説明

車両用情報授受システム

【課題】目的地が概ね決まっているツーリングの支援を可能にし、カーナビゲーションシステムの利用とは違った豊かさを提供できる車両用情報授受システムを提供する。
【解決手段】本発明による車両用情報授受システムは、地域の交通と行楽に関する情報を地域一般情報および新鮮度付き地域映像情報として保有し、質問を受け、ツーリング個別情報作成手段により前記情報を処理して前記質問に対する回答を送信するツーリング情報処理装置と、カーナビゲーション装置および質問を受信しその回答を送信する送受信装置とを備えるツーリング車両を含んでいる。利用者が前記車両から目的地とツーリングの個別意図を前記ツーリング情報処理装置に送信し、前記ツーリング情報処理装置からの回答であるツーリング個別情報を利用するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツーリングに関連する詳細な情報を提供する情報授受ステーションを設け、カーナビゲーション機能等を備える車両の搭乗者等の利用者との間で情報の授受を行なう車両用情報授受システムに関する。
さらに詳しく言えば本発明はカーナビゲーション装置を利用して、ツーリング中の駐車の際に、ツーリングを快適に豊かにするための情報の授受を可能にすることができる車両用情報授受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ツーリングに関連する情報を提供するシステムとしては、カーナビゲーション向けの情報提供サービスがある。これは、カーナビゲーションシステムと、サーバーとを無線ネットワークで接続し、サーバー上に保管された各種施設情報をカーナビゲーション上から検索し、所望の施設が見つかったならば、その地点を目的地、経由地としてカーナビゲーションに登録し、経路誘導を行うものである。一般的に、サーバーへの情報の記録・更新は、専門のオペレータが、ある周期で実施するため、保管された各種施設情報は、観光情報雑誌に記載されているような一般的な情報である。
上記のシステムに関連する以下のような提案がある。
特許文献1記載の地図情報処理システムの発明は、旅行記録情報(出発地から到着地までの車の走行位置情報、抜け道情報、地図未掲載道路情報、出発地から到着地までの推奨ルート情報、走行途中で撮影した写真情報と走行コメント情報を含む)をサーバに登録し、別のユーザへのルート作成情報に利用することを開示している。
特許文献2記載の地域情報提供及び履歴記憶システムと方法の発明は、サーバーに旅行時の画像、映像、音声やコメントを旅行記として作成・アップロード・記憶し、この中で更新が必要な情報は、定期的に更新され、閲覧する他のユーザに最新情報を提供できることを開示している。車両に関する開示はない。
特許文献3記載の端末装置及び画像情報サーバの発明は、車載カメラによる最新道路状況が撮像されサーバにアップロードされ、他の車両が利用できることを開示している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−081951号公報
【特許文献2】特開2003−044552号公報
【特許文献3】特開2005−004480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先のカーナビゲーション向けの情報提供サービスの場合、サーバーに保管された膨大な施設データの中から、ドライバー自身が、所望の情報を検索する必要がある。このため、検索の操作が煩雑で手間がかかるとともに、ドライバー自身があらかじめ何らかのプランを練った上で、必要な情報を探すような状況にしか対応できない。
また、サーバー管理側で情報収集、追加、更新を行うため、情報の鮮度が低く、雑誌などで取得できる情報と変わらず、情報自体の価値が低くなりがちである。
【0005】
前述のように、現在では多くの人が映像・音、その他情報を、インターネットを経由して収集することができる。これを利用して、旅行先の各種情報を整理し計画を立てることができる。また、車載器に携帯電話をつなげることで、車載器からインターネットへアクセスし、情報を取得することも可能になってきている。しかし、車載器を利用して、情報を取得しようとした場合、インターフェースなどの問題もあり、イベント情報や施設の情報を探す手間がかかる。また、携帯電話などを利用した場合、大容量データ転送は難しい。車での旅行の際には、移動開始前に情報を収集して準備をする必要があり、ツーリングの途中での変更は殆ど不可能である。いわゆるぶらりと出て気儘にツーリングをできるという状況にはない。
【0006】
本発明の主要な目的は、目的地が概ね決まっているツーリングの支援を可能にし、カーナビゲーションシステムの利用とは違った豊かさを提供できる車両用情報授受システムを提供することにある。本発明の具体的な目的は、道の駅(PA、ドライブイン)での情報授受を中心にして、カーナビゲーションシステムの目的地情報と走行履歴を利用するが、明確な目的地を入力するカーナビゲーションシステムと違って、動的で柔軟なツーリングを支援可能にすることである。本発明のさらに具体的な目的は、前記のように授受システムを構成することにより、カーナビゲーションシステムの準備のない車両の搭乗者はもとより、バイクや自転車の搭乗者、携帯電話の利用も可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載の車両用情報授受システムは、 地域の交通と行楽に関する情報を地域一般情報および新鮮度付き地域映像情報として保有し、質問を受け、ツーリング個別情報作成手段により前記情報を処理して前記質問に対する回答を送信するツーリング情報処理装置と、
カーナビゲーション装置および質問を受信しその回答を送信する送受信装置とを備えるツーリング車両と、を含む車両用情報授受システムであって、
利用者は前記車両から目的地とツーリングの個別意図を前記ツーリング情報処理装置に送信し、前記ツーリング情報処理装置からの回答であるツーリング個別情報を利用するように構成されている。
【0008】
