説明

車両運転支援システム

【課題】踏み切りの手前で車両を確実に減速して一時停止させ、安全に発進させることができる車両運転支援システム10を提供する。
【解決手段】 TVカメラ15を有し、車両の進行方向の道路状況を撮像した画像データを検出する画像検出手段11と、画像データに基づいて車両の進行方向に特定の対象物を検出する画像解析手段12と、画像解析手段12が車両の進行方向に踏み切りを検出すると、踏み切りに接近していることを運転者に通知し、車両の減速および一時停止を促す出力手段13と、車両の減速量に応じて、車両の減速および一時停止をアシストする車両制御手段14と、を具備する。更に、車載カーナビケーションシステム41を備え、車載カーナビケーションシステム41と画像解析手段12の検出結果を比較し、比較結果に応じて車両制御手段14を制御する。実際の道路状況を勘案しながら、ナビモードで走行できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転者は踏み切りの手前で車両を減速して一時停止し、安全を確認してから踏み切りを横断することが法令で義務付けられている。
しかし、運転者の操作ミス(アクセルとブレーキの操作ミス等)および無理な横断による遮断機の破壊、あるいは踏切内に車両が立ち入り、そこに電車が衝突する事故があとを立たないのが現状である。
【0003】
これに対して、運転者が意識しなくても、車両が踏み切りに接近したことを運転者に通知し、踏み切りの手前で車両を一時停止させる装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示されたブレーキ制御装置は、車両ナビゲーションシステムによる現在の自車位置が踏み切りに接近することを検出する手段と、外部音の集音器からの音響が踏み切り警報器の音響を識別し検出する手段と、この二つの検出手段がともに検出出力を送出しているときに、ブレーキ操作がなければ自動的にブレーキ制御を行うとともに踏み切り警報器の音響を識別し検出する手段に検出出力が継続するかぎりブレーキペダルが解放されてもブレーキ圧力を保持する制御回路を具備している。
【0005】
然しながら、特許文献1に開示されたブレーキ制御装置は、ブレーキ制御を警報器の音響で判断しているので、周囲の騒音などに影響されて誤判定する恐れがある。
【0006】
また、車両ナビゲーションシステムによる現在の自車位置が踏み切りに接近することを検出した結果が常に正しいという前提で制御が行われようになっているため、検出結果が実際の道路状況と一致しない場合に、意図しない操作が行われる恐れがある。
【0007】
検出結果が実際の道路状況と一致しない場合とは、例えば、車両ナビゲーションシステムに最新でない地図データが格納されているために、地図上には踏み切りがあるが、道路拡張等の立体交差化により撤去されており、実際には踏み切りが存在しない場合。
地図上には踏み切りがあるが、道路が踏み切りを横断する側道と踏み切りを跨ぐ高架道路とに分かれており、車両が高架道路を走行する場合などがある。
【特許文献1】特開2003−312461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、踏み切りの手前で車両を確実に減速して一時停止させ、安全に発進させることができる車両運転支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様の車両運転支援システムは、TVカメラを有し、車両の進行方向の道路状況を撮像した画像データを検出する画像検出手段と、前記画像データに基づいて前記車両の進行方向に特定の対象物を検出する画像解析手段と、前記画像解析手段が前記車両の進行方向に踏み切りを検出したときに、前記踏み切りに接近していることを運転者に通知し、前記車両の減速および一時停止を促す出力手段と、前記車両の減速量に応じて、前記車両の減速および一時停止をアシストする車両制御手段と、を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、踏み切りの手前で車両を確実に減速して一時停止させ、安全に発進させることができる車両運転支援システムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0012】
