン152に連結する。シリンダボア154は真空室160の一方の壁を形成する端部キャップ159を有する。この真空室160の他方の壁はピストン152によって移動できるように形成されている。真空室160は真空供給路162と真空チャネル164とを通じて、真空圧力源(図示せず)に空気連通している。ばねによって、ピストン152の表面を押圧し、作用接触点222をウエハ把持完全突出位置まで突出させると共に、真空圧は真空室160を通じて、ピストン152の表面に作用し、ばねの力に打ち勝ち、作用接触点222をウエハ釈放完全後退位置に後退させる。
【0072】
更に、作動機構212は大気に空気連通する通気孔168を有し、真空圧力源に空気連通していないシリンダボア154の部分内でピストン152は自由に動くことができる。作動機構212は端部キャップ159と真空供給路162とを包囲するOリングシ−ル170により、及びピストン152を包囲する環状移動シ−ル172により、「真空密」に作られる。
【0073】
第1実施例、及び第2実施例と異なり、作動機構212は更に、位置表示軸224を有し、この位置表示軸224はピストン152に取り付けられ、端部キャップ159の環状シ−ル226に軸線方向に貫通している。端部キャップ159の直ぐ後方に位置する回路板232に、1対の光遮断スイッチ228、230を取り付け、位置表示軸224の位置に応じて、それぞれの光遮断スイッチ228、230内の1対の光ビーム234、236を遮断する。
【0074】
光遮断スイッチ228、230は後退位置領域、安全把持作用領域、及び突出位置領域に対応する作用接触点222の位置を検知する。(図12、及び図13は完全突出位置にある作用接触点222を示している。)
【0075】
後退位置領域はウエハ12が把持されていないことを保証し、また、位置表示軸224が両方の光ビーム234、236を遮断した時、このウエハ12は検知される。
【0076】
安全把持作用領域はウエハを積載し、把持し、又は取り外す作用を作用接触点222が安全に行うことができる作用接触点222の位置であり、位置表示軸224が光ビーム234でなく、光ビーム236を遮断した時、この安全把持作用領域は検知される。更に、作用接触点222が突出して、安全把持作用領域に静止した時、適正なウエハの把持が立証される。
【0077】
突出位置領域は作用接触点222がウエハ12を把持していない作用接触点222の位置の範囲であり、位置表示軸224が光ビーム234、236のいずれをも遮断していない時、この突出位置領域は検知される。
【0078】
光遮断スイッチ228、230は上述の制御器に電気的に連通する。制御器は真空圧力源作動ピストン152に相互に作用して、真空圧の量をパルス調整、又は圧力調整し、これにより作動接触点222の位置を制御する。作用接触点222を位置決めするのに、制御可能な動力の種々の他の形式を採用し得ることはもちろんである。
【0079】
一作動例では、作用接触点222を安全把持作用領域に動かし、ウエハ12を端部エフェクタ210に積載する。ウエハ12を積載した後、作用接触点222を作動させて、ウエハ12をその把持位置に動かす。作用接触点150を突出させると、作用接触点はウエハ12を末端静止パッド124の傾斜パッド部132に押圧し、ウエハ12を把持する。ウエハ12を適正に把持するのを確実にするためには、作用接触点222は安全把持作用領域内で検知される必要がある。
【0080】
光ビーム234、236の両方を遮断する位置表示軸224によって、検知される後退位置領域に、作用接触点222を後退させることによって、ウエハ12を釈放する。ウエハ12を釈放した時、ウエハは末端弓形静止パッド124の傾斜パッド部132上を滑って戻り、これにより、端部エフェクタ210の安全なZ軸線方向の高さの移動と、後退とのため、ウエハ12と後部止め部134との間に十分な間隙を生ぜしめる。
【0081】
図14は端部エフェクタ10、110のウエハ端縁センサを除去した、端部エフェクタ210の第3実施例の平面図である。端部エフェクタ210の末端センサ214はフォーク状末端218、220内に収容されている。末端センサ214は次のように作動する。光源ファイバは端部エフェクタ210の底面内に形成された第1チャネル238(点線にて示す)を通じて、基端216と、フォーク状末端218との間に通る。同様に、受光ファイバは端部エフェクタ210の底面に形成された第2チャネル240(点線にて示す)を通じて、基端216と、フォーク状末端218との間に通る。フォーク状末端218、220はギャップ242を横切って広く離間しており、このギャップ242はウエハ予配列装置のような処理装置の或る形式のための逃げ領域を形成している。
【0082】
これ等光ファイバはフォーク状末端218、220に形成された相互に向き合う光路開口(図示せず)に達する。これ等光ファイバはウエハの周端縁、又は底面の弦に沿って見える広い開口をこれ等光ファイバの間に形成する。相互に向き合う光路開口はウエハの周縁、又は底面の弦の存在、又は不存在を検出するための狭い光透過路244を形成する。光透過路244は最初にウエハに接触するフォーク状末端218、220の部分を越えて延在しており、これにより、一層、障害物を検知する能力を生ずる。前の場合と同様、光源/受光モジュール94は通常のように、ファイバ間の光透過の程度を通常のように検出し、これにより、光透過路244を遮断するいかなる物体をも検知する。
【0083】
端部エフェクタ210は末端センサ214を採用し、ウエハの周端縁、及び/又は頂部、及び底面の弦を検知し、次の種々のウエハに関する操作を行う。即ち、カセット内のウエハの存在、又は不存在、カセット内のZ軸線方向の位置、カセットからの突出、カセット内での傾斜角を決定し、回転中心、厚さ、ウエハとロボットアーム回転軸線との間の中心から中心までの距離を決定し、端部エフェクタの図心位置を確かめることである。端部エフェクタ210の光透過路244を参照して、ウエハ検知作用を以下に説明するが、端部エフェクタ110の光透過路202によって、このウエハ検知作用を達成することもできる。
【0084】
図14は3個の異なるウエハ位置を示す。ウエハ12(仮想線にて示す)は端部エフェクタ210によって把持された状態に示されており、ウエハ12A(実線にて示す)はウエハ端縁検知位置に示されており、ウエハ12B(点線にて示す)はウエハ弦検知位置に示されている。
【0085】
カセット(図示せず)から突出するウエハ12Bを検知するには、各走査の始めに、ロボットアーム16をZ軸線方向に、上下に動かし(走査し)、端部エフェクタ210をX軸線方向に動かし、ウエハ12Bのような突出するウエハを検出することが必要である。従来のロボットアームシステムでは通常、公知の突起用センサを採用する。いずれの突出するウエハもウエハ12Aによって示すようなウエハの適正な位置に戻るように動く。全てのウエハがその適切な位置にある時、最終走査によって、カセット内のZ軸線方向のウエハの位置を決定する。ロボットアーム16のX軸線、及びZ軸線方向の移動は微細な分解能モードであるのが好適である。
【0086】
