説明

車載地図表示装置

【課題】3次元地図画像を表示する車載地図表示装置において、建物のみが存在して人の気配が感じられないゴーストタウンのような3次元地図画像が表示されるのを防ぐ。
【解決手段】VICS情報に基づいて道路上のバスレーンの有無を判定し(ステップS50)、道路上にバスレーンがあると判定された場合、バスの立体画像を3次元地図画像のバスレーン上に表示する(ステップS60)。さらに、VICS情報に基づいて道路の渋滞状況を判断し(ステップS70)、その判断結果に応じて、3次元地図画像における他の車両の立体画像の表示数を変化させる(ステップS80、S90、S100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体的な地図を表示する車載の地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の底面形状や高さ情報のデータを地図データに記憶しておき、その地図データを用いて建物の3次元形状を描画することにより、立体的でリアル感のある都市景観を再現した3次元地図画像を表示する装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−316702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される装置では、建物については3次元地図画像上に表示できるが、道路上を移動する車両などのような建物以外のものを表示することができない。したがって、建物のみが存在して人の気配が感じられないゴーストタウンのような3次元地図画像となり、見た目のリアル感に欠ける場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、車両に搭載され、その車両の周囲についての3次元地図画像を表示する車載地図表示装置において、3次元地図画像上に、道路上を走行している他の車両の立体画像を表示するものである。
請求項2の発明は、請求項1の車載地図表示装置において、道路上のバスレーンの有無を判定するバスレーン判定手段を備え、バスレーン判定手段により道路上にバスレーンがあると判定された場合、3次元地図画像において、他の車両の立体画像としてバスの立体画像をそのバスレーン上に表示するものである。
請求項3の発明は、請求項2の車載地図表示装置において、道路交通情報通信センターより送信される道路交通情報を受信する道路交通情報受信手段をさらに備え、バスレーン判定手段は、道路交通情報受信手段により受信される道路交通情報に基づいて、道路上のバスレーンの有無を判定するものである。
請求項4の発明は、請求項1または2の車載地図表示装置において、道路の渋滞状況を判断する渋滞状況判断手段を備え、渋滞状況判断手段による道路の渋滞状況の判断結果に応じて、3次元地図画像における他の車両の立体画像の表示数を変化させるものである。
請求項5の発明は、請求項4の車載地図表示装置において、道路交通情報通信センターより送信される道路交通情報を受信する道路交通情報受信手段をさらに備え、渋滞状況判断手段は、道路交通情報受信手段により受信される道路交通情報に基づいて、道路の渋滞状況を判断するものである。
請求項6の発明は、請求項3の車載地図表示装置において、道路の渋滞状況を判断する渋滞状況判断手段をさらに備え、渋滞状況判断手段による道路の渋滞状況の判断結果に応じて、3次元地図画像における他の車両の立体画像の表示数を変化させるものである。
請求項7の発明は、請求項6の車載地図表示装置において、渋滞状況判断手段は、道路交通情報受信手段により受信される道路交通情報に基づいて、道路の渋滞状況を判断するものである。
請求項8の発明は、請求項1〜7いずれか一項の車載地図表示装置において、3次元地図画像上に、道路上を歩行している歩行者の立体画像を併せて表示するものである。
請求項9の発明は、請求項8の車載地図表示装置において、歩行者の密集状況を判断する密集状況判断手段を備え、密集状況判断手段による歩行者の密集状況の判断結果に応じて、3次元地図画像における歩行者の立体画像の表示数を変化させるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、建物のみが存在して人の気配が感じられないゴーストタウンのような3次元地図画像が表示されるのを防ぎ、3次元地図画像の見た目のリアル感を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は車両に搭載されており、自車両の前方に見える景観を立体的にリアル感のある画像で模擬した3次元地図画像を表示して、設定された目的地まで自車両を案内する。これにより、臨場感のある分かりやすいナビゲーション情報を運転者に提供するものである。
【0008】
ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、ディスクドライブ18およびVICS情報受信部20を有している。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11において実行される処理により、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、目的地までの推奨経路が探索されるとともに、自車両前方の景観を模擬した3次元地図画像が作成され、表示モニタ16に表示される。
