説明

酸化ニオブの組成物、ナノ構造体、生物活性形態およびその使用

ニオブをフッ化水素酸(HF)(水性)などの電解液の存在下で陽極酸化することにより、ナノサイズの先端をもつ自己組織化した酸化ニオブのナノコーンを製造する。形成される素材ナノ構造体の寸法および統合性は、電位、温度、電解液濃度および陽極酸化時間に強く依存する。したがって、形成された酸化ニオブのナノ構造体の形態、トポロジー、均一性および生物活性は、これらの陽極酸化パラメーターを調整することによって容易に調整できる。生物活性形態の結晶性酸化ニオブは、HFおよび少なくとも1種類の塩、たとえばNaSOまたはNaFを含む電解液の存在下で金属ニオブを陽極酸化することにより形成される。金属ニオブをHF(水性)の存在下で陽極酸化することにより形成される生物活性酸化ニオブの特性の1つは、それがヒドロキシルアパタイトと反応する能力である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
優先権主張
本出願は米国仮特許出願No. 60/703,366(2005年7月28日出願)に基づく優先権を主張し、それの全体を本明細書に援用する。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、酸化ニオブの形成および使用に関する。本発明には、特定のナノ構造形態特徴および/または有用な生物活性をもつ結晶性酸化ニオブの形成方法が含まれる。
【0003】
背景
酸化ニオブが最初に研究されたのは、それらが固体電解質コンデンサー[1]および超伝導[2]の構築に有用だからである。しかし最近、酸化ニオブは医療用途での有望な性能のため、さらに関心を集めるようになった[3]。化学物質の攻撃に対する高い抵抗性、酸素、炭素および窒素に対する強い親和性、熱力学的安定性、および生体適合性のため、多くの用途に最も好ましい酸化ニオブの形態はおそらくNであろう。
【0004】
一般に、酸化ニオブはゾル−ゲル法または電気化学的陽極酸化により形成される。詳細な考察については、たとえば[4,5]を参照。
酸化ニオブは電気素子から医療用移植片にまで及ぶ用途をもつという大きな将来性のため、有用な特性をもつ酸化ニオブおよび酸化ニオブの製造方法が常に求められている。本発明の1観点は、これらの要望を満たすことである。
【0005】
概要
1観点は、実質的に酸化ニオブからなり、明確に規定された形態および組成をもつ材料である。
【0006】
1態様は、HF(水性)などの無機酸を含む電解質溶液の存在下で実施する定電圧陽極酸化により製造できる酸化ニオブを含有する、自己組織化された組成物である。
他の態様は、実質的にあらゆる反応性金属またはその混合物の陽極酸化により形成された金属酸化物の自己組織化された組成物である。
【0007】
さらに他の態様は、Al、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種類の金属を、たとえばHFの希溶液(水性)を含む電解液の存在下で陽極酸化することにより形成された金属酸化物の自己組織化された組成物である。
【0008】
1態様において、陽極酸化は約0.25〜約10重量%のHF(水性)の存在下で実施される。他の態様において、HF(水性)の濃度は約2.5重量%である。他の態様において、HF(水性)には他の酸、たとえばリン酸が補充される。
【0009】
他の態様は、金属ニオブを陽極酸化し、電解液濃度、定電位電圧、温度を含めた陽極酸化パラメーターを制御することにより、規定された形態および/またはトポロジーをもつ酸化ニオブを形成する方法である。1態様において電解液は、陽極酸化条件下で可溶性であり、かつ金属ニオブと相互作用する、塩類を含有する。適切な塩類にはNaFおよびNaSOが含まれるが、これらに限定されない。
【0010】
1態様において、金属ニオブを陽極酸化して酸化ニオブを形成する反応は、約−10〜約110℃の温度範囲で実施される。さらに他の態様において、金属ニオブを陽極酸化して酸化ニオブを形成する反応は、約20〜約110℃の温度範囲で実施される。さらに他の態様において、金属ニオブを陽極酸化して酸化ニオブを形成する反応は、約20〜約90℃の温度範囲で実施される。さらに他の態様において、この反応は約22℃の温度で実施される。
【0011】
1態様において、金属ニオブを陽極酸化して酸化ニオブを形成する反応は、約15〜約150ボルトの電圧で実施される。さらに他の態様において、この陽極酸化反応は約15〜100ボルトの電圧で実施される。さらに他の態様において、この陽極酸化反応は約15〜75ボルトの電圧で実施される。
【0012】
1態様においては、電解液100 mlにつき約10 mgの塩ないし電解液100 mlにつき約350 mgの塩の濃度の塩類を含む電解液中で金属ニオブを陽極酸化して酸化ニオブにする。1態様において、塩はNaFおよびNaSOよりなる塩類の群から選択される。さらに他の態様においては、ニオブにイオンを供与し、かつHF(水性)含有電解液に可溶性である、追加または他の塩類が電解液中に存在する。
【0013】
さらに他の態様には、酸化ニオブのナノ構造体を金属または合金で被覆することが含まれる。1態様においては、ナノ構造体を金とパラジウムの合金(AuPd)で被覆する。
さらに他の態様には、光電ディスプレーおよび画像形成素子、たとえば電子顕微鏡を含めた(これらに限定されない)電気素子の構築に使用するフィラメントの製造に、酸化ニオブのナノコーンを使用することが含まれる。
【0014】
1態様は、フッ化ナトリウム(NaF)を含む電解液の存在下で金属ニオブを陽極酸化することにより形成された、生物活性をもつ結晶性酸化ニオブである。1態様において、陽極酸化法に使用するフッ化ナトリウムのレベルは、電解液100 mlにつき約50〜約500 mgの塩である。さらに他の態様において、陽極酸化は電解液mlにつき約100〜約200 mgのNaFの存在下で実施される。
【0015】
1態様は、生物活性をもつ結晶性酸化ニオブを医療用デバイスの被膜として使用することを含む。種々の態様に従って製造された酸化ニオブのナノ構造体で被覆できる医療用デバイスには、骨または歯と密に接触させるためのものが含まれる。そのようなデバイスには、スクリュー、ステープル、ピン、置換部品、バンド、プレート、ドール(doll)、ペグ、ワイヤ、バー、ブレス(brace)、ロッド、人工関節、歯、義歯、充填物、ブリッジ(架工義歯)、歯冠、キャップなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
他の態様は、骨または歯の疾患、損傷、喪失または形成異常の治癒および/または結合を促進するために使用される、酸化ニオブを含有するペースト、液体または被膜である。
さらに他の態様には、生物活性をもつ結晶性酸化ニオブの被膜を少なくとも含む適切なデバイスを作成し、ヒドロキシルアパタイト(HAP)の発生を誘発する組織、体液、血清、唾液またはその合成模倣物とこのデバイスを接触させることにより、骨または歯の損傷、疾患または形態異常を含む病的状態を処置する方法が含まれる。
【0017】
さらに他の態様は、ムチンを含有する刺激した無細胞体液と接触させた際にHAP形成を受け入れる、生物活性をもつ結晶性酸化ニオブ表面である。
さらに他の態様は、歯の処置に用いる多様な歯磨き剤その他の製品に酸化ニオブのナノ構造体を添加することである。酸化ニオブに可能な口腔ケアおよび/または処置のための配合物には、無痛化剤(desensitizer)、すなわち温度変化や極端な温度、および糖、塩または酸を多く含む物質などの刺激に対して過敏性である歯列の象牙質細管を増補することによって過敏性歯牙を処置する製品が含まれるが、これらに限定されない。口腔内のHAPに富む多様な構成要素に酸化ニオブを送達するための多様な歯磨き剤中で、酸化ニオブのナノ構造体を、適切な界面活性剤、たとえば脂肪族アルコールおよび/またはポリエチレングリコール、あるいは生体適合性ポリマー、たとえばポリカプロラクトンと混合することができる。
【0018】
さらに他の態様において、損傷、罹患、異常形成または喪失した骨または歯の修復に使用するために、グルー、セメント、グラウト(grout)、充填物などに、生物活性酸化ニオブを添加する。
【0019】
他の態様は、センサーの構築における、ある態様に従って製造した酸化ニオブのナノ構造体の使用である。ナノ構造体を用いて、気体または液体状の試料中の多様な成分と相互作用させることができ、あるいは試料中の少なくとも1種類の化合物と選択的または少なくとも差別的に相互作用する物質で酸化ニオブのナノ構造体を被覆することができる。1態様においては、この相互作用により信号が発生し、このセンサーはその試料中の特定化合物の存在または不存在を検出するのに使用できる。
【0020】
1態様においては、試料中のDNA、RNAその他の分子の存在を検出および/または測定するためのセンサーの作成にナノ構造体を使用する。1態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を、貴金属、たとえば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、ならびにこれらおよび他の金属の合金、ならびに/あるいは試料中の少なくとも1種類の化合物と選択的に相互作用するある種の酸化物で被覆する。
【0021】
さらに他の態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を触媒材料で被覆し、少なくとも1つの化学反応を触媒するのに使用する。酸化ニオブのナノ構造体に付与することができる触媒材料には、貴金属、たとえば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、ならびにこれらおよび他の金属の合金、ならびに/あるいはある種の酸化物が含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
1態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を用いて、少なくとも1種類の抗体を含むセンサーを構築する。
他の態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を用いて、核酸ポリマー、たとえばDNAまたはRNAと分子が接触した際に蛍光を変化させる少なくとも1種類の分子を含むセンサーを構築する。
【0023】
さらに他の態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を用いて、蛍光分子に選択的または優先的に結合する分子でタグ付けまたは標識した核酸ポリマー、たとえばDNAまたはRNAと分子が接触した際に蛍光を変化させる少なくとも1種類の分子を含むセンサーを構築する。
【0024】
1態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を用いて、生体分子、たとえば核酸、ペプチド、ポリペプチド、アミノ酸、糖類、多糖類、脂肪酸、ホルモン、成長因子、シグナル伝達分子、神経伝達物質および抗体の検出および/または測定のためのセンサーを構築する。
【0025】
他の態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を用いて、特定の有機もしくは無機化合物または特定のクラスの有機もしくは無機化合物の検出および/または測定のためのセンサーを構築する。
【0026】
他の態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を用いて、細菌、糸状菌、真菌、ウイルスおよび原虫よりなる群から選択される少なくとも1種類の病原体を選択的に検出および/または結合するセンサーを構築する。
【0027】
他の態様は、液体または気体状の試料中の多様な成分を分離するためのデバイスの構築に使用する酸化ニオブのナノ構造体である。
1態様においては、酸化ニオブのナノ構造体をそれ自体で、または適切に誘導体化もしくは被覆して用い、液体またはガスクロマトグラフィーに使用するクロマトグラフィーカラムを作成することができる。1態様においては、化合物の混合物を含む試料から少なくとも1つの成分を分離するようにこれらのクロマトグラフィーデバイスを設計する。ナノ構造体を被覆するために用いる物質の選択性に応じて、これらのデバイスは生体分子、有機分子、無機分子および/またはこれらすべての組合わせの混合物を分離するために使用できる。