検出されたウエハ12Bの存在を示すように、光透過路244が遮断された後、ウエハ12Bの頂面の弦が光透過路244を遮断するまで、端部エフェクタ210をZ軸線方向、下方に動かすことによって、端部エフェクタ210はウエハ12Bをその頂面、及び底面で設置することができる。端部エフェクタ210は下方に動き続け、光透過路244を回復させる。この趣旨はウエハ12Bの底面の弦を検知していることを表している。次に、光透過路の遮断する点と、回復する点との間の中間にあるZ軸線方向の位置まで端部エフェクタ210を動かす。Z軸線方向のこの位置はウエハ12Bの厚さのほぼ中間点を示している。このZ軸線方向の位置を保持しながら、端部エフェクタ210をX軸線方向に後退させ、ウエハの周縁18が検出されたことを表すように、光透過路244を回復させる。ウエハ12Aをこの位置に示す。
【0087】
端部エフェクタ210がウエハ12Aによって表される端縁検出点にある時は、ウエハ12Aの半径は既知であるから、制御器、及びロボットアーム16に関連する位置エンコーダはウエハ12Aの中心246までのX軸線方向距離、即ち半径方向距離を決定することができ、ウエハ12Aの底面と、端部エフェクタ210との間に間隙を生ぜしめるのに必要な下方のZ軸線方向距離を決定する。カセットからウエハを設置し、取り戻す時、この間隙を知ることが必要である。それは、ウエハは端部エフェクタ210に必ずしも平行でなく、カセット内の隣接するウエハ間の距離は確定されていないからである。
【0088】
更に、端部エフェクタ210はY軸線に対する端部エフェクタ210のX軸線の周りの傾斜角である制御できる回外運動角248を有する。カセット内に水平に堆積されたウエハは零度の傾斜角における主表面を通常、有する。この主表面は端部エフェクタ210の回外運動角248に整合する。しかし、ウエハ表面の汚損を減少させるため、ウエハをカセット内に垂直に保管することが多く、カセットの保管溝孔はウエハの厚さより幅が広いから、ウエハは定まっていない傾斜角を占める。ウエハのカセットを水平位置に戻した後でも、この傾斜角は定まった角度でない。従って、回外運動角248がウエハ傾斜角に等しいかどうかを決定するため、次の方法が行われる。この方法では、単なる例示であるがウエハは水平方向にある。
【0089】
端部エフェクタ210の回外運動角248は約、零度に設定される。
ロボットアーム16は端部エフェクタ210をX軸線方向に動かし、光透過路244はウエハ12Bの弦に交差する。
ロボットアーム16は端部エフェクタ210をZ軸線方向に、上下に動かすと共に、ウエハ12Bの最小厚さが計算されるまで、端部エフェクタの回外運動角248を変化させる。
【0090】
この最小厚さは端部エフェクタ210、及びウエハが同一のデータ平面内にあり、従って、回外運動角248はウエハ12Bの傾斜角にほぼ等しいことを示している。
【0091】
ロボットアームシステムには2個の端部エフェクタ、又は多数アームを具えることができる(複アームロボットについての図16A、及び図16B参照)。制御できる回外運動角についての上述の技術は、X、Y、及びZ方向の寸法のオフセットを決定するための基準として、単一のウエハを使用することにより、このような多数端部エフェクタシステムまで拡大することができる。
【0092】
図15A、及び図15Bにおいて、光透過路244を採用して、カセット内、又は再配列装置(図示せず)上のウエハ12の若干、不確定な位置にロボットアーム16と、端部エフェクタ210を配列する。ウエハ12の中心252と、端部エフェクタ210上の作用接触点222(目標として示す)と、ロボットアーム16の肩軸線260とが全て一線になった時、図15Bに示すように、配列が達成される。配列を決定するには、r軸線が肩軸線260から半径方向に延び、θ軸線が肩軸線260の周りに角度として延在し、Z軸線が肩軸線に一線に延在する円筒座標系を採用するのが好適である。
【0093】
配列操作を行うには、ロボットアーム16の肩軸線260と、ウエハ12上の周縁18の最も近い点との最小半径距離rMIN を見出す必要がある(この説明を明瞭にするためウエハ12の寸法を縮小してある)。これは肩軸線260と、周縁18を接線方向に検知するための光透過路244との間の最大突出距離rEXT を決定するのと同一である。突出距離r EXT はロボットアーム16を制御するこのシステムによって、読み取られ、制御することができる。
【0094】
図15Aはそれぞれ実線と、点線とで示した第1角移動位置と、第2角移動位置とに位置しているロボットアーム16と、端部エフェクタ210とを示す。ウエハ中心252と肩軸線260との間に延びる線から角度θ1 にある第1角度移動位置まで、ロボットアーム16を移動することによって、配列操作は開始される。
【0095】
ロボットアーム16をr軸線方向に突出し、Z軸線方向に走査して、光透過路244がウエハ12を検知し得るようにする。
次にロボットアーム16をr軸線方向に後退させ、ウエハの周端縁18を検出し、第1突出距離rEXT1を読み取る。
ウエハ中心252と肩軸線260との間に延びる線からθ2 の角度の第2角度移動位置まで、ロボットアーム16を動かす。
ロボットアーム16をr軸線方向に突出させ、Z軸線方向に走査し、光透過路244がウエハ12を検知し得るようにする。
次に、ロボットアーム16をr軸線方向に後退させ、ウエハの周端縁18を検出し、第2突出距離rEXT2を読み取る。
【0096】
上述の回転、及び端縁の検出の工程を繰り返し、肩軸線260と周縁18との間の最大距離を決定する。この配列位置を図15Bに示す。
【0097】
代案として、いずれか2個の突出距離を知った後、計算をすることによって、配列された位置を集約し、制御器によって将来使用するため、その値を記憶する。例えば、移動角度θに関して言えば、対応する突出距離rEXT が既知であり、突出距離rEXT がrMIN に等しい特定の移動角θは余弦の法則を使用して計算することができる。配列位置は手動で設定することもでき、制御器による将来の使用のため、この位置を記憶することはもちろんである。
【0098】
図15Bは配列位置にあるロボットアーム16と、端部エフェクタ210とを示す。ウエハ12を取り戻すため、この位置から、ロボットアームの制御器は次の移動操作を行う。
【0099】
制御器は肩軸線260と、ウエハの中心252との間に延在する仮想線に沿って、端部エフェクタ210の図心262を動かす作動を行い、図心262がウエハの中心252の上方にあるようにする。必要なr軸線方向の移動距離はオフセット距離と称し、次のように計算される。
光透過路244と、末端静止パッド124との間のr軸線距離は、端部エフェクタ210を製造する時、定まる所定距離264である。
同様に、ウエハ12は所定の直径266を有する。
従って、このオフセット距離は距離264と直径266との合計である。
【0100】
制御器は突出するウエハを設置し、取り替えるため、そしてウエハの頂面、及び底面のZ軸方向位置、及び周縁18のr軸線位置を決定し、ウエハの傾き角を決定し、更に選択されたウエハ12に一線の位置に動かすため、上述の走査、及び検知作動に従って、端部エフェクタ210を予め動かしているものと仮定する。
【0101】
選択されたウエハ12の底面、及び任意隣接するウエハの頂面から離れているZ軸線方向の位置まで、端部エフェクタ210を動かす。
r軸線方向に、オフセット距離にわたり、端部エフェクタ210を動かす。
基端静止パッド126(図14参照)、及び末端静止パッド124をウエハ12に接触させるように、端部エフェクタ210をZ軸線方向に、或る距離にわたり動かす。
【0102】
作用接点222(図14参照)を作動させて、末端静止パッド124の包括角内に、ウエハの周縁18を動かし、ウエハ12の端縁を把持する。
