車両用遠隔操作装置
【課題】安全運転の妨げにならず、運転者の操作が可能か否かが明確となる車両用遠隔操作装置を提供する。
【解決手段】車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置された操作入力部と、運転席の前方にてフロントガラス下縁よりも上方に設置され、操作入力部上での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する入力表示部と、操作が非制限となる非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と非制限操作アイコンとの重なり画像領域と、操作が制限される制限操作アイコンを操作しようとする手部分と制限操作アイコンとの重なり画像領域との表示状態が互いに異なるものとなるように、手画像と操作アイコンとを合成表示する手画像合成表示制御手段と、を備える車両用遠隔操作装置として提供可能である。
【解決手段】車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置された操作入力部と、運転席の前方にてフロントガラス下縁よりも上方に設置され、操作入力部上での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する入力表示部と、操作が非制限となる非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と非制限操作アイコンとの重なり画像領域と、操作が制限される制限操作アイコンを操作しようとする手部分と制限操作アイコンとの重なり画像領域との表示状態が互いに異なるものとなるように、手画像と操作アイコンとを合成表示する手画像合成表示制御手段と、を備える車両用遠隔操作装置として提供可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力部と入力表示部とが、車室内の物理的に離れた位置に別々に配置され、入力表示部に、操作入力部で取得された手画像を入力表示部上の対応する位置に合成表示する車両用遠隔操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作スイッチが配置された操作部と、操作部における操作スイッチに対応する操作メニュー画像を表示する表示部とを、車室内の物理的に離れた位置に別々に配置し、表示部に、手の画像を操作メニュー画像に合成表示する合成表示手段を備える車両用遠隔操作装置において、これらの各画像に加えて、ユーザが前記操作部の全体領域における自己の指先の位置の属する領域を容易に把握できるような操作ガイド画像を表示するものが考案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−152984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、操作ガイド部を設ける必要があり、部品コストが増大するという問題がある。また、運転者は座席間の表示装置(図14の145)に視線を移動し、操作を確認しながら、操作情報を入力する必要がある。その間は走行方向前方から視線を移動しなければならず、安全運転の妨げになるという問題もある。
【0005】
また、車両用ナビゲーション装置では、安全上の理由から、車両が走行中には予め定められた操作以外は禁止されている。特許文献1の構成では、運転者の行いたい操作が禁止されているかどうかが明確ではない。
【0006】
上記問題を背景として、本発明の課題は、安全運転の妨げにならず、運転者の操作が可能か否かが明確となる車両用遠隔操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するための車両用遠隔操作装置は、車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置された操作入力部と、運転席の前方にてフロントガラス下縁よりも上方に設置され、操作入力部上での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する入力表示部と、操作入力部上の操作者の手画像を取得する手画像取得手段と、取得された手画像を入力表示部上の対応する位置に合成表示する手画像合成表示制御手段とを備え、操作アイコンは、操作者による操作が非制限となる非制限操作アイコンと、同じく操作が制限される制限操作アイコンとが定められ、手画像合成表示制御手段は、非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域と、制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該制限操作アイコンとの重なり画像領域である制限手部分画像領域との表示状態が互いに異なるものとなるように、手画像と操作アイコンとを合成表示することにより、入力表示部上にて非制限操作アイコンと制限操作アイコンとを操作者に識別させることを特徴とする。
【0008】
上記構成によって、入力表示部は運転者の運転視野内に設置されるので、車両走行時の安全性が確保されるとともに、必要な情報を視認することができる。また、現在どの機能が利用できて、どの機能が利用できないかを瞬時に判別することができる。
【0009】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、表示画面をフロントガラス上に投影表示するヘッドアップディスプレイであるように構成することもできる。
【0010】
航空機用に開発されたヘッドアップディスプレイは、近年、車両にも搭載されるようになっている。上記構成によって、比較的低コストで入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0011】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、サンバイザに取り付けられるように構成することもできる。
【0012】
上記構成によっても、入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0013】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、天井部に収納可能に取り付けられるように構成することもできる。
【0014】
車両の天井に収納する表示器は、いわゆる後席エンターテインメントシステムの一部として、後席向けを中心に普及しつつある。上記構成によっても、入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0015】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、ダッシュパネル上部に取り付けられるように構成することもできる。
【0016】
車両によっては、表示器をダッシュパネル上部に収納しているが、収納位置はダッシュパネル中央部であり運転視野内には含まれていない。上記構成によって、表示器を運転席前方に取り付ければ、入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0017】
また、本発明の車両用操作表示装置は、手画像に基づいて操作者が運転者か否かを判定する操作者判定手段と、判定に基づいて、操作アイコンを、非制限操作アイコンと制限操作アイコンのいずれかに定める操作制限設定手段と、を備えるように構成することもできる。
【0018】
上記構成によって、運転者以外の乗員が操作した場合に、利便性を損なうことを防止できる。
【0019】
また、本発明の車両用操作表示装置は、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、操作制限設定手段は、検出された車両の速度に基づいて、操作アイコンを、非制限操作アイコンと制限操作アイコンのいずれかに定めるように構成することもできる。
【0020】
上記構成によって、車両用ナビゲーション装置のように、車両が走行中に予め定められた操作が禁止される車載機器にも、本発明の車両用操作表示装置を適用することが可能となる。
【0021】
また、本発明の車両用操作表示装置における手画像合成表示制御手段は、非制限手部分画像領域と制限手部分画像領域のいずれか一方において、操作アイコンを手画像よりも前面に表示して、操作アイコンによって手画像を隠すように構成することもできる。
【0022】
