配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法
【課題】配線層の表面の平坦度を高めることができ且つ配線間隔が広い領域において磁界を変動させる構成を無くした配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】配線層の形成方法は、下側部材上に配線パターン102を形成する工程と、その上に絶縁材料層103,106を形成する工程と、配線パターンの間に形成された絶縁材料層の一部を、絶縁膜ブロック111として残すと共に、絶縁膜ブロック111の高さを、絶縁膜ブロック以外の絶縁材料層の高さより高くなるように、絶縁材料層をエッチング処理する工程と、絶縁膜ブロックを含む絶縁材料層を研磨して、表面が平坦化された層間膜を形成する工程とを有する。半導体装置の製造方法は、半導体基板と配線層とを有し、上記配線層の形成方法を用いて配線層の少なくとも1つを製造する。
【解決手段】配線層の形成方法は、下側部材上に配線パターン102を形成する工程と、その上に絶縁材料層103,106を形成する工程と、配線パターンの間に形成された絶縁材料層の一部を、絶縁膜ブロック111として残すと共に、絶縁膜ブロック111の高さを、絶縁膜ブロック以外の絶縁材料層の高さより高くなるように、絶縁材料層をエッチング処理する工程と、絶縁膜ブロックを含む絶縁材料層を研磨して、表面が平坦化された層間膜を形成する工程とを有する。半導体装置の製造方法は、半導体基板と配線層とを有し、上記配線層の形成方法を用いて配線層の少なくとも1つを製造する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性材料からなる配線パターンと絶縁性材料からなる層間膜とを有する配線層の形成方法、及び、半導体基板上に配線層を備えた半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路を備えた半導体基板上に複数の配線層を積層させた多層配線構造を持つ半導体装置が、広く使用されている。多層配線構造では、下側の配線層の上面の平坦度が低い場合、上側の配線層の配線パターンに異常(例えば、配線パターンの傾斜)が発生したり、上側の配線層のビア(via)に開口不良(例えば、不十分な開口又は未開口)が発生したりし易くなる。
【0003】
例えば、図1(a)の縦断面図に示されるように、半導体基板601上に狭い間隔609で配線602が形成される場合には、配線602を覆うように形成された絶縁材料層603の表面604も概ね平坦であり、その結果、図1(b)の縦断面図に示されるように、絶縁材料層603のCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって形成された層間膜603aの表面604aの平坦度は高い。しかし、図2(a)の縦断面図に示されるように、半導体基板701上に形成された配線702の間隔709が広い場合には、配線702を覆うように形成された絶縁材料層703の表面704の起伏が大きくなり、その結果、図2(b)の縦断面図に示されるように、絶縁材料層703のCMPによって形成された層間膜703aの表面704aにはディッシングによる凹み(傾斜部又は段差)705が発生し、層間膜703aの表面704aの平坦度は低い。
【0004】
また、図3の平面図及び図4の縦断面図に示されるように、半導体基板801上に多層配線構造802を形成し、その上に磁性体からなるインダクタ861を形成した半導体装置800も、広く使用されている。多層配線構造802は、例えば、5層の配線層810,820,830,840,850を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線812,822,832,842,852と絶縁性材料からなる層間膜813,823,833,843,853とを有している。多層配線構造802に、50μm×50μm(=2500μm2)程度のインダクタ形成領域809がある場合には、1層の配線層毎に、60nm(=600オングストローム)ずつディッシングによる凹みが深くなる。その結果、各配線層の凹み815,825,835,845,855の深さは、配線層が1層重なるごとに60nm(=600オングストローム)程度増え、その結果、配線層850の凹み855の深さは、60nmの5倍の0.3μm(=300nm)程度になる。このため、配線層850上にフォトリソグラフィ技術を用いてメタルパターン(例えば、インダクタ861)を形成する場合、又は、配線層850にビアを形成する場合に、フォトリソグラフィにおけるデフォーカス発生などによって、配線パターン異常(例えば、配線パターンの傾斜)やビアの開口不良(例えば、不十分な開口又は未開口)の発生が生じ易い。
【0005】
この対策として、図5(a)に示されるように、基板901上の配線902の間隔の広い領域909に、金属製のダミー配線907を形成することによって、配線902及びダミー配線907を覆う絶縁材料層903の表面904の平坦度を高め、その結果、図5(b)に示されるように、絶縁材料層903のCMPによって形成される層間膜903aの表面904aの平坦度を高めようとする提案がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−110908号公報
【特許文献2】特開2009−94359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2が提案するように、ダミー配線を設けた配線層の上部又は近傍に、RF(Radio Frequency)製品等に用いられる誘導性回路素子、例えば、インダクタを形成した場合には、ダミー配線が磁界を変動させるので、誘導性回路素子が所望の性能を発揮できないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1及び2が提案するように、ダミー配線の位置をインダクタの真下からずらす、又は、ダミー配線の配列密度を下げるなどの対策を講じた場合であっても、誘導性回路素子の特性変動を十分に低減できず、依然として、誘導性回路素子が所望の性能を発揮できない場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、配線間隔が広い領域が存在する場合であっても配線層の表面の平坦度を高めることができ、且つ、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い構成を無くした配線層の形成方法、及びこの配線層の形成方法を利用した半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る配線層の形成方法は、導電性材料からなる配線パターンと絶縁性材料からなる層間膜とを有する配線層の形成方法であって、下側部材の表面上に、前記配線パターンを形成する工程と、前記下側部材の前記表面上及び前記配線パターンの表面上に、絶縁材料層を形成する工程と、前記配線パターンの間に形成された前記絶縁材料層の一部を、絶縁膜ブロックとして残すと共に、前記絶縁膜ブロックの高さを前記絶縁膜ブロック以外の前記絶縁材料層の高さよりも高くするように、前記絶縁材料層をエッチング処理する工程と、前記絶縁膜ブロックを含む前記絶縁材料層を研磨して、表面が平坦化された前記層間膜を形成する工程とを有することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、配線層を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記配線層を形成する工程は、前記配線層の形成方法を用いて実行されることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程は、前記配線層の形成方法を用いて実行されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配線間隔が広い領域が存在する場合であっても配線層の表面の平坦度を高めることができ、且つ、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い構成を無くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)及び(b)は、従来の配線層の形成方法(配線間隔が狭い場合)を概略的に示す縦断面図であり、同図(a)は、半導体基板上に配線パターンとそれを覆う絶縁材料層を形成した状態を示し、同図(b)は、絶縁材料層の研磨処理によって形成された平坦な層間膜を示す。
【図2】(a)及び(b)は、従来の配線層の形成方法(配線間隔が広い場合)を概略的に示す縦断面図であり、同図(a)は、半導体基板上に配線パターンとそれを覆う絶縁材料層を形成した状態を示し、同図(b)は、絶縁材料層の研磨処理によって形成された凹みを持つ層間膜を示す。
【図3】多層配線構造上にインダクタを備えた従来の半導体装置を概略的に示す平面図である。
【図4】図3をIV−IV線で切った面を概略的に示す縦断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、ダミー配線を用いた従来の配線層の形成方法(配線間隔が広い場合)を概略的に示す縦断面図であり、同図(a)は、半導体基板上に配線パターンとダミー配線とそれらを覆う絶縁材料層を形成した状態を示し、同図(b)は、絶縁材料層の研磨処理によって形成された表面が平坦な層間膜を示す。