【0010】
現在地検出装置14は、自車両の現在地すなわち自車位置を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された自車位置に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定するとともに、3次元地図画像の作成範囲を決定するときの視点位置を設定することができる。
【0011】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データには、制御回路11において作成された3次元地図画像の描画用データなどが含まれる。画像メモリ15に格納された画像データを用いて、自車両前方の景観を模擬した3次元地図画像などの各種画像が表示モニタ16に表示される。
【0012】
入力装置17は、ユーザが目的地の設定などを行うための各種入力スイッチを有し、これは操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を操作することにより、地名や地図上の位置、施設名などを指定して目的地を設定し、その目的地までの経路探索をナビゲーション装置1に開始させることができる。ユーザの入力装置17の操作に応じて目的地が設定されると、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、設定された目的地までの経路演算が所定のアルゴリズムにより行われ、目的地までの推奨経路が求められる。こうして求められた推奨経路にしたがって、目的地までの案内が行われる。
【0013】
ディスクドライブ18は、推奨経路の探索や3次元地図画像の作成に用いられる地図データを、装填されたDVD−ROM19より読み出す。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0014】
DVD−ROM19に記録された地図データには、推奨経路演算用の経路計算データ、推奨経路に従って自車両を目的地まで案内するときに用いられる交差点名称や道路名称などの経路誘導データ、道路を表す道路データ、3次元地図画像上に表示される建物や各種建造物などの構造物を表す構造物データ等が含まれる。
【0015】
構造物データには二種類のものがある。一つはリアル度の高いデータであり、各構造物の外観を忠実に再現して高リアルに表示することができる。このような構造物データは、リアルデータと呼ばれる。もう一つはリアルデータよりもリアル度の低いデータであり、各構造物の外観を低リアルに表示するものである。このような構造物データは、非リアルデータと呼ばれる。ここで、リアル度とは実物と同じように見える程度をいう。すなわち、高リアルとは実物をそのまま表示したかのように見える程度のことをいい、低リアルとは実物に近いが簡略化されたり一部省略されたりして見える程度のことをいう。各構造物について、このようなリアルデータと非リアルデータがそれぞれ設定されている。
【0016】
リアルデータと非リアルデータは、構造物を3次元で表示するための3次元形状データをそれぞれ備えている。これには、構造物の底面形状を表すための底面データ、構造物の壁面形状を複数のポリゴンによって表すためのポリゴンデータ、ポリゴンに貼り付けられる画像のデータであり、構造物の壁面の造形や模様、色彩等を表すためのテクスチャデータなどの各種データが含まれる。なお底面データは、その底面を構成する複数の頂点座標として表される。またポリゴンデータは、そのポリゴン数とそれぞれのポリゴンを形成する頂点座標列として表される。
【0017】
リアルデータと非リアルデータでは、3次元形状データにおける底面の頂点数や、ポリゴン数および各ポリゴンの頂点数、テクスチャデータのリアル度などが異なる。リアルデータでは、非リアルデータよりも数多くの頂点を用いて底面を構成したり、ポリゴン数やポリゴン頂点数を多くしたりすることにより、構造物の細かな形状まで再現することができる。また、リアルデータに含まれるテクスチャデータには、実物に近い外観とするために、高解像度の画像や実物を撮影した写真から作成された画像などが用いられる。一方、非リアルデータでは、底面の頂点数やポリゴン数などをリアルデータよりも少なくすることにより、構造物の形状を簡略化して表している。また、非リアルデータに含まれるテクスチャデータには、低解像度の画像や、一定の色彩や模様を用いてパターン化された画像などが用いられる。
【0018】
制御回路11において3次元地図画像を作成する際、リアルデータを用いた場合と非リアルデータを用いた場合とでは、制御回路11の処理負荷に違いが生じる。リアルデータを用いた場合は構造物を高リアルに表せる反面、大量のデータ処理が必要となるため、処理負荷が大きくなる。一方、非リアルデータを用いた場合、構造物は低リアルに表されるが、同一の構造物についてリアルデータよりも非リアルデータの方がそのデータ量が少ないため、処理負荷を小さくすることができる。
【0019】
