説明

車載電子装置、車両用通信システム

【課題】他車両の位置を正確に求めることができる車載電子装置を提供する。
【解決手段】他車両から送信される他車両情報を取得し(ステップS100)、取得した他車両情報に含まれる他車位置情報を、その他車両情報に含まれる他車位置の検出時刻情報および他車速度情報に基づいて補正する(ステップS140)。さらに、他車両から予測情報が送信された場合は、その他車両の予測情報を取得し(ステップS120)、取得した予測情報に基づいて、他車両の運動状態の変化を予測する(ステップS130)。この予測結果に基づいて他車位置情報を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載電子装置と、車載電子装置を有する車両用通信システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車々間通信により他車両から送信される位置情報を受信し、受信した位置情報に基づいて他車両の位置を求めることにより、他車両の位置を地図上に表示する車載用電子装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−64616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される従来の車載用電子装置では、他車両の位置が検出されてから、車載電子装置において位置情報を受信して他車両の位置を求めるまでの遅延時間が考慮されていない。したがって、他車両が移動している場合などは、他車両の位置が誤って求められるという問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による車載電子装置は、他車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段により取得された他車両の位置情報を補正する補正手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載電子装置において、他車両の位置の検出時刻情報を取得する検出時刻情報取得手段をさらに備え、補正手段は、検出時刻情報取得手段により取得された検出時刻情報に基づいて、他車両の位置情報を補正するものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車載電子装置において、他車両の速度情報を取得する速度情報取得手段をさらに備え、補正手段は、検出時刻情報と、速度情報取得手段により取得された他車両の速度情報とに基づいて、他車両の位置情報を補正するものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の車載電子装置において、補正手段は、検出時刻情報に基づいて、他車両の位置が検出されてから現在までの遅延時間における他車両の移動距離を求め、求めた移動距離に基づいて、他車両の位置情報を補正するものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4いずれか一項に記載の車載電子装置において、他車両の運動状態の変化を予測するための予測情報を取得する予測情報取得手段と、予測情報取得手段により取得された予測情報に基づいて、他車両の運動状態の変化を予測する予測手段とをさらに備え、補正手段は、予測手段により予測された他車両の運動状態の変化に基づいて、他車両の位置情報を補正するものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載の車載電子装置において、予測情報は、他車両の運転操作の状態および/または他車両の走行制御の状態を表し、予測手段は、予測情報が表す他車両の運転操作の状態および/または他車両の走行制御の状態に基づいて、他車両の運動状態の変化を予測するものである。
請求項7の発明は、請求項1〜6いずれか一項に記載の車載電子装置において、地図を表示モニタに表示し、補正手段により補正された他車両の位置情報に基づいて、他車両の位置を地図上に表示する表示制御手段をさらに備えるものである。
請求項8の発明は、請求項1〜7いずれか一項に記載の車載電子装置において、位置情報取得手段は、自車両と他車両との間で行われる車々間通信によって他車両から送信される他車両の位置情報を取得するものである。
請求項9の発明は、請求項2〜4いずれか一項に記載の車載電子装置において、検出時刻情報取得手段は、自車両と他車両との間で行われる車々間通信によって他車両から送信される検出時刻情報を取得するものである。
請求項10の発明は、請求項3または4に記載の車載電子装置において、速度情報取得手段は、自車両と他車両との間で行われる車々間通信によって他車両から送信される他車両の速度情報を取得するものである。
請求項11の発明は、請求項5または6に記載の車載電子装置において、予測情報取得手段は、自車両と他車両との間で行われる車々間通信によって他車両から送信される予測情報を取得するものである。
請求項12の発明は、請求項8〜11いずれか一項に記載の車載電子装置において、自車両の位置情報を車々間通信によって他車両へ送信する位置情報送信手段をさらに備えるものである。
請求項13の発明による車両用通信システムは、請求項1〜7いずれか一項に記載の車載電子装置と、車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、位置情報取得手段は、配信センターから送信される他車両の位置情報を取得するものである。
請求項14の発明による車両用通信システムは、請求項2〜4いずれか一項に記載の車載電子装置と、車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、検出時刻情報取得手段は、配信センターから送信される検出時刻情報を取得するものである。
請求項15の発明による車両用通信システムは、請求項3または4に記載の車載電子装置と、車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、速度情報取得手段は、配信センターから送信される他車両の速度情報を取得するものである。