【0028】
1態様は、混合物中の少なくとも1つの成分と選択的または差別的に相互作用する化合物で被覆した酸化ニオブのナノ構造体を含むクロマトグラフィーデバイスである。分離すべき物質に応じて、被膜は貴金属、たとえば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、ならびにこれらおよび他の金属の合金、ならびに/あるいはある種の酸化物を含むことができる。さらに他の態様においては、多様な混合物の成分を分離するのに適切なデバイスを作成するために、ナノ構造体を抗体、ポリマー、核酸ポリマーなどで被覆する。
【0029】
詳細な記述
本発明の原理の理解を補助するために、本明細書中に示す態様を参照し、それを記述するために特定の用語を使用する。ただし、これにより本発明の範囲を限定することを意図したものではないことは理解されるであろう。記載した方法、システムまたはデバイスを変更およびさらに改変すること、ならびに本明細書に記載した本発明の原理をさらに適用することは、本発明に関係する技術分野の専門家が普通に行うものとみなされる。
【0030】
大部分の用語は、多様な態様が関係する技術分野で用いられるそれらの通常の慣用される意味を示す。若干の用語について以下に説明する。本明細書中で用いる用語”医薬的に許容できる局所経口キャリヤー”または”局所経口キャリヤー”は一般に、局所経口投与に適した1種類以上の適合性固体または液体充填剤、希釈剤または封入用物質を意味する。本明細書中で用いる用語”適合性”は、齲食などの口腔医療状態を本発明の組成物および方法により治療または予防するための組成物の安定性および/または有効性を実質的に低下させる様式で相互作用することなく混合しうる組成物の成分を意味する。
【0031】
用語”約”は一般に、数値の±10%程度の範囲を表わし、全範囲はその数値の20%程度である。
化合物の療法有効投与量または療法有効量は、その病的状態にプラスの影響を与えるのに十分な量である。その影響は、直ちにではなくても、経時的に、患者の健康状態および生活状態に顕著または測定可能な効果をもたらすことができる。
【0032】
別途明記しない限り、本発明の多様な態様において金属ニオブの陽極酸化により形成された酸化ニオブについて記述するために用いる用語’構造体’、’ナノコーン’、’ナノ構造体’および’ミクロ構造体’は、互換性をもって使用される。
【0033】
多数の説明および実験は説明のために示したものであり、限定ではない。本発明が作動する様式の理論を記述、比較、説明または例により提示したとしても、それらを限定とみなすべきではない。
【0034】
場合により金を除いて、金属上の酸化物の形成は標準的な温度および圧力下で酸素の存在下に実施できる。触媒作用、検知および生物工学を含めた用途のための新規なナノ多孔質金属酸化物ナノ構造体の製造および有用性を説明した多数の研究が報告されている;たとえば[6−7]を参照。
【0035】
これらの研究のうちあるものは、細孔[9]およびチューブ[10]を含む二次元および三次元幾何構造をもつ金属酸化物ナノ構造体の形成を報告している。これらのナノ構造体は、型取り(templating)[11]、陽極酸化[12]およびゾル−ゲル法[3]を含めた幾つかの方法で開発することができる。コスト、純度および簡便さに関して、陽極酸化は有用な金属酸化物を製造するための特に魅力的な手段を提供する。
【0036】
規定の形状をもつ構造体の形成に用いられる最も一般的な酸化物には、アルミニウムおよびチタンの酸化物が含まれる[11, 10]。これらの特定の酸化物は多くの関心を集めた。その理由の一部は、それらが比較的製造しやすいためである。しかし、他の金属、たとえばニオブの酸化物も、より一般的に用いられている他の金属酸化物に優るある利点をもつ可能性があるため重要である。
【0037】
酸化ニオブは特に、きわめて高い耐食性および熱力学的安定性のため、かなりの有用性をもつ可能性がある。これらの特性により、酸化ニオブは、たとえば人工移植片上への骨芽細胞接着性を改良する被膜に使用するための、またはエレクトロニック素子、エレクトロクロミック素子、強誘電素子、センサー、ならびに分離用のカラムおよびデバイスに使用するための、有望な候補となっている。これらの用途に関する一般的な考察については、さらに[1, 3, 13]を参照。
【0038】
金属酸化物の形成機構、組成および使用に関してかなりの研究があるにもかかわらず、自己組織化した形態の金属酸化物全般、特に酸化ニオブに関する報告は比較的少ない[2]。若干の最近の研究により、ナノ多孔質酸化ニオブ構造体の製造が報告されている。より詳細な金属酸化物ナノ多孔質構造体の考察については[5, 13]を参照。
【0039】
酸化ニオブなどの金属酸化物を形成および造形する際に形態選択肢がないことは、有望な材料科学および医療用途における金属酸化物の使用および開発を妨げている。本発明の1観点は、自己組織化酸化ニオブのナノ構造体の形成方法を提供する。
【0040】
1態様には、無機酸を含む電解液の存在下で実施する電気化学的陽極酸化により製造された、ナノ先端をもつ酸化ニオブのナノコーンが含まれる。この方法において電解液として有用な無機酸のひとつはHFである。
【0041】
図1は、本発明のある態様に従って多様な酸化ニオブを製造するために使用できる陽極酸化装置(1)の模式図である。装置(1)は、電源(2)、金属銅の層(4)、電解液(6)、金属ニオブの層(10)を含む。反応が進行するのに伴って、酸化ニオブの層(8)が金属(9)の表面に蓄積する。
【0042】
図2および3は両方とも、酸化ニオブを含有する材料のエネルギー拡散スペクトルを示す。これらの材料は、定電位で実施されたニオブの陽極酸化により形成された。
図2について、図2で分析した材料は、2.5重量%のHF(水性) 100 mLにつきl00mgのNaFを含む電解液中、20ボルト、46℃で68分間、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された。このスペクトル(22)は、ニオブと同定されたきわめて顕著なピーク(24)を示す。
【0043】
図3で分析した材料は、2.5重量%のHF(水性) 100 mLにつき200mgのNaFを含む電解液中、20ボルト、50℃で90分間、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された。このスペクトル(32)は、ニオブと同定されたきわめて顕著なピーク(34)を示す。
【0044】
さらに他の態様は、多様な濃度のHF(水性)、NaFの存在および不存在、異なる陽極酸化時間、異なる温度および電位を含む陽極酸化条件下で形成された酸化ニオブのナノ構造体を含む。
【0045】
図4は、金属ニオブの陽極酸化により形成された酸化ニオブのナノ構造体の1態様の上面図である。パネル(A)〜(D):(40)、(43)、(46)および(49)に示すナノ構造体はすべて、それぞれ1.5重量%のHF(水性)中、22℃で実施された陽極酸化により形成された。すべてが顕著な頂点(41)、(44)、(47)および(50);ならびに頂点(41)、(44)、(47)および(50)間のギャップ(42)、(45)、(48)、(51)を示した。図4に示した酸化ニオブのミクロ構造体はすべて異なる定電圧で形成された:パネル(A)の構造体は25ボルトで形成された;パネル(B)の構造体は40ボルトで形成された;パネル(C)の構造体は30ボルトで形成された;パネル(D)の構造体は90ボルトで形成された。これらのデータは、他のパラメーターを等しく保持すると、使用する電圧に応じて形成されるニオブのナノコーンのサイズが異なることを指摘する。
【0046】
図7のSEM画像(70)は、金属ニオブの陽極酸化により形成された酸化ニオブのナノコーン構造体(71)の断面図である。これらのナノ構造体(71)は、約1.5重量%のHFを含む電解液の存在下に、25ボルトの定電位、室温で、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された。ミクロ構造体(71)は全般的にナノコーンの形状であり、顕著な頂部(74);側面(72);共通の底部(78);および個々のナノコーン(71)間の隙間(78)をもつ。
【0047】
他の態様は、多様な医療用途における生物活性酸化ニオブの使用である。図12、13に示すように、NaFの存在下で形成された結晶性酸化ニオブは、ヒドロキシアパタイト(HAP)に結合することができる。これらのパターンは、(JCPDS #09−0432)との一致により指示されるヒドロキシアパタイト(HAP)の指標となる特徴(星印でマークした)を示す。
【0048】
本発明の多様な態様に従って製造した生物活性酸化ニオブは、ヒドロキシルアパタイトと相互作用する。ヒドロキシルアパタイトはヒトおよび動物において、骨、歯、歯のエナメル質、および象牙質にみられる。1形態のヒドロキシルアパタイトは、式Ca(PO(OH)で表わされ、時にはCa10(PO(OH)と記載される。
【0049】
図14については、結晶性酸化ニオブとHAPの結合の追加証拠をSEM画像の141および144に示す。図14(A)については、SEM画像140中に示す結晶性酸化ニオブのミクロコーン141が、2.5重量%のHF(水性) mL中に200mgのNaFを含む電解液の存在下、20ボルト、50℃で90分間、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された。画像140の撮影前に、材料を人工唾液に19時間浸漬した。これにより、酸化ニオブ結晶ナノ構造体(141)上にHAP結晶(143)の形成が誘導された。
【0050】
図14(b)について;SEM画像(142)。結晶性酸化ニオブのミクロコーン(144)が、2.5重量%のHF(水性) mL中に100mgのNaFを含む電解液の存在下、20ボルト、46℃で2.5時間、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された。画像(140)の撮影前に、材料を人工唾液に19時間浸漬した。これにより、酸化ニオブ結晶構造体(144)上にHAP結晶(146)の形成が誘導された。
【0051】
図4〜11のSEM画像に示すように、多数の態様に従って製造された多様な酸化ニオブは粗面をもつ。この粗面が大きな表面積に貢献し、ヒドロキシルアパタイト(HAP)に対する材料の親和性と合わせて、歯、骨との、ならびに歯および骨などと強く相互作用させるための人工材料との界面としての有用性をもたらす。さらに他の態様は、生物活性をもつ結晶性酸化ニオブを用いて、ヒトおよび動物患者の骨、歯およびこれらに類する組織の構成要素を修復、支持、造形、編成または置換することである。
【0052】
形成されるナノ構造体の形状およびサイズは、陽極酸化パラメーター、たとえば金属ニオブ出発材料の厚さなどを変更することによって容易に調整できる。最初の推量として、当初の金属が厚いほど、陽極酸化法で形成できる円錐形構造体は高くなる。15〜約150ボルトの電圧値範囲を使用できる。他の有用な範囲には、約15〜約100ボルト、および約15〜約75ボルトの値が含まれる。
【0053】
温度も、酸化物形成速度に、かつある程度はナノ構造体の形状に、影響を与える。陽極酸化を実施するのに適切な温度は、約−10〜約110℃であり、他の適切な範囲には約20〜約10℃、および約20〜約90℃が含まれる。
【0054】
陽極酸化反応は、酸化される金属ニオブがある限り実施できる。十分な金属があれば反応は数日間続く可能性があるが、実際には多様なアッセイ条件は適切なナノ構造体を数時間で形成するように調整されるであろう。
【0055】
本発明の多様な態様に従って生物活性酸化ニオブを形成するための金属ニオブの陽極酸化は、一般に電解液中にHF(水性)を含む。ある態様においては、追加の酸をHF(水性)に添加することができ、これにはたとえばリン酸が含まれる。
【0056】