本発明による請求項2記載の車両用情報授受システムは、請求項1記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング情報処理装置は、前記地域一般情報および新鮮度付き地域映像情報を保有し、それらに基づいて、ツーリング一般情報を作成するツーリング一般情報作成手段を含むことを特徴としている。
【0009】
本発明による請求項3記載の車両用情報授受システムは、請求項1記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング車両は、映像情報取得手段と、取得情報を特定して前記ツーリング情報処理装置に提供する手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
本発明による請求項4記載の車両用情報授受システムは、請求項3記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング車両は、ビデオカメラにより情報を取得し、画像処理して映像情報格納手段に保存するように構成したことを特徴としている。
【0011】
本発明による請求項5記載の車両用情報授受システムは、請求項4記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング情報処理装置に提供する手段は、送信情報加工部、送信可否判断部、送信管理部、情報送信I/Fを備え、
前記映像情報格納手段に保存された映像情報を前記送信情報加工部により加工し、前記送信可否判断部の判断により前記送信管理部が前記情報送信I/Fを介して前記ツーリング情報処理装置に送信するように構成したことを特徴としている。
【0012】
本発明による請求項6記載の車両用情報授受システムは、請求項2記載の車両用情報授受システムにおいて、
道路に関連する場所に情報授受ステーションを保有し、
前記情報授受ステーションは、前記情報授受ステーションと利用者間の情報授受インターフェースを備え、
前記ツーリング一般情報と、前記インターフェースで入力された質問に対するツーリング個別情報とを提示する提示手段を備えることを特徴としている。
【0013】
本発明による請求項7記載の車両用情報授受システムは、請求項6記載の車両用情報授受システムにおいて、
ナビゲーションシステムを備えていない車両の搭乗者は、前記情報授受ステーションにおいて、ツーリング個別情報を有線または無線による接続による受信、記憶媒体に書込み、またはプリントアウトすることにより取得可能に構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者はツーリングの意図を本システムに入力することでこれを基にしてその時点の最新情報により関連情報を含めてシステムが複数のプランを提案してくれるので、当該利用者はそれを選択するだけで良く、当該利用者はわざわざツーリング関連の情報を探しツーリングプランを練るようなことはしなくて済む。
さらに、装置を持つ車両の利用者も装置を持たない車両の利用者も本システムを利用し、立ち寄る情報授受ステーションごとにその時点の最新情報によりツーリングプランを変更することができツーリングをより楽しむことができる。
さらに、利用者は本システムで提供される関連情報を含めたツーリングプランを種々の出力形態で利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面等を参照して本発明によるシステムをさらに詳しく説明する。
【0016】
図1は本発明による車両用情報授受システムの構成を示すブロック図である。
車両用情報授受システムは、地域一般情報、新鮮度付き地域映像情報、ツーリング一般情報作成手段、ツーリング一般情報提示手段、ツーリング個別情報作成手段、ツーリング意図個別情報入力手段、ツーリング個別情報提示・出力手段、ツーリング情報選択手段で構成される。
同図の一点鎖線で囲まれた範囲が、ツーリング情報処理装置であり、地域一般情報、新鮮度付き地域映像情報、ツーリング一般情報作成手段、ツーリング個別情報作成手段から構成される。
【0017】
地域一般情報は、当該情報授受ステーションに関連した経路や地点の混雑情報、地域情報、イベント情報、情報取得時の時刻を含む。
混雑情報は、当該情報授受ステーションに関連した経路上の混雑状況や観光場所など地点の混雑状況などの情報を含む。
地域情報は、当該情報授受ステーションに関連した地域の天候情報、道路規制情報、景観場所・美味い場所・危険箇所などのサービスの種類などの情報を含む。
イベント情報は、当該情報授受ステーションに関連した地域におけるイベント(花火大会、納涼祭りなど)の情報を含む。
新鮮度付き地域映像情報は、当該情報授受ステーションに関連した経路関連(経路区間、地点、経路近傍など)の映像、映像の撮影区間または地点あるいは近傍の経路関連の情報、撮影時刻、情報登録時の時刻などの情報を含む。
【0018】
ツーリング意図個別情報入力手段は、ツーリング意図個別情報を車両用情報授受システムに入力する部分である。
ツーリング意図個別情報は、ツーリング意図個別情報入力手段において作成された利用者ごとのツーリングの意図を具体化した情報である。
ツーリング個別情報作成手段は、ツーリング意図個別情報と地域一般情報と新鮮度付き地域映像情報とからツーリング個別情報を作成する部分である。
ツーリング個別情報は、ツーリング個別情報作成手段において作成された利用者ごとに異なる複数の提案プランである。
ツーリング個別情報提示・出力手段は、ツーリング個別情報作成手段において作成されたツーリング個別情報を利用者ごとの表示装置などに提示し出力するための部分である。
ツーリング情報選択手段は、ツーリング個別情報提示・出力手段で利用者ごとに提示・出力されたツーリング個別情報から当該利用者が利用したいプランを選択するための部分である。
ツーリング一般情報は、ツーリング一般情報提示手段を選択する手段であり、車外に設置されたモニタに表示される宣伝(地点・ルート)を見て「ここに行きたい」という意思表示をするインターフェースを表現しているものである。
ツーリング一般情報作成手段は、地域一般情報と新鮮度付き地域映像情報とからその時点で利用者に推薦する映像を抽出し番組として再生する部分である。
ツーリング一般情報提示手段は、ツーリング一般情報作成手段において作成されたツーリングの一般情報を表示装置などに表示し、利用者に情報を提示する部分である。
