車両の自動走行制御装置
【課題】エンジン制御用のECUに対してACC(Adaptive Cruise Control:車間距離制御)等の外部モジュールを容易に増設できるようにする。
【解決手段】要求車両加速度演算手段41(ECU)は、設定車速選択部45、F/B加速度演算部46、要求車両加速度演算部47の機能を備えている。設定車速選択部45は、定速走行制御システムの車速設定スイッチでセットした第1の設定車速と、要求車両加速度演算手段41に接続されたACCモジュールから送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/B加速度演算部46は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部45で選択した設定車速との偏差を小さくするように車両加速度をフィードバック補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両加速度演算部47はF/B加速度演算部46で演算したF/B補正量を用いて要求車両加速度を演算する。
【解決手段】要求車両加速度演算手段41(ECU)は、設定車速選択部45、F/B加速度演算部46、要求車両加速度演算部47の機能を備えている。設定車速選択部45は、定速走行制御システムの車速設定スイッチでセットした第1の設定車速と、要求車両加速度演算手段41に接続されたACCモジュールから送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/B加速度演算部46は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部45で選択した設定車速との偏差を小さくするように車両加速度をフィードバック補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両加速度演算部47はF/B加速度演算部46で演算したF/B補正量を用いて要求車両加速度を演算する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車速を自動制御する車両の自動走行制御装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
車両の自動走行制御装置としては、一般にクルーズコントロールシステムと呼ばれる定速走行制御装置の他に、車間距離制御装置が知られている。定速走行制御装置は、走行中に運転者が車速設定スイッチで設定車速をセットすると、以後は、アクセルペダルを操作しなくても、車速センサで検出した実車速が設定車速に一致するようにスロットル開度を自動的に制御して、車両を設定車速で定速走行させるシステムである。
【0003】
一方、車間距離制御装置は、特許文献1(特開平6−229279号公報)に記載されているように、先行車との車間距離や先行車の車速を検出するカメラ等を車両に搭載して、先行車との車間距離と速度差と自車速との関係から要求車両加速度(目標前後加速度)を演算し、この要求車両加速度とギヤ位置と自車速に基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムを制御するようにしたものがある。
【特許文献1】特開平6−229279号公報(第3頁〜第4頁等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、定速走行制御装置は、車速設定スイッチを設けるだけの簡単な構成で、低コストで搭載できるため、定速走行制御装置を標準装備する車両が増加し、しかも、定速走行制御のロジックが簡単であるため、定速走行制御機能は、電子スロットルシステムを制御するECU(電子制御ユニット)に組み込まれたものが多い。
【0005】
これに対して、車間距離制御装置は、先行車との車間距離や車速を検出するカメラ等を必要とし、コストが高くなるため、車間距離制御装置を搭載する車両は、それほど多くはない。このため、車間距離制御装置は、オプション装備又は一部の車種の高級グレードに限定した装備となっており、しかも、車間距離制御のロジックは、定速走行制御と比較して複雑であるため、スロットル制御用のECUとは別の外部モジュールとして車間距離制御機能を構成する場合が多い。
【0006】
この場合、外部モジュールから出力される制御信号をスロットル制御用のECUに取り込んで目標スロットル開度に変換する方法を新に検討しなければならないという課題がある。
【0007】
また、外部モジュールとしては、車間距離制御装置の他に、TRC(トラクションコントロールシステム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)等があるが、これらの外部モジュールを搭載する場合でも、その外部モジュールの出力信号をスロットル制御用のECUに対応させるのに、上記と同様の課題がある。
【0008】
本発明はこれらの事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、外部モジュールを容易に増設することができ、低コスト化の要求を満たすことができる車両の自動走行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両加速度を演算する要求車両加速度演算手段とを備えた構成としたものである。この構成では、自動走行制御手段に対して外部モジュールを増設した場合に、自動走行制御手段は、第1の設定車速セット手段でセットした第1の設定車速と外部モジュールから送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する構成であるため、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができ、低コスト化の要求を満たすことができる。
【0010】
また、請求項2のように、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算する要求エンジントルク演算手段とを備えた構成としても良い。このようにすれば、設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御するシステムにおいても、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができる。
【0011】
また、請求項3のように、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算する要求車両駆動力演算手段とを備えた構成としても良い。このようにすれば、設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御するシステムにおいても、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができる。
【0012】
また、請求項4のように、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算する要求車軸トルク演算手段とを備えた構成としても良い。このようにすれば、設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御するシステムにおいても、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができる。
【0013】
また、請求項5のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両加速度を演算するようにしても良い。このようにすれば、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【0014】
また、請求項6のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求エンジントルクを演算するようにしても良い。この場合も、増設可能な外部モジュールの機種が増え、汎用性を高めることができる。
【0015】
また、請求項7のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両駆動力を演算するようにしても良い。この場合も、増設可能な外部モジュールの機種が増え、汎用性を高めることができる。
【0016】
また、請求項8のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車軸トルクを演算するようにしても良い。この場合も、増設可能な外部モジュールの機種が増え、汎用性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の実施例1を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
【0019】
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0020】
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
【0021】