電解液の量および組成も、形成されるナノ構造体のサイズおよび形状に影響を与える。生物活性酸化ニオブはフッ化水素酸(HF)の存在下で形成される。この方法に適切なHF(水性)範囲は約1〜約15重量%であり、他の有用なHF範囲には約2.5〜約10.0重量%が含まれ、1態様において反応におけるHF(水性)濃度は約2.5重量%程度である。
【0057】
電解液に添加する塩類の濃度も、反応の速度およびナノ構造体の形状に影響を与える。イオンを金属ニオブ層へ運搬する能力をもち、かつ、HF(水性)に可溶性である塩類はいずれも、電解液中に使用できる。用いられる代表的な塩類には、NaFおよびNaSOが含まれる。
【0058】
1態様は、被覆しなければ不安定な酸化ニオブのナノ構造体を、脆性がより低い材料、たとえば銀、銅、または金とパラジウムの合金(AuPd)で被覆することにより安定化することを含む。酸化ニオブのナノ構造体を被覆するために使用できる他の金属には、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、およびその合金が含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
さらに他の態様は、これらの酸化ニオブのナノコーンを電気素子の作成に使用することを含む。微細先端をもつそのようなナノ構造体の使用が有益となる可能性のある素子には、図15に模式的に示す素子が含まれるが、これに限定されない。
【0060】
図15(A)は、光電ディスプレーに用いられる光電ディスプレーに使用できる電子銃(151)を示す。この形態の代表的な電子銃は下記のものを含む:フィラメント(153);カソード(157);アノード(159)。フィラメント(153)を通る電流が、カソード(157)とアノード(159)のギャップの真上に電子雲(155)を形成する。このギャップの作用は、電子を加速して雲(155)内に収束させ、電子のスプレー(161)を形成することである。
【0061】
本発明の多様な態様に従って形成された酸化ニオブ円錐形ミクロ構造体の他の用途には、分析機器において電子ビームを収束させるための素子の作成にそれらを使用することが含まれる。そのような機器には電子顕微鏡、たとえば走査型電子顕微鏡が含まれるが、これに限定されない。
【0062】
図15(B)は、電子顕微鏡に用いられる電子収束素子(170)の模式図である。多様な部品には下記のものが含まれる:フィラメント(171);ウェーネルキャップ(Wehnelt Cap)と呼ばれる負の電位源(173);空間電荷(174);アノードプレート(175)。要約すると、フィラメント(171)への荷電により電子流が発生し、これがウェーネルキャップ(173)内のギャップ(177)により収束される;これにより電子ビーム(179)が発生し、これがアノードプレート(175)内のギャップ(181)へ向けて加速される。
【0063】
さらに図15(B)について、これらのタイプの素子の分解能は少なくとも一部は電気の流れの微細さに依存し、これは少なくとも一部は電子銃(170)の構築に用いるフィラメント(171)に依存する。したがって、酸化ニオブのナノ構造体を含むナノ先端をもつ円錐形ナノ構造体を用いると、きわめて高い分解能をもつ電子顕微鏡を作成できる。
【0064】
これらのナノ構造体のさらに他の用途は、高分解能光電子ディスプレーの構築におけるフィラメントとしてのものである。
他の態様は、センサーの構築における酸化ニオブのナノ構造体の使用である。気体または液体の混合物の少なくとも1つの成分と相互作用する多様な物質で、ナノ構造体を被覆することができる。その表面と試料を接触させると、試料中の少なくとも1つの成分がセンサーの表面と相互作用した際に信号が発生する。適切な被膜には、被分析体に応じて、金属、たとえば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、ならびにこれらおよび他の金属の合金、ならびに/あるいはこれらの酸化物が含まれる。
【0065】
さらに他の態様においては、特定の生物または生物の成分と相互作用する物質で酸化ニオブのナノ構造体を被覆する。1態様においては、病原性の細菌、ウイルス、糸状菌、真菌、原虫などの表面にある構造体と選択的に相互作用する物質で、酸化ニオブのナノ構造体を被覆することができる。
【0066】
1態様においては、核酸ポリマー、たとえばDNAまたはRNAと直接または間接的にハイブリダイズする分子で表面を被膜する。直接結合は、その試料中のターゲット配列に相補的であって特定の組合わせのアッセイ条件下で試料中の少なくとも1種類のDNAまたはRNA配列にハイブリダイズする核酸ポリマーセグメントで、ナノ構造体の表面を被覆することにより達成できる。間接結合は、試料中の少なくとも1種類の核酸に結合させたタグまたは標識に優先的に結合する物質でセンサーの表面を被覆することにより達成できる。1態様においては、少なくとも、特定配列の核酸ポリマー、たとえばDNAおよび/またはRNAと相互作用した際に蛍光の変化を示す分子で、酸化ニオブのナノ構造体を被覆する。
【0067】
さらに他の態様においては、生体分子、たとえばアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖類、多糖類、核酸、シグナル伝達分子、神経伝達物質、ホルモン、脂肪酸、アルコール類、抗体などと選択的または優先的に相互作用する物質で、酸化ニオブのナノ構造体を被覆する。
【0068】
さらに他の態様においては、多様な金属、合金、金属酸化物、他の無機分子および有機分子と選択的に相互作用する物質で表面を被覆する。
さらに他の態様において、酸化ニオブのナノ構造体は、クロマトグラフィー、すなわち多様な混合物の成分をそれらの物理的および/または化学的特性に基づいて分離するのに用いられるデバイスの構築に使用される。そのようなデバイスには、ガスクロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィーのカラムが含まれるが、これらに限定されない。これらのデバイスは、大きな表面積を備え、特定の気体または液体試料の成分と相互作用する、酸化ニオブのナノ構造体を含むことができる。さらに他の態様においては、その試料中の化合物の混合物のうち少なくとも1つの成分と差別的または選択的に相互作用する物質でナノ構造体を被覆する。多様な被膜には、金属、金属酸化物、抗体などが含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
金属、合金およびある種の金属酸化物を、スパッタリング、電子スプレー、電子レーザー脱着および電解を含めた方法(これらに限定されない)で酸化ニオブのナノ構造体の表面に付与することができる。
【0070】
さらに他の態様においては、酸化ニオブのナノ構造体を触媒の構築に使用する。ある態様においては、多様な反応を触媒する金属または金属混合物でナノ構造体の表面を被膜する。この用途に適切な金属には、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、ならびにこれらおよび他の金属の合金、ならびに/あるいはこれらの酸化物が含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書全体に多様な例で説明したように、多様な態様に開示する生物活性をもつ酸化ニオブのナノ構造体は、ヒトの歯および骨の構造における基本的成分であるヒドロキシルアパタイト(HAP)とも容易に相互作用する。
【0072】
これらの態様による酸化ニオブのナノ構造体は、口腔の歯および骨のケアおよび処置に使用するための多様な製品に添加することができる。たとえば、それらを無痛化剤に添加することができる。この場合、それらが唾液の存在下で歯およびヒドロキシルアパタイト(HAP)に結合する能力を利用して、多様な化学物質および感覚(たとえば温度、甘味などを含む)に対して著しく過敏な歯を処置することができる。
【0073】
他の態様においては、ある態様の生物活性酸化ニオブを、ゲル、ペースト、ストリップ、リンス、ガムまたはバーニッシュの形態の歯磨き剤に含有させる;一般に、酸化ニオブを多様な適切な歯科用界面活性剤と混合する。多様な態様の酸化ニオブのミクロ構造体と組み合わせて使用できる歯科用界面活性剤および他の歯磨き剤の多様な成分は、下記のものである。
【0074】
本発明のキャリヤーは、練り歯磨き(ゲル、および歯肉下用ゲルを含む)、口腔洗浄剤、口腔スプレーの通常の一般的な成分を含有することができる。これらについて、より詳細に以下に記載する。
【0075】
使用するキャリヤーの選択は、一般に組成物を口腔に導入する様式により決定される。練り歯磨き(歯科用ゲルなどを含む)を使用する場合、”練り歯磨き用キャリヤー”を選択する;これには、たとえば研摩材、起泡剤(sudsing agent)、結合剤、保湿剤、芳香剤および甘味剤などを含めることができる;たとえばU.S.P. No. 3,988,433(Benedict、1976年10月25日交付)に開示され、これを本明細書に援用する。口腔洗浄剤を使用する場合、水、芳香剤および甘味剤などの”口腔洗浄剤用キャリヤー”を選択する;たとえばU.S.P. No. 3,988,433(Benedict日に交付)に開示され、これの全体を本明細書に援用する。同様に、口腔スプレーを使用する場合、”口腔スプレー用キャリヤー”を選択する。サッシェ(sachet)を使用する場合、”サッシェ用キャリヤー”(たとえばサッシェバッグ、芳香剤および甘味剤)を選択する。歯肉下ゲル(有効物質を歯周ポケット内または歯周ポケット周囲に送達するために)を使用する場合、材料を”歯肉下ゲル用キャリヤー”と組み合わせることができる。適切な歯肉下ゲル用キャリヤーには、U.S.P. No. 5,198,220(Damani、1993年3月30日交付、P&G)、U.S.P. No. 5,242,910(Damani、1993年9月7日交付)に開示されるものが含まれる;これらの全体を本明細書に援用する。本発明の組成物を調製するのに適切なキャリヤーは当技術分野で周知である。それらの選択は、二次的考察、たとえば口あたり、味覚、コスト、貯蔵安定性などに依存する。
【0076】
多様な態様に使用するのに好ましい組成物は、歯磨き剤、たとえば練り歯磨き、歯科用ゲル、歯科用艶出剤(tooth polish)および歯磨き粉の形態であってもよい。そのような練り歯磨きおよび歯科用ゲルの成分には、一般に1種類以上の歯科用研摩材(約10〜約50%)、界面活性剤(約0.5〜約10%)、増粘剤(約0.1〜約5%)、保湿剤(約10〜約55%)、芳香剤(約0.04〜約2%)、甘味剤(約0.1〜約3%)、着色剤(約0.01〜約0.5%)および水(約2〜約45%)が含まれる。そのような練り歯磨きまたは歯科用ゲルは、1種類以上の追加の齲食予防薬(約0.05〜約10%の追加の齲食予防薬)および歯石予防薬(約0.1〜約13%)を含有してもよい。歯磨き粉は、もちろん実質的にすべて非液体成分を含有する。
【0077】
多様な態様に使用するのに好ましい他の組成物には、たとえば歯肉下ゲルを含めた非研摩性ゲルが含まれる。ゲル組成物は、一般に増粘剤(約0.1〜約20%)、保湿剤(約10〜約55%)、芳香剤(約0.04〜約2%)、甘味剤(約0.1〜約3%)、着色剤(約0.01〜約0.5%)、水(約2〜約45%)を含有し、追加の齲食予防薬(約0.05〜約10%の追加の齲食予防薬)および歯石予防薬(約0.1〜約13%)を含有してもよい。
【0078】
多様な態様に使用するのに好ましい他の組成物には、たとえば口腔洗浄剤(mouthwash、mouth rinse)および口腔スプレーが含まれる。そのような口腔洗浄剤および口腔スプレーの成分には、一般に水(約45〜約95%)、エタノール(約0〜約25%)、保湿剤(約0〜約50%)、界面活性剤(約0.01〜約7%)、芳香剤(約0.04〜約2%)、甘味剤(約0.1〜約3%)および着色剤(約0.001〜約0.5%)のうち1種類以上が含まれる。そのような口腔洗浄剤および口腔スプレーは、1種類以上の追加の齲食予防薬(たとえば約0.05〜約%の追加の齲食予防薬が存在)および歯石予防薬(約0.1〜約13%が存在)を含有してもよい。
【0079】