端部エフェクタ210はr軸線方向に動くことによって、ウエハ12を取り戻す。
【0103】
この上述の距離、及び配列の決定は従来のロボットアーム、及び端部エフェクタによって必要とされる教示された要旨のいずれをも必要とせず、達成することができる。もしも、多数の端部エフェクタ210を採用する時は、これ等端部エフェクタ間のZ軸線方向の距離の差、又は高さの差を決定すると共に、上述の手順を繰り返す。
【0104】
図5において、ハウジング80、82内のU字状端縁検出センサは非平坦300mmウエハの或るパラメータを決定するのに有用である。例えば、ウエハがカセット内にあるか、又は端部エフェクタがウエハの下にある間に、ロボットアームの肩軸線とウエハの中心との間の中心対中心距離を決定するのに、この端縁検出センサを採用することができる。U字状開口88(図6A参照)のZ軸線寸法は潜在的な離間の問題を生ぜしめることはもちろんである。
【0105】
再び図15A、及び図15Bにおいて、光透過路244を端部エフェクタ210の回外運動能力と組み合わせて使用して、端部エフェクタ210の図心262がウエハ12Bの中心252、及びロボットアーム16の肩軸線260に軸線方向に一線になっているか、否かを決定することができる。理想的には、図心262は把持されたウエハの中心に同軸であり、肩軸線260と、ウエハ12の中心252との間に延在する仮想線上に図心があることである。しかし、製造公差、及び光透過路244を生ずる構成の位置が原因で、計算された図心262の位置が、回転の回外運動の軸線からオフセットすることがある。図心262がオフセットしているか、合致しているかを決定するには、上述の配列操作を実施し、180°の回外運動角248(図14参照)にわたり、端部エフェクタ210を回転し、配列操作を繰り返すことが必要である。図心がオフセットしていると、計算された配列は回転の回外運動の軸線の両側に鏡面影像関係になる。図心262の正確な位置は2個の計算された配列を平均することによって決定される。
【0106】
上述の実施例は本発明の原理を単に説明したものである。本発明の原理を採用すれば、当業者によって、種々の変更を加えることができ、これ等の変更も本発明の範囲内にある。
【0107】
例えば、ウエハ12を取り付けた際、例えばピストンを遅くさせるパルスソレノイドのような代わりの電源によって、ピストンを作動させ得ることは、当業者には明らかである。電気信号を採用し、ピストンを駆動し、ピストンの位置決めを監視してもよい。端部エフェクタを液体内に浸漬する用途の場合のように、ピストンを空気的に作動させ、監視してもよい。
【0108】
端部エフェクタをフォーク状にしてもよく、又は予配列装置のボスのような障害物を避ける切除部を設け、又は障害物を避ける構造にすることができる。2つ、又はそれ以上の自由度を有するX−Yテーブル、及びその他の位置決め装置のようなロボットアーム以外の装置により、端部エフェクタを動かしてもよい。また、半導体ウエハ以外のLCD ディスプレイパネル、コンパクトディスケット、及びコンピュータメモリディスクのような上述のカセット以外のキャリヤに収容できる種々の形式の試料を取り扱うために、この端部エフェクタを使用することができる。
【0109】
また、センサは発行ダイオード、及びダイオードレーザからのレーザビームを採用するのが好適であるが、白熱光、赤外線、その他の放射線源を採用することもできる。
【0110】
静止パッドが包含される角度は鋭角であるのが好適であるが、本発明は試料を重力で端部エフェクタに保持する実施例を有し、この場合、静止パッドが包含される角度は180度より小さい鈍角であってもよい。
【0111】
図16A、図16B、及び図17、図18は端部エフェクタ210を取り付けることができる多数リンクロボットアームシステム308の形式を示す。図19A、及び図19Bはロボットアームの移動を特徴づける適切な数学表示に組み合わせて、位置決めロボットアーム機構308の例を示し、上述の種々のウエハ検知技術に関連するパラメータを計算するのに必要な直線移動、及び角移動の操作を示す。米国特許第5765444 号にはこの形式のロボットアームシステムの構造、及び作動を詳細に説明している。
【0112】
図16A、及び図16Bは支持テーブル309の頂面の孔に貫通し、この頂面上に取り付けた2個のアームを有する多数リンクロボットアームシステム308のそれぞれ側面図、及び平面図である。図16A、及び16Bにおいて、2個の類似するが、独立して制御される3リンクロボットアーム機構310L、及び310Rを胴部リンク311の両端に回転自在に取り付け、中心軸線、即ち胴部軸線313の周りに回転するように、ベースハウジング312の頂面に胴部リンク311を取り付ける。これ等機構は相互に鏡面影像の関係にあるから、ロボットアーム機構310L、及び310Rは符号に、それぞれ「L」、及び「R」を付して示す対応する構成部分を有する。従って、次の説明はロボットアーム機構310Rのみの構造と、作動とについて行うが、この説明はロボットアーム機構310Lにも同様に適用することができる。
【0113】
ロボットアーム機構310Rは円筒スペーサ315Rの頂面に取り付けられた上腕314Rを有し、この上腕314Rは肩軸線316Rの周りに、回転するように、胴部リンク311の右端に位置する。以下に説明するように、円筒スペーサ315Rはモータと、ロボットアーム機構の或る他の構成部分とを収容する空間を提供する。上腕314Rは肘軸線324Rの周りに回転するように、前腕322Rの基端320Rを取り付けた末端318Rを有し、前腕322Rは手首軸線332Rの周りに回転するように、端部エフェクタ、即ち手210Rの基端328Rを取り付けた末端326Rを有する。手210Rはその末端334Rに流体圧力送出口336Rを具え、導入口338において、ロボットアーム機構310Rに加えられた真空圧を真空チャネル164に加え、半導体ウエハ12、コンパクトディスク、又はその他適切な試料(図示せず)を手210上の所定位置に確実に保持する。後に詳細に説明するように、上腕314R、前腕322R、及び手210Rのおのおのはそれぞれ肩軸線316R、肘軸線324R、及び手首軸線332Rの周り連続的に回転することができる。
【0114】
図17はロボットアーム機構310Rのリンク構成部分、及び関連する機構リンクを示す。図17において、ロボットアーム機構310Rは第1、及び第2の同心モータ350R、352Rによって位置決めされる。これ等のモータはモータ制御器354(図19A、及び図19B参照)によって発生する指令に応動して作動する。第1モータ350Rは肘軸線324Rの周りに、前腕322Rを回転し、第2モータ352Rは肩軸線316Rの周りに上腕314Rを回転させる。
【0115】
また特に、第1モータ350Rは前腕スピンドル356Rを回転する。この前腕スピンドル356Rは上腕314Rに貫通し、上腕プーリ358Rまで達する。支柱360Rは上腕314Rの末端318Rにおいて、軸受362Rの中心に上方に貫通しており、軸受362Rは前腕322Rの基端320Rで、底面364Rに取り付けられている。また支柱360Rも前腕322Rの孔に貫通して、前腕プーリ366Rまで達する。無終端ベルト368Rによって、上腕プーリ358と、軸受362Rの外面とを連結し、第1モータ350Rの回転に応動して、肘軸線324Rの周りに、前腕322Rを回転する。
【0116】