本発明の実施例に係る車両運転支援システムについて、図1および図2を用いて説明する。図1は車両運転支援システムの構成を示すブロック図、図2は車両運転支援システムの全体動作を示すフローチャートである。
【0013】
図1に示すように、本実施例の車両運転支援システム10は、車両の進行方向の道路状況を撮像した画像データを検出する画像検出手段11と、画像データに基づいて車両の進行方向に特定の対象物を検出する画像解析手段12と、画像解析手段12が車両の進行方向に踏み切りを検出したときに、踏み切りに接近していることを運転者に通知し、車両の減速および一時停止を促す出力手段13と、車両の減速量に応じて、車両の減速および一時停止をアシストする車両制御手段14と、を具備している。
【0014】
画像検出手段11は、オートフォーカス機構を有し、撮像素子として例えばCCD(Charge Coupled device)を用いたTVカメラ15と、オートフォーカスおよびカメラの動作を制御するAF/カメラ制御部16を有し、車両の進行方向の道路状況を撮像した画像データを検出する。
【0015】
道路状況を特定する対象物には、比較的遠方に位置する信号機や踏切と、比較的近くにに位置する踏み切りの警報灯や遮断棹などがある。
従って、オートフォーカス機構を有するTVカメラ15は、比較的遠方に位置する信号機、踏切を撮像する用途と、比較的近くに位置する踏み切りの警報灯や遮断棹を撮像する用途に応じて、焦点距離が異なる光学レンズ系を有し、且つ少なくとも焦点距離の短い方の光学レンズ系にオートフォーカス機構を備えていることが望ましい。これにより、それぞれ最適な画像データを得ることができる。
【0016】
画像解析手段12は、画像検出手段11からの画像データをデジタルデータに変換するアナログデジタル変換部20と、デジタル変換された画像データを記憶する画像記憶部21と、画像データから信号機、踏切、警報灯、遮断棹などをパターンマッチングにより検出するための画像処理プロセッサーと、検出結果に応じて出力手段13および車両制御手段14の動作を判断するマイクロプロセッサとを有する演算部22と、演算データを一時記憶するデータ記憶部23と、演算部の処理手順を記憶したプログラム記憶部24と、外部とのデータや信号をやり取りするインターフェイス25とを具備している。
【0017】
出力手段13は、車両が踏み切りに接近していることを示す情報と、車両の減速および一時停止を促すメッセージとを表示するためのディスプレイ30と、情報を音声で伝えるためのスピーカ31とを具備している。
【0018】
車両制御手段14は、燃料の供給量を制御するためのエンジン制御手段32とブレーキの踏み込み量を制御するためのブレーキ制御手段33を具備している。
【0019】
エンジン制御手段32は、電子制御回路34と、エンジン制御ユニット35とを有している。運転者による車両の減速が不十分である場合に、画像解析手段12からの指令により、電子制御回路34はエンジン制御ユニット35を駆動してエンジン36に供給する燃料を減少させる。
同様に、電子制御回路34は画像解析手段12から車両の一時停止解除の指令を受信すると、エンジン制御ユニット35を駆動してエンジン36への燃料供給を通常に戻す。
【0020】
ブレーキ制御手段33は、車両の減速・停止状態を検出するための車速センサ37と、ブレーキセンサ38と、ブレーキ制御ユニット39とを備えている。
【0021】
車速センサ37は車両の走行速度がゼロであることを検出し、ブレーキセンサ38は運転者がブレーキ40を作動させていることを検出する。
車速センサ37およびブレーキセンサ38の両方の出力に基づいて、車両の減速、一時停止状況が判断され、車両の減速、一時停止信号が画像解析手段12に出力される。
【0022】
ブレーキ制御ユニット39は、運転者による車両の減速が不十分である場合に、画像解析手段12からの指令により作動し、ブレーキ40の踏み込み量を増加させて車両の減速をアシストする。
【0023】
更に、GPSにより車両の現在位置情報を入手し、記憶部に格納されている地図情報から車両が特定の対象物に接近していることを検出する機能を有する車両ナビゲーションシステム41を具備している。
【0024】
