説明

金型の保護方法および保護装置

【課題】金型が取り替えられる度に煩雑な設定をする必要がなく、金型間に異物が挟まったら確実に型締動作を停止する、金型の保護方法を提供する。
【解決手段】可動金型(12)を固定金型(11)に対して型閉して所定の型締力で型締するとき、可動金型(12)が固定金型(11)から所定量だけ離間した型開位置から可動金型(12)が固定金型(11)にタッチする型閉位置までの間、固定盤(5)の振動を監視して、所定のしきい値を超える加速度の振動を検出したら、型閉動作を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定金型が取り付けられる固定盤と、可動金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、可動盤を貫通し固定盤と型締ハウジングを連結している複数本のタイバーと、可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、トグル機構のクロスヘッドを駆動することにより型開閉ができるようになっているトグル式型締装置において、固定金型と可動金型に異物が挟まれたときに、これを検出して金型が傷つかないように保護する方法と、この方法の実施に使用されるトグル式型締装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形機は、文献名を挙げるまでもなく周知であり、概略的には、射出材料を溶融して射出する射出装置、型締および型開される一対の金型、この金型が取り付けられ金型を型締方向あるいは型開方向に駆動する型締装置等から構成されている。また、型締装置としてトグル式型締装置も周知である。トグル式型締装置は、型締ベッド上に固定されている固定盤、型締ベッド上に軸方向に移動自在に設けられている型締ハウジング、固定盤と型締ハウジングとの間に設けられている4本のタイバ、型締ベッド上に軸方向に移動可能に設けられていると共にタイバが挿通されている可動盤、型締ハウジングと可動盤との間に設けられているトグル機構等から構成されている。従って、トグル式型締装置を駆動して一対の金型を型締すると、金型内にキャビティが形成される。このキャビティに射出装置から溶融状態の射出材料を射出充填し、冷却固化を待って型締装置を駆動して金型を開くと成形品を得ることができる。
【0003】
このようにして成形された成形品は、金型に設けられているイジェクトピンで突き出されて、下方に設けられている受け皿に自然落下する。あるいは、成形品は、イジェクトピンで突き出して金型から浮き上がらせ、射出成形機に関連して設けられているロボットアームによって取り出される。ところが、イジェクトピンの突き出しが不十分であったり、イジェクトピンとロボットアームの動作にずれが生じると、成形品が金型内に取り残されてしまう。このような状態で、トグル式型締装置を駆動して金型を型締すると、取り残された成形品が金型のパーティングラインに載って金型に挟まれて、高価な金型が傷ついてしまう。また、異物が金型間に入り込んでも、トグル式型締装置を駆動して型締すると、同様に金型が傷ついてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−254218号公報
【特許文献2】特表2008−512275号公報
【0005】
特許文献1には、トグル機構、可動盤、または型締ハウジングに歪センサが設けられたトグル式型締装置と、歪量を検出して型締力を制御する金型の保護方法が記載されている。特許文献1によると、歪センサで検出される歪量から所定の演算によって型締力を計算する。そして、型締力が予め設定されているしきい値を超えると、異物が金型に挟まれた異常な状態であるとみなして、型締力がそれ以上にならないように型締装置を制御する。従って、金型に成形品や異物が挟まれてしまっても、金型を傷つけない。
特許文献2には、型締力を測定して、設定された目標型締力との偏差量が、所定の時間にわたって許容量を超えたときに型締装置を停止する、金型の保護方法が記載されている。特許文献2には、使用されているセンサの種類、センサが設けられている部材等が記載されていないので、型締力を測定する方法が不明であり具体的な実施の方法は定かではないが、特許文献2に記載の方法によると、目標型締力を可動盤に取り付けられている可動側金型の位置に応じて変化する変数として扱う。従って、目標型締力は可動側金型の位置の関数として予め定める。そして、可動側金型の位置と型締力とを測定して、このような目標型締力に対する型締力の偏差が所定の時間にわたって許容量を超えたときに、型締装置を停止する。