説明

車載電子機器

【課題】複数のCPUとハードディスクなどの記録媒体を有するナビゲーション装置において、各CPUから記録媒体へのアクセスを適切に制御する。
【解決手段】スレーブCPU12は、実行中の処理においてHDD16へのアクセス要求があると、マスタCPU11にアクセス要求信号を出力してHDD16への接続を要求する。マスタCPU11は、自身が実行している処理からのアクセス要求とスレーブCPU12から出力されたアクセス要求信号に応じて、HDD接続切替回路15に対して、その切り替え動作を制御するための切替制御信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置のような車載電子機器においてハードディスクなどの記録媒体を用いたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用のナビゲーション装置において、データの記録装置としてハードディスクを搭載し、そのハードディスクに地図データ以外にも様々なデータを記録することにより、通常のナビゲーション装置が行う地図表示や経路探索などのナビゲーション用の処理以外にも、記録されたデータに応じて様々な処理を行うものが広く知られている。たとえば特許文献1には、ハードディスクに記録された音楽データを用いて音楽再生を行うナビゲーション装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−317385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような従来のナビゲーション装置では、通常は1つのCPUのみがハードディスクにアクセスして様々な処理を実行する。しかし、ナビゲーション装置の機能および性能は近年になって一層の複雑化、高度化が進んでおり、それに応じてCPUの処理負荷が増加しているため、1つのCPUでは処理能力が不足してきている。そこで、複数のCPUを用いて処理負荷を分散することが検討されているが、複数のCPUが同時にハードディスクにアクセスすると、データの破壊や異常を招く恐れがある。このような状況から、複数のCPUとハードディスクなどの記録媒体を有するナビゲーション装置において、各CPUから記録媒体へのアクセスを適切に制御できるようにしたものが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による車載電子機器は、地図データを少なくとも含む各種のデータが記録された記録媒体と、記録媒体に記録されたデータに基づいて所定の処理を実行する第1の処理手段と、記録媒体に記録されたデータに基づいて第1の処理手段が実行する処理とは別の処理を実行する第2の処理手段と、記録媒体のデータ入出力先を第1の処理手段または第2の処理手段のいずれかに切り替える切替手段とを備え、第2の処理手段は、自身が実行中の処理によるアクセス要求に応じて第1の処理手段にアクセス要求信号を出力し、第1の処理手段は、自身が実行中の処理によるアクセス要求および第2の処理手段から出力されたアクセス要求信号に応じて、切替手段に切替制御信号を出力し、切替手段は、第1の処理手段から出力された切替制御信号に基づいて、記録媒体のデータ入出力先を切り替えるものである。
請求項2の発明は、請求項1の車載電子機器において、第1の処理手段は、自身が実行中の処理によるアクセス要求があって第2の処理手段からアクセス要求信号が出力されていない場合は、記録媒体のデータ入出力先を第1の処理手段に切り替えるよう切替手段に切替制御信号を出力し、自身が実行中の処理によるアクセス要求がなくて第2の処理手段からアクセス要求信号が出力されている場合は、記録媒体のデータ入出力先を第2の処理手段に切り替えるよう切替手段に切替制御信号を出力し、自身が実行中の処理によるアクセス要求があって第2の処理手段からアクセス要求信号が出力されている場合は、記録媒体のデータ入出力先を第1の処理手段と第2の処理手段に交互に切り替えるよう切替手段に切替制御信号を出力するものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の車載電子機器において、切替手段は、切替制御信号に応じて出力状態を切り替える複数の3ステートバッファを用いて構成されることとしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか一項の車載電子機器において、第1の処理手段は、記録媒体のデータ入出力先が第2の処理手段に切り替えられているときに、記録媒体を制御するために第2の処理手段から出力される制御信号に基づいて、記録媒体と第2の処理手段間のデータ入出力状態を監視し、第2の処理手段は、記録媒体のデータ入出力先が第1の処理手段に切り替えられているときに、記録媒体を制御するために第1の処理手段から出力される制御信号に基づいて、記録媒体と第1の処理手段間のデータ入出力状態を監視することとしたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4いずれか一項の車載電子機器において、第2の処理手段は、第1の処理手段から出力される切替制御信号を入力し、その切替制御信号に基づいて、切替手段により記録媒体のデータ入出力先が第1の処理手段と第2の処理手段のいずれに切り替えられているかを判別することとしたものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5いずれか一項の車載電子機器において、第1の処理手段は、記録媒体に記録された地図データに基づく車両位置検出処理を実行し、第2の処理手段は、記録媒体に記録された地図データに基づく地図描画処理を実行するものである。