請求項16の発明による車両用通信システムは、請求項5または6に記載の車載電子装置と、車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、予測情報取得手段は、配信センターから送信される予測情報を取得するものである。
請求項17の発明は、請求項13〜16いずれか一項に記載の車両用通信システムにおいて、自車両の位置情報を配信センターへ送信するための通信制御装置をさらに有するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、他車両の位置を正確に求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
本発明の第1の実施の形態による車両用通信システムの構成を図1に示す。この車両用通信システムは、自車両1と他車両2とが車々間通信によって互いの位置情報を交換し、それによって相手方の位置をそれぞれ判断することで、必要に応じて様々な車両制御を行うものである。自車両1には、ナビゲーション装置10、車両制御装置11、通信制御装置12およびアンテナ13が備えられている。同様に、他車両2には、ナビゲーション装置20、車両制御装置21、通信制御装置22およびアンテナ23が備えられている。自車両1と他車両2にそれぞれ搭載されたこれらの各車載電子機器により、本実施形態の車両用通信システムが構築される。
【0008】
ナビゲーション装置10は、自車両1の位置(自車位置)を検出すると共に、他車両2から送信される他車両情報に基づいて、他車両2の位置(他車位置)を求める。そして、自車位置から所定範囲内の地図を表示モニタに表示し、自車位置を示す自車位置マークと、他車位置を示す他車位置マークとをその地図上に表示する。こうした地図表示を行うことにより、自車両1と他車両2との位置関係をユーザに対して知らせる。またナビゲーション装置10は、車両制御装置11からの指示により、必要に応じて警告音の出力や警告メッセージの表示を行う。これにより、自車両1に向かって走行している他車両2の存在などをユーザに知らせることができる。
【0009】
さらにナビゲーション装置10は、目的地が設定されることにより、自車両1をその目的地まで案内するためのナビゲーション処理を実行する。すなわち、ユーザの操作などによりナビゲーション装置10に対して目的地が設定されると、ナビゲーション装置10はその目的地までの推奨経路を地図データに基づいて探索する。そして、探索された推奨経路を地図上に表示し、その推奨経路に従ってユーザに進行方向の指示を行うことにより、自車両1を目的地まで案内する。なお、このときにも前述のように自車位置マークと他車位置マークが地図上に表示される。
【0010】
車両制御装置11は、自車両1の挙動やユーザの運転操作等に応じて、自車両1における様々な動作の制御を行う。たとえば、アクセルペダルの踏み込み量やエンジン回転数などに応じてアクセル開度を調節することで、自車両1に生じる加速度を制御する。さらに車両制御装置11は、ナビゲーション装置10によって求められた自車位置と他車位置に基づいて、自車両1と他車両2との位置関係やその変化状態を判断し、この判断結果に応じて、ナビゲーション装置10に対する警告の指示や自車両1の駆動制御を必要に応じて行う。たとえば、自車両1の走行道路と交差する道路を走行中の他車両2が、自車両1に向かって所定距離以内に接近していると判断されたとする。このような場合、車両制御装置11は、他車両2が接近している旨の警告をナビゲーション装置10に対して指示すると共に、必要であれば自車両1のブレーキを制御して自車両1を停止させる。
【0011】
通信制御装置12は、アンテナ13を用いて、他車両2に搭載された通信制御装置22との間で車々間通信を行う。この車々間通信により、通信制御装置12において、他車位置の情報を含む他車両情報が受信されると共に、自車位置の情報を含む自車両情報が送信される。なお、このときに車両の種類(たとえば、大型車、小型車、二輪車等)の表すための車種情報と、車々間通信を行う車両の各々を特定するための車両ID情報とが、自車両情報と他車両情報の一部としてそれぞれ送信される。こうして自車両1と他車両2の位置情報が交換される。
【0012】
通信制御装置12において受信された他車両情報は、通信制御装置12からナビゲーション装置10へと出力される。この他車両情報に基づいて、ナビゲーション装置10は他車両2の位置を特定し、その結果を通信制御装置12へ出力する。こうしてナビゲーション装置10から他車位置の特定結果が出力されると、それに基づいて通信制御装置12は、前述のような制御を自車両1に対して行う。なお、通信制御装置12および22を用いて自車両1と他車両2との間で行われる車々間通信には、たとえばDSRC(Dedicated Short Range Communications)による通信方式などを利用することができる。
【0013】
自車両1に搭載されているナビゲーション装置10、車両制御装置11、通信制御装置12およびアンテナ13は、以上説明したような処理や動作を行う。なお、他車両2に搭載されているナビゲーション装置20、車両制御装置21、通信制御装置22およびアンテナ23も、それぞれに同様の処理や動作を行う。
【0014】
ところで、他車両2においてナビゲーション装置20により他車位置が検出されてから、ナビゲーション装置10により他車位置が求められるまでの間には、様々な原因による遅延が生じる。たとえば、他車両2においてナビゲーション装置20が他車位置を検出してから通信制御装置22が他車両情報を送信するまでの送信処理に要する時間や、通信制御装置22から送信された他車両情報を自車両1において通信制御装置12が受信してナビゲーション装置10へ出力するまでの受信処理に要する時間、通信制御装置12から出力された他車両情報に基づいてナビゲーション装置10が他車位置を求める算出処理に要する時間などが、このような遅延の原因となる。こうした遅延時間中に他車両2が移動していると、ナビゲーション装置10において他車位置が誤って求められてしまうという問題が生じる。