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、エンジン11のクランク軸27が所定クランク角回転する毎にクランク角信号(パルス信号)を出力するクランク角センサ28が取り付けられている。このクランク角センサ28のクランク角信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
【0022】
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)29に入力される。このECU29は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
【0023】
また、ECU29は、特許請求の範囲でいう自動走行制御手段として機能し、走行中に運転者が定速走行制御(クルーズコントロール)の車速設定スイッチ30(第1の設定車速セット手段)で第1の設定車速をセットしたときに、車速センサ31で検出した実車速が第1の設定車速に一致するように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御して、車両を第1の設定車速で定速走行させる定速走行制御を実行する。
【0024】
このECU29に対しては、第2の設定車速を送信する外部モジュール、例えばACC(Adaptive Cruise Control:車間距離制御)のモジュール32を増設可能となっている。このACCモジュール32は、先行車との車間距離や先行車の車速を検出するカメラ等を車両に搭載して、検出した先行車との車間距離や先行車の車速に基づいて先行車との車間距離を適度に確保して安全に自動走行するための第2の設定車速を演算してECU29に送信する。定速走行制御中に、ACCモジュール32からECU29に第2の設定車速が送信される場合は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択し、選択した設定車速と実車速との偏差を小さくするように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御して、車両を当該設定車速で自動走行させる。
【0025】
尚、ECU29に対して、ACC以外の外部モジュールを増設しても良く、例えば、TRC(トラクションコントロールシステム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)等を増設しても良く、要は、第2の設定車速を送信する外部モジュールであれば増設可能である。以下の説明では、ACCモジュール32を増設した場合について説明する。
【0026】
次に、本実施例1の自動走行制御(定速走行制御及び車間距離制御)の具体的な内容を説明する。図2は、ECU29により実現される自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両加速度演算手段41、要求車両駆動力演算手段42、要求エンジントルク演算手段43、目標スロットル開度演算手段44から構成されている。
【0027】
図3に示すように、要求車両加速度演算手段41は、設定車速選択部45(設定車速選択手段)、F/B加速度演算部46、要求車両加速度演算部47から構成されている。
設定車速選択部45は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。これは、走行安全性を確保するためである。F/B加速度演算部46は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部45で選択した設定車速との偏差を小さくするように車両加速度をF/B補正(フィードバック補正)するためのF/B補正量を演算する。要求車両加速度演算部47は、F/B加速度演算部46で演算したF/B補正量を用いて要求車両加速度を演算する。これらF/B加速度演算部46と要求車両加速度演算部47とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0028】
一方、要求車両加速度演算手段41で演算された要求車両加速度は、図2に示す要求車両駆動力演算手段42に入力され、要求車両駆動力に変換される。この要求車両駆動力演算手段42は、上述した自動走行制御のための要求車両駆動力演算機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車両駆動力を演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車両駆動力を演算する。
【0029】
この要求車両駆動力演算手段42で演算された要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段43に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段44は、要求エンジントルク演算手段43で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部45で選択した設定車速で自動走行させる。
【0030】
以上説明した本実施例1の構成によれば、自動走行制御中に、要求車両加速度演算手段41は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部45で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する構成であるため、設定車速に対する安全性を確保しつつ、ACCモジュール32の仕様をECU29の制御仕様に対応させることができて、ACCモジュール32を容易に増設することができ、低コスト化の要求を満たすことができる。
【0031】
また、本実施例1では、ACCモジュール32以外の外部モジュールであっても、第2の設定車速を送信する外部モジュールであれば増設可能であるため、外部モジュールとECU29との接続仕様を共通化することができる利点がある。
【実施例2】
【0032】
次に、図4及び図5に基づいて本発明の実施例2を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
図4に示すように、本実施例2では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求エンジントルク演算手段51と目標スロットル開度演算手段52から構成されている。要求エンジントルク演算手段51は、図5に示す自動走行制御のための要求エンジントルク演算機能51aの他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求エンジントルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求エンジントルクを演算する。
【0033】
図5に示す自動走行制御のための要求エンジントルク演算機能51aは、設定車速選択部53(設定車速選択手段)、F/Bエンジントルク演算部54、要求エンジントルク演算部55から構成されている。設定車速選択部53は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/Bエンジントルク演算部54は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部53で選択した設定車速との偏差を小さくするようにエンジントルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求エンジントルク演算部55は、F/Bエンジントルク演算部54で演算したF/B補正量を用いて要求エンジントルクを演算する。これらF/Bエンジントルク演算部54と要求エンジントルク演算部55とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0034】
一方、目標スロットル開度演算手段44は、要求エンジントルク演算手段51で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部53で選択した設定車速で自動走行させる。
【0035】
以上説明した本実施例2の構成によれば、自動走行制御中に、要求エンジントルク演算手段51は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部53で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する。これにより、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0036】
次に、図6及び図7に基づいて本発明の実施例3を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
図6に示すように、本実施例3では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両駆動力演算手段61、要求エンジントルク演算手段62、目標スロットル開度演算手段63から構成されている。要求車両駆動力演算手段61は、図7に示す自動走行制御のための要求車両駆動力演算機能61aの他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車両駆動力を演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車両駆動力を演算する。