第2モータ352Rは上腕314Rの底面382Rに取り付けられた上腕スピンドル380Rを回転し、肩軸線316Rの周りに上腕314Rを回転する。上述の機械的リンクに組み合わされた第1モータ350R、及び第2モータ352Rの統合された作動により、肩軸線316Rの周りに手210Rを回転させる。主柱384Rは手210Rの底面388Rに取り付けられた軸受386Rの中心に上方に貫通する。無終端ベルト390Rは前腕プーリ366Rを軸受386Rの外面に連結し、モータ350R、352Rの統合された回転運動に応動して、肩軸線316Rの周りに手210Rを回転する。
【0117】
上腕314Rと前腕322Rとを連結する機械的リンクは能動駆動リンクと、受動駆動リンクとを形成する。能動駆動リンクは上腕プーリ358Rと軸受362Rの外面とを連結するベルト368Rを有し、第1モータ350Rの回転に応動して、前腕322Rを回転させる。受動駆動リンクは前腕プーリ366Rと軸受386Rの外面とを連結するベルト390Rを有し、肘軸線324Rの周りの前腕322Rの回転に応動して、手首軸線332Rの周りに手210Rを回転させる。第2モータ352Rの回転に応動する上腕314Rの回転と、能動駆動リンク、及び受動駆動リンクとの複雑な相互作用によって、手210Rの回転を行わせることもできる。
【0118】
第3モータ、即ち胴部モータ392は胴部リンク311の底面に取り付けられた胴部リンクスピンドル394を回転させる。ロボットアーム機構310Rは回転するように、胴部リンク311に取り付けられている。主リンクが軸受組立体398を支持し、この軸受組立体398の周りに、スピンドル394が回転する。モータ392は中心軸線313の周りに360度、連続的に回転することができ、従って、モータ392はロボットアーム機構310Rと協働して、手210Rの範囲内の任意の位置まで、不規則な通路に沿って、手210Rを動かすことができる。
【0119】
モータ制御器54(図19A、及び図19B参照)は2つの好適な作動状態で、モータ350R、352Rを制御し、2つの主要な運動シーケンスをロボットアーム機構310Rに行わせる。第1運動シーケンスは手210Rの突出位置、即ち半径方向位置を変化させ、第2運動シーケンスは肩軸線316Rに対する手210Rの角度位置を変化させる。図18はこれ等2つの運動シーケンスを示すのに有用な線図である。
【0120】
図17、及び図18を参照して、第1作動状態において、モータ制御器354は前腕スピンドル356Rの位置を第1モータ350Rに維持させ、上腕スピンドル380Rを第2モータ352Rによって回転させる。第1モータ350Rを回転させないことによって、上腕プーリ358Rの位置を維持し、第2モータ352Rによる上腕スピンドル380Rの回転によって、肩軸線316Rの周りに、上腕314Rを回転させ、これにより、肘軸線324Rの周りに、前腕322Rを回転させ、手首軸線332Rの周りに、手210Rを反対方向に回転させる。上腕プーリ358Rの直径と、軸受362Rの外径との比は4:2であり、前腕プーリ366Rの直径と、軸受386Rの外径との比は1:2であるから、図18に、P2 によって示す特定の方向に、上腕314Rが回転することによって、手210Rを直線路400に沿って動かす。(前腕プーリ366Rの直径と、軸受386Rの外径とはそれぞれ軸受362Rの外径と、上腕プーリ358Rの外径との1/2であり、前腕322Rと手210Rとの寸法、及び形状を合理化している。)
【0121】
上腕314RがP2 によって示す時計方向に回転する時はいつでも、手210Rは通路400に沿って延びる(即ち、肩軸線316Rからの半径方向距離を増大する)。上腕314がP2 によって示す反時計方向に回転する時はいつでも、手210Rは通路400に沿って後退する(即ち、肩軸線316Rからの半径方向距離を減少させる)。図18に示す鏡面影像形態のロボットアーム機構310は上述の方向とは反対方向の上腕314の回転に応動して、突出し、後退することは当業者には明らかである。図16Bはロボットアーム機構310Rを突出させた時、軸線313、316R、324R、332Rは一線になることを示している。
【0122】
第2作動状態では、モータ制御器352RはP1 によって示す方向に、前腕スピンドル356Rを第1モータ350Rによって回転させ、P2 によって示す方向に、第2モータ352Rによって上腕スピンドル380Rを回転させる。同一の移動量によって、同一方向に回転するようモータ350R、352Rが同期して回転する特別な場合には、手210Rは肩軸線316Rの周りに角移動のみを行う。これは、第1モータ350Rの回転によって生ずる肘軸線324Rの周りの前腕322Rの回転と、第2モータ352Rの回転によって生ずる手首軸線332Rの周りの手330Rの回転と、受動駆動リンクの作動とが相互にオフセットしていて、肘軸線324R、及び手首軸線332Rの周りに正味の回転を生じないためである。従って、手210Rは通路400に沿う或る点で、半径方向に対して固着され、上腕314Rのみが肩軸線316Rの周りに回転する際、手210Rは円形通路を描く。手210のための希望する移動路を達成するため、運動に拘束作用を加えることによって、モータ制御器354は第1モータ350Rと第2モータ352Rとを作動させ、以下に更に説明するように、非半径方向直線路に沿って、ロボットアーム機構310Rを動かす。
【0123】
ロボットアーム機構310Rを作動させるように、第1モータ350R、及び第2モータ352Rの両方を回転させることにより、又は一方を接地し、他方を回転させることによって、これ等モータ350R、352Rを結合することは当業者には明らかである。例えば、前腕322Rが肘軸線324Rの周りに回転するように、ロボットアーム機構310Rを作動させることができる。このような運動は肩軸線316Rと、手210Rの全延長部との間に、単純な螺旋路を手210Rに描かせる。この運動は肩314Rの位置を固着することと、前腕322Rを動かすようにモータ350Rを作動させることとによって達成される。
【0124】
モータ制御器354は胴部モータ392の作動を制御し、従って、モータ350R、352Rの作動状態に無関係に、P3 によって示す方向の胴部リンク311の回転を制御する。
【0125】
モータ350R、352Rの角度位置は別個のガラススケールエンコーダ(図示せず)によって、探知される。通常、各エンコーダは環状回折格子スケールと、光源/検出器副組立体(図示せず)とを有する。このようなガラススケールエンコーダは当業者には既知である。モータ392の角度位置はガラススケールによって探知される。このエンコーダの形式はモータ350R、352Rのためのエンコーダに類似する。
【0126】
図19Aは半導体ウエハカセット168r の方向と、肩軸線316Rに対するカセット168の位置とによって、軸線が画成される局所座標軸を詳細に示す線図である。図19Aにおいて、次の説明は数学的表現を記載しており、この数式から発生する指令信号を制御器354が使用して、カセット168r の開口に垂直なベクトルに沿って、カセット168r からウエハ170r を取り出す。(この例が基礎を置く上述の状態の駆動比と異なる駆動比の場合でも、同様の数学表現を使用することができることは当業者には明らかである。)
【0127】
手210の移動路の誘導のため、次のパラメータが適切である。