情報授受ステーションは、ツーリング情報処理装置の一つの出力手段、またはツーリング車両以外の利用者とのインターフェースとして働くことになる。
ツーリング情報処理装置はその表示手段として、例えば情報授受ステーションを、道の駅とかサービスエリア(SA)やパーキングアリア(PA)に配置する。
【0019】
車両用情報授受システムでは、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の装置を持つ車両を使用するツーリストが、情報授受ステーションにおいて情報を利用でき、情報授受ステーションを離れても出力情報を利用して単なる移動からツーリングを楽しむ移動に変えることができる。また、目的地までの情報授受ステーションごとで得られる情報を更新情報として利用することも可能である。
また、情報授受ステーションを離れている場合でも、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の車両搭載装置を持ち無線で情報授受ステーションに接続できる場合には、カーナビ等の車両搭載装置にて情報表示や提示、個別情報入力、情報選択等、情報授受ステーションでできることと同じことが可能である。
【0020】
一方、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の車両搭載装置を持たない車両(乗用車、自動二輪車、自転車等)を使用するツーリストでも情報授受ステーションにおいて情報を利用でき、紙への印刷出力情報にて情報授受ステーションを離れても情報を利用することができるため、よりツーリングを楽しいものにすることができる。
本発明における表示装置やこれと一緒に使用される入力デバイスのペアは、利用者から見ると車両用情報授受システムの端末(装置)と考えることができる。
また、システムから見た場合、利用者とのインターフェースである表示装置や入力デバイスのペアは、端末(装置)と言える。
【0021】
本発明におけるツーリング情報処理装置と情報授受ステーション内に設置される利用者用の端末やツーリング車両との接続は、有線または無線で行うことができる。これは、システムで用いられるネットワーク等へのハードウェア的接続形態が異なるだけであり利用者から見た機能的差異は無い。例えば、パーソナルコンピュータでインターネット経由であるホームページを見るときに、途中の通信回線が有線接続か無線接続かを意識せずに(途中の通信形態を意識せずに)インターネットを利用でき、利用者から見たときに機能的な差異が感じられない(無い)のと類似している。
ツーリング車両は、ツーリング情報処理装置から見た場合、情報授受ステーション内に設置される利用者用の端末と同一ではないが、異なる種類の端末のひとつとして接続処理される。
【0022】
図2は、本発明による車両用情報授受システムのツーリング意図個別情報入力手段の構成を示すブロック図である。
ツーリング意図個別情報入力手段は、ナビゲーション情報(以下ナビ情報と記載する)とツーリング一般情報を含むルート情報、ツーリング属性、質問情報、質問・回答画面生成、ツーリング意図個別情報生成、ツーリング意図個別情報で構成される。
ツーリング意図個別情報生成では、ツーリング属性とルート情報の2種類の情報を基にして、質問情報に基づく質問と利用者の回答からツーリング意図個別情報を生成する。
ツーリング属性は、同乗者の構成(個人・家族)や気分(ゆったり・はりきり)などルートに異存しない情報を含む。
ルート情報は、車載ナビシステムに既にセットされている地点・ルートに関する情報(ナビ情報)と、ユーザが選択したツーリング一般情報として提示されている地点・ルート情報を含む。
【0023】
ツーリング意図個別情報入力手段におけるツーリング一般情報は、ツーリング一般情報提示手段においてツーリング一般情報として大型スクリーンなどに提示されているコンテンツと同期しており、ユーザが入力した時点で提示されている地点またはルートがルート情報として登録される。
生成したツーリング意図個別情報は、ツーリング意図個別情報事前評価で評価する。適当なプランが生成されない場合、プラン見直し(情報の追加または削除)用の質問情報を生成する。質問・回答画面生成は、質問情報に関連した回答をユーザが入力する画面を作成し提示する。
ユーザが入力した回答情報は、ツーリング意図個別情報生成に送られ再度ツーリング意図個別情報を生成する。
質問情報は、利用者ごとの個別のプラン見直し用の質問を含む。
回答情報は、利用者ごとの個別の質問情報に関連した回答を含む。
【0024】
図3は、本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報作成手段の構成を示すブロック図である。
ツーリング個別情報作成手段は、質問情報、ルート追加要求生成、ルート削除要求生成、ツーリング意図個別情報、ツーリング意図個別情報事前評価、ツーリング情報作成、ツーリング個別情報、ツーリング情報キャッシュで構成される。
ツーリング意図個別情報事前評価は、ツーリング意図個別情報を評価しプラン生成に必要な情報を十分に備えているか評価する。
評価結果により、ルート追加要求生成またはルート削除要求生成で質問情報を作成する。例えば、何も登録されていなければ「情報の追加」を求める。
一方、沢山登録されていて、地域一般情報(混み具合情報など)からプランとして不適切だと判断される場合は「情報の削除」を求める必要がある。
ツーリング情報作成では、事前評価後のツーリング意図個別情報を基に、地域一般情報と新鮮度付き地域映像情報を活用して複数のプランを含むツーリング個別情報を生成する。生成したツーリング個別情報は、ツーリング情報キャッシュに一時的に蓄積する。
ツーリング情報キャッシュは、ツーリング個別情報の一時的な保管場所である。
【0025】
図4は、本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報提示・出力手段とツーリング情報選択手段の構成を示すブロック図である。同図において、一点鎖線で囲まれた範囲がツーリング個別情報提示・出力手段であり、二点差線で囲まれた範囲がツーリング情報選択手段である。