請求項7の発明は、請求項1〜6いずれか一項の車載電子機器において、記録媒体には音楽データが記録されており、第2の処理手段は、記録媒体に記録された音楽データに基づく音楽再生処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のCPUとハードディスクなどの記録媒体を有するナビゲーション装置などの車載電子機器において、各CPUから記録媒体へのアクセスを適切に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。このナビゲーション装置は車両に搭載されて使用され、ユーザによって目的地が設定されると、現在地から目的地までの推奨経路を所定の経路探索条件に基づいて探索し、探索された推奨経路に従って自車両を目的地まで案内するものである。このナビゲーション装置には2式のCPU(Central Processing Unit)と1台のHDD(Hard Disk Drive)が設けられており、各CPUにおいて実行される処理のアクセス要求に応じて、HDDに接続されるCPUがいずれか一方に切り替えられる。
【0008】
図1に示すナビゲーション装置1は、マスタCPU11と、スレーブCPU12と、マスタCPU11とスレーブCPU12にそれぞれ接続されているIDEインタフェース回路13および14と、HDD接続切替回路15と、HDD16とを有している。また、ROM21、RAM22、現在地検出装置23、画像メモリ24、表示モニタ25、および入力装置26を有している。マスタCPU11、スレーブCPU12、ROM21、RAM22、現在地検出装置23、画像メモリ24、表示モニタ25および入力装置26は、バス27によって相互に接続されている。
【0009】
マスタCPU11とスレーブCPU12は、いずれもROM12やHDD19に記録されたプログラムやアプリケーションソフトウェアに従い、RAM13を作業エリアに用いて各種の処理を実行する。マスタCPU11およびスレーブCPU12が実行する処理には、たとえば車両位置の検出、目的地の設定、推奨経路の探索、地図の描画など、車両のナビゲーションに関する様々な処理や、HDD19に記録された音楽データを用いての音楽再生処理などが含まれており、別々の処理がマスタCPU11とスレーブCPU12においてそれぞれ実行される。なお、マスタCPU11とスレーブCPU12における処理内容の分担は、その処理の重要度や連続性、リアルタイム性などに応じて定められた優先度に基づいて予め決められており、より優先度の高い処理がマスタCPU11において実行され、比較的優先度の低い処理がスレーブCPU12において実行される。
【0010】
IDEインタフェース回路13および14は、マスタCPU11またはスレーブCPU12のいずれかがHDD16との間でデータの入出力を行う際のインタフェース制御をそれぞれ行う。このインタフェース制御は、IDE(Integrated Drive Electronics)あるいはATA(AT Attachment)と呼ばれるインタフェース規格にしたがって行われる。
【0011】
HDD接続切替回路15は、HDD16のデータ入出力先をマスタCPU11またはスレーブCPU12のいずれかに切り替えるための回路である。HDD接続切替回路15が行う切り替え動作により、マスタCPU11またはスレーブCPU12のうちいずれか一方がHDD16に接続され、HDD16にアクセスして処理実行時に必要なデータをHDD16から読み込んだり、必要なデータをHDD16に書き込んだりすることができる。こうしてマスタCPU11またはスレーブCPU12のいずれか一方のみがHDD16にアクセス可能とすることにより、複数のCPUからのアクセスが重複してデータの破壊や異常を招くことがないようにしている。
【0012】
HDD接続切替回路15の切り替え動作は、マスタCPU11から出力される切替制御信号によって制御される。このときの具体的な切り替え動作内容については、後で詳しく説明する。
【0013】
HDD16には、地図の表示や車両を目的地まで案内するナビゲーション処理に用いられる地図データや、マスタCPU11またはスレーブCPU12において実行される各種のプログラムやアプリケーションソフトウェアなど、様々な種類のデータが記録されている。また、図示しないCDドライブにセットされたCDやカードスロットにセットされたメモリカードなどから音楽データを取り込んでHDD16に記録することもできる。ここで挙げた以外にも様々な種類のデータをHDD16に記録しておくことができる。
【0014】
なお、HDD16に記録されている地図データには、ルート探索に用いられる経路計算データ、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる交差点名称や道路名称などの経路誘導データ、道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図要素を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0015】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、各道路は所定の道路区間ごとに設定された複数のリンクによって構成されている。なお、リンクによって設定される道路区間の長さは異なっており、リンクの長さは一定ではない。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。また、リンク内にはノードとノードの間に形状補間点と呼ばれる点が設定されていることもある。形状補間点もノードと同じく、それぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードと形状補間点の位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。