【図6】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成されるメタル配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の一例を概略的に示す平面図である。
【図7】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第1工程を示す概略的な縦断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第2工程を示す概略的な縦断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第3工程を示す概略的な縦断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第4工程を示す概略的な縦断面図であり、図6の構成をX−X線で切った面を示す。
【図11】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第5工程を示す概略的な縦断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成されるメタル配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の変形例を概略的に示す平面図である。
【図13】図12の構成をXIII−XIII線で切った面を示す概略的な縦断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第3工程を示す概略的な縦断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第4工程を示す概略的な縦断面図である。
【図16】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置の概略的な縦断面図である。
【図17】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置の概略的な縦断面図である。
【図18】第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置の概略的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
《1》第1の実施形態
《1−1》第1の実施形態の方法
図6は、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成される配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の一例を概略的に示す平面図である。また、図7から図11までは、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第1工程から第5工程までをそれぞれ示す概略的な縦断面図である。なお、図10は、図6の構成をX−X線で切った面を示している。
【0016】
図6から図11までに示されるように、第1の実施形態に係る配線層の形成方法は、導電性材料(例えば、金属)からなる配線パターン102と絶縁性材料(例えば、SiO2)からなる層間膜103aとを有する配線層110の形成方法である。
【0017】
また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板101上に、配線層を形成する工程を有し、この配線層を形成する工程は、図6から図11までに示される配線層の形成方法を用いて実行される。また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、配線層110上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0018】
また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板101上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有してもよい(第3、第4、第5の実施形態でも説明する)。この場合には、複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程を、図6から図11までに示される配線層の形成方法を用いて実行する。また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、多層配線構造の最も上の配線層上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0019】
次に、配線層110の形成方法を詳細に説明する。第1の実施形態に係る配線層の形成方法においては、先ず、図7に示されるように、下側部材としての半導体基板101の表面上に、フォトリソグラフィ技術などを用いて、配線パターン102を形成する。配線パターン102の形状及び配置の一例を図6の平面図及び図7の縦断面図に示すが、第1の実施形態に係る配線層の形成方法は、他の配線パターンにも適用可能である。第1の実施形態に係る配線層の形成方法は、特に、配線間隔の広い領域(例えば、領域109)、例えば、500μm×500μm程度の空き領域(配線パターンの存在しない領域)を有する配線層に適用することによって、平坦度の向上及び磁界へ影響の低減の効果を得ることができる。
【0020】
次に、図8に示されるように、半導体基板101の表面上及び配線パターン102の表面上に、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、SiO2などの絶縁材料層(層間膜103aを形成するための材料層)103を形成する。図8の例では、配線間隔の広い領域109が存在するので、図8に示されるように、絶縁材料層103の表面104には、凹み105が発生する。
【0021】
次に、図9に示されるように、絶縁材料層103の表面104上に、例えば、CVD法などを用いて、SiO2などの絶縁性材料からなる絶縁材料層106を形成する。配線間隔の広い領域109内に絶縁材料層103の凹み105が存在するので、図9に示されるように、絶縁材料層106の表面107には、深い凹み108が発生する。絶縁材料層103の膜厚と絶縁材料層106の膜厚とは、ほぼ同じ厚さとすればよい。
【0022】
図8の工程と図9の工程とは、同じ装置を用いた一連の工程とすることができ、この場合には、図11に示す平坦化する工程において、絶縁材料層103の研磨レートと絶縁材料層106の研磨レート(CMP工程における研磨され易さの度合い)とがほぼ等しくなる。しかし、絶縁材料層103と絶縁材料層106とを異なる装置又は異なる製造条件(例えば、材料成分、形成速度など)で形成してもよい。この場合には、絶縁材料層106の研磨レート(研磨され易さの度合い)が絶縁材料層103の研磨レート(研磨され易さの度合い)よりも低く(すなわち、研磨され難く)することが望ましい。絶縁材料層106としては、例えば、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)などを用いることができる。
【0023】
研磨され難い絶縁材料層106としては、HDP(High Density Plasma―CVD法によって形成されたSiO2層があり、研磨され易い絶縁材料層103としては、TEOS(テトラエチルオルトシリケート)−CVD法においてオゾンを添加して形成されたSiO2層がある。ただし、これらは例示であって、研磨され易さの違いは、製造条件の違い、材料の違いなどによって得ることもできる。
【0024】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターンを形成し、絶縁材料層103及び106にエッチング処理を施す。この工程では、絶縁材料層106及び103にエッチング処理を施すことによって、図10に示されるように、配線パターン102の間に形成された絶縁材料層106の一部を、膜厚の厚い絶縁膜ブロック111として残すと共に、絶縁膜ブロック111の高さ(頂部の位置)を絶縁膜ブロック111以外の絶縁材料層103a又は106の高さ(頂部の位置)より高くなる(高さの差ΔHだけ)ようにする。ΔHは、例えば、1000オングストローム(=100nm)以上とすることが望ましい。なお、エッチングでは、ストッパー膜を形成しないため、エッチング前の層間膜厚をデータベースで管理し、仕上がりの層間膜厚に応じたエッチング条件及びエッチング時間によって、エッチングを行うことにより、所望のサイズの絶縁膜ブロック111を形成することができる。
【0025】
次に、CMP法を用いて、絶縁膜ブロック111の表面及び絶縁材料層103aの表面を研磨することによって、図11に示されるような、表面107が平坦化された層間膜103bを有する配線層110を形成する。以上の工程により、半導体基板101上に、表面の平坦度の高い配線層110が形成される。
【0026】
以上のように形成された配線層110上に、他の配線層を形成する工程、又は、配線層110上に誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する工程をさらに有してもよい。
【0027】
《1−2》第1の実施形態の効果