多様な態様に使用するのに好ましい他の組成物には、たとえば液体歯磨きが含まれる。そのような液体歯磨きは、一般に水(約90〜約99%が存在)、保存剤(約0.01〜約0.5%が存在)、増粘剤(約0〜約5%が存在)、芳香剤(約0.04〜約2%が存在)、甘味剤(約0.1〜約3%が存在)および界面活性剤(そのような組成物中に約0〜約5%が存在)のうち1種類以上を含むことができる。
【0080】
本発明の組成物中に含有させることができるタイプのキャリヤーは、限定ではない特定の例として、たとえば研摩材、起泡剤(その多くは界面活性剤である)、増粘剤、保存剤、芳香剤および甘味剤、歯石予防薬、炭酸水素アルカリ金属塩、その他のキャリヤーである。
【0081】
多様な態様の組成物の局所口腔キャリヤーとして有用な歯科用研摩材には、多種の材料が含まれる。多様な適切な材料は、好ましくはその組成物内で適合性である材料、および象牙質を研摩しすぎない材料である。適切な研摩材には、たとえばシリカ(シリカゲルおよび沈降シリカを含む)、不溶性ポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、炭酸カルシウム、オルトリン酸二カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム、ならびに樹脂性研摩材、たとえば尿素とホルムアルデヒドの粒状縮合物が含まれる。
【0082】
多様な態様に用いられる他のクラスの研摩材には、たとえばU.S.P. No. 3,070,510(Cooley & Grabenstetter、1962年12月25日交付)に記載される粒状熱硬化性ポリマー樹脂が含まれる。適切な樹脂には、たとえばメラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン−尿素樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂、架橋エポキシド樹脂、および架橋ポリエステルが含まれる。多様な研摩材の多様な混合物も使用できる。
【0083】
歯科用シリカ研摩材は歯のエナメル質および象牙質を不都合に研摩することなく優れた歯の洗浄および研摩性能を備えているので、多様なタイプの歯科用シリカ研摩材をある態様に使用できる。本明細書に記載するシリカ系の研摩艶出材は、他の研摩材と同様に一般に約0.1〜約30ミクロン、好ましくは約5〜約15ミクロンの平均粒度をもつ。ただし、異なるサイズの材料も多様な態様に使用できる。研摩材は、沈降シリカまたはシリカゲル、たとえばU.S.P. No. 3,538,230(Paderら、1970年3月2日交付)およびU.S.P. No. 3,862,307(DiGiulio、1975年1月21日交付)に記載されるシリカキセロゲルであってもよい;これら両方の全体を本明細書に援用する。商品名”Syloid”でW. R. Grace & Company, Davison Chemical Divisionが市販しているシリカキセロゲルが好ましい。沈降シリカ材料、たとえばJ. M. Huber Corporationが商品名Zeodent .RTM.で市販しているもの、特にZeodent 119. RTMの表示をもつシリカも好ましい。練り歯磨き中に有用なタイプの歯科用シリカ研摩材のより詳細な考察およびリストについては、U.S.P. No. 4,340,583(Wason、1982年7月29日交付)を参照;これの全体を本明細書に援用する。本明細書に記載する練り歯磨き組成物中の研摩材は、一般に組成物の約6〜約70重量%のレベルで存在する。好ましくは、練り歯磨きは組成物の約10〜約50重量%の研摩材を含有することができる。
【0084】
多様な態様に用いられるあるタイプの沈降シリカがU.S. P. No. 5,603,920(1997年2月18日交付)、U.S. P. No. 5,589,160(1996年12月31日交付)、U.S. P. No. 5,658,553(1997年8月19日交付)、U.S. P. No. 5,651,958(1997年7月29日交付)に開示されている;これらの全体を本明細書に援用する。
【0085】
研摩材の多様な混合物も使用できる。歯科用研摩材に関連する前記の特許すべてを本明細書に援用する。多様な態様における歯磨き剤組成物中の研摩材の全量は、一般に約6〜約70重量%であってよい;一般的な練り歯磨きは、組成物の約10〜約50重量%の研摩材を含有する。本発明の液体歯磨き、口腔スプレー、口腔洗浄剤および非研摩性ゲル組成物は、一般に研摩材を含有しない。ただし、そのような組成物に研摩材を添加してもよい。
【0086】
多様な態様に使用するのに適切なものには、妥当な程度に安定であり、広いpH範囲にわたって気泡を形成する、起泡剤が含まれる。起泡剤には、非イオン、アニオン、両性イオン、カチオン、双性イオン、合成界面活性剤、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。多数の適切な非イオンおよび両性イオン界面活性剤がU.S.P. No. 3,988,433(Benedict、1976年10月26日交付)、U.S. P. No. 4,051,234(Gieskeら、1977年9月27日交付)に開示されている。多数の適切な非イオン界面活性剤がAgicolaらにより開示されている:U.S.P. No. 3,959,458(Agicolaら、1976年5月25日交付)。これらの両方の全体を本明細書に援用する。
【0087】
多様な非イオンおよび両性界面活性剤を多様な態様に使用できる。本明細書中で用いる、多様な態様に使用できる非イオン界面活性剤は、アルキレンオキシド基(親水性)と有機疎水性化合物(脂肪族性またはアルキル−芳香族性のものであってもよい)の縮合により生成する化合物として広義に定義することができる。適切な非イオン界面活性剤の例には、下記のものが含まれるが、これらに限定されない:ポロキサマー(商品名プルロニック(Pluronic)で市販)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(商品名トゥイーン(Tween)で市販)、脂肪アルコールエトキシラート、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との縮合により誘導された生成物、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、ならびにそれらの物質の混合物。
【0088】
本明細書中で用いる、多様な態様に使用できる多様な両性界面活性剤は、脂肪族第二級および第三級アミンの誘導体として広義に記述することができ、脂肪族基は直鎖または分枝鎖であってよく、脂肪族置換基のうち1つは約8〜約18個の炭素原子を含み、1つは水に可溶化するアニオン基、たとえばカルボキシラート、スルホナート、スルフェート、ホスフェートまたはホスホナートを含む。他の適切な両性界面活性剤は、ベタイン類、特にコカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)である。両性界面活性剤の混合物も多様な態様に使用できる。
【0089】
多様な態様は一般に、それぞれ約0.025〜約5重量%、他の態様においては約0.05〜約4重量%、さらに他の態様においては約0.1〜約3重量%のレベルの非イオン、両性、または非イオンと両性の組合わせの界面活性剤を含むことができる。ただし、多様な態様において他の範囲のそれらの物質が存在してもよい。
【0090】
本明細書中で用いる、多様な態様に添加できるアニオン界面活性剤には、アルキル基中に8〜20個の炭素原子をもつアルキルスルフェートの水溶性塩類(たとえばアルキル硫酸ナトリウム)および8〜20個の炭素原子をもつ脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性塩類が含まれる。ラウリル硫酸ナトリウムおよびスルホン酸ココナッツモノグリセリドナトリウムが、このタイプのアニオン界面活性剤の例である。他の適切なアニオン界面活性剤は、サルコシナート、たとえばラウロイルサルコシン酸ナトリウム、タウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム(sodium laureth carboxylate)、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。アニオン界面活性剤の多様な混合物も使用できる。ある態様では一般に約0.025〜約9重量%、他の態様においては約0.05〜約7重量%、さらに他の態様においては約0.1〜約5重量%のレベルのアニオン界面活性剤を含む。
【0091】
練り歯磨きおよびゲルは、望ましい稠度を形成し、使用に際して望ましい排出特性を備え、貯蔵安定性を高め、かつ組成物の全般的安定性を高めるなどのために、一般に配合物に添加した増粘剤を含有する。多様な態様に使用できる好ましい増粘剤には、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、ラポナイト(laponite)、ならびにセルロースエーテルの水溶性塩類、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。天然ガム、たとえばカラヤガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびトラガントゴムも使用できる。組成物のテキスチャー(きめ)をさらに改善するために、コロイド状のケイ酸アルミニウムマグネシウムまたは微細に分割したシリカを添加してもよい。
【0092】
増粘剤には、高分子ポリエーテル化合物を除いて、たとえば1〜約18個の炭素原子を含むアルキル基またはアシル基でキャッピングされたポリエチレンまたはポリプロピレンオキシド(M. W. 300〜1,000,000)を含めることができる。
【0093】
多様な態様に使用するのに好ましいクラスの増粘剤またはゲル化剤には、ペンタエリトリトールのアルキルエーテルもしくはスクロースのアルキルエーテルで架橋された一群のアクリル酸ホモポリマー、すなわちカルボマーが含まれる。カルボマーは、B. F. Goodrichからカルボポール(Carbopol)RTMシリーズとして市販されている。多様な態様に含有させることができる他のカルボポールには、カルボポール934、940、941、956、およびその混合物が含まれる。
【0094】
歯周ポケット内または歯周ポケット周囲に使用するための歯肉下ゲル用キャリヤーには、ラクチドモノマーとグリコリドモノマーのコポリマーを含めることができる。これらの組成物中に使用するための代表的なコポリマーは、約1,000〜約120,000の分子量をもつ。これらの数値は多様な成分の分子量の平均値である。そのようなポリマーのより詳細な考察およびリストについては、U.S.P. No. 5,198,220(Damani、1993年3月30日交付);U.S.P. No. 5,242,910(Damani、1993年9月7日交付);およびU.S.P. No. 4,443,430(Mattei、17, 1984年4月17日交付)を参照;これらすべての全体を本明細書に援用する。
【0095】
練り歯磨きまたはゲル組成物全量の約0.1〜約15重量%、他の態様においては約0.2〜約6重量%、他の態様においては約0.4〜約5重量%の量の増粘剤を使用できる。サッシェ、非研磨性ゲルおよび歯肉下ゲルには、より高い濃度を採用できる。
【0096】
多様な態様は、保湿剤、すなわち練り歯磨きなど多様な組成物が空気に曝された際に硬化するのを防ぐのに役立つ添加剤を含有することができる。保湿剤を添加することによる他の有益性には、口に対する湿潤感の増大を含めた口あたりの改善が含まれる。ある種の保湿剤は、多様な組成物に望ましい甘味な芳香を付与することもできる。代表的な保湿剤は、純粋な保湿剤を基準として、一般に本発明組成物の約0〜約70重量%、好ましくは約5〜約25重量%を構成する。多様な態様に使用するのに適切な保湿剤には、食用多価アルコール、たとえばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール、特にソルビトールおよびグリセリンが含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