更に、画像解析手段12は、車両にカーナビゲーションシステム41が装備されている場合に、インターフェイス25を介してカーナビゲーションシステム41から現在地の地図に登録されている信号機および踏切などの設置場所などの情報を事前に得ることができる。
【0025】
図2に示すように、車両ナビゲーションシステム41の有無がチェックされ(ステップS01)、車両ナビゲーションシステム41が装備されていない場合は(ステップS01のNo)、車両は運転者の判断による通常モードで走行し(ステップS02)、車両ナビゲーションシステム41が装備されている場合は(ステップS01のYes)、車両は車両ナビゲーションシステム41の誘導に従うナビモードで走行する(ステップ15)。
【0026】
始めに、車両ナビゲーションシステム41が装備されていない、通常モードで走行する場合について説明する。
【0027】
画像検出手段12が、車両の進行方向の道路状況の画像データを検出する(ステップS03)。
【0028】
次に、画像解析手段13が、画像データに基づいて、車両の進行方向の特定対象物を検出する(ステップS04)。
【0029】
次に、特定対象部が踏み切りか否かがチェックされ(ステップS05)、踏み切りが検出されると(ステップS05のYes)、出力手段13により踏み切りに接近していることを通知し、車両の減速および一時停止を促すメッセージをディスプレイ30に表示し、同時にスピーカ31から音声で運転者に通知し、車両の減速および一時停止を促す(ステップS06)。
【0030】
次に、ブレーキ制御手段33の車速センサ37およびブレーキセンサ38により、運転者がブレーキ40を踏み込み、車両が十分に減速されたか否かがチェックされる(ステップS07)。
減速がない場合は(ステップS07のNo)、車両制御手段14により減速をアシストする(ステップS08)。
【0031】
具体的には、エンジン制御手段32によりエンジン36への燃料供給を制御し、更に減速が不足の場合は、ブレーキ制御ユニット39により車両の減速をアシストし、所定の位置に車両を一時停止させる(ステップS09)。
【0032】
一方、十分に減速されている場合は(ステップS07のYes)、運転者の操作のみで車両が一時停止できるので、ステッフS09へ行く。
【0033】
次に、画像検出手段12および画像解析手段13により、踏み切りの警報灯の点滅がチェックされ(ステップS10)、踏み切りの警報灯の点滅が検出されている間は(ステップS10のYes)、ステップS09へ戻り、一時停止が継続される。
【0034】
一方、警報灯の点滅が検出されなくなると(ステップS10のNo)、踏み切りの遮断棹の有無がチェックされ(ステップS11)、遮断棹が有る場合に(ステップS11のYes)、遮断棹が下りているかがチェックされ(ステップS12)、遮断棹が下りている間は(ステップS12のYes)、ステップS09へ戻り、一時停止が継続される。
【0035】
一方、遮断棹が上がった状態が確認されると(ステップS12のNo)、一時停止が解除され(ステップS13)、運転者により通常走行モードで車両の走行が開始される(ステップS14)。
【0036】
次に、車両ナビゲーションシステム41を有し、ナビモードで走行する場合について説明する。
【0037】
車両ナビゲーションシステム41がGPSにより車両の現在位置情報を入手し、車両の現在位置情報と車両ナビゲーションシステム41に格納されている地図データとから、車両が踏み切りに接近しているかがチェックされる(ステップS16)。
【0038】
車両が踏み切りに接近している場合に(ステップS16のYes)、画像検出手段12により進行方向の道路状況の画像データを検出し(ステップS17)、画像解析手段13により画像データに基づいて特定対象物を検出する(ステップS18)。
【0039】
次に、特定対象部が踏み切りか否かがチェックされ(ステップS19)、踏み切りが検出されると(ステップS19のYes)、ステップS06へ行き、出力手段13により踏み切りに接近していることを運転者に通知し、車両の減速および一時停止を促す。
【0040】
一方、車両が踏み切りに接近していない場合(ステップS16のNo)、および踏み切りが検出されない場合(ステップS19のNo)、ステップS16へ戻り、ステップS16からステップS19を繰り返す。
【0041】