以上に説明したように、第1の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック111のブロック効果により、CMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域109が存在する場合であっても配線層110の表面の平坦度を高めることができる。
【0028】
また、第1の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック111を用いることによって、配線層110の表面の平坦度を高めているので、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い磁性体を無くすることができる。このため、配線層110上の領域109上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する場合であっても、誘導性回路素子が所望の性能を発揮することができる。
【0029】
《1−3》第1の実施形態の変形例
図12は、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成されるメタル配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の変形例を概略的に示す平面図である。図13は、図12の構成をXIII−XIII線で切った面を示す概略的な縦断面図である。図6及び図10では、絶縁膜ブロック111が2列×3行、すなわち、6個配列された場合を説明したが、ディッシングの影響をより少なくするために、図13に示されるように、絶縁膜ブロック112を1個(例えば、幅W=500μm)としてもよい。また、絶縁膜ブロックの個数、間隔は上記例に限定されず、例えば、1列×3行、すなわち、3個配列などのような、他の個数及び配列であってもよい。さらに、絶縁膜ブロックの平面形状は、四角形に限定されず、円形、楕円形、又は四角形以外の多角形などの他の形状であってもよい。
【0030】
《2》第2の実施形態
図14及び図15は、第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第3工程及び第4工程を示す概略的な縦断面図である。第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法は、第1の実施形態における2層の絶縁材料層103及び106を、1層の絶縁材料層203とした点が、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法と相違する。
【0031】
第2の実施形態に係る配線層の形成方法は、導電性材料(例えば、金属)からなる配線パターン202と絶縁性材料(例えば、SiO2)からなる層間膜とを有する配線層の形成方法である。
【0032】
また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板201上に、配線層を形成する工程を有し、この配線層を形成する工程は、第2の実施形態に係る配線層の形成方法を用いて実行される。また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、配線層110上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0033】
また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板201上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有してもよい(第3、第4、第5の実施形態でも説明する)。この場合には、複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程を、第2の実施形態に係る配線層の形成方法を用いて実行する。また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、多層配線構造の最も上の配線層上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0034】
第2の実施形態に係る配線層の形成方法においては、先ず、下側部材としての半導体基板201の表面上に、配線パターン202を形成し、次に、図14に示されるように、半導体基板201の表面上及び配線パターン202の表面上にSiO2などの絶縁材料層203を形成する。図14の例では、配線間隔の広い領域209が存在するので、図14に示されるように、絶縁材料層203の表面204には、凹み205が発生する。
【0035】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターンを形成し、絶縁材料層203にエッチング処理を施す。この工程では、絶縁材料層203にエッチング処理を施すことによって、図15に示されるように、配線パターン202の間に形成された絶縁材料層203の一部を、膜厚の厚い絶縁膜ブロック211として残すと共に、絶縁膜ブロック211の高さ(頂部の位置)を絶縁膜ブロック211以外の絶縁材料層203aの高さ(頂部の位置)より高くなるようにする。なお、エッチングでは、ストッパー膜を形成しないため、エッチング前の層間膜厚をデータベースで管理し、仕上がりの層間膜厚に応じたエッチング条件及びエッチング時間によって、エッチングを行うことにより、所望のサイズの絶縁膜ブロック211を形成することができる。
【0036】
次に、CMP法を用いて、絶縁膜ブロック211の表面及び絶縁材料層203aの表面を研磨することによって、表面が平坦化された層間膜を有する配線層を形成する。以上の工程により、半導体基板201上に、表面の平坦度の高い配線層が形成される。また、以上のように形成された配線層上に、他の配線層を形成する工程、又は、配線層110上に誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する工程をさらに有してもよい。
【0037】
以上に説明したように、第2の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック211のブロック効果により、CMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域209が存在する場合であっても配線層の表面の平坦度を高めることができる。
【0038】
また、第2の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック211を用いることによって、配線層の表面の平坦度を高めているので、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い磁性体を無くすることができる。このため、配線層上の領域209上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する場合であっても、誘導性回路素子が所望の性能を発揮することができる。
【0039】
さらに、第2の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁材料層203の形成を1回のプロセスで行うことができるので、処理工程の数を減らすことができる。
【0040】
《3》第3の実施形態
図16は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された多層配線構造302を持つ半導体装置300の概略的な縦断面図である。図16に示されるように、多層配線構造302は、例えば、5層の配線層310,320,330,340,350を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線312,322,332,342,352と絶縁性材料からなる層間膜313,323,333,343,353とを有している。なお、配線層の数は、5層に限定されない。多層配線構造302に、500μm×500μm程度のインダクタ形成領域309がある。第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、5層の配線層310,320,330,340,350のそれぞれについて、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用している。このため、配線層310,320,330,340,350のそれぞれの表面314,324,334,344,354は平坦になる。
【0041】
以上に説明したように、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロックのブロック効果により、すべての配線層についてCMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域309が存在する場合であっても最上層である配線層350の表面の平坦度を高めることができる。
【0042】
また、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線間隔が広い領域309において磁界を変動させ易い磁性体を無くしているので、配線層350上の領域309上に配置される、誘導性回路素子、例えば、インダクタは所望の性能を発揮することができる。
【0043】
《4》第4の実施形態