【0015】
そこでナビゲーション装置10は、次のようにして他車位置の補正を行う。まず、ナビゲーション装置10は、自車位置を検出するときに、さらに自車両1の走行速度(自車速度)を検出する。そして、検出した自車位置と自車速度の情報を、その検出時刻の情報と共に、自車両情報として自車両1から他車両2へと送信する。ナビゲーション装置20も同様に、他車両2の走行速度(他車速度)を検出し、検出した他車位置と他車速度の情報を、その検出時刻の情報と共に、他車両情報として自車両1へ送信する。なお、これらの情報の送受信は、通信制御装置12および22を介した車々間通信によって行われる。
【0016】
他車両2から送信された他車両情報が通信制御装置12によって受信されると、ナビゲーション装置10は、その他車両情報に含まれる他車速度および検出時刻の情報に基づいて、他車両情報に含まれる他車位置情報を補正する。すなわち、他車両情報の一部として取得した他車位置の検出時刻の情報に基づいて、他車両2において他車位置が検出されてから現在までの遅延時間を求める。この遅延時間の長さと、他車両情報の一部として取得した他車速度の情報とに基づいて、遅延時間における他車両2の移動距離を求める。こうして求められた遅延時間内の移動距離に基づいて、他車両2の走行方向に応じた遅延時間経過後の他車位置を予測することにより、他車位置情報の内容を補正する。このようにすることで、遅延時間中に他車両2が移動することによって生じる他車位置のずれを補正することができる。
【0017】
ナビゲーション装置20も同様にして、通信制御装置22により受信された自車両情報に含まれる自車速度および検出時刻の情報に基づいて、自車両情報に含まれる自車位置情報を補正する。これにより、自車両1において自車位置が検出されてからナビゲーション装置20において自車位置が求められるまでの遅延時間により生じる自車位置のずれが補正される。このようにして、ナビゲーション装置10および20が自車位置と他車位置のずれをそれぞれ補正することにより、自車位置と他車位置を正確に求めることができる。
【0018】
さらにナビゲーション装置10は、次のようにして他車位置の予測精度を向上させることもできる。まず、ナビゲーション装置10は、自車両情報を送信するときに、自車位置が検出されてからその自車位置が求められるまでの間における自車両1の運動状態の変化をナビゲーション装置20において予測するための情報を、必要に応じて他車両2へ送信する。このとき送信される情報を、以下では自車両1の予測情報と呼ぶこととする。ナビゲーション装置20も同様に、他車両情報と共に、他車両2の予測情報を必要に応じて自車両1へ送信する。これらの予測情報の送受信も、自車両情報や他車両情報と同様に、通信制御装置12および22を介した車々間通信によって行われる。
【0019】
上記の予測情報は、たとえば自車両1または他車両2における運転操作の状態を表している。すなわち、自車両1または他車両2のブレーキ、アクセル、ステアリング、シフトレバー、ウィンカーランプ、ハザードランプなどの操作状態を示す信号が、予測情報として送信される。または、自車両1または他車両2の走行制御の状態、たとえば車速の制御状態やブレーキの制御状態などを表す信号を、予測情報として送信することもできる。なお、これらの予測情報を組み合わせて用いてもよい。ここで挙げた内容の他にも、自車両1または他車両2の運動状態の変化を予測する際に利用できる様々な情報を、予測情報として用いることができる。
【0020】
なお、自車両1における運転操作の状態や走行制御の状態は、ナビゲーション装置10ではなく車両制御装置11によって検出される。すなわち、ナビゲーション装置10は、車両制御装置11から出力される運転操作や走行制御の状態の検出結果に基づいて、上記のような予測情報を送信制御装置12へと出力する。この予測情報が送信制御装置12によって他車両2へと送信されることで、他車両2に対して自車両1の予測情報が送信される。他車両2の予測情報も同様である。すなわち、車両制御装置21によって検出された他車両2の運転操作や走行操作の状態に基づいて、ナビゲーション装置20から送信制御装置22へと出力された他車両2の予測情報が、送信制御装置22によって他車両2から自車両1へと送信される。
【0021】
他車両2の予測情報が他車両2から送信された場合、ナビゲーション装置10は、その内容に基づいて他車両2の運動状態の変化を予測する。この予測結果を反映して他車位置情報の補正を行うことにより、他車位置をさらに一層正確に求めることができる。たとえば、他車両2の予測情報においてブレーキ操作が示されていた場合は、他車両2が減速していると予測されるため、ブレーキ操作がないときよりも他車両2の移動距離を少なく見積もる。反対に、他車両2の予測情報においてアクセル操作が示されていた場合は、他車両2が加速していると予測されるため、そのときのアクセル開度に応じて、アクセル操作がないときよりも他車両2の移動距離を大きく見積もる。また、シフトレバーが操作されている場合は、その操作内容に応じて他車両2の速度変化を予測したり、ウィンカーランプが操作されている場合は、その操作方向にしたがって他車両2の移動方向が変化していると予測したりすることができる。このようにして、他車両2の運動状態の変化を予測し、その予測結果に基づいて他車位置情報の補正量を調節することにより、他車位置をさらに一層正確に求めることができる。
【0022】
ナビゲーション装置20も同様に、自車両1から送信された予測情報に基づいて自車両1の運動状態の変化を予測し、その予測結果を反映して自車位置情報の補正を行う。なお、予測情報を送信するか否かは、たとえばユーザの操作による指示や、相手方からの要求の有無などにしたがって判断することができる。
【0023】
次に、ナビゲーション装置10の構成を図2に示す。ナビゲーション装置10は、制御部101、振動ジャイロ102、車速センサ103、ハードディスク(HDD)104、GPS受信部105、表示モニタ106および入力装置107を備えている。