VICS情報受信部20は、不図示の財団法人道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)から送信されるVICS情報を受信する。このVICS情報により、渋滞情報や通行規制情報、駐車場情報などの様々な道路交通情報がナビゲーション装置1に対して送信される。VICS情報受信部20において受信されたVICS情報は制御回路11に出力され、制御回路11において、その道路交通情報の内容を画像表示するための画像データが作成される。このようにして、受信されたVICS情報に基づいて、各種の道路交通情報の内容が表示モニタ16に画像表示される。
【0020】
VICSセンターからナビゲーション装置1へのVICS情報の送信は、主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって行われる。電波ビーコンや光ビーコンは、その設置地点付近を通過する車両に対して、電波あるいは光(赤外線)により局所的にVICS情報を送信するものである。これに対して、FM多重放送では比較的広い地域に対してVICS情報を送信することができる。
【0021】
ナビゲーション装置1は、前述したようなリアルデータまたは非リアルデータに基づいて各構造物の立体画像を作成することにより、3次元地図画像を作成して表示する。その際、各構造物の立体画像だけでなく、道路上を走行している自車両以外の他の車両の立体画像も3次元地図画像に表示する。これにより、構造物のみが存在して人の気配が感じられないゴーストタウンのような3次元地図画像となるのを防ぎ、3次元地図画像の見た目のリアル感を向上させることができる。
【0022】
ナビゲーション装置1において表示モニタ16に表示される3次元地図画像の例を図2〜4に示す。図2の3次元地図画像では、自車両の進行方向と同じ方向に延びている左側の3車線の道路上には、車両21〜25が表示されており、自車両の進行方向と反対方向に延びている右側の3車線の道路上には、車両31〜34が表示されている。ナビゲーション装置1には、車両の立体的形状を表すための情報が予め複数種類の車両について記憶されており、その情報に基づいて、車両21〜25および31〜34が3次元地図画像上に表示される。
【0023】
図2において、車両21、22および31はバスを表している。3次元地図画像に表示された道路車線の一部がバス専用車線(バスレーン)である場合、そのバスレーン上にはバスの立体画像のみが表示され、その他の種類の車両については表示されない。ナビゲーション装置1は、VICS情報受信部20により受信したVICS情報に含まれる車線規制情報に基づいて、上記のバスレーンの有無を判断することができる。
【0024】
なお上記のようにバスレーン上にバスの立体画像を表示する際には、バスの運行時間情報を予めナビゲーション装置1に記憶しておくことにより、運行時間内であれば表示し、運行時間外であれば表示しないようにしてもよい。バス以外の車両23〜25および32〜34は、バスレーン以外の車線に表示される。
【0025】
さらにナビゲーション装置1は、上記のようにして走行中の車両の立体画像を3次元地図画像の道路上に表示する際、その道路の渋滞状況に応じて車両の数を変化させる。図2は、中程度の渋滞である場合の3次元地図画像の例である。これに対し図3は、渋滞の程度が高い場合の3次元地図画像の例を示している。このように、渋滞が激しい場合は、より数多くの車両を表示する。また図4は、渋滞の程度が低い場合の3次元地図画像の例を示している。このように、道路がすいている場合は、より少なく車両を表示する。
【0026】
なお周知のように、VICS情報では低程度の渋滞を「渋滞混雑なし」、中程度の渋滞を「混雑」、高程度の渋滞を「渋滞」と表して、各道路の渋滞情報を提供している。従来、このようなVICS情報を車両のナビゲーション装置などにより受信し、それぞれの渋滞状況に応じて緑やオレンジ、赤等に色分けされた矢印を道路に沿って地図上に表示することなどにより、運転者への渋滞情報の提示が行われている。本発明のナビゲーション装置1では、このVICS情報によって提供される渋滞情報に基づいて、道路の渋滞状況を判断することができる。
【0027】
図2〜4のような3次元地図画像を表示モニタ16に表示する際に、制御回路11において実行される処理のフローチャートを図5に示す。このフローチャートが所定の処理周期ごとに実行されることにより、3次元地図画像の内容が更新される。ステップS10では、3次元地図画像の作成範囲を設定する。このとき、現在地検出装置14により検出される自車位置に基づいて視点位置を決定し、その視点位置から所定の方向および範囲内を3次元地図画像の作成範囲に設定する。
【0028】
ステップS20では、ディスクドライブ18を用いて、ステップS10において設定された3次元地図画像の作成範囲内の地図データをDVD−ROM19から読み込む。この地図データには、3次元地図画像の作成範囲内に存在する各構造物について、それぞれのリアルデータと非リアルデータが含まれている。
【0029】
ステップS30では、ステップS20で読み込まれた地図データに基づいて3次元地図画像を作成する。このとき、各構造物の立体画像がリアルデータまたは非リアルデータのいずれかに基づいて作成される。
【0030】
