説明

運転支援装置および運転支援方法

【課題】複数の運転支援機能を運転支援内容に基づいてグループ化し、ユーザからの指示で、運転支援機能を作動させることが可能な装置及び方法を提供する。
【解決手段】運転支援装置は、車間距離センサと、車載カメラと、車速センサと、操作スイッチ群と、スロットルアクチュエータと、ブレーキアクチュエータと、ハンドルアクチュエータとディスプレイと、スピーカと、車両コントローラとから構成される。ドライバの運転を支援する機能は、前車追従走行機能、定速走行機能、曲線過速度調整機能、周辺車両検知機能、進行方向歩行者検知機能から構成され、運転支援内容に基づいてグループされる。車両コントローラは、視界補助スイッチ、運転補助スイッチ、周辺監視スイッチからなる操作スイッチ群の動作状態により、グループ化した機能を作動させる。また、車両コントローラは、操作スイッチ群の動作状態をディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転支援を行う運転支援装置および運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数存在する運転支援機能を操作するための操作スイッチを、複数の運転支援機能に対して兼用できるようにして、操作スイッチの数が増大するのを防ぎ、限られたスペースを有効利用する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−260704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、複数の運転支援機能の作動条件を排他的なものとしているので、ユーザは、各運転支援機能を個別にオン/オフさせる必要があり、どのタイミングでどの運転支援機能を作動させればよいのか分かりにくいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による運転支援装置および運転支援方法は、ドライバの運転を支援する運転支援機能を複数備えており、複数の運転支援機能を運転支援内容に基づいてグループ化し、ユーザからの指示に基づいて、グループ化された運転支援機能をグループ単位でオン/オフさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による運転支援装置および運転支援方法によれば、運転支援内容に応じてグループ化された運転支援機能をまとめてオン/オフすることができるので、ユーザにとって利便性が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
図1は、第1の実施の形態における運転支援装置の構成を示す図である。第1の実施の形態における運転支援装置は、車間距離センサ1と、車載カメラ2と、車速センサ3と、操作スイッチ群4と、スロットルアクチュエータ5と、ブレーキアクチュエータ6と、ハンドルアクチュエータ7と、ディスプレイ8と、スピーカ9と、車両コントローラ10とを備える。
【0008】
車間距離センサ1は、レーダ装置を備え、所定周期ごとに車両前方の所定範囲にレーザ光を送出し、先行車に反射して戻ってくる反射光を受光することにより、先行車までの車間距離を検出する。車載カメラ2は、車両周囲を撮像できるように、複数台設けられており、例えば、車両前方、車両の両側方、車両後方を撮像する。車速センサ3は、自車両の速度を検出する。操作スイッチ群4は、後述する複数の運転支援機能をオン/オフするための複数のスイッチを少なくとも備えている。
【0009】
スロットルアクチュエータ5は、後述する車両コントローラ10からの指令に基づいて、スロットルバルブの開閉を行う。ブレーキアクチュエータ6は、車両コントローラ10からの指令に基づいて、ブレーキの制御を行う。ハンドルアクチュエータ7は、車両コントローラ10からの指令に基づいて、ハンドルの制御を行う。ディスプレイ8は、車両コントローラ10からの指令に基づいて、運転支援機能の作動状況を示す表示等を行う。スピーカ9は、車両コントローラ10からの指令に基づいて、警告音等を発する。
【0010】
車両コントローラ10は、操作スイッチ群4から入力される信号に基づいて、後述する各種の運転支援機能の作動/非作動を制御するとともに、運転支援機能の作動時には、作動させる運転支援機能の内容に基づいて、各アクチュエータ5〜7に制御指令を出す。
【0011】