【0016】
現在地検出装置23は、自車両の現在地すなわち自車位置を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロセンサ23a、車速を検出する車速センサ23b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ23c等の各種センサ類からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置23により検出される自車位置に基づいて、後述する経路探索開始点を決定したり、地図上に自車位置を表示したりすることができる。
【0017】
画像メモリ24は、表示モニタ25に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、地図を表示するための地図描画用データや各種の図形データ等からなり、HDD16に記録されている地図データなどに基づいて、マスタCPU11やスレーブCPU12において実行される地図描画処理などの処理によって作成される。画像メモリ24に格納された画像データを用いて、地図や各種の画像が表示モニタ25に表示される。
【0018】
入力装置26は、車両の目的地や経由地(以下、これらを合わせて単に目的地という)をユーザが設定したり、経路探索条件を設定したりするための各種入力スイッチを有している。この入力装置26は、操作パネルやリモコン、表示モニタ25と一体化したタッチパネルなどによって実現される。ユーザは、入力装置26を操作して、住所や電話番号、施設名称を入力したり、特定の地点を地図上に指定したり、予め登録された登録地のいずれかを選択したりすることで、目的地を設定することができる。
【0019】
ユーザが入力装置26を操作して前述のように目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置23により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索計算を行う。ルート探索計算によって求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることにより、他の道路とは区別して表示モニタ25に表示された地図上に示される。これにより、ユーザは推奨経路を地図上で認識することができる。また、推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0020】
次に、HDD接続切替回路15が行う切り替え動作について詳しく説明する。図2は、HDD接続切替回路15が行う切り替え動作を模式的に表した図を示している。この図に示すように、HDD接続切替回路15はマスタCPU11からの切替制御信号を受け、それに応じて、HDD16の接続先をマスタCPU11またはスレーブCPU12のうちいずれか一方に切り替える。HDD接続切替回路15によってHDD16と接続されたマスタCPU11またはスレーブCPU12は、HDD16にアクセスして必要なデータの入出力を行う。
【0021】
スレーブCPU12は、実行中の処理においてHDD16へのアクセス要求があると、マスタCPU11に対してアクセス要求信号を出力することにより、HDD16への接続を要求する。一方マスタCPU11は、自身が実行している処理からのアクセス要求とスレーブCPU12から出力されたアクセス要求信号に応じて、HDD接続切替回路15に対して、その切り替え動作を制御するための切替制御信号を出力する。このように、HDD接続切替回路15の切り替え動作はマスタCPU11によって制御され、スレーブCPU12によっては制御されない。
【0022】
マスタCPU11によるHDD接続切替回路15の切り替え動作の制御は、次のようにして行われる。マスタCPU11自身が実行中の処理によるアクセス要求があってスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されていない場合は、HDD接続切替回路15に対して、HDD16の接続先をマスタCPU11側に切り替えるような切替制御信号を出力する。他方、マスタCPU11自身が実行中の処理によるアクセス要求がなくてスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されている場合は、HDD16の接続先をスレーブCPU12側に切り替えるような切替制御信号を出力する。
【0023】
さらに、マスタCPU11において実行中の処理によるアクセス要求とスレーブCPU12からのアクセス要求信号の出力が同時に行われている場合は、HDD16の接続先をマスタCPU11側に切り替える切替制御信号とスレーブCPU12側に切り替える切替制御信号とを交互に出力する。マスタCPU11は、このようにしてHDD16をマスタCPU11とスレーブCPU12のどちらに接続するかを判定し、その判定結果に応じた切替制御信号をHDD接続切替回路15に対して出力する。
【0024】
