説明

部品接合方法及び部品接合装置

【課題】接合部品をフラットパネルの電極に接合する工程において、より実装精度の高い部品接合方法を提供する。
【解決手段】仮圧着装置102は、本圧着工程の後の位置ズレ量がフィードバックされ、次回の接合部品の仮圧着時の位置ズレ補正を行う位置ズレ量補正部503を備えた制御部502と、フィードバックされた補正量を用いて接合部品の位置決めを行う接合部品位置決め部501とを備えている。一方、本圧着装置103は、フラットパネルと接合部品との電極の位置を認識するための接合認識装置400を備え、この接合認識装置400は認識された位置情報に基づいて位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出部504を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイにIC部品等の接合部品を装着する部品接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラットパネルディスプレイ(以下、フラットパネルと記載)に異方性導電接着材または膜の接合材(以下、異方性導電接着膜又はACFと記載)を介して部品を接合する工程は、例えば、異方性導電接着膜をフラットパネルの側縁部に接着する異方性導電接着膜貼付工程、接合部品の電極とフラットパネルに形成されている電極の位置決めを行い接合部品を圧着する仮圧着工程、及び接合部品の電極とフラットパネルの電極を接合するように仮圧着時よりも強い圧力での圧着処理を行う本圧着工程から構成されている。
【0003】
そして、このような接合部品の装着においては、接合部品をフラットパネルの電極の位置に正確に接合する必要があるが、そのために、例えば、フラットパネルと接合部品とを仮圧着した後、フラットパネル上の認識マークと部品上の認識マークとの接合状態を、部品が実装される側とは反対側から検査して位置ズレ量を計測し、この位置ズレ量を次の仮圧着時にフィードバックする部品接合方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図22は、この特許文献1に示す部品接合方法の動作手順を示すフローチャートである。
【0005】
本図に示すように、パネル投入工程(S2201)、異方性導電性膜貼付工程(S2202)、パネルと接合部品の位置合わせを行う仮圧着工程(S2203)の後に、接合部品の電極とフラットパネルの電極との接合時の位置を認識する接合認識工程(S2204)が行われ、接合認識工程での認識に基づいて接合時の位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出工程(S2205)が行われる。
【0006】
そして、その位置ズレ量が予め設定された閾値以上となる場合には、この位置ズレ量を仮圧着工程の位置ズレ量の補正量としてフィードバックする処理を行い(S2206)、次に、パネルの電極と接合部品の電極とを接着する本圧着工程(S2207)、パネル収納工程(S2208)が行われ一連の処理を終了する。
【0007】
なお、図23は、接合部品とフラットパネルに形成されている電極の位置を認識するための認識マークの参考図であり、図22の接合認識工程(S2204)においては、カメラ等の接合認識装置が図23(a)に示すTAB基板上に設けられた認識マーク2301と、図23(b)に示す接合部品上に設けられた認識マーク2302との位置を認識して、図22の位置ズレ量算出工程(S2205)においては、図23(c)に示すような位置ズレ量であるΔX、ΔYを算出する。
【特許文献1】特開平8−330393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に係る方法においては、仮圧着工程後のフラットパネルと接合部品との認識マークを認識して位置ズレ量を計測するために、本圧着工程後のフラットパネル上の電極と、接合部品上の電極とが正確に接合されているかが認識できないという問題がある。
【0009】
即ち、フラットパネルと接合部品との接合状態は、環境の温度や、接合部品を押圧する押圧装置の平行度や、フラットパネル側のバックアップステージ押圧装置との平行度等の外部要因により、認識マークを用いて位置合わせを行っても、仮圧着工程と本圧着工程との接合状態が変わる場合があり、このような場合において、仮圧着工程における位置ズレ量を用いて位置補正を行ったとしても本圧着工程における適切な位置補正となるとは限らない。
【0010】
また、上記特許文献1に示す部品接合方法においては、フラットパネル上と部品接合上の認識マークを用いて位置ズレ量の補正を行うため、例えば、フラットパネル上の電極の位置とその認識マークの相対位置、及び接合部品上の電極の位置とその認識マークの相対位置とがずれている場合には、それぞれの認識マークを基準として位置合わせを行っても、実際の接合が適切に行われないという問題もある。
【0011】
特に、フラットパネル上の電極間の距離と、接合部品上の電極間の距離とは、ほぼ同じ寸法になるように製造されるが、製造後から実際に接合を行うまでの間に、周囲環境や作業環境等により、製造工程中で、フラットパネル上の電極とその上の認識マーク、接合部品上の電極とその上の認識マークとの相対位置がずれる場合があり、このような場合において、位置合わせの基準となる認識マークを用いて位置合わせを行ったとしても、正確に接合部品の位置合わせを行うことができないという問題がある。
【0012】
さらに、従来はフラットパネルに接合される接合部品のサイズが比較的大きいために、フラットパネルへの接合時において多少の位置ズレが発生しても不良が発生するほどの問題とならなかったが、近年、接合部品の小型化、精密化が進んでおり、より高い接合精度が要求されている。例えば、異方性導電接着膜の中に含まれている導電性粒子の径は5μm程度と直径が小さくなっており、電極の幅であるラインと、電極と電極との間の隙間であるスペースとは、20μm/20μm以下と狭くなってきており、このような小型化の中、更なる実装精度の向上が要求されている。
【0013】
また、従来の液晶ドライバ実装機においては、仮圧着装置と、本圧着装置とは互いに独立して動作する装置であるために、本圧着工程での位置ズレ量を仮圧着工程の補正量としてフィードバックする処理は実現できていない。