次に、図3および図4を用いて、画像解析手段12が車両の進行方向に踏み切りを検出したときの動作について具体的に説明する。
図3は踏み切りにおける第1の道路状況を示す模式図、図4は踏み切りにおける第2の道路状況を示す模式図である。
【0042】
図3に示すように、第1の道路状況50は、道路51と線路52a、52bが交差する踏み切り53に警報機54a〜54dが設置されている。
電車55が線路52b上を走行し、踏み切り53に近づきつつある。警報機54a〜54dはいっせいに警報灯を点滅させ、遮断棹56が下りて、電車55が踏み切り53を通過することを知らせている。
【0043】
画像検出手段11により進行方向を監視しながら、車両57が踏み切り53に向かって道路51上を走行している。
車両57a、車両57bは、車両57が踏み切り53に接近し、減速して一時停止する様子を示している。
【0044】
車両57は踏み切り53のかなり手前を走行し、踏み切り53は画像検出手段11の検出範囲から外れているので、画像解析手段12は進行方向の踏み切り53を検出していない。
【0045】
車両57aが踏み切りに接近し、踏み切り53が画像検出手段11の検出範囲に入ってくると、画像解析手段12は進行方向に踏み切り53を検出する。
【0046】
ここで、出力手段13により踏み切り53に接近していることが運転者に通知され、車両の減速および一時停止が促される。
運転者は通知を受けてブレーキ40を踏み、車両を減速する。車両57aの減速量が不十分な場合は、車両制御手段14により車両57aの減速をアシストし、停止線58に近づくと、車両57bを一時停止させる。
【0047】
これにより、車両57bは停止線70で確実に一時停止することが可能であり、電車68の通過待ちになる。
【0048】
次に、画像検出手段11および画像解析手段12が踏み切り53の警報機54a〜54dの警報灯が点滅している状態を検出している間は、車両制御手段14によりブレーキ40が固定され、車両57bは一時停止を継続する。
更に、画像検出手段11および画像解析手段12が踏み切り53に遮断棹56が設置されており、且つ遮断棹56が下りている状態を検出している間は、車両制御手段14によりブレーキ40が固定され、車両57bは一時停止を継続する。
【0049】
これにより、電車55の踏み切り53の通過が完了する前に、運転者が先をあせって踏み切り53に侵入する危険行為を防止することが可能である。
【0050】
車両57bは、警報機54a〜54dの警報灯の点滅が終了し、遮断棹56が上がった状態が確認されると、一時停止が解除され、発進できるようになる。
【0051】
図4に示すように、第2の道路状況60は、高架道路61が線路62a、62bを跨ぐように立体交差し、高架道路61と平行している側道63が線路62a、62bと交差している。
【0052】
側道63と線路62a、62bが交差する踏み切り64に警報機65a〜65dが設置されている。
【0053】
側道63を第1車両66が踏み切り64に向かって走行し、高架道路61を第2車両67が踏み切り64に向かって走行している。
【0054】
第1車両66および第2車両67は、それぞれ車両ナビゲーションシステム41を有し、第1車両66および第2車両67の運転者は、それぞれ車両ナビゲーションシステム41の誘導に従って走行している(ナビモード)。
【0055】
線路62a上を電車68が走行し、踏み切り64に近づきつつある。警報機65a〜65dはいっせいに警報灯を点滅させ、遮断棹69が下りて、電車68が踏み切り64を通過することを知らせている。
【0056】
車両66の車両ナビゲーションシステム41は、GPSにより車両66の現在位置情報を入手し、格納されている地図情報を参照して車両66の進行方向にある一番近い踏み切り64を検出すると、画像検出手段11は車両66の進行方向の道路状況を撮像し、撮像した画像データを画像解析手段12に出力する。
【0057】
次に、画像解析手段12が車両66の進行方向に踏み切り64があることを検出すると、出力手段13により踏み切り64に接近していることが運転者に通知され、車両66の減速および一時停止が促される。
【0058】
通知を受けて、運転者はブレーキ40を踏み、車両66を減速する。車両66の減速量が不十分な場合は、車両制御手段14により車両66の減速をアシストし、停止線70に近づくと、車両66を一時停止させる。