第1の実施の形態における運転支援装置は、ドライバの運転を支援するための機能として、前車追従機能、定速走行機能、曲線過速度調整機能、周辺車両検知機能、進行方向歩行者検知機能の5つの運転支援機能を備えている。前車追従機能は、自車両の前方を走行している先行車両との車間距離を所定の車間距離に保った状態で、先行車に追従して自動走行するための機能である。前車追従機能の作動時には、車両コントローラ10は、車間距離センサ1によって検出される先行車両との間の車間距離が所定の車間距離になるように、スロットルアクチュエータ5およびブレーキアクチュエータ6に制御指令を出す。
【0012】
定速走行機能は、自車両の速度を所定速度に保って自動走行するための機能である。定速走行機能の作動時には、車両コントローラ10は、車速センサ3によって検出される車速が所定速度になるように、スロットルアクチュエータ5およびブレーキアクチュエータ6に制御指令を出す。
【0013】
曲線過速度調整機能は、カーブ路を走行している車両の速度が所定の制限速度を超えないように、車速を制限するとともに、車両が自車線から逸脱しないように、ハンドルを制御する機能である。カーブ路の情報は、図示しないカーナビゲーション装置から取得することができる。曲線過速度調整機能の作動時には、車両コントローラ10は、車両の状態に応じて、スロットルアクチュエータ5、ブレーキアクチュエータ6およびハンドルアクチュエータ7に制御指令を出す。なお、車両が自車線から逸脱しないようにハンドルを制御する機能は、既知の制御機能である。
【0014】
周辺車両検知機能は、車載カメラ2によって撮像された車両周囲の映像に基づいて、自車両に接近中の他車両、特に、自車両の後方から接近してくる他車両を検知して、必要に応じて、ドライバに警告を発する機能である。例えば、自車両の後方から接近してきている他車両と自車両との距離が所定距離以下になると、スピーカ9から警告音を発する。なお、撮像映像に基づいて、接近中の他車両を検知する技術は、既知の技術である。
【0015】
進行方向歩行者検知機能は、車載カメラ2によって撮像された車両前方の映像に基づいて、自車両前方に存在する歩行者を検知して、必要に応じて、ドライバに警告を発する。例えば、自車両前方に存在する歩行者と自車両との距離が所定距離以下であれば、スピーカ9から警告音を発する。なお、撮像映像に基づいて、歩行者を検知する技術は、既知の技術である。
【0016】
第1の実施の形態における運転支援装置では、上述した5つの運転支援機能を、運転支援内容に基づいて、3つのグループに分類する。ここでは、運転支援の目的別に、運転補助を行う運転支援機能グループ、周辺監視を行う運転支援機能グループ、および、視界補助を行う運転支援機能グループの3つのグループに分類する。
【0017】
図2は、5つの運転支援機能を、上述した3つの運転支援機能グループに分類(グループ化)した図である。前車追従機能、定速走行機能、および、曲線過速度調整機能は、それぞれ運転補助を行う機能であるため、運転補助を行う運転支援機能グループに属する。また、周辺車両検知機能は、周辺監視を行う運転支援機能グループに属し、進行方向歩行者検知機能は、視界補助を行う運転支援機能グループに属する。
【0018】
図3(a)は、操作スイッチ群4が設けられている位置を示す図である。図3(a)に示すように、操作スイッチ群4は、ハンドル(ステアリング)部分に設けられており、操作スイッチ群を構成する各スイッチは、ドライバがハンドルを握った状態で、右手の親指1本で操作することが可能である。図3(b)は、操作スイッチ群4を構成する各種スイッチを示す図である。操作スイッチ群4は、視界補助スイッチ41、運転補助スイッチ42、および、周辺監視スイッチ43を少なくとも備えている。
【0019】
視界補助スイッチ41は、上述した3つの運転支援機能グループのうち、視界補助を行う運転支援機能グループを作動させるためのスイッチである。視界補助を行う運転支援機能グループには、進行方向歩行者検知機能が含まれているため、ドライバが視界補助スイッチ41をオンにすると、進行方向歩行者検知機能が作動する。運転補助スイッチ42は、運転補助を行う運転支援機能グループを作動させるためのスイッチである。運転補助を行う運転支援機能グループには、前車追従機能、定速走行機能、および、曲線過速度調整機能が含まれているため、ドライバが運転補助スイッチ42をオンにすると、前車追従機能、定速走行機能、および、曲線過速度調整機能が作動する。周辺監視スイッチ43は、周辺監視を行う運転支援機能グループを作動させるためのスイッチである。周辺監視を行う運転支援機能グループには、周辺車両検知機能が含まれているため、ドライバが周辺監視スイッチ43をオンにすると、周辺車両検知機能が作動する。
【0020】
第1の実施の形態における運転支援装置では、各運転支援機能グループのオン/オフを行うための3つのスイッチ41〜43の配置場所にも工夫をこらしている。すなわち、3つのスイッチ41〜43を縦列に配置し、視界補助スイッチ41を1番上に配置するとともに、周辺監視スイッチ43を1番下に配置している。