【0037】
図7に示す自動走行制御のための要求車両駆動力演算機能61aは、設定車速選択部64(設定車速選択手段)、F/B車両駆動力演算部65、要求車両駆動力演算部66から構成されている。設定車速選択部64は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/B車両駆動力演算部65は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部53で選択した設定車速との偏差を小さくするように車両駆動力をF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両駆動力演算部66は、F/B車両駆動力演算部65で演算したF/B補正量を用いて要求車両駆動力を演算する。これらF/B車両駆動力演算部65と要求車両駆動力演算部66とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0038】
この要求車両駆動力演算手段61で演算された要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段62に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段63は、要求エンジントルク演算手段62で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部64で選択した設定車速で自動走行させる。
【0039】
以上説明した本実施例3の構成によれば、自動走行制御中に、要求車両駆動力演算手段61は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部64で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する。これにより、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0040】
次に、図8及び図9に基づいて本発明の実施例4を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
図8に示すように、本実施例4では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車軸トルク演算手段71、要求エンジントルク演算手段72、目標スロットル開度演算手段73から構成されている。要求車軸トルク演算手段71は、図9に示す自動走行制御のための要求車軸トルク演算機能71aの他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車軸トルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車軸トルクを演算する。
【0041】
図9に示す自動走行制御のための要求車軸トルク演算機能71aは、設定車速選択部74(設定車速選択手段)、F/B車軸トルク演算部75、要求車軸トルク演算部76から構成されている。設定車速選択部74は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/B車軸トルク演算部75は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部53で選択した設定車速との偏差を小さくするように車軸トルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車軸トルク演算部76は、F/B車軸トルク演算部75で演算したF/B補正量を用いて要求車軸トルクを演算する。これらF/B車軸トルク演算部75と要求車軸トルク演算部76とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0042】
この要求車軸トルク演算手段71で演算された要求車軸トルクは、要求エンジントルク演算手段72に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段73は、要求エンジントルク演算手段72で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部74で選択した設定車速で自動走行させる。
【0043】
以上説明した本実施例4の構成によれば、自動走行制御中に、要求車軸トルク演算手段71は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部74で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する。これにより、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0044】
次に、図10に基づいて本発明の実施例5を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例5では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両加速度演算手段81、要求車両駆動力演算手段82、要求エンジントルク演算手段83、目標スロットル開度演算手段84から構成されている。要求車両加速度演算手段81は、入力信号の選択とF/B加速度演算の機能を有する入力処理部85と、要求車両加速度演算部86とから構成されている。
【0045】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部85は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両加速度をF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両加速度演算部86は、入力処理部85のF/B加速度演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求車両加速度を演算する。
【0046】
一方、要求車両加速度演算手段81で演算された要求車両加速度は、要求車両駆動力演算手段82に入力され、要求車両駆動力に変換される。この要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段83に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段84は、要求エンジントルク演算手段83で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0047】
以上説明した本実施例5によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【実施例6】
【0048】
次に、図11に基づいて本発明の実施例6を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例6では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求エンジントルク演算手段91と目標スロットル開度演算手段92から構成されている。要求エンジントルク演算手段91は、入力信号の選択とF/Bエンジントルク演算の機能を有する入力処理部93と、要求エンジントルク演算部94とから構成されている。
【0049】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部93は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするようにエンジントルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求エンジントルク演算部94は、入力処理部93のF/Bエンジントルク演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求エンジントルクを演算する。
【0050】
要求エンジントルク演算手段91は、自動走行制御のための要求エンジントルクを演算する機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求エンジントルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求エンジントルクを演算する。
【0051】
一方、目標スロットル開度演算手段92は、要求エンジントルク演算手段91で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0052】
以上説明した本実施例6によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【実施例7】
【0053】