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、接合部品をフラットパネルに形成された電極へ装着する際において、より実装精度を向上させた部品接合方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、接合部品及びフラットパネルに形成された認識マークによる位置認識に基づく位置補正以外の新たな位置補正法を用いた部品接合方法を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上の課題を解決するために、本発明に係る部品接合方法は、フラットパネルの側縁部に形成されている電極に、接着膜を介して接合部品を接合する部品接合方法であって、前記接着膜を介して、前記接合部品を前記フラットパネルに形成された電極の位置に位置合わせして圧着する仮圧着ステップと、前記接合部品の電極を前記フラットパネルの電極に圧着する本圧着ステップと、前記本圧着ステップの後に、前記フラットパネル及び前記接合部品の電極の位置を検出するための位置検出ステップと、前記位置検出ステップでの検出に基づいて、前記フラットパネルの電極と前記接合部品の電極との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出ステップと、前記位置ズレ量を前記仮圧着ステップの位置合わせの補正量として、前記仮圧着ステップに反映させる位置補正ステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明に係る部品接合装置においては、本圧着ステップの後に検出される接合部品とフラットパネルの電極との位置ズレ量を仮圧着ステップにおける位置補正量としてフィードバックすることができ、接合部品の実装精度を高めることが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る部品接合方法の前記位置検出ステップにおいては、前記フラットパネルと前記接合部品とに形成されている認識マークを検出し、前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記フラットパネル及び前記接合部品の前記認識マークの位置データの差分を前記位置ズレ量として算出することを特徴とする。
【0019】
この構成により、本圧着ステップの後の位置検出ステップにおいては、接合部品及びフラットパネルに形成されている認識マークの位置を検出し、位置ズレ量検出ステップにおいては、認識マーク間の差分を算出することにより位置ズレ量を算出して仮圧着ステップに反映させることができる。
【0020】
さらに、本発明に係る部品接合方法において、前記接着膜には、前記接合部品の電極と前記フラットパネルの電極とを導通するための導電粒子が含まれ、前記位置検出ステップにおいては、さらに、前記本圧着ステップの後に前記フラットパネルの電極部に形成される複数の前記導電粒子の圧痕の位置データ群を検出し、前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記圧痕の位置データ群を用いて前記位置ズレ量を算出することを特徴とする。
【0021】
この構成により、位置検出ステップにおいて本圧着ステップの後にフラップパネルの電極に形成されている導電粒子の圧痕の位置データ群を検出し、位置ズレ量算出ステップにおいては、この位置データ群に基づく直線近似式を算出して位置ズレ量を算出することができ、従来の認識マークを用いる位置ズレ量の検出方法以外の方法を用いて位置ズレ量を算出することが可能となる。
【0022】
またさらに、本発明に係る部品接合方法は、さらに、前記位置ズレ量算出ステップにおいて算出された前記位置ズレ量が所定値以上である場合、又は電極の領域の押圧面積が所定値以下である場合には、前記接合部品と前記フラットパネルとの電極の接合不良が生じていると判定する不良判定ステップを含むことを特徴とする。
【0023】
この構成により、不良判定ステップにおいては、位置ズレ量算出ステップにおいて算出された位置ズレ量に基づいて接合部品のフラットパネルへの接合状態の良否を判定することができる。
【0024】
尚、前記目的を達成するために、本発明は、部品実装方法の特徴的な構成ステップを備えるプログラムとしたり、当該構成ステップを手段とする部品実装装置としたり、この部品実装装置を備える液晶ドライバ実装機として用いることもできる。
【発明の効果】
【0025】
本願発明に係る部品接合方法においては、本圧着工程の後に接合部品とフラットパネルの電極との位置ズレ量を算出して、この位置ズレ量を仮圧着工程の位置補正量として反映させるために、実装精度を高めることが可能となる。
【0026】
また、本圧着工程での位置ズレ量の算出において、接合部品とフラットパネルとに形成されている認識マークの差分を用いる以外に、異方性導電性接着膜に含まれている導電粒子のフラットパネルの電極部への圧痕の位置データ群を用いて位置ズレ量を算出でき、より実装精度を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る部品接合方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る部品接合方法を用いる液晶ドライバ実装機100の外観図を示している。
【0029】
このライン型の液晶ドライバ実装機100の工程は、図1に示す1つ目の工程であるフラットパネルに異方性導電接着膜(ACFテープ)を貼付けるACF貼付け工程部、2つ目の工程であるフラットパネルに対して半導体部品等の接合部品を仮圧着する仮圧着工程部、及び3つ目の工程であるフラットパネルに対して半導体部品を本圧着する本圧着工程部を含む。
【0030】
ACF貼付け工程においては、ACF貼付け装置101が備えられ、このACF貼付け装置101は、バックアップステージ、反り矯正ユニット、パネルステージ、XYテーブル、ACF供給部等を備えている。
【0031】
図6は、本実施の形態1に係る部品接合方法の動作手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態1に係る部品接合方法においては、本圧着工程の後に位置ズレ量を算出して、位置ズレ量を仮圧着工程に反映させることを特徴とするものである。
【0032】
最初に、フラットパネルがACF貼付け装置101に搬送されると(S601)、ACF貼付けヘッドを用いてバックアップステージにおいて約5μmの導電性粒子を含む粘着テープであって、フラットパネルと半導体部品との間に介在させて半導体部品をフラットパネルに加熱押圧することで上記導電性粒子にて半導体部品の電極とフラットパネルの電極とを電気的に接続するための異方性導電フィルムテープをフラットパネルに貼付けるための異方性導電接着膜貼付工程に移動する(S602)。従って、ACFフィルムテープを用いることによりICとフラットパネルとの間が導通できるようになる。
【0033】
次に、フラットパネルは仮圧着装置102に搬送されるが、この仮圧着装置102は、部品供給部、バックアップステージ、XYテーブル等を備える。
【0034】
この仮圧着工程においては、部品供給部からTCPテープ等を用いて供給される半導体部品を、バックアップステージにおいて、半導体部品をフラットパネルの側縁部に位置合わせした後にフラットパネルに貼付けされたACFフィルムテープ上にのせる仮圧着処理を行う(S603)。
【0035】
そして、仮圧着装置102は、フラットパネルの側縁部に装着される半導体部品を部品供給部からトレイ、又はTCPテープ(テープから金型で切り抜き)を介して取ってくる部品供給部を備えている。
【0036】
次に、半導体部品をフラットパネルに本圧着する本圧着工程を行う(S604)。図1に示す本圧着装置103は、反り矯正ユニット、バックアップステージ、加圧ヘッド、パネルステージ、シート供給部、XYステージ等を備えている。
【0037】
この本圧着装置103においては、バックアップステージにおいてプレスするための加圧ヘッドを用いて加熱処理及び加圧処理しながら仮圧着された半導体部品をフラットパネルの側縁部に本接合する。尚、本圧着工程においては、図2(a)に示すように接合部品202を一括して加圧する加圧ヘッド部201を備える一括加圧方式や、図2(b)に示すように接合部品203を個別的に加圧するための加圧ヘッド204を備える個別加圧方式がある。なお、本実施の形態1においては、一括で押圧する一括押圧装置を用いて説明を行う。