上記構成によって、非制限操作アイコンと制限操作アイコンとを操作者に識別させることが可能となり、これらアイコンに対応する機能が使用可能か否かを視覚的に認識することが可能となる。
【0023】
また、本発明の車両用操作表示装置における手画像合成表示制御手段は、非制限手部分画像領域と制限手部分画像領域のいずれか一方において、手画像を半透明表示として操作アイコンの前面に表示するように構成することもできる。
【0024】
上記構成によっても、非制限操作アイコンと制限操作アイコンとを操作者に識別させることが可能となり、これらアイコンに対応する機能が使用可能か否かを視覚的に認識することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の車両用遠隔操作装置における実施の形態を、図面を参照して説明する。図1に、本発明の車両用遠隔操作装置を車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)10に適用したものを示す。ナビゲーション装置以外にも、車両用オーディオ装置のような入力操作部と表示部を備える車載機器にも適用可能である。
【0026】
ナビゲーション装置10は、車両の現在位置を検出する位置検出器110と、運転者等の操作者からの各種指示を入力するための操作情報入力部120と、地図データや各種の情報を記録した外部記録媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器140と、地図表示画面やTV(Television)画面等の各種表示を行うための表示装置145と、各種のガイド音声等を出力したり、運転者等の操作者の音声を入力したりするための音声入出力装置150と、車両情報等の各種のデータを記憶するためのハードディスク記憶装置155と、車両情報の授受を行うための車両I/F(Interface)部160と、他の通信装置170aと近距離無線通信を行うための無線通信機170と、上述した位置検出器110,操作情報入力部120,地図データ入力器140,ハードディスク記憶装置155,車両I/F部160,無線通信機170からの入力に応じて各種処理を実行し、これら位置検出器110,操作情報入力部120,地図データ入力器140,表示装置145,音声入出力装置150,ハードディスク記憶装置155,車両I/F部160,無線通信機170を制御する制御回路135とを備えている。
【0027】
位置検出器110は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機110aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ110bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する距離センサ110cと、地磁気から進行方位を検出する地磁気センサ110dとを備えている。そして、これら各センサ等110a〜110dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等(図示せず)を用いてもよい。
【0028】
操作情報入力部120は、操作部としてのタッチパネル125と、手画像100を入力するためのビデオカメラである手画像入力カメラ130とを備えている。タッチパネル125は、図2に示すように、車両のセンターコンソール部のような、車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置されており、手画像100の抽出を容易にするために、手との色合いを異ならせるように特定色(例えば、青色)に着色されている。また、手画像入力カメラ130は、タッチパネル125を撮影しており、撮影映像を制御回路135に出力している。なお、操作情報入力部120が本発明の操作入力部に相当する。
【0029】
また、タッチパネル125は、タッチセンサを備えており、タッチパネル125上のタッチセンサが押下されると、その座標が制御回路135に入力されるようになっている。なお、制御回路135において、タッチパネル125上のタッチセンサの操作入力受付範囲とメイン画面200上に表示されたスイッチ画像201とが関連付けられており、タッチパネル125上のタッチセンサが押下されると、メイン画面200上のスイッチ画像201が押下されたと判定されるようになっている(図7,8参照)。手画像入力カメラ130は、図2に示すように、車両のセンターコンソール部(あるいは後部座席部分)にタッチパネル125の表面を斜め上側から撮影するように取り付けられている。なお、手画像入力カメラ130が本発明の手画像取得手段に相当する。
【0030】
操作情報入力部120において、タッチパネル125の表面に手の指を当てて上下左右に移動させると、図7に示すように、手画像入力カメラ130が操作する手を含むタッチパネル125の表面を撮影する。制御回路135は、タッチパネル125の表面の撮影映像から公知の画像抽出手法(例えば、特開2003−346162号公報参照)を用いて手画像100を抽出し、画像合成部180により、図8に示すように、手画像100をサブ画面として表示装置145に表示されたメイン画面200(ここでは、地図操作画面)上に半透過合成して重畳表示する。なお、画像合成部180が本発明の手画像合成表示制御手段に相当する。
【0031】
このため、運転者等の操作者がタッチパネル125の表面に手の指を当てて上下左右に移動させると、これに併せて、表示装置145の表示画面上を手画像100が移動し、あたかも表示装置145の表面にタッチパネル125が存在しているかのような感覚で操作を行うことができる。この際、スイッチ画像201を押下したかどうかの検出は、タッチパネル125上にタッチセンサの操作入力受付範囲とメイン画面200上に表示されたスイッチ画像201とが関連付けられているので、タッチパネル125上のタッチセンサが押下されたことで、制御回路135がメイン画面200上のスイッチ画像201が押下されたと判定する。
【0032】
また、操作情報入力部120を図3のような構成としてもよい。図3の例は、タッチパネル125,手画像入力カメラ130等を一体型としたものの断面図を示したものである。タッチパネル125に透明あるいは半透明なものを用いて、タッチパネル125を透過して反射装置131に反射した手画像を手画像入力カメラ130で撮影するものである。タッチパネル125に透過型表示装置126を設けて、表示装置145の表示画像(メイン画面200)を補助的に表示してもよい。
【0033】
図1に戻り、地図データ入力器140は、ネットワークデータとしての道路データ,位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ等の地図データ,施設を示すマークデータ,案内用の画像や音声データ等を含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM,DVD−ROM,ハードディスク,メモリ,メモリカード等を用いることができる。
【0034】
表示装置145は、運転席の前方にてフロントガラス下縁よりも上方に設置されており、その表示画面には、位置検出器110にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器140より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク,目的地までの誘導経路,名称,目印,各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。なお、表示装置145が本発明の入力表示部に相当する。
【0035】
また、表示装置145は、上述のとおり、操作情報入力部120での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する。
【0036】
図4に表示装置145としてヘッドアップディスプレイ(HUD)を用いた例を示す。HUD145は、車両のウインドシールドガラス138に、上述の画像・データを表示するものである。HUD145は、インストルメントパネル139の内部に組み付けられていて、仮想サイドミラー画像を映し出す液晶パネル145aと、その液晶パネル145aに光を照射するバックライト145bとを備えている。バックライト145bから照射された光は、液晶パネル145aを透過してウインドシールドガラス138に入射し、運転席に着座したドライバーDRの目に向けて反射される。これにより、ウインドシールドガラス138に投影された画像が虚像VとしてドライバーDRの目に捉えられる。また、画像は、無限遠の点に結像するようにウインドシールドガラス138に投影される。なお、透過型の液晶パネル145aを用いたHUDに代えて、例えば反射型の液晶パネルを用いたHUDを使用してもよい。