次に、図12に基づいて本発明の実施例7を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例7では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両駆動力演算手段101、要求エンジントルク演算手段102、目標スロットル開度演算手段103から構成されている。要求車両駆動力演算手段101は、入力信号の選択とF/B車両駆動力演算の機能を有する入力処理部104と、要求車両駆動力演算部105とから構成されている。
【0054】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部104は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両駆動力をF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両駆動力演算部105は、入力処理部104のF/B車両駆動力演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求車両駆動力を演算する。
【0055】
要求車両駆動力演算手段101は、自動走行制御のための要求車両駆動力を演算する機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車両駆動力を演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車両駆動力を演算する。
【0056】
要求車両駆動力演算手段101で演算した要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段102に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段103は、要求エンジントルク演算手段102で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0057】
以上説明した本実施例7によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【実施例8】
【0058】
次に、図13に基づいて本発明の実施例8を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例8では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車軸トルク演算手段111、要求エンジントルク演算手段112、目標スロットル開度演算手段113から構成されている。要求車軸トルク演算手段111は、入力信号の選択とF/B車軸トルク演算の機能を有する入力処理部114と、要求車軸トルク演算部115とから構成されている。
【0059】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部114は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車軸トルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車軸トルク演算部115は、入力処理部114のF/B車軸トルク演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求車軸トルクを演算する。
【0060】
要求車軸トルク演算手段111は、自動走行制御のための要求車軸トルクを演算する機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車軸トルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車軸トルクを演算する。
【0061】
要求車軸トルク演算手段111で演算した要求車軸トルクは、要求エンジントルク演算手段112に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段113は、要求エンジントルク演算手段112で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0062】
以上説明した本実施例8によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例1のエンジン制御システム全体の概略構成図である。
【図2】実施例1の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図3】実施例1の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図4】実施例2の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図5】実施例2の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図6】実施例3の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図7】実施例3の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図8】実施例4の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図9】実施例4の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図10】実施例5の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図11】実施例6の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図12】実施例7の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図13】実施例8の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、26…冷却水温センサ、28…クランク角センサ、29…ECU(自動走行制御手段)、30…車速設定スイッチ(第1の設定車速セット手段)、31…車速センサ、32…外部モジュール(ACCモジュール)、41…要求車両加速度演算手段、42…要求車両駆動力演算手段、43…要求エンジントルク演算手、44…目標スロットル開度演算手段、45…設定車速選択部(設定車速選択手段)、47…要求車両加速度演算部、51…要求エンジントルク演算手段、42…目標スロットル開度演算手段、53…設定車速選択部(設定車速選択手段)、61…要求車両駆動力演算手段、62…要求エンジントルク演算手段、63…目標スロットル開度演算手段、64…設定車速選択部(設定車速選択手段)、71…要求車軸トルク演算手段、72…要求エンジントルク演算手段、73…目標スロットル開度演算手段、74…設定車速選択部(設定車速選択手段)、81…要求車両加速度演算手段、82…要求車両駆動力演算手段、83…要求エンジントルク演算手、84…目標スロットル開度演算手段、91…要求エンジントルク演算手、92…目標スロットル開度演算手段、101…要求車両駆動力演算手段、102…要求エンジントルク演算手段、103…目標スロットル開度演算手段、111…要求車軸トルク演算手段、112…要求エンジントルク演算手段、113…目標スロットル開度演算手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、車速を自動制御する車両の自動走行制御装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
車両の自動走行制御装置としては、一般にクルーズコントロールシステムと呼ばれる定速走行制御装置の他に、車間距離制御装置が知られている。定速走行制御装置は、走行中に運転者が車速設定スイッチで設定車速をセットすると、以後は、アクセルペダルを操作しなくても、車速センサで検出した実車速が設定車速に一致するようにスロットル開度を自動的に制御して、車両を設定車速で定速走行させるシステムである。
【0003】
一方、車間距離制御装置は、特許文献1(特開平6−229279号公報)に記載されているように、先行車との車間距離や先行車の車速を検出するカメラ等を車両に搭載して、先行車との車間距離と速度差と自車速との関係から要求車両加速度(目標前後加速度)を演算し、この要求車両加速度とギヤ位置と自車速に基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムを制御するようにしたものがある。
【特許文献1】特開平6−229279号公報(第3頁〜第4頁等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、定速走行制御装置は、車速設定スイッチを設けるだけの簡単な構成で、低コストで搭載できるため、定速走行制御装置を標準装備する車両が増加し、しかも、定速走行制御のロジックが簡単であるため、定速走行制御機能は、電子スロットルシステムを制御するECU(電子制御ユニット)に組み込まれたものが多い。
【0005】
これに対して、車間距離制御装置は、先行車との車間距離や車速を検出するカメラ等を必要とし、コストが高くなるため、車間距離制御装置を搭載する車両は、それほど多くはない。このため、車間距離制御装置は、オプション装備又は一部の車種の高級グレードに限定した装備となっており、しかも、車間距離制御のロジックは、定速走行制御と比較して複雑であるため、スロットル制御用のECUとは別の外部モジュールとして車間距離制御機能を構成する場合が多い。