ツーリング個別情報提示・出力手段は、ツーリング個別情報、ツーリング情報変換、出力形式に応じたデータ形式で構成される。
ツーリング情報選択手段は、形態の異なる表示装置、スイッチやマウスなどの入力デバイスから構成される。
ツーリング情報変換は、ツーリング個別情報を入力し、ナビ画面や携帯電話など出力形式に応じたデータ形式に変換し出力する。
ナビ画面や携帯電話上でツーリング個別情報に含まれるプランを選択することで、必要なデータをナビに登録する。
【0026】
図5は、本発明による車両用情報授受システムのツーリング一般情報作成手段とツーリング一般情報提示手段の構成を示すブロック図である。同図において、一点鎖線で囲まれた範囲がツーリング一般情報作成手段であり、二点鎖線で囲まれた範囲がツーリング一般情報提示手段である。
ツーリング一般情報作成手段は、提示番組評価と番組キューと番組再生で構成される。
提示番組評価は、地域一般情報と新鮮度付き地域映像情報から、その時点でユーザ(運転者)に推薦する映像を抽出し、番組キューに追加する。
番組キューは、再生する番組とその再生順番を明示したもので構成することができる。
番組再生では、番組キューに入っている番組を再生し、再生した情報をツーリング一般情報提示手段に渡す。
番組の再生が終了すると、終了通知を提示番組評価に与える。
ツーリング一般情報提示手段は、情報表示用の表示装置と音声案内用の音声装置で構成でき、ツーリング一般情報作成手段より渡された(再生番組)情報を表示装置や音声装置に提示する。
表示装置は、液晶表示装置やCRTモニタ表示装置やプロジェクタによる画面表示装置などであり、一般情報を提示するための一般情報提示スクリーンである。
音声装置は、音声増幅器とスピーカで構成できる。
【0027】
図14は本発明による車両用情報授受システムのツーリング意図個別情報入力からツーリング個別情報の作成・提示・出力までの一連の流れの例を説明するための図である。
ツーリング個別情報作成手段は、ツーリング意図個別情報入力手段、ツーリング個別情報提示・出力手段とデータのやり取りを行っている。システムがユーザに提案するプランを生成するために必要な情報を十分に備えているか評価し、ツーリング意図個別入力手段とのやり取りの結果プラン生成に必要な情報を十分に備えていると判断されると、このツーリング意図個別情報をもとに、生成した複数のルートとそのルートに関連する地域一般情報、新鮮度付き地域映像情報を組み合わせた複数の提案プランを含むツーリング個別情報を生成する。
【0028】
ここからドライブにおいての利用例を説明する。
本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の初期設定で、個人情報、例えばドライバーの性別や生年月日、趣味などをあらかじめ個人情報として入力しておく(図14の(1))。
ドライブに出発する際にカーナビに目的地ポイントを入力する。目的地が複数ある場合や、目的地に行くまでに寄りたい場所がある場合は目的地ポイントを複数入力することになる(図14の(2))。
道の駅、SA、PAなど各無線エリアに車が入ると、ツーリング意図個別情報入力手段が作動する。ここでは、同乗者の構成や気分などのその時その時の状況を入力し、ユーザの個人情報と含めてツーリング属性とする。また、観光地やイベント情報などの地域一般情報と新鮮度付き地域映像情報をもとに、その時点でユーザに推薦する映像から構成されるツーリング一般情報を閲覧し、その中からユーザが行きたいと思った場所を目的地ポイントにすることができる(図14の(3))。
ツーリング属性と出発時、無線エリア進入時に登録した目的地ポイントつまりルート情報を基にして、質問情報に基づく質問と利用者の回答からツーリング意図個別情報が生成される(図14の(4))。
生成されたツーリング意図個別情報はツーリング個別情報作成手段に渡され、提案プラン生成に必要な情報が備えられているか評価される。提案プランでは、ユーザの所望する目的地ポイントを巡るにあたって、時間的、位置的制約から最適なルートを割り出し、加えて時間の都合や意図をもとにルート周辺で寄り道に適したポイントを検索する。これらをモデルルートとして提案する。前述のことから例えばルート情報が一切なければ、提案が不可能であるので目的地ポイントを追加するようユーザに要求する。一方、ルート情報が多すぎると、時間的制約から寄り道ポイントを追加することができない、もしくはユーザの所望する目的地ポイントすべてを巡ることができないので、目的地ポイントを減らすようユーザに要求する(図14の(5))。
【0029】
プランを提案する余地があると判断されたところで、その時点の情報からシステムの判断でいくつかの提案プラン、つまりモデルルートを生成する。その際に地域一般情報と新鮮度付き地域映像情報を活用する。地域一般情報と新鮮度付き地域映像情報はコンテンツデータベースになっており、観光地や施設、ルートに関連する道路や目的地の天候などの情報がテキスト、音声、映像など様々な媒体で蓄積されている。各コンテンツにはレストランや観光地、静養地などといったようなジャンルや位置情報、また、観光地などであれば、その場所を巡るための所要時間目安などが付加されている。モデルルートを生成する際に、ユーザから得られた各情報から地域一般情報、新鮮度付き地域映像情報コンテンツデータベースに問い合わせ、検索情報にマッチしていると思われるコンテンツをピックアップし、ルートの走行順に再構成するなどして提示する。これらのモデルルートコンテンツは、ユーザがプラン選択にあたり実際にドライブをするイメージを促進したり、選択の材料になったりする。例えば、朝家を出発し、目的地はその日宿泊するホテルに設定した場合、システムとのやり取りの中で、「到着時刻までゆとりがある」「楽しめるところに寄り道したい」「妻、子供2人(家族旅行)」などの条件がシステムによって判断されると、動物園や食事するところが加えられたルートなどが提案される。その際、動物園の紹介映像やイベント情報、食事どころの基本情報などの映像がツーリング個別情報提示・出力手段で提示される。この複数の提案プランのデータはツーリング個別情報としてツーリング個別情報提示・出力手段へと渡される(図14の(6))。