【0038】
また、ACF貼付け装置101、仮圧着装置102、本圧着装置103の各工程は、コントローラである操作盤を用いて操作される。
【0039】
そして、本願発明においては、本圧着工程の後に、接合部品とフラットパネルとの接合時の位置を微分干渉顕微鏡を用いて認識する接合認識工程(S605)を行い、次に、接合認識工程での認識に基づいて、接合部品の電極とフラットパネルの電極との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出工程を行う(S606)。この位置ズレ量算出工程においては、例えば、単純に認識マークの位置データの差分を位置ズレ量として算出したり、後述するように、本圧着工程の後の異方性導電性接着膜に含まれる導電粒子の圧痕の位置データ群に基づき位置ズレ量を算出することができる。
【0040】
次に、位置ズレ量が予め設定された閾値以上の場合には、この位置ズレ量を仮圧着工程にフィードバックする処理を行い(S607)、最後に、接合部品が実装されたフラットパネルを収納するパネル収納工程(S608)を行い一連の処理を終了する。
【0041】
なお、上述した仮圧着工程では、フラットパネル上の電極と接合部品上の電極の接合状態を、異方性導電接着膜の中に入っている導電粒子の潰れの認識で行うことは難しい。というのも、仮圧着工程では、押圧力が小さいために、電極間同士の接合そのものを認識することが難しいためである。そこで、本発明に係る部品接合方法では、仮圧着工程よりも押圧力が大きな本圧着工程の後に、パネル上の電極と接合部品上の電極が重なった部分の異方性導電接着膜全体が押し潰された場合の導電粒子の圧痕の位置データ群を検出することで位置補正を行う。
【0042】
また、本実施の形態の説明において、フラットパネルディスプレイとは、パネルがガラス等の透明でできたパネルである。このフラットパネルの種類としては、例えば液晶表示基板(LCD基板)、プラズマ表示パネル基板(PDP基板)等のガラス製基板、フレキシブルプリント基板(FPC基板)を含む基板である。
【0043】
さらに、フラットパネルに装着する接合部品は、例えば、半導体素子、TAB基板、IC部品の搭載されたフレキシブル基板等の接合部品であり、透明か非透明かは問わず、接合部品の上にある電極を、フラットパネル上の電極上に接合するように、接合部品上に電極があるものであれば使用できる。なお、フラットパネル上または接合部品上の電極は、バンプであってもよい。
【0044】
図3は、図1に示した仮圧着装置102の動作を説明するための参考図である。
【0045】
図3(a)は、接合部品であるTAB基板304をフラットパネル302の側縁部に位置合わせして仮圧着する前の各処理部の位置関係を示している。
【0046】
フラットパネル302側が固定されており、位置決め部305が矢印方向の所定位置に移動することでTAB基板304の電極304aがフラットパネル302の電極302aの位置に移動され、図3(b)に示すように、押圧装置301を用いてTAB基板304の電極304aをフラットパネル302の電極302a上の位置にあわせて、異方性導電接着膜303を介して、仮圧着される。
【0047】
また、仮圧着工程では、フラットパネル302上にTAB基板304を精度良く重ねる場合に、フラットパネル302上の認識マークをカメラ306で認識し、TAB基板304上の認識マークをカメラ307で認識し、これらが精度良く重なるように、TAB基板304をフラットパネル302上に位置合わせを行っている。
【0048】
なお、フラットパネル302上の電極302aの横幅と、接合部品304の電極304aの横幅とは、同一サイズにする方法もあるが、ずれの許容値を増やすために、どちらかのサイズを少し大きくしているのが一般的である。本実施の形態1では、フラットパネル302側の電極302aの幅を、接合部品304側の電極304aの幅より大きくしている内容で説明を行う。
【0049】
図4は、本圧着装置103に設けられている接合認識装置400の説明図である。
【0050】
接合認識装置400は、導電粒子の圧痕の位置データ群を検出するための微分干渉顕微鏡401、撮影時に用いる照明402、接合状態を検出するCCDカメラ403、各処理部を制御する制御部404、及び微分干渉顕微鏡401の焦点を合わせるための移動部405を備える。
【0051】
この接合認識装置400の動作としては、以下のようになる。
【0052】
最初に、制御部404は、認識したいTAB基板304の電極に移動し、照明402を点灯し、接合状態をCCDカメラ403を通して取り入れる。このため、フラットパネル302の電極とTAB基板304の電極との接合の位置ズレ量を認識する。
【0053】
また、接合認識装置400は、TAB基板304の電極を認識するが、認識する接合部品が多く、接合認識装置400の視野に入らない場合には、前後への移動部を設けて移動することにより認識することが可能となる。なお、本図では、上下の移動部405のみを有する場合を示している。
【0054】
また、認識マークを用いて位置ズレ量を算出する場合には、本図に示す微分干渉顕微鏡401を備える接合認識装置400の代わりに、拡大率の精度が要求されない図3の仮圧着装置102で使用しているカメラ306を使用する。
【0055】
図5は、本実施の形態1に係る仮圧着装置102及び本圧着装置103の機能ブロック図を示す。
【0056】
仮圧着装置102は、本圧着工程の後の位置ズレ量がフィードバックされ、次回の接合部品の仮圧着時の位置ズレ補正を行う位置ズレ量補正部503を備えた制御部502と、フィードバックされた補正量を用いて接合部品の位置決めを行う接合部品位置決め部501とを備えている。
【0057】
本圧着装置103は、図4に示すフラットパネルと接合部品との電極の位置を認識するための接合認識装置400を備え、この接合認識装置504は認識された位置情報に基づいて位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出部504を備える。
【0058】
本図に示すように、接合認識装置400から仮圧着装置102の制御部502に送られてきた本圧着工程の後のフラットパネルと接合部品との位置ズレ量より、位置ズレ量を補正し、その結果を接合部品位置決め部501に送り、仮圧着装置102において、フラットパネル上に接合部品を位置決めし、押圧装置を用いて仮圧着を行う。なお、本図において、接合認識装置400は、本圧着装置103の中に組み込まれているが、本圧着装置103と別の装置構成となっても構わない。
【0059】
なお、仮圧着装置102の制御部502で認識マークより位置ズレ量を算出し、その位置ズレ量と、接合認識装置400により仮圧着装置102の制御部502に送られてきた認識した本圧着工程の後のフラットパネルと接合部品との位置ズレ量より、位置ズレ量を補正することも考え得る。
【0060】
図7は、本実施の形態1に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図である。
【0061】