【0006】
この場合、外部モジュールから出力される制御信号をスロットル制御用のECUに取り込んで目標スロットル開度に変換する方法を新に検討しなければならないという課題がある。
【0007】
また、外部モジュールとしては、車間距離制御装置の他に、TRC(トラクションコントロールシステム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)等があるが、これらの外部モジュールを搭載する場合でも、その外部モジュールの出力信号をスロットル制御用のECUに対応させるのに、上記と同様の課題がある。
【0008】
本発明はこれらの事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、外部モジュールを容易に増設することができ、低コスト化の要求を満たすことができる車両の自動走行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両加速度を演算する要求車両加速度演算手段とを備えた構成としたものである。この構成では、自動走行制御手段に対して外部モジュールを増設した場合に、自動走行制御手段は、第1の設定車速セット手段でセットした第1の設定車速と外部モジュールから送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する構成であるため、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができ、低コスト化の要求を満たすことができる。
【0010】
また、請求項2のように、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算する要求エンジントルク演算手段とを備えた構成としても良い。このようにすれば、設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御するシステムにおいても、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができる。
【0011】
また、請求項3のように、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算する要求車両駆動力演算手段とを備えた構成としても良い。このようにすれば、設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御するシステムにおいても、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができる。
【0012】
また、請求項4のように、自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算する要求車軸トルク演算手段とを備えた構成としても良い。このようにすれば、設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御するシステムにおいても、設定車速に対する安全性を確保しつつ、外部モジュールの仕様を自動走行制御手段の制御仕様に対応させることができて、外部モジュールを容易に増設することができる。
【0013】
また、請求項5のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両加速度を演算するようにしても良い。このようにすれば、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【0014】
また、請求項6のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求エンジントルクを演算するようにしても良い。この場合も、増設可能な外部モジュールの機種が増え、汎用性を高めることができる。
【0015】
また、請求項7のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両駆動力を演算するようにしても良い。この場合も、増設可能な外部モジュールの機種が増え、汎用性を高めることができる。
【0016】
また、請求項8のように、自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車軸トルクを演算するようにしても良い。この場合も、増設可能な外部モジュールの機種が増え、汎用性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の実施例1を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
【0019】
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0020】
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
【0021】
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、エンジン11のクランク軸27が所定クランク角回転する毎にクランク角信号(パルス信号)を出力するクランク角センサ28が取り付けられている。このクランク角センサ28のクランク角信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
【0022】
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)29に入力される。このECU29は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
【0023】
また、ECU29は、特許請求の範囲でいう自動走行制御手段として機能し、走行中に運転者が定速走行制御(クルーズコントロール)の車速設定スイッチ30(第1の設定車速セット手段)で第1の設定車速をセットしたときに、車速センサ31で検出した実車速が第1の設定車速に一致するように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御して、車両を第1の設定車速で定速走行させる定速走行制御を実行する。
【0024】
このECU29に対しては、第2の設定車速を送信する外部モジュール、例えばACC(Adaptive Cruise Control:車間距離制御)のモジュール32を増設可能となっている。このACCモジュール32は、先行車との車間距離や先行車の車速を検出するカメラ等を車両に搭載して、検出した先行車との車間距離や先行車の車速に基づいて先行車との車間距離を適度に確保して安全に自動走行するための第2の設定車速を演算してECU29に送信する。定速走行制御中に、ACCモジュール32からECU29に第2の設定車速が送信される場合は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択し、選択した設定車速と実車速との偏差を小さくするように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御して、車両を当該設定車速で自動走行させる。
【0025】
尚、ECU29に対して、ACC以外の外部モジュールを増設しても良く、例えば、TRC(トラクションコントロールシステム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)等を増設しても良く、要は、第2の設定車速を送信する外部モジュールであれば増設可能である。以下の説明では、ACCモジュール32を増設した場合について説明する。
【0026】
次に、本実施例1の自動走行制御(定速走行制御及び車間距離制御)の具体的な内容を説明する。図2は、ECU29により実現される自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両加速度演算手段41、要求車両駆動力演算手段42、要求エンジントルク演算手段43、目標スロットル開度演算手段44から構成されている。
【0027】
図3に示すように、要求車両加速度演算手段41は、設定車速選択部45(設定車速選択手段)、F/B加速度演算部46、要求車両加速度演算部47から構成されている。
設定車速選択部45は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。これは、走行安全性を確保するためである。F/B加速度演算部46は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部45で選択した設定車速との偏差を小さくするように車両加速度をF/B補正(フィードバック補正)するためのF/B補正量を演算する。要求車両加速度演算部47は、F/B加速度演算部46で演算したF/B補正量を用いて要求車両加速度を演算する。これらF/B加速度演算部46と要求車両加速度演算部47とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0028】