図17は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された多層配線構造402を持つ半導体装置400の概略的な縦断面図である。図17に示されるように、多層配線構造402は、例えば、5層の配線層410,420,430,440,450を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線412,422,432,442,452と絶縁性材料からなる層間膜413,423,433,443,453とを有している。なお、配線層の数は、5層に限定されない。多層配線構造402に、500μm×500μm程度のインダクタ形成領域409がある。第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、5層の配線層410,420,430,440,450の内の所定番目(例えば、偶数番目)の層で、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用している。このため、配線層420,440のそれぞれの表面424,444は平坦になるが、配線層410,430,450のそれぞれの表面414,434,454には、ディッシングによる凹み415,435,455(深さΔD=600オングストローム程度)が発生する。ただし、偶数番目の配線層について、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用しているので、凹み415,435,455の深さは浅い。
【0044】
以上に説明したように、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロックのブロック効果により、所定番目の配線層についてCMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域409が存在する場合であっても最上層である配線層450の表面の平坦度を高めることができる。
【0045】
また、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線間隔が広い領域409において磁界を変動させ易い磁性体を無くしているので、配線層450上の領域409上に配置される、誘導性回路素子、例えば、インダクタは所望の性能を発揮することができる。
【0046】
さらに、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用して形成される配線層の数を減らしているので、製造コストの削減を図ることができる。
【0047】
《5》第5の実施形態
図18は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された多層配線構造502を持つ半導体装置500の概略的な縦断面図である。図18に示されるように、多層配線構造502は、例えば、5層の配線層510,520,530,540,550を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線512,522,532,542,552と絶縁性材料からなる層間膜513,523,533,543,553とを有している。なお、配線層の数は、5層に限定されない。多層配線構造502に、500μm×500μm程度のインダクタ形成領域509がある。第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、5層の配線層510,520,530,540,550の内の所定番目(例えば、3層ごと)の層と最上層の配線層について、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用している。このため、配線層510,520,540のそれぞれの表面514,524,544には、ディッシングによる凹み515,525,545(深さΔD=600オングストローム程度、又は、深さ2×ΔD=1200オングストローム程度)が発生するが、配線層530,550のそれぞれの表面534,554は平坦になる。
【0048】
以上に説明したように、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロックのブロック効果により、所定番目の配線層についてCMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域509が存在する場合であっても最上層である配線層550の表面の平坦度を高めることができる。
【0049】
また、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線間隔が広い領域509において磁界を変動させ易い磁性体を無くしているので、配線層550上の領域509上に配置される、誘導性回路素子、例えば、インダクタは所望の性能を発揮することができる。
【0050】
さらに、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用して形成される配線層の数を減らしているので、製造コストの削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0051】
300,400,500 半導体装置、
101,201,301,401,501 半導体基板、
102,202,312,322,332,342,352,412,422,432,442,452,512,522,532,542,552 配線パターン(配線)、
103,103a,106,203 絶縁材料層、
103b 層間膜、
313,323,333,343,353,413,423,433,443,453,513,523,533,543,553 層間膜、
104,107,204,314,324,334,344,354,414,424,434,444,454,514,524,534,544,554 層間膜又は絶縁材料層の表面、
105,108,208 絶縁材料層の凹み、
109,209,309,409,509 配線間隔の広い領域、
110,310,320,330,340,350,410,420,430,440,450,510,520,530,540,550 配線層、
111,211 絶縁膜ブロック。
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性材料からなる配線パターンと絶縁性材料からなる層間膜とを有する配線層の形成方法、及び、半導体基板上に配線層を備えた半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路を備えた半導体基板上に複数の配線層を積層させた多層配線構造を持つ半導体装置が、広く使用されている。多層配線構造では、下側の配線層の上面の平坦度が低い場合、上側の配線層の配線パターンに異常(例えば、配線パターンの傾斜)が発生したり、上側の配線層のビア(via)に開口不良(例えば、不十分な開口又は未開口)が発生したりし易くなる。
【0003】
例えば、図1(a)の縦断面図に示されるように、半導体基板601上に狭い間隔609で配線602が形成される場合には、配線602を覆うように形成された絶縁材料層603の表面604も概ね平坦であり、その結果、図1(b)の縦断面図に示されるように、絶縁材料層603のCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって形成された層間膜603aの表面604aの平坦度は高い。しかし、図2(a)の縦断面図に示されるように、半導体基板701上に形成された配線702の間隔709が広い場合には、配線702を覆うように形成された絶縁材料層703の表面704の起伏が大きくなり、その結果、図2(b)の縦断面図に示されるように、絶縁材料層703のCMPによって形成された層間膜703aの表面704aにはディッシングによる凹み(傾斜部又は段差)705が発生し、層間膜703aの表面704aの平坦度は低い。
【0004】
また、図3の平面図及び図4の縦断面図に示されるように、半導体基板801上に多層配線構造802を形成し、その上に磁性体からなるインダクタ861を形成した半導体装置800も、広く使用されている。多層配線構造802は、例えば、5層の配線層810,820,830,840,850を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線812,822,832,842,852と絶縁性材料からなる層間膜813,823,833,843,853とを有している。多層配線構造802に、50μm×50μm(=2500μm2)程度のインダクタ形成領域809がある場合には、1層の配線層毎に、60nm(=600オングストローム)ずつディッシングによる凹みが深くなる。その結果、各配線層の凹み815,825,835,845,855の深さは、配線層が1層重なるごとに60nm(=600オングストローム)程度増え、その結果、配線層850の凹み855の深さは、60nmの5倍の0.3μm(=300nm)程度になる。このため、配線層850上にフォトリソグラフィ技術を用いてメタルパターン(例えば、インダクタ861)を形成する場合、又は、配線層850にビアを形成する場合に、フォトリソグラフィにおけるデフォーカス発生などによって、配線パターン異常(例えば、配線パターンの傾斜)やビアの開口不良(例えば、不十分な開口又は未開口)の発生が生じ易い。
【0005】