HDD接続切替回路15の回路構成を図3に示す。HDD接続切替回路15は、マスタCPU11およびスレーブCPU12とHDD16の間に配線された信号線ごとに設けられた複数の3ステートバッファを用いて構成されている。この信号線には、データ用の信号線と、HDD16の動作制御に用いられるIDE制御信号用の信号線とがある。なお、図3では簡略化のために、HDD16からマスタCPU11またはスレーブCPU12へデータを出力する信号線のみを示しているが、反対にマスタCPU11またはスレーブCPU12からHDD16へデータを出力する信号線も存在する。この信号線は、3ステートバッファの向きが反対である以外は、図示されている信号線と同様である。また、図中の信号線の数は実際のものよりも省略されている。
【0025】
HDD接続切替回路15の各3ステートバッファは、マスタCPU11からの切替制御信号に応じて、その出力状態が次のように切り替えられる。切替制御信号がH(ハイ)レベルである場合、マスタCPU11側に設けられた各3ステートバッファはイネーブル状態となるため、HDD16からの出力信号をマスタCPU11に対してそれぞれ出力する。一方、スレーブCPU12側の各3ステートバッファは、切替制御信号が反転されてL(ロー)レベルで入力されるため、ディスエーブル状態となってその出力がハイインピーダンス状態となる。その結果、HDD16からの出力信号は遮断されてスレーブCPU12に出力されない。このようにして、HDD16のデータ入出力先がマスタCPU11に切り替えられる。
【0026】
上記とは反対に切替制御信号がLレベルである場合は、その切替制御信号が反転されてHレベルでスレーブCPU12に入力される。その結果、スレーブCPU12側に設けられた各3ステートバッファがイネーブル状態となり、HDD16からの出力信号をスレーブCPU12に対してそれぞれ出力する。一方マスタCPU11側の各3ステートバッファはディスエーブル状態となり、その出力がハイインピーダンス状態となるため、HDD16からの出力信号は遮断されてマスタCPU11に出力されない。このようにして、HDD16のデータ入出力先がスレーブCPU12に切り替えられる。
【0027】
スレーブCPU12からのアクセス要求信号は、出力ポート20から出力される。このアクセス要求信号はマスタCPU11の入力ポート17に入力され、前述したようなHDD16の接続先の判定がマスタCPU11において行われる。
【0028】
マスタCPU11からの切替制御信号は、出力ポート18から出力される。この切替制御信号は、HDD接続切替回路15に入力されると共に、スレーブCPU12の入力ポート19にも入力される。こうしてマスタCPU11からの切替制御信号が入力されることにより、スレーブCPU12においても、HDD接続切替回路15によりHDD16のデータ入出力先がマスタCPU11とスレーブCPU12のいずれに切り替えられているかを入力された切替制御信号に基づいて判別することができる。この判別結果に基づいて、スレーブCPU12の処理内容を必要に応じて制御することができる。
【0029】
マスタCPU11またはスレーブCPU12がHDD16とデータの入出力を行う際に、HDD16の動作を制御するためにIDEインタフェース回路13または14を介してHDD16に出力するIDE制御信号は、マスタCPU11の入力ポート17およびスレーブCPUの入力ポート19に入力される。これにより、マスタCPU11およびスレーブCPU12は、HDD16のデータ入出力先が自身とは違う方に切り替えられているときに、そのデータ入出力状態を監視することができる。この監視結果に基づいて、マスタCPU11またはスレーブCPU12の処理内容を必要に応じて制御することができる。
【0030】
以上説明したような回路動作によってHDD16のデータ入出力先がマスタCPU11とスレーブCPU12の間で切り替えられる様子を、図4の動作タイミング図により説明する。図4には、マスタCPU11において車両位置検出処理を実行し、スレーブCPU12において地図描画処理および音楽再生処理を実行したときに、各処理によってHDD16へのアクセスがどのようなタイミングで行われるかを示している。なお、車両位置検出処理、地図描画処理、音楽再生処理の順に、ナビゲーション装置1における処理の優先度が高いものとする。
【0031】
最初にスレーブCPU12において実行中の音楽再生処理からアクセス要求が発生すると、スレーブCPU12はマスタCPU11に対してアクセス要求信号を出力する。このときマスタCPU11ではアクセス要求が発生していないため、切替制御信号をLレベルで出力する。HDD接続切替回路15は、この切替制御信号に応じてスレーブCPU12側の各3ステートバッファをイネーブルとし、HDD16とスレーブCPU12を接続する。こうしてHDD16とスレーブCPU12が接続された後、スレーブCPU12からHDD16へのアクセスが行われる。
【0032】
次に、音楽再生処理によるHDD16へのアクセス中にスレーブCPU12において実行中の地図描画処理からアクセス要求が発生すると、スレーブCPU12は、所定のセクタ数をアクセスするごとに、地図描画処理によるHDD16へのアクセスと音楽再生処理によるHDD16へのアクセスを交互に行う。このとき、マスタCPU11からHDD接続切替回路15に対して出力される切替制御信号はLレベルのままである。
【0033】