【0024】
制御部101は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD104に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部101により、ナビゲーション装置10における様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、各種の画像表示処理、ルート案内時の処理などが実行される。また、前述したような自車両情報と予測情報の出力処理も、制御部101によって行われる。
【0025】
制御部101は車両制御装置11および通信制御装置12と接続されており、これらとの間で様々な信号やデータが入出力される。たとえば通信制御装置12に対して、自車両情報と自車両1の予測情報が所定時間ごとに出力される。この自車両情報と予測情報は、通信制御装置12が行う車々間通信により、自車両1から他車両2へと送信される。一方、通信制御装置12から制御部101には、他車両2から受信した他車両情報や予測情報が入力される。
【0026】
通信制御装置12から他車両情報が入力されると、制御部101は、その他車両情報に基づいて他車両2の位置を特定する。このとき、他車両情報に含まれる他車速度と検出時刻の情報に基づいて他車位置情報を補正し、その補正結果に応じて他車両2の位置を特定する。なお、他車両2から予測情報が送信されている場合は、その予測情報に基づいて他車位置情報の補正量を調節する。他車位置の特定結果は、自車位置の検出結果と共に、制御部101から車両制御装置11へ出力される。車両制御装置11は、これらに基づいて自車両1と他車両2との位置関係やその変化状態を判断し、前述のような警告指示や駆動制御を必要に応じて行う。
【0027】
振動ジャイロ102は、自車両1の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ103は、自車両1の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて自車両1の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、自車両1の移動量が求められ、それによって自車両1の現在位置が検出される。
【0028】
HDD104は、データの書き換えが可能な不揮発性の記録媒体であり、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD104に記録されている地図データは、必要に応じて制御部101の制御により読み出され、制御部101が実行する様々な処理や制御に利用される。この地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までのルート探索に用いられる。経路誘導データは、設定された経路に従って自車両1を目的地まで誘導するために用いられ、交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状や種別を表す。背景データは、河川や鉄道などの道路以外の地図形状や、各種施設の位置などを表す。
【0029】
GPS受信部105は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部101へ出力する。GPS信号には、自車両1の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて自車両1の現在位置と現在時刻を算出することができる。
【0030】
表示モニタ106は、ナビゲーション装置10において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ106により、前述したように自車両1の周辺について地図が表示され、その地図上に自車位置マークと他車位置マークが表示される。表示モニタ106に表示される画面の内容は、制御部101が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ106は、たとえば自車両1のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
【0031】
入力装置107は、ナビゲーション装置10を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザはこの入力装置107を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。入力装置107は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ106と一体化されたタッチパネルにより入力装置107を実現してもよい。
【0032】
ユーザが入力装置107を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置10は、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、目的地までの推奨経路を探索する。そして、自車両1の現在位置を検出し、その周辺の道路地図を表示しながら、探索された推奨経路に従って自車両1を目的地まで誘導する。
【0033】
図3は、自車両1と他車両2との間で車々間通信を行って自車位置と他車位置をそれぞれ特定する際に、ナビゲーション装置10の制御部101において実行される処理のフローチャートである。このフローチャートは所定の通信間隔、たとえば100ミリ秒ごとに実行される。このフローチャートについて、以下に詳しく説明する。
【0034】
ステップS10では、車々間通信が可能な他車両2が自車両1の周囲にあるか否かを判定する。通信可能範囲内に他車両2が検出された場合、次のステップS20へ進む。
【0035】