この対策として、図5(a)に示されるように、基板901上の配線902の間隔の広い領域909に、金属製のダミー配線907を形成することによって、配線902及びダミー配線907を覆う絶縁材料層903の表面904の平坦度を高め、その結果、図5(b)に示されるように、絶縁材料層903のCMPによって形成される層間膜903aの表面904aの平坦度を高めようとする提案がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−110908号公報
【特許文献2】特開2009−94359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2が提案するように、ダミー配線を設けた配線層の上部又は近傍に、RF(Radio Frequency)製品等に用いられる誘導性回路素子、例えば、インダクタを形成した場合には、ダミー配線が磁界を変動させるので、誘導性回路素子が所望の性能を発揮できないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1及び2が提案するように、ダミー配線の位置をインダクタの真下からずらす、又は、ダミー配線の配列密度を下げるなどの対策を講じた場合であっても、誘導性回路素子の特性変動を十分に低減できず、依然として、誘導性回路素子が所望の性能を発揮できない場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、配線間隔が広い領域が存在する場合であっても配線層の表面の平坦度を高めることができ、且つ、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い構成を無くした配線層の形成方法、及びこの配線層の形成方法を利用した半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る配線層の形成方法は、導電性材料からなる配線パターンと絶縁性材料からなる層間膜とを有する配線層の形成方法であって、下側部材の表面上に、前記配線パターンを形成する工程と、前記下側部材の前記表面上及び前記配線パターンの表面上に、絶縁材料層を形成する工程と、前記配線パターンの間に形成された前記絶縁材料層の一部を、絶縁膜ブロックとして残すと共に、前記絶縁膜ブロックの高さを前記絶縁膜ブロック以外の前記絶縁材料層の高さよりも高くするように、前記絶縁材料層をエッチング処理する工程と、前記絶縁膜ブロックを含む前記絶縁材料層を研磨して、表面が平坦化された前記層間膜を形成する工程とを有することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、配線層を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記配線層を形成する工程は、前記配線層の形成方法を用いて実行されることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程は、前記配線層の形成方法を用いて実行されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配線間隔が広い領域が存在する場合であっても配線層の表面の平坦度を高めることができ、且つ、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い構成を無くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)及び(b)は、従来の配線層の形成方法(配線間隔が狭い場合)を概略的に示す縦断面図であり、同図(a)は、半導体基板上に配線パターンとそれを覆う絶縁材料層を形成した状態を示し、同図(b)は、絶縁材料層の研磨処理によって形成された平坦な層間膜を示す。
【図2】(a)及び(b)は、従来の配線層の形成方法(配線間隔が広い場合)を概略的に示す縦断面図であり、同図(a)は、半導体基板上に配線パターンとそれを覆う絶縁材料層を形成した状態を示し、同図(b)は、絶縁材料層の研磨処理によって形成された凹みを持つ層間膜を示す。
【図3】多層配線構造上にインダクタを備えた従来の半導体装置を概略的に示す平面図である。
【図4】図3をIV−IV線で切った面を概略的に示す縦断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、ダミー配線を用いた従来の配線層の形成方法(配線間隔が広い場合)を概略的に示す縦断面図であり、同図(a)は、半導体基板上に配線パターンとダミー配線とそれらを覆う絶縁材料層を形成した状態を示し、同図(b)は、絶縁材料層の研磨処理によって形成された表面が平坦な層間膜を示す。
【図6】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成されるメタル配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の一例を概略的に示す平面図である。
【図7】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第1工程を示す概略的な縦断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第2工程を示す概略的な縦断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第3工程を示す概略的な縦断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第4工程を示す概略的な縦断面図であり、図6の構成をX−X線で切った面を示す。
【図11】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第5工程を示す概略的な縦断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成されるメタル配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の変形例を概略的に示す平面図である。
【図13】図12の構成をXIII−XIII線で切った面を示す概略的な縦断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第3工程を示す概略的な縦断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第4工程を示す概略的な縦断面図である。
【図16】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置の概略的な縦断面図である。
【図17】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置の概略的な縦断面図である。
【図18】第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置の概略的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
《1》第1の実施形態
《1−1》第1の実施形態の方法
図6は、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成される配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の一例を概略的に示す平面図である。また、図7から図11までは、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第1工程から第5工程までをそれぞれ示す概略的な縦断面図である。なお、図10は、図6の構成をX−X線で切った面を示している。
【0016】
図6から図11までに示されるように、第1の実施形態に係る配線層の形成方法は、導電性材料(例えば、金属)からなる配線パターン102と絶縁性材料(例えば、SiO2)からなる層間膜103aとを有する配線層110の形成方法である。
【0017】
また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板101上に、配線層を形成する工程を有し、この配線層を形成する工程は、図6から図11までに示される配線層の形成方法を用いて実行される。また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、配線層110上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0018】
また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板101上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有してもよい(第3、第4、第5の実施形態でも説明する)。この場合には、複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程を、図6から図11までに示される配線層の形成方法を用いて実行する。また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、多層配線構造の最も上の配線層上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0019】