なお、本図においては、接合された電極の中で1個の電極の接合状態を用いて位置ズレ量を求める場合を説明する。
【0062】
図7(a)に示すように、接合認識部400で異方性導電接着膜の導電粒子の圧痕を認識し、その形状の中心値を見つける。
【0063】
基準を、X−Yの平面上で位置データを取得するが、本図において、X軸は、フラットパネルの短側の方向とし、そのフラットパネルの選択した電極702の中心位置のX軸座標をXaとする。また、Y軸に関しても同様の処理を行う。
【0064】
そして、接合認識部400で検出された導電粒子の圧痕の各位置データをX1=(X1、Y1)・・・Xn=(Xn、Yn)とし、これらのデータに基づいて、最適な直線近似式を計算で求める。本願発明では、圧痕の各位置の最適な直線近似式を最小自乗法にて求めている。なお、この直線近似式をY=aX+bとすると、aとbは、下記の(数1)にて求められる。
【0065】
(数1)
Xav=1/n*ΣXi
Yav=1/n*ΣYi
σxx=1/n*Σ(XiーXav)2
σxy=1/n*Σ(Xi−Xav)(Yi−Yav)
a=σxy/σxx
b=Yav−a*Xav
【0066】
ここで、Xav:Xiの平均値、Yav:Yiの平均値、σxx:Xiの分散、σxy:XiとYiの共分散値である。
【0067】
図7(a)において求められた直線近似式はY=a1X+b1であり、図7(b)において求められた直線近似式はY=a2X+b2となる。
【0068】
次に、図7(b)を用いて説明を行うと、求められた直線近似式は、Y=a2X+b2であり、Y座標が、0とY1の時のX座標を下記の(数2)により求め、X0、X1とする。
【0069】
(数2)
X0=−b2/a2
X1=(Y1−b2)/a2
【0070】
これより、パネル上の電極704の中心位置Xaに対する接合部品の電極703の中心位置Xbは、下記の(数3)により求められる。
【0071】
(数3)
Xb=(X1−X0)/2
【0072】
直線の傾きΘbは、下記の(数4)により求められる。
【0073】
(数4)
Θb=ARC Tan(a2)
【0074】
よって、補正する補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)は、それぞれ、X軸、Y軸の正方向に、Θ軸は、反時計方向に下記の(数5)により求められる。
【0075】
(数5)
ΔX=XaーX1
ΔY=0
ΔΘ=90°−Θb
【0076】
なお、本実施の形態1の説明において、補正位置データは、Y座標が0とY1で求めたが、基準の接合する電極位置の関係で、補正がいる場合には、各補正データのΔXとΔYについては、一定の補正データを加えてもよい。
【0077】
図8は、本実施の形態1に係る部品接合方法に用いる別の位置ズレ量算出方法の説明図である。なお、上述した図7の位置ズレ量の算出においてはY軸方向のズレ量であるΔYを求めていないが、本図ではY軸方向の補正量ΔYを求めることができる。
【0078】
最初に、求めた電極801の長さ方向の直線は、Y=a2X+b2であり、その線に直交する線を、下記の(数6)を用いて求める。
【0079】
(数6)
Y=−(1/a2)X+b22
【0080】
この直線式を用いて、各位置データをX1=(X1、Y1)・・・Xn=(Xn、Yn)をカバーできる直線の範囲を探すと、下記の(数7)に示す2本の直線式が求められる。
【0081】
(数7)
Y=−(1/a2)X+b21
Y=−(1/a2)X+b22
【0082】
これらのb21とb22とにより、ΔYを求めることができる。具体的には、b23=(b21+b22)/2を算出し、フラットパネルの電極802と接合部品の電極801とが重なり合うb20に対応する基準値と比較し、ΔYを求める。隣のY軸の値はこの方法によれば、補正位置データを全て求めることができる。
【0083】
なお、本実施の形態1に係る部品接合方法での課題は、図11に示すように、接合部品の電極1102とフラットパネルの電極1104との重なりが少ない場合には、実際の接合部品の電極の中心位置ΔXcよりも、ズレ量ΔXが小さくなるという問題がある。
【0084】
しかし、図11に示すような場合でも、徐々に補正を行うことにより、接合の精度が向上していき、フラットパネルの電極の中心位置付近に接合部品の電極が接合されるようになる。
【0085】
なお、実際の接合認識処理においては、認識した圧痕の位置は、フラットパネル上の電極位置内にないといけないので、認識結果を、フラットパネルの電極の範囲で、フィルタリングを行ってもよい。この結果、フラットパネル以外で発生しているノイズを消すことができ、より精度の高い認識結果を得ることができる。
【0086】
図9は、接合部品901に形成される複数の電極902及び903とACFテープ908に含まれる導電粒子906の圧痕との関係の説明するための断面図である。
【0087】
本図においては、接合部品901の電極902及び903が、フラットパネル907上の電極とX軸方向及びY軸方向に位置ズレを生じている場合であり、接合認識装置を用いて発生する導電粒子906の圧痕の位置データ群を求めることにより、直線近似式909を求めて、フラットパネル907の電極904及び905からの位置ズレ量を算出する。
【0088】
図10は、接合部品1001に形成される複数の電極1002及び1003とACFテープ1008に含まれる導電粒子1006の圧痕との関係を説明するための断面図である。
【0089】
本図においては、接合部品1001の電極1002及び1003が、フラットパネル1007上の電極とX軸方向、Y軸方向及びθ方向に位置ズレを生じている場合であり、接合認識装置を用いて発生する導電粒子1006の圧痕の位置データ群から直線近似式1009を求めて、フラットパネル1007の電極1004及び1005からの位置ズレ量を算出する。
【0090】
以上の説明のように、本実施の形態1に係る部品接合方法においては、本圧着工程後のフラットパネル上の電極と接合部品上の電極との接合状態を微分干渉顕微鏡を備える認識装置400で画像認識して位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量を補正量として仮圧着工程にフィードバックする。
【0091】
従って、実際の本圧着工程の後の位置ズレ量を算出することができるので、仮圧着工程から本圧着工程までの間で起こる接合の位置ズレの要因をキャンセルすることができ、従来以上に信頼性の高い部品接合を行うことができる。
【0092】
また、位置ズレ量の算出においては、接合部品及びフラットパネルに形成された認識マークの差分を位置ズレ量として算出する以外に、ACFテープに含まれる導電粒子の圧痕の位置データ群を認識して、直線近似式を算出し位置ズレ量を求めることができ、認識マーク以外を用いて位置ズレ量を算出することができる。
【0093】
(実施の形態2)
次に、本発明に係る部品接合方法の第二の実施の形態について図面を参照しながら説明を行う。尚、本実施の形態2に係る部品接合方法は、本圧着工程後にフラットパネルに形成された導電粒子の圧痕の認識位置のデータ群から、接合部品の形状とのマッチングする形状を見つけ、そのマッチングデータから、位置補正量を算出することを特徴とするものである。
【0094】
図12は、本実施の形態2に係る部品接合方法における位置ズレ量算出方法の説明図である。
【0095】
