説明

車両の走行制御装置

【課題】高速道路等の本線車道から離脱した場合に、ACCによる不要な加速を防ぐことができる車両の走行制御装置の提供。
【解決手段】ACC制御部10と、自車両の方向指示器5の指示方向を検出する方向指示検出部と12、ACC制御部10の作動中、方向指示器5指示方向に応じて、ACC制御部10による加速を制限する加速制限部11とを備え、加速制限部11は、方向指示検出手段12が左ウインカを検出した場合に加速を制限し、且つ、方向指示検出手段12が右ウインカを検出した場合には加速を制限しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行制御装置に係り、より詳細には、アクティブ・クルーズ・コントロール下で、自車の車線変更により、追従走行制御から定速走行制御に移行した場合に、不要な加速を防止することができる車両の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC:Active Cruise Control)機能を有する走行制御装置が実用化されている)。ここで、アクティブ・クルーズ・コントロールとは、定速走行制御と追従走行制御の両方の自動制御を行うものをいう。定速走行制御は、クルーズコントロール(CC:Cruise Control)ともいい、設定された目標速度を保つように自車両を走行させる制御である。また、追従走行制御は、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)ともいい、設定された車間距離を保って自車両を先行車両に追従走行させる制御である。
以下、本明細書では、「ACC」をアクティブ・クルーズ・コントロールの略称として使用する。
【0003】
ACC下では、先行車両がない場合、車両は、設定された目標速度を保って走行するように定速走行制御される。また、先行車両がある場合には、車両は、設定された車間距離を保って走行するように自動追従制御される。したがって、例えば、高速道路の走行車線で先行車に追従して走行しているときに、先行車を追い越すために、追い越し車線に車線変更すると、通常、自車の前方に先行車両がなくなって、ACCが追従走行制御から定速走行制御に切り替わる。その結果、自車両が、例えば、時速80キロメートル(80km/h)で追従走行していた場合、設定速度が100km/hならば、追い越し車線に移った自車両は100km/hまで自動的に加速する。
【0004】
さらに、下記の特許文献1には、先行車を追い越す際に、一時的に追従走行制御を解除したり、設定速度を一時的に増加させたりすることにより、追い越し時間の短縮を図る発明が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−211270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
とこで、高速道路等の自動車専用道路を走行中の追従走行制御下の車両が、インターチェンジに出るため、或いは、サービスエリア等に入るために、本線車道から離脱してランプウエイに進入した場合にも、ランプウエイ上に先行車両がなければ、ACCが追従走行制御から定速走行制御に切り替わる。しかし、設定速度が本線車道での追従走行時の車速よりも高い場合、ランプウエイに進入した車両は、ACCによって加速されてしまう。このような加速は好ましくない。
【0007】
そこで、本発明は、高速道路等の本線車道から離脱した場合に、ACCによる不要な加速を防ぐことができる車両の走行制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の車両の走行制御装置は、アクティブ・クルーズ・コントロール手段と、自車両の方向指示器の指示方向を検出する方向指示検出手段と、アクティブ・クルーズ・コントロール手段の作動中、方向指示器の指示方向に応じて、アクティブ・クルーズ・コントロール手段による加速を制限する加速制限手段とを備え、加速制限手段は、左側通行の道路において、方向指示検出手段が左の方向指示を検出した場合に加速を制限し、且つ、方向指示検出手段が右の方向指示を検出した場合には加速を制限せず、右側通行の道路において、方向指示検出手段が右の方向指示を検出した場合に加速を制限し、且つ、方向指示検出手段が左の方向指示を検出した場合には加速を制限しないことを特徴としている。
【0009】
わが国におけるように、左側通行の場合、高速道路等の本線車道から離脱する車両は、通常、左の方向指示(左ウインカ)を出す。そして、本発明では、左ウインカを検出した場合に加速を制限する。したがって、本発明によれば、高速道路等の本線車道から離脱した場合に、ACCによる不要な加速を防ぐことができる。また、右の方向指示(右ウインカ)を検出した場合には、ACCによる加速を制限しない。このため、追い越し車線に移動した場合には、従来通り加速が可能である。
なお、車両が右側通行の場合には、左右ウインカについて上記説明と逆となる。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の車両の走行制御装置によれば、アクティブ・クルーズ・コントロール手段と、アクティブ・クルーズ・コントロール手段の作動中、自車両の本線車道から分岐路への離脱の有無を判定する離脱判定手段と、離脱判定手段が本線車道からの離脱ありと判定した場合に、アクティブ・クルーズ・コントロール手段による加速を制限し、又は、アクティブ・クルーズ・コントロール手段の作動を停止させる加速制限手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
このように構成された本発明の車両の走行制御装置によれば、高速道路等の本線車道からの離脱ありと判定した場合に、ACCによる加速を制限し、又は、ACCを停止させる。これにより、高速道路等の本線車道から離脱した場合に、ACCによる不要な加速を防ぐことができる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、本線車道は、高速道路の本線車道である。アクティブ・クルーズ・コントロールの多くは、高速道路における高速走行時に使用される。このため、本発明も、高速度路における本線車線からの離脱時の加速防止に適用して特に好適である。
【0013】
また、本発明において好ましくは、離脱判定手段は、カーナビゲーションユニットの示すの自車両の現在位置に基づいて、本線車道からの離脱の有無を判定する。
これにより、カーナビゲーションにより、自車両が高速道路等の本線車道から離脱したことが分かるので、不要な加速を防止することができる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、自車両の方向指示器の方向指示を検出する方向指示検出手段を備え、カーナビゲーションユニットの示すの自車両の現在位置が地図データ上の本線車道と分岐路との分岐点付近である場合において、方向指示検出手段が、分岐路側の方向指示を検出したときに、離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する。
このように、カーナビゲーションの情報と、方向指示の情報とを組み合わせることにより、より正確に、高速道路等の本線車道から離脱の有無を判定することができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、本線車道の自車両の走行している車両通行帯が、走行車線であるか追い越し車線であるかを推定する車線推定手段と、自車両の方向指示器の方向指示を検出する方向指示検出手段とを備え、離脱判定手段は、車線推定手段が、自車両の走行している車両通行帯を走行車線と推定した場合において、方向指示検出手段が、追い越し車線と反対側の方向指示を検出したときに、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0016】
高速道路等の本線車道から離脱する車両は、通常、走行車線走行中に、追い越し車線と反対側の方向指示を出す。したがって、かかる条件を判断材料とすることにより、本線車道からの離脱の有無を容易に判定することができる。
なお、追い越し車線と反対側の方向指示とは、左側通行の場合には、左の方向指示(左ウインカ)を意味し、右側通行の場合には、右の方向指示(右ウインカ)を意味する。
【0017】
また、本発明において好ましくは、車線推定手段は、方向指示検出手段によって検出された左右の方向指示の履歴に基づいて、自車両の走行している車両通行帯を推定する。
走行中の車両は、通常、車線変更を行うたびに方向指示を出す。このため、方向指示の履歴に基づいて、論理的に、現在の走行通行帯を推定することができる。
【0018】