従って、金型に成形品や異物が挟まれても、金型を傷つけることなく金型を保護することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、または特許文献2に記載の方法によっても、型締力を監視して型締装置を制御したり型締装置を停止することができるので、金型に異物が挟まれていることを検出することができ金型を保護することはできる。しかしながら、改良すべき点も見受けられる。例えば、監視している対象が型締力である点に問題がある。適切な型締力は金型によって異なるので、型締力のしきい値や、目標型締力も金型によって異なることになる。従って、しきい値や目標型締力が設定されていても、型締装置に取り付けられる金型が交換されたら、しきい値や目標型締力を設定し直さなければならず、煩雑である。また、特許文献1に記載の方法によると、型締力の計算の基になる歪量は、歪センサによって検出されるが、歪センサが設けられている部材に問題が見受けられる。すなわち、歪センサはトグル機構、可動盤、または型締ハウジングに設けられており、トグル機構と可動盤は型開閉時に大きく動いてしまうし、型締ハウジングもタイバの伸びによってわずかに左右に動いてしまう。このような部材には、動きに伴う加速度によって部材内部に応力が発生して、型締力に由来しない歪が発生してしまう。従って、検出された歪量からは正確な型締力が計算できない場合があり、異物が金型に挟まっていても検出が遅れて金型を傷つけてしまう可能性がある。また、特許文献2に記載の方法によると、可動側金型の位置に応じて目標型締力が設定されているので、異常の検出は比較的正確にできるように考えられるが、大きく開かれている型開位置においても型締力を監視している点に問題がある。すなわち、金型に異物が挟まる型開位置は、比較的型開量が小さいときであるが、特許文献2に記載の方法によると、金型に異物が挟まれる恐れのない型開位置においても同様に監視しているので、ノイズを拾って誤作動してしまう可能性が高い。
【0007】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたもので、具体的には、金型が取り替えられる度に煩雑な設定をする必要がなく、従ってメンテナンスが容易であり、ノイズを拾って誤作動を引き起こすことがなく、金型に異物が挟まったことを確実に検出して型締動作を停止することができる金型の保護方法およびこの保護方法の実施に直接使用されるトグル式型締装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、上記目的を達成するために、固定金型が取り付けられる固定盤に加速度センサを設け、この加速度センサで検出される固定盤の振動の加速度を、トグル機構を制御するコントローラに入力する。そして、クロスヘッドを駆動して可動金型を固定金型に対して型締するとき、可動金型が所定の型開量だけ開いた型開位置から、可動金型が固定金型にタッチする型閉位置までの間、固定盤の振動を監視して、所定のしきい値を超える振動を検出したら、クロスヘッドを停止して型閉動作を停止する。また、所定の型開量と型閉位置をクロスヘッドの位置で判断するように構成する。
【0009】
かくして、請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、固定金型が取り付けられる固定盤と、可動金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通し前記固定盤と前記型締ハウジングを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドを駆動することにより型開閉ができるようになっている金型において、前記可動金型を前記固定金型に対して型閉して所定の型締力で型締するとき、前記可動金型が前記固定金型から所定量だけ離間した型開位置から前記可動金型が前記固定金型にタッチする型閉位置までの間、前記固定盤または前記固定金型の振動を監視して、所定のしきい値を超える加速度の振動を検出したら、型閉動作を停止するように構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の保護方法において、前記型開位置と前記型閉位置は、前記クロスヘッドの位置によって判断するように構成され、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の保護方法において、前記振動の監視は前記固定盤または前記固定金型に設けた加速度センサによって実施するように構成される。
【0010】
請求項4に記載の発明は、固定金型が取り付けられる固定盤と、可動金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通し前記固定盤と前記型締ハウジングを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドが駆動されると型開閉されるようになっているトグル式型締装置において、