【0037】
図5に表示装置145の設置方法の別例を示す。表示装置145は液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ等、いずれを用いてもよい。表示装置145は、運転席側のサンバイザ137に取り付けられ、サンバイザ137を展張した状態で、運転者は画像を見ることができる。
【0038】
図6に表示装置145の設置方法のさらに別例を示す。近年、車両の後席の乗員がTVやDVDを視聴することができる後席エンターテインメントシステムが普及しているが、後席乗員用の表示装置は天井に収納(閉位置)されている。後席乗員がTVやDVDを視聴する際には、表示装置を手動あるいはモータ駆動等により視聴可能となる非収納位置(開位置)に移動させるものである。この収納式表示装置を運転席上部の天井に取り付ける。この場合、サンバイザは周知のスライド式のものを用いることが好ましい。
【0039】
また、図6のように、表示装置145を、運転席の前方のインストルメントパネル139上に設置してもよい。表示装置145をインストルメントパネル139に収納可納としてもよい。
【0040】
また、表示装置145が、運転席側のサンバイザ137に収納され、サンバイザ137が収納された状態において、表示装置145が、閉位置と開位置との間で移動するようにしてもよい。
【0041】
図1に戻り、音声入出力装置150は、地図データ入力器140より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、車両I/F部160を介して取得した情報の読み上げ音声を出力することができる。また、音声入出力装置150は、図示しないマイクおよび周知の音声認識ユニットを含み、運転者等の操作者の音声をコマンド等として制御回路135に入力することができる。
【0042】
車速センサ159は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路135に送るものである。制御回路135では、その車輪の回転数を車両の速度に換算する。なお、車速センサ159が本発明の車速検出手段に相当する。
【0043】
車両I/F部160は、各種の外部情報を入出力するためのものであり、車両状態検出や、図示しないラジオアンテナを介して受信したFM(Frequency Modulation)放送信号や、道路近傍に配置されたVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報システム,登録商標)サービス用の固定局から受信した電波ビーコン信号および光ビーコン信号などを入力する。
【0044】
無線通信機170は、他の通信装置170aと狭帯域通信を行うためのものであり、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications),Bluetooth(登録商標),無線LAN(Local Area Network),UWB(Ultra Wideband)などが使用されている。
【0045】
制御回路135は、図示しない周知のCPU,ROM,RAM,I/O(Input/Output)およびこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、操作情報入力部120から取得した手画像100をサブ画面としてメイン画面200(地図操作画面等)に重畳するための画像合成部180を有していて、合成画像を生成している。
【0046】
また、制御回路135は、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、他にも、位置検出器110からの各検出信号に基づき座標および進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器140を介して読み込んだ現在位置付近の地図や、操作情報入力部120の操作によって指示された範囲の地図等を表示装置145に表示する地図表示処理や、地図データ入力器140に格納された地点データに基づき、操作情報入力部120の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内処理等を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、制御回路135は、無線通信機170を介して他の車両に搭載されたナビゲーション装置10(の他の通信装置170a)との間で情報交換をすることができる。なお、制御回路135が本発明の操作者判定手段,操作制限設定手段に相当する。
【0047】
図9を用いて、制御回路135による表示制御処理について説明する。なお、本処理は、車両用遠隔操作装置が右ハンドルの車両に搭載されていると仮定したものであり、左ハンドルの車両に搭載されている場合には、右手か左手かの判定が逆になる。
【0048】
まず、図7に示すように、タッチパネル125の前面に運転者等の操作者の手が進入してくると、制御回路135は、上述した公知の画像解析手法を使用して、手画像入力カメラ130の撮影映像を解析し、タッチパネル125と運転者等の操作者の手との色の相違等に基づいて手画像100を抽出する(S110)。
【0049】
次に、制御回路135は、抽出した手画像100が右手の手画像100であるか左手の手画像100であるかを判定する(S120)。
【0050】
手画像100が右手の手画像であれば(S120:右手)、制御回路135は、右ハンドルの車両の場合には運転者以外の手画像であり、ナビゲーション装置10の操作を許容してよいと判断し、スイッチ画像201(図10等参照)は非制限操作アイコンとなる。そして、非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域は、画像合成部180により、手画像100をメイン画面200に半透過合成して当該非制限操作アイコンの前面に重畳表示し(S180,図11参照)、表示制御処理を終了する。
【0051】
手画像100が左手の手画像であれば(S120:左手)、制御回路135は、右ハンドルの車両の場合には運転者の手画像100であり、走行強制等による操作制限状態であるか否かを判定するために、車速センサ159から車両I/F部160を経由して入力される車両速度が所定の走行強制速度(例えば、6km)以下かどうかを判定する(S140)。
【0052】
車両速度が所定の走行強制速度(例えば、6km)以下であれば(S140:YES)、制御回路135は、車両がほぼ停止していると判断し、スイッチ画像201は非制限操作アイコンとなる。そして、非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域は、画像合成部180により、手画像100をメイン画面200に半透過合成して当該非制限操作アイコンの前面に重畳表示し(S180,図11参照)、表示制御処理を終了する。
【0053】
一方、車両速度が所定の走行強制速度(例えば、6km)以下でなければ(S130:NO)、制御回路135は、車両が走行していると判断し、走行強制等で操作制限されたスイッチ画像201の位置と、メイン画面200上に表示すべき手画像100の位置とが重なり合っているかどうかを判定する(S150)。
【0054】
操作制限されたスイッチ画像201の位置と手画像100の位置とが重なり合っていない場合には(S150:NO)、制御回路135は、画像合成部180により、手画像100をメイン画面200に半透過合成して重畳表示し(S180,図11参照)、表示制御処理を終了する。
【0055】
操作制限されたスイッチ画像201の位置と手画像100の位置とが重なり合っている場合には(S150:YES)、スイッチ画像201は制限操作アイコンとなる。そして、制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該制限操作アイコンとの重なり画像領域である制限手部分画像領域は、画像合成部180により、当該制限操作アイコンを手画像100の前面に表示するよう加工処理を施す(S160)。
【0056】
次に、制御回路135は、画像合成部180により、加工処理後の手画像100をメイン画面200に重畳表示して(S170)、表示制御処理を終了する。