また、本発明において好ましくは、レーダー装置を備え、車線推定手段は、レーダー装置が、車両の左右両側のうちの第1の側の所定距離以内に、静止物列を検出した場合、又は、車両の左右両側のうちの第2の側に、自車両が追い越す他の車両を検出した場合に、自車両の走行している車両通行帯を追い越し車線と推定し、レーダー装置が、車両の前記第2の側の所定距離以内に、静止物列を検出した場合、又は、車両の前記第1の側に、自車両を追い越す他の車両を検出した場合に、自車両の走行している車両通行帯を走行車線と推定し、第1の側は、左側通行の道路において右側であり、右側通行の道路において左側であり、第2の側は、左側通行の道路において左側であり、右側通行の道路において右側である。
【0019】
これにより、レーダー装置を利用して、自車両の走行している車両通行帯を容易に推定することができる。
【0020】
また、本発明において好ましくは、自車両の前方の風景を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像を画像認識する画像認識手段とを備え、離脱判定手段は、画像認識手段による画像認識の結果に基づいて、本線車道からの離脱の有無を判定する。
これにより、前方風景の画像を画像処理等することにより、本線車道からの離脱の有無を判定することができる。
【0021】
また、本発明において好ましくは、画像認識手段は、撮像手段によって撮像された画像中の車道の車線の数を認識し、離脱判定手段は、画像認識手段よって認識された車線の数が、2以上から1になった場合に、本線車道からの離脱ありと判定する。
高速道路等の本線車道は、一般に、片側2車線以上のレーンを有する。これに対して、高速道路牢のインターチェンジのランプウエイや、サービスエリア等の入口におけるランプウエイは、一般に1車線である。したがって、撮像した画像を画像処理して車線数を抽出することにより、本線車道からの離脱の有無を容易に判定することができる。
【0022】
また、本発明おいて好ましくは、画像認識手段は、撮像手段によって撮像された画像中の道路標識を認識し、離脱判定手段は、画像認識手段によって認識された道路標識に基づいて、本線車道からの離脱の有無を検出する。
【0023】
道路標識は、一般に、車両から視認しやすい位置に設置され、それぞれの寸法形状及び色彩が一定である。また、道路脇に設置された道路標識は、通常、その設置高さも一定である。このため、道路標識は、画像処理による画像認識が容易であり、本線車道からの離脱の有無を判定に利用して好適である。
【0024】
また、本発明において好ましくは、画像認識手段によって認識された道路標識が、最高速度を示す規制標識である場合において、該規制標識の示す最高速度が所定速度以下である場合に、離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0025】
高速度路の本線車道から分岐したランプウエイ上では、通常、最高速度が、本線車道の制限速度よりも低く制限されている。したがって、ランプウエイ上の規制標識の示す最高速度を画像処理により画像認識すれば、本線車道からの離脱の有無を容易に判定することができる。
なお、規制標識に表示されている最高速度を示す文字は、その寸法形状及び色彩が規定されているため、画像認識の対象として好適である。
【0026】
また、本発明において好ましくは、自車両の方向指示器の指示方向を検出する方向指示検出手段を備え、画像認識手段によって認識された道路標識が、高速度路の本線車道からの出口又は分岐を示す案内標識である場合において、方向指示検出手段が、出口又は分岐側の方向指示を検出したときに、離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0027】
このように、撮像された画像から画像認識された案内標識の情報と、方向指示の情報を組み合わせることにより、本線車道からの離脱の有無を容易に判定することができる。
なお、出口又は分岐側の方向とは、通常、左側通行の道路では左側を意味し、右側通行の道路では右側を意味する。また、案内標識の示す出口等の矢印の指す方向を画像認識して、出口又は分岐側の方向としてもよい。
【0028】
また、本発明において好ましくは、画像認識手段によって認識された道路標識が、本線車道からの出口又は分岐までの距離を示す案内標識である場合において、該案内標識に示す距離を走行後に、自車両の方向指示器が出口又は分岐側の方向を指示したときに、離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0029】
このように、案内標識に表示された出口等までの距離の情報と、その文字を画像認識後に走行した距離の情報と、方向指示の情報とを組み合わせることにより、本線車道からの離脱の有無を容易に判定することができる。
なお、出口又は分岐側の方向とは、通常、左側通行の道路では左側を意味し、右側通行の道路では右側を意味する。また、案内標識を画像認識後に走行した距離の測定に当たっては、例えば、前後100m程度の許容幅を持たせるのがよい。
【0030】
ところで、追い越し車線においても、先行車があれば、追従走行制御が作動する。そして、追い越し車線から走行車線へ車線変更した際に、走行車線に先行車がなければ、ACCは追従走行制御から定速走行制御に切り替わる。このとき、定速走行制御の設定速度が、追い越し車線での追従走行時の車速よりも高ければ、走行車線に移った車両は加速してしまうことになる。かかる加速は、好ましいものではない。
【0031】
そこで、本発明において好ましくは、本線車道における追い越し車線から走行車線への自車の車線変更の有無を判定する車線変更判定手段を更に備え、車線変更判定手段が、追い越し車線から走行車線への車線変更ありと判定した場合に、加速制限手段は、前記アクティブ・クルーズ・コントロール手段による加速を制限する。
これにより、追い越し車線から走行車線へ車線変更した場合に、ACCによる不要な加速を防止することができる。
【0032】
また、本発明において好ましくは、車線変更手段は、車線推定手段が自車両の走行している車両通行帯を追い越し車線と推定した場合において、方向指示検出手段が方向指示を検出したときに、追い越し車線から走行車線への車線変更ありと判定する。
このように、推定した車線の情報と、方向指示の情報を組み合わせることにより、追い越し車線から走行車線への車線変更の有無を容易に判定することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の車両の走行制御装置によれば、高速道路等の本線車道から離脱した場合に、ACCによる不要な加速を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両の走行制御装置の実施形態を説明する。
まず、図1のブロック図を参照して、第1実施形態の車両の走行制御装置の構成について説明する。図1に示すように、第1実施形態の車両の走行制御装置1は、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)制御部10と、方向指示検出部12と、加速制限部11とを有する。
【0035】
これら各部10〜12のブロックは、それぞれ、本発明の車両の走行制御装置におけるACC手段、方向指示検出手段及び加速制限手段に相当する処理機能を表す。これらの処理機能は、自車両に搭載されたECU(electric control unit:電子制御装置)等のコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0036】
ACC制御部10は、定速走行制御部101と、追従走行制御部102とを有する。定速走行制御部101は、車速検出手段2によって検出された自車両の走行速度を、設定された目標速度に一致させるように、自車両の走行速度を制御する。また、追従走行制御部102は、車間距離検出手段3によって検出された先行車両に対して所定の車間距離を維持して追従走行するように、自車両の走行速度を制御する。そして、定速走行制御部101及び追従走行制御部102は、それぞれ、オートアクチュエータ4に加速/減速を指示する。オートアクチュエータ4は、ACC制御部1からの指示により、スロットルの開閉や、ブレーキの作動を行って、自車両の走行速度を調節する。
【0037】
なお、速度検出手段2としては、例えば、自車両の車輪の回転速度を検出するもの等、従来公知の任意好適なものを使用することができる。また、車間距離検出3は、例えば、レーダー装置や車両前方を照射するレーザービーム発生手段により、先行車両と自車両との車間距離の他、先行車両との相対速度を検出するものが好ましい。
【0038】
また、方向指示検出部2は、自車両の方向指示器5の指示方向を検出する。具体的には、左ウインカ及び右ウインカがそれぞれ維持されたか否かを検出する。
【0039】
また、加速制限部11は、ACC制御部10の作動中、方向指示器5の指示方向に応じて、ACC制御部10による加速を制限する。わが国のように左側通行の道路においては、加速制限部11は、方向指示検出部12が左の方向指示(左ウインカ)を検出した場合に加速を制限し、且つ、右の方向指示(右ウインカ)を検出した場合には加速を制限しない。
なお、大陸諸国のように車両が右側通行の場合には、左右ウインカについて上記説明と逆となる。
【0040】
つぎに、図2のフローチャートを参照して、第1実施形態の車両の走行制御装置の動作例を説明する。