上記のようにしてスレーブCPU12からHDD16へアクセスしているときに、マスタCPU11において実行中の車両位置検出処理からアクセス要求が発生したとする。このときマスタCPU11は、HDD接続切替回路15に対して、最初に切替制御信号をHレベルで出力する。HDD接続切替回路15は、この切替制御信号に応じてマスタCPU11側の各3ステートバッファをイネーブルとし、HDD16とマスタCPU11を接続する。こうしてHDD16とマスタCPU11が接続された後、車両位置検出処理によるアクセス要求に応じて、マスタCPU11からHDD16へのアクセスが行われる。
【0034】
マスタCPU11において実行中の車両位置検出処理によるHDD16へのアクセスが所定のセクタ数だけ実行されたら、次にマスタCPU11はHDD接続切替回路15に対して切替制御信号をLレベルで出力することにより、HDD16のデータ入出力先をマスタCPU11からスレーブCPU12に切り替える。これによりHDD16とスレーブCPU12が接続されると、スレーブCPU12は先に優先度の高い地図描画処理によるアクセスを行い、その後、音楽再生処理によるアクセスを行う。
【0035】
それからさらに所定のセクタ数だけHDD16へのアクセスが行われると、マスタCPU11から切替制御信号がHレベルで出力されることにより、再びHDD16のデータ入出力先がマスタCPU11に切り替えられる。マスタCPU11において実行中の処理によるアクセス要求と、スレーブCPU12において実行中の処理によるアクセス要求とが同時に行われている場合は、こうした切り替え動作が所定のセクタ数ごとに繰り返される。その結果、所定のセクタ数をアクセスするごとに、HDD16のデータ入出力先がマスタCPU11とスレーブCPU12に交互に切り替えられる。したがって、マスタCPU11とスレーブCPU12からなる複数のCPU、および1台のHDD16を有するナビゲーション装置1において、その各CPUからHDD16へのアクセスを適切に制御することができる。
【0036】
なお、以上説明したようにHDD16のデータ入出力先をマスタCPU11とスレーブCPU12に交互に切り替える際、各CPUが続けてHDD16にアクセスするセクタ数を一定としてもよい。あるいは、マスタCPU11が続けてアクセスするセクタ数とスレーブCPU12が続けてアクセスするセクタ数を変えてもよい。たとえば、マスタCPU11が続けてアクセスするセクタ数を、スレーブCPU12が続けてアクセスするセクタ数に比べて多くすることができる。あるいは、マスタCPU11におけるアクセス発生状況に応じて各CPUが続けてHDD16にアクセスするセクタ数を変化させるようにしてもよい。たとえば、マスタCPU11において実行中の処理からのアクセス発生が多いほど、HDD16がマスタCPU11側に接続された状態でマスタCPU11により続けてアクセスされるセクタ数をより多くすることができる。このようにして優先度の高い処理ほどHDD16に続けてアクセスするセクタ数が大きくなるようにすれば、各CPUからHDD16へのアクセスをより一層適切に制御することができる。
【0037】
以上説明したように、マスタCPU11において実行中の処理からのアクセス要求およびスレーブCPU12から出力されたアクセス要求信号に応じて、切替制御信号の出力を変化させHDD接続切替回路15の切り替え動作を制御するときに、マスタCPU11が実行する処理のフローチャートを図5に示す。ステップS10では、マスタCPU11が実行中の処理(図4の例では車両位置検出処理)からのアクセス要求があったか否かを判定する。実行中の処理からアクセス要求があった場合はステップS20へ進み、ない場合はステップS90へ進む。
【0038】
ステップS10からステップS20へ進んだ場合、ステップS20では、スレーブCPU12が実行中の処理(図4の例では地図描画処理および音楽再生処理)により、スレーブCPU12からアクセス要求信号の出力があるか否かを判定する。アクセス要求信号の出力がある場合はステップS30へ進み、ない場合はステップS70へ進む。
【0039】
ステップS20からステップS30へ進んだ場合、ステップS30では、HDD接続切替回路15に対して切替制御信号をHレベルで出力することにより、マスタCPU11側にHDD16が接続されるようにHDD接続切替回路15を動作させる。この切替動作の後に、マスタCPU11において実行中の処理によるアクセス要求に応じて、マスタCPU11からHDD16へのアクセスが行われる。
【0040】
ステップS40では、ステップS30の処理によってマスタCPU11側にHDD16が接続されてから、マスタCPU11が予め定められた所定のセクタ数をHDD16に対してアクセスしたか否かを判定する。所定のセクタ数をアクセスするまではステップS40に留まり、所定セクタ数をアクセスしたら次のステップS50へ進む。
【0041】
ステップS50では、HDD接続切替回路15に対して切替制御信号をLレベルで出力することにより、スレーブCPU12側にHDD16が接続されるようにHDD接続切替回路15を動作させる。これにより、HDD16のデータ入出力先がマスタCPU11からスレーブCPU12に切り替えられる。その後、スレーブCPU12において実行中の処理によるアクセス要求に応じて、スレーブCPU12からHDD16へのアクセスが行われる。
【0042】
ステップS60では、ステップS50の処理によってスレーブCPU12側にHDD16が接続されてから、スレーブCPU12が予め定められた所定のセクタ数をHDD16に対してアクセスしたか否かを判定する。所定のセクタ数をアクセスするまではステップS60に留まり、所定セクタ数をアクセスしたらステップS10へ戻る。
【0043】