本実施の形態2においては、接合により発生した圧痕の位置データ群と、本来持っているべき接合部品の電極の一つの基準枠のテンプレートデータとに基づいて、圧痕の位置データが最も入るようなテンプレート位置を接合部品の電極1201の位置として認識する。
【0096】
なお、このテンプレートマッチング方法については、一般に行われている方法であるので、ここでは、詳しくは述べないが、テンプレートを座標上で移動させて、その枠内に最も圧痕の位置データ群が入る位置を決める。
【0097】
そして、最終確定した枠から導いた直線近似式1202をY=a3X+b3とすると、上述した実施の形態1に係る位置補正法と同じ算出方法により補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)を求める。
【0098】
また、実施の形態1との違いは、接合部品の1201の短側の直線の式は、Y=a4X+b4で求め、式Y=a3X+Y3と交わる点のY軸を求める。その値を「Y2」とすると、Y軸の補正する補正位置データΔYは、接合部品の短側の基準の接合するY軸データと、前記の交点データ「Y2」との差分で求めることができる。
【0099】
また、本実施の形態2においては、フラットパネルの電極1203上で、接合部品の電極1201がどの位置に接合されるかにより、右側にずれたり、左側にずれたりするが、テンプレートマッチングにより、マッチング位置がずれたとしても、接合している辺の位置が分かるので、接合部品の電極1201の位置を認識できる。
【0100】
図13は、本実施の形態2に係る接合部品のマッチングデータのテンプレート1300と、接合部品1301に形成される複数の電極1304及び1305とACFテープ1302に含まれる導電粒子の圧痕との関係の説明図である。
【0101】
図13(a)に示す接合部品のマッチングデータのテンプレート1300を用いて、図13(b)に示すように圧痕の位置データ群から接合部品の電極1304の位置を認識して、直線近似式1308を用いてフラットパネルの電極1306との位置ズレ量を算出することが可能となる。
【0102】
図14は、本実施の形態2に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図である。
【0103】
図14(a)においては、接合部品の電極1404の右側辺L2と上側辺L1より、Y5とY6の直線近似式が求まる。
【0104】
また、図14(b)においては、接合部品の電極1406の左側辺L4と上側辺L3より、Y7とY8の直線近似式が求まる。従って、これらの直線近似式を用いることで補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)を求めることができる。
【0105】
以上の説明のように、本実氏の形態2に係る部品接合方法においては、接合部品のマッチングデータのテンプレートと、本圧着後の導電粒子の圧痕の位置データ群とを用いて位置ズレ量を算出して、この位置ズレ量を補正量として仮圧着工程にフィードバックすることができ、例えば、接合部品の接合位置に大きなズレが生じているような場合においても、より正確に位置ズレ量を算出することが可能となる。
【0106】
(実施の形態3)
次に、本発明に係る部品接合方法の第三の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
【0107】
なお、フラットパネル側の電極と接合部品側の電極とを、異方性導電接着膜を介して接合した場合には、押圧により、導電粒子が押し潰された場所が認識しにくい場合があり、本実施の形態3に係る部品接合方法においては、接合認識装置を使用して、接合部品の電極とフラットパネルの電極とが重なる領域を見つけ、外枠の位置データから補正する補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)を求める。
【0108】
具体的には、本圧着工程後、フラットパネル上に接合部品を押圧した場合に発生する導電粒子の圧痕の外枠を方向別のノイズ除去用のフィルタを使用して認識し、その形状から補正量を算出する。
【0109】
この外枠の検出方法としては、接合認識装置で認識した後、特殊な検出方法を用いるが、一つの検出方法としては、エッジフィルタを使用して、エッジ部分の認識を行うことが考えられる。エッジ検出用フィルタについては、色々な方法が開示されているが、本願発明では、行列式である「Prewittオペレータ」を使ってエッジの部分を求める。
【0110】
図15は、本実施の形態3に係る部品接合方法に用いるエッジ検出の説明図である。
【0111】
接合認識装置を用いて接合部品の電極1504の外枠であるエッジ部分となるL5、L6、L7を検出して、検出されたエッジの位置から位置ズレ量を算出する。
【0112】
なお、直線近似式(本図においては、Y9=a9X+b9及びY10=a10X+b10)から位置ズレ量を算出する方法は上述した実施の形態と同様であり、その説明を省略する。
【0113】
図16は、本実施の形態3に係る部品接合方法に用いるエッジ検出の説明図である。
【0114】
接合認識装置を用いて接合部品の電極の外枠1604のエッジ部分となるL8及びL9を検出して、検出されたエッジの位置から直線近似式Y11及びY12を算出して接合部品上の電極とフラットパネル上の電極との位置ズレ量である補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)を求める。
【0115】
図17は、本実施の形態3に係る部品接合方法に用いるエッジ検出の説明図である。
【0116】
接合認識装置を用いて接合部品の電極の外枠1704であるエッジ部分となるL10及びL11を検出して、検出されたエッジの位置から直線近似式Y13及びY14を算出して接合部品上の電極とフラットパネル上の電極との位置ズレ量である補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)を求める。
【0117】
以上の説明のように、本実施の形態3に係る部品接合方法においては、フラットパネル側の電極と、接合部品側の電極とを、異方性導電接着膜を介して接合した場合において、押圧により導電粒子が押し潰された場所が認識しにくい場合であっても、接合箇所のエッジ部分を適切に検出して、位置ズレ量を算出して仮圧着工程における補正量としてフィードバックすることができ、より実装精度を向上させることができる。
【0118】
(実施の形態4)
次に、本発明に係る部品接合方法の第四の実施の形態について図面を参照しながら説明を行う。なお、本実施の形態4に係る部品接合方法においては、接合部品の電極が複数ある場合に、中心付近の電極を1つ選択して位置ズレ量を算出して位置補正を行うことを特徴とする。
【0119】
図18は、従来の部品接合方法における認識マークを用いた位置補正方法の説明図である。
【0120】
本図は、フラットパネルの電極上に、接合部品上の電極をあわせる場合に、フラットパネル側と接合部品上の認識マークを合わせて、接合を行うが、接合部品側の電極が延びた場合の参考図となる。
【0121】