まず、方向指示検出部12が、自車両の方向指示器5の指示方向を検出する(ステップS1)。
【0041】
ここで、指示方向が左ウインカである場合として、例えば、図3(a)に示す場合が想定される。図3(a)に示す例では、自車両Qが、高速道路の本線車道RからインターチェンジのランプウエイBに出るために、左ウインカを表示する。
【0042】
自車両Qが、高速道路の本線車道Rにおいて、先行車両Pの後方を走行している場合、ACCの追従走行制御が作動し、自車両Qは、先行車両Pに対して、一定の車間距離を維持して走行するように自動制御されている。
【0043】
自車両Qが、ランプウエイBに進入するために本線車道Rを離脱した場合、自車両Qの前方に先行車両がなくなる。その結果、ACCは、追従走行制御から定速走行制御に切り替わる。しかし、設定速度が本線車道Rでの追従走行時の車速よりも高い場合、ランプウエイBに進入した自車両Qは、ACCによって加速されてしまうことになる。
【0044】
そこで、方向指示検出部12が左ウインカを検出した場合には、加速制限部11が、ACCによる加速を制限する(ステップS3)。これにより、ランプウエイB上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
なお、自車両が、本線車道から離脱して進入する分岐路には、インターチェンジのランプウエイの他に、例えば、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアへ続くランプウエイも含まれる。
【0045】
これに対して、指示方向が右ウインカである場合としては、例えば、図3(b)に示す場合が想定される。図3(b)に示す例では、高速道路の走行車線(第1走行車線)R1を走行中の自車両Qが、追い越し車線(第2走行車線)R2に車線変更するために、右ウインカを表示する。
【0046】
自車両Qが、追い越し車線R2へ車線変更した場合、自車両Qの前方に先行車両がなくなる。その結果、ACCは、追従走行制御から定速走行制御に切り替わる。その結果、設定速度が本線車道Rでの追従走行時の車速よりも高い場合、自車両Qは、設定速度まで加速する。かかる場合には、ACCによる自車両Qの加速を制限する必要はない。
【0047】
そこで、方向指示検出部12が右ウインカを検出した場合には、加速制限部11は、ACCによる加速を制限しない(ステップS4)。
【0048】
なお、指示方向が左ウインカである場合としては、例えば、図3(c)に示す場合も想定される。図3(c)に示す例では、高速道路の本線車道Rの追い越し車線R2を走行中の自車両Qが、高速道路の走行車線R1に車線変更するために、左ウインカを表示する。
【0049】
自車両Qが、高速道路の追い越し車線R2において、先行車両Pの後方を走行している場合は、ACCの追従走行制御が作動し、自車両Qは、先行車両Pに対して、一定の車間距離を維持して走行するように自動制御されている。
【0050】
自車両Qが、走行車線R1へ車線変更した場合に、走行車線R1上に先行車がなければ、ACCは、追従走行制御から定速走行制御に切り替わる。しかし、設定速度が本線車道Rでの追従走行時の車速よりも高い場合、走行車線R1に車線変更した自車両Qは、ACCによって加速されてしまうことになる。
【0051】
そこで、かかる場合においても、方向指示検出部12が左ウインカを検出した場合には、加速制限部11が、ACCによる加速を制限する(ステップS3)。これにより、走行車線R1上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
まず、図4のブロック図を参照して、第2実施形態の車両の走行制御装置の構成について説明する。図4に示すように、実施形態の車両の走行制御装置1は、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)制御部10と、加速制限部11と、離脱判定部13と、を有する。
【0053】
これら各部10、11及び13のブロックは、それぞれ、本発明の車両の走行制御装置におけるACC手段、方向指示検出手段及び加速制限手段に相当する処理機能を表す。これらの処理機能は、自車両に搭載されたECU(electric control unit:電子制御装置)等のコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0054】
ACC制御部10、及び、これと関連する車速制御手段2、車間距離検出手段3及びオートアクチュエータ4の構成及び機能は、上述の第1実施形態におけるものと同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【0055】
離脱判定部13は、カーナビゲーションユニット6の示すの自車両の現在位置に基づいて、ACC制御部10の作動中、自車両の本線車道から分岐路への離脱の有無を判定する。また、加速性制限部11は、離脱判定部13が離脱ありと判定した場合に、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる。
【0056】
次に、図5のフローチャートを参照して、第2実施形態の車両の走行制御装置の動作例を説明する。
まず、離脱判定部13が、カーナビゲーションユニット6から、自車両の現在位置を取得する(ステップS1)。
【0057】
ここで、図6に、カーナビゲーションによる自車両の現在位置の表示例を示す。図6中、自車両Qの現在位置を黒三角印で示す。図6に示す例では、自車両Qは、高速道路の本線車道Rから離脱して、インターチェンジのランプウエイBに進入している。したがって、図6に示す場合、離脱判定部13は、自車両の現在位置に基づいて、本線車道Rからの離脱ありと判定する。
【0058】
離脱判定部13が、本線車道からの離脱ありと判定した場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる。これにより、ランプウエイB上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0059】
これに対して、離脱判定部13が本線車道からの離脱ありと判定しない場合には、加速制限部11はACC制御部10による加速を制限しない。すなわち、通常のACC制御が継続する。
【0060】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
まず、図7のブロック図を参照して、第3実施形態の車両の走行制御装置の構成について説明する。図7に示すように、実施形態の車両の走行制御装置1は、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)制御部10と、加速制限部11と、方向指示検出部12と、離脱判定部13とを有する。
【0061】
これら各部10〜13のブロックは、それぞれ、本発明の車両の走行制御装置におけるACC手段、加速制限手段、方向指示検出手段及び離脱判定手段に相当する処理機能を表す。これらの処理機能は、自車両に搭載されたECU(電子制御装置)等のコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0062】
なお、図7に示す第3実施形態の走行制御装置の構成は、自車両の方向指示器5の方向指示を検出する方向指示検出部12が追加されている他は、図4に示した第2実施形態のものと同一である。このため、同一部分の詳細な説明は省略する。
【0063】
ただし、第2実施形態の走行制御装置における離脱判定部13は、カーナビゲーションユニット6の示す自車両の現在位置が地図データ上の本線車道と分岐路との分岐点付近である場合において、方向指示検出部12が、分岐路側の方向指示を検出したときに、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0064】
次に、図8のフローチャートを参照して、第3実施形態の車両の走行制御装置の動作例を説明する。
まず、離脱判定部13が、カーナビゲーションユニット6から、自車両の現在位置を取得する(ステップS1)。
【0065】
続いて、離脱判定部13は、カーナビゲーションユニット6の示すの自車両の現在位置が地図データ上の本線車道と分岐路との分岐点付近であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0066】
ここで、図9に、カーナビゲーションによる自車両の現在位置の表示例を示す。図9中、自車両Qの現在位置を黒三角印で示す。図9に示す例では、自車両Qは、高速道路の本線車道Rと分岐路Bとの分岐点付近を走行している。
【0067】
離脱判定部13は、自車両Qが分岐点付近であると判定した場合(ステップS2で「Yes」の場合)、方向指示検出部12が、分岐路側の方向指示、即ち、左ウインカを検出したか否かを判定する(ステップS3)。図9に示す例では、左ウインカを白抜き矢印で模式的に示している。そして、図9に示すように、自車両Qが、分岐点付近で左ウインカを表示した場合、離脱判定部13は、本線車道Rの離脱ありと判定する。