多様な態様は、芳香剤を含有することもできる。多様な態様に使用するのに適切な芳香剤には、たとえばイチャクソウ油、ペパーミント油、スペアミント油、チョウジ蕾油、メントール、アネトール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、1−メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、アルファ−イリソン(alpha−irisone)、マヨラマ(marjoram)、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール(propenyl guaethol)、シナモン、バニリン、チモール、リナロール、シンナムアルデヒドグリセロールアセタール(CGAとして知られる)、およびその混合物を含めることができる。芳香剤は、一般に、組成物の約0.001〜約5重量%のレベルで組成物中に用いられる。
【0098】
多様な態様に添加できる甘味剤には、ショ糖、ブドウ糖、サッカリン、デキストロース、レブロース、乳糖、マンニトール、ソルビトール、果糖、マルトース、キシリトール、サッカリン塩、タウマチン(thaumatin)、アスパルテーム、D−トリプトファン、ジヒドロカルコン(dihydrochalcone)類、アセスルフェーム(acesulfame)、およびシクラミン酸塩、特にシクラミン酸ナトリウム、およびサッカリンナトリウム、ならびにその混合物が含まれるが、これらに限定されない。代表的な組成物は、これらの甘味剤を組成物の約0.1〜約10重量%、他の態様においては約0.1〜約1重量%含有することができる。
【0099】
多様な態様は、清涼化剤、唾液分泌薬、発熱剤(warming agent)、麻痺薬(numbing agent)および鎮痛薬を含有することができる。一般にこれらの物質は、組成物の約0.001〜約10重量%、他の態様では約0.1〜約1重量%のレベルで含有される。
【0100】
清涼化剤は、カルボキサミド類、メントール、ケタール類、ジオール類、およびその混合物などの物質を含めた広範な物質のいずれであってもよい。本発明の組成物に特に有用な多様な清涼化剤は、パラメンタンカルボキシアミド、たとえばN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(市場で”WS−3”として知られる)、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタナミド(市場で”WS−23”として知られる)、およびその混合物である。他の有用な清涼化剤は、下記よりなる群から選択される:メントール、3−1−メトキシプロパン−l,2−ジオール:TK−10として知られ、Takasagoが製造;メントングリセロールアセタール:MGAとして知られ、Haarmann and Reimerが製造;および乳酸メンチル:Frescolat. RTMとして知られ、Haarmann and Reimerが製造。本明細書中で用いるメントールおよびメンチル(menthyl)という用語には、これらの化合物の右旋性および左旋性異性体ならびにそのラセミ混合物が含まれる。TK−10はU.S.P. No. 4,459,425(Amanoら、1984年7月10日交付)に記載されている。WS−3および他の物質はU.S.P. No. 4,136,163(Watsonら、1979年1月23日交付)に記載されている;両方の開示内容全体を本明細書に援用する。
【0101】
多様な態様に添加できる唾液分泌薬には、Jambu. RTM.(Takasagoが製造)が含まれる。添加できる代表的な発熱剤には、たとえばトウガラシ、およびニコチン酸エステル、たとえばニコチン酸ベンジルが含まれる。好ましい麻痺薬には、ベンゾカイン、リドカイン、チョウジ蕾油およびエタノールが含まれる。
【0102】
多様な態様は、歯石予防薬、たとえばピロリン酸塩からのピロリン酸イオン源を含有することができる。本発明の組成物中に有用なピロリン酸塩には、ピロリン酸二アルカリ金属塩、ピロリン酸四アルカリ金属塩、およびその混合物が含まれる。非水和形および水和物形のピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、およびピロリン酸四カリウム(K)が好ましい種類である。多様な態様において、少なくとも1種類のピロリン酸塩が3つの様式のいずれかで存在することができる:溶解したものが優勢、溶解していないものが優勢、または溶解したピロリン酸塩と溶解していないものとの混合物。
【0103】
溶解したものが優勢であるピロリン酸塩を含む組成物は、少なくとも1種類のピロリン酸イオン源が少なくとも約1.0%の遊離リン酸イオンを供給するのに十分な量の組成物である。遊離ピロリン酸イオンの量は、約1〜約15%、他の態様においては約1.5〜約10%、さらに他の態様においては約2〜約6%であってよい。遊離ピロリン酸イオンは、組成物のpHに応じて多様なプロトン付加状態で存在する可能性がある。
【0104】
溶解していないものが優勢であるピロリン酸塩を含む組成物は、一般に組成物中に溶解しているピロリン酸塩が全体の約20%を超えない組成物、好ましくは組成物中に溶解しているピロリン酸塩が全体の約10%未満の組成物である。ピロリン酸四ナトリウム塩は、これらの組成物に好ましいピロリン酸塩である。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形もしくは10水和形、または歯磨き剤組成物中において固体形態で安定な他のいずれかの種であってもよい。この塩は固体粒子形態であり、結晶質および/または非晶質状態であってよく、塩の粒度は、審美的に許容でき、かつ使用中に容易に溶解するのに十分なほど小さいことが好ましい。これらの組成物の調製に有用なピロリン酸塩の量は、歯石抑制を補助するのに有効ないずれかの量である;これらの量は、一般に歯磨き組成物の約1.5〜約15重量%、他の態様においては約2〜約10重量%であり、さらに他の態様においてこの量は約3〜約8重量%である。多様な態様は、溶解したピロリン酸塩と溶解していないものとの混合物を含有することもできる。前記のピロリン酸塩をいずれも使用できる。
【0105】
多様なピロリン酸塩がKirk & Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, 第3版, Volume 17, Wiley−Interscience Publishers (1982)に記載されており、Kirk & Othmerに含まれるすべての参考文献を含めて、その全体を本明細書に援用する。
【0106】
ピロリン酸塩の代わりに、またはそれと組み合わせて用いられる任意物質には、合成アニオンポリマーなどの物質が含まれ、これには下記のものが含まれる:ポリアクリラート、および無水マレイン酸またはマレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー(たとえばGantrez):たとえばU.S.P. No. 4, 627 ,977(Gaffarら)に記載され、その開示内容全体を本明細書に援用する;ならびに、たとえばポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛3水和物、ポリホスフェート(たとえばトリポリホスフェート;ヘキサメタホスフェート)、ジホスホナート(たとえばEHDP;AHP)、ポリペプチド(たとえばポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸)、ならびにその混合物。
【0107】
多様な態様は、炭酸水素アルカリ金属塩を含有することもできる。一般に炭酸水素アルカリ金属塩は水に可溶性であり、安定化しない限り、それらは水性系内で二酸化炭素を放出する傾向にある。炭酸水素ナトリウム(ベーキングソーダとしても知られる)は、口腔衛生および医薬に使用するための組成物中に一般に用いられる炭酸水素アルカリ金属塩である。多様な態様は、少なくとも1種類の炭酸水素アルカリ金属塩を組成物の約0.5〜約30重量%、または約0.5〜約15重量%、場合により約0.5〜約5重量%の範囲で含有することができる。
【0108】
商業的に適切な口腔用組成物の調製に用いられる水は、好ましくは低イオン含量であり、かつ有機不純物を含有しない。水は、一般に本発明組成物の約5〜約70重量%、他の態様においては約20〜約50重量%を構成する。これらの水の量には、添加する遊離水と、他の物質と共に、たとえばソルビトールと共に導入される水を合わせたものが含まれる。
【0109】
二酸化チタンも本発明の組成物に添加できる。二酸化チタンは白色粉末であり、組成物に不透明さを付加する。二酸化チタンは一般に歯磨き組成物の約0.25〜約5重量%を構成する。
【0110】
抗微生物性の歯垢予防薬も、口腔用組成物中に場合により存在してもよい。そのような薬剤には、下記のものが含まれるが、これらに限定されない:トリクロサン(triclosan)、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール:The Merck Index, 第11版(1989), pp. 1529 (見出しno. 9573)、U.S.P. No. 3,506,720、および欧州特許出願No. 0,251,591(Beecham Group, PLC, 1988年1月7日公開)に記載;クロルヘキシジン(chlorhexidine)(Merck Index, no. 2090);アレキシジン(alexidine)(Merck Index, no. 222);ヘキセチジン(hexetidine)(Merck Index, no. 4624);サンギナリン(sanguinarine)(Merck Index, no. 8320);塩化ベンザルコニウム(Merck Index, no. 1066);サリチルアニリド(Merck Index, no. 8299);ドミフェンブロミド(domiphen bromide)(Merck Index, no. 3411);セチルピリジニウムクロリド(CPC) (Merck Index, no. 2024);テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン(octenidine);デルモピノール(delmopinol)、オクタピノール(octapinol)、および他のピペリジノ誘導体;ナイアシン製剤;亜鉛/第1スズイオン剤;抗生物質、たとえばオーグメンチン(augmentin)、アモキシシリン(amoxicillin)、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンおよびメトロニダゾール(metronidazole);ならびにこれら抗微生物性歯垢予防薬の類似体および塩類。抗微生物性の歯垢予防薬が存在する場合、これらは一般に本発明組成物の約0.1〜約5重量%を構成する。
【0111】
抗炎症薬も本発明の経口組成物中に存在することができる。そのような薬剤には、非ステロイド系抗炎症薬、たとえばアスピリン、ケトロラク(ketorolac)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、イブプロフェン(ibuprofen)、ナプロキセン(naproxen)、インドメタシン(indomethacin)、アスピリン、ケトプロフェン(ketoprofen)、ピロキシカム(piroxicam)およびメフェナム酸(meclofenamic acid)、ならびにその混合物が含まれるが、これらに限定されない。抗炎症薬が存在する場合、それらは一般に本発明組成物の約0.001〜約5重量%を構成する。ケトロラクはU.S.P. No. 5,626,838(1997年5月6日交付)に記載されており、その全体を本明細書に援用する。
【0112】