【0021】
視界補助機能グループに含まれる進行方向歩行者検知機能は、車両前方に存在する歩行者を検知する機能である。従って、ユーザは、各運転支援機能グループのオン/オフを行うための3つのスイッチのうち、一番上に配置されている視界補助スイッチは、車両前方の視界補助に関する視界補助スイッチ41であることを直感的に認識することができる。
【0022】
また、周辺監視機能グループに含まれる周辺車両検知機能は、主に車両後方から接近してくる他車両を検知する機能である。従って、ユーザは、各運転支援機能グループのオン/オフを行うための3つのスイッチのうち、一番下に配置されているスイッチは、車両後方の周辺監視に関する周辺監視スイッチ43であることを直感的に認識することができる。
【0023】
車両コントローラ10は、視界補助スイッチ41、運転補助スイッチ42、および、周辺監視スイッチ43のオン/オフに応じて、各運転支援機能グループの動作状態をディスプレイ8に表示する。図4(a)は、視界補助機能グループ、運転補助機能グループ、および、周辺監視機能グループの全ての運転支援機能グループが作動していない時の表示例であり、図4(b)は、全ての運転支援機能グループが作動している時の表示例である。視界補助機能グループが作動している時は、マーク21が点灯し、運転補助機能グループが作動している時は、マーク22が点灯し、周辺監視機能グループが作動している時は、マーク23が点灯する。なお、マーク20は、自車両を表している。
【0024】
各運転支援機能グループの動作状態をディスプレイ8に表示する際も、車両前方の視界補助を行う視界補助機能グループの作動状態を示すマーク21を、自車両を示すマーク20の前方に表示しているので、ドライバは、マーク21が視界補助機能グループに関するマークであることを直感的に認識することができる。また、車両周囲の監視を行う周辺監視機能の作動状態を示すマーク23を、自車両を示すマーク20を取り囲むように表示しているので、ドライバは、マーク23が周辺監視機能に関するマークであることを直感的に認識することができる。
【0025】
第1の実施の形態における運転支援装置によれば、ドライバの運転を支援する複数の運転支援機能を、運転支援の内容に基づいてグループ化しておき、ユーザからの指示に基づいて、グループ化された運転支援機能をグループ単位でオン/オフさせるので、ドライバは、運転支援の内容に応じてグループ化された運転支援機能をまとめて作動させることができる。例えば、運転補助に関する運転支援機能を作動させたい場合には、ユーザは運転補助スイッチ42をオンすれば、前車追従機能、定速走行機能、および、曲線過速度調整機能を一度にオンさせることができる。従って、前車追従機能、定速走行機能、および、曲線過速度調整機能を個別にオン/オフする必要がなくなる。
【0026】
複数の運転支援機能を個別に操作する操作スイッチを設ける従来の装置では、運転支援機能の数が増えれば、操作スイッチの数も増えるため、どのスイッチがどの運転支援機能に対応しているのかを把握することが困難になるという問題があったが、複数の運転支援機能を運転支援の内容に応じてグループ化した第1の実施の形態における運転支援装置によれば、操作スイッチの数を減らすことができる。また、複数の運転支援機能の作動操作を兼用できる操作スイッチを設ける従来の装置では、個別の運転支援機能を作動させる操作方法が複雑になるという問題があるが、第1の実施の形態における運転支援装置によれば、運転支援の目的に応じてグループ化し、グループ化した運転支援機能をまとめて作動させるので、運転支援機能の作動操作も複雑にはならない。
【0027】
第1の実施の形態における運転支援装置によれば、グループ化された運転支援機能をグループ単位でオン/オフさせるための操作スイッチ41〜43を、グループ化した運転支援機能の内容に基づいて配置した。例えば、縦列に配置された3つのスイッチ41〜43のうち、視界補助スイッチ41を一番上に配置することにより、ユーザは、一番上に配置されている視界補助スイッチは、車両前方の視界補助に関する視界補助スイッチ41であることを直感的に認識することができる。また、周辺監視スイッチ43を一番下に配置することにより、ユーザは、一番下に配置されているスイッチは、車両後方の周辺監視に関する周辺監視スイッチ43であることを直感的に認識することができる。
【0028】
−第2の実施の形態−