θS =モータ352Rの角度 θE =モータ350Rの角度 r=肩軸線316Rと肘軸線324Rとの間の距離、及び肘軸線324Rと手首軸線332Rと前腕322Rとの間の距離 β=上腕314Rと前腕322Rとの間の角度 p=手210Rの長さ E=2r=ロボットアームの延長 Ri =ロボットアームの範囲(即ち、肩軸線316Rから、手210R上に位置するウエハ170r の中心172r まで測定されたロボットアームの半径)
【0128】
余弦の法則を適用すればRi に関して次の式が得られる。
Ri =p+(r2 +r2 −2r2 cosβ)1/2 (1)
=p+21/2 r(1−cosβ)1/2
【0129】
β=0であると、式(1)はRi =pとなり、x=0、y=0、θS =θSR、θE =θERである。θSR、及びθERの量は基準モータ角を表す。このモータ角はθS =θSR+△θSR、θE =θER+△θERのように表すこともできる。角度βはβ=2(△θSR−△θER)のように表すこともでき、この理由はロボットアーム機構310Rの機械的リンクの構造のためである。この式はモータ角の変化に角度βを関連させている。
【0130】
直線路に沿って、ウエハ170r をカセット168r から取り戻すためには、X軸線に沿う移動が、一定値であるXO に等しいことである。従って、X(t)=XO である。量X(t)はそのリンクのX軸線成分の長さの関数として表すことができる。即ち、
X(t)=rcosθ1 +rcosθ2 +pcosθp (2)
ここに、 θ1 =上腕314Rの角度 θ2 =前腕322Rの角度 θp =手210Rの角度 上腕314R、及び前腕322Rは同一の長さ(r)であるから、θ1 はモータ352Rの角度θS に従い、手210Rは直線に沿って動くので、次の表現が保持される。
θ1 =θS θ2 =θ1 +π−β θp =θ1 +(π−β)/2
【0131】
従って、X0 を計算するためには、θ1 、θ2 、θP の値をX(t)に関する式(2)に代入し、次の値が得られる。
X0 =r(cosθ1 +cosθ2 )+pcosθp (3)
X0 =r( cosθ1 +cos(θ1 +π−β))
+pcos(θ1 +π/2−β/2)
X0 =r(cosθ1 −cos(θ1 −β)−psin(θ1 −β/2)
式(3)は手210Rを直線運動させるため、等しい角度距離を動かすように作動するモータ352R、350Rの角度θS 、θE の間の関係を限定する拘束を表している。
【0132】
当業者であれば、多数の方法の任意の一つによってサーボ機構制御器により、拘束の式(3)を実施することができる。例えば、所定のウエハ移動プロファイルを実施するために、高速作動を達成するよう、式(3)から指令信号値を計算し、リアルタイムの使用のため、この計算値をルックアップテーブルに記憶することができる。事前計算プロセスには、ウエハ移動プロファイルに従うθS のインデクシングと、対応するθE 値を式(3)から決定することが必要で、これによりマスタースレーブ関係にθS とθE との移動の形態を形成する。
【0133】
肩軸線316Rの周りの手210Rの角度移動を達成するため、制御器354はモータ350R、352Rにより同一方向に手330Rを希望する角移動にわたり回転し、希望する目的地に達せしめる。この移動中、手330Rの直線的な延長は変化しない。制御器354をプログラミングし、種々の角移動にわたりモータ350R、352Rを作動させることにより、手330Rの複雑な、同時に生ずる直線的、及び角度的移動プロファイルを達成することができる。図6Aは記憶されたウエハ170l の中心172l がY0 に合致するように位置する第2ウエハカセット168l を示す。カセット168l 、及び168r の開口が平行に配置されていることは肩軸線316から半径方向距離に位置していないカセット内に保管されたウエハを取り出すため、上述の式を使用し得ることを示している。ロボットアーム機構310は半径方向に配置することに対する制約を受けず、その範囲内にいかなる距離の組合せをも受け入れることができる。
【0134】
図19Bは制御器354の基本的な構成部分を示す簡単化したブロック線図である。図19Bにおいて、制御器354はロボットアーム機構310Rの移動シーケンスインストラクションを記憶するプログラムメモリ474を有する。マイクロプロセッサ476はプログラムメモリ474から移動シーケンスインストラクションを受け取り、それを判断して、第1作動状態が必要なのか、第2作動状態が必要なのか、又はモータ392の運動が必要なのかを決定し、胴部リンク311を位置決めする。システムクロック478はマイクロプロセッサ476の作動を制御する。ルックアップテーブル(LUT)480は第1作動状態の直線運動を達成するためのθS (モータ352R用)、及びθE (モータ350R用)のための対応する値を記憶し、第2作動状態の角運動を達成するためのθS 、及びθE の角移動の対応する値を記憶する。胴部リンク311の回転はそれに取り付けたロボットアーム機構の運動とは無関係なので、モータ350R、352Rの角移動とのモータ392の角移動の全体の統合はLUT180内でなく、移動シーケンスインストラクションで実施する。これにより、一層高速の、一層正確な直線運動を生ずる。これは多軸サーボ機構による誤差、及び駆動精度誤差は手210Rの直線路に影響しないからである。
【0135】
マイクロプロセッサ476はサーボ機構増幅器482にθS 、θE の位置信号を供給し、この増幅器482はそれぞれのモータ352R、350RにθS 、θE の指令信号を送給する。マイクロプロセッサ476はサーボ機構増幅器476に位置信号を供給し、指令信号を胴部モータ392に送給する。サーボ機構増幅器482はそれぞれモータ350R、352R、392の角度位置を示している信号を3個のガラススケールエンコーダから受け取る。
【0136】
マイクロプロセッサ476は制御信号を真空弁制御器484に供給し、手210Rに、ウエハを保持する必要と、手210Rからウエハを釈放する必要とに応じて、真空弁制御器484は真空源(図示せず)から適切な量の真空圧を送出口336まで、真空弁(図示せず)によって、供給させる。
【0137】
本発明の上述の実施例は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更を加え得ることは当業者には明らかであり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機構に作動可能に結合するよう構成され、試料をその周端縁によって把持する試料周端縁把持装置において、
基端と、これに対向する末端とを有する本体と、
試料の周端縁を支持するパッド部と、前記試料の周端縁を把持するため前記パッド部と共に包括角を形成する後部止め部とを有し、前記本体の前記末端に取り付けられた末端静止パッドと、
前記試料の周端縁を支持するため、前記本体の前記基端に連結された基端静止パッドと、
後退試料積載位置と、試料の寸法によって定まる突出試料把持位置との間に移動可能な基端作用接触点とを具え、
前記後退試料積載位置では、前記本体上に前記試料を設置するための十分な間隙を生じており、前記突出試料把持位置では、前記末端静止パッドに形成された前記包括角内に前記試料の周端縁を押圧している
ことを特徴とする試料周端縁把持装置。
【請求項2】
前記基端静止パッドの一部として、前記基端作用接触点が形成されている請求項1の端縁把持装置。
【請求項3】