他の任意物質には、合成アニオンポリマーであるポリカルボキシラートが含まれ、それらの遊離酸または部分中和もしくは完全中和された水溶性アルカリ金属(たとえばカリウム、好ましくはナトリウム)塩またはアンモニウム塩の形で用いられる;U.S.P. No. 4,152,420(Gaffar)、U.S.P. No. 3,956,480(Dichterら)、U.S.P. No. 4,138,477(Gaffar)、U.S.P. No. 4,183,914(Gaffarら)およびU.S.P. No. 4,906,456(Gaffarら)に開示され、これらすべての全体を本明細書に援用する。分子量(M. W.)約30,000〜約1,000,000の無水マレイン酸またはマレイン酸と他の重合性エチレン性不飽和モノマー[メチルビニルエーテル(メトキシエチレン)を含む]のコポリマーの代表的な比率は、1:4〜4:1である。これらのコポリマーは、たとえばGantrez (AN 139 (M. W. 500,000)、A.N. 119 (M. W. 250,000)、好ましくは医薬用S−97(M. W. 70,000)(GAF Corporation)として入手できる。
【0113】
ある態様は、H−2アンタゴニストを選択的に含有し、これにはU.S.P. No. 5,294,433(Singerら、1994年3月15日交付)に開示される化合物が含まれ、その全体を本明細書に援用する。
【0114】
本発明のある態様に従って製造した酸化ニオブは、同様に少なくとも一部は表面積が大きくかつ均一であるという理由で、医療用デバイスとたとえば多様な骨構造体との緊密な接触を促進することが重要である多様な医療用デバイスの被膜として有用である。そのような用途において、酸化ニオブはスクリュー、クランプ、ボルト、ステープル、プレート、ピン、バー、ストラップなどの被覆または構築に容易に用いられる。本発明の多様な態様に従って製造した酸化ニオブのナノ構造体がこれらのデバイスの表面に存在すること、およびそれがヒドロキシルアパタイトと反応する固有の能力をもつことにより、移植したデバイスと周囲の骨組織との強固な結合の形成が促進されるであろう。それらは、罹患、破壊、損傷、異常形成または喪失した骨および/または歯牙成分の処置に際して外用できる。
【0115】
本発明の多様な態様による酸化ニオブのナノ構造体は著しく均一であり、本発明の多様な態様に従って電解液濃度、イオン強度、温度、電位差などのパラメーターを調整することにより、多様な異なる表面積のものを容易に製造できる。本発明の多様な態様に従って製造した酸化ニオブは、きわめて大きく比較的均一な表面積をもつことができ、高温で安定であり、これらの物理的特性により高温触媒およびガスクロマトグラフィーなどの用途におけるそれらの有用性が高まる。酸化ニオブのナノ構造体を多種多様な触媒のいずれかで被覆して、気相または液相で行われる化学反応に使用することもできる。
【0116】
代表的な先端幅は約30〜約400 nmであってよい;他の範囲には約40〜約300 nm、および約40〜約100 nmが含まれる。ナノコーン(ナノ構造体)の高さは、理論的には出発材料の厚さのみにより拘束される。より高いナノ構造体を形成するには、より長い陽極酸化時間、またはより激しい陽極酸化条件、たとえばより高い電圧、より高い電解液濃度、温度調整などを必要とする。酸化ニオブもHF(水性)に可溶である;このため、出発金属ニオブの厚さに関係なく、この方法で形成できるナノ構造体の高さが制限される傾向にある。
【0117】
本発明の多様な態様で形成された代表的な酸化ニオブのナノ構造体は、約4〜約60ミクロンの高さをもつ;ナノ構造体の高さの他の範囲は、約6〜約50ミクロンである。
本発明のある態様に従って製造した酸化ニオブを、目的の粒度に微粉砕することができる。酸化ニオブの微粉砕に使用できる多様な微粉砕方法には、ビーズミリング、ハンマーミリング、ふるい分け(grating)、摩砕などが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
酸化ニオブのナノ構造体は均一な形状であるため、大きな表面積および均一な形状を必要とする多様な用途に容易に使用できる。たとえば、酸化ニオブが気体または液体状の試料混合物中の少なくとも1つの成分と反応するセンサーの作成に、酸化ニオブのナノ構造体を使用できる。さらに他の態様においては、気体または液体状の試料中の少なくとも1つの成分と選択的に相互作用する物質で酸化ニオブのナノ構造体を被覆する。
【0119】
1態様においては、特異的DNA配列にハイブリダイズする物質で本発明のナノ構造体を被覆する。
さらに他の態様においては、ターゲットDNA分子上に配置したタグまたは標識に結合する物質でナノ構造体を被覆する。そのようなセンサーは、特定の試料中の特異的DNA配列の同定、定量または分離に使用できる。さらに他の態様には、生体分子と差別的に相互作用する物質で酸化ニオブのナノ構造体を誘導体化または被覆することが含まれ、生体分子にはRNA、多糖類、ポリペプチド、シグナル伝達分子、細胞表面マーカー、ホルモン、病原性生物、癌細胞などが含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
1態様においては、DNAまたはRNAなど特定の核酸ポリマーと接触した際に蛍光を変化させる物質で酸化ニオブのナノコーンを修飾または被覆する。この信号を検出し、その試料中のDNAおよび/またはRNAの存在および/または量をモニターするために使用できる。
【0121】
酸化ニオブのナノ構造体をクロマトグラフィーデバイスの構築、たとえばガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーのカラムに使用できる。ある態様において、酸化ニオブは混合物の成分と選択的に相互作用することができる。あるいは、混合物の多様な成分と選択的に相互作用する物質で酸化ニオブのナノ構造体を被覆することができる。そのようなデバイスを用いて、化合物の混合物中の多様な成分を分離できる。
【0122】
多様な態様に開示する酸化ニオブのナノ構造体を触媒の構築に使用できる。たとえば、触媒で被覆した酸化ニオブのナノ構造体の表面は、触媒表面と接触する反応体の反応速度を高める。酸化ニオブのナノ構造体を被覆し、またはそれに積層することができる多様な触媒には、パラジウムおよび白金などの貴金属触媒が含まれるが、これらに限定されない。酸化ニオブを多種多様な触媒のいずれかで被覆して、気相または液相で行われる化学反応に用いることができる。
【0123】
実験
本発明およびその利点をより良く理解および認識するために、以下の実施例を示す。ただし、これらの実施例は説明のためのものであって、決して限定ではない。
【0124】
実験1
厚さ0.25 mm、純度99.8%のニオブ箔片をAldrichから購入し、HF酸(検査によれば48%)をFisher Scientificから入手した。この金属ニオブをアセトンおよびエタノールですすぎ、1 cm幅のストリップに切断し、上記の酸を適量の脱イオン水で希釈して1.5および2.5重量%の濃度にした。電気化学的陽極酸化システムの模式図は図1にある。
【0125】
電気化学的プロセスは、銅およびニオブ金属電極に接続するSorensen DLM 300−2電源により駆動される。Nalgene 130 mLビーカー内で、電極の一部は磁気撹拌された電解液中へ伸びている。金属ニオブの陽極酸化プロセスは、25 Vの定電圧下に22℃の定温で実施された。
【0126】
二次電子画像をJEOL JSM−5310LV走査型電子顕微鏡により収集した。回折X線をSiemens 5000自動粉末回折計により収集した。次いでBruker EVAソフトウェアを用いて回折パターンのフィンガープリントを求め、この材料の組成を同定した。
【0127】
結果
下側の金属は平滑で曇った灰色であるのに対し、金属ニオブ上に形成された生成酸化物薄膜はわずかな淡青色を帯びていた。図4は、1.5重量%のHF(水性)電解液中で7.5時間、陽極酸化した酸化ニオブの上面図の画像を示す代表的な顕微鏡写真である。形状はほぼ円形であり、金属ニオブの粒界や欠陥と周囲隣接体による競合成長との組合わせにより生じたと思われるひずみをもつ。画像中の1個の酸化ニオブのナノ構造体のサイズは約50μmであるが、酸化物薄膜の平面内の構造体は約10〜55μmの範囲にあることが認められた。顕微鏡写真の視覚検査により、粗い酸化物テレーン(terrain)に沿ったミクロチャネルおよびギャップならびに境界付近のサブミクロンサイズの樹状フィンガーが広く存在することが分かった。
【0128】
図5は、金属ニオブを2.5重量%のHF中、25ボルト下で30分間、陽極酸化することにより形成された酸化ニオブのナノ構造体(56)の断面図(52)を撮影したものである。得られたナノ構造体は雪で覆われた常緑樹(54)に似ており、約40〜45μmの高さおよび約100〜300 nmの先端(56)をもつ。より長い時間、陽極酸化すると、50 nm未満に低下したサイズをもつ、より細い先端(66)が生成する(図6)。明らかに、図4にみられた粗いテレーンが円錐形ナノ構造体に沿って軸方向に走行している。電解液濃度(たとえば0.25〜2.5重量%のHF)および電位(たとえば10〜90ボルト)を変更した場合にも、ここで述べたものと類似の構造がみられた。
【0129】
この反応について考えられる1つの機構は、これがCabrera−Mott理論[2]に従うというものであり、これによれば素材金属から表面へ放出されたNbが吸着されたOまたはHOと相互作用して酸化物を形成する。この仮説が正しければ、実質的に純粋な金属ニオブ出発材料の体積よりほぼ3倍大きな体積をもつNbの形成に際して体積が著しく膨張するため、円錐形ナノ構造体が形成される可能性がある。その結果、酸化物が発達して金属平面から外側へ伸びる。酸化ニオブがNbであるという証拠は、この実験で形成された材料の回折パターンがNbの標準X線回折パターン(カードno. 00−030−0873)と一致するという事実にみることができる。
【0130】
実験2
厚さ0.25 mm、純度99.8%のニオブ箔片をSIGMA−ALDRICHから購入した;フッ化水素酸(HF)(検査によれば48%)をFISHER SCIENTIFICから入手した。この金属ニオブをアセトンおよびエタノールですすぎ、1 cm幅のストリップに切断し、上記の酸を適量の脱イオン水で希釈して目的のHF重量%濃度にした。電気化学的プロセスは、銅およびニオブ金属電極に接続するSORENSEN(商標)DLM 300−2電源により駆動される。酸化物の発達を刺激するために0〜40 Vの電位を用いた。Nalgene 140 mLビーカー内で、電極の一部は磁気撹拌された電解液中へ伸びている。
【0131】
二次電子画像およびエネルギー拡散スペクトル(EDS)を、JEOL JSM−5310LV走査型電子顕微鏡により収集した。回折X線をSiemens 5000自動粉末回折計により収集した。次いでBruker EVAソフトウェアを用いて回折パターンのフィンガープリントを求めた。
【0132】
結果
図7は、実質的に酸化ニオブからなるナノコーンを示す。この断面図(70)は、金属ニオブの陽極酸化により形成された自己組織化した酸化物ナノ構造体を示す。陽極酸化条件には、約2.5重量%のHFを含む電解液の存在下に25ボルトの定電位で2時間が含まれる。
【0133】
ナノ構造体(71)の尖端にある明瞭な反射(74)は、サブミクロンサイズの先端の存在を示唆し、一方、コーンに沿って軸方向に配向した条線(79)は金属平面に対して直交方向の成長を顕著に指摘する。金属は実験前に焼きなましされていないので、粒界や欠陥の存在が図7にみられる酸化物コーンの数、サイズおよび起源に影響を与えると思われる。
【0134】
図8(A)は、陽極酸化により形成されたさらに他の態様の酸化ニオブのナノ構造体(84)のSEM画像(82)(側面図)である。このナノ構造体は、約2.5重量%のHFを含む電解液の存在下に25ボルトの定電位で2時間後に形成された。
【0135】
図8(B)については、図8(A)に示した円錐形ナノ構造体の拡大顕微鏡写真によりナノスケールの粗さおよび幅200 nm未満の狭い酸化物溝が明らかになる。さらに図8(B)については、ナノ構造体(84)の尖端(86)において成長が微小な1点に集中している。一般にこの点のサイズは標準的な温度で形成された場合に40〜100 nmである。6O℃の温度に達すると、先端は鈍くなり、先端が300 nmにまで膨張する。しかし、温度や時間に関係なく、先端は繊細であり、破損しやすい。金属(たとえばAuPd)被膜は先端およびコーン本体の統合性を高めると思われる。そのような安定化により、これらの酸化物ナノ構造体は微小点源を必要とする用途に有望な鋳型となることができる。