ステップS20では、自車位置の検出を行う。この自車位置の検出は、前述のように振動ジャイロ102、車速センサ103およびGPS受信部105による各検出結果に基づいて行われる。ステップS30では、自車速度の検出を行う。この自車速度の検出は、車速センサ103を用いて行われる。ステップS40では、時刻の検出を行う。この時刻の検出は、GPS受信部105によって検出されるGPS信号に基づいて行われる。なお、ここで検出される時刻は、自車位置と自車速度の検出時刻を表している。
【0036】
ステップS50では、ステップS20〜S40の各処理によって検出された自車位置、自車速度および検出時刻の各情報をまとめ、自車両情報として通信制御装置12へ出力する。こうして通信制御装置12へ出力された自車両情報は、通信制御装置12により他車両2へ送信される。これにより、他車両2において自車両1の位置を求めるために必要な情報が、自車両1から他車両2へ送信される。
【0037】
ステップS60では、表示モニタ106において、ステップS20で検出した自車位置に基づいて、地図上に自車位置マークの表示を行う。この自車位置マークが表示されることにより、自車両1の現在位置が地図上に示される。
【0038】
ステップS70では、自車両1の予測情報を他車両2へ送信するか否かを判定する。所定の送信条件を満たす場合、たとえば、ユーザの操作により送信を指示された場合や、車々間通信の相手方である他車両2から送信の要求があった場合などは、自車両1の予測情報を他車両2へ送信すると判断してステップS80へ進む。一方、上記のような送信条件を満たさず、自車両1の予測情報を他車両2へ送信しないと判定された場合は、ステップS100へ進む。この場合、ステップS80およびS90の処理が実行されないため、予測情報の送信は行われない。
【0039】
ステップS80では、自車両1の予測情報を車両制御装置11から取得する。ここでは、前述したような自車両1の運転操作や走行制御の状態の検出結果が車両制御装置11から出力されることにより、自車両1の予測情報を取得することができる。次のステップS90では、ステップS80で取得した自車両1の予測情報を送信制御装置12へ出力する。こうして通信制御装置12へ出力された予測情報は、通信制御装置12により他車両2へと送信される。これにより、他車両2において自車両1の運動状態の変化を予測して自車位置の予測精度を向上させるために必要な自車両1の予測情報が、自車両1から他車両2へ送信される。
【0040】
ステップS100では、他車両2から送信される他車両情報を取得する。ここでは前述のように、通信制御装置12を用いて自車両1と他車両2との間で行われる車々間通信により、他車両情報を取得する。すなわち、通信制御装置12において受信された他車両情報が制御部101に対して入力されることにより、他車両情報が取得される。なお、この他車両情報には、他車位置の情報と、他車速度の情報と、他車両2における他車位置と他車速度の検出時刻の情報とが含まれている。
【0041】
ステップS110では、他車両2の予測情報が他車両2から送信されたか否かを判定する。他車両2の予測情報が送信された場合は、その予測情報を取得するために次のステップS120へ進む。一方、他車両2の予測情報が他車両2から送信されなかった場合は、ステップS120およびS130を実行せずに、ステップS110からステップS140へと進む。
【0042】
ステップS110からS120へ進んだ場合、ステップS120では、他車両2から送信された予測情報を取得する。ここでもステップS100において他車両情報を取得するときと同様に、通信制御装置12を用いて自車両1と他車両2との間で行われる車々間通信により、他車両2の予測情報を取得する。すなわち、通信制御装置12において受信された他車両2の予測情報が制御部101に対して入力されることにより、他車両2の予測情報が取得される。
【0043】
ステップS130では、ステップS120において取得した予測情報に基づいて、他車両2の運動変化状態の予測を行う。ここでは前述のように、取得した予測情報によって表される他車両2の運転操作の状態や走行制御の状態などに基づいて、他車両2の運動状態における様々な変化を予測する。
【0044】
ステップS140では、ステップS100で取得した他車両情報に含まれる他車位置情報を補正する。ここでは、前述したように、他車両情報に含まれる他車速度および検出時刻の情報に基づいて、その他車両情報における他車位置情報を補正する。さらにこのとき、ステップS130において他車両2の運動状態の変化を予測していた場合は、その予測した運動状態の変化に基づいて、他車位置情報の補正量を調節する。このようにして他車位置情報が補正されることにより、正確な他車位置が求められる。
【0045】
ステップS150では、ステップS140で求められた補正後の他車位置情報に基づいて、他車位置を車両制御装置11へ出力する。次のステップS160では、表示モニタ106において、補正後の他車位置情報に基づいて他車位置マークを表示する。これにより、表示モニタ106に表示された地図上に、補正された他車位置が表示される。ステップS160を実行したら、図3のフローチャートを終了する。このようにして、自車両1と他車両2との間で車々間通信が行われ、自車位置と他車位置がそれぞれ特定される。
【0046】
以上説明したような処理を実行することにより自車位置マークと他車位置マークが表示された地図画面の例を図4に示す。この地図画面では、自車位置マーク111の周囲について表示された地図上に、他車位置マーク211が表示されている。
【0047】
なお、自車両1の周囲に複数の他車両が存在しており、通信制御装置12においてその複数の他車両の各々から他車両情報と予測情報がそれぞれ受信される場合がある。このような場合、制御部101は、図3のフローチャートにおいて、その他車両の各々についてステップS100以降の処理をそれぞれに実行する。すなわち、各他車両から送信される他車両情報をステップS100においてそれぞれ受信する。また、各他車両から送信される予測情報をステップS120においてそれぞれ受信し、その予測情報に基づいて、各他車両の運動状態の変化をステップS130においてそれぞれ予測する。これらの処理結果に基づいて、各他車両の位置情報をステップS140においてそれぞれ補正する。