第1の実施の形態における運転支援装置では、前車追従機能、定速走行機能、曲線過速度調整機能、周辺車両検知機能、および、進行方向歩行者検知機能の5つの運転支援機能を、運転支援の目的に応じて、視界補助機能、運転補助機能、および、周辺監視機能の3つにグループ化した。第2の実施の形態における運転支援装置では、上述した5つの運転支援機能を、第1の実施の形態とは異なる運転支援目的に基づいて、3つのグループに分けている。
【0029】
第2の実施の形態における運転支援装置では、運転支援機能の作動時に使用されるアクチュエータの種類に応じて、5つの運転支援機能を3つのグループに分類している。すなわち、ハンドルアクチュエータ7を使用せずに、スロットルアクチュエータ5およびブレーキアクチュエータ6を使用する運転支援機能グループ、ハンドルアクチュエータ7を使用する運転支援機能グループ、および、アクチュエータ5〜7を使用しない運転支援機能グループの3つのグループに分類している。
【0030】
図5は、5つの運転支援機能を3つの運転支援機能グループに分類した図である。前車追従機能および定速走行機能は、ハンドルアクチュエータ7を使用せずに、スロットルアクチュエータ5およびブレーキアクチュエータ6を使用する運転支援機能グループに属し、曲線過速度調整機能は、ハンドルアクチュエータ7を使用する運転支援機能グループに属している。また、周辺車両検知機能および進行方向歩行者検知機能は、アクチュエータ5〜7を使用せずに、ドライバへの情報提示のみを行う運転支援機能グループに属している。
【0031】
第2の実施の形態における運転支援装置でも、操作スイッチ群4を構成する各操作スイッチによって、グループごとに分類された運転支援機能をまとめてオン/オフできるようにする。例えば、図3に示すスイッチ41,42,43を、上述した3つの運転支援機能グループにそれぞれ割り当てておく。例えば、アクセル操作およびブレーキ操作は機械にまかせるが、ハンドル操作を自分で行いたいユーザは、スイッチ41をオンすることにより、前車追従機能および定速走行機能を作動させる。また、カーブ路の走行時に、運転支援機能を活用したいユーザは、スイッチ42をオンすることにより、曲線過速度調整機能を作動させる。さらに、運転は自分で行いたいが、車両周囲に関する情報が欲しいドライバは、スイッチ43をオンすることにより、周辺車両検知機能および進行歩行者検知機能を作動させる。
【0032】
第2の実施の形態における運転支援装置においても、ドライバの運転を支援する複数の運転支援機能を、運転支援の内容に基づいてグループ化しておき、ユーザからの指示に基づいて、グループ化された運転支援機能をグループ単位でオン/オフさせるので、ドライバは、運転支援の内容に応じてグループ化された運転支援機能をまとめて作動させることができる。
【0033】
−第3の実施の形態−
第1および第2の実施の形態における運転支援装置では、運転支援機能の内容に基づいて、複数の運転支援機能が予めグループ化されており、ユーザは、グループ単位で運転支援機能をオン/オフすることができた。第3の実施の形態における運転支援装置では、グループ化された運転支援機能の各種調整をユーザが行うことができる。以下では、第1の実施の形態と同様に、前車追従機能、定速走行機能および曲線過速度調整機能を1つの運転支援機能グループとし、周辺車両検知機能および進行方向歩行者検知機能をそれぞれ1つの運転支援機能グループとしている。
【0034】
図6は、ディスプレイ8に表示される、グループ化された運転支援機能を調整するための画面である。第3の実施の形態における運転支援装置では、運転支援機能のオン/オフ、運転支援機能の作動条件、および、警報のオン/オフをユーザが調整することができる。
【0035】
ユーザは、各運転支援機能グループ内に含まれている運転支援機能のうち、必要ないと判断した運転支援機能を削除することができる。例えば、運転補助機能グループには、前車追従機能、定速走行機能および曲線過速度調整機能の3つの運転支援機能が含まれているが、ユーザが運転補助機能グループのうち、曲線過速度調整機能が必要ないと判断すれば、運転補助機能グループの中から曲線過速度調整機能を削除することができる。図6に示す例でも、運転補助機能グループ内の運転支援機能のうち、曲線過速度調整機能が削除(機能オフ)されている。この場合、ドライバが運転補助スイッチ42をオンすると、前車追従機能および定速走行機能のみがオンする。
【0036】
運転支援機能の作動条件の調整は、図6に示すように、前車追従機能、定速走行機能、および、周辺車両検知機能に対して行うことができる。例えば、前車追従機能では、先行車両に追従して走行する際の車間距離を40m〜70mの範囲で、10m間隔で設定および変更することができる。図6に示す例では、60mに設定されている。定速走行機能では、自動走行する際の車速を、50km/h、70km/h、90km/h、および、110km/hの中から選択することができる。図6に示す例では、70km/hが選択されている。周辺車両検知機能では、自車両に接近してきた他車両の検知範囲を10m、20m、30m、および、40mの中から選択することができる。図6に示す例では、40mが選択されている。