前記本体の前記基端に関連するシリンダボア内で往復動するように取り付けられた流体圧で作動するピストンに前記作用接触点が作動可能に連結されている請求項1の端縁把持装置。
【請求項4】
前記末端静止パッドは前記試料の周縁のセグメントに適合する形状を有する請求項1の端縁把持装置。
【請求項5】
前記末端静止パッドが第1末端静止パッドであり、前記末端静止パッドが前記第1末端静止パッドから離間する第2末端静止パッドを更に具える請求項1の端縁把持装置。
【請求項6】
前記本体は前記末端静止パッドを取り付けるほぼ平坦な試料支持面を画成しており、前記突出試料把持位置にある移動可能な前記接触点が前記包括角内に前記試料の周端縁を押圧する際、前記試料のための傾斜面を生ずるようほぼ平坦な前記試料支持面に対し傾斜する静止パッド部を前記末端静止パッドが有する請求項1の端縁把持装置。
【請求項7】
傾斜する前記静止パッド部と前記後部止め部との間に形成された前記包括角は180度より小さい角度である請求項6の端縁把持装置。
【請求項8】
前記後退試料積載位置と、前記突出試料把持位置との間に前記作用接触点を動かすため、この作用接触点に作動可能に連結された作用接触点作動機構を更に具え、この作用接触点作動機構は前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させるため押圧力を加える押圧装置と、前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させるよう前記押圧力に選択的に打ち勝つ流体圧力被制御装置とを有する請求項1の端縁把持装置。
【請求項9】
前記作用接触点に作動可能に連結され、1対の離間する基準位置表示装置に作動するように関連する位置表示装置を更に具え、各前記基準位置表示装置は完全に後退した試料積載位置と、試料を把持していない前記作用接触点の完全突出位置とを表示するため、前記作用接触点の運動を監視する請求項8の端縁把持装置。
【請求項10】
前記突出試料把持位置にある移動可能な前記接触点が前記包括角内に前記試料の周端縁を押圧する際、前記試料の傾斜面を生ずるための傾斜静止パッド部を前記末端静止パッドが有し、180度より小さい包括角が前記傾斜静止パッド部と前記後部止め部との間に形成されており、前記後退試料積載位置と、前記突出試料把持位置との間に前記作用接触点を動かすため、この作用接触点に作動可能に連結された作用接触点作動機構を更に具え、この作用接触点作動機構は前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させるため押圧力を加える押圧装置と、前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させるよう前記押圧力に選択的に打ち勝つ流体圧力被制御装置とを有し、これにより、前記流体圧力被制御装置への流体圧力が失われた場合、前記末端静止パッドと前記作用接触点との間に前記試料を保持するフェイルセーフ機構を構成している請求項1の端縁把持装置。
【請求項11】
前記後退試料積載位置と、前記突出試料把持位置との間に前記作用接触点を動かすため、この作用接触点に作動可能に連結された作用接触点作動機構を更に具え、この作動機構は押圧装置と、流体圧力被制御装置とを有し、前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させること、及び前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させることのいずれか一つを達成するため、前記押圧装置によって前記作用接触点に押圧力を加え、前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させること、及び前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させることのうち前記押圧装置によって達成されない他方を達成するため、前記流体圧力被制御装置が前記押圧力に選択的に打ち勝つよう構成された請求項1の端縁把持装置。
【請求項12】
周辺部を有する試料の位置を決定するため端部エフェクタを使用する方法において、
光源、及び受光部に作動するように連結された本体を有する端部エフェクタを設け、
前記光源、及び受光部は離間するそれぞれの光源光路開口、及び受光路開口を有し、これ等開口の間に光透過路に沿って光ビームが伝搬し、これ等光ビームが既知のビーム形状であるように前記光源光路開口、及び受光路開口の寸法を定め、
前記試料と本体との空間を狭くするため、これ等試料と本体との間の相対運動を与え、
前記相対運動を与えることに組み合わせて、前記光透過路に交差するように前記試料を位置決めして、既知のビーム形状の光ビームを遮断し、
既知のビーム形状の光ビームの前記遮断に応動して、空間規準位置に対する前記試料の周辺部の位置を確立する
ことを特徴とする試料の位置を決定するための端部エフェクタの使用方法。
【請求項13】
相対運動を与える前記工程において、前記本体と前記試料を移動路に沿って相互に接近するように動かすと共に、既知のビーム形状の前記光ビームと、前記試料との相対位置を前記移動路の横方向に変化させ、既知のビーム形状の前記光ビームが前記試料に交差すると、前記試料の周辺部の明確な位置を確立するための準備として、前記本体と前記試料との相互に接近する相対運動を中止させる請求項12の方法。
【請求項14】
前記試料は離間距離によって分離される第1、及び第2の対向する主要表面を有し、既知のビーム形状の前記光ビームと、前記試料との相対位置を前記移動路の横方向に変化させる前記工程において、前記主要表面間の距離より一層長い空間距離によって分離される空間位置の間に起伏するパターンを画くよう既知のビーム形状の前記光ビームと前記試料とに相対運動を与える請求項13の方法。
【請求項15】
既知のビーム形状の光ビームを遮断するよう前記試料に対し、前記本体を手動で配列することにより、相対運動を与えることに組み合わせる位置決めを達成する請求項12の方法。
【請求項16】
相互間の近接距離に、前記本体と前記試料とを手動で位置決めすることによって、相対運動を与える工程を達成する請求項12の方法。
【請求項17】
試料の位置を検知する端部エフェクタにおいて、
2個、又はそれ以上の自由度を有する機構を含む本体と、
光源光路開口を有し前記本体に作動するように連結された光源と、
受光路開口を有する受光部とを具え、
前記光源から前記受光部まで既知のビーム形状の光ビームが伝搬する光透過路を間に形成するよう前記光源光路開口と、受光路開口とがその寸法と相互の離間距離とを有し、試料が前記本体に近く位置し、空間規準位置に対する所定距離内に位置することによって生ずる既知のビーム形状の前記光ビームの遮断を検出する十分な長さを前記光透過路が有することを特徴とする試料位置検知端部エフェクタ。
【請求項18】
前記本体は基端、及び末端を有し、支持体によって支持される試料の明確な点によって前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項17の端部エフェクタ。
【請求項19】
前記本体は基端、及び末端を有し、前記機構が前記本体の前記末端と前記試料とを相互に接近させる時、前記本体に近く位置する支持体によって支持される試料により前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記末端の近くに相互に対向するように位置している請求項17の端部エフェクタ。