【0068】
離脱判定部13が、本線車道Rからの離脱ありと判定した場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる。これにより、ランプウエイB上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0069】
これに対して、自車両の現在位置が分岐点付近ではない場合(ステップS2において「No」の場合)、又は、分岐点付近であっても、自車両が左ウインカを出さない場合(ステップS3において「No」の場合)には、離脱判定部13は、離脱ありとは判定しない。その場合、加速制限部11はACC制御部10による加速を制限しない(図8のステップS5)。すなわち、通常のACC制御が継続する。
【0070】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
まず、図10のブロック図を参照して、第2実施形態の車両の走行制御装置の構成について説明する。図10に示すように、実施形態の車両の走行制御装置1は、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)制御部10と、加速制限部11と、方向指示検出部13と、離脱判定部13と、車線推定部14とを有する。
【0071】
これら各部10〜14のブロックは、それぞれ、本発明の車両の走行制御装置におけるACC手段、方向指示検出手段及び加速制限手段に相当する処理機能を表す。これらの処理機能は、自車両に搭載されたECU(electric control unit:電子制御装置)等のコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0072】
ACC制御部10、及び、これと関連する車速制御手段2、車間距離検出手段3及びオートアクチュエータ4の構成及び機能は、上述の第1実施形態におけるものと同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【0073】
方向指示検出部12は、自車両の方向指示器5の方向指示を検出する。
【0074】
車線推定部14は、自車両の走行している車両通行帯が、高速道路の本線車道の走行車線であるか追い越し車線であるかを推定する。車線の推定にあたっては、例えば、第2及び第3実施形態で用いたカーナビゲーションユニットの示す自車両の現在位置に基づいて車線推定を行ってもよい。
【0075】
なお、高速道路の本線車道の各車両通行帯の幅員は、通常、3.5m〜3.75m程度である。このため、カーナビゲーションユニットの位置精度は、車両通行帯の幅員以下であることが好ましく、より好ましくは、2mの位置精度があるとよい。
【0076】
離脱判定部13は、車線推定部14が、自車両の走行している車両通行帯を走行車線と推定した場合において、方向指示検出部12が、追い越し車線と反対側の方向指示を検出したときに、本線車道からの離脱ありと判定する。ここで、追い越し車線と反対側の方向指示とは、左側通行の道路上では、左ウインカのことをいう。また、右側通行の道路上では、右ウインカのことをいう。
【0077】
また、加速性制限部11は、離脱判定部13が本線車線からの離脱ありと判定した場合に、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる。
【0078】
次に、図11のフローチャートを参照して、第4実施形態の車両の走行制御装置の動作例を説明する。
まず、車線推定部14が、自車両の走行している車両通行帯が、本線車道の走行車線であるか追い越し車線であるかを推定する(ステップS1)。車線推定に当たっては、上述のように、カーナビゲーションユニットにより示された現在位置に基づいて推定することができる。例えば、図9のカーナビゲーションによる自車両の現在位置の表示例では、黒三角印で示される自車両Qが、高速道路の車両通行帯Rのうち走行車線R1を走行していることが分かる。
【0079】
また、自車両が現在走行している車両通行帯を、方向指示検出部12によって検出された左右の方向指示の履歴に基づいて推定することもできる。例えば、車両が高速道路に進入するときから、高速道路から離脱するときまで、車線変更に対応してウインカ表示が行われる。したがって、下記の表1に示す例のように、左右のウインカ表示の操作回数の履歴に基づいて、そのときの自車両の走行車線を推定することができる。
【0080】
【表1】

【0081】
上記の表1では、状態1の右ウインカは、高速道路への進入に対応する。そして、状態2の右ウインカ終了により、現在、自車両が高速道路の走行車線(第1走行車線)を走行していることが推定される。さらに、状態3の右ウインカは、走行車線(第1走行車線)から追い越し車線(第2走行車線)への車線変更に対応する。そして、状態4の右ウインカ終了により、現在、自車両が高速道路の追い越し車線(第2走行車線)を走行していることが推定される。また、状態5の左ウインカは、追い越し車線(第2走行車線)から走行車線(第1走行車線)への車線変更に対応する。そして、状態6の左ウインカ終了により、現在、自車両が高速道路の走行車線(第1走行車線)を走行していることが推定される。さらに、状態7の左ウインカは、後述するように、高速道路からの離脱に対応する。
このようにして、ウインカの表示履歴により、現在走行中の車線を推定することができる。
【0082】
そして、離脱判定部13は、車線推定部14推定した車両通行帯が走行車線であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0083】
車線推定部が推定した車線が、走行車線である場合(ステップS2で「Yes」の場合)、離脱判定部13は、前記方向指示検出手段が、追い越し車線と反対側の方向指示、即ち、左ウインカを検出したか否かを判定する(ステップS3)。
【0084】
図9に示した例では、自車両Qは、高速道路の本線車道Rの走行車線R1を走行しており、かつ、左ウインカを表示している。かかる場合、離脱判定部13は、高速道路の本線車道からの離脱ありと判定する。
【0085】
その場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる(ステップS4)。これにより、ランプウエイB上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0086】
これに対して、自車両の推定車両通行帯が走行車線ではない場合(ステップS2において「No」の場合)、又は、走行車線であっても、自車両が左ウインカを出さない場合(ステップS3において「No」の場合)には、離脱判定部13は、離脱ありとは判定しない。その場合、加速制限部11はACC制御部10による加速を制限しない(図11のステップS5)。すなわち、通常のACC制御が継続する。
【0087】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
まず、図12のブロック図を参照して、第5実施形態の車両の走行制御装置の構成について説明する。図12に示す第5実施形態の走行制御装置1は、レーダー装置15を更に備えている点を除いて、図10に示した第4実施形態の走行制御装置1と同一の構成であるので、それらの詳細な説明を省略する。
【0088】
ただし、第5実施形態の走行制御装置における車線推定部14は、レーダー装置15が、車両の右側の所定距離以内に、静止物列を検出した場合、又は、車両の左側に、自車両が追い越す他の車両を検出した場合に、自車両の走行している車両通行帯を追い越し車線と推定し、また、レーダー装置15が、車両の左側の所定距離以内に、静止物列を検出した場合、又は、自車両の右側に、自車両を追い越す他の車両を検出した場合に、自車両の走行している車両通行帯を走行車線と推定する。
なお、上記説明は、左側通行の道路の場合に該当し、右側通行の道路の場合には、上記説明は、左右について逆となる。
【0089】
また、レーダー装置15は、例えば、ミリ波レーダー等の任意好適なものを使用することができる。また、車間距離検出手段3が、本実施形態のレーダー装置15を兼ねてもよい。
【0090】
次に、図13のフローチャートを参照して、第5実施形態の走行制御装置の車線推定部14の動作例について説明する。
まず、車線推定部14は、レーダー装置15から、レーダー検出結果を取得する(ステップS1)。
【0091】
続いて、車線推定部14は、レーダー装置15が自車両の右側の所定距離以内に、静止物列を検出したか否かを判定する(ステップS2)。ここで、所定距離とは、高速道路の車両通行帯の幅員が、通常、3.5m〜3.75m程度であるので、例えば、その幅員程度であるのがよい。また、静止物列とは、例えば、ガードレールや、フェンスの支柱が該当する。
【0092】
ここで、図14(a)及び図14(b)に、高速道路の本線車道Rを走行している自車両Qを模式的に示す。図14(a)に示す例では、自車両Qが、走行車線R1を走行している。このため、本線車道Rの右側に設けられたガードレール151は、自車両から所定距離以内に検出されない。これに対して、図14(b)に示す例では、自車両Qは、追い越し車線R2を走行している。このため、本線車道の右側に設けられたガードレース151が、自車両から所定距離以内に検出される。