ステップS60からステップS10へ戻った後は、マスタCPU11が実行中の処理によるアクセス要求があってスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されている間、前述のようにステップS30〜S60の処理が繰り返し実行される。これにより、マスタCPU11またはスレーブCPU12が所定のセクタ数をアクセスするごとに、HDD16のデータ入出力先がマスタCPU11とスレーブCPU12に交互に切り替えられる。
【0044】
一方、ステップS20からステップS70へ進んだ場合、ステップS70ではステップS30と同様に、HDD接続切替回路15に対して切替制御信号をHレベルで出力することにより、マスタCPU11側にHDD16が接続されるようにHDD接続切替回路15を動作させる。この切替動作の後に、マスタCPU11において実行中の処理によるアクセス要求に応じて、マスタCPU11からHDD16へのアクセスが行われる。
【0045】
ステップS80では、ステップS70の処理によってマスタCPU11側にHDD16が接続されてから、マスタCPU11が予め定められた所定のセクタ数をHDD16に対してアクセスしたか否かを判定する。所定のセクタ数をアクセスするまではステップS80に留まり、所定セクタ数をアクセスしたらステップS10へ戻る。
【0046】
ステップS80からステップS10へ戻った後は、マスタCPU11が実行中の処理によるアクセス要求があってスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されていない間、前述のようなステップS70およびS80の処理が繰り返し実行される。これにより、HDD16のデータ入出力先がマスタCPU11に切り替えられる。
【0047】
また、ステップS10からステップS90へ進んだ場合、ステップS90ではステップS20と同様に、スレーブCPU12からアクセス要求信号の出力があるか否かを判定する。アクセス要求信号の出力がある場合はステップS100へ進み、ない場合はステップS10へ戻る。
【0048】
ステップS100ではステップS50と同様に、HDD接続切替回路15に対して切替制御信号をLレベルで出力することにより、スレーブCPU12側にHDD16が接続されるようにHDD接続切替回路15を動作させる。これにより、スレーブCPU12において実行中の処理によるアクセス要求に応じて、スレーブCPU12からHDD16へのアクセスが行われる。
【0049】
ステップS110では、ステップS100の処理によってスレーブCPU12側にHDD16が接続されてから、スレーブCPU12が予め定められた所定のセクタ数をHDD16に対してアクセスしたか否かを判定する。所定のセクタ数をアクセスするまではステップS110に留まり、所定セクタ数をアクセスしたらステップS10へ戻る。
【0050】
ステップS110からステップS10へ戻った後は、マスタCPU11が実行中の処理によるアクセス要求がなくてスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されている間、前述のようなステップS100およびS110の処理が繰り返し実行される。これにより、HDD16のデータ入出力先がスレーブCPU12に切り替えられる。
【0051】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏することができる。
(1)スレーブCPU12において、スレーブCPU12自身が実行中の処理によるアクセス要求に応じて、マスタCPU11にアクセス要求信号を出力する。マスタCPU11では、マスタCPU11自身が実行中の処理によるアクセス要求、およびスレーブCPU12から出力されたアクセス要求信号に応じて、HDD接続切替回路15に切替制御信号を出力する。こうしてマスタCPU11から出力された切替制御信号を受けたHDD接続切替回路15では、その切替制御信号に基づいて、HDD16のデータ入出力先をマスタCPU11またはスレーブCPU12のいずれかに切り替えることとした。このようにしたので、複数のCPUとハードディスクなどの記録媒体を有するナビゲーション装置において、各CPUから記録媒体へのアクセスを適切に制御することができる。
【0052】
(2)マスタCPU11は、自身が実行中の処理によるアクセス要求があるか否かを判定する(ステップS10)と共に、スレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されているか否かを判定し(ステップS20、S90)、その判定結果に応じてHDD接続切替回路15に出力する切替制御信号を変化させることにより、HDD16のデータ入出力先をマスタCPU11またはスレーブCPU12のいずれかに切り替えることとした。
【0053】
すなわち、マスタCPU11自身が実行中の処理によるアクセス要求があってスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されていない場合は、HDD16のデータ入出力先をマスタCPU11に切り替えるようHDD接続切替回路15に切替制御信号を出力する(ステップS70)。マスタCPU11自身が実行中の処理によるアクセス要求がなくてスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されている場合は、HDD16のデータ入出力先をスレーブCPU12に切り替えるようHDD接続切替回路15に切替制御信号を出力する(ステップS100)。マスタCPU11自身が実行中の処理によるアクセス要求があってスレーブCPU12からアクセス要求信号が出力されている場合は、HDD16のデータ入出力先をマスタCPU11とスレーブCPU12に交互に切り替えるようHDD接続切替回路15に切替制御信号を出力する(ステップS30〜S60)。このようにしたので、各CPUにおいて実行される処理のアクセス要求に応じて、各CPUから記録媒体へのアクセスを適切に制御することができる。