一方、要求車両加速度演算手段41で演算された要求車両加速度は、図2に示す要求車両駆動力演算手段42に入力され、要求車両駆動力に変換される。この要求車両駆動力演算手段42は、上述した自動走行制御のための要求車両駆動力演算機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車両駆動力を演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車両駆動力を演算する。
【0029】
この要求車両駆動力演算手段42で演算された要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段43に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段44は、要求エンジントルク演算手段43で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部45で選択した設定車速で自動走行させる。
【0030】
以上説明した本実施例1の構成によれば、自動走行制御中に、要求車両加速度演算手段41は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部45で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する構成であるため、設定車速に対する安全性を確保しつつ、ACCモジュール32の仕様をECU29の制御仕様に対応させることができて、ACCモジュール32を容易に増設することができ、低コスト化の要求を満たすことができる。
【0031】
また、本実施例1では、ACCモジュール32以外の外部モジュールであっても、第2の設定車速を送信する外部モジュールであれば増設可能であるため、外部モジュールとECU29との接続仕様を共通化することができる利点がある。
【実施例2】
【0032】
次に、図4及び図5に基づいて本発明の実施例2を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
図4に示すように、本実施例2では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求エンジントルク演算手段51と目標スロットル開度演算手段52から構成されている。要求エンジントルク演算手段51は、図5に示す自動走行制御のための要求エンジントルク演算機能51aの他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求エンジントルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求エンジントルクを演算する。
【0033】
図5に示す自動走行制御のための要求エンジントルク演算機能51aは、設定車速選択部53(設定車速選択手段)、F/Bエンジントルク演算部54、要求エンジントルク演算部55から構成されている。設定車速選択部53は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/Bエンジントルク演算部54は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部53で選択した設定車速との偏差を小さくするようにエンジントルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求エンジントルク演算部55は、F/Bエンジントルク演算部54で演算したF/B補正量を用いて要求エンジントルクを演算する。これらF/Bエンジントルク演算部54と要求エンジントルク演算部55とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0034】
一方、目標スロットル開度演算手段44は、要求エンジントルク演算手段51で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部53で選択した設定車速で自動走行させる。
【0035】
以上説明した本実施例2の構成によれば、自動走行制御中に、要求エンジントルク演算手段51は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部53で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する。これにより、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0036】
次に、図6及び図7に基づいて本発明の実施例3を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
図6に示すように、本実施例3では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両駆動力演算手段61、要求エンジントルク演算手段62、目標スロットル開度演算手段63から構成されている。要求車両駆動力演算手段61は、図7に示す自動走行制御のための要求車両駆動力演算機能61aの他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車両駆動力を演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車両駆動力を演算する。
【0037】
図7に示す自動走行制御のための要求車両駆動力演算機能61aは、設定車速選択部64(設定車速選択手段)、F/B車両駆動力演算部65、要求車両駆動力演算部66から構成されている。設定車速選択部64は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/B車両駆動力演算部65は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部53で選択した設定車速との偏差を小さくするように車両駆動力をF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両駆動力演算部66は、F/B車両駆動力演算部65で演算したF/B補正量を用いて要求車両駆動力を演算する。これらF/B車両駆動力演算部65と要求車両駆動力演算部66とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0038】
この要求車両駆動力演算手段61で演算された要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段62に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段63は、要求エンジントルク演算手段62で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部64で選択した設定車速で自動走行させる。
【0039】
以上説明した本実施例3の構成によれば、自動走行制御中に、要求車両駆動力演算手段61は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部64で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する。これにより、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0040】
次に、図8及び図9に基づいて本発明の実施例4を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
図8に示すように、本実施例4では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車軸トルク演算手段71、要求エンジントルク演算手段72、目標スロットル開度演算手段73から構成されている。要求車軸トルク演算手段71は、図9に示す自動走行制御のための要求車軸トルク演算機能71aの他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車軸トルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車軸トルクを演算する。
【0041】
図9に示す自動走行制御のための要求車軸トルク演算機能71aは、設定車速選択部74(設定車速選択手段)、F/B車軸トルク演算部75、要求車軸トルク演算部76から構成されている。設定車速選択部74は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する。F/B車軸トルク演算部75は、車速センサ31で検出した実車速と設定車速選択部53で選択した設定車速との偏差を小さくするように車軸トルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車軸トルク演算部76は、F/B車軸トルク演算部75で演算したF/B補正量を用いて要求車軸トルクを演算する。これらF/B車軸トルク演算部75と要求車軸トルク演算部76とから特許請求の範囲でいう演算手段が構成されている。
【0042】