ツーリング個別情報作成手段から渡されたツーリング個別情報は、ナビ画面や携帯電話など出力形式に応じたデータ形式に変換される。ユーザは自分の持つ出力媒体からツーリング個別情報を獲得し、提案されたプランの中から所望のプランを選択する。プランを選択することで、必要なデータがナビに登録され、一連のやり取りは終了する。
【0030】
図15は本発明による車両用情報授受システムのツーリング一般情報の作成・提示の例を説明するための図である。
以下にドライブでの利用例について述べる。道の駅、SA、PAなど各無線エリアに車が入ると提示番組評価が作動し、ドライブに出発する際にカーナビに入力した目的地ポイント、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の初期設定で入力した個人情報が自動で吸い上げられる(図15の1.)。
提示番組評価では、吸い上げたユーザ情報からユーザと目的地の位置関係や時間的制約、観光地や道の駅などの情報発信者のおすすめなど状況を判断し、ユーザのドライブに関連した情報を検索する。例えば目的地の天気や路面状態、ルートの渋滞情報、目的地付近やルート付近のイベント情報などが挙げられる。検索結果出てきた情報をもとにコンテンツDBに問い合わせ、地域一般情報と新鮮度付き地域映像からユーザが「ここに行きたい」「ここに寄りたい」と思わせるようなコンテンツを検索し、映像を抽出する。抽出したコンテンツ情報は、番組として番組キューへ渡される(図15の2.)。
番組キューは、受け取った番組を再生順番リストに追加して番組再生に渡し、番組再生では、再生順番リストに従って番組キューに入っている番組を再生する(図15の3.)。
再生される番組は、個別利用者専用ではなく、多くの利用者に見てもらうための一般番組であり、ツーリング一般情報である。番組キューの容量に制限があり追加番組により制限容量を超える場合、追加番組が入るように再生順番リストの一番古い番組から容量範囲内となるまで番組が順に削除される。番組の再生が終了すると基本的には、再生順番リストから削除するが、再生する番組が一定数以下にならないように削除しない場合もある。これは常時一定数の番組再生が行われるようにするためである。
再生された番組は、ツーリング一般情報提示手段に渡され大画面などの一般情報提示スクリーンで表示され、音声装置などで音声案内される。再生されたツーリング一般情報は、ツーリング一般情報提示手段の様々な媒体で番組視聴が可能である。例えば道の駅や各SA,PAなどの無線エリアに設置されたKIOSK端末(インターネットに常時接続されているタッチパネルディスプレイにて周辺の観光情報や地域、天候、道路の状況を検索できるような端末)、車両用情報授受システムを搭載した車のカーナビ、個人の携帯電話などに配信される(図15の4.)。
【0031】
情報の追加・更新は、基本的にシステムまたはシステムの情報操作限定者によって行われる。
地域一般情報の取得は、インターネット情報源のアドレスを事前に登録しておき、サーバーが自動的/定期的に(一定時間間隔や設定時刻に)登録されたアドレスから情報を取得し、情報取得の時刻を付加情報として付加する。サーバーは、情報取得時刻を参照して最新のものを利用者に提示する。
特別な場合、インターネットに載らないような情報は、システムの情報操作限定者によってシステムに入力しておき利用される。
地域一般情報は、遡って見られるように一定期間分あるいは一定回数分サーバーに残し、それ以上は削除するようにすることもできる。
新鮮度付き地域映像情報は、随時サーバーに追加され、登録時の時刻も情報として付加され、サーバーが映像情報の撮影時刻を参照し、基本的には撮影時刻が最新の映像情報を用いる。特定の場合には、最新時刻の撮影映像情報ではない。例えば、天候が悪い場合、景観地などの映像情報は、天候の良い時の映像情報が用いられることもある。時刻によっては、市街地などの夜景や打ち上げ花火などの夜間の映像情報を用いることもある。このような特定の場合には、システムまたはシステムの情報操作限定者の判断によって扱う情報の操作が行われる。
新鮮度付き地域映像情報のサーバーへの追加(またはアップロード)は、利用者が情報授受ステーションだけでなく、インターネット回線を介してどこからでも行うことができる。例えば、ツーリング後に自宅からパーソナルコンピュータによりインターネット回線を介して映像情報をアップロードし、必要情報を入力して新鮮度付き地域映像情報とすることができる。
新鮮度付き地域映像情報は、貴重なコンテンツとしてサーバーに集積され利用される。例えば、景観地などの映像は、四季折々の異なる映像が集積され、集まった映像から変化する風景を楽しむことができる。
【0032】
図16は、本発明による車両用情報授受システムのツーリング車両の構成を示す図である。質問を受信しその回答を送信する送受信装置は、受信装置である情報受信手段と送信装置であるツーリング情報処理装置に提供する手段とに分けて考えることができる。
同図においてツーリング車両は、カーナビゲーション装置、送受信装置、映像情報取得手段、取得情報を特定して前記ツーリング情報処理装置に提供する手段とを備えている。
ツーリング車両は、ツーリングのための車両本体の他に映像情報取得手段、映像情報格納手段、地図データベース、ナビゲーション手段、ツーリング情報処理装置に提供する手段、情報受信手段、入力手段、映像表示手段、音声出力手段とを有する。
地図データベースは、電子地図情報と地図上に表示する各種施設の情報を保管している。ナビゲーション手段は、一般的なカーナビゲーションシステムの持つ機能を有するナビゲーション装置であり、GPSセンサやジャイロセンサや車速センサ、および、その他車両側のBUSからの情報を元に自車位置を特定し、地図データベースに記録された道路情報とマッチングを行い、映像表示手段上に自車位置、経路、各種施設、映像情報などの表示を行い、状況に応じて音声出力手段により音声案内を行う。また、ナビゲーション手段は、現在位置の経度・緯度、目的地、経路情報、周辺の施設情報など、自身の現在の状態や地図データベースに記録された情報をツーリング情報処理装置に提供する手段、および映像情報取得手段へ提供する機能を有する。
映像表示手段は、液晶表示装置などで構成することができ、画像情報や映像情報などの表示を行う。
音声出力手段は、音声信号増幅器とスピーカで構成することができ、音声案内などの音声信号の拡声を行う。