次に、配線層110の形成方法を詳細に説明する。第1の実施形態に係る配線層の形成方法においては、先ず、図7に示されるように、下側部材としての半導体基板101の表面上に、フォトリソグラフィ技術などを用いて、配線パターン102を形成する。配線パターン102の形状及び配置の一例を図6の平面図及び図7の縦断面図に示すが、第1の実施形態に係る配線層の形成方法は、他の配線パターンにも適用可能である。第1の実施形態に係る配線層の形成方法は、特に、配線間隔の広い領域(例えば、領域109)、例えば、500μm×500μm程度の空き領域(配線パターンの存在しない領域)を有する配線層に適用することによって、平坦度の向上及び磁界へ影響の低減の効果を得ることができる。
【0020】
次に、図8に示されるように、半導体基板101の表面上及び配線パターン102の表面上に、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、SiO2などの絶縁材料層(層間膜103aを形成するための材料層)103を形成する。図8の例では、配線間隔の広い領域109が存在するので、図8に示されるように、絶縁材料層103の表面104には、凹み105が発生する。
【0021】
次に、図9に示されるように、絶縁材料層103の表面104上に、例えば、CVD法などを用いて、SiO2などの絶縁性材料からなる絶縁材料層106を形成する。配線間隔の広い領域109内に絶縁材料層103の凹み105が存在するので、図9に示されるように、絶縁材料層106の表面107には、深い凹み108が発生する。絶縁材料層103の膜厚と絶縁材料層106の膜厚とは、ほぼ同じ厚さとすればよい。
【0022】
図8の工程と図9の工程とは、同じ装置を用いた一連の工程とすることができ、この場合には、図11に示す平坦化する工程において、絶縁材料層103の研磨レートと絶縁材料層106の研磨レート(CMP工程における研磨され易さの度合い)とがほぼ等しくなる。しかし、絶縁材料層103と絶縁材料層106とを異なる装置又は異なる製造条件(例えば、材料成分、形成速度など)で形成してもよい。この場合には、絶縁材料層106の研磨レート(研磨され易さの度合い)が絶縁材料層103の研磨レート(研磨され易さの度合い)よりも低く(すなわち、研磨され難く)することが望ましい。絶縁材料層106としては、例えば、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)などを用いることができる。
【0023】
研磨され難い絶縁材料層106としては、HDP(High Density Plasma―CVD法によって形成されたSiO2層があり、研磨され易い絶縁材料層103としては、TEOS(テトラエチルオルトシリケート)−CVD法においてオゾンを添加して形成されたSiO2層がある。ただし、これらは例示であって、研磨され易さの違いは、製造条件の違い、材料の違いなどによって得ることもできる。
【0024】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターンを形成し、絶縁材料層103及び106にエッチング処理を施す。この工程では、絶縁材料層106及び103にエッチング処理を施すことによって、図10に示されるように、配線パターン102の間に形成された絶縁材料層106の一部を、膜厚の厚い絶縁膜ブロック111として残すと共に、絶縁膜ブロック111の高さ(頂部の位置)を絶縁膜ブロック111以外の絶縁材料層103a又は106の高さ(頂部の位置)より高くなる(高さの差ΔHだけ)ようにする。ΔHは、例えば、1000オングストローム(=100nm)以上とすることが望ましい。なお、エッチングでは、ストッパー膜を形成しないため、エッチング前の層間膜厚をデータベースで管理し、仕上がりの層間膜厚に応じたエッチング条件及びエッチング時間によって、エッチングを行うことにより、所望のサイズの絶縁膜ブロック111を形成することができる。
【0025】
次に、CMP法を用いて、絶縁膜ブロック111の表面及び絶縁材料層103aの表面を研磨することによって、図11に示されるような、表面107が平坦化された層間膜103bを有する配線層110を形成する。以上の工程により、半導体基板101上に、表面の平坦度の高い配線層110が形成される。
【0026】
以上のように形成された配線層110上に、他の配線層を形成する工程、又は、配線層110上に誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する工程をさらに有してもよい。
【0027】
《1−2》第1の実施形態の効果
以上に説明したように、第1の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック111のブロック効果により、CMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域109が存在する場合であっても配線層110の表面の平坦度を高めることができる。
【0028】
また、第1の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック111を用いることによって、配線層110の表面の平坦度を高めているので、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い磁性体を無くすることができる。このため、配線層110上の領域109上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する場合であっても、誘導性回路素子が所望の性能を発揮することができる。
【0029】
《1−3》第1の実施形態の変形例
図12は、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法において形成されるメタル配線パターン及び絶縁膜ブロックの形状及び配置の変形例を概略的に示す平面図である。図13は、図12の構成をXIII−XIII線で切った面を示す概略的な縦断面図である。図6及び図10では、絶縁膜ブロック111が2列×3行、すなわち、6個配列された場合を説明したが、ディッシングの影響をより少なくするために、図13に示されるように、絶縁膜ブロック112を1個(例えば、幅W=500μm)としてもよい。また、絶縁膜ブロックの個数、間隔は上記例に限定されず、例えば、1列×3行、すなわち、3個配列などのような、他の個数及び配列であってもよい。さらに、絶縁膜ブロックの平面形状は、四角形に限定されず、円形、楕円形、又は四角形以外の多角形などの他の形状であってもよい。
【0030】
《2》第2の実施形態
図14及び図15は、第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法における第3工程及び第4工程を示す概略的な縦断面図である。第2の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法は、第1の実施形態における2層の絶縁材料層103及び106を、1層の絶縁材料層203とした点が、第1の実施形態に係る配線層の形成方法及び半導体装置の製造方法と相違する。
【0031】
第2の実施形態に係る配線層の形成方法は、導電性材料(例えば、金属)からなる配線パターン202と絶縁性材料(例えば、SiO2)からなる層間膜とを有する配線層の形成方法である。
【0032】
また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板201上に、配線層を形成する工程を有し、この配線層を形成する工程は、第2の実施形態に係る配線層の形成方法を用いて実行される。また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、配線層110上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0033】
また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板201上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有してもよい(第3、第4、第5の実施形態でも説明する)。この場合には、複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程を、第2の実施形態に係る配線層の形成方法を用いて実行する。また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、多層配線構造の最も上の配線層上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタ(図3に示すインダクタ861など)を形成する工程をさらに有してもよい。
【0034】
第2の実施形態に係る配線層の形成方法においては、先ず、下側部材としての半導体基板201の表面上に、配線パターン202を形成し、次に、図14に示されるように、半導体基板201の表面上及び配線パターン202の表面上にSiO2などの絶縁材料層203を形成する。図14の例では、配線間隔の広い領域209が存在するので、図14に示されるように、絶縁材料層203の表面204には、凹み205が発生する。
【0035】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターンを形成し、絶縁材料層203にエッチング処理を施す。この工程では、絶縁材料層203にエッチング処理を施すことによって、図15に示されるように、配線パターン202の間に形成された絶縁材料層203の一部を、膜厚の厚い絶縁膜ブロック211として残すと共に、絶縁膜ブロック211の高さ(頂部の位置)を絶縁膜ブロック211以外の絶縁材料層203aの高さ(頂部の位置)より高くなるようにする。なお、エッチングでは、ストッパー膜を形成しないため、エッチング前の層間膜厚をデータベースで管理し、仕上がりの層間膜厚に応じたエッチング条件及びエッチング時間によって、エッチングを行うことにより、所望のサイズの絶縁膜ブロック211を形成することができる。