【0093】
なお、図14(a)及び図14(b)に破線で扇形に示したレーダー照射範囲150の形状及び距離は、現実の車両のものと必ずしも対応していない。例えば、車両に搭載されている車間距離検出用のレーダー装置のレーダー照射範囲は、通常、図14に示すものよりも遙かに遠方にまで及んでいる。
【0094】
レーダー装置15が、右側に静止物列を検出した場合(ステップS2において「Yes」の場合)、車線推定部14は、自車両の走行している車両通行帯が追い越し車線であると推定する(ステップS7)。
【0095】
また、レーダー装置15が、右側に静止物列を検出しない場合(ステップS2において「No」の場合)、車線推定部14は、レーダー装置15が自車両の左側の所定距離以内に、静止物列を検出したか否かを判定する(ステップS3)。
図14(a)に示す例では、自車両Qの左側に、ガードレール152が検出される。
【0096】
レーダー装置15が、左側に静止物列を検出した場合(ステップS3において「Yes」の場合)、車線推定部14は、自車両の走行している車両通行帯が走行車線であると推定する(ステップS6)。
【0097】
一方、レーダー装置15が、左側に静止物列を検出しない場合(ステップS3において「No」の場合)、車線推定部14は、レーダー装置15が、車両の左側に、自車両が追い越す他の車両を検出したか否かを判定する(ステップS4)。
図14(b)に示す例では、自車両が追い越した他の車両Sが検出される。
【0098】
レーダー装置15が、左側に追い越される他の車両を検出した場合(ステップS4において「Yes」の場合)、車線推定部14は、自車両の走行している車両通行帯が追い越し車線であると推定する(ステップS7)。
【0099】
一方、レーダー装置15が、左側に追い越される他の車両を検出しない場合(ステップS4において「No」の場合)、車線推定部14は、レーダー装置15が、車両の右側に、自車両を追い越す他の車両を検出したか否かを判定する(ステップS5)。
図14(a)に示す例では、自車両Qの右側を追い越す他の車両Tが検出される。
【0100】
レーダー装置15が、右側を追い越す他の車両を検出した場合(ステップS5において「Yes」の場合)、車線推定部14は、自車両の走行している車両通行帯が走行車線であると推定する(ステップS6)。
【0101】
一方、レーダー装置15が、右側を追い越す他の車両を検出しない場合(ステップS5において「Yes」の場合)、すなわち、自車両の両側に静止物列を検出せず、且つ、自車両に追い越される車両も、自車両を追い越す車両も検出しない場合、車線推定部14は、直前に判定された車線の推定を変更せずに維持する(ステップS8)。
【0102】
このようにして、レーダー装置15の検出結果に基づいて車線が推定された後、第5実施形態においても、上述の第4実施形態の図11のフローチャートに示したように、本線車道から離脱ありと判定された場合には、ACCによる加速が制限される。
【0103】
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
まず、図15のブロック図を参照して、第6実施形態の車両の走行制御装置の構成について説明する。図15に示すように、実施形態の車両の走行制御装置1は、アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)制御部10と、加速制限部11と、離脱判定部13と、画像認識部17と、撮像手段としてのカメラ16とを有する。
【0104】
カメラ16を除くこれら各部10、11、13及び17のブロックは、それぞれ、本発明の車両の走行制御装置におけるACC手段、加速制限手段、離脱判定手段及び画像認識手段に相当する処理機能を表す。これらの処理機能は、自車両に搭載されたECU(電子制御装置)等のコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0105】
ACC制御部10、及び、これと関連する車速制御手段2、車間距離検出手段3及びオートアクチュエータ4の構成及び機能は、上述の第1実施形態におけるものと同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【0106】
カメラ16は、自車両の前方の風景を撮像する。カメラ16には、CCDカメラ等の任意好適なものを使用することができる。
【0107】
画像認識部17は、カメラ16によって撮像された画像を画像認識する。本実施形態では、画像認識部17は、によって撮像された画像中の車道の車線の数を認識する。高速道路等の本線車道は、一般に、片側2車線以上のレーンを有する。これに対して、高速道路牢のインターチェンジのランプウエイや、サービスエリア等の入口におけるランプウエイは、一般に1車線である。
【0108】
なお、車道の車両通行帯は、通常、白色破線や、白色又は黄色線の車道中央線又は車両通行帯の境界線、又は、路側帯との境界を示す白線等によって区画されている。これらの白線等は、車両から視認しやすいように一定の太さで標示されており、画像処理の対象として好適である。したがって、これらの白線等を画像認識することにより、車道の車線の数を容易に抽出することができる。また、画像認識に当たっては、公知の任意好適な手法を利用することができる。
【0109】
離脱判定部13は、画像認識部17による画像認識の結果に基づいて、本線車道からの離脱の有無を判定する。本実施形態では、離脱判定部13は、画像認識部17よって認識された車線の数が、2以上から1になった場合に、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0110】
そして、離脱判定部13が本線車道からの離脱ありと判定した場合、加速制限部11が、ACCによる加速を制限する。
【0111】
次に、図16のフローチャートを参照して、第6実施形態の車両走行制御装置の動作例について説明する。ここでは、図17(a)に示すような、高速道路の2車線の本線車道Rから、1車線のランプウエイBに進入する場合を説明する。
【0112】
まず、カメラ16が車両前方の風景を撮像する(図16のステップS1)。続いて、画像認識部17が、撮像された画像中から車線数を抽出する(ステップS2)。例えば、自車両が図17(a)に示す2車線の走行車線Rを走行している場合は、図17(b)に示すような2車線R1及びR2の走行車線Rが撮像される。そして、画像認識部17は、車線数を「2」と認識する。
【0113】
再び、カメラ16が車両前方の風景を撮像する(図16のステップS3)。続いて、画像認識部17が、撮像された画像中から車線数を抽出する(ステップS4)。このとき、自車両が、図17(a)に示す1車線のランプウエイBに進入していれば、図17(c)に示すような1車線の走行車線が撮像される。そして、画像認識部17は、車線数を「1」と認識する。
なお、例えば、1秒間当たりの撮像回数は、経験的に好適な頻度を求めることが好ましい。
【0114】
そして、離脱判定13は、画像認識部17よって認識された車線の数が、2以上から1になったか否かを判定する(ステップS5)。図17に示す例では、車線数が「2」から「1」になっているので、離脱判定部13は、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0115】
その場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる(ステップS6)。これにより、ランプウエイB上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0116】
これに対して、車線数が2以上から1になっていない場合には、離脱判定部13は、離脱ありとは判定しない。その場合、加速制限部11はACC制御部10による加速を制限しない(図16のステップS75)。すなわち、通常のACC制御が継続する。
【0117】
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
まず、第7実施形態の走行制御装置の構成は、図15に示した上述の第6実施形態のものと基本的に同じであるので、個々のブロックの詳細な説明は省略する。
【0118】
ただし、第7実施形態では、記画像認識部17は、カメラ16によって撮像された画像中の道路標識を認識する。そして、離脱判定部13は、画像認識部17によって認識された道路標識に基づいて、本線車道からの離脱の有無を検出する。より具体的には、画像認識手部17によって認識された道路標識が、最高速度を示す規制標識である場合において、該規制標識の示す最高速度が所定速度以下である場合に、離脱判定部13は、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0119】