入力手段は、リモートコントローラーや、有線で接続されたコントローラー・ボタン、タッチパネルなど、ドライバーからの入力を受け付けるデバイスである。
【0033】
図6は、本発明による車両用情報授受システムのツーリング車両の映像情報取得手段の構成を示すブロック図である。同図で映像情報取得手段は、点線で囲まれた範囲であり、カメラ、映像入力インターフェース(以下映像入力I/Fと記載する)、画像処理部、情報格納管理部および映像情報格納手段から構成される。
映像情報取得手段は、(ツーリング車両に設置されあるいは同乗者により保持され)ツーリング車両に接続されたカメラからの映像を連続的、またはあらかじめ設定された時間周期ごと、またはナビゲーション手段から出力される自車の状況、あるいは入力手段により入力されたドライバーからの指示により映像入力I/Fを介して取得し、あるいはツーリング車両を離れて撮影されたカメラ映像を映像入力I/Fを介して取得し、画像処理部において無圧縮または、所定の圧縮を行った上で、ナビゲーション手段からの情報を含めて情報格納管理部を介して映像情報格納手段へ格納する機能を有する。情報格納管理部は、映像を記録する際、ナビゲーション手段から出力される自身の現在の状態や地図データベースに記録された情報を映像情報と関連付けて保存する機能を持つ。
【0034】
図7は、本発明による車両用情報授受システムのツーリング車両のツーリング情報処理装置に提供する手段の構成を示すブロック図である。同図でツーリング情報処理装置に提供する手段は、点線で囲まれた範囲であり、送信可否判断部、送信情報加工部、送信管理部および情報送信インターフェース(I/F)から構成される。
ツーリング情報処理装置に提供する手段は、映像情報格納手段に記録された映像情報を、ツーリング情報処理装置との通信が可能な状況になった段階で、ツーリング情報処理装置へ提供する機能を有する。ツーリング情報処理装置との通信は、無線電波の状況をモニタリングし、送信可能になった段階で行うか、ツーリング情報処理装置もしくは、そのネットワークとの間で有線接続が確認された段階か、規定の通信環境に車両が到達し通信準備が完了し、入力手段によりドライバーの指示が行われた段階で行う。
情報受信手段は、ツーリング情報処理装置で作成されたツーリング一般情報を、無線または有線により取得する機能を持つ。情報の受信は、ツーリング情報処理装置との通信が確立した段階で、ツーリング情報処理装置へ新規情報のリクエストを行い、新規情報があった段階で行うか、ドライバーにより、入力手段を介して情報の更新指示が行われた段階で行う。ツーリング情報処理装置から取得した情報は、映像情報格納手段に記録する。
映像情報格納手段は、映像情報取得手段により取得された映像の記録・保持、および情報受信手段により取得された情報の記録・保持を行う機能を有する。新たに取得された映像を随時追加記録していくが、保持容量を超える場合には、古い映像から順に削除し新しい映像を追加していく。また、映像を保存する際に記録期間を設定し、保持期間が過ぎた段階で消去を行うか、ツーリング情報処理装置に提供する手段により、記録された映像が送信された場合にその映像を削除するか、情報受信手段により新たな情報が取得され記録された場合に過去の情報を削除する、またはそれらの機能を併用することにより、容量を確保する機能を持つ。
【0035】
観光地などへツーリング車両で移動中、その季節にしか見られない景色・風景を見つけた場合、ドライバーは、入力手段を操作し、その風景の映像撮影を指示する。入力手段からの撮影開始指示を受けた映像情報取得手段は、ツーリング車両に取り付けられた所望のカメラから映像を取得し、映像情報格納手段へ記録を行う。その際、ナビゲーション手段から、自車の現在位置(経度・緯度)、目的地、時間を映像情報に関連付けて記録する。さらに移動し、道の駅に到着した際に、ツーリング情報処理装置に提供する手段が無線ネットワークと接続していることを確認の上、ドライバーは映像情報格納手段に記録された景色・風景の映像情報と撮影時点の自車位置、目的地、時間の情報を前述のネットワークを介して、ツーリング情報処理装置へ送信する。さらに、その際、ツーリング情報処理装置に新規情報がある場合には、同ネットワークを介してその映像、その他一般情報を取得し、映像情報格納手段に格納し、ナビゲーション手段へ、新規情報を記録したことを通知する。ナビゲーション手段は、格納された新規情報を所定のフォーマットにしたがって、図8のレイアウトに加工し、映像表示手段上への表示、音声出力手段からの音声出力を行う。さらに、取得した情報に施設や経路に関する情報が含まれる場合、図9に示すような画面メニューを表示し、入力手段によって、ドライバーからの選択を受け付ける。ドライバーからの入力があった場合、図10に示すような経路、スポットに関する映像情報などの情報を表示装置に提示する。提示した複数の経路について、入力手段を用いてドライバーが選択を行った場合、ナビゲーション手段は、その目的地、経由地地点情報に基づき、経路を演算し、経路誘導を開始する。
先の例では、映像の撮影は、ツーリング車両に固定されたカメラを使用して行ったが、一般的なビデオカメラを用いて撮影を行い、映像情報取得手段を介してツーリング車両へ取り込み、ツーリング情報処理装置へ送信することも可能である。この場合、ビデオカメラとツーリング車両を無線または有線で接続し、ドライバーが入力手段を介して指示を行うことで、映像の取得、映像情報格納手段への記録を行う。取得を行った後の動作については、ツーリング車両に固定されたカメラを使用した場合と同様である。
【0036】
図8は本発明による車両用情報授受システムのツーリング一般情報提示手段の表示例を示す図である。
ツーリング一般情報作成手段で作成されたツーリング一般情報が、ツーリング一般情報提示手段において所定の書式に則って各地点の情報として一定時間間隔で表示装置に表示され音声アナウンスが提示される。例えば、図8のように地点Aの新鮮度付き地域映像情報や地域一般情報や広告情報等の各種情報が、画面に表示され音声アナウンスが提示される。映像は、動画であるが、場合によっては静止画像である。地点Aの情報が、システムで予め決めた時間が経過すると、地点B、地点C、・・・と順に提示される。