【0036】
次に、CMP法を用いて、絶縁膜ブロック211の表面及び絶縁材料層203aの表面を研磨することによって、表面が平坦化された層間膜を有する配線層を形成する。以上の工程により、半導体基板201上に、表面の平坦度の高い配線層が形成される。また、以上のように形成された配線層上に、他の配線層を形成する工程、又は、配線層110上に誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する工程をさらに有してもよい。
【0037】
以上に説明したように、第2の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック211のブロック効果により、CMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域209が存在する場合であっても配線層の表面の平坦度を高めることができる。
【0038】
また、第2の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロック211を用いることによって、配線層の表面の平坦度を高めているので、配線間隔が広い領域において磁界を変動させ易い磁性体を無くすることができる。このため、配線層上の領域209上に、誘導性回路素子、例えば、インダクタなどを形成する場合であっても、誘導性回路素子が所望の性能を発揮することができる。
【0039】
さらに、第2の実施形態に係る配線層の形成方法又は半導体装置の製造方法によれば、絶縁材料層203の形成を1回のプロセスで行うことができるので、処理工程の数を減らすことができる。
【0040】
《3》第3の実施形態
図16は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された多層配線構造302を持つ半導体装置300の概略的な縦断面図である。図16に示されるように、多層配線構造302は、例えば、5層の配線層310,320,330,340,350を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線312,322,332,342,352と絶縁性材料からなる層間膜313,323,333,343,353とを有している。なお、配線層の数は、5層に限定されない。多層配線構造302に、500μm×500μm程度のインダクタ形成領域309がある。第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、5層の配線層310,320,330,340,350のそれぞれについて、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用している。このため、配線層310,320,330,340,350のそれぞれの表面314,324,334,344,354は平坦になる。
【0041】
以上に説明したように、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロックのブロック効果により、すべての配線層についてCMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域309が存在する場合であっても最上層である配線層350の表面の平坦度を高めることができる。
【0042】
また、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線間隔が広い領域309において磁界を変動させ易い磁性体を無くしているので、配線層350上の領域309上に配置される、誘導性回路素子、例えば、インダクタは所望の性能を発揮することができる。
【0043】
《4》第4の実施形態
図17は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された多層配線構造402を持つ半導体装置400の概略的な縦断面図である。図17に示されるように、多層配線構造402は、例えば、5層の配線層410,420,430,440,450を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線412,422,432,442,452と絶縁性材料からなる層間膜413,423,433,443,453とを有している。なお、配線層の数は、5層に限定されない。多層配線構造402に、500μm×500μm程度のインダクタ形成領域409がある。第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、5層の配線層410,420,430,440,450の内の所定番目(例えば、偶数番目)の層で、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用している。このため、配線層420,440のそれぞれの表面424,444は平坦になるが、配線層410,430,450のそれぞれの表面414,434,454には、ディッシングによる凹み415,435,455(深さΔD=600オングストローム程度)が発生する。ただし、偶数番目の配線層について、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用しているので、凹み415,435,455の深さは浅い。
【0044】
以上に説明したように、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロックのブロック効果により、所定番目の配線層についてCMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域409が存在する場合であっても最上層である配線層450の表面の平坦度を高めることができる。
【0045】
また、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線間隔が広い領域409において磁界を変動させ易い磁性体を無くしているので、配線層450上の領域409上に配置される、誘導性回路素子、例えば、インダクタは所望の性能を発揮することができる。
【0046】
さらに、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用して形成される配線層の数を減らしているので、製造コストの削減を図ることができる。
【0047】
《5》第5の実施形態
図18は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって製造された多層配線構造502を持つ半導体装置500の概略的な縦断面図である。図18に示されるように、多層配線構造502は、例えば、5層の配線層510,520,530,540,550を含み、それぞれの配線層は、導電性材料からなる配線512,522,532,542,552と絶縁性材料からなる層間膜513,523,533,543,553とを有している。なお、配線層の数は、5層に限定されない。多層配線構造502に、500μm×500μm程度のインダクタ形成領域509がある。第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法においては、5層の配線層510,520,530,540,550の内の所定番目(例えば、3層ごと)の層と最上層の配線層について、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用している。このため、配線層510,520,540のそれぞれの表面514,524,544には、ディッシングによる凹み515,525,545(深さΔD=600オングストローム程度、又は、深さ2×ΔD=1200オングストローム程度)が発生するが、配線層530,550のそれぞれの表面534,554は平坦になる。
【0048】
以上に説明したように、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、絶縁膜ブロックのブロック効果により、所定番目の配線層についてCMPによるディッシングを抑制しているので、配線間隔が広い領域509が存在する場合であっても最上層である配線層550の表面の平坦度を高めることができる。
【0049】
また、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線間隔が広い領域509において磁界を変動させ易い磁性体を無くしているので、配線層550上の領域509上に配置される、誘導性回路素子、例えば、インダクタは所望の性能を発揮することができる。
【0050】
さらに、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した配線層の形成方法を使用して形成される配線層の数を減らしているので、製造コストの削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0051】
300,400,500 半導体装置、
101,201,301,401,501 半導体基板、