【0059】
これにより、車両66は停止線70で確実に一時停止することが可能であり、電車68の通過待ちになる。
【0060】
次に、画像検出手段11および画像解析手段12が踏み切り64の警報機65a〜65dの警報灯が点滅している状態を検出している間は、車両制御手段14によりブレーキ40が固定され、車両66は一時停止を継続する。
更に、画像検出手段11および画像解析手段12が踏み切り64に遮断棹69が設置されており、且つ遮断棹69が下りている状態を検出している間は、車両制御手段14によりブレーキ40が固定され、車両66は一時停止を継続する。
【0061】
これにより、電車68の踏み切り64の通過が完了する前に、運転者が先をあせって踏み切り64に侵入する危険行為を防止することが可能である。
【0062】
車両66は、警報機65a〜65dの警報灯の点滅が終了し、遮断棹69が上がった状態が確認されると、一時停止が解除され、発進できるようになる。
【0063】
同様に、車両67の車両ナビゲーションシステム41は、GPSにより車両67の現在位置情報を入手し、格納されている地図情報を参照して車両67の進行方向にある一番近い踏み切り64を検出する。
【0064】
これにより、画像検出手段11は車両の進行方向の道路状況を撮像し、撮像した画像データを画像解析手段12に出力する。
然し、高架道路61は踏み切り64と立体交差しているので、画像解析手段12は踏み切り64を検出することはない。
【0065】
従って、車両ナビゲーションシステム41は車両67の進行方向に踏み切り64を検出しているが、画像解析手段12が車両67の進行方向に踏み切り64を検出していないので、両者の検出結果に不一致が生じる。
【0066】
これは、車両ナビゲーションシステム41に格納されている地図データが最新のものでない場合に、車両ナビゲーションシステム41が高架道路61と側道63を区別できず、いずれを走行していても車両67の進行方向に踏み切り64があると判断してしまうためである。
【0067】
この場合、画像解析手段12の検出結果が優先され、出力手段13により車両67の走行を継続するようにメッセージをディスプレイ30に表示し、スピーカ31から音声を出力して運転者に通知する。
【0068】
その結果、運転者は、誤った減速および一時停止を促すメッセージに惑わされることなく、安全に運転を継続することができる。
【0069】
これにより、車両ナビゲーションシステム41の検出結果が実際の道路状況と一致しなくとも、意図しない操作が行われる恐れを防止することが可能である。
【0070】
以上説明したように、本実施例の車両運転支援システム10は、TVカメラ15を備え、車両の進行方向に踏み切り53を検出すると、車両の減速および一時停止を運転者に通知し、車両の減速量に応じて車両の減速および一時停止をアシストしている。
【0071】
その結果、踏み切り53の手前で車両を確実に減速して一時停止させ、安全に発進させることができる車両運転支援システム10が得られる。
【0072】
更に、車載カーナビケーションシステム41と画像解析手段12の検出結果を比較し、比較結果に応じて車両制御手段14を制御している。
これにより、実際の道路状況を勘案しながら、ナビモードで走行できる車両運転支援システム10が得られる。
【0073】
ここでは、電車の通過完了、即ち車両の踏み切りへの進入許可を、警報機の警報灯の点滅および遮断棹の下がっている状態を検出して判断する場合について説明したが、踏み切りの警報音も参照するようにしてもよい。
【0074】
また画像検出手段11および画像解析手段12により、自車両が踏み切り内で立ち往生していることを検出したときは、出力手段13により、事故を回避するための対処方法、例えば自車両を踏み切りから脱出させる方法、関係機関への緊急連絡方法、運転者(同乗者がいる場合は同乗者を含む)の退避方法等を運転者に音声にて通知するようにしてもよい。
これにより、運転者がパニックに陥ることなく、安全の確保をアシストできる利点がある。
【0075】