従来は、接合部品1801とフラットパネル1802との位置合わせのための認識マークを、フラットパネル1802上で2箇所(1802a及び1802b)取り、それに対応する認識マーク(1801a及び1801b)を接合部品1801にも付けるようにしている。そして、この認識マークを用いて位置合わせすることにより位置ズレ量を調整し、電極間のずれを無くすようにしている。
【0122】
しかしながら、接合部品1801上の電極の電極間が圧着時の加熱処理や加圧処理の環境等の要因で伸び縮みする場合があり、このような場合において、図18(a)及び図18(b)で示すように、左右の認識マーク1801a又は1801bのどちらかで位置合わせを行ったとしても、他の端に大きく位置ずれが生じ、接合時に位置ずれが生じるというような問題が生じている。このように、二つの認識マークの位置ズレ量を求めて調整しても、実際にどのように実装がされているのか分からないという問題がある。
【0123】
なお、認識マークと認識マークが合わない分、オフセットを持たせる方法もあるが、実際の実装の状況を反映していないという問題もある。
【0124】
図19は、本実施の形態4に係る部品接合方法における位置補正法の説明図である。
【0125】
本発明に係る位置補正法においては、接合部品1901の電極が複数である場合において、位置ズレ量を算出する対象となる電極を中心付近の電極としている。
【0126】
図19(a)に示すように、左側の認識マーク(1901a及び1902a)を用いて位置合わせをした場合、P9の電極部分の接合が合わなくなる。
【0127】
そこで、本発明においては、図19(b)に示すように、認識マーク(1901a及び1901b)が合うようにした後、電極P5の所の一つ前の接合で発生した電極間のずれを、補正データとして加えて実装を行う。
【0128】
このようにすると、最新の接合によって起こるズレ量を、接合に反映でき、加圧処理や加熱処理により各電極間でのピッチが異なったようになったとしても、電極の接合不良の発生を低減することができる。尚、電極数が奇数の場合、真中の電極のズレ量を補正データとして使い、電極数が偶数の場合には、中央の2個のどちらかの電極のズレ量を使うことができる。
【0129】
従って、図19(a)に示すように、P9の電極の位置が合わない場合でも、本実施の形態4に係る位置補正法を用いれば、図19(b)に示すように、P5の電極は精度よく合い、P1とP9の電極においても、半分位は、フラットパネル1902側と接合部品1901側との電極が合うようになる。
【0130】
以上の説明のように、本実施の形態4に係る部品接合方法においては、接合部品の「電極の中央付近」の接合状態のズレ分を補正量として仮圧着工程に反映させることで、加圧処理や加熱処理に伴い接合部品やフラットパネル上の電極間の幅にズレが生じた場合においても、信頼性が高い接合結果が得られ、位置ズレ補正において、外乱に強い制御であるロバストなフィードバック制御を実現することが可能となる。
【0131】
尚、本実施の形態4においては位置ズレ量を認識する電極を中央付近として説明を行ったが、これに限定されることなく、いずれか1つの電極の位置ズレ量を認識することで補正を行うことも考えられる。
【0132】
また、複数の電極から位置ズレ量を求め、平均値を算出して補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)に反映させることも考えられる。
【0133】
例えば、2箇所の位置ズレ量を(ΔX1、ΔY1、ΔΘ1)と(ΔX2、ΔY2、ΔΘ2)とすると、この時の補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)は、下記の(数8)を用いて2箇所の位置ズレ量の平均値を算出することができる。
【0134】
(数8)
(ΔX、ΔY、ΔΘ)=((ΔX1+ΔX2)/2、(ΔY1+ΔY2)/2、(ΔΘ1+ΔΘ2)/2)
【0135】
このように、位置ズレ量の平均値を算出する場合には、複数の電極の接合状態から算出するので、補正する補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)が、より正確な値になり接合の信頼性を高くすることが可能となる。
【0136】
(実施の形態5)
以下、本発明に係る部品接合方法の第五の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。なお、本実施の形態5においては、接合部品の電極がバンプで形成されている場合における位置補正法である。
【0137】
図20は、本実施の形態5に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図である。
【0138】
フラットパネル2002に接合される接合部品2001には複数のバンプが形成され、このような場合には、1個のみのバンプの接合状態を選ぶ場合、例えば、中央付近のバンプを選ぶ場合には、A3又はD3のバンプの接合の認識データを使用する。また、複数のバンプのデータを使用する場合には、例えばA2、A3、A4の認識データから導いた認識結果の平均、D2、D3、D4の認識結果の平均、A3とD3の認識結果の平均、B1とB5の認識結果の平均等の組合せで適宜補正に必要な位置ズレ量のデータを算出することができる。
【0139】
図21は、本実施の形態5に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図である。
【0140】
位置補正データの求め方は、接合部品2101のバンプにより、発生する導電粒子の圧痕の位置データ群から直線近似式を求める方法は、上述の各実施の形態と同様であるが、本図の場合には、バンプの形状がTAB基板の電極に比較して横と縦の長さの比が1:1に近いので、それぞれの方向の直線近似式Y15及びY16を求めることができる。
【0141】
以上の説明のように、本実施の形態5に係る部品接合方法では、接合部品の電極がバンプで形成されている場合においても、上述した各実施の形態に係る位置補正法と同様の方法を用いてバンプの位置ズレ量を算出して、補正量として仮圧着工程に反映させることが可能となる。
【0142】
なお、計算で求めた補正位置データ(ΔX、ΔY、ΔΘ)の位置ズレ量が所定値以上になると、フラットパネル上の電極と接合部品上の電極とに接合不良が生じているとして不良品判定を行うことが可能となる。
【0143】
具体的には、この不良判定は接合認識装置や本圧着装置で行われ、それぞれの装置内でのエラーの発生、若しくは接合認識装置又は本圧着装置に接続された上位のホストコンピュータにフラットパネルの識別番号等のフラットパネル特定情報とエラー情報とを送り、本圧着工程後の後工程で不良判定処理を行うようにする。
【0144】
また、この不良判定は、位置ズレ量を用いる以外に、異方性導電接着膜の中の導電粒子の応圧状態の中で、フラットパネル上の電極の領域の応圧状態の面積を計測し、この面積が所定値以下になった場合に不良品と判定することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明に係る部品接合方法は、接合部品の電極をフラットパネル上の電極に接合する方法に関し、例えば仮圧着工程及び本圧着工程を備えた液晶ドライバ実装機等に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】実施の形態1に係る部品接合方法を用いる液晶ドライバ実装機の外観図