【0057】
図10に、図9のステップS170において表示装置145に表示される手画像100の表示例を示す。ここでは、表示装置145のメイン画面200には、地図操作画面が表示されており、このメイン画面200上には、現在地,目的地設定,メニュー,SECURITY,エアコン,オーディオ,画質・消,情報・Gの各種のスイッチ画像201が操作アイコンとして重畳表示されている。各種のスイッチ画像201のうちの、目的地設定,メニュー,情報・Gが、走行強制等で操作制限されたスイッチ画像(制限操作アイコン)であり、操作制限の対象とならない他のスイッチ画像201(非制限操作アイコン)とは異なる色で表示される。
【0058】
上述の実施例によれば、操作制限されたスイッチ画像201の位置と手画像100の位置とが重なり合っている場合には、手画像100と操作制限されたスイッチ画像201(目的地設定)との重畳部分100a(制限手部分画像領域)を削除して手画像100よりも前面に操作制限されたスイッチ画像201を表示する。これにより、運転者等の操作者は、該スイッチ画像201を操作することができないスイッチ操作制限状態であることを視覚的に認識することができる。
【0059】
図11に、図9のステップS180において表示装置145に表示される手画像100の表示例を示す。非制限操作アイコンである現在地スイッチを操作しようとしているので、手画像100とスイッチ画像201との重畳部分100a(非制限手部分画像領域)は半透明表示となり、運転者等の操作者は、該スイッチ画像201を操作することができることを視覚的に認識することができる。
【0060】
ところで、図10では、手画像100の操作制限されたスイッチ画像201との重畳部分を削除して手画像100を表示するようにしたが、重畳部分をどのように加工表示するかに関しては、種々の変形例を考えることができる。
【0061】
例えば、図11に示すように、運転者等の操作者の操作性を向上させるために、どの指が選択/押下する指かを判り易く表示する選択マーカー100bを手画像100に追加表示して、操作するための指の指定と、スイッチ画像201の押下点とを指示するようにした車両用遠隔操作装置も知られている。このような車両用遠隔操作装置の場合には、手画像100の位置がスイッチ画像201の位置と重なった場合には、選択マーカー100bを消去して上述の図10のような表示を行えば、操作者に対し、スイッチを操作することができるか否かを見易くすることができる。
【0062】
また、図12に例示するように、車両の走行速度が所定の走行強制速度(例えば、6km/h)以上になった時に、手画像100自体を表示しないようにしたり、透過度のより高い手画像100に変更したりするようにしてもよい。手画像100自体を表示しないようにするには、図9の表示制御処理のフローチャートにおいて、ステップS160およびS170を削除するようにすればよい。また、車両の走行速度に応じて、徐々に手画像100の透過度を高めるように表示してもよい。この他にも、車両の走行速度に応じて、手画像100の表示色を変更することも可能である。
【0063】
さらに、図13に例示するように、手画像100をメイン画面200に単に重ね合わせて重畳表示するような車両用遠隔操作装置も知られている。このような車両用遠隔操作装置の場合には、走行強制等で操作制限されたスイッチ画像201の位置と、メイン画面200上に表示すべき手画像100の位置とが重なり合っているときには、手画像100の操作制限されたスイッチ画像201との重畳部分100a(制限手部分画像領域)を表示しないようにするのではなく、重畳部分100aを透かし画像にするだけでもよい。
【0064】
以上、本発明の実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の車両用遠隔操作装置を用いた車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】車両用遠隔操作装置の概要を説明するための車室内の要部斜視図。
【図3】操作情報入力部の別例の断面図を示す図。
【図4】表示装置としてヘッドアップディスプレイを用いた例を示す図。
【図5】表示装置の設置方法の別例を示す図。
【図6】表示装置の設置方法のさらに別例を示す図。
【図7】撮影映像を例示する図。
【図8】表示装置のメイン画面に対する手画像の半透過合成を例示する図。
【図9】表示制御処理を示すフローチャート。
【図10】制限操作アイコンを操作したときの表示例を示す図。
【図11】非制限操作アイコンを操作したときの表示例を示す図。
【図12】重畳表示の別例を示す図。
【図13】重畳表示のさらに別例を示す図。
【図14】従来技術による表示装置設置例を示す図。
【符号の説明】
【0066】
10 車両用ナビゲーション装置
100 手画像
110 位置検出器
120 操作情報入力部(操作入力部)
125 タッチパネル
130 手画像入力カメラ(手画像取得手段)
135 制御回路(操作者判定手段,操作制限設定手段)
140 地図データ入力器
145 表示装置(入力表示部)
159 車速センサ(車速検出手段)
160 車両I/F部
180 画像合成部(手画像合成表示制御手段)
200 メイン画面
201 スイッチ画像(操作アイコン)
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力部と入力表示部とが、車室内の物理的に離れた位置に別々に配置され、入力表示部に、操作入力部で取得された手画像を入力表示部上の対応する位置に合成表示する車両用遠隔操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作スイッチが配置された操作部と、操作部における操作スイッチに対応する操作メニュー画像を表示する表示部とを、車室内の物理的に離れた位置に別々に配置し、表示部に、手の画像を操作メニュー画像に合成表示する合成表示手段を備える車両用遠隔操作装置において、これらの各画像に加えて、ユーザが前記操作部の全体領域における自己の指先の位置の属する領域を容易に把握できるような操作ガイド画像を表示するものが考案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−152984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、操作ガイド部を設ける必要があり、部品コストが増大するという問題がある。また、運転者は座席間の表示装置(図14の145)に視線を移動し、操作を確認しながら、操作情報を入力する必要がある。その間は走行方向前方から視線を移動しなければならず、安全運転の妨げになるという問題もある。
【0005】
また、車両用ナビゲーション装置では、安全上の理由から、車両が走行中には予め定められた操作以外は禁止されている。特許文献1の構成では、運転者の行いたい操作が禁止されているかどうかが明確ではない。
【0006】
上記問題を背景として、本発明の課題は、安全運転の妨げにならず、運転者の操作が可能か否かが明確となる車両用遠隔操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するための車両用遠隔操作装置は、車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置された操作入力部と、運転席の前方にてフロントガラス下縁よりも上方に設置され、操作入力部上での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する入力表示部と、操作入力部上の操作者の手画像を取得する手画像取得手段と、取得された手画像を入力表示部上の対応する位置に合成表示する手画像合成表示制御手段とを備え、操作アイコンは、操作者による操作が非制限となる非制限操作アイコンと、同じく操作が制限される制限操作アイコンとが定められ、手画像合成表示制御手段は、非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域と、制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該制限操作アイコンとの重なり画像領域である制限手部分画像領域との表示状態が互いに異なるものとなるように、手画像と操作アイコンとを合成表示することにより、入力表示部上にて非制限操作アイコンと制限操作アイコンとを操作者に識別させることを特徴とする。
【0008】