前記固定盤または前記固定金型には加速度センサが設けられ、該加速度センサにより計測される前記固定盤または前記固定金型の加速度は、前記トグル機構を制御するコントローラに入力されるようになっており、前記可動金型を前記固定金型に対して型閉して所定の型締力で型締する型締工程において、前記クロスヘッドが所定の型開位置から前記可動金型が前記固定金型にタッチする型閉位置まで駆動される間に、所定のしきい値を超える加速度が検出されたら、前記コントローラからの指令によって前記型締工程が停止されるように構成される。請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のトグル式型締装置を備えた電動射出成形機として構成される。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によると、トグル式型締装置において、固定金型と可動金型を型閉して所定の型締力で型締するとき、固定金型と可動金型が所定量離間した型開位置からタッチする型閉位置までの間、固定盤または固定金型の振動を監視して、所定のしきい値を超える加速度の振動を検出したら、クロスヘッドを停止して型閉動作を停止するので、金型に異物が挟まった場合に確実にこれを検出して型閉動作を停止することができる。すなわち、監視する対象はベッド上に固定された固定盤または固定金型の振動であり、固定盤または固定金型は可動部材ではないので、部材が動くことによって生じる加速度の影響を受けることがない。つまり、金型に異物が挟まれたら、これを確実に検出することができる。また、型締力のような金型に依存する物理量を検出対象としていないので、すなわちその都度型締力が異なる金型によらない振動を検出対象としているので、金型が取り替えられても設定値を変更する必要はない。すなわち、メンテナンスが容易である。さらには、振動の監視は、固定金型と可動金型が所定の間隔だけ離間した型開位置からタッチする型閉位置までであるので、すなわち、金型に異物が挟まれる可能性のある状態だけを監視するので、不要にノイズを拾うことがない。つまり、誤動作を起こすことがない。そして、金型に異物が挟まれたことを検出したら、クロスヘッドを停止して型閉動作を停止するので、金型を傷つけることなく金型を保護することができる。また、他の発明によると、型開位置と型閉位置は、クロスヘッドの位置によって判断するように構成されているので、型開位置と型閉位置を容易に判断することができ、金型の保護を容易に実施することができる。さらには、他の発明によると、トグル式型締装置は、固定盤または固定金型には加速度センサが設けられ、固定盤または固定金型の加速度が、トグル機構を制御するコントローラに入力されるように構成されているので、すなわち、周知のトグル式型締装置に安価なセンサが設けられたシンプルな構成からなるので、金型の保護を実施できるトグル式型締装置を安価に提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るトグル式型締装置を示す正面図である。
【図2】本実施の形態に係るトグル式型締装置の作用を説明するためのグラフ、すなわちクロスヘッドの各位置における固定盤の振動の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態について説明する。本実施の形態に係る射出成形機1は、図1に示されているように、トグル式型締装置2と、従来周知の射出装置3とから構成されている。本実施の形態に係るトグル式型締装置2は、図1を参照すると容易に理解されるように、従来のトグル式型締装置と略同様に構成されている。すなわち、トグル式型締装置2は、ベットB上に固定的に設けられている固定盤5、ベットB上に軸方向に移動自在に設けらている型締ハウジング6、固定盤5と型締ハウジング6との間に設けられている4本のタイバー7、7、…、これらのタイバー7、7、…が挿通され、軸方向に移動可能な可動盤8、型締ハウジング6と可動盤8との間に設けられているトグル機構10等から概略構成されている。このように構成されている固定盤5には固定金型11が、そして可動盤8には可動金型12がそれぞれ取り付けられている。固定盤5には、所定の大きさの透孔5aが明けられ、この透孔5aに射出装置3の加熱シリンダ3bが挿通され、その先端の射出ノズル3aが固定金型11に設けられたスプルにタッチしている。
【0014】