【図2】本圧着装置に用いる一括加圧方式及び個別加圧方式の説明図
【図3】図1に示した仮圧着装置の動作を説明するための参考図
【図4】本圧着装置に設けられている接合認識装置の説明図
【図5】実施の形態1に係る仮圧着装置及び本圧着装置の機能ブロック図
【図6】実施の形態1に係る部品接合方法の動作手順を示すフローチャート
【図7】実施の形態1に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図
【図8】実施の形態1に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図
【図9】接合部品に形成される複数の電極と、ACFテープに含まれる導電粒子の圧痕との関係の説明するための断面図
【図10】接合部品に形成される複数の電極と、ACFテープに含まれる導電粒子の圧痕との関係を説明するための断面図
【図11】接合部品に形成される複数の電極と、ACFテープに含まれる導電粒子の圧痕との関係を説明するための断面図
【図12】実施の形態2に係る部品接合方法における位置ズレ量算出方法の説明図
【図13】実施の形態2に係る接合部品のマッチングデータのテンプレートと、接合部品に形成される複数の電極と、ACFテープに含まれる導電粒子の圧痕との関係の説明図
【図14】実施の形態2に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図
【図15】実施の形態3に係る部品接合方法に用いるエッジ検出の説明図
【図16】実施の形態3に係る部品接合方法に用いるエッジ検出の説明図
【図17】実施の形態3に係る部品接合方法に用いるエッジ検出の説明図
【図18】従来の部品接合方法における認識マークを用いた位置補正方法の説明図
【図19】実施の形態4に係る部品接合方法における位置補正法の説明図
【図20】実施の形態5に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図
【図21】実施の形態5に係る部品接合方法に用いる位置ズレ量算出方法の説明図
【図22】特許文献1に示す部品接合方法の動作手順を示すフローチャート
【図23】接合部品とフラットパネルに形成されている電極の位置を認識するための認識マークの参考図
【符号の説明】
【0147】
100 液晶ドライバ実装機
101 ACF貼付け装置
102 仮圧着装置
103 本圧着装置
201,202 加圧ヘッド部
400 接合認識装置
401 微分干渉顕微鏡
402 照明
403 CCDカメラ
404 制御部
405 移動部
501 接合部品位置決め部
502 制御部
503 位置ズレ量補正部
504 位置ズレ量算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネルの側縁部に形成されている電極に、接着膜を介して接合部品を接合する部品接合方法であって、
前記接着膜を介して、前記接合部品を前記フラットパネルに形成された電極の位置に位置合わせして圧着する仮圧着ステップと、
前記接合部品の電極を前記フラットパネルの電極に圧着する本圧着ステップと、
前記本圧着ステップの後に、前記フラットパネル及び前記接合部品の電極の位置を検出するための位置検出ステップと、
前記位置検出ステップでの検出に基づいて、前記フラットパネルの電極と前記接合部品の電極との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出ステップと、
前記位置ズレ量を前記仮圧着ステップの位置合わせの補正量として、前記仮圧着ステップに反映させる位置補正ステップとを含む
ことを特徴とする部品接合方法。
【請求項2】
前記位置検出ステップにおいては、前記フラットパネルと前記接合部品とに形成されている認識マークを検出し、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記フラットパネル及び前記接合部品の前記認識マークの位置データの差分を前記位置ズレ量として算出する
ことを特徴とする請求項1記載の部品接合方法。
【請求項3】
前記接着膜には、前記接合部品の電極と前記フラットパネルの電極とを導通するための導電粒子が含まれ、
前記位置検出ステップにおいては、さらに、前記本圧着ステップの後に前記フラットパネルの電極部に形成される複数の前記導電粒子の圧痕の位置データ群を検出し、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記圧痕の位置データ群を用いて前記位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の部品接合方法。
【請求項4】
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記圧痕の位置データ群に基づき最小自乗法を用いてXY座標系の直線近似式を算出し、当該直線近似式に基づいて前記接合部品の電極のX方向、Y方向、及び傾き方向となるθ方向の位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の部品接合方法。
【請求項5】
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、さらに、前記直線近似式と直交する第二直線近似式を算出し、前記直線近似式及び前記第二直線近似式に基づき前記接合部品の前記位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項4記載の部品接合方法。
【請求項6】
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、さらに、予め設定される前記接合部品の外形の大きさとなるマッチングデータのテンプレートと、前記導電粒子の圧痕の位置データ群とに基づき前記接合部品の接合位置を予測して前記位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の部品接合方法。
【請求項7】
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記外形から直線近似式を算出して、前記接合部品のX方向、Y方向、及び傾き方向となるθ方向の位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項6記載の部品接合方法。
【請求項8】
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記導電粒子の圧痕から前記接合部品と前記フラットパネルとの電極が重なる領域を算出し、当該領域のエッジ検出に基づき直線近似式を算出し、前記接合部品と前記フラットパネルとの電極のX方向、Y方向、及び傾き方向であるθ方向の位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の部品接合方法。
【請求項9】
前記フラットパネル及び前記接合部品に複数の電極が形成されている場合においては、前記位置検出ステップにおいては、いずれか1つの電極の位置を検出し、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記位置検出ステップにおいて検出された位置に基づいて前記接合部品及び前記フラットパネルの電極の位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の部品接合方法。