この要求車軸トルク演算手段71で演算された要求車軸トルクは、要求エンジントルク演算手段72に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段73は、要求エンジントルク演算手段72で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、車両を設定車速選択部74で選択した設定車速で自動走行させる。
【0043】
以上説明した本実施例4の構成によれば、自動走行制御中に、要求車軸トルク演算手段71は、車速設定スイッチ30でセットした第1の設定車速と、ACCモジュール32から送信されてくる第2の設定車速とを設定車速選択部74で比較して小さい方を選択し、選択した設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する。これにより、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0044】
次に、図10に基づいて本発明の実施例5を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例5では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両加速度演算手段81、要求車両駆動力演算手段82、要求エンジントルク演算手段83、目標スロットル開度演算手段84から構成されている。要求車両加速度演算手段81は、入力信号の選択とF/B加速度演算の機能を有する入力処理部85と、要求車両加速度演算部86とから構成されている。
【0045】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部85は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両加速度をF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両加速度演算部86は、入力処理部85のF/B加速度演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求車両加速度を演算する。
【0046】
一方、要求車両加速度演算手段81で演算された要求車両加速度は、要求車両駆動力演算手段82に入力され、要求車両駆動力に変換される。この要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段83に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段84は、要求エンジントルク演算手段83で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0047】
以上説明した本実施例5によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【実施例6】
【0048】
次に、図11に基づいて本発明の実施例6を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例6では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求エンジントルク演算手段91と目標スロットル開度演算手段92から構成されている。要求エンジントルク演算手段91は、入力信号の選択とF/Bエンジントルク演算の機能を有する入力処理部93と、要求エンジントルク演算部94とから構成されている。
【0049】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部93は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするようにエンジントルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求エンジントルク演算部94は、入力処理部93のF/Bエンジントルク演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求エンジントルクを演算する。
【0050】
要求エンジントルク演算手段91は、自動走行制御のための要求エンジントルクを演算する機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求エンジントルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求エンジントルクを演算する。
【0051】
一方、目標スロットル開度演算手段92は、要求エンジントルク演算手段91で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0052】
以上説明した本実施例6によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【実施例7】
【0053】
次に、図12に基づいて本発明の実施例7を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例7では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車両駆動力演算手段101、要求エンジントルク演算手段102、目標スロットル開度演算手段103から構成されている。要求車両駆動力演算手段101は、入力信号の選択とF/B車両駆動力演算の機能を有する入力処理部104と、要求車両駆動力演算部105とから構成されている。
【0054】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部104は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両駆動力をF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車両駆動力演算部105は、入力処理部104のF/B車両駆動力演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求車両駆動力を演算する。
【0055】
要求車両駆動力演算手段101は、自動走行制御のための要求車両駆動力を演算する機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車両駆動力を演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車両駆動力を演算する。
【0056】
要求車両駆動力演算手段101で演算した要求車両駆動力は、要求エンジントルク演算手段102に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段103は、要求エンジントルク演算手段102で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0057】
以上説明した本実施例7によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【実施例8】
【0058】
次に、図13に基づいて本発明の実施例8を説明する。エンジン制御システム全体の構成は、前記実施例1(図1)と同じである。
本実施例8では、ECU29による自動走行制御手段の機能は、要求車軸トルク演算手段111、要求エンジントルク演算手段112、目標スロットル開度演算手段113から構成されている。要求車軸トルク演算手段111は、入力信号の選択とF/B車軸トルク演算の機能を有する入力処理部114と、要求車軸トルク演算部115とから構成されている。
【0059】
ECU29に対して、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に、入力処理部114は、受信情報が設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれに該当するかを判別し、受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車軸トルクをF/B補正するためのF/B補正量を演算する。要求車軸トルク演算部115は、入力処理部114のF/B車軸トルク演算機能で演算したF/B補正量を用いて要求車軸トルクを演算する。
【0060】
要求車軸トルク演算手段111は、自動走行制御のための要求車軸トルクを演算する機能の他に、手動走行制御のためにアクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル開度に基づいて要求車軸トルクを演算する機能も備え、手動走行制御時には、運転者が操作したアクセル開度に応じた要求車軸トルクを演算する。
【0061】
要求車軸トルク演算手段111で演算した要求車軸トルクは、要求エンジントルク演算手段112に入力され、要求エンジントルクに変換される。そして、目標スロットル開度演算手段113は、要求エンジントルク演算手段112で演算された要求エンジントルクに基づいて目標スロットル開度を演算して電子スロットルシステムのモータ15の駆動回路に出力する。これにより、モータ15を駆動して実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させることで、外部モジュールからの受信情報とセンサ検出値との偏差(例えば設定車速と実車速との偏差)を小さくするように車両を自動走行させる。