【0054】
(3)HDD接続切替回路15を、マスタCPU11からの切替制御信号に応じて出力状態を切り替える複数の3ステートバッファを用いて構成することとしたので、簡単な回路構成でHDD接続切替回路15における切替動作を実現することができる。
【0055】
(4)マスタCPU11またはスレーブCPU12がHDD16とデータの入出力を行う際に、HDD16の動作を制御するためのIDE制御信号をマスタCPU11およびスレーブCPU12に入力する。これにより、マスタCPU11は、HDD16のデータ入出力先がスレーブCPU12に切り替えられているときに、スレーブCPU12から出力されるIDE制御信号に基づいて、HDD16とスレーブCPU12間のデータ入出力状態を監視する。同様にスレーブCPU12は、HDD16のデータ入出力先がマスタCPU11に切り替えられているときに、マスタCPU11から出力されるIDE制御信号に基づいて、HDD16とマスタCPU11間のデータ入出力状態を監視することとした。このようにしたので、マスタCPU11またはスレーブCPU12の処理内容を監視結果に基づき必要に応じて制御することができる。
【0056】
(5)マスタCPU11からの切替制御信号をスレーブCPU12に入力し、その切替制御信号に基づいて、HDD接続切替回路15によりHDD16のデータ入出力先がマスタCPU11とスレーブCPU12のいずれに切り替えられているかをスレーブCPU12において判別することとした。このようにしたので、判別結果に基づいてスレーブCPU12の処理内容を必要に応じて制御することができる。
【0057】
なお、上記の実施の形態では、マスタCPU11またはスレーブCPU12が所定のセクタ数をアクセスするごとに、HDD16のデータ入出力先をマスタCPU11とスレーブCPU12に交互に切り替える例を説明したが、アクセスしたセクタ数ではなく経過時間ごとにHDD16のデータ入出力先を切り換えてもよい。すなわち、予め設定された所定の時間間隔ごとにHDD16のデータ入出力先をマスタCPU11とスレーブCPU12に交互に切り替えることもできる。この場合も上記実施の形態において説明したのと同様に、HDD16が接続される時間間隔をマスタCPU11側とスレーブCPU12側で変えることができる。このようにしても、上記実施の形態において説明したのと同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
なお、上記の実施の形態では各種のデータを記録する記録媒体としてハードディスクを用いた例を説明したが、ハードディスク以外の記録媒体を用いた場合にも本発明を適用可能である。たとえば、CD−ROMやDVD−ROMなどの光学式ディスク、フラッシュメモリや各種メモリカード類などの不揮発性メモリ、書き換え可能な光学式ディスク等、様々な記録媒体へのアクセス制御において本発明を適用することができる。また、上記の実施の形態は車両用のナビゲーション装置を例に説明したが、他の様々な車載電子機器においても本発明は適用可能である。たとえば、車両が事故を起こした時の記録写真を自動的に撮影する自動記録装置や、車両が盗難された時に周囲の情報を自動的に収集して送信する盗難監視装置、音楽データを記録および再生する音楽再生装置など、各種の車載電子機器において本発明を適用することができる。
【0059】
また、上記の実施の形態では、マスタCPU11およびスレーブCPU12からなる2式のCPUを用いた場合に、1台のHDD16へのアクセスを制御する手法について説明した。しかし、3式以上のCPUを使用して1台のHDDへのアクセスを制御する場合にも、同様の手法を用いることができる。さらに、2台以上のHDDをそれぞれ複数のCPUに接続する場合にも同様である。
【0060】
さらに上記の実施の形態では、マスタCPU11において車両位置検出処理を実行し、スレーブCPU12において地図描画処理および音楽再生処理を実行することとしたが、各CPUが実行する処理の内容はこれに限定されるものではない。たとえばマスタCPU11では、比較的優先度の高い処理として、前方道路の曲率計算処理、道路規制情報の読み込み処理、推奨車速の演算処理など、地図データに基づいて行われる車両走行制御用の処理や、ナビゲーション装置1の自己診断処理などを実行することができる。またスレーブCPU12では、マスタCPU11よりも優先度の低い処理として、経路計算処理、経路誘導処理など、地図データに基づいた車両誘導用の処理を実行することができる。
【0061】
なお、必ずしもマスタCPU11がスレーブCPU12よりも優先度の高い処理を実行する必要はない。たとえば、マスタCPU11を耐環境性に優れた信頼性の高い部品で構成し、スレーブCPU12を通常の部品で構成して、マスタCPU11ではナビゲーション装置にとって最低限必要な処理を実行することにより、苛酷な環境でも使用できるナビゲーション装置を提供することができる。あるいは、マスタCPU11とスレーブCPU12において同じ処理を実行することにより、処理の二重化を図ってナビゲーション装置の信頼性を向上することもできる。これ以外にも、様々な処理をマスタCPU11およびスレーブCPU12において実行することができる。
【0062】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0063】