また、情報授受ステーションを離れている場合でも、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の装置を持ち無線で情報授受ステーションに接続できる場合には、カーナビ等の表示装置に表示し、音声アナウンスを提示することも可能である。
このように、ツーリング一般情報提示手段では、単に目的地までの道路状況や天候等の情報を提供するだけでなく、目的地までの経路周辺を含めた各種情報を提供することで、目的地までのツーリングを楽しんでもらうことができる。
【0037】
図9は本発明による車両用情報授受システムのツーリング意図個別情報入力手段の表示例を示す図である。
ツーリングをしている人達は、前記ツーリング一般情報作成手段の提示情報を参考に自分達の目的地までの時間的余裕を考慮して、自分達の目的地までの経路プランを選択することになる。
ツーリング意図個別情報入力手段では、例えば、図9のような表示装置の画面メニューや音声アナウンスに応じて本システムの利用者が入力用デバイスにて必要事項を入力する。入力用デバイスとしては、GUI(graphic user interface)に対応した入力用スイッチ、マウス、表示装置前面に取り付けられたタッチパネル、音声認識装置による音声インターフェース等で構成することができる。
本システムの利用者は、必須項目の入力後、経路選択を行う。システムの選択に任せるプランでは更にいくつかの選択肢を選択する。経路入力プランでは、立ち寄り地点をいくつか入力する。
また、情報授受ステーションを離れている場合でも、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の装置を持ち無線で情報授受ステーションに接続できる場合には、カーナビ等の表示装置に表示され音声アナウンスで提示された内容に対してカーナビ等の入力装置を利用して入力が可能である。
このようにして、ツーリング意図個別情報入力手段では、本システムの個別利用者のツーリング意図を個別情報としてシステムに入力する。
【0038】
図10は本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報提示・出力手段の提示の表示例を示す図である。
ツーリング情報提示・出力手段の提示では、ツーリング個別情報作成手段により作成された経路案を例えば、図10のようにいくつか表示装置の画面に表示し、音声アナウンスにより提示される。経路図には目的地までの経路と立ち寄り地点や周辺の情報がわかるように含まれている。
また、情報授受ステーションを離れている場合でも、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の装置を持ち無線で情報授受ステーションに接続できる場合には、カーナビ等の表示装置で表示され音声アナウンスにより提示され提示情報を見ることが可能である。
このように、ツーリング個別情報提示・出力手段の提示では、経路案を一つに絞らずいくつか提案することで本システムの利用者に選択の余地を与えてツーリングを楽しいものにしてもらうことができる。
【0039】
図11は本発明による車両用情報授受システムのツーリング情報選択手段の表示例を示す図である。
ツーリング情報選択手段では、ツーリング個別情報提示・出力手段で提示された経路案に対して音声アナウンスにより希望の経路案の選択を促し、選択用デバイスにより選択入力された経路案の表示情報を目立たせる。選択用デバイスとしては、入力用デバイスと共用することができる。
例えば、図11では経路案2の周囲を点線で囲って目立たせているが、選択した経路案を1画面で表示して目立たせることも可能である。選択し直したい場合には、元の画面に戻って選択し直すことができる。
また、情報授受ステーションを離れている場合でも、本システムで得られる情報を利用するカーナビ等の装置を持ち無線で情報授受ステーションに接続できる場合には、カーナビ等の表示装置で表示した内容に対して音声アナウンスにより希望の経路案の選択を促し、カーナビ等の装置の入力用デバイスにより選択入力された経路案の表示情報を目立たせる。
このように、ツーリング情報選択手段では、本システムの利用者が選択した経路案がどれか視覚的に明確にわかるようにする(目立たせる)ことで、誤操作等の間違いを防止することができる。
【0040】
図12は本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報提示・出力手段の出力の種々の態様を示す説明図である。
ツーリング個別情報提示・出力手段の出力では、ツーリング情報選択手段で選択された経路案を所定の場所(車両に設置された装置)に向けて、無線/有線/記憶媒体にて出力する。車両以外の出力先に携帯電話も可能であり、車両に装置を持たない場合には紙での印刷出力も可能である。また、無線/有線にはLAN等の回線が使用可能である。
このようにして、装置を持つ車両の利用者も装置を持たない車両の利用者も本システムを利用し、ツーリングをより楽しむことができる。
【0041】
図13は本発明による車両用情報授受システムのツーリング情報授受ステーションの情景を示す説明図である。
道の駅で個別情報や目的地を設定して、地域の一般情報,新鮮度付地域映像情報,経路の一般情報,新鮮度付経路映像情報などを得ることができる。
情報(ツーリング情報提示・出力手段の表示を見て利用者が選択した情報)を無線で車に送ったり、携帯端末(例えばPDAやポータブル映像プレイヤーなど)に転送したり、紙に印刷したり、携帯電話などに送ったりすることができる(図12参照)。
図13に示すように、大画面に複数の入力端末((1),(2),(3))を備え、画面を共有して情報を登録したり、見ることができる。同図の大画面内の(4),(5),(6)傍の枠内表示部分は、それぞれ入力端末の(1),(2),(3)に対応した表示である。
具体的に得られる情報としては、目的地の天気などの基本情報,観光インフォマーシャル(各観光地が持つ固有の情報やイベント情報、お得情報などの組み合わせに、ユーザがコンテンツを見てそこに行きたいと思った時に目的地に設定できたりチケットを購入できたりと、即行動につなげられるような仕組みを備えた映像コンテンツ),タイムサービス情報,割引チケット情報などがある。