【0136】
本発明において試験した濃度範囲内において(0.25〜2.5重量%のHF)、標準的な温度および圧力で1時間以内にナノコーンを生成するのに必要な最小電圧は15 Vであることが認められ、これより低いと本来の酸化物の化学エッチングが起きた。図9については、ミクロコーン(94)の成長の反応速度を証明するために、15 Vおよび1.5重量%HF (水性)下での酸化物成長の進行を調べた。個々のコーン(94)のサイズが増すだけでなく、個体数も増加し、電位および電解液濃度を変更した場合にも類似の挙動がみられた。この条件下で、面内成長速度は毎時2ミクロンであり、一方、面外成長速度は毎時約5ミクロンであると計算された。
【0137】
図10については、陽極酸化プロセスを1時間毎に中断し、生成した’リング’(108)、(108')および(108")を計数することにより、面外成長の反応速度測定を実施した。本質的に異なる速度が酸化物(102)の円錐形の形状に関係するのは明らかである。温度を低下させても円錐形の形状またはテキスチャーは改善されず、成長速度が遅くなるにすぎなかった。
【0138】
図9については、画像(92)が示すように、15ボルトで発達したナノコーン(94)は酸化ニオブのミクロコーンの成長が進行するのに伴って分裂開放するようにみえる。この観察結果は陽極酸化2時間以内に起き、進行して7時間以内にすべての構造体を支配する。しかし、図7および11にみられるように、より高い電位ではこれは起きない。陽極酸化薄膜は定電位条件下で生成するので、酸化物層が厚くなるのに伴って電界強度は低下し、これにより酸化物の成長が制限される。さらに、酸化物がHF(水性)に可溶性であることにより酸化物の発達はさらに妨げられる。
【0139】
この作用に対して考えられる説明は、15 Vの電界強度で生成する酸化物の統合性は酸化物の溶解速度と競合できないというものである。おそらく、そのような競合の結果が、図9に示す酸化物形態における分裂したピナクル(pinnacle)および円錐体ギャップとして現れるのであろう。
【0140】
HF濃度を固定して電位を30および40 Vに高めることにより(図11)ナノ構造体(112)に裂け目やギャップが存在しなくなることは、酸化物形成が高い電界強度の方を好み、酸化物の溶解より優勢であることを指摘する。より高い電位で広範に酸化すると、構造体は比較的無傷であるが、画像(113)にみられるようにクラウディング(crowding)(113)が生じ、これにより面内成長が拘束され、コーンの全般的形態に影響を与える。
【0141】
EDSおよびX線回折により、この試験で形成された酸化物はNb (カードno. 00−030−0873)であることが確認された。これらの結果は、Nbを酸化ニオブのうち最も安定なものとする公表された結果と一致する[2, 14]。Nbが形成されるという事実は、酸化物の形状を説明するのに役立つ;この方法に用いた金属ニオブの体積と比較して体積がほぼ3倍膨張するからである。
【0142】
Nb形成のため誘発されたひずみを効果的に放出するためには、生成した酸化物ナノ構造体は金属平面から突出しなければならない。さらに、前記で考察したように、金属平面に対して直交方向の立体拘束の方が少ないので、成長速度はこの方向の方が速いと予想できる。したがって、この非対称的な成長速度がナノボディーの円錐体形状に影響を与える可能性がある。
【0143】
この方法を用いて、標準的な温度および圧力でHF(水性)電解液中においてニオブを陽極酸化することにより、ナノメートルサイズの先端をもつナノコーンを製造した。酸化物はNbであることが確認され、コーンの寸法および統合性は電位、電解液濃度、温度および陽極酸化時間に応じて変動することが認められた。標準的な温度および圧力下で十分に長い時間、陽極酸化すると、40〜100 nmの微小先端が容易に達成された。
【0144】
標準的な温度および圧力で、酸化ニオブの発達をXPSにより実験的に観察した。これらの結果をCabrera−Mott法[2]により理論付けすることができる。いずれかの理論により束縛されるわけではないが、吸着されたOまたはHOが金属(たとえばNb)の導電電子と反応してOを生成し、その反応速度は本明細書に示した試験の場合のように、湿潤条件下で特に高くなる可能性がある[1]。Oは、いったんイオン化すると粒界および欠陥を経て金属内へ拡散し、Nbイオンと反応して酸化物を形成する。
【0145】
実験3
実質的に純粋な金属ニオブを、2.5 %のHF(水性)および100 mlにつき100 mgのNaFを含む電解液の存在下で陽極酸化することにより、酸化ニオブの試料を作成した。陽極酸化を46℃で68分間実施した。結晶性酸化ニオブを人工唾液の溶液に16時間浸漬した。図12は、この材料を人工唾液に浸漬した後のX線回折パターン(120)である。このパターン(122)は星印でマークしたHAPに特徴的な特徴(124)をもち、この特徴はHAPの基準JCPDS # 09−0432と一致する。
【0146】
実質的に純粋な金属ニオブを、2.5 %のHF(水性)を含有し、ただしNaFを含有しない電解液の存在下で陽極酸化することにより、酸化ニオブの試料を作成した。陽極酸化を46℃で2時間実施した。結晶性酸化ニオブを人工唾液の溶液に16時間浸漬した。
【0147】
図13については、NaFの存在下で形成して人工唾液に浸漬した酸化物のX線回折パターン(131、実線)を、NaFの不存在下で形成して同様に人工唾液に浸漬した酸化物のX線回折パターン(133、破線)と同じグラフ上にプロットした。両パターンとも(131および130)Nbに特徴的な特徴をもち、この化合物の標準パターン(JCPDS # 30−0873)と良く一致する。しかし、NaFの存在下で形成された酸化物のパターン(131)のみが星印でマークした、HAP、すなわちCa10(PO(OH)の存在に特徴的な特徴(135)をもっていた。
【0148】
これらの結果は、歯および骨の主成分であるHAPは金属ニオブをNaFの存在下で陽極酸化した場合に形成された結晶性酸化ニオブに結合することを指摘する。
実験4
実質的に純粋な金属ニオブを、2.5 %のHF(水性)を含む電解液の存在下で陽極酸化することにより、酸化ニオブの試料を作成した。最初の試験では、100 mlにつき100 mgのNaFを含む電解液中、50℃の温度、20 Vの定電位で90分間、操作を行った。結晶性酸化ニオブが形成されると、これを人工唾液に19時間浸漬し、この材料のX線回折パターンを測定した。
【0149】
図14(A)のSEM画像(140)は、結晶性酸化ニオブのナノコーン(141)がHAP結晶(143)を結合することを示す。
最初の試験では、100 mlにつき200 mgのNaFを含む電解液中、46℃の温度、20 Vの定電位で90分間、操作を行った。結晶性酸化ニオブが形成されると、これを人工唾液に19時間浸漬し、この材料のX線回折パターンを測定した。図14(B)のSEM画像(144)は、結晶性酸化ニオブのナノコーン(144)がHAP結晶(146)を結合することを示す。
【0150】
画像(140)および(142)は、フッ化ナトリウム(NaF)の存在下で金属ニオブを陽極酸化することにより形成された結晶性酸化ニオブにHAPが結合することを確認するのに役立つ。
【0151】
本明細書に引用したすべての参考文献、特許、特許出願などの全体を具体的には記載していないが、それぞれを個別に記載したと同様にそれらの全体を本明細書に援用する。
出願の内容を検索する際の補助とするために抄録を記載したが、それは決して本発明を説明、要約その他の方法で特徴づけまたは限定するためのものではない。
【0152】
本発明を詳細に説明および記載したが、これらは説明のためのものであって、本発明の権利を制限するためのものではない。好ましい態様を示したにすぎず、特許請求の範囲またはそれらの特許請求の範囲の法的均等物であれば本発明の精神に含まれるあらゆる変更および改変が含まれることを理解すべきである。
【0153】
本発明は当業者がなしうる改変を考慮に入れる。本発明に具体的に示した態様を、本発明の精神から逸脱することなく当業者が変更、反復、結合し、または他の方法に付加することも考慮に入れる。
【0154】
そうではないと別途明記しない限り、本明細書中で用いるすべての用語はそれらの通常の一般的な用法を含めて用いられる。
さらに、本明細書中にみられる理論もしくは操作、証拠または知見は、本発明の理解をさらに増すためのものであって、そのような理論もしくは操作、証拠または知見に基づいて本発明の範囲を決定するためのものではない。
【0155】
本発明を図面および以上の記載によって詳細に説明および記載したが、これらを限定的なものとみなすべきではなく、好ましい態様を提示および記載したにすぎず、本発明の精神に含まれるあらゆる変更および改変の保護を望むことを理解すべきである。
【0156】
参考文献
【0157】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】酸化ニオブを含む化合物を陽極酸化により製造するために用いたある装置を示す模式図である。
【図2】ニオブを含む材料を示すエネルギー拡散スペクトルである。
【図3】ニオブを含む材料のエネルギー拡散スペクトルである。
【図4A】SEM画像;約1.5重量%のHF(水性)を含む電解液中、22℃で7.5時間、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された酸化ニオブのナノ構造体の上面図である;25ボルトの定電位で形成。
【図4B】SEM画像;40ボルトの定電位で形成。
【図4C】SEM画像;30ボルトの定電位で形成。
【図4D】SEM画像;90ボルトの定電位で形成。
【図5】走査型電子顕微鏡(SEM)画像;約2.5重量%のHF(水性)を含む電解液中、約25ボルト下で約0.5時間、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された酸化ニオブのナノ構造体の断面図である。
【図6】SEM画像;約2.5重量%のHF(水性)を含む電解液中、約25ボルト下で約2.0時間、金属ニオブを陽極酸化することにより形成された酸化ニオブのナノ構造体の断面図である。
【図7】SEM画像;約1.5重量%のHF(水性)を含む電解液中、室温、約25ボルト下で金属ニオブを陽極酸化することにより形成された酸化ニオブのナノ構造体の断面図である。
【図8A】SEM画像;約2.5重量%のHF(水性)を含む電解液中、室温、約25ボルト下で金属ニオブを陽極酸化することにより形成された酸化ニオブ円錐形ナノ構造体の側面図である。
【図8B】SEM画像;図8Aの酸化ニオブ円錐形ナノ構造体の上部である。
【図9A】SEM画像;陽極酸化により形成される酸化ニオブのナノ構造体の成長を示す上面図である;約1.5重量%のHF(水性)を含む電解液中、室温、2時間で形成されたナノ構造体。
【図9B】SEM画像;3時間で形成されたナノ構造体。
【図9C】SEM画像;4時間で形成されたナノ構造体。
【図9D】SEM画像;6.5時間で形成されたナノ構造体。
【図10A】SEM画像;約1.5重量%のHF(水性)を含む電解液中、室温、約15ボルト下で金属ニオブを陽極酸化することにより形成された酸化ニオブのミクロ−ナノ構造体の”成長リング”を示す断面図である;比較的低い倍率で収集した画像。
【図10B】SEM画像;図10Aの画像を収集するのに用いた倍率の2倍で収集した画像。
【図11A】SEM画像;1.5重量%のHFを含有する電解質溶液中、室温で金属ニオブを陽極酸化することにより形成された酸化ニオブのナノ構造体の上面図である;30ボルトの定電位で形成された物質。
【図11B】SEM画像;40ボルトの定電位で形成された物質。
【図12】Nb金属をNaFの存在下で陽極酸化することにより形成された結晶性酸化ニオブ薄膜のX線回折(XRD)パターンである。この酸化物を人工唾液に16時間浸漬し、このパターンを収集した。このパターンの特徴には、指示したNbに属する顕著な結晶性ナノ構造(JCPDS# 30−0873)および星印でマークして示すヒドロキシルアパタイト(HAP)形成(JCPDS #09−0432)が含まれる。