トグル機構10も従来周知の構造をしている。すなわち、図1に示されている実施の形態では、概略的には一対の短リンク15、15と、一対の長リンク16、16と、1個のクロスヘッド17と、一対のクロスリンク18、18とから構成されている。短リンク15、15の一方の端部はピン20、20により型締ハウジング6のブラケットに、長リンク16、16の一方の端部はピン21、21により可動盤8のブラケットに、それぞれ回動自在に結合され、短リンク15、15の他方の端部と、一対の長リンク16、16の他方の端部はピン23、23により回動自在に結合されている。そして、クロスヘッド17には、クロスリンク18、18の端部がピン25、25で回動自在に結合され、クロスリンク18、18の他の端部は、短リンク15、15の所定の部分にピン26、26により、回動自在に結合されている。
【0015】
クロスヘッド17はボールネジ28の先端に、従来周知の態様で取り付けられており、このボールネジ28は型締ハウジング6の略中央部に明けられている透孔に挿通されている。型締ハウジング6には、ボールナット29が回転自在に設けられ、このボールナット29にボールネジ28が螺合している。このボールナット29は、軸方向の移動が規制された状態で型締ハウジング6に設けられているので、ボールナット29を回転駆動すると、ボールネジ28が軸方向に駆動され、クロスヘッド17が型閉じ方向あるいは型開き方向に駆動されることになる。ボールナット29には従動プーリ31が固着され、サーボモータ33の回転軸に設けられている駆動プーリ32と従動プーリ31は、ベルト34によって掛け回されている。そして、サーボモータ33は信号線S1によってコントローラ35に接続されている。従って、コントローラ35の指令によってサーボモータ33を駆動すると、ボールナット29が回転し、クロスヘッド17を駆動することができる。
【0016】
本実施の形態に係るトグル式型締装置2においては、固定盤5には固定盤5の振動を検出する加速度センサ36が設けられている。加速度センサは、光学式のタイプ、半導体式のタイプ、機械式のタイプ等が周知であり、いずれのタイプの加速度センサも採用することが可能であるが、本実施の形態においては、半導体式のタイプに属する静電容量型の加速度センサ36が設けられている。加速度センサ36は信号線S2によってコントローラ35に接続されているので、加速度センサ36で検出される振動の加速度、すなわち固定盤5の振動の加速度はコントローラ35に入力されることになる。
【0017】
本実施の形態に係るトグル式型締装置2の作用を説明する。型開状態、すなわ可動金型12が固定金型11から離間した状態においては、クロスヘッド17は、図1において左方に位置して、トグル機構10が折り畳まれている。型締工程を実施する。コントローラ35から指令を出力して、サーボモータ33を駆動する。そうすると、ボールナット29が回転してボールネジ28が軸方向に駆動され、クロスヘッド17は、図1において右方に駆動される。クロスヘッド17を右方に駆動すると、トグル機構10が押し広げられて可動盤8が右方に駆動される。クロスヘッド17の位置が右方に移動するに従って、可動金型12と固定金型11の型開量は小さくなる。さらにクロスヘッド17を駆動すると、可動金型12は固定金型11にタッチする。すなわち、固定金型11と可動金型12が型閉する。引き続きクロスヘッド17を右方に駆動すると、タイバ7、7、…が弾性的に伸びてタイバ7、7、…に張力が働き、可動金型12と固定金型11は所定の型締力で型締される。
【0018】
図2のグラフには、クロスヘッド17の各位置における、固定盤5の振動の振幅、もしくは固定盤5の振動の加速度の変化が示されている。可動金型12が固定金型11にタッチするまでは、符号41で示されているように固定盤5は、ほとんど振動しない。しかしながら、可動金型12が固定金型11にタッチすると、可動金型12と可動盤8の運動量が固定金型11と固定盤5に伝達されるので、タッチの直後に符号45で示されているように固定盤5は大きく振動する。グラフにおいて、可動金型12が固定金型11にタッチするときのクロスヘッド17の位置が、符号43で示されている。
【0019】
本実施の形態に係るトグル式型締装置2においては、型締工程において、可動金型12と固定金型11との型開量が所定の範囲にあるときに、固定盤5の振動を監視する。具体的には、型締工程において、可動金型12と固定金型11が所定の型開量に狭まったときに監視を開始して、可動金型12と固定金型11がタッチする直前に監視を停止する。図2のグラフには、監視を開始する型開量に対応するクロスヘッド17の位置が符号42で示されいる。つまり、クロスヘッド17の位置が、符号42から符号43の範囲で示される、いわゆる監視範囲にあるときに、固定盤5の振動を監視することになる。図1に示されているように、可動金型12と固定金型11との間に異物38が挟まれていると、図2のグラフにおいて符号46で示されているように、可動金型12が異物38を介して固定金型11にタッチするので、固定盤5は所定の振幅で振動する。これを加速度センサ36が計測する。計測された振動の振幅あるいは振動の加速度が予めコントローラ35に設定されているしきい値よりも大きいとき、固定金型11と可動金型12の間に異物が挟まっていると判断して、コントローラ35はサーボモータ33を停止する。すなわち、クロスヘッド17の駆動を停止して、型締工程を停止する。これにより、固定金型11と可動金型12は傷つかず、保護される。