【0037】
警報は、各運転支援機能の作動時に、ドライバに注意を促す必要がある場合に発せられる。例えば、前車追従機能や定速走行機能の作動時に、他車両が自車両の前方に割り込んできて、割り込んできた車両と自車両との間の車間距離が所定車間距離以下の場合には、警報を発する。曲線過速度調整機能の作動時には、カーブ路を走行している車両の速度が所定の制限速度を越えた時に、警報を発する。周辺車両検知機能の作動時には、自車両に接近してきた他車両と自車両との距離が設定距離以下になると、警報を発する。進行方向歩行者検知機能の作動時には、自車両前方の所定距離内で歩行者を検知すると、警報を発する。これらの警報機能のオン/オフをユーザが設定・変更することができる。図6に示す例では、定速走行機能に対する警報がオフとなっており、他の運転支援機能に対する警報はオンとなっている。
【0038】
第3の実施の形態における運転支援装置によれば、1つの運転支援機能グループ内に属する複数の運転支援機能のうち、不必要な運転支援機能をユーザが削除することができるので、運転支援機能グループ内に属する運転支援機能をまとめて作動させる際に、必要な運転支援機能のみを作動させることができる。
【0039】
また、第3の実施の形態における運転支援装置によれば、運転支援機能に関する作動条件や警報の有無をユーザが設定することができるので、ユーザにとって利便性の高いシステムを提供することができる。
【0040】
本発明は、上述した各実施の形態に限定されることはない。例えば、運転支援機能の一例として、前車追従機能、定速走行機能、曲線過速度調整機能、周辺車両検知機能、進行方向歩行者検知機能の5つを挙げたが、運転支援機能はこれらに限定されることはない。また、複数の運転支援機能を、運転支援内容に基づいてグループ化する方法も、第1の実施の形態、および、第2の実施の形態で説明した方法に限定されることはない。例えば、アクチュエータ5〜7を使用する運転支援機能グループと、アクチュエータを使用せずに、ドライバに情報提示のみを行う運転支援機能グループとに分類することもできる。
【0041】
第1の実施の形態では、各運転支援機能グループをオン/オフするための操作スイッチ41〜43に関して、視界補助スイッチ41を一番上に配置し、周辺監視スイッチ43を一番下に配置することによって、どの機能に関するスイッチであるのかをユーザが直感的に分かるようにした(図3(b)参照)。しかし、操作スイッチの配置方法は、図3(b)に示すものに限定されることはないし、スイッチの形状も図3(b)に示すものに限定されることはない。図7は、形状を変更した各操作スイッチ41a〜41cを示す図である。視界補助スイッチ41aの形状を、「目」の形状とすることにより、ユーザは、スイッチ41aが視界補助機能に関するスイッチであることを直感的に把握することができる。また、運転補助スイッチ41bの形状を「ハンドル」の形状とすることにより、ユーザは、スイッチ41bが運転補助に関するスイッチであることを直感的に把握することができる。さらに、周辺監視スイッチ41cの形状を「顔」の形状とすることにより、ユーザは、スイッチ41cが周辺監視に関するスイッチであることを直感的に把握することができる。
【0042】
運転支援機能グループのオン/オフの状態を表示する方法も、図4(a),(b)に示す表示方法に限定されることはない。例えば、運転支援機能グループのオン時に、オンした運転支援機能グループに含まれている運転支援機能をユーザが認識できるような表示を行ってもよい。
【0043】
第3の実施の形態では、周辺車両検知機能の作動時に、自車両に接近してきた他車両と自車両との距離が設定距離以下になると、警報を発する例を挙げて説明したが、自車両の車室内の様々な場所にスピーカを設けておき、他車両が接近してきた方向に配置されているスピーカから警報を発して、ドライバに他車両の接近方向を知らせるようにしてもよい。また、各運転支援機能の作動時に発する警報は、予め用意した警告音を発するようにしてもよいし、「後方から車両が接近してきています」のような音声を流すようにしてもよい。
【0044】
前車追従機能の作動時には、ドライバがアクセルペダルを踏まないように、アクセルペダルを振動させるようにしてもよい。また、曲線過速度調整機能の作動時に、ドライバがカーブの方向と逆方向にハンドルを切らないように、ハンドルの回転方向を制限するようにしてもよい。同様に、周辺車両検知機能の作動時に、隣接車線後方から他車両が接近してきているのを検知すると、ドライバが隣接車線の方向にハンドルを切らないように、ハンドルの回転方向を制限するようにしてもよい。