ステップS40では、VICS情報受信部20により受信されたVICS情報を取得する。このVICS情報には前述のように、バスレーンの有無に関する車線規制情報や渋滞情報などが含まれている。
【0031】
ステップS50では、ステップS10で設定した3次元地図画像の作成範囲内についてバスレーンの有無の判定を行う。この判定は、ステップS40で取得したVICS情報に含まれる車線規制情報に基づいて行われる。バスレーンがあると判定された場合はステップS60へ進み、ステップS60において、バスの立体画像をステップS30で作成した3次元地図画像のバスレーン上に重ねる。これにより、バスレーン上にはバスのみが表示され、他の車両は表示されない。ステップS60を実行したらステップS70へ進む。一方、ステップS50においてバスレーンがないと判定された場合は、ステップS60を実行せずにステップS70へ進む。
【0032】
ステップS70では、ステップS40で取得したVICS情報に含まれる渋滞情報に基づいて、道路の渋滞状況を判断する。「渋滞混雑なし」と判断された場合、すなわち低程度の混雑度である場合はステップS80へ進む。「混雑」と判断された場合、すなわち中程度の混雑度である場合はステップS90へ進む。「渋滞」と判断された場合、すなわち高程度の混雑度である場合はステップS100へ進む。
【0033】
ステップS80へ進んだ場合、ステップS80では、少数の車両の立体画像をステップS30で作成した3次元地図画像の道路上に重ね合わせる。これにより、図4のような立体地図画像が作成される。ステップS90へ進んだ場合、ステップS90では、中程度数の車両の立体画像をステップS30で作成した3次元地図画像の道路上に重ね合わせる。これにより、図2のような立体地図画像が作成される。ステップS100へ進んだ場合、ステップS100では、多数の車両の立体画像をステップS30で作成した3次元地図画像の道路上に重ね合わせる。これにより、図3のような立体地図画像が作成される。このようにして、道路の渋滞状況に応じて、3次元地図画像における自車両以外の他の車両の立体画像の表示数が変化する。ステップS80、S90またはS100のいずれかを実行したら、ステップS110へ進む。
【0034】
ステップS110では、以上説明したようにして作成された3次元地図画像を表示モニタ16に表示する。ステップS110を実行したら、図5のフローチャートを終了する。このような処理により、図2〜4のような3次元地図画像が表示モニタ16において表示される。
【0035】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏することができる。
(1)自車両の周囲の3次元地図画像を表示するときに、その3次元地図画像上に、道路上を走行している他の車両の立体画像を表示することとした。このようにしたので、建物などの構造物のみが存在して人の気配が感じられないゴーストタウンのような3次元地図画像が表示されるのを防ぎ、3次元地図画像の見た目のリアル感を向上させることができる。
【0036】
(2)道路上のバスレーンの有無を判定し(ステップS50)、道路上にバスレーンがあると判定された場合、3次元地図画像において、他の車両の立体画像としてバスの立体画像をそのバスレーン上に表示することとした(ステップS60)。このようにしたので、バスレーン上にはバスの立体画像のみを表示し、その他の種類の車両については表示しないこととして、さらに3次元地図画像の見た目のリアル感を向上させることができる。
【0037】
(3)VICSセンターより送信されるVICS情報をVICS情報受信部20によって受信し、そのVICS情報に基づいて道路上のバスレーンの有無を判定することとしたので、簡単かつ確実にバスレーンの有無を判定することができる。
【0038】
(4)道路の渋滞状況を判断し(ステップS70)、その判断結果に応じて、3次元地図画像における他の車両の立体画像の表示数を変化させることとした(ステップS80、S90、S100)。このようにしたので、渋滞状況に応じた3次元地図画像を表示して、さらに3次元地図画像の見た目のリアル感を向上させることができる。
【0039】
(5)VICSセンターより送信されるVICS情報をVICS情報受信部20によって受信し、そのVICS情報に基づいて道路の渋滞状況を判断することとしたので、簡単かつ確実に道路の渋滞状況を判断することができる。
【0040】
なお、以上説明した実施の形態において、バスレーンの有無の判定や道路の渋滞状況を判断するときに、VICS情報以外の情報を用いることとしてもよい。バスレーンの有無については、たとえば地図データに予め記録されたバスレーン情報に基づいて判定することができる。また、道路の渋滞状況については、たとえば車両の平均速度や過去の渋滞履歴などの情報に基づいて判断することができる。
【0041】
以上説明した実施の形態において、他の車両だけでなく、道路上を歩行している歩行者の立体画像を併せて表示することとしてもよい。このとき、その地点が繁華街に該当するか否か、歩道や歩行者専用道路の有無、時間帯などによって歩行者の密集状況を判断し、その密集状況の判断結果に応じて、3次元地図画像における歩行者の立体画像の表示数を変化させることが好ましい。このようにすれば、より一層3次元地図画像の見た目のリアル感を向上させることができる。なお、繁華街に該当するか否かは、予め地図データにその情報を記憶させておいてもよいし、あるいは商店などの施設の密集状況、駅からの距離などに基づいて判断してもよい。