102,202,312,322,332,342,352,412,422,432,442,452,512,522,532,542,552 配線パターン(配線)、
103,103a,106,203 絶縁材料層、
103b 層間膜、
313,323,333,343,353,413,423,433,443,453,513,523,533,543,553 層間膜、
104,107,204,314,324,334,344,354,414,424,434,444,454,514,524,534,544,554 層間膜又は絶縁材料層の表面、
105,108,208 絶縁材料層の凹み、
109,209,309,409,509 配線間隔の広い領域、
110,310,320,330,340,350,410,420,430,440,450,510,520,530,540,550 配線層、
111,211 絶縁膜ブロック。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料からなる配線パターンと絶縁性材料からなる層間膜とを有する配線層の形成方法であって、
下側部材の表面上に、前記配線パターンを形成する工程と、
前記下側部材の前記表面上及び前記配線パターンの表面上に、絶縁材料層を形成する工程と、
前記配線パターンの間に形成された前記絶縁材料層の一部を、絶縁膜ブロックとして残すと共に、前記絶縁膜ブロックの高さを前記絶縁膜ブロック以外の前記絶縁材料層の高さよりも高くするように、前記絶縁材料層をエッチング処理する工程と、
前記絶縁膜ブロックを含む前記絶縁材料層を研磨して、表面が平坦化された前記層間膜を形成する工程と
を有することを特徴とする配線層の形成方法。
【請求項2】
前記絶縁材料層を形成する工程は、
前記下側部材の前記表面上及び前記配線パターンの表面上に、第1の絶縁材料層を形成する工程と、
前記第1の絶縁材料層上に、第2の絶縁材料層を形成する工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線層の形成方法。
【請求項3】
前記第1の絶縁材料層を形成する工程と前記第2の絶縁材料層を形成する工程は、同じ処理装置内で実行される一連の工程であり、
前記平坦化する工程において前記第2の絶縁材料層の研磨レートと前記第1の絶縁材料層の研磨レートとが等しくなるように、前記第1の絶縁材料層と前記第2の絶縁材料層を形成した
ことを特徴とする請求項2に記載の配線層の形成方法。
【請求項4】
前記第1の絶縁材料層を形成する工程と前記第2の絶縁材料層を形成する工程は、別個の工程であり、
前記平坦化する工程において前記第2の絶縁材料層の研磨レートを前記第1の絶縁材料層の研磨レートよりも低くするように、前記第1の絶縁材料層と前記第2の絶縁材料層を形成した
ことを特徴とする請求項2に記載の配線層の形成方法。
【請求項5】
前記配線パターンは、金属パターンであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項6】
前記層間膜は、SiO2膜であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項7】
前記下側部材は、半導体基板であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項8】
前記下側部材は、先に形成された他の配線層であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項9】
半導体基板上に、配線層を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記配線層を形成する工程は、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記配線層上に、誘導性回路素子を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
半導体基板上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程は、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記複数の配線層を形成する工程の各々は、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記複数の配線層の内の最も上に位置する配線層を形成する工程は、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記複数の配線層の内の最も上に位置する配線層上に、誘導性回路素子を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項11から13までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
導電性材料からなる配線パターンと絶縁性材料からなる層間膜とを有する配線層の形成方法であって、
下側部材の表面上に、前記配線パターンを形成する工程と、
前記下側部材の前記表面上及び前記配線パターンの表面上に、絶縁材料層を形成する工程と、
前記配線パターンの間に形成された前記絶縁材料層の一部を、絶縁膜ブロックとして残すと共に、前記絶縁膜ブロックの高さを前記絶縁膜ブロック以外の前記絶縁材料層の高さよりも高くするように、前記絶縁材料層をエッチング処理する工程と、
前記絶縁膜ブロックを含む前記絶縁材料層を研磨して、表面が平坦化された前記層間膜を形成する工程と
を有することを特徴とする配線層の形成方法。
【請求項2】
前記絶縁材料層を形成する工程は、
前記下側部材の前記表面上及び前記配線パターンの表面上に、第1の絶縁材料層を形成する工程と、
前記第1の絶縁材料層上に、第2の絶縁材料層を形成する工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線層の形成方法。
【請求項3】
前記第1の絶縁材料層を形成する工程と前記第2の絶縁材料層を形成する工程は、同じ処理装置内で実行される一連の工程であり、
前記平坦化する工程において前記第2の絶縁材料層の研磨レートと前記第1の絶縁材料層の研磨レートとが等しくなるように、前記第1の絶縁材料層と前記第2の絶縁材料層を形成した
ことを特徴とする請求項2に記載の配線層の形成方法。
【請求項4】
前記第1の絶縁材料層を形成する工程と前記第2の絶縁材料層を形成する工程は、別個の工程であり、
前記平坦化する工程において前記第2の絶縁材料層の研磨レートを前記第1の絶縁材料層の研磨レートよりも低くするように、前記第1の絶縁材料層と前記第2の絶縁材料層を形成した
ことを特徴とする請求項2に記載の配線層の形成方法。
【請求項5】
前記配線パターンは、金属パターンであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項6】
前記層間膜は、SiO2膜であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項7】
前記下側部材は、半導体基板であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項8】
前記下側部材は、先に形成された他の配線層であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法。
【請求項9】
半導体基板上に、配線層を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記配線層を形成する工程は、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記配線層上に、誘導性回路素子を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
半導体基板上に、複数の配線層を順に積層させることによって多層配線構造を形成する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記複数の配線層の内の少なくとも1つの配線層を形成する工程は、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記複数の配線層を形成する工程の各々は、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記複数の配線層の内の最も上に位置する配線層を形成する工程は、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配線層の形成方法を用いて実行される
ことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記複数の配線層の内の最も上に位置する配線層上に、誘導性回路素子を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項11から13までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−146725(P2012−146725A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1860(P2011−1860)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】
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