ここで、所定速度とは、例えば、高速道路の本線走行車線における制限速度よりも低い速度であって、ランプウエイ上の制限速度よりも高い速度であることが好ましい。かかる所定速度としては、例えば、50km/hが挙げられる。
【0120】
次に、図18のフローチャートを参照して、第7実施形態の走行制御装置の動作例について説明する。
まず、カメラ16が車両前方の風景を撮像する(図18のステップS1)。
続いて、画像認識部17が、撮像された画像中から道路標識を抽出する(ステップS2)。ここでは、例えば、図19(a)に示す道路標識を抽出する。
【0121】
道路標識は、一般に、車両から視認しやすい位置に設置され、それぞれの寸法形状及び色彩が一定である。また、道路脇に設置された道路標識は、通常、その設置高さも一定である。このため、道路標識は、画像処理による画像認識が容易であり、本線車道からの離脱の有無を判定に利用して好適である。
【0122】
次いで、離脱判定部13は、画像認識部17によって認識された道路標識が、最高速度を示す規制標識であるか否かを判定する(ステップS3)。規制標識に表示されている最高速度を示す文字は、その寸法形状及び色彩が規定されているため、画像認識の対象として好適である。
【0123】
次いで、離脱判定部13は、抽出された規制標識の示す最高速度が所定速度以下であるか否かを判定する(ステップS4)。ここでは、所定速度を、例えば、50km/hとする。図19(a)に示す道路標識は、最高速度が50km/hであることを示す規制標識であるので、離脱判定部13、本線車線からの離脱ありと判定する。
【0124】
その場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる(ステップS5)。これにより、ランプウエイ上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0125】
これに対して、撮像画像中に道路標識がない場合、撮像された道路標識が最高速度を示す規制標識でない場合(ステップS3において「No」の場合)、又は、規制標識の示す最高速度が所定速度より高い場合(ステップS4において「No」の場合)には、離脱判定部13は、離脱ありとは判定しない。その場合、加速制限部11はACC制御部10による加速を制限しない(図18のステップS6)。すなわち、通常のACC制御が継続する。
【0126】
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
まず、図20のブロック図を参照して、第8実施形態の走行制御装置の構成について説明する。図20に示す第8実施形態の走行制御装置の構成は、自車両の方向指示器の指示方向を検出する方向指示検出部12を更に有する点を除いて、図15に示した上述の第6実施形態と同じであるので、各ブロック詳細な説明を省略する。
【0127】
ただし、第8実施形態では、離脱判定部13は、画像認識部17によって認識された道路標識が、高速度路の本線車道からの出口又は分岐を示す案内標識である場合において、方向指示検出部12が、出口又は分岐側の方向指示を検出したときに、本線車道からの離脱ありと判定する。
なお、出口又は分岐側の方向指示とは、通常、左側通行の道路では左ウインカを意味し、右側通行の道路では右ウインカを意味する。また、案内標識の示す出口等の矢印の指す方向を画像認識して、出口又は分岐側の方向を判断してもよい。
【0128】
次に、図21のフローチャートを参照して、第8実施形態の走行制御装置の動作例を説明する。
まず、カメラ16が車両前方の風景を撮像する(ステップS1)。
続いて、画像認識部17が、撮像された画像中から道路標識を抽出する(ステップS2)。ここでは、例えば、図19(b)に示す道路標識を抽出する。
【0129】
次いで、離脱判定部13が、抽出された道路標識が、高速度路からインターチェンジへの出口を示す案内標識か否かを判定する(ステップS3)。図19(b)に示す案内標識は、出口を示すものである。
【0130】
その場合、離脱判定部13は、方向指示検出部12が左ウインカを検出したか否かを判定する(ステップS4)。ウインカの検出タイミングは、例えば、出口を示す案内標識を認識してから、所定時間、例えば、数十秒以内であることが好ましい。
【0131】
そして、左ウインカが検出された場合、離脱判定部は、離脱ありと判定する。このように、第8実施形態では、撮像された画像から画像認識された案内標識の情報と、方向指示の情報を組み合わせることにより、本線車道からの離脱の有無を判定する。
【0132】
左ウインカが検出された場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる(ステップS5)。これにより、ランプウエイ上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0133】
これに対して、撮像画像中に道路標識がない場合、撮像された道路標識がインターチェンジやサービスエリアへの出口を示す案内標識でない場合(ステップS3において「No」の場合)、又は、左ウインカが検出されない場合(ステップS4において「No」の場合)には、離脱判定部13は、離脱ありとは判定しない。その場合、加速制限部11はACC制御部10による加速を制限しない(図21のステップS6)。すなわち、通常のACC制御が継続する。
【0134】
次に、本発明の第9実施形態について説明する。
まず、図22ブロック図を参照して、第9実施形態の走行制御装置の構成について説明する。図22に示す第9実施形態の走行制御装置の構成は、走行距離検出部18を更に有する点を除いて、図20に示した上述の第8実施形態と同じであるので、各ブロック詳細な説明を省略する。
【0135】
ただし、第9実施形態では、離脱判定部13は、画像認識部17によって認識された道路標識が、高速度路の本線車道からの出口又は分岐までの距離を示す案内標識である場合において、該案内標識に示す距離を走行後に、自車両の方向指示器が出口又は分岐側の方向を指示したときに、離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する。
【0136】
また、走行距離検出部18は、出口又は分岐までの距離を示す案内標識を認識した後、自車両が走行した距離を検出する。
【0137】
次に、図23のフローチャートを参照して、第9実施形態の走行制御装置の動作例を説明する。
まず、カメラ16が車両前方の風景を撮像する(ステップS1)。
続いて、画像認識部17が、撮像された画像中から道路標識を抽出する(ステップS2)。ここでは、例えば、図19(c)又は図19(d)に示す道路標識を抽出する。
【0138】
次いで、離脱判定部13は、画像認識部17によって認識された道路標識が、高速度路の本線車道からの出口又は分岐までの距離を示す案内標識であるか否かを判定する(ステップS3)。図19(c)に示す道路標識は、サービスエリアの分岐まで1kmであることを示す案内標識であり、また、図19(d)に示す道路標識は、パーキングエリアの分岐まで1kmであることを示す案内標識である。
【0139】
次いで、離脱判定部13は、これらの案内標識認識後、走行距離検出部18が、案内標識に示された距離を走行したことを検出したか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、図19(c)又は図19(d)に示す案内標識を認識した場合には、その後、1km走行したか否かが判定される。
【0140】
次いで、離脱判定部13は、案内標識に示された距離を走行後に、左ウインカが標示されたか否かを判定する。なお、案内標識を画像認識後に走行した距離の測定に当たっては、所定の許容幅、例えば、前後100m程度の許容幅を持たせるのがよい。
【0141】
そして、左ウインカが検出された場合、離脱判定部13は、離脱ありと判定する。このように、第9実施形態では、案内標識に表示された出口等までの距離の情報と、その文字を画像認識後に走行した距離の情報と、方向指示の情報とを組み合わせることにより、本線車道からの離脱の有無を判定する。
【0142】
左ウインカが検出された場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限し、又は、ACC制御部10の作動を停止させる(ステップS6)。これにより、ランプウエイ上で、自車両QがACCにより加速されることを防止することができる。
【0143】
これに対して、撮像画像中に道路標識がない場合、撮像された道路標識が出口や分岐までの距離を示す予告の案内標識でない場合(ステップS3において「No」の場合)、又は、所定の距離を走行後に左ウインカが検出されない場合(ステップS5において「No」の場合)には、離脱判定部13は、離脱ありとは判定しない。その場合、加速制限部11はACC制御部10による加速を制限しない(図23のステップS7)。すなわち、通常のACC制御が継続する。
【0144】
次に、本発明の第10実施形態について説明する。