【0048】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)他車両2から送信される他車両情報により他車両2の位置情報を取得し(ステップS100)、その他車両2の位置情報を補正する(ステップS140)こととした。このようにしたので、他車両2の位置を正確に求めることができる。
【0049】
(2)他車両2から送信される他車両情報により他車位置の検出時刻情報を取得する(ステップS100)。ステップS140では、この他車位置の検出時刻情報に基づいて、他車両2の位置情報を補正することとした。このようにしたので、他車両2において他車位置が検出されてから、ナビゲーション装置10において他車位置が求められるまでの遅延時間を考慮して、他車両2の位置を正確に求めることができる。
【0050】
(3)他車両2から送信される他車両情報により他車両2の速度情報を取得する(ステップS100)。ステップS140では、他車位置の検出時刻情報と、この他車両2の速度情報とに基づいて、他車両2の位置情報を補正することとした。このようにしたので、他車両2が移動している場合でも、他車両2の位置を正確に求めることができる。
【0051】
(4)ステップS140では、他車位置の検出時刻情報に基づいて、他車位置が検出されてから現在までの遅延時間における他車両2の移動距離を求め、求めた移動距離に基づいて、他車両2の位置情報を補正することとした。このようにしたので、遅延時間における他車両2の位置変化を考慮して、他車両2の位置を正確に求めることができる。
【0052】
(5)他車両2から予測情報が送信された場合は、その他車両2の予測情報を取得し(ステップS120)、取得した予測情報に基づいて、他車両2の運動状態の変化を予測する(ステップS130)。こうして予測された他車両2の運動状態の変化に基づいて、ステップS140において他車両2の位置情報を補正することとした。このようにしたので、他車両2の位置情報を補正するときにその補正量を適切に調節して、より一層正確に他車両2の位置を求めることができる。
【0053】
(6)ステップS130では、取得した他車両2の予測情報が表す他車両2の運転操作の状態および/または他車両2の走行制御の状態に基づいて、他車両2の運動状態の変化を予測することとした。このようにしたので、他車両2の運動状態の変化を正確に予測することができる。
【0054】
(7)地図を表示モニタ106に表示し、ステップS140で補正された他車両2の位置情報に基づいて、他車位置をその地図上に表示する(ステップS160)こととした。このようにしたので、自車両1に搭乗しているユーザに対して、他車両2の位置を正確に知らせることができる。
【0055】
(8)ステップS100では、自車両1と他車両2との間で行われる車々間通信によって他車両2から他車両情報としてそれぞれ送信される他車両2の位置情報、他車位置の検出時刻情報および他車両2の速度情報を取得することとした。このようにしたので、他車両2についての正確なこれらの各情報を簡単に取得することができる。
【0056】
(9)ステップS120では、自車両1と他車両2との間で行われる車々間通信によって他車両2から送信される他車両2の予測情報を取得することとした。このようにしたので、他車両2についての正確な予測情報を簡単に取得することができる。
【0057】
(10)自車両情報を通信制御装置11へ出力し、その自車両情報を通信制御装置11により他車両2へ送信する(ステップS50)。これにより、自車両1の位置情報を車々間通信によって他車両2へ送信することとした。このようにしたので、他車両2において自車両1の位置情報を取得することができる。
【0058】
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記において説明した第1の実施の形態では、自車両1と他車両2とが車々間通信によって互いの位置情報を交換する例を説明した。これに対して本実施形態では、自車両1と他車両2が配信センターを介して互いの位置情報を交換する例について説明する。
【0059】
図5は、第2の実施の形態による車両用通信システムの構成を示している。この車両用通信システムでは、図1に示した第1の実施の形態による車両用通信システムと同様に、自車両1にはナビゲーション装置10、車両制御装置11、通信制御装置12およびアンテナ13が備えられており、他車両2にはナビゲーション装置20、車両制御装置21、通信制御装置22およびアンテナ23が備えられている。さらにこの車両用通信システムは、配信センター3を有している。
【0060】
本実施形態において、通信制御装置12は、配信センター3と無線通信を介して接続される。この無線通信には、たとえば携帯電話等の移動体通信網が用いられる。配信センター3は、全国各地を走行中の車両からそれぞれの車両情報を収集し、それを他車両情報として各車両へと送信するサービスを行う。すなわち、通信制御装置12と配信センター3が接続されると、通信制御装置12から配信センター3に対して、自車位置の情報、自車速度の情報および自車位置と自車速度の検出時刻の情報を含む自車両情報が送信される。また、配信センター3において収集された他車両情報が通信制御装置12へ送信される。この他車両情報は、他車両2の通信制御装置22から送信されて配信センター3により収集されたものであり、他車位置の情報、他車速度の情報および他車位置と他車速度の検出時刻の情報を含んでいる。
【0061】
さらに、配信センター3は、全国各地を走行中の車両からそれぞれの予測情報を収集し、それを必要に応じて各車両へと送信するサービスも行う。すなわち、通信制御装置12と配信センター3が接続されると、通信制御装置12から配信センター3に対して、自車両1の予測情報が送信される。また、配信センター3において収集された他車両2の予測情報が、必要に応じて通信制御装置12へ送信される。この他車両2の予測情報は、他車両2の通信制御装置22から送信されて配信センター3により収集されたものである。