【図13】Nb金属の陽極酸化により形成し、次いでこの材料をパターン収集前に人工唾液に浸漬した酸化ニオブのX線回折パターンである。二重線で示したパターンは、NaFの存在下で形成した酸化物のものであり;実線で示したパターンは、NaFを添加せずに形成された。二重線のパターンのみが、星印でマークした(HAP)を指示する特徴を示す。
【図14A】ヒドロキシルアパタイト(HAP)と接触した酸化ニオブ結晶のSEM画像である;比較的低い倍率で収集した画像。
【図14B】比較的高い倍率で収集した画像。
【図15A】電子銃の構成部品を示す模式図である。
【図15B】電子銃を含む電子顕微鏡の構成部品を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐形ナノ構造を有する酸化ニオブを含み、円錐形ナノ構造体が先端と底部を含み、先端が実質的に底部より細い、ナノ構造体。
【請求項2】
先端が約30〜約300 nmである、請求項1に記載のナノ構造体。
【請求項3】
底部が約40〜約100 nmの太さである、請求項1に記載のナノ構造体。
【請求項4】
ナノ構造体の高さが約4〜約65ミクロンである、請求項1に記載のナノ構造体。
【請求項5】
ナノ構造体の高さが約5〜約50ミクロンである、請求項1に記載のナノ構造体。
【請求項6】
酸化ニオブの円錐形ナノ構造体が少なくとも1種類の金属で被覆されている、請求項1に記載のナノ構造体。
【請求項7】
金属が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、およびその合金よりなる群から選択される、請求項6に記載のナノ構造体。
【請求項8】
下記のものを含む電子銃フィラメント:
酸化ニオブの円錐形ナノ構造体;および
金属被膜であって、酸化ニオブの円錐形ナノ構造体の表面に付与された金属被膜。
【請求項9】
金属被膜が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、およびその合金よりなる群から選択される少なくとも1種類の金属を含有する、請求項8に記載のフィラメント。
【請求項10】
フィラメントが光電ディスプレーの構築に使用される、請求項8に記載のフィラメント。
【請求項11】
フィラメントが走査型電子顕微鏡の先端子の形成に使用される、請求項8に記載のフィラメント。
【請求項12】
実質的に純粋な結晶性酸化ニオブを含み、酸化ニオブの式がNであり、該酸化物が金属ニオブをフッ化水素酸および少なくとも1種類の塩の存在下で陽極酸化することにより形成された、生物活性材料。
【請求項13】
塩がNaFおよびNaSOよりなる群から選択される、請求項12に記載の生物活性材料。
【請求項14】
結晶性酸化ニオブがカルシウムヒドロキシルアパタイト(HAP)を結合する、請求項12に記載の生物活性材料。
【請求項15】
下記の工程を含む、生物活性である結晶性酸化ニオブの形成方法:
金属ニオブの一部分を供給し;そして
金属ニオブのこの部分を電解液の存在下で陽極酸化し、その際、電解液はフッ化水素酸(水性)および少なくとも1種類の塩を含有する。
【請求項16】
陽極酸化工程を約15〜約150ボルトの電圧で実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
陽極酸化工程を約15〜約100ボルトの電圧で実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
陽極酸化工程を約15〜約75ボルトの電圧で実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
陽極酸化工程を約−10〜約110℃の温度で実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
陽極酸化工程を約20〜約110℃の温度で実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
陽極酸化工程を約20〜約90℃の温度で実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
陽極酸化工程の開始時のフッ化水素酸濃度が約1〜約15重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
陽極酸化工程の開始時のフッ化水素酸濃度が約0.25〜約10重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
陽極酸化工程の開始時のフッ化水素酸濃度が約2.5重量%である、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
電解液中の塩のレベルが電解液100 mlにつき約10 mgの塩ないし電解液100 mlにつき約350 mgの塩である、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
電解液中の塩がNaFおよびNaSOよりなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
下記の段階を含む、病的状態の処置方法:
生物活性である結晶性酸化ニオブを含む少なくとも1つの表面を有する医療用デバイスを作成し、その際、酸化ニオブはある量のフッ化水素酸(水性)を含む電解液の存在下でニオブの一部を陽極酸化することにより形成され;
医療用デバイスの生物活性表面を、実質的にヒドロキシルアパタイトからなるヒト用または動物用の構造体と接触させる。
【請求項28】
医療用デバイスが、スクリュー、プレート、ロッド、ステープル、プレート、バー、ペグ、ドール、バンド、ストラップ、コード、ブレスおよび充填物よりなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
生物活性酸化ニオブを含み、酸化ニオブがある量のフッ化水素酸を含む電解液の存在下で金属ニオブの一部を陽極酸化することにより形成された、歯磨き剤。
【請求項30】
歯磨き剤がペースト、ゲル、液体、スプレー、ストリップ、バーニッシュ、トローチ、ガムまたはグルーの形態である、請求項29に記載の歯磨き剤。
【請求項31】
歯磨き剤がさらに少なくとも1種類の界面活性剤を含有する、請求項29に記載の歯磨き剤。
【請求項32】
界面活性剤が、ポリエチレングリコールおよび脂肪族アルコールよりなる群から選択される、請求項29に記載の歯磨き剤。
【請求項33】
歯磨き剤が歯牙増白剤を含有する、請求項29に記載の歯磨き剤。
【請求項34】
歯磨き剤がさらに少なくとも1種類の保湿剤を含有する、請求項29に記載の歯磨き剤。
【請求項35】
下記の段階を含む、過敏性歯牙の処置方法:
生物活性酸化ニオブを含有する無痛化剤を調製し;そして
療法有効量の無痛化剤を少なくとも1つの過敏性歯牙の表面に適用する。
【請求項36】
無痛化剤が、バーニッシュ、ペースト、ゲル、ガム、液体およびストリップよりなる群から選択される形態である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
無痛化剤がさらに少なくとも1種類の界面活性剤を含有する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
界面活性剤が、ポリエチレングリコールおよび脂肪族アルコールよりなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
下記の工程を含む、生物活性酸化ニオブの形成方法:
金属ニオブの一部分を供給し;そして
金属ニオブのこの部分の少なくとも一部を電解液の存在下で陽極酸化し、その際、電解液はフッ化水素酸および少なくとも1種類の塩を含有する。
【請求項40】
さらに、酸化ニオブを微粉砕して特定範囲の粒度を有する材料を形成すること
酸化ニオブを微粉砕して酸化ニオブの粒度を変化させること
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
下記のものを含む触媒:
少なくとも1つの酸化ニオブの円錐形ミクロ構造体;および
触媒被膜であって、少なくとも1つの酸化ニオブのミクロ構造体の表面に付与されて触媒表面を形成した触媒被膜。
【請求項42】
触媒被膜が、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀およびレニウム、ニッケル、銅、亜鉛、ならびにその混合物よりなる群から選択される少なくとも1種類の貴金属である、請求項41に記載の触媒。
【請求項43】
下記のものを含むセンサー:
少なくとも1つの酸化ニオブのナノ構造体であって、金属ニオブの一部分をフッ化水素酸および少なくとも1種類の塩の存在下で陽極酸化することにより形成されたナノ構造体;ならびに
少なくとも1種類の被分析体に選択的に結合する少なくとも1種類の物質であって、酸化ニオブのナノ構造体の表面に付与された物質。
【請求項44】
選択的物質が、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、およびその合金よりなる金属の群から選択される、請求項43に記載のセンサー。
【請求項45】
選択的物質が、DNAを含有する試料中の少なくとも1種類のDNA配列に相補的な少なくとも1種類のDNA配列である、請求項43に記載のセンサー。
【請求項46】
被膜が核酸ポリマーと接触した際に蛍光を変化させる、請求項43に記載のセンサー。
【請求項47】
選択的物質が、少なくとも1種類の抗原に選択的に結合する少なくとも1種類の抗体である、請求項43に記載のセンサー。
【請求項48】
選択的物質が、核酸、ペプチド、ポリペプチド、アミノ酸、糖類、多糖類、脂肪酸、ホルモン、成長因子、シグナル伝達分子、神経伝達物質および抗体よりなる群から選択される少なくとも1種類の生体分子を選択的に結合する、請求項43に記載のセンサー。
【請求項49】
選択的物質が、細菌、糸状菌、真菌、ウイルスおよび原虫よりなる群から選択される少なくとも1種類の病原体を選択的に結合する、請求項43に記載のセンサー。
【請求項50】
下記のものを含むクロマトグラフィーデバイス:
少なくとも1つの酸化ニオブのナノ構造体であって、金属ニオブの一部分をフッ化水素酸(水性)および少なくとも1種類の塩の存在下で陽極酸化することにより形成されたナノ構造体;ならびに
少なくとも1種類のクロマトグラフィー材料であって、混合物中の少なくとも1つの成分と優先的に相互作用し、クロマトグラフィー材料が酸化ニオブのナノ構造体の表面に付与された、クロマトグラフィー材料。
【請求項51】
クロマトグラフィー材料が、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウム、ニッケル、銅、亜鉛、およびその合金よりなる金属の群から選択される、請求項50に記載のデバイス。
【請求項52】
クロマトグラフィー材料が、DNAを含有する試料中の少なくとも1種類のDNA配列に相補的な少なくとも1種類のDNA配列である、請求項50に記載のデバイス。
【請求項53】
クロマトグラフィー材料が抗体である、請求項50に記載のデバイス。
【請求項54】
デバイスがガスクロマトグラフィーカラムである、請求項50に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【公表番号】特表2009−507995(P2009−507995A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524177(P2008−524177)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029336
【国際公開番号】WO2007/016310
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(301046787)インディアナ・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・テクノロジー・コーポレーション (24)
【Fターム(参考)】