【請求項20】
前記本体は基端、及び末端を有し、支持体によって支持される試料の第1、及び第2の対向表面区域によって前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項17の端部エフェクタ。
【請求項21】
試料の位置を検知する端部エフェクタにおいて、 本体と、 この本体によって、所定位置に試料を保持し得るよう、前記本体に作動するように関連する保持機構と、 光源光路開口を有し前記本体に作動するように連結された光源と、受光路開口を有する受光部とを具え、 前記光源から前記受光部まで既知のビーム形状の光ビームが伝搬する光透過路を間に形成するよう前記光源光路開口と、受光路開口とがその寸法と相互の離間距離とを有し、試料が前記本体に近く位置し、空間規準位置に対する所定距離内に位置することによって生ずる既知のビーム形状の前記光ビームの遮断を検出する十分な長さを前記光透過路が有することを特徴とする試料位置検知端部エフェクタ。
【請求項22】
前記本体をロボットアームに作動可能に結合する結合器を更に具え、前記本体は前記結合器に一層近く位置する基端と、末端とを有し、試料が前記本体によって保持される前に、支持体によって支持される前記試料の明確な点によって、前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項21の端部エフェクタ。
【請求項23】
前記支持体によって所定位置に保持されている時の前記試料の停止位置に前記空間規準位置が相当している請求項22の端部エフェクタ。
【請求項24】
前記本体をロボットアームに作動可能に結合する結合器を更に具え、前記本体は前記結合器に一層近く位置する基端と、末端とを有し、前記ロボットアームが前記本体の前記末端と試料とを相互に接近させる時、前記本体に近く位置する支持体によって支持される前記試料により前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記末端の近くに相互に対向するように位置している請求項21の端部エフェクタ。
【請求項25】
前記本体をロボットアームに作動可能に結合する結合器を更に具え、前記本体は前記結合器に一層近く位置する基端と、末端とを有し、試料が前記本体によって保持される前に、支持体によって支持される前記試料の第1、及び第2の対向する表面区域により前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項21の端部エフェクタ。
【請求項1】
機構に作動可能に結合するよう構成され、試料をその周端縁によって把持する試料周端縁把持装置において、
基端と、これに対向する末端とを有する本体と、
試料の周端縁を支持するパッド部と、前記試料の周端縁を把持するため前記パッド部と共に包括角を形成する後部止め部とを有し、前記本体の前記末端に取り付けられた末端静止パッドと、
前記試料の周端縁を支持するため、前記本体の前記基端に連結された基端静止パッドと、
後退試料積載位置と、試料の寸法によって定まる突出試料把持位置との間に移動可能な基端作用接触点とを具え、
前記後退試料積載位置では、前記本体上に前記試料を設置するための十分な間隙を生じており、前記突出試料把持位置では、前記末端静止パッドに形成された前記包括角内に前記試料の周端縁を押圧している
ことを特徴とする試料周端縁把持装置。
【請求項2】
前記基端静止パッドの一部として、前記基端作用接触点が形成されている請求項1の端縁把持装置。
【請求項3】
前記本体の前記基端に関連するシリンダボア内で往復動するように取り付けられた流体圧で作動するピストンに前記作用接触点が作動可能に連結されている請求項1の端縁把持装置。
【請求項4】
前記末端静止パッドは前記試料の周縁のセグメントに適合する形状を有する請求項1の端縁把持装置。
【請求項5】
前記末端静止パッドが第1末端静止パッドであり、前記末端静止パッドが前記第1末端静止パッドから離間する第2末端静止パッドを更に具える請求項1の端縁把持装置。
【請求項6】
前記本体は前記末端静止パッドを取り付けるほぼ平坦な試料支持面を画成しており、前記突出試料把持位置にある移動可能な前記接触点が前記包括角内に前記試料の周端縁を押圧する際、前記試料のための傾斜面を生ずるようほぼ平坦な前記試料支持面に対し傾斜する静止パッド部を前記末端静止パッドが有する請求項1の端縁把持装置。
【請求項7】
傾斜する前記静止パッド部と前記後部止め部との間に形成された前記包括角は180度より小さい角度である請求項6の端縁把持装置。
【請求項8】
前記後退試料積載位置と、前記突出試料把持位置との間に前記作用接触点を動かすため、この作用接触点に作動可能に連結された作用接触点作動機構を更に具え、この作用接触点作動機構は前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させるため押圧力を加える押圧装置と、前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させるよう前記押圧力に選択的に打ち勝つ流体圧力被制御装置とを有する請求項1の端縁把持装置。
【請求項9】
前記作用接触点に作動可能に連結され、1対の離間する基準位置表示装置に作動するように関連する位置表示装置を更に具え、各前記基準位置表示装置は完全に後退した試料積載位置と、試料を把持していない前記作用接触点の完全突出位置とを表示するため、前記作用接触点の運動を監視する請求項8の端縁把持装置。
【請求項10】
前記突出試料把持位置にある移動可能な前記接触点が前記包括角内に前記試料の周端縁を押圧する際、前記試料の傾斜面を生ずるための傾斜静止パッド部を前記末端静止パッドが有し、180度より小さい包括角が前記傾斜静止パッド部と前記後部止め部との間に形成されており、前記後退試料積載位置と、前記突出試料把持位置との間に前記作用接触点を動かすため、この作用接触点に作動可能に連結された作用接触点作動機構を更に具え、この作用接触点作動機構は前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させるため押圧力を加える押圧装置と、前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させるよう前記押圧力に選択的に打ち勝つ流体圧力被制御装置とを有し、これにより、前記流体圧力被制御装置への流体圧力が失われた場合、前記末端静止パッドと前記作用接触点との間に前記試料を保持するフェイルセーフ機構を構成している請求項1の端縁把持装置。
【請求項11】
前記後退試料積載位置と、前記突出試料把持位置との間に前記作用接触点を動かすため、この作用接触点に作動可能に連結された作用接触点作動機構を更に具え、この作動機構は押圧装置と、流体圧力被制御装置とを有し、前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させること、及び前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させることのいずれか一つを達成するため、前記押圧装置によって前記作用接触点に押圧力を加え、前記作用接触点を前記突出試料把持位置に突出させること、及び前記作用接触点を前記後退試料積載位置に後退させることのうち前記押圧装置によって達成されない他方を達成するため、前記流体圧力被制御装置が前記押圧力に選択的に打ち勝つよう構成された請求項1の端縁把持装置。