上記構成によって、入力表示部は運転者の運転視野内に設置されるので、車両走行時の安全性が確保されるとともに、必要な情報を視認することができる。また、現在どの機能が利用できて、どの機能が利用できないかを瞬時に判別することができる。
【0009】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、表示画面をフロントガラス上に投影表示するヘッドアップディスプレイであるように構成することもできる。
【0010】
航空機用に開発されたヘッドアップディスプレイは、近年、車両にも搭載されるようになっている。上記構成によって、比較的低コストで入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0011】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、サンバイザに取り付けられるように構成することもできる。
【0012】
上記構成によっても、入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0013】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、天井部に収納可能に取り付けられるように構成することもできる。
【0014】
車両の天井に収納する表示器は、いわゆる後席エンターテインメントシステムの一部として、後席向けを中心に普及しつつある。上記構成によっても、入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0015】
また、本発明の車両用操作表示装置における入力表示部は、ダッシュパネル上部に取り付けられるように構成することもできる。
【0016】
車両によっては、表示器をダッシュパネル上部に収納しているが、収納位置はダッシュパネル中央部であり運転視野内には含まれていない。上記構成によって、表示器を運転席前方に取り付ければ、入力表示部を運転者の運転視野内に設置することができる。
【0017】
また、本発明の車両用操作表示装置は、手画像に基づいて操作者が運転者か否かを判定する操作者判定手段と、判定に基づいて、操作アイコンを、非制限操作アイコンと制限操作アイコンのいずれかに定める操作制限設定手段と、を備えるように構成することもできる。
【0018】
上記構成によって、運転者以外の乗員が操作した場合に、利便性を損なうことを防止できる。
【0019】
また、本発明の車両用操作表示装置は、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、操作制限設定手段は、検出された車両の速度に基づいて、操作アイコンを、非制限操作アイコンと制限操作アイコンのいずれかに定めるように構成することもできる。
【0020】
上記構成によって、車両用ナビゲーション装置のように、車両が走行中に予め定められた操作が禁止される車載機器にも、本発明の車両用操作表示装置を適用することが可能となる。
【0021】
また、本発明の車両用操作表示装置における手画像合成表示制御手段は、非制限手部分画像領域と制限手部分画像領域のいずれか一方において、操作アイコンを手画像よりも前面に表示して、操作アイコンによって手画像を隠すように構成することもできる。
【0022】
上記構成によって、非制限操作アイコンと制限操作アイコンとを操作者に識別させることが可能となり、これらアイコンに対応する機能が使用可能か否かを視覚的に認識することが可能となる。
【0023】
また、本発明の車両用操作表示装置における手画像合成表示制御手段は、非制限手部分画像領域と制限手部分画像領域のいずれか一方において、手画像を半透明表示として操作アイコンの前面に表示するように構成することもできる。
【0024】
上記構成によっても、非制限操作アイコンと制限操作アイコンとを操作者に識別させることが可能となり、これらアイコンに対応する機能が使用可能か否かを視覚的に認識することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の車両用遠隔操作装置における実施の形態を、図面を参照して説明する。図1に、本発明の車両用遠隔操作装置を車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)10に適用したものを示す。ナビゲーション装置以外にも、車両用オーディオ装置のような入力操作部と表示部を備える車載機器にも適用可能である。
【0026】
ナビゲーション装置10は、車両の現在位置を検出する位置検出器110と、運転者等の操作者からの各種指示を入力するための操作情報入力部120と、地図データや各種の情報を記録した外部記録媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器140と、地図表示画面やTV(Television)画面等の各種表示を行うための表示装置145と、各種のガイド音声等を出力したり、運転者等の操作者の音声を入力したりするための音声入出力装置150と、車両情報等の各種のデータを記憶するためのハードディスク記憶装置155と、車両情報の授受を行うための車両I/F(Interface)部160と、他の通信装置170aと近距離無線通信を行うための無線通信機170と、上述した位置検出器110,操作情報入力部120,地図データ入力器140,ハードディスク記憶装置155,車両I/F部160,無線通信機170からの入力に応じて各種処理を実行し、これら位置検出器110,操作情報入力部120,地図データ入力器140,表示装置145,音声入出力装置150,ハードディスク記憶装置155,車両I/F部160,無線通信機170を制御する制御回路135とを備えている。
【0027】
位置検出器110は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機110aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ110bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する距離センサ110cと、地磁気から進行方位を検出する地磁気センサ110dとを備えている。そして、これら各センサ等110a〜110dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等(図示せず)を用いてもよい。
【0028】
操作情報入力部120は、操作部としてのタッチパネル125と、手画像100を入力するためのビデオカメラである手画像入力カメラ130とを備えている。タッチパネル125は、図2に示すように、車両のセンターコンソール部のような、車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置されており、手画像100の抽出を容易にするために、手との色合いを異ならせるように特定色(例えば、青色)に着色されている。また、手画像入力カメラ130は、タッチパネル125を撮影しており、撮影映像を制御回路135に出力している。なお、操作情報入力部120が本発明の操作入力部に相当する。
【0029】
また、タッチパネル125は、タッチセンサを備えており、タッチパネル125上のタッチセンサが押下されると、その座標が制御回路135に入力されるようになっている。なお、制御回路135において、タッチパネル125上のタッチセンサの操作入力受付範囲とメイン画面200上に表示されたスイッチ画像201とが関連付けられており、タッチパネル125上のタッチセンサが押下されると、メイン画面200上のスイッチ画像201が押下されたと判定されるようになっている(図7,8参照)。手画像入力カメラ130は、図2に示すように、車両のセンターコンソール部(あるいは後部座席部分)にタッチパネル125の表面を斜め上側から撮影するように取り付けられている。なお、手画像入力カメラ130が本発明の手画像取得手段に相当する。
【0030】
操作情報入力部120において、タッチパネル125の表面に手の指を当てて上下左右に移動させると、図7に示すように、手画像入力カメラ130が操作する手を含むタッチパネル125の表面を撮影する。制御回路135は、タッチパネル125の表面の撮影映像から公知の画像抽出手法(例えば、特開2003−346162号公報参照)を用いて手画像100を抽出し、画像合成部180により、図8に示すように、手画像100をサブ画面として表示装置145に表示されたメイン画面200(ここでは、地図操作画面)上に半透過合成して重畳表示する。なお、画像合成部180が本発明の手画像合成表示制御手段に相当する。