上記の実施の形態では、記録媒体をHDD16、第1の処理手段をマスタCPU11、第2の処理手段をスレーブCPU12、切替手段をHDD接続切替回路15によってそれぞれ実現することとした。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】HDD接続切替回路が行う切り替え動作を模式的に表した図である。
【図3】HDD接続切替回路の回路構成を示す図である。
【図4】HDDのデータ入出力先がマスタCPUとスレーブCPUの間で切り替えられる様子を示す動作タイミング図である。
【図5】マスタCPUにおいて切替制御信号の出力を変化させHDD接続切替回路の切り替え動作を制御するときのフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1:ナビゲーション装置 11:マスタCPU
12:スレーブCPU 13,14:IDEインタフェース回路
15:HDD接続切替回路 16:HDD
21:ROM 22:RAM
23:現在地検出装置 24:画像メモリ
25:表示モニタ 26:入力装置
27:バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを少なくとも含む各種のデータが記録された記録媒体と、
前記記録媒体に記録されたデータに基づいて所定の処理を実行する第1の処理手段と、
前記記録媒体に記録されたデータに基づいて前記第1の処理手段が実行する処理とは別の処理を実行する第2の処理手段と、
前記記録媒体のデータ入出力先を前記第1の処理手段または前記第2の処理手段のいずれかに切り替える切替手段とを備え、
前記第2の処理手段は、自身が実行中の処理によるアクセス要求に応じて前記第1の処理手段にアクセス要求信号を出力し、
前記第1の処理手段は、自身が実行中の処理によるアクセス要求および前記第2の処理手段から出力されたアクセス要求信号に応じて、前記切替手段に切替制御信号を出力し、
前記切替手段は、前記第1の処理手段から出力された切替制御信号に基づいて、前記記録媒体のデータ入出力先を切り替えることを特徴とする車載電子機器。
【請求項2】
請求項1の車載電子機器において、
前記第1の処理手段は、自身が実行中の処理によるアクセス要求があって前記第2の処理手段からアクセス要求信号が出力されていない場合は、前記記録媒体のデータ入出力先を第1の処理手段に切り替えるよう前記切替手段に切替制御信号を出力し、
自身が実行中の処理によるアクセス要求がなくて前記第2の処理手段からアクセス要求信号が出力されている場合は、前記記録媒体のデータ入出力先を第2の処理手段に切り替えるよう前記切替手段に切替制御信号を出力し、
自身が実行中の処理によるアクセス要求があって前記第2の処理手段からアクセス要求信号が出力されている場合は、前記記録媒体のデータ入出力先を第1の処理手段と第2の処理手段に交互に切り替えるよう前記切替手段に切替制御信号を出力することを特徴とする車載電子機器。
【請求項3】
請求項1または2の車載電子機器において、
前記切替手段は、前記切替制御信号に応じて出力状態を切り替える複数の3ステートバッファを用いて構成されることを特徴とする車載電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項の車載電子機器において、
前記第1の処理手段は、前記記録媒体のデータ入出力先が前記第2の処理手段に切り替えられているときに、前記記録媒体を制御するために第2の処理手段から出力される制御信号に基づいて、前記記録媒体と第2の処理手段間のデータ入出力状態を監視し、
前記第2の処理手段は、前記記録媒体のデータ入出力先が前記第1の処理手段に切り替えられているときに、前記記録媒体を制御するために第1の処理手段から出力される制御信号に基づいて、前記記録媒体と第1の処理手段間のデータ入出力状態を監視することを特徴とする車載電子機器。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか一項の車載電子機器において、
前記第2の処理手段は、前記第1の処理手段から出力される切替制御信号を入力し、その切替制御信号に基づいて、前記切替手段により前記記録媒体のデータ入出力先が第1の処理手段と第2の処理手段のいずれに切り替えられているかを判別することを特徴とする車載電子機器。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項の車載電子機器において、
前記第1の処理手段は、前記記録媒体に記録された地図データに基づく車両位置検出処理を実行し、
前記第2の処理手段は、前記記録媒体に記録された地図データに基づく地図描画処理を実行することを特徴とする車載電子機器。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか一項の車載電子機器において、
前記記録媒体には音楽データが記録されており、
前記第2の処理手段は、前記記録媒体に記録された音楽データに基づく音楽再生処理を実行することを特徴とする車載電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−97367(P2008−97367A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279037(P2006−279037)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】