【0020】
本実施の形態に係るトグル式型締装置2は色々な変形が可能である。例えば、加速度センサ36は固定盤5に設けられているように説明されているが、固定金型11に設けられていても同様に実施できる。また、所定のしきい値よりも大きい加速度の振動が検出されると、型締工程を停止するように説明されているが、所定のしきい値よりも大きい加速度が、所定の時間幅で続いたときに、型締工程を停止するようにしてもよい。このように実施すると、ノイズを拾ってしまい、金型に異物が挟まっていないにも拘わらず型締工程が停止するのを防ぐことが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本実施の形態に係るトグル式型締装置における金型の保護方法は、直圧式型締装置においても同様に実施することが可能である。すなわち、直圧式型締装置において、固定盤あるいは固定盤に取り付けられている固定金型に加速度センサを設けて、所定の型開位置から型閉位置までの間、検出される固定盤あるいは固定金型の振動を監視するようにすれば、同様に金型に異物が挟まったことを検出して、金型を保護することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 射出成形機 2 トグル式型締装置
3 射出装置 5 固定盤
6 型締ハウジング 7 タイバー
8 可動盤 10 トグル機構
11 固定金型 12 可動金型
17 クロスヘッド 28 ボールネジ
36 加速度センサ 35 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定金型が取り付けられる固定盤と、可動金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通し前記固定盤と前記型締ハウジングを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドを駆動することにより型開閉ができるようになっている金型において、
前記可動金型を前記固定金型に対して型閉して所定の型締力で型締するとき、前記可動金型が前記固定金型から所定量だけ離間した型開位置から前記可動金型が前記固定金型にタッチする型閉位置までの間、前記固定盤または前記固定金型の振動を監視して、所定のしきい値を超える加速度の振動を検出したら、型閉動作を停止する金型の保護方法。
【請求項2】
請求項1に記載の保護方法において、前記型開位置と前記型閉位置は、前記クロスヘッドの位置によって判断することを特徴とする金型の保護方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の保護方法において、前記振動の監視は前記固定盤または前記固定金型に設けた加速度センサによって実施することを特徴とする金型の保護方法。
【請求項4】
固定金型が取り付けられる固定盤と、可動金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通し前記固定盤と前記型締ハウジングを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドが駆動されると型開閉されるようになっているトグル式型締装置において、
前記固定盤または前記固定金型には加速度センサが設けられ、該加速度センサにより計測される前記固定盤または前記固定金型の加速度は、前記トグル機構を制御するコントローラに入力されるようになっており、
前記可動金型を前記固定金型に対して型閉して所定の型締力で型締する型締工程において、前記クロスヘッドが所定の型開位置から前記可動金型が前記固定金型にタッチする型閉位置まで駆動される間に、所定のしきい値を超える加速度が検出されたら、前記コントローラからの指令によって前記型締工程が停止されるようになっていることを特徴とするトグル式型締装置。
【請求項5】
請求項4に記載のトグル式型締装置を備えた電動射出成形機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−247410(P2010−247410A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98649(P2009−98649)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】