まず、図24のブロック図を参照して、第9実施形態の走行制御装置の構成について説明する。図24に示す第10実施形態の走行制御装置の構成は、車線変更変態部19を更に有する点を除いて、図10に示した上述の第4実施形態と同じであるので、各ブロック詳細な説明を省略する。
【0145】
なお、図24中の車線変更判定部19のブロックは、本発明の走行制御装置の車線変更判定手段の処理機能を表し、かかる処理機能は、例えば、自車両に搭載されたECU(電子制御装置)等のコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0146】
第10実施形態では、車線変更判定部19は、本線車道における追い越し車線から走行車線への自車の車線変更の有無を判定する。そして、加速制限部11は、車線変更判定部19が、追い越し車線から走行車線への車線変更ありと判定した場合に、ACC制御部10による加速を制限する。
【0147】
次に、図25のフローチャートを参照して、第10実施形態の走行制御装置の動作例を説明する。
まず、車線推定部14が、自車両の走行している車両通行帯が、走行車線であるか追い越し車線であるかを推定する(ステップS1)。車線の推定方法は、上述の実施形態のいずれかで説明した方法を利用するとよい。
ここで、図26に、高速道路の本線車道を走行している自車両を模式的に示す。図26に示す例では、自車両Qは、本線車道Rのうち、追い越し車線R2を走行している。
【0148】
次いで、車線変更部19は、車線推定部14が自車両の走行している車両通行帯が追い越し車線か否か判定する(ステップS2)。追い越し車線と判定した場合、さらに、車線変更判定部19は、方向指示検出部12が左ウインカを検出したか否かを判定する(ステップS3)。図26に示す例では、左ウインカの標示を白抜き矢印で模式的に示している。なお、左側通行の道路では、追い越し車線は、最も右側の車両通行帯であるので、車線変更のためのウインカは、通常、左ウインカとなる。
【0149】
左ウインカが出された場合、車線変更判定部19は、追い越し車線から走行車線への車線変更ありと判定する(ステップS4)。
【0150】
車線変更判部19が、追い越し車線から走行車線への車線変更ありと判定した場合、加速制限部11は、ACC制御部10による加速を制限する。これにより、追い越し車線から走行車線へ車線変更した場合に、ACCによって不要な加速が行われることを防止することができる。
なお、第10実施形態で説明した追い越し車線から走行車線への自車の車線変更時の加速制限制御は、上述の第2乃至第9実施形態で説明した制御と組み合わせることが望ましい。
【0151】
次に、第11実施形態として、図27のフローチャートを参照して、上述した第2乃至第10実施形態を組み合わせた走行制御の一例を説明する。
まず、カーナビゲーションユニットから自車両の現在位置の情報を取得する(ステップS1)。
次いで、カーナビゲーションユニットからの情報に基づいて、自車両が高速道路の本線車道を走行中か否かを判定する(ステップS2)。
【0152】
次いで、高速道路の本線車道を走行中である場合、自車両が本線車道か離脱中か否かを判定する(ステップS3)。
本線車道から離脱中と判定された場合、ACCによる制御を停止する(ステップS4)。なお、ACCによる制御を停止する代わりに、ACCによる設定速度を、ランプウエイ上の制限速度に、例えば、40km/hに設定するようにしてもよい。
【0153】
また、ステップS3において、高速道路の本線から離脱中でない場合、又は、カーナビゲーションの情報では、離脱か否か判定できない場合、自車の走行している車両通行帯が走行車線か否かを判定する(ステップS5)。
走行車線を走行中と判定された場合、右ウインカが出されたか否かを判定する(ステップS6)。
右ウインカが出された場合、走行車線から追い越し車線への車線変更中とのフラグが立てられ、かかる場合には、ACCによる加速が許可される(ステップS13)。
【0154】
また、ステップS6において、右ウインカが出されない場合、左ウインカが出されたか否かを判定する(ステップS7)。
左ウインカが出された場合、高速道路の本線車線からの離脱が開始されたとのフラグが立てられ、かかる場合には、ACCの制御が停止され、或いは、設定速度が低速に設定去れる(ステップS4)。
【0155】
また、ステップS5において、自車両の走行している車両通行帯が走行車線でない場合、即ち、追い越し車線である場合、左ウインカが終了したか否かが判定される(ステップS8)。
左ウインカが終了した場合、自車両が走行中の車両通行帯が、走行車線であるというフラグが立てられ、ACCによる加速が許可される(ステップS13)。
【0156】
また、ステップS8において、左ウインカが終了していない場合、左ウインカが出されているか否かが判定される(ステップS9)。左ウインカが出されている場合、自車両が、追い越し車線から走行車線へ車線変更中であるというフラグが立てられ、ACCによる加速が禁止される(ステップS10)。
【0157】
また、ステップS9において、左ウインカが出されていない場合、自車両の走行している車両通行帯は追い越し車線であるというフラグが立てられ、ACC加速が許可される(ステップS13)。
【0158】
また、ステップS2において、自車両が高速道路の本線車道にない場合、自車両が高速道路の本線車道に進入中か否か、即ち、自車両が本線車道へ出るランプウエイ上に位置するか否かが判定される(ステップS11)。
自車両が本線車道に進入中の場合、右ウインカが終了したしたか否かが判定される(ステップS12)。
右ウインカが終了した場合、自車両の高速道路の本線車道に進入完了したことのフラグが立てられ、更に、自車両が走行している車両通行帯が走行車線であるというフラグが縦あれ、ACCによる加速が許可される(ステップS13)。
【0159】
また、ステップS11において、高速道路進入でない場合、或いは、右ウインカ終了でない場合も、ACCによる加速が許可される(ステップS13)。
【0160】
上述した各実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、上述した各実施形態では、高速道路を走行する場合について説明したが、本発明は、高速道路以外の自動車専用道路においても適用することができる。また、上述した各実施形態では、片側2車線の本線車道の例について説明したが、本発明は片側3車線以上の本線車道の場合においても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の第1実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】(a)は、自車両が、左ウインカを出して、本線車道から分岐路へ離脱する様子を示す模式図であり、(b)は、自車両が、右ウインカを出して、走行車線から追い越し車線に車線変更する様子を示す模式図であり、(c)は、自車両が、左ウインカを出して、追い越し車線から走行車線に車線変更する様子を示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】カーナビゲーションによる自車両の現在位置の表示例である。
【図7】本発明の第3実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】自車両が、本線車道の分岐点付近で、左ウインカを出す様子を示す模式図である。
【図10】本発明の第4実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図11】本発明の第4実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第5実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図13】本発明の第5実施形態の走行制御装置の車線推定部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】(a)は、走行車線を走行中の自車両を示す模式図であり、(b)は、追い越し車線を走行中の自車両を示す模式図である。
【図15】本発明の第6実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図16】本発明の第6実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】(a)は、2車線の本線車道と、1車線のランプウエイを示す模式図であり、(b)は、2車線の本線車道の撮像例であり、(c)は、1車線のランプウエイの撮像例である。
【図18】本発明の第7実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】(a)は、ランプウエイ上の最高速度を示す規制標識の一例であり、(b)は、高速道路のインターチェンジの出口を示す案内標識の一例であり、(c)は、高速道路のサービスエリアまでの距離を示す案内標識の一例であり、(d)は、高速道路のパーキングエリアまでの距離を示す案内標識の一例である。