【0031】
このため、運転者等の操作者がタッチパネル125の表面に手の指を当てて上下左右に移動させると、これに併せて、表示装置145の表示画面上を手画像100が移動し、あたかも表示装置145の表面にタッチパネル125が存在しているかのような感覚で操作を行うことができる。この際、スイッチ画像201を押下したかどうかの検出は、タッチパネル125上にタッチセンサの操作入力受付範囲とメイン画面200上に表示されたスイッチ画像201とが関連付けられているので、タッチパネル125上のタッチセンサが押下されたことで、制御回路135がメイン画面200上のスイッチ画像201が押下されたと判定する。
【0032】
また、操作情報入力部120を図3のような構成としてもよい。図3の例は、タッチパネル125,手画像入力カメラ130等を一体型としたものの断面図を示したものである。タッチパネル125に透明あるいは半透明なものを用いて、タッチパネル125を透過して反射装置131に反射した手画像を手画像入力カメラ130で撮影するものである。タッチパネル125に透過型表示装置126を設けて、表示装置145の表示画像(メイン画面200)を補助的に表示してもよい。
【0033】
図1に戻り、地図データ入力器140は、ネットワークデータとしての道路データ,位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ等の地図データ,施設を示すマークデータ,案内用の画像や音声データ等を含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM,DVD−ROM,ハードディスク,メモリ,メモリカード等を用いることができる。
【0034】
表示装置145は、運転席の前方にてフロントガラス下縁よりも上方に設置されており、その表示画面には、位置検出器110にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器140より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク,目的地までの誘導経路,名称,目印,各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。なお、表示装置145が本発明の入力表示部に相当する。
【0035】
また、表示装置145は、上述のとおり、操作情報入力部120での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する。
【0036】
図4に表示装置145としてヘッドアップディスプレイ(HUD)を用いた例を示す。HUD145は、車両のウインドシールドガラス138に、上述の画像・データを表示するものである。HUD145は、インストルメントパネル139の内部に組み付けられていて、仮想サイドミラー画像を映し出す液晶パネル145aと、その液晶パネル145aに光を照射するバックライト145bとを備えている。バックライト145bから照射された光は、液晶パネル145aを透過してウインドシールドガラス138に入射し、運転席に着座したドライバーDRの目に向けて反射される。これにより、ウインドシールドガラス138に投影された画像が虚像VとしてドライバーDRの目に捉えられる。また、画像は、無限遠の点に結像するようにウインドシールドガラス138に投影される。なお、透過型の液晶パネル145aを用いたHUDに代えて、例えば反射型の液晶パネルを用いたHUDを使用してもよい。
【0037】
図5に表示装置145の設置方法の別例を示す。表示装置145は液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ等、いずれを用いてもよい。表示装置145は、運転席側のサンバイザ137に取り付けられ、サンバイザ137を展張した状態で、運転者は画像を見ることができる。
【0038】
図6に表示装置145の設置方法のさらに別例を示す。近年、車両の後席の乗員がTVやDVDを視聴することができる後席エンターテインメントシステムが普及しているが、後席乗員用の表示装置は天井に収納(閉位置)されている。後席乗員がTVやDVDを視聴する際には、表示装置を手動あるいはモータ駆動等により視聴可能となる非収納位置(開位置)に移動させるものである。この収納式表示装置を運転席上部の天井に取り付ける。この場合、サンバイザは周知のスライド式のものを用いることが好ましい。
【0039】
また、図6のように、表示装置145を、運転席の前方のインストルメントパネル139上に設置してもよい。表示装置145をインストルメントパネル139に収納可納としてもよい。
【0040】
また、表示装置145が、運転席側のサンバイザ137に収納され、サンバイザ137が収納された状態において、表示装置145が、閉位置と開位置との間で移動するようにしてもよい。
【0041】
図1に戻り、音声入出力装置150は、地図データ入力器140より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、車両I/F部160を介して取得した情報の読み上げ音声を出力することができる。また、音声入出力装置150は、図示しないマイクおよび周知の音声認識ユニットを含み、運転者等の操作者の音声をコマンド等として制御回路135に入力することができる。
【0042】
車速センサ159は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路135に送るものである。制御回路135では、その車輪の回転数を車両の速度に換算する。なお、車速センサ159が本発明の車速検出手段に相当する。
【0043】
車両I/F部160は、各種の外部情報を入出力するためのものであり、車両状態検出や、図示しないラジオアンテナを介して受信したFM(Frequency Modulation)放送信号や、道路近傍に配置されたVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報システム,登録商標)サービス用の固定局から受信した電波ビーコン信号および光ビーコン信号などを入力する。
【0044】
無線通信機170は、他の通信装置170aと狭帯域通信を行うためのものであり、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications),Bluetooth(登録商標),無線LAN(Local Area Network),UWB(Ultra Wideband)などが使用されている。
【0045】
制御回路135は、図示しない周知のCPU,ROM,RAM,I/O(Input/Output)およびこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、操作情報入力部120から取得した手画像100をサブ画面としてメイン画面200(地図操作画面等)に重畳するための画像合成部180を有していて、合成画像を生成している。
【0046】
また、制御回路135は、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、他にも、位置検出器110からの各検出信号に基づき座標および進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器140を介して読み込んだ現在位置付近の地図や、操作情報入力部120の操作によって指示された範囲の地図等を表示装置145に表示する地図表示処理や、地図データ入力器140に格納された地点データに基づき、操作情報入力部120の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内処理等を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、制御回路135は、無線通信機170を介して他の車両に搭載されたナビゲーション装置10(の他の通信装置170a)との間で情報交換をすることができる。なお、制御回路135が本発明の操作者判定手段,操作制限設定手段に相当する。
【0047】
図9を用いて、制御回路135による表示制御処理について説明する。なお、本処理は、車両用遠隔操作装置が右ハンドルの車両に搭載されていると仮定したものであり、左ハンドルの車両に搭載されている場合には、右手か左手かの判定が逆になる。
【0048】