【0045】
第3の実施の形態では、各運転支援機能グループ内に含まれている運転支援機能のうち、必要ないと判断した運転支援機能をユーザが削除することができたが、運転支援機能グループに追加したい運転支援機能をユーザが追加できるようにしてもよい。
【0046】
特許請求の範囲の構成要素と第1〜第3の実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、車両コントローラ10が制御手段および調整手段を、スイッチ41〜43が操作手段を、ディスプレイ8が表示手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1の実施の形態における運転支援装置の全体構成を示す図
【図2】5つの運転支援機能を3つのグループに分類した図
【図3】図3(a)は、操作スイッチ群が設けられている位置を示す図であり、図3(b)は、操作スイッチ群を構成する各種スイッチを示す図
【図4】図4(a)は、全ての運転支援機能が非作動の時の表示例を示す図、図4(b)は、運転支援機能が全て作動している時の表示例を示す図
【図5】5つの運転支援機能を3つの運転支援機能グループに分類した図
【図6】グループ化された運転支援機能を調整するためのディスプレイの画面の一例を示す図
【図7】形状を変更した各操作スイッチを示す図
【符号の説明】
【0048】
1…車間距離センサ、2…車載カメラ、3…車速センサ、4…操作スイッチ群、5…スロットルアクチュエータ、6…ブレーキアクチュエータ、7…ハンドルアクチュエータ、8…ディスプレイ、9…スピーカ、10…車両コントローラ、41…視界補助スイッチ、42…運転補助スイッチ、43…周辺監視スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバの運転を支援する運転支援機能を複数備えた運転支援装置において、
前記複数の運転支援機能を運転支援内容に基づいてグループ化し、グループ化された運転支援機能を、ユーザからの指示に基づいて、グループ単位でオン/オフさせる制御手段を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援装置において、
グループ化された運転支援機能をグループ単位でオン/オフさせるために、グループの数と同数の操作手段をさらに備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の運転支援装置において、
前記複数の操作手段を、グループ化した際の運転支援内容に基づいて配置することを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の運転支援装置において、
前記複数の操作手段を縦列に配置し、自車両前方の障害物を検出する機能に関する操作手段を前方に、自車両後方の障害物を検出する機能に関する操作手段を後方に配置したことを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の運転支援装置において、
ユーザからの指示に基づいて、グループ内に属する運転支援機能を削除する調整手段をさらに備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の運転支援装置において、
前記調整手段は、ユーザからの指示に基づいて、グループ内に属していなかった運転支援機能をグループ内に追加することを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の運転支援装置において、
運転支援機能グループのオン/オフの状態を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
ドライバの運転を支援する運転支援機能を複数備えた運転支援方法において、
前記複数の運転支援機能を運転支援内容に基づいてグループ化し、ユーザからの指示に基づいて、グループ化された運転支援機能をグループ単位でオン/オフさせることを特徴とする運転支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−196854(P2007−196854A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17909(P2006−17909)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】