TVカメラ15の撮像素子としてCCDを用いた場合について説明したが、CMOSセンサを用いても構わない。また、赤外線撮像素子を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施例に係る車両運転支援システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る車両運転支援システムの動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施例に係る車両運転支援システムの第1の道路状況を示す模式図。
【図4】本発明の実施例に係る車両運転支援システムの第2の道路状況を示す模式図。
【符号の説明】
【0077】
10 車両運転支援システム
11 画像検出手段
12 画像解析手段
13 出力出手段
14 車両制御手段
15 TVカメラ
16 AF/カメラ制御部
20 A/D変換部
21 画像記憶部
22 演算部
23 データ記憶部
24 プログラム記憶部
25 インターフェイス
30 ディスプレイ
31 スピーカ
32 エンジン制御手段
33 ブレーキ制御手段
34 電子制御回路
35 エンジン制御ユニット
36 エンジン
37 車速センサ
38 ブレーキセンサ
39 ブレーキ制御ユニット
40 ブレーキ
41 車両ナビゲーションシステム
50 第1の道路状況
51 道路
52a、52b、62a、62b 線路
53、64 踏み切り
54、65 警報機
55、68 電車
56、69 遮断棹
57 車両
58、70 停止線
60 第2の道路状況
61 高架道路
63 側道
66 第1車両
67 第2車両
69 遮断棹

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TVカメラを有し、車両の進行方向の道路状況を撮像した画像データを検出する画像検出手段と、
前記画像データに基づいて前記車両の進行方向に特定の対象物を検出する画像解析手段と、
前記画像解析手段が前記車両の進行方向に踏み切りを検出したときに、前記踏み切りに接近していることを運転者に通知し、前記車両の減速および一時停止を促す出力手段と、
前記車両の減速量に応じて、前記車両の減速および一時停止をアシストする車両制御手段と、
を具備することを特徴とする車両運転支援システム。
【請求項2】
前記車両の現在位置情報および格納されている地図情報から前記車両が特定の対象物に接近していることを検出する機能を有する車両ナビゲーションシステムを有し、前記車両ナビゲーションシステムによる前記車両の進行方向の特定の対象物の検出結果と、前記画像解析手段による前記車両の進行方向の前記特定の対象物の検出結果とを比較し、前記比較結果に応じて、前記出力手段および前記車両制御手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両運転支援システム。
【請求項3】
前記車両ナビゲーションシステムが前記車両の進行方向に前記踏み切りを検出し、且つ前記画像解析手段が前記車両の進行方向に前記踏み切りを検出したときは、前記出力手段により前記踏み切りに接近していることを運転者に通知し、前記車両の減速および一時停止を促し、前記車両の減速量に応じて、前記車両制御手段により前記車両の減速および一時停止をアシストし、
前記車両ナビゲーションシステムが前記車両の進行方向に前記踏み切りを検出しているが、前記画像解析手段が前記車両の進行方向に前記踏み切りを検出していないときは、前記出力手段により前記運転者に前記車両の走行を継続するように通知することを特徴とする請求項2に記載の車両運転支援システム。
【請求項4】
前記画像解析手段が、前記踏み切りの警報灯が点滅している状態を検出している間は、前記車両制御手段により前記車両の一時停止を継続させることを特徴とする請求項1に記載の車両運転支援システム。
【請求項5】
前記画像解析手段が、前記踏み切りの遮断棹が下っている状態を検出している間は、前記車両制御手段により前記車両の一時停止を継続させることを特徴とする請求項1に記載の車両運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−186265(P2008−186265A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19660(P2007−19660)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】