【0062】
以上説明したようにして、配信センター3から自車両1の通信制御装置12へ他車両情報および他車両2の予測情報が送信されることにより、通信制御装置12において、他車位置の情報、他車速度の情報および他車位置と他車速度の検出時刻の情報が取得されると共に、必要に応じて他車両2の予測情報が取得される。同様に、配信センター3から他車両2の通信制御装置22へ自車両情報および自車両1の予測情報が送信されることにより、通信制御装置22において、自車位置の情報、自車速度の情報および自車位置と自車速度の検出時刻の情報が取得されると共に、必要に応じて自車両1の予測情報が取得される。これにより、自車両1と他車両2が配信センター3を介して互いの車両情報と予測情報を交換する。
【0063】
こうして通信制御装置12において他車両情報と他車両2の予測情報が取得されると、通信制御装置12からナビゲーション装置10に対してこれらの情報が出力され、その内容に基づいて、ナビゲーション装置10および車両制御装置11において、第1の実施の形態で説明したのと同様の処理がそれぞれ実行される。
【0064】
なお、本実施形態においてナビゲーション装置10の制御部101により図3のフローチャートが実行される場合、ステップS100では、以上説明したようにして他車両情報の取得を行う。すなわち、無線通信を介して接続された配信センター3から、他車位置の情報、他車速度の情報および他車位置と他車速度の検出時刻の情報を取得する。また、ステップS120では、以上説明したようにして他車両2の予測情報の取得を行う。すなわち、無線通信を介して接続された配信センター3から他車両2の予測情報を取得する。
【0065】
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ステップS100では、配信センター3からそれぞれ送信される他車両情報により、他車両2の位置情報、他車位置の検出時刻情報および他車両2の速度情報を取得することとした。このようにしたので、自車両1と他車両2の距離が離れており車々間通信を行うことができない場合であっても、これらの各情報を取得することができる。
【0066】
(2)ステップS120では、配信センター3から送信される他車両2の予測情報を取得することとした。このようにしたので、自車両1と他車両2の距離が離れており車々間通信を行うことができない場合であっても、他車両2の予測情報を取得することができる。
【0067】
(3)通信制御装置12により、自車両1の位置情報を配信センター3へ送信することとしたので、配信センター3において各車両の位置情報を収集することができる。
【0068】
なお、以上説明した第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせて用いるようにしてもよい。たとえば、自車両1と他車両2との間で車々間通信が可能な場合は、第1の実施の形態で説明したようにして車々間通信を行うことにより、自車両1と他車両2との車両情報および予測情報を交換する。しかし、自車両1と他車両2とが離れており車々間通信が不可能な場合は、第2の実施の形態で説明したように、配信センター3を介して自車両1と他車両2との車両情報および予測情報を交換する。このようにすれば、自車両1において確実に他車両情報と他車両2の予測情報を取得することができる。
【0069】
以上説明した各実施の形態では、ナビゲーション装置10により、図3のフローチャートに示す処理を実行して他車位置情報の補正処理を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されず、様々な車載電子装置に適用することができる。たとえば、通信制御装置12において、図3のフローチャートのうちステップS100〜S150の処理を実行するようにして、他車位置情報の補正処理を行ってもよい。
【0070】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例は、あくまで一例である。したがって、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0071】
以上説明した各実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段を、ナビゲーション装置10の制御部101において実行される処理によりそれぞれ実現することとした。すなわち、ナビゲーション装置10の制御部101は、位置情報取得手段、補正手段、検出時刻情報取得手段、速度情報取得手段、予測情報取得手段、予測手段、表示制御手段および位置情報送信手段として機能することができる。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、各実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施の形態による車両用通信システムの構成図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成図である。
【図3】自車両と他車両との間で車々間通信を行って自車位置と他車位置をそれぞれ特定する際に実行されるフローチャートである。
【図4】自車位置マークと他車位置マークが表示された地図画面の例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による車両用通信システムの構成図である。
【符号の説明】
【0073】
1:自車両 2:他車両
3:配信センター 10,20:ナビゲーション装置
11,21:車両制御装置 12,22:通信制御装置
13,23:アンテナ 101:制御部
102:振動ジャイロ 103:車速センサ
104:HDD 105:GPS受信部