まず、図7に示すように、タッチパネル125の前面に運転者等の操作者の手が進入してくると、制御回路135は、上述した公知の画像解析手法を使用して、手画像入力カメラ130の撮影映像を解析し、タッチパネル125と運転者等の操作者の手との色の相違等に基づいて手画像100を抽出する(S110)。
【0049】
次に、制御回路135は、抽出した手画像100が右手の手画像100であるか左手の手画像100であるかを判定する(S120)。
【0050】
手画像100が右手の手画像であれば(S120:右手)、制御回路135は、右ハンドルの車両の場合には運転者以外の手画像であり、ナビゲーション装置10の操作を許容してよいと判断し、スイッチ画像201(図10等参照)は非制限操作アイコンとなる。そして、非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域は、画像合成部180により、手画像100をメイン画面200に半透過合成して当該非制限操作アイコンの前面に重畳表示し(S180,図11参照)、表示制御処理を終了する。
【0051】
手画像100が左手の手画像であれば(S120:左手)、制御回路135は、右ハンドルの車両の場合には運転者の手画像100であり、走行強制等による操作制限状態であるか否かを判定するために、車速センサ159から車両I/F部160を経由して入力される車両速度が所定の走行強制速度(例えば、6km)以下かどうかを判定する(S140)。
【0052】
車両速度が所定の走行強制速度(例えば、6km)以下であれば(S140:YES)、制御回路135は、車両がほぼ停止していると判断し、スイッチ画像201は非制限操作アイコンとなる。そして、非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域は、画像合成部180により、手画像100をメイン画面200に半透過合成して当該非制限操作アイコンの前面に重畳表示し(S180,図11参照)、表示制御処理を終了する。
【0053】
一方、車両速度が所定の走行強制速度(例えば、6km)以下でなければ(S130:NO)、制御回路135は、車両が走行していると判断し、走行強制等で操作制限されたスイッチ画像201の位置と、メイン画面200上に表示すべき手画像100の位置とが重なり合っているかどうかを判定する(S150)。
【0054】
操作制限されたスイッチ画像201の位置と手画像100の位置とが重なり合っていない場合には(S150:NO)、制御回路135は、画像合成部180により、手画像100をメイン画面200に半透過合成して重畳表示し(S180,図11参照)、表示制御処理を終了する。
【0055】
操作制限されたスイッチ画像201の位置と手画像100の位置とが重なり合っている場合には(S150:YES)、スイッチ画像201は制限操作アイコンとなる。そして、制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該制限操作アイコンとの重なり画像領域である制限手部分画像領域は、画像合成部180により、当該制限操作アイコンを手画像100の前面に表示するよう加工処理を施す(S160)。
【0056】
次に、制御回路135は、画像合成部180により、加工処理後の手画像100をメイン画面200に重畳表示して(S170)、表示制御処理を終了する。
【0057】
図10に、図9のステップS170において表示装置145に表示される手画像100の表示例を示す。ここでは、表示装置145のメイン画面200には、地図操作画面が表示されており、このメイン画面200上には、現在地,目的地設定,メニュー,SECURITY,エアコン,オーディオ,画質・消,情報・Gの各種のスイッチ画像201が操作アイコンとして重畳表示されている。各種のスイッチ画像201のうちの、目的地設定,メニュー,情報・Gが、走行強制等で操作制限されたスイッチ画像(制限操作アイコン)であり、操作制限の対象とならない他のスイッチ画像201(非制限操作アイコン)とは異なる色で表示される。
【0058】
上述の実施例によれば、操作制限されたスイッチ画像201の位置と手画像100の位置とが重なり合っている場合には、手画像100と操作制限されたスイッチ画像201(目的地設定)との重畳部分100a(制限手部分画像領域)を削除して手画像100よりも前面に操作制限されたスイッチ画像201を表示する。これにより、運転者等の操作者は、該スイッチ画像201を操作することができないスイッチ操作制限状態であることを視覚的に認識することができる。
【0059】
図11に、図9のステップS180において表示装置145に表示される手画像100の表示例を示す。非制限操作アイコンである現在地スイッチを操作しようとしているので、手画像100とスイッチ画像201との重畳部分100a(非制限手部分画像領域)は半透明表示となり、運転者等の操作者は、該スイッチ画像201を操作することができることを視覚的に認識することができる。
【0060】
ところで、図10では、手画像100の操作制限されたスイッチ画像201との重畳部分を削除して手画像100を表示するようにしたが、重畳部分をどのように加工表示するかに関しては、種々の変形例を考えることができる。
【0061】
例えば、図11に示すように、運転者等の操作者の操作性を向上させるために、どの指が選択/押下する指かを判り易く表示する選択マーカー100bを手画像100に追加表示して、操作するための指の指定と、スイッチ画像201の押下点とを指示するようにした車両用遠隔操作装置も知られている。このような車両用遠隔操作装置の場合には、手画像100の位置がスイッチ画像201の位置と重なった場合には、選択マーカー100bを消去して上述の図10のような表示を行えば、操作者に対し、スイッチを操作することができるか否かを見易くすることができる。
【0062】
また、図12に例示するように、車両の走行速度が所定の走行強制速度(例えば、6km/h)以上になった時に、手画像100自体を表示しないようにしたり、透過度のより高い手画像100に変更したりするようにしてもよい。手画像100自体を表示しないようにするには、図9の表示制御処理のフローチャートにおいて、ステップS160およびS170を削除するようにすればよい。また、車両の走行速度に応じて、徐々に手画像100の透過度を高めるように表示してもよい。この他にも、車両の走行速度に応じて、手画像100の表示色を変更することも可能である。
【0063】
さらに、図13に例示するように、手画像100をメイン画面200に単に重ね合わせて重畳表示するような車両用遠隔操作装置も知られている。このような車両用遠隔操作装置の場合には、走行強制等で操作制限されたスイッチ画像201の位置と、メイン画面200上に表示すべき手画像100の位置とが重なり合っているときには、手画像100の操作制限されたスイッチ画像201との重畳部分100a(制限手部分画像領域)を表示しないようにするのではなく、重畳部分100aを透かし画像にするだけでもよい。
【0064】
以上、本発明の実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の車両用遠隔操作装置を用いた車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】車両用遠隔操作装置の概要を説明するための車室内の要部斜視図。
【図3】操作情報入力部の別例の断面図を示す図。
【図4】表示装置としてヘッドアップディスプレイを用いた例を示す図。
【図5】表示装置の設置方法の別例を示す図。
【図6】表示装置の設置方法のさらに別例を示す図。
【図7】撮影映像を例示する図。
【図8】表示装置のメイン画面に対する手画像の半透過合成を例示する図。
【図9】表示制御処理を示すフローチャート。
【図10】制限操作アイコンを操作したときの表示例を示す図。
【図11】非制限操作アイコンを操作したときの表示例を示す図。
【図12】重畳表示の別例を示す図。
【図13】重畳表示のさらに別例を示す図。
【図14】従来技術による表示装置設置例を示す図。
【符号の説明】
【0066】
10 車両用ナビゲーション装置
100 手画像
110 位置検出器
120 操作情報入力部(操作入力部)
125 タッチパネル
130 手画像入力カメラ(手画像取得手段)
135 制御回路(操作者判定手段,操作制限設定手段)
140 地図データ入力器
145 表示装置(入力表示部)
159 車速センサ(車速検出手段)
160 車両I/F部
180 画像合成部(手画像合成表示制御手段)
200 メイン画面