【請求項12】
周辺部を有する試料の位置を決定するため端部エフェクタを使用する方法において、
光源、及び受光部に作動するように連結された本体を有する端部エフェクタを設け、
前記光源、及び受光部は離間するそれぞれの光源光路開口、及び受光路開口を有し、これ等開口の間に光透過路に沿って光ビームが伝搬し、これ等光ビームが既知のビーム形状であるように前記光源光路開口、及び受光路開口の寸法を定め、
前記試料と本体との空間を狭くするため、これ等試料と本体との間の相対運動を与え、
前記相対運動を与えることに組み合わせて、前記光透過路に交差するように前記試料を位置決めして、既知のビーム形状の光ビームを遮断し、
既知のビーム形状の光ビームの前記遮断に応動して、空間規準位置に対する前記試料の周辺部の位置を確立する
ことを特徴とする試料の位置を決定するための端部エフェクタの使用方法。
【請求項13】
相対運動を与える前記工程において、前記本体と前記試料を移動路に沿って相互に接近するように動かすと共に、既知のビーム形状の前記光ビームと、前記試料との相対位置を前記移動路の横方向に変化させ、既知のビーム形状の前記光ビームが前記試料に交差すると、前記試料の周辺部の明確な位置を確立するための準備として、前記本体と前記試料との相互に接近する相対運動を中止させる請求項12の方法。
【請求項14】
前記試料は離間距離によって分離される第1、及び第2の対向する主要表面を有し、既知のビーム形状の前記光ビームと、前記試料との相対位置を前記移動路の横方向に変化させる前記工程において、前記主要表面間の距離より一層長い空間距離によって分離される空間位置の間に起伏するパターンを画くよう既知のビーム形状の前記光ビームと前記試料とに相対運動を与える請求項13の方法。
【請求項15】
既知のビーム形状の光ビームを遮断するよう前記試料に対し、前記本体を手動で配列することにより、相対運動を与えることに組み合わせる位置決めを達成する請求項12の方法。
【請求項16】
相互間の近接距離に、前記本体と前記試料とを手動で位置決めすることによって、相対運動を与える工程を達成する請求項12の方法。
【請求項17】
試料の位置を検知する端部エフェクタにおいて、
2個、又はそれ以上の自由度を有する機構を含む本体と、
光源光路開口を有し前記本体に作動するように連結された光源と、
受光路開口を有する受光部とを具え、
前記光源から前記受光部まで既知のビーム形状の光ビームが伝搬する光透過路を間に形成するよう前記光源光路開口と、受光路開口とがその寸法と相互の離間距離とを有し、試料が前記本体に近く位置し、空間規準位置に対する所定距離内に位置することによって生ずる既知のビーム形状の前記光ビームの遮断を検出する十分な長さを前記光透過路が有することを特徴とする試料位置検知端部エフェクタ。
【請求項18】
前記本体は基端、及び末端を有し、支持体によって支持される試料の明確な点によって前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項17の端部エフェクタ。
【請求項19】
前記本体は基端、及び末端を有し、前記機構が前記本体の前記末端と前記試料とを相互に接近させる時、前記本体に近く位置する支持体によって支持される試料により前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記末端の近くに相互に対向するように位置している請求項17の端部エフェクタ。
【請求項20】
前記本体は基端、及び末端を有し、支持体によって支持される試料の第1、及び第2の対向表面区域によって前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項17の端部エフェクタ。
【請求項21】
試料の位置を検知する端部エフェクタにおいて、 本体と、 この本体によって、所定位置に試料を保持し得るよう、前記本体に作動するように関連する保持機構と、 光源光路開口を有し前記本体に作動するように連結された光源と、受光路開口を有する受光部とを具え、 前記光源から前記受光部まで既知のビーム形状の光ビームが伝搬する光透過路を間に形成するよう前記光源光路開口と、受光路開口とがその寸法と相互の離間距離とを有し、試料が前記本体に近く位置し、空間規準位置に対する所定距離内に位置することによって生ずる既知のビーム形状の前記光ビームの遮断を検出する十分な長さを前記光透過路が有することを特徴とする試料位置検知端部エフェクタ。
【請求項22】
前記本体をロボットアームに作動可能に結合する結合器を更に具え、前記本体は前記結合器に一層近く位置する基端と、末端とを有し、試料が前記本体によって保持される前に、支持体によって支持される前記試料の明確な点によって、前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項21の端部エフェクタ。
【請求項23】
前記支持体によって所定位置に保持されている時の前記試料の停止位置に前記空間規準位置が相当している請求項22の端部エフェクタ。
【請求項24】
前記本体をロボットアームに作動可能に結合する結合器を更に具え、前記本体は前記結合器に一層近く位置する基端と、末端とを有し、前記ロボットアームが前記本体の前記末端と試料とを相互に接近させる時、前記本体に近く位置する支持体によって支持される前記試料により前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記末端の近くに相互に対向するように位置している請求項21の端部エフェクタ。
【請求項25】
前記本体をロボットアームに作動可能に結合する結合器を更に具え、前記本体は前記結合器に一層近く位置する基端と、末端とを有し、試料が前記本体によって保持される前に、支持体によって支持される前記試料の第1、及び第2の対向する表面区域により前記光透過路を遮断するよう、前記光源光路開口と受光路開口とが前記基端の近くに相互に対向するように位置している請求項21の端部エフェクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【公開番号】特開2010−110891(P2010−110891A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−6284(P2010−6284)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【分割の表示】特願2000−585915(P2000−585915)の分割
【原出願日】平成11年12月2日(1999.12.2)
【出願人】(503018847)ニューポート コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6284(P2010−6284)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【分割の表示】特願2000−585915(P2000−585915)の分割
【原出願日】平成11年12月2日(1999.12.2)
【出願人】(503018847)ニューポート コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
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