106:表示モニタ 107:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得された前記他車両の位置情報を補正する補正手段とを備えることを特徴とする車載電子装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載電子装置において、
前記他車両の位置の検出時刻情報を取得する検出時刻情報取得手段をさらに備え、
前記補正手段は、前記検出時刻情報取得手段により取得された前記検出時刻情報に基づいて、前記他車両の位置情報を補正することを特徴とする車載電子装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載電子装置において、
前記他車両の速度情報を取得する速度情報取得手段をさらに備え、
前記補正手段は、前記検出時刻情報と、前記速度情報取得手段により取得された前記他車両の速度情報とに基づいて、前記他車両の位置情報を補正することを特徴とする車載電子装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車載電子装置において、
前記補正手段は、前記検出時刻情報に基づいて、前記他車両の位置が検出されてから現在までの遅延時間における前記他車両の移動距離を求め、求めた移動距離に基づいて、前記他車両の位置情報を補正することを特徴とする車載電子装置。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか一項に記載の車載電子装置において、
前記他車両の運動状態の変化を予測するための予測情報を取得する予測情報取得手段と、
前記予測情報取得手段により取得された前記予測情報に基づいて、前記他車両の運動状態の変化を予測する予測手段とをさらに備え、
前記補正手段は、前記予測手段により予測された前記他車両の運動状態の変化に基づいて、前記他車両の位置情報を補正することを特徴とする車載電子装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車載電子装置において、
前記予測情報は、前記他車両の運転操作の状態および/または前記他車両の走行制御の状態を表し、
前記予測手段は、前記予測情報が表す前記他車両の運転操作の状態および/または前記他車両の走行制御の状態に基づいて、前記他車両の運動状態の変化を予測することを特徴とする車載電子装置。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか一項に記載の車載電子装置において、
地図を表示モニタに表示し、前記補正手段により補正された前記他車両の位置情報に基づいて、前記他車両の位置を前記地図上に表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする車載電子装置。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項に記載の車載電子装置において、
前記位置情報取得手段は、自車両と前記他車両との間で行われる車々間通信によって前記他車両から送信される前記他車両の位置情報を取得することを特徴とする車載電子装置。
【請求項9】
請求項2〜4いずれか一項に記載の車載電子装置において、
前記検出時刻情報取得手段は、自車両と前記他車両との間で行われる車々間通信によって前記他車両から送信される前記検出時刻情報を取得することを特徴とする車載電子装置。
【請求項10】
請求項3または4に記載の車載電子装置において、
前記速度情報取得手段は、自車両と前記他車両との間で行われる車々間通信によって前記他車両から送信される前記他車両の速度情報を取得することを特徴とする車載電子装置。
【請求項11】
請求項5または6に記載の車載電子装置において、
前記予測情報取得手段は、自車両と前記他車両との間で行われる車々間通信によって前記他車両から送信される前記予測情報を取得することを特徴とする車載電子装置。
【請求項12】
請求項8〜11いずれか一項に記載の車載電子装置において、
前記自車両の位置情報を前記車々間通信によって前記他車両へ送信する位置情報送信手段をさらに備えることを特徴とする車載電子装置。
【請求項13】
請求項1〜7いずれか一項に記載の車載電子装置と、
前記車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、
前記位置情報取得手段は、前記配信センターから送信される前記他車両の位置情報を取得することを特徴とする車両用通信システム。
【請求項14】
請求項2〜4いずれか一項に記載の車載電子装置と、
前記車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、
前記検出時刻情報取得手段は、前記配信センターから送信される前記検出時刻情報を取得することを特徴とする車両用通信システム。
【請求項15】
請求項3または4に記載の車載電子装置と、
前記車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、
前記速度情報取得手段は、前記配信センターから送信される前記他車両の速度情報を取得することを特徴とする車両用通信システム。
【請求項16】
請求項5または6に記載の車載電子装置と、
前記車載電子装置と無線通信を介して接続される配信センターとを有し、
前記予測情報取得手段は、前記配信センターから送信される前記予測情報を取得することを特徴とする車両用通信システム。
【請求項17】
請求項13〜16いずれか一項に記載の車両用通信システムにおいて、
自車両の位置情報を前記配信センターへ送信するための通信制御装置をさらに有することを特徴とする車両用通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−224361(P2008−224361A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61717(P2007−61717)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】