【請求項10】
前記位置検出ステップにおいては、さらに、前記複数の電極の中央付近の電極の位置を検出し、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記位置検出ステップにおいて検出された位置に基づいて前記接合部品及び前記フラットパネルの位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項9記載の部品接合方法。
【請求項11】
前記位置検出ステップにおいては、さらに、複数の電極の位置を検出し、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、複数の電極の前記接合部品及び前記フラットパネルの位置ズレ量の平均値を前記仮圧着ステップにフィードバックする位置ズレ量として算出する
ことを特徴とする請求項9記載の部品接合方法。
【請求項12】
前記接合部品には複数のバンプが形成され、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、いずれか1つのバンプ、又は複数のバンプの位置ズレ量の平均値を前記位置ズレ量として算出する
ことを特徴とする請求項3記載の部品接合方法。
【請求項13】
前記部品接合方法は、さらに、
前記位置ズレ量算出ステップにおいて算出された前記位置ズレ量が所定値以上である場合、又は前記フラットパネルの電極への前記接合部品の押圧面積が所定値以下である場合には、前記接合部品と前記フラットパネルとの電極の接合不良が生じていると判定する不良判定ステップを含む
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の部品接合方法。
【請求項14】
フラットパネルの側縁部に形成されている電極に、接着膜を介して接合部品を接合する部品接合装置であって、
前記接着膜を介して、前記接合部品を前記フラットパネルに形成された電極の位置に位置合わせして圧着する仮圧着手段と、
前記接合部品の電極を前記フラットパネルの電極に圧着する本圧着手段と、
前記本圧着手段の処理の後に、前記フラットパネル及び前記接合部品の電極の位置を検出するための位置検出手段と、
前記位置検出手段での検出に基づいて、前記フラットパネルの電極と前記接合部品の電極との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出手段と、
前記位置ズレ量を前記仮圧着手段の位置合わせの補正量として、前記仮圧着手段に反映させる位置補正手段とを備える
ことを特徴とする部品接合装置。
【請求項15】
前記位置検出手段は、前記フラットパネルと前記接合部品とに形成されている認識マークを検出し、
前記位置ズレ量算出手段は、前記フラットパネル及び前記接合部品の前記認識マークの位置データの差分を前記位置ズレ量として算出する
ことを特徴とする請求項14記載の部品接合装置。
【請求項16】
前記接着膜には、前記接合部品の電極と前記フラットパネルの電極とを導通するための導電粒子が含まれ、
前記位置検出手段は、さらに、前記本圧着手段の処理の後に前記フラットパネルの電極部に形成される複数の前記導電粒子の圧痕の位置データ群を検出し、
前記位置ズレ量算出手段は、前記圧痕の位置データ群を用いて前記位置ズレ量を算出することを特徴とする請求項14記載の部品接合装置。
【請求項17】
前記位置検出手段は、微分干渉顕微鏡である
ことを特徴とする請求項14記載の部品接合装置。
【請求項18】
前記部品接合装置は、さらに、
前記位置ズレ量算出手段において算出された前記位置ズレ量が所定値以上である場合、又は前記フラットパネルの電極への前記接合部品の押圧面積が所定値以下である場合には、前記接合部品と前記フラットパネルとの電極の接合不良が生じていると判定する不良判定手段を備える
ことを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の部品接合装置。
【請求項19】
フラットパネルの側縁部に形成されている電極に、接着膜を介して接合部品を接合する部品接合装置に用いるプログラムであって、
前記接着膜を介して、前記接合部品を前記フラットパネルに形成された電極の位置に位置合わせして圧着する仮圧着ステップと、
前記接合部品の電極を前記フラットパネルの電極に圧着する本圧着ステップと、
前記本圧着ステップの後に、前記フラットパネル及び前記接合部品の電極の位置を検出するための位置検出ステップと、
前記位置検出ステップでの検出に基づいて、前記フラットパネルの電極と前記接合部品の電極との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出ステップと、
前記位置ズレ量を前記仮圧着ステップの位置合わせの補正量として、前記仮圧着ステップに反映させる位置補正ステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項20】
前記位置検出ステップにおいては、前記フラットパネルと前記接合部品とに形成されている認識マークを検出し、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記フラットパネル及び前記接合部品の前記認識マークの位置データの差分を前記位置ズレ量として算出する
ことを特徴とする請求項19記載のプログラム。
【請求項21】
前記接着膜には、前記接合部品の電極と前記フラットパネルの電極とを導通するための導電粒子が含まれ、
前記位置検出ステップにおいては、さらに、前記本圧着ステップの後に前記フラットパネルの電極部に形成される複数の前記導電粒子の圧痕の位置データ群を検出し、
前記位置ズレ量算出ステップにおいては、前記圧痕の位置データ群を用いて前記位置ズレ量を算出する
ことを特徴とする請求項19記載のプログラム。
【請求項22】
フラットパネルの側縁部に形成されている電極に、接着膜を介して接合部品を接合する部品接合方法を用いる液晶ドライバ実装機であって、
前記接着膜を前記フラットパネルの側縁部に貼り付ける貼付け手段と、
前記接着膜を介して、前記接合部品を前記フラットパネルに形成された電極の位置に位置合わせして圧着する仮圧着手段と、
前記接合部品の電極を前記フラットパネルの電極に圧着する本圧着手段と、
前記本圧着手段の処理の後に、前記フラットパネル及び前記接合部品の電極の位置を検出するための位置検出手段と、
前記位置検出手段での検出に基づいて、前記フラットパネルの電極と前記接合部品の電極との位置ズレ量を算出する位置ズレ量算出手段と、
前記位置ズレ量を前記仮圧着手段の位置合わせの補正量として、前記仮圧着手段に反映させる位置補正手段とを備える
ことを特徴とする液晶ドライバ実装機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−234966(P2007−234966A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56523(P2006−56523)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】