【0062】
以上説明した本実施例8によれば、設定車速、設定車間距離、設定車間時間、設定車両加速度のいずれの情報を送信する外部モジュールでも増設可能となり、汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例1のエンジン制御システム全体の概略構成図である。
【図2】実施例1の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図3】実施例1の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図4】実施例2の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図5】実施例2の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図6】実施例3の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図7】実施例3の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図8】実施例4の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図9】実施例4の要求車両加速度演算手段の機能を表すブロック図である。
【図10】実施例5の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図11】実施例6の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図12】実施例7の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【図13】実施例8の自動走行制御手段の機能を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、26…冷却水温センサ、28…クランク角センサ、29…ECU(自動走行制御手段)、30…車速設定スイッチ(第1の設定車速セット手段)、31…車速センサ、32…外部モジュール(ACCモジュール)、41…要求車両加速度演算手段、42…要求車両駆動力演算手段、43…要求エンジントルク演算手、44…目標スロットル開度演算手段、45…設定車速選択部(設定車速選択手段)、47…要求車両加速度演算部、51…要求エンジントルク演算手段、42…目標スロットル開度演算手段、53…設定車速選択部(設定車速選択手段)、61…要求車両駆動力演算手段、62…要求エンジントルク演算手段、63…目標スロットル開度演算手段、64…設定車速選択部(設定車速選択手段)、71…要求車軸トルク演算手段、72…要求エンジントルク演算手段、73…目標スロットル開度演算手段、74…設定車速選択部(設定車速選択手段)、81…要求車両加速度演算手段、82…要求車両駆動力演算手段、83…要求エンジントルク演算手、84…目標スロットル開度演算手段、91…要求エンジントルク演算手、92…目標スロットル開度演算手段、101…要求車両駆動力演算手段、102…要求エンジントルク演算手段、103…目標スロットル開度演算手段、111…要求車軸トルク演算手段、112…要求エンジントルク演算手段、113…目標スロットル開度演算手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両加速度を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項2】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、 前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項3】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項4】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項5】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両加速度を演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項6】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求エンジントルクを演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項7】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両駆動力を演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項8】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車軸トルクを演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項1】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両加速度を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項2】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、 前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求エンジントルクを演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項3】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車両駆動力を演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項4】
自動走行制御中に実車速を設定車速に追従させるように要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、第1の設定車速をセットする第1の設定車速セット手段と、第2の設定車速を送信する外部モジュールが増設された場合に前記第1の設定車速セット手段でセットした前記第1の設定車速と前記外部モジュールから送信されてくる前記第2の設定車速とを比較して小さい方を選択する設定車速選択手段と、この設定車速選択手段で選択された設定車速に基づいて要求車軸トルクを演算する演算手段とを備えていることを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項5】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両加速度を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両加速度を演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項6】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求エンジントルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求エンジントルクを演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項7】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車両駆動力を演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車両駆動力を演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【請求項8】
自動走行制御中に車速を自動制御するための要求車軸トルクを演算してスロットル開度を制御する自動走行制御手段を備えた車両の自動走行制御装置において、
前記自動走行制御手段は、設定車間距離、設定車速、設定車間時間、設定車両加速度のいずれかの情報を送信する外部モジュールが増設された場合に前記外部モジュールから送信されてくる情報に基づいて要求車軸トルクを演算することを特徴とする車両の自動走行制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−99225(P2007−99225A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295247(P2005−295247)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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