【図20】本発明の第8実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図21】本発明の第8実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図22】本発明の第9実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図23】本発明の第9実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図24】本発明の第10実施形態の走行制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図25】本発明の第10実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図26】自車両が、左ウインカを出して、高速道路の追い越し車線から走行車線へ車線変更する様子を示す模式図である。
【図27】本発明の第11実施形態の走行制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0162】
1 走行制御装置
2 車速検出手段
3 車間距離検出手段
4 オートアクチュエータ
11 加速制限部
12 方向指示検出部
13 離脱判定部
14 車線推定部
15 レーダー装置
16 カメラ
17 画像認識部
18 走行距離検出部
19 車線変更判定部
P 先行車両
Q 自車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ・クルーズ・コントロール手段と、
自車両の方向指示器の指示方向を検出する方向指示検出手段と、
前記アクティブ・クルーズ・コントロール手段の作動中、前記方向指示器の指示方向に応じて、前記アクティブ・クルーズ・コントロール手段による加速を制限する加速制限手段とを備え、
前記加速制限手段は、
左側通行の道路において、前記方向指示検出手段が左の方向指示を検出した場合に加速を制限し、且つ、前記方向指示検出手段が右の方向指示を検出した場合には加速を制限せず、
右側通行の道路において、前記方向指示検出手段が右の方向指示を検出した場合に加速を制限し、且つ、前記方向指示検出手段が左の方向指示を検出した場合には加速を制限しない
ことを特徴とする車両の走行制御装置。
【請求項2】
アクティブ・クルーズ・コントロール手段と、
前記アクティブ・クルーズ・コントロール手段の作動中、自車両の本線車道から分岐路への離脱の有無を判定する離脱判定手段と、
前記離脱判定手段が本線車道からの離脱ありと判定した場合に、前記アクティブ・クルーズ・コントロール手段による加速を制限し、又は、前記アクティブ・クルーズ・コントロール手段の作動を停止させる加速制限手段と、
を備えることを特徴とする車両の走行制御装置。
【請求項3】
前記本線車道は、高速道路の本線車道である
ことを特徴とする請求項2記載の車両の走行制御装置。
【請求項4】
前記離脱判定手段は、カーナビゲーションユニットの示すの自車両の現在位置に基づいて、本線車道からの離脱の有無を判定する
ことを特徴とする請求項2又は3記載の車両の走行制御装置。
【請求項5】
自車両の方向指示器の方向指示を検出する方向指示検出手段を備え、
前記カーナビゲーションユニットの示すの自車両の現在位置が地図データ上の本線車道と分岐路との分岐点付近である場合において、前記方向指示検出手段が、分岐路側の方向指示を検出したときに、前記離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する
ことを特徴とする請求項4記載の車両の走行制御装置。
【請求項6】
本線車道の自車両の走行している車両通行帯が、走行車線であるか追い越し車線であるかを推定する車線推定手段と、
自車両の方向指示器の方向指示を検出する方向指示検出手段と、
を備え、
前記離脱判定手段は、前記車線推定手段が、自車両の走行している車両通行帯を走行車線と推定した場合において、前記方向指示検出手段が、追い越し車線と反対側の方向指示を検出したときに、本線車道からの離脱ありと判定する
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項7】
前記車線推定手段は、前記方向指示検出手段によって検出された左右の方向指示の履歴に基づいて、自車両の走行している車両通行帯を推定する
ことを特徴とする請求項6記載の車両の走行制御装置。
【請求項8】
レーダー装置を備え、
前記車線推定手段は、
前記レーダー装置が、車両の左右両側のうちの第1の側の所定距離以内に、静止物列を検出した場合、又は、車両の左右両側のうちの第2の側に、自車両が追い越す他の車両を検出した場合に、自車両の走行している車両通行帯を追い越し車線と推定し、
前記レーダー装置が、車両の前記第2の側の所定距離以内に、静止物列を検出した場合、又は、車両の前記第1の側に、自車両を追い越す他の車両を検出した場合に、自車両の走行している車両通行帯を走行車線と推定し、
前記第1の側は、左側通行の道路において右側であり、右側通行の道路において左側であり、
前記第2の側は、左側通行の道路において左側であり、右側通行の道路において右側である
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両の走行制御装置。
【請求項9】
自車両の前方の風景を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を画像認識する画像認識手段と
を備え、
前記離脱判定手段は、前記画像認識手段による画像認識の結果に基づいて、本線車道からの離脱の有無を判定する
ことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項10】
前記画像認識手段は、前記撮像手段によって撮像された画像中の車道の車線の数を認識し、
前記離脱判定手段は、前記画像認識手段よって認識された車線の数が、2以上から1になった場合に、本線車道からの離脱ありと判定する
ことを特等とする請求項9記載の車両の走行制御装置。
【請求項11】
前記画像認識手段は、前記撮像手段によって撮像された画像中の道路標識を認識し、
前記離脱判定手段は、前記画像認識手段によって認識された道路標識に基づいて、本線車道からの離脱の有無を検出する
ことを特徴とする請求項10記載の車両の走行制御装置。
【請求項12】
前記画像認識手段によって認識された道路標識が、最高速度を示す規制標識である場合において、該規制標識の示す最高速度が所定速度以下である場合に、前記離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する
ことを特徴とする請求項11記載の車両の走行制御装置。
【請求項13】
自車両の方向指示器の指示方向を検出する方向指示検出手段を備え、
前記画像認識手段によって認識された道路標識が、高速度路の本線車道からの出口又は分岐を示す案内標識である場合において、前記方向指示検出手段が、出口又は分岐側の方向指示を検出したときに、前記離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する
ことを特徴とする請求項11又は12記載の車両の走行制御装置。
【請求項14】
前記画像認識手段によって認識された道路標識が、本線車道からの出口又は分岐までの距離を示す案内標識である場合において、該案内標識に示す距離を走行後に、自車両の方向指示器が出口又は分岐側の方向を指示したときに、離脱判定手段は、本線車道からの離脱ありと判定する
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項15】
本線車道における追い越し車線から走行車線への自車の車線変更の有無を判定する車線変更判定手段を更に備え、
前記車線変更判定手段が、追い越し車線から走行車線への車線変更ありと判定した場合に、加速制限手段は、前記アクティブ・クルーズ・コントロール手段による加速を制限する、
ことを特徴とする請求項2乃至14のいずれか一項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項16】
自車両の走行している車両通行帯が、走行車線であるか追い越し車線であるかを推定する車線推定手段と、
自車両の方向指示器の指示方向を検出する方向指示検出手段と備え、
前記車線変更判定手段が、車線推定手段が自車両の走行している車両通行帯を追い越し車線と推定した場合において、前記方向指示検出手段が方向指示を検出したときに、前記車線変更手段は、追い越し車線から走行車線への車線変更ありと判定する
ことを特徴とする請求項14記載の車両の走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−68751(P2008−68751A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249471(P2006−249471)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】