201 スイッチ画像(操作アイコン)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置された操作入力部と、
前記運転席の前方にて前記フロントガラス下縁よりも上方に設置され、前記操作入力部上での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、前記操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する入力表示部と、
前記操作入力部上の操作者の手画像を取得する手画像取得手段と、
取得された前記手画像を前記入力表示部上の対応する位置に合成表示する手画像合成表示制御手段とを備え、
前記操作アイコンは、前記操作者による操作が非制限となる非制限操作アイコンと、同じく操作が制限される制限操作アイコンとが定められ、
前記手画像合成表示制御手段は、前記非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域と、前記制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該制限操作アイコンとの重なり画像領域である制限手部分画像領域との表示状態が互いに異なるものとなるように、前記手画像と前記操作アイコンとを合成表示することにより、前記入力表示部上にて前記非制限操作アイコンと前記制限操作アイコンとを前記操作者に識別させることを特徴とする車両用遠隔操作装置。
【請求項2】
前記入力表示部は、表示画面を前記フロントガラス上に投影表示するヘッドアップディスプレイである請求項1に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項3】
前記入力表示部は、サンバイザに取り付けられる請求項1または請求項2に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項4】
前記入力表示部は、天井部に収納可能に取り付けられる請求項1ないし3のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項5】
前記入力表示部は、ダッシュパネル上部に取り付けられる請求項1ないし4のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項6】
前記手画像に基づいて前記操作者が運転者か否かを判定する操作者判定手段と、
前記判定に基づいて、前記操作アイコンを、前記非制限操作アイコンと前記制限操作アイコンのいずれかに定める操作制限設定手段と、
を備える請求項1ないし5のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項7】
前記車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
前記操作制限設定手段は、検出された前記車両の速度に基づいて、前記操作アイコンを、前記非制限操作アイコンと前記制限操作アイコンのいずれかに定める請求項6に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項8】
前記手画像合成表示制御手段は、前記非制限手部分画像領域と前記制限手部分画像領域のいずれか一方において、前記操作アイコンを前記手画像よりも前面に表示して、前記操作アイコンによって前記手画像を隠す請求項1ないし7のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項9】
前記手画像合成表示制御手段は、前記非制限手部分画像領域と前記制限手部分画像領域のいずれか一方において、前記手画像を半透明表示として前記操作アイコンの前面に表示する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項1】
車両のフロントガラス下縁よりも下方にて運転席から操作可能な位置に設置された操作入力部と、
前記運転席の前方にて前記フロントガラス下縁よりも上方に設置され、前記操作入力部上での入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有し、前記操作系座標上の予め定められたアイコン操作位置に対応する位置に操作アイコンを表示する入力表示部と、
前記操作入力部上の操作者の手画像を取得する手画像取得手段と、
取得された前記手画像を前記入力表示部上の対応する位置に合成表示する手画像合成表示制御手段とを備え、
前記操作アイコンは、前記操作者による操作が非制限となる非制限操作アイコンと、同じく操作が制限される制限操作アイコンとが定められ、
前記手画像合成表示制御手段は、前記非制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該非制限操作アイコンとの重なり画像領域である非制限手部分画像領域と、前記制限操作アイコンを操作しようとする手部分と当該制限操作アイコンとの重なり画像領域である制限手部分画像領域との表示状態が互いに異なるものとなるように、前記手画像と前記操作アイコンとを合成表示することにより、前記入力表示部上にて前記非制限操作アイコンと前記制限操作アイコンとを前記操作者に識別させることを特徴とする車両用遠隔操作装置。
【請求項2】
前記入力表示部は、表示画面を前記フロントガラス上に投影表示するヘッドアップディスプレイである請求項1に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項3】
前記入力表示部は、サンバイザに取り付けられる請求項1または請求項2に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項4】
前記入力表示部は、天井部に収納可能に取り付けられる請求項1ないし3のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項5】
前記入力表示部は、ダッシュパネル上部に取り付けられる請求項1ないし4のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項6】
前記手画像に基づいて前記操作者が運転者か否かを判定する操作者判定手段と、
前記判定に基づいて、前記操作アイコンを、前記非制限操作アイコンと前記制限操作アイコンのいずれかに定める操作制限設定手段と、
を備える請求項1ないし5のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項7】
前記車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
前記操作制限設定手段は、検出された前記車両の速度に基づいて、前記操作アイコンを、前記非制限操作アイコンと前記制限操作アイコンのいずれかに定める請求項6に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項8】
前記手画像合成表示制御手段は、前記非制限手部分画像領域と前記制限手部分画像領域のいずれか一方において、前記操作アイコンを前記手画像よりも前面に表示して、前記操作アイコンによって前記手画像を隠す請求項1ないし7のいずれかに1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【請求項9】
前記手画像合成表示制御手段は、前記非制限手部分画像領域と前記制限手部分画像領域のいずれか一方において、前記手画像を半透明表示として前記操作アイコンの前面に表示する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の車両用遠隔操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図14】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図14】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−51253(P2009−51253A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217292(P2007−217292)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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