【0042】
上記で説明したような地図の表示方法は、車両用のナビゲーション装置以外にも、地図を表示する様々な車載装置について適用可能である。すなわち本発明は、3次元地図画像上に道路上を走行している自車両以外の他の車両の立体画像を表示するものについて、適用することができる。
【0043】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0044】
上記の実施の形態では、道路交通情報受信手段についてはVICS情報受信部20により実現し、それ以外の本発明の各手段については制御回路11の処理によって実現している。具体的には、バスレーン判定手段をステップS50、渋滞状況判断手段をステップS70によってそれぞれ実現している。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】中程度の渋滞時の3次元地図画像の例である。
【図3】高程度の渋滞時の3次元地図画像の例である。
【図4】低程度の渋滞時の3次元地図画像の例である。
【図5】3次元地図画像を表示するときに実行されるフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 ディスクドライブ
19 DVD−ROM
20 VICS情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、その車両の周囲についての3次元地図画像を表示する車載地図表示装置において、
前記3次元地図画像上に、道路上を走行している他の車両の立体画像を表示することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項2】
請求項1の車載地図表示装置において、
道路上のバスレーンの有無を判定するバスレーン判定手段を備え、
前記バスレーン判定手段により道路上にバスレーンがあると判定された場合、前記3次元地図画像において、前記他の車両の立体画像としてバスの立体画像をそのバスレーン上に表示することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項3】
請求項2の車載地図表示装置において、
道路交通情報通信センターより送信される道路交通情報を受信する道路交通情報受信手段をさらに備え、
前記バスレーン判定手段は、前記道路交通情報受信手段により受信される道路交通情報に基づいて、道路上のバスレーンの有無を判定することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項4】
請求項1または2の車載地図表示装置において、
道路の渋滞状況を判断する渋滞状況判断手段を備え、
前記渋滞状況判断手段による道路の渋滞状況の判断結果に応じて、前記3次元地図画像における前記他の車両の立体画像の表示数を変化させることを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項5】
請求項4の車載地図表示装置において、
道路交通情報通信センターより送信される道路交通情報を受信する道路交通情報受信手段をさらに備え、
前記渋滞状況判断手段は、前記道路交通情報受信手段により受信される道路交通情報に基づいて、道路の渋滞状況を判断することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項6】
請求項3の車載地図表示装置において、
道路の渋滞状況を判断する渋滞状況判断手段をさらに備え、
前記渋滞状況判断手段による道路の渋滞状況の判断結果に応じて、前記3次元地図画像における前記他の車両の立体画像の表示数を変化させることを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項7】
請求項6の車載地図表示装置において、
前記渋滞状況判断手段は、前記道路交通情報受信手段により受信される道路交通情報に基づいて、道路の渋滞状況を判断することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項の車載地図表示装置において、
前記3次元地図画像上に、道路上を歩行している歩行者の立体画像を併せて表示することを特徴とする車載地図表示装置。
【請求項9】
請求項8の車載地図表示装置において、
歩行者の密集状況を判断する密集状況判断手段を備え、
前記密集状況判断手段による歩行者の密集状況の判断結果に応じて、前記3次元地図画像における前記歩行者の立体画像の表示数を変化させることを特徴とする車載地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−172016(P2007−172016A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364337(P2005−364337)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】