図のような大型画面共有型の他に、インターネットに常時接続されているタッチパネルディスプレイにて周辺の観光情報や地域、天候、道路の状況を検索できるようなKIOSK端末なども利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明による車両用情報授受システムは、自動車産業、交通運輸、ツーリングのサービスの分野で広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による車両用情報授受システムのブロック図である。
【図2】本発明による車両用情報授受システムのツーリング意図個別情報入力手段のブロック図である。
【図3】本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報作成手段のブロック図である。
【図4】本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報提示・出力手段とツーリング情報選択手段のブロック図である。
【図5】本発明による車両用情報授受システムのツーリング一般情報作成手段とツーリング一般情報提示手段のブロック図である。
【図6】本発明による車両用情報授受システムの映像情報取得手段のブロック図である。
【図7】本発明による車両用情報授受システムのツーリング情報処理装置に提供する手段のブロック図である。
【図8】本発明による車両用情報授受システムのツーリング一般情報提示手段の表示例を示す図である。
【図9】本発明による車両用情報授受システムのツーリング意図個別情報入力手段の表示例を示す図である。
【図10】本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報提示・出力手段の提示の表示例を示す図である。
【図11】本発明による車両用情報授受システムのツーリング情報選択手段の表示例を示す図である。
【図12】本発明による車両用情報授受システムのツーリング個別情報提示・出力手段の出力の種々の態様を示す説明図である。
【図13】本発明による車両用情報授受システムのツーリング情報授受ステーションの情景を示す説明図である。
【図14】本発明による車両用情報授受システムのツーリング意図個別情報入力からツーリング個別情報の作成・提示・出力までの一連の流れの例を説明するための図である。
【図15】本発明による車両用情報授受システムのツーリング一般情報の作成・提示の例を説明するための図である。
【図16】本発明による車両用情報授受システムのツーリング車両の構成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域の交通と行楽に関する情報を地域一般情報および新鮮度付き地域映像情報として保有し、質問を受け、ツーリング個別情報作成手段により前記情報を処理して前記質問に対する回答を送信するツーリング情報処理装置と、
カーナビゲーション装置および質問を受信しその回答を送信する送受信装置とを備えるツーリング車両と、を含む車両用情報授受システムであって、
利用者は前記車両から目的地とツーリングの個別意図を前記ツーリング情報処理装置に送信し、前記ツーリング情報処理装置からの回答であるツーリング個別情報を利用するように構成した車両用情報授受システム。
【請求項2】
請求項1記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング情報処理装置は、前記地域一般情報および新鮮度付き地域映像情報を保有し、それらに基づいて、ツーリング一般情報を作成するツーリング一般情報作成手段を含むことを特徴とする車両用情報授受システム。
【請求項3】
請求項1記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング車両は、映像情報取得手段と、取得情報を特定して前記ツーリング情報処理装置に提供する手段とを備えることを特徴とする車両用情報授受システム。
【請求項4】
請求項3記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング車両は、ビデオカメラにより情報を取得し、画像処理して映像情報格納手段に保存するように構成したことを特徴とする車両用情報授受システム。
【請求項5】
請求項4記載の車両用情報授受システムにおいて、
前記ツーリング情報処理装置に提供する手段は、送信情報加工部、送信可否判断部、送信管理部、情報送信I/Fを備え、
前記映像情報格納手段に保存された映像情報を前記送信情報加工部により加工し、前記送信可否判断部の判断により前記送信管理部が前記情報送信I/Fを介して前記ツーリング情報処理装置に送信するように構成したことを特徴とする車両用情報授受システム。
【請求項6】
請求項2記載の車両用情報授受システムにおいて、
道路に関連する場所に情報授受ステーションを保有し、
前記情報授受ステーションは、前記情報授受ステーションと利用者間の情報授受インターフェースを備え、
前記ツーリング一般情報と、前記インターフェースで入力された質問に対するツーリング個別情報とを提示する提示手段を備えることを特徴とする車両用情報授受システム。
【請求項7】
請求項6記載の車両用情報授受システムにおいて、
ナビゲーションシステムを備えていない車両の搭乗者は、前記情報授受ステーションにおいて、ツーリング個別情報を有線または無線による接続による受信、記憶媒体に書込み、またはプリントアウトすることにより取得可能に構成したことを特徴とする車両用情報授受システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−107927(P2008−107927A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288116(P2006−288116)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(304023318)国立大学法人静岡大学 (416)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】